マジック総合ルール(和訳 20230901.0 版)
このルールに関して、英語を正文とし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。
英文は https://magic.wizards.com/en/rules にあります。
(このファイルの最後にも詳細は記述してあります)
このファイルは、マジック:ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、Japan Netrep *ぱお*/米村 薫 とジャッジ・コミュニティが 2023-08-30 に翻訳したものです。
この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。
もくじ
0. はじめに
1. ゲームの考え方
2. カードの部分
3. カード・タイプ
4. 領域
5. ターンの構造
6. 呪文、能力、効果
7. その他のルール
8. 多人数戦ルール
9. カジュアル変種ルール
10. 用語集
0. はじめに
この文書は、マジック:ザ・ギャザリングの競技的ゲームプレイにおける最高権威である。この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。(なお、サブルールの項番において"l"と"o"はそれぞれ"1"、"0"と似ているため欠番となっている。たとえば、rule 704.5kの次はrule 704.5m、rule 704.5n、rule 704.5p となっている。)
この文章は公開された以降に更新されることがある。最新版は https://magic.wizards.com/en/rules からダウンロードできる。質問がある場合、http://Support.Wizards.com/ に問い合わせて回答を得ることができる。
1. ゲームの考え方
100.1. このマジックのルールは、2人以上のプレイヤーによるマジックのゲームに適用される。2人対戦と多人数戦が含まれる。
100.2. ゲームをするにあたって、各プレイヤーは、自分の、定形のマジックのカードで作られたデッキと、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの総量をはっきり示す方法、を必要とする。
100.3. カードの中には、コインや一般的なサイコロを必要とするものがある。カジュアル変種ルールには、そのためにデザインされたカードや定形外のマジックのカードや特別なサイコロを必要とするものがある。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
100.4. 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
100.5. デッキに特定の枚数以上のカードが含まれていなければならない場合、その枚数のことをデッキの最小枚数と呼ぶ。統率者戦以外のデッキでは、デッキの最大枚数は存在しない。
100.6. ほとんどのマジックの大会(他のプレイヤーと、賞を求めて競い合う組織化プレイ活動)には、マジック・イベント規定(https://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)に定められている追加のルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。(訳注:日本語版は https://mjmj.info/data/ で公開されている)
100.7. 一部のカードはカジュアルなプレイのためのものであり、このルールで扱っていない機能や文章を持っていることがある。これには、『Mystery Booster』のプレイテスト・カードや、プロモカードや、銀枠で印刷された「アン・セット」のカードや、『Unfinity』セットでカードの下側にどんぐりシンボルが描かれたカードがある。
101. マジックの黄金律
101.1. カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの唯一の例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。
101.2. ルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によってその同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。
例:「このターン、あなたは追加で土地1枚をプレイしてよい。」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地をプレイすることはできない。」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。
101.3. カードの記述の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにその場合の処置が明記されている。そうでなければ、効果はない。)
101.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行い、その後、残っている非アクティブ・プレイヤーがターン順に選択していく。すべての選択が終わった後、処理が同時に行われる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。
例:「各プレイヤーはそれぞれ、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャー1体を選び、それから各非アクティブ・プレイヤーがターン順にそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャー1体を選ぶ。その後で、これによって選ばれたすべてのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。
102.1. プレイヤーとは、そのゲームに参加している人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。他のプレイヤーのことを、非アクティブ・プレイヤーと呼ぶ。
102.2. 2人対戦においては、プレイヤーの対戦相手とはもう一方のプレイヤーのことである。
102.3. チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーはチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤーは対戦相手である。
102.4. 呪文や能力が、「あなたの チーム/your team」という表記を「あなたやあなたの チームメイト/you and/or your teammates」の省略として使うことがある。チームによる多人数戦以外のゲームにおいては、「あなたの チーム」は「あなた」と同じものを示す。
103.1. ゲームの開始時に、プレイヤーはそのどちらが先攻後攻を選ぶかを決める。マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、その方法は両方が納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーが先攻後攻を選ぶ。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻後攻を選んだプレイヤーが選ぶ。先攻となったプレイヤーは開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。
103.2. 開始プレイヤーを決めた後で必要な手順があるゲームが存在する。その場合、rule 103.2a-e で記された処理を順に行う。
103.3. 開始プレイヤーが決定し、追加の手順が終了したあとで、各プレイヤーはカードが無作為の順番になるように自分のデッキを切り直す。その後、各プレイヤーはそれぞれ対戦相手のデッキを切り直したりカットしたりしてもよい。プレイヤーのデッキはそのプレイヤーのライブラリーとなる。
103.4. それぞれのプレイヤーは20点の初期ライフ総量を持ってゲームを始める。変種ルールによっては異なるライフの総量を持つ場合もある。
103.5. 各プレイヤーは自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行うことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行うかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行う。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。マリガンとは、自分の手札のカードを自分のライブラリーの中に混ぜて切り直し、初期手札枚数に等しい枚数の新しい手札を引き、そしてそのカードのうちそのプレイヤーがマリガンした回数に等しい枚数を好きな順番で自分のライブラリーの一番下に置くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。プレイヤーは、最初の手札が0枚になるまではマリガンをすることができ、それ以降はそれ以上のマリガンはできない。
103.6. 開始時の手札にある場合にプレイヤーが何か処理を行うことができるカードが存在する。マリガンの手順(rule 103.5 参照)が終わった後、開始プレイヤーはそれらの処理を好きな順番で行なってもよい。その後、他のプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。
103.7. プレインチェイス戦においては、開始プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きに置く。そのカードが現象・カードだった場合、そのカードを次元デッキの一番下に置き、次元・カードがオモテ向き になるまでこの手順を繰り返す。そのオモテ向き になった次元・カードが開始次元となる。(rule 901〔プレインチェイス戦〕参照)
103.8. 開始プレイヤーは自分の最初のターンを始める。
104.1. いずれかのプレイヤーが勝った、またはゲームが引き分け になった、あるいはそのゲームが再び開始されたら、そのゲームは即座に終わる。
104.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。
104.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。
104.4. ゲームが引き分け になる場合がいくつか存在する。
104.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。プレイヤーが引き分け になったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから離れた場合の処理について記述されている。rule 800.4 参照。
104.6. ゲームを再び開始するカード(《解放された者、カーン》)が存在する。再び開始する時点でそのゲームに参加していたすべてのプレイヤーは、即座に新しいゲームを開始する。rule 723〔ゲームを再び開始する〕参照。
105.1. マジックでいう色とは、「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
105.2. オブジェクトは、上記の5つの色のうち1つ以上の色であることも、無色であることもありうる。オブジェクトの色は、カードの枠の色とは関係なく、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。オブジェクトの色は、色指標や特性定義能力によって定義されることもある。rule 202.2 参照。
105.3. 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトが色を得たりすることがある。効果によってオブジェクトが新しい色を得る場合、(効果にそれ(またはこれ)の他の色「に加えて/in addition to」と書かれていない限り)新しい色でそれまでの色を置き換える。効果によって、色を持つオブジェクトが無色 になることもある。
105.4. プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」や「無色/colorless」は色ではない。
105.5. 効果が「色2色の組/color pair」を参照する場合、それは5色のうちちょうど2色を意味する。色の組み合わせは10組存在し、白青、白黒、青黒、青赤、黒赤、黒緑、赤緑、赤白、緑白、緑青である。
106.1. マナはマジックの基礎となるリソースである。プレイヤーはマナを消費して、呪文を唱えたり能力を起動したりする場合などのコストを支払う。
106.1a 5色のマナが存在する。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
106.1b マナのタイプは6種類である。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」、ならびに「無色/Colorless」である。
106.2. マナはマナ・シンボル(rule 107.4 参照)によって表される。マナ・シンボルはマナ・コストを示すのにも使われる(rule 202 参照)。
106.3. マナはマナ能力(rule 605 参照)の効果によって生み出される。それ以外にも、呪文やマナ能力でない能力の効果によって生み出されることもある。マナを生み出す呪文や能力は、プレイヤーにマナを加えさせる。マナが呪文によって生み出された場合、そのマナの発生源はその呪文である。マナが能力によって生み出された場合、そのマナの発生源はその能力の発生源(rule 113.7 参照)である。
106.4. 効果の記述によってプレイヤーがマナを加える場合、そのマナはプレイヤーのマナ・プールに置かれる。これ以降、コストを支払うために即座に使うこともできるし、未消費のマナとしてマナ・プールに残しておくこともできる。各プレイヤーのマナ・プールは、各ステップやフェイズの終了時に空になる。それをプレイヤーがマナを失うという。マナを生み出したり未消費のマナを参照したりするカードは、オラクルで訂正され、マナ・プールを明示的に参照することはなくなっている。
106.5. 能力が、タイプの定義されていないマナを生み出す場合、代わりに マナを生み出さない。
例:《隕石のクレーター》は「{T}: あなたがコントロールしているパーマネントの色1色を選ぶ。その色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。あなたが色のついたパーマネントをコントロールしていないなら、《隕石のクレーター》のマナ能力を起動したことによってマナは生み出されない。
106.6. 呪文や能力の中には、生み出したマナをどう使うかについて限定のあるものや、そのマナを消費した呪文や能力に影響を及ぼす追加の効果を持つもの、そのマナを消費したときに誘発する遅延誘発型能力(rule 603.7a 参照)を作るものがある。それらはマナのタイプには影響を及ぼさない。
例:プレイヤーのマナ・プールに、クリーチャー・呪文を唱えるためにだけ消費できる{R}{G}がある。そのプレイヤーが《倍化の立方体》の、「{3},{T}:あなたが持つ各タイプの未消費のマナの量を2倍にする。」という能力を起動した。そのプレイヤーのマナ・プールには{R}{R}{G}{G}があり、そのうちで{R}{G}は好きな目的で使うことができる。
106.7. 他のパーマネントが生み出すことのできるマナのタイプに基づいたマナを生み出す能力が存在する。「生み出すことのできる/could produce」マナのタイプとは、そのパーマネントの能力がその時点で解決され、すべての存在する置換効果が可能な任意の順番で適用されたとして生み出すことになるマナのタイプのことである。その能力のためのコストが支払えるかどうかは考慮しない。この条件で見てそのパーマネントがマナを生み出さない場合や生み出すマナのタイプが定義されない場合、そのパーマネントが生み出すことのできるマナのタイプは存在しない。
