======== マジック総合ルール(私訳第 4.7.0.0 版) ========  このルールに関して、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。 (このファイルの最後に詳細は記述してあります)  このファイルは、マジック・ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、Japan Netrep *ぱお*/米村 薫 が協力者の助力の下で翻訳したものです。  このルールの英文は http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/rules/tourneyplayer に、翻訳文は http://mjmj.info/data/CompRules_j.html にあります。  再配布は制限しませんが、この巻頭辞まで含めた完全な形でお願いいたします。  この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。 -------- もくじ -------- 0. はじめに 1. ゲーム 100. 原則 101. ゲームの始め方 102. 勝ちと負け 103. マジックの黄金律 104. 数とシンボル 2. ゲームの部分 200. 原則 201. 特性 202. 名前 203. マナ・コストと色 204. 絵 205. タイプ行 206. エキスパンション・シンボル 207. 文章欄 208. パワー/タフネス 209. イラストの著作権表記 210. 権利表記 211. コレクター番号 212. タイプ、特殊タイプ、サブタイプ 213. 呪文 214. パーマネント 216. トークン 217. 領域 3. ターン進行 300. 原則 301. 開始フェイズ 302. アンタップ・ステップ 303. アップキープ・ステップ 304. ドロー・ステップ 305. メイン・フェイズ 306. 戦闘フェイズ 307. 戦闘開始ステップ 308. 攻撃クリーチャー指定ステップ 309. ブロック・クリーチャー指定ステップ 310. 戦闘ダメージ・ステップ 311. 戦闘終了ステップ 312. 終了フェイズ 313. ターン終了ステップ 314. クリンナップ・ステップ 4. 呪文・能力と効果 400. 原則 401. スタック上の呪文 402. 能力 403. 起動型能力 404. 誘発型能力 405. 常在型能力 406. マナ能力 407. 能力の追加・除去 408. 呪文や能力のタイミング 409. 呪文や起動型能力のプレイ 410. 誘発型能力の処理 411. マナ能力のプレイ 412. 常在型能力の処理 413. 呪文・能力の解決 414. 呪文・能力の打ち消し 415. 対象をとる呪文や能力 416. 効果 417. 単発的効果 418. 継続的効果 419. 置換・軽減効果 420. 状況起因効果 421. '無限'ループの処理 422. 不正な行動の処理 423. カードを引くこと 424. コスト 5. その他のルール 500. 適正な攻撃とブロック 501. キーワード行動 502. キーワード能力 503. オブジェクトのコピー 504. 裏向きの呪文やパーマネント 505. 分割カード 506. サブゲーム 507. 他のプレイヤーのターンをコントロールする 508. 反転カード 509. ターンの終了 510. 位相 511. コイン投げ 6. 多人数戦ルール 600. 原則 601. 「影響範囲制限」選択ルール 602. 「複数への攻撃」選択ルール 603. 「クリーチャー配置」選択ルール 604. 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール 605. 変種ルール「無差別戦」 606. 変種ルール「双頭巨人戦」 607. 変種ルール「皇帝戦」 608. 変種ルール「大乱闘戦」 609. 変種ルール「チーム戦」 7. 用語集 -------- マジック・ザ・ギャザリング 総合ルール -------- 0. はじめに  この冊子は、マジック・ザ・ギャザリングの基本的なゲームを理解した人たちのために編集されている。初心者にとって、このルールはほとんどの場合、不必要で複雑なものである。このルールに書かれていることは、このゲームに関するルール・グルになるためのものであり、特殊な問題が生じたときか、あるいは競技プレイの間にしか必要ではないだろう。  気軽なプレイの時にはもちろん、また、そうでなくてもほとんどの状況では、第9版入門セットの箱に入っている基本ルールブックで充分である(基本ルールブックの内容は、ウィザーズ社のマジック・ルールのウェブサイト http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/rules からダウンロードできる。なお、日本語版はタカラトミーサイト http://mtg.takaratomy.co.jp/rule/basic/index.html に、私家改変版がMJMJ.info http://mjmj.info/data/BasicRules_j.html にある)。それ以上の詳細なルールを求めるのであれば、これ以降を読み進めるとよい。  この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。用語集では、ルール側で書くことが相応しくないような、用語一つ一つに関する解説が列記されている。探しているものが見つからない場合、用語集を確認すること。  ウィザーズ社は、ルールをいかに細かく定めたとしても、特定のカードの相互作用によって正確な解答が必要な状況があることは判っている。疑問がある場合、ウィザーズ社の http://www.wizards.com/customerservice に問い合わせて、その解答を得ることができる。これ以外の連絡先は、このファイルの末尾に記されている。  問題の発生に応じて、またルールをできる限り新しく保つために、公開以降にも変更が加えられる可能性がある。公式ルールの現在の版は、ウィザーズ社のサイト内の http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/rules に公開されている。 1. ゲーム 100. 原則 100.1. このマジックのルールは、2人ないしそれ以上のプレイヤーによるゲームに適用される。2人による対戦と、それ以上のプレイヤーによる多人数戦がある。 100.1a 2人対戦は2人で開始されるゲームのことである。 100.1b 多人数戦は3人以上のプレイヤーで開始されるゲームのことである。rule 600〔原則〕参照。 100.2. 構築環境でゲームをするにあたって、各プレイヤーは、60枚以上のカードからなるデッキ、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの現在値をはっきり示す方法、を必要とする。構築環境でのデッキは、任意の枚数の基本土地カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本土地以外のカードからなる。 100.3. シールド、またはドラフト環境において、デッキには40枚以上のカードを必要とする。持っているかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。リミテッド環境においても、トークンやカウンターを示す小さな物や、ライフの現在値をはっきり示す方法は必要である。 100.4. デッキ・サイズに上限はない。 100.5. ほとんどのマジックのトーナメントには、(ここに含まれない)特殊ルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。 http://www.wizards.com/default.asp?x=DCI/doccenter/home で手に入れることができる、最新のマジック・DCIフロアルールを参照のこと。 訳注:日本語版は http://mjmj.info/data/ でも公開されている。 101. ゲームの始め方 101.1. ゲームを始めるとき、それぞれのプレイヤーは自分のデッキをシャッフルし、カードが不規則な順序になるようにする。その後、対戦相手のデッキをシャッフルすることができる。このデッキは以後ライブラリーとして扱われる。 101.2. デッキをシャッフルした後、どちらが先攻後攻を選ぶかを決める。その方法は相互に納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定権を持つ。 101.3. 先攻プレイヤーが決定された後、それぞれのプレイヤーはそのライフを20にし、そして7枚の手札を引く。 101.3a 双頭巨人戦では、各チームの共有ライフは30点から始まる。 101.4. 最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行なうことができる。この判断は、先攻のプレイヤーが先に行なう。マリガンとは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして6枚の新しい手札を引くことである。なお気に入らなければもう一度繰り返すことができ、このときは新しい手札は5枚になる。こうして、毎回1枚ずつ手札を減らして、0枚になるまでこの方法を繰り返すことができる。先攻のプレイヤーがこれ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーのゲーム開始時の手札となる。その後、ターン進行順で次のプレイヤーが満足するまでマリガンを行なうことができる。一旦マリガンしないことを選んだら、その後でマリガンすることはできない。 101.4a 「双頭巨人戦」変種ルールでは、基本的には通常のマリガン・ルールに基づいてマリガンを行なうが、いくつかの点において変更が加えられる。先に先攻のチームがマリガンを行なう。チームにおいてマリガンする場合、そのチームのプレイヤーがマリガンをするかどうかを別々に決定し、その後で同時にマリガンを行なう。1度目のマリガンでは、新しく引く手札は7枚になる。そのチームの両プレイヤーが手札を確認してから、この手順を繰り返す(2度目以降は通常のルール通りに1枚ずつ手札のカードが減っていく)。プレイヤーがそれ以上マリガンしないことを選んだら、そのカードは開始時の手札となる。一旦マリガンしないことを選んだら、その後でマリガンすることはできない。先攻チームの両プレイヤーがマリガンの手順を終えたら、後攻チームが同様にマリガンを行なう。 例:双頭巨人戦で、ボブとクレアが先攻チームである。最初に各7枚引いて、その手札を確認して、ボブとクレアは両方ともがマリガンすることを選択した。引いたカードをデッキに混ぜ入れ、改めて7枚引く。クレアはボブの手札に満足しなかったが、ボブは手札を残すことを選択し、クレアはもう一度マリガンすることを選んだ。ボブの7枚のカードはこの時点でボブのゲーム開始時の手札となり、クレアは手札をデッキに混ぜいれて6枚の手札を引くことになる。これ以降、マリガンをするかどうかを選ぶことができるのはクレアだけであり、ボブはもうマリガンすることができない。クレアは6枚の手札を見て、それでゲームを始めることを選択した。この後、後攻である相手チームがマリガンの処理を行なう。 101.5. 全てのプレイヤーがゲーム開始時の手札を決定したら、先攻のプレイヤーのターンが始まる。 101.5a 2人対戦では、先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 304〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。 101.5b 双頭巨人戦では、開始チームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。他の多人数戦では、最初のターンのドロー・ステップを飛ばすというルールは存在しない。 102. 勝ちと負け 102.1. プレイヤーが勝ち、あるいは負け、またはゲームが引き分けになったら、そのゲームは即座に終わる。 102.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。 102.2a そのプレイヤーの対戦相手全員が負けとなって、かつ、そのプレイヤー自身が負けていないとき、そのプレイヤーの勝ちとなる。 102.2b 何らかの効果によって勝ちとなることもある。 102.2c チームによる多人数戦においては、他のチーム全てが負けとなったとき、残っているプレイヤーのいるチームの勝ちとなる。勝ちとなったチームのプレイヤーは、そのプレイヤー自身が負けになっていたとしても、全員が勝ちとなる。 102.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。 102.3a プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座に負けとなる。 102.3b プレイヤーのライフの合計が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき(状況起因効果として)ゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 102.3c ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときに(状況起因効果として)そのゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 102.3d プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 102.3e プレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーは負けとなる。 102.3f チームによる多人数戦においては、そのチームのプレイヤー全てが負けとなったときにチームも負けとなる。 102.4. ゲームが引き分けとなる条件がいくつか存在する。 102.4a ゲームに残っていたプレイヤー全員が同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。 102.4b ゲームが何らかのループを作り、それを止める方法がない場合、ゲームは引き分けとなる。但し、なんらかの選択肢のあるループは引き分けにはならない。 102.4c チームによる多人数戦においては、残っていたチーム全てが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。 102.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから除外される。逆に、プレイヤーがゲームから除外されたら、そのプレイヤーは負けとなる。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから除外される場合について記述されている。rule 600.4 参照。 103. マジックの黄金律 103.1. カードのテキストがルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる。rule 102.3a 参照。 103.2. あるルールまたは効果によって何かを「できる」とされている時に、他の効果によって同じことが「できない」とされていた場合、「できない」という効果が優先される。例えば、「このターンに、あなたは土地を1枚追加でプレイしてよい」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地カードをプレイすることはできない」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。オブジェクトに能力を与える効果とオブジェクトから能力を失わせる効果の相関については、このルールは適用されない。rule 407〔能力の追加・除去〕参照。 103.3. カードの記述が不可能な行動を求めていた場合、それは無視される。(多くの場合、カードはこれの結果をはっきりさせる。そうでなければ、なんの効果ももたらさない) 103.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり行動を取ったりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順に他のプレイヤーが必要な選択を行なっていく。選択の終わった後、同時に行動が起こる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。 例:「それぞれのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分のコントロールするクリーチャーを1体選び、それから非アクティブ・プレイヤーが順に自分のコントロールするクリーチャーを1体ずつ選び、その後でそれらのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。 103.4a プレイヤーは、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行なう。 103.4b 複数の選択を同時に行なう場合、指定があればその順で、指定がなければ任意の順で選択を行なう。 104. 数とシンボル 104.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。 104.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージを与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。 104.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数(訳注:0も含む)だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージを与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーのパワーなど、ゲーム中に値として負の数が存在することはありうる。計算や比較の結果、効果に負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。そのような計算の結果が負の数になった場合、その効果がクリーチャーのパワーやタフネスを変更したりある値に定めたり、プレイヤーのライフ総量をある値にしたりするものでない限り、0として扱う。 104.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、0として扱う。 104.3. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{X}{Y}{Z}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、ならびに氷雪シンボル{S}の総称である。 104.3a 色つきマナ・シンボルはそれぞれその色つきマナ1点を意味する。{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑に対応する。 104.3b 数字のシンボル({1}など)は不特定マナ・コストであり、任意の色つきマナ、あるいは無色マナで支払うことのできる一定量のマナを意味する。 104.3c {X}{Y}{Z}は何らかの量のマナを意味する。呪文や起動型能力のコストに含まれる場合、そのコントローラーはその変数の値を決定する。 104.3d ({1}などの)数字のシンボルや({X}などの)変数のシンボルは、マナを出す能力では無色マナを意味する。 104.3e {0}は0マナを意味し、コストのかからない呪文や起動型能力でコスト欄に書かれる。コストが{0}の呪文や能力も、自動的にプレイされるわけではなく、他の呪文や能力と同じようにプレイされる。 104.3f 混成マナ・シンボルは、それぞれ2つの色のうちどちらか1色で支払うことができるコストを意味している。コストに含まれる{W/U}は白マナか青マナで支払うことができるし、{W/B}は白か黒で、{U/B}は青か黒で、{U/R}は青か赤で、{B/R}は黒か赤で、{B/G}は黒か緑で、{R/G}は赤か緑で、{R/W}は赤か白で、{G/W}は緑か白で、{G/U}は緑か青で支払うことができる。混成マナ・シンボルは、その各半分の持つ色を持つ。 例:{G/W}{G/W}は、{G}{G}か{G}{W}か{W}{W}で支払うことができる。 104.3g 混成マナ・シンボルで表されるマナ1点を、何らかの効果によってプレイヤーのマナ・プールに加える場合には、そのプレイヤーがそのシンボルに含まれる色のうち1つを選び、その色のマナをマナ・プールに加える。 104.3h 氷雪マナ・シンボル{S}は、氷雪パーマネントから生み出されたマナ1点によって支払うことのできるコストを意味する。これは任意の色、あるいは無色のマナによって支払われる、不特定マナ・コストである。不特定マナ・コストを減少させる効果は、{S}コストを減少させることはできない。 104.4. タップ・シンボルは{Tap}である。起動コストにタップ・シンボルがある場合、「このパーマネントをタップする」ということを意味する。既にタップ状態のパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 212.3d 参照。 104.5. オデッセイ・ブロックのカードで、カード名の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに働く能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。 2. ゲームの部分 200. 原則 200.1. ルールやカード・テキストに「カード」と記されていた場合、マジックのカードの表とマジックのカードの裏を持つマジックのカードを指す。Ungluedの、トークンを示すカードはルールの適用に関してはカードとしては扱わない。 200.1a カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤー、またはゲーム中にゲーム外から加えられたカードについてはそれを加えたプレイヤーのことである。 200.2. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース http://gatherer.wizards.com/ で参照できる。 200.3. プレイヤーとは、ゲームに参加している各人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。非アクティブ・プレイヤーとは、それ以外のプレイヤーのことである。 200.3a チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーはチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤーは対戦相手である。 200.4. トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである(rule 216〔トークン〕参照)。 200.4a トークンのオーナーは、それを場に出す呪文や能力をコントロールしていたプレイヤーである。トークンのコントローラーはそれを場に出したプレイヤーである。 200.5. 呪文とは、スタック上にある呪文、あるいは呪文またはカードのコピーのことである(rule 213〔呪文〕参照)。 200.5a 呪文のオーナーはそのカードのオーナーである。呪文のコントローラーはそれをプレイしたプレイヤーである。 200.6. パーマネントとは、場に出ているカードやトークンのことである(rule 214〔パーマネント〕参照)。 200.6a トークンでないパーマネントのオーナーは、そのカードのオーナーである。パーマネントのコントローラーはそれを場に出したプレイヤーである。 200.7. 能力とは、スタック上にある起動型能力および誘発型能力のことと、オブジェクト上にある、そのオブジェクトが何をするかを表現する文章の両方のことを指す(rule 402〔能力〕および rule 4〔呪文・能力と効果〕参照)。 200.7a スタック上にある能力のオーナーは、それがプレイされた時、もしくは誘発した時にその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。スタック上にある能力のコントローラーは、その能力をプレイしたプレイヤー、もしくはその能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。 200.8. オブジェクトとは、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、スタック上の能力のことである。このルール内で「オブジェクト」という語が用いられている場合、その項目は上記全てに適用される。スタック上にある戦闘ダメージも、このルール中の「オブジェクト」のルールがあてはまらないことは多いが、オブジェクトである。 200.9. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」という単語なしでタイプやサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、場に出ているそのタイプのパーマネントのことを意味する。 200.9a 呪文や能力が「カード/card」という単語と領域名とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、その領域にあるそのタイプのカードのことを意味する。 200.9b 呪文や能力が「呪文/spell」という単語とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、スタックにあるそのタイプの呪文のことを意味する。 200.9c 呪文や能力が「発生源/source」という単語とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、その種類の、能力の発生源またはダメージの発生源のことを意味する。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 200.10. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。+X/+Yカウンター(X、Yはそれぞれ数字である)がパーマネントの上に置かれている時、そのパーマネントのパワーにXを加え、タフネスにYを加える。同様に、このXやYが負の時はその分だけ引く。同名のカウンターは相互に交換可能である。 201. 特性 201.1. カードには、名前、マナ・コスト、絵、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワー、タフネス、イラストの著作権表記、権利表記、コレクター番号と呼ばれる部分がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。 201.2. オブジェクトの特性とは、名前、マナ・コスト、色、タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネスのことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。 202. 名前 202.1. カードの名前は、その左上隅に記されている。 202.2. 文章中にそのオブジェクトの名前が書かれていた場合、それはそのオブジェクトそのものだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。 202.2a オブジェクトの能力が、特性を用いて「この[何か]/this [何か]」の類の表現であるオブジェクトを指していた場合、後でその特性が合わなくなったとしても、その特定のオブジェクトを指す。 例:「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時までそれは+2/+2の修整を受ける。ターン終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力があった場合、その+2/+2の修整を受けたオブジェクトがターン終了時にクリーチャーでなくなっていたとしても、破壊する。 202.2b あるオブジェクトの能力が、そのオブジェクトを名前で参照している能力を他のオブジェクトに与えた場合、その名前で示されるのはその能力を与えた能力を持つオブジェクト自身だけであり、同名の他のオブジェクトのことは示さない。 例:《はじける子嚢/Saproling Burst》は「はじける子嚢の上から消散カウンター1個を取り除く: 緑の苗木クリーチャー・トークンを1個場に出す。このトークンは「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ、《はじける子嚢》の上に置かれている消散カウンターの数に等しい」という能力を持つ。」という能力を持つ。この、トークンに与えられた能力は、そのトークンを生成した《はじける子嚢》自身のことだけを指し、他の《はじける子嚢》のことは指さない。 202.3. 英語名が同じなら、カードに記されている内容が違っていようとも同じカード名として扱う。 203. マナ・コストと色 203.1. カードのマナ・コストはカードの右上隅に記されているマナ・シンボルで示される。なお、未来予知セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。オブジェクトのマナ・コストを支払う際には、色のついたマナ・シンボル全ての色や、不特定マナ・コストが正しくなければならない。 203.1a オブジェクトのコピーはそのオブジェクトと同じマナ・コストを持つ。rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照。 203.1b マナ・コストがあるべきところにマナ・シンボルが記されていないカードが存在する。それらのカードのコストは支払うことができない。マナ・コストを持たない呪文のマナ・コストに基づくコストを持つ能力のコストも、支払うことができない。コストを支払うことができない呪文や能力をプレイしようとすることは適正な行動であるが、支払うことができないコストを支払うことは適正な行動ではない。 支払うことができないコストが効果や追加コストによって追加された場合にも、そのコストは支払うことができない。支払うことができないコストに対してそのマナ・コストを支払わずにプレイすることができる効果などの代替コストが適用された場合、その代替コストを支払うことはできる。 203.1c 土地は通常マナ・コストを持たない。土地はコストを支払わずにプレイすることができる。 203.1d トークンは、それを生み出す効果で特に指示されていない限り、マナ・コストを持たない。 203.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。 203.2a コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないオブジェクトは無色である。 203.2b マナ・コストの中に、5種類の色のうちで2種類以上の色のマナが含まれているオブジェクトは、そのそれぞれのマナ・シンボルの色を持つ。多色のカードのほとんどは金色の背景で印刷されているが、背景が金色でなくても多色であることがありうる。 203.2c マジックで色とは、白、青、黒、赤、緑である。白のマナは{W}、青は{U}、黒は{B}、赤は{R}、緑は{G}で表わされる。 例:マナ・コスト{2}{W}のオブジェクトは白であり、マナ・コストが{2}{W}{B}のオブジェクトは白でも黒でもある。 203.2d プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」は色ではない。 203.2e 自身のマナ・コストに混成マナ・シンボルを含むオブジェクトは、そのオブジェクトの他の色に加えて、そのマナ・シンボルのそれぞれの色でもある。混成マナ・シンボルを持つほとんどのカードは2色に塗りわけられた枠を持つ。rule 104.3を参照。 203.3. オブジェクトの、点数で見たマナ・コストは、マナ・コストに含まれるマナの量を色を気にせずに数えたものである。点数で見たマナ・コストを支払うことを求める効果に対しては、オブジェクトのマナ・コストの色とは関係なく、任意の色のマナと無色のマナの任意の組み合わせで支払うことができる。 例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、点数で見たマナ・コストに換算すると5になる。 203.3a マナ・コストを持たないオブジェクトの点数で見たマナ・コストは0である。 203.3b マナ・コストに{X}を含むオブジェクトの点数で見たマナ・コストを計算する場合、そのオブジェクトがスタックにない限りXは0として扱う。オブジェクトがスタックにある間、Xはその選ばれた値を持つ。 203.4. オブジェクトのルール・テキストに記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。 204. 絵 204.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。 205. タイプ行 205.1. カードのタイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)は絵のすぐ下に記されている。(rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照) 205.2. タイプ 205.2a タイプには、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、土地、ソーサリー、部族がある。 205.2b オブジェクトの中には、複数のタイプを持つものもある(例えば、アーティファクト・クリーチャー)。この類のオブジェクトは、そのいずれかのタイプに適用される効果は全て適用される。 205.3. サブタイプ 205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。 205.3b サブタイプは、常に、長い横線の後に列記された単語群であり、それぞれの単語は別々のサブタイプである。 205.3c あるタイプのオブジェクトのサブタイプは、そのタイプの名前を取って「アーティファクト・タイプ」「クリーチャー・タイプ」などと呼ばれる。例えば、クリーチャーのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。オブジェクトは複数のサブタイプを持つことがあり得る。日本語の場合、それぞれのサブタイプの間に中黒(・)が入っている。 例:「基本土地 ─ 山」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。 205.3d アーティファクト、エンチャント、土地には、それぞれ独立なサブタイプの組が存在する。インスタントとソーサリーは、総称として呪文タイプと呼ばれる共通のサブタイプ集を持つ。クリーチャーと部族は、総称としてクリーチャー・タイプと呼ばれる共通のサブタイプを持つ(この文章の後半にある用語集の、「クリーチャー・タイプ」「土地タイプ」などの項目に完全なリストが添付されている)。 205.3e 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプとして扱う。 例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地・クリーチャー ─ 森・ドライアド」と記されている。森は土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。 205.4. 特殊タイプ 205.4a カードは、特殊タイプを持つことがある。それらはカード・タイプの直前に書かれる。オブジェクトのタイプまたはサブタイプが変更になった場合、新しいタイプと合わなかったとしても、特殊タイプはそのまま維持される。 205.4b 「基本/basic」という特殊タイプを持った土地は基本土地である。この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。 例:第8版以前に作られたカードは「基本」という語で基本土地を表示していない。それらの古いカードにおいては、カード名が《森》《島》《山》《平地》《沼》《Snow-Covered Forest》《Snow-Covered Island》《Snow-Covered Mountain》《Snow-Covered Plains》《Snow-Covered Swamp》の10種類のいずれかであるものを基本土地とする。 205.4c 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つパーマネントは、「レジェンド・ルール」と呼ばれる、伝説のパーマネントに関する状況起因効果に従う。rule 420.5e 参照。 205.4d 「ワールド/world」という特殊タイプを持つパーマネントは、「ワールド・ルール」と呼ばれる、ワールド・パーマネントに関する状況起因効果に従う。rule 420.5i 参照。 205.4e 「氷雪/snow」という特殊タイプを持つパーマネントは、氷雪パーマネントである。この特殊タイプを持たないパーマネントは、その名前によらず、氷雪でないパーマネントである。 206. エキスパンション・シンボル 206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常は絵の右下に記されている。 206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおけるレアリティを示すものである。金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本土地である。紫は特殊なレアリティを表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりもレアリティの高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、レアリティに関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった) 206.3. ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックする。基本セットに収録されたカードは、基本セットのエキスパンション・シンボルを持つので、それらの再収録分は、元のセットのエキスパンション・シンボルを持って再収録されたのでない限り、元のセットのカードとはみなさない。第5版までの基本セットはエキスパンション・シンボルを持たない。 207. 文章欄 207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。ここには、そのカードの能力を定義するルール・テキストが書かれている。 207.2. 文章欄には、そのカードに適用されるルールの注釈文(括弧でくくられ、斜体である)や、斜体で書かれた、ゲームには関係しないがゲームの雰囲気をよくするためのフレイバー・テキストを含むこともある。 207.3. ラヴニカ・ブロックのカードの文章欄には、ギルド・アイコンが含まれている場合がある。それらのカードはその対応するギルド特有の機能を持っているなど、そのギルドに関連づけられている2色に関係したものである。ギルド・アイコンはゲームのプレイには影響を及ぼさない。 208. パワー/タフネス 208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた二つの数字が記されている。一つめの数字はパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、二つめの数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって修整されたりある値に変更されたりすることがありうる。 208.2. 一部のクリーチャー・カードでは、パワーもしくはタフネスの値が数字ではなく * になっているものがある。その種のオブジェクトは特性定義能力を持ち、何らかの条件に基づいてパワーやタフネスを定める。この種の能力は全ての領域において働く。未定義の値を用いる必要がある場合には、その未定義の値を0として扱う。 例:《Lost Order of Jarkeld》のパワーやタフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Larkeldが場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ」「Lost Order of Jarkeldのパワーとタフネスはそれぞれ、その対戦相手のコントロールするクリーチャーの数に1を加えたものに等しい」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が場にない間、対戦相手は選ばれていないので、パワーとタフネスはともに1+0、つまり1/1となる。 208.3. カードにパワーやタフネスが印刷されていたとしても(リシドがオーラになった場合など)、クリーチャーでないパーマネントは、パワーやタフネスをもたない。 209. イラストの著作権表記 209.1. カードのイラストの著作権表記は、文章欄のすぐ下に記されている。ゲームには影響しない。 210. 権利表記 210.1. 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。ゲームには影響しない。これはカードの一番下に記されている。 211. コレクター番号 211.1. いくつかのカード・セットにはコレクター番号がふられている。この情報は[カード番号/セットに含まれるカードの総数]という形で記されており、権利表記のすぐあとにある。この番号はゲームには影響しない。 212. タイプ、特殊タイプ、サブタイプ 212.1. 通則 212.1a カード、トークン、パーマネント、呪文は、タイプ、特殊タイプ、サブタイプを持ちうる。能力はタイプ、特殊タイプ、サブタイプを持たないが、色々な種類が存在する(rule 402〔能力〕参照)。 212.1b オブジェクトのタイプが変更されたとき、新しいタイプが以前のタイプを置き換える。カウンターや効果、ダメージは、新しいタイプでは意味がなくなるとしても、そのオブジェクトに残る。同様に、あるオブジェクトのタイプにともなうサブタイプが変更になったとき、新しいサブタイプは以前の同種のサブタイプ(クリーチャー・タイプ、土地タイプ、アーティファクト・タイプ、エンチャント・タイプ、呪文タイプ)を置き換える。オブジェクトのあるタイプが失われた場合、そのタイプ以外にそのサブタイプを用いるタイプを持っていない場合、そのタイプにともなうサブタイプは失われる。逆にサブタイプを失わせても、タイプには何の影響もない。 212.1c オブジェクトのタイプやサブタイプ、特殊タイプを変更する効果の中には、元のタイプやサブタイプ、特殊タイプが残ると明記されているものがある。この場合、そのオブジェクトの、以前のタイプやサブタイプ、特殊タイプは全て残る。このルールは、「それまでのタイプに加え/in addition to its types」や「[タイプ]でもある/still a [タイプ]」という表記に適用される。また、「アーティファクト・クリーチャー」になる、と書かれた効果があるが、これも同様に以前のタイプおよびサブタイプを全て残す効果である。 例:「全ての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力によって、土地は、クリーチャーでもあり土地でもあることになる。もし影響を受ける土地の中にアーティファクトでもあるものがあったなら、それは「アーティファクト・土地・クリーチャー」になる。「クリーチャー」や「土地・クリーチャー」になるわけではない。この効果によって、アーティファクトであることや土地であることが失われることはない。 例:「全てのアーティファクトは1/1のアーティファクト・クリーチャーである」という能力によって、アーティファクトでもエンチャントでもあるパーマネントは、「アーティファクト・エンチャント・クリーチャー」になる。 212.1d オブジェクトの特殊タイプはそのタイプやサブタイプとは独立して存在する。オブジェクトのタイプやサブタイプを変更しても、特殊タイプは変更されない。オブジェクトの特殊タイプを変更することは、そのタイプやサブタイプを変更しない。オブジェクトの特殊タイプが変更された場合も、それ以外の特殊タイプには何も影響を及ぼさない。 例:「全ての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力の影響を受けても、場にあった伝説の土地はやはり伝説のパーマネントである。 212.1e サブタイプを選ぶ効果があった場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない(存在するサブタイプを決定するために、オラクルを用いること。rule 200.2 参照。なお、サブタイプの一覧は、この総合ルールの用語集の、クリーチャー・タイプ、土地タイプなどの項目にも記されている)。 例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。 212.2. アーティファクト 212.2a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、アーティファクト・カードを手札からプレイすることができる。アーティファクトを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.2b アーティファクト呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で場に出す。 212.2c アーティファクトのサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト ─ 装備品/Artifact ─ Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトのサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。(アーティファクト・タイプの一覧は巻末の用語集を参照) 212.2d アーティファクトはそのタイプに特有の特性を持たない。ほとんどのアーティファクトは色つきマナをコストに含まないので、無色である。しかし、無色であることとアーティファクトであることの間に因果関係はない。色を持つアーティファクトも存在するし、無色でアーティファクトでないオブジェクトも存在する。 212.2e アーティファクト・クリーチャーは、クリーチャーとアーティファクトの持つ特性を両方持ち、どちらのタイプに影響する呪文や能力の影響も受ける。 212.2f アーティファクト・土地は、土地とアーティファクトの持つ特性を両方持ち、どちらのタイプに影響する呪文や能力の影響も受ける。アーティファクト・土地は、土地としてのみプレイでき、呪文としてはプレイできない。 212.2g アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつけることができる。クリーチャーでないオブジェクトにつけることはできない。 212.2h 装備品は、他のアーティファクトと同様にプレイされ、場に出る。通常、装備品がクリーチャーにつけられた状態で場に出ることはない。「装備/equip」のキーワード能力で、装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーの上に動かすことになる(rule 502.33〔装備〕参照)。クリーチャーのコントロールに関する条件は、装備能力のプレイ時と解決時にのみ確認する。装備品が移動する先のクリーチャーは、その装備品を装備できなければならない。装備できない場合、その装備品は移動しない。 212.2i 装備品がクリーチャーである場合、クリーチャーはそれを装備できない。クリーチャーは、「装備品」というサブタイプを失った装備品を装備できない。装備品は自分自身を装備できない。不正あるいは存在しないパーマネントに装備されている装備品は、そのパーマネントから外れるが、場に残ったままである(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 212.2j 装備品がつけられているクリーチャーは、「装備しているクリーチャー/equipped creature」と呼ばれる。装備品は、クリーチャーにつけられる、あるいは「装備される/equip」ことになる。 212.2k 装備品のコントローラーは、装備しているクリーチャーのコントローラーとは分けて考える。この2つは同じものではない。クリーチャーのコントローラーが変わっても装備品のコントローラーは変わらないし、逆も同様である。装備品のコントローラーのみが、それの能力をプレイできる。ただし、装備品がそれを装備しているクリーチャーに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)与える場合、装備しているクリーチャーのコントローラーのみが、その能力をプレイできる。 212.2m アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦は土地につけることができる。土地でないオブジェクトにつけることはできない。rule 212.2h-212.2kを、クリーチャーを土地と読み替え、装備品を城砦と読み替えて適用する。装備能力に対応するのは「城砦化/Fortify」能力である。rule 502.65〔城砦化〕参照。 212.3. クリーチャー 212.3a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、クリーチャー・カードを手札からプレイすることができる。クリーチャーを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.3b クリーチャー呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で場に出す。 212.3c クリーチャーのサブタイプは必ず1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature ─ Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature ─ Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。(クリーチャー・タイプの一覧は巻末の用語集参照) 例:「クリーチャー ─ ミノタウルス/Creature ─ Minotaur」は、そのカードがクリーチャーであり、そのサブタイプがミノタウルスであることを示している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature ─ Goblin Wizard」は、カードがクリーチャーであり、サブタイプはゴブリンでもウィザードでもあることを示している。 212.3d クリーチャーはパワー(そのクリーチャーが戦闘で与えるダメージの総量)とタフネス(そのクリーチャーを破壊するために必要なダメージの総量)を持つ。クリーチャーのパワーやタフネスを決定するためには、カードの右下に印刷されている値から計算し、各種の継続的効果を適用する(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。 212.3e クリーチャーは攻撃したりブロックしたりできる(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 212.3f クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、プレイできない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーは攻撃に参加できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 502.5 参照)。 212.3g クリーチャー・土地は、土地とクリーチャーの両方の特性を持ち合わせ、どちらかあるいは両方に影響を及ぼす呪文や能力の影響を受ける。クリーチャー・土地は土地としてプレイされ、呪文としてはプレイできない。 212.4. エンチャント 212.4a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、エンチャント・カードを手札からプレイすることができる。エンチャントを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.4b エンチャント呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で場に出す。 212.4c エンチャントのサブタイプは必ず1単語であり、「エンチャント」という語のあとに、「エンチャント ─ 祭殿/Enchantment ─ Shrine」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。エンチャントのサブタイプは、「エンチャント・タイプ」とも呼ばれる。エンチャントには複数のサブタイプがあることもありうる。(エンチャント・タイプの一覧は巻末の用語集参照) 212.4d エンチャントの中には、サブタイプとして「オーラ/Aura」を持つものがある。オーラはオブジェクトまたはプレイヤーについた状態で場に出る。オーラをつけることができる先は、キーワード能力「エンチャント」によって制限されている(rule 502.45〔エンチャント〕参照)。他の効果によって、エンチャントできるかどうかに制限が加えられる場合もある。 212.4e オーラ呪文は、エンチャント能力で示される性質を持つ対象を必要とする。 212.4f オーラが不正なオブジェクトまたはプレイヤー上にエンチャントされていたり、あるいはエンチャントされているオブジェクトやプレイヤーがすでに存在しなくなっていれば、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因効果である。rule 420〔状況起因効果〕参照)。 212.4g オーラはそれ自身にはつけることができない。また、オーラがクリーチャーでもある場合、他のオブジェクトにつけることもできない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラは状況起因効果でオーナーの墓地に置かれる(rule 420.5d 参照)。 212.4h オーラのつけられているオブジェクトやプレイヤーのことを、「エンチャントされている」という。そのオーラはそのオブジェクトやプレイヤーを「エンチャントしている」、あるいはそのオブジェクトやプレイヤーに「ついている」という言い方をする。 212.4i オーラのコントローラーは、そのエンチャントされているオブジェクトのコントローラーとは無関係であり、同じである必要はない。オブジェクトのコントローラーが変わっても、オーラのコントローラーは変化しないし、逆も同じである。オーラのコントローラーだけがそのオーラの能力を使うことができる。しかし、オーラがそれのエンチャントしているオブジェクトに何らかの能力を与える(「得る/gain」「持つ/have」で示される)場合には、エンチャントされているオブジェクトのコントローラーだけがその能力を使うことができる。 212.4j オーラがプレイされる以外の方法で場に出、その出す効果がオーラのエンチャント先を指定していなかった場合、オーラが場に出るに際して、それを場に出すプレイヤーがエンチャント先を選ぶ。そのプレイヤーは、オーラのエンチャント能力その他適用される効果に従い、適正なパーマネントまたはプレイヤーを選ばなければならない。適正な選択が出来ない場合、オーラはその現在ある領域がスタックでない限り、現在ある領域に残る。スタックである場合、場に出る代わりにオーナーの墓地に置かれる。 212.4k 効果によって場にあるオーラがオブジェクトかプレイヤーに付けられる場合、そのオブジェクトまたはプレイヤーは適正にエンチャントされ得なければならない。不正な場合、オーラは移動しない。 212.5. インスタント 212.5a プレイヤーは、優先権を持っている時に、インスタント・カードを手札からプレイすることができる。インスタントを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.5b インスタント呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている行動が行なわれた後で、オーナーの墓地に置かれる。 212.5c インスタントのサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントのサブタイプは「インスタント・タイプ」とも呼ばれる。インスタントのサブタイプで、ソーサリーのサブタイプでもあるものを呪文タイプと呼ぶ。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。(インスタントのサブタイプ一覧は、巻末の用語集の「呪文タイプ」を参照) 212.5d インスタントが場に出ることはない。場に出るような場合、その代わりにもとあった領域に残る。 212.5e 「プレイヤーがインスタントをプレイできるときならいつでも」という表現は、そのプレイヤーが優先権を持っている時に、という意味である。実際にプレイできるインスタントを持っている必要はない。 212.6. 土地 212.6a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、土地カードを手札からプレイすることができる。土地カードは呪文カードではなく、呪文としては扱われない。土地カードをプレイする場合、単に場に出される。土地カードはスタックに乗らないので、インスタントや起動型能力で対応することはできない。 212.6b プレイヤーは、自分のターンに1枚だけ土地カードをプレイすることができる。効果によって追加の土地をプレイすることが可能になることがある。こうした場合にも、通常の、土地を場に出す行動を取ることはできる。効果によって土地のプレイが禁止されている場合、プレイヤーは土地をプレイしようとすることはできない。土地をプレイするに際し、プレイヤーは、それが通常の土地のプレイかそうでないのかを宣言する必要がある。通常の土地のプレイでない場合には、どの効果によってその土地のプレイが認められるのかを特定しなければならない。土地を場に「出す/put」ことができる呪文や能力が存在する。これは土地のプレイとは違うので、通常の土地のプレイが1枚限りだという制限の上では考慮されない。何らかの効果で可能になっているように見えても、他のプレイヤーのターンの間に土地をプレイすることはできない。 212.6c 土地のサブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。(土地タイプの一覧は用語集参照) 例:「基本土地 ─ 山」という記述は、そのカードが山のサブタイプを持つ土地であることを意味する。 212.6d 基本土地タイプは、平地、島、沼、山、森である。「基本土地タイプ」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。基本土地タイプを持つ土地は、色マナを出す固有の能力を持っている(rule 406〔マナ能力〕参照)。その土地の文章欄は、たとえそこが空欄であったりそもそも存在しなかったりしたとしても、「{Tap}:あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」の能力が書かれているものとして扱う。平地は白、島は青、沼は黒、山は赤、森は緑の各色マナを出す。 212.6e 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本土地タイプに変わった場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。ルール・テキストまたは元の土地タイプによって得られていた能力を全て失い、その基本土地タイプが持つマナ能力のルール・テキストを得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地に与えられた能力を取り除くわけではない点に注意。土地タイプの変更は、その土地が持つタイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本」や「伝説の」「氷雪」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプとルール・テキストを持ち、それに加えて新しい土地タイプとマナ能力を得る。 212.6f 「基本/Basic」という特殊タイプをもつ土地は基本土地である。この特別タイプを持たない土地は基本でない土地である。 212.6g あるオブジェクトが土地であり、かつ他のタイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文としてプレイされることはない。 212.7. ソーサリー 212.7a プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で優先権を持っている時に、ソーサリー・カードを手札からプレイすることができる。ソーサリーを呪文としてプレイする場合、スタックを用いる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。 212.7b ソーサリー呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている行動が行なわれた後で、オーナーの墓地に置かれる。 212.7c ソーサリーのサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーのサブタイプは「ソーサリー・タイプ」とも呼ばれる。ソーサリーのサブタイプで、インスタントのサブタイプでもあるものを呪文タイプと呼ぶ。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。(ソーサリーのサブタイプ一覧は、巻末の用語集の「呪文タイプ」を参照) 212.7d ソーサリーが場に出ることはない。場に出るような場合、その代わりにもとあった領域に残る。 212.7e 呪文、能力、効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリーがプレイできるときならいつでも」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤーが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。実際にプレイできるソーサリーを持っている必要はない。 212.8. 部族 212.8a 部族カードはもう一つカード・タイプを持つ。部族カードをプレイし、解決するにあたっては、もう一つのタイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。 212.8b 部族のサブタイプは、必ず1単語であり、「部族・エンチャント ─ レベル・オーラ/Tribal Enchantment ─ Rebel Aura」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。この場合、「レベル」が部族タイプである。部族のサブタイプは、クリーチャーのサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。部族には複数のサブタイプがあることもありうる。(クリーチャー・タイプの一覧は巻末の用語集参照) 213. 呪文 213.1. 土地を除く全てのカードは、プレイされている間(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)とスタックにある間は呪文である。その後、解決されるか打ち消されるまでは呪文であり続ける。(rule 401〔スタック上の呪文〕参照) 213.2. 呪文のタイプ、特殊タイプ、サブタイプは、それぞれそのカードのタイプ、特殊タイプ、サブタイプと同じである。 213.3. 「呪文」という語は、スタックにあるカードまたはカードのコピーのことを指す。 213.4. 呪文にはコントローラーが存在する。通常、呪文のコントローラーはその呪文をプレイしたプレイヤーである。 213.5. パーマネントになる呪文の特性を何らかの効果によって変更した場合、その効果は呪文の解決後に生成されたパーマネントにも適用される。 例:黒のクリーチャー呪文を白に変更する効果があった場合、場に出たときもそのクリーチャーは白であり、その変更する効果が続いている限り白のままである。 214. パーマネント 214.1. パーマネントとは、場に存在するカードやトークンのことである。パーマネントは何らかの効果やルールによって他の領域に動かされるまで場に残る。パーマネントにはアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地という4つのタイプがある。インスタントやソーサリー・カードが場に出ることはない。部族カードは、部族以外のタイプによって場に出るものも、場に出ないものもある。 214.1a 「パーマネント・カード/Permanent Card」という表記を用いて、場に出ることのできるカードを指すことがある。すなわち、アーティファクト・カード、クリーチャー・カード、エンチャント・カード、土地カードの総称である。 214.1b 何らかの理由でパーマネントが全てのタイプを失った場合、そのパーマネントはパーマネントとして場に残る。 214.2. トークンでないパーマネントのタイプ、特殊タイプ、サブタイプは、カードに書かれているものと同じである。トークンのタイプ、特殊タイプ、サブタイプは、それを作り出した呪文や能力によって定義される。 214.3. カードやトークンは場に出たときにパーマネントとなり、場を離れたときにパーマネントでなくなる。パーマネントはアンタップ状態で場に出る。「パーマネント」という語は、場に出ているカードやトークンを指す。「カード」という語は、パーマネントとして場に出ているカードのことは指さず、例えば「手札にあるクリーチャー・カード」のように、場以外の領域にあるものだけを指す。rule 217〔領域〕参照。 214.4. パーマネントにはコントローラーが存在する。通常、パーマネントのコントローラーはそれを場に出したプレイヤーである。 214.5. パーマネントは、タップ/アンタップ、反転/非反転、表向き/裏向きの各位相分野ごとに1つの値を持つ。通常、パーマネントはアンタップ、非反転、表向きの状態で場に出る。rule 510〔位相〕参照。 215. ライフ 215.1. 各プレイヤーは20点のライフ総量でゲームを始める。双頭巨人戦においては、各チームが30点の強要ライフ総量でゲームを始める。rule 606〔変種ルール「双頭巨人戦」〕参照。 215.2. プレイヤーに与えられたダメージは、その量だけそのプレイヤーのライフを減らす。 215.3. プレイヤーが効果によってライフを得たり失ったりする場合、そのプレイヤーのライフ総量はそれによって増減する。 215.4. コストや効果でプレイヤーがライフを支払う場合、ライフ総量が支払う分量以上でなければ支払うことができない。プレイヤーがライフを支払った場合、ライフ総量からその量だけ引かれる。 + 215.5. 効果によってプレイヤーのライフ総量が特定の値になる場合、そのプレイヤーはその新しい値になるのに必要なだけのライフを得たり失ったりする。 215.6. プレイヤーのライフが0以下になったら、そのプレイヤーは状況起因効果によってゲームに負ける。rule 420.5 参照。 216. トークン 216.1. トークンを場に出すという効果が存在する。トークンのオーナーはそれを生成した呪文や能力のコントローラーであり、コントローラーはトークンを場に出したプレイヤーである(トークンを生成した効果にコントローラーが存在しない場合、オーナーもそのトークンを場に出したプレイヤーである)。呪文や能力によって、生成されるトークンの特性のいくつかは定められる。そうして定められた値は、カードに印刷されている特性と同じように扱われる(定義された値は、トークンのコピー可能な値である)。トークンを生成した能力によって定められていない特性は存在しない。 216.1a トークンを作る呪文や能力が、そのトークンの名前とクリーチャー・タイプを定める。特に書かれていない限り、トークンの名前は、そのクリーチャー・タイプと同じである。例えば、ゴブリン・斥候・クリーチャー・トークンはゴブリン・斥候という名前であり、クリーチャー・タイプはゴブリンと斥候の二つとなる。トークンが場に出た後では、名前が変わってもクリーチャー・タイプは変わらない。その逆も同じである。 216.2. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのタイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(それが他のゲームやアングルードのトークン・カードであっても)カードとしては扱われない。 216.3. 場以外の領域に存在するトークンは、存在しなくなる。これは状況起因効果である(トークンが消滅する前に、領域を変更することによる誘発型能力は発生する)。 216.4. 場を離れたトークンは、場に戻らない。そのようなトークンが場に戻ろうとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因効果をチェックする時点で、消滅する。 217. 領域 217.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。ライブラリー、手札、墓地、場、スタック、ゲーム外と呼ばれる、6つの基本的な領域がある。この他に、古いカードではアンティとフェイズ・アウト領域を用いるものもある。ライブラリー、手札、墓地はプレイヤーごとに存在し、他の領域は共用される。 217.1a オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、その代わりにオーナーの該当する領域に行く。インスタントやソーサリーのカードが場に出る場合、その代わりに、そのカードは元あった領域に残る。 217.1b ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップしているかどうか、それにつけられているオブジェクトが何かは全てのプレイヤーにとって明白でなければならない。 217.1c ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、新しいオブジェクトとして扱われる。以前の領域に関連した効果は失われる。このルールには4つの例外がある。1)スタックに積まれているアーティファクト呪文、エンチャント呪文、クリーチャー呪文の特性を変更する効果は、その呪文によって生成されるパーマネントにも適用され続ける。2)オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「《怨恨/Rancor》が場から墓地に置かれたとき」など)は、新しい領域に存在するそのオブジェクトを見つけることができる。3)スタックに積まれているアーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文からのダメージに適用される軽減効果は、その呪文によって生成されるパーマネントにも適用される。4)フェイズ・アウトあるいはフェイズ・インしたパーマネントは、その元の状態を覚えている。rule 217.8c 参照。 217.1d オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、まずどのイベントがそのオブジェクトを動かすのかを決定し、その後で、そのイベントに対する置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、その効果がどう働くかを決める。最後に、イベントが、オブジェクトを動かす。 217.1e ゲーム外領域にあるオブジェクトおよびゲームの領域に存在しないオブジェクトは外部にあるという。それ以外のオブジェクトは内部にある。外部は領域としては扱わない。 217.1f ゲーム外にあるオブジェクトがゲームから取り除かれた場合、領域は移動しないが、新しくゲームから取り除かれたのと同じように新しいオブジェクトとして扱う。 217.2. ライブラリー 217.2a ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。 