======== 総合ルール(私訳第 3.6.0.0 版) ========  このルールに関して、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。 (このファイルの最後に詳細は記述してあります)  このファイルは、マジック・ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、Japan Netrep *ぱお*/米村 薫 以下CR翻訳グループが翻訳したものです。  このルールの英文は http://www.wizards.com/magic/MTG_Rules.asp に、翻訳文は http://mjmj.info/data/CompRules_j.html にあります。  再配布は制限しませんが、この巻頭辞まで含めた完全な形でお願いいたします。  この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。 翻訳:CR翻訳グループ(*ぱお*、ムリア、JFK、みやけん) Special thanks: Vorspiel、I.C.A.、エリエル、ishan、九印、たかのを、あけぼの、みらこー、LANCER、鴨屋 真、KakiP、平良俊幸、ガレッガ、Ysman、タカーP、ミズタマ、とみやす、まにおお、金澤遊、その他ご協力いただいた方々 -------- もくじ -------- 0. はじめに 1. ゲーム 100. 原則 101. ゲームの始め方 102. 勝ちと負け 103. マジックの黄金律 104. 数とシンボル 2. ゲームの部分 200. 原則 201. 特性 202. 名前 203. マナ・コストと色 204. 絵 205. タイプ行 206. エキスパンション・シンボル 207. 文章欄 208. パワー/タフネス 209. イラストの著作権表記 210. 権利表記 211. コレクター番号 212. タイプ、特殊タイプ、サブタイプ 213. 呪文 214. パーマネント 216. トークン 217. 領域 3. ターン進行 300. 原則 301. 開始フェイズ 302. アンタップ・ステップ 303. アップキープ・ステップ 304. ドロー・ステップ 305. メイン・フェイズ 306. 戦闘フェイズ 307. 戦闘開始ステップ 308. 攻撃クリーチャー指定ステップ 309. ブロック・クリーチャー指定ステップ 310. 戦闘ダメージ・ステップ 311. 戦闘終了ステップ 312. 終了フェイズ 313. ターン終了ステップ 314. クリンナップ・ステップ 4. 呪文・能力と効果 400. 原則 401. スタック上の呪文 402. 能力 403. 起動型能力 404. 誘発型能力 405. 常在型能力 406. マナ能力 407. 能力の追加・除去 408. 呪文や能力のタイミング 409. 呪文や起動型能力のプレイ 410. 誘発型能力の処理 411. マナ能力のプレイ 412. 常在型能力の処理 413. 呪文・能力の解決 414. 呪文・能力の打ち消し 415. 対象をとる呪文や能力 416. 効果 417. 単発的効果 418. 継続的効果 419. 置換・軽減効果 420. 状況起因効果 421. '無限'ループの処理 422. 不正な行動の処理 5. その他のルール 500. 適正な攻撃とブロック 501. 回避能力 502. キーワード能力 503. オブジェクトのコピー 504. 裏向きの呪文やパーマネント 505. 分割カード 506. サブゲーム 507. 他のプレイヤーのターンをコントロールする 508. 反転カード 509. ターンの終了 6. 用語集 -------- マジック・ザ・ギャザリング 総合ルール -------- 0. はじめに  この冊子は、マジック・ザ・ギャザリング(R)の基本的なゲームを理解した人たちのために編集されている。初心者にとって、このルールはほとんどの場合、不必要で複雑なものである。このルールに書かれていることは、このゲームに関するルール・グルになるためのものであり、特殊な問題が生じたときか、あるいは競技プレイの間にしか必要ではないだろう。  気軽なプレイの時にはもちろん、また、そうでなくてもほとんどの状況では、第8版入門セットの箱に入っている一般ルールブックで充分である(一般ルールブックの内容は、Wizards of the Coastのマジック・ルールのウェブサイト http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/rules.asp からダウンロードできる。なお、日本語版は ホビージャパン社のウェブサイト http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/rules/online8.html に、私家改変版がMJMJ.info http://mjmj.info/data/online8.html にある)。それ以上の詳細なルールを求めるのであれば、これ以降を読み進めるとよい。  この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。用語集では、ルール側で書くことが相応しくないような、用語一つ一つに関する解説が列記されている。探しているものが見つからない場合、用語集を確認せよ。  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、ルールをいかに細かく定めたとしても、特定のカードの相互作用によって正確な解答が必要な状況があることは判っている。疑問がある場合、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に問い合わせて、その解答を得ることができる。連絡先はこのファイルの末尾に記されている。  問題の発生に応じて、またルールをできる限り新しく保つために、公開以降にも変更が加えられる可能性がある。公式ルールの現在の版は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のサイト内の http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/rules/tourneyplayer に公開されている。  このルールは2004年10月1日現在の最新版である。 1. ゲーム 100. 原則 100.1. このマジックのルールは、2人のプレイヤーによるゲームを仮定している。3人以上のプレイヤーによるゲームを可能にする選択ルールもあるが、それはここでは問題にしない。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のサイト内の http://www.wizards.com/magic/default.asp?x=magic/rules/multiplayer.asp で手に入れることができるハウス・ルールもある。 100.2. 構築環境でゲームをするにあたって、各プレイヤーは、60枚以上のカードからなるデッキ、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの現在値をはっきり示す方法、を必要とする。構築環境でのデッキは、任意の枚数の基本地形カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本地形以外のカードからなる。 100.3. シールド・デッキ、またはドラフト環境において、デッキには40枚以上のカードを必要とする。持っているかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。限定環境においても、トークンやカウンターを示す小さな物や、ライフの現在値をはっきり示す方法は必要である。 100.4. デッキ・サイズに上限はない。 100.5. ほとんどのマジックのトーナメントには、(ここに含まれない)特殊ルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。http://www.wizards.com/DCI/main.asp?x=dci/utr/intro で手に入れることができる、最新のマジック・DCIフロアルールを参照のこと。 訳注:日本語版は http://mjmj.info/data/ でも公開されている。 101. ゲームの始め方 101.1. ゲームを始めるとき、それぞれのプレイヤーは自分のデッキをシャッフルし、カードが不規則な順序になるようにする。その後、対戦相手のデッキをシャッフルすることができる。このデッキは以後ライブラリーとして扱われる。 101.2. デッキをシャッフルした後、どちらが先攻後攻を選ぶかを決める。その方法は相互に納得できる方法(コイン・フリップとか、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定権を持つ。 101.3. 先攻プレイヤーが決定された後、それぞれのプレイヤーはそのライフを20にし、そして7枚の手札を引く。 101.4. 最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行なうことができる。この判断は、先攻のプレイヤーが先に行なう。マリガンとは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして6枚の新しい手札を引くことである。なお気に入らなければもう一度繰り返すことができ、このときは新しい手札は5枚になる。こうして、毎回1枚ずつ手札を減らして、0枚になるまでこの方法を繰り返すことができる。先攻のプレイヤーがこれ以上マリガンをしないと決めた後で、今度は後攻のプレイヤーが満足するまでマリガンを行なうことができる。一旦マリガンしないことを選んだら、その後でマリガンすることはできない。 101.5. 両方のプレイヤーが手札に満足したら、先攻のプレイヤーのターンが始まる。先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 304〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。 102. 勝ちと負け 102.1. プレイヤーのライフの合計が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき(状況起因効果として)ゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 102.2. ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときに(状況起因効果として)そのゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 102.3. プレイヤーが勝ち、あるいは負け、またはゲームが引き分けになったら、そのゲームは即座に終わる。 102.4. 両方のプレイヤーが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。 102.5. プレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーは負けとなる。 102.6. ゲームが何らかのループを作り、それを止める方法がない場合、ゲームは引き分けとなる。但し、なんらかの選択肢のあるループは引き分けにはならない。 102.7. プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座にゲームから離れ、負けとなる。 102.8. プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは敗北する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 103. マジックの黄金律 103.1. カードのテキストがルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの例外として、プレイヤーはカードの文面に影響されず、いつでも投了することができる。rule 102.7 参照。 103.2. あるルールまたは効果によって何かを「できる」とされている時に、他の効果によって同じことが「できない」とされていた場合、「できない」という効果が優先される。例えば、「このターンに、あなたは土地を1枚追加でプレイしてよい」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地カードをプレイすることはできない」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。オブジェクトに能力を与える効果とオブジェクトから能力を失わせる効果の相関については、このルールは適用されない。rule 407〔能力の追加・除去〕参照。 103.3. カードの記述が不可能な行動を求めていた場合、それは無視される。(多くの場合、カードはこれの結果をはっきりさせる。そうでなければ、なんの効果ももたらさない) 103.4. 両方のプレイヤーが同時になんらかの行動を取る場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行ない、そのあとで非アクティブ・プレイヤーが必要な選択を行ない、それから同時に行動が起こる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー・ルール」(またはAPNAPルール)と呼ばれる。 例:「それぞれのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分のコントロールするクリーチャーを1体選び、それから非アクティブ・プレイヤーが自分のコントロールするクリーチャーを1体選び、その後でその2体のクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。 104. 数とシンボル 104.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。分数や小数は用いない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。 104.2. クリーチャーのパワーやタフネス、マナ・コスト、プレイヤーのライフの合計、ダメージの総量などが0未満になった場合、その数字が変わるとき以外は0として扱う。未定義の数字を参照する場合、それを0として扱う。 例:3/3クリーチャーに-5/-0の修整がついた場合、0点の戦闘ダメージを与える。ただし、パワーを1にするためには、+3/+0の修整が必要になる(3−5+3=1)。 訳注:0点のダメージは与えたものとしては扱わない。rule 410.7 参照。 例:あなたがパーマネントをコントロールしていない場合、「あなたがコントロールしているパーマネントの点数で見たマナ・コストの中で一番高い値」は定義できない。この数字は0として扱う。 104.3. マナ・シンボルは、{W}{U}{B}{R}{G}{X}{Y}{Z}、ならびに{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字である。 104.3a 色つきマナ・シンボルはそれぞれその色つきマナ1点を意味する。{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑に対応する。 104.3b 数字のシンボル({1}など)は不特定マナ・コストであり、任意の色つきマナ、あるいは無色マナで支払うことのできる一定量のマナを意味する。 104.3c {X}{Y}{Z}は何らかの量のマナを意味する。呪文や起動型能力のコストに含まれる場合、そのコントローラーはその変数の値を決定する。 104.3d ({1}などの)数字のシンボルや({X}などの)変数のシンボルは、マナを出す能力では無色マナを意味する。 104.3e {0}は0マナを意味し、コストのかからない呪文や起動型能力でコスト欄に書かれる。コストが{0}の呪文や能力も、自動的にプレイされるわけではなく、他の呪文や能力と同じようにプレイされる。 104.4. タップ・シンボルは{T}である。起動コストにタップ・シンボルがある場合、「このパーマネントをタップする」ということを意味する。既にタップ状態のパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 212.3d 参照。 104.5. オデッセイ・ブロックのカードで、カード名の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに働く能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。 2. ゲームの部分 200. 原則 200.1. ルールやカード・テキストに「カード」と記されていた場合、マジックのカードの表とマジックのカードの裏を持つマジックのカードを指す。Ungluedの、トークンを示すカードはルールの適用に関してはカードとしては扱わない。 200.1a カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤー、またはゲーム中にゲーム外から加えられたカードについてはそれを加えたプレイヤーのことである。 200.2. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルは http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/oracle で参照できる。 200.3. プレイヤーとは、ゲームに参加している2人の人間のことである。プレイヤーの対戦相手とは、もう一方のプレイヤーのことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。そうでないプレイヤーのことを非アクティブ・プレイヤーという。 200.4. トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである(rule 216〔トークン〕参照)。 200.4a トークンのオーナーは、それを場に出す呪文や能力をコントロールしていたプレイヤーである。トークンのコントローラーはそれを場に出したプレイヤーである。 200.5. 呪文とは、スタック上にある呪文、あるいは呪文またはカードのコピーのことである(rule 213〔呪文〕参照)。 200.5a 呪文のオーナーはそのカードのオーナーである。呪文のコントローラーはそれをプレイしたプレイヤーである。 200.6. パーマネントとは、場に出ているカードやトークンのことである(rule 214〔パーマネント〕参照)。 200.6a トークンでないパーマネントのオーナーは、そのカードのオーナーである。パーマネントのコントローラーはそれを場に出したプレイヤーである。 200.7. 能力とは、スタック上にある起動型能力および誘発型能力のことと、オブジェクト上にある、そのオブジェクトが何をするかを表現する文章の両方のことを指す(rule 402〔能力〕およびrule 4〔呪文・能力と効果〕参照)。 200.7a スタック上にある能力のオーナーは、それがプレイされた時、もしくは誘発した時にその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。スタック上にある能力のコントローラーは、その能力をプレイしたプレイヤー、もしくはその能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。 200.8. オブジェクトとは、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、スタック上の能力のことである。このルール内で「オブジェクト」という語が用いられている場合、その項目は上記全てに適用される。スタック上にある戦闘ダメージも、このルール中の「オブジェクト」のルールがあてはまらないことは多いが、オブジェクトである。 200.9. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」という単語なしでタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いた場合、場に出ているそのタイプのパーマネントのことを意味する。 200.9a 呪文や能力が「カード/card」という単語と領域名とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いた場合、その領域にあるそのタイプのカードのことを意味する。 200.9b 呪文や能力が「呪文/spell」という単語とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いた場合、スタックにあるそのタイプの呪文のことを意味する。 200.9c 呪文や能力が「発生源/source」という単語とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いた場合、その種類の、能力の発生源またはダメージの発生源のことを意味する。rule 419.8〔ダメージの発生源〕参照。 200.10. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。+X/+Yカウンター(X、Yはそれぞれ数字である)がパーマネントの上に置かれている時、そのパーマネントのパワーにXを加え、タフネスにYを加える。同様に、このXやYが負の時はその分だけ引く。同名のカウンターは相互に交換可能である。 201. 特性 201.1. カードには、名前、マナ・コスト、絵、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワー、タフネス、イラストの著作権表記、権利表記、コレクター番号と呼ばれる部分がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。 201.2. オブジェクトの特性とは、名前、マナ・コスト、色、タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネスのことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのコントローラー、個別エンチャントが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。 202. 名前 202.1. カードの名前は、その左上隅に記されている。 202.2. 文章中にそのオブジェクトの名前が書かれていた場合、それはそのオブジェクトそのものだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。 202.2a オブジェクトの能力が、分類や特性を用いて「この[何か]/this [何か]」の類の表現であるオブジェクトを指していた場合、後でその分類や特性が合わなくなったとしても、その特定のオブジェクトを指す。 例:「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時までそれは+2/+2の修整を受ける。ターン終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力があった場合、その+2/+2の修整を受けたオブジェクトがターン終了時にクリーチャーでなくなっていたとしても、破壊する。 202.2b あるオブジェクトが他のオブジェクトに、1つめのオブジェクトの名前を含む能力を与えた場合、その名前で示されるのはこの能力を与えたオブジェクト自身であり、同名の他のオブジェクトのことは示さない。 例:《はじける子嚢/Saproling Burst》は「はじける子嚢の上から消散カウンター1個を取り除く: 緑の苗木クリーチャー・トークンを1個場に出す。このトークンは「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ、はじける子嚢の上に置かれている消散カウンターの数に等しい」という能力を持つ。」という能力を持つ。この、トークンに与えられた能力は、そのトークンを生成した《はじける子嚢》自身のことだけを指し、他の《はじける子嚢》のことは指さない。 202.3. 英語名が同じなら、カードに記されている内容が違っていようとも同じカード名として扱う。 203. マナ・コストと色 203.1. カードのマナ・コストはカードの右上隅に記されているマナ・シンボルで示される。トークンや土地のマナ・コストは、特に規定されていない限り、{0}である。オブジェクトのマナ・コストを支払う際には、色のついたマナ・シンボル全ての色や、不特定マナ・コストが正しくなければならない。 203.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。 203.2a コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないオブジェクトは無色である。 203.2b マナ・コストの中に、5種類の色のうちで2種類以上の色のマナが含まれているオブジェクトは多色である。多色のオブジェクトは金色の背景で印刷されているが、背景が金色でなくても多色であることがありうる。 203.2c マジックで色とは、白、青、黒、赤、緑である。白のマナは{W}、青は{U}、黒は{B}、赤は{R}、緑は{G}で表わされる。 例:マナ・コスト{2}{W}のオブジェクトは白であり、マナ・コストが{2}{W}{B}のオブジェクトは白でも黒でもある。 203.2d プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」は色ではない。 203.3. オブジェクトの、点数で見たマナ・コストは、マナ・コストに含まれるマナの量を色を気にせずに数えたものである。点数で見たマナ・コストを支払うことを求める効果の場合、それは不特定マナ・コストであり、呪文のマナ・コストの色とは関係なく、任意の色のマナと無色のマナの任意の組み合わせで支払うことができる。 例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、点数で見たマナ・コストに換算すると5になる。 203.4. オブジェクトのルール・テキストに記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。 204. 絵 204.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。 205. タイプ行 205.1. カードのタイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)は絵のすぐ下に記されている。(rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照) 205.2. タイプ 205.2a タイプには、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、土地、ソーサリーがある。 205.2b オブジェクトの中には、複数のタイプを持つものもある(例えば、アーティファクト・クリーチャー)。この類のオブジェクトは、そのいずれかのタイプに適用される効果は全て適用される。 205.2c エンチャントのタイプ行が「エンチャント([何か])」となっていた場合、エンチャントはその([何か])を特性として持つわけではない。それはそのエンチャントがエンチャントできるものを定義しているだけである。rule 212.4〔エンチャント〕参照。 205.3. サブタイプ 205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。 205.3b サブタイプは、常に、長い横線の後に列記された単語群であり、それぞれの単語は別々のサブタイプである。 205.3c あるタイプのオブジェクトのサブタイプは、そのタイプの名前を取って「アーティファクト・タイプ」「クリーチャー・タイプ」などと呼ばれる。例えば、クリーチャーのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。オブジェクトは複数のサブタイプを持つことがあり得る。日本語の場合、それぞれのサブタイプの間に中黒(・)が入っている。 例:「土地(基本地形)─ 山」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。 205.3d ほとんどのカード・タイプには、それぞれ独立なサブタイプの組が存在する。例外として、インスタントとソーサリーはサブタイプが共用されうる。インスタントとソーサリーのサブタイプを、総称として呪文タイプと呼ぶ。 205.3e アーティファクト・クリーチャー・カードのタイプ行にサブタイプが書かれている場合、それはクリーチャー・タイプである。アーティファクト・土地・カードのタイプ行にサブタイプが書かれている場合、それは土地タイプである。 205.4. 特殊タイプ 205.4a カードは、特殊タイプを持つことがある。それらはカード・タイプの直前に書かれる(日本語版の場合、基本地形は「土地(基本地形)」となり、伝説の土地は「伝説の土地」と書かれる)。オブジェクトのタイプまたはサブタイプが変更になった場合、新しいタイプと合わなかったとしても、特殊タイプはそのまま維持される。 205.4b 「(基本地形)/basic」という特殊タイプを持った土地は基本地形である。この特殊タイプを持たない土地は基本地形でない土地である。 例:第8版以前に作られたカードは「基本地形」という語で基本地形を表示していない。それらの古いカードにおいては、カード名が《森》《島》《山》《平地》《沼》《Snow-Covered Forest》《Snow-Covered Island》《Snow-Covered Mountain》《Snow-Covered Plains》《Snow-Covered Swamp》の10種類のいずれかであるものを基本地形とする。 205.4c 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つパーマネントは、「レジェンド・ルール」と呼ばれる、伝説のパーマネントに関する状況起因効果に従う。rule 420.5e 参照。 205.4d 「ワールド/world」という特殊タイプを持つパーマネントは、「ワールド・ルール」と呼ばれる、ワールド・パーマネントに関する状況起因効果に従う。rule 420.5i 参照。 205.4e 「雪かぶり/snow-covered」という特殊タイプを持つ土地は、雪かぶり土地である。この特殊タイプを持たない土地は、その土地の名前によらず、雪かぶりでない土地である。 206. エキスパンション・シンボル 206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、絵の右下に記されている。 206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおけるレアリティを示すものである。金色はレア、銀色はアンコモン、黒がコモンか基本地形である(エクソダスよりも古いセットでは、レアリティに関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった)。 206.3. ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックする。基本セットに収録されたカードは、基本セットのエキスパンション・シンボルを持つので、それらの再収録分は、元のセットのエキスパンション・シンボルを持って再収録されたのでない限り、元のセットのカードとはみなさない。第5版までの基本セットはエキスパンション・シンボルを持たない。 207. 文章欄 207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。ここには、そのカードの能力を定義するルール・テキストが書かれている。 207.2. 文章欄には、そのカードに適用されるルールの注釈文(括弧でくくられ、斜体である)や、斜体で書かれた、ゲームには関係しないがゲームの雰囲気をよくするためのフレイバー・テキストを含むこともある。 208. パワー/タフネス 208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた二つの数字が記されている。一つめの数字はクリーチャーのパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、二つめの数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのクリーチャーが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって変更されることがありうる。 208.2. 一部のオブジェクトでは、パワーもしくはタフネスの値が * になっているものがある。* とは、そのオブジェクトの能力で定義されている値である。そのオブジェクトが場にある限り、その能力が * の値を定義する。オブジェクトが場に出ていない場合、* は0として扱う。 209. イラストの著作権表記 209.1. カードのイラストの著作権表記は、文章欄のすぐ下に記されている。ゲームには影響しない。 210. 権利表記 210.1. 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。ゲームには影響しない。これはカードの一番下に記されている。 211. コレクター番号 211.1. いくつかのカード・セットにはコレクター番号がふられている。この情報は[カード番号/セットに含まれるカードの総数]という形で記されており、権利表記のすぐあとにある。この番号はゲームには影響しない。 212. タイプ、特殊タイプ、サブタイプ 212.1. 通則 212.1a カード、トークン、パーマネント、呪文は、タイプ、特殊タイプ、サブタイプを持ちうる。能力はタイプ、特殊タイプ、サブタイプを持たないが、色々な種類が存在する(rule 402〔能力〕参照)。 212.1b オブジェクトのタイプが変更されたとき、新しいタイプが以前のタイプを置き換える。カウンターや効果、ダメージは、新しいタイプでは意味がなくなるとしても、そのオブジェクトに残る。同様に、あるオブジェクトのタイプにともなうサブタイプが変更になったとき、新しいサブタイプは以前の同種のサブタイプを置き換える。オブジェクトのあるタイプが失われた場合、そのタイプにともなうサブタイプは失われる。逆にサブタイプを失わせても、タイプには何の影響もない。 212.1c オブジェクトのタイプやサブタイプを変更する効果の中には、元のタイプやサブタイプが残ると明記されているものがある。この場合、そのオブジェクトの、以前のタイプやサブタイプは全て残る。このルールは、「それまでのタイプに加え/in addition to its types」や「[タイプ]でもある/still a [タイプ]」という表記に適用される。また、「アーティファクト・クリーチャー」になる、と書かれた効果があるが、これも同様に以前のタイプおよびサブタイプを全て残す効果である。 例:「全ての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力によって、土地は、クリーチャーでもあり土地でもあることになる。もし影響を受ける土地の中にアーティファクトでもあるものがあったなら、それは「アーティファクト・土地・クリーチャー」になる。「クリーチャー」や「土地・クリーチャー」になるわけではない。この効果によって、アーティファクトであることや土地であることが失われることはない。 例:「全てのアーティファクトは1/1のアーティファクト・クリーチャーである」という能力によって、アーティファクトでもエンチャント(場)でもあるパーマネントは、「アーティファクト・エンチャント(場)・クリーチャー」になる。 212.1d オブジェクトの特殊タイプはそのタイプやサブタイプとは独立して存在する。オブジェクトのタイプやサブタイプを変更しても、特殊タイプは変更されない。オブジェクトの特殊タイプを変更することは、そのタイプやサブタイプを変更しない。 例:「全ての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力の影響を受けても、場にあった伝説の土地はやはり伝説のパーマネントである。 212.1e サブタイプを選ぶ効果があった場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない(存在するサブタイプを決定するために、オラクルを用いること。rule 200.2 参照。なお、サブタイプの一覧は、この総合ルールの用語集の、クリーチャー・タイプ、土地タイプなどの項目にも記されている)。 例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォク・ウィザード」は不適正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不適正である。 212.2. アーティファクト 212.2a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、アーティファクト・カードを手札からプレイすることができる。アーティファクトを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.2b アーティファクト呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で場に出す。 212.2c アーティファクトのサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト ─ 装備品/Artifact - Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトのサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。 212.2d アーティファクトはそのタイプに特有の特性を持たない。アーティファクトは色つきマナをコストに含まないので、無色である。ただし、何らかの効果によって色を得ることはあるし、色つきのオブジェクトがそのままアーティファクトになることもありうる。 212.2e アーティファクト・クリーチャーは、クリーチャーとアーティファクトの持つ特性を両方持ち、どちらのタイプに影響する呪文や能力の影響も受ける。 212.2f アーティファクト・土地は、土地とアーティファクトの持つ特性を両方持ち、どちらのタイプに影響する呪文や能力の影響も受ける。アーティファクト・土地は、土地としてのみプレイでき、呪文としてはプレイできない。 212.2g アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつけることができる。クリーチャーでないオブジェクトにつけることはできない。 212.2h 装備品は、他のアーティファクトと同様にプレイされ、場に出る。装備品がクリーチャーにつけられた状態で場に出ることはない。「装備/equip」のキーワード能力で、装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーの上に動かすことになる(rule 502.33〔装備〕参照)。クリーチャーのコントロールに関する条件は、装備能力のプレイ時と解決時にのみ確認する。 212.2i 装備品がクリーチャーである場合、クリーチャーに装備することはできない。「装備品」というサブタイプを失った装備品は、クリーチャーに装備することはできない。装備品は自分自身を装備することはできない。不適正あるいは存在しないパーマネントに装備されている装備品は、そのパーマネントに装備されることを止めるが、場に残ったままである(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 212.2j 装備品がつけられているクリーチャーは、「装備しているクリーチャー/equipped creature」と呼ばれる。装備品は、クリーチャーにつけられる、あるいは「装備される/equip」ことになる。 212.2k 装備品のコントローラーは、装備しているクリーチャーのコントローラーとは分けて考える。この2つは同じものではない。クリーチャーのコントローラーが変わっても装備品のコントローラーは変わらないし、逆も同様である。装備品のコントローラーのみが、それの能力をプレイできる。ただし、装備品が装備されているクリーチャーに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)与える場合、装備しているクリーチャーのコントローラーのみが、その能力をプレイできる。 212.3. クリーチャー 212.3a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、クリーチャー・カードを手札からプレイすることができる。クリーチャーを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.3b クリーチャー呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で場に出す。 212.3c クリーチャーのサブタイプは必ず1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature - Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature - Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。 例:「クリーチャー ─ ミノタウルス/Creature - Minotaur」は、そのカードがクリーチャーであり、そのサブタイプがミノタウルスであることを示している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」は、カードがクリーチャーであり、サブタイプはゴブリンでもウィザードでもあることを示している。 212.3d クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、プレイできない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーは攻撃に参加できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視してもよい(rule 502.5 参照)。 212.4. エンチャント 212.4a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、エンチャント・カードを手札からプレイすることができる。エンチャントを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.4b エンチャント呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で場に出す。 212.4c 全体エンチャントはタイプ行に「エンチャント(場)/enchantment」と書かれている。個別エンチャントは、「エンチャント/enchant」という語に続き、何にエンチャントできるかを示す識別子が書かれている。個別エンチャントのタイプ行の、「エンチャント/enchant」という語の後に複数の語が含まれている場合、エンチャントされるパーマネントまたはプレイヤーはその全ての単語にあてはまらなければならない。 例:エンチャント(アーティファクト)は、アーティファクトであるパーマネントにしかエンチャントできない。エンチャント(アーティファクト・クリーチャー)は、アーティファクト・クリーチャーであるパーマネントにしかエンチャントできない。エンチャント(プレイヤー)は、プレイヤーにしかエンチャントできない。エンチャント(沼)は沼であるパーマネントにしかエンチャントできない。 212.4d 個別エンチャント呪文は、エンチャントのタイプ行で示される性質を持つ対象を必要とする。その呪文によって場に出される個別エンチャントはそのタイプのパーマネントまたはプレイヤーに付けられねばならず、その呪文が対象としていたパーマネントまたはプレイヤーにつけて場に出される。エンチャントするものの選択に関する追加の制限は、「[この個別エンチャント]は[特定の性質を持つパーマネントやプレイヤー]しかエンチャントできない/[この個別エンチャント] can enchant only a [特定の性質を持つパーマネントやプレイヤー]」という類の表記で現される。これらの制限は呪文をプレイするときの対象選択にも適用される。同様の制限は、エンチャントされるパーマネントの方にも存在しうる。 例:パーマネントは「[このパーマネント]は[特定の性質を持つ個別エンチャント]にエンチャントされない/[このパーマネント] can't be enchanted by [特定の性質を持つ個別エンチャント]」という能力を持つことがあり得る。この制限は、個別エンチャント呪文がそのパーマネントを対象にできるかどうかということにもかかってくる。 例:エンチャント(クリーチャー)呪文はクリーチャーを対象とする。場にあるエンチャント(クリーチャー)は、クリーチャーをエンチャントしていなければならない。 212.4e プレイする以外の方法で個別エンチャントが場に出るとき、それを場に出す効果がエンチャントするものを特に指定していなければ、それを場に出そうとしたプレイヤーが、それが場に出るに際して、エンチャントするパーマネントを選ぶ。その場合、エンチャントはそのパーマネントを対象には取らないが、プレイヤーは適正にエンチャント出来るパーマネントまたはプレイヤーを選ばなければならない。適正なパーマネントまたはプレイヤーがなければ、そのエンチャントは場に出る代わりに移動しようとした元の領域にそのまま残る。同じルールが、個別エンチャントをあるパーマネントから他のパーマネントへ、あるいはプレイヤーからプレイヤーへ移動させるときにも適用される。エンチャントを移動させる先のパーマネントまたはプレイヤーは、そのエンチャントによってエンチャントされることができなければならない。それが不正であれば、そのエンチャントは移動しない。 212.4f 個別エンチャントが不正なパーマネントまたはプレイヤー上にエンチャントされていたり、あるいはエンチャントされているパーマネントやプレイヤーがすでに存在しなくなっていれば、そのエンチャントはオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因効果である。rule 420〔状況起因効果〕参照)。 212.4g 個別エンチャントはそれ自身にはつけることができない。また、個別エンチャントがクリーチャーでもある場合、他のオブジェクトにつけることもできない。何らかの理由でそうなった場合、その個別エンチャントは状況起因効果でオーナーの墓地に置かれる(rule 420.5d 参照)。 212.4h 個別エンチャントのつけられているパーマネントのことを、「エンチャントされている」という。そのエンチャントはそのパーマネントを「エンチャントしている」、あるいはそのパーマネントに「ついている」という言い方をする。 212.4i 個別エンチャントのコントローラーは、そのエンチャントされているパーマネントのコントローラーとは無関係であり、同じである必要はない。パーマネントのコントロールが変化しても、エンチャントのコントロールは変化しないし、逆も同じである。エンチャントのコントローラーだけがその能力を使うことができる。しかし、エンチャントがそれのエンチャントしているパーマネントに何らかの能力を与える(「得る/gain」「持つ/have」で示される)場合には、エンチャントされているパーマネントのコントローラーだけがその能力を使うことができる。 212.5. インスタント 212.5a プレイヤーは、優先権を持っている時に、インスタント・カードを手札からプレイすることができる。インスタントを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.5b インスタント呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている行動が行なわれた後で、オーナーの墓地に置かれる。 212.5c インスタントのサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant - Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントのサブタイプは「インスタント・タイプ」とも呼ばれる。インスタントのサブタイプで、ソーサリーのサブタイプでもあるものを呪文タイプと呼ぶ。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。 212.5d インスタントが場に出ることはない。場に出るような場合、その代わりにもとあった領域に残る。 212.5e 「プレイヤーがインスタントをプレイできるときならいつでも」という表現は、そのプレイヤーが優先権を持っている時に、という意味である。実際にプレイできるインスタントを持っている必要はない。 212.6. 土地 212.6a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、土地カードを手札からプレイすることができる。土地カードは呪文カードではなく、呪文としては扱われない。土地カードをプレイする場合、単に場に出される。土地カードはスタックに乗らないので、インスタントや起動型能力で対応することはできない。 212.6b プレイヤーは、自分のターンに1枚だけ土地カードをプレイすることができる。効果によって追加の土地をプレイすることが可能になることがある。こうした場合にも、通常の、土地を場に出す行動を取ることはできる。効果によって土地のプレイが禁止されている場合、プレイヤーは土地をプレイしようとすることはできない。土地をプレイするに際し、プレイヤーは、それが通常の土地のプレイかそうでないのかを宣言する必要がある。通常の土地のプレイでない場合には、どの効果によってその土地のプレイが認められるのかを特定しなければならない。土地を場に「出す/put」ことができる呪文や能力が存在する。これは土地のプレイとは違うので、通常の土地のプレイが1枚限りだという制限の上では考慮されない。 212.6c 土地のサブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。 例:「土地(基本地形)─ 山」という記述は、そのカードが山のサブタイプを持つ土地であることを意味する。 212.6d 基本地形タイプは、平地、島、沼、山、森である。「基本地形タイプ」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。基本地形タイプを持つ土地は、色マナを出す固有の能力を持っている(rule 406〔マナ能力〕参照)。その土地の文章欄は、たとえそこが空欄であったとしても、「{T}:あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」の能力が書かれているものとして扱う。平地は白、島は青、沼は黒、山は赤、森は緑の各色マナを出す。 212.6e 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本地形タイプに変わった場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。文章欄に書かれていたルール・テキストを全て失い、その基本地形タイプが持つマナ能力のルール・テキストを得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地に与えられた能力を取り除くわけではない点に注意。土地タイプの変更は、その土地が持つタイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本地形」や「伝説の」「雪かぶり」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプとルール・テキストを持ち、それに加えて新しい土地タイプとマナ能力を得る。 212.6f 「(基本地形)/Basic」という特殊タイプをもつ土地は基本地形である。この特別タイプを持たない土地は基本地形でない土地である。 212.6g あるオブジェクトが土地であり、かつ他のタイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文としてプレイされることはない。 212.7. ソーサリー 212.7a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、ソーサリー・カードを手札からプレイすることができる。ソーサリーを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.7b ソーサリー呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている行動が行なわれた後で、オーナーの墓地に置かれる。 212.7c ソーサリーのサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery - Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーのサブタイプは「ソーサリー・タイプ」とも呼ばれる。ソーサリーのサブタイプで、インスタントのサブタイプでもあるものを呪文タイプと呼ぶ。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。 212.7d ソーサリーが場に出ることはない。場に出るような場合、その代わりにもとあった領域に残る。 212.7e 呪文、能力、効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリーがプレイできるときならいつでも」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤーが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。実際にプレイできるソーサリーを持っている必要はない。 213. 呪文 213.1. 土地を除く全てのカードは、プレイされている間(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)とスタックにある間は呪文である。その後、解決されるか打ち消されるまでは呪文であり続ける。