例:《風変わりな果樹園》は「{T}:対戦相手がコントロールしている土地が生み出すことのできる色1色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。対戦相手が土地をコントロールしていないなら、《風変わりな果樹園》のマナ能力を起動してもマナを生み出すことはできない。これは、あなたと対戦相手がそれぞれ《風変わりな果樹園》だけを出している場合も同じである。ただし、あなたがそれに加えて《森》をコントロールしていた場合、あなたの《風変わりな果樹園》も対戦相手の《風変わりな果樹園》も{G}を生み出すことができる。
106.8. 効果が混成マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合、そのプレイヤーがそのシンボルのどちらか半分を選ぶ。色 マナである半分を選んだ場合、その色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.9. 何らかの効果がファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合、そのシンボルの色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.10. 効果が、不特定マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.11. 効果が、1個以上の氷雪マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.12. 「マナを引き出す目的で[パーマネント]をタップする/tap [a permanent] for mana」とは、そのパーマネントの、起動コストに{T}シンボルを含むマナ能力を起動するということを意味する。rule 605〔マナ能力〕参照。
106.13. あるカード(《魔力奪取》)が、あるプレイヤーの持つ未消費のすべてのマナを失わせ、他のプレイヤーに「これによって失われたマナ/the mana lost this way」を加えることがある(同一のプレイヤーでも構わない)。これは、前者のプレイヤーのマナ・プールを空にし、この方法で空にされたマナを後者のプレイヤーのマナ・プールに入れるということを意味する。どのパーマネント、呪文、能力によって作られたかということは変更されず、そのマナに課せられている制限や追加の効果も変更されない。
107.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。
107.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージを与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。
107.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数と0だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージを与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーのパワーなど、ゲーム上の値が0未満になることはありうる。計算や比較のために負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。効果の結果を定める計算の結果が負の数になった場合、その効果が、プレイヤーのライフの総量やクリーチャーやクリーチャー・カードのパワーやタフネスを、倍にしたり特定の値にしたりするものでない限り、代わりに0を用いる。
例:3/4クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/4になり、戦闘ではダメージを割り振らない。パワーとタフネスの合計は2である。+3/+0の修整を与えると、パワーは1になる。
例:《ヴィリジアンの社交家》は1/2クリーチャーで、「{T}:ヴィリジアンの社交家のパワーに等しい点数の{G}を加える。」という能力を持つ。効果によって-2/-0されていた場合、この能力を起動してもあなたの マナ・プールにマナが加えられることはない。
例:《カメレオンの巨像》は4/4クリーチャーで、「{2}{G}{G}:ターン終了時まで、カメレオンの巨像は+X/+Xの修整を受ける。Xはこれのパワーに等しい。」の能力を持つ。効果によって-6/-0された後でこの能力を起動した場合、これは-2/4クリーチャーのままである。-4/2になるわけではない。
107.1c ルールや能力がプレイヤーに「望む数/any number」を選ばせる場合、そのプレイヤーは、0以上の任意の整数を選ぶことができる。
107.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、代わりに0を用いる。
107.3. 多くのオブジェクトは、まだ決定されていない数を必要とする部分にXの文字を用いている。オブジェクトによっては、Xの値を定義する能力が存在する。それ以外の場合、そのコントローラーがXの値を選ぶ。
107.4. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、{W/U/P}{W/B/P}{U/B/P}{U/R/P}{B/R/P}{B/G/P}{R/G/P}{R/W/P}{G/W/P}{G/U/P}の混成ファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪マナ・シンボル{S}の総称である。
107.5. タップ・シンボルは{T}である。起動コストに含まれるタップ・シンボルは、「このパーマネントをタップする。」を意味する。既にタップ状態であるパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.6. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストに含まれるアンタップ・シンボルは、「このパーマネントをアンタップする。」を意味する。既にアンタップ状態であるパーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.7. プレインズウォーカーの起動型能力は、それぞれ、忠誠シンボルをコストに持つ。プラスの忠誠シンボルは上向きの矢印であり、中にプラスのついた数字を含む。マイナスの忠誠シンボルは下向きの矢印であり、中にマイナスのついた数字またはXを含む。中性の忠誠シンボルは上向きでも下向きでもなく、中に0を含む。[+N]は「このパーマネントの上にN個の忠誠カウンターを置く。」を、[-N]は「このパーマネントの上からN個の忠誠カウンターを取り除く。」を、[0]は「このパーマネントの上に0個の忠誠カウンターを置く。」をそれぞれ意味する。忠誠シンボルは忠誠コストを修整する能力でも用いられることがある。
107.8. Lv系カードの文章欄には2つのLvシンボルが含まれており、そのそれぞれは常在型能力を意味するキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。rule 711〔Lv系カード〕参照。
107.9. オデッセイ・ブロックのカードで、名前の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに機能する能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。
107.10. 未来予知セットに含まれる「ミライシフト」カードでは、左上隅にタイプ・アイコンが描かれている。カード・タイプが1つである場合、アイコンでそのタイプを示している。クリーチャーなら鈎爪、ソーサリーなら炎、インスタントなら稲妻、エンチャントなら日の出、アーティファクトなら聖杯、土地なら連峰のアイコンが用いられている。複数のカード・タイプを含むカードでは、白と黒の線が交差した記号が用いられている。これらのアイコンは、ゲーム的には意味を持たない。
107.11. プレインズウォーカー・シンボルは{PW}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれている。上側が5つに枝分かれして下は細い1本になった形状をしている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.12. カオス・シンボルは{CHAOS}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれており、また、次元ダイスを振った結果を参照する能力にも使われている。渦巻きの形状をしている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.13. 色指標とは、一部のカードのタイプ行左端に記されている円形のシンボルのことである。このシンボルの色によってカードの色が定義される。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.14. エネルギー・シンボルは{E}である。これはエネルギー・カウンター1個を表す。{E}を支払う場合、プレイヤーは自分の持つエネルギー・カウンター1個を取り除く。
107.15. 英雄譚の文章欄には章シンボルが含まれており、そのそれぞれは誘発型能力を示すキーワード能力である。章シンボルはローマ数字を含んでおり、ここでは「rN」で記す。章シンボルの右の区切られた文章欄に書かれた文章は、それの表す誘発型能力の効果である。rule 714〔英雄譚・カード〕参照。
107.15a 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がこれまでN未満でN以上になった場合、[効果]。」を意味する。
107.15b 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。
107.16. クラス・カードの文章欄には、クラス・レベル棒が描かれており、それぞれは起動型能力と常在型能力の両方を表すキーワード能力である。クラス・レベル棒は、その起動型能力の起動コストとレベル数を含んでいる。クラス・レベル棒と同じ節内に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。rule 716〔クラス・カード〕参照。
107.17. チケット・シンボルは{TK}である。これはチケット・カウンター1個を表す。
108.1. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース https://gatherer.wizards.com/ で参照できる。
108.2. ルールや文章に「カード/card」と記されていた場合、マジックのカードか、マジックのカードによって表されているオブジェクトのことだけを意味する。
108.3. カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤーのことである。ゲーム中に外部から加えられたカードがあった場合、それのオーナーはそれをゲームに加えたプレイヤーである。ゲーム開始時点で統率領域にカードがある場合、それのオーナーはそれを統率領域に置いたプレイヤーである。法律上の所有権はアンティを除いてゲームのルール上は考慮しない(rule 407 参照)。
108.4. カードは、そのカードがパーマネントや呪文を表していない限り、コントローラーを持たない。パーマネントや呪文を表している場合、コントローラーはそれらのルールによって決定される。rule 110.2 および rule 112.2 参照。
108.5. 定形外のマジックのカードは、統率領域(rule 408 参照)以外にある状態でゲームを開始することはできない。何らかの効果がダンジョン・カード(rule 309〔ダンジョン〕参照)以外の定形外のマジックのカードをゲーム内に持ち込む場合、持ち込まない。そのカードはゲームの外部にあり続ける。
108.6. カードについての追加の情報は、rule 2〔カードの部分〕参照。
109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、紋章のことである。
109.2. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」「計略/Scheme」という単語なしでカード・タイプやサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、戦場に出ているそのカード・タイプやサブタイプのパーマネントのことを意味する。
109.3. オブジェクトの特性とは、名前、マナ・コスト、色、色指標、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、ルール・テキスト、能力、パワー、タフネス、忠誠度、守備値、手札補正子、ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのオーナーおよびコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。
109.4. スタックか戦場にあるオブジェクトだけにコントローラーが存在する。どちらの領域にもないオブジェクトは、どのプレイヤーにもコントロールされていない。rule 108.4 参照。このルールには6つの例外がある。
109.5. オブジェクトに記されている「あなた/You」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーがそれをプレイしたり唱えたり起動したりしようとしている最中なら)コントローラー になる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(戦場 にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力を起動したプレイヤーを指す。遅延誘発型能力を除く誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
110.1. パーマネントとは、戦場に出ているカードやトークンのことである。パーマネントは無期限に戦場に残り続ける。カードやトークンは、戦場に出たときにパーマネントとなり、戦場から他の領域に効果やルールによって移動したときにパーマネントでなくなる。
110.2. パーマネントのオーナーは、それを表すカードのオーナーである。(ただしトークンの場合については rule 111.2 参照。)パーマネントのコントローラーは、通常、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。パーマネントには必ずコントローラーが1人存在する。
110.3. トークンでないパーマネントの特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
110.4. パーマネント・タイプは6つ存在し、「アーティファクト/artifact」「バトル/battle」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「土地/land」「プレインズウォーカー/planeswalker」である。インスタント・カードやソーサリー・カードは戦場に出ることはできないので、パーマネント になることはあり得ない。部族・カードが戦場に出ることができるかできないかは、それ以外のカード・タイプによる。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
110.5. パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、オモテ向き/裏向き、フェイズ・イン/フェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。
111.1. 効果によってトークンが戦場に出ることがある。トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである。
111.2. トークンを生成したプレイヤーがそのオーナーである。トークンはそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出る。
111.3. トークンを生成する呪文や能力がトークンの特性の値を定める場合、その値はトークンの「文章」になる。この方法で定義された特性値は、カードに記載されている値と機能的に同値である。たとえば、これによって定められた特性値はトークンのコピー可能な値である。トークンは、それを生成した呪文や能力によって定義されていない特性を持たない。