217.2b それぞれのライブラリーは、一つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーを覗いたり、その順序を変化させてはならない。 217.2c プレイヤーはいつでも、それぞれのプレイヤーのライブラリーの残り枚数を数えることができる。 217.2d 同時に複数枚のカードを同じライブラリーの上または下に置く効果に関して、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置かれたのかを公開する必要はない。 217.2e プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイするように指示するカードがある。呪文や能力をプレイしている間に一番上のカードが変化した場合には、その呪文や能力がプレイされ終わるまで、新しいカードは公開されない(rule 409.1i 参照)。 217.2f 呪文や能力が、他の呪文や能力のプレイ中にカードを引かせた場合、その引いたカードは呪文や能力のプレイが終わるまで(rule 409.1i 参照)裏向きのままである。 217.3. 手札 217.3a 手札は、プレイヤーが引き、まだプレイしていないカードを持っておく場所である。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは7枚の手札を引く(rule 101〔ゲームの始め方〕参照)。 217.3b それぞれのプレイヤーに手札の上限が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップの行動として手札の上限を越えるカードを捨てなければならない。 217.3c プレイヤーはその手札を便利なように並べ、そして好きなだけ見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、それぞれのプレイヤーの手札の枚数を数えることはいつでもできる。 217.4. 墓地 217.4a 捨て札を束にして置いたものを墓地と言う。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタントやソーサリーはオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。 217.4b それぞれの墓地は、一つの、表向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。 217.4c 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決める。 217.5. 場 217.5a プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは場である。場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールする(他のプレイヤーのパーマネントにつけたオーラ以外の)パーマネントは、そのプレイヤーの目の前の場に置かれる。 217.5b カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は場にのみ影響を与え、また、場にあるものだけを考慮する。パーマネントは場にのみ存在する。 217.5c パーマネントが場領域に入ったとき、それは新しいパーマネントとして扱い、その同じオブジェクトによって現わされていたパーマネントとは無関係となる。これは他の領域についても同じである(rule 217.1c 参照)。 217.5d 場以外の領域にあるオブジェクトは場にあるとは言わず、タップしているともアンタップしているとも扱わない。場かスタックにあるオブジェクトにしかコントローラーは存在しない。 217.6. スタック 217.6a 呪文がプレイされたら、物理的にスタックに積まれる。能力がプレイされたら、カードはないけれども、その能力がスタックに積まれる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) 217.6b スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照)。 217.6c 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文や能力をプレイしたプレイヤーである。誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときのその能力の発生源のコントローラーである。 217.6d 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。 217.6e 戦闘ダメージも、スタックを用いる他のオブジェクトと同じように、スタックを用いて解決される。 217.7. ゲーム外 217.7a 何らかの効果によって、オブジェクトがゲーム外に置かれることがある。効果の中には、それを元の領域に戻す方法が用意されているものがあり、「脇に置く/set aside」という語を使っている。こうして脇に置かれたカードは、一時的にせよ、ゲーム外に置かれている。カードでないオブジェクトが元の領域に戻る場合、その代わりにゲーム外に置かれたままになる。 217.7b ゲーム外領域にあるカードは表向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きでゲーム外に置かれている」カードは、説明によって許可されない限りは公開されない。 217.7c 場に戻る可能性のあるカードは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれなければならない。 217.7d カードを取り除く能力と、「取り除かれたカード」あるいは「[カード名]によってゲームから取り除かれたカード」を用いる能力とを持つカードが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つめの種類の能力は、その1つめの種類の能力の結果取り除かれたカードで、ゲーム外領域に置かれているものだけを用いる。他のオブジェクトがその両方の能力を得た場合、そのオブジェクトにおいて同様に関連づけられる。そのオブジェクトが類似の能力を持っていたとしても、それらと関連づけられることはない。 例:《弧炎撒き/Arc-Slogger》は「{R}、あなたのライブラリーのカードを一番上から10枚ゲームから取り除く:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。弧炎撒きはそれに2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《石の死の姉妹/Sisters of Stone Death》は「{B}{G}: 石の死の姉妹をブロックするかブロックされているクリーチャー1体を対象とし、それをゲームから取り除く。」「{2}{B}:石の死の姉妹によりゲームから取り除かれたクリーチャー・カードを1枚、あなたのコントロール下で場に出す。」という能力を持つ。《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》は「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。《水銀の精霊》で《弧炎撒き》の能力を得、それをプレイしたあと、《石の死の姉妹》の能力を得て、クリーチャー・カードをゲームから取り除く能力をプレイしたとする。この後、《石の死の姉妹》から得た場に戻す能力をプレイしたとしても、《石の死の姉妹》由来の能力によって《水銀の精霊》がゲームから取り除いたカードしか場に戻すことはできない。《弧炎撒き》由来の能力で取り除かれたクリーチャー・カードは場に戻らない。 217.7e ゲーム外にあるオブジェクトがゲームから取り除かれた場合、領域は移動しないが、新しくゲームから取り除かれたのと同じように新しいオブジェクトとして扱う。 217.8. フェイズ・アウト 217.8a フェイズ・アウトしたパーマネントは、フェイズ・アウト領域に置かれる(rule 502.15〔フェイジング〕参照) 217.8b フェイズ・アウト領域にある表向きのオブジェクトは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。裏向きのオブジェクトは、裏向きのパーマネントに関するルールに従う(rule 502.26〔変異〕、rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)。 217.8c フェイズ・アウトしたオブジェクトは場には存在しないので、タップ状態でもアンタップ状態でもなく、誰にもコントロールされていない。しかしながら、この領域にあるオブジェクトはその以前のことを「覚えて」おり、場を離れたときと同じ状況で場に戻る(rule 502.15〔フェイジング〕参照)。 217.8d フェイズ・アウト領域に行ったトークンは消滅する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。それらのトークンについていたオーラ、装備品、城砦は、ゲームの残りの期間、フェイズ・アウトしたままになる。 217.9. アンティ 217.9a マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他のルールで禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCI汎用トーナメント・ルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/doccenter/home )の下では厳しく禁止されている。 217.9b アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ領域に置く。アンティ領域にあるカードは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者はアンティ領域にあるカード全ての所有権を得る。 217.9c 「アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [このカード] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードは、プレイヤーのアンティ領域にあるカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりするものである。 217.9d オブジェクトをアンティにするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ領域に移すことである。オブジェクトのオーナーだけがそのオブジェクトをアンティにすることができる。 3. ターン進行 300. 原則 300.1. ターンは順に開始フェイズ、戦闘前メイン・フェイズ、戦闘フェイズ、戦闘後メイン・フェイズ、終了フェイズの5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズは順番に処理されるステップに細分化される。 300.2. フェイズやステップは、スタックが空で、かつ全てのプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。ターン間、フェイズ間、ステップ間には何も起こらない。スタックが空になったということと、フェイズやステップが終わるということは別である。スタックが空になった後、全てのプレイヤーがパスしなければならない。言い換えると、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会が与えられるということである。 300.3. (ステップではなく)フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。こうして失われた1マナごとに、そのプレイヤーは1ライフを失う。これをマナ・バーンという。マナ・バーンはライフの喪失であってダメージではないので、ダメージに影響を及ぼす効果によって軽減したり他のものに置き換えることはできない。このゲームの行動はスタックを使用しない。(rule 406〔マナ能力〕参照) 300.4. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」の効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」の効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップ開始時ではない。「ターン終了時まで」続く効果は、特別なルールが適用される(rule 314.2 参照)。 300.5. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力がスタックに加えられる。 300.6. 効果によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを現在のターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加ターンを得たり、複数のプレイヤーが追加のターンを得たりする場合、その追加ターンは1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。 300.7. 効果によって、1ターン中にフェイズが追加されることがあり得る。今現在のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に生成される場合は、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。 300.8. 効果によって、1フェイズ中にステップが追加されることがあり得る。今現在のステップのすぐ後に(あるいは現在のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に生成される場合は、一番最後に作られたステップが最初に処理される。 300.9. 効果によって、ステップ、フェイズ、ターンが飛ばされることがあり得る。ステップ、フェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 419.6e とrule 419.6f 参照。 301. 開始フェイズ 301.1. 開始フェイズは順にアンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップの3つのステップからなる。 302. アンタップ・ステップ 302.1. まず、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのパーマネントはフェイズ・アウトし、それと同時に、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウトしている全てのオブジェクトが同時にフェイズ・インする(このゲームの行動はスタックを使用しない)。(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕, rule 502.15〔フェイジング〕参照) 302.2. 次に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールするパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの行動はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーのパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーがコントロールするパーマネントがアンタップすることが妨げられることもある。 302.3. アンタップ・ステップの間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文や能力はプレイされないし、解決されもしない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤーが優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。(rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照) 303. アップキープ・ステップ 303.1. アップキープ・ステップの開始に際し、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力と、そのターンのアンタップ・ステップに誘発していた能力を全てスタックに積む(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 304. ドロー・ステップ 304.1. アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く。このゲームの行動はスタックを使用しない。次に、そのドロー・ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積む。その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 305. メイン・フェイズ 305.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。戦闘前メイン・フェイズ(または第1メイン・フェイズ)と戦闘後メイン・フェイズ(または第2メイン・フェイズ)は、戦闘フェイズ(rule 306〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られており、戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ぶこともある。 305.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに全てのプレイヤーがパスしたときにメイン・フェイズが終了する(rule 300.2 参照)。 305.3. メイン・フェイズの開始に際し、そのメイン・フェイズの開始時に誘発する能力をスタックに積む。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。(通常、このフェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文、ソーサリー呪文をプレイできる。アクティブ・プレイヤーだけがこれらの呪文をプレイできる。) 305.4. アクティブ・プレイヤーは、どちらかのメイン・フェイズの間に、自分が優先権を持ち、スタックが空であり、そしてまだこのターンにこの特別な行動を利用していないときに限り、土地カードを1枚だけ手札からプレイすることができる(rule 212.6〔土地〕参照)。この行動はスタックを使用せず、いかなる種類の呪文や能力でもない。この行動は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。 306. 戦闘フェイズ 306.1. 戦闘フェイズは5つのステップからなり、それらは戦闘開始ステップ、攻撃クリーチャー指定ステップ、ブロック・クリーチャー指定ステップ、戦闘ダメージ・ステップ、戦闘終了ステップの順番で進んでいく。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、クリーチャーが1体も攻撃クリーチャーとして指定されなかった場合には飛ばされる(rule 308.4 参照)。攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 502.2 参照)か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持つ場合、戦闘ダメージ・ステップは2つになる。 306.2. クリーチャーは、(破壊されたり、ゲームから取り除かれたりして)場を離れたり、再生したり(rule 419.6b 参照)、コントローラーが変わったり、クリーチャーでなくなったり、効果によって戦闘から取り除かれたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除くということは、クリーチャーが攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャー、ブロックされたクリーチャー、ブロックされていないクリーチャーのいずれでもなくなるということである。 306.2a いったんクリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして宣言されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力は、そのクリーチャーを戦闘から取り除かない。 306.2b すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことはできず、戦闘ダメージは通常通り与えられる。 306.3. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤーを「攻撃している」と言い、攻撃プレイヤーと呼ぶ。戦闘フェイズの開始に際して、アクティブ・プレイヤーは対戦相手のうちから1人選ぶ。そのプレイヤーは「攻撃されている」と言い、防御プレイヤーと呼ぶ。多人数戦のルールによっては、アクティブ・プレイヤーが複数のプレイヤーに攻撃することを認めているものもある。rule 602〔「複数への攻撃」選択ルール〕、rule 606〔変種ルール「双頭巨人戦」〕参照。 306.4. ある攻撃クリーチャー以外に攻撃クリーチャーがいない場合、それを「単独で攻撃/attacking alone」していると言う。あるブロック・クリーチャー以外にブロック・クリーチャーがいない場合、それを「単独でブロック/blocking alone」していると言う。 307. 戦闘開始ステップ 307.1. 戦闘開始ステップの開始に際し、戦闘開始時に誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照))その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 308. 攻撃クリーチャー指定ステップ 308.1. 攻撃クリーチャー指定ステップの開始に際し、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する(このゲームの行動はスタックを使用しない)。ゲームのルールによって複数のプレイヤーに攻撃することが認められている場合、それぞれのクリーチャーがどのプレイヤーに攻撃するのかを指定する。クリーチャーの、防御プレイヤーを参照する効果は、そのクリーチャーが攻撃している防御プレイヤーだけを参照する。次に、攻撃クリーチャーの指定に誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照))その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 例:《絡み森を歩む者/Tanglewalker》は、「あなたがコントロールするクリーチャーは、防御プレイヤーがアーティファクト・土地をコントロールしているかぎり、ブロックされない。」という能力を持つ。あなたのクリーチャーがブロックされないかどうかは、これが攻撃しているプレイヤーがアーティファクト・土地をコントロールしているかどうかだけによる。 例:《罪を与えるもの/Guiltfeeder》は、「《罪を与えるもの》が攻撃してブロックされないたびに、防御プレイヤーはそのプレイヤーの墓地にあるカード1枚につき1点のライフを失う。」という能力を持つ。これによってライフを失うのは、《罪を与えるもの》に攻撃されたプレイヤーだけである。 308.2. 攻撃クリーチャーを指定するときに、アクティブ・プレイヤーは以下のステップに順番に従う。攻撃クリーチャーの指定に関するあらゆる点で、アクティブ・プレイヤーが後述のステップのいずれかを行えない場合は、その指定は不正となる。ゲームは攻撃クリーチャー指定の直前まで戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕とrule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 308.2a アクティブ・プレイヤーは攻撃しないことを選ぶか、自分がコントロールするクリーチャーを1体以上選ぶ。その後、選んだクリーチャーが攻撃に参加できるかどうかを決定する。クリーチャーだけが攻撃に参加することができるが、(攻撃に参加してもタップしないものであっても)タップ状態のクリーチャーまたはアクティブ・プレイヤーがそのターンの開始時から続けてコントロールしていないクリーチャー(速攻を持つものは除く)は攻撃に参加することはできない。選んだクリーチャーが攻撃に参加できるかできないかについて、他の効果も影響する。(rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 308.2b 選んだクリーチャーの中にバンドや他の〜とのバンドを持つクリーチャーがいる場合は、アクティブ・プレイヤーは(そうしたいのなら)どのクリーチャーがどれとバンドを組むのかを宣言する(rule 502.10〔バンド〕参照)。 308.2c アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップすることはコストではない。単に、攻撃に参加することによってクリーチャーがタップされるだけである。 308.2d 攻撃に参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいるならば、アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。 308.2e コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力をプレイする機会を得る(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)。 308.2f 自分のマナ・プールに十分な量のマナを持ってから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。 308.2g コストが全て支払われ、なおかつそのクリーチャーがアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャーになる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続ける。rule 306.2 参照。 308.3. クリーチャーが攻撃することに対して誘発する能力は、クリーチャーが攻撃クリーチャーに指定された時点でのみ誘発する。クリーチャーが攻撃に参加した後で、そのクリーチャーの特性がその能力の誘発条件に合致するように変化したり、クリーチャーが攻撃に参加している状態で場に出たりしても誘発しない。 例:「緑のクリーチャーが攻撃に参加するたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力を持つパーマネントがあった場合、青のクリーチャーが攻撃に参加し、その後にそれが緑に変わっても、能力は誘発しない。 308.4. 攻撃クリーチャーが指定されなかった場合、攻撃クリーチャー指定ステップは終了し、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。 309. ブロック・クリーチャー指定ステップ 309.1. ブロック・クリーチャー指定ステップの開始に際し、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する(このゲームの行動はスタックを使用しない)。次に、ブロック・クリーチャーの指定に誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照))その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 309.2. ブロック・クリーチャーを指定するときに、防御プレイヤーは以下のステップに順番に従う。ブロック・クリーチャーの指定に関するあらゆる点で、防御プレイヤーが後述のステップのいずれかを行えない場合は、その指定は不正となる。ゲームはブロック・クリーチャー指定の直前まで巻き戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕とrule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 309.2a 防御プレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーをゼロ体以上選び、それぞれについてブロックする攻撃クリーチャーを1体選ぶ。その後、ブロックが適正かどうかを決定する。アンタップ状態のクリーチャーだけがブロックに参加でき、ブロックに参加することではクリーチャーはタップしない。選んだクリーチャーがブロックに参加できるかできないかについて、他の効果も影響する。(rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。 309.2b ブロックに参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいるならば、防御プレイヤーはブロックに参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。 309.2c コストにマナの支払いが必要な場合、防御プレイヤーはマナ能力をプレイする機会を得る(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)。 309.2d 自分のマナ・プールに十分な量のマナを持ってから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。 309.2e そのクリーチャーが防御プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたそれぞれのクリーチャーはブロック・クリーチャーとなり、それぞれ選んだ攻撃クリーチャーをブロックする。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それはブロック・クリーチャーであり続ける。rule 306.2 参照。 309.2f ブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーが1体以上存在する攻撃クリーチャーは、「ブロックされたクリーチャー」になる。ブロック・クリーチャーが存在しないクリーチャーは「ブロックされていないクリーチャー」になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまでそのままである(効果によって変更されることはありうる)。 309.3. クリーチャーがブロックすることに対して誘発する能力は、クリーチャーがブロック・クリーチャーに指定された時点でのみ誘発する。クリーチャーがブロックに参加した後で、そのクリーチャーの特性がその能力の誘発条件に合致するように変化したり、ブロックした状態のクリーチャーが場に出たりしても誘発しない。 309.4. クリーチャーがブロックされたことに対して誘発する能力は、その戦闘においてクリーチャーが初めてブロックされた時点でのみ誘発する。つまり、まだブロックされていないクリーチャーに対して、ブロック・クリーチャーが指定されるか、クリーチャーがブロックした状態で場に出るか、効果によってブロックされるかのいずれかの場合にのみ誘発する。クリーチャーがブロックされた後で、そのクリーチャーの特性がその能力の誘発条件に合致するように変化したとしても、能力は誘発しない。 例:「このクリーチャーが白のクリーチャーにブロックされるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力を持つクリーチャーが、黒のクリーチャーによってブロックされ、その後にそれが白に変わっても、能力は誘発しない。 310. 戦闘ダメージ・ステップ 310.1. 戦闘ダメージ・ステップの開始に際し、アクティブ・プレイヤーは、それぞれの攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言し、その後で防御プレイヤーは、それぞれのブロック・クリーチャーがその戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言する。戦闘ダメージの割り振りは、すべてが単一のオブジェクトとしてスタックに積まれる。その後ダメージが割り振られることに誘発するあらゆる能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 310.2. プレイヤーは、クリーチャーの戦闘ダメージを適正な方法で割り振る。戦闘ダメージの割り振りは以下の制限に従うこと。 310.2a 攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャーはそれぞれ、そのパワーに等しい戦闘ダメージを割り振る。パワーが0以下のクリーチャーは、戦闘ダメージを割り振らない。 310.2b ブロックされていない攻撃クリーチャーは、防御プレイヤーに全ての戦闘ダメージを割り振る。 310.2c ブロックされているクリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それをブロックしているクリーチャーにダメージを割り振る。(例えば、破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)現時点でブロックしているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振ることはない。 310.2d ブロック・クリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それにブロックされている攻撃クリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。(例えば、破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)現時点でブロックされているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振ることはない。 310.2e クリーチャーが通常とは違う方法で戦闘ダメージを与える効果は、戦闘ダメージの割り振りに影響する。 310.3. 戦闘ダメージの割り振りは単一のオブジェクトとしてスタックに積まれるが、呪文や能力ではないので、打ち消されることはない。 310.4. 戦闘ダメージは、ひとつのオブジェクトとして解決される。解決時に、それは割り振られていた通りにすべて一度に与えられる。戦闘ダメージの解決が終わった後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。 310.4a 戦闘ダメージは、ダメージを与えるクリーチャーが既に場を離れていたり、あるいはそのパワーが変化していたり、ダメージを受けるべきクリーチャーが戦闘から取り除かれていたりしても、その割り振り通りに与えられる。 310.4b ダメージの発生源は、その時に場に存在していればそのクリーチャーであり、場に存在していなければその場を離れる直前の情報を見る。 310.4c ダメージを受けるべきクリーチャーが既に場にいないか、あるいはクリーチャーでなくなっている場合、それに割り振られていたダメージは与えられない。 310.5. 戦闘ダメージ・ステップの開始時に、少なくとも1体の攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 502.2 参照)か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持っている場合、先制攻撃も二段攻撃も持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、戦闘フェイズは第2戦闘ダメージ・ステップを得て、残りのクリーチャーからのダメージを処理する(rule 310.1 参照)。第2戦闘ダメージ・ステップの間には、攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャーのうちで第1戦闘ステップで戦闘ダメージを割り振らなかったものと、二段攻撃を持つものがそれぞれの戦闘ダメージを割り振る。 311. 戦闘終了ステップ 311.1. 戦闘終了ステップの開始に際し、全ての「戦闘終了時に」起こる誘発型能力が誘発し、スタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 311.2. 戦闘終了ステップが終わると同時に、すべてのクリーチャーは戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップが終わった後、戦闘フェイズが終了し戦闘後メイン・フェイズが始まる。 312. 終了フェイズ 312.1. 終了フェイズは、ターン終了ステップ、クリンナップ・ステップの二つのステップからなる。 313. ターン終了ステップ 313.1. ターン終了ステップの開始に際し、全ての「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれる。(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。 313.2. ターン終了ステップの開始時に「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれた後で、新しく「ターン終了時に」起こる誘発型能力が生成された場合、あるいは「ターン終了時に」起こる誘発型能力を持つカードが場に出た場合、それらの能力は次のターンの終了フェイズまでスタックに積まれない。言い替えれば、このステップは「さかのぼらない」ので新しい「ターン終了時」誘発型能力はスタックに積まれない。これは、「ターン終了時に」と書かれた誘発型能力だけに適用される。継続的効果や「ターン終了時まで」や「このターン」とある遅延効果には当てはまらない。(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照) 314. クリンナップ・ステップ 314.1. アクティブ・プレイヤーの手札がその上限の枚数(通常は7枚)を越えていたら、その数になるまで手札を捨てる(このゲームの行動はスタックを使用しない)。 314.2. 手札が捨てられた後、全てのパーマネントに与えられているダメージが取り除かれるのと同時に「ターン終了時まで」の効果、また「このターンの間」の効果が終わる(このゲームの行動はスタックを使用しない)。 314.3. 状況起因効果を起こす条件が揃っているか、あるいは何らかの誘発型能力がスタックに積まれるのを待っている場合にのみ、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。スタックが空になり、全てのプレイヤーがパスした場合、もう一度新しいクリンナップ・ステップが始まる。何も起きなければ、優先権は発生せず、ステップは終了する。 4. 呪文・能力と効果 400. 原則 400.1. 能力とは、オブジェクトがすること、またはできることである。能力は効果を発生させる。オブジェクトの能力はそのオブジェクトの文章欄によって、またはそのオブジェクトを生成した効果によって定義される。何らかの効果によって、オブジェクトに能力が付与されることもある。注釈文、フレイバー・テキストは能力ではない。注釈文とフレイバー・テキストは常にイタリック体(斜体)で書かれている。 400.2. 呪文と起動型能力と誘発型能力は、それが解決したときに効果が発生する。常在型能力は継続的効果を発生させる。テキストそのものは効果ではない。 401. スタック上の呪文 401.1. 呪文とは、スタックに積まれているカードである。プレイの最初の段階で、そのカードは呪文となり、プレイされる領域(通常はプレイヤーの手札)からスタックに積まれる(rule 217.6〔スタック〕参照)。 401.1a カードによって表わされていなくても、呪文のコピーもまた呪文である。 401.2. それは解決した時や(rule 413.2 参照)打ち消された時(rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照)、なんらかの方法でスタックを離れた時に呪文でなくなる。 401.3. インスタント呪文やソーサリー呪文は、他のオブジェクトと同様に能力を持つ。それらの能力は、特に書かれていない限り、その呪文の解決時に実行される。 例:解決時に実行されない能力としては、起動型能力や誘発型能力、それがどこにある場合にプレイできるかを定義する能力(rule 401.4 参照)、それをプレイできる領域にある間に適用される能力(rule 401.5 参照)、その呪文がスタックにある間に適用される能力(rule 401.6 参照)などがある。 401.4. オブジェクトは、手札以外の領域からプレイすることを認める常在型能力を持つことがある。それらの能力は、そのオブジェクトが該当する領域にある間、有効である。 401.5. オブジェクトは、それをプレイできる領域にある間に適用される能力を持つことがある。この種の能力には、オブジェクトをプレイすることを制限したり、あるいは通常認められない状況または方法でオブジェクトをプレイすることを認めるものがある。 401.6. 呪文は、その呪文がスタックにある間に適用される能力を持つことがある。この種の能力には、コストの追加や減少、代替コストなどが含まれる。(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照) 401.7. インスタント呪文やソーサリー呪文の解決の最後に、そのカードはオーナーの墓地に置かれる。アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、及びエンチャント呪文の解決の最後に、そのカードはパーマネントとなり、呪文のコントローラーのコントロールの下で場領域に置かれる。呪文が打ち消された場合、打ち消す呪文や能力の解決の一部として、そのカードはオーナーの墓地に置かれる(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照)。 402. 能力 402.1. 能力とは、注釈文でもフレイバー・テキストでもない、オブジェクトの文章である(rule 400.1 参照)。その指示に従った結果、及び呪文のテキストに従った結果のことを効果という(rule 416〔効果〕参照)。能力は、それの書かれているオブジェクト、また他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことができる。能力によって、それが書かれているオブジェクト、あるいはそれ以外のオブジェクトに能力を与えられることがある。その場合、「持つ/has,have」「得る/gains,gain」という言葉が使われる。 402.2. 能力は大別して起動型能力、誘発型能力、常在型能力の3つに分類できる。起動型能力、誘発型能力の中には、マナ能力も含まれる。能力は単発的効果や継続的効果を発生させる。置換効果と軽減効果は、効果の一種である。 402.3. 能力には有益なものも不利益なものもある。 例:「このクリーチャーはブロックに参加できない」というのは能力である。 402.4. カードをプレイするための追加コストや代替コストは、カードの能力である。 402.5. 能力は呪文ではなく、そのため呪文だけを打ち消すものによっては打ち消すことができない。能力は、ルールによって打ち消されるのと同じように、特殊な打ち消し能力の効果によっても打ち消される(例えば、対象をとる能力は、その対象がすべて不正になった場合に打ち消される)。 402.6. いったん起動、または誘発されたら、能力はその能力の発生源(能力が記されているカード)とは独立してスタック上に存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去しても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》はそれに1点のダメージを与える」)。このような場合、効果を分配するために能力の発生源の情報を参照する起動型、誘発型能力は、その能力をスタックに積む時点でその情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に場にない場合、その能力の発生源の場を離れる直前の情報を使う。 402.7. 一つのオブジェクトが色々な能力を持つことがある。一行に並べられる、あらかじめ定義された能力(rule 502〔キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。一つのオブジェクトが、同じ能力を複数持つこともある。同じ能力でも、それぞれは独立に機能する。これによって、能力が一つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。 402.8. インスタントやソーサリーの能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。その他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが場にある間にのみ機能する。その例外は以下のとおり。 402.8a 特性定義能力は、全ての領域で機能する。(rule 405.2 参照) 402.8b どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。 402.8c オブジェクトの、それをプレイするためのコストを修整する能力は、スタックにある間に機能する。 402.8d オブジェクトの、それをプレイするための制限や修整をもたらす能力は、プレイできる領域にある間に機能する。 402.8e オブジェクトの能力で、それが場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが場に出てくるに際して働く。rule 419.6i 参照。 402.8f オブジェクトの、場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。 402.8g 場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その領域にある間に誘発する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、別々の領域で機能することもありうる。 例:《赦免のスラル/Absolver Thrull》は「《赦免のスラル》が場に出るか、それが憑依しているクリーチャーがいずれかの墓地に置かれるかしたとき、エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。」という能力を持つ。1つめの誘発条件は場にある間に誘発するが、2つめの誘発条件はゲーム外にある間に機能する。 402.8h コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件、あるいはそのコストや効果よりも前に、その能力の一部として、そのオブジェクトをその領域に移動させるものが含まれている場合は、この限りではない。 例:《ネクロサヴァント/Necrosavant》は「{3}{B}{B}, クリーチャーを1体、生け贄に捧げる: あなたの墓地にある《ネクロサヴァント》を場に戻す。この能力はあなたのアップキープの間にしかプレイできない。」という能力を持つ。この能力は、《ネクロサヴァント》が墓地にある間にしかプレイできない。 403. 起動型能力 403.1. 起動型能力は「コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストは、コロン(:)の前にあるもの全てである。能力の起動コストは、それをプレイするプレイヤーが支払わなければならない。 403.2. オブジェクトに特に書かれていない限り、起動型能力はそのオブジェクトのコントローラー(場以外にあるときはそのオブジェクトのオーナー)だけがプレイできる。 403.3. 起動型能力の使用に制限がある(例えば、「この能力は各ターンに一回しかプレイできない」)とき、その制限はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。 403.4. 起動コストにタップ・シンボル({Tap})を含む、クリーチャーの起動型能力は、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてそのクリーチャーをコントロールしていない限り、プレイできない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 502.5 参照)。 403.5. 「この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときのみプレイできる」という起動型能力は、それをプレイするに際してソーサリー呪文をプレイするのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がソーサリーであるということではない。「この能力は、あなたがインスタントをプレイできるときのみプレイできる」という起動型能力は、それをプレイするに際してインスタント呪文をプレイするのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がインスタントであるということではない。 404. 誘発型能力 404.1. 誘発型能力は「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」から始まる語句で示される。これらの語句を含む部分は誘発条件と呼ばれ、誘発イベントを定義する。 404.2. 誘発型能力はプレイされない。その代わりに、誘発型能力はその誘発イベントが満たされるたびに自動的に「誘発」する。能力が誘発したら、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる(rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕、rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。 404.3. 誘発型能力には「とき/たび/時、…[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At . . . , if [条件], [効果].」と書かれたものがある。この能力は、誘発イベントが発生したときに、そこに記された条件を満たしているかどうかチェックする。条件を満たしている場合にこの能力は誘発する。解決時に、この能力は再び条件をチェックする。このどちらかのときに、この条件が満たされていない場合、この能力は何もしない。このルールは「"if"節のルール」と呼ばれる。「場合/if」という単語は、カードのテキストの他のさまざまな場所では普通の英語の意味しか持たない。このルールは、誘発条件の直後に「場合/if」節が続いていたときにだけ適用する。 404.4. 効果によって、後で何かを行なう遅延誘発型能力が作成されることがある。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、この3語のうちいずれかを含む。 404.4a 遅延誘発型能力は呪文や他の能力の解決時に生成される。実際に生成されるまで、その直前に誘発イベントが起こっていたとしても、誘発されることはない。その類のイベントによって、条件が決して満たされることがなくなることもありうる。 例:「このクリーチャーが場を離れたとき」という一文を含む遅延誘発型能力が生成されるより前に、そのクリーチャーが場を離れることがある。この場合、その遅延誘発型能力が誘発されることはない。 例:「このクリーチャーがアンタップ状態になったとき」という遅延誘発型能力が生成される前に、そのクリーチャーがアンタップされていたら、その能力は、そのクリーチャーが一旦タップされてから次にアンタップされるのを待つ。 404.4b 遅延誘発型能力は、「このターンの間」のような記された期限がない限り、次に誘発イベントが起こった時に一度だけ誘発する。 404.4c あるオブジェクトに影響する遅延誘発型能力は、そのオブジェクトの特性が変化しても影響を及ぼす。 例:「ターン終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力は、それがターン終了ステップにクリーチャーでなくなっていたとしても、そのパーマネントを破壊する。 404.4d 特定のパーマネントに影響する遅延誘発型能力は、そのパーマネントが場を離れた場合(指定された時点までに戻ってきたとしても)失敗する。同様に、特定の領域にあるオブジェクトに影響する遅延誘発型能力は、そのオブジェクトがその領域を離れていた場合には失敗する。 例:「ターン終了時に、このクリーチャーをゲームから取り除く」という能力は、そのクリーチャー・カードがターン終了ステップ以前に場を離れていた場合には何もしない。 404.5. オブジェクトの中には、誘発型能力と関連した常在型能力を持つものがある。この類のオブジェクトでは、先に常在型能力、後に誘発型能力という順序で、両方の能力が一行に書かれている。まれに、誘発条件が能力の最初ではなく途中に書かれているオブジェクトもある。 例:「各ターン、最初に引いたカードを公開する。この方法で基本土地カードを公開するたび、カードを1枚引く」というのは、誘発型能力と関連した常在型能力である。 例:「エンチャントされたクリーチャーのコントローラーは、自分のターンの終了時にそれを生け贄に捧げる」という能力は誘発型能力である。 405. 常在型能力 405.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。能力はプレイされず、単にそこに「存在する/exist」。この種の能力は、rule 402.8 に該当しない限り、その能力を持つパーマネントが場にある間にのみ適用される。 405.2. オブジェクトの一部には、そのオブジェクトの色やサブタイプ、パワー、タフネスを定義する常在型能力が本来的に存在する。それらの能力は特性定義能力と呼ばれ、あらゆる領域において作用する。他のオブジェクトの特性に影響を及ぼす能力は特性定義能力ではない。また、そのオブジェクトがそのオブジェクト自身に与える能力や、ある条件を満たしたときにのみ特性の値を決める能力も、特性定義能力ではない。rule 201〔特性〕、rule 418.5a 参照。 406. マナ能力 406.1. マナ能力は、(a)解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えることのできる起動型能力で対象を取らないものか、(b)マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すもののうち対象を取らないものである。マナ能力は、マナを生成するのと同時に他の効果を発生させることもある。 406.2. マナをプレイヤーのマナ・プールに加える呪文はマナ能力ではない。これらは他の呪文と同じようにプレイされ、解決される。 406.3. マナ能力は、ゲームの状況によってマナを生み出せない場合でもマナ能力として残る。 例:あるパーマネントに、「{Tap}:あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、あなたのマナ・プールに{G}を加える」という能力がある場合、これは、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのパーマネントがタップ状態であるときにもマナ能力である。 406.4. マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。マナ能力は、他の能力と同じようにプレイされ、解決されるが、スタックには積まれない。そのためこれらを打ち消したり対応したりすることはできない(rule 411〔マナ能力のプレイ〕、rule 408.2〔スタックを使わない行動〕参照)。 406.5. マナをプレイヤーのマナ・プールに加える誘発型能力のうちでマナ能力以外のイベントによって誘発するものや、マナ能力によって誘発するマナを出さない能力は、スタックに積まれる。 406.6. マナ能力が生成するマナのタイプが定義できない場合、代わりに、その能力はマナを出さない。 例:あなたが土地をコントロールしていない場合、「{Tap}: あなたのマナ・プールに、あなたがコントロールしているいずれかの土地が生み出すことができるタイプのマナ1点を加える」というマナ能力はマナを生成しない。 407. 能力の追加・除去 407.1. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」もしくは「持つ/have」と書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。複数の効果が同じ能力を追加したり除いたりしていた場合、一般に、もっとも最近のものが勝つ(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。 407.2. オブジェクトの特性を定めたり、あるいはそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力ではない。オブジェクトが能力を「得る」もしくは「持つ」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合("[パーマネント]は[特性値]である")、それは能力によって追加されたものではない(rule 405.2 参照)。 例:「エンチャントされたクリーチャーは『このクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーである』という能力を持つ」という効果があった場合、この効果はクリーチャーに、他の効果によって取り除くことのできる能力を与えている。一方、「エンチャントされたクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーである」という効果はクリーチャーの特性を定義しているだけであり、能力を与えているわけではない。そのためクリーチャーから能力を「失わせる/lose」効果では、エンチャントされているクリーチャーがアーティファクトになることを止めることはできない。 407.3. 能力を除去する効果は、その能力が複数あってもすべて取り除く。 例:飛行を持つクリーチャーに《飛行/Flight》がエンチャントしている場合、そのクリーチャーは飛行能力を2つ持っているが、「クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という1つの効果で両方とも取り除かれる。 408. 呪文や能力のタイミング 408.1. タイミング、優先権、スタック 408.1a 呪文や起動型能力は適切なときにのみプレイでき、一群のルールに従う。 408.1b 呪文と起動型能力は、優先権のルールに従い、プレイヤーが(プレイしたいときに)プレイするが、その他の種類の能力や効果はゲームのルールによって自動的に発生する。いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、まず最初に、発生する全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。その後、新しい状況起因効果が発生したならば、1つのイベントとして解決する。この過程を、状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。その後、誘発型能力がスタックに加えられる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。これらの段階を状況起因効果も誘発型能力も発生しなくなるまで順番に繰り返す。その後、優先権を得るプレイヤーは、そのフェイズおよびステップに関するルールに従い、呪文や能力をプレイしてもよいし、その他の特別な行動(土地をプレイするなど)をすることも、パスすることもできる。 408.1c アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、ゲームによる行動とそのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る。ただし、アンタップ・ステップには優先権は発生せず、通常はクリンナップ・ステップにも優先権は発生しない(rule 314.3 参照)。優先権を持つプレイヤーは、呪文や能力をプレイするか、特別な行動をとるか、あるいはパスすることができる。呪文や能力をプレイしたり、あるいは特別な行動を取ったりした場合、そのプレイヤーが再び優先権を得る。パスした場合には、その次のプレイヤーが優先権を得る。全てのプレイヤーが続けてパス(この間に何か行動をした場合には続けてとは言わない)したら、スタックの一番上のオブジェクトが解決し、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。全てのプレイヤーが連続してパスした時にスタックが空であれば、そのフェイズまたはステップは終了し、次のフェイズまたはステップが開始される。 408.1d プレイヤーは、優先権を持つ時ならいつでもインスタント呪文や起動型能力をプレイすることができる。インスタント以外の呪文は、そのプレイヤーのメイン・フェイズで、優先権を持ち、スタックが空である時にのみプレイできる。 408.1e 呪文または起動型能力がプレイされたら、それはスタックの一番上に積まれる。 408.1f 誘発型能力は、呪文や別の能力のプレイ・解決の間も含めて、いかなる時でも誘発する。但し、その能力が誘発した時点では何も起こらない。プレイヤーが優先権を得る時点で、誘発していて、まだスタックに積まれていない能力が全てスタックに積まれる。その後で、プレイヤーは優先権を得、呪文や能力をプレイすることができる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。 408.1g 戦闘ダメージは、割り振られたらスタックに積まれる。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 408.1h 常在型能力はプレイされることはなく、それは継続的にゲームに影響を与える。優先権の考え方は適用されない。(rule 405〔常在型能力〕、rule 418〔継続的効果〕、rule 419〔置換・軽減効果〕参照) 408.1i 特別な行動はスタックを用いない。特別な行動としては、土地をプレイすること(rule 408.2d 参照)、裏向きのクリーチャーを表にすること(rule 408.2h 参照)、継続的効果を終えることと遅延誘発型能力を止めること(rule 408.2i 参照)、継続的効果を延期することと失わせること(rule 408.2j 参照)がある。 408.2. スタックを使わない行動 408.2a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果は遅延誘発型能力を生成することもあるが、それらは誘発してからスタックに積まれる(rule 404.4 参照)。 408.2b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない。 408.2c 状況起因効果(rule 420〔状況起因効果〕参照)は、プレイヤーが優先権を得るときに、ゲームの状況が条件を満たしているなら解決する。 408.2d 土地をプレイすることは特別な行動であり、その土地を場に出す(rule 212.6〔土地〕参照)。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空の場合に限り、土地をプレイすることができる。土地をプレイしたプレイヤーは、この特別な行動の後で再び優先権を得る。 408.2e マナ能力は即座に解決される。マナ能力が、マナを出すとともに別の効果を生み出した場合、両方とも即座に起こる。この能力のプレイ前に優先権を持っていたプレイヤーは、この解決後に優先権を持つ(rule 406〔マナ能力〕参照)。 408.2f 「[オブジェクト名]は赤である」のような特性定義能力は、単純に読んだ通りに処理される。(rule 405.2 も参照) 408.2g ゲームの行動はスタックを用いない。ゲームの行動は以下のとおり。アンタップ・ステップのフェイズ・イン/アウト(rule 302.1 参照)、アンタップ・ステップのアンタップ(rule 302.2 参照)、ドロー・ステップのカードを1枚引くこと(rule 304.1 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの最初に攻撃クリーチャーを指定すること(rule 308.1 参照)、ブロック・クリーチャー指定ステップの最初にブロック・クリーチャーを指定すること(rule 309.1 参照)、クリンナップ(rule 314 参照)、各フェイズの最後に発生するマナ・バーン(rule 300.3 参照) 408.2h 裏向きのパーマネントのコントローラーは、それを表向きにできる。これは特別な行動である(rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)。この行動を取れるのは、そのプレイヤーが優先権を持っているときに限られる。そのプレイヤーは、この特別な行動の後で再び優先権を得る。 408.2i 効果の中には、(効果発生時ではなく)後でプレイヤーに、継続的効果の終了や、遅延誘発型能力の中止などをさせる類のものがある。これは特別な行動である。継続的効果を終了させたり、遅延誘発型能力を中止させたりすることができるのは、その効果がそれを許している場合で、そのプレイヤーが優先権を持っているときに限られる。この行動を取ったプレイヤーは、この特別な行動の後に再び優先権を得る。 408.2j 常在型能力からの効果によって、その能力に関連する遅延誘発型能力を失わせる行動を取れることがある。その類の行動は特別な行動である。この行動を取れるのは、そのプレイヤーが優先権を持っているときに限られる。この行動を取ったプレイヤーは、この特別な行動の後に再び優先権を得る。 408.2k 待機能力つきのカードを手札に持つプレイヤーは、そのカードをゲームから取り除くことができる。これは特別な行動である(rule 502〔キーワード能力〕参照)。手札にある待機能力つきのカードをゲームから取り除くのは、そのプレイヤーが優先権を持っている間のみである。そのプレイヤーは、この特別な行動の後に再び優先権を得る。 409. 呪文や起動型能力のプレイ 409.1. 呪文や起動型能力は、以下に示した手順に従ってプレイされる。もし、呪文や能力のプレイ中のいずれかの時点で、以降のステップを続けることができなくなった場合、その呪文は不正にプレイされたことになる。ゲームはその呪文や能力がプレイされる前の瞬間まで戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)。宣言及び支払いは、行なった後で変更することはできない。 409.1a プレイヤーは、呪文や起動型能力をプレイすることを宣言する。宣言した呪文や能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決するまでそこに留まる。呪文の場合、物理的にスタックに積まれる。起動型能力の場合、カードはないけれども、その能力がスタックに積まれる。非公開の領域から能力がプレイされた場合、その能力を持つカードは公開される。呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文や能力をプレイしたプレイヤーである。 409.1b 呪文や能力がモードを持つ(「一つを選ぶ ─/Choose one -」「[特定のプレイヤー]は一つを選ぶ ─ /[特定のプレイヤー] chooses one -」という語句を使っている)場合、プレイヤーは選択したモードを宣言する。呪文にカードを連繋する意図がある場合、そのカードを手札から公開する。呪文や能力が({X}で示される)可変マナ・コストやその他の可変コストを持つ場合、プレイヤーはモード選択時にその変数の値を宣言する。呪文や能力が代替コスト、追加コスト、(キッカー・コストやバイバック・コスト、召集などの)その他の特殊なコストを持つ場合、そのプレイヤーはそれらのコストのすべて、あるいは一部を支払う意図を宣言する(rule 409.1f 参照)。単一の呪文に対して、複数の代替方法でプレイしたり、あるいは複数の代替コストを支払ったりすることはできない。それ以前の選択(呪文を墓地からフラッシュバックでプレイする、変異クリーチャーを裏向きにプレイするという選択など)は、この選択を行う時の制約となりうる。 409.1c 呪文や能力が対象を取る場合、プレイヤーはまず(可変個の対象をとる呪文や能力の場合)対象をいくつ選ぶのかを宣言し、次に対象にとるものを宣言する。プレイヤーが呪文や能力に必要な数の適正な対象を選ばなければ、その呪文や能力をプレイすることはできない。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個(または[性質]N個)」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクト、プレイヤー、あるいは領域を(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。 例:「クリーチャー2体を対象とし、それらをタップする/Tap two target creatures.」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とし、それらを破壊する/Destroy target artifact and target land.」という能力があった場合、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。 409.1d 呪文や能力が、代替コスト、追加コスト、(バイバック・コストやキッカー・コストなどの)特殊コストが支払われたとき、あるいはそのコントローラーが選んだ場合にのみ複数の対象をとる場合、その種のコストを支払う意図、あるいはそのモードを選ぶ意図を宣言した場合にのみその対象を選ぶ。宣言していないなら、その呪文や能力はその対象を取らないものとしてプレイされる。 409.1e 呪文や能力が、異なった方法で複数の対象に影響する場合、プレイヤーはどれにどう影響を与えるかを宣言する。呪文や能力が、プレイヤーに効果(ダメージやカウンターなど)を複数のオブジェクトやプレイヤーに分割させたり割り振って置かせたりするとき、プレイヤーはどう分割するかを宣言する。その各個のオブジェクトやプレイヤーに、最低限(ダメージやカウンターなどを)1つは割り振らなければならない。 409.1f プレイヤーはその呪文や能力の総コストを決定する。通常、(呪文の場合)そのマナ・コストだけ、(能力の場合)その起動コストだけである。テキストに追加コストや代替コストが書いてあるカードや、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コスト(または起動コスト、代替コスト)に、すべてのコストの増減を加味したものである。コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。総コストが決定された時点で、それは「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。 409.1g その後、総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力をプレイする機会(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払いはじめる前にプレイしなければならない。 409.1h プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う。一部分だけ支払うことは許されない。支払うことのできないコストを支払うことを選ぶことはできない。 例:マナ・コストが{3}{B}でクリーチャーを1体生け贄に捧げる追加コストを持つ、《死の爆弾/Death Bomb》をプレイするに際して、あなたの黒の呪文をプレイするためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiar》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《死の爆弾》のコストは{3}{B}になることはなく、{2}{B}となったままである。 