原文:2001/09/24
このルールに関して、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。
(このファイルの最後に詳細は記述してあります)
このファイルは、Stephen D'Angelo
このルールの英文は http://www.wizards.com/magic/MTG_Rules.asp に、翻訳文は http://judge.magic.asuka.net/data/CompRules_j.txt にあります。
再配布は制限しませんが、この巻頭辞まで含めた完全な形でお願いいたします。
この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫
翻訳:CR翻訳グループ(*ぱお*、Vorspiel、ムリア、JFK、LANCER、鴨屋 真)
Special thanks: I.C.A.、エリエル、ishan
300. 原則
この冊子は、マジック・ザ・ギャザリング(R)の基本的なゲームを理解した人たちのために編集されている。もし あなたが初心者ならば、このルールは恐ろしいものに思えるだろう。これは、このゲームに関するルール・グルになるためのものであり、特殊な問題が生じたときか、あるいは競技プレイの間にしか必要ではないだろう。
気軽なプレイの時に、また、ほとんどの問題にあたっては、第7版入門セットの箱に入っている一般ルールブックで充分である(一般ルールブックの内容は、Wizards of the Coastのウェブサイト http://www.wizards.com/magic/advanced/7e/welcome.asp からダウンロードできる。なお、日本語版は ホビージャパン社のウェブサイト http://www.hobbyj.co.jp/magic/rule/online6.html にある)。それ以上の詳細なルールを求めるのであれば、これ以降を読み進めるとよい。
この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。探しているものが見つからない場合、用語集を確認せよ。
ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、ルールをいかに細かく定めたとしても、特定のカードの相互作用によって正確な解答が必要な状況があることは判っている。疑問がある場合、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に問い合わせて、その解答を得ることができる。連絡先はこのファイルの末尾に記されている。
問題の発生に応じて、またルールをできる限り新しく保つために、公開以降にも変更が加えられる可能性がある。公式ルールの現在の版は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のサイト内の http://www.wizards.com/magic/MTG_Rules.asp に公開されている。
100.1. このマジックのルールは、2人のプレイヤーによるゲームを仮定している。3人以上のプレイヤーによるゲームを可能にする選択ルールもあるが、それはここでは問題にしない。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のサイト内の http://www.wizards.com/magic/MTG_Rules.asp で手に入れることができるハウス・ルールもある。
100.2. 構築環境でプレイするにあたって、各プレイヤーは、60枚以上のカードからなるデッキ、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの現在値をはっきり示す方法、を必要とする。構築環境でのデッキは、任意の枚数の基本地形 カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本地形以外のカードからなる。
100.3. シールド・デッキ、またはドラフト環境において、デッキには40枚以上のカードを必要とする。持っているかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。最新のマジック・DCIフロアルールは http://www.wizards.com/DCI/UTR_MTG.asp で手に入れることができる。
訳注:日本語版は http://www.wizards.com/DCI/downloads/JpnMag00_01.doc 、または http://judge.magic.asuka.net/data/JpnMAGFinalA.txt で手に入る。
100.5. ほとんどのマジックのトーナメントには、(ここに含まれない)特殊ルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。マジック・DCIフロアルールを参照。
101.1. ゲームを始めるとき、それぞれのプレイヤーは自分のデッキをシャッフルし、カードが不規則な順序になるようにする。その後、対戦相手のデッキをシャッフルすることができる。
101.2. デッキをシャッフルした後、どちらが先手後手を選ぶかを決める。その方法は相互に納得できる方法(コイン・フリップとか、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定権を持つ。
101.3. 先攻プレイヤーが決定された後、それぞれのプレイヤーはそのライフを20にし、そして7枚の手札を引く。
101.4. 先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 304〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。
101.5. 最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして6枚の新しい手札を引く。この行動をマリガンという。なお気に入らなければもう一度繰り返すことができ、このときは新しい手札は5枚になる。こうして、毎回1枚ずつ手札を減らして、0枚になるまでこの方法を繰り返すことができる。先攻のプレイヤーが手札を残すと決めた後で、後攻のプレイヤーはマリガンできる。両方のプレイヤーが手札に満足したら、先攻のプレイヤーのターンが始まる。
102.1. プレイヤーのライフの合計が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき(状況起因効果として)ゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照)
102.2. ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときに(状況起因効果として)そのゲームに負ける。(rule 420〔状況起因効果〕参照)
102.3. 何らかのルールもしくはカードの効果によってプレイヤーが勝ち、あるいは負けたら、ゲームは即座に終わる。
102.4. 両方のプレイヤーが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
102.5. プレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーは負けとなる。
102.6. ゲームが何らかのループを作り、それを止める方法がない場合、ゲームは引き分けとなる。但し、なんらかの選択肢のあるループは引き分けにはならない。
102.7. プレイヤーはいつでも投了できる。
102.8. プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは敗北する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。
103.1. マジックの黄金律は、カードのテキストがルールに矛盾しているときは、カードが優先されるということである。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。カードの記述が不可能な行動を求めていた場合、それは無視される。(多くの場合、カードはこれの結果をはっきりさせる。そうでなければ、なんの効果ももたらさない)
103.2. 一方のカードに何かを「できる」と書かれており、他方のカードに同じことが「できない」と書かれていた場合、「できない」という効果が優先される。例えば、「このターンに、あなたは土地を1枚追加でプレイしてよい」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地 カードをプレイすることはできない」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。カードに能力を与える効果とカードから能力を失わせる効果の相関については、このルールは適用されない。rule 407〔能力の追加・除去〕参照。
200.1. ルールやカード・テキストに「カード」と記されていた場合、マジックのカードの表とマジックのカードの裏を持つマジックのカードを指す。Ungluedの、トークンを示すカードはルールの適用に関してはカードとしては扱わない。
201.1. カードには、名前、マナ・コスト、絵、タイプ、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワー、タフネス、クレジット、権利表記、コレクター番号と呼ばれる部分がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。
201.2. カード、呪文、パーマネントの特性とは、名前、マナ・コスト、色、タイプとサブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネスのことである。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、呪文やパーマネントのコントローラー、個別エンチャントが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。
202.1. カードの【名前】は、その左上隅に記されている。
202.2. カード・テキスト中にそのカードの名前が書かれていた場合、それはそのカードそのものだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のカードは示さない。また、カードが及ぼす効果や与える能力の中でカード名が使われている場合にも、その名前はその効果を発生させた、あるいは能力を与えた、カードのことだけを指す。
202.3. 英語名が同じなら、カードに記されている内容が違っていようとも同じカード名として扱う。
203.1. カードの【マナ・コスト】はカードの右上隅に記されているマナ・シンボルで示される。トークンや土地は0マナのマナ・コストを持つ。カードのマナ・コストを支払う際には、色のついたマナ・シンボル全ての色や、不特定マナ・コストが正しくなければならない。
203.2. カードの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの枠の色や背景色には関係ない。例えば、マナ・コスト(2)(W)のカードは白であり、マナ・コストが(2)(W)(B)のカードは白でも黒でもある。コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないカードは無色である。マナ・コストの中に複数の色のマナが含まれているカードは多色である。多色のカードは金色の背景で印刷されているが、背景が金色でなくても多色であることがありうる。
203.3. カードの、点数で見たマナ・コストは、マナ・コストに含まれるマナの量を色を気にせずに数えたものである(例えば、マナ・コスト(3)(U)(U)は、点数で見たマナ・コストに換算すると5になる)。点数で見たマナ・コストは不特定マナ・コストであり、呪文のマナ・コストとは関係なく、任意の色のマナと無色のマナの任意の組み合わせで支払うことができる。
203.4. カードのルール・テキストに記されている追加コストは、マナ・コストの一部ではない(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。
204.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行 能力を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行 能力を持たない。
205.1. カードの【タイプ】(あるならば【サブタイプ】も)は絵のすぐ下に記されている。(rule 212 から rule 215 参照)
206.1. 【エキスパンション・シンボル】は、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、絵の右下に記されている。
206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおけるレアリティを示すものである。金色はレア、銀色はアンコモン、黒がコモンか基本地形である(エクソダスよりも古いセットでは、レアリティに関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった)。
206.3. ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックする。基本セットに収録されたカードは、基本セットのエキスパンション・シンボルを持つので、それらの再収録分は、元のセットのエキスパンション・シンボルを持って再収録されたのでない限り、元のセットのカードとはみなさない。第5版までの基本セットはエキスパンション・シンボルを持たない。
207.1. 【文章欄】は、カードの下半分にある。ここには、そのカードが何をするのか、また、それをプレイするための必要な条件についてのルール・テキストが書かれている。
207.2. 文章欄には、そのカードに適用されるルールの注釈文(括弧でくくられ、斜体である)や、斜体で書かれた、ゲームには関係しないがゲームの雰囲気をよくするためのフレイバー・テキストを含むこともある。
208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた二つの数字が記されている。一つめの数字はクリーチャーの【パワー】(戦闘中に与えるダメージの量)であり、二つめの数字は【タフネス】(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのクリーチャーが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって変更されることがありうる。
208.2. クリーチャーの中には、パワーもしくはタフネスとして * の値を取るものがある。* とは、文章欄の中で定義されている値である。そのクリーチャー・カードが場にある限り、パワーもしくはタフネスは * の値が実際にカードに書かれているのと同じように扱う。カードが場に出ていない場合、* は0として扱う。
209.1. カードの絵のクレジット表記は、文章欄のすぐ下に記されている。ゲームには影響しない。