例:《翡翠の魔道士》は「{2}{G}: 緑の1/1の苗木クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。これによって生成されたトークンは、マナ・コストや特殊タイプ、ルール・テキスト、能力を持たない。
111.4. トークンを生成する呪文や能力が、そのトークンの名前とサブタイプを定める。特に書かれていない限り、トークンの名前は、そのサブタイプに「トークン」という単語を足したものと同じである。トークンが戦場に出た後では、名前が変わってもサブタイプは変わらない。その逆も同じである。
例:《ドワーフの援軍》は「赤の2/1のドワーフ・狂戦士・クリーチャー・トークン2体を生成する。」という効果を持つ。これが解決されて生成されるトークンは、それぞれ「ドワーフ・狂戦士・トークン」という名前を持ち、クリーチャー・タイプはドワーフと狂戦士である。
例:《敬愛されるレンジャー、ミンスク》は、「敬愛されるレンジャー、ミンスクが戦場に出たとき、『ブー』という名前でトランプルと速攻を持つ赤の1/1のハムスター・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。このトークンのサブタイプはハムスターであるが、このトークンの名前は「ブー」であると明示されているので、「ハムスター」や「トークン」が名前に追加されることはない。
例:《瓜二つ》は「クリーチャー1体を対象とする。それのコピーであるトークン1体を生成する。」という能力を持つソーサリーである。このトークンのすべての特性は、この呪文が対象にしたクリーチャーのコピー可能な特性と一致する。《瓜二つ》が人間・クリーチャーである《悪運尽きた造反者》を対象にしたなら、その呪文が生成するトークンの名前は「悪運尽きた造反者」であり、「人間・トークン」や「悪運尽きた造反者・トークン」ではない。
111.5. 呪文や能力がトークンを生成する場合、何らかのルールや効果によってそのトークンの特性のうち1つ以上を持つパーマネントが戦場に出ることができなくなっていたら、そのトークンは生成されない。同様に、効果がインスタントやソーサリーであるカードのコピーであるトークンを生成する場合も、トークンは生成されない。
111.6. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのカード・タイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(マジックのカードと同じ裏面であったり、マジックのパックから出てきたものであったりしても)カードとしては扱われない。
111.7. 戦場以外の領域に存在するトークンは、消滅する。これは状況起因処理である。rule 704 参照。(トークンが領域を移動した場合、消滅する前に、それによる誘発型能力は誘発する)
111.8. 戦場を離れたトークンは、他の領域に移動することもないし、戦場に戻ることもない。そのようなトークンが領域を変更しようとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因処理をチェックする時点で、消滅する。rule 704 参照。
111.9. 効果の中に、プレイヤーに伝説の トークンを生成するように指示するものがある。それらは、「create [name], a ...」としてそのトークンの特性を列記していることがある。これは、与えられた名前を持ち列記された特性を持つトークンを生成するという指示と同じである。(日本語版では、「「〇〇」という名前の...トークン1体を生成する。」というテンプレートに統一されたままです。)
111.10. 効果の中に、定義済みのトークンを生成するように指示するものがある。それらの効果は、生成されるトークンの特性を決定するにあたって下の定義を用いる。定義済みのトークンを生成する効果は、その定義済みの特性を変更したり何かを追加したりすることがある。
111.11. 効果がプレイヤーに、存在しないオブジェクトのコピーであるトークンを生成させる場合、トークンは生成されない(rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照)。これは、オブジェクトの最後の情報を使う効果には適用されない。
例:《ミミックの大桶》は、プレイヤーにカードを追放する選択肢を与える誘発型能力と、「ミミックの大桶によって追放されているカード1枚のコピーであるトークン1体を生成する。それは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。」という起動型能力を持つ。この誘発型能力でカードが追放されていない場合、トークンは生成されない。
111.12. パーマネント 呪文のコピーは、その解決に際してトークン になる。そのトークンは、そのトークン になった呪文の特性を持つ。トークンを生成することに言及した置換効果や誘発型能力からは、そのトークンは「生成」されたものとしては扱われない。
112.1. 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)、カードは呪文 になり、オーナーの手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405〔スタック〕参照)。呪文は解決されるか(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6〔呪文、能力、効果〕参照。
112.2. コピーでない呪文のオーナーは、その呪文を表現しているカードのオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。呪文のコントローラーは、通常、それをスタックに積んだプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。
112.3. コピーでない呪文の特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
112.4. 呪文や能力の解決による効果によってパーマネント 呪文の特性が変更された場合、その効果はその呪文が解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。
例:効果が黒のクリーチャー・呪文を白にした場合、そのクリーチャーが戦場に出るときにも白であり、その色を変える効果が残っている限り白であり続ける。
113.1. 能力は以下の3つのいずれかである。
113.2. 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を及ぼすことがある。他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。
113.3. 能力は大別して4つの区分に分けられる。
113.4. 起動型能力や誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力はスタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605〔マナ能力〕参照。
113.5. 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネントの忠誠度能力を起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
113.6. インスタントまたはソーサリー・呪文の能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。
113.7. 能力の発生源は、それを作ったオブジェクトである。スタックにある起動型能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発型能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。
113.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。放蕩紅蓮術士はそれに1点のダメージを与える。」)。このような場合、起動型能力を宣言したり誘発型能力をスタックに置いたりする時点でその発生源の情報を参照する起動型能力や誘発型能力は、その能力がスタックに置かれる時点でそれらの情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域 にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行う。
113.8. スタックにある起動型能力のコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力のコントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力が誘発した時のその能力の発生源のオーナーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
113.9. スタックにある起動型能力や誘発型能力は呪文ではないので、呪文を打ち消すものには打ち消されない。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、能力を打ち消すと書かれている効果によって打ち消される。常在型能力はスタックを用いないので、打ち消されることはない。
113.10. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」などと書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。
113.11. 効果によって、オブジェクトは特定の能力を得なくなることがある。それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「持つことができない/can't have」と書かれている。もしオブジェクトがその能力を持っている場合、その能力を失う。また、効果やキーワード・カウンターによってその能力をそのオブジェクトに得させることもできない。呪文や能力の解決がその特定の能力をそのオブジェクトに得させる継続的効果を作る場合、その継続的効果のその部分は適用されないが、その継続的効果の他の部分は適用され、またその解決された呪文や能力の作る他の継続的効果は作られる。常在型能力によって作られた、その特定の能力を得させる継続的効果は、そのオブジェクトに適用されない。
113.12. オブジェクトの特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性値]である/[permanent] is [characteristic value]」)、それは能力を得させることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトがある性質を得た場合(「[パーマネント]はブロックされない。」)、それは能力を得させもしないし特性を定義することもない。
例:《ムラガンダの印刻》は「能力を持たないすべてのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」と書かれている。《ルーン爪の熊》(能力を持たないクリーチャー)が「エンチャントしているクリーチャーは飛行を持つ。」と書かれたオーラがエンチャントしている場合、+2/+2の修整を受けることはない。「エンチャントしているクリーチャーは赤である。」あるいは「エンチャントしているクリーチャーはブロックされない。」と書かれたオーラがエンチャントしている場合、変わらず+2/+2の修整を受ける。
114.1. 効果によって、紋章が統率領域に置かれることがある。紋章とは、1つまたはそれ以上の能力を持つオブジェクトを表すマーカーであり、それ以外の特性は持たない。
114.2. 紋章を生成する効果は「[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を得る。/[Player] gets an emblem with [ability]」と書かれる。これは、[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を統率領域に置くことを意味する。紋章のオーナーはそのプレイヤーであり、そのプレイヤーがその紋章をコントロールする。
114.3. 紋章は、それを生成した効果によって定義された能力以外の特性を持たない。紋章はカード・タイプを持たず、マナ・コストを持たず、色を持たない。ほとんどの紋章は名前も持たない。
114.4. 紋章の能力は統率領域で機能する。
114.5. 紋章はカードでもパーマネントでもない。「紋章/emblem」はカード・タイプではない。
115.1. 呪文や能力の一部は、そのコントローラーに1つかそれ以上の対象を選ばせる。対象とは、その呪文や能力が影響を及ぼす、オブジェクトやプレイヤーである。それらの対象は呪文や能力をスタックに積む行程の一部として宣言される。対象は、他の呪文や能力によって指示されない限り、変更することはできない。
115.2. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、(a) その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、(b) 呪文や能力のように戦場に存在することがありえないオブジェクトを対象とするときだけである。rule 115.4 参照。
115.3. 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」あるいは「[性質]や[性質]のうちN個」などとしてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクトやプレイヤーを(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。この規定は、呪文や能力の対象を選ぶときと、呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりするとき(rule 115.7 参照)の両方に適用される。
115.4. ダメージ関連の呪文や能力の中に、「target [something]」ではなく、「any target」や「another target」、「two targets」などを取るものがある。これらの対象は、クリーチャーかプレイヤーかプレインズウォーカーかバトルである。クリーチャーでないアーティファクト、あるいは呪文など、その他のゲーム上のオブジェクトは選択できない。日本語版では、それらは「Nつを対象とする。」あるいは「任意の数を対象とする。」といった表現になっている。
115.5. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不適正である。
115.6. 対象を取りうる呪文や能力には、0個の対象を選べるものもある。そのような呪文や能力も対象を取りうる呪文や能力ではあるが、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。
115.7. 呪文や能力の効果を変更することを認める効果や、呪文や能力の対象を新しく選ばせる効果が存在する。
115.7a 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」場合、呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象がすでに不適正になっていたとしても、元の対象がそのまま対象 になったままになる。対象すべてを適正な別の対象に変更できない場合、それらの対象はすべて変更されずに元のまま残る。
115.7b 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「対象1つを変更する/change a target」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)1つだけを変更することができる。
115.7c 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「任意の対象を変更する/change any targets」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)任意の一部を変更することができる。