409.1i rule 409.1a から rule 409.1h で解説されたステップが完了したら、その呪文や能力は「プレイされた」ことになる。呪文や能力がプレイされたこと、あるいはスタックに置かれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文や能力のコントローラーがプレイ前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。 409.2. 呪文や能力の中には、プレイするときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択、呪文や能力がその対象にどう影響するかなどを、その呪文や能力のコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手は呪文や能力のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。 409.2a 選択を行なえる対戦相手が複数いる場合、その呪文や能力のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。 409.2b その呪文や能力がプレイされるときに全てのプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文(や能力)のコントローラーが先に行い、その後でそのプレイヤーの対戦相手が行なう。これは rule 103.4 の例外である。 409.3. コストを変える呪文や能力をプレイしても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。 409.4. プレイヤーは、効果によって禁止されている呪文や起動型能力のプレイを開始することはできない。 409.4a 何らかの効果によって、プレイを禁止されているカードを裏向きにプレイでき、裏向きの呪文が禁止されていない場合、その呪文は裏向きにプレイすることができる。rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。 410. 誘発型能力の処理 410.1. これらはプレイされるわけではないので、誘発型能力は、呪文や能力がプレイできない時でも誘発し、また能力をプレイすることを妨げるような効果にも影響されない。 410.2. ゲーム上のイベントやゲームの状況が誘発型能力の誘発イベントと合致するたびに、その能力は誘発する。フェイズやステップの開始時に、「開始時/at the beginning of〜」に誘発するすべての能力が誘発する。能力は、それが誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーによってコントロールされる。能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。能力は誘発した時には何もしないが、プレイヤーが優先権を得る際に、自動的にスタックに積まれる。 410.2a 誘発型能力の誘発イベントが発生したとしても、その能力を持つオブジェクトが全てのプレイヤーに見える状態になっていない限り、その能力は誘発しない。 410.3. プレイヤーが最後に優先権を得たときよりも後で複数の能力が誘発した場合、APNAP順で、プレイヤーは自分のコントロールする能力を自分の選んだ順序でスタックに積む(rule 103.4 参照)。その後、プレイヤーは再度、発生しなくなるまで状況起因効果をチェックし、解決する。その後、この過程で誘発した能力がスタックに積まれる。この過程を、新しい状況起因効果の発生も能力の誘発もしなくなるまで繰り返す。その後、該当するプレイヤーが優先権を得る。 410.4. 誘発型能力がスタックに積まれたとき、その能力のコントローラーは、起動型能力のルール(rule 409 参照)に従って必要な選択をすべて行なう。適正な選択ができない場合(あるいはルールや他の継続的効果によって能力が不正になった場合)、能力は単にスタックから取り除かれる。 410.4a 誘発型能力がモードを持つ(「一つを選ぶ ─/Choose one -」「[特定のプレイヤー]は一つを選ぶ ─ /[特定のプレイヤー] chooses one -」という語句を使っている)場合、そのコントローラーはその能力をスタックに置く時点で選択するモードを宣言する。プレイできないモード(適正な対象を選べないなど)を選ぶことはできない。モードがどれも適正に選べない場合、その能力はスタックから取り除かれる。 410.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカードを1枚引いてもよい」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる。選択は能力の解決時に行なう。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」の部分は能力の解決時に処理される。 410.6. 能力は、誘発イベントが1回発生するごとに1回だけ誘発する。しかし、あるイベントが複数回発生した場合、繰り返し誘発する。rule 410.9 も参照。 例:誘発条件が「土地が場から墓地に置かれるたび…」である能力を持つパーマネントがあるとする。誰かが、すべての土地を破壊する呪文をプレイしたとき、この能力は、その呪文の解決中に、墓地に置かれた土地1つにつき1回誘発する。 410.7. 能力は、その誘発条件が実際に起きた場合にのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによっては誘発しない。 例:ダメージが与えられたことで誘発する能力は、ダメージがすべて軽減された場合には誘発しない。 410.8. 誘発イベントのすぐ後に記される条件付きの誘発型能力(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/時に、[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは、テキスト内の他のところに「場合/if」条件がある誘発型能力には適用しないことに注意。このルールはまた「"if"節のルール」とも呼ばれる。 410.9. 戦闘中、クリーチャーがブロックしたりブロックされたりした時に誘発する能力がある(rule 306 から rule 311、及び rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照)。これらの能力が1回だけ誘発するのか繰り返し誘発するのかは、その表記による。 410.9a 「[このクリーチャー]がブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks」と書いてある能力は、複数のクリーチャーをブロックした場合でも、そのクリーチャーに対しては、1回の戦闘につき1回だけ、ブロック・クリーチャーとして指定されたときにのみ誘発する。 410.9b 「[このクリーチャー]がクリーチャーをブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks a creature」と書いてある能力は、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーとして指定されたときに誘発する。 410.9c 「[このクリーチャー]がブロックされるたび/Whenever [このクリーチャー] becomes blocked」と書いてある能力は、複数のクリーチャーによってブロックされた場合でも、そのクリーチャーに対しては、1回の戦闘につき1回だけ、ブロック・クリーチャーが指定されたときに誘発する。また、効果によってその攻撃クリーチャーがブロックされたり、ブロック・クリーチャーが割り当てられたりした場合にも誘発するが、それはその戦闘においてそのクリーチャーがまだブロックされていない場合に限る。 410.9d 「クリーチャー1体が[このクリーチャー]をブロックするたび/Whenever a creature blocks [このクリーチャー]」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーをブロックしたクリーチャー1体につき1回誘発する。この戦闘においてすでにブロックされているクリーチャーをブロックした場合にも誘発するが、クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた場合にはこの能力は誘発しない。 410.9e 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックする/されるようなブロックが宣言された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。 410.10. オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、そのオブジェクトに対しての効果は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(このルールは、能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも適用される)。領域変更誘発の最も一般的な例には、場に出た時に誘発する能力と場を離れた時に誘発する能力とがある。 410.10a 場に出た時の能力は、パーマネントが場領域に入った時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が場に出たとき、…/When [このオブジェクト] comes into play,」、あるいは「[何か]が場に出るたび、…/Whenever a [何か] comes into play,」と書かれている。パーマネントを場に出すイベントのたびに、場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、場に出た時の誘発条件をチェックする。 410.10b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが場に出る瞬間にすぐ適用され(その前にはそうしない)、そのパーマネントが本来の特性で場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが場に出る前には適用しない(rule 410.10e 参照) 例:「すべての土地はクリーチャーである」という効果の影響下で、土地カードがプレイされた場合、効果は土地カードを場に出た瞬間にクリーチャーに変えるため、それはクリーチャーが場に出たときに誘発する能力が誘発する。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う」という効果の影響下で、場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが場に出た場合、効果は場に出た瞬間にその能力を失わせるため、場に出たときの誘発型能力は誘発しない。 410.10c 場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが場領域を離れた時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が場を離れたとき、…/When [このオブジェクト] leaves play,」、あるいは「[何か]が場から墓地へ置かれるたび、…/Whenever a [何か] is put into a graveyard from play,」と書かれている。このカードが場を離れた時に何かしようとする能力は、それが最初に行った領域のみをチェックする。 410.10d 通常、そのイベントが誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行なうのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。その時点で存在する継続的効果は、その誘発条件が何であるか、また、そのイベントに関連するオブジェクトが何であるかを決定するために用いられる。しかし、誘発型能力の中には、その能力を持つオブジェクトが場を離れたり、ライブラリや手札に置かれたり、コントローラーが変わったりするものもある。それらの能力が誘発するかどうかを判断するために、ゲームは「過去の状態を見る」必要がある。オブジェクトが場を離れたとき、あるいはオブジェクトが手札やライブラリーに移動したとき、あるいはオブジェクトのコントロールを失ったときに誘発する能力については、そのオブジェクトが存在するものとして、また、そのイベントの直後ではなく直前の状態を見て、誘発する。 例:2体のクリーチャーと、「クリーチャーが場から墓地へ置かれるたび、あなたは1点のライフを得る」という能力を持ったアーティファクトが場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する呪文をプレイした。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。 「場を離れた」ことによる誘発は、誘発条件がそのパーマネントの行き先をチェックしない場合でも領域変更誘発である。場を離れたカードに対して、その能力が何かしようとする場合、場を離れて最初に行った領域のみを探す。 410.10e いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play with」「[このパーマネント]が場に出るに際し…/As [このパーマネント] comes into play」、「[このパーマネント]は…として場に出る/[このパーマネント] comes into play as」、「[このパーマネント]はタップ状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play tapped.」と書かれたテキストを持つ。これらのテキストは常在型能力であり、誘発型能力ではない。この効果は、そのパーマネントを場に出すイベントの一部として発生する。 410.10f オーラの中には、エンチャントしているパーマネントが場を離れたときに誘発する誘発型能力をもつものがある。これらの誘発型能力は、エンチャントされていたパーマネントが移動する先の領域まで追跡するだけでなく、そのオーラがオーナーの墓地に行くことも追跡する。 410.11. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、プレイヤーがあるタイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら即座に誘発し、次の機会にはスタックに積まれる。それらのことを状況誘発型能力と呼ぶ(状況誘発型能力は状況起因効果と同じではない)。それらの能力が解決されるか打ち消されるまでは再び誘発することはないが、その解決あるいは打ち消しの後で、その能力を持つオブジェクトがまだその領域に残っていて、かつゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。 例:パーマネントの能力に「あなたの手札にカードが1枚もないたび、カードを1枚引く」とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、解決されるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「手札を全て捨てる。その後で、同じ枚数だけカードを引く」という呪文をプレイした場合、そのプレイヤーの手札は一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。 411. マナ能力のプレイ 411.1. マナ能力をプレイするとき、プレイヤーは、rule 409.1b から rule 409.1i の記述に従ってプレイすることを宣言し、起動コストを支払う。能力は宣言の直後に解決し、スタックには積まれない(rule 408.2e 参照)。 411.2. プレイヤーは、優先権を持っている時、あるいは呪文や起動型能力のプレイ中にマナの支払いが必要になった時にはいつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。また、呪文や能力をプレイしている途中や解決している途中であっても、何らかのルールや効果によってマナを支払う必要がある時なら、いつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。 411.3. 誘発型マナ能力は、起動型マナ能力がプレイされた時に誘発する。これらの能力は、それを誘発させたマナ能力の直後に、優先権を得ることを待たずに解決される。起動型能力や誘発型能力が、マナとそれ以外の効果とを共に生む場合、マナと別の効果とは同時に解決する。 例:「プレイヤーがマナを引き出すために土地をタップするたび、そのプレイヤーのマナ・プールに、同じタイプのマナ1点を加える」というエンチャントがあるとする。プレイヤーが、呪文をプレイする間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは直ちにマナ・プールに加えられ、そのマナを呪文のコストの支払いに使うことができる。 411.3a 誘発型マナ能力が「同じタイプの」あるいは「同じ色の」マナをプレイヤーのマナ・プールに加えるといった場合、それを誘発させたマナ能力が複数のタイプまたは色のマナを生み出していたならば、そのマナ・プールの持ち主は、その誘発型能力がどちらのマナを生み出すかを選ぶ。 412. 常在型能力の処理 412.1. 常在型能力は、継続的効果、あるいは軽減・置換効果を発生する。これらの効果は、常在型能力を持つオブジェクトがその領域にある間持続する。 412.2. オーラ、装備品、城砦の多くは、それがつけられているパーマネントを修整する常在型能力を持つが、そのパーマネントを対象に取らない。オーラ、装備品、城砦が別のパーマネントに移された場合、その能力は元のパーマネントへの適用を止め、新しいパーマネントを修整するようになる。 412.3. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すことに関連するものである。また、「[このオブジェクト]をプレイするための追加コストとして、[コスト]を支払う」「[このオブジェクト]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい」「あなたは[このオブジェクト]をマナ・コストを支払わずにプレイしてもよい」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に働く。 412.4. ある種の常在型能力は、カードがそれをプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[この呪文]をプレイしてもよい/You may play [この呪文]」「あなたは[この呪文]をプレイできない/You can't play [この呪文]」「[この呪文]は …… にのみプレイできる/Play [この呪文] only ...」と書かれているものに限られる。 412.5. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でオブジェクトの最後の情報を使用できない。 413. 呪文・能力の解決 413.1. 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上に積まれているオブジェクト(呪文、能力、戦闘ダメージ)が解決される(rule 416〔効果〕参照)。 413.2. 呪文や能力の解決は以下の順序で処理される複数の段階からなる。 413.2a 呪文や能力が対象を取っている場合、その対象がまだ適正かどうかチェックする。対象として選ばれた時にあった領域を離れた対象は不正な対象となる。また、呪文や能力がプレイされた後でゲームの状態が変わった場合、対象が不正になることがある。例えば、対象の特性が変わったり、効果によって呪文の文章が変わったりした場合である。能力の発生源がもとあった領域を離れている場合、必要であれば最後の情報を用いて特性を決定する。 呪文や能力の文中の「target」という語全てについて(日本語版では、「[性質]N個(または[性質]N個)」としてまとめられているグループ全てについて)、全ての対象が不正になっていた場合、呪文や能力は打ち消される。呪文や能力が打ち消されなかった場合、通常通り解決するが、影響を受けるのはその時点でまだ適正な対象のみである。もし対象が不正ならば、呪文や能力はその対象に何らの影響を及ぼすことも、また及ぼさせることもできない。 例:《オーラの旋風/Aura Blast》は「エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。カードを1枚引く。」という白のインスタントである。この対象になったエンチャントが《オーラの旋風》の解決中に適正な対象でなかった場合(例えば、プロテクション(白)を得たり、場を離れていたりした場合)、《オーラの旋風》は打ち消され、そのコントローラーはカードを引くことができない。 例:《疫病の胞子/Plague Spores》は「黒でないクリーチャー1体と土地1つを対象とし、それらを破壊する。それらは再生できない。」という効果を持つ。クリーチャー化した土地1つを、黒でないクリーチャーとしても土地としても対象にした場合、その後でそのクリーチャー化した土地が黒になったとしても、《疫病の胞子》は「土地1つ」を対象とする部分について適正な対象をとるので、打ち消されることはない。 413.2b 呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。但し、置換効果によってこれらの行動が変更され、以前の指示の意味が変わることもある。場合によっては、カードのテキストで後のほうに書かれた文章が、前の文章の意味を修整することがある(例えば、「クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない」あるいは「呪文1つを対象とする。それを打ち消す。その呪文が打ち消された場合、それをオーナーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く」)。これらの場合を考えずに逐語的に効果を適用したりしてはならない。カード全体を読み、文法に従ってテキストを解釈すること。 413.2c 効果の中で、呪文をプレイする時に宣言していない選択が必要とされる場合、プレイヤーは効果の処理の間にこれらを宣言する。プレイヤーは、不正な選択肢、または不可能な選択肢を選ぶことはできない(例えば、選択可能な行動を行なうのに必要な条件をすべて満たしていない場合には、その行動を行なわないことによって被る影響を回避することはできない)。カードを引くことは、仮にそのプレイヤーのライブラリーにカードが1枚もなくても不可能な行動としては扱われない。 例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う」という指示がされた呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるほうの選択肢を選ぶことはできない。 413.2d 呪文や能力の中には、複数の段落や条項によって、複数のプレイヤーが関与する、複数の手順や行動に分かれているものもある。この場合、APNAP順に従って1つめの行動について必要な選択を行ない、そして1つめの行動が同時に実行される。その後で、APNAP順に従って2つめの行動について必要な選択を行ない、そして2つめの行動が同時に実行される。以下同様に繰り返す。rule 103.4 参照。 413.2e プレイヤーがマナを支払ってもよいという選択肢を含む効果の場合、そのプレイヤーはその行動を行なう前にマナ能力をプレイしてもよい。解決中に呪文をプレイできるという効果の場合、プレイヤーは呪文をスタックの一番上に置き、rule 409.1a-i に従ってプレイする(ただし、プレイの完了後にプレイヤーが優先権を得ることはない)。その後、現在解決中の呪文や能力を解決する。ここに、これと同様に他の呪文をプレイすることが含まれることもありうる。通常、それ以外の呪文や能力は解決中にはプレイできない。 413.2f ゲームの情報(場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に一度だけ決定される。効果が(その効果の発生源を含む)特定のオブジェクトの情報を必要とする場合、そのオブジェクトが領域を移動していない場合は、その現在の情報を使う。移動していた場合、そのオブジェクトがそのあった領域を離れる直前に持っていた最後の情報を使う。この例外は、効果が複数のクリーチャーまたはプレイヤーにダメージを割り振って与える場合の量と割り振りは呪文や能力がスタックに積まれる際に決定される(rule 402.6 参照)ということと、常在型能力は最後の情報を使うことができない(rule 412.5 参照)ということである。オブジェクトが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)オブジェクトであり、能力ではない。 413.2g 特性を調べる効果は、その指定された特性の値だけをチェックし、オブジェクトが他に持っているかもしれない、関連する特性の値はチェックしない。 例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒のクリーチャーをすべて破壊する」という効果で破壊されるが、「黒でないクリーチャーをすべて破壊する」という効果では破壊されない。 413.2h 能力の効果が、その能力のコストや誘発条件によって参照されていて対象になっていないオブジェクトを参照する場合、そのオブジェクトの特性が変わっていてもそのオブジェクトに影響を及ぼす。 例:《哀れみの壁/Wall of Tears》は「哀れみの壁がいずれかのクリーチャーをブロックするたび、戦闘終了時にそのクリーチャーをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ。《哀れみの壁》がクリーチャーをブロックした後、そのクリーチャーが能力の解決前にクリーチャーでなくなったとしても、そのパーマネントはオーナーの手札に戻される。 413.2i 呪文の解決の最終段階として、呪文は、その呪文のコントローラーのコントロール下でスタックから場に出る(パーマネントの場合)かスタックからオーナーの墓地に置かれる(インスタントとソーサリーの場合)。 413.2j ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力のテキストにその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、「引き分け」の場合どうするかという一般則はない。 414. 呪文・能力の打ち消し 414.1. 呪文を打ち消すということは、その呪文をスタックからオーナーの墓地に動かすということである。能力を打ち消すということは、その能力をスタックから取り除くということである。打ち消された呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。 414.2. 打ち消された呪文や能力をプレイしたプレイヤーは、支払ったコストの「払い戻し」を受けることはできない。 415. 対象をとる呪文や能力 415.1. インスタント呪文やソーサリー呪文は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [何か]」という表記がある場合、対象をとる。(インスタントやソーサリーの文章内にある起動型能力や誘発型能力が「対象」の語を用いていたとしたら、その呪文ではなく能力が対象をとる)。この[何か]とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現でなければならない。 例:「クリーチャー1体を対象とする。このカードをサイクリングしたとき、それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける」という能力を持つソーサリー・カードがあった場合、それはその誘発型能力が対象をとることを意味する。呪文が対象をとることを直接意味するわけではない。 415.2. 起動型能力、誘発型能力は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [何か]」という表記がある場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現でなければならない。 415.3. オーラ呪文は、必ず、エンチャントしようとするパーマネントまたはプレイヤーを対象にとる。パーマネントになった後は、もはや対象を取らない。オーラ・パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。  装備品呪文や装備品パーマネントは対象を取っていない。装備能力が対象を取る。rule 502.33〔装備〕参照。装備品パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。  城砦呪文や城砦パーマネントは対象を取っていない。城砦化能力が対象を取る。rule 502.65〔城砦化〕参照。城砦パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。 415.4. 0個以上の対象を取れる呪文や能力は、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。0個の対象を取るとは言わない。 415.5. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、呪文や能力のように場に存在することがありえないオブジェクトを対象とする場合だけである。 415.6. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不正である。 415.7. 対象の変更 415.7a 呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象が変更されないままになる。 415.7b モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。呪文や能力の対象を変更しても、そのモードは変更されない。 415.7c オブジェクトの文章中に出てくる「あなた/you」は対象ではない。 416. 効果 416.1. 呪文や能力が解決されたとき、それは1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を発生させる。常在型能力は、1つまたは複数の継続的効果を発生させる。効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。また、このほかに、呪文や能力によってのではなくゲームの特定のルールによって発生する、状況起因効果が存在する。 416.2. 効果はパーマネントにのみ影響する。但し、効果の文章にそうでないと書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するオブジェクトにしか適用できない場合を除く。 例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地カードには影響を及ぼさない。  なお、呪文をプレイするためのコストを増減する効果は、スタックにある呪文にだけ影響を及ぼす。それは、プレイ中の呪文はスタックにだけ存在するからである。 416.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。 例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札を2枚捨てる」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。 417. 単発的効果 417.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、オブジェクトを領域間で移動させる、などがある。 417.2. 単発的効果の中には、解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。それらの効果は、実際には、誘発を待つ新しい能力を生成することになる(rule 404.4 参照)。 418. 継続的効果 418.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、オブジェクトのコントローラーを変更したり、プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって生成される。 418.2. パーマネントの特性を変える継続的効果は、そのパーマネントが場に入ると同時に特性を変える。パーマネントが場に出るのを待ち、それから変えるのではない。この類の効果はパーマネントが場に出る時点で適用されるので、パーマネントが場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。 418.3. 呪文や能力による継続的効果 418.3a 呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。 418.3b 呪文、起動型能力、誘発型能力による、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けるオブジェクトが決定され、それ以降には変更されない。これは、常在型能力からの継続的効果とは異なることに注意せよ。オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったオブジェクトにも影響を及ぼす。 例:「すべての白のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修整を与える。たとえ後で色が変わっても、その修整を失うことはない。また、その後で場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を与えない。 例:「クリーチャーがこのターンに与えるダメージを全て軽減する」という効果は、オブジェクトの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で場に出ていなかったクリーチャーや、このターンのより後の時点でクリーチャーになったパーマネントによるダメージにも影響を及ぼす。 418.3c 呪文や能力によって、変数を含む継続的効果が発生した場合、その変数の値は解決時にのみ定められ、その後で変化することはない(rule 413.2f 参照)。 418.3d 起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「〜する限り/as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「〜する限り」というフレーズで示される期間が、起動型能力が宣言され、あるいは誘発型能力がスタックに積まれ終わってからその効果が最初に適用されるようになるまでの間に終了していた場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。 例:《内骨格器/Endoskeleton》は、「{2}, {Tap}:クリーチャー1体を対象とする。《内骨格器》がタップ状態にあるかぎり、それは+0/+3の修整を受ける」という起動型能力を持つアーティファクトである。この能力をプレイした後、この能力が解決されるよりも先に《内骨格器》がアンタップ状態になった場合、持続期間、つまり「タップ状態にあるかぎり」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。 418.4. 常在型能力による継続的効果 418.4a 常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。そのテキストで示されるもの全てに対して常に適用する。 418.4b 効果は、それを生み出すパーマネントが場にある、またはそれを生み出すオブジェクトがその該当する領域にある間、常に適用する。 例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」という常在型能力を持つパーマネントは、場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に与える効果を生む。クリーチャーが白になったら、このボーナスを得、白でなくなったらボーナスを失う。通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが場に出て、それから2/2になるのではない。 418.5. 継続的効果の相互作用 418.5a オブジェクトの特性値は、そのオブジェクトそのものの特性値から始まり、それから以下の種類順に継続的効果を適用して求める。(1)コピー効果(rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)、(2)コントロール変更効果、(3)文章変更効果、(4)タイプ(および特殊タイプ、サブタイプ)変更効果、(5)一般の継続的効果、(6)パワーやタフネスを変更する継続的効果。  それぞれの種類別において、まず特性定義能力による効果を最初に適用し、それから他の効果をタイムスタンプ順に適用する。第6種(パワーやタフネスの変更)に関しては、以下の種類細別の順に適用する。(6a)特性定義能力の効果、(6b)一般の効果、(6c)カウンターの効果、(6d)パワーやタフネスを特定の値にするのではなく、修整を加える類いの常在型能力の効果、(6e)パワーとタフネスを入れ替える効果。各種類細別の中では、効果はタイムスタンプ順に適用される。種類別、種類細別の中での効果の適用順は、依存関係によって変更される場合がある。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 418.5b 〜 418.5g)参照。 例:《十字軍/Crusade》は「白のクリーチャーは+1/+1の修整を得る」というエンチャントである。《十字軍》と2/2の黒のクリーチャーが場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果(第5種)が存在したとすると、《十字軍》の効果(第6d種)を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった(第5種)場合、《十字軍》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。 例:2/2のクリーチャー《灰色オーガ/Gray Ogre》が場に出ている。これに+1/+1カウンターが置かれた(第6c種)場合、3/3になる。さらに「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+4/+4の修整を得る」という効果(第6b種)が適用されれば、7/7になる。「あなたがコントロールしているクリーチャーは+0/+2の修整を得る」というエンチャント(この効果は第6d種)が場に出たら、そのクリーチャーは7/9になる。ここで、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで0/1になる」という効果(第6b種)が適用されたら、このクリーチャーは、(0/1→カウンターの+1/+1→エンチャントの+0/+2→)1/4になる。 418.5b 効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。 例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色になる」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また「その他」の効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色になる」という部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第6種として処理されることになる。 例:《手綱取り/Grab the Reins》は「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、あなたはそれのコントロールを得るとともに、それは速攻を持つ。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、「その他」の効果である。従って、「あなたはそれのコントロールを得る」部分は第2種、「それは速攻を持つ」は第5種として処理される。 例:「クリーチャーでないすべてのアーティファクトはターン終了時まで2/2のアーティファクト・クリーチャーになる」という効果は、タイプ変更効果でもあり、パワー・タフネス変更効果でもある。タイプ変更効果は、クリーチャーでないすべてのアーティファクトに対して第4種で適用され、パワー・タフネス変更効果はそれらのパーマネントに対して第6種で適用される。この時点までに、そのパーマネントはクリーチャーでないアーティファクトではなくなっているが、予定通り適用される。 例:《安息の無い墓、スヴォグトース/Svogthos, the Restless Tomb》が場に出ていて、これに「土地1つを対象とする。それはターン終了時まで3/3のクリーチャーになる。それは土地でもある」という効果(第4種および第6b種)が適用されたとする。この後、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果(第6b種)を適用すると、4/4の土地・クリーチャーになる。この後、《安息の無い墓、スヴォグトース》の能力(「ターン終了時まで、《安息の無い墓、スヴォグトース》は「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい」の能力を持つ黒であり緑である植物・ゾンビ・クリーチャーになる。それは土地でもある。」(第4種、第5種、第6b種))を起動した場合、あなたの墓地にクリーチャー・カードが10枚あったとすると、《安息の無い墓、スヴォグトース》のパワーとタフネスは10/10になり、その後墓地の枚数が変わるにつれて変動する。この後、もう一度最初の効果が適用されたとしたら、再び3/3の土地・クリーチャーになることになる。 418.5c ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別(存在するなら種類細別も)であり(rule 418.5a 参照)、(b)別の効果を適用することにより、そのテキストが変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり適用するもののどれかに何をするかが変わったりし、さらに(c)どちらの効果も特性定義能力でない場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立であると言う。 418.5d 1つまたは複数の効果に依存している効果は、その依存先の効果全てが適用されてからすぐに適用する。このルールによって複数の依存している効果が同時に適用されるようになった場合には、その適用順は「タイムスタンプ順」に従う。依存している効果同士によって依存性のループが生成した場合には、このルールを無視し、依存性のループを生成している効果をタイムスタンプ順に適用する。 418.5e オブジェクトのタイムスタンプは、3つの例外を除いて、その現在ある領域に入った時である。例外とは、(a)複数のオブジェクトが同時に領域に入った場合、その領域に入るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。(b)オーラ、装備品、城砦がオブジェクトまたはプレイヤーについた時点で、そのオーラ、装備品、城砦は新しいタイムスタンプを得る。(c)フェイズ・インしてきたパーマネントは、フェイズ・アウトしたときのタイムスタンプを維持する。 418.5f 常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したカードやパーマネント、あるいはその能力を生成した効果のいずれか新しいほうと同じタイムスタンプを持つ。 418.5g 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、それを生み出した呪文や能力が解決された時のタイムスタンプを得る。 418.5h 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、一つの効果の結果が他の効果が適用されるかどうかや、その結果を左右することもある。 例:「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」と「エンチャントされてれいるクリーチャーは飛行を失う」の2つのオーラが同じクリーチャーに付いているとする。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に生成された効果が「勝つ」ことになる。効果が一時的なもの(例えば「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う」)であるかどうか、あるいは、全体的な効果(例えば「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であるかどうか、は関係しない。 例:「白のクリーチャーは+1/+1を得る」「エンチャントされているクリーチャーは白である」という2つの効果があった場合、そのエンチャントされているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。 418.5i 効果によって、クリーチャーのパワーとタフネスが「入れ替え/switch」られることがある。この場合、そのオブジェクトのパワーを参照してそのオブジェクトのタフネスとし、そのオブジェクトのタフネスを参照してそのオブジェクトのパワーとする。この種の効果は、パワーやタフネスに影響を及ぼす他のあらゆる効果よりも後で適用される(rule 418.5a 参照)。 例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の適用後に、他の効果によって+5/+0の修整を受ける場合、「入れ替え前」の値は6/4となり、実際の値は4/6になる。 例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の終了前に+0/+1の効果が終わる場合、それのパワーとタフネスは3/1になる。 418.5j 継続的効果の中には、オブジェクトでなくプレイヤーに影響を及ぼすものが存在する。プレイヤーにプロテクション(赤)を与えるような効果がそれである。それらの効果は全て、オブジェクトの特性が決定された後で、タイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 418.5b-418.5g)参照。 418.5k 継続的効果の中には、オブジェクトでなくゲームのルールに影響を及ぼすものが存在する。プレイヤーの手札の上限を変更するような効果がそれである。それらの効果は全て、他の全ての継続的効果の適用後に適用される。呪文や能力のコストに影響を及ぼす継続的効果は、rule 409.1fに定められた順番で適用される。それ以外のその種の効果はタイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 418.5b-418.5g)参照。 418.6. 文章変更効果 418.6a オブジェクトの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。カード名などの固有名詞に、もしそれらと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によって固有名詞を書き換えることはできない。 418.6b 能力を追加したり取り除いたりする効果は、その影響を受けるオブジェクトの文章を変更するわけではない。従って、効果によってオブジェクトに与えられた能力は、そのオブジェクトの文章を変更する効果の影響を受けない。 418.6c クリーチャー・トークンを生成する呪文や能力は、そのトークンのクリーチャー・タイプをクリーチャー・タイプとトークンの名前の両方として用いる。それらの単語は名前としても使われるが、クリーチャー・タイプなので書き換えることができる。 418.6d クリーチャー・トークンのクリーチャー・タイプとルール文章は、そのトークンを生成する呪文や能力によって定義される。それらの特性は文章変更効果によって書き換えることができる。 419. 置換・軽減効果 419.1. 置換効果・軽減効果は、特定のイベントを待ち、それを完全に、あるいは部分的に置き換えるという継続的効果である。これらの効果は、それが影響するものに対する「盾」のような働きをする。 419.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示し、一部は「飛ばす/skip」という単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことによって置き換えられることを示している。 419.1b 「[このパーマネント]は〜状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play with ...」、「[このパーマネント]が場に出るに際し〜/As [このパーマネント] comes into play ...」、「[このパーマネント]は〜として場に出る/[このパーマネント] comes into play as ...」という効果は置換効果である。 419.1c 「[このパーマネント]は〜場に出る/[このパーマネント] comes into play ...」、「[オブジェクト]は〜場に出る/[オブジェクト] come into play . . .」という継続的効果は置換効果である。 419.1d 「軽減/prevent」という語を用いた効果は軽減効果である。軽減効果は、どのイベントが起こらないかを示すために「軽減」の語を用いる。 419.1e 「[このパーマネント]が表向きになるに際し〜/As [このパーマネント] is turned face up ...」という効果は置換効果である。 419.2. 軽減・置換効果はそのイベントが起こるときに継続的に適用される。それ以前に固定されるわけではない。 419.3. 軽減・置換効果を生成する呪文や能力をプレイするのに特別の制限は存在しない。その類の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。 419.4. 置換・軽減効果は、しかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生む呪文や能力は、そのイベントを起こす何かに対応してプレイされ、したがって、そのイベントが起きるよりも前に解決される。 例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生能力をプレイすることができる。 419.5. イベントが置換または軽減された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できなくても、単純にその不可能な指示を無視するだけになることに注意せよ。 419.5a あるダメージの発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。この場合、ダメージを与えたときに誘発する能力は誘発しない。ダメージを増加させる置換効果があったとしても、置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。 419.5b 「あなたは[X]してよい。そうした場合、[Y]する/you may [X]. If you do, [Y]」という類の能力が存在するが、これの「そうした場合/if you do」とは、[X]イベントを行なうことを選択したかどうかにより、そのイベントがその選択の結果実際に行われたかどうかには関係しない。他のイベントによって[X]の全部または一部が置換された場合には、「そうした場合」の節は、[X]を置換したイベントを参照する。 419.6. 置換効果 419.6a 置換効果は自分自身を繰り返し起動することはなく、各イベントにつき1回だけ置換する機会を得る。 例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールするクリーチャーがクリーチャーかプレイヤーにダメージを与える場合、その代わりに、その倍のダメージをそのクリーチャーまたはプレイヤーに与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与えるクリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。 419.6b 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される時点で、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。 419.6c 効果によって、あるクリーチャーやプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーが場を離れていたり、クリーチャーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。 419.6d 呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換することがある。それらの効果のことを「自己置換効果」と呼ぶ。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。 419.6e 行動やステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [何か]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」ということを意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす効果の効果が発揮されるのは、次の機会になる。 419.6f 飛ばされたステップ、フェイズ、ターンに起こる予定だったことは、起こらない。「次の」何かに起こる予定のことは、飛ばされなかった最初の機会に行なわれる。2つの効果があるプレイヤーのステップ(フェイズ、ターンも同じ)を飛ばす場合、次とその次のステップを飛ばすことになる。効果の1つはその最初のものを飛ばしたことで終わるが、もう1つの効果は次の機会を待つからである。 419.6g 置換効果の中に、「その代わりに以下のnつから1つ選ぶ」という記述のものがある。これらをモードを持つ置換効果と呼ぶ。どのモードを選ぶかは、置換効果の適用時に決定する。モードを持つ置換効果が複数のイベントに適用される場合には、それぞれ別のモードを選ぶこともできる。モードを持つ置換効果は、どのモードを選ぼうが、それ自身に繰り返し適用されることはない。不可能なモードを選ぶことは認められない。 419.6h 置換効果の中に、カードを引くことを置換するものがある。それらの効果は、そのライブラリーにカードが存在しないために引くことができない場合にも適用される。複数枚のカードを引くことのうち1回を置換する場合、その置換効果の処理を全て終わらせた後で次のカードを引く。カードを引いてからそのカードを何かするという一連の効果があった場合、そのカードを引く部分が置換された場合、その追加の部分は、置換された効果によってカードを引いた場合にも、何も影響を及ぼさない。 419.6i 置換効果の中に、パーマネントが場に出ることに影響を及ぼすものがある(rule 419.1b-419.1c参照)。それらの効果は、そのパーマネントが場に存在するようになる時点でのコピー可能な特性だけを参照する。以前の領域にあったときの特性に影響を及ぼす継続的効果や、場に出た後で特性に影響を及ぼすであろう継続的効果は考慮に入れない。一方、場に出ることに影響を及ぼす置換効果で既に適用したものは、考慮に入れる(rule 503.5 参照)。そのパーマネントが場に出た後で他のパーマネントが場に出ることに影響を及ぼすことになる常在型能力を持っていたとしても、それ自身やそれと同時に場に出るパーマネントには影響を及ぼさない。 例:《万物の声/Voice of All》は「万物の声が場に出るに際し、色を1色選ぶ。」「万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ。」という能力を持つ。《万物の声》のコピーであるトークンが何らかの効果によって作られた場合、そのトークンが場に出るに際して、そのコントローラーは色を選ぶ。 例:《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》は「墓地にあるカードはすべての能力を失う。」という能力を持つ。《スカーウッドのツリーフォーク/Scarwood Treefolk》は「スカーウッドのツリーフォークはタップ状態で場に出る。」という能力を持つ。《イクスリッドの看守》がいるときに《スカーウッドのツリーフォーク》が墓地から場に出る場合、タップ状態で場に出る。 例:《夢の宝珠/Orb of Dreams》は「パーマネントはタップ状態で場に出る。」という能力を持つアーティファクトである。これはそれ自身には影響を及ぼさないので、《夢の宝珠》はアンタップ状態で場に出る。 419.7. 軽減効果 419.7a 軽減効果は通常、与えられる筈のダメージに対して適用される。 419.7b 呪文や能力の解決によって生成された軽減効果の中には、一定の量のダメージに対処し、消耗するものがある。例えば「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する。」といったものである。「シールドされた」クリーチャーかプレイヤーへ与えられるはずのダメージ1点につき、代わりにシールドを1減らす。該当するダメージの発生源複数から同時にダメージを受けた場合、その「シールドされた」プレイヤー、あるいは「シールドされた」クリーチャーのコントローラーが、どのダメージを先に軽減するかを決める。シールドが0まで減ったら、残りのダメージは通常通り与えられる。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与えるイベントやダメージの発生源の数は問題にしない。 419.7c 常在型能力によって生成された軽減効果の中には、特定の量のダメージに対処するものがある。例えば「発生源1つがあなたにダメージを与える場合、そのダメージを1点軽減する。」といったものである。この種の効果は、該当する発生源からの表示された量のダメージを全て表示された量だけ軽減する。複数の発生源からのダメージや、同一の発生源からの複数回のダメージがあった場合、それぞれに適用される。 419.7d 対象を取らない、複数のクリーチャーに与えられる次のN点のダメージを軽減する類いの軽減効果では、その効果を生成する呪文や能力の解決によって、影響を受けるクリーチャーそれぞれに軽減の盾を作る。 例:《ウォジェクの薬剤師/Wojek Apothecary》は「{Tap}: クリーチャー1体を対象とする。このターン、それ、およびそれと共通の色を持つ他の各クリーチャーに次に与えられるダメージを1点軽減する。」という能力を持つ。この能力の解決によって、対象となったクリーチャーと、その時点でそれと共通の色を持つクリーチャーに、次の1点のダメージを軽減する盾を作る。この能力の解決以降にクリーチャーの色を変えても、盾が増えたり減ったりすることはない。また、このターンの間、これの解決以降に場に出たクリーチャーが盾を得ることはない。 419.8. ダメージの発生源 419.8a 「このターン、あなたの選んだ赤の発生源1つが次にあなたにダメージを与える時、そのダメージを軽減する」などのある種の軽減効果は、特定のダメージの発生源からのダメージに影響を与える。効果によってダメージの発生源を選ぶ場合、選択できるのは、パーマネント、(アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文を含む)スタック上の呪文、またはスタック上のオブジェクトによって参照されるカードやパーマネント(スタック上の戦闘ダメージを割り振っているクリーチャーが場を離れたりクリーチャーでなくなったりした場合を含む)である。この選択は、その呪文や能力を解決する時に行なう。プレイヤーがパーマネントを選んだ場合、軽減効果はそのパーマネントからの次のダメージに対して適用し、それがそのパーマネントの能力によるものか、それともそれが与える戦闘ダメージかは問題としない。アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文を選んだ場合、その呪文もしくはその呪文によって生成されるパーマネントによるダメージに適用される。 419.8b 呪文や能力によって、クリーチャー、あるいはある特定の色、といった、特定の性質の発生源からのダメージだけに影響を及ぼす軽減効果が発生することがある。その類の制限のある軽減の「シールド」は、ダメージを軽減するときにもう一度発生源の特性を確認する。その特性が適合していなければ、ダメージは軽減されない。何らかの理由によってシールドがダメージを軽減しなかった場合にはシールドは消耗しない。 419.8c 常在型能力の効果で、特定の性質を持つダメージの発生源からのダメージを軽減したり置換したりするものがある。これらの効果については、その軽減・置換効果はその性質を持つパーマネントだけでなく、場以外の領域にある、その性質を持つカードにも適用される。 419.9. 置換・軽減効果の相互作用 419.9a 複数の置換・軽減効果がオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを変更しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか決める。その後で、もしまだ適当であれば、他のものが適用される。適用される置換効果の中に「自己置換効果」(rule 419.6d 参照)があれば、その効果が他のものよりも先に適用される。複数のプレイヤーがこの選択を同時に行なう場合、APNAP順ルールに従う(rule 103.4 参照)。 例:「カードが墓地に置かれる場合、その代わりにそれをゲームから取り除く」と書かれているエンチャントと、「[このクリーチャー]が墓地に置かれる場合、その代わりにこれをオーナーのライブラリーに加えたうえで切り直す」と書かれたクリーチャーの2つのパーマネントが場にある。このとき、そのクリーチャーが破壊された場合、そのクリーチャーのコントローラーがどちらの置換効果を先に処理するか決定する。その結果、他方は何もしない。 419.9b 置換効果は、イベントに影響を与える別の置換効果の結果として、あるイベントに適用できるようになることがある。 例:「あなたが1点のライフを得る場合、その代わりにカードを1枚引く」という効果と「カードを引く場合、その代わりにあなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。 420. 状況起因効果 420.1. 状況起因効果とは、以下に示した条件を満たしたときにだけ適用される特殊な効果である。特定の状況を待っている能力は、状況起因効果ではなく誘発型能力である(rule 404〔誘発型能力〕参照)。 420.2. 状況起因効果は常に有効であり、また、どのプレイヤーにもコントロールされていない。 420.3. プレイヤーが呪文や能力をプレイする優先権を得るとき(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照)、下記の、状況起因効果の条件がチェックされる。適用すべきすべての効果が一つのイベントとして解決され、それから、再びチェックが繰り返される。状況起因効果がひとつも発生しなくなったら、誘発型能力がスタックに積まれる。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。このチェックはクリンナップ・ステップの間にも行なわれる(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照)。下記の条件が一つでも満たされた場合、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。 420.4. 誘発型能力と異なり、状況起因効果は、呪文や能力の解決中に起きた事はチェックしない。 例:「このクリーチャーは、あなたの手札の枚数に等しいパワーとタフネスを持つ」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、そのあとカードを7枚引く」という呪文をプレイしたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因効果がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札が無くなった時に誘発する能力は、誘発イベントが解決中に発生したので、呪文の解決後にスタックに積まれる。 420.5. 状況起因効果には、以下の物がある。 420.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。 420.5b タフネスが0や0未満のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。 420.5c 致死ダメージを受けた、タフネスが正の数であるクリーチャーは破壊される。致死ダメージとは、そのクリーチャーのタフネス以上のダメージである。再生はこのイベントを置換することができる。 420.5d 不正なオブジェクトあるいはプレイヤーについているオーラや、何にもつけられていないオーラはオーナーの墓地に置かれる。 420.5e 同名の「伝説の/Legendary」パーマネントが複数場にある場合、それらはすべてそのオーナーの墓地に置かれる。これを「レジェンド・ルール」と言う。同じ名前を持つパーマネントのうち1つだけがレジェンドか伝説のパーマネントである場合、このルールは適用しない。 420.5f 場以外の領域にあるトークンは存在しなくなる。 420.5g 前回の状況起因効果のチェック以降に、空のライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。 420.5h 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。 420.5i 「ワールド/World」という特殊タイプを持つパーマネントが複数場にある場合、その中でもっとも短い期間「ワールド」の特殊タイプを持って場にあったものを除き、すべてそのオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、その全てがオーナーの墓地に置かれる。これを「ワールド・ルール」と言う。 420.5j スタック以外の領域にある呪文のコピーは、消滅する。スタックと場のいずれでもない領域にあるカードのコピーは、消滅する。 420.5k 不正なパーマネントについている装備品や城砦はそのパーマネントからはずれ、場に残る。 420.5m あるパーマネントに、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントがつけられている場合、そのパーマネントはつけられている先のパーマネントからはずれ、場に残る。 420.5n 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。 421. '無限'ループの処理 421.1. 稀に、一群の行為が永久に繰り返される状況にゲームが陥ることがある。この種のループを中断する方法を「無限ルール」として規定する。 421.2. ループが、選択可能な行動を一つ以上含み、一人のプレイヤーがそれをすべてコントロールしている場合、そのプレイヤーが回数を選ぶ。ループはその回数、但し途中で他のプレイヤーが介入した場合はその時点まで、繰り返したものとみなす。 421.3. ループが、2人のプレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、ループを続けるには双方のプレイヤーによる行動が必要である場合、最初のプレイヤー(ターン順でアクティブ・プレイヤーから近いプレイヤー)が回数を選ぶ。2人目のプレイヤーにはここで2つの選択肢がある。 ・選んだ回数よりも少ない回数を選ぶ。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それから最初のプレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。 ・最初のプレイヤーが選んだ回数を認める。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それから2人目のプレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。(どちらの場合も、最後の部分は無いことがありうる)  3人以上のプレイヤーが関与している場合、3人目も同じように選択を行なう。 例:2人対戦で、あるプレイヤーが、「{0}:[クリーチャー名]は飛行を得る」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、他のプレイヤーが「{0}:クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という能力を持つパーマネントをコントロールしているとする。「無限ルール」により、どちらのプレイヤーから飛行を得る/失う能力のループを始めたとしても、アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが最終的な決定権を持ち、よってそのクリーチャーが飛行を持つかどうかを決めることができる。(但し、この例は、最初のプレイヤーが少なくとも一回、そのクリーチャーに飛行を与えようとしたと仮定していることに注意すること) 421.4. ループが選択できない行動のみからなる場合、ゲームは引き分けとして終了する(rule 102.4b 参照)。 421.5. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、これらの行動が互いに依存していない場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。APNAP順で、アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーはその回数に合意してもよいし、より多い回数を選んでもよい。このルールは、それらの行動が一つのループでなく別々のループに存在する場合でも適用されることに注意すること。 422. 不正な行動の処理 422.1. ある行動を開始した後で適正に行動できないということが解った場合、その行動は巻き戻され、すでに行われた支払いは取り消される。取り消される行動の結果として、能力が誘発したり効果が適用されたりすることはない。その行動が呪文のプレイであった場合、呪文カードはそれがもとあった領域に戻る。プレイヤーは、不正なプレイを行なう間にプレイした適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。しかし、プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからスタック以外へのカードの移動を伴う行動を取り消すことはできない。 422.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の行動を取るかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の行動を取ることもできる。 (訳注:要するに、改めて何でもできるということです) 423. カードを引くこと 423.1. プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上のカードを1枚、自分の手札に加えるということである。これは、各プレイヤーのドロー・ステップに、ゲームの行動として行なわれる。また、呪文や能力のコストや効果の一部として行なわれることもある。 423.2. カードは1枚ずつ引かれる。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその枚数回だけカードを1枚ずつ引くことになる。 