『イニストラードを覆う影』と『異界月』には両面カードが存在します。これらのカードは、通常は定型のマジックの裏面であるはずのところに別のカードが存在しており、それらを扱うための特別なルールが存在します。以下は、その中でもよくある質問です。
カードに2つのオモテ面があるため、デッキ構築やプレイについて若干の変更点があります。プレイヤーには、不透明なスリーブを使うか、チェックリスト・カード(後述)を使うか、という2つの選択肢があります。不透明なスリーブを使うなら、今までと何ら変わることはありません。チェックリスト・カードを使う場合、新しいルールを数点導入するだけで問題はなくなります。慌てる必要はありません。
「不透明」とは、どんなに裏面を凝視しても、そのカードが何かについて一切の情報が得られないものを指します。
多くの色つきスリーブは、この定義で不透明とはいえないという点には注意が必要です(裏面の"Magic"ロゴや白い点(訳注:四隅の赤い丸や、カラーホイールの色の明るいものも)が透けて見えるスリーブはアウトです)。
両面カードの扱いにおいて、そうした不完全に不透明なスリーブを使うことは、〔区別できるカード〕として扱われます。(光を当てたり、向きを変えたりして入念にチェックするのではなく)通常のゲームプレイでも両面カードがわかってしまうような状況では、罰則を格上げすることが検討されることになります。
代用カードではありません。チェックリスト・カードの扱いについては、マジック・イベント規定に定められています。公式のチェックリスト・カード以外のカードを両面カードの代わりにデッキに入れることはできません。
単一の欄のみが、はっきりと明確にマークされていなければなりません。マークされていないカードや、複数にマークされているように見えるカードはすべて不正なカードとして扱われます。
充分な数を手にできるはずです。これらのセットの多くのブースターパックに入っています。
チェックリスト・カードをデッキに入れる場合、デッキに含まれる同名のカードをすべてチェックリスト・カードで表さなければなりません。そうした場合、それに対応する両面カードはトークン・カードと同様に扱われます。デッキが適正かどうかを考えるとき、またあなたが誤ってそれをデッキに混ぜてしまった場合、その両面カードはデッキに存在しないものとして扱われます。そのため、特定の両面カードとそれを表すチェックリスト・カードを混ぜないようにする必要があります。トラブル防止のため、イベント主催者はイベントが始まる前にこのことを告知することをお勧めします。
心配ありません! チェックリストに書かれたカードの現物があるかを確かめる必要があるので、デッキチェックに来たジャッジに両面カードを渡してください。対応する現物の両面カードが存在しないチェックリスト・カードは不正なカードとして扱われます。チェックリストより多くの現物があることは認められます(詳細は次の項をご覧ください)。ただし、対応するカードがデッキに含まれていなかった場合、面倒なことになるでしょう。
同名のカードであれば問題ありません。チェックリスト・カードを使用している場合は、単純に第1面の両面カードと第2面の両面カードを交換するだけですから、問題はありません。チェックリスト・カードを使用しない場合でも認められますが、サイドボードと一緒に持っておく場合、第2面の両面カードを別のスリーブに入れておくなどして明確に区別できるようにしなければなりません。これは、「サイドボードと他のカードを混ぜてはならない」というルールの例外です。
できます。あなたは自分の両面カードをいつでも確認することができます。
ありません。現物の両面カードをサイドボードと一緒に入れておくことができますが、それはサイドボードのカードではないため、対戦相手に提示する必要もありません。あなたが不幸にも他のプレイヤーにコントロールされてしまった場合、両面カードはそのプレイヤーが見ることのできる範囲にはありません。まあ、見ることのできる範囲にチェックリスト・カードがあれば話は別ですが。
「チェックリスト」という指定は不正であり、しかめっつらをされることでしょう。ただし、反転カードの時と同じように、カードを特定するために第2面のカード名を指定することは認められます。
なお、これは《ルーンの光輪》や《真髄の針》等のカードには適用できません。どちらか片方の面の名前を指定する必要があり、指定された面のみに効果を及ぼします。
ルール適用度がプロでないイベント(プロツアー、世界選手権、グランプリ2日目以外のすべてのイベント)でのドラフトでは、 おおむね普通のドラフトと一緒ですが、多少の違いがあります。パック内の一部のカードに関して、今まで隠されていた情報が公開されています。これはメカニズム上の問題ではなく…単なる「違い」です。ピックするカードを考えるときに、あなたがどれだけの情報を周囲に与えることになるかを考える必要が出てくるでしょう。各パックに1枚の両面カードが含まれるので、全てのプレイヤーが同じ条件でドラフトをすることになります。
いいえ。あなたがピックしたカードは常に束の一番上に置かれ、もし両面カードをピックした場合はそれを好きな面を上にしておくことができます(それ以外のカードは裏面が上に来るように置かれていなければなりません)。パック間の確認時間が終わったら、あなたは両面カードを好きな所に置くことができます。
開封したらまず両面カードを公開し、ドラフトを開始する前に全員が確認できるように公開する、というのが一般的な手順です。何のカードをピックしたかを見るために多少見回すのは許容されますが、プレイヤーの手にあるカードまで見ようとしないこと!
カードはドラフト中に公開しても構わない情報ではありますが、その情報を得るための戦略的な会話を含む行動が認められているわけではありません。
ルール適用度が競技で時間制限があるドラフトなら、問題にはなりません。ルール適用度が一般で、2人のピックがにらみ合いになった場合、上家側のプレイヤーが先にピックしなければなりません。対面だった’席番号1と5など)場合、席番号が若い方のプレイヤーが先にピックします。
ルール適用度がプロのイベント(プロツアー、世界選手権、グランプリ2日目)では、ウィザーズによってカードにハンコが押され、スリーブがかけられています。プレイヤーはドラフト前あるいはドラフト中にスリーブを外すことはできません。このこと以外では、ドラフトは両面カードが存在しないドラフトと同じように進行されます。
ジャッジや店舗がいいカードをドラフトのブースターから取っているという疑いを避けるため、ブースターを開封してスリーブをかけることはおやめください。ルール適用度がプロでないイベントにおいては、上記の手順に従ってください。
初版翻訳:Keiichi Kawazoe
監訳、翻訳更新:YONEMURA "Pao" Kaoru