------------------------------------------------------------------------------- 詳細ルール(私訳第 2.4.3.0 版) -------------------------------------------------------------------------------  このルールに関して、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。 (このファイルの最後に詳細は記述してあります)  このファイルは、Stephen D'Angelo 氏のテキスト版 Complehensive Rulesを *ぱお*/米村 薫 が翻訳し、さらに2003年3月26日(英文更新)までの変更点を加筆・修正したものです。  このルールの英文は http://www.wizards.com/magic/MTG_Rules.asp に、翻訳文は http://judge.magic.asuka.net/data/CompRules_j.html にあります。  再配布は制限しませんが、この巻頭辞まで含めた完全な形でお願いいたします。  この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。 翻訳:CR翻訳グループ(*ぱお*、Vorspiel、ムリア、JFK、LANCER、鴨屋 真) Special thanks: I.C.A.、エリエル、ishan、九印、たかのを、あけぼの、みらこー ------------------------------------------------------------------------------- もくじ ------------------------------------------------------------------------------- はじめに 1. ゲーム 100. 原則 101. ゲームの始め方 102. 勝ちと負け 103. 黄金律 2. カード 200. 原則 201. カードの部分 202. 名前 203. マナ・コスト 204. 絵 205. タイプ 206. エキスパンション・シンボル 207. 文章欄 208. パワー/タフネス 209. クレジット 210. 権利表記 211. コレクター番号 212. カード・タイプ 213. 呪文タイプ 214. パーマネント・タイプ 215. レジェンドと伝説タイプ 216. トークン 217. 領域 3. ターン進行 300. 原則 301. 開始フェイズ 302. アンタップ・ステップ 303. アップキープ・ステップ 304. ドロー・ステップ 305. メイン・フェイズ 306. 戦闘フェイズ 307. 戦闘開始ステップ 308. 攻撃クリーチャー指定ステップ 309. ブロック・クリーチャー指定ステップ 310. 戦闘ダメージ・ステップ 311. 戦闘終了ステップ 312. 終了フェイズ 313. ターン終了ステップ 314. クリンナップ・ステップ 4. 呪文・能力と効果 400. 原則 401. 呪文 402. 能力 403. 起動型能力 404. 誘発型能力 405. 常在型能力 406. 能力のサブタイプ 407. 能力の追加・除去 408. 呪文や能力のタイミング 409. 呪文や起動型能力のプレイ 410. 誘発型能力の処理 411. マナ能力のプレイ 412. 常在型能力の処理 413. 呪文・能力の解決 414. 呪文・能力の打ち消し 415. 呪文・能力の修正 416. 効果 417. 単発的効果 418. 継続的効果 419. 置換・軽減効果 420. 状況起因効果 421. '無限'ループの処理 422. 不正な行動の処理 5. その他のルール 500. 適正な攻撃とブロック 501. 回避能力 502. キーワード能力 503. 呪文や能力のコピー 504. 裏向きの呪文やパーマネント 505. 分割カード 用語集 ------------------------------------------------------------------------------- マジック・ザ・ギャザリング 詳細ルール ------------------------------------------------------------------------------- はじめに  この冊子は、マジック・ザ・ギャザリング(R)の基本的なゲームを理解した人たちのために編集されている。初心者にとって、このルールはほとんどの場合、不必要で複雑なものである。このルールに書かれていることは、このゲームに関するルール・グルになるためのものであり、特殊な問題が生じたときか、あるいは競技プレイの間にしか必要ではないだろう。  気軽なプレイの時に、また、ほとんどの問題にあたっては、第7版入門セットの箱に入っている一般ルールブックで充分である(一般ルールブックの内容は、Wizards of the Coastのマジック・ルールのウェブサイト http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/rules.asp からダウンロードできる。なお、日本語版は ホビージャパン社のウェブサイト http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/rules/online6.html にある)。それ以上の詳細なルールを求めるのであれば、これ以降を読み進めるとよい。  この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。探しているものが見つからない場合、用語集を確認せよ。  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、ルールをいかに細かく定めたとしても、特定のカードの相互作用によって正確な解答が必要な状況があることは判っている。疑問がある場合、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に問い合わせて、その解答を得ることができる。連絡先はこのファイルの末尾に記されている。  問題の発生に応じて、またルールをできる限り新しく保つために、公開以降にも変更が加えられる可能性がある。公式ルールの現在の版は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のサイト内の http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/default.asp?x=magic/rules に公開されている。 1. ゲーム 100. 原則 100.1. このマジックのルールは、2人のプレイヤーによるゲームを仮定している。3人以上のプレイヤーによるゲームを可能にする選択ルールもあるが、それはここでは問題にしない。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のサイト内の http://www.wizards.com/magic/default.asp?x=magic/rules/multiplayer.asp で手に入れることができるハウス・ルールもある。 100.2. 構築環境でゲームをするにあたって、各プレイヤーは、60枚以上のカードからなるデッキ、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの現在値をはっきり示す方法、を必要とする。構築環境でのデッキは、任意の枚数の基本地形カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本地形以外のカードからなる。 100.3. シールド・デッキ、またはドラフト環境において、デッキには40枚以上のカードを必要とする。持っているかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。最新のマジック・DCIフロアルールは http://www.wizards.com/DCI/main.asp?x=UTR_Intro で手に入れることができる。 訳注:日本語版は http://judge.magic.asuka.net/data/ で公開されている。 100.4. デッキ・サイズに上限はない。 100.5. ほとんどのマジックのトーナメントには、(ここに含まれない)特殊ルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。マジック・DCIフロアルールを参照。 101. ゲームの始め方 101.1. ゲームを始めるとき、それぞれのプレイヤーは自分のデッキをシャッフルし、カードが不規則な順序になるようにする。その後、対戦相手のデッキをシャッフルすることができる。 101.2. デッキをシャッフルした後、どちらが先手後手を選ぶかを決める。その方法は相互に納得できる方法(コイン・フリップとか、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定権を持つ。 101.3. 先攻プレイヤーが決定された後、それぞれのプレイヤーはそのライフを20にし、そして7枚の手札を引く。 101.4. 先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 304〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。 101.5. 最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして6枚の新しい手札を引く。この行動をマリガンという。なお気に入らなければもう一度繰り返すことができ、このときは新しい手札は5枚になる。こうして、毎回1枚ずつ手札を減らして、0枚になるまでこの方法を繰り返すことができる。先攻のプレイヤーが手札を残すと決めた後で、後攻のプレイヤーはマリガンできる。両方のプレイヤーが手札に満足したら、先攻のプレイヤーのターンが始まる。 102. 勝ちと負け 102.1. プレイヤーのライフの合計が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき(状況起因効果として)ゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 102.2. ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときに(状況起因効果として)そのゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 102.3. 何らかのルールもしくはカードの効果によってプレイヤーが勝ち、あるいは負けたら、ゲームは即座に終わる。 102.4. 両方のプレイヤーが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。 102.5. プレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーは負けとなる。 102.6. ゲームが何らかのループを作り、それを止める方法がない場合、ゲームは引き分けとなる。但し、なんらかの選択肢のあるループは引き分けにはならない。 102.7. プレイヤーはいつでも投了できる。 102.8. プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは敗北する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 103. 黄金律 103.1. マジックの黄金律は、カードのテキストがルールに矛盾しているときは、カードが優先されるということである。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。カードの記述が不可能な行動を求めていた場合、それは無視される。(多くの場合、カードはこれの結果をはっきりさせる。そうでなければ、なんの効果ももたらさない) 103.2. 一方のカードに何かを「できる」と書かれており、他方のカードに同じことが「できない」と書かれていた場合、「できない」という効果が優先される。例えば、「このターンに、あなたは土地を1枚追加でプレイしてよい」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地カードをプレイすることはできない」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。カードに能力を与える効果とカードから能力を失わせる効果の相関については、このルールは適用されない。rule 407〔能力の追加・除去〕参照。 2. カード 200. 原則 200.1. ルールやカード・テキストに「カード」と記されていた場合、マジックのカードの表とマジックのカードの裏を持つマジックのカードを指す。Ungluedの、トークンを示すカードはルールの適用に関してはカードとしては扱わない。 201. カードの部分 201.1. カードには、名前、マナ・コスト、絵、タイプ、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワー、タフネス、クレジット、権利表記、コレクター番号と呼ばれる部分がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。 201.2. カード、呪文、パーマネントの特性とは、名前、マナ・コスト、色、タイプとサブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネスのことである。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、呪文やパーマネントのコントローラー、個別エンチャントが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。 202. 名前 202.1. カードの名前は、その左上隅に記されている。 202.2. カード・テキスト中にそのカードの名前が書かれていた場合、それはそのカードそのものだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のカードは示さない。また、カードが及ぼす効果や与える能力の中でカード名が使われている場合にも、その名前はその効果を発生させた、あるいは能力を与えた、カードのことだけを指す。 202.3. 英語名が同じなら、カードに記されている内容が違っていようとも同じカード名として扱う。 203. マナ・コスト 203.1. カードのマナ・コストはカードの右上隅に記されているマナ・シンボルで示される。トークンや土地は0マナのマナ・コストを持つ。カードのマナ・コストを支払う際には、色のついたマナ・シンボル全ての色や、不特定マナ・コストが正しくなければならない。 203.2. カードの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。例えば、マナ・コスト(2)(W)のカードは白であり、マナ・コストが(2)(W)(B)のカードは白でも黒でもある。コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないカードは無色である。マナ・コストの中に、5種類の色のうちで2種類以上の色のマナが含まれているカードは多色である。多色のカードは金色の背景で印刷されているが、背景が金色でなくても多色であることがありうる。 203.3. カードの、点数で見たマナ・コストは、マナ・コストに含まれるマナの量を色を気にせずに数えたものである(例えば、マナ・コスト(3)(U)(U)は、点数で見たマナ・コストに換算すると5になる)。点数で見たマナ・コストは不特定マナ・コストであり、呪文のマナ・コストとは関係なく、任意の色のマナと無色のマナの任意の組み合わせで支払うことができる。 203.4. カードのルール・テキストに記されている追加コストは、マナ・コストの一部ではない(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。 204. 絵 204.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行能力を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行能力を持たない。 205. タイプ 205.1. カードのタイプ(あるならばサブタイプも)は絵のすぐ下に記されている。(rule 212 から rule 215 参照) 206. エキスパンション・シンボル 206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、絵の右下に記されている。 206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおけるレアリティを示すものである。金色はレア、銀色はアンコモン、黒がコモンか基本地形である(エクソダスよりも古いセットでは、レアリティに関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった)。 206.3. ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックする。基本セットに収録されたカードは、基本セットのエキスパンション・シンボルを持つので、それらの再収録分は、元のセットのエキスパンション・シンボルを持って再収録されたのでない限り、元のセットのカードとはみなさない。第5版までの基本セットはエキスパンション・シンボルを持たない。 207. 文章欄 207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。ここには、そのカードが何をするのか、また、それをプレイするための必要な条件についてのルール・テキストが書かれている。 207.2. 文章欄には、そのカードに適用されるルールの注釈文(括弧でくくられ、斜体である)や、斜体で書かれた、ゲームには関係しないがゲームの雰囲気をよくするためのフレイバー・テキストを含むこともある。 208. パワー/タフネス 208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた二つの数字が記されている。一つめの数字はクリーチャーのパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、二つめの数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのクリーチャーが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって変更されることがありうる。 208.2. クリーチャーの中には、パワーもしくはタフネスとして * の値を取るものがある。* とは、文章欄の中で定義されている値である。そのクリーチャー・カードが場にある限り、パワーもしくはタフネスは * の値が実際にカードに書かれているのと同じように扱う。カードが場に出ていない場合、* は0として扱う。 209. クレジット 209.1. カードの絵のクレジット表記は、文章欄のすぐ下に記されている。ゲームには影響しない。 210. 権利表記 210.1. 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。ゲームには影響しない。これはカードの一番下に記されている。 211. コレクター番号 211.1. いくつかのカード・セットにはコレクター番号がふられている。この情報は[カード番号/セットに含まれるカードの総数]という形で記されており、権利表記のすぐあとにある。この番号はゲームには影響しない。 212. カード・タイプ 212.1. 全てのカードは一つ以上のカード・タイプに分類される。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、土地、ソーサリー。複数のタイプを持つものは、現在のところ一種類(アーティファクト・クリーチャー)しか存在しない。アーティファクト・クリーチャーはアーティファクト・カードかクリーチャー・カードのいずれに影響を及ぼす効果の影響も受ける。カード・タイプは絵の下に表記されている。 212.2. いくつかのカード・タイプにはサブタイプがあり、同じ行に書かれている。クリーチャー(またはアーティファクト・クリーチャー)のサブタイプは、そのカード・タイプの後にダッシュに続いて書かれている。エンチャントのサブタイプは、例えば「エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature」、「エンチャント(アーティファクト)/Enchant Artifact」のように、「エンチャント/Enchant」という語と、その後に続く語(日本語版の場合、かっこの中身)からなる。土地のサブタイプは、カード・タイプの行には記述されない。 212.2a クリーチャーのサブタイプは必ず1語であり、「クリーチャー」という語のあとに、長いダッシュに続いて並べられている。例えば「クリーチャー - ミノタウルス/Creature - Minotaur」「アーティファクト・クリーチャー - ゴーレム・レジェンド/Artifact Creature - Golem Legend」などである。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる一語ずつである。クリーチャー・カードには複数のクリーチャー・タイプがあることもありうる。 例:「クリーチャー - ミノタウルス/Creature - Minotaur」は、そのカードがクリーチャーであり、そのサブタイプがミノタウルスであることを示している。「クリーチャー - ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」は、カードがクリーチャーであり、クリーチャー・タイプはゴブリンでもウィザードでもあることを示している。 212.2b エンチャントのサブタイプは、「エンチャント」の語と、その後に続く語(訳注:日本語版の場合、かっこの中身)からなる。例えば「エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature」「エンチャント(土地)/Enchant Land」等である(但し、「エンチャント(ワールド)/Enchant World」はタイプやサブタイプではなく、昔のセットに存在したエンチャントの特別な分類である)。カード・タイプが「エンチャント(場)/Enchantment」であるカードは、サブタイプを持たない。何に対して適正にエンチャントできるかを示すのがエンチャントのサブタイプである。「個別エンチャント/local enchantment」「全体エンチャント/global enchantment」はタイプでもサブタイプでもなく、エンチャントの分類である。(rule 214.8〔エンチャント〕参照) 212.2c 土地のサブタイプは「土地タイプ」とも呼ばれ、土地カードの名前と同じで、タイプの記入された行には記されていない。《島/Island》のカードの土地タイプは「島/Island」であり、《カープルーザンの森/Karplusan Forest》のカードの土地タイプは「カープルーザンの森/Karplusan Forest」である(これは「森/Forest」ではないし、基本地形としても扱われない)。基本地形タイプを持つ土地は、その土地タイプであることによる能力を得る(rule 214.9e 参照)。「基本地形/basic land」「特殊地形/nonbasic land」はタイプでもサブタイプでもなく、単に土地の分類である。 212.2d アーティファクト、インスタント、ソーサリーにはサブタイプは存在しない。 213. 呪文タイプ 213.1. 土地を除く全てのカードは、プレイされている間(rule 409.1a から rule 409.1f 参照)とスタックにある間は呪文である。その後、解決されるか打ち消されるまでは呪文であり続ける。(rule 401〔呪文〕参照) 213.2. 呪文のタイプは、その呪文のカード・タイプと同じである。呪文のサブタイプは、そのカードのサブタイプと同じである。 214. パーマネント・タイプ 214.1. パーマネントとは、場に存在するカードやトークンのことである。パーマネントは何らかの効果やルールによって他の領域に動かされるまで場に残る。パーマネントにはアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地という4つのタイプがある。インスタントやソーサリー・カードが場に出ることはない。 214.2. パーマネントのタイプとサブタイプは、カードに書かれているものと同じである。トークンのタイプやサブタイプは、それを作り出した呪文や能力によって定義される。 214.3. カードは場に出たときにパーマネントとなり、場を離れたときにパーマネントでなくなる。「カード/card」という語は、プレイヤーの手札にあるクリーチャー・カード、といったように場に出ていないカードを指すために用いられることがある。また、「呪文/spell」という語は、スタックにあるカードを指すために用いられることがある。「呪文カード」という表記は、場に出ていない、土地カードでないカードを指すために用いられる。(rule 217〔領域〕参照) 214.4. パーマネントのタイプ、あるいはサブタイプが変わったとき、今までのタイプは新しいタイプに置き換えられる。この変更は、パーマネント・タイプだけを変更し、カード・タイプは変更しない。カウンター、効果、あるいは既に与えられているダメージは、意味はなくなるにせよ、そのまま残る。 214.4a パーマネントのタイプやサブタイプを変更する効果のうち、以前のタイプやサブタイプを残すと明記されているものについては、残すと記されているタイプだけが残り、それ以外のタイプをそのパーマネントが持っていた場合にはそれらは失われる。 例:「全ての土地は、同時に土地でもある 1/1 クリーチャーとなる」という能力があった場合、これの影響を受けた土地は、クリーチャーと土地の二つのタイプを持つ。それ以前にアーティファクトでもあった場合、その土地は「土地・クリーチャー」であり、「アーティファクト・土地・クリーチャー」にはならない。その効果は、土地というタイプを保存するが、アーティファクトというタイプは除去する。 214.4b パーマネントのタイプが変更になった場合、その古い(失われた)パーマネント・タイプのサブタイプは存在しなくなる。サブタイプは、カードのパーマネント・タイプが変わっている限りずっと完全に見えなくなる。このルールは、パーマネントのタイプが変わってもそのレジェンド性は失われない、というルールを上書きすることはない(rule 215.2 参照)。 214.5. パーマネントの特性の初期値は、カードに記されている値か、またはトークンを作ったりパーマネント・タイプを変更したりする呪文や能力によって定められた値である。タイプを変更する能力を使うことで、その能力のテキストに書かれている特性の初期値が変更される。特性の初期値を変更することは、特性を変更している継続的効果を上書きはしない。特性を変更させるタイプ変更能力は、そのテキストに書かれている特性の初期値を変更する。タイプを変化させない永続的効果は、パーマネントの特性の現在値を変更させ、タイプ変更能力による変化を上書きする。 例:プレイヤーが「(2):このパーマネントは 3/2のアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトの能力をプレイした後、同じターンのうちに「クリーチャー1体を対象とする。それは0/2になる」という能力の影響を受けた場合、この時点でもう一度そのアーティファクトの能力を使っても意味はない。タイプを変更する能力は、その特性の初期値を変更するのであり、他の効果を上書きすることはできない。従って、そのアーティファクト・クリーチャーはやはり0/2のままである。 214.6. アーティファクト 214.6a アーティファクト・タイプに特有の特性は存在しない。アーティファクト呪文のマナ・コストには色マナが含まれていないので、アーティファクト呪文と、それによって生成されるパーマネントは無色である。但し、何らかの効果によってアーティファクト呪文やアーティファクトが色を持つことはありうる。 214.6b アーティファクト・クリーチャーはクリーチャーとアーティファクトのそれぞれが持つ特性を兼ね備えており、いずれかあるいは両方に影響を及ぼす呪文や能力の影響を受ける。 214.7. クリーチャー 214.7a カードの指示により、クリーチャーのサブタイプを選ぶことが要求されたなら、存在するクリーチャー・タイプの中から1つ選ばなければならない。 例:マーフォーク、あるいはウィザードという選択には問題はない。しかし、マーフォーク・ウィザードは不正である。また、「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」といった類の単語は、存在するクリーチャー・タイプではないので選択できない。 214.7b クリーチャー・タイプの決定に際しては、Oracleを使用する。Oracleは、http://www.wizards.com/dci/main.asp?x=oracle で取得できる。 214.7c プレイヤーがクリーチャーのコントロールを得てから、次のそのプレイヤーのターン開始時までは、起動コストにタップ・シンボルを含むクリーチャーの起動型能力をプレイしたり攻撃に参加したりすることはできない。速攻能力を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 502.5 参照)。 214.8. エンチャント 214.8a 全体エンチャントは「エンチャント」というタイプを持つ。個別エンチャントはさまざまなサブタイプに分類され、それぞれ「エンチャント(アーティファクト)/Enchant Artifact」「エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature」「エンチャント(エンチャント)/Enchant Enchantment」「エンチャント(土地)/Enchant Land」「エンチャント(パーマネント)/Enchant Permanent」と呼ばれる。 214.8b 全体エンチャントは、パーマネントを作る他の呪文と同じように、それを生成する呪文のコントローラーの側で場に出る。 214.8c 個別エンチャント呪文は、エンチャントのサブタイプで示されるタイプの対象を必要とする。その呪文によって場に出される個別エンチャントはそのタイプのパーマネントに付けられねばならず、その呪文が対象としていたパーマネントにつけて場に出される。対象の選択に関する追加の制限は、「[カード名]は[特定の特性を持つパーマネント]しかエンチャントできない/[カード名] can enchant only a [特定の特性を持つパーマネント]」という類の表記で現される。これらの制限は呪文をプレイするときに適用され、場に出されるパーマネントが何をエンチャント出来るかという制限にもなる。同様の制限は、エンチャントされるパーマネントの方にも存在しうる。例えば、パーマネントは「[カード名]は[特定の特性を持つ個別エンチャント]にエンチャントされない/[カード名] can't be enchanted by [特定の特性を持つ個別エンチャント]」という能力を持つことがあり得る(rule 420.5d 及び rule 214.8g 参照)。 214.8d 個別エンチャント呪文をプレイするとき、プレイヤーは呪文の対象を宣言する。その個別エンチャントは、対象のパーマネントについて場に出る。他の方法で個別エンチャントが場に出るとき、それを場に出そうとしたプレイヤーが、「それが場に出るに際して/as it comes into play」パーマネントを選ぶ。その場合、エンチャントはそのパーマネントを対象には取らないが、プレイヤーは適正にエンチャント出来るパーマネントを選ばなければならない。適正なパーマネントがなければ、そのエンチャントは場に出る代わりに、移動しようとした元の領域にそのまま残る。同じルールが、個別エンチャントをあるパーマネントから他のパーマネントへ移動させるときにも適用される。エンチャントを移動させる先のパーマネントは、そのエンチャントによってエンチャントされることができなければならない。それが不正であれば、そのエンチャントは移動しない。 214.8e 個別エンチャントが不正なパーマネント上にエンチャントされていたり、あるいはエンチャントされているパーマネントがすでに存在しなくなっていれば、エンチャント・カードはそのオーナーの墓地に置かれる(不正な個別エンチャントが墓地に行くのは状況起因効果である。rule 420〔状況起因効果〕参照)。 214.8f 個別エンチャントはそれ自身にはつけることができない。何らかの理由でそうなった場合、その個別エンチャントは状況起因効果でそのオーナーの墓地に置かれる(rule 420.5d 参照)。 214.8g 個別エンチャントのつけられているパーマネントのことを、「エンチャントされている」という。そのエンチャントはそのパーマネントを「エンチャントしている」、あるいはそのパーマネントに「ついている」という言い方をする。。 214.8h 個別エンチャントの能力は、その能力がそれを対象にすると明記されていない限り、それがエンチャントしているパーマネントを対象にはしない。エンチャント呪文はエンチャントしようとする呪文を対象に取るが、解決された後で場に出たエンチャントがエンチャントされたパーマネントを対象にとり続けるわけではない。あるパーマネントが一般に、あるいは特定の特性を持つエンチャントによって「エンチャントされない」場合には、その類のエンチャントになる呪文の対象になることもない。 214.8i 個別エンチャントのコントローラーは、そのエンチャントされているパーマネントのコントローラーとは無関係であり、同じである必要はない。パーマネントのコントロールが変化しても、エンチャントのコントロールは変化しないし、逆も同じである。エンチャントのコントローラーだけがその能力を使うことができる。しかし、エンチャントがそれのエンチャントしているパーマネントに何らかの能力を与える場合には、エンチャントされているパーマネントのコントローラーだけがその能力を使うことができる。 214.8k エンチャント(ワールド)・カードは全体エンチャントである。 214.9. 土地 214.9a 土地カードは呪文カードではないし、呪文になることもない。プレイヤーが土地カードをプレイしたとき、それは単に場に出される。土地カードはスタックに積まれないので、プレイヤーはこれに対応してインスタントや起動型能力をプレイすることはできない。 214.9b プレイヤーは通常、各ターンに1枚だけ、メイン・フェイズの間でスタックが空のときに限り、土地カードをプレイすることができる。呪文や能力によって追加の土地をプレイすることが可能になることがある。こうした場合にも、通常の、土地を場に出す行動を取ることはできる。土地をプレイするに際し、プレイヤーは、それが通常の土地のプレイかそうでないのかを宣言する必要がある。通常の土地のプレイでない場合には、どの効果によってその土地のプレイが認められるのかを特定しなければならない。土地を場に「出す/put」ことができる呪文や能力が存在する。これは土地のプレイとは違うので、通常の土地のプレイが1枚限りだという制限の上では考慮されない。 214.9c 土地カードは2種類に分類できる。基本地形と、特殊地形である。基本地形かどうかはタイプでもサブタイプでもない。 214.9d 基本地形タイプとは、「平地/Plains」、「島/Island」、「沼/Swamp」、「山/Mountain」、「森/Forest」である。これらの名前を持つ土地は、基本地形と呼ばれる。それ以外の土地でも、これらの基本地形タイプを持つものが存在する。基本地形タイプを持つ土地が基本地形であるとは限らない。さらに、基本地形タイプ一つだけを持つ土地の名前は、その基本地形タイプと同じ単語になる。 例:《Taiga》は、文章欄に以下のテキストを持つ土地である。「Taiga は、その本来の土地タイプに加えて、山でも森でもある。」《Taiga》は、基本地形タイプを2つ持つが、基本地形ではない。なぜなら、(a)名前が基本地形の名前と異なり、(b)基本地形であると書かれていないからである。 214.9e 基本地形タイプを持つ土地には、色つきのマナを出す本来の能力がある(rule 406.1〔マナ能力〕参照)。そのカードは、文章欄に「(T):あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」と書かれているかのように扱う。「平地/plains」は白、「島/island」は青、「沼/swamp」は黒、「山/mountain」は赤、「森/forest」は緑のマナを出す。 214.9f 何らかの効果によってパーマネントが基本地形になった場合、そのパーマネントは以前の土地タイプを失い、その基本地形のマナ能力だけを持つ。それは基本地形であり、その名前はその基本地形タイプと同じ単語になる。それが「伝説の」パーマネントであったとしても、その性質も失われる。なお、このルールは土地タイプを本来のものに加えて得させるという類の効果には適用されない。 214.9g 基本地形でない土地は、特殊地形である。基本地形か特殊地形かはタイプではなく、単なる分類である。 214.9h 基本地形、あるいは複数の基本地形タイプを持つ土地と異なり、特殊地形は、マナ能力を持たない場合もある。 215. レジェンドと伝説タイプ 215.1. 「レジェンド/Legend」「伝説の/Legendary」という語が、カードタイプやサブタイプに含まれる場合がある。これは、そのカードが場に出たときに、そのパーマネントが、そのタイプのルールだけでなくレジェンド・ルールにも則って生成されるということを示す(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 215.2. 「レジェンド」はクリーチャー・タイプである。「伝説の」はそうではない。もしクリーチャー以外で伝説性を持つパーマネントがクリーチャーになったら、クリーチャーである限りレジェンドである。クリーチャー・タイプ「レジェンド」のパーマネントがクリーチャーでなくなったら、そのパーマネントは伝説性を持つ。 215.3. 何らかの効果によりレジェンドでないクリーチャーがレジェンドになった後で、そのクリーチャーがエンチャントなど他のパーマネント・タイプになって、クリーチャーではなくなった場合、その効果が適用されなくなるので、その結果のパーマネントは伝説性を失う。 216. トークン 216.1. 呪文や能力の中には、トークン・クリーチャーを場に出すものがある。トークンのオーナーはそれを場に出した呪文や能力のコントローラーであり、コントローラーはトークンを場に出したプレイヤーである。呪文や能力のルール・テキストによって、生成されるトークンの特性のいくつかは定められる。それらはトークンの特性の初期値となる。