(rule 401〔スタック上の呪文〕参照) 213.2. 呪文のタイプは、その呪文のカード・タイプと同じである。呪文の特殊タイプやサブタイプは、そのカードの特殊タイプやサブタイプと同じである。 213.3. 「呪文/spell」という語は、スタックにあるカードのことを指す。「カード」と言った場合、スタック上に呪文として存在するカードのことは指さず、例えば「手札にあるクリーチャー・カード」のように、場やスタック以外の領域にあるものだけを指す。 213.4. 呪文にはコントローラーが存在する。通常、呪文のコントローラーはその呪文をプレイしたプレイヤーである。 213.5. パーマネントになる呪文の特性を何らかの効果によって変更した場合、その効果は呪文の解決後に生成されたパーマネントにも適用される。 例:黒のクリーチャー呪文を白に変更する効果があった場合、場に出たときもそのクリーチャーは白であり、その変更する効果が続いている限り白のままである。 214. パーマネント 214.1. パーマネントとは、場に存在するカードやトークンのことである。パーマネントは何らかの効果やルールによって他の領域に動かされるまで場に残る。パーマネントにはアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地という4つのタイプがある。インスタントやソーサリー・カードが場に出ることはない。 214.2. パーマネントのタイプは、場に出ているカードやトークンのタイプと同じである。トークンでないパーマネントのタイプ、特殊タイプ、サブタイプは、カードに書かれているものと同じである。トークンのタイプ、特殊タイプ、サブタイプは、それを作り出した呪文や能力によって定義される。 214.3. カードやトークンは場に出たときにパーマネントとなり、場を離れたときにパーマネントでなくなる。パーマネントはアンタップ状態で場に出る。「パーマネント」という語は、場に出ているカードやトークンを指す。「カード」という語は、パーマネントとして場に出ているカードのことは指さず、例えば「手札にあるクリーチャー・カード」のように、場やスタック以外の領域にあるものだけを指す。rule 217〔領域〕参照。 214.4. パーマネントにはコントローラーが存在し、タップしているかアンタップしているかである。通常、パーマネントのコントローラーはそれを場に出したプレイヤーである。 215. この節は既に存在しない。 216. トークン 216.1. 効果によって、トークン・クリーチャーを場に出すものがある。トークンのオーナーはそれを場に出した呪文や能力のコントローラーであり、コントローラーはトークンを場に出したプレイヤーである。呪文や能力によって、生成されるトークンの特性のいくつかは定められる。トークンを生成した能力によって定められていない特性は存在しない。トークンを作る呪文や能力が、そのトークンの名前とクリーチャー・タイプを定める。特に書かれていない限り、トークンの名前は、そのクリーチャー・タイプと同じである。例えば、ゴブリン・斥候・クリーチャー・トークンはゴブリン・斥候という名前であり、クリーチャー・タイプはゴブリンと斥候の二つとなる。トークンが場に出た後では、名前が変わってもクリーチャー・タイプは変わらない。その逆も同じである。 216.2. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのタイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(それが他のゲームやアングルードのトークン・カードであっても)カードとしては扱われない。 216.3. 場以外の領域に存在するトークンは、存在しなくなる。これは状況起因効果である(トークンが消滅する前に、領域を変更することによる誘発型能力は発生する)。一度トークンが場を離れたら、それは二度と戻ってくることはない。 217. 領域 217.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。ライブラリー、手札、墓地、場、スタック、ゲーム外と呼ばれる、6つの基本的な領域がある。この他に、古いカードではアンティとフェイズ・アウト領域を用いるものもある。ライブラリー、手札、墓地はプレイヤーごとに存在し、他の領域は共用される。 217.1a オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、その代わりにオーナーの該当する領域に行く。インスタントやソーサリーのカードが場に出る場合、その代わりに、そのカードは元あった領域に残る。 217.1b ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップしているかどうか、何にエンチャントしているかあるいは装備されているかは両方のプレイヤーに明白でなければならない。 217.1c ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、新しいオブジェクトとして扱われる。以前の領域に関連した効果は失われる。このルールには2つの例外がある。スタックに積まれているアーティファクト呪文、エンチャント呪文、クリーチャー呪文の特性を変更する効果は、その呪文によって生成されるパーマネントにも適用され続ける。また、オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「《怨恨/Rancor》が場から墓地に置かれたとき」など)は、新しい領域に存在するそのオブジェクトを見つけることができる。 217.1d オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、まずどのイベントがそのオブジェクトを動かすのかを決定し、その後で、そのイベントに対する置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、その効果がどう働くかを決める。最後に、イベントが、オブジェクトを動かす。 217.1e ゲーム外領域にあるオブジェクトおよびゲームの領域に存在しないオブジェクトは外部にあるという。それ以外のオブジェクトは内部にある。外部は領域としては扱わない。 217.2. ライブラリー 217.2a ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。 217.2b それぞれのライブラリーは、一つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーを覗いたり、その順序を変化させてはならない。 217.2c プレイヤーはいつでも、それぞれのプレイヤーのライブラリーの残り枚数を数えることができる。 217.2d 同時に複数枚のカードを同じライブラリーの上または下に置く効果に関して、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置かれたのかを公開する必要はない。 217.2e プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイするように指示するカードがある。呪文や能力をプレイしている間に一番上のカードが変化した場合には、その呪文や能力がプレイされ終わるまで、新しいカードは公開されない(rule 409.1i 参照)。 217.3. 手札 217.3a 手札は、プレイヤーが引き、まだプレイしていないカードを持っておく場所である。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは7枚の手札を引く(rule 101〔ゲームの始め方〕参照)。 217.3b それぞれのプレイヤーに手札の最大枚数が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップの行動として最大枚数を越える手札を捨てなければならない。 217.3c プレイヤーはその手札を便利なように並べ、そして好きなだけ見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、それぞれのプレイヤーの手札の枚数を数えることはいつでもできる。 217.4. 墓地 217.4a 捨て札を束にして置いたものを墓地と言う。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタントやソーサリーはオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。 217.4b それぞれの墓地は、一つの、表向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。 217.4c 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決める。 217.5. 場 217.5a プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは場である。場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールする(他のプレイヤーのパーマネント上の個別エンチャント以外の)パーマネントは、そのプレイヤーの目の前の場に置かれる。 217.5b カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は場にのみ影響を与え、また、場にあるものだけを考慮する。パーマネントは場にのみ存在する。 217.5c パーマネントが場領域に入ったとき、それは新しいパーマネントとして扱い、その同じオブジェクトによって現わされていたパーマネントとは無関係となる。これは他の領域についても同じである(rule 217.1c 参照)。 217.5d 場以外の領域にあるオブジェクトは場にあるとは言わず、タップしているともアンタップしているとも扱わない。場かスタックにあるオブジェクトにしかコントローラーは存在しない。 217.6. スタック 217.6a 呪文がプレイされたら、物理的にスタックに積まれる。能力がプレイされたら、カードはないけれども、その能力がスタックに積まれる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) 217.6b スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照)。 217.6c 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文や能力をプレイしたプレイヤーである。誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときのその能力の発生源のコントローラーである。 217.6d 両方のプレイヤーがパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。両方のプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。 217.6e 戦闘ダメージも、スタックを用いる他のオブジェクトと同じように、スタックを用いて解決される。 217.7. ゲーム外 217.7a 何らかの効果によって、オブジェクトがゲーム外に置かれることがある。効果の中には、それを元の領域に戻す方法が用意されているものがあり、「脇に置く/set aside」という語を使っている。こうして脇に置かれたカードは、一時的にせよ、ゲーム外に置かれている。カードでないオブジェクトが元の領域に戻されることはない。 217.7b ゲーム外領域にあるカードは表向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きでゲーム外に置かれている」カードは、説明によって許可されない限りは公開されない。 217.8. フェイズ・アウト 217.8a フェイズ・アウトしたパーマネントは、フェイズ・アウト領域に置かれる(rule 502.15〔フェイジング〕参照) 217.8b フェイズ・アウト領域にある表向きのオブジェクトは、いつでも両方のプレイヤーが確認できる。裏向きのオブジェクトは、裏向きのパーマネントに関するルールに従う(rule 502.26〔変異〕、rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)。 217.8c フェイズ・アウトしたオブジェクトは場には存在しないので、タップ状態でもアンタップ状態でもなく、誰にもコントロールされていない。しかしながら、この領域にあるオブジェクトはその以前の状態を「覚えて」おり、場を離れたときと同じ状態で場に戻る(rule 502.15〔フェイジング〕参照)。これは rule 217.1c の例外である。 217.8d フェイズ・アウト領域に行ったトークンは消滅する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。それらのトークンについていた個別エンチャントおよび装備品は、ゲームの残りの期間、フェイズ・アウトしたままになる。 217.9. アンティ 217.9a マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他のルールで禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCI汎用トーナメント・ルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/utr/intro )の下では厳しく禁止されている。 217.9b アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ領域に置く。アンティ領域にあるカードは、いつでも両方のプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者は両プレイヤーのアンティ領域にあるカード全ての所有権を得る。 217.9c 「アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [このカード] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードは、プレイヤーのアンティ領域にあるカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりするものである。 217.9d オブジェクトをアンティにするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ領域に移すことである。オブジェクトのオーナーだけがそのオブジェクトをアンティにすることができる。 3. ターン進行 300. 原則 300.1. ターンは順に開始フェイズ、戦闘前メイン・フェイズ、戦闘フェイズ、戦闘後メイン・フェイズ、終了フェイズの5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズは順番に処理されるステップに細分化される。 300.2. フェイズやステップは、スタックが空で、かつ両方のプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。ターン間、フェイズ間、ステップ間には何も起こらない。スタックが空になったということと、フェイズやステップが終わるということは別である。スタックが空になった後、両方のプレイヤーがパスしなければならない。言い換えると、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会が与えられるということである。 300.3. (ステップではなく)フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。こうして失われた1マナごとに、そのプレイヤーは1ライフを失う。これをマナ・バーンという。マナ・バーンはライフの喪失であってダメージではないので、ダメージに影響を及ぼす効果によって軽減したり他のものに置き換えることはできない。このゲームの行動はスタックを使用しない。(rule 406〔マナ能力〕参照) 300.4. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」の効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」の効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップ開始時ではない。「ターン終了時まで」続く効果は、特別なルールが適用される(rule 314.2 参照)。 300.5. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力がスタックに加えられる。 300.6. 効果によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを現在のターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加ターンを得たり、複数のプレイヤーが追加のターンを得たりする場合、その追加ターンは1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。 300.7. 効果によって、1ターン中にフェイズが追加されることがあり得る。今現在のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に生成される場合は、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。 300.8. 効果によって、1フェイズ中にステップが追加されることがあり得る。今現在のステップのすぐ後に(あるいは現在のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に生成される場合は、一番最後に作られたステップが最初に処理される。 300.9. 効果によって、ステップ、フェイズ、ターンが飛ばされることがあり得る。ステップ、フェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 419.6e とrule 419.6f 参照。 301. 開始フェイズ 301.1. 開始フェイズは順にアンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップの3つのステップからなる。 302. アンタップ・ステップ 302.1. まず、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのパーマネントはフェイズ・アウトし、それと同時に、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウト状態のすべてのオブジェクトがフェイズ・インする(このゲームの行動はスタックを使用しない)。(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕, rule 502.15〔フェイジング〕参照) 302.2. 次に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールするパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの行動はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーのパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーがコントロールするパーマネントがアンタップすることが妨げられることもある。 302.3. アンタップ・ステップの間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文や能力はプレイされないし、解決されもしない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤーが優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。(rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照) 303. アップキープ・ステップ 303.1. アップキープ・ステップの開始に際し、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力と、そのターンのアンタップ・ステップに誘発していた能力を全てスタックに積む(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 304. ドロー・ステップ 304.1. アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く。この特別な行動はスタックを使用しない。次に、そのドロー・ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積む。その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 305. メイン・フェイズ 305.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。戦闘前メイン・フェイズ(または第1メイン・フェイズ)と戦闘後メイン・フェイズ(または第2メイン・フェイズ)は、戦闘フェイズ(rule 306〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られており、戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ぶこともある。 305.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに両方のプレイヤーがパスしたときにメイン・フェイズが終了する。 305.3. メイン・フェイズの開始に際し、そのメイン・フェイズの開始時に誘発する能力をスタックに積む。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。(通常、このフェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文、ソーサリー呪文をプレイできる。アクティブ・プレイヤーだけがこれらの呪文をプレイできる。) 305.4. アクティブ・プレイヤーは、どちらかのメイン・フェイズの間に、自分が優先権を持ち、スタックが空であり、そしてまだこのターンにこの特別な行動を利用していないときに限り、土地カードを1枚だけ手札からプレイすることができる(rule 212.6〔土地〕参照)。この行動はスタックを使用せず、いかなる種類の呪文や能力でもない。この行動は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。 306. 戦闘フェイズ 306.1. 戦闘フェイズは5つのステップからなり、それらは戦闘開始ステップ、攻撃クリーチャー指定ステップ、ブロック・クリーチャー指定ステップ、戦闘ダメージ・ステップ、戦闘終了ステップの順番で進んでいく。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、クリーチャーが1体も攻撃クリーチャーとして指定されなかった場合には飛ばされる(rule 308.4 参照)。攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 502.2 参照)か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持つ場合、戦闘ダメージ・ステップは2つになる。 306.2. クリーチャーは、(破壊されたり、ゲームから取り除かれたりして)場を離れたり、再生したり(rule 419.6b 参照)、コントローラーが変わったり、クリーチャーでなくなったり、効果によって戦闘から取り除かれたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除くということは、クリーチャーが攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャー、ブロックされたクリーチャー、ブロックされていないクリーチャーのいずれでもなくなるということである。 306.2a いったんクリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして宣言されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力は、そのクリーチャーを戦闘から取り除かない。 306.2b すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことはできず、戦闘ダメージは通常通り与えられる。 306.3. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤーを「攻撃している」と言い、攻撃側プレイヤーと呼ぶ。非アクティブ・プレイヤーは「攻撃されている」と言い、防御側プレイヤーと呼ぶ。 306.4. ある攻撃クリーチャー以外に攻撃クリーチャーがいない場合、それを「単独で攻撃/attacking alone」していると言う。あるブロック・クリーチャー以外にブロック・クリーチャーがいない場合、それを「単独でブロック/blocking alone」していると言う。 307. 戦闘開始ステップ 307.1. 戦闘開始ステップの開始に際し、戦闘開始時に誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照))その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 308. 攻撃クリーチャー指定ステップ 308.1. 攻撃クリーチャー指定ステップの開始に際し、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する(このゲームの行動はスタックを使用しない)。次に、攻撃クリーチャーの指定に誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照))その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 308.2. 攻撃クリーチャーを指定するときに、アクティブ・プレイヤーは以下のステップに順番に従う。攻撃クリーチャーの指定に関するあらゆる点で、アクティブ・プレイヤーが後述のステップのいずれかを行えない場合は、その指定は不正となる。ゲームは攻撃クリーチャー指定の直前まで戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕とrule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 308.2a アクティブ・プレイヤーは攻撃しないことを選ぶか、自分がコントロールするクリーチャーを1体以上選ぶ。その後、選んだクリーチャーが攻撃に参加できるかどうかを決定する。クリーチャーだけが攻撃に参加することができるが、(攻撃に参加してもタップしないものであっても)タップ状態のクリーチャーまたはアクティブ・プレイヤーがそのターンの開始時から続けてコントロールしていないクリーチャー(速攻を持つものは除く)は攻撃に参加することはできない。。選んだクリーチャーが攻撃に参加できるかできないかについて、他の効果も影響する。(rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 308.2b 選んだクリーチャーの中にバンドや他の〜とのバンドを持つクリーチャーがいる場合は、アクティブ・プレイヤーは(そうしたいのなら)どのクリーチャーがどれとバンドを組むのかを宣言する(rule 502.10〔バンド〕参照)。 308.2c アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップすることはコストではない。単に、攻撃に参加することによってクリーチャーがタップされるだけである。 308.2d 攻撃に参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいるならば、アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。 308.2e コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力をプレイする機会を得る(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)。 308.2f 自分のマナ・プールに十分な量のマナを持ってから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。 308.2g コストが全て支払われ、なおかつそのクリーチャーがアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャーになる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続ける。rule 306.2 参照。 308.3. クリーチャーが攻撃することに対して誘発する能力は、クリーチャーが攻撃に参加した時点でのみ誘発する。クリーチャーが攻撃に参加した後で、そのクリーチャーの特性がその能力の誘発条件に合致するように変化したとしても、能力は誘発しない。 例:「緑のクリーチャーが攻撃に参加するたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力を持つパーマネントがあった場合、青のクリーチャーが攻撃に参加し、その後にそれが緑に変わっても、能力は誘発しない。 308.4. 攻撃クリーチャーが指定されなかった場合、攻撃クリーチャー指定ステップは終了し、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。 309. ブロック・クリーチャー指定ステップ 309.1. ブロック・クリーチャー指定ステップの開始に際し、防御側プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する(このゲームの行動はスタックを使用しない)。次に、ブロック・クリーチャーの指定に誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照))その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 309.2. ブロック・クリーチャーを指定するときに、防御側プレイヤーは以下のステップに順番に従う。ブロック・クリーチャーの指定に関するあらゆる点で、防御側プレイヤーが後述のステップのいずれかを行えない場合は、その指定は不正となる。ゲームはブロック・クリーチャー指定の直前まで巻き戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕とrule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 309.2a 防御側プレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーをゼロ体以上選び、それぞれについてブロックする攻撃クリーチャーを1体選ぶ。その後、ブロックが適正かどうかを決定する。アンタップ状態のクリーチャーだけがブロックに参加でき、ブロックに参加することではクリーチャーはタップしない。選んだクリーチャーがブロックに参加できるかできないかについて、他の効果も影響する。(rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 309.2b ブロックに参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいるならば、防御側プレイヤーはブロックに参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。 309.2c コストにマナの支払いが必要な場合、防御側プレイヤーはマナ能力をプレイする機会を得る(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)。 309.2d 自分のマナ・プールに十分な量のマナを持ってから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。 309.2e そのクリーチャーが防御側プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたそれぞれのクリーチャーはブロック・クリーチャーとなる。各クリーチャーは、選んだ攻撃クリーチャーをブロックした状態になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それはブロック・クリーチャーであり続ける。rule 306.2 参照。 309.2f ブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーが1体以上存在する攻撃クリーチャーは、「ブロックされたクリーチャー」になる。ブロック・クリーチャーが存在しないクリーチャーは「ブロックされていないクリーチャー」になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、ブロックされたクリーチャーの状態は変わらない。(効果でクリーチャーの状態が変わることはあり得る。) 309.3. クリーチャーがブロックすること、あるいはクリーチャーによってブロックされたことに対して誘発する能力は、クリーチャーがブロックに参加した時点、あるいはブロックされた時点でのみ誘発する。クリーチャーがブロックに参加した、あるいはブロックされた後で、そのクリーチャーの特性がその能力の誘発条件に合致するように変化したとしても、能力は誘発しない。 例:「このクリーチャーが白のクリーチャーにブロックされるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力を持つクリーチャーが、黒のクリーチャーによってブロックされ、その後にそれが白に変わっても、能力は誘発しない。 310. 戦闘ダメージ・ステップ 310.1. 戦闘ダメージ・ステップの開始に際し、アクティブ・プレイヤーは、それぞれの攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言し、その後で防御側プレイヤーは、それぞれのブロック・クリーチャーがその戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言する。戦闘ダメージの割り振りは、すべてが単一のオブジェクトとしてスタックに積まれる。その後ダメージが割り振られることに誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 310.2. プレイヤーは、クリーチャーの戦闘ダメージを適正な方法で割り振る。戦闘ダメージの割り振りは以下の制限に従うこと。 310.2a 攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャーはそれぞれ、そのパワーに等しい戦闘ダメージを割り振る。パワーが0以下のクリーチャーは、戦闘ダメージを割り振らない。 310.2b ブロックされていない攻撃クリーチャーは、防御側プレイヤーに全ての戦闘ダメージを割り振る。 310.2c ブロックされているクリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それをブロックしているクリーチャーにダメージを割り振る。(例えば、破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)現時点でブロックしているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振ることはない。 310.2d ブロック・クリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それにブロックされている攻撃クリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。(例えば、破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)現時点でブロックされているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振ることはない。 310.2e クリーチャーが通常とは違う方法で戦闘ダメージを与える効果は、戦闘ダメージの割り振りに影響する。 310.3. 戦闘ダメージの割り振りは単一のオブジェクトとしてスタックに積まれるが、呪文や能力ではないので、打ち消されることはない。 310.4. 戦闘ダメージは、ひとつのオブジェクトとして解決される。解決時に、それは割り振られていた通りにすべて一度に与えられる。戦闘ダメージの解決が終わった後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。 310.4a 戦闘ダメージは、ダメージを与えるクリーチャーが既に場を離れていたり、あるいはそのパワーが変化していたり、ダメージを受けるべきクリーチャーが戦闘から取り除かれていたりしても、その割り振り通りに与えられる。 310.4b ダメージの発生源は、その時に場に存在していればそのクリーチャーであり、場に存在していなければその場を離れる直前の状態である。 310.4c ダメージを受けるべきクリーチャーが既に場にいないか、あるいはクリーチャーでなくなっている場合、それに割り振られていたダメージは与えられない。 310.5. 戦闘ダメージ・ステップの開始時に、少なくとも1体の攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 502.2 参照)か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持っている場合、先制攻撃か二段攻撃を持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、戦闘フェイズは第2戦闘ダメージ・ステップを得て、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。第2戦闘ダメージ・ステップで、生き残った攻撃クリーチャーとブロック・クリーチャーのうち、第1戦闘ダメージ・ステップでダメージを割り振っていないものと二段攻撃を持つクリーチャーが、その戦闘ダメージを割り振る。 311. 戦闘終了ステップ 311.1. 全ての「戦闘終了時に」起こる誘発型能力が誘発し、スタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 311.2. 戦闘終了ステップが終わると同時に、すべてのクリーチャーは戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップが終わった後、戦闘フェイズが終了し戦闘後メイン・フェイズが始まる。 312. 終了フェイズ 312.1. 終了フェイズは、ターン終了ステップ、クリンナップ・ステップの二つのステップからなる。 313. ターン終了ステップ 313.1. ターン終了ステップの開始に際し、全ての「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 313.2. ターン終了ステップの開始時に「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれた後で、新しく「ターン終了時に」起こる誘発型能力が生成された場合、あるいは「ターン終了時に」起こる誘発型能力を持つカードが場に出た場合、それらの能力は次のターンの終了フェイズまでスタックに積まれない。言い替えれば、このステップは「さかのぼらない」ので新しい「ターン終了時」誘発型能力はスタックに積まれない。これは、「ターン終了時に」と書かれた誘発型能力だけに適用される。継続的効果や「ターン終了時まで」や「このターン」とある遅延効果には当てはまらない。(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照) 314. クリンナップ・ステップ 314.1. アクティブ・プレイヤーの手札がその上限の枚数(通常は7枚)を越えていたら、その数になるまで手札を捨てる(このゲームの行動はスタックを使用しない)。 314.2. 全てのパーマネントに与えられているダメージが取り除かれるのと同時に「ターン終了時まで」の効果、また「このターンの間」の効果が終わる(このゲームの行動はスタックを使用しない)。 314.3. 状況起因効果を起こす条件が揃っているか、あるいは何らかの誘発型能力がスタックに積まれるのを待っている場合にのみ、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。スタックが空になり、両方のプレイヤーがパスした場合、もう一度新しいクリンナップ・ステップが始まる。何も起きなければ、優先権は発生せず、ステップは終了する。 4. 呪文・能力と効果 400. 原則 400.1. 能力とは、オブジェクトがすること、またはできることである。能力は効果を発生させる。オブジェクトの能力はそのオブジェクトの文章欄によって、またはそのオブジェクトを生成した効果によって定義される。何らかの効果によって、オブジェクトに能力が付与されることもある。注釈文、フレイバー・テキストは能力ではない。注釈文とフレイバー・テキストは常にイタリック体(斜体)で書かれている。 400.2. 呪文と起動型能力と誘発型能力は、それが解決したときに効果が発生する。常在型能力は継続的効果を発生させる。テキストそのものは効果ではない。 401. スタック上の呪文 401.1. 呪文とは、スタックに積まれているカードである。プレイの最初の段階で、そのカードは呪文となり、プレイされる領域(通常はプレイヤーの手札)からスタックに積まれる(rule 217.6〔スタック〕参照)。カードによって表わされていなくても、呪文のコピーもまた呪文である。 401.2. それは解決した時や(rule 413.2 参照)打ち消された時(rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照)、なんらかの方法でスタックを離れた時に呪文でなくなる。 401.3. インスタント呪文やソーサリー呪文は、他のオブジェクトと同様に能力を持つ。それらの能力は、特に書かれていない限り、その呪文の解決時に実行される。 例:解決時に実行されない能力としては、起動型能力や誘発型能力、それがどこにある場合にプレイできるかを定義する能力(rule 401.4 参照)、それをプレイできる領域にある間に適用される能力(rule 401.5 参照)、その呪文がスタックにある間に適用される能力(rule 401.6 参照)などがある。 401.4. オブジェクトは、手札以外の領域からプレイすることを認める常在型能力を持つことがある。それらの能力は、そのオブジェクトが該当する領域にある間、有効である。 401.5. オブジェクトは、それをプレイできる領域にある間に適用される能力を持つことがある。この種の能力には、オブジェクトをプレイすることを制限したり、あるいは通常認められない状況または方法でオブジェクトをプレイすることを認めるものがある。 401.6. 呪文は、その呪文がスタックにある間に適用される能力を持つことがある。この種の能力には、コストの追加や減少、代替コストなどが含まれる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) 401.7. インスタント呪文やソーサリー呪文の解決の最後に、そのカードはオーナーの墓地に置かれる。アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、及びエンチャント呪文の解決の最後に、そのカードはパーマネントとなり、呪文のコントローラーのコントロールの下で場領域に置かれる。呪文が打ち消された場合、打ち消す呪文や能力の解決の一部として、そのカードはオーナーの墓地に置かれる(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照)。 402. 能力 402.1. 能力とは、注釈文でもフレイバー・テキストでもない、オブジェクトの文章である(rule 400.1 参照)。その指示に従った結果、及び呪文のテキストに従った結果のことを効果という(rule 416〔効果〕参照)。能力は、それの書かれているオブジェクト、また他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことができる。能力によって、それが書かれているオブジェクト、あるいはそれ以外のオブジェクトに能力を与えられることがある。その場合、「持つ/has,have」「得る/gains,gain」という言葉が使われる。 402.2. 能力は大別して起動型能力、誘発型能力、常在型能力の3つに分類できる。起動型能力、誘発型能力の中には、マナ能力も含まれる。能力は単発的効果や継続的効果を発生させる。置換効果と軽減効果は、効果の一種である。 402.3. 能力には有益なものも不利益なものもある。例えば、「このクリーチャーはブロックに参加できない」というのは能力である。 402.4. カードをプレイするための追加コストや代替コストは、カードの能力である。 402.5. 能力は呪文ではなく、そのため呪文だけを打ち消すものによっては打ち消すことができない。能力は、ルールによって打ち消されるのと同じように、特殊な打ち消し能力の効果によっても打ち消される(例えば、対象をとる能力は、その対象がすべて不正になった場合に打ち消される)。 402.6. いったん起動、または誘発されたら、能力はその能力の発生源(能力が記されているカード)とは独立してスタック上に存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去しても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》はそれに1点のダメージを与える」)。このような場合、能力の発生源の情報を参照する起動型、誘発型能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。あるいは、それがもはや場にない場合、その能力の発生源の場を離れる直前の情報を使う。 402.7. 一つのオブジェクトが色々な能力を持つことがある。一行に並べられる、あらかじめ定義された能力(rule 502〔キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。一つのオブジェクトが、同じ能力を複数持つこともある。同じ能力でも、それぞれは独立に機能する。これによって、能力が一つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。 402.8. タイプや色を定義する特性定義能力、あるいはインスタントやソーサリーの能力、追加コスト、代替コスト、プレイ制限、または、場以外の領域にある時に効果を持つと明記されているか、場以外の領域にある時にのみ効果を持つ能力を除いては、能力は、その能力を持つパーマネントが場にある間にのみ機能する。コストや効果に、そのオブジェクトをある特定の領域から動かすことをコストや効果の一部としている能力は、そのオブジェクトがその特定の領域にある時にのみ機能する。 例:コストに「このカードを捨てる」ことが含まれている能力は、そのカードが手札にあるときにのみプレイできる。 402.9. オブジェクトの中には、そのオブジェクトが場にない時にプレイできる起動型能力や、そのオブジェクトが場にない時に誘発する誘発型能力を持つものがある。 403. 起動型能力 403.1. 起動型能力は「コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストは、コロン(:)の前にあるもの全てである。能力の起動コストは、それをプレイするプレイヤーが支払わなければならない。 403.2. オブジェクトに特に書かれていない限り、起動型能力はそのオブジェクトのコントローラー(場以外にあるときはそのオブジェクトのオーナー)だけがプレイできる。 403.3. 起動型能力の使用に制限がある(例えば、「この能力は各ターンに一回しかプレイできない」)とき、その制限はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。 403.4. 起動コストにタップ・シンボル({T})を含む、クリーチャーの起動型能力は、そのコントローラーがターン開始時から続けてそのクリーチャーをコントロールしていない限り、プレイできない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視してもよい(rule 502.5 参照)。 403.5. 「この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときのみプレイできる」という起動型能力は、それをプレイするに際してソーサリーをプレイするのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がソーサリーであるということではない。「この能力は、あなたがインスタントをプレイできるときのみプレイできる」という起動型能力は、それをプレイするに際してインスタントをプレイするのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がインスタントであるということではない。 404. 誘発型能力 404.1. 誘発型能力は「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」から始まる語句で示される。これらの語句を含む部分は誘発条件と呼ばれ、誘発イベントを定義する。 404.2. 誘発型能力はプレイされない。その代わりに、誘発型能力はその誘発イベントが満たされるたびに自動的に「誘発」する。能力が誘発したら、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる(rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕、rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。 404.3. 誘発型能力には「とき/たび/時、…[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At . . . , if [条件], [効果].」と書かれたものがある。この能力は、誘発イベントが発生したときに、そこに記された条件を満たしているかどうかチェックする。条件を満たしている場合にこの能力は誘発する。解決時に、この能力は再び条件をチェックする。このどちらかのときに、この条件が満たされていない場合、この能力は何もしない。このルールは「"if"節のルール」と呼ばれる。「場合/if」という単語は、カードのテキストの他のさまざまな場所では普通の英語の意味しか持たない。このルールは、誘発条件の直後に「場合/if」節が続いていたときにだけ適用する。 404.4. 効果によって、後で何かを行なう遅延誘発型能力が作成されることがある。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、この3語のうちいずれかを含む。 404.4a 遅延誘発型能力は呪文や他の能力の解決時に生成される。実際に生成されるまで、その直前に誘発イベントが起こっていたとしても、誘発されることはない。その類のイベントによって、条件が決して満たされることがなくなることもありうる。 例:「このクリーチャーが場を離れたとき」という一文を含む遅延誘発型能力が生成されるより前に、そのクリーチャーが場を離れることがある。この場合、その遅延誘発型能力が誘発されることはない。 例:「このクリーチャーがアンタップ状態になったとき」という遅延誘発型能力が生成される前に、そのクリーチャーがアンタップされていたら、その能力は、そのクリーチャーが一旦タップされてから次にアンタップされるのを待つ。 404.4b 遅延誘発型能力は、「このターンの間」のような記された期限がない限り、次に誘発イベントが起こった時に一度だけ誘発する。 404.4c あるオブジェクトに影響する遅延誘発型能力は、そのオブジェクトの特性が変化しても影響を及ぼす。 例:「ターン終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力は、それがターン終了ステップにクリーチャーでなくなっていたとしても、そのパーマネントを破壊する。 404.4d 特定のパーマネントに影響する遅延誘発型能力は、そのパーマネントが場を離れた場合(指定された時点までに戻ってきたとしても)失敗する。同様に、特定の領域にあるオブジェクトに影響する遅延誘発型能力は、そのオブジェクトがその領域を離れていた場合には失敗する。 例:「ターン終了時に、このクリーチャーをゲームから取り除く」という能力は、そのクリーチャー・カードがターン終了ステップ以前に場を離れていた場合には何もしない。 404.5. オブジェクトの中には、誘発型能力と関連した常在型能力を持つものがある。この類のオブジェクトでは、先に常在型能力、後に誘発型能力という順序で、両方の能力が一行に書かれている。まれに、誘発条件が能力の最初ではなく途中に書かれているオブジェクトもある。 例:「各ターン、最初に引いたカードを公開する。この方法で基本地形カードを公開するたび、カードを1枚引く」というのは、誘発型能力と関連した常在型能力である。 例:「エンチャントされたクリーチャーのコントローラーは、自分のターンの終了時にそれを生け贄に捧げる」という能力は誘発型能力である。 405. 常在型能力 405.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。能力はプレイされず、単にそこに「存在する/exist」。この種の能力は、rule 402.8 または rule 402.9 に該当しない限り、その能力を持つパーマネントが場にある間にのみ適用される。 405.2. オブジェクトが何らかの能力や特性値を「持つ/has」、または特定のタイプ、特殊タイプ、サブタイプ、色で「ある/is」という常在型能力が存在する。これらの能力は特性定義能力と呼ばれる。