423.2a 複数のプレイヤーにカードを引くように指示している場合、まずアクティブ・プレイヤーがその全てのカードを引き、その後で他のプレイヤーがターン順にカードを引く。 432.2b 双頭巨人戦で複数のプレイヤーにカードを引くように指示している場合、まずアクティブ・チームの第1プレイヤー(右側に座っているプレイヤー)が全てカードを引き、次にそのチームの第2プレイヤーがカードを引く。その後、非アクティブ・チームが同様に処理する。 423.3. プレイヤーのライブラリーにカードがない状態で、カードを引いてもよい、となっている効果を処理する場合、カードを引くことを選んでもよい。rule 413.2c 参照。 423.4. 空のライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、次に優先権が発生する時点でゲームに敗北する(これは状況起因効果である。rule 420.5g 参照)。 423.5. 「引く/draw」という語を用いていない何らかの効果によってライブラリーから手札にカードが動く場合、そのカードは引かれたものとしては扱わない。これは、カードを引くことによって誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果、また、ライブラリーが空のときの処理において違いがある。 423.6. カードを引くことを置換する効果が存在する。 423.6a カードを引くことを置換する効果は、ライブラリーにカードが残っていないためにカードを引くことが出来ない場合にも適用される。 423.6b 複数のカードを引くことのうちの1枚を引くことを置換する場合、その置換効果の処理は、次のカードを引く前に完全に処理される。 423.6c カードを引いた後で、そのカードに何か追加の行動をする効果が存在する。カードを引くことを置換した場合、その追加の行動は、その置換効果、あるいはそれをさらに置換した効果によって引かれたカードには影響を及ぼさない。 424. コスト 424.1. コストとは、他の行動をするために必要な行動や支払いのことである。 424.2. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持っていない限り、コストを支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフをコストとして支払うことはできないし、タップ状態のパーマネントをタップすることでコストを支払うことはできない。rule 203〔マナ・コストと色〕、rule 403〔起動型能力〕参照。 424.3. 支払うことのできないコストは、支払うことができない。rule 203.1b 参照。 424.4. プレイヤーがコストを支払うために実際にする内容は、効果によって変更されたり減少したりすることがある。コストのうちでマナの部分がコスト減少効果によって存在しなくなった場合、{0}として扱う。効果によって変更されたコストを支払うことは、元のコストを支払うのと同様に扱う。 例:マナ・コストが{W}でキッカー{1}を持つ呪文をプレイする。キッカーを支払うことを選んで、コスト減少効果によって{W}しか支払わないことになった場合にも、「キッカー・コストが支払われていた場合」の効果は適用される。 424.5. コストにマナの支払いが含まれる場合、コストを支払うプレイヤーはマナ能力をプレイする機会を得る。呪文や起動型能力をプレイするためのコストの支払いは、rule 409.1f-409.1h に示された手順を取る。 5. その他のルール 500. 適正な攻撃とブロック 500.1. 効果の中には、戦闘時の攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定を制限、またはあるクリーチャーを攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして強制的に指定させるものがある(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。ブロック制限(または攻撃制限)とは、そのクリーチャーはブロック(または攻撃)に参加できない、あるいは何らかの条件を満たしていなければブロック(または攻撃)に参加できないというものであり、ブロック強制(または攻撃強制)とは、そのクリーチャーはブロック(または攻撃)に参加しなければならない、あるいは何らかの条件を満たしていた場合にブロック(または攻撃)に参加しなければならない、というものである。 500.2. 攻撃クリーチャーの指定の一環として、アクティブ・プレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが攻撃しなければならない、攻撃できない、その他の攻撃制限または攻撃強制の影響を受けていないかどうかをチェックする。もしそのような攻撃制限もしくは攻撃強制が提案された攻撃と矛盾する場合、その攻撃は不正となり、アクティブ・プレイヤーは異なる攻撃クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(タップしているクリーチャーおよび攻撃のためのコストを払っていないクリーチャーはそれらのクリーチャーに攻撃を要求する効果から除外される)。 例:プレイヤーが、「可能なら攻撃する」クリーチャーと、能力を持たないクリーチャーをコントロールしているとする。このとき、「各ターン、2体以上のクリーチャーで攻撃することはできない」という効果があったとすると、適正な攻撃は「可能なら攻撃する」クリーチャー1体だけによる攻撃だけである。他方のクリーチャーだけ、あるいは両方で攻撃したり、どちらでも攻撃しないということはできない。 500.3. ブロック・クリーチャーの指定の一環として、防御プレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが、ブロックしなければならない、ブロックできない、もしくは他のブロックの制限または強制の影響を受けていないかどうかをチェックする。もしそのようなブロック制限もしくはブロック強制が提案されたブロック・クリーチャーの組み合わせと矛盾する場合、そのブロックは不正となり、防御プレイヤーは異なるブロック・クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(タップされているクリーチャーとブロックのためのコストを払っていないクリーチャーは、ブロックをそれらのクリーチャーに強制する効果から免除される)。 500.3a 回避能力とは、攻撃クリーチャーが持つ能力で、ブロックに制限を加えるものである。回避能力は、戦闘フェイズ内のブロック・クリーチャー宣言ステップに影響を与える常在型能力である。適正なブロックの宣言が為された後でクリーチャーが回避能力を得たり失ったりしても、そのブロックに影響は与えられない。回避能力は累積する。 例:飛行とシャドーを持つクリーチャーは、飛行だけを持つクリーチャーによってはブロックされない。 500.4. 攻撃やブロックの宣言が攻撃制限(ブロック制限)に反しているとき、その宣言は認められない。攻撃強制(ブロック強制)に関しては、(1)攻撃制限(ブロック制限)に反しない限りで、かつ(2)できる限り多くの攻撃強制(ブロック強制)を守る、ことが必要である。全ての制限を守り、可能な限り(全てでない場合もある)最多の強制に従った選択が複数ある場合には、それらの選択は全て適正である。 例:「可能ならブロックする」というクリーチャーと、他の、能力を持たないクリーチャーをコントロールしているプレイヤーに対し、「2体以上のクリーチャーでしかブロックできない」効果がある状況でクリーチャーが攻撃してきた。最初のクリーチャーだけでブロックするのは、制限に反する。また、どちらのクリーチャーもブロックしないのは制限には反しないが、強制を満たしていない。両方のクリーチャーでブロックする選択は、制限に反せず、強制を1つ満たしている。従って、これだけが適正な選択である。 501. キーワード行動 501.1. カードのルール・テキストで用いられている表現のほとんどは通常の英語(日本語版では日本語)であるが、いくつかの動詞の意味については詳細な説明がなされていない。それらの「キーワード」はゲームの用語であり、場合によっては注釈文で意味の概要が説明されていることがある。 501.2. つける 501.2a オーラ、装備品、城砦をあるオブジェクトに「つける/attach」こととは、それを現在ある場所から動かし、そのオブジェクトの上に置くことである。場にあるパーマネントにつける場合、物理的にそのパーマネントに触れた状態になるように置くことが通例である。オーラ、装備品、城砦は、それぞれエンチャントしたり装備したり城砦化されたりすることができないものにはつけることができない。 501.2b オーラ、装備品、城砦を、既にそれがついているオブジェクトにつけようとする効果は、何もしない。 501.2c 既に場に出ているオーラ、装備品、城砦を他のオブジェクトにつける場合、そのオーラ、装備品、城砦のタイムスタンプは新しくなる。 501.2d 装備品をクリーチャーから「はずす/unattach」とは、装備品をそのクリーチャーから離すことであり、装備品は何にも装備していない状態で場に残る。そうなった装備品は、クリーチャーに物理的に触れさせておくべきではない。オーラ、装備品、城砦が、つけられていた状態からそうでない状態になった場合、「はずれた/becoming unattached」として扱う。 501.3. 打ち消す 501.3a 呪文や能力を「打ち消す/counter」とは、それを取り消し、スタックから取り除くことである。その呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。打ち消された呪文はオーナーの墓地に置かれる。rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照。 501.4. 破壊する 501.4a パーマネントを「破壊する/destroy」とは、それを場からオーナーの墓地に置くことである。 501.5. 再生する 501.5a 呪文や能力の解決による効果がパーマネントを「再生する/regenerate」とは、そのパーマネントがそのターン、次に破壊されることから守る置換効果を作るということである。この場合、「[パーマネント]を再生する」とは「このターン、次に[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全てのダメージを取り除き、タップし、(戦闘に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。 501.5b 常在型能力の効果がパーマネントを再生する場合、そのパーマネントが破壊される場合、その破壊を毎回他の効果で置換する。この場合、「[パーマネント]を再生する」とは「[パーマネント]が破壊される場合、代わりにそれから全てのダメージを取り除き、タップし、(戦闘に参加しているなら)戦闘から取り除く」を意味する。 501.6. 生贄に捧げる 501.6a パーマネントを「生贄に捧げる/sacrifice」とは、そのコントローラーがそれを場から直接オーナーの墓地に置くことである。パーマネントでないものや、自分のコントロールしていないパーマネントを生贄に捧げることはできない。パーマネントを生贄に捧げることは破壊ではないので、再生その他の破壊を置換する効果はこの行動に影響を及ぼさない。 501.7. タップする 501.7a パーマネントをタップするとは、それを縦から横に回すことである。 501.7b パーマネントをアンタップするとは、それを横から縦に戻すことである。 501.8. 占術を行なう 501.8a 「占術Nを行なう/scry N」とは、自分のライブラリーの上からN枚のカードを見、その中から好きな枚数を自分のライブラリーの下に、残りを自分のライブラリーの上にそれぞれ好きな順番で置くことである。 501.9. 消術を行なう 501.9a 「消術Nを行なう/fateseal N」とは、対戦相手のライブラリーの上からN枚のカードを見、その中から好きな枚数をそのライブラリーの下に、残りをそのライブラリーの上にそれぞれ好きな順番で置くことである。 502. キーワード能力 502.1. ほとんどの能力は、カードのルール・テキストに、何をする能力かが明確に記述されている。しかし、非常に一般的な能力や、定義を書くのにあまりに多くのスペースを要する能力もある。この場合、オブジェクトには能力の名前を「キーワード」としてのみ記してある。それに関するルールを注釈文として要約してあることもある。 502.2. 先制攻撃 502.2a 「先制攻撃/First Strike」は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 502.2b 戦闘ダメージ・ステップの開始時、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが先制攻撃か二段攻撃を持っている場合、先制攻撃も二段攻撃(rule 502.28 参照)も持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。第2戦闘ダメージ・ステップの間には、残存する攻撃・ブロッククリーチャーのうちで第1戦闘ステップで戦闘ダメージを割り振らなかったものと、二段攻撃を持つものがそれぞれの戦闘ダメージを割り振る。 502.2c 第1戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージをスタックに乗せた後で先制攻撃を与えたり取り除いたりしても、クリーチャーが戦闘ダメージを与えなくなったり、戦闘ダメージを2回与えたりすることはない。 502.2d 1体のクリーチャーに複数の先制攻撃があっても効果は変わらない。 502.3. 側面攻撃 502.3a 「側面攻撃/Flanking」は、ブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)「側面攻撃」は、「このクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーにブロックされた時、そのブロック・クリーチャーはターン終了時まで-1/-1を得る」を意味する。 502.3b 1体のクリーチャーが側面攻撃を複数持つ場合、それぞれが独立に誘発する。 502.4. 飛行 502.4a 「飛行/Flying」は回避能力である。 502.4b 飛行を持つクリーチャーは飛行か到達を持たないクリーチャーにはブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕、rule 502.70〔到達〕参照) 502.4c 1体のクリーチャーに複数の飛行があっても効果は変わらない。 502.5. 速攻 502.5a 「速攻/Haste」は常在型能力である。 502.5b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの開始時から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃したり、コストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使ったりすることができる。(rule 212.3d 参照) 502.5c 1体のクリーチャーに複数の速攻があっても効果は変わらない。 502.6. 土地渡り 502.6a 「土地渡り/Landwalk」や「氷雪土地渡り/Snow Landwalk」は総称であり、通常は、カードのルール・テキストに(「島渡り」「氷雪沼渡り」「伝説の土地渡り」といったように)特定のサブタイプ、もしくは特殊タイプが与えられている。 502.6b 土地渡りや氷雪土地渡りは回避能力である。土地渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが指定されたサブタイプ、もしくは特殊タイプの土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.6c 氷雪土地渡りは土地渡りの特殊な形である。氷雪土地渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが指定されたサブタイプの氷雪土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない。プレイヤーが、どんな土地渡りの能力でも選ぶ事を許された場合、そのプレイヤーは氷雪土地渡りの能力を選んでも良い。何らかの効果によってパーマネントのすべての土地渡りの能力が失われるとき、氷雪土地渡りも同じように能力を失う。 502.6d 土地渡りもしくは氷雪土地渡り能力は互いを「相殺」しない。 例:氷雪森渡りを持つクリーチャーをコントロールしている場合、防御プレイヤーが氷雪森をコントロールしているなら、そのプレイヤーのコントロールする、氷雪森渡りを持つクリーチャーにさえもブロックされない。 502.6e 1体のクリーチャーに同じ土地渡りもしくは氷雪土地渡りを複数与えても効果は変わらない。 502.7. プロテクション 502.7a プロテクションは常在型能力であり、「プロテクション([性質])/Protection from [性質]」と書かれる。この性質は通常は色であるが(例えば「プロテクション(黒)」)、どのような特性値であってもよい。この性質がタイプ(またはサブタイプ、特殊タイプ)の場合、プロテクションは、そのタイプ(など)を持つパーマネントやその他の発生源に適用される。これは rule 200.9 の例外である。 502.7b プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つ呪文の対象にならず、記述された性質を持つ能力の発生源からの能力の対象にもならない。 502.7c プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つオーラによってエンチャントされる事もない。プロテクションを持つパーマネントにつけられているその種のオーラは状況起因効果によりオーナーの墓地に置かれる(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 502.7d プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ装備品を装備できず、記述された性質を持つ城砦で城砦化されない。そのような状況にある装備品は、そのパーマネントからはずれ、場に残る(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 502.7e プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つダメージの発生源から与えられる全てのダメージを0に軽減する。 502.7f プロテクションを持つクリーチャーが攻撃に参加した場合、記述された性質を持つクリーチャーによってブロックされない。 502.7g 1体のクリーチャーやプレイヤー1人に、同じ性質に対する複数のプロテクションがあっても効果は変わらない。 502.8. シャドー 502.8a 「シャドー/Shadow」は回避能力である。 502.8b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.8c 1体のクリーチャーにシャドーを複数与えても効果は変わらない。 502.9. トランプル 502.9a 「トランプル/Trample」は、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与えたりする時には特別な影響を及ぼさない。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照) 502.9b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。それらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを、ブロック・クリーチャーと防御プレイヤーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、今までにそのクリーチャーに与えられたダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れる(rule 502.9e 参照)。コントローラーはそれらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御プレイヤーにはダメージを割り振ることはできない。 502.9c トランプルを持つ攻撃クリーチャーをブロックしたクリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップよりも前にすべて戦闘から取り除かれた場合、ダメージはすべて防御プレイヤーに割り振られる。 502.9d トランプルを持つクリーチャーからダメージを割り振る際には、ブロック・クリーチャーの実際のタフネスのみを考え、最終的に与えるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。 例:トランプルを持つ6/6の緑クリーチャーがプロテクション(緑)を持つ2/2のクリーチャー1体にブロックされた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーはブロック・クリーチャーに最低2点のダメージを割り振らなければならず、そのダメージはブロック・クリーチャーのプロテクション能力によって軽減されることになる。攻撃クリーチャーのコントローラーは、その後で、残りのダメージを防御プレイヤーに割り振ることができる。 502.9e 攻撃クリーチャーが複数いるとき、トランプルを持たないクリーチャーからのダメージを、トランプルを持つクリーチャーからのダメージが最大限生かせるように割り振るのは適正である。 例:複数の攻撃クリーチャーをブロックすることのできる能力を持った2/2クリーチャーが、1/1で特殊能力を持たないクリーチャーと、3/3でトランプルを持ったクリーチャーとをブロックしたとする。攻撃プレイヤーは、第1の攻撃クリーチャーからの1点のダメージと第2の攻撃クリーチャーからの1点のダメージをブロック・クリーチャーに、そしてトランプルによる2点のダメージを防御プレイヤーに、それぞれ割り振ることができる。 502.9f 1体のクリーチャーに複数のトランプルがあっても効果は変わらない。 502.10. バンド 502.10a 「バンド/Banding」は攻撃クリーチャー指定や戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。 502.10b プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、バンドを持つクリーチャーを任意の数と、1体までのバンドを持たないクリーチャーを一つの「バンド」として宣言してもよい。(防御プレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。(rule 502.10h 参照))。 502.10c プレイヤーは任意の数の攻撃バンドを指定してもよいが、クリーチャーはそれぞれ1つのバンドにしか所属できない。 502.10d 攻撃バンドがいったん宣言されると、たとえ後で何らかの方法によって一つもしくは複数のクリーチャーのバンド能力が取り除かれても、戦闘が終わるまでその効果は続く。但し、戦闘から取り除かれた場合には、バンドからも取り除かれる。 502.10e 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされる。 例:プレイヤーが、飛行を持つクリーチャーと沼渡りを持つクリーチャーで構成されたバンドで攻撃する。防御プレイヤーは、沼をコントロールしているとしても、飛行クリーチャーをブロックすることは可能である。防御プレイヤーがそうした場合、沼渡りを持つクリーチャーも、同じようにブロック・クリーチャーによってブロックされる。 502.10f バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。 502.10g バンドを構成しているクリーチャーの1体が効果の影響でブロックされた場合、そのバンド全体がブロックされる。 502.10h バンドを持っている攻撃クリーチャーをコントロールしているプレイヤーは、そのクリーチャーをブロックしたクリーチャーからの戦闘ダメージをどのように割り振るかを決定する。バンドを持っているブロック・クリーチャーをコントロールしているプレイヤーは、そのクリーチャーがブロックしたクリーチャからの戦闘ダメージをどのように割り振るかを決定する。攻撃もしくはブロックする時にバンド能力を持っていたとしても、戦闘ダメージ・ステップの開始前にその能力が取り除かれた場合はダメージは通常どおりに割り振られる。 502.10i 1体のクリーチャーに複数のバンド能力があっても効果は変わらない。 502.11. 他の〜とのバンド 502.11a 他の〜とのバンドは、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の〜とのバンドもまた失われる。 502.11b 「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド/bands with other [クリーチャー・タイプ]」は、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャーと攻撃バンドを組むことができる。バンドを持つクリーチャーもこのバンドに参加できるが、バンドを持たないクリーチャーは参加できない。このバンドに含まれるクリーチャーは必ずしも「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」で特定されたクリーチャー・タイプを持つ必要はない。このバンドをブロックするときは、バンド一般のルールに従って処理される。 502.11c 攻撃クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャー2体以上によってブロックされた場合、防御プレイヤーは攻撃クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。同様に、ブロック・クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つ攻撃クリーチャー2体以上をブロックした場合、攻撃プレイヤーはブロック・クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。 502.11d 1体のクリーチャーに複数の他の〜とのバンド能力があっても効果は変わらない。 502.12. ランページ 502.12a ランページは誘発型能力である。「ランページ N/Rampage N」は、「このクリーチャーがブロックされるたび、このクリーチャーをブロックしている2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける」ということを意味する(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.12b ランページのボーナスは戦闘のたび、誘発型能力が解決される時に一回だけ計算する。その後にブロック・クリーチャーが追加、もしくは取り除かれてもその戦闘中はボーナスは変わらない。 502.12c クリーチャーが複数のランページを持つ場合、それぞれが別々に誘発する。 502.13. 累加アップキープ 502.13a 累加アップキープは、パーマネントに上昇するコストを負わせる誘発型能力である。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep ─ [コスト]」という表記は、「あなたのアップキープの開始時に、経年カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある経年カウンター一つごとに[コスト]を支払ってもよい。そうしなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。[コスト]に選択肢がある場合、各選択は各経年カウンターに対して別々に行なわれ、その後全体のコストを一度に支払うか、まったく支払わないかのどちらかを行なうことになる。一部のみの支払いは認められない。 例:クリーチャーが「累加アップキープ {W}か{U}」を持ち、その上に経年カウンターが2個置かれている。この能力が誘発して解決された場合、そのクリーチャーのコントローラーはその上に経年カウンターを1個置き、そのクリーチャーを場に残すために{W}{W}{W}か{W}{W}{U}か{W}{U}{U}か{U}{U}{U}を支払うことができる。 例:クリーチャーが「累加アップキープ ─ クリーチャー1体を生け贄に捧げる」を持ち、その上に経年カウンターが1個置かれている場合、この能力が誘発して解決された時点で、そのコントローラーは同一のクリーチャーを2回生け贄に捧げることを選択することはできない。2体のクリーチャーを生け贄に捧げるか、累加アップキープを持つクリーチャーを生け贄に捧げるかのいずれかをしなければならない。 502.13b パーマネントに複数の累加アップキープがある場合、それぞれが別々に誘発する。しかしながら、経年カウンターはどの特定の能力にも関連づけられていないので、それぞれの累加アップキープの解決時に、パーマネントの上にある経年カウンターの総数を数える。 例:「累加アップキープ:1点のライフを支払う」という能力を二つ持っているクリーチャーがあり、現在その上には、経年カウンターは存在しない。今、この2つの能力が誘発したとする。一つめの能力が解決されるとき、そのコントローラーはカウンターを乗せ、1点のライフを支払うことを選択した。二つめの能力が解決されるとき、さらに一つのカウンターを乗せるので、ライフの支払いは2点となる。 502.14. 警戒 502.14a 警戒は攻撃宣言ステップにおけるルールを修正する常在型能力である。 502.14b 「警戒/Vigilance」を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない (rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.14c 1体のクリーチャーに複数の警戒能力があっても意味はない。 502.15. フェイジング 502.15a 「フェイジング/Phasing」は、アンタップ・ステップのルールを変更する常在型能力である。 502.15b それぞれのプレイヤーのアンタップ・ステップに、そのアクティブプレイヤーがコントロールするパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーのコントロールするオブジェクトのうちでフェイジングを持つもの全てがフェイズ・アウトする。同時に、フェイズ・アウトしたときにそのプレイヤーがコントロールしていた全てのパーマネントがフェイズ・インする(rule 217.8〔フェイズ・アウト〕、および rule 302.1 参照)。 502.15c 効果によってプレイヤーのアンタップ・ステップが飛ばされた場合、フェイジングのイベントはそのターン、単に起こらなくなる。 502.15d フェイズ・インあるいはフェイズ・アウトするパーマネントは、場に出るときや場を離れるときの誘発型能力を誘発させず、どうやって場に出るかを変更する効果を無視する。フェイジングについて特別に明記してある能力や効果だけが変更したり誘発したりする(アンタップ・ステップの間には優先権が発生しないので、フェイジングのイベントによって誘発した能力はアップキープ・ステップの開始時までスタックに積まれない)。 502.15e パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、それが受けていたダメージは取り除かれる。 502.15f フェイズ・アウト領域から場に戻ったカードは、場を離れたときのものと同じパーマネントとして扱われる。これは、パーマネントが領域を変更した場合には以前の記憶を「忘れる」という rule 217.1c の例外である。 502.15g パーマネントを参照する、持続時間の定められている効果や遅延誘発型能力は、そのパーマネントがフェイズ・アウトした場合には影響を及ぼしつづけることはできない。一方、それ以外で、そのパーマネントを参照する効果(持続時間の定められていない効果を含む)は、場に戻ってきたときにも影響を与え続ける。 例:《巨大化/Giant Growth》の影響を受けているクリーチャーがフェイズ・アウトした場合、もしそのターンの間に場に戻ってきたとしても、+3/+3の修整を受けることはない。これは、この効果に持続時間が定められているからである。 502.15h フェイズ・アウトしたカードは、以前の状況を「覚えて」いて、同じ状況で場に戻ってくる。上にあったカウンターについて、また最初に場に出たときに行われた選択について、そして場を離れたときに反転していたか、タップ状態であったかどうかも「覚えて」いる。また、フェイズ・アウトしたときに誰がコントロールしていたかも「覚えて」いるけれども、コントロールを奪う効果に持続時間が定められていれば、影響力を失い、異なるプレイヤーのコントロール下で場に出ることになる。 例:《Diseased Vermin》は「あなたのアップキープの開始時に、Diseased Verminによってダメージを受けたことがある対戦相手1人を対象とする。これは、そのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xはこの上にある感染カウンターの数である」という能力を持つ。《Diseased Vermin》がフェイズ・アウトしたとき、これにいくつのカウンターが乗っているか、そしてどの対戦相手がこれによってダメージを受けたことがあるかということを「覚えて」いる。フェイズ・インしてきたとき、それらの対戦相手をアップキープ時の誘発型能力の対象にすることができる。 502.15i パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、そのパーマネントについている全てのオーラ、装備品、城砦は同時にフェイズ・アウトする。このフェイズ・アウトする二つめの方法のことを、「間接的に」フェイズ・アウトしたとも言う。「間接的に」フェイズ・アウトしたオーラ、装備品、城砦は、それ自身ではフェイズ・インしてこないが、それのついているカードがフェイズ・インしてくるときに一緒にフェイズ・インしてくる。 502.15j オーラ、装備品、城砦が(エンチャントしているパーマネントと一緒にフェイズ・アウトしたのではなく)直接フェイズ・アウトした場合、それは何についていたかを「覚えて」おり、そのパーマネントについて場に戻る。オーラが場に戻った時点でそのパーマネントが場を離れていたり、あるいはエンチャントすることが不正になっていたならば、そのオーラは場に戻り、そしてその後でオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。装備品や城砦が場に戻った時点でそのパーマネントが場を離れていたり、装備することが不正になっていたならば、その装備品や城砦は場に戻り、何にも装備されないで場に残る。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 502.15k フェイズ・インしたパーマネントはフェイズ・アウトした時持っていたのと同じタイムスタンプを保持する(rule 418.5d、rule 418.5e 参照)。しかしパーマネントが同時にフェイズ・インした事実は変更しない。 502.15m フェイズ・インしてきたパーマネントは速攻を持っているのと同じように攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる。これは、そのパーマネントが場に出たターンにフェイズ・アウトし、フェイズ・インしてきた場合にも適用される。このパーマネントは、コントローラーが変わるか場を離れるまで、攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる。 502.15n パーマネントを対象とする呪文や能力は、宣言後に対象のパーマネントがフェイズ・アウトし、解決前にフェイズ・インしてきた場合にも通常通りそのパーマネントを対象に解決される。 502.15p 一つのパーマネントに複数のフェイジングがあっても効果は変わらない。 502.16. バイバック 502.16a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーに存在し、スタックにある間に働く常在型能力2つからなる。「バイバック[コスト]/Buyback [コスト]」は、「あなたは、この呪文をプレイするに際して追加で[コスト]を支払ってもよい」と「バイバック・コストが支払われている場合、この呪文の解決に際し、この呪文をそのオーナーの墓地に置く代わりにそのプレイヤーの手札に戻す」ということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、rule 409.1b、rule 409.1f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 502.17. 馬術 502.17a 「馬術/Horsemanship」はポータル三國志に存在する回避能力である。 502.17b 馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.17c 1体のクリーチャーに複数の馬術があっても効果は変わらない。 502.18. サイクリング 502.18a サイクリングは、サイクリングを持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ働く起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [コスト]」は、「[コスト], 手札からこのカードを捨てる:カードを1枚引く。」ということを意味する。 502.18b サイクリングはそのカードが手札にあるときにしかプレイできないが、オブジェクトが場やその他すべての領域にあるときにも存在しつづける。従って、サイクリングを持つオブジェクトは、1つもしくは多数の起動型能力を持つオブジェクトに影響を及ぼす効果の影響を受ける。 502.18c サイクリングを持つカードの中には、サイクリングしたときに誘発する能力を持つものがある。「あなたが[このカード]をサイクリングしたとき、/When you cycle [このカード]」とは、「あなたが[このカード]をサイクリング・コストを支払うために捨てたとき、」を意味する。この種の能力は墓地から誘発する。 502.18d タイプ・サイクリングは、サイクリング能力の一種である。「[サブタイプ]サイクリング [コスト]/[サブタイプ]cycling [コスト]」は「[コスト], このカードをあなたの手札から捨てる:あなたのライブラリーから[サブタイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。 502.18e いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、タイプ・サイクリング能力のコストとしてカードが捨てられたときにも誘発する。サイクリングを禁止する効果によって、タイプ・サイクリング能力のプレイも禁止される。 502.19. エコー 502.19a エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/echo [コスト]」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしあなたがこのパーマネントのコントロールを、あなたの直前のアップキープより後に得たのであれば、[コスト]を支払わない限りこれを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.20. 消散 502.20a 消散は2つの能力を表すキーワードである。「消散 N/Fading N」は、「このパーマネントは、その上に消散カウンターがN個置かれた状態で場に出る」「あなたのアップキープの開始時、このパーマネントの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる」ということを意味する。 502.21. キッカー 502.21a キッカーはその呪文がスタックに積まれている間に働く常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。「キッカー [コスト1]/[コスト2]/Kicker [コスト1] and/or [コスト2]」は、「キッカー [コスト1], キッカー [コスト2]」というのと同じである。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 409.1b、rule 409.1f に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 502.21b キッカーを持つオブジェクトは、キッカー・コストが支払われたときに起こることを特定する、追加の能力を持っている。複数のキッカー・コストを持つオブジェクトは、それぞれのキッカー・コストに対応する能力を持っている。 502.21c キッカー・コストが支払われたときについてのそのテキストがパーマネントやプレイヤーを対象とする場合、呪文のコントローラーはその該当するキッカー・コストを支払うという意志を宣言したときにのみその対象を選ぶ。そうでなければ、その対象の選択は行われない。 502.21d [コスト1]と[コスト2]の複数のキッカー・コストを持つカードは、「[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には/if the [コスト1] kicker cost was paid」と「[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には/if the [コスト2] kicker cost was paid」という語句を含んでいる。この文章は、単にそれぞれのキッカー・コストを意味しているだけであり、実際にどれだけのコストが支払われたかは関係ない。言い換えると、「[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「1番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味であり、「[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「2番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味である。 502.22. フラッシュバック 502.22a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードに存在する、2つの常在型能力を表すキーワードであり、その1つはそのカードが墓地にある間に働き、もう1つはそのカードがスタックにある間に働く。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」は、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい」「フラッシュバック・コストが支払われている場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。 502.23. スレッショルド 502.23a スレッショルドは、以前はキーワード能力であったが、今は能力語であり、ルール上の意味は存在しない。スレッショルドのキーワード能力を持っていたカードについては、訂正が出されている。オラクルを参照のこと。 502.24. マッドネス 502.24a マッドネスは二つの能力からなる。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに発生する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい」と「このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのオーナーは、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことでこのカードをプレイしてもよい。そうしない場合、そのプレイヤーはこのカードを自分の墓地に置く」の二つの意味を持つ。 502.24b マッドネス能力で呪文をプレイする場合は、rule 409.1b および rule 409.1f の代替コストのルールに従う。 502.25. 畏怖 502.25a 「畏怖/Fear」は回避能力である。 502.25b 畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照) 502.26. 変異 502.26a 変異は、その能力を持つカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たないクリーチャーとしてプレイできる。」という意味である。そのコントローラーは、インスタントをプレイできる時ならいつでもその裏向きのパーマネントの変異コストを公開し、それを支払って表にすることができる。この行動はスタックを使わない(rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照)。 502.26b 変異能力を使ってカードをプレイするには、まずそれを裏向きにする。それは、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たない、2/2の裏向きのクリーチャーカードとなる。(そのカードの表向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つカードをプレイすることに適用される効果や禁止は、このカードをプレイする際に適用される。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。それを(同じ特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに置き、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異能力を持つカードを呪文としてプレイすることができる領域ならどの領域からでも、変異能力を使ってカードをプレイできる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性をもったまま場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。 502.26c 変異能力を持たないカードを裏向きにプレイすることはできない。 502.26d あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも、あなたは裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。そうするには、そのパーマネントのその効果が終わる時点での変異コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、それを支払い、そのパーマネントを表向きにする。変異の効果は終了し、その通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが場に出たときに誘発される能力は、表向きになったときには誘発されず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに場に出ているからである。 502.26e 表向きのパーマネントが呪文や能力によって裏向きになった場合、それは裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たないクリーチャーになる。これらの特性はコピー可能な値となる(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕およびrule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)。また、変異と裏向きのクリーチャーに関するルールが通常通り適用される。 502.26f 変異能力を持つカードのプレイに関する詳細については、rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕を参照のこと。 502.27. 増幅 502.27a 増幅は常在型能力である。「増幅 N/Amplify N」は、「このオブジェクトが場に出るに際し、あなたの手札にあるそのオブジェクトと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このパーマネントは、これにより公開されたカード1枚につきN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このカード自身や、このカードと同時に場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。 502.27b クリーチャーに複数の増幅能力がある場合、それぞれは個別に働く。 502.28. 二段攻撃 502.28a 「二段攻撃/Double Strike」は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照 502.28b 戦闘ダメージ・ステップの開始時、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが二段攻撃か先制攻撃を持っている場合、二段攻撃も先制攻撃(rule 502.2〔先制攻撃〕参照)も持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。第2戦闘ダメージ・ステップの間には、残存する攻撃・ブロッククリーチャーのうちで第1戦闘ステップで戦闘ダメージを割り振らなかったものと、二段攻撃を持つものがそれぞれの戦闘ダメージを割り振る。 502.28c 第1戦闘ダメージ・ステップの間にクリーチャーから二段攻撃を取り除いた場合、そのクリーチャーは第2戦闘ダメージ・ステップではダメージを割り振らない。 502.28d 第1戦闘ダメージ・ステップに先制攻撃の戦闘ダメージをスタックに置いた後で先制攻撃を持つクリーチャーに二段攻撃を与えた場合、そのクリーチャーは、すでに第1戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを割り振っていたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップでダメージを割り振る。 502.28e 1体のクリーチャーに複数の二段攻撃があっても効果は変わらない。 502.29. 挑発 502.29a 挑発は誘発型能力である。「挑発/Provoke」は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それはこの戦闘の間、可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。 502.29b 1体のクリーチャーに複数の挑発がある場合、それぞれは個別に誘発する。 502.30. ストーム 502.30a ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。 502.30b 1つの呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。 502.31. 親和 502.31a 親和は呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「親和(テキスト)/Affinity for (テキスト)」は、「この呪文をプレイするためのコストは、あなたがコントロールする[テキスト]1つにつき{1}少なくなる。」を意味する。 502.31b 親和能力は、汎用マナ・コストのみを減らす。それは呪文のために支払う色マナを減らさない。 502.31c 呪文が複数の親和能力を持つ場合、それらはそれぞれ適用される。 502.32. 双呪 502.32a 双呪は呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「双呪 [コスト]/Entwine [コスト]」は、「あなたは、この呪文のモードを一つだけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは[コスト]を追加で支払う。」を意味する。双呪能力の使用に際しては、rule 409.1b、および rule 409.1f〜hの、モードの選択と追加コストの支払いのルールに従う。 502.32b 双呪コストが支払われたなら、呪文の解決時に、カードに書かれたテキストの順番に従って各モードを解決する。 502.33. 装備 502.33a 装備は装備品カードの起動型能力である。「装備 [コスト]/Equip [コスト]」は、「[コスト]:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、この装備品をそれにつける。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。 502.33b 装備品に関する更なる解説は、rule 212.2〔アーティファクト〕を参照。 502.33c 装備品に複数の装備能力がある場合、そのいずれの装備能力も使うことができる。 502.34. 刻印 502.34a 刻印は起動型または誘発型能力で、「刻印 ─ [テキスト]/Imprint ─ [テキスト]」と表記される。この[テキスト]は、起動型または誘発型の能力である。この刻印能力によってゲームから取り除かれているカードは、その能力の発生源に刻印されている。 502.34b 「刻印されている[タイプ]カード/imprinted [タイプ] card」は、現在そのパーマネントに刻印されているそのタイプのカードを意味する。パーマネントにそのタイプのカードが複数刻印されている場合、そのそれぞれが「刻印されている[タイプ]カード/imprinted [タイプ] card」である。 502.35. 接合 502.35a 接合というキーワードは、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「接合 N/Modular N」とは、「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターを置かれた状態で場に出る。」と、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」を意味する。 502.35b クリーチャーが複数の接合を持つ場合、それらはそれぞれ別々に処理される。 502.36. 被覆 502.36a 被覆は、常在型能力である。「被覆/Shroud」は、「このパーマネントまたはプレイヤーは呪文や能力の対象にならない」を意味する。 502.36b 複数の被覆が同一のパーマネントまたはプレイヤーにあっても意味はない。 502.37. 烈日 502.37a 烈日は、オブジェクトがスタックから場に出る際に機能する常在型能力である。「烈日/Sunburst」は、「このオブジェクトがスタックからクリーチャーとして場に出る場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このオブジェクトがスタックから場に出、クリーチャーとしては場に出ない場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の蓄積カウンターが置かれた状態で場に出る。」を意味する。 502.37b 烈日は、呪文の解決中、1色以上の色マナがそれのコストに支払われた時にのみ適用される。追加コストや代替コストで支払われたマナも適用される。 502.37c 烈日によって、他の能力にある定数を設定させることがありうる。このキーワードがそうして使われていた場合、その能力を持つカードがクリーチャーかどうかは考慮しない。 例:「接合 ─ 烈日」という記述は、「このパーマネントは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」の2つの能力を意味する。 502.37d オブジェクトに複数の烈日がある場合、それらはそれぞれ別々に適用される。 502.38. 武士道 502.38a 武士道は誘発型能力である。「武士道 N/Bushido N」は「このクリーチャーがブロックに参加するかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける。」を意味する(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 502.38b 1体のクリーチャーに複数の武士道がある場合、それらは個別に誘発する。 502.39. 転生 502.39a 転生は誘発型能力である。「転生 N/Soulshift N」は、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストがN以下のスピリット・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。 502.39b 1つのパーマネントに複数の転生能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。 502.40. 連繋 502.40a 連繋は、カードが手札にあるときに機能する常在型能力である。「連繋([タイプまたはサブタイプ]) [コスト]/Splice onto [タイプまたはサブタイプ] [コスト]」は「あなたが[タイプまたはサブタイプ]の呪文をプレイするに際し、あなたはこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、このカードの文章欄をその呪文の文章欄にコピーし、その呪文の追加コストとして[コスト]を支払う。」を意味する。連繋コストの支払いに関するルールは、rule 409.1b および 409.1f-h の追加コストの支払いに関するルールに従う。 例:連繋したカードはプレイヤーの手札に残るので、後に普通に使用したり、他の呪文に連繋したりすることができる。そのカードは、連繋された呪文に「カードを1枚捨てる」という追加コストがある場合、コストとして捨てることもできる。 502.40b カードの必要な選択(対象など)を行なえない場合、連繋能力を使うことを選ぶことはできない。同一の呪文に複数回、同じカードを連繋することはできない。複数のカードを連繋したい場合、それら全てを同時に公開し、どの順番で処理を行なうかを宣言する。元の呪文の効果を最初に処理すること。 502.40c 呪文はメインの呪文の特性を持ち、さらに連繋した各カードの文章欄を持つ。呪文は連繋したカードの他の特性(カード名、マナ・コスト、色、サブタイプ、タイプ、特殊タイプなど)を得ない。コピーされた文章中で、カード名によってカードを示している部分は、そのコピー元のカードではなく、スタック上にある呪文のことを指す。 例:《氷河の光線/Glacial Ray》は連繋(秘儀)を持つ赤のカードであり、「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《氷河の光線》はそれに2点のダメージを与える」という効果を持つ。《氷河の光線》を、青の呪文である《霧中の到達/Reach Through Mists》に連繋したとする。この場合、呪文はやはり青で、ダメージを与えるのは《霧中の到達》である。従って、プロテクション(赤)を持つクリーチャーを対象とし、それに2点のダメージを与えることができる。 502.40d 追加されたテキストの対象は通常通り選択する(409.1c参照)。1つ以上の対象を持つ呪文の対象が解決時にすべて不正になった場合、呪文自体が打ち消されることに注意。 502.40e 呪文はスタックを離れた(打ち消された、ゲームから取り除かれた、解決されたなど)時点で、連繋による変更を失う。 502.41. 防衛 502.41a 「防衛/Defender」は常在型能力である。 502.41b 防衛を持つクリーチャーは攻撃に参加できない。 502.41c 1体のクリーチャーに複数の防衛能力があっても意味はない。 502.42. 献身 502.42a 「献身/Offering」はそのカードをプレイできる領域にある間に働く常在型能力である。「献身([文章])/[Text] offering」は「あなたはこのカードを、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも[文章]であるパーマネントを生け贄に捧げることでプレイできる。そうした場合、このカードをプレイするためのコストは生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コスト分だけ減少する」ということを意味する。 502.42b パーマネントは、呪文のプレイを宣言するのと同時に生け贄に捧げられる(rule 409.1a 参照)。呪文の総コストは、生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コスト分だけ減少する(rule 409.1f 参照)。 502.42c 生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる不特定マナは、献身能力でプレイされるカードの総コストに含まれる不特定マナを減少させる。生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる色つきのマナは、献身能力でプレイされるカードの総コストに含まれるその色のマナを減少させる。生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる色マナで、献身能力でプレイされるカードの総コストの色マナと一致しない、あるいはその色マナよりも多い部分は、総コストの不特定マナを減少させる。 502.43. 忍術 502.43a 忍術は、忍術能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「忍術 [コスト]/Ninjutsu [コスト]」は、「[コスト], このカードをあなたの手札から公開する, あなたがコントロールするブロックされていない攻撃クリーチャー1体をオーナーの手札に戻す:このカードをあなたの手札からタップ状態で攻撃に参加した状態で場に出す。」を意味する。 502.43b 忍術を持つカードは、能力が宣言された時点から能力がスタックを離れるまでの間、公開されたままである。 502.43c 忍術能力は、場に出ているいずれかのクリーチャーがブロックされていない(rule 309.2f 参照)ときにのみプレイできる。忍術を持つクリーチャーはブロックされていない状態で場に出、オーナーの手札に戻されたクリーチャーが攻撃したのと同じプレイヤーを攻撃していることになる。 502.44. 歴伝 502.44a 歴伝は、常在型能力と遅延誘発型能力の両方を意味する。「歴伝/Epic」は、「残りのゲームの間、あなたは呪文をプレイできない。」と「あなたの各アップキープの開始時に、この呪文を歴伝能力を除いてコピーする。その呪文が対象をとる場合、あなたはその呪文の新しい対象を選んでもよい。」を意味する。呪文のコピーに関しては rule 503.10 参照。 502.44b プレイヤーは自分がコントロールする歴伝呪文が解決されたらもう呪文をプレイすることはできないが、(歴伝の能力自身のように)効果により呪文のコピーをスタックに置くことはできる。 502.45. エンチャント 502.45a エンチャントは、「エンチャント [オブジェクトまたはプレイヤー]/Enchant [オブジェクトまたはプレイヤー]」と書かれる常在型能力である。エンチャント能力は、オーラ呪文が対象に取れるものと、オーラがエンチャントできるものを特定する。 502.45b オーラに関しては、rule 212.4〔エンチャント〕を参照。 502.45c オーラが複数のエンチャント能力を持っている場合、それらの全てが適用される。オーラの対象は、それら全ての制限に従わなければならない。オーラは全てのエンチャント能力に適合するオブジェクトまたはプレイヤーにしかエンチャントできない。 502.45d プレイヤーをエンチャントできるオーラは、プレイヤーを対象にでき、プレイヤーにつけられる。その種のオーラはパーマネントを対象にせず、パーマネントにつけられることはない。 502.46. 召集 502.46a 召集は、それを持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「召集/Convoke」は「この呪文をプレイする際の追加コストとして、あなたはあなたがコントロールするアンタップ状態のクリーチャーを望む数だけタップしてもよい。これによりタップされた各クリーチャーにつき、この呪文をプレイするためのコストは、{1}かそのクリーチャーの色のマナ1点分少なくなる。」を意味する。召集能力の使用は、rule 409.1b や rule 409.1f〜rule 409.1h の追加コストに関するルールに従う。 例:あなたは《ヴィトゥ=ガジーの守護者/Guardian of Vitu-Ghazi》をプレイしようとしている。これは召集を持つ{6}{G}{W}の呪文である。あなたはこの呪文の支払いの補助として、アーティファクト・クリーチャー1体と赤のクリーチャー1体と緑白のクリーチャー1体をタップすることにした。アーティファクト・クリーチャーと赤のクリーチャーはそれぞれ呪文のコストを{1}減らす。緑白のクリーチャーで減らす呪文のコストは、{1}か{G}か{W}のどれかを選ぶ。その後、それらのクリーチャーはあなたが《ヴィトゥ=ガジーの守護者/Guardian of Vitu-Ghazi》のコストを支払う際にタップされる。 502.46b 1つの呪文に複数の召集能力があっても意味はない。 502.47. 発掘 502.47a 発掘は、発掘を持つカードがプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する常在型能力である。「発掘 N/Dredge N」は「あなたのライブラリーに少なくともN枚のカードがあるかぎり、あなたがカードを引く場合、代わりにあなたは自分のライブラリーの一番上からN枚のカードを自分の墓地に置いてもよい。そうしたならこのカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。」を意味する。 502.47b 自分のライブラリーに、発掘能力が必要とする枚数だけのカードがないプレイヤーは、発掘能力によって自分の墓地にカードを置くことはできない。 502.48. 変成 502.48a 変成は、変成能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「変成 [コスト]/Transmute [コスト]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから、捨てたカードと同じ点数で見たマナ・コストのカードを1枚探し、そのカードを公開してあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。 502.48b 変成能力はそのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみプレイできるものであるが、それはそのオブジェクトが場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、変成を持つオブジェクトは、オブジェクトが1つ以上の能力を持つかどうかに依存する効果の影響を受ける。 502.49. 実存 502.49a 「実存/Substance」能力は、効果を持たない常在型能力である。 502.50. 狂喜 502.50a 狂喜は常在型能力である。「狂喜 N/Bloodthirst N」は「このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このパーマネントは+1/+1カウンターがN個置かれた状態で場に出る。」を意味する。 502.50b 「狂喜 X/Bloodthirst X」は狂喜の特殊な形である。「狂喜 X」は「このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーは+1/+1カウンターをX個置かれた状態で場に出る。Xはこのターンに対戦相手に与えられたダメージの総数に等しい。」を意味する。 502.50c オブジェクトが複数の狂喜を持つ場合、それぞれを個別に適用する。 502.51. 憑依 502.51a 憑依はゲーム外領域から他の誘発型能力を発生させる誘発型能力である。パーマネント上の「憑依/Haunt」は「このパーマネントが場からいずれかの墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードをゲームから取り除き、そのクリーチャーに憑依する。」を意味する。インスタント呪文やソーサリー呪文上の「憑依/Haunt」は「この呪文が解決中にいずれかの墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードをゲームから取り除き、そのクリーチャーに憑依する。」を意味する。 502.51b 憑依能力の結果としてゲーム外領域にあるカードは、その能力によって対象となったクリーチャーに『憑依している』。『憑依しているクリーチャー』とは、憑依能力の対象となったオブジェクトのことを指す。そのオブジェクトがクリーチャーであるかどうかは関係しない。 502.51c 憑依つきカードの、憑依したクリーチャーを参照する誘発型能力は、ゲーム外領域にある間に誘発できる。 502.52. 複製 502.52a 複製は二つの能力を表すキーワードである。一つ目は、呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。二つ目は、呪文がスタック上にある間に機能する誘発型能力である。「複製 [コスト]/Replicate [コスト]」は「この呪文をプレイする際の追加コストとして、あなたは[コスト]を望む回数支払ってもよい。」と「この呪文をプレイしたとき、複製コストが支払われていた場合、それを複製コストが支払われた回数に等しい回数だけコピーする。その呪文が対象をとるなら、あなたはそのコピーのうち望む数の対象を新たに選んでもよい。」を意味する。呪文の複製コストを支払う行為は、rule 409.1b や rule 409.1f-h の追加コストの支払いのルールに従う。 502.52b 呪文が複数の複製能力を持つ場合、それぞれは別々に支払われ、他を含まない各複製自身に対する支払いを基準として誘発する。 502.53. 予見 502.53a 予見能力は、プレイヤーの手札からのみプレイできる特殊な起動型能力である。表記は「予見 ― [起動型能力]/Forecast ― [起動型能力]」である。 502.53b 予見能力は、そのコントローラーのアップキープ・ステップにのみ、各ターン1回のみプレイできる。予見能力のコントローラーは、能力をプレイする際に、その能力を持つカードを手札から公開する。手札のカードでプレイしたプレイヤーは、アップキープ・ステップが終了するか、そのカードが手札を離れるか、いずれかが発生するまで公開したままにする。 502.54. 移植 502.54a 移植は、常在型能力と誘発型能力の両方を意味する。「移植 N/Graft N」は「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「他のクリーチャーが場に出るたび、このパーマネントの上に+1/+1カウンターがある場合、あなたはこのパーマネントの上の+1/+1カウンターを1個、そのクリーチャーの上に移動してもよい。」を意味する。 502.54b クリーチャーが複数の移植を持つ場合、それぞれを別個に適用する。 502.55. 復活 502.55a 復活は、復活を持つカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する誘発型能力である。「復活 [コスト]/Recover [コスト]」とは「いずれかのクリーチャーが場からあなたの墓地に置かれたとき、あなたは[コスト]を支払ってもよい。そうした場合、このカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。そうしない場合、このカードをゲームから取り除く。」を意味する。 502.56. 波及 502.56a 波及は、波及を持つカードがスタック上にある間にのみ機能する誘発型能力である。