210.1. 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。ゲームには影響しない。これはカードの一番下に記されている。
211.1. いくつかのカード・セットにはコレクター番号がふられている。この情報は[カード番号/セットに含まれるカードの総数]という形で記されており、権利表記のすぐあとにある。この番号はゲームには影響しない。
212.1. 全てのカードは一つ以上の【カード・タイプ】に分類される。【アーティファクト】【クリーチャー】【エンチャント】【インスタント】【土地】【ソーサリー】。複数のタイプを持つものは、現在のところ一種類(アーティファクト・クリーチャー)しか存在しない。アーティファクト・クリーチャーはアーティファクト・カードかクリーチャー・カードのいずれに影響を及ぼす効果の影響も受ける。カード・タイプは絵の下に表記されている。
212.2. いくつかのカード・タイプにはサブタイプがあり、同じ行に書かれている。クリーチャー(またはアーティファクト・クリーチャー)のサブタイプは、そのカード・タイプの後にダッシュに続いて書かれている。エンチャントのサブタイプは、例えば「エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature」、「エンチャント(アーティファクト)/Enchant Artifact」のように、「エンチャント/Enchant」という語と、その後に続く語(日本語版の場合、かっこの中身)からなる。土地のサブタイプは、カード・タイプの行には記述されない。
212.2a クリーチャーのサブタイプは必ず1語であり、「クリーチャー」という語のあとに、長いダッシュに続いて並べられている。例えば「クリーチャー - ミノタウルス/Creature - Minotaur」「アーティファクト・クリーチャー - ゴーレム・レジェンド/Artifact Creature - Golem Legend」などである。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる一語ずつである。クリーチャー・カードには複数のクリーチャー・タイプがあることもありうる。
例:「クリーチャー - ミノタウルス/Creature - Minotaur」は、そのカードがクリーチャーであり、そのサブタイプがミノタウルスであることを示している。「クリーチャー - ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」は、カードがクリーチャーであり、クリーチャー・タイプはゴブリンでもウィザードでもあることを示している。
212.2b エンチャントのサブタイプは、「エンチャント」の語と、その後に続く語(訳注:日本語版の場合、かっこの中身)からなる。例えば「エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature」「エンチャント(土地)/Enchant Land」等である(但し、「エンチャント(ワールド)/Enchant World」はタイプやサブタイプではなく、昔のセットに存在したエンチャントの特別な分類である)。カード・タイプが「エンチャント(場)/Enchantment」であるカードは、サブタイプを持たない。何に対して適正にエンチャントできるかを示すのがエンチャントのサブタイプである。「個別エンチャント/local enchantment」「全体エンチャント/global enchantment」はタイプでもサブタイプでもなく、エンチャントの分類である。(rule 214.8〔エンチャント〕参照)
212.2c 土地のサブタイプは「土地タイプ」とも呼ばれ、土地 カードの名前と同じで、タイプの記入された行には記されていない。《島/Island》のカードの土地タイプは「島/Island」であり、《カープルーザンの森/Karplusan Forest》のカードの土地タイプは「カープルーザンの森/Karplusan Forest」である(これは「森/Forest」ではないし、基本地形としても扱われない)。基本地形 タイプを持つ土地は、その土地タイプであることによる能力を得る(rule 214.9e 参照)。「基本地形/basic land」「特殊地形/nonbasic land」はタイプでもサブタイプでもなく、単に土地の分類である。
213.1. 土地を除く全てのカードは、プレイされている間(rule 409.1a から rule 409.1f 参照)とスタックにある間は【呪文】である。その後、解決されるか打ち消されるまでは呪文であり続ける。(rule 401〔呪文〕参照)
213.2. 呪文のタイプは、その呪文のカード・タイプと同じである。呪文のサブタイプは、そのカードのサブタイプと同じである。
214.1. 【パーマネント】とは、場に存在するカードやトークンのことである。パーマネントは何らかの効果やルールによって他の領域に動かされるまで場に残る。パーマネントにはアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地という4つのタイプがある。インスタントやソーサリー・カードが場に出ることはない。
214.2. パーマネントのタイプとサブタイプは、カードに書かれているものと同じである。トークンのタイプやサブタイプは、それを作り出した呪文や能力によって定義される。
214.3. カードは場に出たときにパーマネントとなり、場を離れたときにパーマネントでなくなる。「カード/card」という語は、プレイヤーの手札にあるクリーチャー・カード、といったように場に出ていないカードを指すために用いられることがある。また、「呪文/spell」という語は、スタックにあるカードを指すために用いられることがある。「呪文 カード」という表記は、場に出ていない、土地 カードでないカードを指すために用いられる。(rule 217〔領域〕参照)
214.4. パーマネントのタイプ、あるいはサブタイプが変わったとき、今までのタイプは新しいタイプに置き換えられる。この変更は、パーマネント・タイプだけを変更し、カード・タイプは変更しない。カウンター、効果、あるいは既に与えられているダメージは、意味はなくなるにせよ、そのまま残る。
214.4a パーマネントのタイプやサブタイプを変更する効果のうち、以前のタイプやサブタイプを残すと明記されているものについては、残すと記されているタイプだけが残り、それ以外のタイプをそのパーマネントが持っていた場合にはそれらは失われる。
例:「全ての土地は、同時に土地でもある 1/1 クリーチャーとなる」という能力があった場合、これの影響を受けた土地は、クリーチャーと土地の二つのタイプを持つ。それ以前にアーティファクトでもあった場合、その土地は「土地・クリーチャー」であり、「アーティファクト・土地・クリーチャー」にはならない。その効果は、土地というタイプを保存するが、アーティファクトというタイプは除去する。
214.4b パーマネントのタイプが変更になった場合、その古い(失われた)パーマネント・タイプのサブタイプは存在しなくなる。サブタイプは、カードのパーマネント・タイプが変わっている限りずっと完全に見えなくなる。このルールは、パーマネントのタイプが変わってもそのレジェンド性は失われない、というルールを上書きすることはない(rule 215.2 参照)。
214.5. パーマネントの特性の初期値は、カードに記されている値か、またはトークンを作ったりパーマネント・タイプを変更したりする呪文や能力によって定められた値である。タイプを変更する能力を使うことで、その能力のテキストに書かれている特性の初期値が変更される。特性の初期値を変更することは、特性を変更している継続的効果を上書きはしない。特性を変更させるタイプ変更能力は、そのテキストに書かれている特性の初期値を変更する。タイプを変化させない永続的効果は、パーマネントの特性の現在値を変更させ、タイプ変更能力による変化を上書きする。
例:プレイヤーが「(2):このパーマネントは 3/2のアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトの能力をプレイした後、同じターンのうちに「対象のクリーチャーは0/2になる」という能力の影響を受けた場合、この時点でもう一度そのアーティファクトの能力を使っても意味はない。タイプを変更する能力は、その特性の初期値を変更するのであり、他の効果を上書きすることはできない。従って、そのアーティファクト・クリーチャーはやはり0/2のままである。
214.6a アーティファクト・タイプに特有の特性は存在しない。アーティファクト 呪文のマナ・コストには色 マナが含まれていないので、アーティファクト 呪文と、それによって生成されるパーマネントは無色である。但し、何らかの効果によってアーティファクト 呪文やアーティファクトが色を持つことはありうる。
214.6b アーティファクト・クリーチャーはクリーチャーとアーティファクトのそれぞれが持つ特性を兼ね備えており、いずれかあるいは両方に影響を及ぼす呪文や能力の影響を受ける。
214.7a カードの指示により、クリーチャーのサブタイプを選ぶことが要求されたなら、(そのタイプのクリーチャーがマジックに存在しなくても)あらゆる一単語の名詞を選択することができる。すでに存在するクリーチャー・タイプは、たとえそれが名前と同じであっても、全て適正な選択である。しかし、それ以外で、マジックにおいて意味を持つ単語は混乱をもたらすので、不正な選択である。
例:マーフォーク、あるいはウィザードという選択には問題はない。しかし、マーフォーク・ウィザードは不正である。また、「対戦相手」「沼」「焚きつけ/kindle」といった類の単語は、他の意味があるので選択できない。
214.7b 名詞の単数か複数か、あるいは性別はクリーチャー・タイプの決定に際して無視される。
例:Ogre、Ogres(複数形)、Ogress(女性形)、Ogresses(女性形の複数形)はすべて同一のクリーチャー・タイプ、「オーガ/Ogre」と見なされる。
214.8a 【全体エンチャント】は「エンチャント」というタイプを持つ。【個別エンチャント】はさまざまなサブタイプに分類され、それぞれ「エンチャント(アーティファクト)/Enchant Artifact」「エンチャント(クリーチャー)/Enchant Creature」「エンチャント(エンチャント)/Enchant Enchantment」「エンチャント(土地)/Enchant Land」「エンチャント(パーマネント)/Enchant Permanent」と呼ばれる。
214.8b 全体エンチャントは、パーマネントを作る他の呪文と同じように、それを生成する呪文のコントローラーの側で場に出る。
214.8c 個別エンチャント 呪文は、エンチャントのサブタイプで示されるタイプの対象を必要とする。その呪文によって場に出される個別エンチャントはそのタイプのパーマネントに付けられねばならず、その呪文が対象としていたパーマネントにつけて場に出される。対象の選択に関する追加の制限は、「[カード名]は[特定の特性を持つパーマネント]しかエンチャントできない/[カード名] can enchant only a [特定の特性を持つパーマネント]」という類の表記で現される。これらの制限は呪文をプレイするときに適用され、場に出されるパーマネントが何をエンチャント出来るかという制限にもなる。同様の制限は、エンチャントされるパーマネントの方にも存在しうる。例えば、パーマネントは「[カード名]は[特定の特性を持つ個別エンチャント]にエンチャントされない/[カード名] can't be enchanted by [特定の特性を持つ個別エンチャント]」という能力を持つことがあり得る(rule 420.5d 及び rule 214.8g 参照)。
214.8d 個別エンチャント 呪文をプレイするとき、プレイヤーは呪文の対象を宣言する。その個別エンチャントは、対象のパーマネントについて場に出る。他の方法で個別エンチャントが場に出るとき、それを場に出そうとしたプレイヤーが場に出ようとするときにパーマネントを選ぶ。その場合、エンチャントはそのパーマネントを対象には取らないが、プレイヤーは適正にエンチャント出来るパーマネントを選ばなければならない。適正なパーマネントがなければ、そのエンチャントは場に出る代わりに、移動しようとした元の領域にそのまま残る。同じルールが、個別エンチャントをあるパーマネントから他のパーマネントへ移動させるときにも適用される。エンチャントを移動させる先のパーマネントは、そのエンチャントによってエンチャントされることができなければならない。それが不正であれば、そのエンチャントは移動しない。
214.8e 個別エンチャントが不正なパーマネント上にエンチャントされていたり、あるいはエンチャントされているパーマネントがすでに存在しなくなっていれば、エンチャント・カードはそのオーナーの墓地に置かれる(不正な個別エンチャントが墓地に行くのは状況起因効果である。rule 420〔状況起因効果〕参照)。
214.8f 個別エンチャントはそれ自身にはつけることができない。何らかの理由でそうなった場合、その個別エンチャントは状況起因効果でそのオーナーの墓地に置かれる(rule 420.5d 参照)。
214.8g 個別エンチャントのつけられているパーマネントのことを、「エンチャントされている」という。そのエンチャントはそのパーマネントを「エンチャントしている」、あるいはそのパーマネントに「ついている」という言い方をする。。
214.8h 個別エンチャントの能力は、その能力がそれを対象にすると明記されていない限り、それがエンチャントしているパーマネントを対象にはしない。エンチャント 呪文はエンチャントしようとする呪文を対象に取るが、解決された後で場に出たエンチャントがエンチャントされたパーマネントを対象にとり続けるわけではない。あるパーマネントが一般に、あるいは特定の特性を持つエンチャントによって「エンチャントされない」場合には、その類のエンチャントになる呪文の対象になることもない。
214.8i 個別エンチャントのコントローラーは、そのエンチャントされているパーマネントのコントローラーとは無関係であり、同じである必要はない。パーマネントのコントロールが変化しても、エンチャントのコントロールは変化しないし、逆も同じである。エンチャントのコントローラーだけがその能力を使うことができる。しかし、エンチャントがそれのエンチャントしているパーマネントに何らかの能力を与える場合には、エンチャントされているパーマネントのコントローラーだけがその能力を使うことができる。
214.9a 土地 カードは呪文 カードではないし、呪文になることもない。プレイヤーが土地 カードをプレイしたとき、それは単に場に出される。土地 カードはスタックに積まれないので、プレイヤーはこれに対応してインスタントや起動型能力をプレイすることはできない。
214.9b プレイヤーは通常、各ターンに1枚だけ、メイン・フェイズの間でスタックが空のときに限り、土地 カードをプレイすることができる。呪文や能力によって追加の土地をプレイすることが可能になることがある。こうした場合にも、通常の、土地を場に出す行動を取ることはできる。土地をプレイするに際し、プレイヤーは、それが通常の土地のプレイかそうでないのかを宣言する必要がある。通常の土地のプレイでない場合には、どの効果によってその土地のプレイが認められるのかを特定しなければならない。土地を場に「出す/put」ことができる呪文や能力が存在する。これは土地のプレイとは違うので、通常の土地のプレイが1枚限りだという制限の上では考慮されない。