その能力を持つオブジェクト以外の特性を操作する能力は特性定義能力ではない。rule 201〔特性〕、rule 418.5a 参照。 405.2a タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、色を定義する特性定義能力は、そのオブジェクトがどの領域にあるかは関係なく適用される。このルールは、他の特性定義能力には適用されない。 406. マナ能力 406.1. マナ能力は、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えることのできる起動型能力か、マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すものである。マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある。 406.2. マナをプレイヤーのマナ・プールに加える呪文はマナ能力ではない。これらは他の呪文と同じようにプレイされ、解決される。マナをプレイヤーのマナ・プールに加える誘発型能力は、もしそれらが起動型マナ能力以外のイベントによって誘発する場合、マナ能力ではない。それらはスタックに積まれ、ほかの誘発型能力と同じように解決する。 406.3. マナ能力は、ゲームの状態によってマナを生み出せない場合でもマナ能力として残る。 例:あるパーマネントに、「{T}:あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、あなたのマナ・プールに{G}を加える」という能力がある場合、これは、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのパーマネントがタップ状態であるときにもマナ能力である。 406.4. マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。マナ能力は、他の能力と同じようにプレイされ、解決されるが、スタックには積まれない。そのためこれらを打ち消したり対応したりすることはできない(rule 411〔マナ能力のプレイ〕、rule 408.2〔スタックを使わない行動〕参照)。 406.5. マナ能力をプレイしたことにより誘発する(マナ能力を除く)能力はスタックに積まれる。 406.6. マナ能力が生成するマナのタイプが定義できない場合、代わりに、その能力はマナを出さない。 例:あなたが土地をコントロールしていない場合、「{T}: あなたのマナ・プールに、あなたがコントロールしているいずれかの土地が産み出すことができるタイプのマナ1点を加える」というマナ能力はマナを生成しない。 407. 能力の追加・除去 407.1. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」もしくは「持つ/have」と書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。複数の効果が同じ能力を追加したり除いたりしていた場合、一般に、もっとも最近のものが勝つ(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。 407.2. オブジェクトの特性を定めたり、あるいはそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力ではない。オブジェクトが能力を「得る」もしくは「持つ」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合("[パーマネント]は[特性値]である")、それは能力によって追加されたものではない(rule 405.2 参照)。 例:「エンチャントされたクリーチャーは『このクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーである』という能力を持つ」という効果があった場合、この効果はクリーチャーに、他の効果によって取り除くことのできる能力を与えている。一方、「エンチャントされたクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーである」という効果はクリーチャーの特性を定義しているだけであり、能力を与えているわけではない。そのためクリーチャーから能力を「失わせる/lose」効果では、エンチャントされているクリーチャーがアーティファクトになることを止めることはできない。 407.3. 能力を除去する効果は、その能力が複数あってもすべて取り除く。 例:飛行を持つクリーチャーに《飛行/Flight》がエンチャントしている場合、そのクリーチャーは飛行能力を2つ持っているが、「クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という1つの効果で両方とも取り除かれる。 408. 呪文や能力のタイミング 408.1. タイミング、優先権、スタック 408.1a 呪文や起動型能力は適切なときにのみプレイでき、一群のルールに従う。 408.1b 呪文と起動型能力は、優先権のルールに従い、プレイヤーが(プレイしたいときに)プレイするが、その他の種類の能力や効果はゲームのルールによって自動的に発生する。いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、まず最初に、発生する全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。その後、新しい状況起因効果が発生したならば、1つのイベントとして解決する。この過程を、状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。その後、誘発型能力がスタックに加えられる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。これらの段階を状況起因効果も誘発型能力も発生しなくなるまで順番に繰り返す。その後、優先権を得るプレイヤーは、そのフェイズおよびステップに関するルールに従い、呪文や能力をプレイしてもよいし、その他の特別な行動(土地をプレイするなど)をすることも、パスすることもできる。 408.1c アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、ゲームによる行動とそのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る。ただし、アンタップ・ステップには優先権は発生せず、通常はクリンナップ・ステップにも優先権は発生しない(rule 314.3 参照)。優先権を持つプレイヤーは、呪文や能力をプレイするか、特別な行動をとるか、あるいはパスすることができる。呪文や能力をプレイしたり、あるいは特別な行動を取ったりした場合、そのプレイヤーが再び優先権を得る。パスした場合には、その対戦相手が優先権を得る。双方のプレイヤーが続けてパス(この間に何か行動をした場合には続けてとは言わない)したら、スタックの一番上のオブジェクトが解決し、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。両プレイヤーが連続してパスした時にスタックが空であれば、そのフェイズまたはステップは終了し、次のフェイズまたはステップが開始される。 408.1d プレイヤーは、優先権を持つ時にだけ呪文や起動型能力をプレイすることができる。インスタント以外の呪文は、そのプレイヤーのメイン・フェイズで、優先権を持ち、スタックが空である時にのみプレイできる。 408.1e 呪文または起動型能力がプレイされたら、それはスタックの一番上に積まれる。 408.1f 誘発型能力は、呪文や別の能力のプレイ・解決の間も含めて、いかなる時でも誘発する。但し、その能力が誘発した時点では何も起こらない。プレイヤーが優先権を得る時点で、誘発していて、まだスタックに積まれていない能力が全てスタックに積まれる。その後で、プレイヤーは優先権を得、呪文や能力をプレイすることができる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。 408.1g 戦闘ダメージは、割り振られたらスタックに積まれる。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 408.1h 常在型能力はプレイされることはなく、それは継続的にゲームに影響を与える。優先権の考え方は適用されない。(rule 405〔常在型能力〕、rule 418〔継続的効果〕、rule 419〔置換・軽減効果〕参照) 408.1i 特別な行動はスタックを用いない。特別な行動としては、土地をプレイすること(rule 408.2d 参照)、裏向きのクリーチャーを表にすること(rule 408.2h 参照)、継続的効果を終えることと遅延誘発型能力を軽減すること(rule 408.2i 参照)、継続的効果を延期することと失わせること(rule 408.2j 参照)がある。 408.2. スタックを使わない行動 408.2a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果は遅延誘発型能力を生成することもあるが、それらは誘発してからスタックに積まれる(rule 404.4 参照)。 408.2b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない。 408.2c 状況起因効果(rule 420〔状況起因効果〕参照)は、プレイヤーが優先権を得るときに、ゲームの状況が条件を満たしているなら解決する。 408.2d 土地をプレイすることは特別な行動であり、その土地を場に出す(rule 212.6〔土地〕参照)。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空の場合に限り、土地をプレイすることができる。土地をプレイしたプレイヤーは、この特別な行動の後で再び優先権を得る。 408.2e マナ能力は即座に解決される。マナ能力が、マナを出すとともに別の効果を生み出した場合、両方とも即座に起こる。この能力のプレイ前に優先権を持っていたプレイヤーは、この解決後に優先権を持つ(rule 406〔マナ能力〕参照)。 408.2f 「[オブジェクト名]は赤である」のような特性定義能力は、単純に読んだ通りに処理される。(rule 405.2 も参照) 408.2g ゲームの行動 ─ アンタップ・ステップのフェイズ・イン/アウト、アンタップ・ステップのアンタップ、ドロー・ステップのカードを1枚引くこと、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定、クリンナップ、マナ・バーン ─ はスタックに積まれない。 408.2h 裏向きのパーマネントのコントローラーは、それを表向きにできる。これは特別な行動である(rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)。この行動を取れるのは、そのプレイヤーが優先権を持っているときに限られる。そのプレイヤーは、この特別な行動の後で再び優先権を得る。 408.2i 効果の中には、(効果発生時ではなく)後でプレイヤーに、継続的効果の終了や、遅延誘発型能力の中止などをさせる類のものがある。これは特別な行動である。継続的効果を終了させたり、遅延誘発型能力を中止させたりすることができるのは、その効果がそれを許している場合で、そのプレイヤーが優先権を持っているときに限られる。この行動を取ったプレイヤーは、この特別な行動の後に再び優先権を得る。 408.2j 常在型能力からの効果によって、その能力に関連する遅延誘発型能力を失わせたり延期したりする行動を取れることがある。その類の行動は特別な行動である。この行動を取れるのは、そのプレイヤーが優先権を持っているときに限られる。この行動を取ったプレイヤーは、この特別な行動の後に再び優先権を得る。 409. 呪文や起動型能力のプレイ 409.1. 呪文や起動型能力は、以下に示した手順に従ってプレイされる。もし、呪文や能力のプレイ中のいずれかの時点で、以降のステップを続けることができなくなった場合、その呪文は不正にプレイされたことになる。ゲームはその呪文や能力がプレイされる前の瞬間まで戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)。宣言及び支払いは、行なった後で変更することはできない。 409.1a プレイヤーは、呪文や起動型能力をプレイすることを宣言する。宣言した呪文や能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決するまでそこに留まる。呪文の場合、物理的にスタックに積まれる。起動型能力の場合、カードはないけれども、その能力がスタックに積まれる。呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文や能力をプレイしたプレイヤーである。 409.1b 呪文や能力がモードを持つ(「一つを選ぶ ─/Choose one -」「[特定のプレイヤー]は一つを選ぶ ─−/[特定のプレイヤー] chooses one -」という語句を使っている)場合、プレイヤーは選択したモードを宣言する。呪文や能力が({X}で示される)可変マナ・コストやその他の可変コストを持つ場合、プレイヤーはモード選択時にその変数の値を宣言する。呪文や能力が代替コスト、追加コスト、(キッカー・コストやバイバック・コストなどの)その他の特殊なコストを持つ場合、そのプレイヤーはそれらのコストのすべて、あるいは一部を支払う意図を宣言する(rule 409.1f 参照)。単一の呪文に対して、複数の代替方法でプレイしたり、あるいは複数の代替コストを支払ったりすることはできない。それ以前の選択(呪文を墓地からフラッシュバックでプレイする、変異クリーチャーを裏向きにプレイするという選択など)は、この選択を行う時の制約となりうる。 409.1c 呪文や能力が対象を取る場合、プレイヤーはまず(可変個の対象をとる呪文や能力の場合)対象をいくつ選ぶのかを宣言し、次に対象にとるものを宣言する。呪文や能力は必要な数の適正な対象を選ばなければプレイすることはできない。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個(または[性質]N個)」としてまとめられている中で)、同じオブジェクトまたはプレイヤーを複数回対象にとることはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクトまたはプレイヤーを(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。 例:「クリーチャー2体を対象とし、それらをタップする/Tap two target creatures.」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とし、それらを破壊する/Destroy target artifact and target land.」という能力があった場合、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。 409.1d 呪文や能力が、代替コスト、追加コスト、(バイバック・コストやキッカー・コストなどの)特殊コストが支払われたとき、あるいはそのコントローラーが選んだ場合にのみ複数の対象をとる場合、その種のコストを支払う意図、あるいはそのモードを選ぶ意図を宣言した場合にのみその対象を選ぶ。宣言していないなら、その呪文や能力はその対象を取らないものとしてプレイされる。 409.1e 呪文や能力が、異なった方法で複数の対象に影響する場合、プレイヤーはどれにどう影響を与えるかを宣言する。呪文や能力が、プレイヤーに効果(ダメージやカウンターなど)を複数のオブジェクトやプレイヤーに分割させたり割り振って置かせたりするとき、プレイヤーはどう分割するかを宣言する。その各個のオブジェクトやプレイヤーに、最低限(ダメージやカウンターなどを)1つは割り振らなければならない。 409.1f プレイヤーはその呪文や能力の総コストを決定する。通常、(呪文の場合)そのマナ・コストだけ、(能力の場合)その起動コストだけである。テキストに追加コストや代替コストが書いてあるカードや、支払うべきコストを増減させる効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コスト(または起動コスト、代替コスト)に、すべてのコストの増減を加味したものである。総コストが決定された時点で、それは「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。 409.1g その後、総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力をプレイする機会(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払いはじめる前にプレイしなければならない。 409.1h プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う。一部分だけ支払うことは許されない。 例:マナ・コストが{3}{B}でクリーチャーを1体生け贄に捧げる追加コストを持つ、《死の爆弾/Death Bomb》をプレイするに際して、あなたの黒の呪文をプレイするためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiar》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《死の爆弾》のコストは{3}{B}になることはなく、{2}{B}となったままである。 409.1i rule 409.1a から rule 409.1h で解説されたステップが完了したら、その呪文や能力は「プレイされた」ことになる。呪文や能力がプレイされたこと、あるいはスタックに置かれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。そのコントローラーは優先権を得る。 409.2. 呪文や能力の中には、プレイするときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択、呪文や能力がその対象にどう影響するかなどを、その呪文や能力のコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手は呪文や能力のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。その呪文や能力がプレイされるときに両方のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文(や能力)のコントローラーが先に行い、その後でそのプレイヤーの対戦相手が行なう。これは rule 103.4 の例外である。 409.3. コストを変える呪文や能力をプレイしても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。 409.4. プレイヤーは、効果によって禁止されている呪文や起動型能力のプレイを開始することはできない。 410. 誘発型能力の処理 410.1. これらはプレイされるわけではないので、誘発型能力は、呪文や能力がプレイできない時でも誘発し、また能力をプレイすることを妨げるような効果にも影響されない。 410.2. ゲーム上のイベントやゲームの状態が誘発型能力の誘発イベントと合致するたびに、その能力は誘発する。フェイズやステップの開始時に、「開始時/at the beginning of〜」に誘発するすべての能力が誘発する。能力は、それが誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーによってコントロールされる。能力は誘発した時には何もしないが、プレイヤーが優先権を得る際に、自動的にスタックに積まれる。能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。 410.3. プレイヤーが最後に優先権を得たときよりも後で複数の能力が誘発した場合、まずアクティブ・プレイヤーがコントロールする能力がそのプレイヤーが選んだ順序でスタックに積まれ、それから対戦相手が選んだ順序でその対戦相手がコントロールする能力がスタックに積まれる。その後、プレイヤーは再度、発生しなくなるまで状況起因効果をチェックし、解決する。その後、この過程で誘発した能力がスタックに積まれる。この過程を新しい状況起因効果の発生も、能力の誘発もしなくなるまで繰り返す。その後、該当するプレイヤーが優先権を得る。 410.4. 誘発型能力がスタックに積まれたとき、その能力のコントローラーは、起動型能力のルール(rule 409 参照)に従って必要な選択をすべて行なう。適正な選択ができない場合(あるいはルールや他の継続的効果によって能力が不正になった場合)、能力は単にスタックから取り除かれる。 410.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカードを1枚引いてもよい」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる。選択は能力の解決時に行なう。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」の部分は能力の解決時に処理される。 410.6. 能力は、誘発イベントが1回発生するごとに1回だけ誘発する。しかし、あるイベントが複数回発生した場合、繰り返し誘発する。rule 410.9 も参照。 例:誘発条件が「土地が場から墓地に置かれるたび…」である能力を持つパーマネントがあるとする。誰かが、すべての土地を破壊する呪文をプレイしたとき、この能力は、その呪文の解決中に、墓地に置かれた土地1つにつき1回誘発する。 410.7. 能力は、その誘発条件が実際に起きた場合にのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによっては誘発しない。 例:ダメージが与えられたことで誘発する能力は、ダメージがすべて軽減された場合には誘発しない。 410.8. 誘発イベントのすぐ後に記される条件付きの誘発型能力(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/時に、[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは、テキスト内の他のところに「場合/if」条件がある誘発型能力には適用しないことに注意。このルールはまた「"if"節のルール」とも呼ばれる。 410.9. 戦闘中、クリーチャーがブロックしたりブロックされたりした時に誘発する能力がある(rule 306 から rule 311、及び rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。これらの能力が1回だけ誘発するのか繰り返し誘発するのかは、その表記による。 410.9a 「[このクリーチャー]がブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks」または「[このクリーチャー]がブロックされた状態になるたび/Whenever [このクリーチャー] becomes blocked」と書いてある能力の場合、複数のクリーチャーをブロックしたり複数のクリーチャーにブロックされたりした場合でも、そのクリーチャーに対して、1回の戦闘につき1回だけ誘発する。クリーチャーがブロックされたことにする効果も、(クリーチャーがブロックされていなかった場合には)この種の能力を誘発する。 410.9b 「[このクリーチャー]がクリーチャーをブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks a creature」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回誘発する。 410.9c 「クリーチャーが[このクリーチャー]をブロックするたび/Whenever a creature blocks [このクリーチャー]」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーをブロックしたクリーチャー1体につき1回誘発する。攻撃クリーチャーが、ブロック・クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた状態になった場合、この能力は誘発しない。 410.9d 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックした/された状態になるようなブロックが宣言された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。 410.10. オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、そのオブジェクトに対しての効果は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(このルールは、能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも適用される)。領域変更誘発の最も一般的な例には、場に出た時に誘発する能力と場を離れた時に誘発する能力とがある。 410.10a 場に出た時の能力は、パーマネントが場領域に入った時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が場に出たとき、…/When [このオブジェクト] comes into play,」、あるいは「[何か]が場に出るたび、…/Whenever a [何か] comes into play,」と書かれている。パーマネントを場に出すイベントのたびに、場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、場に出た時の誘発条件をチェックする。 410.10b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが場に出る瞬間にすぐ適用され(その前にはそうしない)、そのパーマネントが本来の特性で場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが場に出る前には適用しない(rule 410.10e 参照) 例:「すべての土地はクリーチャーである」という効果がある状態で土地カードがプレイされた場合、効果は土地カードを場に出た瞬間にクリーチャーに変えるため、それはクリーチャーが場に出たときに誘発する能力が誘発する。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う」という効果がある状態で、場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが場に出た場合、効果は場に出た瞬間にその能力を失わせるため、場に出たときの誘発型能力は誘発しない。 410.10c 場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが場領域を離れた時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が場を離れたとき、…/When [このオブジェクト] leaves play,」、あるいは「[何か]が場から墓地へ置かれるたび、…/Whenever a [何か] is put into a graveyard from play,」と書かれている。このカードが場を離れた時に何かしようとする能力は、それが最初に行った領域のみをチェックする。 410.10d 1つ以上のパーマネントが場を離れたときに誘発する能力や、プレイヤーが1つ以上のパーマネントのコントロールを失ったときに誘発する能力は、イベント後にはその能力を持ったパーマネントが既にないため、特別に扱わなくてはならない。誘発するものを決定するために、ゲームの「過去の状態を知る」必要がある。1つ以上のパーマネントが場を離れる、あるいは1つ以上のパーマネントがコントロールしている人物を変えるイベントのたびに、そのイベントの直前に場にあったすべてのパーマネント(およびその時点で存在したすべての継続的効果)は、今場を離れたものや今コントロールを変えたものにあった、場を離れた時の誘発イベントをチェックする。 例:2体のクリーチャーと、「クリーチャーが場から墓地へ置かれるたび、あなたは1点のライフを得る」という能力を持ったアーティファクトが場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する呪文をプレイした。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。 「場を離れた」ことによる誘発は、誘発条件がそのパーマネントの行き先をチェックしない場合でも領域変更誘発である。場を離れたカードに対して、その能力が何かしようとする場合、場を離れて最初に行った領域のみを探す。 410.10e いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…の状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play with」「[このパーマネント]が場に出るに際し…/As [このパーマネント] comes into play」、「[このパーマネント]は…として場に出る/[このパーマネント] comes into play as」、「[このパーマネント]はタップ状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play tapped.」と書かれたテキストを持つ。これらのテキストは常在型能力であり、誘発型能力ではない。この効果は、そのパーマネントを場に出すイベントの一部として発生する。 410.10f 個別エンチャントの中には、エンチャントしているパーマネントが場を離れたときに誘発する誘発型能力をもつものがある。これらの誘発型能力は、エンチャントされていたパーマネントが移動する先の領域まで追跡するだけでなく、その個別エンチャントがオーナーの墓地に行くことも追跡する。 410.11. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、プレイヤーがあるタイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら即座に誘発し、次の機会にはスタックに積まれる。それらのことを状態誘発型能力と呼ぶ(状態誘発型能力は状況起因効果と同じではない)。それらの能力が解決されるか打ち消されるまでは再び誘発することはないが、その解決あるいは打ち消しの後で、その能力を持つオブジェクトがまだその領域に残っていて、かつゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。 例:パーマネントの能力に「あなたの手札にカードが1枚もないたび、カードを1枚引く」とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、解決されるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「手札を全て捨てる。その後で、同じ枚数だけカードを引く」という呪文をプレイした場合、そのプレイヤーの手札は一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。 411. マナ能力のプレイ 411.1. マナ能力をプレイするとき、プレイヤーは、rule 409.1b から rule 409.1i の記述に従ってプレイすることを宣言し、起動コストを支払う。能力は宣言の直後に解決し、スタックには積まれない(rule 408.2e 参照)。 411.2. プレイヤーは、優先権を持っている時、あるいは呪文や起動型能力のプレイ中にマナの支払いが必要になった時にはいつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。また、呪文や能力をプレイしている途中や解決している途中であっても、何らかのルールや効果によってマナを支払う必要がある時なら、いつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。 411.3. 誘発型マナ能力は、起動型マナ能力がプレイされた時に誘発する。これらの能力は、それを誘発させたマナ能力の直後に、優先権を得ることを待たずに解決される。起動型能力や誘発型能力が、マナとそれ以外の効果とを共に生む場合、マナと別の効果とは同時に解決する。 例:「プレイヤーがマナを引き出すために土地をタップするたび、その土地は同じ色のマナをもう1点生み出す」というエンチャントがあるとする。プレイヤーが、呪文をプレイする間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは直ちにマナ・プールに加えられ、そのマナを呪文のコストの支払いに使うことができる。 411.3a 誘発型マナ能力が「同じタイプの」あるいは「同じ色の」マナをプレイヤーのマナ・プールに加えるといった場合、それを誘発させたマナ能力が複数のタイプまたは色のマナを生み出していたならば、そのマナ・プールの持ち主は、その誘発型能力がどちらのマナを生み出すかを選ぶ。 412. 常在型能力の処理 412.1. 常在型能力は、継続的効果、あるいは軽減・置換効果を発生する。これらの効果は、常在型能力を持つオブジェクトがその領域にある間持続する。 412.2. 個別エンチャントおよび装備品の多くは、それがつけられているパーマネントを修整する常在型能力を持つが、そのパーマネントを対象に取らない。個別エンチャントや装備品が別のパーマネントに移された場合、その能力は元のパーマネントへの適用を止め、新しいパーマネントを修整するようになる。 412.3. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すものである。また、「[このオブジェクト]をプレイするための追加コストとして、[コスト]を支払う」「[このオブジェクト]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい」「あなたは[このオブジェクト]をマナ・コストを支払わずにプレイしてもよい」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に働く。 412.4. ある種の常在型能力は、カードがそれをプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[この呪文]をプレイしてもよい/you may play [この呪文]」「あなたは[この呪文]をプレイできない/you can't play [この呪文]」と書かれているものに限られる。 412.5. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でオブジェクトの最後の情報を使用できない。 413. 呪文・能力の解決 413.1. 両方のプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上に積まれているオブジェクト(呪文、能力、戦闘ダメージ)が解決される(rule 416〔効果〕参照)。 413.2. 呪文や能力の解決は以下の順序で処理される複数の段階からなる。 413.2a 呪文や能力が対象を指定する場合、その対象がまだ適正かどうかチェックする。場を離れた、あるいは呪文や能力が指定している領域を離れた対象は不正な対象となる。また、呪文や能力がプレイされた後で対象の特性が変わったり、効果によって呪文の文章が変わったりした場合、対象が不正になることがある。すべての対象が不正になっていた場合、呪文や能力は打ち消される。呪文や能力が打ち消されなかった場合、通常通り解決するが、影響を受けるのはその時点でまだ適正な対象のみである。もし対象が不正ならば、呪文や能力はその対象に何らの影響を及ぼすことも、また及ぼさせることもできない。呪文や能力が、すでに不正になっている対象についての情報を必要とする場合、その不正な対象の現在の、あるいは最後の情報を用いる。 413.2b 呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。但し、置換効果によってこれらの行動が変更され、以前の指示の意味が変わることもある。場合によっては、カードのテキストで後のほうに書かれた文章が、前の文章の意味を修整することがある(例えば、「クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない」あるいは「呪文1つを対象とする。それを打ち消す。そうした場合、それをオーナーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く」)。これらの場合を考えずに逐語的に効果を適用したりしてはならない。カード全体を読み、文法に従ってテキストを解釈すること。 413.2c 効果の中で、呪文をプレイする時に宣言していない選択が必要とされる場合、プレイヤーは効果の処理の間にこれらを宣言する。プレイヤーは、不正な選択肢、または不可能な選択肢を選ぶことはできない。(例えば、選択可能な行動を行なうのに必要な条件をすべて満たしていない場合には、その行動を行なわないことによって被る影響を回避することはできない) 例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う」という指示がされた呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるほうの選択肢を選ぶことはできない。 413.2d 効果が両方のプレイヤーに同時に選択または行動を要求する場合、アクティブ・プレイヤーがまず自分の分を宣言し、それから非アクティブ・プレイヤーが(最初のプレイヤーの選択を知ったうえで)宣言する。その後、これらの行動は同時に実行される。rule 103.4 参照。プレイヤーが複数回の選択を行わなければならない場合、順番が書かれていればそれに従って、そうでなければ宣言者の任意の順番で、宣言する。その後で、行動は同時に実行される。  呪文や能力の中には、複数の段落や条項によって、複数の段階に分かれているものもある。この場合、アクティブ・プレイヤーが1つめの行動について必要な選択を行ない、次に他のプレイヤーが1つめの行動について必要な選択を行ない、そして1つめの行動が同時に実行される。その後で、アクティブ・プレイヤーが2つめの行動について必要な選択を行ない、次に他のプレイヤーが2つめの行動について必要な選択を行ない、そして2つめの行動が同時に実行される。以下同様に繰り返す。 例:《要塞の計略/Stronghold Gambit》の効果には、「各プレイヤーは、自分の手札のカードを1枚選ぶ。そのあと、各プレイヤーは選んだカードを見せる。……」という部分がある。これを処理する場合、まずアクティブ・プレイヤーがカードを選び、次に他のプレイヤーがカードを選ぶ。その後で、両方のプレイヤーが選んだカードを同時に公開する。 413.2e プレイヤーがマナを支払ってもよいという選択肢を含む効果の場合、そのプレイヤーは行動の一部としてマナ能力をプレイしてもよい。それ以外の呪文や能力は解決中にはプレイできない。 413.2f ゲームの情報(場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に一度だけ決定される。その特定のパーマネントが場にあるか、もしくはそのカードが指示された領域に存在する場合、その現在の情報を使う。そうでないなら、そのオブジェクトがそのあった領域を離れる直前に持っていた情報を使う。この例外は、常在型能力は最後の情報を使うことができないということである(rule 412.5 参照)。オブジェクトが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)オブジェクトであり、能力ではない。 413.2g オブジェクトの特性を調べる効果は、そのオブジェクトの指定された特性の値だけをチェックし、オブジェクトが他に持っているかもしれない、関連する特性の値はチェックしない。 例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒のクリーチャーをすべて破壊する」という効果で破壊されるが、「黒でないクリーチャーをすべて破壊する」という効果では破壊されない。 413.2h 呪文の解決の最終段階として、呪文は、その呪文のコントローラーのコントロール下でスタックから場に出る(パーマネントの場合)かスタックからオーナーの墓地に置かれる(インスタントとソーサリーの場合)。 413.2i ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力のテキストにその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、「引き分け」の場合どうするかという一般則はない。 414. 呪文・能力の打ち消し 414.1. 呪文を打ち消すということは、その呪文をスタックからオーナーの墓地に動かすということである。能力を打ち消すということは、その能力をスタックから取り除くということである。打ち消された呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。 414.2. 打ち消された呪文や能力をプレイしたプレイヤーは、支払ったコストの「払い戻し」を受けることはできない。 415. 対象をとる呪文や能力 415.1. インスタント呪文やソーサリー呪文は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [何か]」という表記がある場合、対象をとる。(インスタントやソーサリーの文章内にある起動型能力や誘発型能力が「対象」の語を用いていたとしたら、その呪文ではなく能力が対象をとる)。 例:「クリーチャー1体を対象とする。このカードをサイクリングしたとき、それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける」という能力を持つソーサリー・カードがあった場合、それはその誘発型能力が対象をとることを意味する。呪文が対象をとることを直接意味するわけではない。 415.2. 起動型能力、誘発型能力は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [何か]」という表記がある場合、対象をとる。 415.3. 個別エンチャント呪文は、「対象とする」の語が含まれていなくても、必ず、エンチャントしようとするパーマネントまたはプレイヤーを対象をとる。パーマネントになった後は、もはや対象を取らない。個別エンチャント・パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。  装備品呪文や装備品パーマネントは対象を取っていない。装備能力が対象を取る。rule 502.33〔装備〕参照。装備品パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。 415.4. 0個以上の対象を取れる呪文や能力は、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。0個の対象を取るとは言わない。 415.5. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、呪文や能力のように場に存在することがありえないオブジェクトを対象とする場合だけである。 415.6. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不適正である。 415.7. 対象の変更 415.7a 呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象が変更されないままになる。 415.7b モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。呪文や能力の対象を変更しても、そのモードは変更されない。 415.7c オブジェクトの文章中に出てくる「あなた/you」は対象ではない。 416. 効果 416.1. 呪文や能力が解決されたとき、それは1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を発生させる。常在型能力は、1つまたは複数の継続的効果を発生させる。効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。また、このほかに、呪文や能力によってのではなくゲームの特定のルールによって発生する、状況起因効果が存在する。 416.2. 効果はパーマネントにのみ影響する。但し、効果の文章にそうでないと書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するオブジェクトにしか適用できない場合を除く。 例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地カードには影響を及ぼさない。  なお、呪文をプレイするためのコストを増減する効果は、スタックにある呪文にだけ影響を及ぼす。それは、プレイ中の呪文はスタックにだけ存在するからである。 416.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。 例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札を2枚捨てる」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。 417. 単発的効果 417.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、オブジェクトを領域間で移動させる、などがある。 417.2. 単発的効果の中には、解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。それらの効果は、実際には、誘発を待つ新しい能力を生成することになる(rule 404.4 参照)。 418. 継続的効果 418.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、ゲームのルールを変更したりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって生成される。 418.2. パーマネントの特性を変える継続的効果は、そのパーマネントが場に入ると同時に特性を変える。パーマネントが場に出るのを待ち、それから変えるのではない。この類の効果はパーマネントが場に出る時点で適用されるので、パーマネントが場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。 418.3. 呪文や能力による継続的効果 418.3a 呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。 418.3b 呪文、起動型能力、誘発型能力による、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったオブジェクトには影響を及ぼさない。これは、常在型能力からの継続的効果とは異なることに注意せよ。オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったオブジェクトにも影響を及ぼす。 例:「すべての白のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修整を与える。たとえ後で色が変わっても、その修整を失うことはない。また、その後で場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を与えない。 例:「クリーチャーがこのターンに与えるダメージを全て軽減する」という効果は、オブジェクトの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で場に出ていなかったクリーチャーや、このターンのより後の時点でクリーチャーになったパーマネントによるダメージにも影響を及ぼす。 418.3c 呪文や能力によって、変数を含む継続的効果が発生した場合、その変数の値は解決時にのみ定められ、その後で変化することはない(rule 413.2f 参照)。 418.3d 起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「〜する限り/as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「〜する限り」というフレーズで示される期間が、起動型能力が宣言され、あるいは誘発型能力がスタックに積まれ終わってからその効果が最初に適用されるようになるまでの間に終了していた場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。 例:《内骨格器/Endoskeleton》は、「{2}, {T}:クリーチャー1体を対象とする。内骨格器がタップ状態にあるかぎり、それは+0/+3の修整を受ける」という起動型能力を持つアーティファクトである。この能力をプレイした後、この能力が解決されるよりも先に《内骨格器》がアンタップ状態になった場合、持続期間、つまり「タップ状態にあるかぎり」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。 418.4. 常在型能力による継続的効果 418.4a 常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。そのテキストで示されるもの全てに対して常に適用する。 418.4b 効果は、それを生み出すパーマネントが場にある、またはそれを生み出すオブジェクトがその該当する領域にある間、常に適用する。 例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」という常在型能力を持つパーマネントは、場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に与える効果を生む。クリーチャーが白になったら、このボーナスを得、白でなくなったらボーナスを失う。通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが場に出て、それから2/2になるのではない。 418.5. 継続的効果の相互作用 418.5a オブジェクトの特性値は、そのオブジェクトそのものの特性値から始まり、それから以下の種類順に継続的効果を適用して求める。(1)コピー効果(rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)、(2)コントロール変更効果、(3)文章変更効果、(4)タイプ(および特殊タイプ、サブタイプ)変更効果、(5)一般の継続的効果、(6)パワーやタフネスを変更する継続的効果。  それぞれの種類別において、まず特性定義能力による効果を最初に適用し、それから他の効果を適用する。パワーやタフネスの変更に関しては、特性定義能力の効果の後、他の効果よりも先に、カウンターによる変更を適用する。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 418.5b 〜 5g)参照。 例:《十字軍/Crusade》[6E]は「白のクリーチャーを+1/+1する」というエンチャントである。《十字軍》と2/2の黒のクリーチャーが場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果が存在したとすると、《十字軍》の効果を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった場合、《十字軍》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。 418.5b タイプ(および特殊タイプ、サブタイプ。以下同じ)変更効果以外の効果が、複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。タイプ変更効果に関しては、その全ての部分がタイプ変更効果の一部として扱われる。 例:プレイヤーが「{2}: ターン終了時まで、キマイラ球は3/2のアーティファクト・クリーチャーになる」という能力をプレイした場合、これはタイプ変更効果とパワー・タフネス変更効果の両方に分類される。タイプ変更効果なので、この効果全体がタイプ変更効果として処理され、パワー・タフネス変更効果だからといって後に処理されることはない。このターンの間に、《キマイラ球/Chimeric Sphere》[WL]に「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで0/2になる」という能力が使われたとしたら、この効果は単純なパワー・タフネス変更効果なので、第6種として扱われ、0/2となる。この後で再び《キマイラ球》の能力を使ったとしても、その効果に含まれるパワー・タフネス変更効果はタイプ変更効果として扱われ、第4種として処理されるので、結果としては意味を持たないことになる。 例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色になる」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また「その他」の効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色になる」という部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第6種として処理されることになる。 例:《手綱取り/Grab the Reins》[MRD]は「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、あなたはそれのコントロールを得るとともに、それは速攻を持つ。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、「その他」の効果である。従って、「あなたはそれのコントロールを得る」部分は第2種、「それは速攻を持つ」は第5種として処理される。 