「波及 N/Ripple N」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、あなたは自分のライブラリーの一番上からN枚、あるいはあなたのライブラリーのカードがN枚未満の場合、あなたのライブラリーのすべてのカードを公開してもよい。これによりあなたのライブラリーのカードを公開した場合、あなたはそれらのカードのうち、この呪文と同じ名前のカードを好きな枚数だけマナ・コストを支払わずにプレイしてもよい。その後これにより公開されてプレイされなかったすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。」を意味する。 502.56b 呪文が複数の波及能力を持つ場合、それぞれは個別に誘発する。 502.57. 瞬速 502.57a 瞬速は、その能力を持つカードをプレイすることのできるあらゆる領域で機能する常在型能力である。「瞬速/Flash」は、「あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。」ということを意味する。 502.57b 一つのオブジェクトに複数の瞬速があっても効果は変わらない。 502.58. 刹那 502.58a 刹那は、刹那を持つ呪文がスタック上にある間にのみ機能する常在型能力である。「刹那/Split second」は「この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文やマナ能力でない起動型能力をプレイできない。」ということを意味する。 502.58b 一つの呪文に複数の刹那があっても効果は変わらない。 502.59. 待機 502.59a 待機は三つの能力を表すキーワードである。第一は、待機を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二と第三は、ゲーム外領域で機能する誘発型能力である。「待機 N―[コスト]/Suspend N ─ [cost]」は「あなたがこのカードを手札からプレイできる場合、あなたは[コスト]を支払ってこのカードをゲームから取り除き、その上にN個の時間カウンターを置いてもよい。この行動はスタックを使わない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それがゲーム外にある場合、可能ならそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。そうできない場合、それはゲーム外に残る。これによりそれをプレイして、なおかつそれがクリーチャーである場合、それはあなたがその呪文またはパーマネントのコントロールを失うまで速攻を持つ。」ということを意味する。 502.59b あるカードは、それがゲーム外領域にあり、待機を持ち、その上に時間カウンターが置かれている場合、「待機状態/suspended」である。 502.59c 待機能力の効果により呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストの支払いのルールに従う。 502.60. 消失 502.60a 消失は三つの能力を表すキーワードである。「消失 N/Vanishing N」とは「このパーマネントは、N個の時間カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。 502.60b 数値を持たない消失は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。 502.60c パーマネントに複数の消失がある場合、それぞれは個別に作用する。 502.61. 吸収 502.61a 吸収は常在型能力である。「吸収 N/Absorb N」は「発生源1つがこのクリーチャーにダメージを与える場合、そのダメージをN点だけ軽減する」を意味する。 502.61b 吸収能力は、1つの発生源から1回に与えられるダメージごとにそれぞれN点軽減する。複数の発生源から、あるいは複数回のダメージについては、それぞれ適用されることになる。 502.61c オブジェクトに複数の吸収がある場合、それぞれは個別に適用される。 502.62. オーラ交換 502.62a オーラ交換は、いくつかのオーラが持つ起動型能力である。「オーラ交換 [コスト]/Aura swap [コスト]」は「[コスト]:あなたはこのパーマネントを、あなたの手札にあるオーラ・カード1枚と入れ替えてもよい。」を意味する。 502.62b 交換のいずれか一方を完了できない場合、能力は何もしない。 例:あなたがあるオーラのオーラ交換能力をプレイした時点で、あなたの手札にある唯一のオーラは、オーラ交換を持つオーラがエンチャントしているパーマネントにエンチャントできないカードだった。その場合、能力は効果を持たない。 例:あなたは、自分がコントロールしているが自分がオーナーではないオーラのオーラ交換能力をプレイした。その場合、能力は効果を持たない。 502.63. 接死 502.63a 接死は誘発型能力である。「接死/Deathtouch」は「このクリーチャーがいずれかのクリーチャーにダメージを与えるたび、そのクリーチャーを破壊する。」を意味する。 502.63b 1つのパーマネントに複数の接死能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。 502.64. 探査 502.64a 探査は、それを持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「探査/Delve」は「この呪文をプレイする際の追加コストとして、あなたはあなたの墓地にあるカードを望む枚数だけゲームから取り除いてもよい。これにより取り除かれたカード1枚につき、この呪文をプレイするためのコストは{1}少なくなる。」という意味である。探査能力の使用は、409.1bや409.1f-hの追加コストの支払いのルールに従う。 502.64b 1つの呪文に複数の探査能力があっても意味はない。 502.65. 城砦化 502.65a 城砦化は城砦カードが持つ起動型能力である。「城砦化 [コスト]/Fortify [コスト]」は「[コスト]:あなたがコントロールしている土地1つを対象とし、この城砦をつける。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。 502.65b 城砦に関する情報は、rule 212.2〔アーティファクト〕を参照。 502.65c 城砦が複数の城砦化を持つ場合、そのいずれの城砦化能力も使うことができる。 502.66. 激情 502.66a 激情は誘発型能力である。「激情 N/Frenzy N」は「このクリーチャーが攻撃してブロックされないたび、それはターン終了時まで+N/+0の修整を受ける。」を意味する。 502.66b 1体のクリーチャーに複数の激情がある場合、それらは個別に誘発する。 502.67. 墓地ストーム 502.67a 墓地ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「墓地ストーム/Gravestorm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターンの間に場からいずれかの墓地に置かれたパーマネント1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。 502.67b 呪文に複数の墓地ストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。 502.68. 絆魂 502.68a 絆魂は誘発型能力である。「絆魂/Lifelink」は「このパーマネントがダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。」を意味する。 502.68b 1つのパーマネントに複数の絆魂能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。 502.69. 有毒 502.69a 有毒は誘発型能力である。「有毒 N/Poisonous N」は「このクリーチャーがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒カウンターをN個得る。」を意味する。(毒カウンターに関しては、rule 102.3dを参照。) 502.69b 1体のクリーチャーに複数の有毒がある場合、それらは個別に誘発する。 502.70. 到達 502.70a 「到達/Reach」は常在型能力である。 502.70b 飛行を持つクリーチャーは、飛行も到達も持たないクリーチャーによってブロックされない。(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕、rule 502.4〔飛行〕参照。) 502.70c 1体のクリーチャーに複数の到達能力があっても意味はない。 502.71. 変形 502.71a 変形は起動型能力である。「変形 [コスト]/Transfigure [コスト]」は「[コスト], このパーマネントを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーからこのパーマネントと同じ点数で見たマナ・コストを持つクリーチャー・カードを1枚探し、それを場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。 503. オブジェクトのコピー 503.1. 呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー」になったり、他のオブジェクトをコピーにしたりするオブジェクトが存在する。また、他のオブジェクトのコピーであるトークンを場に出す効果も存在する。(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という語句があるものがあるが、この節ではそれについては扱わない。また、それらのカードはオラクルで修正されている)。 503.2. オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性(名前、マナ・コスト、色、タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネス)のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、プレイ時に行なわれた選択(モード、対象、Xの値、キッカー・コストを支払ったかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、など)もコピーする。オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに印刷されている値に、コピー効果、「場に出るに際し/as ... comes into play」「表になるに際し/as ... is turned face up」の能力による特性への影響、呪文やパーマネントを裏向きにする能力の影響を加味したものである。それ以外の(タイプを変更するようなものも含む)効果、位相、カウンターはコピーされない。 例:《キマイラ杖/Chimeric Staff》は「{X}:ターン終了時まで、《キマイラ杖》はX/Xのアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトであり、《クローン/Clone》は「《クローン》が場に出るに際し、あなたは場に出ているクリーチャー1体を選んでもよい。 そうした場合、《クローン》はそのクリーチャーのコピーとして場に出る。」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5のアーティファクト・クリーチャーになった後で、《クローン》がそれのコピーとして場に出た場合、《クローン》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャーになることはできる)。 例:《クローン/Clone》が、裏向きの《にやにや笑いの悪魔/Grinning Demon》(変異{2}{B}{B}を持つクリーチャー)のコピーとして場に出るとする。この場合、《クローン》は無色の2/2で、名前、タイプ、能力、マナ・コストを持たないクリーチャーとして場に出る。ただし、表向きであり、{2}{B}{B}を支払って表向きになることはできない。 503.3. コピーのコピー可能な情報は、そのコピーの位相によって修整された、コピーされた情報である。そのコピーを他のオブジェクトがコピーした場合には、新しいコピー可能な情報を用いる。 例:《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー/Vesuvan Doppelganger》は「《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》が場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選んでもよい。そうした場合、《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》はその色を除いて、そのクリーチャーのコピーとなり、『あなたのアップキープの開始時に、このクリーチャーを色を除いて、他のクリーチャーのコピーとしてもよい。そうした場合、このクリーチャーはこの能力を得る』という能力を得る」という能力を持つ。《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》が《灰色熊/Grizzly Bears》(能力を持たない2/2の緑のクリーチャー)のコピーとして場に出た。その後で、《クローン/Clone》がその《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》のコピーとして場に出た場合には、《クローン》は2/2の青で、クリーチャー・タイプが「Bear/熊」の《灰色熊》となり、《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》のアップキープ誘発型能力を持つ。 例:《暴く者、智也/Tomoya the Revealer》(反転状態の反転カード)が《鼠の短牙/Nezumi Shortfang》(反転していない反転カード)のコピーになった場合、《暴く者、智也》の特性は《鼠の短牙》の反転した状態である《憎まれ者の傷弄り/Stabwhisker the Odious》の特性となる。 例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔/Grinning Demon》(変異つきクリーチャー)が、表向きの《枝折りロリアン/Branchsnap Lorian》(4/1で変異{G}とトランプルを持つ緑のクリーチャー)のコピーとなった場合、その《にやにや笑いの悪魔》の特性は《枝折りロリアン》のものになるが、そのクリーチャーは裏向きなので、2/2の無色で名前やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。{G}で表向きになることができ、表向きになると《枝折りロリアン》の特性を持つ。 例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が《さまようもの/Wandering Ones》(1/1のスピリット・クリーチャーで変異をもたない)のコピーになった場合、裏向きの《さまようもの》なので、2/2の無色で名前やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。変異を持たないので、特別な行動で表向きになることはできない。効果によって表向きになった場合には、《さまようもの》の特性を持つ。 503.4. パーマネントをコピーしているパーマネントが場にある間、それを他のパーマネントのコピーにするという効果が存在する。その変化は場に出たときの能力や場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのパーマネントに影響を及ぼす効果を変更することもない。 例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》は「クリーチャーが場に出るたび、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける」という効果を持つ《巨大化/Giant Growth》の影響を受けている時に他のクリーチャーが場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。 503.5. 他のパーマネントの「コピーとして」場に出るオブジェクトは、場に出るに際してそのパーマネントのコピーとなる。場に出てからそのパーマネントのコピーになるわけではない。コピーが、(「〜状態で場に出る/comes into play with」や「[これ]が場に出るに際し/as [これ] comes into play」などの)場に出るイベントを置換する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。 例:《スカイシュラウドのビヒモス/Skyshroud Behemoth》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散カウンターが2個置かれた状態で場に出る。あなたのアップキープの開始時、そのクリーチャーの上から消散カウンターを1個取り除く。消散カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)」と「《スカイシュラウドのビヒモス》は、タップ状態で場に出る」という能力を持つ。《クローン/Clone》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして場に出る場合、消散カウンターが2個置かれて、タップ状態で場に出る。 例:《シマクマ/Striped Bears》は「シマクマが場に出たとき、カードを1枚引く」という能力を持っている。《クローン》が《シマクマ》のコピーとして場に出るとき、《クローン》は《シマクマ》の場に出るときの誘発型能力を持っているので、《クローン》のコントローラーはカードを1枚引く。 503.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされない。あるオブジェクトが他のパーマネントのコピーとして場に出る場合、そのオブジェクトのコントローラーが、全ての「場に出るに際し」ての選択を行なう。 例:《クローン/Clone》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る。《カメレオン・スピリット》は「カメレオン・スピリットが場に出るに際し、色を1色選ぶ」という能力を持つ。この《クローン》は、《カメレオン・スピリット》の行っていた色の選択についてはコピーしないで、《クローン》のコントローラーが改めてその選択を行なう。 503.7. パーマネントに関して行なわれた選択はコピーされないので、コピー・カードは、行われていない選択に基づく能力を得ることがある。その場合、その選択は「未定義」として扱われる。能力が未定義の値を用いようとする場合、その能力のその部分は効果を持たない。 例:《万物の声/Voice of All》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーしている。《万物の声/Voice of All》は「《万物の声》が場に出るに際し、色を1色選ぶ。」と「《万物の声》は、選んだ色に対するプロテクションを持つ」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》は《万物の声》として場に出ることはなく、従って色を選択する機会がないので、《不定の多相の戦士》のプロテクション能力はまったく意味をなさない。 503.8. プレイヤーにそのコピーが場に出たときの選択を行わせる能力が存在する場合、そのコピーはその選択を覚えており、その値が適切ならば、能力に使おうとする。もし適切でなければ、それは「未定義」として扱われる。能力が未定義の値を用いようとする場合、その能力のその部分は効果を持たない。 例:《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー/Vesuvan Doppelganger》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る時、《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》のコントローラーが青を選択し、後で、《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》が《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》のコピーとなったとする。《クウィリーオン・エルフ》は「{Tap}:あなたのマナ・プールに、選んだ色のマナ1点を加える」という能力を持つ。この能力をプレイした場合には、青マナを生み出すことになる。 例:《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》が、《狩りの統率者/Caller of the Hunt》のコピーとして場に出た。《狩りの統率者》は「あなたが《狩りの統率者》をプレイするに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力を持つ。ここで、ゴブリンを選択した場合、後で、《ヴェズーヴァのドッペルゲンガー》が《クウィリーオン・エルフ》のコピーとなった場合、それの(訳注:2つめの)マナ能力がプレイされたとしても、マナを出すことには失敗する。ゴブリン・マナを生み出すことはない。 503.9. コピー効果の中には、コピー中にコピーに能力を与えるものがある。この能力は、コピーされたものと同じように、コピーのコピー可能な値として扱われる。また、コピー効果の中には、ある特性をコピーしない、と書かれたものがある。この場合、その本来の値が保持される。 例:《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーした。《不定の多相の戦士》のコピー可能な値は、《不定の多相の戦士》が「クリーチャーが場に出るたび、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持っていることを除いて、《クウィリーオン・エルフ》と同じになる。その後で、《クローン/Clone》が《不定の多相の戦士》のコピーとして場に出た場合、《クローン》は《不定の多相の戦士》が《クウィリーオン・エルフ》をコピーしている途中で自分自身に与えた能力も含む、新しいコピー可能な値をコピーする。 503.10. 呪文をコピーするとは、その呪文のコピーをスタックに積む、ということを意味する。呪文のコピーは「プレイ」されない。呪文の特性のコピーに加えて、例えばモード、対象、Xの値、バイバックなどの選択的コストの支払いなど、呪文をプレイするときになされた全ての選択がコピーされる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。解決時に通常行われる選択はコピーされない。コピーの効果がコストを支払うために用いたオブジェクトを参照する場合、コピーは元の呪文のコストを支払うために用いたオブジェクトを用いる。呪文のコピーのコントローラーは、そのコピーをスタックに置いたプレイヤーである。それを表すカードは存在しないが、呪文のコピーは呪文であり、通常の呪文と同じように働く。打ち消されることも、解決されることもできるし、通常の呪文と同じタイミングのルールに乗っ取って処理される。 例:あるプレイヤーが、《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》を対象に《分岐/Fork》をプレイした。《分岐》は、「インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とする。それのコピーをスタックに置く。このとき、色はコピーしないし、コピーに関して新しい対象を選ぶことができる」という文章である。《エメラルドの魔除け》は「以下の3つから1つを選ぶ。『パーマネント1つを対象とする。それをアンタップする』『オーラでないエンチャント1つを対象とする。それを破壊する』『クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う』」という文章である。《分岐》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《分岐》がそう認めているからである。 例:《投げ飛ばし/Fling》は「《投げ飛ばし》をプレイするための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」と「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《投げ飛ばし》はそれに生け贄に捧げたクリーチャーのパワーと同じ値のダメージを与える。」という効果のインスタントである。《投げ飛ばし》のコピーが与えるダメージを決めるに際しては、元の《投げ飛ばし》で生け贄に捧げたクリーチャーのパワーを参照する。 503.10a スタック以外の領域にある呪文のコピーは、消滅する。また、スタックや場以外の領域にあるカードのコピーは、消滅する。これは状況起因効果である。rule 420 参照。 503.10b 呪文をコピーし、そのコントローラーが新しい対象を選んでもよいとなっている効果では、そのプレイヤーは対象のうちで任意の数のものを、仮にそれが不正だとしても、そのままにしておいてもよい。対象の一部あるいは全部を変更する場合、その新しい対象は適正でなければならない。プレイヤーがコピーの取る対象を選びおわったら、そのコピーはそれらを対象としてスタックに積まれる。 503.11. ある効果がパーマネントを名前で参照する場合、他のものをコピーした結果名前が変わっていたとしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。 例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》が《狂ったアーモドン/Crazed Armodon》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「{G}:《狂ったアーモドン》は、ターン終了時まで、+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを得る。ターン終了時に《狂ったアーモドン》を破壊する。この能力は1ターンに1回だけしかプレイできない」という能力を持っている。この起動型能力がプレイされた後、ターン終了時までに他のもののコピーになっていたとしても、ターン終了時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。 503.12. プレイヤーに、オブジェクトの「コピーをプレイ/play a copy」させる効果は、呪文や能力の解決中にそのコピーがプレイされることを除いて、呪文や能力のプレイのルールに従う。土地以外のオブジェクトのコピーをプレイする場合、rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕の、rule 409.1a 〜 rule 409.1h に従う。プレイされたコピーはスタック上の呪文となり、他の呪文と同じように解決したり打ち消されたりする。 504. 裏向きの呪文やパーマネント 504.1. カード2種類(《幻影の仮面/Illusionary Mask》、《イクシドロン/Ixidron》)または変異能力(rule 502.26 参照)によって、呪文やパーマネントは裏向きになることがある。 504.2. スタック上にある裏向きの呪文、裏向きで場に出ているパーマネント、フェイズ・アウト領域にある裏向きのカードは、そのカード、呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのオブジェクトのコピー可能な値となる(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕とrule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)。裏向きに場に出るオブジェクトは、それが場に出るよりも前に裏向きになるので、そのパーマネントの場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。また、裏向きでプレイされるオブジェクトは、スタックに積まれるよりも前に裏向きになるので、その呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。(そのカードの表向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つカードをプレイすることに適用される効果や禁止は、このカードをプレイする際に適用される。 504.3. スタックにある裏向きの呪文、場にある裏向きのパーマネント、フェイズ・アウト領域にある裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらの表をいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、自分がコントロールしていない呪文やパーマネントの表を見ることは、できない。パーマネントを裏向きにする能力やルールによっては、表向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文を表向きにすることはできない。 504.4. スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければいけない。これには、呪文をプレイした順番、裏向きのパーマネントが場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのオブジェクトを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。 504.5. 裏向きのパーマネントが表向きになるに際して、そのパーマネントのコピー可能な値は通常のコピー可能な値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を与えていた効果は、そのまま表向きのパーマネントにも影響を与える。パーマネントが表向きになったときには、そのパーマネントが場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに場に出ていたからである。 504.6. 裏向きで場にあるパーマネントがフェイズ・アウト以外の領域に移動した場合、そのオーナーはその表を見せなければならない。裏向きのオブジェクトがフェイズ・アウト領域から場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーにその表を見せなければならない。裏向きの呪文がスタックから場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーにその表を見せなければならない。各ゲームの終了時に、すべてのプレイヤーに、すべての裏向きのオブジェクトの表を見せなければならない。 504.7. 裏向きのパーマネントが他のパーマネントのコピーとなる場合、そのコピー可能な値は、コピーするパーマネントのコピー可能な値となり、それに裏向きの位相であることによる変更が加えられる。従ってその特性値は、裏向きにできるようにした能力やルールによって定められている、元の特性値と同じになる。ただし、表向きになった場合には、そのコピー可能な値は、コピーされている値となる。 504.8. 裏向きのパーマネントが「[このパーマネント]が表向きになるに際し〜/As [this permanent] is turned face up ...」という能力を持つことになる場合、その能力はそのパーマネントが表向きになる間に適用される。表になったあとで適用されるわけではない。 505. 分割カード 505.1. 分割カードでは、一枚のカードに2組の表が存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。 505.2. スタック以外の領域にあるときは、分割カードは二組の特性と2つの点数で見たマナ・コストを持つ。呪文がスタックにあるときは、プレイされている側の特性だけが存在し、他方の特性は存在しないものとして扱われる。 505.3. それぞれの半分ごとに異なる色のマナ・シンボルをマナ・コストに含む分割カードは、スタックにあるときを除いては多色として扱われる。呪文がスタックにあるときは、そのプレイされている側の色だけが存在する。 505.4. 分割カードには2つのプレイできる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。 505.5. スタック以外の領域にある分割カードについて、ある特定の特性を用いる効果は、分割カードのそれぞれの半分が持つ特性2つを答えとして得る。 例:《冥府からの誕生/Infernal Genesis》は「各プレイヤーのアップキープの開始時、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。そのあと、そのプレイヤーは1/1の黒のミニオン・クリーチャー・トークンをX個場に出す。Xはそのカードの点数で見たマナ・コストである」という能力を持つ。この能力の解決時にライブラリーの一番上にあるカードが《暴行+殴打/Assault+Battery》であった場合、その点数で見たマナ・コストは「1と4」なので、5体の1/1クリーチャー・トークンを得る。 505.6. スタック以外のいずれかの領域にある分割カードの特性がある値と同じかどうか(カードが赤かどうかなど)、あるいは特性とある値を比較してどうか(点数で見たマナ・コストが2より小さいかどうかなど)を問う効果は、一つだけの答えを得る。この答えは、いずれかの分割カードのどちらかの側について「はい」になるならば「はい」になる。スタック以外のいずれかの領域にある分割カードの特性がある値と異なるかどうか(2枚のカードが異なる名前を持つかどうかなど)を問う効果も、一つだけの答えを得る。この答えは、対応する「同じかどうか」の問いに対して「いいえ」になる場合に「はい」になる。複数の特性を含む比較を、スタック以外の領域にある分割カードについて行なう場合、それぞれの特性は個別に比較される。いずれかの比較で「はい」になる場合、全体の比較も「はい」になる。 例:《虚空/Void》は、「プレイヤー1人を対象とする。数を1つ選ぶ。その数と等しい値の点数で見たマナ・コストを持つアーティファクトとクリーチャーをすべて破壊する。そのあと、そのプレイヤーはその手札を見せ、その中の土地でないカードのうち、点数で見たマナ・コストがその数と等しい値のカードをすべて捨てる」という文章である。プレイヤーが《虚空》をプレイし、1または4を指定した場合、対戦相手は《暴行+殴打》を捨てることになる。5を指定した場合には、《暴行+殴打》の点数で見たマナ・コストは5ではないので、影響を受けない。 505.7. 何らかの効果によってプレイヤーがカード名を指定する際、分割カードを指定しようとするなら、そのプレイヤーは分割カードの持つ2つの名前を両方とも指定しなければならない。 506. サブゲーム 506.1. カードの中には、プレイヤーにマジックのサブゲームをプレイさせるものがある。「サブゲーム」とはカードの効果によって作られたゲームのことを、「メインゲーム」とはそのサブゲームを作った呪文や能力をプレイしたゲームのことを指す。サブゲームが進行中は、メインゲームは一時的に中断される。サブゲームが終わった後で、メインゲームが再開される。 506.2. サブゲームが進行中に誘発したメインゲームの能力は、サブゲームが完了するまでスタックに積まれない。 506.3. サブゲームを開始するにあたり、どのプレイヤーもゲームから裏向きでそれぞれのライブラリーを取り除く。それがサブゲームでのそれぞれのプレイヤーのデッキになる。裏向きでメインゲームからカードを取り除くことによる誘発型能力は誘発する。 506.3a サブゲームのそれぞれのプレイヤーのデッキはカードの最小限の数を下回ることもありうる。もしプレイヤーのデッキが7枚未満ならば、例えそのプレイヤーがマリガンしたとしてもゲーム開始と同時に負けになる。(rule 420〔状況起因効果〕参照) 506.4. サブゲームは普通のゲームと同じように進行する。どちらのプレイヤーが先攻でプレイするかはランダムに決定する。 506.5. メインゲームのすべてのオブジェクトとメインゲームの外部のすべてのカードはサブゲームの外部にあると見なす(特にサブゲームに持ち込まれたカードを除く)。サブゲームに参加していないプレイヤーは、サブゲームの外部にいると見なす。 506.5a 効果の中にはゲームの外からゲーム中にカードを持ってくることの出来るものがある。メインゲームからサブゲームに持って来られたカードはメインゲームから取り除かれたものとみなす。メインゲームからオブジェクトが取り除かれることによって誘発する、メインゲーム内の能力は誘発する。 506.6. サブゲーム終了時、どのプレイヤーも、自分の所有するオブジェクトでサブゲームに持って来られたものすべてをメインゲームのライブラリーに置き、シャッフルする。サブゲームで取り除かれたカードはメインゲームのライブラリーには入らず、メインゲームから取り除かれたものとして扱う。 例:カードをサブゲームに持ち込んだ場合、そのカードがメインゲームの内部か外部かどちらから持って来たとしても、サブゲームが終わった時にメインゲームのオーナーのライブラリーに置かれる。 506.7. もしサブゲーム中に他のサブゲームが作られた場合、複数のサブゲームとメインゲームが発生する。どのメインゲームも1つのサブゲームを持ち、どのサブゲームも1つのメインゲームを持つ。この場合、ゲームが同時にメインゲームとサブゲームの両方になることもありうる。 507. 他のプレイヤーのターンをコントロールする 507.1. あるカード(《精神隷属器/Mindslaver》)は、プレイヤーのターンを他のプレイヤーによってコントロールさせる。この効果は、その影響を受けるプレイヤーが次に実際に得るターンに影響を及ぼす。ターン全てがコントロールされ、この効果は次のターンが始まるまで終わらない。 507.1a 複数のターン・コントロール効果が同じプレイヤーに影響を及ぼす場合、お互いに上書きされる。最後に発生したものだけが有効になる。 507.1b ターンが飛ばされた場合、ターン・コントロール効果は次にそのプレイヤーが実際にターンを得るときまで待つ。 507.1c ターンのコントロールだけが変わり、オブジェクトのコントローラーは変わらない。 507.2. ターンがコントロールされているプレイヤーが、何らかのオブジェクトの情報を見ることができる場合、それはそのプレイヤーとターンのコントローラーの両方が見ることができる。 例:あるプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーの手札や、そのプレイヤーがコントロールしている裏向きクリーチャーの特性を見ることができる。 507.3. 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーに認められている、あるいは何らかのルールやオブジェクトによりしなければならないすべての選択や決定を行う。これには、何をプレイするかの選択や、呪文や能力に関する選択や決定を含む。 例:ターンのコントローラーは、どの呪文をプレイするか、何を呪文の対象とするかを決めることができ、呪文の解決時に必要な決定も行なう。 例:ターンのコントローラーは、そのプレイヤーのどのクリーチャーで攻撃するか、それらのクリーチャーの戦闘ダメージをどう割り振るかを決定する。 例:ターンのコントローラーは、ジャッジメントの“願い”で、どのカードをゲーム外から持ってくるかを選ぶ。ただしそのプレイヤーは、間違ったタイプのカードを選べない。 507.3a 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーのためにコストを支払う場合、そのプレイヤーの物(カード、マナ等)のみを使用できる。 例:ターンのコントローラーが、そのプレイヤーに追加コストとしてカードを捨てる呪文をプレイさせることにした場合、そのカードはそのプレイヤーの手札から捨てる。 507.3b 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーを投了させられない。プレイヤーは、自分のターンが他のプレイヤーにコントロールされていても、いつでもゲームを投了することができる。rule 102.3a 参照。 507.3c 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、ルールやオブジェクトによって必要とされていない選択や決定を行えない。また、コントローラーはトーナメント・ルールによって必要とされている選択や決定を行えない。 例:お手洗いに行くこと、カードを誰かとトレードすること、合意による引き分けを行うこと、ミスや違反でジャッジを呼ぶこと等に関しての選択を行なうのは、ターンのコントロールを他のプレイヤーが得ているとしても、現在のターン・プレイヤーである。ターンのコントローラーではない。 507.3d 他のプレイヤーのターンをコントロールしているプレイヤーは、自分自身に関する選択や決定も行える。 507.4. プレイヤーは、他のプレイヤーによって自分のターンがコントロールされている間、マナ・バーンによってライフを失わない(ただし、そのプレイヤーのマナ・プールにある未使用のマナは、通常と同様にフェイズの終了時に空になる。rule 300.3 参照)。 508. 反転カード 508.1. 反転カードには、1枚のカードに二つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれているテキストは、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの背面は、通常のマジック:ザ・ギャザリングのカードである。 508.1a 反転カードの上半分には、そのカードの通常のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。文章欄には通常、特定の条件が満たされた時点でそのパーマネントを「反転/flip」する能力が書かれている。 508.1b 反転カードの下半分には、代替のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。これらの特性は、そのパーマネントが場にあって、なおかつそのパーマネントが反転されている場合にのみ使用される。 508.1c 反転カードの色、マナ・コスト、エキスパンション・シンボル、アーティスト名、権利表記などは、パーマネントが反転されても変わらない。また、外部からの効果による変更もそのまま適用される。 508.2. 場以外の全ての領域、および場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのパーマネントの通常の特性を持つ。場の領域の反転パーマネントが反転されたら、その反転パーマネントの通常のカード名、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。 例:《悪忌の溶岩走り/Akki Lavarunner》は、反転すると伝説のクリーチャーである《溶岩生まれのトクトク/Tok-Tok, Volcano Born》になる、伝説でないクリーチャーである。「あなたのライブラリーから伝説のカードを1枚探す」という効果はこのカードを探して来ることはできない。「伝説のクリーチャーは+2/+2の修整を受ける」という効果は、場に出ているこのカードが反転状態である(《悪忌の溶岩走り》でなく《溶岩生まれのトクトク》である)ときのみ効果を及ぼす。 508.3. あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。 508.4. パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態になったら、それを再び反転していない状態に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。 509. ターンの終了 509.1. 1枚のカード(《時間停止/Time Stop》)は、解決時にターンを終了する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決とは手順が異なる(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照)。 509.1a スタック上のすべてのオブジェクトをゲームから取り除く。攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーがいるなら、それを戦闘から取り除く。カードで表現されないオブジェクトが場やスタック以外の領域にある場合、それは次の状況起因効果のチェック時に消滅する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。 509.1b 状況起因効果をチェックする。いずれのプレイヤーも優先権を得ることはなく、誘発型能力もスタックに積まれない。 509.1c 現在のフェイズ/ステップが終了する。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行する。現在のステップとクリンナップ・ステップの間のすべてのステップをとばす。 509.2. この手順中はどのプレイヤーも優先権を得ない。したがって、誘発型能力はスタックに積まれない。この呪文や能力の解決からクリンナップ・ステップの終りまでに誘発型能力が誘発した場合、クリンナップ・ステップに呪文や能力をプレイするタイミングがある。その後、ターンの最終的な終了の前にもう一度クリンナップ・ステップが発生する(rule 314.3 参照)。 509.3. ターンは終了するが、“ターン終了時に”の誘発型能力は誘発しない。ターン終了ステップはとばされているからである。 510. 位相 510.1. パーマネントの「位相/status」とは、物理的な状態のことである。位相には3つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、表向き/裏向きである。パーマネントは、3組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。 510.2. 位相は特性ではないが、位相によってパーマネントの特性が変化しうる。 510.3. パーマネントは、呪文や能力によって特に指示されない限り、アンタップ、非反転、表向きの位相で場に出る。 510.4. パーマネントは、呪文や能力やゲームの行動が位相を変更しない限り、その位相が何も影響を持たなくても、元の位相を保つ。 例:《ディミーアのドッペルゲンガー/Dimir Doppelganger》は「{1}{U}{B}: いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをゲームから取り除く。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーになるとともに、この能力を得る。」という能力を持つ。これが反転カード《呪師の弟子/Jushi Apprentice》のコピーになった場合、《呪師の弟子》の能力によってこのクリーチャーが反転した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《暴く者、智也/Tomoya the Revealer》になる。その後、このパーマネントが《灰色熊/Grizzly Bears》のコピーになった場合、反転位相は何も意味を持たないが、反転位相のままである。その後で再びコピー能力を用いて《鼠の短牙/Nezumi Shortfang》(別の反転カード)のコピーになった場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《憎まれ者の傷弄り/Stabwhisker the Odious》(《鼠の短牙》の反転位相)になる。 510.5. パーマネントだけが位相を持つ。場にないカードは持たない。ゲーム外領域にあるカードが裏向きになることはあるが、それはパーマネントの裏向き位相とは何ら関係ない。 510.6. フェイズ・アウトしたパーマネントは、そのパーマネントの他の情報(誰がコントロールしているか、どのカウンターが乗っているかなど)と同じようにその位相を記憶している。フェイズ・インする際には、フェイズ・アウトしたときの状態で戻ってくる。裏向きの状態でフェイズ・アウトした場合、フェイズ・アウト領域でも裏向きのままである。 511. コイン投げ 511.1. プレイヤーがコイン投げに勝つか負けるかを見るオブジェクトでコインを投げる場合、影響を受けるプレイヤーがコインを投げ、表か裏かを宣言する。宣言が結果と一致した場合、そのプレイヤはコイン投げに勝ち、そうでなければコイン投げに負ける。コインを投げたプレイヤーだけがコイン投げに勝ったり負けたりするのであり、他のプレイヤーには関係しない。 511.2. コインが表になるか裏になるかを見るオブジェクトでコインを投げる場合、影響を受けるプレイヤーがそれぞれコインを投げる。表か裏かを宣言する必要はなく、この種のコイン投げでは勝ちや負けは存在しない。 511.3. 投げられるコインの表と裏がはっきりしていない場合、どちらが表であるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数が表で偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。 6. 多人数戦ルール 600. 原則 600.1. 多人数戦とは、3人以上のプレイヤーによって行なわれるゲームのことである。この章では、多人数戦で用いられるルールを取り上げる。 600.2. これらのルールは多人数戦一般に選択できる選択ルールと、さまざまな変種ルールからなる。単一のゲームで複数の選択ルールを適用してもよいが、単一のゲームに適用できる変種ルールは1つだけである。 600.3. チーム戦のトーナメントでは、デッキ構築などに関するさまざまな追加ルールがあるが、ここでは言及しない。現行のマジックDCIフロアルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/doccenter/home)を参照すること。 600.4. 2人対戦と異なり、多人数戦では1人もしくは複数のプレイヤーがゲームから除外されても続けることができる。 600.4a プレイヤーがゲームから除外されたら、そのプレイヤーの所有するオブジェクト(rule 200.8 参照)は全てゲームから除外され、スタック上にあるそのプレイヤーがコントロールする呪文や能力は消滅し、そのプレイヤーにコントロールを与えているコントロール変更効果は終わる。その後、なおそのプレイヤーがコントロールしているオブジェクトがあったら、それらもまたゲームから取り除かれる(このルールによってゲームから取り除かれたオブジェクトで、オーナーがそのプレイヤーでないものは、ゲーム外領域に置かれる)。これは状況起因効果ではなく、プレイヤーがゲームから除外されたらすぐに発生する。優先権を持つプレイヤーがゲームから除外される場合、ゲームに残っている、ターン順で次のプレイヤーに優先権が移動する。プレイヤーがゲームから除外されても、スタック上の戦闘ダメージに影響はない。 例:アレックスは「あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする」というオーラである《支配魔法/Control Magic》を、ビアンカの《木の壁/Wall of Wood》にプレイした。アレックスがゲームから除外されたら、《支配魔法》もゲームから除外され、《木の壁》はビアンカのコントロール下に戻る。逆に、ビアンカがゲームから除外されたら、《木の壁》がゲームから除外され、《支配魔法》はアレックスの墓地に置かれる。 例:アレックスは「クリーチャー1体を対象とし、それをアンタップし、ターン終了時までそのコントロールを得る」という効果を含む《脅しつけ/Threaten》を、ビアンカの《木の壁》を対象にしてプレイした。アレックスがゲームから除外されると、《脅しつけ》のコントロール変更効果が終わり、《木の壁》はビアンカのコントロール下に戻る。 例:アレックスは「対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で場に出す。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す」という効果の《袖の下/Bribery》をビアンカを対象にしてプレイし、そのライブラリーから《木の壁》を出した。アレックスがゲームから除外されたら、《木の壁》もゲームから除外される。ビアンカがゲームから除外された場合にも、同じように《木の壁》はゲームから除外される。 例:アレックスは「トークンでないクリーチャーが1体場に出るたび、《起源室》がアンタップ状態なら、そのクリーチャーのコントローラーは1/1のマイア・アーティファクト・クリーチャー・トークンを場に出す」という《起源室/Genesis Chamber》をコントロールしていた。《起源室》がアレックスのコントロール下にあった間に場に出したマイア・トークンはアレックスがオーナーなので、アレックスがゲームから除外されたら、それらを全てゲームから除外する。 600.4b あるオブジェクトのコントローラーが、既にゲームから除外されたプレイヤーになることになった場合、そのオブジェクトのコントローラーは変化しない。トークンが、既にゲームから除外されたプレイヤーのコントロール下で場に出ることになった場合、そのトークンは発生しない。 600.4c ゲームから除外されたプレイヤーがオーナーであるオブジェクトがいずれかのゾーンに置かれる場合、その代わりにゲームから除外される(これには能力がスタックに置かれることも含む)。 例:《霊体の地滑り/Astral Slide》は「いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングするたび、クリーチャー1体を対象とし、それをゲームから取り除く。そうした場合、ターン終了時に、そのクリーチャーをそのオーナーのコントロール下で場に出す」というエンチャントである。アレックスのターンに、ビアンカはこの能力を使い、アレックスの《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》をゲームから取り除いた。そのターンの間に、ビアンカがゲームから除外された。ターン終了時に、《惑乱の死霊》を場に戻そうとする《霊体の地滑り》の遅延誘発型能力が誘発するが、スタックに置かれずにゲームから除外される。《惑乱の死霊》は場に戻らない。 600.4d 何らかのオブジェクトが、ゲームから除外されているプレイヤーに選択を求める場合、そのオブジェクトのコントローラーは別のプレイヤーを選んで選択を行なわせる。元の選択がオブジェクトのコントローラーの対戦相手によって行なわれていた場合、可能なら、そのプレイヤーは他の対戦相手を選ぶ。 600.4e プレイヤーが自分のターンの間にゲームから除外される場合、そのターンはアクティブ・プレイヤーがいない状態で継続される。アクティブ・プレイヤーが優先権を得る場合、その代わりに、状況に応じて、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得るか、スタックの一番上のオブジェクトが解決されるか、フェイズやステップが終了する。 601. 「影響範囲制限」選択ルール 601.1. 「影響範囲制限」はほとんどの多人数戦に適用できる選択ルールである。変種「皇帝戦」(rule 607 参照)では常に、また、五人以上のプレイヤーによるゲームではしばしば用いられる。 601.2. プレイヤーの影響範囲とは、そのプレイヤーから何プレイヤー分離れたところまで影響が及ぶかという最大の距離のことを言う。そのプレイヤーから指定された距離以内の席に座っているプレイヤーは、そのプレイヤーの影響範囲内にいる。あるプレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーがコントロールしているオブジェクトも、同じく影響範囲内にある。影響範囲は、呪文、能力、効果、ダメージ、攻撃、選択について考慮される。 601.2a 影響範囲として選ばれる数字は、主として1席または2席である。プレイヤーによって影響範囲が違うこともありうる。 例:影響範囲が1席の場合、自分自身とその隣に座っているプレイヤーだけが影響範囲内にいる。 例:影響範囲が2席の場合、自分自身とその両隣、さらにもう一席隣にいるプレイヤーまでが影響範囲内となる。 601.2b プレイヤーは常に自分自身の影響範囲内にいる。 601.2c 各ターンの開始時に、誰が誰の影響範囲内にいるのかが決定される。 例:影響範囲1席のゲームで、アレックスはロブの左隣に座っていて、ロブの右隣はカリッサだった。カリッサはアレックスの影響範囲内にいない。ロブがゲームから除外されると、その次のターンの開始時から、カリッサはアレックスの影響範囲に入ることになる。 601.2d オブジェクトは、そのコントローラーがプレイヤーの影響範囲内にある場合、そのプレイヤーの影響範囲内にある。 601.3. クリーチャーは、そのコントローラーの影響範囲内にいる対戦相手にだけ攻撃できる。影響範囲内に対戦相手がいない場合、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーは攻撃できない。 601.4. プレイヤーの影響範囲外にあるオブジェクトやプレイヤーは、そのプレイヤーの呪文や能力の対象にならない。 601.5. 複数のプレイヤーに選択を行なわせるカードが存在するが、これらのカードは影響範囲の選択ルールを用いた場合には働き方が異なる。 601.5a オブジェクトまたはプレイヤーを選ばせる場合、その選ぶプレイヤーは自分の影響範囲内から選ばなければならない。 例:影響範囲1席のゲームで、アレックスはロブの左に座っていた。アレックスが《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》の「クリーチャー1体またはプレイヤー1人と、いずれかの対戦相手の選んだ別のクリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《クォムバッジの魔女》はその前者に1点、その後者に1点のダメージを与える」という能力をロブを対象に、またロブに対象を選ばせる対戦相手として指定して、起動した。ロブの選ぶことのできる対象は、彼と《クォムバッジの魔女》のコントローラーの両方の影響範囲内にあるものに限られる。すなわち、ロブ自身かアレックス、またはそのどちらかがコントロールしているクリーチャーということになる。 601.5b プレイヤーが、(オブジェクトから選ぶのではなく)1つ以上の選択肢から選ぶ場合、その選択肢が影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーを参照していても、選ぶことができる。 例:影響範囲2席のアレックスが、ロブの左に座っている。影響範囲1席のカリッサはロブの右に座っている。アレックスは「いずれかの対戦相手は以下から1つを選ぶ ─ 「あなたはカードを2枚引く」「ターン終了時まで、あなたのコントロールするクリーチャーはそれぞれ+2/+2の修整を得る」」というカードをプレイし、カリッサに選択させることを選んだ。アレックスはカリッサの影響範囲外だが、カリッサはモードを選択することができる。 601.5c 効果に必要な選択を行なえるプレイヤーが影響範囲内にいない場合、その効果のコントローラーの左側で一番近いプレイヤーが選択を行なう。 例:影響範囲1の「皇帝戦」において、皇帝が「あなたのライブラリーの上から5枚を公開し、対戦相手はそれらのカードを2つの束に分ける。その束の1つをあなたの手札に入れ、もう1つをあなたの墓地に置く」という《嘘か真か/Fact or Fiction》をプレイした。皇帝の影響範囲内には対戦相手はいないので、皇帝の左側でもっとも近くにいる対戦相手がカードを束に分ける。 601.6. プレイヤーは、その影響範囲外にあるオブジェクトの起動型能力をプレイできない。 601.7. 誘発型能力は、その誘発イベント全体が発生源のコントローラーの影響範囲内で起こらない限り誘発しない。 例:影響範囲1のゲームで、アレックスはボブの左に座っていた。ロブはアレックスの《灰色熊/Grizzly Bears》にオーラを2つつけていて、一方は「エンチャントされているクリーチャーがブロックされるたび」誘発するもので、もう一方は「エンチャントされているクリーチャーがいずれかのクリーチャーにブロックされるたび」誘発するものであった。アレックスの《灰色熊》が左隣のプレイヤーに攻撃し、ブロックされた場合、1つめのオーラの誘発イベント(《灰色熊》がブロックされる)はロブの影響範囲内で完結しているので、1つめのオーラは誘発する。2つめのオーラは、ロブの影響範囲外にあるブロック・クリーチャーが関係しているので、誘発しない。 601.7a 誘発イベントの中にオブジェクトが影響範囲を出入りすることが含まれる場合、そのイベントの種類によって決定される、直前又は直後の状況を使用して誘発するかどうかを決定する。rule 410.10 参照。 例:カリッサとアレックスはお互いに影響範囲外にある。カリッサはアレックスがオーナーであるクリーチャーをコントロールしており、また、それぞれが「いずれかのクリーチャーが場からいずれかの墓地に置かれるたび、あなたは{1}を支払ってもよい。そうした場合、あなたは1点のライフを得る」という《魂の網/Soul Net》をコントロールしている。ここで、そのクリーチャーが破壊された場合、破壊イベントはアレックスの影響範囲外で起こったので、アレックスの《魂の網》は誘発しない。一方、そのクリーチャーはカリッサの影響範囲外である墓地に置かれるが、破壊イベントはカリッサの影響範囲内で起こっているので、カリッサの《魂の網》は誘発する。 601.8. オーラはそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーにエンチャントすることはできない。オーラが不正なオブジェクトやプレイヤーについた場合、状況起因効果でオーナーの墓地に置かれる。rule 420 参照。 601.9. 装備品はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトに装備されることはできない。城砦はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトを城砦化することはできない。装備品や城砦が不正なパーマネントについた場合、状況起因効果ではずれて場に残る。rule 420 参照。 601.10. 呪文や能力は、そのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーには影響を与えられない。効果の、影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす部分は何もしない。そうでない部分は通常通り影響を及ぼす。 例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「《紅蓮地獄》はそれぞれのクリーチャーに2点のダメージを与える」という《紅蓮地獄/Pyroclasm》をプレイした。《紅蓮地獄》は、アレックスとその両隣のプレイヤーの3人がコントロールしているクリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与えるが、他のクリーチャーにはダメージを与えない。 601.11. 呪文や能力がゲームの情報を必要とする場合、そのコントローラーの影響範囲内の情報しか得られない。コントローラーの影響範囲外のオブジェクトやイベントに関しての情報を用いることはできない。 例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「各クリーチャーは、共通のクリーチャー・タイプを持つ他のクリーチャー1体につき+1/+1の修正を受ける」という《旗印/Coat of Arms》をコントロールしている。アレックスのクリーチャーは、アレックスとその両隣のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに応じて強化されるが、それ以外のクリーチャーは考慮に入れない。 例:同じゲームで、アレックスの右隣に座っていたロブのクリーチャーも、《旗印》の影響を受けて強化されるが、考慮されるのはロブとアレックスの2人のクリーチャーだけになる。ロブと《旗印》のコントローラーの両方の影響範囲内にいるのはこの2人だけだからである。 601.12. 「レジェンド・ルール」(rule 420.5e 参照)は、同名の伝説のパーマネントがもう1つ、伝説のパーマネントのコントローラーの影響範囲内にあるときにのみ適用される。 例:アレックスの影響範囲が1席で、カリッサの影響範囲が2席、その間にロブが座っているとする。アレックスがコントロールしているものと同名の伝説のパーマネントをカリッサが出したとすると、カリッサのコントロールするものだけが墓地に置かれることになる。 601.13. 「ワールド・ルール」(rule 420.5i 参照)は、ワールド・パーマネントがもう一つ、ワールド・パーマネントのコントローラーの影響範囲内にあるときにのみ適用される。 601.14. 置換・軽減効果は、特定のイベントが起こるのを待ち、そしてその全体または一部を置換する。影響範囲の選択ルールにより、置換後のイベントが実行できない効果を含むようになることもありうる。その場合、その不可能な効果は単に無視される。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 601.14a 置換効果が、呪文や能力の効果をそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに及ぼそうとした場合、イベントのその部分は何もしない。 例:アレックスは《溶岩の斧/Lava Axe》(「プレイヤー1人を対象とする。《溶岩の斧》はそのプレイヤーに5点のダメージを与える」)を、ロブを対象にしてプレイしました。これに対応してロブは《艦長の操艦/Captain's Maneuver》(「クリーチャー1体またはプレイヤー1人と、別のクリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。このターン、その前者に与えられる次のダメージX点は、代わりにその後者に与えられる」)を、Xを3とし、もう1つの対象をアレックスの影響範囲外のプレイヤー、カリッサにした。この場合、《溶岩の斧》の解決時に起こるのはロブに2点のダメージを与えることだけで、カリッサにはダメージは与えられない。 601.14b 呪文や能力が、ある発生源からのダメージを軽減するという効果を生成した場合、その呪文や能力のコントローラーの影響範囲内にその発生源が存在しなければ影響を及ぼさない。逆に、クリーチャーやプレイヤーに与えるダメージを軽減するという効果を生成した場合、そのクリーチャーやプレイヤーが影響範囲内に無ければ影響を及ぼさない。発生源も軽減先も特定されていないダメージを軽減する効果は、発生源と軽減先の両方が影響範囲内になければ軽減しない。 例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。アレックスが「クリーチャーによって与えられるダメージを全て軽減する」というエンチャントを出している場合、カリッサがロブにクリーチャーで攻撃したら、戦闘ダメージは通常通り与えられる。 例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。カリッサが《電撃破/Lightning Blast》(「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《電撃破》はそれに4点のダメージを与える」)をロブを対象にプレイした。これに対応して、アレックスは《繕いの手/Mending Hands》(「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを4点だけ軽減する。」)をロブを対象にプレイした。ロブへのダメージは軽減される。 例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。カリッサがロブをクリーチャーで攻撃して、ロブはそれをクリーチャーでブロックした。アレックスが《聖なる日/Holy Day》(「このターン与えられる戦闘ダメージを全て軽減する」)をプレイした。カリッサとロブのクリーチャーはお互いに戦闘ダメージを与えあう。 602. 「複数への攻撃」選択ルール 602.1. 「複数への攻撃」は、アクティブ・プレイヤーが他のプレイヤー複数人に対して攻撃することを認める選択ルールである。この選択ルールを用いた場合にも、攻撃時に1人のプレイヤーだけを攻撃することは可能である。 602.2. 戦闘フェイズの開始時に、攻撃プレイヤーは防御プレイヤーとなる対戦相手を選ばない。その代わりに、戦闘フェイズの間、攻撃プレイヤーの対戦相手全てが防御プレイヤーとなる。 602.2a ルール、オブジェクト、効果で「防御プレイヤー」を参照するものは、特定の防御プレイヤー1人を参照する。全防御プレイヤーを参照するわけではない。通常、その防御プレイヤーを参照する能力を持つクリーチャーが攻撃している先のプレイヤーを参照するが、複数の防御プレイヤーから選ぶ場合、その選択はその能力のコントローラーが行なう。 602.3. 攻撃プレイヤーは、攻撃クリーチャーを指定する際に、それぞれの攻撃する防御プレイヤーを選択する。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。 602.3a 特定のプレイヤーを攻撃する際に適用されるものでない制限や強制は、攻撃クリーチャー全体を見て判断される。特定のプレイヤーを攻撃することに対して適用される制限や強制は、そのプレイヤーを攻撃するクリーチャー群にだけ適用される。攻撃クリーチャー全体としても攻撃は適正でなければならない。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 例:ロブはアレックスに《灰色熊/Grizzly Bears》で攻撃し、カリッサに山渡りを持ったクリーチャーで攻撃した。山渡りを持ったクリーチャーをブロックできないかどうかは、カリッサが《山》をコントロールしているかどうかだけに関係する。 602.3b バンドを組んでいるクリーチャーは、ばらばらのプレイヤーに攻撃できない。rule 502.10〔バンド〕参照。 602.4. 複数のプレイヤーに攻撃している場合、防御プレイヤーは、ブロック・クリーチャー指定ステップに、APNAP順でブロック・クリーチャーを指定する(rule 103.4 ならびに rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。最初の防御プレイヤーがブロックの宣言を追えた後、次の防御プレイヤーが宣言を行なう。 602.4a 防御プレイヤーは自分のコントロールしているクリーチャーでのみブロックできる。それらのクリーチャーはそのプレイヤーに攻撃してきたクリーチャーだけをブロックでき、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーをブロックすることはできない。 602.4b 防御プレイヤーのブロックが適正かどうかを判断するにあたって、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーや他のプレイヤーがコントロールするブロック・クリーチャーは考慮しない。 602.5. 戦闘ダメージはAPNAP順で割り振られる。それ以外の点では、戦闘ダメージ・ステップは2人対戦の時と同じように進む。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。 603. 「クリーチャー配置」選択ルール 603.1. 変種「皇帝戦」では、必ず「クリーチャー配置」選択ルールが用いられる。また、他の変種でもチームが機能するために用いることができる。個人個人で戦う多人数戦では、この選択ルールはまず用いられない。 603.2. 全てのクリーチャーは「{Tap}: チームメイト1人を対象とする。そのプレイヤーはこのクリーチャーのコントロールを得る。この能力はソーサリーがプレイできるときにのみプレイできる」という能力を持つ。 604. 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール 604.1. 多人数戦では「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」と呼ばれるルールが用いられることがある。 