115.7d 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「新しい対象を選ぶ/choose new targets」場合、そのプレイヤーはその現在の対象のうち望む数を、それが不正な対象であったとしても、そのままに残しておいてもよい。プレイヤーが新しく選んだ対象は適正でなければならないし、そのままに残してある対象を不適正にするものであってはならない。
115.7e 呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりする場合、その変更が適正かどうかを判断するためには最終的に定められた対象だけを評価する。
例:「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つと、それでないクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。電弧の痕跡はその前者に2点のダメージを、その後者に1点のダメージを与える。」というソーサリー《電弧の痕跡》の現在の対象が、順に《ルーン爪の熊》と《ラノワールのエルフ》であるとする。あなたが「呪文1つを対象とする。あなたはそれの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《移し変え》を《電弧の痕跡》を対象に唱えた場合、1つ目の対象を《ラノワールのエルフ》に、2つ目の対象を《ルーン爪の熊》に変えることができる。
115.7f 呪文や能力は、1つ以上のものを対象として(ダメージやカウンターなどの)効果を「分割/divide」したり「分配/distribute」したりすることがある。その種の呪文や能力のための対象を変更したり新しく選んだりする場合、元の分割を変更することはできない。
115.8. モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。モードを持つ呪文や能力の対象を変更したり新しく選んだりする効果には、そのモードは変更されない。(rule 700.2 参照)
115.9. オブジェクトの中には、他の呪文や能力が対象を取るかどうかを見るものがある。文章によって、それがチェックするのは対象の現在の状態であるか、あるいは選ばれた時点での状態であるか、その両方を見るかが違う。
115.9a 「[数]の対象を持つ[呪文や能力]/[spell or ability] with [a number of] targets」を見るオブジェクトは、その呪文や能力がスタックに積まれた時点で合計何回オブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれたかを数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。同一のオブジェクトやプレイヤーが複数回対象として選ばれていた場合、それぞれを別々に数える。
115.9b 「[何か]を対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets [something]」を見るオブジェクトは、その呪文や能力の対象がその時点でどうなっているかを見る。対象にしたオブジェクトが元あった領域に存在し、あるいは対象にしたプレイヤーがまだゲームに残っているのであれば、その対象がその呪文や能力にとって不適正になっていたとしても、その現在の情報を用いる。オブジェクトがその領域 になくなっていたり、プレイヤーがゲームに存在しなくなっているのであれば、その対象は無視され、最後の情報は用いられない。
115.9c 「[何か]のみを対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets only [something]」は、その呪文や能力がスタックに積まれたときにいくつの異なったオブジェクトやプレイヤーを対象として選んだか(その後対象を変更する効果によって変更されたものも含む)を数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。その数が1であれば(その呪文や能力が同一のオブジェクトやプレイヤーを複数回対象にしていても)その呪文や能力の対象は、rule 115.9b に書かれている通りにチェックされる。
115.10. 呪文や能力は、対象にしていないオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼすことがある。一般に、その種のオブジェクトやプレイヤーは呪文や能力の解決時まで選択されない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
116.1. 特別な処理は、プレイヤーが優先権を持っているときに行う、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に作る、ターン起因処理や状況起因処理と混同してはならない。(rule 703〔ターン起因処理〕、rule 704〔状況起因処理〕参照)
116.2. 特別な処理には、以下の10個がある。
116.3. プレイヤーが特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。
117. タイミングと優先権
117.1. 呪文や能力がいずれかのプレイヤーに何か処理を行うよう指示していない限り、ある時点でどちらのプレイヤーが処理を行えるかは、優先権のシステムによって決定される。優先権を持つプレイヤーは呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。
117.2. 他の能力や処理は、ゲームのルールによって自動的に作られたり実行されたりするか、または優先権を得ることなくプレイヤーによって実行される。
117.3. どちらのプレイヤーが優先権を持っているかは、以下のルールによって定められる。
117.4. 全てのプレイヤーが続けてパス(すべてのプレイヤーが何も処理を行わずにパスすることをそう言う)した場合、スタックの一番上のオブジェクトが解決される。この時点でスタックが空の場合、そのフェイズやステップは終了する。
117.5. いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、ゲームはまず該当する状況起因処理を単一のイベントとして行う(rule 704〔状況起因処理〕参照)。状況起因処理が1つも発生しなくなるまでチェックが繰り返される。その後、誘発型能力がスタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。この手順は、それ以上の状況起因処理が発生せず、能力が誘発しない状態になるまで繰り返される。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。
117.6. 「共有チーム・ターン」選択ルールにおいて、個人ではなくチームが優先権を得る。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
117.7. 優先権を持つプレイヤーが、他の呪文や能力がスタックにある間に呪文を唱えたり起動型能力を起動したりした場合、新しい呪文や能力は、その前の呪文や能力に「対応して/in response to」唱えられ、あるいは起動された、という。新しい呪文や能力は、一番最初に解決されることになる。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
118.1. コストとは、他の処理をするため、あるいは他の処理を妨げるために必要な処理や支払いのことである。コストを支払うとは、プレイヤーがそのコストを含む呪文、能力、効果で特定されている指示を実行することである。
118.2. コストにマナの支払いが含まれる場合、コストを支払うプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る。呪文を唱えたり起動型能力を起動したりするためのコストの支払いは、rule 601.2f-h に示された手順を取る。
118.3. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持たずにそのコストを支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフをコストとして支払うことはできないし、タップ状態のパーマネントをタップすることでコストを支払うことはできない。rule 202〔マナ・コストと色〕、rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
118.4. コストの中に{X}やXが含まれることがある。rule 107.3 参照。
118.5. コストが{0}によって表されていたり、{0}にまで減少したりすることがある。その類のコストを支払うためにプレイヤーが取らなければならない処理は、支払うことを宣言するだけである。コストの支払いにリソースが必要ないが、自動的に支払われるわけではない。
118.6. マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これは、支払うことができないコストを意味する。能力も、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ・コストを元にコストを決めた場合に、支払うことができないコストを持つことがある。支払うことができないコストを持つ呪文を唱えたり、能力を起動したりすることは適正な処理であるが、支払うことのできないコストを支払おうとすることは不適正な処理である。
118.7. プレイヤーが実際に支払うコストは、効果によって変更されたり減らされたりすることがある。コストのマナ部分がコスト減少効果によってまったくなくなった場合、{0}として扱う。そうして変更されたコストを支払うことは、元のコストを支払ったのと同じように扱う。
118.8. 呪文や能力の一部は追加コストを持つ。追加コストは、呪文のルール・テキストに記されているコスト、あるいは他の効果によって呪文や能力に適用されるコストであり、呪文のマナ・コストあるいは能力の起動コストを支払うのと同時にそのコントローラーが支払わなければならない。キーワードとして記される追加コストも存在する。rule 702 参照。
118.9. 代替コストを持つ呪文が存在する。代替コストは呪文の文章に記されているか、または他の効果によって適用されるコストで、そのコントローラーが呪文のマナ・コストを支払うのではなく支払うことができるコストのことである。代替コストは「あなたは[このオブジェクトの]マナ・コストを支払うのではなく[処理]してもよい/You may [action] rather than pay [this object's] mana cost」あるいは「あなたは[このオブジェクトを]そのマナ・コストを支払うことなく唱えてよい/You may cast [this object] without paying its mana cost.」と書かれている。キーワードとして記される代替コストも存在する。rule 702 参照。
118.10. コストの支払いは、1つの呪文、能力、効果に対してしか適用できない。たとえば、プレイヤーはクリーチャー1体だけを生け贄に捧げることで、2つのパーマネントがそれぞれ持つ、コストにクリーチャー1体を生け贄に捧げなければならない起動型能力を起動することはできない。また、呪文や能力の解決は、効果の一部が他の呪文や能力のコストとして求められていることと同じであっても、そのコストを支払ったことにはならない。
118.11. コストを支払うための処理は、効果によって修整されることがある。その結果、実際の処理が表記されている内容と一致しなくても、そのコストは支払われたものとして扱う。
例:累加アップキープ・コストとして「カード1枚を引く。」というものを持つエンチャント、《精神の渦》と「あなたがカードを引くなら、代わりに、あなたはそのドローを飛ばしてもよい。」という能力を持つ《片意地な使い魔》をコントロールしている時、そのプレイヤーは《精神の渦》の累加アップキープ・コストを支払うことを選んだ上でカードを引かないことを選んでもよい。その場合でも、累加アップキープ・コストは支払われたものとして扱う。
118.12. 呪文や起動型能力、誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[Do something]. If [a player] [does, doesn't or can't], [effect]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[A player] may [do something]. If [that player] [does, doesn't, or can't], [effect]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文や能力の解決時に支払う。「[そうした(しなかった)]なら」という節は、そのプレイヤーがその選択的コストを支払うことを選んだり、あるいは選択的でないコストを支払い始めたりしたかどうかをチェックする。実際にどのようなイベントが発生したかは問わない。
例:あなたが「プレイヤーが呪文1つを唱えたとき、行き詰まりを生け贄に捧げる。そうしたなら、そのプレイヤーの各対戦相手は、カード3枚を引く。」というエンチャント、《行き詰まり》をコントロールしている。ある呪文が唱えられて《行き詰まり》の能力が誘発したあと、《行き詰まり》を追放する別の能力を起動したとしたら、《行き詰まり》の能力が解決された時点で「行き詰まりを生け贄に捧げる。」というコストを支払うことはできないので、どのプレイヤーもカードを引くことはない。
例:対戦相手が「このターン、クリーチャーが対戦相手のコントロール下で戦場に出るなら、代わりにそれはあなたの コントロール下で戦場に出る。」という呪文《標本集め》を唱えた。一方、あなたは「偽皮操りがオモテ向き になったとき、あなたは『あなたの 手札にあり変異を持つクリーチャー・カード1枚を、オモテ向きに戦場に出す。』を選んでもよい。そうしたなら、偽皮操りをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ変異持ちクリーチャー《偽皮操り》を裏向きでコントロールしている。《偽皮操り》をオモテ向きにし、変異を持つクリーチャー・カード1枚を手札から選び、戦場に出そうとする。《標本集め》の効果によってそのクリーチャーは対戦相手のコントロール下で戦場に出るが、コストを支払うことを選んだので、《偽皮操り》はオーナーの手札に戻る。
118.12a カードの中には「[あるプレイヤーが別の処理]しないかぎり、[処理]する/[Do something] unless [A player does something else]」と書かれているものがある。これは「[あるプレイヤーは別の処理]してもよい。そうしないなら、[処理]する/[A player may do something else]. If [that player doesn't], [do something]」というのと同じ意味である。
118.12b 効果の中にはプレイヤーに領域から探すかどうかを選ばせ、その領域で見つけたカードに追加の処理を行わせ、その後に「[プレイヤーが]そうしたなら/If [a player] does」節が続くものがある。この節はプレイヤーが探すことを選んだかどうかをチェックするものであり、そのプレイヤーが追加の処理を行なったかどうかを参照するものではない。
118.13. コストの中には、混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルなど、複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルを含むものがある。
118.14. コストを支払うために「任意のタイプのマナを支払ってもよい/mana of any type can be spent」という効果が存在する。これは、そのプレイヤーはコストを支払うために、マナを無色や任意の色であるかのように 支払ってもよいということを意味する。その効果がプレイヤーに呪文を唱えることも許可していたなら、この効果はそのプレイヤーがそれにより呪文を唱えるために支払うマナにのみ適用される。rule 609.4b 参照。
119.1. 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点である。変種ルールの中にはこれと異なる初期ライフ総量を定めるものもある。