418.5c ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別であり(rule 418.5a 参照)、(b)別の効果を適用することにより、そのテキストが変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりする場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立であると言う。 418.5d 一方の効果が他方に依存している場合、独立している効果を先に適用する。依存する効果が複数あってループとなっている場合、またはどれも他に依存していない場合、場に出た順序で適用する。これは「タイムスタンプ順」と呼ばれる。 418.5e オブジェクトのタイムスタンプは、3つの例外を除いて、その現在ある領域に入った時である。例外とは、(1)複数のオブジェクトが同時に領域に入った場合、その領域に入るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。(2)個別エンチャントまたは装備品がパーマネントについたときに、そのエンチャントまたは装備品は新しいタイムスタンプを得る。(3)フェイズ・インしてきたパーマネントは、フェイズ・アウトしたときのタイムスタンプを維持する。 418.5f 常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したカードやパーマネントと同じタイムスタンプを有する。 418.5g 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、それを生み出した呪文や能力が解決された時のタイムスタンプを得る。 418.5h 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、一つの効果の結果が他の効果が適用されるかどうかや、その結果を左右することもある。 例:「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」と「エンチャントされてれいるクリーチャーは飛行を失う」の2つのエンチャントが同じクリーチャーに付いているとする。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に生成された効果が「勝つ」ことになる。効果が一時的なもの(例えば「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う」)であるかどうか、あるいは、全体的な効果(例えば「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であるかどうか、は関係しない。 例:「白のクリーチャーは+1/+1を得る」「エンチャントされているクリーチャーは白である」という2つの効果があった場合、そのエンチャントされているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。 418.5i 効果によって、クリーチャーのパワーとタフネスが「入れ替え/switch」られることがある。この場合、そのオブジェクトのパワーを参照してそのオブジェクトのタフネスとし、そのオブジェクトのタフネスを参照してそのオブジェクトのパワーとする。それ以降に適用される効果は、通常通り適用される。 例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の適用後に、他の効果によって+5/+0の修整を受ける場合、それのパワーとタフネスは9/1になる。 例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の終了前に、+0/+1の効果が終わる場合、それのパワーとタフネスは3/1になる。 418.6. 文章変更効果 418.6a オブジェクトの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。カード名などの固有名詞に、もしそれらと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によって固有名詞を書き換えることはできない。 418.6b 能力を追加したり取り除いたりする効果は、その影響を受けるオブジェクトの文章を変更するわけではない。従って、効果によってオブジェクトに与えられた能力は、そのオブジェクトの文章を変更する効果の影響を受けない。 418.6c クリーチャー・トークンを生成する呪文や能力は、そのトークンのクリーチャー・タイプをクリーチャー・タイプとトークンの名前の両方として用いる。それらの単語は名前としても使われるが、クリーチャー・タイプなので書き換えることができる。 418.6d クリーチャー・トークンのクリーチャー・タイプとルール文章は、そのトークンを生成する呪文や能力によって定義される。それらの特性は文章変更効果によって書き換えることができる。 419. 置換・軽減効果 419.1. 置換効果・軽減効果は、特定のイベントを待ち、それを完全に、あるいは部分的に置き換えるという継続的効果である。これらの効果は、それが影響するものに対する「盾」のような働きをする。 419.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示し、一部は「飛ばす/skip」という単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことによって置き換えられることを示している。 419.1b 「[このパーマネント]は〜状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play with ...」、「[このパーマネント]が場に出るに際し〜/As [このパーマネント] comes into play ...」、「[このパーマネント]は〜として場に出る/[このパーマネント] comes into play as ...」という効果は置換効果である。 419.1c 「[このパーマネント]は〜場に出る/[このパーマネント] comes into play ...」、「[オブジェクト]は〜場に出る/[オブジェクト] come into play . . .」という継続的効果は置換効果である。 419.1d 「軽減/prevent」という語を用いた効果は軽減効果である。軽減効果は、どのイベントが起こらないかを示すために「軽減」の語を用いる。 419.2. 軽減・置換効果はそのイベントが起こるときに継続的に適用される。それ以前に固定されるわけではない。 419.3. 軽減・置換効果を生成する呪文や能力をプレイするのに特別の制限は存在しない。その類の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。 419.4. 置換・軽減効果は、しかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生む呪文や能力は、そのイベントを起こす何かに対応してプレイされ、したがって、そのイベントが起きるよりも前に解決される。 例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生能力をプレイすることができる。 419.5. イベントが置換または軽減された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できなくても、単純にその不可能な指示を無視するだけになることに注意せよ。 419.5a あるダメージの発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。この場合、ダメージを与えたときに誘発する能力は誘発しない。ダメージを増加させる置換効果は、0点のダメージが与えられたときには置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。 419.5b 「[X]するたび、あなたは[Y]してよい。そうした場合、[Z]する/Whenever [X], you may [Y]. If you do, [Z]」という類の能力が存在するが、これの「そうした場合/If you do」とは、[Y]イベントを行なうことを選択したかどうかにより、そのイベントがその選択の結果実際に行われたかどうかには関係しない。他のイベントによって[Y]の全部または一部が置換された場合には、「そうした場合」の節は、[Y]を置換したイベントを参照する。 419.6. 置換効果 419.6a 置換効果は自分自身を繰り返し起動することはなく、各イベントにつき1回だけ置換する機会を得る。 例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールするクリーチャーがクリーチャーかプレイヤーにダメージを与える場合、その代わりに、その倍のダメージをそのクリーチャーまたはプレイヤーに与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与えるクリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。 419.6b 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される時点で、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。 419.6c 効果によって、あるクリーチャーやプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーが場を離れていたり、クリーチャーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。 419.6d 呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換することがある。それらの効果のことを「自己置換効果」と呼ぶ。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。 419.6e 行動やステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [何か]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」ということを意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす効果の効果が発揮されるのは、次の機会になる。 419.6f 飛ばされたステップ、フェイズ、ターンに起こる予定だったことは、起こらない。「次の」何かに起こる予定のことは、飛ばされなかった最初の機会に行なわれる。2つの効果があるプレイヤーのステップ(フェイズ、ターンも同じ)を飛ばす場合、次とその次のステップを飛ばすことになる。効果の1つはその最初のものを飛ばしたことで終わるが、もう1つの効果は次の機会を待つからである。 419.7. 軽減効果 419.7a 軽減効果は通常、与えられる筈のダメージに対して適用される。 419.7b ある種の軽減効果は、一定の量のダメージに対処し、消耗する。例えば、「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する」。「シールドされた」クリーチャーかプレイヤーへ与えられるはずのダメージ1点につき、代わりにシールドを1減らす。複数のダメージの発生源から同時にダメージを受けた場合、その「シールドされた」プレイヤー、あるいは「シールドされた」クリーチャーのコントローラーが、どのダメージを先に軽減するかを決める。シールドが0まで減ったら、残りのダメージは通常通り与えられる。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与えるイベントやダメージの発生源の数は問題にしない。 419.8. ダメージの発生源 419.8a 例えば、「このターン、あなたの選んだ赤の発生源1つが次にあなたにダメージを与える時、そのダメージを軽減する」などのある種の軽減効果は、特定のダメージの発生源からのダメージに影響を与える。効果によってダメージの発生源を選ぶ場合、選択できるのは、パーマネントかスタック上の呪文(アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文を含む)、またはスタック上のオブジェクトによって参照されるカードやパーマネントである。この選択は、その呪文や能力を解決する時に行なう。プレイヤーがパーマネントを選んだ場合、軽減効果はそのパーマネントからの次のダメージに対して適用し、それがそのパーマネントの能力によるものか、それともそれが与える戦闘ダメージかは問題としない。アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文を選んだ場合、その呪文もしくはその呪文によって生成されるパーマネントによるダメージに適用される。 419.8b 呪文や能力によって、クリーチャー、あるいはある特定の色、といった、特定の性質の発生源からのダメージだけに影響を及ぼす軽減効果が発生することがある。その類の制限のある軽減の「シールド」は、ダメージを軽減するときにもう一度発生源の特性を確認する。その特性が適合していなければ、ダメージは軽減されない。何らかの理由によってシールドがダメージを軽減しなかった場合にはシールドは消耗しない。 419.8c 常在型能力の効果で、特定の性質を持つダメージの発生源からのダメージを軽減したり置換したりするものがある。これらの効果については、その軽減・置換効果はその性質を持つパーマネントだけでなく、場以外の領域にある、その性質を持つカードにも適用される。 419.9. 置換・軽減効果の相互作用 419.9a 複数の置換・軽減効果がオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを変更しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか決める。その後で、もしまだ適当であれば、他のものが適用される。適用される置換効果の中に「自己置換効果」(rule 419.6d 参照)があれば、その効果が他のものよりも先に適用される。両方のプレイヤーがこの選択を同時に行なう場合、APNAPルールに従う(rule 103.4 参照)。 例:「カードが墓地に置かれる場合、その代わりにそれをゲームから取り除く」と書かれているエンチャントと、「[このクリーチャー]が墓地に置かれる場合、その代わりにこれをオーナーのライブラリーに加えたうえで切り直す」と書かれたクリーチャーの2枚のカードが場にある。このとき、そのクリーチャーが破壊された場合、そのクリーチャーのコントローラーがどちらの置換効果を先に処理するか決定する。その結果、他方は何もしない。 419.9b 置換効果は、イベントに影響を与える別の置換効果の結果として、あるイベントに適用できるようになることがある。 例:「あなたが1点のライフを得る場合、その代わりにカードを1枚引く」という効果と「カードを引く場合、その代わりにあなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。 420. 状況起因効果 420.1. 状況起因効果とは、以下に示した条件を満たしたときにだけ適用される特殊な効果である。特定の状態を待っている能力は、状況起因効果ではなく誘発型能力である(rule 410.8 参照)。 420.2. 状況起因効果は常に有効であり、また、どちらのプレイヤーにもコントロールされていない。 420.3. プレイヤーが呪文や能力をプレイする優先権を得るとき(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照)、下記の、状況起因効果の条件がチェックされる。適用すべきすべての効果が一つのイベントとして解決され、それから、再びチェックが繰り返される。状況起因効果がひとつも発生しなくなったら、誘発型能力がスタックに積まれる。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。このチェックはクリンナップ・ステップの間にも行なわれる(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照)。下記の条件が一つでも満たされた場合、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。 420.4. 誘発型能力と異なり、状況起因効果は、呪文や能力の解決中に起きた事はチェックしない。 例:「このクリーチャーは、あなたの手札の枚数に等しいパワーとタフネスを持つ」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、そのあとカードを7枚引く」という呪文をプレイしたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因効果がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札が無くなった時に誘発する能力は、誘発イベントが解決中に発生したので、呪文の解決後にスタックに積まれる。 420.5. 状況起因効果には、以下の物がある。 420.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。 420.5b タフネスが0や0未満のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。 420.5c 致死ダメージを受けた、タフネスが正の数であるクリーチャーは破壊される。致死ダメージとは、そのクリーチャーのタフネス以上のダメージである。再生はこのイベントを置換することができる。 420.5d 不正なパーマネント、あるいは存在しないパーマネントにエンチャントしているエンチャントはオーナーの墓地に置かれる。 420.5e 「伝説の/Legendary」という特殊タイプを持つ同名のパーマネントが複数場にある場合、それらはすべてそのオーナーの墓地に置かれる。これを「レジェンド・ルール」と言う。同じ名前を持つパーマネントのうち1つだけがレジェンドか伝説のパーマネントである場合、このルールは適用しない。 420.5f 場以外の領域にあるトークンは存在しなくなる。 420.5g 前回の状況起因効果のチェック以降に、自分のライブラリーにあるカードよりも多くカードを引くように要求されていたプレイヤーは、ゲームに敗北する。 420.5h 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。 420.5i 「ワールド/World」という特殊タイプを持つパーマネントが複数場にある場合、その中でもっとも短い期間「ワールド」の特殊タイプを持って場にあったものを除き、すべてそのオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、その全てがオーナーの墓地に置かれる。これを「ワールド・ルール」と言う。 420.5j スタック以外の領域にある呪文のコピーは、消滅する。スタックと場のいずれでもない領域にあるカードのコピーは、消滅する。 420.5k 不正なパーマネント、あるいは存在しないパーマネントに装備されている装備品はそのパーマネントを装備するのをやめ、場に残る。 421. '無限'ループの処理 421.1. 稀に、一群の行為が永久に繰り返される状態にゲームが陥ることがある。この種のループを中断する方法を「無限ルール」として規定する。 421.2. ループが、選択可能な行動を一つ以上含み、一人のプレイヤーがそれをすべてコントロールしている場合、そのプレイヤーが回数を選ぶ。ループはその回数、但し途中で他のプレイヤーが介入した場合はその時点まで、繰り返したものとみなす。 421.3. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、ループを続けるには双方のプレイヤーによる行動が必要である場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーにはここで2つの選択肢がある。 ・選んだ回数よりも少ない回数を選ぶ。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それからアクティブ・プレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。 ・アクティブ・プレイヤーが選んだ回数を認める。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それからアクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。(どちらの場合も、最後の部分は無いことがありうる) 例:あるプレイヤーが、「{0}:[クリーチャー名]は飛行を得る」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、他のプレイヤーが「{0}:クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という能力を持つパーマネントをコントロールしているとする。「無限ルール」により、どちらのプレイヤーから飛行を得る/失う能力のループを始めたとしても、アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが最終的な決定権を持ち、よってそのクリーチャーが飛行を持つかどうかを決めることができる。(但し、この例は、最初のプレイヤーが少なくとも一回、そのクリーチャーに飛行を与えようとしたと仮定していることに注意すること) 421.4. ループが選択できない行動のみからなる場合、ゲームは引き分けとして終了する(rule 102.6 参照)。 421.5. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、これらの行動が互いに依存していない場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーはその回数に合意してもよいし、より多い回数を選んでもよい。このルールは、それらの行動が一つのループでなく別々のループに存在する場合でも適用されることに注意すること。 422. 不正な行動の処理 422.1. ある行動を開始した後で適正に行動できないということが解った場合、その行動は巻き戻され、すでに行われた支払いは取り消される。取り消される行動の結果として、能力が誘発したり効果が適用されたりすることはない。その行動が呪文のプレイであった場合、呪文カードはそれがもとあった領域に戻る。プレイヤーは、不正なプレイを行なう間にプレイした適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。しかし、プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからスタック以外へのカードの移動、無作為の選択、無作為の領域変化を伴う行動を取り消すことはできない。 422.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の行動を取るかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の行動を取ることもできる。 (訳注:要するに、改めて何でもできるということです) 5. その他のルール 500. 適正な攻撃とブロック 500.1. 効果の中には、戦闘時の攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定を制限、またはあるクリーチャーを攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして強制的に指定させるものがある(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。ブロック制限(または攻撃制限)とは、そのクリーチャーはブロック(または攻撃)に参加できない、あるいは何らかの条件を満たしていなければブロック(または攻撃)に参加できないというものであり、ブロック強制(または攻撃強制)とは、そのクリーチャーはブロック(または攻撃)に参加しなければならない、あるいは何らかの条件を満たしていた場合にブロック(または攻撃)に参加しなければならない、というものである。 500.2. 攻撃クリーチャーの指定の一環として、アクティブ・プレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが攻撃しなければならない、攻撃できない、その他の攻撃制限または攻撃強制を持っていないかどうかをチェックする。もしそのような攻撃制限もしくは攻撃強制が提案された攻撃と矛盾する場合、その攻撃は不正となり、アクティブ・プレイヤーは異なる攻撃クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(タップしているクリーチャーおよび攻撃のためのコストを払っていないクリーチャーはそれらのクリーチャーに攻撃を要求する効果から除外される)。 例:プレイヤーが、「可能なら攻撃に参加する」クリーチャーと、能力を持たないクリーチャーをコントロールしているとする。このとき、「各ターン、2体以上のクリーチャーで攻撃することはできない」という効果があったとすると、適正な攻撃は「可能なら攻撃に参加する」クリーチャーだけによる攻撃である。他方のクリーチャーだけ、あるいは両方で攻撃したり、どちらでも攻撃しないということはできない。 500.3. ブロック・クリーチャーの指定の一環として、防御側のプレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが、ブロックしなければならない、ブロックできない、もしくは他のブロックの制限または強制を持っていないかどうかをチェックする。もしそのようなブロック制限もしくはブロック強制が提案されたブロック・クリーチャーの組み合わせと矛盾する場合、そのブロックは不正となり、防御側プレイヤーは異なるブロック・クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(タップされているクリーチャーとブロックのためのコストを払っていないクリーチャーは、ブロックをそれらのクリーチャーに強制する効果から免除される)。 500.4. 攻撃やブロックの宣言が攻撃制限(ブロック制限)に反しているとき、その宣言は認められない。攻撃強制(ブロック強制)に関しては、(1)攻撃制限(ブロック制限)に反しない限りで、かつ(2)できる限り多くの攻撃強制(ブロック強制)を守る、ことが必要である。 500.5. 攻撃制限(ブロック制限)の違反にならずにどれだけの攻撃強制(ブロック強制)を守ることができるかということを決定する場合、その時に攻撃強制(ブロック強制)を満たしていないクリーチャーのことを考える必要はない。ただし、攻撃強制(ブロック強制)を満たすことができる選択については、その満たせる攻撃強制(ブロック強制)の数が最大になるように考えなければならない(その選択によって、他の攻撃強制(ブロック強制)を無視することになることはありうる)。 例:「可能ならブロックする」というクリーチャーと、他の、能力を持たないクリーチャーをコントロールしているプレイヤーに対し、「2体以上のクリーチャーでしかブロックできない」効果がある状況でクリーチャーが攻撃してきた。この場合、両方のクリーチャーでブロックすることか、あるいはどちらもブロックしないことしか適正ではない。どちらか一方だけでブロックすることはできない。 501. 回避能力 501.1. 回避能力は、戦闘時のブロック・クリーチャー指定ステップを変更する常在型能力であり、攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーを制限する。 501.2. 回避能力は累積する。 例:飛行を持たない壁は、壁にしかブロックされず、かつ飛行を持つクリーチャーにしかブロックされないクリーチャーをブロックできない。 501.3. クリーチャーの中には、ブロックのしかたを制限する能力を持つものもある。回避能力と同様に、これらは戦闘時のブロック・クリーチャー指定ステップのルールのみを変更する(ブロック指定後に回避能力を得たり失ったりしても意味はない)。 502. キーワード能力 502.1. ほとんどの能力は、カードのルール・テキストに、何をする能力かが明確に記述されている。しかし、非常に一般的な能力や、定義を書くのにあまりに多くのスペースを要する能力もある。この場合、オブジェクトには能力の名前を「キーワード」としてのみ記してある。それに関するルールを注釈文として要約してあることもある。 502.2. 先制攻撃 502.2a 「先制攻撃/First Strike」は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 502.2b 戦闘ダメージ・ステップの開始時、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが先制攻撃か二段攻撃を持っている場合、先制攻撃か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。第2戦闘ダメージ・ステップでは、第1戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを割り振られず、二段攻撃を持つどのクリーチャーも残存する攻撃・ブロッククリーチャーはそれらの戦闘ダメージを割り振る。 502.2c 第1戦闘ダメージ・ステップの後で先制攻撃を与えたり取り除いたりしても、クリーチャーが戦闘ダメージを与えなくなったり、戦闘ダメージを2回与えたりすることはない。 502.2d 1体のクリーチャーに複数の先制攻撃があっても効果は変わらない。 502.3. 側面攻撃 502.3a 「側面攻撃/Flanking」は、ブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)「側面攻撃」は、「このクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーにブロックされた時、そのブロック・クリーチャーはターン終了時まで-1/-1を得る」を意味する。 502.3b 1体のクリーチャーが側面攻撃を複数持つ場合、それぞれが独立に誘発する。 502.4. 飛行 502.4a 「飛行/Flying」は回避能力である。 502.4b 飛行を持つクリーチャーは飛行を持たないクリーチャーにはブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.4c 1体のクリーチャーに複数の飛行があっても効果は変わらない。 502.5. 速攻 502.5a 「速攻/Haste」は常在型能力である。 502.5b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの開始時から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃したり、コストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使ったりすることができる。(rule 212.3d 参照) 502.5c 1体のクリーチャーに複数の速攻があっても効果は変わらない。 502.6. 土地渡り 502.6a 「土地渡り/Landwalk」や「雪かぶり土地渡り/Snow-covered Landwalk」は総称であり、通常は、カードのルール・テキストに(「島渡り」「雪かぶり沼渡り」「伝説の土地渡り」といったように)特定のサブタイプ、もしくは特殊タイプが与えられている。 502.6b 土地渡りや雪かぶり土地渡りは回避能力である。土地渡りを持つクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたサブタイプ、もしくは特殊タイプの土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.6c 雪かぶり土地渡りは土地渡りの特殊な形である。雪かぶり土地渡りを持つクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたサブタイプの雪かぶり土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない。プレイヤーが、どんな土地渡りの能力でも選ぶ事を許された場合、そのプレイヤーは雪かぶり土地渡りの能力を選んでも良い。ある効果によってパーマネントのすべての土地渡りの能力が失われるとき、雪かぶり土地渡りも同じように能力を失う。 502.6d 土地渡りもしくは雪かぶり土地渡り能力は互いを「相殺」しない。 例:雪かぶり森渡りを持つクリーチャーをコントロールしている場合、防御側プレイヤーが雪かぶり森をコントロールしているなら、そのプレイヤーのコントロールする、雪かぶり森渡りを持つクリーチャーにさえもブロックされない。 502.6e 1体のクリーチャーに同じ土地渡りもしくは雪かぶり土地渡りを複数与えても効果は変わらない。 502.7. プロテクション 502.7a プロテクションは常在型能力であり、「プロテクション([性質])/Protection from [性質]」と書かれる。この性質は通常は色であるが(例えば「プロテクション(黒)」)、どのような特性値であってもよい。この性質がタイプ(またはサブタイプ、特殊タイプ)の場合、プロテクションは、そのタイプ(など)を持つパーマネントやその他の発生源に適用される。 502.7b プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ呪文の対象にならず、記述された性質を持つ能力の発生源からの能力の対象にもならない。 502.7c プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つエンチャントによってエンチャントされる事もない。プロテクションを持つパーマネントにエンチャントしているエンチャントは状況起因効果によりオーナーの墓地に置かれる。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 502.7d プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ装備品を装備できない。そのような状態にある装備品は、そのパーマネントを装備することを止めるが、場に残る(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 502.7e プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つダメージの発生源から与えられる全てのダメージを0に軽減する。 502.7f プロテクションを持つクリーチャーが攻撃に参加した場合、記述された性質を持つクリーチャーによってブロックされない。 502.7g 1体のクリーチャーに、同じ性質に対する複数のプロテクションがあっても効果は変わらない。 502.8. シャドー 502.8a 「シャドー/Shadow」は回避能力である。 502.8b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.8c 1体のクリーチャーにシャドーを複数与えても効果は変わらない。 502.9. トランプル 502.9a 「トランプル/Trample」は、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与えたりする時には特別な影響を及ぼさない。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 502.9b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを、ブロック・クリーチャーと防御側プレイヤーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、今までにそのクリーチャーに与えられたダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れる(rule 502.9f 参照)。コントローラーはすべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御側プレイヤーにはダメージを割り振ることはできない。 502.9c トランプルを持つ攻撃クリーチャーをブロックしたクリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップよりも前にすべて戦闘から取り除かれた場合、ダメージはすべて防御側プレイヤーに割り振られる。 502.9d トランプルを持つクリーチャーからダメージを割り振る際には、ブロック・クリーチャーの実際のタフネスのみを考え、最終的に与えるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。 例:トランプルを持つ6/6の緑クリーチャーがプロテクション(緑)を持つ2/2のクリーチャー1体にブロックされた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーはブロック・クリーチャーに最低2点のダメージを割り振らなければならず、そのダメージはブロック・クリーチャーのプロテクション能力によって軽減されることになる。攻撃クリーチャーのコントローラーは、その後で、残りのダメージを防御側プレイヤーに割り振ることができる。 502.9e 攻撃クリーチャーが複数いるとき、トランプルを持たないクリーチャーからのダメージを、トランプルを持つクリーチャーからのダメージが最大限生かせるように割り振るのは適正である。 例:複数の攻撃クリーチャーをブロックすることのできる能力を持った2/2クリーチャーが、1/1で特殊能力を持たないクリーチャーと、3/3でトランプルを持ったクリーチャーとをブロックしたとする。攻撃側プレイヤーは、第1の攻撃クリーチャーからの1点のダメージと第2の攻撃クリーチャーからの1点のダメージをブロック・クリーチャーに、そしてトランプルによる2点のダメージを防御側プレイヤーに、それぞれ割り振ることができる。 502.9f 1体のクリーチャーに複数のトランプルがあっても効果は変わらない。 502.10. バンド 502.10a 「バンド/Banding」は攻撃クリーチャー指定や戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。 502.10b プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、バンドを持つクリーチャーを任意の数と、1体までのバンドを持たないクリーチャーを一つの「バンド」として宣言してもよい。(防御側のプレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。(rule 502.10h 参照))。 502.10c プレイヤーは任意の数の攻撃バンドを指定してもよいが、クリーチャーはそれぞれ1つのバンドにしか所属できない。 502.10d 攻撃バンドがいったん宣言されると、たとえ後で何らかの方法によって一つもしくは複数のクリーチャーのバンド能力が取り除かれても、戦闘が終わるまでその効果は続く。但し、戦闘から取り除かれた場合には、バンドからも取り除かれる。 502.10e 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされた状態になると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされた状態になる。 例:プレイヤーが、飛行を持つクリーチャーと沼渡りを持つクリーチャーで構成されたバンドで攻撃する。防御側プレイヤーは、沼をコントロールしているとしても、飛行クリーチャーをブロックすることは可能である。防御側のプレイヤーがそうした場合、沼渡りを持つクリーチャーも、同じようにブロック・クリーチャーによってブロックされた状態になる。 502.10f バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。 502.10g バンドを構成しているクリーチャーの1体が効果の影響でブロックされた状態になった場合、そのバンド全体がブロックされた状態になる。 502.10h バンドを持っている攻撃クリーチャーをコントロールしているプレイヤーは、そのクリーチャーをブロックしたクリーチャーからの戦闘ダメージをどのように割り振るかを決定する。バンドを持っているブロック・クリーチャーをコントロールしているプレイヤーは、そのクリーチャーがブロックしたクリーチャからの戦闘ダメージをどのように割り振るかを決定する。攻撃もしくはブロックする時にバンド能力を持っていたとしても、戦闘ダメージ・ステップの開始前にその能力が取り除かれた場合はダメージは通常どおりに割り振られる。 502.10i 1体のクリーチャーに複数のバンド能力があっても効果は変わらない。 502.11. 他の〜とのバンド 502.11a 他の〜とのバンドは、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の〜とのバンドもまた失われる。 502.11b 「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド/bands with other [クリーチャー・タイプ]」は、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャーと攻撃バンドを組むことができる。バンドを持つクリーチャーもこのバンドに参加できるが、バンドを持たないクリーチャーは参加できない。このバンドに含まれるクリーチャーは必ずしも「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」で特定されたクリーチャー・タイプを持つ必要はない。このバンドをブロックするときは、バンド一般のルールに従って処理される。 502.11c 攻撃クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャー2体以上によってブロックされた場合、防御側プレイヤーは攻撃クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。同様に、ブロック・クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つ攻撃クリーチャー2体以上をブロックした場合、攻撃側プレイヤーはブロック・クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。 502.11d 1体のクリーチャーに複数の他の〜とのバンド能力があっても効果は変わらない。 502.12. ランページ 502.12a ランページは誘発型能力である。「ランページ X/Rampage X」は、「このクリーチャーがブロックされた状態になるたび、このクリーチャーをブロックしている2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける」ということを意味する(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.12b ランページのボーナスは戦闘のたび、誘発型能力が解決される時に一回だけ計算する。その後にブロック・クリーチャーが追加、もしくは取り除かれてもその戦闘中はボーナスは変わらない。 502.12c クリーチャーが複数のランページを持つ場合、それぞれが別々に誘発する。 502.13. 累加アップキープ 502.13a 累加アップキープは、パーマネントに上昇するコストを負わせる誘発型能力である。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep - [コスト]」という表記は、「あなたのアップキープの開始時に、経年カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある経年カウンター一つごとに[コスト]を支払ってもよい。そうしなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.13b パーマネントに複数の累加アップキープがある場合、それぞれが別々に誘発する。しかしながら、経年カウンターはどの特定の能力にも関連づけられていないので、それぞれの累加アップキープの解決時に、パーマネントの上にある経年カウンターの総数を数える。 例:「累加アップキープ - 1点のライフを支払う」という能力を二つ持っているクリーチャーがあり、現在その上には、経年カウンターは存在しない。今、この2つの能力が誘発したとする。一つめの能力が解決されるとき、そのコントローラーはカウンターを乗せ、1点のライフを支払うことを選択した。二つめの能力が解決されるとき、さらに一つのカウンターを乗せるので、ライフの支払いは2点となる。 502.14. 警戒 502.14a 警戒は攻撃宣言ステップにおけるルールを修正する常在型能力である。 502.14b 「警戒/Vigilance」を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない (rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.14c 1体のクリーチャーに複数の警戒能力があっても意味はない。 502.15. フェイジング 502.15a 「フェイジング/Phasing」は、アンタップ・ステップのルールを変更する常在型能力である。 502.15b それぞれのプレイヤーのアンタップ・ステップに、そのアクティブプレイヤーがコントロールするパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーのコントロールするオブジェクトのうちでフェイジングを持つもの全てがフェイズ・アウトする。同時に、フェイズ・アウトしたときにそのプレイヤーがコントロールしていた全てのパーマネントがフェイズ・インする(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕、および rule 302.1 参照)。 502.15c 効果によってプレイヤーのアンタップ・ステップが飛ばされた場合、フェイジングのイベントはそのターン、単に起こらなくなる。 502.15d フェイズ・インしてくるパーマネントは、場に出るときの能力やどうやって場に出るかを変更する効果を無視する。フェイジングについて特別に明記してある能力や効果だけが変更したり誘発したりする。フェイズ・アウトするパーマネントは、場を離れるときの効果を通常通りに誘発する(アンタップ・ステップの間には優先権が発生しないので、フェイジングのイベントによって誘発した能力はアップキープ・ステップの開始時までスタックに積まれない)。 502.15e パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、それが受けていたダメージは取り除かれる。 502.15f フェイズ・アウト領域から場に戻ったカードは、場を離れたときのものと同じパーマネントとして扱われる。これは、パーマネントが領域を変更した場合には以前の記憶を「忘れる」という rule 217.1c の例外である。 502.15g 一時的な持続効果やパーマネントを参照する遅延誘発型能力は、そのパーマネントがフェイズ・アウトした場合には影響を及ぼしつづけることはできない。一方、それ以外で、そのパーマネントを参照する効果(永続的な持続効果を含む)は、場に戻ってきたときにも影響を与え続ける。 例:《巨大化/Giant Growth》の影響を受けているクリーチャーがフェイズ・アウトした場合、もしそのターンの間に場に戻ってきたとしても、+3/+3の修整を受けることはない。これは、この効果が一時的な持続効果だからである。 502.15h フェイズ・アウトしたカードは、以前の状態を「覚えて」いて、同じ状態で場に戻ってくる。上にあったカウンターについて、また最初に場に出たときに行われた選択について、そして場を離れたときにタップ状態であったかどうかも「覚えて」いる。また、フェイズ・アウトしたときに誰がコントロールしていたかも「覚えて」いるけれども、コントロールを奪う効果が一時的な持続効果であり、影響力を失っていれば、異なるプレイヤーのコントロール下で場に出ることになる。 例:《Diseased Vermin》は「あなたのアップキープの開始時に、Diseased Verminによってダメージを受けたことがある対戦相手1人を対象とする。これは、そのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xはこの上にある感染カウンターの数である」という能力を持つ。《Diseased Vermin》がフェイズ・アウトしたとき、これにいくつのカウンターが乗っているか、そしてどの対戦相手がこれによってダメージを受けたことがあるかということを「覚えて」いる。フェイズ・インしてきたとき、それらの対戦相手をアップキープ時の誘発型能力の対象にすることができる。 502.15i パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、そのパーマネントについている全ての個別エンチャントや装備品は同時にフェイズ・アウトする。このフェイズ・アウトする二つめの方法のことを、「間接的に」フェイズ・アウトしたとも言う。「間接的に」フェイズ・アウトしたエンチャントや装備品は、それ自身ではフェイズ・インしてこないが、それのついているカードがフェイズ・インしてくるときに一緒にフェイズ・インしてくる。 502.15j 個別エンチャントや装備品が(エンチャントしているパーマネントと一緒にフェイズ・アウトしたのではなく)直接フェイズ・アウトした場合、それは何についていたかを「覚えて」おり、そのパーマネントについた状態で場に戻る。エンチャントが場に戻った時点でそのパーマネントが場を離れていたり、あるいはエンチャントすることが不正になっていたならば、エンチャントは場に戻り、そしてその後でオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。装備品が場に戻った時点でそのパーマネントが場を離れていたり、装備することが不正になっていたならば、装備品は場に戻り、何も装備していない状態で場に残る。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 502.15k フェイズ・インしたパーマネントはフェイズ・アウトした時持っていたのと同じタイムスタンプを保持する(rule 418.5d、rule 418.5e 参照)。しかしパーマネントが同時にフェイズ・インした事実は変更しない。 502.15m フェイズ・インしてきたパーマネントは速攻を持っているのと同じように攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる。これは、そのパーマネントが場に出たターンにフェイズ・アウトし、フェイズ・インしてきた場合にも適用される。このパーマネントは、コントローラーが変わるか場を離れるまで、攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる。 502.15n パーマネントを対象とする呪文や能力は、宣言後に対象のパーマネントがフェイズ・アウトし、解決前にフェイズ・インしてきた場合にも通常通りそのパーマネントを対象に解決される。 502.15p 一つのパーマネントに複数のフェイジングがあっても効果は変わらない。 502.16. バイバック 502.16a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーがスタックにある間に働く常在型能力である。「バイバック[コスト]/Buyback [コスト]」は、「あなたは、この呪文をプレイするに際して追加で[コスト]を支払ってもよい。そうした場合、この呪文の解決に際し、この呪文をあなたの墓地に置く代わりに手札に戻すということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、rule 409.1b、rule 409.1f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 502.17. 馬術 502.17a 「馬術/Horsemanship」はポータル三國志に存在する回避能力である。 502.17b 馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.17c 1体のクリーチャーに複数の馬術があっても効果は変わらない。 502.18. サイクリング 502.18a サイクリングは、サイクリングを持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ働く起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [コスト]」は、「[コスト], 手札からこのカードを捨てる:カードを1枚引く。」ということを意味する。 502.18b サイクリングはそのカードが手札にあるときにしかプレイできないが、オブジェクトが場やその他すべての領域にあるときにも存在しつづける。従って、サイクリングを持つオブジェクトは、1つもしくは多数の起動型能力を持つオブジェクトに影響を及ぼす効果の影響を受ける。 502.18c 土地サイクリング能力は、サイクリング能力の一種である。「[土地タイプ]サイクリング [コスト]/[土地タイプ]cycling [コスト]」は「[コスト], このカードをあなたの手札から捨てる:あなたのライブラリーから[土地タイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、土地サイクリング能力がプレイされたときにも誘発する。サイクリングを禁止する効果によって、カードの土地サイクリング能力のプレイも禁止される。 502.19. エコー 502.19a エコーは誘発型能力である。「エコー/echo」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしあなたがこのパーマネントのコントロールを、あなたの直前のアップキープより後に得たのであれば、これのマナ・コストを支払わない限りこれを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.20. 消散 502.20a 消散は2つの能力を表すキーワードである。