トークンを生成した能力によって定められていない特性は存在しない。トークンのクリーチャー・タイプは、その名前と同じである。例えば、ゴブリン・トークンの名前はゴブリンであり、クリーチャー・タイプはゴブリンである。トークンの名前が二語以上の単語であった場合、そのそれぞれの単語がクリーチャー・タイプとなる。例えば、ゴブリン・斥候・トークンはゴブリン・斥候という名前であり、クリーチャー・タイプはゴブリンと斥候の二つとなる。トークンが場に出た後では、名前が変わってもクリーチャー・タイプは変わらない。その逆も同じである。 216.2. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのタイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(それが他のゲームやアングルードのトークン・カードであっても)カードとしては扱われず、特に「カード」という語を用いている効果の影響を受けない。 216.3. 場以外の領域に存在するトークンは、存在しなくなる。これは状況起因効果である(トークンが消滅する前に、領域を変更することによる誘発型能力は発生する)。一度トークンが場を離れたら、それは二度と戻ってくることはない。 217. 領域 217.1. 領域は、マジックのカードがゲーム中に存在しうる場所である。ライブラリー、手札、墓地、場、スタック、ゲーム外と呼ばれる、6つの基本的な領域があり、それぞれのプレイヤーにそれぞれの領域が存在する。但し、場とスタックは共用される。 217.1a カードが、そのオーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、その代わりにそのオーナーの対応する領域に行く。インスタントやソーサリーのカードが場に出る場合、その代わりに、そのカードはその元いた領域に残る。 217.1b ライブラリー、墓地、スタックにあるカードの順番は、何らかの効果がそれを認めない限り、並べ替えることはできない。他の領域にあるカードは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップしているかどうか、何にエンチャントしているかは両方のプレイヤーに明白でなければならない。 217.1c ある領域から他の領域に移動したカードは、新しいカードとして扱われる。以前の領域に関連した効果は失われる。このルールには2つの例外がある。スタックに積まれている呪文の特性を変更する効果は、その呪文によって生成されるパーマネントにも適用され続ける。また、カードがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「《怨恨/Rancor》が場から墓地に置かれたとき」など)は、新しい領域に存在するそのカードを見つけることができる。 217.1d カードやパーマネントがある領域から他の領域に移動する時、まずどのイベントがそのカードを動かすのかを決定し、その後で、そのイベントに対する置換効果を適用する。その効果が二つ以上の矛盾することをさせようとしていた場合、そのカードやパーマネントのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、その効果がどう働くかを決める。最後に、イベントが、カードやパーマネントを動かす。 217.2. ライブラリー 217.2a ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。 217.2b それぞれのライブラリーは、一つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーを覗いたり、その順序を変化させてはならない。 217.2c プレイヤーはいつでも、それぞれのプレイヤーのライブラリーの残り枚数を数えることができる。 217.2d 同時に複数枚のカードを同じライブラリーの上または下に置く効果に関して、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置かれたのかを公開する必要はない。 217.2e プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイするように指示するカードがある。呪文や能力の宣言中に一番上のカードが変化した場合には、その宣言が全て終わるまで、新しいカードは公開されない。 217.3. 手札 217.3a 手札は、プレイヤーが引き、まだプレイしていないカードを持っておく場所である。 217.3b それぞれのプレイヤーに手札の最大枚数が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップの行動として最大枚数を越える手札を捨てなければならない。 217.3c プレイヤーはその手札を便利なように並べ、そして好きなだけ見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、それぞれのプレイヤーの手札の枚数を数えることはいつでもできる。 217.4. 墓地 217.4a 墓地は捨て札の束とも呼ばれる。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたカード、ならびに解決が終わったインスタントやソーサリーはそのオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。 217.4b それぞれの墓地は、一つの、表向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。 217.4c 何らかの効果によって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決める。 217.5. 場 217.5a プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは場である。場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールする(他のプレイヤーのパーマネント上の個別エンチャント以外の)パーマネントは、そのプレイヤーの前に置かれる。 217.5b カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は場にのみ影響を与え、また、場にあるものだけを考慮する。パーマネントは場にのみ存在する。呪文や能力が(a)プレイヤーや他の領域にあるカードを対象に出来ると書かれているか、(b)呪文のように場に存在できないものに影響を及ぼすものでない限り、パーマネントだけが呪文や能力の適正な対象である。 217.5c カードが場に入ったとき、それは新しいパーマネントとして扱い、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは無関係となる。(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕参照) 217.5d 場にないカードは場になく、タップとかアンタップとかは考えない。場に出ているかスタックに積まれているカードにしかコントローラーは存在しない。 217.6. スタック 217.6a 呪文や能力がプレイされたとき、それはスタックの一番上に積まれ、解決を待つ。スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕及び rule 409.1 参照) 217.6b 呪文がプレイされると、そのカードはスタックに表向きに積まれる。それに対応してプレイされた他の呪文は、その上に積まれる。スタックに積まれた能力は、擬呪文と呼ばれる架空のカードによって表現される。起動型能力や誘発型能力の擬呪文は、それを作り出した能力のテキストを持つ。起動型能力の擬呪文のコントローラーは、その能力をプレイしたプレイヤーである。誘発型能力の擬呪文のコントローラーは、能力が誘発したときの発生源のコントローラーである。 217.6c 両方のプレイヤーがパスしたとき、一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。両方のプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。 217.7. ゲーム外 217.7a 何らかの効果によって、カードがゲーム外に置かれることがある。効果の中には、それを場に戻す方法が用意されているものがあり、「脇に置く/set aside」という語を使っている。こうして脇に置かれたカードは、一時的にせよ、ゲーム外に置かれている。 217.7b ゲーム外領域にあるカードは表向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きでゲーム外に置かれている」カードは、説明によって許可されない限りは公開されない。 217.7c 場に戻ってくるべきカードは、戻る方法によって別々の束にしておくべきである。戻ってくる方法のないカードは、どうやって除外されたにせよ、それぞれのプレイヤーごとにひとまとめにしておけばよい。 217.8. フェイズ・アウト 217.8a フェイズ・アウトしたパーマネントは、フェイズ・アウト領域に置かれる(rule 502.15〔フェイジング〕参照) 217.8b フェイズ・アウト領域にあるカードは、いつでも両方のプレイヤーが確認できる。 217.8c フェイズ・アウトしたカードは、タップ状態でもアンタップ状態でもなく、誰にもコントロールされていない。しかしながら、この領域にあるカードはその以前の状態を「覚えて」おり、場を離れたときと同じ状態で場に戻る(rule 502.15〔フェイジング〕参照)。これは rule 217.5c の例外である。 217.8d フェイズ・アウト領域に行ったトークンは消滅する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。それらのトークンについていた個別エンチャントは、ゲームの残りの期間、フェイズ・アウトしたままになる。 217.9. アンティ 217.9a マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他のルールで禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCI汎用トーナメント・ルールの下では厳しく禁止されている。 217.9b アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ領域に置く。アンティ領域にあるカードは、いつでも両方のプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者は両プレイヤーのアンティ領域にあるカードの所有権を得る。 217.9c 「アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [このカード] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この文章は能力ではない。この類のカードは、プレイヤーのアンティ領域にあるカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりするものである。 3. ターン進行 300. 原則 300.1. ターンは順に開始フェイズ、戦闘前メイン・フェイズ、戦闘フェイズ、戦闘後メイン・フェイズ、終了フェイズの5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズは順番に処理されるステップに細分化される。 300.2. フェイズやステップは、スタックが空で、かつ両方のプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。ターン間、フェイズ間、ステップ間には何も起こらない。(スタックが空になったということと、フェイズやステップが終わるということは別である。スタックが空になった後、両方のプレイヤーがパスしなければならない。言い換えると、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会が与えられるということである。) 300.3. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」の効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」の効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップ開始時ではない。「ターン終了時まで」続く効果は、特別なルールが適用される(rule 314.1b 参照)。 300.4. (ステップではなく)フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。こうして失われた1マナごとに、そのプレイヤーは1ライフを失う。これをマナ・バーンという。マナ・バーンはライフの喪失であってダメージではないので、ダメージに影響を及ぼす効果によって軽減したり他のものに置換えることはできない。(rule 406.1〔マナ能力〕参照) 300.5. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「最初に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力がスタックに加えられる。 300.6. 呪文や能力によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを現在のターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加ターンを得たり、複数のプレイヤーが追加のターンを得たりする場合、その追加ターンは1つずつ追加される。そして、もっとも最近に作られたターンがもっとも最初に処理される。 301. 開始フェイズ 301.1. 開始フェイズは順にアンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップの3つのステップからなる。 302. アンタップ・ステップ 302.1. アクティブ・プレイヤーが、そのコントロールするパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し(通常はすべてアンタップされるが、効果によって変更されることもある)、それらを同時にアンタップする。効果によって、プレイヤーがコントロールするパーマネントが通常どおりにアンタップすることが妨げられることもある。 302.2. アンタップ・ステップの間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文や能力はプレイされないし、解決されもしない。このステップ中に誘発した能力は、アップキープ・ステップ中にプレイヤーが優先権を得るまでそのままである。(rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照) 302.3. プレイヤーが自分のパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのパーマネントはフェイズ・アウトし、それと同時に、フェイズ・アウトした時点でそのプレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウト状態のすべてのパーマネントがフェイズ・インする。(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕, rule 502.15〔フェイジング〕参照) 303. アップキープ・ステップ 303.1. アップキープ・ステップの開始に際し、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力と、そのターンのアンタップ・ステップに誘発していた能力を全てスタックに積む(rule 404〔誘発型能力〕参照)。それらの能力がすべてスタックに積まれた後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。その後で、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 304. ドロー・ステップ 304.1. ドロー・ステップの開始に際し、そのドロー・ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積む。(rule 404〔誘発型能力〕参照)その後、ドロー・ステップの行動 - アクティブ・プレイヤーがカードを1枚引く - をスタックに積む。この行動は誘発型能力であるが、どのプレイヤーによってもコントロールされない。これは単に、そのドロー・ステップ開始時に誘発する、すべてのプレイヤーがコントロールするすべての能力の一番上のスタックに積む。その後で、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 305. メイン・フェイズ 305.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。戦闘前メイン・フェイズ(または第1メイン・フェイズ)と戦闘後メイン・フェイズ(または第2メイン・フェイズ)は、戦闘フェイズ(rule 306〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られており、戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ぶこともある。 305.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに両方のプレイヤーがパスしたときにメイン・フェイズが終了する。 305.3. メイン・フェイズの開始に際し、そのメイン・フェイズの開始時に誘発する能力をスタックに積む。(rule 404〔誘発型能力〕参照)その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。(通常、このフェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文、ソーサリー呪文をプレイできる。アクティブ・プレイヤーだけがこれらの呪文をプレイできる。) 305.4. アクティブ・プレイヤーは、どちらかのメイン・フェイズの間に、自分が優先権を持ち、スタックが空であり、そしてまだこのターンに土地を手札からプレイしていないときに限り、土地を1枚だけ手札からプレイすることができる(rule 214.9〔土地〕参照)。この行動はスタックに積まれず、いかなる種類の呪文や能力でもない。この行動は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。 306. 戦闘フェイズ 306.1. 戦闘フェイズは5つのステップからなり、それらは戦闘開始ステップ、攻撃クリーチャー指定ステップ、ブロック・クリーチャー指定ステップ、戦闘ダメージ・ステップ、戦闘終了ステップの順番で進んでいく。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、クリーチャーが1体も攻撃クリーチャーとして指定されなかった場合には飛ばされる(rule 308.4 参照)。 306.2. クリーチャーは、(破壊されたりゲームから取り除かれたりして、あらゆる手段で場を離れた結果)それがクリーチャーでなくなるか、再生するか(rule 419.6b 参照)、あるいはコントローラーが変わったときに戦闘から取り除かれる。「戦闘から取り除かれる」と、攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャー、ブロックされたクリーチャー、ブロックされていないクリーチャーのいずれでもなくなる。一旦クリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして宣言されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力によって戦闘から取り除かれることはない。すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことはできず、戦闘ダメージは通常通り与えられる。 307. 戦闘開始ステップ 307.1. このステップの開始に際し、(存在するならば)誘発型能力がスタックに加えられ、その後でアクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。 308. 攻撃クリーチャー指定ステップ 308.1. アクティブ・プレイヤーは(攻撃するなら)自分がコントロールするクリーチャーが攻撃することを宣言する。クリーチャーだけが攻撃に参加することができ、(攻撃に参加してもタップしないものであっても)タップ状態のクリーチャー、壁、またはアクティブ・プレイヤーがそのターンの開始時から続けてコントロールしていないクリーチャーは攻撃に参加できない。この宣言は同時であり、順に行なうわけではない。また、スタックにも積まれない。この行動中に誘発した誘発型能力は、プレイヤーが優先権を得るまで処理されない。 308.2. アクティブ・プレイヤーは攻撃が適正かどうかを決定する(5章〔その他のルール〕参照)。適正であれば、そのプレイヤーは攻撃に参加するクリーチャーをすべてタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップすることはコストではない。単に、攻撃に参加することによってクリーチャーがタップされるだけである。その後で、プレイヤーは必要なコストをすべて支払う(rule 409.1f 参照)。アクティブ・プレイヤーは、攻撃コストにマナの支払いが含まれている場合に限り、ここでマナ能力をプレイすることができる。 308.3. 宣言しようとした攻撃が不正であったり、あるいはアクティブ・プレイヤーが必要なコストをすべて支払うことができなかったりした場合、rule 308.1 および rule 308.2 によって行なわれた行動は全て取り消される。その後、アクティブ・プレイヤーはもう一度攻撃に参加するクリーチャーを指定する(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)。 308.4. 攻撃クリーチャーが指定されなかった場合、戦闘終了ステップに直接移行し、攻撃クリーチャー指定ステップの残りと、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。 308.5. 適正な攻撃の一部として選択され、攻撃コストが全て支払われ、なおかつそのクリーチャーがアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、クリーチャーは攻撃クリーチャーとなる。この場合、戦闘フェイズが終わるか、または戦闘から取り除かれるまで、攻撃クリーチャーであり続ける。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーは、1体以上のクリーチャーが攻撃クリーチャーである場合、そのターン、「攻撃されている」として扱う。 308.5a あるクリーチャーがその戦闘フェイズにおいて攻撃クリーチャーとして指定された唯一のクリーチャーである場合、それを「単独で攻撃に参加する/attack alone」と言う。 308.6. 適正な攻撃が宣言され、すべての必要なコストが支払われた後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。 309. ブロック・クリーチャー指定ステップ 309.1. 防御側プレイヤーは、そのコントロールしているクリーチャーでブロックするかどうか、またブロックするならばそれぞれどの攻撃クリーチャーをブロックするかを宣言する。クリーチャー以外のパーマネントや、タップされているクリーチャーはブロック・クリーチャーとして指定できない。それぞれのクリーチャーは各1体の攻撃クリーチャーしかブロックできないが、複数のクリーチャーで1体の攻撃クリーチャーをブロックすることはできる(ブロックしてもタップされないことに注意)。この宣言は1体ずつではなく全て同時に行われ、スタックには積まれない。この行動の間に発生した誘発型能力は、プレイヤーが優先権を得るまで処理されない。 309.2. 防御側プレイヤーは、ブロックが適正かどうかを決定する(5章〔その他のルール〕参照)。適正であれば、そのプレイヤーは必要なコストをすべて支払う。防御側プレイヤーはブロック・コストにマナの支払いが含まれている場合に限り、ここでマナ能力をプレイすることができる。 309.3. 宣言しようとしたブロックが不正であったり、あるいは防御側プレイヤーが必要なコストをすべて支払うことができなかったりした場合、rule 309.1 および rule 309.2 によって行なわれた行動は全て取り消される。その後、防御側プレイヤーはもう一度ブロック・クリーチャーを宣言する。(rule 422〔不正な行動の処理〕参照) 309.4. 適正なブロックの一部として選択され、ブロック・コストが全て支払われ、なおかつそのクリーチャーが防御側プレイヤーによってコントロールされている場合、クリーチャーはブロック・クリーチャーとなる。1体以上のクリーチャーがブロック・クリーチャーとして宣言された攻撃クリーチャーは、「ブロックされたクリーチャー」となる。ブロック・クリーチャーが存在しない攻撃クリーチャーは、「ブロックされていないクリーチャー」となる。これらのクリーチャーの状態は、そのクリーチャーが戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまでは変化しない。 309.4a あるクリーチャーがその戦闘フェイズにおいてブロック・クリーチャーとして指定された唯一のクリーチャーである場合、それを「単独でブロックに参加している/blocking alone」と言う。 309.5. 全ての適正なブロックが宣言され、全ての必要なコストが支払われた後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。 310. 戦闘ダメージ・ステップ 310.1. まずアクティブ・プレイヤーが、攻撃クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを宣言し、その後で防御側プレイヤーがブロック・クリーチャーのダメージの割り振りを宣言する(rule 502.2〔先制攻撃〕も参照)。各プレイヤーは、以下の制限に従ってクリーチャーの戦闘ダメージを割り振ることができる。 310.1a 攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャーはそれぞれ、そのパワーに等しい戦闘ダメージを与える。 310.1b ブロックされていないクリーチャーは、防御側プレイヤーに全ての戦闘ダメージを与える。 310.1c ブロックされているクリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それをブロックしているクリーチャーにダメージを割り振って与える。(例えば破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)ブロックしているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振ることはない。 310.1d ブロック・クリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それにブロックされている攻撃クリーチャーに戦闘ダメージを割り振る(分数は不可)。(例えば、破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)現時点でブロックされているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振ることはない。 310.2. 戦闘ダメージの割り振りは、全てが単一の擬呪文であるかのようにスタックに積まれる。その後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。 310.3. 戦闘ダメージの割り振りはスタックに積まれるが、呪文や能力ではないので、打ち消されることはない。 310.4. 戦闘ダメージは、擬呪文であるかのように扱われる。つまり、戦闘ダメージの割り振りはスタックに積まれたときに決定され、解決時に、ダメージを与えるクリーチャーが既に場を離れていたり、あるいはそのパワーが変化していたり、ダメージを受けるべきクリーチャーが戦闘から取り除かれていたりしても、その割り振り通りに与えられる(ダメージの発生源は、その時に場に存在していればそのクリーチャーであり、存在していなければその場を離れる直前の状態であることに注意)。ダメージを受けるべきクリーチャーが既に場にいないかクリーチャーでなくなっている場合、それに割り振られていたダメージは与えられない。戦闘ダメージの解決が終わった後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。 311. 戦闘終了ステップ 311.1. 全ての「戦闘終了時に」起こる誘発型能力が誘発し、スタックに積まれる(rule 404〔誘発型能力〕参照)。その後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。 312. 終了フェイズ 312.1. 終了フェイズは、ターン終了、クリンナップの二つのステップからなる。 313. ターン終了ステップ 313.1. このステップの開始に際し、全ての「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれる(rule 404〔誘発型能力〕参照)。その後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。 313.2. ターン終了ステップの開始時に「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれた後で、新しく「ターン終了時に」起こる誘発型能力が生成された場合、あるいは「ターン終了時に」起こる誘発型能力を持つカードが場に出た場合、それらの能力は次のターンの終了フェイズまでスタックに積まれない。言い替えれば、このステップは「さかのぼらない」ので新しい「ターン終了時」誘発型能力はスタックに積まれない。 314. クリンナップ・ステップ 314.1. クリンナップ・ステップは以下の順番に従って進む。 314.1a まず、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限の枚数(通常は7枚)を越えていたら、その数になるまで手札を捨てる。この行動はスタックに積まれない。 314.1b その後、全てのパーマネントに与えられているダメージが除かれるのと同時に「ターン終了時まで」の効果、また「このターンの間」の効果が終わる。これらは同時に行われ、スタックには積まれない。 314.1c 次に、状況起因効果を起こす条件が揃っているか、あるいは何らかの誘発型能力がスタックに積まれるのを待っている場合にのみ、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。スタックが空になり、両方のプレイヤーがパスした場合、もう一度新しいクリンナップ・ステップが始まる。何も起きなければ、優先権は発生せず、ステップは終了する。 4. 呪文・能力と効果 400. 原則 400.1. 能力とは、カードの文章欄に書かれている効果を発生させる文章である。注釈文、フレイバー・テキスト、特性定義文、呪文のテキストは能力ではない。注釈文とフレイバー・テキストは常にイタリック体(斜体)で書かれている。特性定義文とは、そのカードやパーマネント、あるいは呪文がある特定の特性「である/is」ことを表すテキストである。呪文のテキストとは、呪文をプレイしたり解決したりするに際してどうするかを示すあらゆるテキストである。能力は、特に定められていない限り、場領域からだけ効果が発生する。テキストそのものは効果ではない。呪文と起動型能力と誘発型能力は、それが解決したときに効果が発生する。常在型能力は継続的効果を発生させる。 401. 呪文 401.1. 呪文とは、スタックに積まれているカードである。プレイの最初の段階で、そのカードは呪文となり、プレイされる領域(通常はプレイヤーの手札)からスタックに積まれる(rule 217.6〔スタック〕参照)。カードによって表わされていなくても、呪文のコピーもまた呪文である。それは解決した時や(rule 413.2 参照)打ち消された時(rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照)、なんらかの方法でスタックを離れた時に呪文でなくなる。 401.2. 土地以外の各カード・タイプは、対応する呪文タイプがある。例えば、プレイされたクリーチャー・カードは、解決するか、打ち消されるか、スタックを離れるまではクリーチャー呪文である。対象をとるインスタント呪文やソーサリー呪文は、呪文のテキストに「[なにか]を対象とする/target [なにか]」という語句を使っている。「なにか」にはパーマネント、呪文、能力、カード、プレイヤーを示す語句が入る。また、個別エンチャント呪文は、それがエンチャントするパーマネントを対象にとる。 401.3. インスタント呪文やソーサリー呪文の解決の最後に、そのカードはオーナーの墓地に置かれる。アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、及びエンチャント呪文の解決の最後に、そのカードはパーマネントとなり、呪文のコントローラーのコントロールの下で場領域に置かれる。呪文が打ち消された場合、打ち消す呪文や能力の解決の一部として、そのカードはオーナーの墓地に置かれる(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照)。 402. 能力 402.1. 能力とは、カードやパーマネントのテキストである。注釈文、フレイバー・テキスト、特性定義文、呪文のテキストとは違う(rule 400.1 参照)。その指示に従った結果、及び呪文のテキストに従った結果のことを効果という(rule 416〔効果〕参照)。能力は、それの書かれているカードやパーマネントに影響できる。それは他のカードやパーマネントやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。能力によって、それが書かれているカードやパーマネント、あるいはそれ以外のカードやパーマネントに能力を与えられることがある。その場合、「持つ/has,have」「得る/gains,gain」という言葉が使われる。 402.2. 能力には有益なものも不利益なものもある。例えば、「このクリーチャーはブロックに参加できない」というのは能力である。 402.3. カードのテキストに、このカードは特定のタイプまたは色「である/is」、と書いてある場合、それらは能力ではない。これらの宣言は、カードがどの領域にあっても適用され、パーマネントの能力を失わせるような効果によって取り除かれない。このルールは、カードのタイプや色を明記するテキストにのみ適用し、他の特性定義文には適用しない。 402.4. カードをプレイするための追加コストや代替コストは、カードの能力ではない。そういったテキストは呪文のテキストである。 402.5. 能力は呪文ではなく、そのため呪文だけを打ち消すものによっては打ち消すことができない。能力は、ルールによって打ち消されるのと同じように、特殊な打ち消し能力の効果によっても打ち消される(例えば、対象をとる能力は、その対象がすべて不正になった場合に打ち消される)。 402.6. いったん起動、または誘発したら、能力はその発生源(能力が記されているカード)とは独立して、擬呪文としてスタック上に存在する。以降、その発生源を破壊したり除去しても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》はそれに1点のダメージを与える」)。このような場合、発生源の情報を参照するあらゆる呪文、起動型能力、誘発型能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。あるいは、それがもはや場にない場合、その発生源の場を離れる直前の情報を使う。 402.7. 一つのカードが色々な能力を持つことがある。一行に並べられる、あらかじめ定義された能力(rule 502〔キーワード能力〕参照)を除き、カードのテキストの各段落は別個の能力を表す。一つのカードが、同じ能力を複数持つこともある。同じ能力でも、それぞれは独立に機能する。これによって、能力が一つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。 402.8. 能力は、そうでないと書かれているか、あるいは場以外の領域にある時にのみ効果を発揮するものでない限り、その能力を持つパーマネントが場にある間にのみ機能する。 例:コストに「このカードを手札から捨てる」ことが含まれている能力は、手札にあるときにのみプレイできる。 402.9. いくつかのカードは、そのカードが場にない時にプレイできる能力を持つ。これらは明示的に記述されている(例えば、「この能力は、[カード名]があなたの墓地にあるときにしかプレイできない」)。これらの能力は、何らかの特殊なパーマネント・タイプの能力でもない。場に出ていないカードはパーマネントではないからである。いくつかのカードは、カードが場領域以外の領域にある場合に誘発する能力を持つ。そういった能力は誘発する領域を限定する。それらは何らかの特殊なパーマネント・タイプの能力でもない。場に出ていないカードはパーマネントではないからである。 402.10. 能力は大別して起動型能力、誘発型能力、常在型能力の3つに分類できる。マナ能力は、能力のサブタイプである。能力は単発的効果や継続的効果を発生させる。置換効果と軽減効果は、効果のサブタイプである。対象をとる起動型能力や誘発型能力は、そのテキストに「対象の[なにか]/target [なにか]」という語句を使っている。「なにか」にはパーマネント、呪文、能力、カード、プレイヤーを示す語句が入る。 403. 起動型能力 403.1. 起動型能力は、パーマネント上か、あるいは場領域以外にあるカード上に存在する。起動型能力は「コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストは、コロン(:)の前にあるもの全てである。能力のコントローラーは、能力をプレイするために起動コストの支払いが必要である。 403.2. カードに特に書かれていない限り、起動型能力はそのパーマネントのコントローラー(場以外にあるときはそのカードのオーナー)だけがプレイできる。 403.3. 起動型能力の使用に制限がある(例えば、「この能力は各ターンに一回しかプレイできない」)とき、その制限はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。 