214.9c 土地 カードは2種類に分類できる。基本地形と、特殊地形である。基本地形かどうかはタイプでもサブタイプでもない。
214.9d 基本地形 タイプとは、「平地/Plains」、「島/Island」、「沼/Swamp」、「山/Mountain」、「森/Forest」である。これらの名前を持つ土地は、基本地形と呼ばれる。それ以外の土地でも、これらの基本地形 タイプを持つものが存在する。基本地形 タイプを持つ土地が基本地形であるとは限らない。さらに、基本地形 タイプ一つだけを持つ土地の名前は、その基本地形 タイプと同じ単語になる。
例:《Taiga》は、文章欄に以下のテキストを持つ土地である。「Taiga は、その本来の土地タイプに加えて、山でも森でもある。」《Taiga》は、基本地形 タイプを2つ持つが、基本地形ではない。なぜなら、(a)名前が基本地形の名前と異なり、(b)基本地形であると書かれていないからである。
214.9e 基本地形 タイプを持つ土地には、色つきのマナを出す本来の能力がある(rule 406.1〔マナ能力〕参照)。そのカードは、文章欄に「(T):あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」と書かれているかのように扱う。「平地/plains」は白、「島/island」は青、「沼/swamp」は黒、「山/mountain」は赤、「森/forest」は緑のマナを出す。
214.9f 何らかの効果によってパーマネントが基本地形になった場合、そのパーマネントは以前の土地タイプを失い、その基本地形のマナ能力だけを持つ。それは基本地形であり、その名前はその基本地形 タイプと同じ単語になる。その土地が「伝説の」パーマネントであったとしても、その性質も失われる。なお、このルールは土地タイプを本来のものに加えて得させるという類の効果には適用されない。
215.1. 「レジェンド/Legend」「伝説の/Legendary」という語が、カード タイプやサブタイプに含まれる場合がある。これは、そのカードが場に出たときに、そのパーマネントが、そのタイプのルールだけでなくレジェンド・ルールにも則って生成されるということを示す(rule 420〔状況起因効果〕参照)。
215.2. 「レジェンド」はクリーチャー・タイプである。「伝説の」はそうではない。もし クリーチャー以外で伝説性を持つパーマネントがクリーチャーになったら、クリーチャーである限りレジェンドである。クリーチャー・タイプ「レジェンド」のパーマネントがクリーチャーでなくなったら、そのパーマネントは伝説性を持つ。
215.3. 何らかの効果によりレジェンドでないクリーチャーがレジェンドになった後で、そのクリーチャーがエンチャントなど他のパーマネント・タイプになって、クリーチャーではなくなった場合、その効果が適用されなくなるので、その結果のパーマネントは伝説性を失う。
216.1. 呪文や能力の中には、トークン・クリーチャーを場に出すものがある。トークンのオーナーはそれを場に出した呪文や能力のコントローラーであり、コントローラーはトークンを場に出したプレイヤーである。呪文や能力のルール・テキストによって、生成されるトークンの特性のいくつかは定められる。それらはトークンの特性の初期値となる。トークンを生成した能力によって定められていない特性は存在しない。トークンのクリーチャー・タイプは、その名前と同じである。例えば、ゴブリン・トークンの名前はゴブリンであり、クリーチャー・タイプはゴブリンである。トークンの名前が二語以上の単語であった場合、そのそれぞれの単語がクリーチャー・タイプとなる。例えば、ゴブリン・斥候・トークンはゴブリン・斥候という名前であり、クリーチャー・タイプはゴブリンと斥候の二つとなる。トークンが場に出た後では、名前が変わってもクリーチャー・タイプは変わらない。その逆も同じである。
216.2. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのタイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(それが他のゲームやアングルードのトークン・カードであっても)カードとしては扱われず、特に「カード」という語を用いている効果の影響を受けない。
216.3. 【場】以外の領域に存在するトークンは、存在しなくなる。これは状況起因効果である(トークンが消滅する前に、領域を変更することによる誘発型能力は発生する)。一度トークンが場を離れたら、それは二度と戻ってくることはない。
217.1. 【領域】は、マジックのカードがゲーム中に存在しうる場所である。6つの基本的な領域が存在する。それは、【ライブラリー】【手札】【墓地】【場】【スタック】【ゲーム外】と呼ばれる。それぞれのプレイヤーにそれぞれの領域が存在する。但し、【場】と【スタック】は共用される。
217.1a カードが、そのオーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、その代わりにそのオーナーの対応する 領域に行く。インスタントやソーサリーのカードが場に出る場合、その代わりに、そのカードはゲームから取り除かれる。
217.1b ライブラリー、墓地、スタックにあるカードの順番は、何らかの効果がそれを認めない限り、並べ替えることはできない。他の領域にあるカードは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップしているかどうか、何にエンチャントしているかは両方のプレイヤーに明白でなければならない。
217.1c ある領域から他の領域に移動したカードは、新しいカードとして扱われる。以前の領域に関連した効果は失われる。このルールには2つの例外がある。スタックに積まれている呪文の特性を変更する効果は、その呪文によって生成されるパーマネントにも適用され続ける。また、カードがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「《怨恨/Rancor》が場から墓地に置かれたとき」など)は、新しい領域に存在するそのカードを見つけることができる。
217.1d カードやパーマネントがある領域から他の領域に移動する時、まずどのイベントがそのカードを動かすのかを決定し、その後で、そのイベントに対する置換効果を適用する。その効果が二つ以上の矛盾することをさせようとしていた場合、そのカードやパーマネントのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、その効果がどう働くかを決める。最後に、イベントが、カードやパーマネントを動かす。
217.2a ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはその【ライブラリー】となる。
217.2b それぞれのライブラリーは、一つの、裏向きの山でなければならない。プレイヤーはライブラリーを覗いたり、その順序を変化させてはならない。
217.2c プレイヤーはいつでも、それぞれのプレイヤーのライブラリーの残り枚数を数えることができる。
217.2d 同時に複数枚のカードを同じライブラリーの上または下に置く効果に関して、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置かれたのかを公開する必要はない。
217.3a 【手札】は、プレイヤーが引き、まだプレイしていないカードを持っておく場所である。
217.3b それぞれのプレイヤーに手札の最大枚数が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップの行動として最大枚数を越える手札を捨てなければならない。
217.3c プレイヤーはその手札を便利なように並べ、そして好きなだけ見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、それぞれのプレイヤーの手札の枚数を数えることはいつでもできる。
217.4a 【墓地】は捨て札の山とも呼ばれる。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたカード、ならびに解決が終わったインスタントやソーサリーはそのオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。
217.4b それぞれの墓地は、一つの、表向きの山でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。
217.4c 何らかの効果によって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決める。
217.5a プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは【場】である。場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールする(他のプレイヤーのパーマネント上の個別エンチャント以外の)パーマネントは、そのプレイヤーの前に置かれる。
217.5b カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は場にのみ影響を与え、また、場にあるものだけを考慮する。パーマネントは場にのみ存在する。呪文や能力が(a)プレイヤーや他の領域にあるカードを対象に出来ると書かれているか、(b)呪文のように場に存在できないものに影響を及ぼすものでない限り、パーマネントだけが呪文や能力の適正な対象である。
217.5c カードが場に入ったとき、それは新しいパーマネントとして扱い、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは無関係となる。(rule 217.8〔フェイズド・アウト〕参照)
217.5d 場にないカードは場になく、タップとかアンタップとかは考えない。場に出ているかスタックに積まれているカードにしかコントローラーは存在しない。
217.6a 呪文や能力がプレイされたとき、それは【スタック】の一番上に積まれ、解決を待つ。スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕及び rule 409.1 参照)
217.6b 呪文がプレイされると、そのカードはスタックに表向きに積まれる。それに対応してプレイされた他の呪文は、その上に積まれる。スタックに積まれた能力は、【擬呪文】と呼ばれる架空のカードによって表現される。起動型能力や誘発型能力の擬呪文は、それを作り出した能力のテキストを持つ。起動型能力の擬呪文のコントローラーは、その能力をプレイしたプレイヤーである。誘発型能力の擬呪文のコントローラーは、能力が誘発したときの発生源のコントローラーである。
217.6c 両方のプレイヤーがパスしたとき、一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。両方のプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。
217.7a 何らかの効果によって、カードが【ゲーム外】に置かれることがある。効果の中には、それを場に戻す方法が用意されているものがあり、「脇に置く/set aside」という語を使っている。こうして脇に置かれたカードは、一時的にせよ、ゲーム外に置かれている。
217.7b 【ゲーム外】領域にあるカードは表向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きでゲーム外に置かれている」カードは、説明によって許可されない限りは公開されない。
217.7c 場に戻ってくるべきカードは、戻る方法によって別々の山にしておくべきである。戻ってくる方法のないカードは、どうやって除外されたにせよ、それぞれのプレイヤーごとにひとまとめにしておけばよい。
217.8a フェイズ・アウトしたパーマネントは、【フェイズド・アウト】領域に置かれる(rule 502.15〔フェイジング〕参照)
217.8b 【フェイズド・アウト】領域にあるカードは、いつでも両方のプレイヤーが確認できる。
217.8c フェイズ・アウトしたカードは、タップ状態でもアンタップ状態でもなく、誰にもコントロールされていない。しかしながら、この領域にあるカードはその以前の状態を「覚えて」おり、場を離れたときと同じ状態で場に戻る(rule 502.15〔フェイジング〕参照)。これは rule 217.5c の例外である。
217.8d 【フェイズド・アウト】領域に行ったトークンは消滅する。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。それらのトークンについていた個別エンチャントは、ゲームの残りの期間、フェイズ・アウトしたままになる。
217.9 アンティ
217.9a マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他のルールで禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、DCI汎用トーナメント・ルールの下では厳しく禁止されている。
217.9b アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それを【アンティ】領域に置く。【アンティ】領域にあるカードは、いつでも両方のプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者は両プレイヤーの【アンティ】領域にあるカードの所有権を得る。
217.9c 「アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [このカード] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この文章は能力ではない。この類のカードは、プレイヤーの【アンティ】領域にあるカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりするものである。
300.1. ターンは順に【開始フェイズ】【戦闘前 メイン・フェイズ】【戦闘フェイズ】【戦闘後 メイン・フェイズ】【終了フェイズ】の5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズは順番に処理されるステップに細分化される。
300.2. フェイズやステップは、スタックが空で、かつ両方のプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。ターン間、フェイズ間、ステップ間には何も起こらない。(スタックが空になったということと、フェイズやステップが終わるということは別である。スタックが空になった後、両方のプレイヤーがパスしなければならない。言い換えると、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会が与えられるということである。)