「消散 [X]/Fading [X]」は、「このパーマネントは、その上に消散カウンターがX個置かれた状態で場に出る」「あなたのアップキープの開始時、このパーマネントの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.21. キッカー 502.21a キッカーはその呪文がスタックに積まれている間に働く常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。「キッカー [コスト1]/[コスト2]/Kicker [コスト1] and/or [コスト2]」は、「キッカー [コスト1], キッカー [コスト2]」というのと同じである。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 409.1b、rule 409.1f に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 502.21b キッカーを持つオブジェクトは、キッカー・コストが支払われたときに起こることを特定する、追加の能力を持っている。複数のキッカー・コストを持つオブジェクトは、それぞれのキッカー・コストに対応する能力を持っている。 502.21c キッカー・コストが支払われたときについてのそのテキストがパーマネントやプレイヤーを対象とする場合、呪文のコントローラーはその該当するキッカー・コストを支払うという意志を宣言したときにのみその対象を選ぶ。そうでなければ、その対象の選択は行われない。 502.21d [コスト1]と[コスト2]の複数のキッカー・コストを持つカードは、「[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には/if the [コスト1] kicker cost was paid」と「[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には/if the [コスト2] kicker cost was paid」という語句を含んでいる。この文章は、単にそれぞれのキッカー・コストを意味しているだけであり、実際にどれだけのコストが支払われたかは関係ない。言い換えると、「[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「1番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味であり、「[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「2番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味である。 502.22. フラッシュバック 502.22a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」は、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい。そうした場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。 502.23. スレッショルド 502.23a スレッショルドは、「スレッショルド ─ [文章]/Threshold -- [文章]」と表記される特性定義能力であり、その書かれているオブジェクトのルール・テキストを状況によって書き換える。文章の部分によって、あらゆる能力が生成されうる。「スレッショルド ─ [文章]」とは、「あなたの墓地に7枚以上のカードがある場合、[このオブジェクト]は '[文章]' を持つ」ということを意味する。 502.23b スレッショルドを持つ呪文やパーマネントは、そのコントローラーの墓地に7枚以上のカードがある場合にのみ、スレッショルド文章を持つものとして扱う。そうでない場合、「スレッショルド ─」以下の文章はその呪文やパーマネントに存在しないものとして扱われる。 502.23c スレッショルドを持つインスタントやソーサリーは、その呪文がスタックにある間にのみスレッショルド文章を持つ。スレッショルドを持つアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、あるいは土地は、そのパーマネントが場にある間だけスレッショルド文章を持つ。 502.24. マッドネス 502.24a マッドネスは二つの能力からなる。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに発生する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい」と「このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのプレイヤーが次にパスするまでの間、そのプレイヤーは、インスタントをプレイできるときならいつでも、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことで、そのカードが手札にあるかのようにプレイしてもよい。そのプレイヤーが次にパスをしたとき、そのプレイヤーはこのカードを自分の墓地に置く」の二つの意味を持つ。 502.24b マッドネス能力で呪文をプレイする場合は、rule 409.1b および rule 409.1f の代替コストのルールに従う。 502.25. 畏怖 502.25a 「畏怖/Fear」は回避能力である。 502.25b 畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.26. 変異 502.26a 変異は、その能力を持つカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コストが{0}のクリーチャーとしてプレイできる。」という意味である。そのコントローラーは、インスタントをプレイできる時ならいつでもその裏向きのパーマネントの変異コストを公開し、それを支払って表にすることができる。この行動はスタックを使わない(rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)。 502.26b 変異能力を使ってカードをプレイするには、まずそれを裏向きにする。それは、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コスト{0}の、2/2の裏向きのクリーチャーカードとなる。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。それを(同じ特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに置き、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異能力を持つカードを呪文としてプレイすることができる領域ならどの領域からでも、変異能力を使ってカードをプレイできる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性をもったまま場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。 502.26c 変異能力を持たないカードを裏向きにプレイすることはできない。 502.26d あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも、あなたは裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。そうするには、そのパーマネントのその効果が終わる時点での変異コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、それを支払い、そのパーマネントを表向きにする。変異の効果は終了し、その通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが場に出たときに誘発される能力は、表向きになったときには誘発されず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに場に出ているからである。 502.26e 表向きのパーマネントが呪文や能力によって裏向きになった場合、それは裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コストが{0}のクリーチャーになる。これらの特性はコピー可能な値となる(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕およびrule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)。また、変異と裏向きのクリーチャーに関するルールが通常通り適用される。 502.26f 変異能力を持つカードのプレイに関する詳細については、rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕を参照のこと。 502.27. 増幅 502.27a 増幅は常在型能力である。「増幅 X/Amplify X」は、「このオブジェクトが場に出るに際し、あなたの手札にあるそのオブジェクトと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このパーマネントは、これにより公開されたカード1枚につきX個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このカード自身や、このカードと同時に場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。 502.27b クリーチャーに複数の増幅能力がある場合、それぞれは個別に働く。 502.28. 二段攻撃 502.28a 「二段攻撃/Double Strike」は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照 502.28b 戦闘ダメージ・ステップの開始時、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが二段攻撃か先制攻撃を持っている場合、二段攻撃も先制攻撃(rule 502.2〔先制攻撃〕参照)も持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。第2戦闘ダメージ・ステップの間、第1戦闘ステップで戦闘ダメージを割り振らなかった残存する攻撃・ブロッククリーチャーに加えて二段攻撃をもつどのクリーチャーもそれぞれの戦闘ダメージを割り振る。 502.28c 第1戦闘ダメージ・ステップの間にクリーチャーから二段攻撃を取り除いた場合、そのクリーチャーは第2戦闘ダメージ・ステップではダメージを割り振らない。 502.28d 第1戦闘ダメージ・ステップに先制攻撃の戦闘ダメージをスタックに置いた後で先制攻撃を持つクリーチャーに二段攻撃を与えた場合、そのクリーチャーは、すでに第1戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを割り振っていたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップでダメージを割り振る。 502.28e 1体のクリーチャーに複数の二段攻撃があっても効果は変わらない。 502.29. 挑発 502.29a 挑発は誘発型能力である。「挑発/Provoke」は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御側プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。 502.29b 1体のクリーチャーに複数の挑発がある場合、それぞれは個別に誘発する。 502.30. ストーム 502.30a ストームは、呪文がスタックにある間に機能する誘発型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。 502.30b 1つの呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。 502.31. 親和 502.31a 親和は呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「親和(テキスト)/Affinity for (テキスト)」は、「この呪文をプレイするためのコストは、あなたがコントロールする[テキスト]1つにつき{1}少なくなる。」を意味する。 502.31b 親和能力は、汎用マナ・コストのみを減らす。それは呪文のために支払う色マナを減らさない。親和能力により、呪文をプレイするためのコストが0未満になることはない。 502.31c 呪文が複数の親和能力を持つ場合、それらはそれぞれ適用される。 502.32. 双呪 502.32a 双呪は呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「双呪 [コスト]/Entwine [コスト]」は、「あなたは、この呪文のモードを一つだけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは[コスト]を追加で支払う。」を意味する。双呪能力に使用に関しては、rule 409.1b、および rule 409.1f〜hの、モードの選択と追加コストの支払いのルールに従う。 502.32b 双呪コストが支払われたなら、呪文の解決時に、カードに書かれたテキストの順番に従って各モードを解決する。 502.33. 装備 502.33a 装備はアーティファクト−装備品カードの起動型能力である。「装備 [コスト]/Equip [コスト]」は、「[コスト]:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、この装備品をそれの上に移動する。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。 502.33b 装備品に関する更なる解説は、rule 212.2〔アーティファクト〕を参照。 502.33c アーティファクトに複数の装備能力がある場合、そのいずれの装備能力もプレイできる。 502.34. 刻印 502.34a 刻印は起動型または誘発型能力で、「刻印−[テキスト]/Imprint -- [テキスト]」と表記される。この[テキスト]は、起動型または誘発型の能力である。この刻印能力によってゲームから取り除かれているカードは、その能力の発生源に刻印されている。 502.34b 「刻印されている[タイプ]カード/imprinted [タイプ] card」は、現在そのパーマネントに刻印されているそのタイプのカードを意味する。パーマネントにそのタイプのカードが複数刻印されている場合、そのそれぞれが「刻印されている[タイプ]カード/imprinted [タイプ] card」である。 502.35. 接合 502.35a 接合というキーワードは、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「接合 X/Modular X」とは、「このパーマネントは、X個の+1/+1カウンターを置いた状態で場に出る。」と、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」を意味する。 502.35b クリーチャーが複数の接合を持つ場合、それらはそれぞれ別々に処理される。 502.36. 占術 502.36a 占術は、呪文や能力の解決時に機能する常在型能力である。「占術 X/Scry X」は、「あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る。それらのうち望む枚数のカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。」を意味する。 502.36b カードに複数の占術がある場合、それらはそれぞれ別々に処理される。 502.37. 烈日 502.37a 烈日は、オブジェクトがスタックから場に出る際に機能する常在型能力である。「烈日/Sunburst」は、「スタックから場に出るこのパーマネントがクリーチャーである場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。スタックから場に出るこのパーマネントがクリーチャーでない場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の蓄積カウンターが置かれた状態で場に出る。」を意味する。 502.37b 烈日は、呪文の解決時にのみ、1色以上の色マナがそれのコストに支払われた時にのみ適用される。追加コストや代用コストで支払われたマナも適用される。 502.37c 烈日によって、他の能力にある定数を設定させることがありうる。このキーワードがそうして使われていた場合、その能力を持つカードがクリーチャーかどうかは考慮しない。 例:「接合 ─ 烈日」という記述は、「このパーマネントは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」の2つの能力を意味する。 502.37d オブジェクトに複数の烈日がある場合、それらはそれぞれ別々に適用される。 502.38. 武士道 502.38a 武士道は誘発型能力である。「武士道 X/Bushido X」は「このクリーチャーがブロックに参加するかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。」を意味する(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.38b 武士道のボーナスは、戦闘1回につき1回のみ、能力の解決時に計算される。後にブロック・クリーチャーが増減してもボーナスには影響しない。 502.38c 1体のクリーチャーに複数の武士道がある場合、それらは個別に誘発する。 502.39. 転生 502.39a 転生は誘発型能力である。「転生 X/Soulshift X」は、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストがX以下のスピリット・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。 502.39b 1つのパーマネントに複数の転生能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。 502.40. 連繋 502.40a 連繋は、カードが手札にあるときに機能する常在型能力である。「連繋([タイプまたはサブタイプ]) [コスト]/Splice onto [タイプまたはサブタイプ] [コスト]」は「あなたが[タイプまたはサブタイプ]の呪文をプレイするに際し、あなたはこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、このカードの文章欄をその呪文の文章欄にコピーし、その呪文の追加コストとして[コスト]を支払う。」を意味する。連繋コストの支払いに関するルールは、rule 409.1b および 409.1f-h の追加コストの支払いに関するルールに従う。 例:連繋したカードはプレイヤーの手札に残るので、後に普通に使用したり、他の呪文に連繋したりすることができる。そのカードは、連繋された呪文に「カードを1枚捨てる」という追加コストがある場合、コストとして捨てることもできる。 502.40b そのカードに示された必要な選択(対象など)のできないカードの連繋能力は使用できない。1枚のカードを、1つの呪文に複数回連繋することはできない。1つの呪文に複数のカードを連繋する場合、それらを一度に公開し、文章欄を追加する順番を指定する。メインの呪文の文章欄が必ず最初に実行される。 502.40c 呪文はメインの呪文の特性を持ち、さらに連繋した各カードの文章欄を持つ。呪文は連繋したカードの他の特性(カード名、マナ・コスト、色、サブタイプ、タイプ、特殊タイプなど)を得ない。 例:赤の「クリーチャー1体を対象とする。このカードはそれに2点のダメージを与える。」を青の「カードを1枚引く」という秘儀呪文に連繋した場合、その呪文は青のままである。それはプロテクション(赤)のクリーチャーを対象とでき、そのクリーチャーに2点のダメージを与える。 502.40d 追加されたテキストの対象は通常通り選択する(409.1c参照)。1つ以上の対象を持つ呪文の対象が解決時にすべて不適正になった場合、呪文自体が打ち消されることに注意。 502.40e 呪文はスタックを離れた(打ち消された、ゲームから取り除かれた、解決されたなど)時点で、連繋による変更を失う。 502.41. 防衛 502.41a 「防衛/Defender」は常在型能力である。 502.41b 防衛を持つクリーチャーは攻撃に参加できない。 502.41c 1体のクリーチャーに複数の防衛能力があっても意味はない。 503. オブジェクトのコピー 503.1. コピー・カードは、呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー」を生成する、あるいは「コピー」になるカードである(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という語句があるものがあるが、この節ではそれについては扱わない。また、それらのカードはオラクルで修正されている)。 503.2. オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性(名前、マナ・コスト、色、タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネス)のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、プレイ時に行なわれた選択(モード、対象、Xの値、キッカー・コストを支払ったかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、など)もコピーする。オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに印刷されている値に、コピー効果による変更と、呪文やパーマネントが裏向きであることによる影響を加味したものである。それ以外の(タイプを変更するようなものも含む)効果やカウンターはコピーされない。 例:《キマイラ杖/Chimeric Staff》は「{X}:ターン終了時まで、キマイラ杖はX/Xのアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトであり、《クローン/Clone》は「クローンが場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選択する。そうした場合、クローンはそのクリーチャーのコピーとして場に出る」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5のアーティファクト・クリーチャーになった後で、《クローン》がそれのコピーとして場に出た場合、《クローン》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャーになることはできる)。 503.3. コピーされた情報はそのコピーのコピー可能な情報となり、過去のコピー可能な情報を上書きする。そのコピーを他のオブジェクトがコピーした場合には、新しいコピー可能な情報を用いる。 例:《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー/Vesuvan Doppelganger》は「ヴェサヴァン・ドッペルゲンガーが場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選んでもよい。そうした場合、ヴェサヴァン・ドッペルゲンガーはその色を除いて、そのクリーチャーのコピーとなり、『あなたのアップキープの開始時に、このクリーチャーを色を除いて、他のクリーチャーのコピーとしてもよい。そうした場合、このクリーチャーはこの能力を得る』という能力を得る」という能力を持つ。《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が《灰色熊/Grizzly Bears》(能力を持たない2/2の緑のクリーチャー)のコピーとして場に出た。その後で、《クローン/Clone》がその《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》のコピーとして場に出た場合には、《クローン》は2/2の青で、クリーチャー・タイプが「Bear/熊」の《灰色熊》となり、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》のアップキープ誘発型能力を持つ。 503.4. パーマネントをコピーしているパーマネントが場にある間、それを他のパーマネントのコピーにするという効果が存在する。その変化は場に出たときの能力や場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのパーマネントに影響を及ぼす効果を変更することもない。 例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》は「クリーチャーが場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける」という効果を持つ《巨大化/Giant Growth》の影響を受けている時に他のクリーチャーが場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。 503.5. 他のパーマネントの「コピーとして」場に出るオブジェクトは、場に出るに際してそのパーマネントのコピーとなる。場に出てからそのパーマネントのコピーになるわけではない。コピーが、(「〜状態で場に出る/comes into play with」や「[これ]が場に出るに際し/as [これ] comes into play」などの)場に出るイベントを置換する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。 例:《スカイシュラウドのビヒモス/Skyshroud Behemoth》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散カウンターが2個置かれた状態で場に出る。あなたのアップキープの開始時、そのクリーチャーの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)//スカイシュラウドのビヒモスは、タップ状態で場に出る」という能力を持つ。《クローン/Clone》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして場に出る場合、消散カウンターが2個置かれた状態で、タップ状態で場に出る。 例:《シマクマ/Striped Bears》は「シマクマが場に出たとき、カードを1枚引く」という能力を持っている。《クローン》が《シマクマ》のコピーとして場に出るとき、《クローン》は《シマクマ》の場に出るときの誘発型能力を持っているので、《クローン》のコントローラーはカードを1枚引く。 503.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされない。あるオブジェクトが他のパーマネントのコピーとして場に出る場合、そのオブジェクトのコントローラーが、全ての「場に出るに際し」ての選択を行なう。 例:《クローン/Clone》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る。《カメレオン・スピリット》は「カメレオン・スピリットが場に出るに際し、色を1色選ぶ」という能力を持つ。この《クローン》は、《カメレオン・スピリット》の行っていた色の選択についてはコピーしないで、《クローン》のコントローラーが改めてその選択を行なう。 503.7. パーマネントに関して行なわれた選択はコピーされないので、コピー・カードは、行われていない選択に基づく能力を得ることがある。その場合、その選択は「0」または「未定義」として扱われる。 例:《万物の声/Voice of All》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーしている。《万物の声/Voice of All》は「万物の声が場に出るに際し、色を1色選ぶ。//万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》は《万物の声》として場に出ることはなく、従って色を選択する機会がないので、《不定の多相の戦士》のプロテクション能力はまったく意味をなさない。 503.8. プレイヤーにそのコピーが場に出たときの選択を行わせる能力が存在する場合、そのコピーはその選択を覚えており、その値が適切ならば、能力に使おうとする。もし適切でなければ、それは「0」または「未定義」として扱われる。 例:《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー/Vesuvan Doppelganger》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る時、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》のコントローラーが青を選択し、後で、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》のコピーとなったとする。《クウィリーオン・エルフ》は「{T}:あなたのマナ・プールに、選んだ色のマナ1点を加える」という能力を持つ。この能力をプレイした場合には、青マナを生み出すことになる。 例:《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が、《狩りの統率者/Caller of the Hunt》のコピーとして場に出た。《狩りの統率者》は「あなたが狩りの統率者をプレイするに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力を持つ。ここで、ゴブリンを選択した場合、後で、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が《クウィリーオン・エルフ》のコピーとなった場合、それの(訳注:2つめの)マナ能力がプレイされたとしても、マナを出すことには失敗する。ゴブリン・マナを生み出すことはない。 503.9. コピー効果の中には、コピー中にコピーに能力を与えるものがある。この能力は、コピーされたものと同じように、コピーのコピー可能な値として扱われる。また、コピー効果の中には、ある特性をコピーしない、と書かれたものがある。この場合、その本来の値が保持される。 例:《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーした。《不定の多相の戦士》のコピー可能な値は、《不定の多相の戦士》が「クリーチャーが場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持っていることを除いて、《クウィリーオン・エルフ》と同じになる。その後で、《クローン/Clone》が《不定の多相の戦士》のコピーとして場に出た場合、《クローン》は《不定の多相の戦士》が《クウィリーオン・エルフ》をコピーしている途中で自分自身に与えた能力も含む、新しいコピー可能な値をコピーする。 503.10. 呪文をコピーするとは、その呪文のコピーをスタックに積む、ということを意味する。呪文のコピーは「プレイ」されない。呪文の特性のコピーに加えて、例えばモード、対象、Xの値、バイバックなどの選択的コストの支払いなど、呪文をプレイするときになされた全ての選択がコピーされる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。解決時に通常行われる選択はコピーされない。それを表すカードは存在しないが、呪文のコピーは呪文であり、通常の呪文と同じように働く。打ち消されることも、解決されることもできるし、通常の呪文と同じタイミングのルールに乗っ取って処理される。 例:あるプレイヤーが、《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》を対象に《分岐/Fork》をプレイした。《分岐》は、「インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とする。それのコピーをスタックに置く。このとき、色はコピーしないし、コピーに関して新しい対象を選ぶことができる」という文章である。《エメラルドの魔除け》は「以下の3つから1つを選ぶ。『パーマネント1つを対象とする。それをアンタップする』『全体エンチャント1つを対象とする。それを破壊する』『クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う』」という文章である。《分岐》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《分岐》がそう認めているからである。 503.10a スタック以外の領域にある呪文のコピーは、消滅する。これは状況起因効果である。rule 420 参照。 503.11. ある効果がパーマネントを名前で参照する場合、他のものをコピーした結果名前が変わっていたとしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。 例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》が《狂ったアーモドン/Crazed Armodon》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「{G}:狂ったアーモドンは、ターン終了時まで、+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを得る。ターン終了時に狂ったアーモドンを破壊する。この能力は1ターンに1回だけしかプレイできない」という能力を持っている。この起動型能力がプレイされた後、ターン終了時までに他のもののコピーになっていたとしても、ターン終了時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。 503.12. プレイヤーに、オブジェクトの「コピーをプレイ/play a copy」させる効果は、呪文や能力の解決中にそのコピーがプレイされることを除いて、呪文や能力のプレイのルールに従う。土地以外のオブジェクトのプレイをコピーする場合、rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕の、rule 409.1a 〜 rule 409.1h に従う。プレイされたコピーはスタック上の呪文となり、他の呪文と同じように解決したり打ち消されたりする。 504. 裏向きの呪文やパーマネント 504.1. 古いカード1枚(《幻影の仮面/Illusionary Mask》)または変異能力(rule 502.26 参照)によって、呪文やパーマネントは裏向きになることがある。 504.2. スタック上にある裏向きの呪文、裏向きで場に出ているパーマネント、フェイズ・アウト領域にある裏向きのカードは、そのカード、呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのオブジェクトのコピー可能な値となる(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕とrule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)。裏向きに場に出るオブジェクトは、それが場に出るよりも前に裏向きになるので、そのパーマネントの場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。また、裏向きでプレイされるオブジェクトは、スタックに積まれるよりも前に裏向きになるので、その呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。 504.3. スタックにある裏向きの呪文または場にある裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらの表をいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、自分がコントロールしていない呪文やパーマネントの表を見ることは、できない。パーマネントを裏向きにする能力やルールによっては、表向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文を表向きにすることはできない。 504.4. スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければいけない。これには、呪文をプレイした順番、裏向きのパーマネントが場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのオブジェクトを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。 504.5. 裏向きのパーマネントが表向きになるに際して、そのパーマネントのコピー可能な値は通常のコピー可能な値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を与えていた効果は、そのまま表向きのパーマネントにも影響を与える。パーマネントが表向きになったときには、そのパーマネントが場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに場に出ていたからである。 504.6. 裏向きで場にあるパーマネントがフェイズ・アウト以外の領域に移動した場合、そのオーナーはその表を見せなければならない。裏向きのオブジェクトがフェイズ・アウト領域から場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーにその表を見せなければならない。裏向きの呪文がスタックから場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーにその表を見せなければならない。各ゲームの終了時に、すべてのプレイヤーに、すべての裏向きのオブジェクトの表を見せなければならない。 505. 分割カード 505.1. 分割カードでは、一枚のカードに2組の表が存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。 505.2. スタック以外の領域にあるときは、分割カードは二組の特性を持つ。呪文がスタックにあるときは、プレイされている側の特性だけが存在し、他方の特性は存在しないものとして扱われる。 505.3. 全ての分割カードは、それぞれの半分が異なる色のマナ・シンボルをマナ・コストに含むので、呪文がスタックにあるときを除いては多色として扱われる。呪文がスタックにあるときは、そのプレイされている側の色だけが存在する。 505.4. 分割カードには2つのプレイできる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。 505.5. スタック以外の領域にある分割カードについて、ある特定の特性を用いる効果は、分割カードのそれぞれの半分が持つ特性の組み合わせを答えとして得る。 例:《冥府からの誕生/Infernal Genesis》は「各プレイヤーのアップキープの開始時、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。そのあと、そのプレイヤーは1/1の黒のミニオン・クリーチャー・トークンをX個場に出す。Xはそのカードの点数で見たマナ・コストである」という能力を持つ。この能力の解決時にライブラリーの一番上にあるカードが《暴行+殴打/Assault/Battery》であった場合、《暴行/Assault》の点数で見たマナ・コストが1で《殴打/Battery》が4なので、合計5体の1/1クリーチャー・トークンを得る。 505.6. 分割カードの特性(スタック以外のいずれかの領域にある)がある値と同じかどうかを問う効果は、一つだけの答えを得る。この答えは、分割カードのどちらかの側がその与えられた値と同じであれば「はい」になる。 例:《虚空/Void》は、「プレイヤー1人を対象とする。数を1つ選ぶ。その数と等しい値の点数で見たマナ・コストを持つアーティファクトとクリーチャーをすべて破壊する。そのあと、そのプレイヤーはその手札を見せ、その中の土地でないカードのうち、点数で見たマナ・コストがその数と等しい値のカードをすべて捨てる」という文章である。プレイヤーが《虚空》をプレイし、1または4を指定した場合、対戦相手は《暴行+殴打》を捨てることになる。5を指定した場合には、《暴行+殴打》のどちらの半分も点数で見たマナ・コストが5ではないので、影響を受けない。 505.7. 何らかの効果によってプレイヤーがカード名を指定する際、分割カードを指定しようとするなら、そのプレイヤーは分割カードの持つ2つの名前を両方とも指定しなければならない。 506. サブゲーム 506.1. あるカード(《シャヘラザード/Shahrazad》)は、プレイヤーにマジックのサブゲームをプレイさせる。「サブゲーム」とは《シャヘラザード》によって作られたゲームのことを、「メインゲーム」とは《シャヘラザード》がプレイされたゲームのことを指す。サブゲームが進行中は、メインゲームは保留状態になる。サブゲームが終わった後で、メインゲームが再開される。 506.2. サブゲームが進行中に誘発したメインゲームのどの能力もサブゲームが完了するまでスタックに積まれない。 506.3. サブゲームを開始するにあたり、どのプレイヤーもゲームから裏向きでそれぞれのライブラリーを取り除く。それがサブゲームでのそれぞれのプレイヤーのデッキになる。裏向きでメインゲームからカードを取り除くことによる誘発型能力は誘発する。 506.3a. サブゲームのそれぞれのプレイヤーのデッキはカードの最小限の数を下回ることもありうる。もしプレイヤーのデッキが7枚未満ならば、例えそのプレイヤーがマリガンしたとしてもゲーム開始と同時に負けになる。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 506.4. サブゲームは普通のゲームと同じように進行する。どちらのプレイヤーが先攻でプレイするかはランダムに決定する。 506.5. メインゲームのすべてのオブジェクトとメインゲームの外部のすべてのカードはサブゲームの外部にあると見なす(特にサブゲームに持ち込まれたカードを除く)。 506.5a. 効果の中にはゲームの外からゲーム中にカードを持ってくることの出来るものがある。メインゲームからサブゲームに持って来られたカードはメインゲームから取り除かれたものとみなす。メインゲームからオブジェクトが取り除かれることによって誘発する、メインゲーム内の能力は誘発する。 506.6. サブゲーム終了時、どちらのプレイヤーもサブゲームに持って来られたすべてのオブジェクトをメインゲームのライブラリーに置き、シャッフルする。サブゲームで取り除かれたカードはメインゲームのライブラリーには入らず、メインゲームから取り除かれたものとして扱う。 例:カードをサブゲームに持ち込んだ場合、そのカードがメインゲームの内部か外部かどちらから持って来たとしても、サブゲームが終わった時にメインゲームのオーナーのライブラリーに置かれる。 506.7. もしサブゲーム中に他のサブゲームが作られた場合、複数のサブゲームとメインゲームが発生する。どのメインゲームも1つのサブゲームを持ち、どのサブゲームも1つのメインゲームを持つ。この場合、ゲームが同時にメインゲームとサブゲームの両方になることもありうる。 507. 他のプレイヤーのターンをコントロールする 507.1. あるカード(《精神隷属器/Mindslaver》)は、プレイヤーのターンを他のプレイヤーによってコントロールさせる。この効果は、その影響を受けるプレイヤーが次に実際に得るターンに影響を及ぼす。ターン全てがコントロールされ、この効果は次のターンが始まるまで終わらない。 507.1a 複数のターン・コントロール効果が同じプレイヤーに影響を及ぼす場合、お互いに上書きされる。最後に発生したものだけが有効になる。 507.1b ターンが飛ばされた場合、ターン・コントロール効果は次にそのプレイヤーが実際にターンを得るときまで待つ。 507.1c ターンのコントロールだけが変わり、オブジェクトのコントローラーは変わらない。 507.2. ターンがコントロールされているプレイヤーが、何らかのオブジェクトの情報を見ることができる場合、それはそのプレイヤーとターンのコントローラーの両方が見ることができる。 例:あるプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーの手札や、そのプレイヤーがコントロールしている裏向きクリーチャーの特性を見ることができる。 507.3. 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーに認められている、あるいは何らかのルールやオブジェクトによりしなければならないすべての選択や決定を行う。これには、何をプレイするかの選択や、呪文や能力に関する選択や決定を含む。 例:ターンのコントローラーは、どの呪文をプレイするか、何を呪文の対象とするかを決めることができ、呪文の解決時に必要な決定も行なう。 例:ターンのコントローラーは、そのプレイヤーのどのクリーチャーで攻撃するか、それらのクリーチャーの戦闘ダメージをどう割り振るかを決定する。 例:ターンのコントローラーは、ジャッジメントの“願い”で、どのカードをゲーム外から持ってくるかを選ぶ。ただしそのプレイヤーは、間違ったタイプのカードを選べない。 507.3a 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーのためにコストを支払う場合、そのプレイヤーの物(カード、マナ等)のみを使用できる。 例:ターンのコントローラーが、そのプレイヤーに追加コストとしてカードを捨てる呪文をプレイさせることにした場合、そのカードはそのプレイヤーの手札から捨てる。 507.3b 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーを投了させられない。プレイヤーは、自分のターンが他のプレイヤーにコントロールされている状態であっても、いつでもゲームを投了することができる。rule 102.7 参照。 507.3c 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、ルールやオブジェクトによって必要とされていない選択や決定を行えない。また、コントローラーはトーナメント・ルールによって必要とされている選択や決定を行えない。 例:お手洗いに行くこと、カードを誰かとトレードすること、合意による引き分けを行うこと、ミスや違反でジャッジを呼ぶこと等に関しての選択を行なうのは、ターンのコントロールを他のプレイヤーが得ているとしても、現在のターン・プレイヤーである。ターンのコントローラーではない。 507.3d 他のプレイヤーのターンをコントロールしているプレイヤーは、自分自身に関する選択や決定も行える。 507.4. プレイヤーは、他のプレイヤーによって自分のターンがコントロールされている間、マナ・バーンによってライフを失わない(ただし、そのプレイヤーのマナ・プールにある未使用のマナは、通常と同様にフェイズの終了時に空になる。rule 300.3 参照)。 508. 反転カード 508.1. 神河物語にある「英雄/Heroes」のような反転カードには、1枚のカードに二つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれているテキストは、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの背面は、通常のマジック:ザ・ギャザリングのカードである。 508.1a 反転カードの上半分には、そのカードの通常のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。文章欄には通常、特定の条件が満たされた時点でそのパーマネントを「反転/flip」する能力が書かれている。 508.1b 反転カードの下半分には、代替のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。これらの特性は、そのパーマネントが場にあって、なおかつそのパーマネントが反転されている場合にのみ使用される。 508.1c 反転カードの色、マナ・コスト、エキスパンション・シンボル、アーティスト名、権利表記などは、パーマネントが反転されても変わらない。また、外部からの効果による変更もそのまま適用される。 508.2. 場以外の全ての領域、および場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのパーマネントの通常の特性を持つ。場の領域の反転パーマネントが反転されたら、その反転パーマネントの通常のカード名、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。 例:神河物語にある「英雄」は、反転後が伝説のクリーチャーになっていて、反転前がそうでない反転カードである。「あなたのライブラリーから伝説のカードを1枚探す」という効果は「英雄」を探して来ることはできない。「伝説のクリーチャーは+2/+2の修整を受ける」という効果は、場に出ている「英雄」が反転状態であるときのみ効果を及ぼす。 508.3. あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。 508.4. パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転されたら、それを再び反転して元に戻すことはできない。他の特性が変化したとしても、反転した状態のままである。ただし、反転したパーマネントが場を離れた場合、それはそれまでの状態を記憶しない。 例:《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー/Vesuvan Doppelganger》[3ED]が《悪忌の溶岩走り/Akki Lavarunner》[CHK]のコピーとして場に出た場合、「《悪忌の溶岩走り》がいずれかの対戦相手にダメージを与えるたび、これを反転する」という能力を持つ。この《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が反転の条件を満たしたとしたら、反転し、反転した状態の特性を持つ。この後で、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が《灰色熊/Grizzly Bears》[8ED](2/2で能力を持たないクリーチャー)のコピーになったとしても、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》はやはり反転した状態のままであるが、反転していることは通常の特性に何も影響を及ぼさない。つまり、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》は青の2/2クリーチャーで、《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》のアップキープ誘発型能力だけを持つ。この《ヴェサヴァン・ドッペルゲンガー》が再び反転カードをコピーしたら、コピーした結果のパーマネントは、反転カードの反転した側の特性を持つ。 509. ターンの終了 509.1. 1枚のカード(《時間停止/Time Stop》)は、解決時にターンを終了する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決とは手順が異なる(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照)。 509.1a スタック上のすべてのオブジェクトをゲームから取り除く。攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーがいるなら、それを戦闘から取り除く。カードで表現されないオブジェクトが場やスタック以外の領域にある場合、それは次の状況起因効果のチェック時に消滅する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 509.1b 状況起因効果をチェックする。いずれのプレイヤーも優先権を得ることはなく、誘発型能力もスタックに積まれない。 509.1c 現在のフェイズ/ステップが終了する。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行する。現在のステップとクリンナップ・ステップの間のすべてのステップをとばす。 509.2. この手順中はどのプレイヤーも優先権を得ない。したがって、誘発型能力はスタックに積まれない。この呪文や能力の解決からクリンナップ・ステップの終りまでに誘発型能力が誘発した場合、クリンナップ・ステップに呪文や能力をプレイするタイミングがある。その後、ターンの最終的な終了の前にもう一度クリンナップ・ステップが発生する(rule 314.3 参照)。 509.3. ターンは終了するが、“ターン終了時に”の誘発型能力は誘発しない。ターン終了ステップはとばされているからである。 -------- 用語集 -------- アーティファクト/Artifact  アーティファクトはタイプの一つである。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない時にだけ、アーティファクトをプレイする事ができる。アーティファクト呪文が解決した時、そのコントローラーは、それを自分のコントロール下で場に出す。rule 212.2〔アーティファクト〕参照。 アーティファクト・クリーチャー/Artifact Creature  アーティファクト・クリーチャーはアーティファクトとクリーチャーの両方の性質があり、両方のルールが適用される。rule 212.2〔アーティファクト〕参照。アーティファクト・クリーチャーの中には、クリーチャー・タイプを持たないものがある。クリーチャー・タイプを持つ場合には、「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム」といったように、「アーティファクト・クリーチャー ─ [クリーチャー・タイプ]」と記述される。