604.1a 「左翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはそのすぐ左隣に座っているプレイヤーにしか攻撃できない。左隣のプレイヤーが対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。 604.1b 「右翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはそのすぐ右隣に座っているプレイヤーにしか攻撃できない。右隣のプレイヤーが対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。 605. 変種ルール「無差別戦」 605.1. 「無差別戦」多人数戦では、プレイヤーはそれぞれ個人個人として競い合う。 605.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常は、以下の選択ルールを用いる。 605.2a 「無差別戦」においては、「影響範囲制限」は用いない。行なう場合、全てのプレイヤーが同じ広さの影響範囲を持ち、その広さは開始前に定める。rule 601〔「影響範囲制限」選択ルール〕参照。 605.2b 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」選択ルールのうちいずれか1つを用いる。rule 604〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕ならびに rule 602〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。 605.2c 「クリーチャー配置」選択ルールは、「無差別戦」では用いない。 605.3. プレイヤーは無作為にテーブルのまわりに座る。 605.4. 「無差別戦」でのゲームの勝敗は、通常のルールに従う。rule 102〔勝ちと負け〕参照。 606. 変種ルール「双頭巨人戦」 606.1. 「双頭巨人戦」は2人ずつのチーム2組によって行なわれる。 606.2. 多人数戦における選択ルールは、用いない。 606.3. それぞれのチームは、テーブルの片側に並んで座る。どう座るかはそれぞれのチームが決める。それぞれ右側に座ったプレイヤーを第1プレイヤー、左側を第2プレイヤーと呼ぶ。 606.4. 「双頭巨人戦」には2つの特徴がある。 606.4a ライフ総量はチームごとに合算され、30点から始まる。 606.4b プレイヤー単位でなく、チーム単位でターンが進行する。 606.5. 「双頭巨人戦」では、共用ライフ総量を例外として、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。 606.6. チーム・ターンの進行 606.6a 最初の手札に不満なプレイヤーは、マリガンしてもよい。先に先攻のチームがマリガンを行なう。チームにおいてマリガンする場合、そのチームのプレイヤーがマリガンをするかどうかを別々に決定し、その後で同時にマリガンを行なう。1度目のマリガンでは、新しく引く手札は7枚になる。そのチームの両プレイヤーが手札を確認してから、この手順を繰り返す(2度目以降は通常のルール通りに1枚ずつ手札のカードが減っていく)。プレイヤーがそれ以上マリガンしないことを選んだら、そのカードは開始時の手札となる。一旦マリガンしないことを選んだら、その後でマリガンすることはできない。先攻チームの両プレイヤーがマリガンの手順を終えたら、後攻チームが同様にマリガンを行なう。 606.6b 先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。 606.6c プレイヤー個人ではなく、チームが優先権を持つ。 606.6d 「双頭巨人戦」では、APNAP順ルール(rule 103.4)は修整される。現在進行中のターンのチームはアクティブ・チームであり、もう一方のチームは非アクティブ・チームである。両方のチームが選択や行動を同時に行なう場合、まずアクティブ・チームが必要な選択を全て行ない、非アクティブ・チームが必要な選択を全て行なった後で、同時に行動が実行される。 606.6e チームに優先権がある場合、そのチームのプレイヤーは呪文や起動型能力をプレイしたり、特別な行動をしたりできる。チーム内で両方のプレイヤーが同時に行動を取りたいとなった場合、第1プレイヤーが行動の順番を決める。チームの両プレイヤーはチームのドロー・ステップにカードを1枚引く。チームの両プレイヤーは、そのチームのターンの間にそれぞれ1枚土地をプレイできる。 606.6f 複数の誘発型能力が、チームが優先権を得てから次に優先権を得るまでの間に誘発していた場合、アクティブ・チームのメンバーがまず自分たちのコントロールする誘発型能力を好きな順番でスタックに乗せ、その後で非アクティブ・チームのメンバーが同じようにする。 606.6g チームのどちらのプレイヤーも何もすることがなければ、チームがパスをすることになる。両方のチームが続けてパスをした場合(つまり、両方のチームのパスとパスの間に何もプレイヤーが行動しなかった場合)、スタックの一番上のオブジェクトが解決され、アクティブ・チームが再び優先権を得る。スタックが空だった場合、そのフェイズまたはステップが終わり、次のフェイズまたはステップに入る。 606.6h 効果によってプレイヤーが追加のターンを得たりフェイズやステップを得たりした場合、そのプレイヤーのチームがその追加のターン、フェイズ、ステップを得る。何らかの効果によってステップ、フェイズ、あるいはターンが飛ばされる場合、そのチームのものが飛ばされる。単一の効果によって同一のチームの両方のプレイヤーが、同一のステップ、フェイズ、ターンを得たり失ったりする場合、そのチーム全体が1回だけステップ、フェイズ、ターンを得たり失ったりする。効果によって他のプレイヤーのターンのコントロールを得る場合、その効果のコントローラーが影響を受けたプレイヤーのチームのターンのコントロールを得る。 606.6i 双頭巨人戦において、複数のプレイヤーがカードを引く効果があった場合、まずアクティブ・チームの第1プレイヤーが全てのカードを引き、それから第2プレイヤーが全てのカードを引く。その後、非アクティブ・チームについて同様に処理する。 606.7. 変種「双頭巨人戦」は、他の多人数戦と異なる戦闘ルールを用いる。 606.7a 各チームのクリーチャーは、グループで他のチームを攻撃する。戦闘フェイズの間、アクティブ・チームは攻撃チームとなり、アクティブ・チームの各プレイヤーは攻撃プレイヤーとなる。同様に、非アクティブ・チームは防御チームとなり、そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。 「防御プレイヤー」を参照する、単発的効果や特性定義能力は、両方の防御プレイヤーではなく、いずれか1人の防御プレイヤーを参照する。その効果あるいは特性定義能力のコントローラーが、どちらのプレイヤーを参照するかを決定する。「攻撃プレイヤー」を参照する場合も同じである。 それ以外のあらゆる場合において、「防御プレイヤー」は防御プレイヤーの両方を指す語として用いられる。肯定的比較(例えば、防御プレイヤーが島をコントロールしているかどうかを見る場合)、相対的比較(あなたが防御プレイヤーよりも多くのクリーチャーをコントロールしているかどうかを見る場合)の際には、解は1つだけ与えられる。それぞれの防御プレイヤーについて比較を行ない、そのいずれかが真ならば真になる。否定的比較(防御プレイヤーが黒のパーマネントをコントロールしていないかどうかを見る場合)にも、解は一つだけ与えられる。それは、対応する肯定的比較の解が偽であるときに真となる。これは「攻撃プレイヤー」を参照する場合も同じである。 606.7b 攻撃クリーチャー指定ステップ開始に際して、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーを指定する。いずれかの防御プレイヤーがコントロールするオブジェクトの効果によってそのプレイヤーを攻撃できないクリーチャーは、防御チームを攻撃することはできない。アクティブ・チームの攻撃は一群で行ない、その攻撃クリーチャー群は全体として適正でなければならない。 例:双頭巨人戦のあるプレイヤーが、《テフェリーの濠》(「テフェリーの濠が場に出るに際し、色を1色選ぶ。」「選ばれた色の飛行を持たないクリーチャーは、あなたを攻撃できない。」)をコントロールしている場合、相手チームの、その色で飛行を持たないクリーチャーは、攻撃できない。 606.7c ブロック・クリーチャー指定ステップ開始に際して、防御チームはブロック・クリーチャーを指定する。防御プレイヤーのコントロールするクリーチャーは、攻撃クリーチャーをブロックできる。防御チームによるブロックは一群で行ない、ブロック・クリーチャーは全体として適正でなければならない。 例:攻撃クリーチャーが森渡りを持っていて、防御チームの一方のプレイヤーだけが《森》をコントロールしている場合、そのクリーチャーはブロックされない。 606.7d 戦闘ダメージ・ステップ開始に際して、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーがどのように戦闘ダメージを割り振るかを宣言する。攻撃クリーチャーが防御チームにダメージを割り振る場合、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーごとに防御プレイヤーを1人選び、そのプレイヤーにダメージを割り振る。アクティブ・チームのダメージの割り振り宣言が終わったら、防御チームが同様に戦闘ダメージを割り振る。 606.8. 「双頭巨人戦」でのゲームの勝敗は、通常のルールに従う(rule 102 参照)が、以下の特例がある。 606.8a チームの共用ライフが0以下である場合、次にいずれかのチームが優先権を得るときにそのチームの負けとなる(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 606.8b プレイヤーはチーム単位でのみ勝ち、あるいは負けとなる。個人での勝敗は存在しない。チームのいずれかのプレイヤーが負けとなったら、チームは負けとなる。いずれかのプレイヤーが勝ちとなったら、チームの勝ちとなる。何らかの効果でプレイヤーが勝利できない場合、そのプレイヤーのチームは勝利できない。何らかの効果でプレイヤーが敗北しない場合、そのプレイヤーのチームは敗北しない。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたは、ライフが0以下になることによって敗北しない」という《卓絶/Transcendence》をコントロールしている。このプレイヤーのチームのライフが0以下になったとしても、そのチームは負けにならない。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーがカードを引くべきときにライブラリーにカードが残っていなかったとしたら、そのプレイヤーは負けとなり、そのプレイヤーの属するチームの負けとなる。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたはゲームに敗北しない。あなたの対戦相手はゲームに勝利しない」という《白金の天使/Platinum Angel》をコントロールしている。この場合、そのコントローラーとチームメイトは《白金の天使》が場にある限り、敗北しない。対戦相手のチームは勝利しない。 606.8c プレイヤーが投了したら、そのチームの負けとなる。 606.9. ダメージ、ライフの喪失、ライフの増加は、それぞれのプレイヤー個々に発生する。結果はチームの共用ライフに適用される。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「《火炎の裂け目》はすべてのプレイヤーに4点のダメージを与える」という《火炎の裂け目/Flame Rift》をプレイした場合、各チームは8点ずつダメージを受ける。 606.9a 何らかの効果が、特定のプレイヤーのライフの値を必要とする場合、そのチームの共用ライフの半分切り上げを用いる。 例:「双頭巨人戦」でチームのライフが残り17点のときに、プレイヤーが《無情の碑出告/Heartless Hidetsugu》の「《無情の碑出告》は各プレイヤーにそのプレイヤーのライフの半分のダメージを与える」という能力をプレイした。この能力に関して、このチームの各プレイヤーのライフはそれぞれ9として扱う。従って、《無情の碑出告》はプレイヤーに各4点のダメージを与え、チームは8点のダメージを受けて残り9点となる。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが50点以上である場合、あなたはゲームに勝利する」というエンチャントである《忍耐の試練/Test of Endurance》をコントロールしている。そのプレイヤーのアップキープの開始時に勝利するためには、チームのライフの合計が99点以上あればよい。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「対戦相手のライフが10点以下のとき、《隠れ潜むジャッカル》がエンチャントである場合、3/2の猟犬・クリーチャーになる」という《隠れ潜むジャッカル/Lurking Jackals》をコントロールしている。相手チームの残りライフが22点で、どちらかの対戦相手に1点のダメージを与えたとしても、《隠れ潜むジャッカル》はクリーチャーにならない。相手チームの残りライフが20点以下でなければならない。 606.9b 効果によってチームの両方のプレイヤーのライフがある値になる場合、それらの値の合計が最終的なライフの値となる。 例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「各プレイヤーのライフ総量は、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーの数に等しくなる」という《生命の律動/Biorhythm》をプレイした。あるチームの共用ライフ総量が25点で、1人が3体、もう1人が4体のクリーチャーをコントロールしていた場合、そのチームの共用ライフ総量は7となる。この場合、最初のプレイヤーのライフは13点から3点に減ったことになり、10点の減少。2人目のプレイヤーのライフは13点から4点に減ったことになり、9点の減少になる。チーム全体のライフが19点減ったわけではないが、このように扱う。 606.9c 効果によってあるプレイヤー1人のライフ総量がある値になった場合、そのプレイヤーの分のライフ総量をその値にするものとして扱い、チームのライフ総量は、その増減と同じだけ変化する。 例:「双頭巨人戦」で、あるチームの共用ライフ総量が25点の時、「あなたのライフ総量は20になる」という呪文をプレイしたら、そのプレイヤーのライフ総量は13点と考えられるので、そのチームの共用ライフ総量は(20−13で)7点増加し、32点になる。 606.10. 「双頭巨人戦」は各チーム3人以上でもプレイできる。その場合、15点×人数分の共用ライフ総量で始めるのがよい(これらのルールを三頭巨人、四頭巨人……などと呼ぶこともある)。 607. 変種ルール「皇帝戦」 607.1. 「皇帝戦」は各チーム3人からなる複数のチームによって行なわれる。 607.2. 各チームはテーブルの一辺に並んで席に着く。それぞれのチームごとに、席順を決める。チームの中で1人が皇帝となり、チームの中央に座る。残り2人は将軍と呼ばれ、皇帝を守ることになる。 607.3. 「皇帝戦」では通常、以下の選択ルールを用いる。 607.3a 影響範囲は皇帝が2、将軍が1とする。rule 601〔「影響範囲制限」選択ルール〕参照。 607.3b 「クリーチャー配備」選択ルール(rule 603 参照)を用いる。 607.3c プレイヤーはその隣に座っている対戦相手にだけ攻撃できる。 例:「皇帝戦」の開始時には、どちらの皇帝も相手を攻撃することはできない。相手の将軍は呪文の影響範囲に入っているので、呪文の対象にすることはできる。 607.4. どちらの皇帝が先攻か、無作為の方法で決める。その後、ターンはそのプレイヤーから左に進む。 607.5. 「皇帝戦」変種ルールでは、勝敗は通常のルールに従って決定される(rule 102 参照)が、以下の特例が追加される。 607.5a 皇帝が敗北したとき、チームも敗北となる。 607.6. 「皇帝戦」変種ルールは、同じサイズのチーム同士ならチームがいくつあってもプレイできる。チームが4人以上のプレイヤーからなる場合、影響範囲は適宜決めなおす必要がある。 607.7. 「皇帝戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。 608. 変種ルール「大乱闘戦」 608.1. 「大乱闘戦」変種ルールは、「無差別戦」の拡張ルールであり、10人以上のプレイヤーが参加する時に用いられる。 608.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「大乱闘戦」では、以下の選択ルールを用いる。 608.2a 各プレイヤーの影響範囲は1である(rule 601 参照)。 608.2b 「左翼への攻撃」ルールを用いる(rule 604 参照)。 608.2c 「複数への攻撃」「クリーチャー配備」ルールは用いない。 608.3. プレイヤーは無作為の順番で席に着く。 608.4. 「大乱闘戦」変種ルールは、複数のプレイヤーが同時にターンを進めることを認めている。ターンマーカーを用い、誰が現在ターンを進めているのかが判るようにするとよい。ターンマーカーを持つプレイヤーがそれぞれアクティブ・プレイヤーとなる。 608.4a 4人ごとに1つ(切り捨て)、ターンマーカーを用いる。 例:16人による「大乱闘戦」では、ターンマーカーを4つ用いる。15人なら3つである。 608.4b ゲームを始めるプレイヤーが最初のターンマーカーを持つ。以降左回り4席ごとに2つめ、3つめのターンマーカーを置く。ターンマーカーには順番を示す数が記されており、それらのマーカーを持ったプレイヤーは同時にターンを進める。 608.4c 自分のターンが終わったら、ターンマーカーを左隣のプレイヤーに渡す。自分から見て左3人までにマーカーがある場合、プレイヤーはマーカーを受け取ってはならない。その場合、左4人目にマーカーが渡るまで、そこでターンマーカーが足踏みすることになる。 608.4d プレイヤーがゲームから除外され、それによってターンマーカーの数が減る場合、ターンマーカーは取り除かれる。これはターンとターンの間に行なわれ、ゲームから除外されたプレイヤーの右側のマーカーが取り除かれる。複数のプレイヤーが同時にゲームから除外され、それによって複数のターンマーカーが取り除かれることになった場合、小さい番号のマーカーを取り除く。 608.4e プレイヤーが現在のターンの次に追加のターンを得る場合、今がそのプレイヤーのターンでないのなら、そのプレイヤーは自分の次のターンの直前に追加のターンを得る。 608.5. 「大乱闘戦」でのゲームの勝敗は、通常のルールに従う(rule 102 参照)。 609. 変種ルール「チーム戦」 609.1. 「チーム戦」は複数の同人数によるチームによって行なわれる。 609.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「チーム戦」では、以下の選択ルールを用いる。 609.2a 影響範囲は2席を推奨する。 609.2b 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」選択ルールのうちいずれか1つを用いる。rule 604〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕ならびに rule 603〔「クリーチャー配置」選択ルール〕参照。 609.2c 「クリーチャー配置」選択ルールは、「チーム戦」では通常用いられない。 609.3. ゲームの開始時に、プレイヤーはチームメイト同士が隣にならないように、そしてチームが同等にばらばらになるように座る。 例:3チームによるチーム戦では、最初の座り方はA1, B1, C1, A2, B2, C2, A3, B3, C3 というようになる。 609.4. プレイヤーは、隣り合っていない対戦相手に攻撃することはできない。 609.5. 「チーム戦」でのゲームの勝敗は、通常のルールに従う(rule 102 参照)。 609.6. 「チーム戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトは隣り合わせに座っていない限り、お互いの手札を見せあってはならない。戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。 -------- 用語集 -------- / アーティファクト/Artifact  アーティファクトはタイプの一つである。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない間、アーティファクトをプレイする事ができる。アーティファクト呪文が解決した時、そのコントローラーは、それを自分のコントロール下で場に出す。rule 212.2〔アーティファクト〕参照。 アーティファクト・クリーチャー/Artifact Creature  アーティファクト・クリーチャーはアーティファクトとクリーチャーの両方の性質があり、両方のルールが適用される。rule 212.2〔アーティファクト〕参照。 アーティファクト・タイプ/Artifact Type  アーティファクトのサブタイプは常に一単語であり、「アーティファクト ─ 装備品」のように、長いダッシュの後に列記されている。アーティファクトのサブタイプはまたアーティファクト・タイプとも呼ばれる。  「未来余地」セットの時点で用いられているアーティファクト・タイプは以下の通り。 「からくり(Contraption)」「装備品(Equipment)」「城砦(Fortification)」 アーティファクト・土地/Artifact Land  アーティファクト・土地は、アーティファクトと土地の両方であり、両方に関するルールに従う(rule 212.2〔アーティファクト〕参照)。アーティファクト・土地は土地としてのみプレイでき、呪文としてプレイすることはできない。 アクティブ・チーム/Active Team  「双頭巨人戦」変種ルールでターンを進行しているチームの事を指す。アクティブ・チームは(アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップを除く)各フェイズやステップの開始時、呪文や(マナ能力以外の)能力の解決の後、および戦闘ダメージの解決の後に優先権を得る。rule 200.3 ならびに rule 606.6c 参照。 アクティブ・プレイヤー/Active Player  アクティブ・プレイヤーとは、ターンを進行しているプレイヤーの事を指す。アクティブ・プレイヤーは(アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップを除く)各フェイズやステップの開始時、呪文や(マナ能力以外の)能力の解決の後、および戦闘ダメージの解決の後に優先権を得る。rule 200.3 参照。 アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順/Active Player, Nonactive Player Order  複数のプレイヤーが同時に選択を行うと指示された場合、アクティブ・プレイヤーが先に選択を行い、それから非アクティブ・プレイヤーがターンの順で選択を行う。これは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順」ルールまたは「APNAP順」ルールと呼ばれる。rule 103.4 参照。双頭巨人戦では一部変更がある。rule 606.6c 参照。 アップキープ・ステップ/Upkeep Step  アップキープ・ステップは、開始フェイズの2つめのステップである。アップキープの開始時に誘発する能力を持つカードも存在する。その類の能力は、俗に「アップキープ・コスト」「アップキープ効果」と呼ばれる。アップキープ・コストは、通常「あなたのアップキープの開始時に、あなたは[コストの支払い]ができる。そうしなければ、[このカード]を生け贄に捧げる」と書かれている。これらは通常の誘発型能力であり、特別なルールは存在しない。rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照。 あなた/You/Your  オブジェクトに記されている「あなた」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーが呪文や能力をプレイしようとしている最中なら)コントローラーになる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(場にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力をプレイしたプレイヤーを指す。誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。コントローラー、オーナー参照。 APNAP順/APNAP Order  アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順 参照。 アンタップ/Untap  タップされているカードをアンタップするとは、カードを縦に戻すことである。タップ、タップ状態、アンタップ状態参照。 アンタップ状態/Untapped  縦向きのパーマネントはアンタップ状態である。パーマネントをタップすることは、それが既に使われたということを意味する。パーマネントは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップする。タップ、タップ状態、アンタップ参照。 アンタップ・ステップ/Untap Step  アンタップ・ステップはターンの、開始フェイズの、最初のステップである。アクティブ・プレイヤーがコントロールしているパーマネントは、通常、このときに全てアンタップされる。rule 302〔アンタップ・ステップ〕参照。 アンティ/Ante ※廃語  マジックの初期のルールには、「取りきり」でプレイするためのアンティのルールが含まれていた。現在では、アンティを賭けてマジックのゲームをプレイするのは、ゲームの選択可能なバリエーションとして扱われ、法などの規制によって禁止されていない場合にのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCIトーナメント・ルールの下では厳しく禁止されている。アンティ・ルールを使うとき、ゲームの開始時に各プレイヤーがそれぞれ自分のデッキの中からランダムに1枚のカードをアンティ領域に置く。そしてゲームが終わったあとで、アンティ領域にあるカードをすべて勝者の物とする。rule 217.9〔アンティ〕参照。 生け贄に捧げる/Sacrifice  パーマネントを生け贄に捧げるとは、そのコントローラーがそれを場から直接そのオーナーの墓地に移動させることである。パーマネントでないものや、コントロールしていないパーマネントを生け贄に捧げることはできない。コントロールしていないパーマネントを生け贄に捧げるよう指示する効果が存在しても、何も起こらない。パーマネントを生け贄に捧げるとは、それを破壊することではない。従って、再生や、破壊を置換するその他の効果は、これに影響しない。 移植/Graft  移植は、常在型能力と誘発型能力の両方を含む。「移植 N/Graft N」は「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターが置かれて場に出る。」と「他のクリーチャーが場に出るたびに、このパーマネントの上に+1/+1カウンターがある場合、あなたはこのパーマネントの上の+1/+1カウンターを1個、そのクリーチャーの上に移動してもよい。」を意味する。クリーチャーが複数の移植を持つ場合、それぞれを別個に適用する。 位相/Status  パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には3つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、表向き/裏向きである。パーマネントは、3組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。位相は特性ではないが、位相によってパーマネントの特性が変化しうる。パーマネントは、呪文や能力によって特に指示されない限り、アンタップ、非反転、表向きの位相で場に出る。 依存/Depend On  ある効果が他の効果に依存するとは、両者を同時に適用する際に、後者を適用することで、前者のテキストや存在、適用対象、適用内容が変化することを指す。rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照。 畏怖/Fear  畏怖は回避能力である。畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。rule 502.25〔畏怖〕参照。 "if"節のルール/Intervening "If" Clause  誘発型能力のうち、誘発イベントの直後に条件文があるものは(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/に、[条件]場合、[効果]/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」)、誘発イベントの一部として、その条件が満たされているかどうかをチェックする。もし満たされていない場合には、能力は誘発しない。能力の解決時に、再度条件をチェックする。条件が満たされていない場合には、その能力は何も起こさない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同様である。このルールは、テキストのそれ以外の箇所に「if」で始まる条件文がある(日本語の場合、紛らわしければ「〜なら」という書き換えが行なわれている)誘発型能力には適用されない。rule 404.3 参照。 イベント/Event  ゲームにおいて起こることは、イベントと呼ばれる。呪文や能力の解決中に、複数のイベントが起こることもありうる。  誘発型能力や置換効果のテキストには、そのチェックするイベントが定義されている。ある能力によっては1つのイベントとみなされることが、他の能力によっては複数のイベントとして扱われることもある。 例:攻撃クリーチャーが2つのブロック・クリーチャーによってブロックされた場合、それは「〜がブロックされるたび」という誘発型能力から見れば1つのイベントだが、「〜が1体のクリーチャーによってブロックされるたび」という誘発型能力から見れば2つのイベントである。 イラストの著作権表記/Illustration Credit  カードのイラストの著作権表記は、文章欄のすぐ下に印刷されている。ゲームにおいては効果を持たない。rule 209〔イラストの著作権表記〕参照。 色/Color  マジックで用いられる色は白、青、黒、赤、緑であり、オブジェクトは1つもしくはそれ以上のそれらの色を持つか、無色かである。「無色」や「アーティファクト」、「土地」、「茶色」、「金色」、などは色ではない。rule 203.2 参照。  オブジェクトの色は、そのマナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色によって決められる。混成マナ・シンボルは、その両方の色である。 効果によってオブジェクトの色が変わることもある。効果によって新しい色を得た場合、古い色は失われる。 インスタント/Instant  インスタントはタイプの一つである。プレイヤーが優先権を持っているとき、そのプレイヤーはインスタントをプレイすることができる。インスタント呪文は、解決の最後の段階としてそのオーナーの墓地に置かれる。インスタントのサブタイプは、呪文タイプと呼ばれる。rule 212.5〔インスタント〕、rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。 インタラプト/Interrupt ※廃語  古いカードの中には、カードのタイプの行に「インタラプト」という用語を用いていたものがあった。インタラプト・カードは、現在ではすべてインスタント・カードになっている。インタラプトとしてプレイされた能力は、現在では通常の起動型能力と同様にプレイされる(マナを生むものはマナ能力である)。 動かす/Move  カウンターを動かすとは、カウンターを現在ある場所から取り、他のオブジェクトの上に置くことを言う。動かす元のオブジェクトにカウンターがない、あるいは動かす先のオブジェクトが既に本来の領域にない場合、カウンターを動かす効果は何もしない。  古いカードの中にはオーラをあるオブジェクトの上から取り、他のオブジェクトの上に置くことを「動かす」で表記していたものがあったが、これらは「つける」と読み替える。 打ち消し/打ち消す/Counter(v)  呪文や能力を打ち消すとは、それをスタックから取り除くということである。打ち消された呪文は解決せず、効果は一切発揮されない。打ち消された呪文は、そのオーナーの墓地に置かれる。rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照。 (訳注:日本語化の都合上、Counter を二つの項目に分けました。原文ではこれとカウンターは同じ見出しです) 移しかえ/Redirect ※廃語  古いカードの中には、「移しかえ」という用語を用いて、呪文、能力、戦闘ダメージの割り当てによって与えられるダメージを、ダメージの発生源やダメージの種類を変えることなく、本来与えられるべきプレイヤーやクリーチャーとは別のものに与えることを示しているものがあった。一般に、「移しかえ」という用語を用いていたカードは、現在では、ダメージを与える先を変更する置換効果を生成する。「移しかえ」は、現在でもこれらの置換効果の働きを説明するための俗語として用いられている。 「右翼への攻撃」/Attack Right Option  多人数戦で用いる選択ルールの1つに、「右翼への攻撃」がある。「右翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはその右隣に座っている対戦相手にしか攻撃できない。右隣が対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。rule 604〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕参照。 裏向き/Face Down  スタック上にある裏向きの呪文、場に出ている裏向きのパーマネント、およびフェイズ・アウト領域にある裏向きのカードは、そのカードや呪文やパーマネントを裏向き状態にした能力やルールに示されている特性しか持たない。この示されている特性は、そのオブジェクトの特性のコピー可能な値である。  あなたがコントロールしている、スタック上の裏向きの呪文や裏向きのパーマネント、あるいはフェイズ・アウト領域にある裏向きのカードは、いつでも表面を見ることができる。上記以外の領域にある裏向きのカードや、他のプレイヤーがコントロールしている裏向きの呪文やパーマネントの表面は見ることができない。  パーマネントを裏向きにさせた能力やルールは、そのパーマネントのコントローラーがそれを表向きにすることも可能にしている。呪文は通常は表向きにできない。  あなたのコントロールしている、裏向きの呪文がスタック上に複数あったり、裏向きのパーマネントが場に複数出たりしている場合、それらを常に容易に区別できるようにしなくてはならない。  rule 504〔裏向きの呪文やパーマネント〕、rule 502.26〔変異〕参照。 絵/Illustration  絵はカードの上半分に印刷されており、ゲーム上は意味を持たない。rule 204〔絵〕参照。 「影響範囲制限」/Limited Range of Influence  「影響範囲制限」はほとんどの多人数戦に適用できる選択ルールである。プレイヤーの影響範囲とは、そのプレイヤーから何プレイヤー分離れたところまで影響が及ぶかという最大の距離のことを言う。そのプレイヤーからその距離以内の席に座っているプレイヤーは、そのプレイヤーの影響範囲内にいる。あるプレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーがコントロールしているオブジェクトも、同じく影響範囲内にある。影響範囲は、呪文、能力、効果、ダメージ、攻撃、選択について考慮される。rule 601〔「影響範囲制限」選択ルール〕参照。  「影響範囲制限」選択ルールは、変種「皇帝戦」(rule 607 参照)では常に、また、五人以上のプレイヤーによるゲームではしばしば用いられる。 永続的に/Permanently ※廃語  古いカードの中には、期限のない効果を示すために「永続的に」という語が使われているものがあった。この語は今はもう用いられていない。  例: 従来、「クリーチャー1体を対象とし、それのコントロールを永続的に得る」というテキストで書かれていた能力は、現在では「クリーチャー1体を対象とし、それのコントロールを得る」とだけ書かれている。この効果によって、パーマネントのコントロールを、他の何らかの手段によってコントローラーが変わるか、パーマネントが場を離れるまで得ることができる。この効果によってそのパーマネントが、それ以外の、コントロールを変更する効果の影響を受けなくなるわけではない。 エキスパンション・シンボル/Expansion Symbol  マジックのカードの絵の右下隅の下に、エキスパンション・シンボルと呼ばれる小さい絵があり、どのセットで発行されたカードかを示している。基本セットで再版されたカードはその基本セットのエキスパンション・シンボルを得る。あるエキスパンションのカードにだけ影響する呪文や能力は、そのエキスパンション・シンボルを持つカードにのみ影響する。基本セットの、最初の5つの版にはエキスパンション・シンボルは存在しない。rule 206〔エキスパンション・シンボル〕参照。エキスパンションとエキスパンション・シンボルの一覧は、www.magicthegathering.comの製品セクション(http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/products/cardsets)を参照。 (訳注:基本セット第5版は中文簡体字版にのみ"V"シンボルを持つ)  プレイヤーは、構築デッキを作る際に、該当する形式で(あるいはマジック・フロアルールの規定で)使用できるセットに含まれているのと同名のカードなら、版を問わずにデッキに入れることができる。構築形式の現在の定義に関する詳細はマジック・フロアルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/doccenter/home)を参照。 エコー/Echo  エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/echo [コスト]」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしあなたがこのパーマネントのコントロールを、あなたの直前のアップキープより後に得たのであれば、[コスト]を支払わない限りこれを生け贄に捧げる」ということを意味する。rule 502.19〔エコー〕参照。 X/X  呪文や能力のコストに{X}が含まれている場合、Xの値は呪文や能力のプレイの一部として宣言される。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。呪文や能力がスタックにある間、そのマナ・コストに含まれる{X}はその呪文で宣言された値に等しい。他の領域に存在するカードのマナ・コストに{X}が含まれているとき、その量は0として扱われる。Xを含むコストを支払わずに、マナ・コストに{X}を含む呪文をプレイした場合、Xとして適正な選択は0だけである。これは、コストを減少させる効果によって0になったとしても適用されない。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。  待機コストや変異コストなど特別な行動にコストがある場合、それに{X}が含まれていたなら、その特別な行動を行なうプレイヤーがそのコストを支払う際にXの値を選択する。  誘発型能力においては、Xの値は能力の解決時に、能力の文章やキーワード能力、誘発イベントなどによって決定される。rule 410〔誘発型能力の処理〕参照。  それ以外の場合のXは、呪文や能力のテキストによって定義されている。Xが定義されていない場合、その呪文や能力のコントローラーがXの値を決定する。1個のオブジェクトに記されているXはすべて同じ値を持つ。 エンチャント/Enchantment  エンチャントはタイプの一つである。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない間、エンチャントをプレイする事ができる。rule 212.4〔エンチャント〕、オーラ参照。 エンチャント(対戦相手)、エンチャント(プレイヤー)/Enchant Opponent, Enchant Player  エンチャント(プレイヤー)と書かれているオーラは、プレイヤーを対象にし、プレイヤーにつけられる。この種のオーラはオブジェクトを対象にすることはできず、オブジェクトにつけることもできない。オーラ、エンチャント能力 参照。 エンチャント・タイプ/Enchantment Type  エンチャントのサブタイプは常に一単語であり、「エンチャント ─ 祭殿」のように、長いダッシュの後に列記されている。エンチャントのサブタイプはまたエンチャント・タイプとも呼ばれる。  「未来予知」セットの時点で用いられているエンチャント・タイプは以下の通り。 「オーラ(Aura)」「祭殿(Shrine)」 エンチャント能力/Enchant  エンチャント能力は、「エンチャント([オブジェクトまたはプレイヤー])/Enchant [Permanent or Player]」と書かれる常在型能力である。エンチャント能力は、オーラ呪文が何を対象にできるか、また、オーラがなにをエンチャントできるかを規定する。rule 212.4〔エンチャント〕、rule 502.45〔エンチャント〕参照。 オーナー/Owner  カードのオーナーとは、ゲームの開始時点で、そのカードをデッキに入れていたプレイヤーである(法的な所有権は、アンティを除いて、ゲームのルール上は関係しない)。トークンのオーナーは、そのトークンを作り出した呪文や能力のコントローラーである。rule 200.1a 参照。  効果によってパーマネントのコントローラーが変わることはあるが、オーナーが変わることはない(アンティ・カードによって、オーナーが変わることがあり、これが唯一の例外である。rule 217.9〔アンティ〕参照)。  カードがライブラリー、手札、墓地に行く場合、常にそのオーナーの領域にいく。これは、カードが前の領域にあった時に、誰がコントロールしているかによらない。rule 217.1a 参照。 オーラ/Aura  オーラは、エンチャントのサブタイプの一つである。オーラ呪文は、そのエンチャント能力で示される性質を持つ対象を必要とする。オーラ・パーマネントは、その対象となったオブジェクトまたはプレイヤーにつけられた状態で場に出る。rule 212.4〔エンチャント〕、rule 502.45〔エンチャント〕参照。  オーラは、エンチャント能力で指定されたオブジェクトやプレイヤーにだけエンチャントできる。オーラが不正なオブジェクトやプレイヤーにつけられていたり、あるいは何にもつけられていなかったりした場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因効果である。rule 420 参照。 オーラ交換/Aura Swap  オーラ交換は、いくつかのオーラが持つ起動型能力である。「オーラ交換 [コスト]/Aura swap [コスト]」は「[コスト]:あなたはこのパーマネントを、あなたの手札にあるオーラ・カード1枚と入れ替えてもよい。」を意味する。交換のいずれか一方を完了できない場合、能力は何もしない。rule 502.62〔オーラ交換〕参照。 オブジェクト/Object  オブジェクトとは、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、スタック上の能力、スタック上の戦闘ダメージのことを指す。このルールで用いられている場合、そのルールはカード、トークン、呪文、パーマネント、スタック上の能力、スタック上の戦闘ダメージに適用される。rule 200.8 参照。 オラクル/Oracle  カードの文章は、http://gatherer.wizards.com/ にあるギャザラー・カード・データベースで参照できる、オラクル・カード・リファレンスに従って解釈される。rule 200.2 参照。 カード/Card  ルールやカードのテキスト中に「カード」と書いてある場合、それは、表面も裏面も正規のマジックのものであるような、マジックのカードのことを指し示す。トークンはカードではない。トークンを表すのにカードを使っていても、それはルール上はカードとはみなさない。rule 200.1 参照。  カードの正式なテキストについては、オラクルを参照すること。 解決/Resolve  スタックの一番上にある呪文や能力が解決されるとき、そのコントローラーはカードに記されている内容を、書かれている順番で実行する。戦闘ダメージが解決されるとき、ダメージは可能なかぎり、事前に割り当てられたとおりに与えられる。rule 413〔呪文・能力の解決〕参照。 開始フェイズ/Beginning Phase  開始フェイズはターンの最初のフェイズであり、アンタップ、アップキープ、ドローの3つのステップからなる。rule 301〔開始フェイズ〕参照。 回避能力/Evasion Ability  回避能力は、攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーを制限する。それらは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップを変更する常在型能力である。rule 500.3a 参照。 カウンター/Counter(n)  カウンターは、オブジェクトの上に置かれる目印のことを指す。それはそのパーマネントの特性を修整したり、あるいは何らかの効果との相互作用を示したりする。パーマネントの上に+X/+Yカウンターが載っている場合、そのパーマネントのパワーにXを、そのパーマネントのタフネスにYを加算する。これらの修整は、パーマネントのタイプが変更される効果や、パワーやタフネスを変更する効果のほとんどより後で適用される。同様に、-X/-Yカウンターはパワーやタフネスを減算する。同じ名前、あるいは同じ表記で示されるカウンターは相互に交換できる。カウンターがプレイヤーに乗ることもありうる。「毒」カウンターについては、rule 102.3d 参照。  単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。これは状況起因効果である。rule 420.5n 参照。 (訳注:日本語化の都合上、Counter を二つの項目に分けました。原文ではこれと打ち消しは同じ見出しです) 数/Number  マジックのゲームにおいては、整数しか用いない。分数を選んだり、分数点のダメージを与えたり、分数点のライフを得たりすることはできない。呪文や能力が分数を作り出しうるとき、その呪文や能力には切り上げるか切り捨てるか指示されている。rule 104〔数とシンボル〕参照。  ほとんどの場合において、マジックのゲームでは正の数だけを用いる。負の数を選んだり、負のダメージを与えたり、負のライフを得たりすることはできない。しかし、ゲームの状態によって、例えばクリーチャーのパワーが0未満になることはありうる。効果の結果を決めるための計算や比較の際に負の数が必要となった場合、そのまま計算する。そのような計算の結果として負の数が出てきた場合、それがクリーチャーのパワーやタフネス、あるいはプレイヤーのライフ総量を決定するものでない限り、0として扱う。 例:3/4のクリーチャーに-5/-0の修整が加えられた場合、-2/4クリーチャーとなる。このクリーチャーは、戦闘ダメージを与えることはできない。パワーとタフネスの合計は2である。パワーを1にするためには、+3/+0の修整を与える必要がある。 かのように/As though  プレイヤーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをしてもよい、あるいはクリーチャーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをできると書かれている場合、それはその行動にだけ適用される。その行動に関しては、その条件を完全に満たしているかのように扱い、それ以外に関しては通常通り処理する。  2枚のカードがそれぞれ、プレイヤーもしくはクリーチャーが一つのことを違う状況である「かのように」行動してもよい(行動できる)となっていた場合、両方の状況が適用される。もし一方がもう一方の「かのように」の条件を満たしていた場合、両方の効果が適用される。 壁/Wall  壁は、特に意味を持たないただのクリーチャー・タイプである。過去に存在した、クリーチャー・タイプに「壁」と書かれていたクリーチャーの多くには、現在、「防衛」能力を持つように訂正が出されている。クリーチャー・タイプ「壁」を参照している古いカードの多くにも訂正が出されている。それらのカードに関する最新の表記は、オラクルを参照すること。 代わりに/Instead  「代わりに」という語を含んでいる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに」という語を使うことで、どのようなイベントが他のイベントに置き換えられるかを示している。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 外部/Outside the Game  そのオブジェクトがゲーム外にあるか、あるいはゲームのどの領域にも存在しない場合、そのオブジェクトは外部にあると言う。外部は、領域ではない。rule 217.1e 参照。 キーワード行動/Keyword Action  カードのルール・テキストで用いられている表現のほとんどは通常の英語(日本語版では日本語)であるが、いくつかの動詞の意味については詳細な説明がなされていない。それらの「キーワード」はゲームの用語であり、場合によっては注釈文で意味の概要が説明されていることがある。rule 501〔キーワード行動〕参照。 キーワード能力/Keyword Ability  能力の中には、大変多く使われていたり、カード上に説明を書くと場所を取りすぎたりするものがある。これらの能力は、その能力の名前が「キーワード」で書かれている。注釈文としてゲーム上のルールの要約が書かれていることもある。rule 502〔キーワード能力〕参照。 キッカー/Kicker  キッカーはキーワード能力の一種で、コストと効果を持つ。キッカー・コストを支払うことで、呪文が追加の、または代わりの効果を発揮する。rule 502.21〔キッカー〕参照。  「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。呪文のキッカー・コストを支払うかどうかの宣言は、呪文のモードの選択(rule 409.1b 参照)と同時に行ない、コストの支払いは、呪文の残りのコストの支払い(rule 409.1f-h 参照)と同時に行なう。キッカー・コストを払うか払わないかは、いかなる場合でも選択可能である。  キッカーによる効果に対象が含まれている場合、呪文のコントローラーは、そのキッカー・コストを支払うことを宣言した場合のみ、その対象を選択する。rule 409.1d 参照。呪文のコントローラーが、キッカー・コストを支払わないことを宣言した場合、そのキッカー・コストを支払うことで発生する効果の対象は選ばない。 起動型能力/Activated Ability  起動型能力は「起動コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストを払う事により、プレイヤーは優先権を持つときはいつでもその能力をプレイする事ができる。rule 403〔起動型能力〕参照。 起動コスト/Activation Cost  起動型能力の起動コストはすべて「起動コスト:効果」の形で表記され、能力をプレイするためには起動コストを払わなければならない。 例:「{2}, {Tap}:1点のライフを得る」と書かれている能力の起動コストは、任意の色の2マナとそのパーマネントをタップすることである。 基本/基本土地/Basic  「基本」は特殊タイプである。特殊タイプとして基本を持つ土地は基本土地である。特殊タイプとして基本を持たない土地は基本でない土地である。rule 205.4〔特殊タイプ〕参照。 基本でない土地/Nonbasic Land  特殊タイプ「基本」を持たない土地は、基本でない土地である。どの土地が特殊タイプ「基本」を持つかは、オラクルに従う。 基本土地タイプ/Basic Land Type  基本土地タイプには、平地、島、沼、山、森の5つがある。各基本土地はそれぞれ固有のマナ能力を持つ。rule 212.6〔土地〕参照。 キャスティング・コスト/Casting Cost ※廃語  古いカードの中には、「キャスティング・コスト」という単語を用いて、呪文のマナ・コストを表しているものがある。一般に、「キャスティング・コスト」という単語を用いていたカードは、現在ではマナ・コストに書き換えられている。また、「総キャスティング・コスト/total casting cost」という単語を用いていたカードは、現在では点数で見たマナ・コストに書き換えられている。 キャントリップ/Cantrip ※俗語  その効果の一部として「カードを1枚引く」という記述を持つ呪文の通称。 吸収/Absorb 吸収はダメージを軽減する常在型能力である。「吸収 N/Absorb N」は「発生源1つがこのクリーチャーにダメージを与える場合、そのダメージをN点だけ軽減する」を意味する。rule 502.61〔吸収〕参照。 狂喜/Bloodthirst  狂喜は常在型能力である。「狂喜 N/Bloodthirst N」は「このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このパーマネントは+1/+1カウンターがN個置かれた状態で場に出る。」を意味する。rule 502.50〔狂喜〕参照。 共用ライフ/Shared Life Total  多人数戦の「双頭巨人戦」変種ルールにおいて、共用ライフが用いられる。2人チームそれぞれのライフ総量は30点から始まり、ライフ総量が0になったらチームの負けになる。ダメージ、ライフの喪失、ライフの増加などはプレイヤーごとに発生するが、その結果はチームの共用ライフに適用される。何らかの効果のためにプレイヤー1人のライフを必要とする場合、その効果は共用ライフをチームの人数頭割り(切り上げ)にしたものを用いる。rule 606〔変種ルール「双頭巨人戦」〕参照。 クリーチャー/Creature  クリーチャーはタイプの一つである。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない間、クリーチャーをプレイできる。クリーチャー呪文が解決した時、そのコントローラーは、それを自分のコントロール下で場に出す。rule 212.3〔クリーチャー〕参照。 クリーチャー・タイプ/Creature Type  クリーチャーと部族は、同一のサブタイプ群を用いる。  それらのサブタイプは常に一単語であり、「クリーチャー ─ 人間・兵士」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム」のように、長いダッシュの後に列記されている。それらのサブタイプはまたクリーチャー・タイプとも呼ばれる。  「未来予知」セットの時点で用いられているクリーチャー・タイプは以下の通り。 「忌まわしき者(Abomination)」「アドバイザー(Advisor)」「アラジン(Aladdin)」「カモメ(Albatross)」「錬金術師(Alchemist)」「アリ=ババ(Ali-Baba)」「カイロから来たアリ(Ali-from-Cairo)」「アリゲーター(Alligator)」「待ち伏せ部隊(Ambush-Party)」「天使(Angel)」「蟻(Ant)」「アンテロープ(Antelope)」「類人猿(Ape)」「考古学者(Archaeologist)」「射手(Archer)」「執政官(Archon)」「工匠(Artificer)」「アスプ(Asp)」「暗殺者(Assassin)」「組立作業員(Assembly-Worker)」「エイトグ(Atog)」「オーロクス(Aurochs)」「アバター(Avatar)」「報復者(Avenger)」「アナグマ(Badger)」「ボール=ライトニング(Ball-Lightning)」「山賊(Bandit)」「バンシー(Banshee)」「バーバリアン(Barbarian)」「バジリスク(Basilisk)」「コウモリ(Bat)」「熊(Bear)」「ビースト(Beast)」「蜂(Bee)」「ビーブル(Beeble)」「存在(Being)」「狂戦士(Berserker)」「鳥(Bird)」「ちらつき蛾(Blinkmoth)」「猪(Boar)」「ボディガード(Bodyguard)」「運び手(Bringer)」「兄弟団(Brother)」「ブラウニー(Brownie)」「ブラッシュワグ(Brushwagg)」「猛牛(Bull)」「官吏(Bureaucrat)」「カマリッド(Camarid)」「ラクダ(Camel)」「隊商(Caravan)」「カリブー(Caribou)」「肉食動物(Carnivore)」「荷馬車(Carriage)」「キャリアー(Carrier)」「猫(Cat)」「穴居人(Cave-People)」「ケンタウルス(Centaur)」「セファリッド(Cephalid)」「チータ(Cheetah)」「ニワトリ(Chicken)」「子供(Child)」「キマイラ(Chimera)」「市民(Citizen)」「クラムフォーク(Clamfolk)」「クレリック(Cleric)」「コブラ(Cobra)」「コカトリス(Cockatrice)」「治安官(Constable)」「構築物(Construct)」「雌牛(Cow)」「臆病者(Coward)」「カニ(Crab)」「クロコダイル(Crocodile)」「クルセイダー(Crusader)」「サイクロプス(Cyclops)」「ダウスィー(Dauthi)」「デーモン(Demon)」「脱走者(Deserter)」「デザイナー(Designer)」「デビル(Devil)」「むさぼり食う深海魚(Devouring-Deep)」「恐竜(Dinosaur)」「ジン(Djinn)」「犬(Dog)」「ロバ(Donkey)」「ドッペルゲンガー(Doppelganger)」「ドラゴン(Dragon)」「トンボ(Dragonfly)」「ドレイク(Drake)」「ドレッドノート(Dreadnought)」「穴掘り兵長(Drill-Sergeant)」「ドローン(Drone)」「ドルイド(Druid)」「ドライアド(Dryad)」「ドワーフ(Dwarf)」「イーター(Eater)」「長魚(Eel)」「彫像(Effigy)」「イフリート(Efreet)」「卵(Egg)」「エル=ハジャジ(El-Hajjaj)」「エルダー(Elder)」「エレメンタル(Elemental)」「象(Elephant)」「エルフ(Elf)」「エンチャントレス(Enchantress)」「エンティティ(Entity)」「ウミワシ(Erne)」「エッセンス(Essence)」「浄霊者(Exorcist)」「エキスパンション=シンボル(Expansion-Symbol)」「眼(Eye)」「フェアリー(Faerie)」「堕ちたる者(Fallen)」「農夫(Farmer)」「イタチ(Ferret)」「悪鬼(Fiend)」「魚(Fish)」「旗手(Flagbearer)」「狐(Fox)」「カエル(Frog)」「氷獣(Frostbeast)」「ファンガス(Fungus)」「キノコザウルス(Fungusaur)」「ガイアの報復者(Gaea's-Avenger)」「ゲーマー(Gamer)」「ガーゴイル(Gargoyle)」「将軍(General)」「ゴースト(Ghost)」「グール(Ghoul)」「巨人(Giant)」「ノーム(Gnome)」「ヤギ(Goat)」「ゴブリン(Goblin)」「ゴーレム(Golem)」「ゴルゴン(Gorgon)」「墓生まれ(Graveborn)」「グレムリン(Gremlin)」「グリフィン(Griffin)」「ガーディアン(Guardian)」「ガス(Gus)」「漂泊民(Gypsy)」「ハッグ(Hag)」「ハーレクイン(Harlequin)」「ヘリオン(Hellion)」「異端者(Heretic)」「勇士(Hero)」「ヒッパリオン(Hipparion)」「カバ(Hippo)」「ホマリッド(Homarid)」「ホムンクルス(Homunculus)」「スズメバチ(Hornet)」「ホラー(Horror)」「馬(Horse)」「ホースマン(Horseman)」「猟犬(Hound)」「人間(Human)」「ハイドラ(Hydra)」「ハイエナ(Hyena)」「イリュージョン(Illusion)」「インプ(Imp)」「インカーネーション(Incarnation)」「地獄の住人(Infernal-Denizen)」「尋問者(Inquisitor)」「昆虫(Insect)」「島魚(Island-Fish)」「ジャッカル(Jackal)」「クラゲ(Jellyfish)」「巨大戦車(Juggernaut)」「カヴー(Kavu)」「守り手(Keeper)」「ケルプ(Kelp)」「王(King)」「麒麟(Kirin)」「キスキン(Kithkin)」「騎士(Knight)」「コボルド(Kobold)」「コー(Kor)」「クラーケン(Kraken)」「お上品なおば様(Lady-of-Proper-Etiquette)」「ラマスー(Lammasu)」「ヒル(Leech)」「軍団兵(Legionnaire)」「キツネザル(Lemure)」「アブー=ジャーファル(Leper)」「リバイアサン(Leviathan)」「ルアゴイフ(Lhurgoyf)」「リシド(Licid)」「トカゲ(Lizard)」「ロード(Lord)」「ラーカー(Lurker)」「ライカンスロープ(Lycanthrope)」「メイジ(Mage)」「乙女(Maiden)」「マンモス(Mammoth)」「マンティコア(Manticore)」「マリード(Marid)」「マスター(Master)」「メドゥーサ(Medusa)」「傭兵(Mercenary)」「商人(Merchant)」「マーフォーク(Merfolk)」「パントマイム役者(Mime)」「ミニオン(Minion)」「マイナー(Minor)」「ミノタウルス(Minotaur)」「奇跡を起こすもの(Miracle-Worker)」「ミスト(Mist)」「群衆(Mob)」「モールドデーモン(Mold-Demon)」「モンガー(Monger)」「マングース(Mongoose)」「モンク(Monk)」「モンスター(Monster)」「ムーンフォーク(Moonfolk)」「ミイラ(Mummy)」「闇に住まいし者(Murk-Dwellers)」「ミュータント(Mutant)」「マイア(Myr)」「神秘家(Mystic)」「名も無き種族(Nameless-Race)」「イッカク(Narwhal)」「ネフィリム(Nephilim)」「ニアル=シルヴェイン(Niall-Silvain)」「ナイトメア(Nightmare)」「夜魔(Nightstalker)」「忍者(Ninja)」「貴族(Noble)」「ノーマッド(Nomad)」「タコ(Octopus)」「オーガ(Ogre)」「ウーズ(Ooze)」「オーブ(Orb)」「オーク(Orc)」「オーグ(Orgg)」「アウフ(Ouphe)」「雄牛(Ox)」「カキ(Oyster)」「聖騎士(Paladin)」「落下傘兵(Paratrooper)」「平和の番人(Peacekeeper)」「ペガサス(Pegasus)」「ペンギン(Penguin)」「ペンタバイト(Pentavite)」「森の民(People-of-the-Woods)」「邪魔者(Pest)」「幻影(Phantasm)」「フェルダグリフ(Phelddagrif)」「フェニックス(Phoenix)」「豚(Pig)」「長槍兵(Pikemen)」「ピンチャー(Pincher)」「海賊(Pirate)」「ピクシーの女王(Pixie-Queen)」「植物(Plant)」「毒蛇(Poison-Snake)」「ポルターガイスト(Poltergeist)」「ポニー(Pony)」「プリーチャー(Preacher)」「プリースト(Priest)」「プリズム(Prism)」「ピクナイト(Pyknite)」「兎(Rabbit)」「盗賊団(Raider)」「レインジャー(Ranger)」「ネズミ(Rat)」「レベル(Rebel)」「反射(Reflection)」「サイ(Rhino)」「装具工(Rigger)」「強盗(Robber)」「ロック鳥(Roc)」「岩ぞり隊(Rock-Sled)」「ならず者(Rogue)」「賢者(Sage)」「サラマンダー(Salamander)」「侍(Samurai)」「砂漠の民(Sand)」「苗木(Saproling)」「サテュロス(Satyr)」「スカベンジャー(Scavenger)」「蠍(Scorpion)」「スカウト(Scout)」「農奴(Serf)」「海蛇(Serpent)」「シェイド(Shade)」「シャーマン(Shaman)」「多相の戦士(Shapeshifter)」「サメ(Shark)」「羊(Sheep)」「船(Ship)」「シフト(Shyft)」「歌う樹(Singing-Tree)」「修道女(Sister)」「スケルトン(Skeleton)」「スリス(Slith)」「スリヴァー(Sliver)」「ナメクジ(Slug)」「鍛冶屋(Smith)」「蛇(Snake)」「兵士(Soldier)」「サルタリー(Soltari)」「ソーサレス(Sorceress)」「落とし子(Spawn)」「代弁者(Speaker)」「スペクター(Specter)」「スペルシェイパー(Spellshaper)」「スフィンクス(Sphinx)」「蜘蛛(Spider)」「スパイク(Spike)」「スピリット(Spirit)」「スポンジ(Sponge)」「スパズム(Spuzzem)」「スパイ(Spy)」「リス(Squirrel)」「スタングの双子(Stangg-Twin)」「ヒトデ(Starfish)」「ストライダー(Strider)」「生存者(Survivor)」「大群(Swarm)」「戦術家(Tactician)」「ターパン(Tarpan)」「ぬいぐるみ(Teddy)」「テトラバイト(Tetravite)」「史上最強最凶最驚最恐生物(The-Biggest-Baddest-Nastiest-Scariest-Creature-You'll-Ever-See)」「盗賊(Thief)」「飛行機械(Thopter)」「スラル(Thrull)」「虎(Tiger)」「タイタン(Titan)」「ヒキガエル(Toad)」「屍鬼(Tombspawn)」「陸亀(Tortoise)」「タウンズフォーク(Townsfolk)」「追跡者(Tracker)」「ツリーフォーク(Treefolk)」「トロール(Troll)」「海亀(Turtle)」「双子(Twin)」「ユニコーン(Unicorn)」「吸血鬼(Vampire)」「ヴィダルケン(Vedalken)」「ヴィーアシーノ(Viashino)」「悪党(Villain)」「バイパー(Viper)」「ボルバー(Volver)」「禿鷹(Vulture)」「ウェイター(Waiter)」「歩く死体(Walking-Dead)」「壁(Wall)」「戦場の騎手(War-Rider)」「戦士(Warrior)」「ワスプ(Wasp)」「奇魔(Weird)」「鯨(Whale)」「ホイッパーウィル(Whippoorwill)」「ワイト(Wight)」「ウィーティゴ(Wiitigo)」「針金バエ(Wirefly)」「魔女(Witch)」「ウィザード(Wizard)」「狼(Wolf)」「クズリ(Wolverine)」「クズリの群れ(Wolverine-Pack)」「狩人狼(Wolves-of-the-Hunt)」「ウォンバット(Wombat)」「蟲(Worm)」「レイス(Wraith)」「卑劣なる者(Wretched)」「ワーム(Wurm)」「イエティ(Yeti)」「ゾンビ(Zombie)」「ずべら(Zubera)」 「クリーチャー配置」/Deploy Creature Option  多人数戦において、クリーチャーをチームメイトに譲ることが認められる選択ルールが存在する。「クリーチャー配置」選択ルールを用いる場合、各クリーチャーは「{Tap}: チームメイト1人を対象とする。そのプレイヤーはこのクリーチャーのコントロールを得る。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにしかプレイできない。」の能力を持つ。rule 603〔「クリーチャー配置」選択ルール〕参照。 クリンナップ・ステップ/Cleanup  クリンナップは終了フェイズの2つめの、そして最後のステップである。このステップでは、状況起因効果や誘発型能力がない限りは呪文や能力はプレイできない。それらが処理された場合、このステップはもう一度繰り返される。rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照。 警戒/Vigilance  警戒は攻撃宣言ステップにおけるルールを修正する常在型能力である。「警戒」を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない (rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。 軽減効果/Prevention Effect  何かが起こることを軽減する効果は、何も無かった事との置き換えを行なう。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。軽減効果は軽減するべきイベントの前に有効にしなければならない。  呪文や能力の解決によって生成された、ある量のダメージを軽減する効果は「盾」のように働き、ダメージを軽減し終えるかターンの終わりまで活動状態を維持する。ダメージは単一のダメージの発生源からでなくても構わないし、同時にまとめて与えられていなくてもよい。  常在型能力によって生成された軽減効果で、ある量のダメージを軽減するものは、該当する発生源からの表示された量のダメージを何度でも全て表示された量だけ軽減する。 継続型アーティファクト/Continuous Artifact ※廃語  古いカードの中には、カードのタイプの行に「継続型アーティファクト」という用語を用いていたものがあった。「継続型アーティファクト」と書かれていたカードは、現在では単に「アーティファクト」である。 継続的効果/Continuous Effect  継続的効果は、たいていの場合、それに対応する常在型能力を持つパーマネントが場にあるか、またはその効果を発生させているオブジェクトが該当する領域にある限り有効である。呪文や能力によって、パーマネントに依存しない継続的効果が生成されることもあり、それらはその呪文や能力が指定した期間だけ有効である。期間が指定されていない場合、その効果はゲームの最後まで継続する。rule 418〔継続的効果〕参照。 献身/Offering  「献身」はそのカードをプレイできる領域にある間に働く常在型能力である。「献身([文章])/[Text] offering」は「あなたはこのカードを、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも[文章]であるパーマネントを生け贄に捧げることでプレイできる。そうした場合、このカードをプレイするためのコストは生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コスト分だけ減少する」ということを意味する。rule 502.42〔献身〕参照。 権利表記/Legal Text  権利表記(カードの一番下に細かい字で印刷されている)は著作権情報を記載している。ゲーム上は効果を持たない。rule 210〔権利表記〕参照。) ゲーム開始時の手札/Opening Hand  ゲーム開始前、マリガンが終わった時点で、残すことに決めた手札のことをそのプレイヤーのゲーム開始時の手札という。ゲーム開始時の手札を決めたプレイヤーは、もうマリガンを宣言することはできない。 ゲーム外/Removed from the Game  ゲーム外に置かれたカードはプレイの外にある。それをゲーム外に置いた効果に、それを戻す方法が特定されていることがある。そういうオブジェクトの中には「脇に置く」という語を使っている物もある。rule 217.7〔ゲーム外〕参照。 ゲームに勝つ/Win the Game  一方のプレイヤーが勝った時、ゲームは直ちに終了する。