300.3. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」の効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」の効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップ開始時ではない。「ターン終了時まで」続く効果は、特別なルールが適用される(rule 314.1b 参照)。
300.4. (ステップではなく)フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。こうして失われた1マナごとに、そのプレイヤーは1ライフを失う。これをマナ・バーンという。マナ・バーンはライフの喪失であってダメージではないので、ダメージに影響を及ぼす効果によって軽減したり他のものに置換えることはできない。(rule 406.1〔マナ能力〕参照)
300.5. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「最初に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力がスタックに加えられる。
300.6. 呪文や能力によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加ターンを得たり、複数のプレイヤーが追加のターンを得たりする場合、その追加ターンは効果が生成した順に処理される。
301.1. 開始フェイズは順に【アンタップ・ステップ】【アップキープ・ステップ】【ドロー・ステップ】の3つのステップからなる。
302.1. アクティブ・プレイヤーが、そのコントロールするパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し(通常はすべてアンタップされるが、効果によって変更されることもある)、それらを同時にアンタップする。効果によって、プレイヤーがコントロールするパーマネントが通常どおりにアンタップすることが妨げられることもある。
302.2. アンタップ・ステップの間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文や能力はプレイされないし、解決されもしない。このステップ中に誘発した能力は、アップキープ・ステップ中にプレイヤーが優先権を得るまでそのままである。(rule 303〔アップキープ・ステップ〕参照)
302.3. プレイヤーが自分のパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのパーマネントはフェイズ・アウトし、それと同時に、フェイズ・アウトした時点でそのプレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウト状態のすべてのパーマネントがフェイズ・インする。(rule 217.8〔フェイズド・アウト〕, rule 502.15〔フェイジング〕参照)
303.1. アップキープ・ステップの開始に際し、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力と、そのターンのアンタップ・ステップに誘発する能力をスタックに積む(アップキープ 誘発型能力は、「あなたのアップキープの開始時に」という語句を用いている。rule 404〔誘発型能力〕参照)。それらの能力がすべてスタックに積まれた後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。その後で、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。
304.1. ドロー・ステップの開始に際し、そのドロー・ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積む。(ドロー・ステップ 誘発型能力は、「あなたのドロー・ステップの開始時に」といった語句を用いている。rule 404〔誘発型能力〕参照)その後、ドロー・ステップの行動 - アクティブ・プレイヤーがカードを1枚引く - をスタックに積む。この行動は誘発型能力であるが、どのプレイヤーによってもコントロールされない。これは単に、そのドロー・ステップ開始時に誘発する、すべてのプレイヤーがコントロールするすべての能力の一番上のスタックに積む。その後で、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。
305.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。【戦闘前 メイン・フェイズ】(または第1メイン・フェイズ)と【戦闘後 メイン・フェイズ】(または第2メイン・フェイズ)は、【戦闘フェイズ】(rule 306〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られており、戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ぶこともある。
305.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに両方のプレイヤーがパスしたときにメイン・フェイズが終了する。
305.3. メイン・フェイズの開始に際し、そのメイン・フェイズの開始時に誘発する能力をスタックに積む。(メイン・フェイズ 誘発型能力は、「あなたのメイン・フェイズの開始時に/At the beginning of your main phase」といった語句を用いている。rule 404〔誘発型能力〕参照)その後で、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーが呪文や能力をプレイできるようになる。(通常、このフェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト 呪文、クリーチャー 呪文、エンチャント 呪文、ソーサリー 呪文をプレイできる。アクティブ・プレイヤーだけがこれらの呪文をプレイできる。)
305.4. アクティブ・プレイヤーは、どちらかのメイン・フェイズの間に、自分が優先権を持ち、スタックが空であり、そしてまだこのターンに土地を手札からプレイしていないときに限り、土地を1枚だけ手札からプレイすることができる(rule 214.9〔土地〕参照)。この行動はスタックに積まれず、いかなる種類の呪文や能力でもない。この行動は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
306.1. 戦闘フェイズは5つのステップからなり、それらは【戦闘開始ステップ】【攻撃クリーチャー指定ステップ】【ブロック・クリーチャー指定ステップ】【戦闘ダメージ・ステップ】【戦闘終了ステップ】の順番で進んでいく。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、クリーチャーが1体も攻撃クリーチャーとして指定されなかった場合には飛ばされる(rule 308.4 参照)。
306.2. クリーチャーは、(破壊されたりゲームから取り除かれたりして、あらゆる手段で場を離れた結果)それがクリーチャーでなくなるか、再生するか(rule 419.6b 参照)、あるいはコントローラーが変わったときに戦闘から取り除かれる。「戦闘から取り除かれる」と、攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャー、ブロックされたクリーチャー、ブロックされていないクリーチャーのいずれでもなくなる。一旦クリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして宣言されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力によって戦闘から取り除かれることはない。すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことはできず、戦闘ダメージを与えることを防ぐこともできない。
307.1. このステップの開始に際し、(存在するならば)誘発型能力がスタックに加えられ、その後でアクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。
308.1. アクティブ・プレイヤーは(攻撃するなら)自分がコントロールするクリーチャーが攻撃することを宣言する。クリーチャーだけが攻撃に参加することができ、(攻撃に参加してもタップしないものであっても)タップ状態のクリーチャー、壁、またはアクティブ・プレイヤーがそのターンの開始時から続けてコントロールしていないクリーチャーは攻撃に参加できない。この宣言は同時であり、順に行なうわけではない。また、スタックにも積まれない。この行動中に誘発した誘発型能力は、プレイヤーが優先権を得るまで処理されない。
308.2. アクティブ・プレイヤーは攻撃が適正かどうかを決定する(5章〔その他のルール〕参照)。適正であれば、そのプレイヤーは攻撃クリーチャーをすべてタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップすることはコストではない。単に、攻撃に参加することによってクリーチャーがタップされるだけである。その後で、プレイヤーは必要なコストをすべて支払う。他のコストや制限が適用される場合もある(rule 409.1f 参照)。アクティブ・プレイヤーは、攻撃 コストにマナの支払いが含まれている場合に限り、ここでマナ能力をプレイすることができる。
308.3. 宣言しようとした攻撃が不正であったり、あるいはアクティブ・プレイヤーが必要なコストをすべて支払うことができなかったりした場合、rule 308.1 および rule 308.2 によって行なわれた行動は全て取り消される。その後、アクティブ・プレイヤーはもう一度攻撃クリーチャーを指定する(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)。
308.4. 攻撃クリーチャーが指定されなかった場合、戦闘終了ステップに直接移行し、攻撃クリーチャー指定ステップの残りと、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。
308.5. 適正な攻撃の一部として選択され、攻撃 コストが全て支払われ、なおかつそのクリーチャーがアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、クリーチャーは攻撃クリーチャーとなる。この場合、戦闘フェイズが終わるか、または戦闘から取り除かれるまで、攻撃クリーチャーであり続ける。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーは、1体以上のクリーチャーが攻撃クリーチャーである場合、そのターン、「攻撃されている」として扱う。
308.6. 適正な攻撃が宣言され、すべての必要なコストが支払われた後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。
309.1. 防御側プレイヤーは、そのコントロールしているクリーチャーでブロックするかどうか、またブロックするならばそれぞれどの攻撃クリーチャーをブロックするかを宣言する。タップされているクリーチャーや、クリーチャー以外のパーマネントはブロック・クリーチャーとして指定できない。それぞれのクリーチャーは各1体の攻撃クリーチャーしかブロックできないが、複数のクリーチャーで1体の攻撃クリーチャーをブロックすることはできる(ブロックしてもタップされないことに注意)。この宣言は1体ずつではなく全て同時に行われ、スタックには積まれない。この行動の間に発生した誘発型能力は、プレイヤーが優先権を得るまで処理されない。
309.1a あるクリーチャーがその戦闘フェイズにおいてブロック・クリーチャーとして指定された唯一のクリーチャーである場合、それを「単独でブロックに参加している/blocking alone」と言う。
309.2. 防御側プレイヤーは、ブロックが適正かどうかを決定する(5章〔その他のルール〕参照)。適正であれば、そのプレイヤーは必要なコストをすべて支払う。防御側プレイヤーはブロック・コストにマナの支払いが含まれている場合に限り、ここでマナ能力をプレイすることができる。
309.2a. 宣言しようとしたブロックが不正であったり、あるいは防御側プレイヤーが必要なコストをすべて支払うことができなかったりした場合、rule 309.1 および rule 309.2 によって行なわれた行動は全て取り消される。その後、防御側プレイヤーはもう一度ブロック・クリーチャーを宣言する。(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)
309.3. 適正なブロックの一部として選択され、ブロック・コストが全て支払われ、なおかつそのクリーチャーが防御側プレイヤーによってコントロールされている場合、クリーチャーはブロック・クリーチャーとなる。1体以上のクリーチャーがブロック・クリーチャーとして宣言された攻撃クリーチャーは、「ブロックされたクリーチャー」となる。ブロック・クリーチャーが存在しない攻撃クリーチャーは、「ブロックされていないクリーチャー」となる。これらのクリーチャーの状態は、そのクリーチャーが戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまでは変化しない。
309.4. クリーチャーがブロック・クリーチャーとして指定された後、戦闘から取り除くようななんらかの呪文や能力をプレイすることによってブロックを「なかったこと」にすることはできない。攻撃クリーチャーをブロックされないようにする、またはブロック・クリーチャーをブロックに参加させないようにするには、ブロック・クリーチャー指定よりも前にそうしなければならない。
309.5. 全ての適正なブロックが宣言され、全ての必要なコストが支払われた後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。
310.1. まずアクティブ・プレイヤーが、攻撃クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを宣言し、その後で防御側プレイヤーがブロック・クリーチャーのダメージの割り振りを宣言する(rule 502.2〔先制攻撃〕も参照)。各プレイヤーは、以下の制限に従ってクリーチャーの戦闘ダメージを割り振ることができる。
310.1a 攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャーはそれぞれ、そのパワーに等しい戦闘ダメージを与える。
310.1b ブロックされていないクリーチャーは、防御側プレイヤーに全ての戦闘ダメージを与える。
310.1c ブロックされているクリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それをブロックしているクリーチャーにダメージを割り振って与える。(例えば破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)ブロックしているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを与えない。
