ウィザーズ社公式サイト「Judge articles」より。 トスとかダイスとか、その辺に関するDCIの見解はいかに 【原文URL】 http://www.wizards.com/default.asp?x=judge/article/20070615a 【本文&ヘッダ】 なぜサイコロ勝負で結果を決めてはいけないのか by アンディ・ヘクト(ジャッジ・マネージャー) Translated by Sonomura Yusuke 2007年7月12日 ---- トーナメントに来る人の目的は多種多様だろう。フレンドリーだったり、勝負に厳しかったり、自分が楽しむことが第一であったり、人と会うことが目的であったり。トーナメントに賭けられているものも多種多様だ。10000ドルだったり、プロツアーへの参加権だったり、ブースターパック6つだったり、レーティングだけだったり。しかしいかなる場合でも、トーナメントというのは競技の場だ。だが今並べたような物の価値がプレイヤーによって違うということが、買収行為が発生する主因になっている。 認定トーナメントの主要な目的はあらゆる場所のプレイヤーの実力を比較することだ。このシステムの整合性を保つためには、結果をサイコロ勝負で決めることは間違っている。だからこそ、マッチの結果を無作為に決めることはトーナメント上の不正行為となるのである。例えばプレイヤーAがトーナメントでMagicを2ゲーム勝った、と報告したのに、実際にはMagicをプレイして勝っていない、ということを意味する。これを不正とみなさないのならば、トーナメントの全マッチの勝者をサイコロで決めてよいことになる。しかしMagicが1ゲームもプレイされていないトーナメントなど明らかに不正である。 以下の2つに挙げるような状況で、プレイヤーはサイコロ勝負で結果を決めることがあるようである。 1)2人のデッキが非常に似ているか、全く同じである プレイヤーがこの勝率が完全に50%-50%だと信じているとすれば、それは誤りである。そのデッキで実際にゲームに勝つための技術には差があることを忘れてはならない。嘘だと思うなら、同じ世界チャンピオンデッキを2つ買ってきて誰か2人に数マッチほどプレイさせてみればいい。初心者2人で試したり、技術は同等でもそのデッでの練習量が違う2人で試したりするのがいいだろう。まったく同じカードのデッキでも、技術の高い方が勝ちやすいことに気づくだろう。 2)時間制限が来て引き分けになりそうなとき もし引き分けが実際に発生したら、その引き分けは最終結果である。引き分けは負けよりは価値があるのだから、引き分けを受け入れるのは両者にとって有益なことだ。しかしごくまれに、引き分けてしまうと両者とも順位争いから脱落してしまうということがある。このような「2人とも負け」という状況に直面すると解決策が欲しくなるだろう。その際は以下のような方法を取るべきである。 *もし片方のプレイヤーが勝ち負けを気にしないのならば、そのプレイヤーは実際に勝ってしまうか、引き分けてしまう前に投了すればよい。そうすれば対戦相手は生き残ることができるかもしれない。こういう行為は一切の見返りを受け取らない紳士的な行為でなければならない。さもなくば、それは買収である。 *両者とも勝ち負けを気にしないのならば、普通にプレイして結果を記録すること。(DCIはプレイされた結果を気にしているので。) *もし両者とも似たような理由で勝ちたいのに、時間切れが来てしまった場合は、それは引き分けである。それを引き分けとしないのは不正行為である。(だからこそ引き分けは1点で負けは0点と設定している。その状況で譲歩を強制するのならば引き分けが0点で負けが1点に変えているだろう。) 多くのプレイヤーは「投了は自由にしていいのに、どうしてどっちが投了するかを無作為に決めてはいけないのか?」と強く疑問に思うことだろう。そのような外部の方法を使うことはもはやMagicをプレイして技術によって勝者を決めているとはいえない。スポーツは最初のコイントスで決まるわけではない。技術を競うことで決まるものだ。もし両者とも脱落するのだとしても、プレイヤーは引き分けの事実を受け入れなくてはいけない。そしてそのトーナメントにおいて、ルールに沿って実際にマッチを勝った他のプレイヤーこそが賞を受けるに値する。