「アーティファクト」はクリーチャー・タイプではない。 アーティファクト・タイプ/Artifact Type  アーティファクトのサブタイプは常に一単語であり、「アーティファクト ─ 装備品」のように、長いダッシュの後に列記されている。アーティファクトのサブタイプはまたアーティファクト・タイプとも呼ばれる。アーティファクトは複数のサブタイプを持つことがあり得る。アーティファクト・クリーチャーのカードにサブタイプが書かれていた場合、それはクリーチャー・タイプである。また、アーティファクト・土地のカードにサブタイプが書かれていた場合、それは土地タイプである。  神河物語の時点で用いられているアーティファクト・タイプは以下の通り。 「装備品/Equipment」 アーティファクト・土地/Artifact Land  アーティファクト・土地は、アーティファクトと土地の両方であり、両方に関するルールに従う(rule 212.2〔アーティファクト〕参照)。アーティファクト・土地は土地としてのみプレイでき、呪文としてプレイすることはできない。アーティファクト・土地の中には土地タイプを持たないものがある。土地タイプを持つ場合には、「アーティファクト・土地 ─ [土地タイプ]」と記述される。 アクティブ・プレイヤー/Active Player  アクティブ・プレイヤーとは、ターンを進行しているプレイヤーの事を指す。アクティブ・プレイヤーは(アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップを除く)各フェイズやステップの開始時、呪文や(マナ能力以外の)能力の解決の後、および戦闘ダメージの解決の後に優先権を得る。rule 203 参照。 アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー・ルール/Active Player, Nonactive Player Rule  両方のプレイヤーが同時に選択を行うと指示された場合、アクティブ・プレイヤーが先に選択を行い、それから非アクティブ・プレイヤーが選択を行う。これは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー・ルール」または「APNAP」ルールと呼ばれる。rule 103.4 参照。 アップキープ・ステップ/Upkeep Step  アップキープ・ステップは、開始フェイズの2つめのステップである。アップキープの開始時に誘発する能力を持つカードも存在する。その類の能力は、俗に「アップキープ・コスト」「アップキープ効果」と呼ばれる。アップキープ・コストは、通常「あなたのアップキープの開始時に、あなたは[コストの支払い]ができる。そうしなければ、[このカード]を生け贄に捧げる」と書かれている。これらは通常の誘発型能力であり、特別なルールは存在しない。rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照。 あなた/You/Your  オブジェクトに記されている「あなた」という語は、常にその現在のコントローラーを意味する。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(場にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力をプレイしたプレイヤーを指す。誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。コントローラー、オーナー参照。 APNAP/APNAP  アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー・ルール 参照。 アンタップ/Untap  タップされているカードをアンタップするとは、カードを縦に戻すことである。タップ、タップ状態、アンタップ状態参照。 アンタップ状態/Untapped  縦向きのパーマネントはアンタップ状態である。パーマネントをタップすることは、それが既に使われたということを意味する。パーマネントは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップする。タップ、タップ状態、アンタップ参照。 アンタップ・ステップ/Untap Step  アンタップ・ステップはターンの、開始フェイズの、最初のステップである。アクティブ・プレイヤーがコントロールしているパーマネントは、通常、このときに全てアンタップされる。rule 302〔アンタップ・ステップ〕参照。 アンティ/Ante ※廃語  マジックの初期のルールには、「取りきり」でプレイするためのアンティのルールが含まれていた。現在では、アンティを賭けてマジックのゲームをプレイするのは、ゲームの選択可能なバリエーションとして扱われ、法などの規制によって禁止されていない場合にのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCIトーナメント・ルールの下では厳しく禁止されている。アンティ・ルールを使うとき、ゲームの開始時に各プレイヤーがそれぞれ自分のデッキの中からランダムに1枚のカードをアンティ領域に置く。そしてゲームが終わったあとで、アンティ領域にあるカードをすべて勝者の物とする。rule 217.9〔アンティ〕参照。 生け贄に捧げる/Sacrifice  パーマネントを生け贄に捧げるとは、そのコントローラーがそれを場から直接そのオーナーの墓地に移動させることである。パーマネントでないものや、コントロールしていないパーマネントを生け贄に捧げることはできない。コントロールしていないパーマネントを生け贄に捧げるよう指示する効果が存在しても、何も起こらない。パーマネントを生け贄に捧げるとは、それを破壊することではない。従って、再生や、破壊を置換するその他の効果は、これに影響しない。 依存/Depend On  ある効果が他の効果に「依存/depend on」するとは、両者を同時に適用する際に、後者を適用することで、前者のテキストや存在、適用対象、適用内容が変化することを指す。rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照。 移動する/Move  個別エンチャントや装備品、カウンターを動かすとは、それを元のオブジェクトから取り除き、もう一方の上に置くということを意味する。その効果が実際に動かす時点で、エンチャントや装備品、カウンターが既に存在しなかったり、あるいは動かす先のパーマネントがあるべき領域に既に存在しなくなっていたときには、何も起こらない。同様に、エンチャントや装備品を、それによってエンチャントまたは装備されないパーマネントへ移動することはできない。この種の移動を行なおうとした場合、そのエンチャントや装備品は元の場所に留まる。  移動したエンチャントは、元のパーマネントをエンチャントするのを止め、新しいパーマネントをエンチャントする。他には何も変化しない。エンチャントは場を離れたわけではないので、場に出たときや場を離れたときの新しい誘発型能力は誘発しない。個別エンチャントが移動したとき、そのタイムスタンプは新しくなる。移動前に「エンチャントされた[パーマネント]/enchanted [パーマネント]」に影響を及ぼす能力がスタックに積まれていた場合、新しいほうのエンチャントされたパーマネントに影響を及ぼす。これは装備品についても同じである。  装備能力によって、装備品をあるクリーチャーに動かしたり、あるクリーチャーから他のクリーチャーに動かしたりすることができる。 畏怖/Fear  畏怖は回避能力である。畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。rule 502.25〔畏怖〕参照。 イベント/Event  ゲームにおいて起こることは、イベントと呼ばれる。呪文や能力の解決中に、複数のイベントが起こることもありうる。  誘発型能力や置換効果のテキストには、そのチェックするイベントが定義されている。ある能力によっては1つのイベントとみなされることが、他の能力によっては複数のイベントとして扱われることもある。 例:攻撃クリーチャーが2つのブロック・クリーチャーによってブロックされた場合、それは「〜がブロックされた場合」という誘発型能力から見れば1つのイベントだが、「〜が1体のクリーチャーによってブロックされた場合」という誘発型能力から見れば2つのイベントである。 色/Color  マジックで用いられる色は白、青、黒、赤、緑であり、オブジェクトは1つもしくはそれ以上のそれらの色を持つか、無色かである。「無色」や「アーティファクト」、「土地」、「茶色」、「金色」、などは色ではない。rule 203.2 参照。  オブジェクトの色は、そのマナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色によって決められる。 効果によってオブジェクトの色が変わることもある。効果によって新しい色を得た場合、古い色は失われる。 インスタント/Instant  インスタントはタイプの一つである。プレイヤーが優先権を持っているとき、そのプレイヤーはインスタントをプレイすることができる。インスタント呪文は、解決の最後の段階としてそのオーナーの墓地に置かれる。rule 212.5〔インスタント〕、rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。 インスタント・タイプ/Instant Type  インスタントのサブタイプは常に一単語であり、「インスタント ─ 秘儀」のように、長いダッシュの後に列記されている。インスタントのサブタイプはまたインスタント・タイプとも呼ばれる。インスタントのサブタイプで、ソーサリーのサブタイプでもあるものは呪文タイプと呼ばれる。  神河物語の時点で用いられているインスタント・タイプは以下の通り。 「秘儀/Arcane」 インタラプト/Interrupt ※廃語  古いカードの中には、カードのタイプの行に「インタラプト/interrupt」という用語を用いていたものがあった。インタラプト・カードは、現在ではすべてインスタント・カードになっている。インタラプトとしてプレイされた能力は、現在では通常の起動型能力と同様にプレイされる(マナを生むものはマナ能力である)。 打ち消し/打ち消す/Counter(v)  呪文や能力を打ち消すとは、それをスタックから取り除くということである。打ち消された呪文は解決せず、効果は一切発揮されない。打ち消された呪文は、そのオーナーの墓地に置かれる。rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照。 (訳注:日本語化の都合上、Counter を二つの項目に分けました。原文ではこれとカウンターは同じ見出しです) 移しかえ/Redirect ※廃語  古いカードの中には、「移しかえ/redirect」という用語を用いて、呪文、能力、戦闘ダメージの割り当てによって与えられるダメージを、ダメージの発生源やダメージの種類を変えることなく、本来与えられるべきプレイヤーやクリーチャーとは別のものに与えることを示しているものがあった。一般に、「移しかえ」という用語を用いていたカードは、現在では、ダメージを与える先を変更する置換効果を生成する。「移しかえ」は、現在でもこれらの置換効果の働きを説明するための俗語として用いられている。 裏向き/Face-Down  スタック上にある裏向きの呪文、場に出ている裏向きのパーマネント、およびフェイズ・アウト領域にある裏向きのカードは、そのカードや呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールに示されている特性しか持たない。この示されている特性は、そのオブジェクトの特性のコピー可能な値である。  あなたがコントロールしている、スタック上の裏向きの呪文や裏向きのパーマネントは、いつでも表面を見ることができる。  上記以外の領域にある裏向きのカードや、他のプレイヤーがコントロールしている裏向きの呪文やパーマネントの表面は見ることができない。パーマネントを裏向きにさせた能力やルールは、そのパーマネントのコントローラーがそれを表向きにすることも可能にしている。呪文は通常は表向きにできない。  あなたのコントロールしている、裏向きの呪文がスタック上に複数あったり、裏向きのパーマネントが場に複数出たりしている場合、それらを常に容易に区別できるようにしなくてはならない。  rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕、rule 502.26〔変異〕参照。 絵/Illustration  絵はカードの上半分に印刷されており、ゲーム上は意味を持たない。rule 204〔絵〕参照。 イラストの著作権表記/Illustration Credit  カードのイラストの著作権表記は、文章欄のすぐ下に印刷されている。ゲームにおいては効果を持たない。rule 209〔イラストの著作権表記〕参照。 永続的に/Permanently ※廃語  古いカードの中には、期限のない効果を示すために「永続的に/Permanently」という語が使われているものがある。「永続的に」という語を使っていたカードの現在の文章には、効果がターン終了後も継続するという注釈文が含まれていることがある。  例: 従来、「クリーチャー1体を対象とする。それのコントロールを永続的に得る」というテキストで書かれていた能力は、現在では「クリーチャー1体を対象とする。それのコントロールを得る。(この効果はターン終了時に終了しない。)」と書かれている。この効果によって、パーマネントのコントロールを、他の何らかの手段によってコントローラーが変わるか、パーマネントが場を離れるまで得ることができる。この効果によってそのパーマネントが、それ以外の、コントロールを変更する効果の影響を受けなくなるわけではない。 エキスパンション・シンボル/Expansion Symbol  マジックのカードの絵の右下隅の下に、エキスパンション・シンボルと呼ばれる小さい絵があり、どのセットで発行されたカードかを示している。基本セットで再版されたカードはその基本セットのエキスパンション・シンボルを得、既に元のセットの一部ではないとして扱う。これは、あるエキスパンションのカードにだけ影響する呪文や能力に関してのみ重要である。基本セットの、最初の5つの版にはエキスパンション・シンボルは存在しない。rule 206〔エキスパンション・シンボル〕参照。エキスパンションとエキスパンション・シンボルの一覧は、MagicTheGathering.comの製品セクション(http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/products/cardsets)を参照。 (訳注:基本セットの第5版は中文簡体字版にのみ"V"シンボルを持つ) エコー/Echo  エコーは、誘発型能力である。パーマネントに「エコー/Echo」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしこのパーマネントがあなたの最後のアップキープの開始時以降にあなたのコントロール下に来たのであれば、そのマナ・コストを支払わない限り、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。rule 502.19〔エコー〕参照。 X/X  コストにXが含まれている場合、Xの値は呪文や能力のプレイの一部として宣言される。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。呪文や能力がスタックにある間、そのマナ・コストに含まれるXはその呪文で宣言された値に等しい。他の領域に存在するカードのマナ・コストにXが含まれているとき、その量は0として扱われる。マナ・コストを支払わずに、マナ・コストにXを含む呪文をプレイした場合、そのXは0になる。これはマナ・コストを支払わない場合だけであり、コストを減少させる効果によって0になったとしても適用されない。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。  誘発型能力においては、Xの値は能力の解決時に、能力の文章やキーワード能力、誘発イベントなどによって決定される。rule 410〔誘発型能力の処理〕参照。  それ以外の場合のXは、呪文や能力のテキストによって定義されている。Xが定義されていない場合、その呪文や能力のコントローラーがXの値を決定する。1個のオブジェクトに記されているXはすべて同じ値を持つ。 エンチャント、エンチャント(場)/Enchantment  エンチャントはタイプの一つである。エンチャントは、アクティブ・プレイヤーがメイン・フェイズ中、スタックに何も積まれていない時にだけプレイする事ができる。rule 212.4〔エンチャント〕、全体エンチャント、個別エンチャント参照。 エンチャント・タイプ/Enchantment Type  エンチャントのサブタイプは常に一単語であり、「エンチャント(場) ─ 祭殿」のように、長いダッシュの後に列記されている(これは以前のルールからの変更である)。エンチャントのサブタイプはまたエンチャント・タイプとも呼ばれる。  神河物語の時点で用いられているエンチャント・タイプは以下の通り。 「祭殿/Shrine」 エンチャント(アーティファクト)/Enchant Artifact  エンチャント(アーティファクト)は個別エンチャントの一種であり、アーティファクトであるパーマネントだけをエンチャントできる。個別エンチャントを参照。 エンチャント(アーティファクト・クリーチャー)/Enchant Artifact Creature  エンチャント(アーティファクト・クリーチャー)は個別エンチャントの一種であり、アーティファクトでもクリーチャーでもあるパーマネントだけをエンチャントできる。また、これはエンチャント(アーティファクト・クリーチャー)であると同時に、エンチャント(アーティファクト)、エンチャント(クリーチャー)としても扱われる。個別エンチャントを参照。 エンチャント(エンチャント)/Enchant Enchantment  エンチャント(エンチャント)は個別エンチャントの一種であり、エンチャントであるパーマネントだけをエンチャントできる。個別エンチャントを参照。 エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature  エンチャント(クリーチャー)は個別エンチャントの一種であり、クリーチャーであるパーマネントだけをエンチャントできる。個別エンチャントを参照。 エンチャント(土地)/Enchant Land  エンチャント(土地)は個別エンチャントの一種であり、土地であるパーマネントだけをエンチャントできる。個別エンチャントを参照。 エンチャント(パーマネント)/Enchant Permanent  エンチャント(パーマネント)は個別エンチャントの一種であり、あらゆるパーマネントをエンチャントできる。個別エンチャントを参照。 エンチャント(プレイヤー)/Enchant Player  エンチャント(プレイヤー)は個別エンチャントの一種であり、プレイヤーだけをエンチャントできる。個別エンチャントを参照。 オーナー/Owner  カードのオーナーとは、ゲームの開始時点で、そのカードをデッキに入れていたプレイヤーである(法的な所有権は、アンティを除いて、ゲームのルール上は関係しない)。トークンのオーナーは、そのトークンを作り出した呪文や能力のコントローラーである。rule 200.1a 参照。  効果によってパーマネントのコントローラーが変わることはあるが、オーナーが変わることはない(アンティ・カードによって、オーナーが変わることがあるが、これが唯一の例外である。rule 217.9〔アンティ〕参照)。  カードがライブラリー、手札、墓地に行く場合、常にそのオーナーの領域にいく。これは、カードが前の領域にあった時に、誰がコントロールしているかによらない。rule 217.1a 参照。 オブジェクト/Object  オブジェクトとは、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、スタック上の能力、スタック上の戦闘ダメージのことを指す。このルールで用いられている場合、そのルールはカード、トークン、呪文、パーマネント、スタック上の能力、スタック上の戦闘ダメージに適用される。rule 200.8 参照。 オラクル/Oracle  カードの文章は、http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/oracle にある、オラクル・カード・リファレンスに従って解釈される。rule 200.2 参照。 カード/Card  ルールやカードのテキスト中に「カード/card」と書いてある場合、それは、表面も裏面も正規のマジックのものであるような、マジックのカードのことを指し示す。トークンはカードではない。トークンを表すのにカードを使っていても、それはルール上はカードとはみなさない。rule 200.1 参照。  カードの正式なテキストについては、オラクルを参照すること。 解決/Resolve  スタックの一番上にある呪文や能力が解決されるとき、そのコントローラーはカードに記されている内容を、書かれている順番で実行する。戦闘ダメージが解決されるとき、ダメージは可能なかぎり、事前に割り当てられたとおりに与えられる。rule 413〔呪文・能力の解決〕参照。 開始フェイズ/Beginning Phase  開始フェイズはターンの最初のフェイズであり、アンタップ、アップキープ、ドローの3つのステップからなる。rule 301〔開始フェイズ〕参照。 回避能力/Evasion Ability  回避能力は、攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーを制限する。それらは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップを変更する常在型能力である。rule 501〔回避能力〕参照。 外部/Outside the Game  そのオブジェクトがゲーム外にあるか、あるいはゲームのどの領域にも存在しない場合、そのオブジェクトは外部にあると言う。外部は、領域ではない。rule 217.1e 参照。 カウンター/Counter(n)  カウンターは、オブジェクトの上に置かれる目印のことを指す。それはそのパーマネントの特性を修整したり、あるいは何らかの効果との相互作用を示したりする。パーマネントの上に+X/+Yカウンターが載っている場合、そのパーマネントのパワーにXを、そのパーマネントのタフネスにYを加算する。これらの修整は、パーマネントのタイプが変更される効果の後、他のパワーやタフネスを変更する効果の前に適用される。同様に、-X/-Yカウンターはパワーやタフネスを減算する。同じ名前、あるいは同じ表記で示されるカウンターは相互に交換できる。カウンターがプレイヤーに乗ることもありうる。「毒/poison」カウンターについては、rule 102.8 参照。 (訳注:日本語化の都合上、Counter を二つの項目に分けました。原文ではこれと打ち消しは同じ見出しです) 数/Number  マジックのゲームにおいては、整数しか用いない。分数を選んだり、分数点のダメージを与えたりすることはできない。呪文や能力が分数を作り出しうるとき、その呪文や能力には切り上げるか切り捨てるか指示されている。rule 104〔数とシンボル〕参照。  クリーチャーのパワー/タフネス、マナ・コスト、プレイヤーのライフ総量、ダメージの量、失うライフの量が0未満になったとき、それに対する足し算や引き算を除いては0として扱う。未定義の数が必要になった場合、0として扱う。 例:3/3クリーチャーに-5/-0の修整がついた場合、0点の戦闘ダメージを与える。ただし、パワーを1にするためには、+3/+0以上の修整が必要になる(3−5+3=1)。 かのように/As though  プレイヤーやカードが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをしてもよい、と書かれている場合、それはその行動にだけ適用される。その行動に関しては、その条件を完全に満たしているかのように扱い、それ以外に関しては通常通り処理する。 例:《大蜘蛛/Giant Spider》は、「《大蜘蛛》は飛行を持つかのようにブロックに参加できる」と書かれている。この場合、ブロック・クリーチャーとして指定するという目的においてのみ、《大蜘蛛》を飛行を持つクリーチャーとして扱ってもよい。これは、他に制限がなければ、《大蜘蛛》で飛行を持つクリーチャー(や、飛行を持つクリーチャーにしかブロックされないクリーチャー)をブロックできるということである。例えば、通常、《大蜘蛛》は飛行とシャドーを持つクリーチャーをブロックできない。 例:《未来予知/Future Sight》は、「あなたのライブラリーの一番上のカードは常に公開される。/あなたはあなたのライブラリーの一番上のカードを、あなたの手札にあるかのようにプレイしてもよい」と書かれている。この場合、そのカードは通常のルールに則ってプレイされる。それが呪文の場合、プレイの最初の段階としてそれはスタックに積まれる。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。それが土地の場合、直接場に出される。しかし、カードが実際に手札にあるわけではないので、それを捨てることはできないし、コストとしてゲームから取り除くこともできないし、サイクリングすることもできないし、手札の枚数を数えるときにも数えない。  2枚のカードがそれぞれ、プレイヤーもしくはカードが一つのことを違う状況である「かのように」プレイさせるようになっていた場合、両方の状況が成立する。もし一方がもう一方の「かのように」の条件を満たしていた場合にも、両方の状況が成立する。 例:「あなたは墓地にあるカードを手札にあるかのようにプレイしてよい」という効果と「あなたは他のプレイヤーの墓地にあるカードをあなたの墓地にあるかのようにプレイしてよい」という効果があった場合、その両方が適用される。あなたは、あなたの墓地にあるカードと、他のプレイヤーの墓地にあるカードをプレイすることができる。(これらのカードは通常のルールに則ってプレイされる) 壁/Wall  壁は、特に意味を持たないただのクリーチャー・タイプである。過去に存在した、クリーチャー・タイプに「壁」と書かれていたクリーチャーの多くには、現在、「防衛」能力を持つように訂正が出されている。クリーチャー・タイプ「壁」を参照している古いカードの多くにも訂正が出されている。それらのカードに関する最新の表記は、オラクルを参照すること。 代わりに/Instead  「代わりに/instead」という語を含んでいる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに」という語を使うことで、どのようなイベントが他のイベントに置き換えられるかを示している。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 キーワード能力/Keyword Ability  能力の中には、大変多く使われていたり、カード上に説明を書くと場所を取りすぎたりするものがある。これらの能力は、その能力の名前が「キーワード/keyword」で書かれている。注釈文としてゲーム上のルールの要約が書かれていることもある。rule 502〔キーワード能力〕参照。 キッカー/Kicker  キッカーはキーワード能力の一種で、コストと効果を持つ。キッカー・コストを支払うことで、呪文が追加の、または代わりの効果を発揮する。rule 502.21〔キッカー〕参照。  キッカー・コストは、呪文をプレイするための追加コストである。呪文のキッカー・コストを支払うかどうかの宣言は、呪文のモードの選択。rule 409.1b 参照。と同時に行い、コストの支払いは、呪文の残りのコストの支払い。rule 409.1f-h 参照。と同時に行う。キッカー・コストを払うか払わないかは、いかなる場合でも選択可能である。  キッカーによる効果に対象が含まれている場合、呪文のコントローラーは、そのキッカー・コストを支払うことを宣言した場合のみ、その対象を選択する。rule 409.1d 参照。呪文のコントローラーが、キッカー・コストを支払わないことを宣言した場合、そのキッカー・コストを支払うことで発生する効果の対象は選ばない。 起動型能力/Activated Ability  起動型能力は「起動コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストを払う事により、プレイヤーは優先権を持つときはいつでもその能力をプレイする事ができる。rule 403〔起動型能力〕参照。 起動コスト/Activation Cost  起動型能力の起動コストはすべて「起動コスト:効果」の形で表記され、能力をプレイするためには起動コストを払わなければならない。 例:「{2}, {T}:1点のライフを得る」と書かれている能力の起動コストは、任意の色の2マナとそのパーマネントをタップすることである。 基本地形/Basic  基本地形は特殊タイプである。特殊タイプとして基本地形を持つ土地は基本地形である。特殊タイプとして基本地形を持たない土地は基本地形でない土地である。rule 205.4〔特殊タイプ〕参照。 基本地形タイプ/Basic Land Type  基本地形タイプには、平地、島、沼、山、森の5つがある。各基本地形はそれぞれ固有のマナ能力を持つ。rule 212.6〔土地〕参照。 基本地形でない土地/Nonbasic Land  特殊タイプ「基本地形/Basic」を持たない土地は、基本地形でない土地である。どの土地が特殊タイプ「基本地形」を持つかは、オラクルに従う。 キャスティング・コスト/Casting Cost ※廃語  古いカードの中には、「キャスティング・コスト/casting cost」という単語を用いて、呪文のマナ・コストを表しているものがある。一般に、「キャスティング・コスト」という単語を用いていたカードは、現在ではマナ・コストに書き換えられている。また、「総キャスティング・コスト/total casting cost」という単語を用いていたカードは、現在では点数で見たマナ・コストに書き換えられている。 キャントリップ/Cantrip ※俗語  その効果の一部として「カードを1枚引く」という記述を持つ呪文の通称。 クリーチャー/Creature  クリーチャーはタイプの一つである。アクティブ・プレイヤーだけが、そのメイン・フェイズの間でスタックが空のときに限り、クリーチャーをプレイできる。クリーチャー呪文が解決した時、そのコントローラーは、それを自分のコントロール下で場に出す。rule 212.3〔クリーチャー〕参照。 クリーチャー・タイプ/Creature Type  クリーチャーのサブタイプは常に一単語であり、「クリーチャー ─ 人間・兵士」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム」のように、長いダッシュの後に列記されている。クリーチャーのサブタイプはまたクリーチャー・タイプとも呼ばれる。クリーチャーは複数のサブタイプを持つことがあり得る。  神河物語の時点で用いられているクリーチャー・タイプは以下の通り。 「Abomination/忌まわしき者」「Aboroth/アボロス」「Advisor/アドバイザー」「Aladdin/アラジン」「Albatross/カモメ」「Alchemist/錬金術師」「Ali-Baba/アリ=ババ」「Ali-from-Cairo/カイロから来たアリ」「Alligator/アリゲーター」「Ambush-Party/待ち伏せ部隊」「Ancestor/祖霊」「Angel/天使」「Ant/蟻」「Antelope/アンテロープ」「Ape/類人猿」「Archaeologist/考古学者」「Archer/射手」「Artificer/工匠」「Asp/アスプ」「Assassin/暗殺者」「Assembly-Worker/組立作業員」「Atog/エイトグ」「Aurochs/オーロクス」「Avatar/アバター」「Avenger/報復者」「Avizoa/エイヴィーゾア」「Badger/アナグマ」「Ball-Lightning/ボール=ライトニング」「Bandit/山賊」「Banshee/バンシー」「Barbarian/バーバリアン」「Barishi/バリーシー」「Basilisk/バジリスク」「Bat/コウモリ」「Bear/熊」「Beast/ビースト」「Bee/蜂」「Beeble/ビーブル」「Behemoth/ビヒモス」「Being/存在」「Berserker/狂戦士」「Bird/鳥」「Boar/猪」「Bodyguard/ボディガード」「Bringer/運び手」「Brother/兄弟団」「Brownie/ブラウニー」「Brushwagg/ブラッシュワグ」「Bull/猛牛」「Bureaucrat/官吏」「Butterfly/蝶」「Camarid/カマリッド」「Camel/ラクダ」「Caravan/隊商」「Caribou/カリブー」「Carnivore/肉食動物」「Carriage/荷馬車」「Carrier/キャリアー」「Cat/猫」「Cavalry/騎兵隊」「Cave-People/穴居人」「Centaur/ケンタウルス」「Cephalid/セファリッド」「Cheetah/チータ」「Chicken/ニワトリ」「Chimera/キマイラ」「Citizen/市民」「Clamfolk/クラムフォーク」「Cleric/クレリック」「Clone/クローン」「Cobra/コブラ」「Cockatrice/コカトリス」「Constable/治安官」「Cow/雌牛」「Crab/カニ」「Crocodile/クロコダイル」「Crusader/クルセイダー」「Dandan/ダンダーン」「Demon/デーモン」「Dervish/デルヴィッシュ」「Deserter/脱走者」「Devil/デビル」「Devouring-Deep/むさぼり食う深海魚」「Dinosaur/恐竜」「Djinn/ジン」「Dog/犬」「Doppelganger/ドッペルゲンガー」「Dragon/ドラゴン」「Dragonfly/トンボ」「Drake/ドレイク」「Drill-Sergeant/穴掘り兵長」「Drone/ドローン」「Druid/ドルイド」「Dryad/ドライアド」「Dwarf/ドワーフ」「Eater/イーター」「Eel/長魚」「Effigy/彫像」「Efreet/イフリート」「Egg/卵」「Elder/エルダー」「Elemental/エレメンタル」「Elephant/象」「Elf/エルフ」「El-Hajjaj/エル=ハジャジ」「Enchantress/エンチャントレス」「Entity/エンティティ」「Erne/ウミワシ」「Essence/エッセンス」「Exorcist/浄霊者」「Faerie/フェアリー」「Fallen/堕ちたる者」「Farmer/農夫」「Ferret/イタチ」「Fiend/悪鬼」「Fish/魚」「Flagbearer/旗手」「Flying-Men/空飛ぶ男」「Force/フォース」「Fox/狐」「Frog/カエル」「Frostbeast/氷獣」「Fungus/ファンガス」「Fungusaur/キノコザウルス」「Gaea's-Avenger/ガイアの報復者」「Gaea's-Liege/大地のしもべ」「Gargoyle/ガーゴイル」「Gatekeeper/門番」「General/将軍」「Ghost/ゴースト」「Ghoul/グール」「Giant/巨人」「Gnome/ノーム」「Goat/ヤギ」「Goblin/ゴブリン」「Golem/ゴーレム」「Gorgon/ゴルゴン」「Graveborn/墓生まれ」「Gremlin/グレムリン」「Griffin/グリフィン」「Guardian/ガーディアン」「Gus/ガス」「Gypsy/漂泊民」「Hag/ハッグ」「Harlequin/ハーレクイン」「Hell's-Caretaker/地獄の番人」「Heretic/異端者」「Hero/勇士」「Hipparion/ヒッパリオン」「Hippo/カバ」「Homarid/ホマリッド」「Hornet/スズメバチ」「Horror/ホラー」「Horse/馬」「Horseman/ホースマン」「Hound/猟犬」「Human/人間」「Hunter/ハンター」「Hydra/ハイドラ」「Hyena/ハイエナ」「Illusion/イリュージョン」「Imp/インプ」「Incarnation/インカーネーション」「Infernal-Denizen/地獄の住人」「Inquisitor/尋問者」「Insect/昆虫」「Island-Fish/島魚」「Jackal/ジャッカル」「Jellyfish/クラゲ」「Kavu/カヴー」「Keeper/守り手」「Kelp/ケルプ」「King/王」「Kithkin/キスキン」「Knight/騎士」「Kobold/コボルド」「Kraken/クラーケン」「Lady-of-Proper-Etiquette/お上品なおば様」「Leech/ヒル」「Legionnaire/軍団兵」「Lemure/キツネザル」「Leper/アブー=ジャーファル」「Leviathan/リバイアサン」「Lhurgoyf/ルアゴイフ」「Lichenthrope/苔男」「Licid/リシド」「Lion/ライオン」「Lizard/トカゲ」「Lord/ロード」「Lurker/ラーカー」「Lycanthrope/ライカンスロープ」「Mage/メイジ」「Maggot/蛆虫」「Maiden/乙女」「Mammoth/マンモス」「Manticore/マンティコア」「Mantis/カマキリ」「Marid/マリード」「Martyr/殉教者」「Master/マスター」「Medusa/メドゥーサ」「Meerkat/ミーアキャット」「Mercenary/傭兵」「Merchant/商人」「Merfolk/マーフォーク」「Mindsucker/マインドサッカー」「Minion/ミニオン」「Minor/マイナー」「Minotaur/ミノタウルス」「Miracle-Worker/奇跡を起こすもの」「Mist/ミスト」「Mistfolk/ミストフォーク」「Mob/群衆」「Mold-Demon/モールドデーモン」「Monger/モンガー」「Mongoose/マングース」「Monk/モンク」「Monkey/猿」「Monster/モンスター」「Moonfolk/ムーンフォーク」「Mosquito/蚊」「Mummy/ミイラ」「Murk-Dwellers/闇に住まいし者」「Mutant/突然変異」「Myr/マイア」「Mystic/神秘家」「Nameless-Race/名も無き種族」「Narwhal/イッカク」「Necrosavant/ネクロサヴァント」「Nekrataal/ネクラタル」「Niall-Silvain/ニアル=シルヴェイン」「Nightmare/ナイトメア」「Nightstalker/夜魔」「Noble/貴族」「Nomad/ノーマッド」「Octopus/タコ」「Ogre/オーガ」「Ooze/ウーズ」「Orb/オーブ」「Orc/オーク」「Orgg/オーグ」「Ouphe/アウフ」「Ox/雄牛」「Oyster/カキ」「Paladin/聖騎士」「Peacekeeper/平和の番人」「Pegasus/ペガサス」「Pentavite/ペンタバイト」「People-of-the-Woods/森の民」「Pest/邪魔者」「Phantasm/幻影」「Phelddagrif/フェルダグリフ」「Phoenix/フェニックス」「Pig/豚」「Pikemen/長槍兵」「Pincher/ピンチャー」「Pirate/海賊」「Pixie-Queen/ピクシーの女王」「Plant/植物」「Poison-Snake/毒蛇」「Poltergeist/ポルターガイスト」「Pony/ポニー」「Preacher/プリーチャー」「Priest/プリースト」「Prism/プリズム」「Pyknite/ピクナイト」「Rabbit/兎」「Raider/盗賊団」「Ranger/レインジャー」「Rat/ネズミ」「Rebel/レベル」「Reflection/反射」「Rhino/サイ」「Robber/強盗」「Roc/ロック鳥」「Rock-Sled/岩ぞり隊」「Rogue/ならず者」「Rukh/ルフ鳥」「Sage/賢者」「Salamander/サラマンダー」「Samurai/侍」「Sand/砂漠の民」「Saproling/苗木」「Satyr/サテュロス」「Scavenger/スカベンジャー」「Scorpion/蠍」「Scout/スカウト」「Serf/農奴」「Serpent/海蛇」「Shade/シェイド」「Shaman/シャーマン」「Shapeshifter/多相の戦士」「Shark/サメ」「Sheep/羊」「Ship/船」「Shyft/シフト」「Sindbad/シンドバッド」「Singing-Tree/歌う樹」「Sister/修道女」「Skeleton/スケルトン」「Slith/スリス」「Sliver/スリヴァー」「Slug/ナメクジ」「Smith/鍛冶屋」「Snake/蛇」「Soldier/兵士」「Sorceress/ソーサレス」「Spawn/落とし子」「Speaker/代弁者」「Specter/スペクター」「Spellshaper/スペルシェイパー」「Sphinx/スフィンクス」「Spider/蜘蛛」「Spike/スパイク」「Spirit/スピリット」「Sponge/スポンジ」「Sprite/スプライト」「Spuzzem/スパズム」「Spy/スパイ」「Squire/スクワイアー」「Squirrel/リス」「Stangg-Twin/スタングの双子」「Starfish/ヒトデ」「Stone/巨石」「Strider/ストライダー」「Survivor/生存者」「Swarm/大群」「Tactician/戦術家」「Tarpan/ターパン」「Taskmaster/監督官」「Tetravite/テトラバイト」「Thief/盗賊」「The-Biggest-Baddest-Nastiest-Scariest-Creature-You'll-Ever-See/史上最強最凶最驚最恐生物」「Thopter/飛行機械」「Thrull/スラル」「Thundermare/サンダーメア」「Tiger/虎」「Titan/タイタン」「Toad/ヒキガエル」「Tombspawn/屍鬼」「Tortoise/陸亀」「Townsfolk/タウンズフォーク」「Tracker/追跡者」「Treefolk/ツリーフォーク」「Troll/トロール」「Turtle/海亀」「Twin/双子」「Uncle-Istvan/イシュトヴァーンおじ」「Undead/アンデッド」「Unicorn/ユニコーン」「Vampire/吸血鬼」「Vedalken/ヴィダルケン」「Viashino/ヴィーアシーノ」「Villain/悪党」「Viper/バイパー」「Volver/ボルバー」「Vulture/禿鷹」「Walking-Dead/歩く死体」「Wall/壁」「War-Rider/戦場の騎手」「Warrior/戦士」「Warthog/イボイノシシ」「Wasp/ワスプ」「Wave/大波」「Whale/鯨」「Whippoorwill/ホイッパーウィル」「Wight/ワイト」「Wiitigo/ウィーティゴ」「Wildebeest/ヌー」「Will-o'-the-Wisp/鬼火」「Wirefly/針金バエ」「Witch/魔女」「Wizard/ウィザード」「Wolf/狼」「Wolverine/クズリ」「Wolverine-Pack/クズリの群れ」「Wolves-of-the-Hunt/狩人狼」「Wombat/ウォンバット」「Wood/木材」「Worm/蟲」「Wraith/レイス」「Wretched/卑劣なる者」「Wurm/ワーム」「Yeti/イエティ」「Zombie/ゾンビ」「Zubera/ずべら」 クリンナップ・ステップ/Cleanup  クリンナップは終了フェイズの2つめの、そして最後のステップである。このステップでは、状況起因効果や誘発型能力がない限りは呪文や能力はプレイできない。それらが処理された場合、このステップはもう一度繰り返される。rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照。 警戒/Vigilance  警戒は攻撃宣言ステップにおけるルールを修正する常在型能力である。「警戒」を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない (rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。 軽減効果/Prevention Effect  何かが起こることを軽減する効果は、何も無かった事との置き換えを行なう。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。軽減効果は軽減するべきイベントの前に有効にしなければならない。  ある量のダメージを軽減する効果は「盾」のように働き、ダメージを軽減し終えるかターンの終わりまで活動状態を維持する。ダメージは単一のダメージの発生源からでなくても構わないし、同時にまとめて与えられていなくてもよい。  特定のダメージの発生源からの次のダメージを軽減する効果は、ダメージ量にかかわらずその発生源が次にダメージを与えようとする時に適用される。これらの効果はターンの終わった時に終了する。rule 419.8〔ダメージの発生源〕参照。 継続型アーティファクト/Continuous Artifact ※廃語  古いカードの中には、カードのタイプの行に「継続型アーティファクト/continuous artifact」という用語を用いていたものがあった。「継続型アーティファクト」と書かれていたカードは、現在では単に「アーティファクト/artifact」である。 継続的効果/Continuous Effect  継続的効果は、たいていの場合、それに対応する常在型能力を持つパーマネントが場にあるか、またはその効果を発生させているオブジェクトが該当する領域にある限り有効である。呪文や能力によって、パーマネントに依存しない継続的効果が生成されることもある。それらはその呪文や能力が指定した期間だけ有効である。rule 418〔継続的効果〕参照。 権利表記/Legal Text  権利表記(カードの一番下に細かい字で印刷されている)は著作権情報を記載している。ゲーム上は効果を持たない。rule 210〔権利表記〕参照。) ゲームに勝つ/Win the Game  一方のプレイヤーが勝った時、ゲームは直ちに終了する。rule 102〔勝ちと負け〕参照。 ゲームに負ける/Lose the Game  一方のプレイヤーが負けた時、ゲームは直ちに終了する。rule 102〔勝ちと負け〕参照。 ゲームの行動/Game Action  いくつかのステップでは、スタックを使用しない行動を行う。これらの行動がゲームの行動である。ゲームの行動は以下のものである: アンタップ・ステップの始めにフェイズ・インおよびフェイズ・アウトすること(rule 302 参照)、アンタップ・ステップの始めにアンタップすること(rule 302 参照)、ドロー・ステップの始めにカードを1枚引くこと(rule 303 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの始めに攻撃クリーチャーを指定すること(rule 308 参照)、ブロック・クリーチャー指定ステップの始めにブロック・クリーチャーを指定すること(rule 309 参照)、クリンナップ・ステップの始めにアクティブ・プレイヤーが手札を最大枚数まで減らすように捨てること(rule 314 参照)、クリンナップ・ステップの始めに、パーマネントからダメージを取り除き、「ターン終了時まで/until end of turn」の効果を終了すること(rule 314 参照)。  フェイズの終わりにマナ・バーンすることもゲームの行動である。rule 300.3 参照。 ゲーム外/Removed from the Game  ゲーム外に置かれたカードはプレイの外にある。それをゲーム外に置いた効果に、それを戻す方法が特定されていることがある。そういうオブジェクトの中には「脇に置く/Set aside」という語を使っている物もある。rule 217.7〔ゲーム外〕参照。 コインを投げる/Flip a Coin  コインを投げるとは、一方のプレイヤーがコインを放り投げ、他方のプレイヤーが、コインが空中にある間に「表/heads」か「裏/tails」を宣言することである。使うコインのどちらが「表」でどちらが「裏」か分かりにくい場合には、一方を「表」、他方を「裏」と決めておく。コインが手元にない場合には、代わりにさいころを振ってもよい。 効果/Effect  「能力」と「効果」は、しばしばお互いに混同された。呪文や能力が解決すると、単発的効果ないし継続的効果が一つ以上発生することがある。常在型能力は、継続的効果を一つ以上発生させることがある。置換効果や軽減効果といった種類の効果もある。状況起因効果は呪文や能力によって発生するものではなく、ゲームの特定の状態によって生じる。rule 416〔効果〕参照。 交換/Exchange  呪文や能力は、2人のプレイヤーに、解決時に(ライフの合計や2つのパーマネントのコントロールなどの)何かを解決時に交換するように指示することがある。その種の呪文や能力の解決時に、その選択されたものが交換できなかった場合、何も効果は発生しない。 例:呪文が2つの対象のクリーチャーのコントロールを交換するように指示していて、その解決時に片方が破壊されていた場合、呪文は何も効果を表わさない。あるいは、2つの対象のクリーチャーのコントロールを交換するように指示していて、その両方を同じプレイヤーがコントロールしているときも効果は発生しない。  2つのパーマネントのコントロールが交換されたとき、それぞれのプレイヤーは同時にそれまで他のプレイヤーがコントロールしていたパーマネントのコントロールを得る。  ライフの合計が交換されたとき、それぞれのプレイヤーはその変化分だけライフを得たり失ったりする。それらの増減に関して、置換効果は影響を及ぼすことがありえるし、誘発型能力が誘発することもありうる。  呪文や能力の中には、ある領域にあるカードを別の領域にあるカードと交換するように指示するものもある(例えば、ゲーム外にあるカードと手札にあるカードを、など)。これらの呪文や能力は、そのコントローラーが同一であっても働くということを除いて、他の「交換」する呪文や能力と同じように働く。  呪文や能力の中には、2つの領域を丸ごと交換するよう指示するものもある。この場合、一方の領域が空であっても、双方の領域にあるカードは交換される。 攻撃/Attack  戦闘フェイズの間に攻撃クリーチャーとして指定されたクリーチャーは攻撃する。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。  呪文や能力をプレイすることは(戦闘フェイズ中でも)攻撃とは考えない。 攻撃クリーチャー/Attacking Creature  クリーチャーが攻撃クリーチャーになるのは、(a)戦闘フェイズ中に指定された、適正な攻撃に含まれており、かつ、(b)攻撃に必要なコストがすべて支払われた時である。攻撃クリーチャーは、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでは無くなるか、コントローラーが変わるか、または戦闘フェイズが終わるまで攻撃クリーチャーでありつづける。攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。 攻撃クリーチャー指定/Declare Attackers  攻撃クリーチャーの指定とは、アクティブ・プレイヤーが、攻撃に参加するクリーチャーの一群を選び出し、それらが攻撃するのに必要なコストを支払うことである。攻撃に参加できるのはクリーチャーのみである。また、以下のクリーチャーは攻撃できない: タップ状態のクリーチャー(攻撃に参加してもタップしないクリーチャーであっても)、および、アクティブ・プレイヤーがターンの開始時から継続してコントロールしているのではないクリーチャー(速攻を持つものを除く)。他の効果により、あるクリーチャー群が攻撃できるか否かが影響を受けることもある。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 攻撃クリーチャー指定ステップ/Declare Attackers Step  攻撃クリーチャー指定ステップは戦闘フェイズの第2のステップである。アクティブ・プレイヤーはこのステップ中に攻撃クリーチャーを宣言する。その後で、アクティブ・プレイヤーは優先権を得、呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。 攻撃された/Attacked  誘発型能力の中には、プレイヤーが「攻撃された」時に誘発するものがある。少なくとも1体のクリーチャーがそのプレイヤーを攻撃しない限り、この種の能力は誘発しない。また、「攻撃された」とは、「1体以上のクリーチャーで攻撃された」ことを指すので、この種の能力は1回の戦闘フェイズにつき1回しか誘発しない。rule 306.3 参照。 攻撃してブロックされなかった/Attacks and Isn't Blocked  クリーチャーが「攻撃してブロックされなかった」時に誘発する能力は、クリーチャーが「ブロックされなかった攻撃クリーチャー」になった時点で誘発する。rule 309.3 参照。 攻撃強制、ブロック強制/Requirement  攻撃強制とは1体以上のクリーチャーを攻撃に参加させる効果のことであり、ブロック強制とは1体以上のクリーチャーをブロックに参加させる効果のことである。全ての攻撃やブロックは適正でなければならない。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 攻撃制限、ブロック制限/Restriction  攻撃制限とはクリーチャーを攻撃に参加させない効果のことであり、ブロック制限とはクリーチャーをブロックに参加させない効果のことである。全ての攻撃やブロックは適正でなければならない。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 構築/Constructed  構築環境でのプレイにおいて、各プレイヤーは、最低60枚からなる各自のデッキ、トークンやカウンターを表す小物、および、ライフ総量を明確に記録するための何らかの手段が必要である。構築環境でのデッキには、基本地形カードは何枚入れてもよいが、それ以外は、同一の英語名のカード1種類につき4枚までしか入れることはできない。rule 100.2 参照。 刻印/Imprint  刻印は起動型もしくは誘発型能力であり、「刻印 ─ [文章]/Imprint - [文章]」という形で記述される。この[文章]の部分は、起動型もしくは誘発型の能力である。この能力によりゲームから取り除かれたカードがゲーム外にあるかぎり、そのカードはこのパーマネントに刻印されているという。rule 502.34〔刻印〕参照。 刻印されている[タイプ]カード/Imprinted [type] card  「刻印されている[タイプ]カード/imprinted [タイプ] card」とは、現在そのパーマネントに刻印されているそのタイプのカードを意味する。