310.1d ブロック・クリーチャーは、そのコントローラーの選択に従い、それにブロックされている攻撃クリーチャーに戦闘ダメージを割り振る(分数は不可)。(例えば、破壊されていたり戦闘から取り除かれていたりして)現時点でブロックされているクリーチャーがいなくなっていた場合には、戦闘ダメージを割り振らない。
310.2. 戦闘ダメージの割り振りは、全てが単一の擬呪文であるかのようにスタックに積まれる。その後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。
310.3. 戦闘ダメージの割り振りはスタックに積まれるが、呪文や能力ではないので、打ち消されることはない。
310.4. 戦闘ダメージは、擬呪文であるかのように解決される。その解決時に、宣言時に割り振られたとおりに与えられる。これは、ダメージを与えるクリーチャーが既に場を離れていたり、あるいはそのパワーが変化していたり、ダメージを受けるべきクリーチャーが戦闘から離れていたりしても変化しない(ダメージ源は、その時に場に存在していればそのクリーチャーであり、存在していなければその場を離れる直前の状態であることに注意)。ダメージを受けるべきクリーチャーが既に場にいないかクリーチャーでなくなっている場合、それに割り振られていたダメージは与えられない。戦闘ダメージ 解決終了後、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
311.1. 全ての「戦闘終了時に」起こる誘発型能力が誘発し、スタックに積まれる(rule 404〔誘発型能力〕参照)。その後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。
312.1. 終了フェイズは、【ターン終了】【クリンナップ】の二つのステップからなる。
313.1. このステップの開始に際し、全ての「ターン終了時に」起こる誘発型能力が誘発し、スタックに積まれる(rule 404〔誘発型能力〕参照)。その後で、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。
313.2. 【ターン終了 ステップ】の開始時に「ターン終了時に」起こる誘発型能力がスタックに積まれた後で、新しく「ターン終了時に」起こる誘発型能力が生成された場合、あるいは「ターン終了時に」起こる誘発型能力を持つカードが場に出た場合、それらの能力は次のターンの終了フェイズまでスタックに積まれない。言い替えれば、このステップは「さかのぼらない」ので新しい「ターン終了時」誘発型能力はスタックに積まれない。
314.1. クリンナップ・ステップは以下の順番に従って進む。
314.1a まず、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限の枚数(通常は7枚)を越えていたら、その数になるまで手札を捨てる。この行動はスタックに積まれない。
314.1b その後、全てのパーマネントに与えられているダメージが除かれるのと同時に「ターン終了時まで」の効果、また「このターンの間」の効果が終わる。これらは同時に行われ、スタックには積まれない。
314.1c 次に、状況起因効果を起こす条件が揃っているか、あるいは何らかの能力が誘発した場合にのみ、アクティブ・プレイヤーは呪文や能力をプレイする優先権を得る。スタックが空になり、両方のプレイヤーがパスした場合、もう一度新しいクリンナップ・ステップが始まる。何も起きなければ、優先権は発生せず、ステップは終了する。
400.1. 【能力】とは、カードの文章欄に書かれている効果を発生させる文章である。注釈文、フレイバー・テキスト、特性を定めるテキスト、呪文のテキストは能力ではない。注釈文とフレイバー・テキストは常にイタリック体(斜体)で書かれている。特性を定めるテキストとは、そのカードやパーマネントが特殊な特性「である/is」ことを表すテキストである。呪文のテキストとは、呪文をプレイしたり解決したりするに際してどうするかを示すあらゆるテキストである。能力は、特に定められていない限り、【場】領域からだけ効果が発生する。テキストそのものは効果ではない。呪文と起動型能力と誘発型能力は、それが解決したときに効果が発生する。常在型能力は継続的効果を発生させる。
401.1. 【呪文】とは、スタックに積まれているカードである。プレイの最初の段階で、そのカードは呪文となり、プレイされる領域(通常はプレイヤーの手札)からスタックに積まれる(rule 217.6〔スタック〕参照)。それは解決した時や(rule 413.2 参照)打ち消された時(rule 414〔呪文・能力の打ち消し〕参照)、なんらかの方法でスタックを離れた時に呪文でなくなる。
401.2. 土地以外の各カード・タイプは、対応する 呪文 タイプがある。例えば、プレイされたクリーチャー・カードは、解決するか、打ち消されるか、スタックを離れるまではクリーチャー 呪文である。対象をとるインスタント 呪文やソーサリー 呪文は、呪文のテキストに「対象の[なにか]/target [なにか]」という語句を使っている。「なにか」にはパーマネント、呪文、能力、カード、プレイヤーを示す語句が入る。また、個別エンチャント 呪文は、それがエンチャントするパーマネントを対象にとる。
401.3. インスタント 呪文やソーサリー 呪文の解決の最後に、そのカードはオーナーの墓地に置かれる。アーティファクト 呪文、クリーチャー 呪文、及びエンチャント 呪文の解決の最後に、そのカードはパーマネントとなり、呪文のコントローラーのコントロールの下で【場】領域に置かれる。呪文が打ち消された場合、打ち消す 呪文や能力の解決の一部として、そのカードはオーナーの墓地に置かれる(rule 413〔呪文・能力の解決〕参照)。
402.1. 【能力】とは、カードやパーマネントのテキストである。注釈文、フレイバー・テキスト、特性を定めるテキスト、呪文のテキストとは違う(rule 400.1 参照)。その指示に従った結果、及び呪文のテキストに従った結果のことを効果という(rule 416〔効果〕参照)。能力は、それの書かれているカードやパーマネントに影響できる。それは他のカードやパーマネントやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。能力によって、それが書かれているカードやパーマネント、あるいはそれ以外のカードやパーマネントに能力を与えられることがある。その場合、「持つ/has,have」「得る/gains,gain」という言葉が使われる。
402.2. 能力には有益なものも不利益なものもある。例えば、「このクリーチャーはブロックに参加できない」というのは能力である。
402.3. カードのテキストに、このカードは特定のタイプまたは色「である/is」、と書いてある場合、それらは能力ではない。これらの宣言は、カードがどの領域にあっても適用され、パーマネントの能力を失わせるような効果によって取り除かれない。このルールは、カードのタイプや色を明記するテキストにのみ適用し、他の特性を定めるテキストには適用しない。
402.4. カードをプレイするための追加コストや代替コストは、カードの能力ではない。そういったテキストは呪文のテキストである。
402.5. 能力は呪文ではなく、そのため呪文だけを打ち消すものによって打ち消すことできない。能力は、ルールによって打ち消されるのと同じように、特殊な打ち消し能力の効果によっても打ち消される(例えば、対象をとる能力は、その対象がすべて不正になった場合に打ち消される)。
402.6. いったん起動、または誘発したら、能力はその発生源(能力が記されているカード)とは独立して、擬呪文としてスタック上に存在する。以降、その発生源を破壊したり除去しても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》は対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人に1点のダメージを与える」)。このような場合、発生源の情報を参照するあらゆる呪文、起動型能力、誘発型能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。あるいは、それがもはや場にない場合、その発生源の場を離れる直前の情報を使う。
402.7. 一つのカードが色々な能力を持つことがある。一行に並べられる、あらかじめ定義された能力(rule 502〔キーワード能力〕参照)を除き、カードのテキストの各段落は別個の能力を表す。一つのカードが、同じ能力を複数持つこともある。同じ能力でも、それぞれは独立に機能する。これによって、能力が一つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。
402.8. 能力は、そうでないと書かれていない限り、その能力を持つパーマネントが場にある間にのみ機能する。
例:黒の呪文および黒の発生源からの能力は、プロテクション(黒)を持つカードがライブラリーや墓地にあるとき、それを対象にとることができる。
402.9. いくつかのカードは、そのカードが場にない時にプレイできる能力を持つ。これらは明示的に記述されている(例えば、「この能力は、[カード名]があなたの墓地にあるときにしかプレイできない」)。これらの能力は、何らかの特殊なパーマネント・タイプの能力でもない。場に出ていないカードはパーマネントではないからである。いくつかのカードは、カードが【場】領域以外の領域にある場合に誘発する能力を持つ。そういった能力は誘発する領域を限定する。それらは何らかの特殊なパーマネント・タイプの能力でもない。場に出ていないカードはパーマネントではないからである。
402.10. 能力は大別して起動型能力、誘発型能力、常在型能力の3つに分類できる。マナ能力は、能力のサブタイプである。能力は単発的効果や継続的効果を発生させる。置換効果と軽減 効果は、効果のサブタイプである。対象をとる起動型能力や誘発型能力は、そのテキストに「対象の[なにか]/target [なにか]」という語句を使っている。「なにか」にはパーマネント、呪文、能力、カード、プレイヤーを示す語句が入る。
403.1. 【起動型能力】は、パーマネント上か、あるいは【場】領域以外にある「この能力は[カード名]が[領域名]にあるときにしかプレイできない」と書かれたカード上に存在する。起動型能力は「コスト:効果」という書式で書かれている。起動コストは、コロン(:)の前にあるもの全てである。能力のコントローラーは、能力をプレイするために起動コストの支払いが必要である。
403.2. カードに特に書かれていない限り、起動型能力はそのパーマネントのコントローラーだけがプレイできる。
403.3. 起動型能力の使用に制限がある(例えば、「この能力は各ターンに一回しかプレイできない」)とき、その制限はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。
404.1. 【誘発型能力】は「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」から始まる語句で示される。これらの語句を含む部分は誘発条件と呼ばれ、誘発 イベントを定義する。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、この3語のうちいずれかを含む。
404.2. 誘発型能力はプレイされない。その代わりに、誘発型能力はその誘発 イベントが満たされるたびに自動的に「誘発」する。能力が誘発したら、次にプレイヤーが優先権を得るときにスタックに積まれる。
404.3. 誘発型能力には「とき/たび/時、…[条件]ならば、[効果]する/When/Whenever/At . . . , if [条件], [効果].」と書かれたものがある。この能力は、誘発 イベントが発生したときに、そこに記された条件を満たしているかどうかチェックする。条件を満たしている場合にこの能力は誘発し、スタックに積まれる。解決時に、この能力は再び条件をチェックする。このどちらかのときに、この条件が満たされていない場合、この能力は何もしない。このルールは「"if"節のルール」と呼ばれる。「ならば/if」という単語は、カードのテキストの他のさまざまな場所では普通の英語の意味しか持たない。このルールは、誘発条件の直後に「ならば/if」節が続いていたときにだけ適用する。
405.1. 【常在型能力】は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。能力はプレイされず、単にそこに「存在する/is」。
406.1a 【マナ能力】は、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加える起動型能力か、起動型マナ能力による誘発型能力で追加のマナを出すものである。マナを生成するのと同時に、他の効果を発生させることもある。
406.1b マナをプレイヤーのマナ・プールに加える呪文はマナ能力ではない。これらは他の呪文と同じようにプレイされ、解決される。マナをプレイヤーのマナ・プールに加える誘発型能力は、もしそれらが起動型マナ能力以外のイベントによって誘発する場合、マナ能力ではない。それらはスタックに積まれ、ほかの誘発型能力と同じように解決する。
406.1c マナ能力は、ゲームの状態によってマナを生み出せない場合でもマナ能力として残る。
例:あるカードに、「(T):あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、あなたのマナ・プールに(G)を加える」という能力がある場合、これは、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのカードがタップ状態だとしてもマナ能力である。
406.1d マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。但し、マナ能力のプレイと解決のルールは、他の能力のプレイとは多少異なる。詳細については rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照。
406.1e マナ能力は、他の能力と同じようにプレイされ、解決されるが、スタックには積まれない。そのためこれらを打ち消したり対応したりすることはできない(rule 408.2〔スタックを使わない行動〕参照)。しかしながら、マナ能力をプレイしたことにより誘発する(マナ能力を除く)能力はスタックに積まれる。
406.2a ある種の効果は、後で何かをすることができる遅延誘発型能力を生成することがある。
406.2b 【遅延誘発型能力】は、解決時にそれを生成する呪文や能力からもたらされる。これは、遅延誘発型能力は、その誘発 イベントがあらかじめ起きていたとしても、実際に生成するまで誘発しないということである。それ以前に発生したイベントによって、誘発条件が発生しなくなることもありうる。
例:効果の一部に「このカードが場を離れたとき」と書いてあるにもかかわらず、この効果を生む呪文や能力が解決するよりも前に問題のカードが場を離れたとする。この場合、遅延誘発型能力は決して誘発しない。もうひとつ例を挙げると、効果に「このカードがアンタップ状態になったとき」と書いてあり、指定されたカードがこの効果の解決よりも前にアンタップ状態になった場合、この能力はカードが次にアンタップされるまで待つ。