404. 誘発型能力 404.1. 誘発型能力は「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」から始まる語句で示される。これらの語句を含む部分は誘発条件と呼ばれ、誘発イベントを定義する。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、この3語のうちいずれかを含む。 404.2. 誘発型能力はプレイされない。その代わりに、誘発型能力はその誘発イベントが満たされるたびに自動的に「誘発」する。能力が誘発したら、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる。 404.3. 誘発型能力には「とき/たび/時、…[条件]ならば、[効果]する/When/Whenever/At . . . , if [条件], [効果].」と書かれたものがある。この能力は、誘発イベントが発生したときに、そこに記された条件を満たしているかどうかチェックする。条件を満たしている場合にこの能力は誘発し、スタックに積まれる。解決時に、この能力は再び条件をチェックする。このどちらかのときに、この条件が満たされていない場合、この能力は何もしない。このルールは「"if"節のルール」と呼ばれる。「ならば/if」という単語は、カードのテキストの他のさまざまな場所では普通の英語の意味しか持たない。このルールは、誘発条件の直後に「ならば/if」節が続いていたときにだけ適用する。 405. 常在型能力 405.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。能力はプレイされず、単にそこに「存在する/is」。 406. 能力のサブタイプ 406.1. マナ能力 406.1a マナ能力は、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加える起動型能力か、起動型マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すものである。マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある。 406.1b マナをプレイヤーのマナ・プールに加える呪文はマナ能力ではない。これらは他の呪文と同じようにプレイされ、解決される。マナをプレイヤーのマナ・プールに加える誘発型能力は、もしそれらが起動型マナ能力以外のイベントによって誘発する場合、マナ能力ではない。それらはスタックに積まれ、ほかの誘発型能力と同じように解決する。 406.1c マナ能力は、ゲームの状態によってマナを生み出せない場合でもマナ能力として残る。 例:あるカードに、「(T):あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、あなたのマナ・プールに(G)を加える」という能力がある場合、これは、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのカードがタップ状態だとしてもマナ能力である。 406.1d マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。但し、マナ能力のプレイと解決のルールは、他の能力のプレイとは多少異なる。詳細については rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照。 406.1e マナ能力は、他の能力と同じようにプレイされ、解決されるが、スタックには積まれない。そのためこれらを打ち消したり対応したりすることはできない(rule 408.2〔スタックを使わない行動〕参照)。しかしながら、マナ能力をプレイしたことにより誘発する(マナ能力を除く)能力はスタックに積まれる。 406.2. 遅延誘発型能力 406.2a ある種の効果は、後で何かをすることができる遅延誘発型能力を生成することがある。 406.2b 遅延誘発型能力は、解決時にそれを生成する呪文や能力からもたらされる。これは、遅延誘発型能力は、その誘発イベントがあらかじめ起きていたとしても、実際に生成するまで誘発しないということである。それ以前に発生したイベントによって、誘発条件が発生しなくなることもありうる。 例:効果の一部に「このカードが場を離れたとき」と書いてあるにもかかわらず、この効果を生む呪文や能力が解決するよりも前に問題のカードが場を離れたとする。この場合、遅延誘発型能力は決して誘発しない。もうひとつ例を挙げると、効果に「このカードがアンタップ状態になったとき」と書いてあり、指定されたカードがこの効果の解決よりも前にアンタップ状態になった場合、この能力はカードが次にアンタップされるまで待つ。 406.2c あるパーマネントに影響する遅延誘発型能力は、そのパーマネントの特性が変化しても影響を及ぼす。 例:「ターン終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力は、それがターン終了ステップにクリーチャーでなくなっていたとしても、そのパーマネントを破壊する。 406.2d 特定のパーマネントに影響する遅延誘発型能力は、そのパーマネントが場を離れた場合(指定された時点までに戻ってきたとしても)失敗する。同様に、特定の領域にあるカードに影響する遅延誘発型能力は、カードがその領域を離れていた場合には失敗する。 例:「ターン終了時に、このクリーチャーをゲームから取り除く」という能力は、そのクリーチャー・カードがターン終了ステップ以前に場を離れていた場合には何もしない。 406.2e 遅延誘発型能力は、「このターン」のような記された期限がない限り、次に誘発イベントが起こったとき一度だけしか誘発しない。 407. 能力の追加・除去 407.1. 効果によって、パーマネントの能力が追加されたり、あるいは除かれたりすることがある。複数の効果が同じ能力を追加したり除いたりしていた場合、一般に、もっとも最近のものが勝つ(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。 407.2. 効果により設定されたパーマネントの特性は、効果によって与えられた能力とは異なる。パーマネントが能力を「得た/gain」り「持った/have」りしたとき、それは別の効果によって除去されることがありうる。効果によってパーマネントの特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性]である」)、それは能力を与えているのではない。(rule 402.3 も参照) 例:「エンチャントされたクリーチャーは以下の能力を持つ。『このクリーチャーは同時にクリーチャーでもあるアーティファクトである』」という効果はクリーチャーに、他の効果によって取り除くことのできる能力を与えている。「エンチャントされたクリーチャーは同時にクリーチャーでもあるアーティファクトである」という効果はクリーチャーの特性を定義しているだけであり、能力を与えているわけではない。そのためクリーチャーから能力を「失わせる/lose」効果では、エンチャントされているクリーチャーがアーティファクトになることを止めることはできない。 407.3. 能力を除去する効果は、その能力が複数あってもすべて取り除く。 例:飛行を持つクリーチャーに《飛行/Flight》がエンチャントしている場合、そのクリーチャーは飛行能力を2つ持っているが、「クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という1つの効果で両方とも取り除かれる。 408. 呪文や能力のタイミング 408.1. タイミング、優先権、スタック 408.1a 呪文や能力は適切なときにのみプレイでき、一群のルールに従う。 408.1b 呪文と起動型能力は、優先権のルールに従い、プレイヤーが(プレイしたいときに)プレイするが、その他の種類の能力や効果はゲームのルールによって自動的に発生する。いずれかのプレイヤーが優先権を得るたび、まず最初に、発生する全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。その後、新しい状況起因効果が発生したならば、一つのイベントとして解決する。この過程を、状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。その後、誘発型能力がスタックに加えられる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。これらの段階を状況起因効果も誘発型能力も発生しなくなるまで順番に繰り返す。その後、優先権を得るプレイヤーは、そのフェイズに関するルールに従い、呪文、能力、土地をプレイできるようになる。クリンナップ・ステップ(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕)の間も、状況起因効果と誘発型能力はチェックされる。何らかの状況起因効果が解決するか能力が誘発した場合、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。 408.1c アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、特殊行動とそのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る(この例外はアンタップ・ステップとクリンナップ・ステップである)。アクティブ・プレイヤーは、戦闘ダメージが解決した後でも優先権を得る。優先権を持つプレイヤーは、呪文か能力をプレイするか、あるいはパスすることができる。呪文や能力をプレイしたら、そのプレイヤーが再び優先権を得る。パスした場合には、その対戦相手が優先権を得る。双方のプレイヤーが続けてパス(この間に何か行動をした場合には続けてとは言わない)したら、スタックの一番上の呪文か能力が解決し、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。両プレイヤーが連続してパスした時にスタックが空であれば、そのフェイズまたはステップは終了し、次のものが開始する。 408.1d プレイヤーは、優先権を持つ時にだけ呪文や起動型能力をプレイすることができる。インスタント以外の呪文は、そのプレイヤーのメイン・フェイズで、優先権を持ち、スタックが空である時にのみプレイできる。 408.1e 呪文がプレイされたら、それはスタックの一番上に積まれる。起動型能力がプレイされたら、その代わりとして擬呪文がスタックに積まれる。 408.1f 誘発型能力は、呪文や別の能力のプレイ・解決の間も含めて、いかなる時でも誘発する。但し、その能力が誘発した時点では何も起こらない。プレイヤーが優先権を得るときに、誘発していて、まだスタックに積まれていない能力それぞれの擬呪文がスタックに積まれる。その後で、プレイヤーは優先権を得、呪文や能力をプレイすることができる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。 408.1g 戦闘ダメージは、割り振られたらスタックに積まれる。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 408.1h 常在型能力はプレイされることはなく、それは継続的にゲームに影響を与える。優先権の考え方は適用されない。(rule 418〔継続的効果〕、rule 419〔置換・軽減効果〕参照) 408.2. スタックを使わない行動 408.2a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果は遅延誘発型能力を生成することもあるが、それらは誘発してからスタックに積まれる(rule 406.2〔遅延誘発型能力〕参照)。 408.2b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない。 408.2c 状況起因効果(rule 420〔状況起因効果〕参照)は、プレイヤーが優先権を得るときに、ゲームの状況が条件を満たしているなら解決する。 408.2d 土地をプレイするとは、その土地を場に出すという特殊な行動である。(rule 214.9〔土地〕参照) 408.2e マナ能力は即座に解決される。マナ能力が、マナと別の効果をともに生み出した場合、両方ともただちに解決される。この解決後に優先権を持つのは、この能力のプレイ前に優先権を持っていたプレイヤーである。(rule 406.1〔マナ能力〕参照) 408.2f 「[カード名]は森である」のような、特性定義文は、単純に読んだ通りに処理される。(rule 402.3 も参照) 408.2g ゲームの行動−アンタップ・ステップの間のアンタップ、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定、クリンナップ、マナ・バーン−はスタックに積まれない。例外は2つあり、戦闘ダメージとドロー・ステップのドロー行動である。 408.2h 裏向きのパーマネントのコントローラーは、優先権を持っているときならいつでもそれを表向きにできる。(rule 504〔裏向きの呪文とパーマネント〕参照) 409. 呪文や起動型能力のプレイ 409.1. 呪文や起動型能力は、以下に示した手順に従ってプレイされる。もし、呪文や能力のプレイ中のいずれかの時点で、以降のステップを続けることができなくなった場合、その呪文は不正にプレイされたことになる。ゲームはその呪文や能力がプレイされる前の瞬間まで戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)。宣言及び支払いは、行なった後で変更することはできない。  呪文や能力の中には、プレイするときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択、呪文や能力がその対象にどう影響するかなどを、その呪文や能力のコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手は呪文や能力のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。その呪文や能力がプレイされるときに両方のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文(や能力)のコントローラーが先に行い、その後でそのプレイヤーの対戦相手が行なう。これは rule 409.1 のすべての部分に適用する。 409.1a プレイヤーは、呪文や能力をプレイすることを宣言する。宣言した呪文や能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決するまでそこに留まる。呪文カードは物理的にスタックに積まれる。能力の場合は、能力のテキストを持った擬呪文がスタックに積まれる。擬呪文のその他の特性はすべて能力の発生源の特性に依存する。例えば、擬呪文の色はその発生源の色によって絶えず決定されており、擬呪文がスタックに積まれた時の発生源の色ではない。 409.1b 呪文や能力がモードを持つ(「一つを選ぶ −/Choose one -」「[特定のプレイヤー]は一つを選ぶ −/[特定のプレイヤー] chooses one -」という語句を使っている)場合、プレイヤーは選択したモードを宣言する。呪文や能力が((X)で示される)可変マナ・コストやその他の可変コストを持つ場合、プレイヤーはモード選択時にその変数の値を宣言する。呪文や能力が代替コスト、追加コスト、(キッカー・コストやバイバック・コストなどの)その他の特殊なコストを持つ場合、そのプレイヤーはそれらのコストをすべて、あるいは一部を支払う意図を宣言する(rule 409.1f 参照)。それ以前の選択(呪文を墓地からフラッシュバックでプレイする、変異クリーチャーを裏向きにプレイするという選択など)は、この選択を行う時の制約となりうる。 409.1c 呪文や能力が対象を取る場合、プレイヤーはまず(可変個の対象をとる呪文や能力の場合)対象をいくつ選ぶのかを宣言し、次に対象にとるものを宣言する。呪文や能力は必要な数の適正な対象を選ばなければプレイすることはできない。同じ対象を複数回対象にとることはできない。 呪文や能力が、代替コスト、追加コスト、(バイバック・コストやキッカー・コストなどの)特殊コストが支払われたとき、あるいはそのコントローラーが選んだ場合にのみ複数の対象をとる場合、その種のコストを支払う意図、あるいはそのモードを選ぶ意図を宣言した場合にのみその対象を選ぶ。宣言していないなら、その呪文や能力はその対象を取らないものとしてプレイされる。 409.1d 呪文や能力が、異なった方法で複数の対象に影響する場合、プレイヤーはどれにどう影響を与えるかを宣言する。 409.1e 呪文や能力が、プレイヤーに効果(ダメージやカウンターなど)を複数の対象に分割させるとき、プレイヤーはどう分割するかを宣言する。その各個の対象に、最低限(ダメージやカウンターなどを)1つは割り振らなければならない。 409.1f プレイヤーはその呪文や能力の総コストを決定する。通常、(呪文の場合)そのマナ・コストだけ、(能力の場合)その起動コストだけである。テキストに追加コストや代替コストが書いてあるカードや、支払うべきコストを増減させる効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは起動コストに、すべてのコストの増減を加味したものである。総コストが決定された時点で、それは「固定」される。そして、プレイヤーはマナ能力をプレイする機会(rule 411「マナ能力のプレイ」参照)を得る。プレイヤーのマナ・プールに充分なマナがあるようになったら、全てのコストを任意の順に支払う。一部分だけ支払うことは許されない。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。コストを変える呪文や能力をプレイしても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。 例:あなたはマナ・コストが(3)(B)でクリーチャーを1体生け贄に捧げる追加コストを持つ、《死の爆弾/Death Bomb》をプレイする。あなたは、あなたの黒と青の呪文をプレイするためのコストを(1)減らす効果を持つ、《雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiar》を生け贄に捧げる。呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《雷景学院の使い魔》を生け贄に捧げたとしても《死の爆弾》のコストは(3)(B)ではなく(2)(B)となる。 409.1g rule 409.1a から rule 409.1f で解説されたステップが完了したら、その呪文や能力は「プレイされた」ことになる。そのコントローラーは優先権を得る。 409.2. 「この能力は、あなたが[呪文タイプ]をプレイできるときならいつでもプレイできる」と書かれている起動型能力は、その能力は実際にはその呪文タイプではないが、プレイヤーはその呪文タイプのタイミングのルールに従わなければならないことを意味する。 409.3. クリーチャーの、起動コストにタップシンボルを含む起動型能力は、そのクリーチャーがそのコントローラーのもっとも最近のターンの開始時から継続してそのコントローラーにコントロールされていない限りプレイできない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視できる(rule 502.5 参照)。 409.4. プレイヤーは、効果によって禁止されている呪文や起動型能力のプレイを開始することはできない。 410. 誘発型能力の処理 410.1. これらはプレイされるわけではないので、誘発型能力は、呪文や能力がプレイできない時でも誘発し、また能力をプレイすることを妨げるような効果にも影響されない。 410.2. ゲーム上のイベントやゲームの状態が誘発型能力の誘発イベントと合致するたびに、その能力は誘発する。フェイズやステップの開始時に、「開始時/at the beginning of〜」に誘発するすべての能力が誘発する。能力は誘発した時には何もしないが、プレイヤーが優先権を得る際に、直ちに擬呪文(rule 217.6b 参照)を自動的にスタックに積む。その能力(と、擬呪文)は、それが誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーによってコントロールされる。プレイヤーが何かを「してもよい/may」と書かれている能力が誘発した場合、その指示に従ってそのプレイヤーがすべての選択を行なう。能力が複数のプレイヤーにこの選択を求める場合、指示された各プレイヤーはその指示に従って選択を行なう。rule 410.6 も参照。 410.3. プレイヤーが最後に優先権を得たときよりも後で複数の能力が誘発した場合、まずアクティブ・プレイヤーがコントロールする擬呪文がそのプレイヤーが選んだ順序でスタックに積まれ、それから対戦相手が選んだ順序でその対戦相手がコントロールする擬呪文がスタックに積まれる。その後、プレイヤーは再度、発生しなくなるまで状況起因効果をチェックし、解決する。その後、この過程で誘発した能力がスタックに積まれる。この過程を新しい状況起因効果の発生も、能力の誘発もしなくなるまで繰り返す。その後、該当するプレイヤーが優先権を得る。 410.4. 誘発型能力がスタックに積まれたとき、擬呪文のコントローラーは、起動能力のルール(rule 409 参照)に従って必要な選択をすべて行なう。適正な選択ができない場合(あるいはルールや他の継続的効果によって能力が不正になった場合)、擬呪文は単にスタックから取り除かれる。 410.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカードを1枚引いてもよい」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる(選択は能力の解決時に行なう)。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」部分は能力の解決時に処理される。 410.6. 能力は、誘発イベントが1回発生するごとに1回だけ誘発する。しかし、あるイベントが複数回発生した場合、繰り返し誘発する。rule 410.9 も参照。 例:誘発条件が「土地が場から墓地に置かれるたび…」である能力を持つパーマネントがあるとする。誰かが、すべての土地を破壊する呪文をプレイしたとき、この能力は、その呪文の解決中に、墓地に置かれた土地1つにつき1回誘発する。 410.7. 能力は、その誘発条件が実際に起きた場合にのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによっては誘発しない。 例:ダメージが与えられたことで誘発する能力は、ダメージがすべて軽減された場合には誘発しない。 410.8. 誘発イベントのすぐ後に記される条件付きの誘発型能力(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/時に、もし[条件]なら、[効果]する/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは、テキスト内の他のところに条件がある誘発型能力には適用しないことに注意。 410.9. 戦闘中、クリーチャーがブロックしたりブロックされたりした時に誘発する能力がある(rule 306 から rule 311、及び5章〔その他のルール〕参照)。これらの能力が1回だけ誘発するのか繰り返し誘発するのかは、その表記による。 410.9a 「[このクリーチャー]がブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks」または「[このクリーチャー]がブロックされた状態になるたび/Whenever [このクリーチャー] becomes blocked」と書いてある能力の場合、複数のクリーチャーをブロックしたり複数のクリーチャーにブロックされたりした場合でも、そのクリーチャーに対して、1回の戦闘につき1回だけ誘発する。クリーチャーがブロックされたことにする効果も、(クリーチャーがブロックされていなかった場合には)この種の能力を誘発する。 410.9b 「[このクリーチャー]がクリーチャーをブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks a creature」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回誘発する。 410.9c 「クリーチャーが[このクリーチャー]をブロックするたび/Whenever a creature blocks [このクリーチャー]」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーをブロックしたクリーチャー1体につき1回誘発する。攻撃クリーチャーが、ブロック・クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた状態になった場合、この能力は誘発しない。 410.9d 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックした/された状態になるようなブロックが宣言された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。しかし、ブロック・クリーチャーを入れ替える効果では誘発しない。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。 410.10. カードやパーマネントが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのカードに何かしようとする。解決中に、これらの能力はカードを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのカードが見つからなかった場合、そのカードに対しての効果は失敗する。能力によるカードの捜索は、カードがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(このルールは、能力の解決よりも前に、カードが領域を離れてまた戻ってきた場合でも適用される)。領域変更誘発の最も一般的な例には、場に出た時に誘発する能力と場を離れた時に誘発する能力とがある。 410.10a 場に出た時の能力は、パーマネントが場領域に入った時に誘発する。これらは、「[このカード]が場に出たとき、…/When [このカード] comes into play,」、あるいは「[タイプ]が場に出たとき、…/Whenever a [タイプ] comes into play,」と書かれている。パーマネントを場に出すイベントのたびに、場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、場に出た時の誘発条件をチェックする。 410.10b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが場に出る瞬間にすぐ適用され(その前にはそうしない)、そのパーマネントが本来の特性で場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが場に出る前には適用しない(rule 410.10e 参照) 例:「すべての土地はクリーチャーである」という効果がある状態で土地カードがプレイされた場合、効果は土地カードを場に出た瞬間にクリーチャーに変えるため、それはクリーチャーが場に出たときに誘発する能力が誘発する。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う」という効果がある状態で、場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが場に出た場合、効果は場に出た瞬間にその能力を失わせるため、場に出たときの誘発型能力は誘発しない。 410.10c 場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが場領域を離れた時に誘発する。これらは、「[このカード]が場を離れたとき、…/When [このカード] leaves play,」、あるいは「[パーマネント・タイプ]が場から墓地へ置かれたとき、…/Whenever a [パーマネント・タイプ] is put into a graveyard from play,」と書かれている。このカードが場を離れた時に何かしようとする能力は、それが最初に行った領域のみをチェックする。 410.10d 1つ以上のパーマネントが場を離れたときに誘発する能力や、プレイヤーが1つ以上のパーマネントのコントロールを失ったときに誘発する能力は、イベント後にはその能力を持ったパーマネントが既にないため、特別に扱わなくてはならない。誘発するものを決定するために、ゲームの「過去の状態を知る」必要がある。1つ以上のパーマネントが場を離れる、あるいは1つ以上のパーマネントがコントロールしている人物を変えるイベントのたびに、そのイベントの直前に場にあったすべてのパーマネント(およびその時点で存在したすべての継続的効果)は、今場を離れたものや今コントロールを変えたものにあった、場を離れた時の誘発イベントをチェックする。 例:2体のクリーチャーと、「クリーチャーが場から墓地へ置かれるたび、あなたは1点のライフを得る」という能力を持ったアーティファクトが場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する呪文をプレイした。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。 「場を離れた」ことによる誘発は、誘発条件がそのパーマネントの行き先をチェックしない場合でも領域変更誘発である。場を離れたカードに対して、その能力が何かしようとする場合、場を離れて最初に行った領域のみを探す。 410.10e いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…の状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play with」「[このパーマネント]が場に出るに際し…/As [このパーマネント] comes into play」、「[このパーマネント]は…として場に出る/[このパーマネント] comes into play as」、「[このパーマネント]はタップ状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play tapped.」と書かれたテキストを持つ。これらのテキストは常在型能力であり、誘発型能力ではない。この効果は、そのパーマネントを場に出すイベントの一部として発生する。 410.11. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、プレイヤーがあるタイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら(その時に呪文や能力をプレイすることが不正であっても)即座に誘発する。それらのことを状態誘発型能力と呼ぶ(状態誘発型能力は状況起因効果と同じではない)。それらは、それによって発生した擬呪文が解決されるか打ち消されるまでは再び誘発することはないが、その解決あるいは打ち消しの後で、その能力を持つパーマネントがまだ場に残っていて、かつゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。 例:パーマネントの能力に「あなたの手札が空のとき、カードを1枚引く」(訳注:通常の書式に則ると、「あなたの手札にカードが1枚もないとき、カードを1枚引く」となります)とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、解決されるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「手札を全て捨てる。その後で、同じ枚数だけカードを引く」という呪文をプレイした場合、そのプレイヤーの手札は一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。 411. マナ能力のプレイ 411.1. マナ能力をプレイするとき、プレイヤーはそれをプレイすることを宣言し、起動コストを支払う。能力は宣言の直後に解決し、スタックには積まれない(rule 408.2e 参照)。 411.2. プレイヤーは、優先権を持っている時にはいつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。また、呪文や能力をプレイしている途中や解決している途中であっても、何らかのルールや効果によってマナを支払う必要がある時なら、いつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。 411.3. 誘発型マナ能力は、起動型マナ能力がプレイされた時に誘発する。これらの能力は、それを誘発させたマナ能力の直後に、優先権を得ることを待たずに解決される。起動型能力や誘発型能力が、マナとそれ以外の効果とを共に生む場合、マナと別の効果とは同時に解決する。 例:「プレイヤーがマナを引き出すために土地をタップするたび、その土地は同じ色のマナをもう1点生み出す」というエンチャントがあるとする。プレイヤーが、呪文をプレイする間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは直ちにマナ・プールに加えられ、そのマナを呪文のコストの支払いに使うことができる。 411.3a 誘発型マナ能力が「同じタイプの」マナをプレイヤーのマナ・プールに加えるといった場合、それを誘発させたマナ能力が複数のタイプのマナを生み出していたならば、そのマナ・プールの持ち主は、その誘発型能力がどちらのタイプのマナを生み出すかを選ぶ。 412. 常在型能力の処理 412.1. 常在型能力は、継続的効果、あるいは軽減・置換効果を発生する。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが場にある間持続する。 412.2. 個別エンチャントの多くは、エンチャントしているパーマネントを変更する常在型能力を持つが、そのパーマネントを対象に取らない。個別エンチャントが別のパーマネントに移された場合、その能力は元のパーマネントへの適用を止め、新しいパーマネントを修正するようになる。 412.3. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すものである。また、「〜をプレイするのに本来のコストに加えて」「[このカード]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に働く。 412.4. ある種の常在型能力は、カードがそれをプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[この呪文]をプレイしてもよい/you may play [この呪文]」「あなたは[この呪文]をプレイできない/you can't play [この呪文]」と書かれているものに限られる。 412.5. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でカードやパーマネントの最後の情報を使用できない。 413. 呪文・能力の解決 413.1. 両方のプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上に積まれているもの(呪文、能力、戦闘ダメージ)が解決される(rule 416〔効果〕参照)。 413.2. 呪文や能力の解決は以下の順序で処理される複数の段階からなるが、ゲーム上は分割できない1つの行動として扱う。 413.2a 呪文や能力が対象を指定する場合、その対象がまだ適正かどうかチェックする。場を離れた、あるいは呪文や能力が指定している領域を離れた対象は不正な対象となる。また、呪文や能力がプレイされた後で対象の特性が変わったり、効果によって呪文や能力の文章が変わったりした場合、対象が不正になることがある。すべての対象が不正になっていた場合、呪文や能力は打ち消される。呪文や能力が打ち消されなかった場合、通常通り解決するが、影響を受けるのはその時点でまだ適正な対象のみである。もし対象が不正ならば、呪文や能力はその対象に何らの影響を及ぼすことも、また及ぼさせることもできない。呪文や能力が、すでに不正になっている対象についての情報を必要とする場合、その不正な対象の現在の、あるいは最後の情報を用いる。 413.2b 呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。但し、置換効果によってこれらの行動が変更され、以前の指示の意味が変わることもある。場合によっては、カードのテキストで後のほうに書かれた文章が、前の文章の意味を修正することがある(例えば、「クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない」あるいは「呪文1つを対象とする。それを打ち消す。それをオーナーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く」)。これらの場合を考えずに逐語的に効果を適用したりしてはならない。カード全体を読み、文法に従ってテキストを解釈すること。 413.2c 効果の中で、呪文をプレイする時に宣言していない選択が必要とされる場合、プレイヤーは効果の処理の間にこれらを宣言する。プレイヤーは、不正な選択肢、または不可能な選択肢を選ぶことはできない。(例えば、選択可能な行動を行なうのに必要な条件をすべて満たしていない場合には、その行動を行なわないことによって被る影響を回避することはできない) 例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う」という指示がされた呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるほうの選択肢を選ぶことはできない。 413.2d 効果が両方のプレイヤーに同時に選択または行動を要求する場合、アクティブ・プレイヤーがまず自分の分を宣言し、それから対戦相手が(最初のプレイヤーの選択を知ったうえで)宣言する。その後、これらの行動は同時に実行される。これを「アクティブ・プレイヤー・ルール」と呼ぶ。プレイヤーが複数回の選択を行わなければならない場合、順番が書かれていればそれに従って、そうでなければ宣言者の任意の順番で、宣言する。その後で、行動は同時に実行される。  呪文や能力の中には、複数の段落や条項によって、複数の段階に分かれているものもある。この場合、アクティブ・プレイヤーが1つめの行動について必要な選択を行ない、次に他のプレイヤーが1つめの行動について必要な選択を行ない、そして1つめの行動が同時に実行される。