rule 102〔勝ちと負け〕参照。 ゲームに負ける/Lose the Game  以下の条件のうち1つを満たしたとき、ゲームの敗北となる。プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座に負けとなる。プレイヤーのライフの合計が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき(状況起因効果として)ゲームに負ける(rule 420〔状況起因効果〕参照)。空のライブラリーからカードを引こうとした場合、次に優先権が発生したときに(状況起因効果として)そのプレイヤーは負けとなる(rule 420〔状況起因効果〕参照)。プレイヤーが10個以上の「毒カウンター」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。プレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーは負けとなる。チームによる多人数戦においては、そのチームのプレイヤー全てが負けとなったときにチームも負けとなる。rule 102〔勝ちと負け〕参照。 ゲームの行動/Game Action  いくつかのステップでは、スタックを使用しない行動を行う。これらの行動がゲームの行動である。ゲームの行動は以下のものである: アンタップ・ステップの始めにフェイズ・インおよびフェイズ・アウトすること(rule 302.1 参照)、アンタップ・ステップの始めにアンタップすること(rule 302.2 参照)、ドロー・ステップの始めにカードを1枚引くこと(rule 303.1 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの始めに攻撃クリーチャーを指定すること(rule 308.1 参照)、ブロック・クリーチャー指定ステップの始めにブロック・クリーチャーを指定すること(rule 309.1 参照)、クリンナップ・ステップの始めにアクティブ・プレイヤーが手札を上限まで減らすように捨てること(rule 314 参照)、クリンナップ・ステップの始めに、パーマネントからダメージを取り除き、「ターン終了時まで/until end of turn」の効果を終了すること(rule 314 参照)。  フェイズの終わりにマナ・バーンすることもゲームの行動である。rule 300.3 参照。 激情/Frenzy  激情は誘発型能力である。「激情 N/Frenzy N」は「このクリーチャーが攻撃してブロックされないたび、それはターン終了時まで+N/+0の修整を受ける。」を意味する。rule 502.66〔激情〕参照。 コインを投げる/Flip a Coin  プレイヤーがコイン投げに勝つか負けるかを見るオブジェクトでコインを投げる場合、影響を受けるプレイヤーがコインを投げ、表か裏かを宣言する。宣言が結果と一致した場合、そのプレイヤはコイン投げに勝ち、そうでなければコイン投げに負ける。コインを投げたプレイヤーだけがコイン投げに勝ったり負けたりするのであり、他のプレイヤーには関係しない。  コインが表になるか裏になるかを見るオブジェクトでコインを投げる場合、影響を受けるプレイヤーがそれぞれコインを投げる。表か裏かを宣言する必要はなく、この種のコイン投げでは勝ちや負けは存在しない。  投げられるコインの表と裏がはっきりしていない場合、どちらが表であるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数が表で偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。 効果/Effect  「能力」と「効果」は、しばしばお互いに混同された。呪文や能力が解決すると、単発的効果ないし継続的効果が一つ以上発生することがある。常在型能力は、継続的効果を一つ以上発生させることがある。置換効果や軽減効果といった種類の効果もある。状況起因効果は呪文や能力によって発生するものではなく、ゲームの特定の状態によって生じる。rule 416〔効果〕参照。 公開情報/Public Information ※俗語  マジックのゲームにおいて、一部の情報は全てのプレイヤーにわかるようになっている。例えば、場に出ているパーマネント、スタック上の呪文や能力、墓地にあるカードなどは公開情報である。プレイヤーのライブラリーや手札の枚数も公開情報であるが、その内容は非公開情報である。非公開情報参照。 公開する/Reveal  カードを公開するとは、そのカードを全てのプレイヤーに見せるということである。これは単発的効果であり、全てのプレイヤーが見た後で、それは元の状態に戻る。呪文や能力をプレイするためのコストとして公開する場合、その宣言された呪文や能力がスタックにある限り公開されつづける。 交換/Exchange  呪文や能力は、2人のプレイヤーに、解決時に(ライフの合計や2つのパーマネントのコントロールなどの)何かを解決時に交換するように指示することがある。その種の呪文や能力の解決時に、その選択されたものが交換できなかった場合、何も効果は発生しない。 例:呪文が2つの対象のクリーチャーのコントロールを交換するように指示していて、その解決時に片方が破壊されていた場合、呪文は何も効果を表わさない。あるいは、2つの対象のクリーチャーのコントロールを交換するように指示していて、その両方を同じプレイヤーがコントロールしているときも効果は発生しない。  2つのパーマネントのコントロールが交換されたとき、それぞれのプレイヤーは同時にそれまで他のプレイヤーがコントロールしていたパーマネントのコントロールを得る。  ライフの合計が交換されたとき、それぞれのプレイヤーはその変化分だけライフを得たり失ったりする。それらの増減に関して、置換効果は影響を及ぼすことがありえるし、誘発型能力が誘発することもありうる。  ある領域に存在するカードを他の領域のカードと交換する場合、そのどちらかがオブジェクトにつけられていたなら、そのカードはそのオブジェクトからはずれ、他方のカードがそのオブジェクトにつけられる。  呪文や能力の中には、ある領域にあるカードを別の領域にあるカードと交換するように指示するものもある(例えば、ゲーム外にあるカードと手札にあるカードを、など)。これらの呪文や能力は、そのコントローラーが同一であっても働くということを除いて、他の「交換」する呪文や能力と同じように働く。  呪文や能力の中には、2つの領域を丸ごと交換するよう指示するものもある。この場合、一方の領域が空であっても、双方の領域にあるカードは交換される。 攻撃/Attack  戦闘フェイズの間に攻撃クリーチャーとして指定されたクリーチャーは攻撃する。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。  呪文や能力をプレイすることは(戦闘フェイズ中でも)攻撃とは考えない。 攻撃強制、ブロック強制/Requirement  攻撃強制とは1体以上のクリーチャーを攻撃に参加させる効果のことであり、ブロック強制とは1体以上のクリーチャーをブロックに参加させる効果のことである。全ての攻撃やブロックは適正でなければならない。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 攻撃クリーチャー/Attacking Creature  クリーチャーが攻撃クリーチャーになるのは、(a)戦闘フェイズ中に指定された、適正な攻撃に含まれており、かつ、(b)(存在するなら)攻撃に必要なコストがすべて支払われた時である。攻撃クリーチャーは、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでは無くなるか、コントローラーが変わるか、または戦闘フェイズが終わるまで攻撃クリーチャーでありつづける。攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。 攻撃クリーチャー指定/Declare Attackers  攻撃クリーチャーの指定とは、アクティブ・プレイヤーが、攻撃に参加するクリーチャーの一群を選び出し、それらが攻撃するのに必要なコストを支払うことである。攻撃に参加できるのはクリーチャーのみである。また、以下のクリーチャーは攻撃できない: タップ状態のクリーチャー(攻撃に参加してもタップしないクリーチャーであっても)、および、アクティブ・プレイヤーがターンの開始時から継続してコントロールしているのではないクリーチャー(速攻を持つものを除く)。他の効果により、あるクリーチャー群が攻撃できるか否かが影響を受けることもある。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 攻撃クリーチャー指定ステップ/Declare Attackers Step  攻撃クリーチャー指定ステップは戦闘フェイズの第2のステップである。アクティブ・プレイヤーはこのステップ中に攻撃クリーチャーを宣言する(あるいは攻撃しないことを選択する)。その後で、アクティブ・プレイヤーは優先権を得、呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。 攻撃してブロックされなかった/Attacks and Isn't Blocked  クリーチャーが「攻撃してブロックされなかった」時に誘発する能力は、クリーチャーが「ブロックされなかった攻撃クリーチャー」になった時点で誘発する。rule 309.2 参照。 攻撃制限、ブロック制限/Restriction  攻撃制限とはクリーチャーを攻撃に参加させない効果のことであり、ブロック制限とはクリーチャーをブロックに参加させない効果のことである。全ての攻撃やブロックは適正でなければならない。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 構築/Constructed  構築環境でのプレイにおいて、各プレイヤーは、最低60枚からなる各自のデッキ、トークンやカウンターを表す小物、および、ライフ総量を明確に記録するための何らかの手段が必要である。構築環境でのデッキには、基本土地カードは何枚入れてもよいが、それ以外は、同一の英語名のカード1種類につき4枚までしか入れることはできない。rule 100.2 参照。 「皇帝戦」/Emperor  「皇帝戦」変種ルールは特殊なルールを用いる多人数戦である。「皇帝戦」は各チーム3人からなる複数のチームによって行なわれる。各チームはテーブルの一辺に並んで席に着く。それぞれのチームごとに、席順を決める。チームの中で1人が皇帝となり、チームの中央に座る。残り2人は将軍と呼ばれ、皇帝を守ることになる。通常のルールに加え、チームは皇帝が敗北したら負けとなる。rule 607〔変種ルール「皇帝戦」〕参照。  「皇帝戦」では通常、以下の選択ルールを用いる。(a) 影響範囲は皇帝が2、将軍が1とする。rule 601〔「影響範囲制限」選択ルール〕参照。(b) 皇帝は「クリーチャー配置」選択ルール(rule 603 参照)を用いる。(c) プレイヤーはその隣に座っている対戦相手にだけ攻撃できる。 刻印/Imprint  刻印は起動型もしくは誘発型能力であり、「刻印 ─ [文章]/Imprint - [文章]」という形で記述される。この[文章]の部分は、起動型もしくは誘発型の能力である。この能力によりゲームから取り除かれたカードがゲーム外にあるかぎり、そのカードはこのパーマネントに刻印されているという。rule 502.34〔刻印〕参照。 刻印されている[タイプ]カード/Imprinted [type] card  「刻印されている[タイプ]カード/imprinted [タイプ] card」とは、現在そのパーマネントに刻印されているそのタイプのカードを意味する。パーマネントにそのタイプのカードが複数刻印されている場合、そのそれぞれが「刻印されている[タイプ]カード」である。rule 502.34〔刻印〕参照。 コスト/Cost  呪文や起動型能力にはコストの支払いが必要である。ほとんどの場合、コストはマナであるが、ライフの支払いやパーマネントのタップ、あるいは生け贄に捧げること、またはカードを捨てることなどが含まれうる。  必要な資源がすべて揃っていないときにコストを支払うことはできない。例えば、1点しかライフがないプレイヤーは2点のライフを支払うことができないし、タップ状態のパーマネントをタップすることをコストにあてることはできない。rule 424〔コスト〕、rule 203〔マナ・コストと色〕、rule 403〔起動型能力〕参照。  呪文や能力の中には、コストを持たないものも存在する。そのようなものについて、存在しないコストを支払うことはできない。 コピー/Copy  オブジェクトの「コピー」とは、そのコピー可能な値が元のオブジェクトの値に設定されたオブジェクトである。rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照。 コピー可能な値/Copiable Value  オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに書かれた値に、他のコピー効果による修整を加え、裏向きの呪文やパーマネントに関する値の設定、さらに「〜として場に出る/Comes into play as」能力によって定められた値を加味した値である。他の(タイプを変更するものも含む)効果やカウンターはコピーされない。rule 503.2、rule 503.3 参照。 個別エンチャント/Local Enchantment ※廃語  古いカードの中には、「個別エンチャント」という語を用いて、場にある間、他のパーマネントにつけられるエンチャントを指すものがあった。これらのカードは現在、オーラというサブタイプを有する。 コレクター番号/Collector Number  カード・セットの中には、コレクター番号が振られているものがある。この情報は、「[カード番号]/[そのセットのカードの総数]」の形式で、権利表記のすぐ後に印刷されている。これらの番号は、ゲームにおいては一切効果を持たない。rule 211〔コレクター番号〕参照。 混成マナ・シンボル/Hybrid Mana Symbol  混成マナ・シンボルは、それぞれ、2色のうちどちらの1色でも支払うことのできるコストを表わしている。{W/U}がコストに含まれている場合、白または青のどちらの色のマナでも支払うことができる。{W/B}は白または黒、{U/B}は青または黒、{U/R}が青または赤、{B/R}は黒または赤、{B/G}は黒または緑、{R/G}は赤または緑、{R/W}は赤または白、{G/W}は緑または白、{G/U}は緑または青のどちらの色のマナでも支払うことができる。混成マナ・シンボルは、その両方の色である。 コントロール、コントローラー/Control/Controller  パーマネントのコントローラーは、そのパーマネントを場に出した呪文や能力に特記されていなければ、それを場に出したプレイヤーである。他の効果によって、後で変更されることもある。  スタックにある呪文や起動型能力のコントローラーは、それをプレイしたプレイヤーである。呪文のコピーのコントローラーは、それをスタックに置いたプレイヤーである。誘発型能力のコントローラーは、その能力の発生源の、誘発時点でのコントローラーである。  場やスタック以外の領域に存在するオブジェクトにはコントローラーは存在しない。コントローラーを持たないオブジェクトのコントローラーを参照する場合には、代わりにそのオーナーを用いる。 サイクリング/Cycling  サイクリングは起動型能力であり、サイクリングを持ったカードがプレイヤーの手札にある間にのみ機能する。「サイクリング [コスト]」とは、「[コスト], このカードを捨てる:カードを1枚引く」ということを意味する。rule 502.18〔サイクリング〕参照。 最後の情報/Last Known Information  オブジェクトの最後の情報とは、それが以前に存在した領域を離れる直前での情報である。ある特定のオブジェクトの情報を必要とした時にそのオブジェクトがもとあった領域に存在しない場合、効果は処理のために最後の情報を用いる。rule 413.2f 参照。(なお、ダメージを分配する類の効果では、タイミングが異なる。) 再生/Regenerate  再生は、破壊に対する置換効果である。「[パーマネント]を再生する/Regenerate [パーマネント]」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される場合、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」という意味である。これは置換効果なので、実際の破壊イベントが起こるより前に有効にしておく必要がある。そのパーマネントが再生したとしても、ダメージによる誘発型能力は誘発する。rule 419.6b 参照。 探す/Search  例えば特定のタイプ、色などの何らかの条件を満たすカードを、すべてのプレイヤーには公開されていない領域から探す必要がある場合、存在しても見つける必要はないが、見つけたとする場合には、そのカードを公開しなければならない。もしカードを見つけなくても、その領域は探したものとみなされる。しかしながら、「任意のカード/any card」を探す場合には、可能ならばカードを見つけなければならない。「カード1枚」「カード3枚」など、単にある数のカードを探す場合、(可能なかぎり)その枚数のカードを見つけなければならない。このカードは公開する必要はない。 例:何らかの効果により、あるプレイヤーのライブラリーからある種類のカードを全て取り出し、ゲームから取り除く、と言う場合には、その一部を残すことができる。しかし、その効果がライブラリーから3枚を探すという場合、ライブラリーに3枚以上のカードがあるなら、2枚以下を選ぶことはできない。 サブゲーム/Subgame  ある種のカードは、プレイヤーにマジックのサブゲームをプレイさせる。「サブゲーム」とはカードの効果によって作られたゲームのことを指す。rule 506〔サブゲーム〕参照。 サブタイプ/Subtype  カードは、タイプ行に記された、1つまたは複数のサブタイプを持つことがある。サブタイプは常に一単語であり、長いダッシュの後に列記された単語群であり、それぞれの単語は別々のサブタイプである。 (訳注:日本語版では、それぞれのサブタイプの間に中黒(・)が入っている)  アーティファクト、エンチャント、土地はそれぞれ固有のサブタイプ群を持つ。インスタントとソーサリーはサブタイプ群を共有し、それらを総称して「呪文タイプ」と呼ぶ。クリーチャーと部族はサブタイプ群を共有し、それらを総称して「クリーチャー・タイプ」と呼ぶ。オブジェクトは複数のサブタイプを持つことがあり得る。  カードに複数のタイプと複数のサブタイプがある場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプのサブタイプとして関連づけられる。  rule 205.3〔サブタイプ〕、rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。 「左翼への攻撃」/Attack Left Option  多人数戦で用いる選択ルールの1つに、「左翼への攻撃」がある。「左翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはその左隣に座っている対戦相手にしか攻撃できない。左隣が対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。rule 604〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕参照。 シールド・デッキ/Sealed Deck  シールド・デッキ戦やドラフト戦においては、デッキには最低40枚のカードがあればよく、持っているかぎり何枚でも同名のカードをデッキに入れることができる。この場合も、トークンやカウンターを表す小さな道具は必要であり、またライフの合計を記す手段も必要である。rule 100.3 参照。 しないかぎり/Unless  カードの中には「○○しないかぎり、××する/do [××] unless [○○]」と書かれているものがある。これは「○○してもよい。そうしない場合、××する」というのと同じ意味である。 支払う/Pay  ほとんどの呪文や起動型能力をプレイするには、コストを支払う必要がある。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。また、攻撃クリーチャーの指定(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)、ブロック・クリーチャーの指定(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)の際にも、コストを支払う必要があることがある。  マナの支払いは、そのプレイヤーのマナ・プールからその必要なだけのマナを除くことで支払うことができる。マナの支払いが求められた時には、いつでもマナ能力をプレイすることができる。実際に支払いはじめる前に、マナ能力をプレイしてある必要がある。ライフを支払うとは、その必要なだけのライフをプレイヤーのライフ総量から減らすことである。プレイヤーはその時に持っている分を超えてマナやライフを支払うことはできない。コストが0マナあるいは0点のライフであれば、ライフがマイナスであったとしても、常に支払うことができる。支払うことのできないコストは、支払うことができない。  それ以外のあらゆるコストを支払う場合、その呪文、能力、効果に指定されている内容を実行する。その内容を実行できない場合、そのコストを支払うことはできない。例えば、クリーチャーが既にタップ状態のときには、そのクリーチャーをタップすることを求めるコストは支払うことができない。  それぞれの支払いは、それぞれ一つの呪文か能力にしか適用できない。例えば、一つのクリーチャーを生け贄に捧げることで二つのパーマネントの持つ、それぞれクリーチャーを生け贄に捧げることをコストとして求める起動型能力を起動することはできない。呪文や能力の解決によって、たとえ他の呪文や能力のコストとして要求されているのと同じことをしたとしても、そのコストを支払ったことにはならない。 島/Island  「島」は、5種類の基本土地タイプのうちの1つである。土地タイプとして島を持つ土地は、「{Tap}: あなたのマナ・プールに{U}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 島サイクリング/Islandcycling  タイプ・サイクリング参照。 島渡り/Islandwalk  土地渡り参照。 シャッフル/Shuffle  デッキ、ライブラリー、束を無作為に並べ替えることをシャッフルするという。自分のデッキ、ライブラリー、束をシャッフルした後には、対戦相手にシャッフルまたはカットの権利がある。rule 101.1 参照。 シャドー/Shadow  シャドーは回避能力の一つである。シャドーを持つ攻撃クリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーによってブロックされず、シャドーを持たない攻撃クリーチャーはシャドーを持つクリーチャーによってブロックされない。rule 502.8〔シャドー〕参照。 終了フェイズ/End Phase  終了フェイズは、ターンの5つ目の、そして最後のフェイズであり、ターン終了とクリンナップの2つのステップに細分化される。rule 312〔終了フェイズ〕参照。 種類別/Layer  継続的効果は、以下の種類順に適用される。(1)コピー効果(rule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)、(2)コントロール変更効果、(3)文章変更効果、(4)タイプ(および特殊タイプ、サブタイプ)変更効果、(5)一般の継続的効果、(6)パワーやタフネスを変更する継続的効果。第6種に分類される効果は、さらに細分化された種類細別ごとに順番に適用される。rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照。 瞬速/Flash  瞬速は、その能力を持つカードをプレイすることのできるあらゆる領域で機能する常在型能力である。「瞬速/Flash」は、「あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。」ということを意味する。rule 502.57〔瞬速〕参照。 召喚/Summon ※廃語  古いクリーチャー・カードは、カード・タイプが「[クリーチャー・タイプ]の召喚/Summon [クリーチャー・タイプ]」と書かれていた。「[クリーチャー・タイプ]の召喚」というカードは、すべて「クリーチャー - [クリーチャー・タイプ]」と読みかえる。 召喚酔い/Summoning Sickness ※俗語  「召喚酔い」という語は、あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーのコントロール下に入ったクリーチャーが攻撃することもコストにタップを含む起動型能力を使うこともできない、という制限を示す、非公式な語である。rule 212.3d および速攻参照。 将軍/General  多人数戦の、「皇帝戦」変種ルールにおいてチームの中央に座るのが「皇帝」であり、それ以外のプレイヤーは「将軍」である。rule 607〔変種ルール「皇帝戦」〕参照。 消散/Fading  「消散」は、2つの能力を表わすキーワード能力である。「消散 N/Fading N」は、「このパーマネントは、その上にN個の消散カウンターが置かれた状態で場に出る。」および「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントから消散カウンターを1つ取り除く。消散カウンターを取り除けない場合、このパーマネントを生け贄に捧げる」という意味である。rule 502.20〔消散〕、カウンター参照。 消失/Vanishing  「消失」は、3つの能力を表すキーワードである。「消失 N/Vanishing N」は、「このパーマネントは、N個の時間カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。rule 502.60〔消失〕参照。 召集/Convoke  「召集」は、呪文がスタック上にある間に働く常在型能力である。「召集/Convoke」は、「この呪文をプレイするための追加コストとして、あなたはあなたのコントロールするアンタップ状態のクリーチャーを好きな数だけタップしてよい。この方法でタップされたクリーチャー1体につき、この呪文をプレイするためのコストは{1}あるいはそのクリーチャーの色に含まれるいずれかの色マナ1点だけ少なくなる」を意味する。召集能力を使うことは、rule 409.1b および rule 409.1f〜h にある追加コストのルールに従う。rule 502.46〔召集〕参照。 消術/Fateseal  「消術Nを行なう/fateseal N」とは、対戦相手のライブラリーの上からN枚のカードを見、その中から好きな枚数をそのライブラリーの下に、残りをそのライブラリーの上にそれぞれ好きな順番で置くことである。rule 501.9〔消術を行なう〕参照。 親和/Affinity  「親和」は、呪文がスタックの上にあるときに働く常在型能力である。「親和(テキスト)/Affinity for [テキスト]」は、「この呪文をプレイするためのコストは、あなたがコントロールする[テキスト]1つにつき{1}少なくなる。」を意味する。親和能力は呪文のために支払う汎用マナ・コストのみを減らすだけであり、色マナを減らすことはできない。rule 502.31〔親和〕参照。 実存/Substance  「実存」は、効果を持たない常在型能力である。短時間だけ残る類いの古いカードを処理するために訂正が出され、実存能力が与えられている。 術者/Caster ※廃語  古いカードの中には、「術者」という単語を用いて、呪文をプレイしたプレイヤーを表しているものがある。一般に、「術者」という単語を用いていたカードは、現在ではそのオブジェクトの「コントローラー」という単語を用いる。 呪文/Spell  土地以外のカードは、それがスタックに置かれれてから打ち消されるか解決されるなどでスタックを離れるまでの間、呪文と呼ばれる。カードによって表されてはいないが、呪文のコピーもまた呪文である。rule 213〔呪文〕、rule 401〔スタック上の呪文〕参照。 呪文タイプ/Spell Type  インスタントとソーサリーはサブタイプ群を共有している。それらのサブタイプは常に一単語であり、「インスタント ─ 秘儀」のように、長いダッシュの後に列記されている。  「未来予知」セットの時点で用いられているソーサリー・タイプは以下の通り。 「秘儀(Arcane)」 順番/Order  ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果によらずに変更することはできない。他の領域にあるオブジェクトは、オーナーの望むとおりに並び替えることができる。ただし、コントローラーが誰か、タップしているかどうか、オーラや装備品の状態はどうかということは全てのプレイヤーに明白にわからなければならない。rule 217.1b 参照。 状況起因効果/State-Based Effects  状況起因効果は、ゲームの特定の状態を常にチェックしている。プレイヤーが優先権を得る時はいつでも状況起因効果をチェックし、そしてそれが適用される。rule 420〔状況起因効果〕参照。 城砦/Fortification  アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦は土地につけることができる。土地でないオブジェクトにつけることはできない。城砦は、他のアーティファクトと同様にプレイされ、場に出る。通常、城砦が土地につけられた状態で場に出ることはない。「城砦化/Fortify」のキーワード能力で、城砦をあなたがコントロールしている土地の上に動かすことになる(rule 502.65〔城砦化〕参照)。城砦がつけられている土地は「城砦化している」という。城砦は、その土地につけられている(あるいは「その土地を城砦化している」)。  城砦がクリーチャーである場合、あるいは「城砦」というサブタイプを失った場合、城砦化することはできない。城砦は自分自身を城砦化できない。不正あるいは存在しないパーマネントを城砦化している城砦は、そのパーマネントから外れるが、場に残ったままである(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 城砦化/Fortify  城砦化は起動型能力である。「城砦化 [コスト]/Fortify [コスト]」は「[コスト]:あなたがコントロールしている土地1つを対象とし、この城砦をつける。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。rule 502.65〔城砦化〕、rule 212.2〔アーティファクト〕参照。 常在型能力/Static Ability  常在型能力は、ある特定の時にプレイされるのではなく、常に何かをしている。常在型能力は、その能力を持つパーマネントが場に残っているか、その能力を持つオブジェクトが該当する領域に残っている限り有効な継続的効果を生成する。rule 412〔常在型能力の処理〕参照。 状態誘発型能力/State Triggers  状態誘発型能力は、イベントではなくゲームの状態をチェックし、ある条件を満たしたときに即座に誘発する誘発型能力である。一度誘発したら、その能力が解決されるか打ち消されるなどでスタックから取り除かれるまではもう一度誘発することはない。rule 410.11 参照。 スタック/Stack  呪文や能力は、プレイされた時点、あるいはスタックに置かれた時点で、スタックの一番上に積まれる。戦闘ダメージの割り当ても、1つのオブジェクトであるかのように、スタックの一番上に積まれる。双方のプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の呪文、能力、あるいは戦闘ダメージが解決され、そしてアクティブ・プレイヤーが再び優先権を得る。rule 217.6〔スタック〕、rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕参照。 ステップ/Step  フェイズの中には、ステップに細分化されるものがある。rule 3〔ターン進行〕参照。 捨てる/Discard  プレイヤーが、その手札からカードをその墓地に置くことをカードを捨てるという。通常、どのカードを捨てるかはその影響を受けるプレイヤーが選ぶ。しかし、効果によっては、無作為に捨てるよう要求されたり、捨てるカードを他のプレイヤーが選べたりすることがある。 ストーム/Storm  ストームは、スタックにある間に機能する誘発型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。rule 502.30〔ストーム〕参照。 スレッショルド/Threshold  スレッショルドは、以前はキーワード能力であったが、今は能力語であり、ルール上の意味は存在しない。スレッショルドのキーワード能力を持っていたカードについては、訂正が出されている。オラクルを参照のこと。 生息条件(島)/Islandhome ※廃語  古いカードの中には、「生息条件(島)/islandhome」という用語が書かれているものがあった。この用語は、「このクリーチャーは、防御プレイヤーが島をコントロールしていない限り攻撃できない」こと、および「あなたが島をコントロールしていない時、このクリーチャーを生け贄に捧げる」ことを意味する。従来、生息条件(島)を持っていたカードには、現在、このキーワードを用いずに、単にこれら2つの生息条件(島)の能力が書かれている。 接死/Deathtough  接死は誘発型能力である。「接死/Deathtouch」は「このクリーチャーがいずれかのクリーチャーにダメージを与えるたび、そのクリーチャーを破壊する。」を意味する。1つのパーマネントに複数の接死能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。rule 502.63〔接死〕参照。 接合/Modular  接合というキーワードは、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「接合 N/Modular N」は、「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターを置いた状態で場に出る。」と「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」を意味する。rule 502.35〔接合〕参照。 刹那/Split Second  刹那は、刹那を持つ呪文がスタック上にある間にのみ機能する常在型能力である。「刹那/Split second」は「この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文やマナ能力でない起動型能力をプレイできない。」ということを意味する。rule 502.58〔刹那〕参照。 占術/Scry  「占術 N/Scry N」は、「あなたのライブラリーの一番上からN枚のカードを見る。それらのうち望む枚数のカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。」を意味する。rule 501.8〔占術を行なう〕参照。 先制攻撃/First Strike  先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。戦闘ダメージ・ステップの始めに、1体以上の攻撃クリーチャーないしブロック・クリーチャーが、先制攻撃または二段攻撃(rule 502.28 参照)を持っている場合、先制攻撃も二段攻撃も持たないクリーチャーは戦闘ダメージの割り振りを行わない。戦闘終了の前に、戦闘フェイズ中で2回目の戦闘ダメージ・ステップを行い、残りのクリーチャーについて処理を行なう。rule 502.2〔先制攻撃〕参照。 戦闘開始ステップ/Beginning of Combat Step  戦闘開始ステップは、戦闘フェイズの最初のステップである。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 307〔戦闘開始ステップ〕参照。 戦闘から取り除かれる/Removed from Combat  攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーは、(破壊されたりゲームから取り除かれたりで)場を離れたり、再生したり(rule 419.6b 参照)、コントローラーが変わったり、クリーチャーでなくなったり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれた場合に、戦闘から取り除かれる。  クリーチャーが戦闘から取り除かれた場合、それらは攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーではなくなり、ダメージを割り振ったり割り振られたりはしなくなる。既にスタックに積まれている戦闘ダメージは通常通り適用される。rule 306.2 および rule 310.4a 参照。 戦闘後/Postcombat  第2メイン・フェイズは、「戦闘後」メイン・フェイズと呼ばれる。追加の戦闘フェイズを与えるような効果が発生した場合、その追加のものも戦闘後メイン・フェイズである。rule 305〔メイン・フェイズ〕参照。 戦闘終了ステップ/End of Combat Step  戦闘終了ステップは戦闘フェイズの第5のステップである。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 311〔戦闘終了ステップ〕参照。 戦闘前/Precombat  第1メイン・フェイズは、「戦闘前」メイン・フェイズと呼ばれる。 戦闘ダメージ/Combat Damage  戦闘ダメージは戦闘フェイズの戦闘ダメージ・ステップに攻撃クリーチャー及びブロック・クリーチャーによって与えられる。呪文や能力によって戦闘フェイズ中に与えられたダメージは戦闘ダメージに含まれない。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。 戦闘ダメージ・ステップ/Combat Damage Step  戦闘ダメージ・ステップは、戦闘フェイズの第4のステップである。攻撃クリーチャーとブロック・クリーチャーは、戦闘ダメージ・ステップにおいて同時にダメージを与える。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。いずれかの攻撃クリーチャーないしブロック・クリーチャーが、先制攻撃(rule 502.2 参照)か二段攻撃(rule 502.28 参照)を持つ場合、戦闘ダメージ・ステップは2回発生する。 戦闘ダメージの割り振り/Assign Combat Damage  戦闘ダメージ・ステップが始まる際に、アクティブ・プレイヤー(あるいはアクティブ・チーム)は、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言する。それから、防御プレイヤー(防御チーム)は、ブロック・クリーチャーの戦闘ダメージをどのように割り振るかを宣言する。戦闘ダメージの割り振りは、すべて一まとめにしてスタックに乗せられる。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。 戦闘フェイズ/Combat Phase  戦闘フェイズは戦闘開始、攻撃クリーチャー指定、ブロック・クリーチャー指定、戦闘ダメージ、戦闘終了の5つのステップからなる、ターンの3番目のフェイズである。rule 306-rule 311 参照。 全体エンチャント/Global Enchantment ※廃語  古いカードの中には、「全体エンチャント」という語を用いて、オーラでないエンチャントを指すものがあった。オーラ、エンチャント 参照。 ソーサリー/Sorcery  ソーサリーはタイプである。アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズ中でスタックに何も積まれていない間、ソーサリーをプレイする事ができる。ソーサリー呪文は、解決の一部としてそのオーナーの墓地に置かれる。ソーサリーのサブタイプは、呪文タイプと呼ばれる。rule 212.7〔ソーサリー〕参照。 総キャスティング・コスト/Total Casting Cost ※廃語  古いカードの中には、「総キャスティング・コスト」という用語を用いて、呪文の点数で見たマナ・コストを指しているものがあった。一般に、「総キャスティング・コスト」という用語を使っていたカードは、現在では点数で見たマナ・コストという用語を使っている。 総コスト/Total Cost  呪文や起動型能力の総コストとは、マナ・コスト(または起動コスト、代替コスト)に、コストを増減させる全ての効果を考慮したものである。rule 409.1f 参照。 双呪/Entwine  「双呪」は、呪文がスタックにある間に働く常在型能力である。「双呪 [コスト]/Entwine [コスト]」は、「あなたは、この呪文のモードを一つだけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは[コスト]を追加で支払う。」を意味する。双呪コストを支払った場合には、その呪文の解決時に、カードに書かれたテキストの順番に従って各モードを解決する。rule 502.32〔双呪〕参照。 「双頭巨人戦」/Two-Headed Giant  「双頭巨人戦」変種ルールには2つの特徴がある。ライフ合計はチームごとに共有され、30点から始まる。また、プレイヤー単位でなく、チーム単位でターンが進行する。各チームのクリーチャーは、プレイヤーでなく、チームを攻撃する。チームのターンがどのように進行するかなどのルールは、rule 606〔変種ルール「双頭巨人戦」〕参照。 装備/Equip  「装備」は起動型能力である。「装備 [コスト]/Equip [コスト]」は、「[コスト]:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、この装備品をそれにつける。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。rule 502.33〔装備〕、rule 212.2〔アーティファクト〕参照。 装備品/Equipment  アーティファクトの中には、「装備品」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつける(「装備される」)ことができる。クリーチャーでないオブジェクトに装備されることはできない。装備品は、他のアーティファクトと同様にプレイされ、場に出る。装備品がクリーチャーにつけられた状態で場に出ることはない。「装備」のキーワード能力で、装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーの上に動かすことになる(rule 502.33〔装備〕参照)。クリーチャーは装備品を「装備し」、装備品はクリーチャーにつけられる、あるいは「装備される」。  装備品がクリーチャーである場合、クリーチャーに装備することはできない。「装備品」というサブタイプを失った装備品は、クリーチャーを装備することはできない。装備品は自分自身を装備することはできない。不正あるいは存在しないパーマネントを装備している装備品は、そのパーマネントからはずれるが、場に残ったままである(これは状況起因効果である。rule 420 参照)。 側面攻撃/Flanking  側面攻撃は、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。「側面攻撃/Flanking」とは、「このクリーチャーが、側面攻撃を持たないクリーチャーによってブロックされた場合、そのブロック・クリーチャーはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける」という意味である。rule 502.3〔側面攻撃〕参照。 速攻/Haste  通常、クリーチャーは、あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーのコントロール下に入った場合、攻撃することもコストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使うこともできない。速攻は、そのルールを無視させることのできる常在型能力である。rule 502.5〔速攻〕参照。 増幅/Amplify  増幅は、場に出るに際してのルールを変更する常在型能力である。「増幅 N/Amplify N」は、「このオブジェクトが場に出るに際し、あなたの手札にあるそのオブジェクトと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このオブジェクトは、これにより公開されたカード1枚につきN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このカード自身や、このカードと同時に場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。rule 502.27〔増幅〕参照。 ターン終了ステップ/End of Turn Step  これは、終了フェイズの最初のステップである。プレイヤーは、このステップの間で優先権を持っているときには呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 313〔ターン終了ステップ〕参照。 ターンの終了/Ending the Turn 1枚のカード(《時間停止/Time Stop》)は、解決時にターンを終了する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。スタック上のすべてのオブジェクトをゲームから取り除く。攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーがいるなら、それを戦闘から取り除く。状況起因効果をチェックする。現在のフェイズ/ステップが終了する。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行する。rule 509〔ターンの終了〕参照。 ターンマーカー/Turn Marker  「大乱闘戦」変種ルールは、複数のプレイヤーが同時にターンを進めることを認めている。現在のターンを進めているのが誰かわかるように、ターンマーカーを用いる。ターンマーカーを持つプレイヤーがそれぞれアクティブ・プレイヤーとなる。rule 608〔変種ルール「大乱闘戦」〕参照。 対応する/Respond/Response ※俗語  プレイヤーは、何かがスタックに積まれているときに、それが解決されるのを待たずにインスタントや起動型能力をプレイすることができる。そうしてプレイされた呪文や能力を、その前の呪文や能力に「対応して」プレイされた、という。rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照。 待機/Suspend  待機は三つの能力を表すキーワードである。第一は、待機を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二と第三は、ゲーム外領域で機能する誘発型能力である。「待機 N―[コスト]/Suspend N - [cost]」は「あなたがこのカードを手札からプレイできる場合、あなたは[コスト]を支払ってこのカードをゲームから取り除き、その上にN個の時間カウンターを置いてもよい。この行動はスタックを使わない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それがゲーム外にある場合、可能ならそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。そうできない場合、それはゲーム外に残る。これによりそれをプレイして、なおかつそれがクリーチャーである場合、それはあなたがその呪文またはパーマネントのコントロールを失うまで速攻を持つ。」ということを意味する。待機能力の効果により呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストの支払いのルールに従う。rule 502.59〔待機〕参照。 待機状態/Suspended  あるカードは、それがゲーム外領域にあり、待機を持ち、その上に時間カウンターが置かれている場合、待機状態である。 対象/Target  呪文や能力に、オブジェクト、プレイヤー、領域を指し示す「対象」という語が存在した場合(日本語版では「[何か]を対象とする」と書かれていた場合)、呪文や能力のコントローラーはその条件にふさわしい何かを選ぶ。単純に「土地1つを対象とする」というようなこともあれば、「あなたの対戦相手の一人がコントロールしているタップ状態のクリーチャー1体を対象とする」といったような、より複雑な場合もある。呪文や能力の対象の選択は、その呪文や能力をプレイするときに行なう。rule 415〔対象をとる呪文や能力〕参照。  インスタントやソーサリーは、「[何か]を対象とする/target [何か]」という記述が文章中にある場合に対象をとる。ここで「何か」とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現である(インスタントやソーサリーの起動型能力や誘発型能力が「対象」の語を使っていても、それらの能力が対象をとるだけで、その呪文は対象をとらない)。  起動型能力や誘発型能力は、「[何か]を対象とする/target [何か]」という記述が文章中にある場合に対象をとる。ここで「何か」とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現である。  オーラ呪文は、エンチャント能力によって限定される、エンチャントしようとするオブジェクトやプレイヤーを必ず対象にする(rule 415.3 参照)。オーラ・パーマネントは何も対象を取らない。  装備品呪文や装備品パーマネント、城砦呪文や城砦パーマネントは対象を取らない。(rule 415.3 参照)。装備品や城砦が、対象を取る能力を持つことがある。  スタック上にある呪文や能力は、自分自身を対象にできない。  同じオブジェクト、プレイヤー、領域を複数回対象にする呪文は、「単一の対象を取る呪文」ではない。 対象の変更/Change a Target  呪文や能力の対象を変える場合には、元の対象とは別の、適切な対象に変えることしかできない。対象を、別の適切な対象に変えることができない場合、対象は元のまま変わらない。呪文や能力の対象を変えても、そのモードを変えることはできない。呪文や能力の対象を変えることができるのは、何らかの効果によってその対象を変えるよう指示された場合のみである。rule 415.7〔対象の変更〕参照。 対戦相手/Opponent  2人対戦では、プレイヤーの対戦相手とは、他のプレイヤーのことである。多人数戦では、複数の対戦相手が存在する。rule 6〔多人数戦ルール〕参照。 タイプ/Type  タイプという語には2つの意味がある。  1)「カードのタイプ(存在するならサブタイプや特殊タイプも)」であり、これはカードの絵のすぐ下、タイプ行に記されている。カード、トークン、パーマネントは全てタイプを持つ。能力にはタイプは存在しない。rule 205〔タイプ行〕、rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。何らかの効果によってオブジェクトのタイプが変更される場合、新しいタイプは以前のタイプを全て上書きする。追加する場合、あるいは以前のタイプを残すと書かれている場合は、元のタイプはそのまま残る。rule 212.1c 参照。  2)マナのタイプとは、その色(または色を持たないこと)である。マナ参照。 タイプ行/Type Line  カードのタイプ(存在する場合、サブタイプや特殊タイプも)は、絵のすぐ下に印刷されている。rule 205〔タイプ行〕、rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。 タイプ・サイクリング/Typecycling  タイプ・サイクリングは総称であり、カードのルール・テキストでは特定のサブタイプを用いて「平地サイクリング/plainscycling」などと書かれる。タイプ・サイクリングは起動型能力である。「平地サイクリング [コスト]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから平地カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。rule 502.18〔サイクリング〕参照。 タイプ変更効果/Type-Changing Effect  タイプ変更効果とは、オブジェクトのタイプを変更する効果である。これはタイプ変更能力によって生成される。rule 418.5a 参照。 タイムスタンプ順/Timestamp Order  オブジェクトのタイムスタンプ順は、三つの例外を除いて、その現在ある領域に入った時である。例外とは、(1)複数のオブジェクトが同じ領域に同時に入った場合、その領域に入るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。但し、オーラはそれがエンチャントしているパーマネントよりも新しいタイムスタンプを持たなければならない。(2)オーラ、装備品、城砦がオブジェクトについたときに、そのオーラ、装備品、城砦は新しいタイムスタンプを得る。(3)フェイズ・インしてきたパーマネントは、フェイズ・アウトしたときのタイムスタンプを維持する。rule 418.5e 、および依存する参照。  常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したオブジェクトと同じタイムスタンプを有する。呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、生み出された時のタイムスタンプを得る。 多色/Multicolored  多色のカードは、複数の色を持っており、ほとんどの場合、ひと目で識別できるように金色の枠になっている。rule 203.2 参照。  多色のオブジェクトは、そのうちの一つの色に影響を及ぼすものの影響を受ける。例えば、黒緑のクリーチャーは「緑のクリーチャーを全て破壊する」という呪文によって破壊される。ある特定の色に影響を及ぼさないものは、その色を含む多色のオブジェクトにも影響を及ぼさない。例えば、前述のクリーチャーは「黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」呪文や能力の対象にはならない。 立ち消え/Fizzle ※俗語  「立ち消え」は俗語であり、呪文や能力が、その対象がすべて、消えたり不正になったりしたために、解決時に打ち消されることを指す。rule 413.2a 参照。 タップ/Tap  パーマネントをタップするとは、カードを横向きに倒すことである。起動コストに書かれているタップ・シンボル(このルール中では{Tap}で記されている)は「このパーマネントをタップする」を意味する。すでにタップ状態のパーマネントは、コストとして再びタップすることはできない。プレイヤーが最も最近のターンの開始時から続けてコントロールしているわけではないクリーチャーの、コストに{Tap}を含む能力をプレイすることはできない。rule 104.4 参照。 タップ状態/Tapped  横向きになっているパーマネントはタップ状態であり、それが既に使われたということを意味する。パーマネントは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップする。位相、タップ、アンタップ、アンタップ状態参照。 盾/Shield  置換、軽減効果は、それが影響するモノに「盾」のように働く。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 多人数戦/Multiplayer  多人数戦とは、3人以上のプレイヤーによって行なわれるゲームのことである。2人だけで行なうゲームは多人数戦ではない。rule 6〔多人数戦ルール〕参照。 束/Pile  オブジェクトを複数の束に分ける場合、それらのオブジェクトは元の領域にあるままである。墓地にあるカードを分ける場合、その元の順番は守られなければならない。束は0個のオブジェクトからなっていてもよい。 タフネス/Toughness  クリーチャー・カードの右下隅に記されている、スラッシュの後の数字をタフネスという。rule 208〔パワー/タフネス〕参照。  クリーチャーのタフネス以上(で1点以上)のダメージが与えられたクリーチャーは致死ダメージを受け、次にプレイヤーが優先権を得るときに破壊される。これは状況起因効果である。  一部のクリーチャー・カードでは、タフネスが数字でなく「*」で表わされているものもある。これは、そのクリーチャーはタフネスを何らかの条件で定める特性定義能力を持っているということを示している。この能力は、どの領域にあるときでも有効である。  クリーチャーでないパーマネントは、(オーラになっているリシドのように)そのカードにタフネスの数字が印刷されていても、タフネスを持たない。 探査/Delve  探査は、それを持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「探査/Delve」は「この呪文をプレイする際の追加コストとして、あなたはあなたの墓地にあるカードを望む枚数だけゲームから取り除いてもよい。これにより取り除かれたカード1枚につき、この呪文をプレイするためのコストは{1}少なくなる。」という意味である。探査能力の使用は、409.1bや409.1f-hの追加コストの支払いのルールに従う。rule 502.64〔探査〕参照。 単色/Monocolored  単色のカードは、1つだけの色を持つ。無色のカードは単色ではない。 単独で攻撃/Attack Alone  クリーチャーが、ある戦闘フェイズにおいて唯一の攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーは単独で攻撃していると言う。rule 306.4 参照。 単独でブロック/Block Alone  クリーチャーが、ある戦闘フェイズにおいてその防御プレイヤー唯一のブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーは単独でブロックしていると言う。rule 306.4 参照。 単発型アーティファクト/Mono Artifact ※廃語  古いカードには、「単発型アーティファクト」というタイプ行を持つものがある。これらは、タップ・シンボルを持つアーティファクトであった。単発型アーティファクト・カードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。 単発的効果/One-Shot Effect  単発的効果は、一度だけ何かをして、すぐに終わる。rule 417〔単発的効果〕参照。継続的効果参照。 代替コスト/Alternative Cost  呪文の中には、テキストに「あなたは[オブジェクト]をプレイするために、マナ・コストを払わずに[行動]することができる」と書かれていたり、「[このオブジェクト]はマナ・コストを払わずにプレイしてもよい」という一節が含まれていたりするものがある。これらを代替コストと言う。呪文のマナ・コストが何であるかを参照する他の呪文や能力は、コストに加えられた変更を考慮せず、実際のマナ・コストを参照する。何らかの効果が呪文をプレイするために追加のコストを要求してきた場合、代替コストにそれを追加する。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。 「大乱闘戦」/Grand Melee  「大乱闘戦」は「無差別戦」に修整を加えた変種ルールで、通常、10人以上のプレイヤーによって行なわれ、複数のプレイヤーが同時にターンを進めることができる形式である。ターンマーカーを用いてアクティブ・プレイヤーが誰であるかを区別できるようにする。rule 608〔変種ルール「大乱闘戦」〕参照。  通常、「大乱闘戦」では以下の選択ルールが用いられる。(a)プレイヤーの影響範囲は1席である(rule 601 参照)。(b)「左翼への攻撃」選択ルールを用いる(rule 604 参照)。「複数への攻撃」や「クリーチャー配置」ルールは用いない。 ダメージ/Damage  ダメージはクリーチャーやプレイヤーに対して与えることができる。  プレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーのライフ総量をその分だけ減らす。  クリーチャーに与えられたダメージは、ターンの終わりまでそのクリーチャーの上に残る。クリーチャーがクリーチャーでなくなっても、ダメージは残る。そのタフネス以上のダメージを受けたクリーチャーは、致死ダメージを受けて破壊される。rule 420〔状況起因効果〕参照。ダメージによって、クリーチャーのタフネスが変化することはない。クリーチャーでないパーマネントは、ダメージの影響を受けない(但し、ダメージが取り除かれる前に再度クリーチャーとなった場合、そのクリーチャーは破壊されることがありうる)。クリンナップ・ステップの間に、全てのダメージはパーマネントから取り除かれる。  コストや効果の中で、「ライフを失う」「ライフを支払う」と書かれているものがある。それらはダメージを与えているわけではないので、ダメージを軽減したり、置換したりする効果の影響を受けない。 ダメージの発生源/Source of Damage  ダメージを生成させたオブジェクトが、そのダメージの発生源である。ダメージの発生源を選ぶ効果があった場合、そのプレイヤーは、パーマネント、(アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文を含む)スタック上の呪文、またはスタック上のオブジェクトによって参照されるカードやパーマネント(スタック上の戦闘ダメージを割り振っているクリーチャーが場を離れたりクリーチャーでなくなったりした場合を含む)である。ダメージを与え得ないものもダメージの発生源として適正である。 チーム/Team  チーム間で争われる多人数戦では、プレイヤーは個人単位ではなくチーム単位で勝ち負けを決定する。「双頭巨人戦」「皇帝戦」「チーム戦」がチームによって行なわれる変種ルールである。 「チーム戦」/Teams  多人数戦の「チーム戦」変種ルールでは、同じ人数のチーム複数による対戦が行なわれる。チームメイト同士が隣にならないように、そしてどのチームも偏りが無いように席を決める。攻撃を仕掛けられるのは、隣にいる対戦相手だけである。  「チーム戦」変種ルールでは、通常、以下の選択ルールが用いられる。(a)影響範囲は2席である(rule 601 参照)。(b)「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」のいずれかを必ず用いる(rule 604、rule 602 参照)。「クリーチャー配置」は通常「チーム戦」では用いられない。rule 609〔変種ルール「チーム戦」〕参照。 チームメイト/Teammate  チーム間で争われる多人数戦では、プレイヤーのチームメイトとはその同じチームに所属する他のプレイヤーのことである。そのチームに所属しないプレイヤーは全て対戦相手となる。 遅延誘発型能力/Delayed Triggered Ability  遅延誘発型能力とは、何らかの呪文や能力が解決されたときに生成された効果によって作り出される能力である。rule 404.4 参照。 置換効果/Replacement Effect  置換効果とは、ある特定のイベントの発生を待ち、それを異なるもので置き換える継続的効果の一種である。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 致死ダメージ/Lethal Damage  致死ダメージとは、そのクリーチャーのタフネス以上のダメージの量のことを言う。致死ダメージを受けた、タフネスが1以上のクリーチャーは破壊される。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。 注釈文/Reminder Text  注釈文は、カードに記されたキーワード能力のあとに、あるいは、間違えられやすい可能性のあるカードに書かれている。注釈文はカードの文章欄に、括弧で囲まれ、斜体で書かれている。このテキストによってゲーム・ルールの概説や解説が与えられているが、それ自身はルール・テキストとしては扱われない。rule 207.2 参照。 挑発/Provoke  挑発は誘発型能力である。「挑発」は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それはこの戦闘の間、可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。rule 502.29〔挑発〕参照。 追加コスト/Additional Cost  呪文の中には、そのテキストに追加コストが記されているものがある。それらのコストは、マナ・コストを支払うのと同じときに支払われる。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。 追加のターン/Extra Turn  呪文や能力の中には、プレイヤーに追加のターンを与えるものがある。その際、ターンは現在のターンの直後に追加される。一人のプレイヤーが追加のターンを複数得る場合や、1ターン中に複数のプレイヤーが追加のターンを得る場合、ターンは1つずつ追加され、一番最後に追加されたターンが一番最初に発生する。rule 300.6 参照。  「大乱闘戦」変種ルールでは、ターンを得ることに関する追加ルールが存在する。プレイヤーが他のプレイヤーのターンである現在のターンの次に追加のターンを得る場合、そのターンを得るのは自分のターンの直前になる。rule 608〔変種ルール「大乱闘戦」〕参照。 つける/Attach  オーラ、装備品、城砦をオブジェクトにつけるとは、それらが現在ある場所から、つける先のオブジェクトの上に置くということである。その効果を適用する時点で、オーラ、装備品、城砦が既に存在しなかったり、つける予定であったオブジェクトが該当する領域に既に存在しなくなっていたりした場合、何も起こらない。同様に、オーラ、装備品、城砦はエンチャントされたり装備したり城砦化されたりできないパーマネントにつけることはできない。その場合、オーラ、装備品、城砦はもとあった場所にそのまま残る。これの例外として、オーラがフェイズ・インしてきた時に前についていたオブジェクトが既に場になかった場合はそのオーラはフェイズ・インしてきてから状況起因効果でオーナーの墓地に置かれるということと、オーラがスタックから場に出る際に適正なパーマネントがなかった場合には場に出る代わりにそのオーラはオーナーの墓地に置かれるということである。何らかの効果によって、オーラ、装備品、城砦を現在ついている先のパーマネントにつけようとした場合、その効果は何もしない。  オーラを別のオブジェクトにつける場合、そのオーラは新しいタイムスタンプを得る。他には何も変更されない。オーラは場を離れるわけではないので、場に出たときや場を離れたときの誘発型能力は誘発しない。移動したオーラの「エンチャントされている[オブジェクト]」に影響する能力がスタックにあった場合、その能力は前のオブジェクトではなく、新しいエンチャント先のオブジェクトに影響を及ぼす。装備品、城砦についても同じである。 続けてパス/Pass in Succession  全てのプレイヤーが続けてパスした場合、スタックの一番上にある、呪文、能力、あるいは戦闘ダメージが解決する。スタックが空の場合、そのフェイズもしくはステップは終了する。 手札/Hand  手札とは、プレイヤーがまだプレイしていないカードを持つ領域である。rule 217〔領域〕参照。 手札の上限/Maximum Hand Size  それぞれのプレイヤーの手札の上限は普通は7枚であるが、何らかの効果によって変化することがありうる。アクティブ・プレイヤーのクリンナップ・ステップの最初の行動は、手札が多すぎた場合は、手札の上限まで手札を減らすように(それ以上は捨てられない)手札を選んで捨てる。rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照。 点数で見たマナ・コスト/Converted Mana Cost  点数で見たマナ・コストとは、そのオブジェクトのマナ・コストを色を問わずに見た数である。オブジェクトにマナ・コストがない場合、点数で見たマナ・コストは0になる。rule 203〔マナ・コストと色〕参照。 例:《大気の精霊/Air Elemental》のマナ・コストは{3}{U}{U}であり、したがって点数で見たマナ・コストは5である。 転生/Soulshift  転生は誘発型能力である。「転生 N/Soulshift N」は、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストがN以下のスピリット・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。 デッキ/Deck  プレイヤーのデッキとは、そのプレイヤーがゲームを始めるにあたって用意するカードの集合である。ゲームが始まったとき、それぞれのプレイヤーのデッキはそれぞれのプレイヤーのライブラリーになる。rule 100〔原則〕、rule 101〔ゲームの始め方〕参照。 デュアル・ランド/Dual Land ※俗語  ラヴニカ・ブロックのカードセットならびに初期の基本セットにおいて、「デュアル・ランド」とよばれるカードが存在する。これらはそれぞれ、基本土地タイプを2つずつ持っている。例えば、《寺院の庭/Temple Garden》は土地タイプとして、森、平地を持つ。デュアル・ランドカードは、それぞれの基本土地タイプが本来持つ能力を持っており、それらのタイプに影響する呪文や能力によって、両方の基本土地タイプとして扱われる。デュアル・ランドは、場に出ている間、土地2枚としては扱わない。1枚の土地で、複数の土地タイプを持つものとして扱う。 伝説の/Legendary  「伝説の」とは、全てのタイプに適用できる特殊タイプである。(例えば、「伝説の土地」「伝説のアーティファクト」など。)  同名の伝説のパーマネントが複数場に出ている場合、それら全てをオーナーの墓地に置く。この「レジェンド・ルール」は状況起因効果である。rule 420.5 参照。  「伝説の」パーマネントのタイプやサブタイプが変わっても、特殊タイプは変更されない。そのパーマネントはやはり「伝説の」パーマネントのままである。 トークン/Token  トークンとは、効果によって生成された、カードによって表わされないパーマネントを表わすマーカーである。トークンはカードと全く同じようにタップしたりアンタップしたりでき、その位相を示すのに回転の代わりの方法が必要なこともある。rule 216〔トークン〕参照。 トーナメント/Tournament  トーナメントとは、プレイヤーが賞を目指して競い合う、組織立ったイベントである。MagictheGathering.com の Tournament Center ページ(http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/tournamentcenter)の、Tournament Locatorから、近くのトーナメントを探すことができる。 到達/Reach  「到達/Reach」は常在型能力である。到達を持つクリーチャーは、飛行を持つ攻撃クリーチャーをブロックできる。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕、rule 502.4〔飛行〕、rule 502.70〔到達〕参照。 投了/Concede  プレイヤーはいつでもゲームを投了することができる。投了したプレイヤーは、直ちにそのゲームから離れ、負けたことになる。rule 102 参照。 特殊タイプ/Supertype  カードによっては特殊タイプを持つものがある。これは英語版ではカードのタイプのすぐ前に書かれている。オブジェクトのタイプまたはサブタイプが変わって、特殊タイプがそのタイプに相応しくなくなったとしても、特殊タイプはそのままである。rule 205.4〔特殊タイプ〕参照。  オブジェクトの特殊タイプは、タイプやサブタイプとは独立に存在する。オブジェクトのタイプやサブタイプを変更しても、特殊タイプには影響を及ぼさない。また、特殊タイプを変更しても、タイプやサブタイプは影響を受けない。オブジェクトがある特殊タイプを得たり失ったりしても、他の特殊タイプはそのまま残る。rule 212〔タイプ、特殊タイプ、サブタイプ〕参照。  「未来予知」セットの時点で用いられている特殊タイプは以下の通り。 「基本(Basic)」「伝説の(Legendary)」「氷雪(Snow)」「ワールド(World)」 特性/Characteristics  オブジェクトの特性は、名前、マナ・コスト、色、タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、能力、パワー、それにタフネスである。