406.2c あるパーマネントに影響する遅延誘発型能力は、そのパーマネントの特性が変化しても影響を及ぼす。
例:「ターン終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力は、それがターン終了 ステップにクリーチャーでなくなっていたとしても、そのパーマネントを破壊する。
406.2d 特定のパーマネントに影響する遅延誘発型能力は、そのパーマネントが場を離れた場合(指定された時点までに戻ってきたとしても)失敗する。同様に、特定の領域にあるカードに影響する遅延誘発型能力は、カードがその領域を離れていた場合には失敗する。
例:「ターン終了時に、このクリーチャーをゲームから取り除く」という能力は、そのクリーチャー・カードがターン終了 ステップ以前に場を離れていた場合には何もしない。
406.2e 遅延誘発型能力は、「このターン」のような記された期限がない限り、次に誘発 イベントが起こったとき一度だけしか誘発しない。
407.1. 効果によって、パーマネントの能力が追加されたり、あるいは除かれたりすることがある。複数の効果が同じ能力を追加したり除いたりしていた場合、一般に、もっとも最近のものが勝つ(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕参照)。
407.2. 効果により設定されたパーマネントの特性は、効果によって与えられた能力とは異なる。パーマネントが能力を「得た/gain」り「持った/have」りしたとき、それは別の効果によって除去されることがありうる。効果によってパーマネントの特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性]である」)、それは能力を与えているのではない。(rule 402.3 も参照)
例:「エンチャントされたクリーチャーは以下の能力を持つ。『このクリーチャーは同時にクリーチャーでもあるアーティファクトである』」という効果はクリーチャーに、他の効果によって取り除くことのできる能力を与えている。「エンチャントされたクリーチャーは同時にクリーチャーでもあるアーティファクトである」という効果はクリーチャーの特性を定義しているだけであり、能力を与えているわけではない。そのためクリーチャーから能力を「失わせる/lose」効果では、エンチャントされているクリーチャーがアーティファクトになることを止めることはできない。
407.3. 能力を除去する効果は、その能力が複数あってもすべて取り除く。
例:飛行を持つクリーチャーに《飛行/Flight》がエンチャントしている場合、そのクリーチャーは飛行 能力を2つ持っているが、「対象のクリーチャー1体は飛行を失う」という1つの効果で両方とも取り除かれる。
408.1a 呪文や能力は適切なときにのみプレイでき、一群のルールに従う。
408.1b 呪文と起動型能力は、優先権のルールに従い、プレイヤーが(プレイしたいときに)プレイするが、その他の種類の能力や効果はゲームのルールによって自動的に発生する。いずれかのプレイヤーが優先権を得るたび、まず最初に、発生する全ての状況起因効果が1つのイベントとして解決する(rule 420〔状況起因効果〕参照)。その後、新しい状況起因効果が発生したならば、一つのイベントとして解決する。この過程を、状況起因効果が発生しなくなるまで繰り返す。その後、誘発型能力がスタックに加えられる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。これらの段階を状況起因効果も誘発型能力も発生しなくなるまで順番に繰り返す。その後、優先権を得るプレイヤーは、そのフェイズに関するルールに従い、呪文、能力、土地をプレイできるようになる。クリンナップ・ステップ(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕)の間も、状況起因効果と誘発型能力はチェックされる。何らかの状況起因効果が解決するか能力が誘発した場合、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。
408.1c アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、特殊行動とそのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る(この例外はアンタップ・ステップとクリンナップ・ステップである)。アクティブ・プレイヤーは、戦闘ダメージが解決した後でも優先権を得る。優先権を持つプレイヤーは、呪文か能力をプレイするか、あるいはパスすることができる。呪文や能力をプレイしたら、そのプレイヤーが再び優先権を得る。パスした場合には、その対戦相手が優先権を得る。双方のプレイヤーが続けてパスしたら、スタックの一番上の呪文か能力が解決し、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得る。両プレイヤーが連続してパスした時にスタックが空であれば、そのフェイズまたはステップは終了し、次のものが開始する。
408.1d プレイヤーは、優先権を持つ時にだけ呪文や起動型能力をプレイすることができる。インスタント以外の呪文は、そのプレイヤーのメイン・フェイズで、優先権を持ち、スタックが空である時にのみプレイできる。
408.1e 呪文がプレイされたら、それはスタックの一番上に積まれる。起動型能力がプレイされたら、その代わりとして擬呪文がスタックに積まれる。
408.1f 誘発型能力は、呪文や別の能力のプレイ・解決の間も含めて、いかなる時でも誘発する。但し、その能力が誘発した時点では何も起こらない。プレイヤーが優先権を得るときに、誘発していて、まだスタックに積まれていない能力それぞれの擬呪文がスタックに積まれる。その後で、プレイヤーは優先権を得、呪文や能力をプレイすることができる(rule 410〔誘発型能力の処理〕参照)。
408.1g 戦闘ダメージは、割り振られたらスタックに積まれる。(rule 310〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照)
408.1h 常在型能力はプレイされることはなく、それは継続的にゲームに影響を与える。優先権の考え方は適用されない。(rule 418〔継続的効果〕、rule 419〔置換・軽減 効果〕参照)
408.2a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果は遅延誘発型能力を生成することもあるが、それらは誘発してからスタックに積まれる(rule 406.2〔遅延誘発型能力〕参照)。
408.2b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない。
408.2c 状況起因効果(rule 420〔状況起因効果〕参照)は、プレイヤーが優先権を得るときに、ゲームの状況が条件を満たしているなら解決する。
408.2d 土地をプレイするとは、その土地を場に出すという特殊な行動である。(rule 214.9〔土地〕参照)
408.2e マナ能力は即座に解決される。マナ能力が、マナと別の効果をともに生み出した場合、両方ともただちに解決される。(rule 406.1〔マナ能力〕参照)
408.2f 「[カード名]は森である」のような、特性を定めるテキストは、単純に読んだ通りに処理される。(rule 402.3 も参照)
408.2g ゲームの行動−アンタップ・ステップの間のアンタップ、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定、クリンナップ、マナ・バーン−はスタックに積まれない。例外は2つあり、戦闘ダメージとドロー・ステップのドロー行動である。
408.2h 裏向きのクリーチャー・カードやクリーチャー 呪文のコントローラーは、優先権を持っているときならいつでもそれを表向きにできる。(rule 504〔裏向きのクリーチャー〕参照)
409.1. 呪文や起動型能力は、以下に示した手順に従ってプレイされる。呪文や能力のプレイが終了したとき、プレイヤーが以下に示されたステップのいずれかを完了できなかった場合、ゲームはその呪文や能力がプレイされる前の瞬間まで戻る(rule 422〔不正な行動の処理〕参照)。プレイヤーは、効果によって禁止されている呪文や能力のプレイを開始することはできない。宣言及び支払いは、行なった後で変更することはできない。コストを変える呪文や能力をプレイしても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
呪文や能力の中には、プレイするときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択、呪文や能力がその対象にどう影響するかなどを、その呪文や能力のコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手は呪文や能力のコントローラーが通常行なうようにその選択を行なう。その呪文や能力がプレイされるときに両方のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文(や能力)のコントローラーが先に行い、その後でそのプレイヤーの対戦相手が行なう。これは rule 409.1 のすべての部分に適用する。
409.1a プレイヤーは、呪文や能力をプレイすることを宣言する。宣言した呪文や能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決するまでそこに留まる。呪文 カードは物理的にスタックに積まれる。能力の場合は、能力のテキストを持った擬呪文がスタックに積まれる。擬呪文のその他の特性はすべて能力の発生源の特性に依存する。例えば、擬呪文の色はその発生源の色によって絶えず決定されており、擬呪文がスタックに積まれた時の発生源の色ではない。
409.1b 呪文や能力がモードを持つ(「一つを選ぶ −/Choose one -」「[特定のプレイヤー]は一つを選ぶ −/[特定のプレイヤー] chooses one -」という語句を使っている)場合、プレイヤーは選択したモードを宣言する。呪文や能力が((X)で示される)可変マナ・コストやその他の可変コストを持つ場合、プレイヤーはモード選択時にその変数の値を宣言する。呪文や能力が代替コスト、追加コスト、(キッカー・コストやバイバック・コストなどの)その他の特殊なコストを持つ場合、そのプレイヤーはそれらのコストをすべて、あるいは一部を支払う意図を宣言する(rule 409.1f 参照)。
409.1c 呪文や能力が対象を取る場合、プレイヤーはまず(可変個の対象をとる呪文や能力の場合)対象をいくつ選ぶのかを宣言し、次に対象にとるものを宣言する。呪文や能力は必要な数の適正な対象を選ばなければプレイすることはできない。同じ対象を複数回対象にとることはできない。
呪文や能力が、代替コスト、追加コスト、(バイバック・コストやキッカー・コストなどの)特殊コストが支払われたとき、あるいはそのコントローラーが選んだ場合にのみ複数の対象をとる場合、その種のコストを支払う意図、あるいはそのモードを選ぶ意図を宣言した場合にのみその対象を選ぶ。宣言していないなら、その呪文や能力はその対象を取らないものとしてプレイされる。
409.1d 呪文や能力が、異なった方法で複数の対象に影響する場合、プレイヤーはどれにどう影響を与えるかを宣言する。
409.1e 呪文や能力が(ダメージやカウンターなどの)効果を可変個の対象に分割するようにプレイヤーに求める場合、プレイヤーはどう分割するかを宣言する。その各個の対象に、最低限(ダメージやカウンタなどを)1つは割り振らなければならない。この内容は、プレイヤーが選択を行わないときには適用されない。
409.1f プレイヤーはその呪文や能力の総コストを決定する。通常、(呪文の場合)そのマナ・コストだけ、(能力の場合)その起動コストだけである。テキストに追加コストや代替コストが書いてあるカードや、支払うべきコストを増減させる効果も存在する。コストには、マナの支払い、カードのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは起動コストに、すべてのコストの増減を加味したものである。いったん総コストが決定されたら、それは「固定」され、その後でプレイヤーはすべてのコストを任意の順序で払う。一部分だけ支払うことは許されない。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。コストにマナが含まれる場合、マナ能力はこの時点でプレイすることができる(rule 411〔マナ能力のプレイ〕参照)。
例:あなたはマナ・コストが(3)(B)でクリーチャーを1体生け贄に捧げる 追加コストを持つ、《死の爆弾/Death Bomb》をプレイする。あなたは、あなたの黒と青の呪文をプレイするためのコストを(1)減らす効果を持つ、《雷景学院の使い魔/Thunderscape Familiar》を生け贄に捧げる。呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《雷景学院の使い魔》を生け贄に捧げたとしても《死の爆弾》のコストは(3)(B)ではなく(2)(B)となる。
409.1g rule 409.1a から rule 409.1f で解説されたステップが完了したら、その呪文や能力は「プレイされた」ことになる。そのコントローラーは優先権を得る。
409.2. 「この能力は、あなたが[呪文 タイプ]をプレイできるときならいつでもプレイできる」と書かれている起動型能力は、その能力は実際にはその呪文 タイプではないが、プレイヤーはその呪文 タイプのタイミングのルールに従わなければならないことを意味する。
409.3. クリーチャーの、起動コストにタップシンボルを含む起動型能力は、そのクリーチャーがそのコントローラーのもっとも最近のターンの開始時から継続してそのコントローラーにコントロールされていない限りプレイできない。【速攻】を持つクリーチャーはこのルールを無視できる(rule 502.5 参照)。
410.1. これらはプレイされるわけではないので、誘発型能力は、呪文や能力がプレイできない時でも誘発し、また能力をプレイすることを妨げるような効果にも影響されない。
410.2. ゲーム上のイベントやゲームの状態が誘発型能力の誘発 イベントと合致するたびに、その能力は誘発する。フェイズやステップの開始時に、「開始時/at the beginning of〜」に誘発するすべての能力が誘発する。能力は誘発した時には何もしないが、プレイヤーが優先権を得る際に、直ちに擬呪文(rule 217.6b 参照)を自動的にスタックに積む。その能力(と、擬呪文)は、それが誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーによってコントロールされる。プレイヤーが何かを「してもよい/may」と書かれている能力が誘発した場合、その指示に従ってそのプレイヤーがすべての選択を行なう。能力が複数のプレイヤーにこの選択を求める場合、指示された各プレイヤーはその指示に従って選択を行なう。rule 410.6 も参照。