その後で、アクティブ・プレイヤーが2つめの行動について必要な選択を行ない、次に他のプレイヤーが2つめの行動について必要な選択を行ない、そして2つめの行動が同時に実行される。以下同様に繰り返す。 例:《要塞の計略/Stronghold Gambit》の効果には、「各プレイヤーは、自分の手札のカードを1枚選ぶ。そのあと、各プレイヤーは選んだカードを見せる。……」という部分がある。これを処理する場合、まずアクティブ・プレイヤーがカードを選び、次に他のプレイヤーがカードを選ぶ。その後で、両方のプレイヤーが選んだカードを同時に公開する。 413.2e プレイヤーがマナを支払ってもよいという選択肢を含む効果の場合、そのプレイヤーは行動の一部としてマナ能力をプレイしてもよい。それ以外の呪文や能力は解決中にはプレイできない。 413.2f ゲームの情報(場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に一度だけ決定される。その特定のパーマネントが場にあるか、もしくはそのカードが指示された領域に存在する場合、その現在の情報を使う。そうでないなら、そのカードやパーマネントがそのあった領域を離れる直前に持っていた情報を使う。この例外は、常在型能力は最後の情報を使うことができないということである(rule 412.5 参照)。パーマネントが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)パーマネントであり、能力ではない。 413.2g パーマネントの特性を調べる効果は、そのパーマネントの指定された特性の値だけをチェックし、パーマネントが他に持っているかもしれない、関連する特性の値はチェックしない。 例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒のクリーチャーをすべて破壊する」という効果で破壊されるが、「黒でないクリーチャーをすべて破壊する」という効果では破壊されない。 413.2h 呪文の解決の最終段階として、呪文カードは、その呪文のコントローラーのコントロール下でスタックから場に出る(パーマネントの場合)かスタックからオーナーの墓地に置かれる(インスタントとソーサリーの場合)。 413.2i ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力のテキストにその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、「引き分け」の場合どうするかという一般則はない。 414. 呪文・能力の打ち消し 414.1. 呪文を打ち消すということは、その呪文カードをスタックからそのオーナーの墓地に動かすということである。呪文のコピーを打ち消すということは、そのコピーをスタックから取り除くということである。能力を打ち消すということは、その擬呪文をスタックから取り除くということである。打ち消された呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。 414.2. 打ち消された呪文や能力をプレイしたプレイヤーは、支払ったコストの「払い戻し」を受けることはできない。 415. 呪文・能力の修正 415.1. 効果の中には、スタックに積まれている呪文や能力の対象、ルール・テキストその他の特性を「修正」する物がある。 415.2. 呪文や能力の対象は、他の適正な対象にしか変えることができない。変更が解決した時に新しい対象が不正になっていた場合、対象はそのままで変更されない。 415.2a モードを持つ呪文や能力は、それぞれのモードについて異なる対象の条件を持つことがある。呪文や能力の対象を変えてもモードは保持される。 415.2b カードのテキストにある「あなた」という語は対象ではない。それをプレイしたプレイヤーだけに効果を及ぼす呪文の対象を変更することはできない。 415.3. 効果が、パーマネントになる呪文の特性を修正した場合、その効果は呪文が解決された後もパーマネントに適用され続ける。 例:ある効果によって黒のクリーチャー呪文が白に変えられた場合、そのクリーチャーは場に出たときにも白であり、その変更する効果が持続している限り白であり続ける。 415.4. 呪文やパーマネントの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。カード名などの固有名詞に、もしそれらと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によって固有名詞を書き換えることはできない。 416. 効果 416.1. 呪文や能力が解決されたとき、それは1つかそれ以上の効果を発生させる。効果には主に、単発的効果、継続的効果、置換・軽減効果の3種類がある。4つめとして、ゲームの特定の状態によって発生する、状況起因効果が存在する。 416.2. 効果は場に出ているカードにのみ影響する。但し、効果の文章にそうでないと書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するカードにしか適用できない場合を除く。 例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地カードには影響を及ぼさない。 416.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。 例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札を2枚捨てる」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。 417. 単発的効果 417.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、カードを領域間で移動させる、などがある。 417.2. 単発的効果の中には、解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。それらの効果は、実際には、誘発を待つ新しい能力を生成することになる(rule 406.2〔遅延誘発型能力〕参照)。 418. 継続的効果 418.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、パーマネントやカードの特性を変更したり、ゲームのルールを変更したりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはパーマネントの常在型能力によって生成される。 418.2. パーマネントの特性を変える継続的効果は、そのパーマネントが場に入ると同時に特性を変える。パーマネントが場に出るのを待ち、それから変えるのではない。この類の効果はパーマネントが場に出るに際して適用されるので、パーマネントが場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。 418.3. 呪文や能力による継続的効果 418.3a 呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。 418.3b 呪文、起動型能力、誘発型能力による、カードやパーマネントの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったカードやパーマネントには影響を及ぼさない。これは、常在型能力からの継続的効果とは異なることに注意せよ。カードやパーマネントの特性またはそのコントローラーを変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったカードやパーマネントにも影響を及ぼす。 例:「すべての白のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修正を与える。たとえ後で色が変わっても、その修正を失うことはない。また、その後で場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を与えない。 例:「クリーチャーがこのターンに与えるダメージを全て軽減する」という効果は、カードやパーマネントの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で場に出ていなかったクリーチャーにも影響を及ぼす。また、このターンの後でクリーチャーになったパーマネントにも影響を及ぼす。 418.3c 呪文や能力によって、変数を含む継続的効果が発生した場合、その変数の値は解決時にのみ定められ、その後で変化することはない。rule 413.2f を参照のこと。 418.3d 起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「〜する限り/as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「〜する限り」というフレーズで示される期間が、起動型能力が宣言され、あるいは誘発型能力がスタックに積まれ終わってからその効果が最初に適用されるようになるまでの間に終了していた場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。 例:《内骨格器/Endoskeleton》は、「(2), (T):クリーチャー1体を対象とする。内骨格器がタップ状態にあるかぎり、それは+0/+3の修正を受ける」という起動型能力を持つアーティファクトである。この能力をプレイした後、この能力が解決されるよりも先に《内骨格器》がアンタップ状態になった場合、持続期間、つまり「タップ状態にあるかぎり」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。 418.4. 常在型能力による継続的効果 418.4a 常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。そのテキストで示されるもの全てに対して常に適用する。 418.4b 効果は、それを生み出すパーマネントが場にある、またはそれを生み出すカードがその該当する領域にある間、常に適用する。 例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修正を受ける」という常在型能力を持つパーマネントは、場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に与える効果を生む。クリーチャーが白になったら、このボーナスを得、白でなくなったらボーナスを失う。通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが場に出て、それから2/2になるのではない。 418.5. 継続的効果の相互作用 418.5a 一つの効果による結果が、他の効果が適用されるかどうか、あるいは他の効果が何をするか、を決めることがある。例えば、「すべての白クリーチャーは+1/+1の修正を受ける」という効果と、「エンチャントされたクリーチャーは白となる」という効果がある場合である。 418.5b ある効果が、別の効果を適用することにより、そのテキストが変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりする場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立であると言う。 418.5c 一方の効果が他方に依存している場合、独立している効果を先に適用する。依存する効果が複数あってループとなっている場合、またはどれも他に依存していない場合、場に出た順序で適用する。これは「タイムスタンプ順」と呼ばれる。カードまたはパーマネントのタイムスタンプは、二つの例外を除いて、その現在ある領域に入った時である。例外とは、(1)複数のパーマネントが同時に領域に入った場合、その領域に入るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。但し、個別エンチャントはそれがエンチャントしているパーマネントよりも新しいタイムスタンプを持たなければならない。(2)個別エンチャントがパーマネントについたときに、そのエンチャントは新しいタイムスタンプを得る。常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したカードやパーマネントと同じタイムスタンプを有する。呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、それを生み出した呪文や能力が解決された時のタイムスタンプを得る。 418.5d 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。 例:「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」と「エンチャントされてれいるクリーチャーは飛行を失う」の2つのエンチャントが同じクリーチャーに付いているとする。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に生成された効果が「勝つ」ことになる。効果が一時的なもの(例えば「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う」)であるかどうか、あるいは、全体的な効果(例えば「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であるかどうか、は関係しない。 418.5e パーマネントの特性の値は、まず印刷された値、またはトークンの値から始まり、次にコピー効果(rule 503〔呪文や能力のコピー〕参照)、タイプを変更する能力によって生成された継続的効果、そしてカウンターによるパワーやタフネスの変更が適用されてから、他の継続的効果が適用される。 419. 置換・軽減効果 419.1. 置換効果・軽減効果は、特定のイベントを待ち、それを完全に、あるいは部分的に置き換えるという継続的効果である(軽減効果は、あるイベントを何もないこと、あるいはより小さいものと置換する)。これらの効果は、それが影響するものに対する「盾」のような働きをする。全ての置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるか、軽減効果は「軽減する/prevent」という単語によってどのようなイベントが起こらなくなるかを記している。「代わりに」または「軽減する」という語を含む能力は、それぞれ置換効果、軽減効果を発生させる。 419.2. 置換・軽減効果は、イベントの発生時まで継続的に適用される。前もって固定するのではない。 419.3. 置換・軽減効果を生む呪文や能力のプレイには特別な制限はない。これらの効果は、それが使われるか期間が切れるまで持続する。 419.4. 置換・軽減効果は、しかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生む呪文や能力は、そのイベントを起こす何かに対応してプレイされ、したがって、そのイベントが起きるよりも前に解決される。 例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生能力をプレイすることができる。 419.5. イベントが置換または軽減された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに、変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できなくても、単純にその不可能な指示を無視するだけになることに注意せよ。ある発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。この場合、ダメージを与えたときに誘発する能力は誘発しない。ダメージを増加させる置換効果は、0点のダメージが与えられたときには置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。「[X]するたび、あなたは[Y]してよい。そうした場合、[Z]する/Whenever [X], you may [Y]. If you do, [Z]」という類の能力が存在するが、これの「そうした場合/If you do」とは、[Y]イベントの一部でも行うことを意味する。もし[Y]が完全に置換されていたり、他のイベントの一部であったりした場合には、「そうした場合」の節は、[Y]を置換したイベントを参照する。 419.6. 置換効果 419.6a 置換効果は自分自身を繰り返し起動することはなく、各イベントにつき1回だけ置換する機会を得る。 例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールするクリーチャーは、それが通常与えるダメージの代わりに、その倍のダメージを与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常1点のダメージを与えるクリーチャーは、4点のダメージを与える。2点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。 419.6b 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される時点で、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。 419.6c 効果によって、あるクリーチャーやプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーが場を離れていたり、クリーチャーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。同様に、どちらかのプレイヤーがゲームに存在しない場合も、効果は何もしない。 419.6d 呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換することがある。それらの効果のことを「自己置換効果」と呼ぶ。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。 419.7. 軽減効果 419.7a 軽減効果は通常、与えられる筈のダメージに対して適用される。 419.7b ある種の軽減効果は、一定の量のダメージに対処し、消耗する。例えば、「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する」。「シールドされた」クリーチャーかプレイヤーへ与えられる筈のダメージ1点につき、代わりにシールドを1減らす。複数の発生源から同時にダメージを受けた場合、その「シールドされた」プレイヤー、あるいは「シールドされた」クリーチャーのコントローラーが、どのダメージを先に軽減するかを決める。シールドが0まで減ったら、残りのダメージは通常通り与えられる。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与えるイベントやダメージの発生源の数は問題にしない。 419.7c 例えば、「このターン、あなたの選んだ赤の発生源1つが次にあなたにダメージを与える時、そのダメージを軽減する」などのある種の軽減効果は、特定の源からのダメージに対処する。ダメージの発生源は、この呪文や能力を解決する時に選ぶ。ダメージの発生源はパーマネントかスタック上の呪文(パーマネント生成呪文を含む)かスタック上の呪文や擬呪文によって参照されるカードやパーマネントである。プレイヤーがパーマネントまたはパーマネント呪文を選んだ場合、軽減効果はそのパーマネントまたはその呪文の解決によって場に出るパーマネントからの次のダメージに対して適用し、それがそのパーマネントの能力によるものか、それともそれが与える戦闘ダメージかは問題としない。呪文や能力が解決されるまでに、ダメージの発生源が場を離れていてもよい。 呪文によって、クリーチャー、あるいはある特定の色、といった、特定の特性を有する発生源からのダメージだけに影響を及ぼす軽減効果が発生することがある。その類の制限のある軽減の「盾」を使った場合、ダメージを軽減するときにもう一度発生源の特性を確認する。その特性が適合していなければ、ダメージは軽減されない。いかなる理由によっても、盾がダメージを軽減しなかった場合には盾は消耗しない。 419.8. 置換・軽減効果の相互作用 419.8a 複数の置換・軽減効果がパーマネントやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを変更しようとした場合、影響を受けるパーマネントをコントロールしているプレイヤー、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか決める。その後で、もしまだ適当であれば、他のものが適用される。適用される置換効果の中に「自己置換効果」(rule 419.6d 参照)があれば、その効果が他のものよりも先に適用される。 例:「カードが墓地に置かれる場合、その代わりにそれをゲームから取り除く」と書かれているエンチャントと、「[このカード]が墓地に置かれる場合、その代わりにこれをオーナーのライブラリーに加えたうえで切り直す」と書かれたクリーチャーの2枚のカードが場にある。このとき、そのクリーチャーが破壊された場合、そのクリーチャーのコントローラーがどちらの置換効果を先に処理するか決定する。その結果、他方は何もしない。 419.8b 置換効果は、イベントを修正する別の置換効果の結果として、あるイベントに適用できるようになることがある。 例:「あなたが1点のライフを得る場合、その代わりにカードを1枚引く」という効果と「あなたの墓地にあるカード1枚を対象とする。カードを引くかわりに、それをあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にある対象のカードを手札に戻すことになる。 420. 状況起因効果 420.1. 状況起因効果とは、以下に示した条件を満たしたときにだけ適用される特殊な効果である。特定の状態を待っている能力は、誘発型能力である(rule 410.8 参照) 420.2. 状況起因効果は常に有効であり、また、どちらのプレイヤーにもコントロールされていない。 420.3. プレイヤーが呪文や能力をプレイする優先権を得るとき(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照)、下記の、状況起因効果の条件がチェックされる。適用すべきすべての効果が一つのイベントとして解決され、それから、再びチェックが繰り返される。状況起因効果がひとつも発生しなくなったら、誘発型能力がスタックに積まれる。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。このチェックはクリンナップ・ステップの間にも行なわれる(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照)。下記の条件が一つでも満たされた場合、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。 420.4. 誘発型能力と異なり、状況起因効果は、呪文や能力の解決中に起きた事はチェックしない。 例:「このクリーチャーは、あなたの手札の枚数に等しいパワーとタフネスを持つ」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、そのあとカードを7枚引く」という呪文をプレイしたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因効果がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札が無くなった時に誘発する能力は、誘発イベントが解決中に発生したので、呪文の解決後にスタックに積まれる。 420.5. 状況起因効果には、以下の物がある。 420.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。 420.5b タフネスが0や0未満のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。 420.5c 致死ダメージを受けたクリーチャーは破壊される。致死ダメージは、正の数でクリーチャーのタフネス以上のダメージである。再生はこのイベントを置換する。 420.5d 不正なパーマネント、あるいは存在しないパーマネントにエンチャントしているエンチャントはオーナーの墓地に置かれる。 420.5e 同名の「レジェンド/Legend」または「伝説の/Legendary」パーマネントが複数場にある場合、もっとも長くその名前でレジェンドまたは伝説のパーマネントであり続けたものを除き、すべてがそのオーナーの墓地に置かれる。これは「レジェンド・ルール」と呼ばれる。同時の場合には、同名のレジェンドまたは伝説のパーマネントはすべてそのオーナーの墓地に置かれる。(同じ名前を持つ2つのパーマネントのうち片方だけがレジェンドか伝説のパーマネントである場合、このルールは適用しない。) (訳注:通常、「後に出したものが墓地に置かれる」というルールです。) 420.5f 場以外の領域にあるトークンは存在しなくなる。 420.5g 自分のライブラリーにあるカードよりも多くカードを引くように要求されたプレイヤーは、ゲームに敗北する。 420.5h 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。 420.5i エンチャント(ワールド)が複数場にある場合、もっとも短い期間エンチャント(ワールド)であったものを除き、すべてがそのオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、そのすべてがそのオーナーの墓地に置かれる。 (訳注:レジェンド・ルールとは逆に、通常「先に出したものが墓地に置かれる」というルールです。) 420.5j スタック以外の領域にある呪文のコピーは、消滅する。 421. '無限'ループの処理 421.1. 稀に、一群の行為が永久に繰り返される状態にゲームが陥ることがある。この種のループを中断する方法を「無限ルール」として規定する。 421.2. ループが、選択可能な行動を一つ以上含み、一人のプレイヤーがそれをすべてコントロールしている場合、そのプレイヤーが回数を選ぶ。ループはその回数、但し途中で他のプレイヤーが介入した場合はその時点まで、繰り返したものとみなす。 421.3. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、ループを続けるには双方のプレイヤーによる行動が必要である場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーにはここで2つの選択肢がある。 ・選んだ回数よりも少ない回数を選ぶ。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それからアクティブ・プレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。 ・アクティブ・プレイヤーが選んだ回数を認める。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それからアクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。(どちらの場合も、最後の部分は無いことがありうる) 例:あるプレイヤーが、「(0):[クリーチャー名]は飛行を得る」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、他のプレイヤーが「(0):クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という能力を持つパーマネントをコントロールしているとする。「無限ルール」により、どちらのプレイヤーから飛行を得る/失う能力のループを始めたとしても、アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが最終的な決定権を持ち、よってそのクリーチャーが飛行を持つかどうかを決めることができる。(但し、この例は、最初のプレイヤーが少なくとも一回、そのクリーチャーに飛行を与えようとしたと仮定していることに注意すること) 421.4. ループが選択できない行動のみからなる場合、ゲームは引き分けとして終了する(rule 102.6 参照)。 421.5. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、これらの行動が互いに依存していない場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーはその回数に合意してもよいし、より多い回数を選んでもよい。このルールは、それらの行動が一つのループでなく別々のループに存在する場合でも適用されることに注意すること。 422. 不正な行動の処理 422.1. ある行動を開始した後で適正に行動できないということが解った場合、その行動は巻き戻され、すでに行われた支払いは取り消される。取り消される行動の結果として、能力が誘発したり効果が適用されたりすることはない。その行動が呪文のプレイであった場合、呪文カードはそれがもとあった領域に戻る。プレイヤーは、不正なプレイを行なう間にプレイした適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。しかし、プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからスタック以外へのカードの移動、無作為の選択、無作為の領域変化を伴う行動を取り消すことはできない。 422.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の行動を取るかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の行動を取ることもできる。 (訳注:要するに、改めて何でもできるということです) 5. その他のルール 500. 適正な攻撃とブロック 500.1. 能力や継続的効果の中には、戦闘時の攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定を制限、またはあるクリーチャーを攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして強制的に指定させるものがある。(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)制限とは、そのクリーチャーはブロック(または攻撃)に参加できない、あるいは何らかの条件を満たしていなければブロック(または攻撃)に参加できないというものであり、強制とは、そのクリーチャーはブロック(または攻撃)に参加しなければならない、あるいは何らかの条件を満たしていた場合にブロック(または攻撃)に参加しなければならない、というものである。 500.2. 攻撃クリーチャーの指定の一環として、アクティブ・プレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが攻撃しなければならない、攻撃できない、その他の攻撃の制限または義務を持っていないかどうかをチェックする。もしそのような制限もしくは義務が提案された攻撃と矛盾する場合、その攻撃は不正となり、アクティブ・プレイヤーは異なる攻撃クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(タップしているクリーチャーおよび攻撃のためのコストを払っていないクリーチャーはそれらのクリーチャーに攻撃を要求する効果から除外される)。 例:プレイヤーが、「可能なら攻撃に参加する」クリーチャーと、能力を持たないクリーチャーをコントロールしているとする。このとき、「各ターン、2体以上のクリーチャーで攻撃することはできない」という効果があったとすると、適正な攻撃は「可能なら攻撃に参加する」クリーチャーだけによる攻撃である。他方のクリーチャーだけ、あるいは両方で攻撃したり、どちらでも攻撃しないということはできない。 500.3. ブロック・クリーチャーの指定の一環として、防御側のプレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが、ブロックしなければならない、ブロックできない、もしくは他のブロックの制限または義務を持っていないかどうかをチェックする。もしそのような制限もしくは義務が提案されたブロック・クリーチャーの組み合わせと矛盾する場合、そのブロックは不正となり、防御側プレイヤーは異なるブロック・クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(ブロックのためのコストを払っていないクリーチャーはブロックをそれらのクリーチャーに要求する効果から免除される)。 500.4. 攻撃やブロックの宣言が制限に反しているとき、その宣言は認められない。強制に関しては、1)制限に反しない限り、で、かつ2)できる限り多くの強制を守る、ことが必要である。 500.5. あるクリーチャーに対する強制と、他の制限が合わさった結果、他のクリーチャーに対する強制が発生することがある。 例:「可能ならブロックする」というクリーチャーと、他の、能力を持たないクリーチャーをコントロールしているプレイヤーに対し、「2体以上のクリーチャーでしかブロックできない」効果がある状況でクリーチャーが攻撃してきた。この場合、両方のクリーチャーでブロックすることか、あるいはどちらもブロックしないことしか適正ではない。どちらか一方だけでブロックすることはできない。 501. 回避能力 501.1. 回避能力は、戦闘時のブロック・クリーチャー指定ステップを変更する常在型能力であり、攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーを制限する。 501.2. 回避能力は累積する。 例:飛行を持たない壁は、壁にしかブロックされず、かつ飛行を持つクリーチャーにしかブロックされないクリーチャーをブロックできない。 501.3. クリーチャーの中には、ブロックのしかたを制限する能力を持つものもある。回避能力と同様に、これらは戦闘時のブロック・クリーチャー指定ステップのルールのみを変更する(ブロック指定後に回避能力を得ても意味はない)。 502. キーワード能力 502.1. ほとんどのクリーチャーの能力は、カードのルール・テキストに、何をする能力かが明確に記述されている。しかし、非常に一般的な能力や、定義を書くのにあまりに多くのスペースを要する能力もある。この場合、カードには能力の名前を「キーワード」としてのみ記してある。それに関するルールを注釈文として要約してあることもある。 502.2. 先制攻撃 502.2a 「先制攻撃/First Strike」は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。 502.2b 戦闘ダメージ・ステップの間、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが先制攻撃か二段攻撃を持っている場合、先制攻撃か二段攻撃(502.28を参照)を持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。 502.2c 第1戦闘ダメージ・ステップの後で先制攻撃を与えたり取り除いたりしても、クリーチャーが戦闘ダメージを与えなくなったり、戦闘ダメージを2回与えたりすることはない。 502.2d 一体のクリーチャーに複数の先制攻撃があっても効果は変わらない。 502.3. 側面攻撃 502.3a 「側面攻撃/Flanking」は、ブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。 502.3b 側面攻撃を持つクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーにブロックされたとき、ブロックしているクリーチャーはターン終了時まで-1/-1を得る。 502.3c 一体のクリーチャーが側面攻撃を複数持つ場合、それぞれが独立に誘発する。 502.4. 飛行 502.4a 「飛行/Flying」は回避能力である。 502.4b 飛行を持つクリーチャーは飛行を持たないクリーチャーにはブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。 502.4c 一体のクリーチャーに複数の飛行があっても効果は変わらない。 502.5. 速攻 502.5a 「速攻/Haste」は常在型能力である。 502.5b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの開始時から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃したり、コストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使ったりすることができる。 502.5c 一体のクリーチャーに複数の速攻があっても効果は変わらない。 502.6. 土地渡り 502.6a 「土地渡り/Landwalk」や「雪をかぶった土地渡り/Snow-covered Landwalk」は総称であり、通常は、カードのルール・テキストに(「島渡り」や「雪をかぶった沼渡り」といったように)特定の土地のタイプが指定されている。 502.6b 土地渡りや雪をかぶった土地渡りは回避能力である。土地渡りを持つクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたタイプの土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない。雪をかぶった土地渡りを持つクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたタイプの雪をかぶった土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない。 502.6c 雪をかぶった土地渡りは土地渡りの特殊な形である。もしプレイヤーがどんな土地渡りの能力でも選ぶ事を許された場合、そのプレイヤーは雪をかぶった土地渡りの能力を選んでも良い。ある効果によってパーマネントのすべての土地渡りの能力が失われるとき、雪をかぶった土地渡りも同じように能力を失う。 502.6d 土地渡りもしくは雪をかぶった土地渡り能力は互いを「相殺」しない。 例:雪をかぶった森渡りを持つクリーチャーをコントロールしている場合、防御側プレイヤーが雪をかぶった森をコントロールしているなら、そのプレイヤーのコントロールする、雪をかぶった森渡りを持つクリーチャーにさえもブロックされない。 502.6e 一体のクリーチャーに同じ土地渡りもしくは雪をかぶった土地渡りを複数与えても効果は変わらない。 502.7. プロテクション 502.7a プロテクションは常在型能力であり、「プロテクション([性質])/Protection from [something]」と書かれる。