パーマネントにそのタイプのカードが複数刻印されている場合、そのそれぞれが「刻印されている[タイプ]カード」である。rule 502.34〔刻印〕参照。 コスト/Cost  呪文や起動型能力にはコストの支払いが必要である。ほとんどの場合、コストはマナであるが、ライフの支払いやパーマネントのタップ、あるいは生け贄に捧げること、またはカードを捨てることなどが含まれうる。  必要な資源がすべて揃っていないときにコストを支払うことはできない。例えば、1点しかライフがないプレイヤーは2点のライフを支払うことができないし、タップ状態のパーマネントをタップすることをコストにあてることはできない。rule 203〔マナ・コストと色〕、rule 403〔起動型能力〕参照。 コピー/Copy  オブジェクトの「コピー/copy」とは、そのコピー可能な値が元のオブジェクトの値に設定されたオブジェクトである。rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照。 コピー可能な値/Copiable Value  オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに書かれた値に、他のコピー効果による修整を加え、裏向きにする呪文やパーマネントによる値の設定を加味した値である。他の(タイプを変更するものも含む)効果やカウンターはコピーされない。rule 503.2、rule 503.3 参照。 コレクター番号/Collector Number  カード・セットの中には、コレクター番号が振られているものがある。この情報は、「[カード番号]/[そのセットのカードの総数]」の形式で、権利表記のすぐ後に印刷されている。これらの番号は、ゲームにおいては一切効果を持たない。rule 211〔コレクター番号〕参照。 個別エンチャント/Local Enchantment  個別エンチャントは、エンチャントの一区分である。個別エンチャントは「エンチャント([何か])」として表わされ、場にある間はその[何か]につけられている。rule 212.4〔エンチャント〕参照。  個別エンチャントが不正なパーマネントやプレイヤーにエンチャントしていたり、つけられていたパーマネントが存在しなくなったり、つけられていたプレイヤーがゲームから外れたりした場合、そのエンチャントはオーナーの墓地に起かれる。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。 コントロール、コントローラー/Control/Controller  パーマネントのコントローラーは、そのパーマネントを場に出した呪文や能力に特記されていなければ、それを場に出したプレイヤーである。他の効果によって、後で変更されることもある。  スタックにある呪文や起動型能力のコントローラーは、それをプレイしたプレイヤーであり、誘発型能力のコントローラーは、その能力の発生源の、誘発時点でのコントローラーである。  場やスタック以外の領域に存在するオブジェクトにはコントローラーは存在しない。コントローラーを持たないオブジェクトのコントローラーを参照する場合には、代わりにそのオーナーを用いる。 サイクリング/Cycling  サイクリングは起動型能力であり、サイクリングを持ったカードがプレイヤーの手札にある間にのみ機能する。「サイクリング [コスト]」とは、「[コスト], このカードを捨てる:カードを1枚引く」ということを意味する。rule 502.18〔サイクリング〕参照。 最後の情報/Last Known Information  オブジェクトの最後の情報とは、それが以前に存在した領域を離れる直前での情報である。呪文や能力に解決によって発生する効果がオブジェクトの情報を必要とする際に、そのオブジェクトがしかるべき領域にない場合には、そのオブジェクトの最後の情報を用いる。rule 413.2f 参照。 再生/Regenerate  再生は、破壊に対する置換効果である。「[パーマネント]を再生する/Regenerate [パーマネント]」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される場合、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」という意味である。これは置換効果なので、実際の破壊イベントが起こるより前に有効にしておく必要がある。そのパーマネントが再生したとしても、ダメージによる誘発型能力は誘発する。rule 419.6b 参照。 探す/Search  例えば特定のタイプ、色などの何らかの条件を満たすカードを、すべてのプレイヤーには公開されていない領域から探す必要がある場合、存在しても見つける必要はないが、見つけたとする場合には、そのカードを公開しなければならない。もしカードを見つけなくても、その領域は探したものとみなされる。しかしながら、「任意のカード/any card」を探す場合には、可能ならばカードを見つけなければならない。「カード1枚」「カード3枚」など、単にある数のカードを探す場合、(可能なかぎり)その枚数のカードを見つけなければならない。このカードは公開する必要はない。 例:何らかの効果により、あるプレイヤーのライブラリーからある種類のカードを全て取り出し、ゲームから取り除く、と言う場合には、その一部を残すことができる。しかし、その効果がライブラリーから3枚を探すという場合、ライブラリーに3枚以上のカードがあるなら、2枚以下を選ぶことはできない。 サブゲーム/Subgame  あるカード(《シャヘラザード/Shahrazad》)は、プレイヤーにマジックのサブゲームをプレイさせる。「サブゲーム」とは《シャヘラザード》によって作られたゲームのことを指す。rule 506〔サブゲーム〕参照。 サブタイプ/Subtype  カードは、タイプ行に記された、1つまたは複数のサブタイプを持つことがある。サブタイプは常に一単語であり、長いダッシュの後に列記された単語群であり、それぞれの単語は別々のサブタイプである。 (訳注:日本語版では、それぞれのサブタイプの間に中黒(・)が入っている)  アーティファクトのサブタイプはアーティファクト・タイプ、クリーチャーのサブタイプはクリーチャー・タイプ、エンチャントのサブタイプはエンチャント・タイプ、インスタントのサブタイプはインスタント・タイプ、土地のサブタイプは土地タイプ、ソーサリーのサブタイプはソーサリー・タイプとも呼ばれる。オブジェクトは複数のサブタイプを持つことがあり得る。  アーティファクト・クリーチャーのタイプ行にサブタイプが書かれている場合、それはクリーチャー・タイプである。アーティファクト・土地のタイプ行にサブタイプが書かれている場合、それは土地タイプである。  ほとんどのカード・タイプには、それぞれに固有のサブタイプ群が存在する。しかし、インスタントとソーサリーに関しては共通のサブタイプが存在する。それらを総称して「呪文タイプ」と呼ぶことがある。  rule 205.3〔サブタイプ〕、rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。 シールド・デッキ/Sealed-Deck  シールド・デッキ戦やドラフト戦においては、デッキには最低40枚のカードがあればよく、持っているかぎり何枚でも同名のカードをデッキに入れることができる。この場合も、トークンやカウンターを表す小さな道具は必要であり、またライフの合計を記す手段も必要である。rule 100.3 参照。 しないかぎり/Unless  カードの中には「○○しないかぎり、××する/do [××] unless [○○]」と書かれているものがある。これは「○○してもよい。そうしない場合、××する」というのと同じ意味である。 支払う/Pay  ほとんどの呪文や起動型能力をプレイするには、コストを支払う必要がある。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。また、攻撃クリーチャーの指定(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)、ブロック・クリーチャーの指定(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)の際にも、コストを支払う必要があることがある。  マナの支払いは、そのプレイヤーのマナ・プールからその必要なだけのマナを除くことで支払うことができる。マナの支払いが求められた時には、いつでもマナ能力をプレイすることができる。実際に支払いはじめる前に、マナ能力をプレイしてある必要がある。ライフを支払うとは、その必要なだけのライフをプレイヤーのライフ総量から減らすことである。プレイヤーはその時に持っている分を超えてマナやライフを支払うことはできない。コストが0マナあるいは0点のライフであれば、ライフがマイナスであったとしても、常に支払うことができる。  それ以外のあらゆるコストを支払う場合、その呪文、能力、効果に指定されている内容を実行する。その内容を実行できない場合、そのコストを支払うことはできない。例えば、クリーチャーが既にタップ状態のときには、そのクリーチャーをタップすることを求めるコストは支払うことができない。  それぞれの支払いは、それぞれ一つの呪文か能力にしか適用できない。例えば、一つのクリーチャーを生け贄に捧げることで二つのパーマネントの持つ、それぞれクリーチャーを生け贄に捧げることをコストとして求める起動型能力を起動することはできない。呪文や能力の解決によって、たとえ他の呪文や能力のコストとして要求されているのと同じことをしたとしても、そのコストを支払ったことにはならない。 島/Island  「島/Island」は、5種類の基本地形タイプのうちの1つである。土地タイプとして島を持つ土地は、「{T}: あなたのマナ・プールに{U}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 島サイクリング/Islandcycling  土地サイクリング参照。 島渡り/Islandwalk  土地渡り参照。 シャッフル/Shuffle  デッキ、ライブラリー、束を無作為に並べ替えることをシャッフルするという。自分のデッキ、ライブラリー、束をシャッフルした後には、対戦相手にシャッフルまたはカットの権利がある。rule 101.1 参照。 シャドー/Shadow  シャドーは回避能力の一つである。シャドーを持つ攻撃クリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーによってブロックされず、シャドーを持たない攻撃クリーチャーはシャドーを持つクリーチャーによってブロックされない。rule 502.8〔シャドー〕参照。 終了フェイズ/End Phase  終了フェイズは、ターンの5つ目の、そして最後のフェイズであり、ターン終了とクリンナップの2つのステップに細分化される。rule 312〔終了フェイズ〕参照。 術者/Caster ※廃語  古いカードの中には、「術者/caster」という単語を用いて、呪文をプレイしたプレイヤーを表しているものがある。一般に、「術者」という単語を用いていたカードは、現在ではそのオブジェクトの「コントローラー/controller」という単語を用いる。 呪文/Spell  土地以外のカードは、それがプレイされてから打ち消されるか解決されるまでの間、呪文と呼ばれる。カードによって表されてはいないが、呪文のコピーもまた呪文である。rule 213〔呪文〕、rule 401〔スタック上の呪文〕参照。 種類別/Layer  継続的効果は、以下の種類順に適用される。(1)コピー効果(rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)、(2)コントロール変更効果、(3)文章変更効果、(4)タイプ(および特殊タイプ、サブタイプ)変更効果、(5)一般の継続的効果、(6)パワーやタフネスを変更する継続的効果。rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照。 順番/Order  ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果によらずに変更することはできない。他の領域にあるオブジェクトは、オーナーの望むとおりに並び替えることができる。ただし、コントローラーが誰か、タップしているかどうか、個別エンチャントや装備品の状態はどうかということは両方のプレイヤーに明白にわからなければならない。rule 217.1b 参照。 召喚/Summon ※廃語  古いクリーチャー・カードは、カード・タイプが「[クリーチャー・タイプ]の召喚/Summon [クリーチャー・タイプ]」と書かれていた。「[クリーチャー・タイプ]の召喚」というカードは、すべて「クリーチャー - [クリーチャー・タイプ]」と読みかえる。 召喚酔い/Summoning Sickness ※俗語  「召喚酔い/summoning sickness」という語は、あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーのコントロール下に入ったクリーチャーが攻撃することもコストにタップを含む起動型能力を使うこともできない、という制限を示す、非公式な語である。rule 212.3d および速攻参照。 状況起因効果/State-Based Effects  状況起因効果は、ゲームの特定の状態を常にチェックしている。プレイヤーが優先権を得る時はいつでも状況起因効果をチェックし、そしてそれが適用される。rule 420〔状況起因効果〕参照。 常在型能力/Static Ability  常在型能力は、ある特定の時にプレイされるのではなく、常に何かをしている。常在型能力は、その能力を持つパーマネントが場に残っているか、その能力を持つオブジェクトが該当する領域に残っている限り有効な継続的効果を生成する。呪文や能力によってパーマネントに依存しない継続的効果が生成されることもある。これらはある一定の期間、あるいはゲームの間ずっと、残る。rule 412〔常在型能力の処理〕参照。 (訳注:これの後半部分は、継続的効果の説明ではないかと思われます) 消散/Fading  「消散/Fading」は、パーマネントをある期間だけ場に残すようにするキーワード能力である。「消散 [X]/Fading X」は、「このパーマネントは、その上にX個の消散カウンターが置かれた状態で場に出る。」および「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントから消散カウンターを1つ取り除く。消散カウンターを取り除けない場合、このパーマネントを生け贄に捧げる」という意味である。rule 502.20〔消散〕、カウンター参照。 状態誘発型能力/State Triggers  状態誘発型能力は、イベントではなくゲームの状態をチェックし、ある条件を満たしたときに即座に誘発する誘発型能力である。一度誘発したら、その能力が解決されるか打ち消されるまではもう一度誘発することはない。rule 410.11 参照。 親和/Affinity  「親和/Affinity」は、呪文がスタックの上にあるときに働く常在型能力である。「親和(テキスト)/Affinity for [テキスト]」は、「この呪文をプレイするためのコストは、あなたがコントロールする[テキスト]1つにつき{1}少なくなる。」を意味する。親和能力は、汎用マナ・コストのみを減らす。それは呪文のために支払う色マナを減らさない。親和能力により、呪文をプレイするためのコストが0未満になることはない。rule 502.31〔親和〕参照。 スタック/Stack  呪文や能力は、プレイされた時点、あるいはスタックに置かれた時点で、スタックの一番上に積まれる。戦闘ダメージの割り当ても、1つのオブジェクトであるかのように、スタックの一番上に積まれる。双方のプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の呪文、能力、あるいは戦闘ダメージが解決され、そしてアクティブ・プレイヤーが再び優先権を得る。rule 217.6〔スタック〕、rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕参照。 ステップ/Step  フェイズの中には、ステップに細分化されるものがある。rule 3〔ターン進行〕参照。 捨てる/Discard  プレイヤーが、その手札からカードをその墓地に置くことをカードを捨てるという。通常、どのカードを捨てるかはその影響を受けるプレイヤーが選ぶ。しかし、効果によっては、無作為に捨てるよう要求されたり、捨てるカードを他のプレイヤーが選べたりすることがある。 ストーム/Storm  ストームは、呪文をスタックに置く際に機能する誘発型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。1つの呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。 スレッショルド/Threshold  スレッショルドは常在型能力である。スレッショルドを持つオブジェクトは、そのコントローラーの墓地に7枚以上のカードがある場合に、「スレッショルド -/Threshold -」以下の文章を持つ。そうでない場合、「スレッショルド -」以下の文章はオブジェクト上に存在しないものとして扱う。スレッショルドを持つインスタントまたはソーサリーは、スタック上にある場合にのみスレッショルド文章を持つ。スレッショルドを持つアーティファクト、クリーチャー、エンチャントまたは土地は、場にある場合にのみスレッショルド文章を持つ。rule 502.23〔スレッショルド〕参照。 生息条件(島)/Islandhome ※廃語  古いカードの中には、「生息条件(島)/islandhome」という用語が書かれているものがあった。この用語は、「このクリーチャーは、防御側プレイヤーが島をコントロールしていない限り攻撃できない」こと、および「あなたが島をコントロールしていない時、このクリーチャーを生け贄に捧げる」ことを意味する。従来、生息条件(島)を持っていたカードには、現在、このキーワードを用いずに、単にこれら2つの生息条件(島)の能力が書かれている。 接合/Modular  接合というキーワードは、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「接合 X/Modular X」は、「このパーマネントは、X個の+1/+1カウンターを置いた状態で場に出る。」と「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」を意味する。rule 502.35〔接合〕参照。 占術/Scry  占術は、呪文や能力の解決時に機能する常在型能力である。「占術 X/Scry X」は、「あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る。それらのうち望む枚数のカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。」を意味する。rule 502.36〔占術〕参照。 先制攻撃/First Strike  先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。戦闘ダメージ・ステップの始めに、1体以上の攻撃クリーチャーないしブロック・クリーチャーが、先制攻撃または二段攻撃(rule 502.28 参照)を持っている場合、先制攻撃も二段攻撃も持たないクリーチャーは戦闘ダメージの割り振りを行わない。戦闘終了の前に、戦闘フェイズ中で2回目の戦闘ダメージ・ステップを行い、残りのクリーチャーについて処理を行なう。rule 502.2〔先制攻撃〕参照。 戦闘開始ステップ/Beginning of Combat Step  戦闘開始ステップは、戦闘フェイズの最初のステップである。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 307〔戦闘開始ステップ〕参照。 戦闘から取り除かれる/Removed from Combat  攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーは、(破壊されたりゲームから取り除かれたりで)場を離れたり、再生したり(rule 419.6b 参照)、コントローラーが変わったり、クリーチャーでなくなったり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれた場合に、戦闘から取り除かれる。  クリーチャーが戦闘から取り除かれた場合、それらは攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーではなくなり、ダメージを割り振ったり割り振られたりはしなくなる。既にスタックに積まれている戦闘ダメージは通常通り適用される。rule 306.2 および rule 310.4a 参照。 戦闘後/Postcombat  第2メイン・フェイズは、「戦闘後」メイン・フェイズと呼ばれる。追加の戦闘フェイズを与えるような効果が発生した場合、その追加のものも戦闘後メイン・フェイズである。rule 305〔メイン・フェイズ〕参照。 戦闘終了ステップ/End of Combat Step  戦闘終了ステップは戦闘フェイズの第5のステップである。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 311〔戦闘終了ステップ〕参照。 戦闘ダメージ/Combat Damage  戦闘ダメージは戦闘フェイズの戦闘ダメージ・ステップに攻撃クリーチャー及びブロック・クリーチャーによって与えられる。呪文や能力によって戦闘フェイズ中に与えられたダメージは戦闘ダメージに含まれない。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。 戦闘ダメージ・ステップ/Combat Damage Step  戦闘ダメージ・ステップは、戦闘フェイズの第4のステップである。攻撃クリーチャーとブロック・クリーチャーは、戦闘ダメージ・ステップにおいて同時にダメージを与える。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。いずれかの攻撃クリーチャーないしブロック・クリーチャーが、先制攻撃(rule 502.2 参照)か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持つ場合、戦闘ダメージ・ステップは2回発生する。 戦闘ダメージの割り振り/Assign Combat Damage  戦闘ダメージ・ステップが始まる際に、アクティブ・プレイヤーは、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言する。それから、防御側プレイヤーは、ブロック・クリーチャーの戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言する。戦闘ダメージの割り振りは、すべて一まとめにしてスタックに乗せられる。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。 戦闘フェイズ/Combat Phase  戦闘フェイズは戦闘開始、攻撃クリーチャー指定、ブロック・クリーチャー指定、戦闘ダメージ、戦闘終了の5つのステップからなる、ターンの3番目のフェイズである。rule 306-rule 311 参照。 戦闘前/Precombat  第1メイン・フェイズは、「戦闘前」メイン・フェイズと呼ばれる。 全体エンチャント/Global Enchantment  全体エンチャントは、エンチャントの一区分である。全体エンチャントは「エンチャント(場)/Enchantment」と書かれており、場にあるときに他のパーマネントにつけられるものではない。rule 212.4〔エンチャント〕参照。 ソーサリー/Sorcery  ソーサリーはタイプである。アクティブ・プレイヤーは、自分のメイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない時にだけ、ソーサリーをプレイする事ができる。ソーサリー呪文は、解決の一部としてそのオーナーの墓地に置かれる。rule 212.7〔ソーサリー〕参照。 ソーサリー・タイプ/Sorcery Type  ソーサリーのサブタイプは常に一単語であり、「ソーサリー ─ 秘儀」のように、長いダッシュの後に列記されている。ソーサリーのサブタイプはまたソーサリー・タイプとも呼ばれる。ソーサリーのサブタイプで、インスタントのサブタイプでもあるものは呪文タイプと呼ばれる。  神河物語の時点で用いられているソーサリー・タイプは以下の通り。 「秘儀/Arcane」 総キャスティング・コスト/Total Casting Cost ※廃語  古いカードの中には、「総キャスティング・コスト/total casting cost」という用語を用いて、呪文の点数で見たマナ・コストを指しているものがあった。一般に、「総キャスティング・コスト」という用語を使っていたカードは、現在では点数で見たマナ・コストという用語を使っている。 総コスト/Total Cost  呪文や起動型能力の総コストとは、マナ・コスト(または起動コスト、代替コスト)に、コストを増減させる全ての効果を考慮したものである。rule 409.1f 参照。 双呪/Entwine  「双呪/Entwine」は、呪文がスタックにある間に働く常在型能力である。「双呪 [コスト]/Entwine [コスト]」は、「あなたは、この呪文のモードを一つだけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは[コスト]を追加で支払う。」を意味する。双呪コストを支払った場合には、その呪文の解決時に、カードに書かれたテキストの順番に従って各モードを解決する。rule 502.32〔双呪〕参照。 装備/Equip  「装備/Equip」は起動型能力である。「装備 [コスト]/Equip [コスト]」は、「[コスト]:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、この装備品をそれの上に移動する。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。rule 502.33〔装備〕、rule 212.2〔アーティファクト〕参照。 装備品/Equipment  アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつける(「装備される/equip」)ことができる。クリーチャーでないオブジェクトに装備されることはできない。装備品は、他のアーティファクトと同様にプレイされ、場に出る。装備品がクリーチャーにつけられた状態で場に出ることはない。「装備/equip」のキーワード能力で、装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーの上に動かすことになる(rule 502.33〔装備〕参照)。クリーチャーは装備品を「装備し」、装備品はクリーチャーにつけられる、あるいは「装備される」。  装備品がクリーチャーである場合、クリーチャーに装備することはできない。「装備品」というサブタイプを失った装備品は、クリーチャーを装備することはできない。装備品は自分自身を装備することはできない。不適正あるいは存在しないパーマネントを装備している装備品は、そのパーマネントを装備することを止めるが、場に残ったままである(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 側面攻撃/Flanking  側面攻撃は、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。「側面攻撃/Flanking」とは、「このクリーチャーが、側面攻撃を持たないクリーチャーによってブロックされた場合、そのブロック・クリーチャーはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける」という意味である。rule 502.3〔側面攻撃〕参照。 速攻/Haste  通常、クリーチャーは、あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーのコントロール下に入った場合、攻撃することもコストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使うこともできない。速攻は、そのルールを無視させることのできる常在型能力である。rule 502.5〔速攻〕参照。 増幅/Amplify  増幅は、場に出るに際してのルールを変更する常在型能力である。「増幅 [X]」は、「このオブジェクトが場に出るに際し、あなたの手札にあるそのオブジェクトと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このオブジェクトは、これにより公開されたカード1枚につきX個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このカード自身や、このカードと同時に場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。rule 502.27〔増幅〕参照。 ターン終了ステップ/End of Turn Step  これは、終了フェイズの最初のステップである。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 313〔ターン終了ステップ〕参照。 ターンの終了/Ending the Turn 1枚のカード(《時間停止/Time Stop》)は、解決時にターンを終了する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。スタック上のすべてのオブジェクトをゲームから取り除く。攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーがいるなら、それを戦闘から取り除く。状況起因効果をチェックする。現在のフェイズ/ステップが終了する。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行する。rule 509〔ターンの終了〕参照。 対応する/Respond/Response ※俗語  プレイヤーは、何かがスタックに積まれているときに、それが解決されるのを待たずにインスタントや起動型能力をプレイすることができる。そうしてプレイされた呪文や能力を、その前の呪文や能力に「対応して」プレイされた、という。rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照。 対象/Target  呪文や能力に「対象」という語が存在した場合、呪文や能力のコントローラーはその条件にふさわしい何かを選ぶ。単純に「土地1つを対象とする」というようなこともあれば、「あなたの対戦相手の一人がコントロールしているタップ状態のクリーチャー1体を対象とする」といったような、より複雑な場合もある。呪文や能力の対象の選択は、その呪文や能力をプレイするときに行なう。rule 415〔対象をとる呪文や能力〕参照。  インスタントやソーサリーは、「[何か]を対象とする/target [何か]」という記述が文章中にある場合に対象をとる。ここで「何か」とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現である(インスタントやソーサリーの起動型能力や誘発型能力が「対象」の語を使っていても、それらの能力が対象をとるだけで、その呪文は対象をとらない)。  起動型能力や誘発型能力は、「[何か]を対象とする/target [何か]」という記述が文章中にある場合に対象をとる。ここで「何か」とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現である。  個別エンチャント呪文は、「対象」という語を用いないが、それがエンチャント使用とするパーマネントやプレイヤーを必ず対象にする(rule 415.3 参照)。個別エンチャント・パーマネントは何も対象を取らない。  装備品呪文や装備品パーマネントは対象を取らない(rule 415.3 参照)。装備品は対象を取る能力を持つことがある。  スタック上にある呪文や能力は、自分自身を対象にできない。  同じオブジェクトやプレイヤーを複数回対象にする呪文は、「単一の対象を取る呪文」ではない。 対象の変更/Change a Target  呪文や能力の対象を変える場合には、元の対象とは別の、適切な対象に変えることしかできない。対象を、別の適切な対象に変えることができない場合、対象は元のまま変わらない。呪文や能力の対象を変えても、そのモードを変えることはできない。呪文や能力の対象を変えることができるのは、何らかの効果によってその対象を変えるよう指示された場合のみである。rule 415.7〔対象の変更〕参照。 対戦相手/Opponent  プレイヤーの対戦相手とは、他のプレイヤーのことである。 タイプ/Type  タイプという語には2つの意味がある。  1)「カードのタイプ(あるいはサブタイプ)」であり、これはカードの絵のすぐ下、タイプ行に記されている。カード、トークン、パーマネントは全てタイプを持つ。能力にはタイプは存在しない。rule 205〔タイプ行〕、rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。何らかの効果によってオブジェクトのタイプが変更される場合、新しいタイプは以前のタイプを全て上書きする。追加する場合、あるいは以前のタイプを残すと書かれている場合は、元のタイプはそのまま残る。rule 212.1c 参照。  2)マナのタイプとは、その色(または色を持たないこと)である。マナ参照。 タイプ行/Type Line  カードのタイプ(存在する場合、サブタイプや特殊タイプも)は、絵のすぐ下に印刷されている。rule 205〔タイプ行〕、rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。 タイプ変更効果/Type-Changing Effect  タイプ変更効果とは、オブジェクトのタイプを変更する効果である。これはタイプ変更能力によって生成される。rule 418.5a 参照。 タイムスタンプ順/Timestamp Order  オブジェクトのタイムスタンプ順は、三つの例外を除いて、その現在ある領域に入った時である。例外とは、(1)複数のオブジェクトが同じ領域に同時に入った場合、その領域に入るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。但し、個別エンチャントはそれがエンチャントしているパーマネントよりも新しいタイムスタンプを持たなければならない。(2)個別エンチャントや装備品がパーマネントについたときに、そのエンチャントや装備品は新しいタイムスタンプを得る。(3)フェイズ・インしてきたパーマネントは、フェイズ・アウトしたときのタイムスタンプを維持する。rule 418.5e 、および依存する参照。  常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したオブジェクトと同じタイムスタンプを有する。呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、生み出された時のタイムスタンプを得る。 多色/Multicolored  多色のカードは、複数の色を持っており、はっきりと識別できるように金色の枠になっている。rule 203.2 参照。  多色のオブジェクトは、そのうちの一つの色に影響を及ぼすものの影響を受ける。例えば、黒緑のクリーチャーは「緑のクリーチャーを全て破壊する」という呪文によって破壊される。ある特定の色に影響を及ぼさないものは、その色を含む多色のオブジェクトにも影響を及ぼさない。例えば、前述のクリーチャーは「黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」呪文や能力の対象にはならない。 立ち消え/Fizzle ※俗語  「立ち消え/fizzle」は俗語であり、呪文や能力が、その対象がすべて、消えたり不正になったりしたために、解決時に打ち消されることを指す。rule 413.2a 参照。 タップ/Tap  パーマネントをタップするとは、カードを横向きに倒すことである。起動コストに書かれているタップ・シンボル(このルール中では{T}で記されている)は「このパーマネントをタップする」を意味する。すでにタップ状態のパーマネントは、コストとして再びタップすることはできない。プレイヤーが最も最近のターンの開始時から続けてコントロールしているわけではないクリーチャーの、コストに{T}を含む能力をプレイすることはできない。rule 104.4 参照。 タップ状態/Tapped  横向きになっているパーマネントはタップ状態であり、それが既に使われたということを意味する。パーマネントは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップする。タップ、アンタップ、アンタップ状態参照。 盾/Shield  置換、軽減効果は、それが影響するモノに「盾」のように働く。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 束/Pile  オブジェクトを複数の束に分ける場合、それらのオブジェクトは元の領域にあるままである。墓地にあるカードを分ける場合、その元の順番は守られなければならない。束は0個のオブジェクトからなっていてもよい。 タフネス/Toughness  クリーチャー・カードの右下隅に記されている、スラッシュの後の数字をクリーチャーのタフネスという。rule 208〔パワー/タフネス〕参照。  クリーチャーのタフネス以上(で1点以上)のダメージが与えられたクリーチャーは致死ダメージを受け、次にプレイヤーが優先権を得るときに破壊される。これは状況起因効果である。  一部のオブジェクトでは、タフネスが数字でなく「*」で表わされているものもある。これは、そのクリーチャーはタフネスを何らかの条件で定める特性定義能力を持っているということを示している。場に出ていない間、それは0である。 単独で攻撃/Attack Alone  クリーチャーが、ある戦闘フェイズにおいて唯一の攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーは単独で攻撃していると言う。rule 306.4 参照。 単独でブロック/Block Alone  クリーチャーが、ある戦闘フェイズにおいて唯一のブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーは単独でブロックしていると言う。rule 306.4 参照。 単発型アーティファクト/Mono Artifact ※廃語  古いカードには、「単発型アーティファクト/mono artifact」というタイプ行を持つものがある。これらは、タップ・シンボルを持つアーティファクトであった。単発型アーティファクト・カードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。 単発的効果/One-Shot Effect  単発的効果は、一度だけ何かをして、すぐに終わる。rule 417〔単発的効果〕参照。継続的効果参照。 代替コスト/Alternative Cost  呪文の中には、テキストに「あなたは[オブジェクト]をプレイするために、マナ・コストを払わずに[行動]することができる」と書かれていたり、「[このオブジェクト]はマナ・コストを払わずにプレイしてもよい」という一節が含まれていたりするものがある。これらを代替コストと言う。呪文のマナ・コストが何であるかを参照する他の呪文や能力は、コストに加えられた変更を考慮せず、実際のマナ・コストを参照する。何らかの効果が呪文をプレイするために追加のコストを要求してきた場合、代替コストにそれを追加する。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。 ダメージ/Damage  ダメージはクリーチャーやプレイヤーに対して与えることができる。  プレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーのライフ総量から減らされる。  クリーチャーに与えられたダメージは、ターンの終わりまでそのクリーチャーの上に残る。クリーチャーがクリーチャーでなくなっても、ダメージは残る。そのタフネス以上のダメージを受けたクリーチャーは、致死ダメージを受けて破壊される。rule 420〔状況起因効果〕参照。ダメージによって、クリーチャーのタフネスが変化することはない。クリーチャーでないパーマネントは、ダメージの影響を受けない(但し、ダメージが取り除かれる前に再度クリーチャーとなった場合、そのクリーチャーは破壊されることがありうる)。クリンナップ・ステップの間に、全てのダメージはパーマネントから取り除かれる。  コストや効果の中で、「ライフを失う」「ライフを支払う」と書かれているものがある。それらはダメージを与えているわけではなく、ダメージ軽減効果によって軽減されたり、何らかの変更を受けたりすることはない。 ダメージ軽減能力/Damage-Prevention Ability  ダメージ軽減能力とは、ダメージ軽減効果を生み出す常在型能力や起動型能力である。rule 419.7〔軽減効果〕参照。 ダメージの発生源/Source of Damage  ダメージを生成させたオブジェクトが、そのダメージの発生源である。ダメージの発生源を選ぶ効果があった場合、そのプレイヤーは、パーマネント、(パーマネントを生成する呪文を含む)スタックに積まれている呪文、あるいはスタック上の呪文や能力の参照するオブジェクト、の中から選択できる。ダメージを与え得ないものもダメージの発生源として適正である。 遅延誘発型能力/Delayed Triggered Ability  遅延誘発型能力とは、何らかの呪文や能力が解決されたときに生成された効果によって作り出される能力である。rule 404.4 参照。 置換効果/Replacement Effect  置換効果とは、ある特定のイベントの発生を待ち、それを異なるもので置き換える継続的効果の一種である。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 致死ダメージ/Lethal Damage  致死ダメージとは、そのクリーチャーのタフネス以上のダメージの量のことを言う。致死ダメージを受けた、タフネスが1以上のクリーチャーは破壊される。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。 注釈文/Reminder Text  注釈文は、カードに記されたキーワード能力のあとに、あるいは、間違えられやすい可能性のあるカードに書かれている。注釈文はカードの文章欄に、括弧で囲まれ、斜体で書かれている。このテキストによってゲーム・ルールの概説や解説が与えられているが、それ自身はルール・テキストとしては扱われない。rule 207.2 参照。 挑発/Provoke  挑発は誘発型能力である。「挑発」は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御側プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。rule 502.29〔挑発〕参照。 追加コスト/Additional Cost  呪文の中には、そのテキストに追加コストが記されているものがある。それらのコストは、マナ・コストを支払うのと同じときに支払われる。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。 追加のターン/Extra Turn  呪文や能力の中には、プレイヤーに追加のターンを与えるものがある。その際、ターンは現在のターンの直後に追加される。一人のプレイヤーが追加のターンを複数得る場合や、1ターン中に複数のプレイヤーが追加のターンを得る場合、ターンは1つずつ追加される。一番最後に追加されたターンが一番最初に発生する。rule 300.6 参照。 続けてパス/Pass in Succession  両方のプレイヤーが続けてパスした場合、スタックの一番上にある、呪文、能力、あるいは戦闘ダメージが解決する。スタックが空の場合、そのフェイズもしくはステップは終了する。 手札/Hand  手札とは、プレイヤーがまだプレイしていないカードを持つ領域である。rule 217〔領域〕参照。 手札の上限/Maximum Hand Size  それぞれのプレイヤーの手札の上限は普通は7枚であるが、何らかの効果によって変化することがありうる。アクティブ・プレイヤーのクリンナップ・ステップの最初の行動は、手札が多すぎた場合は、手札の上限まで手札を減らすように(それ以上は捨てられない)手札を選んで捨てる。rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照。 点数で見たマナ・コスト/Converted Mana Cost  点数で見たマナ・コストとは、そのオブジェクトのマナ・コストのマナの総量である。rule 203〔マナ・コストと色〕参照。 例:《大気の精霊/Air Elemental》のマナ・コストは{3}{U}{U}であり、したがって点数で見たマナ・コストは5である。 転生/Soulshift  転生は誘発型能力である。「転生 X/Soulshift X」は、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストがX以下のスピリット・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。 デッキ/Deck  プレイヤーのデッキとは、そのプレイヤーがゲームを始めるにあたって用意するカードの集合である。ゲームが始まったとき、それぞれのプレイヤーのデッキはそれぞれのプレイヤーのライブラリーになる。 デュアル・ランド/Dual Land ※俗語  10種類の「デュアル・ランド/dual land」カードが、マジックの初期の基本セットで発行された。これらはそれぞれ、基本地形タイプを2つずつ持っている。例えば、《Taiga》は土地タイプとして、森、山を持つ。  デュアル・ランド・カードは、それぞれの基本地形タイプが本来持つ能力を持っており、それらのタイプに影響する呪文や能力によって、両方の基本地形タイプとして扱われる。デュアル・ランド・カードは、場に出ている間、土地2枚としては扱わない。1枚の土地で、複数の土地タイプを持つものとして扱う。 投了/Concede  プレイヤーはいつでもゲームを投了することができる。投了したプレイヤーは、直ちにそのゲームから離れ、負けたことになる。rule 102.7 参照。 トークン/Token  トークンとは、効果によって生成された、カードによって表わされないパーマネントを表わすマーカーである。トークンはカードと全く同じようにタップしたりアンタップしたりでき、それを示すのに回転の代わりの方法が必要なこともある。rule 216〔トークン〕参照。 トーナメント/Tournament  トーナメントとは、プレイヤーが賞を目指して競い合う、組織立ったイベントである。MagictheGathering.com の Tournament Center ページ(http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/tournamentcenter)の、Tournament Locatorから、近くのトーナメントを探すことができる。 特殊タイプ/Supertype  カードによっては「特殊タイプ」を持つものがある。これは英語版ではカードのタイプのすぐ前に書かれている。オブジェクトのタイプまたはサブタイプが変わって、特殊タイプがそのタイプに相応しくなくなったとしても、特殊タイプはそのままである。rule 205.4〔特殊タイプ〕参照。  日本語版では、それぞれの特殊タイプごとに扱いが異なる。「(基本地形)」「伝説の」参照。 特性/Characteristics  オブジェクトの特性は、名前、マナ・コスト、色、タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、エキスパンション・シンボル、能力、ルール・テキスト、パワー、それにタフネスである。特性の中には上にあげた以外の、例えばタップ状態か否か、あるいはそのコントローラーが誰か、またその対象が何か、といった類の情報は含まれない。何にエンチャントしているか、ということも特性ではない。rule 201〔特性〕参照。 特性定義効果/Characteristic-Setting Effect  特性定義能力によって発生した効果は特性定義効果である。rule 405.2 参照。 特性定義能力/Characteristic-Setting Ability  オブジェクトの中には、以下のように述べている常在型能力を持つものがある:そのオブジェクトは一つ以上の能力を「持つ/has」、あるいは、それは特定のタイプ・サブタイプ・特殊タイプ「である/is, are」、あるいは、その一つ以上の特性は特定の値「である/is, are」。これらの能力は特性定義能力である。rule 405.2 参照。 特別な行動/Special Action  特別な行動は、スタックを用いない。特別な行動には、土地をプレイすること、裏向きのパーマネントを表向きにすること、継続的効果を終わらせること、遅延誘発型能力を止めること、常在型能力を失わせたり延期させたりすること、がある。rule 408.1i および rule 408.2〔スタックを使わない行動〕参照。 として扱う/Counts As ※廃語  古いカードの中には、カードを何か「として扱う/counts as」というテキストを用いているものがある。ルール上、また他のカードが参照する場合に、そのカードをそのものとして処理する。(最近のマジックのカードでは、代わりに「である/is」を用いている。) 土地/Land  土地はタイプの一つである。土地は呪文ではなく、スタックにも積まれない。それらは単に手札から場に置かれる。アクティブ・プレイヤーは、自分のターンのメイン・フェイズで優先権を持っていて、かつスタックが空のとき、ターンに一度だけ土地をプレイすることができる。あるオブジェクトが土地でもあり他のタイプでもある場合、それは土地としてプレイされ、呪文としてプレイはされない。rule 212.6〔土地〕参照。 土地サイクリング/Landcycling  土地サイクリング能力は、サイクリング能力の一種である。「[土地タイプ]サイクリング [コスト]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから[土地タイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、土地サイクリング能力がプレイされたときにも誘発する。 土地タイプ/Land Type  土地のサブタイプは常に一単語であり、「土地 ─ 神座」「土地 ─ ウルザの・鉱山」のように、長いダッシュの後に列記されている。土地のサブタイプはまた土地タイプとも呼ばれる。土地は複数のサブタイプを持つことがあり得る。なお、「(基本地形)」「伝説の」「基本地形でない」は、土地タイプではない。rule 212.6〔土地〕、基本地形タイプ参照。  神河物語の時点で用いられている土地タイプは以下の通り。 「砂漠/Desert」「森/Forest」「島/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「山/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「沼/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」 土地渡り/Landwalk  「土地渡り」は能力の総称である。カードのルール・テキストには、「島渡り」のように特定の性質が指定されている。  土地渡りは回避能力である。土地渡りを持ったクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたサブタイプないし特殊タイプを持つ土地を最低1つコントロールしているかぎり、ブロックされない。rule 502.6〔土地渡り〕参照。 唱える/Cast ※廃語  古いカードの中には、「唱える/cast」という単語を用いて、呪文をプレイすることを表しているものがある。一般に、「唱える」という単語を用いていたカードは、現在では「プレイする/play」という単語を用いる。 唱えるのに成功した/Successfully Cast ※廃語  古いカードの中には、「唱えるのに成功した/successfully cast」という語が書かれているものがある。一般に、呪文を「唱えるのに成功した」時に誘発すると書かれている全ての能力は、プレイされたときに誘発すると読み替える。 飛ばす/Skip  ステップやフェイズ、あるいはターンを飛ばすとは、それが存在していないかのように通り越す、ということであり、置換効果の一種である。「[何か]を飛ばす/Skip [何か]」とは、「[何か]の代わりに、何もしない」と同義である。rule 300.9 および rule 419.6e 参照。  ステップ、フェイズ、ターンが開始してしまったら、それを飛ばすことはできず、飛ばす効果は、次にそれが来るまで待つ。  飛ばされるステップ、フェイズ、ターンに起こるべきことは、起こらない。「次の」時に予定されていることは、実際に存在する最初の時に起こる。2回、次の何かを飛ばすという効果があった場合、一つめは一つめの時に処理が終わるが、2つめは次のそれが現れるまで残る。rule 419.6f 参照。 トランプル/Trample  トランプルは、戦闘ダメージ・ステップの処理を変更する常在型能力である。攻撃クリーチャーに、ブロック・クリーチャーを「トランプルし尽くし」、そして戦闘ダメージの一部を防御側プレイヤーに与えることを許す。rule 502.9〔トランプル〕参照。 同点/Tie  何らかの効果が同点となる場合、その効果を生んだ呪文や能力のテキストに、同点の場合にどうするかが指示されている。マジックのゲームでは、同点の場合の一般的な扱いを定めていない。 毒カウンター/Poison Counter  プレイヤーに毒カウンターを載せるカードが存在する。プレイヤーが10個以上の毒カウンターを得た場合、そのプレイヤーは次に優先権が発生する時点でゲームに敗北する。rule 420〔状況起因効果〕参照。 独立/independent  ある効果が他の効果に「依存する」とは、両者を同時に適用する際に、後者を適用することで、前者のテキストや存在、適用対象、適用内容が変化することを指す。