410.3. プレイヤーが最後に優先権を得たときよりも後で複数の能力が誘発した場合、まずアクティブ・プレイヤーがコントロールする擬呪文がそのプレイヤーが選んだ順序でスタックに積まれ、それから対戦相手が選んだ順序でその対戦相手がコントロールする擬呪文がスタックに積まれる。その後、プレイヤーは再度、発生しなくなるまで状況起因効果をチェックし、解決する。その後、この過程で誘発した能力がスタックに積まれる。この過程を新しい状況起因効果の発生も、能力の誘発もしなくなるまで繰り返す。その後、該当するプレイヤーが優先権を得る。
410.4. 誘発型能力がスタックに積まれたとき、擬呪文のコントローラーは、起動能力のルール(rule 409 参照)に従って必要な選択をすべて行なう。適正な選択ができない場合(あるいはルールや他の継続的効果によって能力が不正になった場合)、擬呪文は単にスタックから取り除かれる。
410.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカードを1枚引いてもよい」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる(選択は能力の解決時に行なう)。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」部分は能力の解決時に処理される。このルールは、このルールブックの前の版のrule 410.5 の逆転であることに注意。
410.6. 能力は、誘発 イベントが1回発生するごとに1回だけ誘発する。しかし、あるイベントが複数回発生した場合、繰り返し誘発する。rule 410.9 も参照。
例:誘発条件が「土地が場から墓地に置かれるたび…」である能力を持つパーマネントがあるとする。誰かが、すべての土地を破壊する 呪文をプレイしたとき、この能力は、その呪文の解決中に、墓地に置かれた土地1つにつき1回誘発する。
410.7. 能力は、その誘発条件が実際に起きた場合にのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによっては誘発しない。
例:ダメージが与えられたことで誘発する能力は、ダメージがすべて軽減された場合には誘発しない。
410.8. 誘発 イベントのすぐ後に記される条件付きの誘発型能力(例えば、「[誘発 イベント]とき/たび/時に、もし[条件]なら、[効果]する/When/Whenever/At [誘発 イベント], if [条件], [効果]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは、テキスト内の他のところに条件がある誘発型能力には適用しないことに注意。
410.9. 戦闘中、クリーチャーがブロックしたりブロックされたりした時に誘発する能力がある(rule 306 から rule 311、及び5章〔その他のルール〕参照)。これらの能力が1回だけ誘発するのか繰り返し誘発するのかは、その表記による。
410.9a 「[このクリーチャー]がブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks」または「[このクリーチャー]がブロックされた状態になるたび/Whenever [このクリーチャー] becomes blocked」と書いてある能力の場合、複数のクリーチャーをブロックしたり複数のクリーチャーにブロックされたりした場合でも、そのクリーチャーに対して、1回の戦闘につき1回だけ誘発する。クリーチャーがブロックされたことにする効果も、(クリーチャーがブロックされていなかった場合には)この種の能力を誘発する。
410.9b 「[このクリーチャー]がクリーチャーをブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks a creature」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回誘発する。
410.9c 「クリーチャーが[このクリーチャー]をブロックするたび/Whenever a creature blocks [このクリーチャー]」と書いてある能力の場合、指定されたクリーチャーをブロックしたクリーチャー1体につき1回誘発する。攻撃クリーチャーが、ブロック・クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた状態になった場合、この能力は誘発しない。
410.9d 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックした/された状態になるようなブロックが宣言された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。しかし、ブロック・クリーチャーを入れ替える効果では誘発しない。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。
410.10. カードやパーマネントが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのカードに何かしようとする。解決中に、これらの能力はカードを移動先の領域で探す。カードが能力の解決よりも先に指定された領域を離れた場合、失敗するのはそのカードに対して試みた部分である(このルールは、能力の解決よりも前に、カードが領域を離れてまた戻ってきた場合でも適用される)。領域変更誘発の最も一般的な例には、場に出た時に誘発する能力と場を離れた時に誘発する能力とがある。
410.10a 場に出た時の能力は、パーマネントが【場】領域に入った時に誘発する。これらは、「[このカード]が場に出たとき、…/When [このカード] comes into play,」、あるいは「[タイプ]が場に出たとき、…/Whenever a [タイプ] comes into play,」と書かれている。パーマネントを場に出すイベントのたびに、場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、場に出た時の誘発条件をチェックする。
410.10b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが場に出る瞬間にすぐ適用され(その前にはそうしない)、そのパーマネントが本来の特性で場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが場に出る前には適用しない(rule 410.10e 参照)
例:「すべての土地はクリーチャーである」という効果がある状態で土地 カードがプレイされた場合、効果は土地 カードを場に出た瞬間にクリーチャーに変えるため、それはクリーチャーが場に出たときに誘発する能力が誘発する。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う」という効果がある状態で、場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが場に出た場合、効果は場に出た瞬間にその能力を失わせるため、場に出たときの誘発型能力は誘発しない。
410.10c 場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが【場】領域を離れた時に誘発する。これらは、「[このカード]が場を離れたとき、…/When [このカード] leaves play,」、あるいは「[パーマネント・タイプ]が場から墓地へ置かれたとき、…/Whenever a [パーマネント・タイプ] is put into a graveyard from play,」と書かれている。このカードが場を離れた時に何かしようとする能力は、それが最初に行った領域のみをチェックする。
410.10d 1つ以上のパーマネントが場を離れたときに誘発する能力や、プレイヤーが1つ以上のパーマネントのコントロールを失ったときに誘発する能力は、イベント後にはその能力を持ったパーマネントが既にないため、特別に扱わなくてはならない。誘発するものを決定するために、ゲームの「過去の状態を知る」必要がある。1つ以上のパーマネントが場を離れる、あるいは1つ以上のパーマネントがコントロールしている人物を変えるイベントのたびに、そのイベントの直前に場にあったすべてのパーマネント(およびその時点で存在したすべての継続的効果)は、今場を離れたものや今コントロールを変えたものにあった、場を離れた時の誘発 イベントをチェックする。
例:2体のクリーチャーと、「クリーチャーが場から墓地へ置かれるたび、あなたは1点のライフを得る」という能力を持ったアーティファクトが場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する 呪文をプレイした。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。
「場を離れた」ことによる誘発は、誘発条件がそのパーマネントの行き先をチェックしない場合でも領域変更誘発である。場を離れたカードに対して、その能力が何かしようとする場合、場を離れて最初に行った領域のみを探す。
410.10e いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…の状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play with」「[このパーマネント]が場に出るに際し…/As [このパーマネント] comes into play」、「[このパーマネント]は…として場に出る/[このパーマネント] comes into play as」、「[このパーマネント]はタップ状態で場に出る/[このパーマネント] comes into play tapped.」と書かれたテキストを持つ。これらのテキストは常在型能力であり、誘発型能力ではない。この効果は、そのパーマネントを場に出すイベントの一部として発生する。
410.11. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、プレイヤーがあるタイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら(その時に呪文や能力をプレイすることが不正であっても)即座に誘発する。それらのことを状態誘発型能力と呼ぶ(状態誘発型能力は状況起因効果と同じではない)。それらは、それによって発生した擬呪文が解決されるか打ち消されるまでは再び誘発することはないが、その解決あるいは打ち消しの後で、その能力を持つパーマネントがまだ場に残っていて、かつゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。
例:パーマネントの能力に「あなたの手札が空のとき、カードを1枚引く」(訳注:通常の書式に則ると、「あなたの手札にカードが1枚もないとき、カードを1枚引く」となります)とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、解決されるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「手札を全て捨てる。その後で、同じ枚数だけカードを引く」という呪文をプレイした場合、そのプレイヤーの手札は一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。
411.1. マナ能力をプレイするとき、プレイヤーはそれをプレイすることを宣言し、起動コストを支払う。能力は宣言の直後に解決し、スタックには積まれない(rule 408.2e 参照)。
411.2. プレイヤーは、優先権を持っている時にはいつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。また、呪文や能力をプレイしている途中や解決している途中であっても、何らかのルールや効果によってマナを支払う必要がある時なら、いつでも起動型マナ能力をプレイすることができる。
411.3. 誘発型マナ能力は、起動型マナ能力がプレイされた時に誘発する。これらの能力は、それを誘発させたマナ能力の直後に、優先権を得ることを待たずに解決される。起動型能力や誘発型能力が、マナとそれ以外の効果とを共に生む場合、マナと別の効果とは同時に解決する。
例:「プレイヤーがマナを引き出すために土地をタップするたび、その土地は同じ色のマナをもう1点生み出す」というエンチャントがあるとする。プレイヤーが、呪文をプレイする間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは直ちにマナ・プールに加えられ、そのマナを呪文のコストの支払いに使うことができる。
411.3a 誘発型マナ能力が「同じタイプの」マナをプレイヤーのマナ・プールに加えるといった場合、それを誘発させたマナ能力が複数のタイプのマナを生み出していたならば、そのマナ・プールの持ち主は、その誘発型能力がどちらのタイプのマナを生み出すかを選ぶ。
412.1. 常在型能力は、継続的効果、あるいは軽減・置換効果を発生する。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが場にある間持続する。
412.2. 個別エンチャントの多くは、エンチャントしているパーマネントを変更する常在型能力を持つが、そのパーマネントを対象に取らない。個別エンチャントが別のパーマネントに移された場合、その能力は元のパーマネントへの適用を止め、新しいパーマネントを修正するようになる。
412.3. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すものである。
412.4. ある種の常在型能力は、カードが手札にある間に適用される。それは「あなたは[この呪文]をプレイしてもよい/you may play [この呪文]」「あなたは[この呪文]をプレイできない/you can't play [この呪文]」と書かれているものに限られる。
412.5. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でカードやパーマネントの最後の情報を使用できない。
413.1. 両方のプレイヤーが続けて【パス】したとき、スタックの一番上に積まれているもの(呪文、能力、戦闘ダメージ)が解決される(rule 416〔効果〕参照)。
413.2. 呪文や能力の解決は以下の順序で処理される複数の段階からなるが、ゲーム上は分割できない1つの行動として扱う。
413.2a 呪文や能力が対象を指定する場合、その対象がまだ適正かどうかチェックする。場を離れた、あるいは呪文や能力が指定している領域を離れた対象は不正な対象となる。また、呪文や能力がプレイされた後で対象の特性が変わったり、効果によって呪文や能力の文章が変わったりした場合、対象が不正になることがある。すべての対象が不正になっていた場合、呪文や能力は打ち消される。呪文や能力が打ち消されなかった場合、通常通り解決するが、影響を受けるのはその時点でまだ適正な対象のみである。呪文や能力が、すでに不正になっている対象についての情報を必要とする場合、その不正な対象の現在の、あるいは最後の情報を用いる。