119.2. プレイヤーが受けたダメージは、通常、そのプレイヤーのライフをその量だけ失わせる。rule 120.3 参照。
119.3. 効果がプレイヤーにライフを得させたり失わせたりする場合、そのプレイヤーのライフの総量はそれだけ変動する。
119.4. コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはライフの総量がその値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけライフの総量が減少する、つまり、プレイヤーはその支払った分のライフを失う。
119.5. 効果がプレイヤーのライフの総量を特定の値にする場合、そのプレイヤーはライフの総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。
119.6. プレイヤーのライフの総量が0以下になった場合、そのプレイヤーは状況起因処理としてゲームに負ける。rule 704 参照。
119.7. 効果によってプレイヤーがライフを得られない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が多いプレイヤーとライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフの総量が多くなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを得させることを含むコストは支払うことができず、そのプレイヤーがライフを得るイベントを置換する置換効果は何もしない。
119.8. 効果によってプレイヤーがライフを失わない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が少ないプレイヤーとライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフの総量が少なくなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを支払わせることを含むコストは支払うことができない。
119.9. 「[プレイヤー]がライフを得るたび……/Whenever [a player] gains life, ...」という誘発型能力は、「いずれかの発生源が[プレイヤー]にライフを得させるたび……/Whenever a source causes [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得た場合、ライフを得るイベントは発生せず、従ってこの種の能力は誘発しない。
119.10. 「[プレイヤー]がライフを得るなら、……/If [a player] would gain life, ...」という置換効果は、「発生源が[プレイヤー]にライフを得させるなら、……/If a source would cause [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得る場合、ライフを得るイベントは発生せず、この種の効果は適用されない。
120.1. オブジェクトはバトル、クリーチャー、プレインズウォーカー、プレイヤーにダメージを与えることができる。一般に、ダメージはダメージを受けるオブジェクトまたはプレイヤーに不利な影響を与える。ダメージを与えたオブジェクトはそのダメージの発生源である。
120.2. いずれのオブジェクトもダメージを与えることができる。
120.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。
120.4. ダメージは4つの手順で処理される。
120.5. クリーチャーやプレインズウォーカーやバトルが受けたダメージは、それを破壊しない。同様に、その発生源が破壊するわけでもない。そのパーマネントが受けたダメージの結果によってクリーチャーを破壊したりパーマネントをオーナーの墓地に置いたりするのは、状況起因処理である。rule 704 参照。
例:プレイヤーが「1つを対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。」というインスタント、《稲妻》を、2/2クリーチャーを対象として唱えた。《稲妻》がそのクリーチャーに3点のダメージを与えた後、そのクリーチャーは状況起因処理によって破壊される。《稲妻》や、それの与えたダメージがそのクリーチャーを破壊したわけではない。
120.6. クリーチャーが負ったダメージは、そのパーマネントがクリーチャーでなくなったとしても、クリンナップ・ステップまで残る。クリーチャーが負ったダメージの合計がそのタフネス以上になったら、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたことになり、状況起因処理として破壊される(rule 704 参照)。パーマネントが負ったダメージは、再生する(rule 701.15〔再生する〕参照)か、あるいはクリンナップ・ステップ の間に(rule 514.2 参照)取り除かれる。
120.7. ダメージの発生源とは、それを与えたオブジェクトである。効果によってプレイヤーがダメージの発生源を選ぶ場合、パーマネントか、スタックにある呪文(パーマネント 呪文を含む)か、スタックにあるオブジェクトや適用を待つ置換・軽減効果や誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しない場合であっても)か、あるいは統率領域にあるオモテ向きのオブジェクトを選ぶことができる。ダメージを与えることができない発生源も、適正な選択となりうる。rule 609.7 参照。
120.8. 発生源が0点のダメージを与える場合、それはダメージを与えない。ダメージを与えたことによって誘発する能力は誘発しない。その発生源から受けたダメージを増加させる、あるいはその発生源にそのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果は置換するイベントがないので何も効果を持たない。
120.9. 特定の発生源から受けるダメージによって誘発する能力で、その効果が「受けたダメージ/damage dealt」に言及している場合、それはその特定の発生源から受けたダメージだけに言及しており、他の発生源から同時に受けたダメージには言及していない。
120.10. 誘発型能力の中には、パーマネントが余剰のダメージを受けているかどうかを見るものがある。それらの能力は、そのパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後で見る。それらの発生源が合計でクリーチャーの致死ダメージを超えるダメージをそのクリーチャーに与えていたなら、そのクリーチャーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージをそのプレインズウォーカーに与えていたなら、そのプレインズウォーカーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でバトルの守備値を超えるダメージをそのバトルに与えていたなら、そのバトルに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。そのパーマネントがクリーチャーやプレインズウォーカーやバトルのうち複数のカード・タイプを持つ場合、そのパーマネントに与えた余剰のダメージは、それが持つカード・タイプそれぞれについて計算した中の最大の値である。
121.1. プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を自分の手札に入れるということである。これは各プレイヤーのドロー・ステップに、ターン起因処理として行われる。また、これは呪文や能力の、コストや効果としても行われる。
121.2. カードを同時に引くことができるのは1枚だけである。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードを引くことを繰り返す。
121.3. プレイヤーのライブラリーにカードがない状態で効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことができる。一方、カードを引くことができないという効果がある状況下で、他の効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことはできない。
121.4. カードがないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にゲームに負ける。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
121.5. 効果が「引く/draw」という語を使わずにプレイヤーのライブラリーからそのプレイヤーの手札に動かす場合、そのプレイヤーはそのカードを引いてはいない。これは、カードを引くことで誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果がある場合、またはそのプレイヤーのライブラリーが空である場合に違いが生じる。
121.6. カードを引くことを置換する効果が存在する。
121.7. 置換効果や軽減効果によってカードが引かれることがある。その場合、元のイベントの中でこの効果によって置換されなかった部分があれば、その部分が先に処理され、その後でカードが1枚ずつ引かれる。
121.8. 呪文が唱えられている間に他の呪文や能力がカードを引かせた場合、その引いたカードはその呪文が唱え終わる(rule 601.2i 参照)か唱える手順が巻き戻される(rule 728〔不正な処理の扱い〕参照)まで裏向きのままである。これは能力の起動に関しても同じである。効果によってプレイヤーが引くカードを公開する(または公開してもよい)場合、そのカードは呪文が唱えられたあと、あるいは能力が起動されたあとで公開される。裏向きの間、その引いたカードは特性を持たないものとして扱われ、その呪文や能力の、カードが特定の特性を持つことを必要とするコストの一部の支払いに使うことはできない。
121.9. 効果によってプレイヤーがカードを引くに際して公開するという選択肢が与えられている場合、そのプレイヤーはそのカードを引くに際し、公開するかどうかを選ぶ前にそのカードを見ることができる。
122.1. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターには互換性がある。
122.2. オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。
122.3. 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。
122.4. ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
122.5. カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り除き、他のオブジェクトの上に置くことを言う。それらの処理のどちらかが不可能な場合、カウンターを動かすことも不可能であり、カウンターが取り除かれることも置かれることもない。これは、元置かれていたオブジェクトと動かす先のオブジェクトが同一である場合や、動かす元のオブジェクトに該当するカウンターがない場合、あるいは動かす先のオブジェクトにカウンターを置くことができなかったり既に本来の領域 になかったりする場合に起こりうる。
122.6. オブジェクトの上にカウンターが置かれることを参照する呪文や能力は、そのオブジェクトが戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのオブジェクトが戦場に出るに際してカウンターが置かれることの両方を参照する。
122.7. 「N個目の[種類]カウンター/the Nth [kind] counter」がオブジェクトに置かれたとき(たび)に誘発する能力は、その種類のカウンターが1個以上そのオブジェクトに置かれることによって、それ以前にはN個のその種類のカウンターが置かれておらず、それ以降にはN個以上のその種類のカウンターが置かれているようになったときに誘発する。
122.8. 誘発型能力に、あるオブジェクトのすべてのカウンターを他のオブジェクトに置くと書かれていてその能力の誘発条件や効果がそのカウンターが置かれていたオブジェクトが戦場を離れることを見るものであった場合、プレイヤーはカウンターをオブジェクト間で動かすわけではなく、1つ目のオブジェクトの上にあったカウンターと同種同数のカウンターを2つ目のオブジェクトの上に置く。
123.1. ステッカーとは、オブジェクトに貼られて、それの特性を修整したりルールや能力や効果と相互作用したりするマーカーである。ステッカーはオブジェクトではない。なお、ステッカーはカウンターやトークンではない。ステッカーによるオブジェクトへの変更はコピー可能な値の一部ではない。ステッカーには以下の種類が存在する。「名前/name」「能力/ability」「パワー/タフネス/Power and Toughness」、「アート/art」。
123.2. ステッカーは『Unfinity』セットのブースターに、数字入りのシートで入っている。各シートには、定められた組み合わせのステッカーが含まれている。ステッカー・シートに言及するすべてのルールは、それらのシートの中に存在する特定の組み合わせのステッカーのことを指す。ステッカー・シートはカードではなく、特性を持たない。各ステッカー・シートは、Gatherer.wizards.comで参照できる。
123.3. 効果がプレイヤーにステッカーをオブジェクトに貼るように指示した場合、そのプレイヤーは現在自分がオーナーであるオブジェクトに貼られていないステッカーを自分が使用できるステッカーの中から選び、それをそのオブジェクトに貼る。
123.4. 「ステッカーの貼られている/stickered」オブジェクトに言及するルールや効果が存在する。その時点でいずれかの種類のステッカーが貼られているオブジェクトは「ステッカーが貼られている」。どのステッカーも貼られていないオブジェクトは、それまでにステッカーが貼られていたとしても、ステッカーが貼られているオブジェクトではない。
123.5. オブジェクト上のステッカーは、そのオブジェクトが非公開領域に移動するに際して保持されない。ステッカーは、そのオブジェクトが公開領域に移動するに際して保持され、それがその領域でなる新しいオブジェクトに適用され続ける。これはrule 400.7 の例外である。
123.6. 名前 ステッカーは、1つ以上の単語だけを持つ。パーマネントや戦場以外の領域にあるカードに貼られている名前 ステッカーは、そのステッカーに書かれている単語をそのオブジェクトの名前の文に加える。これは文章変更効果である。rule 613.1c、rule 612〔文章変更効果〕参照。
123.7. 能力 ステッカーは、1つ以上の能力が印刷されているステッカーである。パーマネントや戦場以外の領域にあるカードに貼られている能力 ステッカーは、そのオブジェクトにそのステッカーに印刷されている能力を得させる。rule 613.1f 参照。
123.8. パワー/タフネス・ステッカーは、数字2つとその間の斜線が印刷され、クリーチャー・カードのパワーとタフネスに似た形をしているステッカーである。クリーチャーや、クリーチャーや機体であり戦場以外の領域にあるカードに貼られているパワー/タフネス・ステッカーは、そのオブジェクトのパワーやタフネスをそのステッカーに印刷されている値に設定する(rule 613.4b 参照)。複数のパワー/タフネス・ステッカーがクリーチャー1体に貼られているなら、どれが優先されるかはタイムスタンプ順(rule 613.7 参照)を用いて定める。
123.9. パーマネントに貼られているアート・ステッカーは、他の呪文や能力が識別するための目印として以外のゲームプレイ上の効果は持たない。
200.1. カードの部分には、名前、マナ・コスト、絵、色指標、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワーとタフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子、絵の著作権表記、権利表記、コレクター番号がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。