そうでない場合、後者の効果は前者の効果と独立であると言う。rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照。 ドロー・ステップ/Draw Step  ドロー・ステップは開始フェイズの第3のステップである。ドロー・ステップが始まる際に、アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く(このゲームの行動はスタックを用いない)。その後で、アクティブ・プレイヤーは優先権を得、呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 304〔ドロー・ステップ〕参照。 名前/Name  カードの名前は、その左上隅に記されている。rule 202〔名前〕参照。 二段攻撃/Double Strike  二段攻撃は、戦闘フェイズのルールを変更する常在型能力である。二段攻撃または先制攻撃を持つクリーチャーがまずそのダメージを割り振って与え、そしてまだダメージを与えていないクリーチャー、または二段攻撃を持つクリーチャーの中で生き残っている物がダメージを割り振って与える。rule 502.28〔二段攻撃〕参照。 〜になる/Becomes  誘発条件の中には、「タップ状態になる」または「ブロックされた状態になる」のように「〜になる/becomes」という言葉が使われていることがある。これらは、その条件が満たされたときにのみ誘発する。既にその条件を満たしていたり、あるいはその条件がずっと続いている場合に複数回誘発するわけではない。例えば、「タップ状態になる」という誘発条件を持つ誘発型能力は、パーマネントがアンタップ状態からタップ状態になった時に一度だけ誘発する。 沼/Swamp  「沼/Swamp」は、5種類の基本地形タイプのうちの1つである。土地タイプとして沼を持つ土地は、「{T}: あなたのマナ・プールに{B}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 沼サイクリング/Swampcycling  土地サイクリング参照。 沼渡り/Swampwalk  土地渡り参照。 〜の間に/During ※廃語  古いカードの中には、「[フェイズ]の間に、[行動]/During [フェイズ], [行動]」という書式を用いているものがあった。これらの能力は「フェイズ能力/phase abilities」と呼ばれていた。一般に、フェイズ能力を持っていたカードは、現在ではステップまたはフェイズの開始時に誘発する能力を持っている。「〜の間に/during」という単語は、現在のカードのテキストにも出現するが、それは通常の英語での意味しかなく、ゲームにおいて固有の意味は持たない。 能力/Ability  「能力」及び「効果」はしばしば混同される。オブジェクトのテキストにある命令は能力であり、そのような命令に従って発生するものが効果である。より多くの情報はrule 4〔呪文・能力と効果〕を参照。  起動型能力がプレイされた時、それはスタックに乗り、解決されるか打ち消されるまでそこに留まる。  オブジェクトが何らかの効果により能力を「得る/gains」または「持つ/has」場合、そのオブジェクトが能力を得る。オブジェクトの性質を定義する効果([オブジェクト]は[性質]である/[オブジェクト] is [性質])の場合、それは能力を得ない。例えば、「エンチャントされたクリーチャーは赤である」というエンチャント(クリーチャー)があるとすると、このエンチャントは何らかの能力を与えるものではない。これは単に、エンチャントされたクリーチャーの色を赤に変えるだけである。 能力の発生源/Source of Ability  能力を生成させたカードやトークンが、その能力の発生源である。rule 402〔能力〕参照。 廃語/Obsolete  この用語集で「廃語」と書かれた語は、古いカードで用いられていた語である。これらの語を用いていたカードの最新の語法は、オラクルに記されている。 破壊する/Destroy  パーマネントを破壊するとは、場にあるパーマネントをそのオーナーの墓地に置くことである。再生などの破壊を置換する効果によって置換されることがある。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 破壊されない/Indestructible  パーマネントが破壊されないという場合、ルールや効果によってそれを破壊することはできない。それらのパーマネントは致死ダメージによって破壊されることもなく、致死ダメージの状況起因効果(rule 420.5c参照)を無視する。破壊されないパーマネントが、生贄に捧げられたり墓地に置かれたりゲームから取り除かれたりすることはありうる。 はずす/Unattach  クリーチャーについていた装備品が、ついていない状態になることを「はずれる」という。クリーチャーについている状態の装備品が場を離れる場合、それは「はずれた」状態になる。 反転カード/Flip Cards  神河物語にある「英雄/Heroes」のような反転カードには、1枚のカードに二つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれているテキストは、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの背面は、通常のマジック:ザ・ギャザリングのカードである。rule 508〔反転カード〕参照。  反転カードの上半分には、そのカードの通常のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。文章欄には通常、特定の条件が満たされた時点でそのパーマネントを「反転」する能力が書かれている。反転カードの下半分には、代替のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。これらの特性は、そのパーマネントが場にあって、なおかつそのパーマネントが反転されている場合にのみ使用される。  反転カードの色、マナ・コスト、エキスパンション・シンボル、アーティスト名、権利表記などは、パーマネントが反転されても変わらない。また、外部からの効果による変更もそのまま適用される。  場以外の全ての領域、および場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのパーマネントの通常の特性を持つ。場の領域の反転パーマネントが反転されたら、その反転パーマネントの通常のカード名、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。  あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。  パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転されたら、それを再び反転して元に戻すことはできない。他の特性が変化したとしても、反転した状態のままである。ただし、反転したパーマネントが場を離れた場合、それはそれまでの状態を記憶しない。(訳注:従って、場に戻る場合、反転していない状態になる) 汎用フロアルール/Universal Tournament Rules  DCI汎用フロアルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/utr/intro)は、マジックを含む、全てのDCI認定ゲームでのトーナメント・プレイについての規約を定めている。 場/In Play  場は、パーマネントのある領域である。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント呪文が解決されると、そのカードは場に置かれ、パーマネントとなる。土地がプレイされると、それは場に置かれ、パーマネントとなる。トークンもこの領域に存在する。rule 217〔領域〕参照。 バイバック/Buyback  バイバックはrule 413.2h を変更する置換効果である。バイバックを伴った呪文をプレイしたとき、その呪文のコントローラーはそのカードにそれぞれ記されている追加コストを払う事もでき、払った場合、呪文が解決した際にその呪文が墓地に行く代わりに手札へ戻る。  呪文が解決した時に、カードがオーナーの墓地以外の領域に行くときには、バイバック効果はカードを「見失い」、手札には戻らない。rule 502.16〔バイバック〕参照。 馬術/Horsemanship  馬術は回避能力である。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーにはブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。rule 502.17〔馬術〕参照。 場に出す/Put into play  何らかの効果がオブジェクトを場に出す場合、それは「プレイした」ものとしては扱わない。 場に出る/Comes into Play  パーマネントは、それを示すカードやトークンが場に移動した時に場に出る。パーマネントのタイプが変わったり、あるいはコントローラーが変わったりすることは「場に出る」とは言わない。  パーマネントは、アンタップ状態で、それを作り出した呪文や能力のコントローラーのコントロール下で場に出る。  パーマネントが場に出る時、最初にすべての置換効果を適用し、次にすべての継続的効果を適用し、それから誘発型能力の誘発をチェックする。 例:タップ状態で場に出すよう指示された場合、一旦アンタップ状態で出てからタップするのではない。 場を離れる/Leaves Play  パーマネントが場からそれ以外の領域に移動したとき、それは場を離れたという。rule 410.10c 参照。  トークンが場を離れたとき、存在しなくなる。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。  パーマネントが場を離れて、あとで場に戻ってきたときには、完全に新しいパーマネントとして扱われる。前に存在したときの記憶は完全に失われる。(フェイジングは通常の「場を離れる」と異なる部分がある。rule 502.15〔フェイジング〕参照。) ヴァンガード・カード/Vanguard Card  ヴァンガード(TM)・サプリメントは、ゲームに影響を与える大きなカードからなる。ヴァンガード・カードはゲーム開始前に選ばれ、プレイヤーの最初の手札、手札の最大枚数、ライフの初期値に修整を加える。ヴァンガード・カードに記されている能力は、色を持たず、これによるダメージはどの種のパーマネントによるダメージでもなければどの色のダメージの発生源からのダメージでもない。ヴァンガード・カードは呪文や能力の影響を受けない。 バンド、他の〜とのバンド/Banding, Bands with Other  バンドは戦闘フェイズに影響する能力であり、他の〜とのバンドはその能力の特殊な形態である。  rule 502.10〔バンド〕およびrule 502.11〔他の〜とのバンド〕参照。 パーマネント/Permanent  パーマネントとは、場に存在するカードやトークンのことである。rule 214〔パーマネント〕参照。 パス/Pass  パスするとは、優先権を持っているときに、何か行動する(大抵の場合は呪文や能力をプレイする)権利を放棄するということである。プレイヤーがパスした場合、その対戦相手が優先権を得る。rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕参照。 パワー/Power  クリーチャー・カードの右下隅に記されている、スラッシュの前の数字をクリーチャーのパワーと呼ぶ。rule 208〔パワー/タフネス〕参照。  攻撃時、及びブロック時に、クリーチャーはそのパワーに等しい戦闘ダメージを与える。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。  一部のオブジェクトでは、パワーが数字でなく「*」で表わされているものもある。これは、そのクリーチャーはパワーを何らかの条件で定める特性定義能力を持っているということを示している。場に出ていない間、それは0である。 引き分け/Draw(1)  引き分けとは、ゲームが終了し、かつ勝者がいないことである。両方のプレイヤーが同時に負けた場合には引き分けとなる。rule 102.4 参照。 (訳注:日本語化の都合上、Drawを二つの項目に分けました。原文ではこれと引くは同じ見出しです) 引く/Draw(2)  プレイヤーが、そのライブラリーの一番上のカードを手札に加えることを、カードを引くという。複数枚のカードを引くよう指示された場合、カードは1枚ずつ引く。効果によって、「引く」以外の方法でライブラリーから手札にカードが移動することもありうる。この場合、引くことに誘発する能力や、引くことを置換する能力は処理されない。 (訳注:日本語化の都合上、Drawを二つの項目に分けました。原文ではこれと引き分けは同じ見出しです) 飛行/Flying  飛行は回避能力である。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーによってブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーをブロックできる。rule 502.4〔飛行〕参照。 フェイジング/Phasing  フェイジングは、パーマネントに「記憶」を保たせたままで場を離れさせ、そしてまた元に戻すという効果を発生させる常在型能力である。rule 502.15〔フェイジング〕参照。 フェイズ/Phase  各ターンは、開始フェイズ、戦闘前メイン・フェイズ、戦闘フェイズ、戦闘後メイン・フェイズ、終了フェイズの5つのフェイズに分けられる。rule 3〔ターン進行〕参照。 フェイズ・アウト/Phased-Out  フェイズ・アウト領域は、フェイジングを持つパーマネントが一時的に場を離れた時に置かれる、特殊な領域である。rule 502.15〔フェイジング〕参照。 武士道/Bushido  武士道は誘発型能力である。「武士道 X/Bushido X」は「このクリーチャーがブロックに参加するかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。」を意味する。武士道のボーナスは、戦闘1回につき1回のみ、能力の解決時に計算される。後にブロック・クリーチャーが増減してもボーナスには影響しない(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 不正な行動/Illegal Action  プレイヤーが、何らかの行動を開始した後で、その行動を適正に行うことができないことに気付いた場合、行動全体が巻き戻され、支払いが行われていればそれは取り消される。巻き戻された行動によって、能力が誘発したり、効果が適用されたりすることはない。不正な呪文や能力を巻き戻す際に、優先権を持っているプレイヤーは、優先権を保持して別の行動を起こすことも、パスすることもできる。巻き戻した行動を適正な方法でやり直したり、ルール上許される別の行動を行なったりしてもよい。rule 422〔不正な行動の処理〕参照。 不適正な対象/Illegal Target  呪文や能力が対象を指定する場合、その解決時に、対象が適正かどうかをチェックする。対象が、場、ないし、呪文や能力で指定された領域を離れている場合、その対象は不適正である。また、対象の特性が呪文や能力のプレイ後に変化したり、何らかの効果で呪文のテキストが変化したりした場合に、対象が不適正になることもある。rule 413.2a 参照。 不特定マナ・コスト/Generic Mana Cost  不特定マナ・コストは、灰色の丸の中の数字で表わされる。無色、または任意の色のマナを、この支払いにあてることができる。rule 104.3 参照。 フラッシュバック/Flashback  フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。そのカードのオーナーは、そのカードのフラッシュバック・コストを支払うことで、その呪文をプレイできる。その場合、そのカードがスタックから離れるときに、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。rule 502.22〔フラッシュバック〕参照。 フレイバー・テキスト/Flavor Text  カードの文章欄に、イタリック体で書かれている文章のことである(括弧で括られている文章は除く)。雰囲気や、ゲームの世界に関する興味深い背景などが描きだされているが、ゲームのプレイには関係しない。rule 207.2 参照。 フロア・ルール/Floor Rules  現行のDCIマジック・ザ・ギャザリング フロア・ルールは、http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/utr/intro にて参照できる。 ブロック/Block  クリーチャーは、戦闘フェイズにブロック・クリーチャーに指定された時にブロックする。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 ブロック・クリーチャー/Blocking Creature  クリーチャーがブロック・クリーチャーになるのは、(a)戦闘フェイズ中に指定された、適正なブロックに含まれており、かつ、(b)ブロックに必要なコストがすべて支払われた時である。ブロック・クリーチャーは、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでは無くなるか、コントローラーが変わるか、または戦闘フェイズが終わるまでブロック・クリーチャーでありつづける。ブロック・クリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 (訳注:戦闘フェイズ中でも、ブロック・クリーチャー指定ステップ以前には存在しません) ブロック・クリーチャー指定/Declare Blockers  ブロック・クリーチャーの指定とは、防御側プレイヤーが、ブロックに参加するクリーチャーの一群を選び出し、それらがブロックするのに必要なコストを支払うことである。攻撃に参加できるのはアンタップ状態のクリーチャーのみであるが、クリーチャーはブロックに参加してもタップしない。他の効果により、あるクリーチャー群がブロックできるか否かが影響を受けることもある。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 ブロック・クリーチャー指定ステップ/Declare Blockers Step  ブロック・クリーチャー指定ステップは戦闘フェイズの第3のステップである。防御側プレイヤーはこのステップ中にブロック・クリーチャーを指定する。その後で、アクティブ・プレイヤーは優先権を得、呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 ブロックされたクリーチャー/Blocked Creature  攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップで他のクリーチャーにブロックされるか、何らかの効果によってブロックされたことになった場合、それ以降、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでなくなるか、コントローラーが変わるか、戦闘フェイズが終わるまでの間はブロックされたクリーチャーと呼ばれる。ブロックされたクリーチャーは、それをブロックしたクリーチャーが戦闘から取り除かれてもブロックされたままである。ブロックされたクリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 (訳注:戦闘フェイズ中でも、ブロック・クリーチャー指定ステップ以前には存在しません) ブロックされていないクリーチャー/Unblocked Creature  攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップでブロックされなかった場合、それ以降、効果によってブロックされるか、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでなくなるか、コントローラーが変わるか、戦闘フェイズが終わるまでの間はブロックされていないクリーチャーと呼ばれる。戦闘フェイズ以外や、ブロック・クリーチャー指定ステップより以前にはブロックされていないクリーチャーは存在しない。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 ブロックされない/Unblockable  攻撃クリーチャーが「ブロックされない」とき、クリーチャーをブロックに割り振ることができない。呪文や能力ではブロックした状態にすることができる。 分割カード/Split Cards  分割カードは、1枚のカードに2枚分のカードが書いてある。分割カードの裏面は、普通のサイズのマジックのカードと同じである。分割カードは、2組の特性を持つ。2つの名前、2つのマナ・コスト、などである。分割カードは、スタック上にある時以外は常に両方の組の特性を持つ。分割カードをプレイする時、カードのどちら側をプレイするかを指定する。スタックにある間は、指定しなかった側は完全に無視される。rule 505〔分割カード〕参照。  分割カードは2つのマナ・コストを持つが、それらはそれぞれ違う色のマナを含んでいる。従って、これらのカードは、スタック上にある時以外は多色カードである。何らか効果によってカード名を指定する場合には、分割カードの名前全体を指定しなくてはならない。  分割カードの特性を調べる効果は、両方の特性を回答として得る。分割カードの特性がある値と等しいかを調べる効果は、回答を1つだけ得る。回答が「イエス」になるのは、分割カードの特性のどちらかが指定された値に一致する場合である。 文章欄/Text Box  文章欄は、マジックのカードの絵の下にあり、カードの能力を定義するルール・テキスト、注釈文、フレイバー・テキストが書かれている。rule 207〔文章欄〕参照。 文章変更効果/Text-Changing Effect  オブジェクトの文章を変更する効果は、その意味で用いられている場合にのみ変更する。カード名のような固有名詞は、その中に、マジックの色、基本地形タイプ、クリーチャー・タイプに該当する単語や文字列が含まれていたとしても、変更することはできない。rule 418.6〔文章変更効果〕参照。 プレイ/Play  呪文、土地、能力をプレイするという行動には、行動を宣言し、それを完了するために必要な手段を処理するということが含まれる。  呪文や起動型能力のプレイには、そのためのコストの支払いと、モードや対象の選択が必要となる。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。  土地をプレイするとは、単に手札から土地カードを選び、それを場に出すということである。rule 212.6〔土地〕参照。  マナ能力をプレイするときは、そのコストを支払い、即座に解決する。rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照。  誘発型能力や常在型能力はプレイされない。それらは自動的に発生する。rule 410〔誘発型能力の処理〕参照。 プレイ−ドロー・ルール/Play-Draw ※俗語  ゲームの開始時に、プレイヤーはその順番を決める。先攻のプレイヤーは、最初のドロー・ステップを飛ばす。これはプレイ−ドロー・ルールと呼ばれる。rule 101〔ゲームの始め方〕参照。 プレイヤー/Player  プレイヤーとは、そのゲームに参加している2人それぞれのことである。プレイヤーの対戦相手は、もう一方のプレイヤーである。アクティブ・プレイヤーは現在のターンを進めているプレイヤーであり、もう一方のプレイヤーのことを非アクティブ・プレイヤーという。rule 200.3 参照。 プロテクション/Protection  プロテクションは「プロテクション(性質)/Protection from [性質]」と書かれる常在型能力である。rule 502.7〔プロテクション〕参照。  プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ呪文や能力の対象にならない。  プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つエンチャントにエンチャントされない。プロテクションを持つパーマネントに、記述された性質を持つエンチャントがエンチャントしている場合、そのエンチャントは状況起因効果としてそのオーナーの墓地に置かれる(rule 420〔状況起因効果〕参照)。  プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ装備品を装備させられない。そのような装備品はそのパーマネントに装備されるのをやめるが、場に残る(rule 420〔状況起因効果〕参照)。  プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つダメージの発生源からのダメージは0になる。  プロテクションを持つクリーチャーが攻撃した場合、記述された性質を持つクリーチャーにはブロックされない。 平地/Plains  「平地/Plains」は、5種類の基本地形タイプのうちの1つである。土地タイプとして平地を持つ土地は、「{T}: あなたのマナ・プールに{W}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 平地サイクリング/Plainscycling  土地サイクリング参照。 平地渡り/Plainswalk  土地渡り参照。 変異/Morph  変異は、その能力のあるカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルを持たない、マナ・コストが{0}のクリーチャーとしてプレイできる。」をという意味である。そのコントローラーは、インスタントをプレイできる時ならいつでもその裏向きのパーマネントの変異コストを公開し、それを支払って表にすることができる。この行動はスタックを使わない。rule 502.26〔変異〕参照。 防衛/Defender  防衛は常在型能力である。防衛を持つクリーチャーは攻撃に参加できない。 防御側プレイヤー/Defending Player  戦闘フェイズ中、攻撃クリーチャー指定ステップの始めから戦闘フェイズの終わりまでの間、アクティブ・プレイヤーの対戦相手は防御側プレイヤーである。クリーチャーは、防御側プレイヤーにのみ攻撃できる。他のプレイヤーやクリーチャーに攻撃することはできない。戦闘フェイズ以外の時には、防御側プレイヤーは存在しない。rule 306.3 参照。 他のプレイヤーのターンをコントロールする/Controlling Another Player's Turn  あるカード(《精神隷属器/Mindslaver》)によって、プレイヤーは他のプレイヤーのターンをコントロールすることができる。ターンのコントローラーは、そのターン・プレイヤーが、ルールやオブジェクトによって行なうことのできる全ての選択を行なう。他のプレイヤーがターンをコントロールしている間、そのターン・プレイヤーがマナ・バーンによってライフを失うことはない。rule 507〔他のプレイヤーのターンをコントロールする〕参照。 墓石アイコン/Tombstone Icon  オデッセイ・ブロックの、墓地にある間に有効な能力を持つカードの多くの名前の左隣には墓石アイコンがある。このアイコンは、そのカードが墓地にあるときに区別しやすくするためのものであり、ゲーム上の意味はない。rule 104.5 参照。 墓地/Graveyard  それぞれのプレイヤーの捨て札の束のことをそのプレイヤーの墓地という。打ち消された呪文や、破壊され、あるいは生け贄に捧げられたパーマネント、捨てられたカードがそのオーナーの墓地に置かれる。rule 217〔領域〕参照。 埋葬する/Bury ※廃語  古いカードの中には、「埋葬する/bury」という単語を用いているものがある。これは、パーマネントをそのオーナーの墓地に置くことを意味する。一般に、「埋葬する」という単語を用いていたカードは、現在では「[パーマネント]を破壊する。それは再生できない」と読み換えられる。 マッチ/Match  マッチとは、一連のマジックのゲームのことを指し、トーナメントやリーグ戦でのみ重要である。マッチはたいてい2本先取の3本勝負で、時には3本先取の5本勝負で行われる。詳細はDCI(TM)マジック・フロアルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/utr/intro)を参照。 マッドネス/Madness  マッドネスは二つの能力からなる。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに発生する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい」と「このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのプレイヤーが次にパスするまでの間、そのプレイヤーは、インスタントをプレイできるときならいつでも、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことで、そのカードが手札にあるかのようにプレイしてもよい。そのプレイヤーが次にパスをしたとき、そのプレイヤーはこれをそのプレイヤーの墓地に置く」の二つの意味を持つ。 マナ/Mana  マナとは、呪文をプレイするために使うエネルギーであり、通常は土地によって生成される。マナは、マナ能力によって生成され(呪文によって生成されることもある)、即座にコストを支払うために使うことも、またマナ・プールに蓄えることもできる。rule 406〔マナ能力〕参照。  色のついたマナ・シンボルで表わされる、色のついたマナ・コストは適正な色のマナによってのみ支払うことができる。不特定マナ・コストは、無色、あるいは任意の色のマナで支払うことができる。rule 104.3 参照。  マナを生み出す能力は、そのマナの使用法を制限することがある。例えば、クリーチャー呪文をプレイするためにしか使えないマナや、起動コストを支払うためにしか使えないマナを生み出す能力も存在する。  パーマネントが「産み出すことができる」種類のマナとは、そのパーマネントのいずれかの能力で産み出すことのできるマナのことである。この場合、あらゆる置換効果を考慮に入れる。マナの種類が定義できない場合、そのパーマネントが産み出せるタイプのマナは存在しない。マナの種類とは、その色(または無色であること)のことである。 マナ・コスト/Mana Cost  土地以外のカードのマナ・コストは、その右上隅に記されたマナ・シンボルによって示される。土地カードやトークン、裏向きのクリーチャーのマナ・コストは0である。rule 203〔マナ・コストと色〕参照。 マナ・シンボル/Mana Symbol  マナ・シンボルとは、{W}, {U}, {B}, {R}, {G}, {X}, {Y}, {Z}, ならびに{0}, {1}, {2} などの数字である。  色のついたマナ・シンボルは、それぞれ1つの色マナを示す。{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑である。rule 104.3a 参照。  ({1}のような)数字のシンボルは不特定マナ・コストと呼ばれ、どの色のマナでも、あるいは無色のマナでも支払うことのできるマナの量を示している。rule 104.3b 参照。  {X}、{Y}のシンボルは、未定の量のマナを示している。コストに{X}や{Y}を含む呪文や能力は、プレイするときにそのコントローラーが値を決定する。rule 104.3c 参照。  {数字}、{X}、{Y}は、呪文やマナ能力の「あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」という文脈においては、無色マナを表すために用いられる。rule 104.3d 参照。  {0}のシンボルは0マナを示し、呪文や起動型能力のプレイにコストがいらないときの場所取りとして使われる。マナ・コストが0マナの呪文や能力も、1以上のコストを持つ呪文と同じようにプレイされる。自動的にプレイされるわけではない。rule 104.3e 参照。 マナ・ソース/Mana Source ※廃語  古いカードには、「マナ・ソース/mana source」というタイプのものがある。「マナ・ソース」とされていた呪文は、今はインスタントである。「マナ・ソースとしてプレイする」とされていた能力は、マナ能力である。 マナ能力/Mana Ability  マナ能力は起動型もしくは誘発型であり、スタックには積まれず、即座に解決される。rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照。  プレイヤーは、優先権を持っているときか、あるいはルールや何らかの効果によってマナの支払いが求められたときに起動型マナ能力をプレイできる。これは、呪文や能力のプレイ中や解決中にプレイできる唯一の能力である。rule 406〔マナ能力〕参照。 マナ・バーン/Mana Burn  フェイズの終了時に、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。この方法で失われたマナ1マナごとに、そのプレイヤーは1点のライフを失う。これを「マナ・バーン」と呼ぶ。rule 300.3 参照。 マナ・プール/Mana Pool  効果によってマナが生み出されたとき、マナはそのプレイヤーのマナ・プールに入る。そこから、呪文や能力のコスト支払いのために使うことができる。マナは即座に使うことも、また後で使うためにマナ・プールに蓄えておくこともできる。マナ・プールは各フェイズの終了時に片づけられる。マナ・バーン参照。 マリガン/Mulligan  第1ターンの開始前に、プレイヤーは、最初の手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして以前よりも1枚少ない手札を新しく引くことで「マリガン」できる。最初の手札が気に入らなかったプレイヤーは、その度に1枚ずつ手札を減らして、望むかぎりの回数マリガンを繰り返すことができる。rule 101.4 参照。 見せる/Reveal  カードを見せるとは、そのカードを全てのプレイヤーに公開するということである。これは単発的効果であり、全てのプレイヤーが見た後で、それは元の状態に戻る。 無限ルール/Infinity Rule ※俗語  マジックのルールに「無限」というものは存在しない。時折、永遠に繰り返される一連の動作が存在することがありうる。そのようなループを処理するために、「無限ルール」がある。rule 421〔'無限'ループの処理〕参照。 無作為に/Random  呪文、能力、効果によって何かを無作為に選ぶ場合、乱数を発生するために、ダイス、コインなどいかなる方法を使ってもよい。その結果は無作為でなければならない。 無色/Colorless  色を持たないオブジェクトは無色である。土地はマナ・コストを持たないので、無色である。アーティファクトは、そのマナ・コストに色マナを含まないので、無色である。裏向きのクリーチャーは、その裏向きにする効果によって無色である。無色のオブジェクトは、何らかの効果によって色を得ることがありうる。rule 203.2 参照。 (訳注:土地がマナ・コストを持たない、と書いてあるが、これはrule 203.1 より誤りである) 無色マナ/Colorless mana  数字のシンボル({1}など)および変数のシンボル({X}など)は、「あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」等の効果を持つ呪文や能力のテキスト中に現れた場合、無色マナを表す。rule 104.3d 参照。 メインゲーム/Main Game  プレイヤーにマジックのサブゲームをプレイさせるカードが1枚(《シャヘラザード/Shahrazad》)ある。「メインゲーム/Main Game」とは、《シャヘラザード》がプレイされたゲームである。rule 506〔サブゲーム〕参照。 メイン・フェイズ/Main Phase  「メイン・フェイズ/main phase」は、「戦闘前メイン・フェイズ/precombat main phase」と「戦闘後メイン・フェイズ/postcombat main phase」とを合わせた用語である。これらはそれぞれ、第1、第2メイン・フェイズとも呼ばれる。  アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズの間でかつスタックが空のとき、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、ソーサリー呪文をプレイすることができる。また、このとき、ターンに一枚だけ土地をプレイすることもできる。 モードを持つ/モード/Modal/Mode  「一つを選ぶ/Choose one」、または「[指定されたプレイヤー]は一つを選ぶ/[指定されたプレイヤー] chooses one」と書かれている呪文や能力はモードを持つ。モードを持つ呪文や能力は、その効果を選択させる。モードを持つ呪文や能力のコントローラーは、呪文や能力のプレイの一部として、または(誘発型能力の場合)その能力がスタックに積まれる時点で、モードを選択する。rule 409.1b 参照。 〜場合、〜ならば/If  "if"節のルール参照。 "if"節のルール/Intervening "If" Clause  誘発型能力のうち、誘発イベントの直後に条件文があるものは(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/に、[条件]場合、[効果]/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」)、誘発イベントの一部として、その条件が満たされているかどうかをチェックする。もし満たされていない場合には、能力は誘発しない。能力の解決時に、再度条件をチェックする。条件が満たされていない場合には、その能力は何も起こさない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同様である。このルールは、テキストのそれ以外の箇所に「if」で始まる条件文がある(日本語の場合、紛らわしければ「〜なら」という書き換えが行なわれている)誘発型能力には適用されない。rule 404.3 参照。 森/Forest  「森/Forest」は、5種類の基本地形タイプのうちの1つである。土地タイプとして森を持つ土地は、「{T}: あなたのマナ・プールに{G}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 森サイクリング/Forestcycling  土地サイクリング参照。 森渡り/Forestwalk  土地渡り参照。 山/Mountain  「山/Mountain」は、5種類の基本地形タイプのうちの1つである。土地タイプとして山を持つ土地は、「{T}: あなたのマナ・プールに{R}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 山サイクリング/Mountaincycling  土地サイクリング参照。 山渡り/Mountainwalk  土地渡り参照。 優先権/Priority  その時に呪文や能力をプレイする選択権を持つプレイヤーのことを、優先権を持つという。rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照。  呪文、マナ能力を除く能力、ないし戦闘ダメージを解決したときや、ほとんどのフェイズ、ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。プレイヤーが呪文や能力、土地をプレイしたり、あるいはなんらかの特別な行動をした後、そのプレイヤーが再び優先権を得る。プレイヤーがパスしたとき、その対戦相手のプレイヤーが優先権を得る。両プレイヤーがパスしたとき、スタックの一番上にある呪文、能力、または戦闘ダメージが解決される。スタックが空で、両プレイヤーがパスしたときには、フェイズやステップが終わる。  いずれかのプレイヤーが優先権を得ようとする際に、まず全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する。rule 420〔状況起因効果〕参照。その際に、新たに状況起因効果が発生した場合、それらを1つのイベントとして解決する。この処理を、新たな状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。それから、誘発型能力がスタックに積まれる。rule 410〔誘発型能力の処理〕参照。これらのステップを、新たな状況起因効果や誘発型能力が発生しなくなるまで繰り返す。 誘発/誘発型能力/Trigger/Triggered Ability  誘発型能力は「〜とき/when」「〜たび/whenever」「〜時に/at」から始まる。誘発条件が満たされたときその能力は誘発し、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる。rule 404〔誘発型能力〕参照。 誘発条件/Trigger Condition  「とき」「たび」「〜時に」で表わされる誘発型能力において、それらの語を含む一節のことを誘発条件といい、誘発イベントを定義する。rule 404〔誘発型能力〕参照。 雪かぶり/Snow-Covered  「雪かぶり」は特殊タイプである。あるカードが「雪かぶり土地/snow-covered land」を指すとき、それは、「雪かぶり」という特殊タイプを持つ土地のことを意味している。あるカードが「雪かぶり森/snow-covered Forest」を指すとき、それは、「雪かぶり」の特殊タイプを持つ森のことを意味している。他も同様である。rule 205.4e 参照。 雪かぶり土地渡り/Snow-Covered Landwalk  雪かぶり土地渡りは土地渡りの特殊な形態である。雪かぶり土地渡りを持ったクリーチャーは、防御側プレイヤーが、そのサブタイプを持つ雪かぶり土地を最低1つコントロールしているかぎり、ブロックされない。rule 502.6〔土地渡り〕参照。 ライフ/ライフ総量/Life/Life Total  ライフ総量は、点数である。各プレイヤーのライフは20から始まる。ライフ総量が増加する場合、それは常にライフを得ることであり、減少する場合は常にライフを失うことである。ライフが0以下になったプレイヤーは負けとなる。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。 ライブラリー/Library  ライブラリーは、プレイヤーがカードを引く領域である。ゲームが始まるとき、それぞれのプレイヤーのデッキはライブラリーとなる。rule 217.2〔ライブラリー〕参照。 ランページ/Rampage  ランページは誘発型能力である。「ランページ X/Rampage X」とは、「このクリーチャーがブロックされた状態になるたび、このクリーチャーをブロックしている2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける」という意味である。rule 502.12〔ランページ〕参照。 LIFO/LIFO  「後入れ先出し/Last In, First Out」の頭文字語であるLIFOは、呪文や能力がスタックに積まれた後の解決順を示す言葉である。最後にプレイされたものが、最初に処理される。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕、rule 413〔呪文・能力の解決〕参照。 領域/Zone  領域とは、マジックのカードがゲーム中に存在できる場所のことである。rule 217〔領域〕参照。 領域変更誘発/Zone-Change Triggers  オブジェクトが領域を変更することによって誘発する誘発型能力は、「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発型能力の多くは、領域を変更したそのオブジェクトに何らかの効果をもたらす。解決中に、それらの能力はその移動したオブジェクトを移動した先の領域で探す。そのオブジェクトがその領域に存在しなければ、そのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。領域変更誘発の最もよくある種類は場に出たときの誘発型能力と、場を離れたときの誘発型能力である。rule 410.10 参照。 累加アップキープ/Cumulative Upkeep  累加アップキープとは、誘発型能力の一つである。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep - [cost]」とは、「あなたのアップキープの開始時に、経年カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある経年カウンター一つごとに[コスト]を支払わなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。  複数の累加アップキープ・コストを持つパーマネントについて、それぞれは別々の誘発型能力をアップキープ・ステップの開始時に発生させる。そして、そのカード上の全ての経年カウンターを両方の能力で計算する。rule 502.13〔累加アップキープ〕参照。 ルール・テキスト/Rules Text  オブジェクトのルール・テキストは、そのオブジェクトのさまざまな性質を定義する。オブジェクトのルール・テキストを書き換えることは、そのオブジェクトの性質を変更することになる。 レジェンド/Legend ※廃語  クリーチャー・タイプに「レジェンド」と書かれたクリーチャーが多数存在した。それらのクリーチャーは現在、「伝説の」という特殊タイプを持つように訂正されている。 伝説の/Legendary  「伝説の」とは、全てのタイプに適用できる特殊タイプである。(例えば、「伝説の土地」「伝説のアーティファクト」など。)  同名の複数のパーマネントが「伝説の」という特殊タイプを持っている場合、それら全てをオーナーの墓地に置く。この「レジェンド・ルール」は状況起因効果である。rule 420.5 参照。  「伝説の」パーマネントのタイプやサブタイプが変わっても、特殊タイプは変更されない。そのパーマネントはやはり「伝説の」パーマネントのままである。 烈日/Sunburst  烈日は、オブジェクトがスタックから場に出る際に機能する常在型能力である。「烈日/Sunburst」は、「スタックから場に出るこのパーマネントがクリーチャーである場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。スタックから場に出るこのパーマネントがクリーチャーでない場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の蓄積カウンターが置かれた状態で場に出る。」を意味する。rule 502.37〔烈日〕参照。 連繋/Splice  連繋は、カードが手札にあるときに機能する常在型能力である。「連繋([タイプまたはサブタイプ]) [コスト]/Splice onto [タイプまたはサブタイプ] [コスト]」は「あなたが[タイプまたはサブタイプ]の呪文をプレイするに際し、あなたはこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、このカードの文章欄をその呪文の文章欄にコピーし、その呪文の追加コストとして[コスト]を支払う。」を意味する。連繋コストの支払いに関するルールは、rule 409.1b および 409.1f-h の追加コストの支払いに関するルールに従う。  そのカードに示された必要な選択(対象など)のできないカードの連繋能力は使用できない。1枚のカードを、1つの呪文に複数回連繋することはできない。1つの呪文に複数のカードを連繋する場合、それらを一度に公開し、文章欄を追加する順番を指定する。メインの呪文の文章欄が必ず最初に実行される。  呪文はメインの呪文の特性を持ち、さらに連繋した各カードの文章欄を持つ。呪文は連繋したカードの他の特性(カード名、マナ・コスト、色、サブタイプ、タイプ、特殊タイプなど)を得ない。  追加されたテキストの対象は通常通り選択する(409.1c参照)。1つ以上の対象を持つ呪文の対象が解決時にすべて不適正になった場合、呪文自体が打ち消されることに注意。  呪文はスタックを離れた(打ち消された、ゲームから取り除かれた、解決されたなど)時点で、連繋による変更を失う。 連発型アーティファクト/Poly Artifact ※廃語  古いカードで、「連発型アーティファクト/poly artifact」とタイプ行に書かれたものが存在する。それらは、タップ・シンボルを含まない起動型能力を持つアーティファクトである。連発型アーティファクトと書かれているカードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。 ワールド/World  「ワールド」は、通常、エンチャントにつく特殊タイプである。  複数のパーマネントが「ワールド」の特殊タイプを持っている場合、その中で最も短い時間「ワールド」の特殊タイプを持って場にあったものを除いて、全てがオーナーの墓地に置かれる。最も短い時間のものが複数あった場合、それら全てがオーナーの墓地に置かれる。この「ワールド・ルール」は状況起因効果である。rule 402.5 参照。  ワールド・パーマネントのタイプやサブタイプが変更されても、特殊タイプは変更されない。そのパーマネントはやはりワールド・パーマネントである。 Y、Z/Y, Z  Xを参照。 脇に置く/Set Aside  カードを脇に置くとは、それをゲーム外に置くのと同義である。しかし、脇に置かれたカードについては、効果がその戻る条件を特定する。ゲーム外参照。 割り振って置く/Distribute  割り振って置くとは、マジックにおいても文字通りの意味を持つ。呪文や能力によって、プレイヤーが(カウンターなどの)何かを割り振って置く場合、その対象やオブジェクト、プレイヤーには少なくとも1つは割り振らなければならない。rule 409.1e、rule 310.2 参照。 割り振る/Divide  割り振るとは、マジックにおいても文字通りの意味を持つ。プレイヤーが複数のオブジェクトやプレイヤーに何か(ダメージやカウンターなど)を割り振るよう、呪文や能力が要求した場合、いずれのオブジェクトやプレイヤーにも最低1つは割り振らなくてはならない。これは、戦闘ダメージの割り振りにはあてはまらない。rule 409.1e、rule 310.2 参照。 -------- クレジット -------- マジック・ザ・ギャザリング オリジナル・ゲームデザイン: Richard Garfield マジック総合ルールのデザイン・改良: Paul Barclay, Beth Moursund, and Bill Rose, with contributions from Charlie Camino, John Carter, Elaine Chase, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Mike Donais, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Mark L. Gottlieb, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, William Jockusch, Jeff Jordan, 米村 薫, Jim Lin, Steve Lord, Sheldon Menery, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Henry Stern, Ingo Warnke, Tom Wylie, Donald X, and Bryan Zembruski 編集: Del Laugel, Justin Webb マジック・ルール・マネージャー: Paul Barclay マジックは Richard Garfieldと、Charlie Camino, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, Elliott Segal の手によってデザインされた。マナ・シンボルは、Christopher Rush によるデザインである。 我々のプロジェクト・チームのメンバーをはじめ、このプロダクトに関った全ての人に感謝する。 Published by Wizards of the Coast, Inc., P.O. Box 707, Renton WA 98057-0707, U.S.A. Wizards of the Coast, Magic: The Gathering, Magic, DCI, Oracle, Ice Age, Vanguard, Exodus, Unglued, Portal Three Kingdoms, Odyssey, Judgment, and Champions of Kamigawa are trademarks of Wizards of the Coast, Inc. in the U.S.A. and other countries. c1993・004 Wizards. U.S. Pat. No. RE 37,957. ご質問は最寄りのウィザーズ社オフィス(英語)、またはJapan NetRep *ぱお*/米村 薫 まで。 アメリカ、カナダ、アジア太平洋、中南米 Wizards of the Coast, Inc. P.O. Box 707 Renton WA 98057-0707 U.S.A. Tel: 1-800-324-6496 (within the U.S.) Tel: 1-206-624-0933 (outside of the U.S.) Fax: 1-425-204-5818 Email: custserv@wizards.com イギリス、エール、南アフリカ Wizards of the Coast, Inc. Consumer Affairs P.O. Box 43 Caswell Way Newport NP19 4YD GREAT BRITAIN Tel: + 800 22 427276 Fax: + 44 1633 282693 Email: wizards@hasbro.co.uk ヨーロッパ本部 Wizards of the Coast p/a Hasbro Belgium 't Hofveld 6D B-1702 Groot-Bijgaarden BELGIUM Tel: +32.70.233.277 Fax: +32.2.464.09.59 Email: custserv@hasbro.co.uk