この性質は通常は色であるが(例えば「プロテクション(黒)」)、どのような特性であってもよい。この性質が何らかのタイプの場合、プロテクションは、そのタイプを持つパーマネントやその他の発生源に適用される。 502.7b プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ呪文の対象にならず、記述された性質を持つ発生源からの能力の対象にもならず、そして記述された性質を持つエンチャントによってエンチャントされる事もない。プロテクションを持つパーマネントにエンチャントしているエンチャントは状況起因効果によりオーナーの墓地に置かれる。さらに、その性質を持つ発生源から与えられる全てのダメージを0に軽減する。攻撃に参加した場合、その性質を持つクリーチャーによってブロックされない。 502.7c 一体のクリーチャーに、同じ性質に対する複数のプロテクションがあっても効果は変わらない。 502.8. シャドー 502.8a 「シャドー/Shadow」は回避能力である。 502.8b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない。 502.8c 一体のクリーチャーにシャドーを複数与えても効果は変わらない。 502.9. トランプル 502.9a 「トランプル/Trample」は、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与えたりする時には特別な影響を及ぼさない。 502.9b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを、ブロック・クリーチャーと防御側プレイヤーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、今までにそのクリーチャーに与えられたダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れる(rule 502.9f 参照)。コントローラーはすべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御側プレイヤーにはダメージを割り振ることはできない。 502.9c トランプルを持つ攻撃クリーチャーをブロックしたクリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップよりも前にすべて戦闘から取り除かれた場合、ダメージはすべて防御側プレイヤーに割り振られる。 502.9d (削除) 502.9e トランプルを持つクリーチャーからダメージを割り振る際には、ブロック・クリーチャーの実際のタフネスのみを考え、最終的に与えるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。 502.9f 攻撃クリーチャーが複数いるとき、トランプルを持たないクリーチャーからのダメージを、トランプルを持つクリーチャーからのダメージが最大限生かせるように割り振るのは適正である。 例:複数の攻撃クリーチャーをブロックすることのできる能力を持った2/2クリーチャーが、1/1で特殊能力を持たないクリーチャーと、3/3でトランプルを持ったクリーチャーとをブロックしたとする。アクティブ・プレイヤーは、第1の攻撃クリーチャーからの1点のダメージと第2の攻撃クリーチャーからの1点のダメージをブロック・クリーチャーに、そしてトランプルによる2点のダメージを防御側プレイヤーに、それぞれ割り振ることができる。 502.9g 一体のクリーチャーに複数のトランプルがあっても効果は変わらない。 502.10. バンド 502.10a 「バンド/Banding」は攻撃クリーチャー指定やブロック・クリーチャー指定、戦闘ダメージの割り振りのルールを修正する常在型能力である。 502.10b プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、バンドを持つクリーチャーを任意の数と、1体までのバンドを持たないクリーチャーを一つの「バンド」として宣言してもよい。(防御側のプレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。(rule 502.10h 参照))。 502.10c プレイヤーは任意の数の攻撃バンドを指定してもよいが、クリーチャーはそれぞれ1つのバンドにしか所属できない。 502.10d 攻撃バンドがいったん宣言されると、たとえ後で何らかの方法によって一つもしくは複数のクリーチャーのバンド能力が取り除かれても、戦闘が終わるまでその効果は続く。但し、戦闘から取り除かれた場合には、バンドからも取り除かれる。 502.10e 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされた状態になると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされた状態になる。 例:プレイヤーが、飛行を持つクリーチャーと沼渡りを持つクリーチャーで構成されたバンドで攻撃する。防御側プレイヤーは、沼をコントロールしているとしても、飛行クリーチャーをブロックすることは可能である。防御側のプレイヤーがそうした場合、沼渡りを持つクリーチャーも、同じようにブロック・クリーチャーによってブロックされた状態になる。 502.10f バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。 502.10g バンドを構成しているクリーチャーの1体が呪文や能力の結果としてブロックされた状態になった場合、そのバンド全体がブロックされた状態になる。 502.10h バンドしているクリーチャーをコントロールしているプレイヤーはそのクリーチャーをブロックした、もしくはそのクリーチャーにブロックされたクリーチャーが与える戦闘ダメージをどのように割り振るかを選ぶ。攻撃もしくはブロックする時にバンド能力を持っていたとしても、戦闘ダメージ・ステップの開始前にその能力が取り除かれた場合はダメージは通常どおりに割り振られる。 502.10i 一体のクリーチャーに複数のバンド能力があっても効果は変わらない。 502.11. 他の〜とのバンド 502.11a 他の〜とのバンドは、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の〜とのバンドもまた失われる。 502.11b 「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド/bands with other [クリーチャー・タイプ]」は、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャーと攻撃バンドを組むことができる。バンドを持つクリーチャーもこのバンドに参加できるが、バンドを持たないクリーチャーは参加できない。このバンドに含まれるクリーチャーは必ずしも「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」で特定されたクリーチャー・タイプを持つ必要はない。このバンドをブロックするときは、バンド一般のルールに従って処理される。 502.11c クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャー2体以上によってブロックされた場合、防御側プレイヤーは攻撃クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。同様に、クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つ攻撃クリーチャー2体以上をブロックした場合、攻撃側プレイヤーはブロック・クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。 502.12. ランページ 502.12a ランページは誘発型能力である。「ランページ[X]/Rampage [X]」は、「このクリーチャーが2体もしくはそれ以上のクリーチャーによってブロックされた時、2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける」ということを意味する。 502.12b ランページのボーナスは戦闘のたび、誘発型能力が解決される時に一回だけ計算する。その後にブロッククリーチャーが追加、もしくは取り除かれてもその戦闘中はボーナスは変わらない。 502.12c クリーチャーが複数のランページを持つ場合、それぞれが別々に誘発する。 502.13. 累加アップキープ 502.13a 累加アップキープは、パーマネントに上昇するコストを負わせる誘発型能力である。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep - [cost]」という表記は、「あなたのアップキープの開始時に、年齢カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある年齢カウンター一つごとに[コスト]を支払ってもよい。そうしなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.13b パーマネントに複数の累加アップキープがある場合、それぞれが別々に誘発する。しかしながら、年齢カウンターはどの特定の能力にも関連づけられていないので、それぞれの累加アップキープの解決時に、パーマネントの上にある年齢カウンターの総数を数える。 例:「累加アップキープ - 1点のライフを支払う」という能力を二つ持っているクリーチャーがあり、現在その上には、年齢カウンターは存在しない。今、この2つの能力が誘発したとする。一つめの能力が解決されるとき、そのコントローラーはカウンターを乗せ、1点のライフを支払うことを選択した。二つめの能力が解決されるとき、さらに一つのカウンターを乗せるので、ライフの支払いは2点となる。 502.14. 雪をかぶった土地 502.14a 「冠雪/Snow-covered」とは、それ自身では何も意味を持たない能力であり、他のカードが参照することのあるキーワードであるだけである。カードが「雪をかぶった土地」を参照する場合、それは冠雪能力を持った土地のことである。カードが「雪をかぶった森」を参照する場合、それは冠雪能力を持った森のことを意味する。 502.14b Ice Age・エキスパンションで、5種類の雪をかぶった土地が印刷された。それらの名前は、《Snow-Covered Plains》《Snow-Covered Island》《Snow-Covered Swamp》《Snow-Covered Mountain》《Snow-Covered Forest》である。これらの土地は、名前が違い、冠雪能力を持っているものの、基本地形である。 502.14c ある効果によって冠雪能力を得たり失ったりすることがある。この場合にも、その土地の名前が変更されるわけではない。例えば、《Snow-Covered Forest》という名前のカードは「Snow-Covered Forest」であり、冠雪能力を得た《森/Forest》はやはり《森》である。 502.15. フェイジング 502.15a 「フェイジング/Phasing」は、アンタップ・ステップのルールを変更する常在型能力である。 502.15b それぞれのプレイヤーのアンタップ・ステップに、そのプレイヤーがコントロールするパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーのコントロールするパーマネントのうちでフェイジングを持つもの全てがフェイズ・アウトする。同時に、フェイズ・アウトしたときにそのプレイヤーがコントロールしていた全てのパーマネントがフェイズ・インする(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕、および rule 302.3 参照)。 502.15c 呪文や能力によってプレイヤーのアンタップ・ステップが飛ばされた場合、フェイジングのイベントはそのターン、単に起こらなくなる。 502.15d フェイズ・インしてくるパーマネントは、場に出るときの能力やどうやって場に出るかを変更する効果を無視する。フェイジングについて特別に明記してある能力や効果だけが変更したり誘発したりする。フェイズ・アウトするパーマネントは、場を離れるときの効果を通常通りに誘発する(アンタップ・ステップの間には優先権が発生しないので、フェイジングのイベントによって誘発した能力はアップキープ・ステップの開始時までスタックに積まれない)。 502.15e パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、それが受けていたダメージは取り除かれる。 502.15f フェイズ・アウト領域から場に戻ったカードは、場を離れたときのものと同じパーマネントとして扱われる。これは、パーマネントが領域を変更した場合には以前の記憶を「忘れる」という rule 217.8 の例外である。 502.15g 一時的な持続効果やパーマネントを参照する遅延誘発型能力は、そのパーマネントがフェイズ・アウトした場合には影響を及ぼしつづけることはできない。一方、それ以外で、そのパーマネントを参照する効果(永続的な持続効果を含む)は、場に戻ってきたときにも影響を与え続ける。 例:《巨大化/Giant Growth》の影響を受けているクリーチャーがフェイズ・アウトした場合、もしそのターンの間に場に戻ってきたとしても、+3/+3の修正を受けることはない。これは、この効果が一時的な持続効果だからである。 502.15h フェイズ・アウトしたカードは、以前の状態を「覚えて」いて、同じ状態で場に戻ってくる。上にあったカウンターについて、また最初に場に出たときに行われた選択について、そして場を離れたときにタップ状態であったかどうかも「覚えて」いる。また、フェイズ・アウトしたときに誰がコントロールしていたかも「覚えて」いるけれども、コントロールを奪う効果が一時的な持続効果であり、影響力を失っていれば、異なるプレイヤーのコントロール下で場に出ることになる。 例:《Diseased Vermin》は「あなたのアップキープの開始時に、Diseased Verminによってダメージを受けたことがある対戦相手1人を対象とする。これは、そのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xはこの上にある感染カウンターの数である」という能力を持つ。《Diseased Vermin》がフェイズ・アウトしたとき、これにいくつのカウンターが乗っているか、そしてどの対戦相手がこれによってダメージを受けたことがあるかということを「覚えて」いる。フェイズ・インしてきたとき、それらの対戦相手をアップキープ時の誘発型能力の対象にすることができる。 502.15i パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、そのパーマネントについている全ての個別エンチャントは同時にフェイズ・アウトする。このフェイズ・アウトする二つめの方法のことを、「間接的に」フェイズ・アウトしたとも言う。「間接的に」フェイズ・アウトしたエンチャントは、それ自身ではフェイズ・インしてこないが、それのついているカードがフェイズ・インしてくるときに一緒にフェイズ・インしてくる。 502.15j 個別エンチャントが(エンチャントしているパーマネントと一緒にフェイズ・アウトしたのではなく)直接フェイズ・アウトした場合、それは何にエンチャントしていたかを「覚えて」おり、そのパーマネントについた状態で場に戻る。パーマネントが場を離れていたり、あるいはエンチャントすることが不正になっていたならば、エンチャントは場に戻り、そしてその後でオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 502.15k 2つ以上のパーマネントが同時にフェイズ・インしてくる場合、アクティブ・プレイヤーがその相対的なタイムスタンプ順を場に出るときに決める。間接的にフェイズ・インしてくる個別エンチャントは、そのエンチャントしているパーマネントよりも遅いタイムスタンプを持つ必要がある。複数の個別エンチャントが同じパーマネントについて間接的にフェイズ・インしてくる場合、そのもともとの相対的なタイムスタンプ順は保持されなければならない(タイムスタンプ順参照)。この場合にも、パーマネントが同時にフェイズ・インしてくるという事実には変わりはない。例えば、同じ名前を持つ二つのレジェンドがフェイズ・インしてくる場合、その両方がそれぞれのオーナーの墓地に行く。 502.15m フェイズ・インしてきたパーマネントは速攻を持っているのと同じように攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる(これは、そのパーマネントが場に出たターンにフェイズ・アウトし、フェイズ・インしてきた場合にも適用される)。このパーマネントは、コントローラーが変わるか場を離れるまで、攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる。 502.15n パーマネントを対象とする呪文や能力は、宣言後に対象のパーマネントがフェイズ・アウトし、解決前にフェイズ・インしてきた場合にも通常通りそのパーマネントを対象に解決される。 502.15p 一つのパーマネントに複数のフェイジングがあっても効果は変わらない。 502.16. バイバック 502.16a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーがスタックにある間(つまり、それが呪文である間)に働く常在型能力である。「バイバック[コスト]/Buyback [cost]」という語句は、「あなたは、この呪文をプレイするに際して追加で[コスト]を支払ってもよい。そうした場合、この呪文の解決に際し、このカードをあなたの墓地に置く代わりに手札に戻す」ということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、rule 409.1b、rule 409.1f に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 502.17. 馬術 502.17a 「馬術/Horsemanship」はポータル三國志に存在する回避能力である。 502.17b 馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。 502.17c 一体のクリーチャーに複数の馬術があっても効果は変わらない。 502.18. サイクリング 502.18a サイクリングは、サイクリングを持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ働く起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [cost]」という語句は、「[コスト], 手札からこのカードを捨てる:カードを1枚引く。」ということを意味する。 502.18b サイクリングはそのカードが手札にあるときにしかプレイできないが、カードが場にあるときにも存在しつづける。従って、サイクリングを持つカードは、起動型能力を持つ墓地にあるカード、あるいは起動型能力を持つパーマネントに影響を及ぼす効果の影響を受ける。 502.18c 土地サイクリング能力は、サイクリング能力の一種である。「[土地タイプ]サイクリング [コスト]/[land type]cycling [cost]」は「[コスト], このカードをあなたの手札から捨てる:あなたのライブラリーから[土地タイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、土地サイクリング能力がプレイされたときにも誘発する。 502.19. エコー 502.19a エコーは誘発型能力である。「エコー/echo」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしあなたがこのパーマネントのコントロールを、あなたの直前のアップキープより後に得たのであれば、これのマナ・コストを支払わない限りこれを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.20. 消散 502.20a 消散は2つの能力を表すキーワードである。一つめは、パーマネントが場に出るに際し、その上にカウンターを乗せるという常在型能力であり、二つめはそのパーマネントのコントローラーのアップキープの開始時に、そのパーマネントの上から1つそのカウンターを取り除く。取り除くことができない場合、このパーマネントを生け贄に捧げる、という誘発型能力である。「消散 [X]/Fading [X]」という語句は、「このパーマネントは、その上に消散カウンターがX個置かれた状態で場に出る」「あなたのアップキープの開始時、このパーマネントの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.21. キッカー 502.21a キッカーはそのカードがスタックに積まれている間(つまり呪文である間)に働く常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」という語句は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。「キッカー [コスト1]/[コスト2]/Kicker [コスト1] and/or [コスト2]」という表現は、「キッカー [コスト1], キッカー [コスト2]」というのと同じである。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 409.1b、rule 409.1f に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 502.21b キッカーを持つカードは、キッカー・コストが支払われたときに起こることを特定する、追加の呪文のテキストや能力を持っている。複数のキッカー・コストを持つ呪文は、それぞれのキッカー・コストに対応する呪文のテキストや能力を持っている。 502.21c キッカー・コストが支払われたときについての呪文のテキストがパーマネントやプレイヤーを対象とする場合、呪文のコントローラーはその該当するキッカー・コストを支払うという意志を宣言したときにのみその対象を選ぶ。そうでなければ、その対象の選択は行われない。 502.21d [コスト1]と[コスト2]の複数のキッカー・コストを持つカードは、「あなたが[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には/if you paid the [コスト1] kicker cost」と「あなたが[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には/if you paid the [コスト2] kicker cost」という語句を含んでいる。この文章は、単にそれぞれのキッカー・コストを意味しているだけであり、実際にどれだけのコストが支払われたかは関係ない。言い換えると、「あなたが[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「あなたが1番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味であり、「あなたが[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「あなたが2番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味である。 502.22. フラッシュバック 502.22a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」とは、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい。そうした場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f の代替コストを支払うことに関するルールに従う。 502.23. スレッショルド 502.23a スレッショルドは、「スレッショルド − [文章]/Threshold -- [文章]」と表記される常在型能力である。文章の部分は、常在型能力、起動型能力、誘発型能力、特性定義文、呪文文章、あるいはこれらの任意の組み合わせでありうる。「スレッショルド − [文章]」とは、「あなたの墓地に7枚以上のカードがある場合、このカードは '[文章]' を持つ」ということを意味する。 502.23b スレッショルドを持つカードや呪文は、そのコントローラーの墓地に7枚以上のカードがある場合にのみ、スレッショルド文章を持つものとして扱う。そうでない場合、「スレッショルド −」以下の文章はそのカードやパーマネントに存在しないものとして扱われる。 502.23c スレッショルドを持つインスタントやソーサリー・カードは、そのカードがスタックにある間(つまり呪文である間)にのみスレッショルド文章を持つ。スレッショルドを持つアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地カード、あるいはパーマネントは、そのカードやパーマネントが場にある間だけスレッショルド文章を持つ。 502.24. マッドネス 502.24a マッドネスは二つの能力からなる。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに発生する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」とは、「いずれかのプレイヤーが自分の手札からこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい」と「このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのプレイヤーが次にパスするまでの間、そのプレイヤーは、インスタントをプレイできるときならいつでも、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことで、そのカードが手札にあるかのようにプレイしてもよい。そのプレイヤーが次にパスをしたとき、そのプレイヤーはこれをそのプレイヤーの墓地に置く」の二つの意味を持つ。 502.24b マッドネス能力で呪文をプレイする場合は、409.1bおよび409.1fの代替コストのルールに従う。 502.25. 畏怖 502.25a 「畏怖/Fear」は回避能力である。 502.25b 畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。 502.26. 変異 502.26a 変異は、その能力のあるカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」とは、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コストが{0}のクリーチャーとしてプレイできる。」をという意味である。そのコントローラーは、インスタントをプレイできる時ならいつでもその裏向きのパーマネントの変異コストを公開し、それを支払って表にすることができる。この行動はスタックを使わない。 502.26b 変異能力を使って呪文をプレイするには、まずそれを裏向きにする。それは、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コスト{0}の、2/2の裏向きのクリーチャー呪文となる。それをスタックに置き(それは裏向きのままで、同じ特性を持つ)、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異能力を持つカードを呪文としてプレイすることができる領域ならどの領域からでも、変異能力を使って呪文をプレイできる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性をもったまま場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。 502.26c 変異能力を持たないカードを裏向きにプレイすることはできない。 502.26d あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも、あなたは裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。そうするには、すべてのプレイヤーにそのパーマネントの変異コストを示し、それを支払い、そのパーマネントを表向きにする。変異の効果は終了し、そのカードは通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが場に出たときに誘発される能力は、表向きになったときには誘発されず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに場に出ているからである。 502.26e 表向きのパーマネントが呪文や能力によって裏向きになった場合、それは裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コストが{0}のクリーチャーになり、変異と裏向きのクリーチャーに関するルールが通常通り適用される。 502.26f 変異能力を持つカードのプレイに関する詳細については、rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕を参照のこと。 502.27. 増幅 502.27a 増幅は常在型能力である。「増幅 [X]/Amplify [X]」は、「このカードが場に出るに際し、あなたの手札にあるそのカードと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このカードは、これにより公開されたカード1枚につきX個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このカード自身や、このカードと同時に場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。 502.27b クリーチャーに複数の増幅能力がある場合、それぞれは個別に働く。 502.28. 二段攻撃 502.28a 「二段攻撃/Double Strike」は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。 502.28b 戦闘ダメージ・ステップの間、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが二段攻撃か先制攻撃を持っている場合、二段攻撃も先制攻撃(502.2を参照)も持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。二段攻撃を持つクリーチャーは、第2戦闘ダメージ・ステップでもダメージを割り振る。 502.28c 第1戦闘ダメージ・ステップの間にクリーチャーから二段攻撃を取り除いた場合、そのクリーチャーは第2戦闘ダメージ・ステップではダメージを割り振らない。 502.28d 第1戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージをスタックに置いた後でクリーチャーに二段攻撃を与えた場合、そのクリーチャーは、すでに第1戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを割り振っていたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップでダメージを割り振る。 502.28e 一体のクリーチャーに複数の二段攻撃があっても効果は変わらない。 502.29. 挑発 502.29a 挑発は誘発型能力である。「挑発/Provoke」は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。 502.29b 一体のクリーチャーに複数の挑発がある場合、それぞれは個別に誘発する。 502.30 ストーム 502.30a ストームは、カードをスタックに置く際に機能する誘発型能力である。「ストーム」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。 502.30b 1つの呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。 503. 呪文や能力のコピー 503.1. コピー・カードは、呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー」を生成する、あるいは「コピー」になるカードである(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という語句があるものがあるが、それはコピー・カードではない。Oracleで訂正されている)。 503.2. パーマネントをコピーする場合、そのコピーは、名前、マナ・コスト、色、タイプ、サブ・タイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネスとしてそれぞれコピーされるパーマネントの印刷されている値を得る。コピーされるパーマネントが伝説性を持っていたり、あるいはエンチャント(ワールド)であったとしても、その部分もコピーされる。(タイプを変更するようなものも含む)効果やカウンターはコピーされない(この例外は効果がそれ自身をコピーする場合である。rule 503.3 参照)。 例:《キマイラ杖/Chimeric Staff》は「(X):ターン終了時まで、キマイラ杖はX/Xのアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトであり、《Clone》は「Cloneが場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選択する。そうした場合、Cloneはそのクリーチャーのコピーとして場に出る」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5 アーティファクト・クリーチャーになった後で、《Clone》がそれのコピーとして場に出た場合、《Clone》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャーになることはできる)。 503.3. コピーされた情報はそのコピーの印刷された情報となり、元々印刷されていた情報を上書きする。そのコピーを他のカードがコピーした場合には、新しく印刷された情報となっている情報を用いる。 例:《Vesuvan Doppelganger》が《灰色熊/Grizzly Bears》(能力を持たない2/2の緑のクリーチャー)のコピーとして場に出た。《Vesuvan Doppelganger》は「Vesuvan Doppelgangerが場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選んでもよい。そうした場合、Vesuvan Doppelgangerはその色を除いて、そのクリーチャーのコピーとなり、『あなたのアップキープの開始時に、このクリーチャーを色を除いて、他のクリーチャーのコピーとしてもよい。そうした場合、このクリーチャーはこの能力を得る』という能力を得る」という能力を持つ。その後で、《Clone》がその《Vesuvan Doppelganger》のコピーとして場に出た場合には、《Clone》は2/2の青で、クリーチャー・タイプが「Bear/熊」の《灰色熊》となり、《Doppelganger》のアップキープ能力を持つ。 503.4. パーマネントやカードをコピーしているパーマネントが場にある間、それを他のパーマネントやカードのコピーにするという効果が存在する。その変化は場に出たときの能力や場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのコピーに影響を及ぼす効果を変更することもない。 例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》は「クリーチャーが場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修正を受ける」という効果を持つ《巨大化/Giant Growth》の影響を受けている時に他のクリーチャーが場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。 503.5. 他のパーマネントの「コピーとして」場に出るコピー・カードは、そのパーマネントの持つ能力を持って場に出る。コピーが、(「〜状態で場に出る/comes into play with」や「[これ]が場に出るに際し/as [this] comes into play」などの)場に出るときのイベントを変更する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。 例:《スカイシュラウドのビヒモス/Skyshroud Behemoth》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散カウンターが2個置かれた状態で場に出る。あなたのアップキープの開始時、そのクリーチャーの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)/スカイシュラウドのビヒモスは、タップ状態で場に出る」という能力を持つ。《Clone》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして場に出る場合、消散カウンターが2個置かれた状態で、タップ状態で場に出る。 例:《シマクマ/Striped Bears》は「シマクマが場に出たとき、カードを1枚引く」という能力を持っている。《Clone》が《シマクマ》のコピーとして場に出るとき、《Clone》は《シマクマ》の場に出るときの誘発型能力を持っているので、《Clone》のコントローラーはカードを1枚引く。 503.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントの「選択」はコピーされない。あるカードが他のパーマネントのコピーとして場に出る場合、そのコピーのコントローラーが、全ての「場に出るに際し」ての選択を行なう。 例:《Clone》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る。《カメレオン・スピリット》は「カメレオン・スピリットが場に出るに際し、色を1色選ぶ」という能力を持つ。この《Clone》は、《カメレオン・スピリット》の行っていた色の選択についてはコピーしないで、《Clone》のコントローラーが改めてその選択を行なう。 