200.2. カードの部分の一部は、そのオブジェクトの特性でもある。rule 109.3 参照。
200.3. カードでないオブジェクト(トークン、カードのコピー、呪文のコピー)もカードの一部分を持つが、それは特性でもあるものに限られる。rule 111、rule 707 参照。
201.1. カードの名前は、その左上隅に記されている。
201.2. カードの名前は、何語版であるかにかかわらず、常にその英語名であるとして扱う。
201.3. 異なる英語名を持つカードの中で、同一の英語名を持つかのように扱われるカードが存在する。この性質を持つカードの組は、互換性のある名前を持つ。
201.4. 効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーはオラクルに存在するカードの名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。プレイヤーは、カードの名前でないトークンの名前を指定することはできない。
201.5. 文章中で名前を用いてそのオブジェクトが参照されていた場合、それはその特定のオブジェクトだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。
201.5a 能力の効果が他の能力をオブジェクトに得させ、またその得た能力が元の能力の発生源を名前で参照していた場合、その名前で示されるのはその能力を得させた能力を持つオブジェクト自身だけである。その2つ目の能力が1つ目の能力の発生源以外で同じ名前を持つオブジェクトを指すことはない。ただし、この2つ目の能力が1つ目の能力の発生源を異なる公開領域に移動させた場合、その名前はその発生源が新しい領域でなったオブジェクトだけを指す。この規定は2つ目の能力が新しいオブジェクトにコピーされた場合にも適用される。
例:《排水路の汚濁》は「あなたがコントロールしていてトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム・カウンター1個を置き、その後、『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい。』を持つ緑のウーズ・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。この、トークンが得た能力は、そのトークンを生成した《排水路の汚濁》自身のことだけを参照し、他の《排水路の汚濁》のことは参照しない。また、このトークンのコピーの持つ能力も、その元のトークンを生成した《排水路の汚濁》だけを参照する。
201.5b そのオブジェクト自身を名前で参照している能力を名前の異なるオブジェクトが得た場合、得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者の名前はすべて後者の名前であるとして扱われる。
例:《水銀の精霊》は、「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。この能力によって「{G}:棍棒のトロールを再生する。」という(訳注:《棍棒のトロール》の持つ)能力を得た場合、その得た能力を起動して《水銀の精霊》を再生することができる。その能力を元々持っていた《棍棒のトロール》を再生するわけではない。
例:連繋(秘儀)を持ち、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージを与える。」というインスタント《氷河の光線》を、《木霊の手の内》に連繋した場合、その対象となったものにダメージを与えるのはその《木霊の手の内》である。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》には、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」と書かれている。《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を、《ルーン爪の熊》を対象に起動した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》は《ルーン爪の熊》のコピー になり、この能力を得る。この得られる能力は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ルーン爪の熊はそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」として扱われる。
201.5c 伝説の カードの中には、そのカードの名前を省略して記述しているものがある。このようにして用いられている省略形は、そのカードの名前がすべて書かれているものとして扱う。
201.6. 一部のカードのプロモ版や絵違い版は、名前行の下に副題行があることがある。オラクルに記されているそのカードの名前は、その副題行に表示されており、別名が左上角に表示されている。デッキ 構築やゲームルール、効果の上では、そのカードは副題行に記されている名前だけを持つ。ルール文は、カードの別名を参照することもできる。ルール文内に存在する別名は、その副題行に書かれている名前を指す。別名はゲームプレイ上は効果を持たない。
202.1. カードのマナ・コストはカードの上辺に記されているマナ・シンボルで示される(rule 107.4 参照)。ほとんどのカードでは、このシンボルは右上隅にある。『未来予知』セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。
202.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。
202.3. オブジェクトのマナ総量は、マナ・コストに含まれるマナの量を色を考慮せずに数えたものである。
例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、マナ総量に換算すると5になる。
202.4. オブジェクトのルール・テキストに記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。
203.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。
204.1. 色指標は、タイプ行の左、絵のすぐ下に印刷されている、一色またはそれ以上の色で塗られた丸印である。色指標は、マナ・コストを持たない土地でないカードに記されていることが多い。
204.2. 色指標を持つオブジェクトは、その色指標で表される各色である。
205.1. タイプ行は、絵のすぐ下に印刷されており、カード・タイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)が記されている。
205.2. カード・タイプ
205.3. サブタイプ
205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。
205.3b 次元以外のカード・タイプのサブタイプは常に一単語であり、長い横線の後に列記されているそれぞれの単語が別々のサブタイプである。その種のオブジェクトは複数のサブタイプを持ちうる。次元のサブタイプは長い横線の後に記されているが、複数の単語からなることもあり、長いダッシュの後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。
例:「基本 土地 ─ 山/Basic Land - Mountain」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品/Artifact - Equipment」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。
205.3c 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプ として扱う。
例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地・クリーチャー ─ 森・ドライアド」と記されている。森は土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。
205.3d オブジェクトは、その持つタイプに対応しないサブタイプを得ることはできない。
205.3e 効果によってプレイヤーがサブタイプを選ぶ場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない。
例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。
205.3f 記載されているサブタイプが変更されているカードが多数存在する。多くのカードは後にサブタイプを得ている。カードのサブタイプは、オラクルを参照して決定される(rule 108.1 参照)。
205.3g アーティファクトにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはアーティファクト・タイプと呼ばれる。アーティファクト・タイプには、「アトラクション/Attraction」(rule 717 参照)「血/Blood」「手掛かり/Clue」「からくり/Contraption」「装備品/Equipment」(rule 301.5 参照)「食物/Food」「城砦/Fortification」(rule 301.6 参照)「金/Gold」「培養器/Incubator」「パワーストーン/Powerstone」「宝物/Treasure」「機体/Vehicle」(rule 301.7 参照)がある。
205.3h エンチャントにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはエンチャント・タイプと呼ばれる。エンチャント・タイプには、「オーラ/Aura」(rule 303.4 参照)「背景/Background」「カルトーシュ/Cartouche」「クラス/Class」(rule 716 参照)「呪い/Curse」「役割/Role」(rule 303.7 参照)「ルーン/Rune」「英雄譚/Saga」(rule 714 参照)「破片/Shard」「祭殿/Shrine」がある。
205.3i 土地にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは土地タイプと呼ばれる。土地タイプには、「砂漠/Desert」「森/Forest」「門/Gate」「島/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「山/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「球層/Sphere」「沼/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」がある。このうち、「森」「島」「山」「平地」「沼」は基本土地タイプである。rule 305.6 参照。
205.3j プレインズウォーカーにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。プレインズウォーカー・タイプには、「アジャニ/Ajani」「アミナトゥ/Aminatou」「アングラス/Angrath」「アーリン/Arlinn」「アショク/Ashiok」「バハムート/Bahamut」「バスリ/Basri」「ボーラス/Bolas」「ケイリクス/Calix」「チャンドラ/Chandra」「コメット/Comet」「ダク/Dack」「ダッコン/Dakkon」「ダレッティ/Daretti」「ダブリエル/Davriel」「ディハーダ/Dihada」「ドムリ/Domri」「ドビン/Dovin」「エリーウィック/Ellywick」「エルミンスター/Elminster」「エルズペス/Elspeth」「エストリッド/Estrid」「フレイアリーズ/Freyalise」「ガラク/Garruk」「ギデオン/Gideon」「グリスト/Grist」「ガフ/Guff」「ファートリ/Huatli」「ジェイス/Jace」「ジャレッド/Jared」「ヤヤ/Jaya」「ジェスカ/Jeska」「魁渡/Kaito」「カーン/Karn」「カズミナ/Kasmina」「ケイヤ/Kaya」「キオーラ/Kiora」「コス/Koth」「リリアナ/Liliana」「ロルス/Lolth」「ルーカ/Lukka」「ミンスク/Minsc」「モルデンカイネン/Mordenkainen」「ナヒリ/Nahiri」「ナーセット/Narset」「ニコ/Niko」「ニッサ/Nissa」「ニクシリス/Nixilis」「オーコ/Oko」「ラル/Ral」「ローアン/Rowan」「サヒーリ/Saheeli」「サムト/Samut」「サルカン/Sarkhan」「セラ/Serra」「シヴィトリ/Sivitri」「ソリン/Sorin」「ザット/Szat」「タミヨウ/Tamiyo」「ターシャ/Tasha」「テヨ/Teyo」「テフェリー/Teferi」「テゼレット/Tezzeret」「ティボルト/Tibalt」「タイヴァー/Tyvar」「ウギン/Ugin」「ウルザ/Urza」「ヴェンセール/Venser」「ビビアン/Vivien」「ヴラスカ/Vraska」「ヴロノース/Vronos」「ウィル/Will」「ウィンドグレイス/Windgrace」「レン/Wrenn」「ゼナゴス/Xenagos」「ヤングー/Yanggu」「ヤンリン/Yanling」「ザリエル/Zariel」がある。
205.3k インスタントとソーサリーには共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは呪文・タイプと呼ばれる。呪文・タイプには、「出来事/Adventure」「秘儀/Arcane」「講義/Lesson」「罠/Trap」がある。
205.3m クリーチャーと部族には共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。クリーチャー・タイプには、「アドバイザー/Advisor」「霊基体/Aetherborn」「エイリアン/Alien」「同盟者/Ally」「天使/Angel」「アンテロープ/Antelope」「類人猿/Ape」「射手/Archer」「執政官/Archon」「軍団/Army」「工匠/Artificer」「暗殺者/Assassin」「組立作業員/Assembly-Worker」「アスタルテス/Astartes」「エイトグ/Atog」「オーロクス/Aurochs」「アバター/Avatar」「アズラ/Azra」「アナグマ/Badger」「風船/Balloon」「バーバリアン/Barbarian」「バード/Bard」「バジリスク/Basilisk」「コウモリ/Bat」「熊/Bear」「ビースト/Beast」「ビーブル/Beeble」「ビホルダー/Beholder」「狂戦士/Berserker」「鳥/Bird」「ちらつき蛾/Blinkmoth」「猪/Boar」「運び手/Bringer」「ブラッシュワグ/Brushwagg」「カマリッド/Camarid」「ラクダ/Camel」「カリブー/Caribou」「キャリアー/Carrier」「猫/Cat」「ケンタウルス/Centaur」「セファリッド/Cephalid」「子供/Child」「キマイラ/Chimera」「市民/Citizen」「クレリック/Cleric」「道化師/Clown」「コカトリス/Cockatrice」「構築物/Construct」「臆病者/Coward」「カニ/Crab」「クロコダイル/Crocodile」「ク=タン/C'tan」「近衛団/Custodes」「サイクロプス/Cyclops」「ダウスィー/Dauthi」「亜神/Demigod」「デーモン/Demon」「脱走者/Deserter」「デビル/Devil」「恐竜/Dinosaur」「ジン/Djinn」「犬/Dog」「ドラゴン/Dragon」「ドレイク/Drake」「ドレッドノート/Dreadnought」「ドローン/Drone」「ドルイド/Druid」「ドライアド/Dryad」「ドワーフ/Dwarf」「イフリート/Efreet」「卵/Egg」「エルダー/Elder」「エルドラージ/Eldrazi」「エレメンタル/Elemental」「象/Elephant」「エルフ/Elf」「大鹿/Elk」「従業員/Employee」「眼/Eye」「フェアリー/Faerie」「イタチ/Ferret」「魚/Fish」「旗手/Flagbearer」「狐/Fox」「フラクタル/Fractal」「カエル/Frog」「ファンガス/Fungus」「ゲーマー/Gamer」