特性の中には上にあげた以外の、例えばタップ状態か否か、あるいはそのコントローラーが誰か、またその対象が何か、オーラが何にエンチャントしているか、といった類の情報は含まれない。rule 201〔特性〕参照。 特性定義能力/Characteristic-Defining Ability  オブジェクトの一部には、そのオブジェクト自身の色、サブタイプ、パワー、タフネスを定義する常在型能力が印刷されている。これらの能力を特性定義能力と呼び、全ての領域で有効である。rule 405.2 参照。 特別な行動/Special Action  特別な行動は、スタックを用いない。特別な行動には、土地をプレイすること、裏向きのパーマネントを表向きにすること、継続的効果を終わらせること、遅延誘発型能力を止めること、常在型能力を失わせること、待機能力つきのカードを手札から取り除くこと、がある。rule 408.1i および rule 408.2〔スタックを使わない行動〕参照。 として扱う/Counts As ※廃語  古いカードの中には、カードを何か「として扱う」というテキストを用いているものがある。ルール上、また他のカードが参照する場合に、そのカードをそのものとして処理する。(最近のマジックのカードでは、代わりに「である/is」を用いている。) 土地/Land  土地はタイプの一つである。土地は呪文ではなく、スタックにも積まれない。それらは単に手札から場に置かれる。アクティブ・プレイヤーは、自分のターンのメイン・フェイズで優先権を持っていて、かつスタックが空のとき、ターンに一度だけ土地をプレイすることができる。あるオブジェクトが土地でもあり他のタイプでもある場合、それは土地としてプレイされ、呪文としてプレイはされない。rule 212.6〔土地〕参照。 土地タイプ/Land Type  土地のサブタイプは常に一単語であり、「土地 ─ 神座」「土地 ─ ウルザの・鉱山」のように、長いダッシュの後に列記されている。土地のサブタイプはまた土地タイプとも呼ばれる。なお、「基本」「伝説の」「基本でない」は、土地タイプではない。rule 212.6〔土地〕、基本土地タイプ 参照。  「未来予知」セットの時点で用いられている土地タイプは以下の通り。 「砂漠(Desert)」「森(Forest)」「島(Island)」「棲み家(Lair)」「神座(Locus)」「鉱山(Mine)」「山(Mountain)」「平地(Plains)」「魔力炉(Power-Plant)」「沼(Swamp)」「塔(Tower)」「ウルザの(Urza's)」 土地渡り/Landwalk  「土地渡り」は能力の総称である。カードのルール・テキストには、「島渡り」のように特定の性質が指定されている。  土地渡りは回避能力である。土地渡りを持ったクリーチャーは、防御プレイヤーが指定されたサブタイプないし特殊タイプを持つ土地を最低1つコントロールしているかぎり、ブロックされない。rule 502.6〔土地渡り〕参照。 唱える/Cast ※廃語  古いカードの中には、「唱える」という単語を用いて、呪文をプレイすることを表しているものがある。一般に、「唱える」という単語を用いていたカードは、現在では「プレイする」という単語を用いる。 唱えるのに成功した/Successfully Cast ※廃語  古いカードの中には、「唱えるのに成功した」という語が書かれているものがある。一般に、呪文を「唱えるのに成功した」時に誘発すると書かれている全ての能力は、プレイされたときに誘発すると読み替える。 飛ばす/Skip  ステップやフェイズ、あるいはターンを飛ばすとは、それが存在していないかのように通り越す、ということであり、置換効果の一種である。「[何か]を飛ばす/Skip [何か]」とは、「[何か]の代わりに、何もしない」と同義である。rule 300.9 および rule 419.6e 参照。  ステップ、フェイズ、ターンが開始してしまったら、それを飛ばすことはできず、飛ばす効果は、次にそれが来るまで待つ。  飛ばされるステップ、フェイズ、ターンに起こるべきことは、起こらない。「次の」時に予定されていることは、実際に存在する最初の時に起こる。2回、次の何かを飛ばすという効果があった場合、一つめは一つめの時に処理が終わるが、2つめは次のそれが現れるまで残る。rule 419.6f 参照。 トランプル/Trample  トランプルは、戦闘ダメージ・ステップの処理を変更する常在型能力である。攻撃クリーチャーに、ブロック・クリーチャーを「トランプルし尽くし」、そして戦闘ダメージの一部を防御プレイヤーに与えることを許す。rule 502.9〔トランプル〕参照。 同点/Tie  何らかの効果が同点となる場合、その効果を生んだ呪文や能力のテキストに、同点の場合にどうするかが指示されている。マジックのゲームでは、同点の場合の一般的な扱いを定めていない。 毒カウンター/Poison Counter  プレイヤーに毒カウンターを載せるカードが存在する。プレイヤーが10個以上の毒カウンターを得た場合、そのプレイヤーは次に優先権が発生する時点でゲームに敗北する。rule 420〔状況起因効果〕参照。 独立/Independent  ある効果が他の効果に「依存する」とは、両者を同時に適用する際に、後者を適用することで、前者のテキストや存在、適用対象、適用内容が変化することを指す。そうでない場合、後者の効果は前者の効果と独立であると言う。rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照。 ドロー・ステップ/Draw Step  ドロー・ステップは開始フェイズの第3のステップである。ドロー・ステップが始まる際に、アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く(このゲームの行動はスタックを用いない)。その後で、アクティブ・プレイヤーは優先権を得、呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 304〔ドロー・ステップ〕参照。 名前/Name  カードの名前は、その左上隅に記されている。rule 202〔名前〕参照。 二段攻撃/Double Strike  二段攻撃は、戦闘フェイズのルールを変更する常在型能力である。二段攻撃または先制攻撃を持つクリーチャーがまずそのダメージを割り振って与え、そしてまだダメージを与えていないクリーチャー、または二段攻撃を持つクリーチャーの中で生き残っている物がダメージを割り振って与える。rule 502.28〔二段攻撃〕参照。 〜になる/Becomes  誘発条件の中には、「タップ状態になる」または「ブロックされた状態になる」のように「〜になる」という言葉が使われていることがある。これらは、その条件が満たされたときにのみ誘発する。既にその条件を満たしていたり、あるいはその条件がずっと続いている場合に複数回誘発するわけではない。例えば、「タップ状態になる」という誘発条件を持つ誘発型能力は、そのパーマネントの位相がアンタップ状態からタップ状態になった時にだけ誘発する。 忍術/Ninjutsu  忍術は、忍術能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「忍術 [コスト]/Ninjutsu [コスト]」は、「[コスト], このカードをあなたの手札から公開する, あなたがコントロールするブロックされていない攻撃クリーチャー1体をオーナーの手札に戻す:このカードをあなたの手札からタップ状態で攻撃に参加している状態で場に出す。」を意味する。rule 502.43〔忍術〕参照。 沼/Swamp  「沼」は、5種類の基本土地タイプのうちの1つである。土地タイプとして沼を持つ土地は、「{Tap}: あなたのマナ・プールに{B}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 沼サイクリング/Swampcycling  タイプ・サイクリング参照。 沼渡り/Swampwalk  土地渡り参照。 〜の間に/During ※廃語  古いカードの中には、「[フェイズ]の間に、[行動]/During [フェイズ], [行動]」という書式を用いているものがあった。これらの能力は「フェイズ能力/phase abilities」と呼ばれていた。一般に、フェイズ能力を持っていたカードは、現在ではステップまたはフェイズの開始時に誘発する能力を持っている。「〜の間に/during」という単語は、現在のカードのテキストにも出現するが、それは通常の英語での意味しかなく、ゲームにおいて固有の意味は持たない。 能力/Ability  「能力」及び「効果」はしばしば混同される。オブジェクトのテキストにある命令は能力であり、そのような命令に従って発生するものが効果である。より多くの情報はrule 4〔呪文・能力と効果〕を参照。  起動型能力がプレイされた時、それはスタックに乗り、解決されるか打ち消されるか、何らかの方法でスタックから取り除かれるまでそこに留まる。  オブジェクトが何らかの効果により能力を「得る/gains」または「持つ/has」場合、そのオブジェクトが能力を得る。オブジェクトの性質を定義する効果([オブジェクト]は[性質]である/[オブジェクト] is [性質])の場合、それは能力を得ない。例えば、「エンチャントされたクリーチャーは赤である」というオーラがあるとすると、このエンチャントは何らかの能力を与えるものではない。これは単に、エンチャントされたクリーチャーの色を赤に変えるだけである。 能力語/Ability Word  カードの能力の最初に、英語なら斜体、日本語なら小さな文字で能力語がついているものがある。能力語は、同様の機能を持つカードを一纏めに扱うという意味でキーワードと同じようなものであるが、ルール上の特別な意味を持たず、この総合ルールにおいて項目は立てられていない。 能力の発生源/Source of Ability  能力を生成させたカードやトークンが、その能力の発生源である。rule 402〔能力〕、rule 200.7 参照。 廃語/Obsolete  この用語集で「廃語」と書かれた語は、古いカードで用いられていた語である。これらの語を用いていたカードの最新の語法は、オラクルに記されている。 破壊/Destroy  パーマネントを破壊するとは、場にあるパーマネントをそのオーナーの墓地に置くことである。再生などの破壊を置換する効果によって置換されることがある。rule 419〔置換・軽減効果〕参照。 破壊されない/Indestructible  パーマネントが破壊されないという場合、ルールや効果によってそれを破壊することはできない。それらのパーマネントは致死ダメージによって破壊されることもなく、致死ダメージの状況起因効果(rule 420.5c 参照)を無視する。破壊されないパーマネントが、生贄に捧げられたり墓地に置かれたりゲームから取り除かれたりすることはありうる。 波及/Ripple  波及は、波及を持つカードがスタック上にある間にのみ機能する誘発型能力である。「波及 N/Ripple N」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、あなたは自分のライブラリーの一番上からN枚、あるいはあなたのライブラリーのカードがN枚未満の場合、あなたのライブラリーのすべてのカードを公開してもよい。これによりあなたのライブラリーのカードを公開した場合、あなたはそれらのカードのうち、この呪文と同じ名前のカードを好きな枚数だけマナ・コストを支払わずにプレイしてもよい。その後これにより公開されてプレイされなかったすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。」を意味する。rule 502.56〔波及〕参照。 はずす/Unattach  パーマネントについていたオーラ、装備品、城砦が、ついていない状態になることを「はずれる」という。パーマネントについている状態のオーラ、装備品、城砦が場を離れる場合、それは「はずれた」状態になる。オーラ、装備品、城砦のついているパーマネントが場を離れる場合、(フェイズ・アウトする場合を除いて)そのオーラ、装備品、城砦は「はずれた」状態になる。 発掘/Dredge  発掘は、発掘を持つカードがプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する常在型能力である。「発掘 N/Dredge N」は「あなたのライブラリーに少なくともN枚のカードがあるかぎり、あなたがカードを引く場合、代わりにあなたは自分のライブラリーの一番上からN枚のカードを自分の墓地に置いてもよい。そうしたならこのカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。」を意味する。自分のライブラリーに、発掘能力が必要とする枚数未満のカードしかないプレイヤーは、それにより自分の墓地にカードを置くことはできない。rule 502.47〔発掘〕参照。 絆魂/Lifelink  絆魂は誘発型能力である。「絆魂/Lifelink」は「このパーマネントがダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。」を意味する。rule 502.68〔絆魂〕参照。 反転カード/Flip Cards  反転カードには、1枚のカードに二つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれているテキストは、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの背面は、通常のマジック:ザ・ギャザリングのカードである。rule 508〔反転カード〕参照。  反転カードの上半分には、そのカードの通常のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。文章欄には通常、特定の条件が満たされた時点でそのパーマネントを「反転」する能力が書かれている。反転カードの下半分には、代替のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。これらの特性は、そのパーマネントが場にあって、なおかつそのパーマネントが反転状態である場合にのみ使用される。  反転カードの色、マナ・コスト、エキスパンション・シンボル、アーティスト名、権利表記などは、パーマネントが反転状態でも変わらない。また、外部からの効果による変更もそのまま適用される。  場以外の全ての領域、および場の領域でそのパーマネントが非反転状態である間、反転カードはそのパーマネントの通常の特性を持つ。場の領域の反転パーマネントが反転状態になると、その反転パーマネントの通常のカード名、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりにもう一方の特性が適用される。  あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転状態か否かをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転状態であるかどうかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。  パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態になったら、それを再び反転して元に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。(訳注:従って、場に戻る場合、反転していない状態になる) 汎用フロアルール/Universal Tournament Rules  DCI汎用フロアルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/doccenter/home)は、マジックを含む、全てのDCI認定ゲームでのトーナメント・プレイについての規約を定めている。 場/In Play  場は、パーマネントのある領域である。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント呪文が解決されると、そのカードは場に置かれ、パーマネントとなる。土地がプレイされると、それは場に置かれ、パーマネントとなる。トークンもこの領域に存在する。rule 217〔領域〕参照。 〜場合、〜ならば/If  "if"節のルール参照。 バイバック/Buyback  バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーに存在し、スタックにある間に働く常在型能力2つからなる。「バイバック[コスト]/Buyback [コスト]」は、「あなたは、この呪文をプレイするに際して追加で[コスト]を支払ってもよい」と「バイバック・コストが支払われている場合、この呪文の解決に際し、この呪文をそのオーナーの墓地に置く代わりにそのプレイヤーの手札に戻す」ということを意味する。バイバック・コストを支払うことは、rule 409.1b ならびに rule 409.1f〜h にある、呪文の追加コストを支払うことに関するルールに従う。rule 502.16〔バイバック〕参照。 馬術/Horsemanship  馬術は回避能力である。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーにはブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。rule 502.17〔馬術〕参照。 場に出す/Put into play  何らかの効果がオブジェクトを場に出す場合、それは「プレイした」ものとしては扱わない。 場に出る/Comes into Play  パーマネントは、それを示すカードやトークンが場に移動した時に場に出る。パーマネントのタイプが変わったり、あるいはコントローラーが変わったりすることは「場に出る」とは言わない。  パーマネントは、アンタップ状態で、それを作り出した呪文や能力のコントローラーのコントロール下で場に出る。  パーマネントが場に出る時、最初にすべての置換効果を適用し、次にすべての継続的効果を適用し、それから誘発型能力の誘発をチェックする。 例:タップ状態で場に出すよう指示された場合、一旦アンタップ状態で出てからタップするのではない。 場を離れる/Leaves Play  パーマネントが場からそれ以外の領域に移動したとき(rule 410.10c 参照)、あるいはそのオーナーがゲームを離れたとき(rule 600.4a 参照)そのパーマネントは場を離れたという。  トークンが場を離れたとき、存在しなくなる。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。  パーマネントが場を離れて、あとで場に戻ってきたときには、完全に新しいパーマネントとして扱われる。前に存在したときの記憶は完全に失われる。(フェイジングは通常の「場を離れる」と異なる部分がある。rule 502.15〔フェイジング〕参照。フェイズ・アウトしたパーマネントは、場に出たときの能力や場を離れたときの能力を誘発しない。) ヴァンガードとアバター/Vanguard and Avatars  ヴァンガード(TM)・サプリメントの大きなカードやマジック・オンラインのアバターは、ゲームに影響を与える。ヴァンガード・カードやアバターはゲーム開始前に選ばれ、プレイヤーの最初の手札、手札の上限、ライフの初期値に修整を加える。ヴァンガード・カードやアバターは色やタイプを持たず、呪文や能力の影響を受けない。 バンド、他の〜とのバンド/Banding, Bands with Other  バンドはコウゲキクリーチャーの指定と戦闘ダメージの割り振りに影響する常在型能力であり、他の〜とのバンドはその能力の特殊な形態である。  rule 502.10〔バンド〕およびrule 502.11〔他の〜とのバンド〕参照。 パーマネント/Permanent  パーマネントとは、場に存在するカードやトークンのことである。rule 214〔パーマネント〕参照。 パス/Pass  パスするとは、優先権を持っているときに、何か行動する(大抵の場合は呪文や能力をプレイする)権利を放棄するということである。プレイヤーがパスした場合、その対戦相手が優先権を得る。rule 408.1〔タイミング、優先権、スタック〕参照。 パワー/Power  クリーチャー・カードの右下隅に記されている、スラッシュの前の数字をパワーと呼ぶ。rule 208〔パワー/タフネス〕参照。  攻撃時、及びブロック時に、クリーチャーはそのパワーに等しい戦闘ダメージを与える。rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。  一部のクリーチャー・カードでは、パワーが数字でなく「*」で表わされているものもある。これは、そのクリーチャーはパワーを何らかの条件で定める特性定義能力を持っているということを示している。この種の能力は、全ての領域で働く。  クリーチャーでないパーマネントは、(オーラになっているリシドのように)そのカードにパワーの数字が印刷されていても、パワーを持たない。 引き分け/Draw(1)  引き分けとは、ゲームが終了し、かつ勝者がいないことである。rule 102.4 参照。 (訳注:日本語化の都合上、Drawを二つの項目に分けました。原文ではこれと「引く」は同じ見出しです) 引く/Draw(2)  プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上のカードを1枚、自分の手札に加えるということである。これは、各プレイヤーのドロー・ステップに、ゲームの行動として行なわれる。また、呪文や能力のコストや効果の一部として行なわれることもある。「引く」という語を用いていない何らかの効果によってライブラリーから手札にカードが動く場合、そのカードは引かれたものとしては扱わない。これは、カードを引くことによって誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果、また、ライブラリーが空のときの処理において違いがある。rule 423〔カードを引くこと〕参照。 (訳注:日本語化の都合上、Drawを二つの項目に分けました。原文ではこれと「引き分け」は同じ見出しです) 飛行/Flying  飛行は回避能力である。飛行を持つクリーチャーは、飛行や到達を持つクリーチャーによってしかブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーをブロックできる。rule 502.4〔飛行〕参照。 非公開情報/Hidden Information ※俗語  マジックのゲームにおいて、一部の情報は全てのプレイヤーにはわからないようになっている。例えば、あらゆる領域においての裏向きのカードや、プレイヤーのライブラリー、あるいは手札などは非公開情報である。通常非公開情報であるカードを「公開」させる効果がある場合、公開されている限り、そのカードは公開情報となる。公開情報参照。 被覆/Shroud  被覆は、常在型能力である。「被覆/Shroud」は、「このパーマネントまたはプレイヤーは呪文や能力の対象にならない」を意味する。rule 502.36〔被覆〕参照。 憑依/Haunt  憑依は誘発型能力である。パーマネント上の「憑依/Haunt」は「このパーマネントが場からいずれかの墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードをゲームから取り除き、そのクリーチャーに憑依する。」を意味する。インスタント呪文やソーサリー呪文上の「憑依/Haunt」は「この呪文が解決されたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードをゲームから取り除き、そのクリーチャーに憑依する。」を意味する。憑依つきのカードのほとんどは、「このカードが憑依しているクリーチャーが墓地に置かれたとき」に誘発する、別の能力を持っている。rule 502.51〔憑依〕参照。 氷雪/Snow  「氷雪」は特殊タイプである。あるカードが「氷雪パーマネント」を指す場合、それは、「氷雪」という特殊タイプを持つパーマネントのことを意味している。あるカードが「氷雪森/snow Forest」を指す場合、それは、「氷雪」の特殊タイプを持つ森のことを意味している。他も同様である。古いカードの中には、「雪かぶり/Snow-Covered」という表記を用いているものがある。カード名を指している場合を除いて、それらは「氷雪」と読み替える。rule 205.4e 参照。 氷雪土地渡り/Snow Landwalk  氷雪土地渡りは土地渡りの特殊な形態である。氷雪土地渡りを持ったクリーチャーは、防御プレイヤーが、そのサブタイプを持つ氷雪土地を最低1つコントロールしているかぎり、ブロックされない。rule 502.6〔土地渡り〕参照。 氷雪マナ/Snow Mana  氷雪マナ・シンボル{S}は、氷雪パーマネントから生み出されたマナ1点によって支払うことのできるコストを意味する。これは任意の色、あるいは無色のマナによって支払われる、不特定マナ・コストである。不特定マナ・コストを減少させる効果は、{S}コストを減少させることはできない。 フェイジング/Phasing  フェイジングは、パーマネントに「記憶」を保たせたままで場を離れさせ、そしてまた元に戻すという効果を発生させる常在型能力である。rule 502.15〔フェイジング〕参照。 フェイズ/Phase  各ターンは、開始フェイズ、戦闘前メイン・フェイズ、戦闘フェイズ、戦闘後メイン・フェイズ、終了フェイズの5つのフェイズに分けられる。rule 3〔ターン進行〕参照。 フェイズ・アウト/Phased-Out  フェイズ・アウト領域は、フェイジングを持つパーマネントが一時的に場を離れた時に置かれる、特殊な領域である。rule 502.15〔フェイジング〕参照。 「複数への攻撃」/Attack Multiple Players Option  多人数戦で、アクティブ・プレイヤーが複数人の対戦相手を攻撃できる選択ルールを用いることがある。この場合、攻撃されているプレイヤーは全て防御プレイヤーである。防御プレイヤーはそれぞれ、自分を攻撃しているクリーチャーだけをブロックできる。rule 602〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。 複製/Replicate  複製は二つの能力を表すキーワードである。一つ目は、呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。二つ目は、呪文がスタック上にある間に機能する誘発型能力である。「複製 [コスト]/Replicate [コスト]」は「この呪文をプレイする際の追加コストとして、あなたは[コスト]を望む回数支払ってもよい。」と「この呪文をプレイしたとき、複製コストが支払われていた場合、それを複製コストが支払われた回数に等しい回数だけコピーする。その呪文が対象をとるなら、あなたはそのコピーのうち望む数の対象を新たに選んでもよい。」を意味する。rule 502.52〔複製〕参照。 不正な行動/Illegal Action  プレイヤーが、何らかの行動を開始した後で、その行動を適正に行うことができないことに気付いた場合、行動全体が巻き戻され、支払いが行われていればそれは取り消される。巻き戻された行動によって、能力が誘発したり、効果が適用されたりすることはない。不正な呪文や能力を巻き戻す際に、優先権を持っているプレイヤーは、優先権を保持して別の行動を起こすことも、パスすることもできる。巻き戻した行動を適正な方法でやり直したり、ルール上許される別の行動を行なったりしてもよい。rule 422〔不正な行動の処理〕参照。 不正な対象/Illegal Target  呪文や能力が対象を指定する場合、その解決時に、対象が適正かどうかをチェックする。対象が、場、ないし、呪文や能力で指定された領域を離れている場合、その対象は不正である。また、対象の特性が呪文や能力のプレイ後に変化したり、何らかの効果で呪文のテキストが変化したりした場合に、対象が不正になることもある。rule 413.2a 参照。 復活/Recover  復活は、復活を持つカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する誘発型能力である。「復活 [コスト]/Recover [コスト]」とは「いずれかのクリーチャーが場からあなたの墓地に置かれたとき、あなたは[コスト]を支払ってもよい。そうした場合、このカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。そうしない場合、このカードをゲームから取り除く。」を意味する。rule 502.55〔復活〕参照。 不特定マナ・コスト/Generic Mana Cost  不特定マナ・コストは、灰色の丸の中の数字で表わされる。無色、または任意の色のマナを、この支払いにあてることができる。rule 104.3 参照。 フラッシュバック/Flashback フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードに存在する、2つの常在型能力を表すキーワードであり、その1つはそのカードが墓地にある間に働き、もう1つはそのカードがスタックにある間に働く。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」は、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい」「フラッシュバック・コストが支払われている場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。rule 502.22〔フラッシュバック〕参照。 フレイバー・テキスト/Flavor Text  カードの文章欄に、イタリック体で書かれている文章のことである(括弧で括られている文章は除く)。雰囲気や、ゲームの世界に関する興味深い背景などが描きだされているが、ゲームのプレイには関係しない。rule 207.2 参照。 フロア・ルール/Floor Rules  現行のDCIマジック・ザ・ギャザリング フロアルールは、http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/doccenter/home にて参照できる。 武士道/Bushido  武士道は誘発型能力である。「武士道 N/Bushido N」は「このクリーチャーがブロックに参加するかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける。」を意味する(rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。 部族/Tribal  部族はタイプである。部族カードはもう一つカード・タイプを持つ。部族カードをプレイし、解決するにあたっては、もう一つのタイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。部族は、クリーチャーと同じサブタイプ群を用いる。それらのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。クリーチャー・タイプおよびrule 212.8〔部族〕参照。 ブロック/Block  クリーチャーは、戦闘フェイズにブロック・クリーチャーに指定された時にブロックする。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 ブロック・クリーチャー/Blocking Creature  クリーチャーがブロック・クリーチャーになるのは、(a)戦闘フェイズ中に指定された、適正なブロックに含まれており、かつ、(b)(存在するなら)ブロックに必要なコストがすべて支払われた時である。ブロック・クリーチャーは、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでは無くなるか、コントローラーが変わるか、または戦闘フェイズが終わるまでブロック・クリーチャーでありつづける。ブロック・クリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 (訳注:戦闘フェイズ中でも、ブロック・クリーチャー指定ステップ以前には存在しません) ブロック・クリーチャー指定/Declare Blockers  ブロック・クリーチャーの指定とは、防御プレイヤーが、ブロックに参加するクリーチャーの一群を選び出し、それらがブロックするのに必要なコストを支払うことである。攻撃に参加できるのはアンタップ状態のクリーチャーのみであるが、クリーチャーはブロックに参加してもタップしない。他の効果により、あるクリーチャー群がブロックできるか否かが影響を受けることもある。rule 500〔適正な攻撃とブロック〕参照。 ブロック・クリーチャー指定ステップ/Declare Blockers Step  ブロック・クリーチャー指定ステップは戦闘フェイズの第3のステップである。防御プレイヤーはこのステップ中にブロック・クリーチャーを指定する(あるいはブロックしないことを選択する)。その後で、アクティブ・プレイヤーは優先権を得、呪文や起動型能力をプレイすることができる。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 ブロックされたクリーチャー/Blocked Creature  攻撃クリーチャーは、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップで他のクリーチャーにブロックされるか、何らかの効果によってブロックされたことになった場合、それ以降、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでなくなるか、コントローラーが変わるか、戦闘フェイズが終わるまでの間はブロックされたクリーチャーと呼ばれる。ブロックされたクリーチャーは、それをブロックしたクリーチャーが戦闘から取り除かれてもブロックされたままである。ブロックされたクリーチャーは、戦闘フェイズ以外では存在しない。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 (訳注:戦闘フェイズ中でも、ブロック・クリーチャー指定ステップ以前には存在しません) ブロックされていない/Unblocked  クリーチャーは、攻撃に参加していて、戦闘フェイズのブロック・クリーチャー指定ステップでブロックされなかった場合、それ以降、効果によってブロックされるか、戦闘から取り除かれるか、クリーチャーでなくなるか、コントローラーが変わるか、戦闘フェイズが終わるまでの間はブロックされていないクリーチャーと呼ばれる。戦闘フェイズ以外や、ブロック・クリーチャー指定ステップより以前にはブロックされていないクリーチャーは存在しない。rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。 ブロックされない/Unblockable  攻撃クリーチャーが「ブロックされない」とき、クリーチャーをブロックに割り振ることができない。呪文や能力ではブロックした状態にすることができる。 分割カード/Split Cards  分割カードは、1枚のカードに2枚分のカードが書いてある。分割カードの裏面は、普通のサイズのマジックのカードと同じである。分割カードは、2組の特性(2つの名前、2つのマナ・コスト、など)と、2組の点数で見たマナ・コストを持つ。分割カードは、スタック上にある時以外は常に両方の組の特性を持つ。分割カードをプレイする時、カードのどちら側をプレイするかを指定する。スタックにある間は、指定しなかった側は完全に無視される。rule 505〔分割カード〕参照。  分割カードが、2つのマナ・コストにそれぞれ違う色のマナを含んでいる場合、スタック以外の領域にある時は多色カードである。プレイされた側の半分が多色であれば、スタック上にある時も多色カードとなる。  何らかの効果によってカード名を指定する場合には、分割カードの名前全体を指定しなくてはならない。  分割カードの特性を調べる効果は、両方の特性を回答として得る。スタック以外のいずれかの領域にある分割カードの特性がある値と同じかどうか(カードが赤かどうかなど)、あるいは特性とある値を比較してどうか(点数で見たマナ・コストが2より小さいかどうかなど)を問う効果は、一つだけの答えを得る。この答えは、分割カードのどちらかの側について「はい」になるならば「はい」になる。スタック以外のいずれかの領域にある分割カードの特性がある値と異なるかどうか(2枚のカードが異なる名前を持つかどうかなど)を問う効果も、一つだけの答えを得る。この答えは、対応する「同じかどうか」の問いに対して「いいえ」になる場合に「はい」になる。 文章変更効果/Text-Changing Effect  オブジェクトの文章を変更する効果は、その意味で用いられている(色の語が色を示し、土地タイプの語が土地タイプを示し、クリーチャー・タイプの語がクリーチャー・タイプを示している)場合にのみ変更する。カード名のような固有名詞は、その中に、マジックの色、基本土地タイプ、クリーチャー・タイプに該当する単語や文字列が含まれていたとしても、変更することはできない。rule 418.6〔文章変更効果〕参照。 文章欄/Text Box  文章欄は、マジックのカードの絵の下にあり、カードの能力を定義するルール・テキスト、注釈文、フレイバー・テキストが書かれている。rule 207〔文章欄〕参照。 プレイ/Play  呪文、土地、能力をプレイするという行動には、行動を宣言し、それを完了するために必要な手段を処理するということが含まれる。  呪文や起動型能力のプレイには、そのためのコストの支払いと、モードや対象の選択が必要となる。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照。  土地をプレイするとは、単に手札から土地カードを選び、それを場に出すということである。rule 212.6〔土地〕参照。  マナ能力をプレイするときは、そのコストを支払い、即座に解決する。rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照。  誘発型能力や常在型能力はプレイされない。それらは自動的に発生する。rule 410〔誘発型能力の処理〕参照。 プレイ−ドロー・ルール/Play-Draw ※俗語  2人対戦では、先攻のプレイヤーは最初のドロー・ステップを飛ばす。これはプレイ−ドロー・ルールと呼ばれる。rule 101〔ゲームの始め方〕参照。  多人数戦の「双頭巨人戦」では、先攻のチームは最初のドロー・ステップを飛ばす(rule 606〔変種ルール「双頭巨人戦」〕参照)。他の多人数戦では、プレイ−ドロー・ルールは用いられない。 プレイヤー/Player  プレイヤーとは、そのゲームに参加しているそれぞれのことである。現在のターンを進めているプレイヤーをアクティブ・プレイヤー、他のプレイヤーのことを非アクティブ・プレイヤーという。rule 200.3 参照。 プロテクション/Protection  プロテクションは「プロテクション(性質)/Protection from [性質]」と書かれる常在型能力である。rule 502.7〔プロテクション〕参照。  プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つ呪文や能力の対象にならない。  プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つオーラにエンチャントされない。プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーに、記述された性質を持つオーラがエンチャントしている場合、そのオーラは状況起因効果としてそのオーナーの墓地に置かれる(rule 420〔状況起因効果〕参照)。  プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ装備品を装備できないし、記述された性質を持つ城砦に城砦化されない。そのような装備品や城砦はそのパーマネントからはずれ、場に残る(rule 420〔状況起因効果〕参照)。  プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーへの、記述された性質を持つダメージの発生源からのダメージは軽減される。  プロテクションを持つクリーチャーが攻撃した場合、記述された性質を持つクリーチャーにはブロックされない。 平地/Plains  「平地」は、5種類の基本土地タイプのうちの1つである。土地タイプとして平地を持つ土地は、「{Tap}: あなたのマナ・プールに{W}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 平地サイクリング/Plainscycling  タイプ・サイクリング参照。 平地渡り/Plainswalk  土地渡り参照。 変異/Morph  変異は、その能力のあるカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキスト、名前、クリーチャー・タイプ、エキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たないクリーチャーとしてプレイできる。」をという意味である。そのコントローラーは、インスタントをプレイできる時ならいつでもその裏向きのパーマネントの変異コストを公開し、それを支払って表にすることができる。この行動はスタックを使わない。rule 502.26〔変異〕参照。 変形/Transfigure  変形は起動型能力である。「変形 [コスト]/Transfigure [コスト]」は「[コスト], このパーマネントを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーからこのパーマネントと同じ点数で見たマナ・コストを持つクリーチャー・カードを1枚探し、それを場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。rule 502.71〔変形〕参照。 変成/Transmute  変成は、変成能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「変成 [コスト]/Transmute [コスト]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから、捨てたカードと同じ点数で見たマナ・コストのカードを1枚探し、そのカードを公開してあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーをプレイできるときにのみプレイできる。」を意味する。rule 502.48〔変成〕参照。 他のプレイヤーのターンをコントロールする/Controlling Another Player's Turn  あるカード(《精神隷属器/Mindslaver》)によって、プレイヤーは他のプレイヤーのターンをコントロールすることができる。ターンのコントローラーは、そのターン・プレイヤーが、ルールやオブジェクトによって行なうことのできる全ての選択を行なう。他のプレイヤーがターンをコントロールしている間、そのターン・プレイヤーがマナ・バーンによってライフを失うことはない。rule 507〔他のプレイヤーのターンをコントロールする〕参照。 防衛/Defender  防衛は常在型能力である。防衛を持つクリーチャーは攻撃に参加できない。 防御プレイヤー/Defending Player  戦闘フェイズ中、アクティブ・プレイヤーは攻撃しており、攻撃プレイヤーである。戦闘フェイズ開始に際して、アクティブ・プレイヤーは対戦相手を1人選ぶ。その選ばれた対戦相手は攻撃され、防御プレイヤーとなる。クリーチャーは、防御プレイヤーにのみ攻撃できる。他のプレイヤーやクリーチャーに攻撃することはできない。戦闘フェイズ以外の時には、防御プレイヤーは存在しない。rule 306.3 参照。  「複数への攻撃」選択ルールを使用している場合、複数の防御プレイヤーがいることがありうる。rule 602〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。「双頭巨人戦」変種ルールでは、他の多人数戦とは異なる戦闘ルールを用いる。rule 606.7 参照。 墓石アイコン/Tombstone Icon  オデッセイ・ブロックの、墓地にある間に有効な能力を持つカードの多くの名前の左隣には墓石アイコンがある。このアイコンは、そのカードが墓地にあるときに区別しやすくするためのものであり、ゲーム上の意味はない。rule 104.5 参照。 墓地/Graveyard  それぞれのプレイヤーの捨て札の束のことをそのプレイヤーの墓地という。打ち消された呪文や、破壊され、あるいは生け贄に捧げられたパーマネント、捨てられたカードがそのオーナーの墓地に置かれる。rule 217〔領域〕参照。 墓地ストーム/Gravestorm  墓地ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「墓地ストーム/Gravestorm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターンの間に場からいずれかの墓地に置かれたパーマネント1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。rule 502.67〔墓地ストーム〕参照。 埋葬する/Bury ※廃語  古いカードの中には、「埋葬する」という単語を用いているものがある。これは、パーマネントをそのオーナーの墓地に置くことを意味する。一般に、「埋葬する」という単語を用いていたカードは、現在では「[パーマネント]を破壊する。それは再生できない」あるいは「[パーマネント]を生け贄に捧げる」と読み換えられる。 マッチ/Match  マッチとは、一連のマジックのゲームのことを指し、トーナメントやリーグ戦でのみ重要である。2人対戦では、マッチはたいてい2本先取の3本勝負で、時には3本先取の5本勝負で行われる。多人数戦では、マッチは1本勝負で行なわれることがおおい。詳細はDCI(TM)マジック・フロアルール(http://www.wizards.com/default.asp?x=dci/doccenter/home)を参照。 マッドネス/Madness  マッドネスは二つの能力からなる。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに発生する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい」と「このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのオーナーは、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことでこのカードをプレイしてもよい。そうしない場合、そのプレイヤーはこのカードを自分の墓地に置く」の二つの意味を持つ。rule 502.24〔マッドネス〕参照。 マナ/Mana  マナとは、呪文をプレイするために使うエネルギーであり、通常は土地によって生成される。マナは、マナ能力によって生成され(呪文によって生成されることもある)、即座にコストを支払うために使うことも、またマナ・プールに蓄えることもできる。rule 406〔マナ能力〕参照。  色のついたマナ・シンボルで表わされる、色のついたマナ・コストは適正な色のマナによってのみ支払うことができる。不特定マナ・コストは、無色、あるいは任意の色のマナで支払うことができる。rule 104.3 参照。  マナを生み出す能力は、そのマナの使用法を制限することがある。例えば、クリーチャー呪文をプレイするためにしか使えないマナや、起動コストを支払うためにしか使えないマナを生み出す能力も存在する。  パーマネントが「生み出すことができる」種類のマナとは、そのパーマネントのいずれかの能力で生み出すことのできるマナのことである。この場合、あらゆる置換効果を考慮に入れる。マナの種類が定義できない場合、そのパーマネントが生み出せるタイプのマナは存在しない。マナの種類とは、その色(または無色であること)のことである。 マナ・コスト/Mana Cost  カードのマナ・コストはカードの右上隅に記されているマナ・シンボルで示される。カードの右上隅にマナ・シンボルが印刷されていないカードのマナ・コストは、存在しない。オブジェクトのマナ・コストを支払う際には、色のついたマナ・シンボル全ての色や、不特定マナ・コストが正しくなければならない。通常、土地や裏向きの呪文、裏向きのパーマネントはマナ・コストを持たない。トークンは特に指定されていない限り、マナ・コストを持たない。オブジェクトのコピーはそのオブジェクトと同じマナ・コストを持つ。rule 203〔マナ・コストと色〕参照。 マナ・シンボル/Mana Symbol  マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{X}{Y}{Z}、ならびに{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、氷雪シンボル{S}の総称である。rule 104.3 参照。  色のついたマナ・シンボルは、それぞれ1つの色マナを示す。{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑である。rule 104.3a 参照。  ({1}のような)数字のシンボルは不特定マナ・コストと呼ばれ、どの色のマナでも、あるいは無色のマナでも支払うことのできるマナの量を示している。rule 104.3b 参照。  {X}、{Y}のシンボルは、未定の量のマナを示している。コストに{X}や{Y}を含む呪文や能力は、プレイするときにそのコントローラーが値を決定する。rule 104.3c 参照。  {数字}、{X}、{Y}は、呪文やマナ能力の「あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」という文脈においては、無色マナを表すために用いられる。rule 104.3d 参照。  {0}のシンボルは0マナを示し、呪文や起動型能力のプレイにコストがいらないときの場所取りとして使われる。マナ・コストが0マナの呪文や能力も、1以上のコストを持つ呪文と同じようにプレイされる。自動的にプレイされるわけではない。rule 104.3e 参照。  混成マナ・シンボルは、それぞれ2つの色のうちどちらか1色で支払うことができるコストを意味している。コストに含まれる{W/U}は白マナか青マナで支払うことができるし、{W/B}は白か黒で、{U/B}は青か黒で、{U/R}は青か赤で、{B/R}は黒か赤で、{B/G}は黒か緑で、{R/G}は赤か緑で、{R/W}は赤か白で、{G/W}は緑か白で、{G/U}は緑か青で支払うことができる。混成マナ・シンボルはその両方の色である。rule 104.3f 参照。  {S}は、氷雪パーマネントによって生成されたマナ1点で支払うことのできるコストを意味する。rule 104.3h 参照。 マナ・ソース/Mana Source ※廃語  古いカードには、「マナ・ソース」というタイプのものがある。「マナ・ソース」とされていた呪文は、今はインスタントである。「マナ・ソースとしてプレイする」とされていた能力は、マナ能力である。 マナ能力/Mana Ability  マナ能力は起動型もしくは誘発型であり、スタックには積まれず、即座に解決される。rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照。  プレイヤーは、優先権を持っているときか、あるいはルールや何らかの効果によってマナの支払いが求められたときに起動型マナ能力をプレイできる。これは、呪文や能力のプレイ中や解決中にプレイできる唯一の能力である。rule 406〔マナ能力〕参照。 マナ・バーン/Mana Burn  フェイズの終了時に、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。この方法で失われたマナ1マナごとに、そのプレイヤーは1点のライフを失う。これを「マナ・バーン」と呼ぶ。rule 300.3 参照。 マナ・プール/Mana Pool  効果によってマナが生み出されたとき、マナはそのプレイヤーのマナ・プールに入る。そこから、呪文や能力のコスト支払いのために使うことができる。マナは即座に使うことも、また後で使うためにマナ・プールに蓄えておくこともできる。マナ・プールは各フェイズの終了時に片づけられる。マナ・バーン参照。 マリガン/Mulligan  第1ターンの開始前に、プレイヤーは、最初の手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして以前よりも1枚少ない手札を新しく引くことで「マリガン」できる。最初の手札が気に入らなかったプレイヤーは、その度に1枚ずつ手札を減らして、望むかぎりの回数マリガンを繰り返すことができる。rule 101.4 参照。双頭巨人戦変種ルールでは、このルールに多少の変更が加えられる。rule 606.6a 参照。 無限ルール/Infinity Rule ※俗語  マジックのルールに「無限」というものは存在しない。時折、永遠に繰り返される一連の動作が存在することがありうる。そのようなループを処理するために、「無限ルール」がある。rule 421〔'無限'ループの処理〕参照。 無作為に/Random  呪文、能力、効果によって何かを無作為に選ぶ場合、乱数を発生するために、ダイス、コインなどいかなる方法を使ってもよい。その結果は無作為でなければならない。 「無差別戦」/Free-for-All  「無差別戦」は、プレイヤーがそれぞれ個人単位でお互いに競い合う多人数戦の変種ルールである。rule 605〔変種ルール「無差別戦」〕参照。 無色/Colorless  色を持たないオブジェクトは無色である。土地はマナ・コストを持たないので、無色である。ほとんどのアーティファクトは、そのマナ・コストに色マナを含まないので、無色である。裏向きのクリーチャーは、その裏向きにする効果によって無色である。無色のオブジェクトは、何らかの効果によって色を得ることがありうる。rule 203.2 参照。 無色マナ/Colorless mana  数字のシンボル({1}など)および変数のシンボル({X}など)は、「あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」等の効果を持つ呪文や能力のテキスト中に現れた場合、無色マナを表す。rule 104.3d 参照。 メイン・ゲーム/Main Game  プレイヤーにマジックのサブゲームをプレイさせるカードが存在する。「メイン・ゲーム」とは、サブゲームを生成する呪文や能力がプレイされたゲームである。rule 506〔サブゲーム〕参照。 メイン・フェイズ/Main Phase  「メイン・フェイズ」は、「戦闘前メイン・フェイズ」と「戦闘後メイン・フェイズ」とを合わせた用語である。これらはそれぞれ、第1、第2メイン・フェイズとも呼ばれる。  アクティブ・プレイヤーは、メイン・フェイズの間でかつスタックが空のとき、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、ソーサリー呪文をプレイすることができる。また、このとき、ターンに一枚だけ土地をプレイすることもできる。 モードを持つ/モード/Modal/Mode  「一つを選ぶ/Choose one」、または「[指定されたプレイヤー]は一つを選ぶ/[指定されたプレイヤー] chooses one」と書かれている呪文や能力はモードを持つ。モードを持つ呪文や能力は、その効果を選択させる。モードを持つ呪文や能力のコントローラーは、呪文や能力のプレイの一部として、または(誘発型能力の場合)その能力がスタックに積まれる時点で、モードを選択する。rule 409.1b 参照。モードが対象を必要とする場合、その全ての対象が選べない限り、そのモードを選ぶことはできない。モードを持つ置換効果のモードは適用する際に選択する。rule 419.6g 参照。 森/Forest  「森」は、5種類の基本土地タイプのうちの1つである。土地タイプとして森を持つ土地は、「{Tap}: あなたのマナ・プールに{G}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 森サイクリング/Forestcycling  タイプ・サイクリング参照。 森渡り/Forestwalk  土地渡り参照。 山/Mountain  「山」は、5種類の基本土地タイプのうちの1つである。土地タイプとして山を持つ土地は、「{Tap}: あなたのマナ・プールに{R}を加える。」という能力を持つ。rule 212.6d 参照。 山サイクリング/Mountaincycling  タイプ・サイクリング参照。 山渡り/Mountainwalk  土地渡り参照。 優先権/Priority  その時に呪文や能力をプレイする選択権を持つプレイヤーのことを、優先権を持つという。rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照。  呪文、マナ能力を除く能力、ないし戦闘ダメージを解決したときや、ほとんどのフェイズ、ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。プレイヤーは、優先権を得て呪文や能力、土地をプレイしたり、あるいはなんらかの特別な行動をした後、再び優先権を得る。プレイヤーがパスしたとき、その対戦相手のプレイヤーが優先権を得る。両プレイヤーがパスしたとき、スタックの一番上にある呪文、能力、または戦闘ダメージが解決される。スタックが空で、両プレイヤーがパスしたときには、フェイズやステップが終わる。  いずれかのプレイヤーが優先権を得ようとする際に、まず全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する。rule 420〔状況起因効果〕参照。その際に、新たに状況起因効果が発生した場合、それらを1つのイベントとして解決する。この処理を、新たな状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。それから、誘発型能力がスタックに積まれる。rule 410〔誘発型能力の処理〕参照。これらのステップを、新たな状況起因効果や誘発型能力が発生しなくなるまで繰り返す。  「双頭巨人戦」変種ルールでは、個人ではなくチームが優先権を持つ。rule 606〔変種ルール「双頭巨人戦」〕参照。 有毒/Poisonous  有毒は誘発型能力である。「有毒 N/Poisonous N」は「このクリーチャーがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒カウンターをN個得る。」を意味する。rule 502.69〔有毒〕参照。 誘発/誘発型能力/Trigger/Triggered Ability  誘発型能力は「〜とき/when」「〜たび/whenever」「〜時に/at」から始まる。誘発条件が満たされたときその能力は誘発し、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる。rule 404〔誘発型能力〕参照。 誘発条件/Trigger Condition  「とき」「たび」「〜時に」で表わされる誘発型能力において、それらの語を含む一節のことを誘発条件といい、誘発イベントを定義する。rule 404〔誘発型能力〕参照。 雪かぶり/Snow-Covered  古いカードの中には、「雪かぶり」という表記を用いているものがある。カード名を指している場合を除いて、それらは「氷雪」と読み替える。 予見/Forecast  予見能力は、プレイヤーの手札からのみプレイできる特殊な起動型能力である。表記は「予見 ― [起動型能力]/Forcast ― [起動型能力]」である。予見能力は、そのカードのオーナーのアップキープ・ステップにのみ、各ターン1回のみプレイできる。予見能力のコントローラーは、能力をプレイする際に、その能力を持つカードを手札から公開する。手札のカードでプレイしたプレイヤーは、アップキープ・ステップが終了するか、そのカードが手札を離れるか、いずれかが発生するまで公開したままにする。 ライフ/ライフ総量/Life/Life Total  ライフ総量は、点数である。各プレイヤーのライフは20から始まる。ライフ総量が増加する場合、それは常にライフを得ることであり、減少する場合は常にライフを失うことである。ライフが0以下になったプレイヤーは負けとなる。これは状況起因効果である。rule 420.5 参照。rule 215〔ライフ〕参照。 ライブラリー/Library  ライブラリーは、プレイヤーがカードを引く領域である。ゲームが始まるとき、それぞれのプレイヤーのデッキはライブラリーとなる。rule 217.2〔ライブラリー〕参照。 ランページ/Rampage  ランページは誘発型能力である。「ランページ N/Rampage N」とは、「このクリーチャーがブロックされた状態になるたび、このクリーチャーをブロックしている2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける」という意味である。rule 502.12〔ランページ〕参照。 LIFO/LIFO  「後入れ先出し/Last In, First Out」の頭文字語であるLIFOは、呪文や能力がスタックに積まれた後の解決順を示す言葉である。最後にプレイされたものが、最初に処理される。rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕、rule 413〔呪文・能力の解決〕参照。 領域/Zone  領域とは、マジックのカードがゲーム中に存在できる場所のことである。rule 217〔領域〕参照。 領域変更誘発/Zone-Change Triggers  オブジェクトが領域を変更することによって誘発する誘発型能力は、「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発型能力の多くは、領域を変更したそのオブジェクトに何らかの効果をもたらす。解決中に、それらの能力はその移動したオブジェクトを移動した先の領域で探す。そのオブジェクトがその領域に存在しなければ、そのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。領域変更誘発の最もよくある種類は場に出たときの誘発型能力と、場を離れたときの誘発型能力である。rule 410.10 参照。 ルール・テキスト/Rules Text  オブジェクトのルール・テキストは、そのオブジェクトのさまざまな性質を定義する。オブジェクトのルール・テキストを書き換えることは、そのオブジェクトの性質を変更することになる。 累加アップキープ/Cumulative Upkeep  累加アップキープとは、パーマネントのコストが増大することを示す誘発型能力である。「累加アップキープ [コスト]/Cumulative upkeep [cost]」とは、「あなたのアップキープの開始時に、経年カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある経年カウンター一つごとに[コスト]を支払わなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。[コスト]に選択が含まれる場合、それらの選択は各経年カウンターごとに別々に行なわれ、その後、全てのコストを支払うか、一切支払わないかのどちらかを選ぶ。一部だけ支払うことは認められない。複数の累加アップキープ・コストを持つパーマネントについて、それぞれは別々の誘発型能力をアップキープ・ステップの開始時に発生させる。そして、そのカード上の全ての経年カウンターを両方の能力で計算する。rule 502.13〔累加アップキープ〕参照。 歴伝/Epic  歴伝は常在型能力と遅延誘発型能力の両方を持つキーワードである。歴伝のある呪文が解決された場合、歴伝能力は2つの効果を発生する。一つ目の効果は、その呪文のコントローラーは残りのゲームの間呪文をプレイできないというものである。二つ目の効果はそのプレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーはその歴伝呪文を、歴伝能力を除いてスタック上にコピーする。 レジェンド/Legend ※廃語  クリーチャー・タイプに「レジェンド」と書かれたクリーチャーが多数存在した。それらのクリーチャーは現在、「伝説の」という特殊タイプを持つように訂正されている。 烈日/Sunburst  烈日は、オブジェクトがスタックから場に出る際に機能する常在型能力である。「烈日/Sunburst」は、「このオブジェクトがスタックからクリーチャーとして場に出る場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。このオブジェクトがスタックから場に出、ただしクリーチャーとしては場に出ない場合、それは、それのコストのために支払われたマナの色1色につき1個の蓄積カウンターが置かれた状態で場に出る。」を意味する。rule 502.37〔烈日〕参照。 連繋/Splice  連繋は、カードが手札にあるときに機能する常在型能力である。「連繋([タイプまたはサブタイプ]) [コスト]/Splice onto [タイプまたはサブタイプ] [コスト]」は「あなたが[タイプまたはサブタイプ]の呪文をプレイするに際し、あなたはこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、このカードの文章欄をその呪文の文章欄にコピーし、その呪文の追加コストとして[コスト]を支払う。」を意味する。連繋コストの支払いに関するルールは、rule 409.1b および 409.1f-h の追加コストの支払いに関するルールに従う。  そのカードに示された必要な選択(対象など)のできないカードの連繋能力は使用できない。1枚のカードを、1つの呪文に複数回連繋することはできない。1つの呪文に複数のカードを連繋する場合、それらを一度に公開し、文章欄を追加する順番を指定する。メインの呪文の文章欄が必ず最初に実行される。  呪文はメインの呪文の特性を持ち、さらに連繋した各カードの文章欄を持つ。呪文は連繋したカードの他の特性(カード名、マナ・コスト、色、サブタイプ、タイプ、特殊タイプなど)を得ない。コピーされた文章中で、カード名によって元のカードを参照している場合、その部分はスタック上の呪文を指し、もとのカードは参照しない。  追加されたテキストの対象は通常通り選択する(409.1c 参照)。1つ以上の対象を持つ呪文の対象が解決時にすべて不正になった場合、呪文自体が打ち消されることに注意。  呪文はスタックを離れた(打ち消された、ゲームから取り除かれた、解決されたなど)時点で、連繋による変更を失う。 連発型アーティファクト/Poly Artifact ※廃語  古いカードで、「連発型アーティファクト」とタイプ行に書かれたものが存在する。それらは、タップ・シンボルを含まない起動型能力を持つアーティファクトである。連発型アーティファクトと書かれているカードは、現在ではすべて単なるアーティファクト・カードである。 ワールド/World  「ワールド」は、通常、エンチャントにつく特殊タイプである。  複数のパーマネントが「ワールド」の特殊タイプを持っている場合、その中で最も短い時間「ワールド」の特殊タイプを持って場にあったものを除いて、全てがオーナーの墓地に置かれる。最も短い時間のものが複数あった場合、それら全てがオーナーの墓地に置かれる。この「ワールド・ルール」は状況起因効果である。rule 402.5 参照。  ワールド・パーマネントのタイプやサブタイプが変更されても、特殊タイプは変更されない。そのパーマネントはやはりワールド・パーマネントである。 Y、Z/Y, Z  X 参照。 脇に置く/Set Aside  カードを脇に置くとは、それをゲーム外に置くのと同義である。しかし、脇に置かれたカードについては、効果がその戻る条件を特定する。ゲーム外参照。 割り振って置く/Distribute  割り振って置くとは、マジックにおいても文字通りの意味を持つ。呪文や能力によって、プレイヤーが(カウンターなどの)何かを割り振って置く場合、その対象やオブジェクト、プレイヤーには少なくとも1つは割り振らなければならない。rule 409.1e、rule 310.2 参照。 割り振る/Divide  割り振るとは、マジックにおいても文字通りの意味を持つ。プレイヤーが複数のオブジェクトやプレイヤーに何か(ダメージやカウンターなど)を割り振るよう、呪文や能力が要求した場合、いずれのオブジェクトやプレイヤーにも最低1つは割り振らなくてはならない。これは、戦闘ダメージの割り振りにはあてはまらない。rule 409.1e、rule 310.2 参照。 -------- クレジット -------- マジック・ザ・ギャザリング オリジナル・ゲームデザイン: Richard Garfield マジック総合ルールのデザイン・改良: Paul Barclay, Beth Moursund, and Bill Rose, with contributions from Charlie Camino, John Carter, Elaine Chase, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Mike Donais, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Mark L. Gottlieb, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, William Jockusch, Jeff Jordan, 米村 薫, Russell Linnemann, Jim Lin, Steve Lord, Sheldon Menery, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Lee Sharpe, Henry Stern, Ingo Warnke, Tom Wylie, Donald X, Vaccarino, and Bryan Zembruski 編集: Del Laugel and Kelly Digges マジック・ルールマネージャー: Mark L. Gottlieb マジックは Richard Garfieldと、Charlie C@ino, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, Elliott Segal の手によってデザインされた。マナ・シンボルは、Christopher Rush によるデザインである。 我々のプロジェクト・チームのメンバーをはじめ、このプロダクトに関った全ての人に感謝する。 翻訳:*ぱお*/米村 薫 翻訳協力:ムリア、JFK、みやけん、Vorspiel、I.C.A.、エリエル、ishan、九印、たかのを、あけぼの、みらこー、LANCER、鴨屋 真、KakiP、平良俊幸、ガレッガ、Ysman、タカーP、ミズタマ、とみやす、まにおお、金澤遊、石田貴弘、すがや、Unyara、バーン、やまぴい、chlamy Published by Wizards of the Coast, Inc., P.O. Box 707, Renton WA 98057-0707, U.S.A. Wizards of the Coast, Magic: The Gathering, Magic, Magic Online, DCI, Oracle, Ice Age, Vanguard, Exodus, Unglued, Portal Three Kingdoms, Odyssey, Judgment, Ravnica, Time Spiral, and Future Sight are trademarks of Wizards of the Coast, Inc. in the U.S.A. and other countries. (c)1993-2007 Wizards. U.S. Pat. No. RE 37,957. ご質問は最寄りのウィザーズ社オフィス(英語)、またはJapan NetRep *ぱお*/米村 薫 まで。 アメリカ、カナダ、アジア太平洋、中南米 www.wizards.com/customerservice Wizards of the Coast, Inc. P.O. Box 707 Renton WA 98057-0707 U.S.A. Tel: 1-800-324-6496 (within the U.S.) 1-206-624-0933 (outside the U.S.) イギリス、エール、南アフリカ Hasbro UK Ltd. P.O. Box 43 Newport, NP19 4YD UK Tel: + 800 22 427276 Email: wizards@hasbro.co.uk ヨーロッパ本部 Wizards of the Coast p/a Hasbro Belgium NV/SA 't Hofveld 6D 1702 Groot-Bijgaarden BELGIUM Tel: +32.70.233.277 Email: custserv@hasbro.be