503.7. パーマネントの「選択」はコピーされないので、コピー・カードは、行われていない選択に基づく能力を得ることがある。その場合、その選択は「0」または「未定義」として扱われる。 例:《万物の声/Voice of All》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーしている。《万物の声/Voice of All》は「万物の声が場に出るに際し、色を1色選ぶ。/万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》は《万物の声》として場に出ることはなく、従って色を選択する機会がないので、《不定の多相の戦士》のプロテクション能力はまったく意味をなさない。 503.8. プレイヤーにそのコピーが場に出たときの選択を行わせるコピー・カードの能力が存在する場合、そのコピーはその選択を覚えており、その値が適切ならば、能力に使おうとする。もし適切でなければ、それは「0」または「未定義」として扱われる。 例:《Vesuvan Doppelganger》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る時、《Vesuvan Doppelganger》のコントローラーが青を選択し、後で、《Vesuvan Doppelganger》が《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》のコピーとなったとする。《クウィリーオン・エルフ》は「(T):あなたのマナ・プールに、選んだ色のマナ1点を加える」という能力を持つ。この能力をプレイした場合には、青マナを生み出すことになる。 例:《Vesuvan Doppelganger》が、《狩りの統率者/Caller of the Hunt》のコピーとして場に出た。《狩りの統率者》は「あなたが狩りの統率者をプレイするに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力を持つ。ここで、ゴブリンを選択した場合、後で、《Vesuvan Doppelganger》が《クウィリーオン・エルフ》のコピーとなった場合、それの(訳注:2つめの)マナ能力がプレイされたとしても、マナを出すことには失敗する。ゴブリン・マナを生み出すことはない。 503.9. コピー・カードの中には、コピー中にコピーに能力を与えるものがある。この能力は、コピーされたものと同じように、コピーに印刷された値として扱われる。また、コピー・カードの中には、ある値をコピーしない、と書かれたものがある。この場合、その本来の値が保持される。 例:《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーした。《不定の多相の戦士》の印刷された値は、《不定の多相の戦士》が「クリーチャーが場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という印刷された能力を持っていることを除いて、《クウィリーオン・エルフ》と同じになる。その後で、《Clone》が《不定の多相の戦士》のコピーとして場に出た場合、《Clone》は《不定の多相の戦士》が《クウィリーオン・エルフ》をコピーしている途中で自分自身に与えた能力も含む、新しい印刷された値をコピーする。 503.10. 呪文をコピーするとは、その呪文のコピーをスタックに積む、ということを意味する。呪文のコピーは「プレイ」されない。呪文をコピーする時、パーマネントから通常コピーされる全ての情報がコピーされる。それに加え、例えばモード、対象、Xの値、バイバックなどの選択的コストの支払いなど、呪文をプレイするときになされた全ての選択がコピーされる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。通常、解決時に行われる選択はコピーされない。該当する呪文カードは存在しないが、呪文のコピーは呪文であり、通常の呪文と同じように働く。打ち消されることも、解決されることもできるし、通常の呪文と同じタイミングのルールに乗っ取って処理される。 例:あるプレイヤーが、《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》を対象に《Fork》をプレイした。《Fork》は、「インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とする。それのコピーをスタックに置く。このとき、色はコピーしないし、コピーに関して新しい対象を選ぶことができる」という文章である。《エメラルドの魔除け》は「以下の3つから1つを選ぶ。『パーマネント1つを対象とする。それをアンタップする』『全体エンチャント1つを対象とする。それを破壊する』『クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う』」という文章である。《Fork》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《Fork》がそう認めているからである。 503.10a スタック以外の領域にある呪文のコピーは、消滅する(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 503.11. ある効果がパーマネントを名前で参照する場合、他のものをコピーした結果名前が変わっていたとしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。 例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》が《狂ったアーモドン/Crazed Armodon》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「(G):狂ったアーモドンは、ターン終了時まで、+3/+0の修正を受けるとともにトランプルを得る。ターン終了時に狂ったアーモドンを破壊する。この能力は1ターンに1回だけしかプレイできない」という能力を持っている。この起動型能力がプレイされた後、ターン終了時までに他のもののコピーになっていたとしても、ターン終了時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。 504. 裏向きのクリーチャー 504.1. 古いカード1枚(《Illusionary Mask》)または変異能力(rule 502.26 参照)によって、呪文やパーマネントは裏向きになることがある。 504.2. スタック上にある裏向きのカード、裏向きで場に出ているカードやトークン、フェイズ・アウト領域にある裏向きのカードは、そのカードやトークンを裏向きにさせたカードやルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのカードやトークンの特性の初期値となる。裏向きに場に出るパーマネントは、それが場に出るよりも前に裏向きになるので、そのパーマネントの場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。また、裏向きでプレイされる呪文は、スタックに積まれる前よりも前に裏向きになるのでその呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。 504.3. スタックにある裏向きの呪文または場にある裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらの表をいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、自分がコントロールしていない呪文やパーマネントの表を見ることは、できない。パーマネントを裏向きにするカードやルールによっては、表向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文を表向きにすることはできない。 504.4. スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければいけない。これには、呪文をプレイした順番、裏向きのパーマネントが場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのカードを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。 504.5. 裏向きのパーマネントが表向きになるに際して、そのパーマネントの特性の初期値は通常の初期値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を与えていた効果は、そのまま表向きのパーマネントにも影響を与える。パーマネントが表向きになったときには、そのパーマネントが場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに場に出ていたからである。 504.6. 裏向きのパーマネントが場の領域からフェイズ・アウト領域以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーにそのパーマネントの表を見せなければならない。裏向きの呪文がスタックから場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーにそのカードの表を見せなければならない。各ゲームの終了時に、すべてのプレイヤーに、すべての裏向きの呪文とパーマネントの表を見せなければならない。 505. 分割カード 505.1. 分割カードでは、一枚のカードに2組の表が存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。 505.2. スタック以外の領域にあるときは、分割カードは二組の特性を持つ。スタックにあるときは、プレイされている側の特性だけが存在し、他方の特性は存在しないものとして扱われる。 505.3. 全ての分割カードは、それぞれの半分が異なる色のマナ・シンボルをマナ・コストに含むので、スタックにあるときを除いては多色として扱われる。スタックにあるときは、そのプレイされている側の色だけが存在する。 505.4. 分割カードには2つのプレイできる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。 505.5. スタック以外の領域にある分割カードについて、ある特定の特性を問う効果は、分割カードのそれぞれの半分が持つ特性の組み合わせを答えとして得る。 例:《冥府からの誕生/Infernal Genesis》は「各プレイヤーのアップキープの開始時、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。そのあと、そのプレイヤーは1/1の黒のミニオン・クリーチャー・トークンをX個場に出す。Xはそのカードの点数で見たマナ・コストである」という能力を持つ。この能力の解決時にライブラリーの一番上にあるカードが《暴行+殴打/Assault/Battery》であった場合、《暴行/Assault》の点数で見たマナ・コストが1で《殴打/Battery》が4なので、合計5体の1/1クリーチャー・トークンを得る。 505.6. 分割カードの特性がある値と同じかどうかを問う効果は、一つだけの答えを得る。この答えは、分割カードのどちらかの側がその与えられた値と同じであれば「はい」になる。 例:《虚空/Void》は、「プレイヤー1人を対象とする。数を1つ選ぶ。その数と等しい値の点数で見たマナ・コストを持つアーティファクトとクリーチャーをすべて破壊する。そのあと、そのプレイヤーはその手札を見せ、その中の土地でないカードのうち、点数で見たマナ・コストがその数と等しい値のカードをすべて捨てる」という文章である。プレイヤーが《虚空》をプレイし、1または4を指定した場合、対戦相手は《暴行+殴打》を捨てることになる。5を指定した場合には、《暴行+殴打》のどちらの半分も点数で見たマナ・コストが5ではないので、影響を受けない。 505.7. 何らかの効果によってプレイヤーがカード名を指定する際、分割カードを指定しようとするなら、そのプレイヤーは分割カードの持つ2つの名前を両方とも指定しなければならない。 ------------------------------------------------------------------------------- 用語集 ------------------------------------------------------------------------------- アーティファクト/Artifact  アーティファクトとはカード・タイプであり、また、パーマネント・タイプでもある。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない時にだけ、アーティファクト呪文をプレイする事ができる。 アーティファクト・クリーチャー/Artifact Creature  このパーマネントはアーティファクトとクリーチャーの両方の性質があり、両方のルールが適用される。(rule 214〔パーマネント・タイプ〕参照)  アーティファクト・クリーチャーの中には、クリーチャー・タイプを持たないものがある。クリーチャー・タイプを持つ場合には、「アーティファクト・クリーチャー − [タイプ]」と記述される。例:「アーティファクト・クリーチャー − ゴーレム」 「アーティファクト」はクリーチャー・タイプではない。 アクティブ・プレイヤー/Active Player  アクティブ・プレイヤーとは、ターンを進行しているプレイヤーの事を指す。アクティブ・プレイヤーは(アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップを除く)各フェイズやステップの開始時、呪文や(マナ能力以外の)能力の解決の後、および戦闘ダメージの解決の後に優先権を得る。  両方のプレイヤーが同時に選択を行うと指示された場合、アクティブ・プレイヤーが先に選択を行い、それから非アクティブ・プレイヤーが選択を行う。 アップキープ/Upkeep  アップキープは、ターンの、開始フェイズの、2つめのステップである。アップキープの開始時に誘発する能力を持つカードも存在する。その類の能力は「アップキープ・コスト」「アップキープ効果」と呼ばれる。アップキープ・コストは、通常「あなたのアップキープの開始時に、あなたは[コストの支払い]ができる。そうしなければ、[このカード]を生け贄に捧げる」と書かれている。(rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照) あなた/You/Your  カードやパーマネントに記されている「あなた」という語は、常にその現在のコントローラーを意味する。常在型能力の場合には、そのカードやパーマネントの現在のコントローラ(場にない場合には、そのカードの所有者)を指す。起動型能力の場合には、その能力をプレイしたプレイヤーを指す。誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのカードのコントローラ(場にない場合には、そのカードの所有者)を指す。 アンタップ/Untap  1.タップされているカードをアンタップするとは、カードを縦に戻すことである。タップ参照。  2.アンタップはターンの、開始フェイズの、最初のステップである。アクティブ・プレイヤーがコントロールしているパーマネントは、通常、このときに全てアンタップされる。(rule 302〔アンタップ・ステップ〕参照) アンティ/Ante(廃語)  マジックの初期のルールには、「取りきり」でプレイするためのアンティのルールが含まれていた。現在では、アンティを賭けてマジックをプレイするのは、ゲームの選択可能なバリエーションとして扱われ、法などの規制によって禁止されていない場合にのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCIトーナメント・ルールの下では厳しく禁止されている。アンティ・ルールを使うとき、ゲームの開始時に各プレイヤーがそれぞれ自分のデッキの中からランダムに1枚のカードをアンティ領域に置く。そしてゲームが終わったあとで、アンティ領域にあるカードをすべて勝者の物とする。(rule 217.9〔アンティ〕参照) 生け贄に捧げる/Sacrifice  パーマネントを生け贄に捧げるとは、そのコントローラーがそれを場から直接そのオーナーの墓地に移動させることである。コントロールしていないものを生け贄に捧げるよう指示する効果が存在しても、何も起こらない。パーマネントを生け贄に捧げるとは、それを破壊することではない。従って、再生や、破壊を置換するその他の効果は、これに影響しない。 単発的効果/One-Shot Effect  単発的効果は、一度だけ何かをして、すぐに終わる。継続的効果参照。 移動する/Move  呪文や能力によって、個別エンチャントやカウンターをあるパーマネントから他のものに動かすことがありうる。その呪文や能力の解決時に、エンチャントやカウンターが既に存在しなかったり、あるいは動かす先のパーマネントが既に存在しなくなっていたときには、何も起こらない。同様に、エンチャントを、それがエンチャントできないパーマネントへ移動することはできない。この種の移動を行なおうとした場合、そのエンチャントは元の場所に留まる。  移動したエンチャントは、元のパーマネントをエンチャントするのを止め、新しいパーマネントをエンチャントする。他には何も変化しない。エンチャントは場を離れたわけではないので、場に出たときや場を離れたときの新しい誘発型能力は誘発しない。  個別エンチャントが移動したとき、そのタイムスタンプは新しくなる。移動前に「エンチャントされた[パーマネント]/enchanted [パーマネント]」に影響を及ぼす能力がスタックに積まれていた場合、新しいほうのエンチャントされたパーマネントに影響を及ぼす。 畏怖/Fear  畏怖は回避能力である。畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。rule 502.25〔畏怖〕参照。 イベント/Event  ゲームにおいて起こることは、イベントと呼ばれる。呪文や能力の解決中に、複数のイベントが起こることもありうる。  誘発型能力や置換効果のテキストには、そのチェックするイベントが定義されている。ある能力によっては1つのイベントとみなされることが、他の能力によっては複数のイベントとして扱われることもある。 例:攻撃クリーチャーが2つのブロック・クリーチャーによってブロックされた場合、それは「〜がブロックされた場合」という誘発型能力から見れば1つのイベントだが、「〜が1体のクリーチャーによってブロックされた場合」という誘発型能力から見れば2つのイベントである。 色/Color  マジックで用いられる色は白、青、黒、赤、緑であり、パーマネントは1つもしくはそれ以上のそれらの色を持つか、無色かである。「無色」は色でもなければ「アーティファクト」でもなく、「土地」、「茶色」などでもない。  カードの色の初期値は、そのマナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色によって表され、呪文や能力によって一時的もしくは永久的にパーマネントの色が変えられることもある。  効果によって新しい色を得た場合、古い色は失われる。 インスタント/Instant  インスタントとは、カード・タイプの一種である。プレイヤーが優先権を持っているとき、そのプレイヤーはインスタント呪文をプレイすることができる。インスタント呪文は、解決の最後の段階としてそのオーナーの墓地に置かれる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) インタラプト/Interrupt(廃語)  古いルールでは、「インタラプト/interrupt」という呪文タイプがサポートされていた。インタラプト・カードは、現在ではすべてインスタント・カードになっている。インタラプトとしてプレイされた能力は、現在では通常の起動型能力と同様に(かつ、マナを生むものはマナ能力として)プレイされる。 打ち消す/Counter(v)  呪文や能力を打ち消すとは、それをスタック領域から取り除くということである。打ち消された呪文は解決せず、効果は一切発揮されない。打ち消された呪文は、そのオーナーの墓地に置かれる。 (訳注:日本語化の都合上、Counter を二つの項目に分けました。原文ではこれとカウンターは同じ見出しです) 移しかえ/Redirect(廃語)  古いカードの中には、「移しかえる/redirect」という用語を用いて、呪文、能力、戦闘ダメージの割り当てによって与えられるダメージを、ダメージの発生源やダメージの種類を変えることなく、本来与えられるべきプレイヤーやクリーチャーとは別のものに与えることを示しているものがあった。一般に、「移しかえる」という用語を用いていたカードは、現在では、ダメージを与える先を変更する置換効果を生成する能力を持っている。「移しかえ」は、現在でもこれらの置換効果の働きを説明するための俗語として用いられている。 裏向き/Face-Down  rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕、rule 502.26〔変異〕参照。 永続的に/Permanently(廃語)  古いカードの中には、期限のない効果を示すために「永続的に/Permanently」という語が使われているものがある。一般に、「永続的に」という後を使っていたカードには、現在では注釈文に、効果がターン終了後も継続することが記してある。  例: 従来、「クリーチャー1体を対象とする。それのコントロールを永続的に得る」というテキストで書かれていた能力は、現在では「クリーチャー1体を対象とする。それのコントロールを得る。(この効果はターン終了時に終了しない。)」と書かれている。この効果によって、パーマネントのコントロールを、他の何らかの手段によってコントローラが変わるか、パーマネントが場を離れるまで得ることができる。この効果によってそのパーマネントが、他のコントロール変更効果の影響を受けなくなるわけではない。 エキスパンション・シンボル/Expansion Symbol  マジックのカードの絵の右下隅の下に、エキスパンション・シンボルと呼ばれる小さい絵があり、どのセットで発行されたカードかを示している。基本セットで再版されたカードはその基本セットのエキスパンション・シンボルを得、既に元のセットの一部ではないとして扱う。これは、あるエキスパンションのカードにだけ影響する呪文や能力に関してのみ重要である。基本セットの、最初の5つの版にはエキスパンション・シンボルは存在しない(訳注:基本セットの第5版は中文簡体字版にのみ"V"シンボルを持つ)。現在までのエキスパンション・シンボルには以下のものがある。 エキスパンション、基本セット Expert-Level Sets   Arabian Nights シミター(剣)   Antiquities 金床   Legends ギリシャ式柱頭   The Dark 三日月   Fallen Empires 王冠   Ice Age 雪の結晶   Homelands 惑星(3つの染みのある丸)   Alliances 旗   Mirage 「ミラージュ」椰子の木   Visions 「ビジョンズ」図章化された「V」   Weatherlight 「ウェザーライト」本   Tempest 「テンペスト」稲妻の走っている雲   Stronghold 「ストロングホールド」閉ざされた扉   Exodus 「エクソダス」橋   Urza's Saga 「ウルザズ・サーガ」二つの噛み合った歯車   Urza's Legacy 「ウルザズ・レガシー」柄の長い金槌   Urza's Destiny 「ウルザズ・デスティニー」三角フラスコ   Mercadian Masques 「メルカディアン・マスクス」仮面   Nemesis 「ネメシス」斧   Prophecy 「プロフェシー」3本の水晶   Invasion 「インベイジョン」ドミナリア同盟の印   Planeshift 「プレーンシフト」渦巻き   Apocalypse 「アポカリプス」嘆きのフェイスマーク   Oddysey 「オデッセイ」   Torment 「トーメント」   Judgement 「ジャッジメント」   Onslaught 「オンスロート」   Legions 「レギオン」 Advanced-Level Sets   Classic-(Sixth Edition) 「クラシック(第6版)」ローマ数字の6   Seventh Edition 「第7版」装飾的な「7」 Starter-Level Sets   Portal 「ポータル」5つの角のある丸   Portal Second Age 「ポータル・セカンドエイジ」5角星形   Portal Three Kingdoms 「ポータル三国志」漢数字の3「三」   Starter 傾いた星 Promo Cards   DragonCon ドラゴン   Magic novels ペン   Arena league cards 図章化された「M」   Mercadian Masques PROMO 羽根ペン   Arena league prize "ARENA"   GURU lands 記号的な瞳   DCI cards DCIロゴ Social-Play Sets   Unglued 割れた卵 エコー/Echo  エコーは、誘発型能力である。パーマネントに「エコー/Echo」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしこのパーマネントがあなたの最後のアップキープの開始時以降にあなたのコントロール下に来たのであれば、そのマナ・コストを支払わない限り、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。(rule 502.19〔エコー〕参照) X/X  コストにXが含まれている場合、Xの値は呪文や能力のプレイの一部として宣言される。(rule 409〔呪文や能力のプレイ〕参照)呪文や能力がスタックにあるあいだは、そのマナ・コストに含まれるXはその量の不特定マナに等しい。他の領域に存在するカードのマナ・コストにXが含まれているとき、その量は0として扱われる。マナ・コストを支払わずに呪文をプレイした場合、そのXは0になる。  誘発型能力においては、Xの値は能力の解決時に、能力の文章やキーワード能力、誘発イベントなどによって決定される。  それ以外の場合のXは、呪文や能力のテキストによって定義されている。Xが定義されていない場合、その呪文や能力のコントローラーがXの値を決定する。1枚のカードに記されているXはすべて同じ値を持つ。 エンチャント、エンチャント(場)/Enchantment  エンチャントとは、カード・タイプでもあり、パーマネント・タイプでもある。エンチャント呪文は、自分のメイン・フェイズ中、スタックに何も積まれていない時にだけプレイする事ができる。(rule 214.8〔エンチャント〕、全体エンチャント、個別エンチャント参照) エンチャント(ワールド)/Enchant World  タイプとして「エンチャント(ワールド)/Enchant World」と書かれているカードは、全体エンチャントである。2つ以上のエンチャント(ワールド)が場にある場合、エンチャント(ワールド)であった期間が最も短いもの以外を、その所有者の墓地に置く。これは状況起因効果である。(rule 420〔状況起因効果〕参照) オーナー/Owner  カードのオーナーとは、ゲームの開始時点で、そのカードをデッキに入れていたプレイヤーである(法的な所有権はゲームのルール上は関係しない)。トークンのオーナーは、そのトークンを作り出した呪文や能力のコントローラーである。  呪文や能力によって、そのパーマネントのコントローラーが変わることはあるが、オーナーが変わることはない。  カードは、常にそのオーナーのライブラリー、手札、墓地にいく。これは、カードが前の領域にあった時に、誰がコントロールしているかによらない。 カード/Card  これは特にマジックのカードのことを指し示し、どの領域にあろうともカードとして扱われる。トークンはカードではない(rule 2〔カード〕参照)。 カードを束に分ける/Separating Cards into Piles プレイヤーが、何枚かのカードを2つ以上の束に分けるよう指示された場合、それらのカードは現在ある領域を離れない。墓地にあるカードが束に分けられた場合、墓地の順番は可能な限り元通りにしなくてはならない。 解決/Resolve  スタックの一番上にある呪文や能力が解決されるとき、そのコントローラーはカードに記されている内容を、書かれている順番で実行する。戦闘ダメージが解決されるとき、ダメージは可能なかぎり、事前に割り当てられたとおりに与えられる。(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照) 開始フェイズ/Beginning Phase  開始フェイズはターンの最初のフェイズであり、アンタップ、アップキープ、ドローの3つのステップからなる。(rule 301〔開始フェイズ〕参照) 回避能力/Evasion Ability  回避能力は、攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーを制限する。それらは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップを修正する常在型能力である。(rule 501〔回避能力〕参照) 外部/Outside the Game  そのカードがゲーム外にあるか、あるいはゲームのどの領域にも存在しない場合、そのカードは外部にあると言う。外部は、領域ではない。 カウンター/Counter(n)  カウンターは、パーマネントの上に置かれる目印のことを指す。それはそのパーマネントの特性を修正したり、あるいは何らかの能力との相互作用を示したりする。パーマネントの上に+X/+Yカウンターが載っている場合、そのパーマネントのパワーにXを、そのパーマネントのタフネスにYを加算する。これらの修正は、パーマネントのタイプが変更される効果の後、他のパワーやタフネスを変更する効果の前に適用される。同じ名前、あるいは同じ表記で示されるカウンターは相互に交換できる。カウンターがプレイヤーに乗ることもありうる。「毒/poison」カウンターについては、rule 102.8 参照。 (訳注:日本語化の都合上、Counter を二つの項目に分けました。原文ではこれと打ち消すは同じ見出しです) 隠された情報/Hidden Information(廃語)  昔のマジックのルールにおいて、呪文や能力のプレイに含まれるほとんどの選択は宣言時に行われたが、その例外として、生け贄と、複雑なルールによって定義された、「隠された情報」を含む選択があった。現在のマジックのルールにおいては、呪文や能力の宣言時に何を選択するかは明確に定義しており、それ以外の選択は、その呪文や能力の解決時に行う。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) 数/Number  マジックにおいては、自然数しか用いない。分数を選んだり、分数点のダメージを与えたりすることはできない。呪文や能力が分数を作り出しうるとき、その呪文や能力には切り上げるか切り捨てるか指示されている。  クリーチャーのパワー/タフネス、マナ・コスト、プレイヤーのライフ総量、ダメージの量、失うライフの量が0未満になったとき、それに対する足し算や引き算を除いては0として扱う。  例: 0/2のクリーチャーが、ターン終了時まで-1/-1の修正を受けたとする。このクリーチャーは-1/1クリーチャーとなるが、0/1クリーチャーと同様に扱う。但し、パワーをさらに変更する効果は例外である。この後で+2/+0の修正を得たら、1/1クリーチャーとなり、2/1クリーチャーにはならない。 〜かのように/As though  プレイヤーやカードが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをしてもよい、と書かれている場合、それはその行動にだけ適用される。その行動に関しては、その条件を完全に満たしているかのように扱い、それ以外に関しては通常通り処理する。 例:「《大蜘蛛/Giant Spider》は飛行を持つかのようにブロックできる」。この場合、ブロック・クリーチャーとして指定するという目的においてのみ、《大蜘蛛》を飛行を持つクリーチャーとして扱ってもよい。これは、他に制限がなければ、《大蜘蛛》で飛行を持つクリーチャー(や、飛行を持つクリーチャーにしかブロックされないクリーチャー)をブロックできるということである。例えば、通常、《大蜘蛛》は飛行とシャドーを持つクリーチャーをブロックできない。 例:「あなたはそのカードが手札にあるかのようにプレイしてよい」。この場合、そのカードは通常のルールに則ってプレイされる。それが呪文の場合、プレイの最初の段階としてそれはスタックに積まれる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。それが土地の場合、直接場に出される。しかし、カードが実際に手札にあるわけではないので、それを捨てることはできないし、コストとしてゲームから取り除くこともできないし、サイクリングすることもできないし、手札の枚数を数えるときにも数えない。 例:「壁は、壁でないかのように攻撃できる」。この効果が有効であるかぎり、壁は、壁というクリーチャー・タイプを持たないクリーチャーであるかのように扱われる。攻撃が適正であるかどうかの判断以外のあらゆるルールや効果に関しては、壁として扱われる。  2枚のカードがそれぞれ、プレイヤーもしくはカードが一つのことを違う状況である「かのように」プレイさせるようになっていた場合、両方の状況が成立する。もし一方がもう一方の「かのように」の条件を満たしていた場合にも、両方の状況が成立する。 例:「あなたは墓地にあるカードを手札にあるかのようにプレイしてよい」という効果と「あなたは他のプレイヤーの墓地にあるカードをあなたの墓地にあるかのようにプレイしてよい」という効果があった場合、その両方が適用される。あなたは、あなたの墓地にあるカードと、他のプレイヤーの墓地にあるカードをプレイすることができる。(これらのカードは通常のルールに則ってプレイされる) 壁/Wall  壁は攻撃クリーチャーにできないクリーチャーのタイプである。それ以外の面では、他のクリーチャーと同じである。 冠雪/雪をかぶった/Snow-Covered  冠雪は、それ自身は何も行なわない能力で、他のカードが参照するキーワードにすぎない。あるカードが「雪をかぶった地形/snow-covered land」を指すとき、それは、冠雪能力を持つ土地のことを意味している。あるカードが「雪をかぶった森/snow-covered forest」を指すとき、それは、冠雪能力を持つ森のことを意味している。他も同様である。(rule 502.14〔雪をかぶった〕参照) キッカー/Kicker  キッカーはキーワード能力の一種で、コストと効果を持つ。キッカー・コストを支払うことで、呪文が追加の、または代わりの効果を発揮する。(rule 502.21〔キッカー〕参照)  キッカー・コストは、呪文をプレイするための追加コストである。呪文のキッカー・コストを支払うかどうかの宣言は、呪文のモードの選択(rule 409.1b 参照)と同時に行い、コストの支払いは、呪文の残りのコストの支払い(rule 409.1f 参照)と同時に行う。キッカー・コストを払うか払わないかは、いかなる場合でも選択可能である。  キッカーによる効果に対象が含まれている場合、呪文のコントローラは、そのキッカー・コストを支払うことを宣言した場合のみ、その対象を選択する(rule 409.1c 参照)。呪文のコントローラが、キッカー・コストを支払わないことを宣言した場合、そのキッカー・コストを支払うことで発生する効果の対象は選ばない。 起動型能力/Activated Ability  起動型能力は「起動コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストを払う事により、プレイヤーは優先権を持つときはいつでもその能力をプレイする事ができる。(rule 403〔起動型能力〕参照) 起動コスト/Activation Cost  起動型能力の起動コストはすべて「起動コスト:効果」の形で表記され、能力をプレイするためには起動コストを払わなければならない。例えば、「(2), (T):1点のライフを得る」と書かれている能力の起動コストは、任意の色の2マナとそのパーマネントをタップすることである。 基本地形/Basic Land  基本地形タイプには、平地、島、沼、山、森の5つがある。この5つのうちのいずれかの名前を持つ土地は基本地形である。各基本地形は本質的にマナ能力を持つ。(rule 214.9〔土地〕参照)  雪をかぶった地形も基本地形である。例えば、雪をかぶった平地は平地として扱う。 キャスティング・コスト/Casting Cost(廃語)  古いカードの中には、「キャスティング・コスト/casting cost」という単語を用いて、呪文のマナ・コストを表しているものがある。一般に、「キャスティング・コスト」という単語を用いていたカードは、現在ではマナ・コストに書き換えられている。また、「総キャスティング・コスト/total casting cost」という単語を用いていたカードは、現在では点数で見たマナ・コストに書き換えられている。 キャントリップ/Cantrip(俗語)  その効果の一部として「カードを1枚引く」という記述を持つ呪文の通称。 擬呪文/Pseudospell  擬呪文とは、呪文のようにスタックに積まれる起動型もしくは誘発型能力である。(rule 217.6b 参照) クリーチャー/Creature  クリーチャーというのは、カード・タイプでもあり、パーマネント・タイプでもある。アクティブ・プレイヤーだけが、そのメイン・フェイズの間でスタックが空のときに限り、クリーチャー呪文をプレイできる。(rule 214.7〔クリーチャー〕参照) クリンナップ/Cleanup  クリンナップは終了フェイズの2つめの、そして最後のステップである。このステップでは、状況起因効果や誘発型能力がない限りは呪文や能力はプレイできない。それらが処理された場合、このステップはもう一度繰り返される。(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照) 軽減/Prevention  何かが起こることを軽減する効果は、何も無かった事との置き換えを行なう(rule 419〔置換・軽減効果〕参照)。軽減効果は軽減するべきイベントの前に有効にしなければならない。  ある量のダメージを軽減する効果は「盾」のように働き、ダメージを軽減し終えるかターンの終わりまで活動状態を維持する。ダメージは単一の発生源や、同時にまとめて与えられていなくてもよい。  特定の発生源からの次のダメージを軽減する効果は、ダメージ量にかかわらずその発生源が次にダメージを与えようとする時に適用される。これらの効果はターンの終わった時に終了する。 継続型アーティファクト/Continuous Artifact(廃語)  古いルールでは、「継続型アーティファクト/continuous artifact」というカード・タイプがサポートされていた。