「ガーゴイル/Gargoyle」「細菌/Germ」「巨人/Giant」「ギス/Gith」「ノール/Gnoll」「ノーム/Gnome」「ヤギ/Goat」「ゴブリン/Goblin」「神/God」「ゴーレム/Golem」「ゴルゴン/Gorgon」「墓生まれ/Graveborn」「グレムリン/Gremlin」「グリフィン/Griffin」「ゲスト/Guest」「ハッグ/Hag」「ハーフリング/Halfling」「ハムスター/Hamster」「ハーピー/Harpy」「ヘリオン/Hellion」「カバ/Hippo」「ヒポグリフ/Hippogriff」「ホマリッド/Homarid」「ホムンクルス/Homunculus」「ホラー/Horror」「馬/Horse」「人間/Human」「ハイドラ/Hydra」「ハイエナ/Hyena」「イリュージョン/Illusion」「インプ/Imp」「インカーネーション/Incarnation」「墨獣/Inkling」「異端審問官/Inquisitor」「昆虫/Insect」「ジャッカル/Jackal」「クラゲ/Jellyfish」「巨大戦車/Juggernaut」「カヴー/Kavu」「麒麟/Kirin」「キスキン/Kithkin」「騎士/Knight」「コボルド/Kobold」「コー/Kor」「クラーケン/Kraken」「ラミア/Lamia」「ラマスー/Lammasu」「ヒル/Leech」「リバイアサン/Leviathan」「ルアゴイフ/Lhurgoyf」「リシド/Licid」「トカゲ/Lizard」「マンティコア/Manticore」「マスティコア/Masticore」「傭兵/Mercenary」「マーフォーク/Merfolk」「メタスラン/Metathran」「ミニオン/Minion」「ミノタウルス/Minotaur」「ダニ/Mite」「モグラ/Mole」「モンガー/Monger」「マングース/Mongoose」「モンク/Monk」「猿/Monkey」「ムーンフォーク/Moonfolk」「ハツカネズミ/Mouse」「ミュータント/Mutant」「マイア/Myr」「神秘家/Mystic」「ナーガ/Naga」「オウムガイ/Nautilus」「ネクロン/Necron」「ネフィリム/Nephilim」「ナイトメア/Nightmare」「夜魔/Nightstalker」「忍者/Ninja」「貴族/Noble」「ノッグル/Noggle」「ノーマッド/Nomad」「ニンフ/Nymph」「タコ/Octopus」「オーガ/Ogre」「ウーズ/Ooze」「オーブ/Orb」「オーク/Orc」「オーグ/Orgg」「カワウソ/Otter」「アウフ/Ouphe」「雄牛/Ox」「カキ/Oyster」「センザンコウ/Pangolin」「農民/Peasant」「ペガサス/Pegasus」「ペンタバイト/Pentavite」「パフォーマー/Performer」「「邪魔者/Pest」「フェルダグリフ/Phelddagrif」「フェニックス/Phoenix」「ファイレクシアン/Phyrexian」「操縦士/Pilot」「ピンチャー/Pincher」「海賊/Pirate」「植物/Plant」「法務官/Praetor」「総主長/Primarch」「プリズム/Prism」「昇華者/Processor」「兎/Rabbit」「アライグマ/Raccoon」「レインジャー/Ranger」「ネズミ/Rat」「レベル/Rebel」「反射/Reflection」「サイ/Rhino」「装具工/Rigger」「ロボット/Robot」「ならず者/Rogue」「黒貂/Sable」「サラマンダー/Salamander」「侍/Samurai」「砂漠の民/Sand」「苗木/Saproling」「サテュロス/Satyr」「カカシ/Scarecrow」「末裔/Scion」「蠍/Scorpion」「スカウト/Scout」「彫像/Sculpture」「農奴/Serf」「海蛇/Serpent」「霊気装置/Servo」「シェイド/Shade」「シャーマン/Shaman」「多相の戦士/Shapeshifter」「サメ/Shark」「羊/Sheep」「セイレーン/Siren」「スケルトン/Skeleton」「スリス/Slith」「スリヴァー/Sliver」「ナメクジ/Slug」「蛇/Snake」「兵士/Soldier」「サルタリー/Soltari」「落とし子/Spawn」「スペクター/Specter」「スペルシェイパー/Spellshaper」「スフィンクス/Sphinx」「蜘蛛/Spider」「スパイク/Spike」「スピリット/Spirit」「裂片/Splinter」「スポンジ/Sponge」「イカ/Squid」「リス/Squirrel」「ヒトデ/Starfish」「サラカー/Surrakar」「生存者/Survivor」「触手/Tentacle」「テトラバイト/Tetravite」「サラカス/Thalakos」「飛行機械/Thopter」「スラル/Thrull」「ティーフリング/Tiefling」「ツリーフォーク/Treefolk」「三葉虫/Trilobite」「トリスケラバイト/Triskelavite」「トロール/Troll」「海亀/Turtle」「ティラニッド/Tyranid」「ユニコーン/Unicorn」「吸血鬼/Vampire」「ヴィダルケン/Vedalken」「ヴィーアシーノ/Viashino」「ボルバー/Volver」「壁/Wall」「セイウチ/Walrus」「邪術師/Warlock」「戦士/Warrior」「奇魔/Weird」「狼男/Werewolf」「鯨/Whale」「ウィザード/Wizard」「狼/Wolf」「クズリ/Wolverine」「ウォンバット/Wombat」「蟲/Worm」「レイス/Wraith」「ワーム/Wurm」「イエティ/Yeti」「ゾンビ/Zombie」「ずべら/Zubera」がある。
205.3n 次元にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは次元・タイプと呼ばれる。次元・タイプには、「深淵/The Abyss」「アラーラ/Alara」「アモンケット/Amonkhet」「アンタウシア/Antausia」「アルケヴィオス/Arcavios」「アーコス/Arkhos」「アズゴル/Azgol」「ベレノン/Belenon」「ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm」「カペナ/Capenna」「クリーデ/Cridhe」「ドミナリア/Dominaria」「エコワール/Echoir」「エルドレイン/Eldraine」「エクィロー/Equilor」「エルガモン/Ergamon」「ファバシン/Fabacin」「フィオーラ/Fiora」「ガルガンティカール/Gargantikar」「ゴバカーン/Gobakhan」「イコリア/Ikoria」「イニストラード/Innistrad」「イクァターナ/Iquatana」「アー/Ir」「イクサラン/Ixalan」「カラデシュ/Kaladesh」「カルドハイム/Kaldheim」「神河/Kamigawa」「カーサス/Karsus」「ケファライ/Kephalai」「キンシャラ/Kinshala」「コルバーン/Kolbahan」「ケイレム/Kylem」「キネス/Kyneth」「ローウィン/Lorwyn」「ルヴィオン/Luvion」「メルカディア/Mercadia」「ミラディン/Mirrodin」「モアグ/Moag」「モンセン/Mongseng」「ムラガンダ/Muraganda」「新ファイレクシア/New Phyrexia」「ファイレクシア/Phyrexia」「パイルリー/Pyrulea」「ラバイア/Rabiah」「ラース/Rath」「ラヴニカ/Ravnica」「レガーサ/Regatha」「セゴビア/Segovia」「セラの領土/Serra's Realm」「シャドウムーア/Shadowmoor」「シャンダラー/Shandalar」「沈夢/Shenmeng」「タルキール/Tarkir」「テーロス/Theros」「ウルグローサ/Ulgrotha」「ヴァラ/Valla」「ヴリン/Vryn」「ワイルドファイア/Wildfire」「ゼレックス/Xerex」「ゼンディカー/Zendikar」「ザルファー/Zhalfir」がある。
205.3p ダンジョン・カードの1枚(《地下街/Undercity》)にはサブタイプが存在する。このサブタイプはダンジョン・タイプと呼ばれる。ダンジョン・タイプには、「地下街/Undercity」がある。
205.3q バトルにはそれ専用のサブタイプが存在し、バトル・タイプと呼ばれる。バトル・タイプには、「包囲戦/Siege」がある。
205.3r 現象・カード、計略・カード、ヴァンガード・カード、策略・カードにはサブタイプは存在しない。
205.4. 特殊タイプ
206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常は絵の右下に記されている。これはゲームには影響しない。
206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおける希少度を示すものである。赤橙色は神話レア、金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本 土地である。紫は特殊な希少度を表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりも希少度の高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、希少度に関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった。簡体中国語版の第5版には"V"のエキスパンション・シンボルが存在した)
206.3. かつては、ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックしていた。それらのカードはオラクルで訂正され、あるセットで「その名前で初めて印刷された」カードに影響を及ぼすようになった。
206.3a その名前で初めて印刷されたのが『Arabian Nights』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《City in a Bottle》)が存在する。該当する名前は、《アブー・ジャーファル/Abu Ja'far》《アラジン/Aladdin》《アラジンのランプ/Aladdin's Lamp》《アラジンの指輪/Aladdin's Ring》《アリ・ババ/Ali Baba》《Ali from Cairo》《Army of Allah》《Bazaar of Baghdad》《鳥の乙女/Bird Maiden》《スレイマンの壺/Bottle of Suleiman》《真鍮人間/Brass Man》《Camel》《City in a Bottle》《真鍮の都/City of Brass》《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》《サイクロン/Cyclone》《踊る円月刀/Dancing Scimitar》《ダンダーン/Dandan》《砂漠/Desert》《Desert Nomads》《砂漠の竜巻/Desert Twister》《Diamond Valley》《Drop of Honey》《黒檀の馬/Ebony Horse》《Elephant Graveyard》《エル・ハジャジ/El-Hajjaj》《アーグの盗賊団/Erg Raiders》《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》《目には目を/Eye for an Eye》《魚の肝の油/Fishliver Oil》《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》《空飛ぶ男/Flying Men》《ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre》《象亀/Giant Tortoise》《Guardian Beast》《ハスランの女オーガ/Hasran Ogress》《ハール・ジャッカル/Hurr Jackal》《Ifh-Biff Efreet》《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》《Island of Wak-Wak》《Jandor's Ring》《ジャンドールの鞍袋/Jandor's Saddlebags》《宝石の鳥/Jeweled Bird》《Jihad》《ジュナン・イフリート/Junun Efreet》《Juzam Djinn》《Khabal Ghoul》《King Suleiman》《密林の猿人/Kird Ape》《Library of Alexandria》《磁力の山/Magnetic Mountain》《Merchant Ship》《メタモルフォーゼ/Metamorphosis》《Mijae Djinn》《ムーア人の騎兵/Moorish Cavalry》《ナフス・アスプ/Nafs Asp》《オアシス/Oasis》《Old Man of the Sea》《Oubliette》《篤信/Piety》《Pyramids》《悔悟せる鍛冶屋/Repentant Blacksmith》《Ring of Ma'ruf》《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》《Sandals of Abdallah》《砂嵐/Sandstorm》《Serendib Djinn》《Serendib Efreet》《Shahrazad》《シンドバッド/Sindbad》《Singing Tree》《魔術師の女王/Sorceress Queen》《Stone-Throwing Devils》《不安定性突然変異/Unstable Mutation》《ウォー・エレファント/War Elephant》《ワイルーリーの狼/Wyluli Wolf》《Ydwen Efreet》である。
206.3b その名前で初めて印刷されたのが『Antiquities』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Golgothian Sylex》)が存在する。該当する名前は、《クルーグの護符/Amulet of Kroog》《Argivian Archaeologist》《Argivian Blacksmith》《アルゴスのピクシー/Argothian Pixies》《Argothian Treefolk》《終末の時計/Armageddon Clock》《Artifact Blast》《Artifact Possession》《Artifact Ward》《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》《アシュノッドの戦具/Ashnod's Battle Gear》《アシュノッドの人体改造器/Ashnod's Transmogrant》《エイトグ/Atog》《破城槌/Battering Ram》《青銅のタブレット/Bronze Tablet》《Candelabra of Tawnos》《秘宝の防御円/Circle of Protection: Artifacts》《Citanul Druid》《粘土像/Clay Statue》《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》《珊瑚の兜/Coral Helm》《崩壊/Crumble》《呪われた拷問台/Cursed Rack》《Damping Field》《爆破/Detonate》《Drafna's Restoration》《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》《Dwarven Weaponsmith》《魔力流出/Energy Flux》《フェルドンの杖/Feldon's Cane》《Gaea's Avenger》《Gate to Phyrexia》《ゴブリン職工団/Goblin Artisans》《Golgothian Sylex》《ぶどう弾カタパルト/Grapeshot Catapult》《Haunting Wind》《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》《象牙の塔/Ivory Tower》《ジェイラム秘本/Jalum Tome》《Martyrs of Korlis》《Mightstone》《石臼/Millstone》《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》《ミシュラの戦争機械/Mishra's War Machine》《Mishra's Workshop》《再帰のオベリスク/Obelisk of Undoing》《オニュレット/Onulet》《Orcish Mechanics》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《Phyrexian Gremlins》《Power Artifact》《Powerleech》《Priest of Yawgmoth》《原初の土/Primal Clay》《拷問台/The Rack》《ラカライト/Rakalite》《Reconstruction》《Reverse Polarity》《Rocket Launcher》《ラト=ナムの賢人/Sage of Lat-Nam》《多相の戦士/Shapeshifter》《粉砕の嵐/Shatterstorm》《Staff of Zegon》《露天鉱床/Strip Mine》《Su-Chi》《Tablet of Epityr》《Tawnos's Coffin》《タウノスのワンド/Tawnos's Wand》《タウノスの武具/Tawnos's Weaponry》《テトラバス/Tetravus》《ティタニアの歌/Titania's Song》《Transmute Artifact》《トリスケリオン/Triskelion》《ウルザの報復者/Urza's Avenger》《Urza's Chalice》《ウルザの鉱山/Urza's Mine》《Urza's Miter》《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》《ウルザの塔/Urza's Tower》《槍の壁/Wall of Spears》《Weakstone》《異形の騒霊/Xenic Poltergeist》《ヨーグモスの悪魔/Yawgmoth Demon》《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》である。