継続型アーティファクト・カードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。継続型アーティファクトというカード・タイプで印刷されていたアーティファクトは、一般に起動型能力を持たない。 継続的効果/Continuous Effect  継続的効果は、たいていの場合、それに対応する常在型能力を持つパーマネントが場にあるか、またはその効果を発生させているカードが該当する領域にある限り有効である。呪文や能力によって、パーマネントに依存しない継続的効果が生成されることもある。それらはある特定の期間有効である。(rule 418〔継続的効果〕参照) 継続的能力/Continuous Ability(廃語)  古いルールでは、常在型能力は「継続的能力/continuous ability」と呼ばれていた。 ゲーム外/Removed from the Game  ゲーム外に置かれたカードはプレイの外にあり、呪文や能力の影響を受けない。しかし、それをゲーム外に置いた呪文や能力に、それを戻す方法が特定されていることがある。そういうカードの中には「脇に置く/Set aside」という語を使っている物もある。(rule 217.7〔ゲーム外〕参照) 効果/Effect  「能力」と「効果」は、しばしばお互いに混同された。パーマネントのテキストに書かれていることは能力であり、それを実行した結果、あるいは呪文の結果、生じるものが効果である(rule 416〔効果〕参照)。  呪文や能力が解決されたとき、効果が発生する。効果には基本的に3つの種類がある。単発的効果、継続的効果、置換・軽減効果である。  効果の中には、後に誘発する遅延誘発型能力を発生させるものもある。 交換/Exchange  呪文や能力は、2人のプレイヤーに、解決時に(ライフの合計や2つのパーマネントのコントロールなどの)何かを解決時に交換するように指示することがある。その種の呪文や能力の解決時に、その選択されたものが交換できなかった場合、何も効果は発生しない。例えば、呪文が2つの対象のクリーチャーのコントロールを交換するように指示していて、その解決時に片方が破壊されていた場合、呪文は何も効果を表わさない。あるいは、2つの対象のクリーチャーのコントロールを交換するように指示していて、その両方を同じプレイヤーがコントロールしているときも効果は発生しない。  2つのパーマネントのコントロールが交換されたとき、それぞれのプレイヤーは同時にそれまで他のプレイヤーがコントロールしていたパーマネントのコントロールを得る。  ライフの合計が交換されたとき、それぞれのプレイヤーはその変化分だけライフを得たり失ったりする。それらの増減に関して、置換効果は影響を及ぼすことがありえるし、誘発型能力が誘発することもありうる。  呪文や能力の中には、2つの異なった領域にあるカードを交換するように指示するものもある(例えば、ゲーム外にあるカードと手札にあるカードを、など)。これらの呪文や能力は、そのコントローラーが同一であっても働くということを除いて、他の「交換」する呪文や能力と同じように働く。 攻撃/Attack  戦闘フェイズの間に攻撃クリーチャーとして指定されたクリーチャーは攻撃する。(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)  呪文や能力をプレイすることは(戦闘フェイズ中でも)攻撃とは考えない。 攻撃クリーチャー/Attacking Creature  クリーチャーが攻撃クリーチャーになるのは、(a)戦闘フェイズ中に指定された、適正な攻撃に含まれており、かつ、(b)攻撃に必要なコストがすべて支払われた時である。攻撃クリーチャーは、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでは無くなるか、コントローラーが変わるか、または戦闘フェイズが終わるまで攻撃クリーチャーでありつづける。攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照) 攻撃された/Attacked  誘発型能力の中には、プレイヤーが「攻撃された」時に誘発するものがある。少なくとも1体のクリーチャーがそのプレイヤーを攻撃しない限り、この種の能力は誘発しない。また、「攻撃された」とは、「1体以上のクリーチャーで攻撃された」ことを指すから、この種の能力は1回の戦闘フェイズにつき1回しか誘発しない。 攻撃してブロックされなかった/Attacks and Isn't Blocked  クリーチャーが「攻撃してブロックされなかった」時に誘発する能力は、クリーチャーが「ブロックされなかった攻撃クリーチャー」になった時点で誘発する。(rule 309.3 参照) コスト/Cost  呪文や起動型能力にはコストの支払いが必要である。ほとんどの場合、コストはマナであるが、ライフの支払いやパーマネントのタップ、あるいは生け贄に捧げること、またはカードを捨てることなどが含まれうる。  必要な資源がすべて揃っていないときにコストを支払うことはできない。例えば、1点しかライフがないプレイヤーは2点のライフを支払うことができないし、タップ状態のパーマネントをタップすることをコストにあてることはできない。(rule 203〔マナ・コスト〕、rule 403〔起動型能力〕参照) コピー・カード/Copy Card  「コピー・カード/copy card」とは、呪文、パーマネント、カードなどの「コピー/copy」を作ったり、コピーとなったりするカードのことである。(rule 503〔呪文や能力のコピー〕参照) 個別エンチャント/Local Enchantment  個別エンチャントは、エンチャントの一形態である。個別エンチャントは「エンチャント([タイプ])」として表わされ、他のパーマネントにつけて場に出される。(rule 214.8〔エンチャント〕参照) コントロール、コントローラー/Control/Controller  全てのパーマネント、呪文、能力にはコントローラーが存在する。  パーマネントが場に出たとき、そのパーマネントを生成した呪文や能力に特記されてなければ、それを場に出したプレイヤーがそのコントローラーである。他の効果によって、後で変更されることもある。  場やスタック以外の領域に存在するカードにはコントローラーは存在しない。スタックにある呪文や起動型能力のコントローラーは、それをプレイしたプレイヤーであり、誘発型能力のコントローラーは、その能力の発生源の、誘発時点でのコントローラーである。 サイクリング/Cycling  サイクリングは、起動型能力である。「サイクリング [コスト]」とは、「[コスト], このカードを手札から捨てる:カードを1枚引く」ということを意味する。(rule 502.18〔サイクリング〕参照) 再生/Regenerate  再生は、破壊に対する置換効果である。「[パーマネント]を再生する/Regenerate [パーマネント]」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される場合、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」という意味である。これは置換効果なので、実際の破壊イベントが起こるより前に有効にしておく必要がある。破壊が致死ダメージによるものの場合、ダメージによる誘発型能力は誘発する。 探す/Search  何らかの条件を満たすカードを、すべてのプレイヤーには公開されていない領域から探す必要がある場合、存在しても見つける必要はない。もしカードを見つけなくても、その領域は探したものとみなされる。しかしながら、「任意のカード/any card」を探す場合には、可能ならばカードを見つけなければならない。ある特定の数のカードを探す場合、(可能なかぎり)その枚数のカードを見つけなければならない。例えば、何らかの効果により、あるプレイヤーのライブラリーからある種類のカードを全て取り出し、ゲームから取り除く、と言う場合には、その一部を残すことができる。しかし、その効果がライブラリーから3枚を探すという場合、ライブラリーに3枚以上のカードがあるなら、2枚以下を選ぶことはできない。 しないかぎり/Unless  カードの中には「○○しないかぎり、××する/do [××] unless [○○]」と書かれているものがある。これは「○○してもよい。そうしない場合、××する」というのと同じ意味である。 支払う/Pay  ほとんどの呪文や起動型能力をプレイするには、コストを支払う必要がある。  マナの支払いは、そのプレイヤーのマナ・プールからその必要なだけのマナを除くことで支払うことができる。マナの支払いが求められた時には、いつでもマナ能力をプレイすることができる。ライフを支払うとは、その必要なだけのライフをプレイヤーのライフ総量から減らすことである。プレイヤーはその時に持っている以上のマナやライフを支払うことはできない。コストが0マナあるいは0点のライフであれば、常に支払うことができる。  それ以外のあらゆるコストを支払う場合、カードのルール・テキストに示されている内容を実行する。その内容を実行できない場合、そのコストを支払うことはできない。例えば、クリーチャーが既にタップ状態のときには、そのクリーチャーをタップすることを求めるコストは支払うことができない。  それぞれの支払いは、それぞれ一つの呪文か能力にしか適用できない。例えば、一つのクリーチャーを生け贄に捧げることで二つのパーマネントの持つ、それぞれクリーチャーを生け贄に捧げることをコストとして求める起動型能力を起動することはできない。  呪文や能力の解決によって、たとえ他の呪文や能力のコストとして要求されているのと同じことをしたとしても、そのコストを支払ったことにはならない。 島渡り/Islandwalk  土地渡り参照。 シャドー/Shadow  シャドーは回避能力の一つである。シャドーを持つ攻撃クリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーによってブロックされず、シャドーを持たない攻撃クリーチャーはシャドーを持つクリーチャーによってブロックされない。(rule 502.8〔シャドー〕参照) 終了フェイズ/End Phase  終了フェイズは、ターンの5つ目の、そして最後のフェイズであり、ターン終了とクリンナップの2つのステップに細分化される。(rule 312〔終了フェイズ〕参照) 召喚/Summon(廃語)  古いクリーチャー・カードは、カード・タイプが「[クリーチャー・サブタイプ]の召喚/Summon [クリーチャー・サブタイプ]」と書かれていた。「[クリーチャー・サブタイプ]の召喚」というカードは、すべて「クリーチャー - [クリーチャー・サブタイプ]」と読みかえる。 召喚酔い/Summoning Sickness(廃語)  古いルールでは、「召喚酔い/summoning sickness」という用語を用いて、あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーのコントロール下に入ったクリーチャーが攻撃することもコストにタップを含む起動能力を使うこともできない、という制限を示していた(速攻参照)。 消散/Fading  「消散/Fading」は、パーマネントをある期間だけ場に残すようにするキーワード能力である。消散を持つカードは、カードに「[このカード]は、その上に[個数]の消散カウンターが置かれた状態で場に出る。」と書かれているかのように、ある数の消散カウンターを載せた状態で場に出る。また、「あなたのアップキープの開始時に、[このカード]から消散カウンターを1つ取り除く。消散カウンターを取り除けない場合、[このカード]を生け贄に捧げる」という誘発型能力も持つ(rule 502.20〔消散〕参照)。 初期値/Initial Value  パーマネントの特性の初期値は、そのカードに記されているか、あるいはそのトークンを生み出す呪文や能力のルール・テキストに記されている。  パーマネントのタイプを変更するカードは、その特性の初期値を変化させるのであって、現在値を変化させるのではない。その特性を変化させる継続的効果を上書きはしない。(rule 214.5 参照) 術者/Caster(廃語)  古いカードの中には、「術者/caster」という単語を用いて、呪文をプレイしたプレイヤーを表しているものがある。一般に、「術者」という単語を用いていたカードは、現在ではその呪文の「コントローラー/controller」という単語を用いる。 呪文/Spell  土地以外のカードは、それがプレイされてから打ち消されるか解決されるまでの間、呪文と呼ばれる。該当する呪文カードは存在しないが、呪文のコピーもまた呪文である。また、土地以外のカードは「呪文カード」と呼ばれる。(rule 213〔呪文タイプ〕参照) 状況起因効果/State-Based Effects  状況起因効果は、ゲームの特定の状態を常にチェックしている。プレイヤーが優先権を得る時はいつでも状況起因効果をチェックし、そしてそれが適用される。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 常在型能力/Static Ability  常在型能力は、ある特定の時にプレイされるのではなく、常に何かをしている。常在型能力は、その能力を持つパーマネントが場に残っているか、その能力を持つカードが該当する領域に残っている限り有効な継続的効果を生成する。呪文や能力によってパーマネントに依存しない継続的効果が生成されることもある。これらはある一定の期間、あるいはゲームの間ずっと、残る。(rule 412〔常在型能力の処理〕参照) (訳注:これの後半部分は、継続的効果の説明ではないかと思われます) 状態誘発/State Triggers  状態誘発は、イベントではなくゲームの状態をチェックし、ある条件を満たしたときに即座に誘発する誘発型能力である。一度誘発したら、その擬呪文が解決されるか打ち消されるまではもう一度誘発することはない(rule 410.11 参照)。 スタック/Stack  呪文や能力は、プレイされたとき、ないし誘発したときに、スタックの一番上に積まれる。戦闘ダメージの割り当ても、1つの擬呪文であるかのように、スタックの一番上に積まれる。双方のプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の呪文、能力、あるいは戦闘ダメージが解決され、そしてアクティブ・プレイヤーが再び優先権を得る。(rule 217.6〔スタック〕、rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕参照) ステップ/Step  フェイズの中には、ステップに細分化されるものがある(rule 3〔ターン進行〕参照)。 捨てる/Discard  プレイヤーが、その手札からカードをその墓地に置くことをカードを捨てるという。通常、どのカードを捨てるかはその影響を受けるプレイヤーが選ぶ。しかし、呪文や能力によっては、ランダムに捨てるよう要求されたり、捨てるカードを他のプレイヤーが選べたりすることがある。 ストーム/Storm  ストームは、カードをスタックに置く際に機能する誘発型能力である。「ストーム」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。1つの呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。 棲み家/Lair  棲み家は土地タイプである。土地タイプとして棲み家を得た場合、その土地は基本地形にはならない。 スレッショルド/Threshold  スレッショルドは常在型能力である。スレッショルドを持つカードは、そのコントローラーの墓地に7枚以上のカードがある場合に、「スレッショルド -/Threshold -」以下の文章を持つ。そうでない場合、「スレッショルド -」以下の文章はカード上に存在しないものとして扱う。スレッショルドを持つインスタントまたはソーサリーのカードは、そのカードがスタック上にある場合にのみスレッショルド文章を持つ。スレッショルドを持つアーティファクト、クリーチャー、エンチャントまたは土地のカードや、スレッショルドを持つその他のパーマネントは、そのカードやパーマネントが場にある場合にのみスレッショルド文章を持つ。rule 502.23〔スレッショルド〕参照。 生息条件/Landhome(廃語)  古いルールでは、「生息条件/landhome」と呼ばれる一群の能力に対するルールがサポートされていた。「生息条件」という用語自体は能力の総称である。カードのルール・テキストには、例えば「生息条件(島)/Islandhome」のように、特定の土地タイプが書かれている。これは、「このクリーチャーは、防御側プレイヤーが島をコントロールしていない限り攻撃できない」こと、および「あなたが島をコントロールしていない時、このクリーチャーを生け贄に捧げる」ことを意味する。従来、生息条件を持っていたカードには、現在、このキーワードを用いずに、単にこれら2つの生息条件の能力が書かれている。 先制攻撃/First Strike  先制攻撃は、戦闘フェイズのルールを変更する常在型能力である。先制攻撃を持つクリーチャーがまずそのダメージを割り振って与え、そして先制攻撃を持たないクリーチャーの中で生き残っている物がダメージを割り振って与える。(rule 502.2〔先制攻撃〕参照) 戦闘から取り除かれる/Removed from Combat  攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーが戦闘から取り除かれたとき、それらは攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーではなくなり、ダメージを割り振ったり割り振られたりはしなくなる。既にスタックに積まれている戦闘ダメージは通常通り適用される。 戦闘後/Postcombat  第2メイン・フェイズは、「戦闘後」メイン・フェイズと呼ばれる。追加の戦闘フェイズを与えるような効果が発生した場合、その追加のものも戦闘後メイン・フェイズである。 戦闘ダメージ/Combat Damage  戦闘ダメージは戦闘フェイズの戦闘ダメージ・ステップに攻撃クリーチャー及びブロック・クリーチャーによって与えられる。呪文や能力によって戦闘フェイズ中に与えられたダメージは戦闘ダメージに含まれない(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照)。 戦闘フェイズ/Combat Phase  戦闘フェイズは戦闘開始、攻撃クリーチャー指定、ブロック・クリーチャー指定、戦闘ダメージ、戦闘終了の5つのステップからなる、ターンの3番目のフェイズである。(rule 306-rule 311 参照) 戦闘前/Precombat  第1メイン・フェイズは、「戦闘前」メイン・フェイズと呼ばれる。 全体エンチャント/Global Enchantment  全体エンチャントは、エンチャントの一区分である。全体エンチャントは「エンチャント(場)/Enchantment」と書かれており、場にあるときに他のパーマネントにつけられるものではない。 ソーサリー/Sorcery  ソーサリーはカード・タイプである。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない時にだけ、ソーサリー呪文をプレイする事ができる。ソーサリー呪文は、解決の一部としてそのオーナーの墓地に置かれる。(rule 408.1d 参照) 総キャスティング・コスト/Total Casting Cost(廃語)  古いカードの中には、「総キャスティング・コスト/total casting cost」という用語を用いて、呪文の点数で見たマナ・コストを指しているものがあった。一般に、「総キャスティング・コスト」という用語を使っていたカードは、現在では点数で見たマナ・コストという用語を使っている。 増幅/Amplify  増幅は、場に出るに際してのルールを変更する常在型能力である。「増幅 [X]」は、「このカードが場に出るに際し、あなたの手札にあるそのカードと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このカードは、これにより公開されたカード1枚につきX個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このカード自身や、このカードと同時に場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。(rule 502.27〔増幅〕参照) 側面攻撃/Flanking  側面攻撃は、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。クリーチャー・カードのルール・テキストに「側面攻撃/Flanking」と書かれていた場合、「このクリーチャーが、側面攻撃を持たないクリーチャーによってブロックされた場合、そのブロック・クリーチャーはターン終了時まで-1/-1の修正を受ける」ということを意味する。(rule 502.3〔側面攻撃〕参照) 速攻/Haste  通常、クリーチャーは、あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーのコントロール下に入った場合、攻撃することもコストにタップを含む(タップ・シンボルで表される)起動型能力を使うこともできない。速攻は、そのルールを無視させることのできる常在型能力である。(rule 502.5〔速攻〕参照) ターン終了/End of Turn  これは、終了フェイズの最初のステップである。(rule 313〔ターン終了ステップ〕参照) 対応する/Respond/Response(俗語)  プレイヤーは、何かがスタックに積まれているときに、それが解決されるのを待たずにインスタントや起動型能力をプレイすることができる。そうしてプレイされた呪文や能力を、その前の呪文や能力に「対応して」プレイされた、という。 対象/Target  呪文や能力のルール・テキストに「対象」という語が存在した場合、呪文や能力のコントローラーはその語の後の条件にふさわしい何かを選ぶ。単純に「土地1つを対象とする」というようなこともあれば、「あなたの対戦相手の一人がコントロールしているタップ状態のクリーチャー1体を対象とする」といったような、より複雑な場合もある。呪文や能力の対象の選択は、その呪文や能力をプレイするときに行なう。  スタック上にある呪文や擬呪文は、自分自身を対象にできない。 対戦相手/Opponent  「対戦相手」という語が呪文や能力のルール・テキストに存在した場合、それは常にその呪文や能力をプレイしたプレイヤーの対戦相手である。  チーム・ゲームにおいては、対戦相手のチームのメンバーだけが対戦相手であり、チームメイトは対戦相手ではない。バトルロイヤルでは、自分以外のプレイヤーはすべて対戦相手である。 タイプ/Type  タイプという語は、それだけでは曖昧である。これは、カードや呪文などの基本的なタイプ、あるいはクリーチャー、エンチャント、土地のサブタイプのどれも示すことがある。(rule 212-rule 215 参照)  カード・タイプ(あるいは存在するならサブタイプ)はカードの絵のすぐ下に記されている。土地以外のカードに関する呪文タイプは、ルール・テキストに「〜として」プレイされる、と書かれていた(これはそのタイプに関するタイミングのルールに従うことを意味する)としても、カードタイプと同じである。トークンにはカード・タイプや呪文タイプは存在しないが、パーマネント・タイプは存在する。  呪文や能力がパーマネント・タイプを変更するとき、完全に新しいタイプのものとなり、古いタイプのものではなくなる。呪文や能力がタイプを追加するときは、そのように書かれている。  クリーチャーのタイプは、絵の下に「クリーチャー」という語の後に書かれているか、あるいはトークンを作り出した呪文や能力によって定義される。クリーチャーには複数のタイプが存在しうる。クリーチャー・カードでないカードで、呪文や能力によってクリーチャーになっているものは、基本的にはクリーチャー・タイプを持たない。  カードの分類、例えば基本地形や個別エンチャントといったものは、タイプではなく、タイプを選ばなければならないときに選択することはできない。  土地のタイプはその名前と同じである。  個別エンチャントのタイプは、エンチャントの後に書かれた語である。  マナのタイプには、その色と制約が含まれる。例えば、アーティファクト呪文にしか使えないマナなどである。 タイムスタンプ順/Timestamp Order  カードやパーマネントのタイムスタンプ順は、二つの例外を除いて、その現在ある領域に入った時である。例外とは、(1)複数のパーマネントが同時に領域に入った場合、その領域に入るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。但し、個別エンチャントはそれがエンチャントしているパーマネントよりも新しいタイムスタンプを持たなければならない。(2)個別エンチャントがパーマネントについたときに、そのエンチャントは新しいタイムスタンプを得る。常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したカードやパーマネントと同じタイムスタンプを有する。呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、それを生み出した呪文や能力が解決された時のタイムスタンプを得る。  常在型能力によって発生した継続的効果は、その源のパーマネントと同じタイムスタンプを持つ。呪文や能力の解決によって発生した継続的効果は、その呪文や能力が解決されたときにタイムスタンプを得る。 多色/Multicolored  多色のカードは、複数の色を持っており、はっきりと識別できるように金色の枠になっている。  多色のパーマネントは、そのうちの一つの色に影響を及ぼすものの影響を受ける。例えば、黒緑のクリーチャーは「緑のクリーチャーを全て破壊する」という呪文によって破壊される。ある特定の色に影響を及ぼさないものは、その色を含む多色のパーマネントにも影響を及ぼさない。例えば、前述のクリーチャーは「黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」呪文や能力の対象にはならない。 立ち消え/Fizzle(廃語)  古いルールでは、「立ち消え/fizzle」という単語を用いていた。これは、呪文や能力が、その対象がすべて、消えたり不正になったりしたために、解決時に打ち消されることを指した。 タップ/Tap  パーマネントをタップするとは、カードを横向きに倒すことである。起動コストに書かれている(T)シンボルは「このパーマネントをタップする」を意味する。すでにタップ状態のパーマネントは、コストとして再びタップすることはできない。プレイヤーが最も最近のターンの開始時から続けてコントロールしているわけではないクリーチャーの、コストに(T)を含む能力をプレイすることはできない。 タフネス/Toughness  クリーチャー・カードの右下隅に記されている、スラッシュの後の数字をクリーチャーのタフネスという。クリーチャーの現在のタフネスとは、その初期値(記されている数字)を、まずカウンター、次に継続的効果によって変更された値である。  クリーチャーのタフネス以上(で1点以上)のダメージが与えられたクリーチャーは致死ダメージを受け、次にプレイヤーが優先権を得るときに破壊される。これは状況起因効果である。  クリーチャー・カードの中には、タフネスが数字でなく「*」で表わされているものもある。これは、そのクリーチャーはタフネスを何らかの条件で定める常在型能力を持っているということを示している。呪文や能力によってそれが場にないときにそのタフネスを参照する場合、それは0として扱われる。 単独で攻撃する/Attack Alone  クリーチャーが、ある戦闘フェイズにおいて唯一の攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーは単独で攻撃していると言う。 単独でブロックに参加する/Block Alone  クリーチャーが、ある戦闘フェイズにおいて唯一のブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーは単独でブロックに参加していると言う。 単発型アーティファクト/Mono Artifact(廃語)  古いルールでは、「単発型アーティファクト/mono artifact」というカード・タイプがサポートされていた。単発型アーティファクト・カードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。単発型アーティファクトというカード・タイプで印刷されていたアーティファクトは、一般にその起動型能力にタップ・シンボルがある。何も書かれていない場合には、書かれているコストに「タップ」が追加されている。 代替コスト/Alternative Cost  呪文の中には、テキストに「あなたは[カード名]をプレイするために、マナ・コストを払わずに[行動]することができる」と書かれたものがある。これらを代替コストと言う。呪文のマナ・コストを参照する他の呪文や能力は、代替コストを考慮しない。何らかの効果が呪文をプレイするために追加のコストを要求してきた場合、代替コストにそれを追加する。 ダメージ/Damage  呪文や能力で、クリーチャーやプレイヤーにダメージを与えるものが多数存在する。また、クリーチャーは戦闘フェイズの間に戦闘ダメージを与えることができる。  プレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーのライフ総量から減らされる。  クリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーの上に残る。クリーチャーがクリーチャーでなくなっても、ダメージは残る。そのタフネス以上の(かつ1点以上の)ダメージを受けたクリーチャーは、致死ダメージを受けて破壊される(rule 420〔状況起因効果〕参照)。ダメージによって、クリーチャーのタフネスが変化することはない。クリーチャーでないパーマネントは、ダメージの影響を受けない(但し、ダメージが取り除かれる前に再度クリーチャーとなった場合、そのクリーチャーは破壊されることがありうる)。クリンナップ・ステップの間に、全てのダメージはパーマネントから取り除かれる。  コストや効果の中で、「ライフを失う」「ライフを支払う」と書かれているものがある。それらはダメージを与えているわけではなく、ダメージ軽減効果によって軽減されたり、何らかの変更を受けたりすることはない。 ダメージ軽減能力/Damage-Prevention Ability  ダメージ軽減能力とは、ダメージ軽減効果を生み出す常在型能力や起動型能力である。(rule 419.7〔軽減効果〕参照) 遅延誘発型能力/Delayed Triggered Ability  遅延誘発型能力とは、何らかの呪文や能力が解決されたときに生成された効果によって作り出される能力である。(rule 406.2〔遅延誘発型能力〕参照) 置換、置換効果/Replacement Effect  置換効果とは、ある特定のイベントの発生を待ち、それを異なるもので置き換える継続的効果の一種である。(rule 419〔置換・軽減効果〕参照) 致死ダメージ/Lethal Damage  致死ダメージとは、1以上でかつそのクリーチャーのタフネス以上のダメージの量のことを言う。致死ダメージを受けたクリーチャーは破壊される。これは状況起因効果である。 注釈文/Reminder Text  注釈文は、カードに記されたキーワード能力のあとに、あるいは、間違えられやすい可能性のあるカードに書かれている。注釈文は括弧で囲まれ、斜体で書かれている。このテキストによってゲーム・ルールの概説や解説が与えられているが、それ自身はルール・テキストとしては扱われない。 挑発/Provoke  挑発は誘発型能力である。「挑発」は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。(rule 502.29〔挑発〕参照) 追加コスト/Additional Cost  呪文の中には、そのテキストに追加コストが記されているものがある。それらのコストは、マナ・コストを支払うのと同じときに支払われる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) 手札/Hand  手札とは、プレイヤーがまだプレイしていないカードを持つ領域である。(rule 217〔領域〕参照) 手札の最大枚数/Maximum Hand Size  それぞれのプレイヤーの手札の最大枚数は普通は7枚であるが、何らかの効果によって変化することはありうる。アクティブ・プレイヤーのクリンナップ・ステップの最初の行動は、手札が多すぎた場合は、手札の最大枚数まで手札を減らすように(それ以上は捨てられない)手札を選んで捨てる。(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照) 点数で見たマナ・コスト/Converted Mana Cost  点数で見たマナ・コストとは、そのカードのマナ・コストのマナの総量である。例えば、《大気の精霊/Air Elemental》のマナ・コストは(3)(U)(U)であり、したがって点数で見たマナ・コストは5である。(rule 203〔マナ・コスト〕参照) デッキ/Deck  プレイヤーのデッキとは、そのプレイヤーがゲームを始めるにあたって用意するカードの集合である。ゲームが始まったとき、それぞれのプレイヤーのデッキはそれぞれのプレイヤーのライブラリーになる。 デュアル・ランド/Dual Land(俗語)  10種類の「デュアル・ランド/dual land」カードが、マジックの初期の基本セットで発行された。これらはそれぞれ、本来の土地タイプに加えて、基本地形タイプを2つずつ持っている。例えば、《Taiga》は土地タイプとして、Taiga、森、山を持つ。  デュアル・ランド・カードは、それぞれの基本地形タイプが本来持つ能力を持っており、それらのタイプに影響する呪文や能力によって、両方の基本地形タイプとして扱われる。デュアル・ランド・カードは、場に出ている間、土地2枚としては扱わない。1枚の土地で、複数の土地タイプを持つものとして扱う。土地タイプを表す単語の一方を変えることで、持っているマナ能力も変化する。従って、《Taiga》のテキストを何らかの呪文や能力によって、「Taigaは、その土地タイプに加えて平地でも森でもある」と変更した場合、その土地をタップして、白マナまたは緑マナを得ることができる。 デュエル/Duel(廃語)  古いルールでは、マジックの1回のゲームは「デュエル/duel」と呼ばれていた。マッチ参照。 トークン/Token  トークンとは、呪文や能力によって生成された、カード以外のパーマネントを表わす物体である。トークンはカードと全く同じようにタップしたりアンタップしたりでき、それを示すのに回転の代わりの方法が必要なこともある。(rule 216〔トークン〕参照) 特殊地形/Nonbasic Land  《平地/Plains》《島/Island》《沼/Swamp》《山/Mountain》《森/Forest》(あるいは《Snow-Covered Plains》など)以外の土地は特殊地形である。特殊地形で、基本地形の土地タイプを持つものは、その土地のマナ能力を有し、かつその基本地形に影響を及ぼす呪文や能力の影響を受けるが、基本地形ではない。 特性/Characteristics  カード、呪文、パーマネントの特性は、名前、マナ・コスト、色、タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、能力、パワー、それにタフネスである。カード、呪文、パーマネントの特性は、ある初期値にまず(パーマネント上の)カウンターによる修正が加えられ、それから継続的効果の影響を受けて定められる。特性の中には上にあげた以外の、例えばタップ状態か否か、あるいはそのコントローラーが誰か、またその対象が何か、といった類の情報は含まれない。  何にエンチャントしているか、ということも特性ではない。 として扱う/Counts As(廃語)  古いカードの中には、カードを何か「として扱う/counts as」というテキストを用いているものがある。ルール上、また他のカードが参照する場合に、そのカードをそのものとして処理する。(最近のマジックのカードでは、代わりに「である/is」を用いている。) これは能力ではなく、場にないときにも適用される。例えば「森として扱う」と書かれているカードは、ライブラリーから森のカードを探してくる呪文で取ってくることができるし、場にあるときにはタップして緑マナを出すことができるし、森渡りで渡られる。 土地/Land  土地とは、カード・タイプでもあり、パーマネント・タイプでもある。土地は呪文ではなく、スタックにも積まれない。それらは単に手札から場に置かれる。アクティブ・プレイヤーは、自分のターンのメイン・フェイズで優先権を持っていて、かつスタックが空のとき、ターンに一度だけ土地をプレイすることができる。(rule 214.9〔土地〕参照) 土地サイクリング/Landcycling  土地サイクリング能力は、サイクリング能力の一種である。「[土地タイプ]サイクリング [コスト]」は「[コスト], このカードをあなたの手札から捨てる:あなたのライブラリーから[土地タイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、土地サイクリング能力がプレイされたときにも誘発する。 土地タイプ/Land Type  土地タイプとは、そのカード名である。例えば、《森/Forest》は「森/Forest」というタイプであり、《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》は「アダーカー荒原/Adarkar Wastes」というタイプである。「基本地形」や「特殊地形」は土地タイプではない。 土地渡り/Landwalk  「土地渡り」は能力の総称である。カードのルール・テキストには、たいていの場合「島渡り」のようにある特定の土地タイプが書かれている。  土地渡りは回避能力である。土地渡りを持ったクリーチャーは、防御側プレイヤーがそのタイプの土地を最低1つコントロールしているかぎり、ブロックされない。(rule 502.6〔土地渡り〕参照) 唱える/Cast(廃語)  古いカードの中には、「唱える/cast」という単語を用いて、呪文をプレイすることを表しているものがある。一般に、「唱える」という単語を用いていたカードは、現在では「プレイする/play」という単語を用いる。 唱えるのに成功した/Successfully Cast(廃語)  古いルールでは、呪文や能力の宣言・解決の1つの段階として、「唱えるのに成功した/successfully cast」という状態をサポートしていた。一般に、呪文を「唱えるのに成功した」時に誘発すると書かれている全ての能力は、プレイされたときに誘発すると読み替える。 飛ばす/Skip  ステップやフェイズ、あるいはターンを飛ばすとは、それが存在していないかのように通り越す、ということであり、置換効果の一種である。「[何か]を飛ばす/Skip [何か]」とは、「[何か]の代わりに、何もしない」と同義である。  ステップ、フェイズ、ターンが開始してしまったら、それを飛ばすことはできず、飛ばす効果は、次にそれが来るまで待つ。  飛ばされるステップ、フェイズ、ターンに起こるべきことは、起こらない。「次の」時に予定されていることは、実際に存在する最初の時に起こる。2回、次の何かを飛ばすという効果があった場合、一つめは一つめの時に処理が終わるが、2つめは次のそれが現れるまで残る。 トランプル/Trample  トランプルは、戦闘ダメージ・ステップの処理を変更する常在型能力である。攻撃クリーチャーに、ブロック・クリーチャーを「トランプルし尽くし」、そして戦闘ダメージの一部を防御側プレイヤーに与えることを許す。(rule 502.9〔トランプル〕参照) 同点/Tie  何らかの効果が同点となる場合、その効果を生んだ呪文や能力のテキストに、同点の場合にどうするかが指示されている。マジックのゲームでは、同点の場合の一般的な扱いを定めていない。 ドロー・ステップ/Draw Step  ドロー・ステップは開始フェイズの第3のステップであり、その開始時にはアクティブ・プレイヤーにカードを引かせる誘発型能力が発生する。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。(rule 304〔ドロー・ステップ〕参照) 名前/Name  カードの名前は、その左上隅に記されている。(rule 202〔名前〕参照) 二段攻撃/Double Strike  二段攻撃は、戦闘フェイズのルールを変更する常在型能力である。二段攻撃または先制攻撃を持つクリーチャーがまずそのダメージを割り振って与え、そしてまだダメージを与えていないクリーチャー、または二段攻撃を持つクリーチャーの中で生き残っている物がダメージを割り振って与える。(rule 502.28〔二段攻撃〕参照) 〜になる/Becomes  誘発条件の中には、「タップ状態になる」または「ブロックされた状態になる」のように「〜になる/becomes」という言葉が使われていることがある。これらは、その条件が満たされたときにのみ誘発する。既にその条件を満たしていたり、あるいはその条件がずっと続いている場合に複数回誘発するわけではない。例えば、「タップ状態になる」という誘発条件を持つ誘発型能力は、パーマネントがアンタップ状態からタップ状態になった時に一度だけ誘発する。 沼渡り/Swampwalk  土地渡り参照。 〜の間に/During(廃語)  古いルールでは、「フェイズ能力/phase abilities」のルールがサポートされていた。フェイズ能力は「[フェイズ]の間に、[行動]/During [フェイズ], [行動]」と書かれていた。一般に、フェイズ能力を持っていたカードは、現在ではステップまたはフェイズの開始時に誘発する能力を持っている。「〜の間に/during」という単語は、現在のカードのテキストにも出現するが、それは通常の英語での意味しかなく、ゲームにおいて固有の意味は持たない。 能力/Ability  「能力」及び「効果」はしばしば混同される。カードないしパーマネントのテキストにある命令は能力であり、そのような命令に従って発生する事、もしくは呪文の結果は効果である。  カードないしパーマネントには、一つもしくはそれ以上の能力を持つものもあり、まったく持たないものもある。より多くの情報はrule 4〔呪文・能力と効果〕を参照。  カードやパーマネントが何らかの効果により能力を「得る/gains」または「持つ/has」場合、そのカードやパーマネントが能力を得る。カードやパーマネントの特性を定義する効果([カードまたはパーマネント]は[特性」である/[カードまたはパーマネント] is [特性])の場合、それは能力を得ない。例えば、「エンチャントされたクリーチャーは赤である」というエンチャント(クリーチャー)があるとすると、このエンチャントは何らかの能力を与えるものではない。これは単に、エンチャントされたクリーチャーの色を赤に変えるだけである。 廃語/Obsolete  この用語集で「廃語」と書かれた語は、古いカードや古いルールで用いられていた語である。これらの語を用いていたカードの最新の語法は、Oracleに記されている。 破壊する/Destroy  パーマネントを破壊するとは、場にあるパーマネントをそのオーナーの墓地に置くことである。再生などの破壊を置換する効果によって置換されることがある。(rule 419〔置換・軽減効果〕参照) 発生源/Source  能力やダメージを生成させたカードやトークンが、その発生源である。発生源を選ぶ効果があった場合、そのプレイヤーは、パーマネント、(パーマネントを生成する呪文を含む)スタックに積まれている呪文、あるいは擬呪文の参照するカードやパーマネント、を選択できる。その効果は、その呪文またはパーマネントによって与えられるダメージ(戦闘にせよ、その能力にせよ)に、指示の通りに適用される。ダメージを与え得ないものも発生源として適正である。 場/In Play  場は、パーマネントのある領域である。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント呪文が解決されると、そのカードは場領域に置かれ、パーマネントとなる。トークンや土地もこの領域に存在する。(rule 217〔領域〕参照) バイバック/Buyback  バイバックはrule 413.2h を変更する置換効果である。バイバックを伴ったインスタント及びソーサリーをプレイしたとき、その呪文のコントローラーはそのカードにそれぞれ記されている追加コストを払う事もでき、払った場合、呪文が解決した際にそのカードが墓地に行く代わりに手札へ戻る。  呪文が解決した時に、カードが所有者の墓地以外の領域に行くときには、バイバック効果はカードを「見  失い」、カードは手札には戻らない。 馬術/Horsemanship  馬術は回避能力である。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーにはブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 502.17〔馬術〕参照) 場に出る/Comes into Play  パーマネントは、それを示すカードやトークンが場領域に移動した時に場に出る。パーマネントのタイプが変わったり、あるいはコントローラーが変わったりすることは「場に出る」とは言わない。  パーマネントは、アンタップ状態で、それを作り出した呪文や能力のコントローラーのコントロール下で場に出る。  パーマネントが場に出るときの状態を変更する効果は、場に出るときに処理される。例えば、何らかの効果によってタップ状態で場に出る物は、アンタップ状態で場に出た後にタップされるわけではない。パーマネントが場に出る際の選択を行なうのは、そのパーマネントのコントローラーとなるべきプレイヤーである。 パーマネントが場に出るとき、まず「[カード]が場に出るに際し/as [カード] comes into play」、次に「[カード]は〜状態で場に出る/[カード] comes into play with」、そして一般の継続的効果を処理し、それから誘発型能力の誘発をチェックする。 場を離れる/Leaves Play  パーマネントが場からそれ以外の領域に移動したとき、それは場を離れたという。(rule 410.10c 参照)  トークンが場を離れたとき、存在しなくなる。これは状況起因効果である。  カードが場を離れて、あとで戻ってきたときには、完全に新しいパーマネントとして扱われる。前に存在したときの記憶は完全に失われる。(フェイジングは通常の「場を離れる」と異なる部分がある。rule 502.15〔フェイジング〕参照。) ヴァンガード・カード/Vanguard Card  ヴァンガード(TM)・サプリメントは、ゲームを修正する大きなカードからなる。ヴァンガード・カードはゲーム開始前に選ばれ、プレイヤーの最初の手札、手札の最大枚数、ライフの初期値に修正を加える。ヴァンガード・カードに記されている能力は、場に存在するマジックのカードの能力と全く同じように扱う。しかし、それはマジックのカードではないので呪文や能力の影響を受けない。ヴァンガードのカードの能力は色を持たず、これから発生したダメージはどの種のパーマネントによるダメージでもなければどの色の発生源からのダメージでもない。 バンド、他の〜とのバンド/Banding, Bands with Other(廃語)  バンドは戦闘フェイズに影響する能力であり、他の〜とのバンドはその能力の特殊な形態である。 (rule 502.10〔バンド〕およびrule 502.11〔他の〜とのバンド〕参照) パーマネント/Permanent  パーマネントとは、場に存在するカードやトークンのことである。(rule 214〔パーマネント・タイプ〕参照) パス/Pass  パスするとは、優先権を持っているときに、何か行動する(大抵の場合は呪文や能力をプレイする)権利を放棄するということである。プレイヤーがパスした場合、その対戦相手が優先権を得る。両方のプレイヤーが続けてパスした場合、スタックの一番上にある、呪文、能力、あるいは戦闘ダメージが解決する。スタックが空の場合、そのフェイズもしくはステップは終了する。 パワー/Power  クリーチャー・カードの右下隅に記されている、スラッシュの前の数字をクリーチャーのパワーと呼ぶ。クリーチャーの現在のパワーとは、その初期値(記されている数字)を、まずカウンター、次に継続的効果によって変更された値である。  攻撃時、及びブロック時に、クリーチャーはそのパワーに等しい戦闘ダメージを与える。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照)  クリーチャー・カードの中には、パワーが数字でなく「*」で表わされているものもある。これは、そのクリーチャーはパワーを何らかの条件で定める常在型能力を持っているということを示している。呪文や能力によってそれが場にないときにそのパワーを参照する場合、それは0として扱われる。 引き分け/Draw(1)  両方のプレイヤーが同時に勝ち、あるいは負けた場合には引き分けとなる。 (訳注:日本語化の都合上、Drawを二つの項目に分けました。原文ではこれと引くは同じ見出しです) 引く/Draw(2)  プレイヤーが、そのライブラリーの一番上のカードを手札に加えることを、カードを引くという。呪文や能力によって、「引く」以外の方法でライブラリーから手札にカードが移動することもありうる。この場合、引くことに誘発する能力や、引くことを置換する能力は処理されない。 (訳注:日本語化の都合上、Drawを二つの項目に分けました。原文ではこれと引き分けるは同じ見出しです) 飛行/Flying  飛行は回避能力である。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーによってブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーをブロックできる。(rule 502.4〔飛行〕参照) ファスト・エフェクト/Fast Effect(廃語)  古いルールでは、インスタントと起動型能力は「ファスト・エフェクト/fast effect」とも呼ばれていた。 フェイジング/Phasing  フェイジングは、パーマネントに「記憶」を保たせたままで場を離れさせ、そしてまた元に戻すという効果を発生させる常在型能力である。(rule 502.15〔フェイジング〕参照) フェイズ/Phase  各ターンは、開始、第1メイン、戦闘、第2メイン、終了の5つのフェイズに分けられる。(rule 3〔ターン進行〕参照) フェイズ・アウト/Phased-Out  フェイズ・アウト領域は、フェイジングを持つパーマネントが一時的に場を離れた時に置かれる、特殊な領域である。(rule 502.15〔フェイジング〕参照) フェイズ能力/Phase Ability(廃語)  古いルールでは、「フェイズ能力/phase abilitiy」のルールがサポートされていた。これらの能力は、「[フェイズ]の間に、…/During [フェイズ],」と書かれていた。一般に、フェイズ能力を持っていたカードは、現在では、ステップまたはフェイズの開始時に誘発する能力を持っている。 不特定マナ・コスト/Generic Mana Cost  不特定マナ・コストは、灰色の丸の中の数字で表わされる。無色、または任意の色のマナを、この支払いにあてることができる。 フラッシュバック/Flashback  フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。そのカードのオーナーは、そのカードのフラッシュバック・コストを支払うことで、その呪文をプレイできる。その場合、そのカードがスタックから離れるときに、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f の代替コストを支払うことに関するルールに従う。rule 502.22〔フラッシュバック〕参照。 フレイバー・テキスト/Flavor Text  カードの、ルール・テキストの下に書かれているイタリック体の文章のことである。雰囲気や、ゲームの世界に関する興味深い背景などが描きだされているが、ゲームのプレイには関係しない。 ブロック/Block  クリーチャーは、戦闘フェイズにブロック・クリーチャーに指定された時にブロックする。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) ブロック・クリーチャー/Blocking Creature  クリーチャーがブロック・クリーチャーになるのは、(a)戦闘フェイズ中に指定された、適正なブロックに含まれており、かつ、(b)ブロックに必要なコストがすべて支払われた時である。ブロック・クリーチャーは、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでは無くなるか、コントローラーが変わるか、または戦闘フェイズが終わるまでブロック・クリーチャーでありつづける。ブロック・クリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) (訳注:戦闘フェイズ中でも、ブロック・クリーチャー指定ステップ以前には存在しません) ブロックされたクリーチャー/Blocked Creature  攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップで他のクリーチャーにブロックされるか、何らかの効果によってブロックされたことになった場合、それ以降、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでなくなるか、コントローラーが変わるか、戦闘フェイズが終わるまでの間はブロックされたクリーチャーと呼ばれる。ブロックされたクリーチャーは、それをブロックしたクリーチャーが戦闘から取り除かれてもブロックされたままである。ブロックされたクリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) (訳注:戦闘フェイズ中でも、ブロック・クリーチャー指定ステップ以前には存在しません) ブロックされていないクリーチャー/Unblocked Creature  攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップでブロックされなかった場合、それ以降、呪文や能力がブロックするか、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでなくなるか、コントローラーが変わるか、戦闘フェイズが終わるまでの間はブロックされていないクリーチャーと呼ばれる。戦闘フェイズ以外や、ブロック・クリーチャー指定ステップより以前にはブロックされていないクリーチャーは存在しない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) ブロックされない/Unblockable  攻撃クリーチャーが「ブロックされない」とき、クリーチャーをブロックに割り振ることができない。呪文や能力ではブロックした状態にすることができる。 分割カード/Split Cards  分割カードは、1枚のカードに2枚分のカードが書いてある。分割カードの裏面は、普通のサイズのマジックのカードと同じである。分割カードは、2組の特性を持つ。2つの名前、2つのマナ・コスト、などである。分割カードは、スタック上にある時以外は常に両方の組の特性を持つ。分割カードをプレイする時、カードのどちら側をプレイするかを指定する。スタックにある間は、指定しなかった側は完全に無視される。  分割カードは2つのマナ・コストを持つが、それらはそれぞれ違う色のマナを含んでいる。従って、これらのカードは、スタック上にある時以外は多色カードである。何らか効果によってカード名を指定する場合には、分割カードの名前全体を指定しなくてはならない。  分割カードの特性を調べる効果は、両方の特性を回答として得る。分割カードの特性がある値と等しいかを調べる効果は、回答を1つだけ得る。回答が「イエス」になるのは、分割カードのどちらかが、指定された値に一致する場合である。(rule 505〔分割カード〕参照) 文章欄/Text Box  文章欄は、マジックのカードの絵の下にあり、ルール・テキスト、注釈文、フレイバー・テキストが書かれている。 プレイ/Play  呪文、土地、能力をプレイするという行動には、行動を宣言し、それを完了するために必要な手段を処理するということが含まれる。  呪文や起動型能力のプレイには、そのためのコストの支払いと、モードや対象の選択が必要となる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)  土地をプレイするとは、単に手札から土地カードを選び、それを場に出すということである。  マナ能力をプレイするときは、そのコストを支払い、即座に解決する。(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)  誘発型能力や常在型能力はプレイされない。それらは自動的に発生する。 プレイ-ドロー・ルール/Play-Draw  ゲームの開始時に、プレイヤーはその順番を決める。先攻のプレイヤーは、最初のドロー・ステップを飛ばす。これはプレイ-ドロー・ルールと呼ばれる。(rule 101〔ゲーム開始〕参照) プロテクション/Protection  プロテクションは常在型能力である。「プロテクション(性質)」を持つパーマネントは、その性質を持つ呪文や能力の対象にならず、その性質を持つエンチャントにエンチャントされない。プロテクション(性質)を持つパーマネントに、その性質を持つエンチャントがエンチャントしている場合、そのエンチャントは状況起因効果として所有者の墓地に置かれる。プロテクションを持つクリーチャーが攻撃した場合、その性質を持つクリーチャーにはブロックされない。さらに、その性質を持つ発生源からのダメージは0になる。(rule 502.7〔プロテクション〕参照) 平地渡り/Plainswalk  土地渡り参照。 変異/Morph  変異は、その能力のあるカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」とは、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コストが{0}のクリーチャーとしてプレイできる。」をという意味である。そのコントローラーは、インスタントをプレイできる時ならいつでもその裏向きのパーマネントの変異コストを公開し、それを支払って表にすることができる。この行動はスタックを使わない。rule 502.26〔変異〕参照。 防御プレイヤー/Defending Player  戦闘フェイズ中、アクティブ・プレイヤーの対戦相手は防御プレイヤーである。(マルチプレイヤー・ゲームにおいては、ルールによって何人の防御プレイヤーがいるか異なってくる)。クリーチャーは、防御プレイヤーにのみ攻撃できる。他のプレイヤーやクリーチャーに攻撃することはできない。戦闘フェイズ以外の時には、防御プレイヤーは存在しない。 墓石アイコン/Tombstone Icon  オデッセイ・ブロックの、墓地にある間に有効な能力を持つカードの多くの名前の左隣には墓石アイコンがある。このアイコンは、そのカードが墓地にあるときに区別しやすくするためのものであり、ゲーム上の意味はない。 墓地/Graveyard  それぞれのプレイヤーの捨て札の束のことをそのプレイヤーの墓地という。打ち消された呪文や、破壊され、あるいは生け贄に捧げられたパーマネント、捨てられたカードがそのオーナーの墓地に置かれる。(rule 217〔領域〕参照) 埋葬する/Bury(廃語)  古いカードの中には、「埋葬する/bury」という単語を用いているものがある。これは、パーマネントをその所有者の墓地に置くことを意味する。一般に、「埋葬する」という単語を用いていたカードは、現在では「[パーマネント]を破壊する。それは再生できない」と読み換えられる。 マッチ/Match  マッチとは、一連のマジックのゲームのことを指し、トーナメントやリーグ戦でのみ重要である。マッチはたいてい2本先取の3本勝負で、時には3本先取の5本勝負で行われる。詳細はDCI(TM)マジック・フロアルールを参照。 マッドネス/Madness  マッドネスは二つの能力からなる。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに発生する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」とは、「いずれかのプレイヤーが、自分の手札からこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい」と「このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのプレイヤーが次にパスするまでの間、そのプレイヤーは、インスタントをプレイできるときならいつでも、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことで、そのカードが手札にあるかのようにプレイしてもよい。そのプレイヤーが次にパスをしたとき、そのプレイヤーはこれをそのプレイヤーの墓地に置く」の二つの意味を持つ。 マナ/Mana  マナとは、呪文をプレイするために使うエネルギーであり、通常は土地によって生成される。マナは、マナ能力によって生成され(呪文によって生成されることもある)、即座にコストを支払うために使うことも、またマナ・プールに蓄えることもできる。  色のついたマナ・シンボルで表わされる、色のついたマナ・コストは適正な色のマナによってのみ支払うことができる。不特定マナ・コストは、無色、あるいは任意の色のマナで支払うことができる。  特別なタイプのマナも存在しうる。例えば、クリーチャー呪文を唱えるためにしか使えないマナや、起動コストを支払うためにしか使えないマナを生み出す能力も存在する。  パーマネントが「産み出すことができる」種類のマナとは、そのパーマネントのいずれかの能力で産み出すことのできるマナのことである。この場合、あらゆる置換効果を考慮に入れる。産み出すことができるマナの量は(たとえ0であっても)関係しない。マナの種類が定義できない場合、そのパーマネントが産み出せるタイプのマナは存在しない。  マナの『種類』とは、色と限定(例えばアーティファクト呪文のプレイにしか使用できないマナである、など)を含む。 マナ・コスト/Mana Cost  土地以外のカードのマナ・コストは、その右上隅に記されたマナ・シンボルによって示される。土地カードやトークン、裏向きのクリーチャーのマナ・コストは0である。(rule 203〔マナ・コスト〕参照) マナ・シンボル/Mana Symbol  マナ・シンボルとは、(W), (U), (B), (R), (G), (0), (数字), (X), (Y) である。  色のついたマナ・シンボルは、それぞれ1つの色マナを示す。(W)は白、(U)は青、(B)は黒、(R)は赤、(G)は緑である。  ((1)のような)数字のシンボルは不特定マナ・コストと呼ばれ、どの色のマナでも、あるいは無色のマナでも支払うことのできるマナの量を示している。  (X)、(Y)のシンボルは、未定の量のマナを示している。コストに(X)や(Y)を含む呪文や能力は、プレイするときにそのコントローラーが値を決定する。  (数字)、(X)、(Y)は、呪文やマナ能力の「あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」という文脈においては、無色マナを表すために用いられる。  (0)のシンボルは0マナを示し、呪文や起動型能力のプレイにコストがいらないときの場所取りとして使われる。マナ・コストが0マナの呪文や能力も、1以上のコストを持つ呪文と同じようにプレイされる。自動的にプレイされるわけではない。 マナ・ソース/Mana Source(廃語)  古いルールでは、「マナ・ソース/mana source」という呪文タイプをサポートしていた。「マナ・ソース」とされていた呪文は、今はインスタントである。「マナ・ソースとしてプレイする」とされていた能力は、マナ能力である。 マナ能力/Mana Ability  これは能力の一種であり、起動型もしくは誘発型である。マナ能力はスタックに積まれず、即座に解決される。  プレイヤーは、優先権を持っているときか、あるいはルールや何らかの効果によってマナの支払いが求められたときにマナ能力をプレイできる。これは、呪文や能力のプレイ中や解決中にプレイできる唯一の能力である。(rule 406.1〔マナ能力〕参照) マナ・バーン/Mana Burn  フェイズの終了時に、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。この方法で失われたマナ1マナごとに、そのプレイヤーは1点のライフを失う。これを「マナ・バーン」と呼ぶ。 マナ・プール/Mana Pool  呪文や能力がマナを生み出し、それが即座にコストの支払いのために使われなかったとき、マナはマナ・プールと呼ばれる架空の場所に蓄えられ、後で呪文や能力のコスト支払いのために使うことができる。マナ・プールは各フェイズの終了時に片づけられる。(マナ・バーン参照) マリガン/Mulligan  第1ターンの開始前に、プレイヤーは、最初の手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして以前よりも1枚少ない手札を新しく引くことで「マリガン」できる。最初の手札が気に入らなかったプレイヤーは、その度に1枚ずつ手札を減らして、望むかぎりの回数マリガンを繰り返すことができる。(rule 101.5 参照) 見せる/Reveal  カードを見せるとは、そのカードを全てのプレイヤーに公開するということである。これは単発的効果であり、全てのプレイヤーが見た後で、それは元の状態に戻る。 無限ルール/Infinity Rule  マジックのルールに「無限」というものは存在しない。時折、永遠に繰り返される一連の動作が存在することがありうる。そのようなループを処理するために、「無限ルール」がある。(rule 421〔'無限'ループの処理〕参照) 無色/Colorless  色を持たないカードは無色である。土地はマナ・コストを持たないので、無色である。アーティファクトは、そのマナ・コストに色マナを含まないので、無色である。裏向きのクリーチャーは、その裏向きにする効果によって無色である。無色の呪文やパーマネントは、何らかの効果によって色を得ることがありうる。 (訳注:土地がマナ・コストを持たない、と書いてあるが、これはrule 203.1 より誤りである) 無色マナ/Colorless mana  (数字)、(X)、(Y)、で表されるマナ・シンボルは、無色マナあるいは不特定マナ・コストである。 メイン・フェイズ/Main Phase  「メイン・フェイズ/main phase」は、「戦闘前メイン・フェイズ/precombat main phase」と「戦闘後メイン・フェイズ/postcombat main phase」とを合わせた用語である。これらはそれぞれ、第1、第2メイン・フェイズとも呼ばれる。  アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズの間でかつスタックが空のとき、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、ソーサリー呪文をプレイすることができる。また、このとき、ターンに一枚だけ土地をプレイすることもできる。 モードを持つ/モード/Modal/Mode  呪文の効果を選ぶとき、その呪文のことをモードを持つという。コントローラーはプレイするときにそのモードを選ばなければならない。現在のカードでは、モードを持つ呪文には常に「一つを選ぶ/Choose one」、または「[指定されたプレイヤー]は一つを選ぶ/[指定されたプレイヤー] chooses one」と書かれている。 もし/If  誘発型能力は「[誘発イベント]とき/たび/に、[条件]ならば、[効果]/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」と書かれていることがある。この示されている条件が成立しているかどうかは、まずその誘発条件が満たされたときにチェックする。その時に成立していれば、能力は誘発し、スタックに積まれる。解決時に、その条件を再チェックする。このときに条件を満たしていなければ、何も起こらない。このルールは「"if"節のルール」と呼ばれる。  誘発条件の直後以外にある「もし/if」という語は、通常の文章的な意味しか持たない。このルールは、誘発条件の直後にある「もし/if」にしか適用されない。 森渡り/Forestwalk  土地渡り参照。 山渡り/Mountainwalk  土地渡り参照。 優先権/Priority  その時に呪文や能力をプレイする選択権を持つプレイヤーのことを、優先権を持つという。  呪文、マナ能力を除く能力、ないし戦闘ダメージを解決したときや、ほとんどのフェイズ、ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。プレイヤーが呪文や能力、土地をプレイしたり、あるいは裏向きのクリーチャーを変異コストの支払いによって表向きにしたりした後、そのプレイヤーが再び優先権を得る。プレイヤーがパスしたとき、その対戦相手のプレイヤーが優先権を得る。(両プレイヤーがパスしたとき、スタックの一番上にある呪文、能力、または戦闘ダメージが解決される。スタックが空で、両プレイヤーがパスしたときには、フェイズやステップが終わる。)  いずれかのプレイヤーが優先権を得ようとする際に、まず全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。その際に、新たに状況起因効果が発生した場合、それらを1つのイベントとして解決する。この処理を、新たな状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。それから、誘発型能力がスタックに積まれる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。これらのステップを、新たな状況起因効果や誘発型能力が発生しなくなるまで繰り返す。 優先権を譲る/Yield Priority(廃語)  古いルールでは、「優先権を譲る/yield priority」という用語が「パス」の代わりに用いられていた。 誘発/誘発型能力/Trigger/Triggered Ability  誘発型能力は「……とき/when」「たび/whenever」「時に/at」から始まる。誘発条件が満たされたときその能力は誘発し、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる(rule 404〔誘発型能力〕参照)。 雪をかぶった地形渡り/Snow-Covered Landwalk  雪をかぶった地形渡りは土地渡りの特殊な形態である。雪をかぶった地形渡りを持ったクリーチャーは、防御側プレイヤーが、そのタイプの土地で、冠雪能力を持つものを最低1つコントロールしているかぎり、ブロックされない。(rule 502.6〔土地渡り〕参照) ライフ/ライフ総量/Life/Life Total  ライフ総量は、点数である。各プレイヤーのライフは20から始まり、ライフが0以下になったプレイヤーは負けとなる。これは状況起因効果である。 ライブラリー/Library  ライブラリーは、プレイヤーがカードを引く領域である。ゲームが始まるとき、それぞれのプレイヤーのデッキはライブラリーとなる。(rule 217.2〔ライブラリー〕参照) ランページ/Rampage  ランページは誘発型能力である。「ランページ [X]/Rampage [X]」とは、「このクリーチャーが2体もしくはそれ以上のクリーチャーによってブロックされた時、2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける」という意味である。(rule 502.12〔ランページ〕参照) LIFO/LIFO  「後入れ先出し」の頭文字語であるLIFOは、呪文や能力がスタックに積まれた後の解決順を示す言葉である。最後にプレイされたものが、最初に処理される。(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照) 領域/Zone  領域とは、マジックのカードがゲーム中に存在できる場所のことである。(rule 217〔領域〕参照) 累加アップキープ/Cumulative Upkeep  累加アップキープとは、誘発型能力の一つである。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep - [cost]」とは、「あなたのアップキープの開始時に、年齢カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある年齢カウンター一つごとに[コスト]を支払わなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。  複数の累加アップキープ・コストを持つパーマネントについて、それぞれは別々の誘発型能力をアップキープ・ステップの開始時に発生させる。そして、そのカード上の全ての年齢カウンターを両方の能力で計算する。(rule 502.13〔累加アップキープ〕参照) レジェンド/伝説の/Legend/Legendary  レジェンドとは特殊なクリーチャー・タイプである。伝説の〜とは、全てのタイプに適用できる超タイプである。(例えば、「伝説の土地」「伝説のアーティファクト」など。)  伝説性を持つ複数の同名のパーマネントが場にあった場合、その名前で伝説性を持っていた期間が最も長いもの以外を、その所有者の墓地に置く。この「レジェンド・ルール」は状況起因効果である。  クリーチャーでなくなったレジェンドは伝説のパーマネントでありつづける。また、伝説のパーマネントでクリーチャーになったものは通常のクリーチャー・タイプに加え、レジェンドとして扱われる。  レジェンドのクリーチャー・タイプがレジェンド以外に変わった場合、そのクリーチャーはレジェンドではなくなり、レジェンド・ルールの影響を受けなくなる。クリーチャー・タイプがレジェンドに変わったクリーチャーはレジェンドであり、レジェンド・ルールの影響を受ける。 連発型アーティファクト/Poly Artifact(廃語)  古いルールでは、「連発型アーティファクト/poly artifact」というカード・タイプがサポートされていた。連発型アーティファクト・カードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。連発型アーティファクトというカード・タイプで印刷されていたアーティファクトは、一般に、起動コストの一部としてそのアーティファクトをタップすることを必要としない起動型能力を持っている。 Y、Z/Y, Z  Xを参照。 脇に置く/Set Aside  カードを脇に置くとは、それをゲーム外に置くのと同義である。しかし、脇に置かれたカードについては、効果がその戻る条件を特定する。ゲーム外参照。 ------------------------------------------------------------------------------- クレジット ------------------------------------------------------------------------------- マジック・ザ・ギャザリング オリジナル・ゲームデザイン: Richard Garfield 詳細ルールのデザイン・改良: Beth Moursund and Bill Rose, with contributions from William Jockusch, Paul Barclay, Charlie Camino, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, Jeff Jordan, Jim Lin, Steve Lord, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Henry Stern, Ingo Warnke, Tom Wylie, and Donald X 編集: Del Laugel and Bill "Quill" McQuillan マジック・デザイン主任: Bill Rose マジック・ルール・マネージャー: Paul Barclay マジックは Richard Garfieldと、Charlie Camino, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, and Elliott Segal の手によってデザインされた。マナ・シンボルは、 Christopher Rush によるデザインである。 我々のプロジェクト・チームのメンバーをはじめ、このプロダクトに関った全ての人に感謝する。 Published by Wizards of the Coast, Inc., P.O. Box 707, Renton WA 98057-0707, U.S.A. All trademarks, including character names and their distinctive likenesses, and the WUBRGT symbols, are property of Wizards of the Coast, a subsidiary of Hasbro, Inc. (c)1993-2003 Wizards. U.S. Patent No. 5662332. ご質問は最寄りのウィザーズ社オフィスまで(英語)。 アメリカ、カナダ、アジア太平洋、中南米 Wizards of the Coast, Inc. attn: Magic Questions P.O. Box 707 Renton WA 98057-0707 U.S.A. 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