206.3c その名前で初めて印刷されたのが『Homelands』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Apocalypse Chime》)が存在する。該当する名前は、《修道院のガーゴイル/Abbey Gargoyles》《Abbey Matron》《上天の嵐/Aether Storm》《Aliban's Tower》《Ambush》《待ち伏せ部隊/Ambush Party》《Anaba Ancestor》《アナーバのボディガード/Anaba Bodyguard》《アナーバのシャーマン/Anaba Shaman》《Anaba Spirit Crafter》《アン=ハヴァの治安官/An-Havva Constable》《An-Havva Inn》《An-Havva Township》《An-Zerrin Ruins》《Apocalypse Chime》《Autumn Willow》《Aysen Abbey》《アイゼンの官吏/Aysen Bureaucrats》《Aysen Crusader》《Aysen Highway》《Baki's Curse》《Baron Sengir》《Beast Walkers》《Black Carriage》《影写し/Broken Visage》《甲殻/Carapace》《Castle Sengir》《Cemetery Gate》《Chain Stasis》《Chandler》《Clockwork Gnomes》《機械仕掛けの駿馬/Clockwork Steed》《Clockwork Swarm》《Coral Reef》《暗黒の迷路/Dark Maze》《Daughter of Autumn》《死者の代弁者/Death Speakers》《Didgeridoo》《Drudge Spell》《乾きの呪文/Dry Spell》《Dwarven Pony》《Dwarven Sea Clan》《Dwarven Trader》《Ebony Rhino》《情け知らずのエロン/Eron the Relentless》《Evaporate》《Faerie Noble》《一角獣の饗宴/Feast of the Unicorn》《フェロッズの封印/Feroz's Ban》《Folk of An-Havva》《忘却/Forget》《葬列/Funeral March》《Ghost Hounds》《Giant Albatross》《巨大カキ/Giant Oyster》《Grandmother Sengir》《大いなる人狼/Greater Werewolf》《Hazduhr the Abbot》《Headstone》《Heart Wolf》《血に飢えた霧/Hungry Mist》《Ihsan's Shade》《Irini Sengir》《鉄爪族の呪い/Ironclaw Curse》《Jinx》《Joven》《Joven's Ferrets》《ジョーヴンの泥棒道具/Joven's Tools》《Koskun Falls》《Koskun Keep》《迷宮のミノタウルス/Labyrinth Minotaur》《Leaping Lizard》《Leeches》《Mammoth Harness》《Marjhan》《記憶の欠落/Memory Lapse》《商人の巻物/Merchant Scroll》《メサ・ファルコン/Mesa Falcon》《Mystic Decree》《Narwhal》《Orcish Mine》《原初の秩序/Primal Order》《Prophecy》《Rashka the Slayer》《浅瀬の海賊/Reef Pirates》《Renewal》《Retribution》《Reveka》《Wizard Savant》《Root Spider》《Roots》《Roterothopter》《Rysorian Badger》《Samite Alchemist》《シー・スプライト/Sea Sprite》《Sea Troll》《センギアの従臣/Sengir Autocrat》《Sengir Bats》《Serra Aviary》《セラの獣小屋/Serra Bestiary》《Serra Inquisitors》《セラの聖騎士/Serra Paladin》《鋸刃の矢/Serrated Arrows》《縮小/Shrink》《Soraya the Falconer》《Spectral Bears》《Timmerian Fiends》《拷問/Torture》《Trade Caravan》《休戦/Truce》《Veldrane of Sengir》《Wall of Kelp》《Willow Faerie》《Willow Priestess》《Winter Sky》《Wizards' School》である。
206.4. プレイヤーは、そのカードがそのフォーマットで認められているセット(あるいは特にマジック・イベント規定によって認められているカード)に含まれている限り、どの版からでもカードを構築 デッキに入れてよい。現在の構築フォーマットの定義については、マジック・イベント規定(http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)を参照のこと。
206.5. エキスパンション・シンボルの完全な一覧は、マジックのウェブサイトのCard Set Archiveコーナー(http://magic.wizards.com/en/game-info/products/card-set-archive)から確認できる。
207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。多くの場合、ここにはそのカードの能力を定義するルール・テキストが書かれている。
207.2. 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
207.2a 注釈文は、カッコにくくられたイタリック体(日本語版では文字サイズが一段小さい)の文章であり、そのカードに適用されるルールの要約である。これはそれが対応する能力と同じ行に書かれていることが多いが、その能力でなくカード全体の注釈の場合、独立した行に書かれていることもある。
207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、絵と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。通常、これはルール・テキストの下に記載される。
207.2c 能力語は、能力の最初にイタリック体で書かれている(以前の日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要があった)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために定められたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「一徹(いってつ)/Adamant」「附則(ふそく)/Addendum」「団結(だんけつ)/Alliance」「大隊(だいたい)/Battalion」「湧血(ゆうけつ)/Bloodrush」「祝祭(しゅくさい)/Celebration」「魂力(こんりき)/Channel」「彩色(さいしょく)/Chroma」「盟友(めいゆう)/Cohort」「星座(せいざ)/Constellation」「収斂(しゅうれん)/Converge」「動議(どうぎ)/Council's Dilemma」「集会(しゅうかい)/Coven」「昂揚(こうよう)/Delirium」「版図(はんと)/Domain」「威光(いこう)/Eminence」「激昂(げきこう)/Enrage」「窮地(きゅうち)/Fateful hour」「獰猛(どうもう)/Ferocious」「圧倒(あっとう)/Formidable」「壮大(そうだい)/Grandeur」「暴勇(ぼうゆう)/Hellbent」「英雄的(えいゆうてき)/Heroic」「刻印(こくいん)/Imprint」「神啓(しんけい)/Inspired」「同調(どうちょう)/Join Forces」「族系(ぞくけい)/Kinship」「上陸(じょうりく)/Landfall」「副官(ふくかん)/Lieutenant」「魔技(まぎ)/Magecraft」「金属術(きんぞくじゅつ)/Metalcraft」「陰鬱(いんうつ)/Morbid」「集団戦術(しゅうだんせんじゅつ)/Pack Tactics」「協議(きょうぎ)/Parley」「光輝(こうき)/Radiance」「強襲(きょうしゅう)/Raid」「結集(けっしゅう)/Rally」「紛争(ふんそう)/Revolt」「秘密会議(ひみつかいぎ)/secret council」「魔巧(まこう)/Spell Mastery」「奮励(ふんれい)/Strive」「掃引(そういん)/Sweep」「誘引(ゆういん)/Tempting Offer」「スレッショルド(すれっしょるど)/Threshold」「宿根(しゅっこん)/Undergrowth」「議決(ぎけつ)/Will of the council」がある。
207.2d 能力語と同様に、フレイバー語も一部の能力の前にイタリック体(日本語版では教科書体)で表記されている。フレイバー語は、能力のフレイバー的説明であるが、ルール上の意味は持たず、総合ルールには列記されない。能力語は類似した機能を持つ複数の能力をまとめるものであるが、フレイバー語はその特定の能力に沿ったものである。
207.3. 一部のカードには、文章欄の背景に装飾的アイコンが描かれている。例えば、ラヴニカの各ギルドに関するカードの多くで文章欄にギルド・アイコンが含まれており、『ミラディンの傷跡』ブロックではほとんどのカードの文章欄に陣営アイコンが含まれている。また、プロモカードの多くにも装飾的アイコンが描かれている。これらのアイコンはゲームのプレイに影響を及ぼさない。
207.4. 次元・カードのカオスが起こるたびに誘発する誘発型能力の左側には、カオス・シンボルが記されている。このシンボルそのものはルール上特別な意味を持たない。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
207.5. カード1枚(《謎めいた尖塔群》)は、文章欄の下に各色を表すシンボルがあり、デッキを作成するに際してプレイヤーにそれらの色のうち2つに丸をつけるように指示する能力がある。色に丸をつけるとは、そのプレイヤーがその色のシンボルに丸をつける(あるいは明確にわかるように印をつける)ことである。丸をつけられた色のマナ・シンボルは、そのカードの印刷されたルール・テキストの一部(rule 613.1 参照)として扱い、そのカードの固有色(rule 903.4)に影響する。
208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた2つの数字が記されている。1つ目の数字はパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、2つ目の数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって修整を受けたりある値に変更されたりすることがある。
208.2. 一部のクリーチャー・カードでは、パワーやタフネスの値が固定値ではなく * になっているものがある。
208.2a カードは、何らかの条件に基づいてパワーやタフネスを定める特性定義能力を持つことがある(rule 604.3 参照)。この種の能力は、「[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス]は~である/[This creature's] [power or toughness] is equal to ~」あるいは「[このクリーチャーの]パワーとタフネスはそれぞれ~である/[This creature's] power and toughness are each equal to ~」と書かれる。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所において機能する。決定できない値を計算上などで用いる必要がある場合、その値を0として扱う。
例:《Lost Order of Jarkeld》のパワーやタフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Jarkeldが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ。」「Lost Order of Jarkeldのパワーとタフネスはそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーの数に1を足した値に等しい。」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が戦場 にない間、プレイヤーは選ばれていないので、パワーとタフネスはともに1+0、つまり1/1となる。
208.2b クリーチャーのパワーやタフネスを、それが戦場に出るに際して、あるいはオモテになるに際して、いくつかの特定の値の中から1つに設定する置換効果を作る常在型能力を持つカードが存在する(rule 614〔置換効果〕参照)。その種の能力は、「[このクリーチャー]が戦場に出るに際し~/As [this creature] enters the battlefield . . . 」「[このクリーチャー]がオモテ向き になるに際し~/As [this creature] is turned face up . . . ,」「[このクリーチャー]は~として戦場に出る。/[this creature] enters the battlefield as . . .」といった書式で、複数のパワーとタフネスの組(さらに追加の特性がついていることもある)が記されている。これらの効果で選ばれ、あるいは決定された特性は、そのクリーチャーのコピー可能な値に影響を及ぼす(rule 707.2 参照)。カードが戦場 にない間、パワーとタフネスはともに0として扱う。
208.3. クリーチャーでないパーマネントは、そのカードにパワーやタフネスが記載されていたとしても(機体など)、パワーやタフネスを持たない。クリーチャーでないオブジェクトが戦場 にない場合、そのカードにパワーやタフネスが記載されていない限り、パワーやタフネスを持たない。
208.4. 効果の中には、クリーチャーの「基本のパワー/base power」「基本のタフネス/base toughness」「基本のパワーとタフネス/base power and toughness」を扱うものがある。