413.2b 呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。但し、置換効果によってこれらの行動が変更され、以前の指示の意味が変わることもある。場合によっては、カードのテキストで後のほうに書かれた文章が、前の文章の意味を修正することがある(例えば、「対象のクリーチャー1体を破壊する。それは再生できない」あるいは「対象の呪文を打ち消す。それを、そのオーナーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く」)。これらの場合を考えずに逐語的に効果を適用したりしてはならない。カード全体を読み、文法に従ってテキストを解釈すること。
413.2c 効果の中で、呪文をプレイする時に宣言していない選択が必要とされる場合、プレイヤーは効果の処理の間にこれらを宣言する。プレイヤーは、不正な選択肢、または不可能な選択肢を選ぶことはできない。効果が選択可能な行動を含み、その行動を取らなかった場合の結果も書いてある場合、プレイヤーは、必要な条件をすべて満たさない限り、その行動を選ぶことはできない。
例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う」という指示がされた呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるほうの選択肢を選ぶことはできない。
413.2d 効果が両方のプレイヤーに同時に選択または行動を要求する場合、アクティブ・プレイヤーがまず自分の分を宣言し、それから対戦相手が(最初のプレイヤーの選択を知ったうえで)宣言する。その後、これらの行動は同時に実行される。これを「アクティブ・プレイヤー・ルール」と呼ぶ。プレイヤーが複数回の選択を行わなければならない場合、順番が書かれていればそれに従って、そうでなければ宣言者の任意の順番で、宣言する。その後で、行動は同時に実行される。
呪文や能力の中には、複数の段落や条項によって、複数の段階に分かれているものもある。この場合、アクティブ・プレイヤーが1つめの行動を行ない、次に他のプレイヤーが1つめの行動を行なう。その後で、アクティブ・プレイヤーが2つめの行動を行ない、他のプレイヤーが2つめの行動を行なう。以下同様に処理される。
例:《要塞の計略/Stronghold Gambit》は、「各プレイヤーは、自分の手札のカードを1枚選ぶ。そのあと、各プレイヤーは選んだカードを見せる。……」という効果を持つ。まずアクティブ・プレイヤーがカードを選び、次に他のプレイヤーがカードを選ぶ。次に、アクティブ・プレイヤーが選んだカードを公開したあと、他のプレイヤーも選んだカードを公開する。
413.2e プレイヤーがマナを支払ってもよいという選択肢を含む効果の場合、そのプレイヤーは行動の一部としてマナ能力をプレイしてもよい。それ以外の呪文や能力は解決中にはプレイできない。
413.2f ゲームの情報(場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に決定される。その特定のパーマネントが場にあるか、もしくはそのカードが指示された領域に存在する場合、その現在の情報を使う。そうでないなら、そのカードやパーマネントがそのあった領域を離れる直前に持っていた情報を使う。この例外は、常在型能力は最後の情報を使うことができないということである(rule 412.5 参照)。パーマネントが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)パーマネントであり、能力ではない。
413.2g パーマネントの特性を調べる効果は、そのパーマネントの指定された特性の値だけをチェックし、パーマネントが他に持っているかもしれない、関連する特性の値はチェックしない。
例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒のクリーチャーをすべて破壊する」という効果で破壊されるが、「黒でないクリーチャーをすべて破壊する」という効果では破壊されない。
413.2h 呪文の解決の最終段階として、呪文 カードは場に出るとき、その呪文のコントローラーのコントロール下で場に出る(パーマネントの場合)か墓地に置かれる(インスタントとソーサリーの場合)。
413.2i ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力のテキストにその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、「引き分け」の場合どうするかという一般則はない。
414.1. 呪文を打ち消すということは、その呪文 カードをスタックからそのオーナーの墓地に動かすということである。能力を打ち消すということは、その擬呪文をスタックから取り除くということである。打ち消された呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。
414.2. 打ち消された呪文や能力をプレイしたプレイヤーは、支払ったコストの「払い戻し」を受けることはできない。
415.1. 効果の中には、スタックに積まれている呪文や能力の対象、ルール・テキストその他の特性を「修正」する物がある。
415.2. 呪文や能力の対象は、他の適正な対象にしか変えることができない。変更が解決した時に新しい対象が不正になっていた場合、対象はそのままで変更されない。
415.2a モードを持つ 呪文や能力は、それぞれのモードについて異なる対象の条件を持つことがある。呪文や能力の対象を変えてもモードは保持される。
415.2b カードのテキストにある「あなた」という語は対象ではない。それをプレイしたプレイヤーだけに効果を及ぼす呪文の対象を変更することはできない。
415.3. 効果が、パーマネントになる呪文の特性を修正した場合、その効果は呪文が解決された後もパーマネントに適用され続ける。
例:ある効果によって黒のクリーチャー 呪文が白に変えられた場合、そのクリーチャーは場に出たときにも白であり、その変更する効果が持続している限り白であり続ける。
415.4. 呪文やパーマネントのテキストを変える効果は、たとえ(カードの名前やクリーチャー・タイプのような)固有名詞にマジックの色や基本地形 タイプのような単語や文字列が含まれていたとしても、固有名詞を変更することはできない。
416.1. 呪文や能力が解決されたとき、それは1つかそれ以上の効果を発生させる。効果には主に、【単発的効果】【継続的効果】【置換・軽減 効果】の3種類がある。4つめとして、ゲームの特定の状態によって発生する、【状況起因効果】が存在する。
416.2. 効果は場に出ているカードにのみ影響する。但し、効果の文章にそうでないと書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するカードにしか適用できない場合を除く。
例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地 カードには影響を及ぼさない。
416.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。
例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札を2枚捨てる」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。
417.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、カードを領域間で移動させる、などがある。
417.2. 単発的効果の中には、解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。それらの効果は、実際には、誘発を待つ新しい能力を生成することになる(rule 406.2〔遅延誘発型能力〕参照)。
418.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、パーマネントやカードの特性を変更したり、ゲームのルールを変更したりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはパーマネントの常在型能力によって生成される。
418.2. パーマネントの特性を変える継続的効果は、そのパーマネントが場に入ると同時に特性を変える。パーマネントが場に出るのを待ち、それから変えるのではない。この類の効果はパーマネントが場に出るに際して適用されるので、パーマネントが場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。
418.3a 呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。
418.3b 呪文、起動型能力、誘発型能力による、カードやパーマネントの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったカードやパーマネントには影響を及ぼさない。これは、常在型能力からの継続的効果とは異なることに注意せよ。カードやパーマネントの特性を変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けなかったカードやパーマネントにも影響を及ぼす。
例:「すべての白のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修正を与える。たとえ後で色が変わっても、その修正を失うことはない。また、その後で場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を与えない。
例:「クリーチャーがこのターンに与えるダメージを全て軽減する」という効果は、カードやパーマネントの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で場に出ていなかったクリーチャーにも影響を及ぼす。また、このターンの後でクリーチャーになったパーマネントにも影響を及ぼす。
418.3c 呪文や能力による継続的効果が可変な値を持つ場合、その効果は一度だけ、解決時に決める。
例:「対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xはあなたの手札の枚数に等しい」という呪文の場合、そのコントローラーの手札の枚数は呪文の解決時に数え、たとえ後で手札の枚数が変わった場合でも、解決時に数えた分だけのボーナスをターンの残りの間与える。
418.3d 効果の持続期間が、その効果が発生するよりも前に終了した場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。
例:《内骨格器/Endoskeleton》は、「(2), (T):内骨格器がタップ状態にあるかぎり、対象のクリーチャー1体は+0/+3の修正を受ける」という起動型能力を持つアーティファクトである。この能力をプレイした後、この能力が解決されるよりも先に《内骨格器》がアンタップ状態になった場合、持続期間、つまり「タップ状態にあるかぎり」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。
418.4a パーマネントの常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。そのテキストで示されるもの全てに対して常に適用する。
418.4b 効果は、それを生み出すパーマネントが場にあるあいだ常に適用する。
例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修正を受ける」という常在型能力を持つパーマネントは、場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に与える効果を生む。クリーチャーが白になったら、このボーナスを得、白でなくなったらボーナスを失う。通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー 呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが場に出て、それから2/2になるのではない。
418.5a 一つの効果による結果が、他の効果が適用されるかどうか、あるいは他の効果が何をするか、を決めることがある。例えば、「すべての白クリーチャーは+1/+1の修正を受ける」という効果と、「エンチャントされたクリーチャーは白となる」という効果がある場合である。
418.5b ある効果が、別の効果を適用することにより、そのテキストが変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりする場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立であると言う。
418.5c 一方の効果が他方に依存している場合、独立している効果を先に適用する。依存する効果が複数あってループとなっている場合、またはどれも他に依存していない場合、場に出た順序で適用する。これは「タイムスタンプ順」と呼ばれる。パーマネントのタイムスタンプは、二つの例外を除いて、場に出た時である。例外とは、(1)複数のパーマネントが同時に場に出た場合、その場に出るときに、アクティブ・プレイヤーがタイムスタンプ順を決める。但し、個別エンチャントはそれがエンチャントしているパーマネントよりも新しいタイムスタンプを持たなければならない。(2)個別エンチャントがパーマネントについたときに、そのエンチャントは新しいタイムスタンプを得る。常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したパーマネントと同じタイムスタンプを有する。呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、それを生み出した呪文や能力が解決された時のタイムスタンプを得る。
418.5d 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。
例:「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」と「エンチャントされてれいるクリーチャーは飛行を失う」の2つのエンチャントが同じクリーチャーに付いているとする。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に生成された効果が「勝つ」ことになる。効果が一時的なもの(例えば「対象のクリーチャー1体はターン終了時まで飛行を失う」)であるかどうか、あるいは、全体的な効果(例えば「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であるかどうか、は関係しない。
418.5e パーマネントの特性の値は、まず印刷された値、またはトークンの値から始まり、次にコピー効果(rule 503〔呪文や能力のコピー〕参照)、タイプを変更する能力によって生成された継続的効果、そしてカウンターによるパワーやタフネスの変更が適用されてから、他の継続的効果が適用される。
419.1. 【置換効果】・【軽減 効果】は、特定のイベントを待ち、それを完全に、あるいは部分的に置き換えるという継続的効果である(軽減 効果は、あるイベントを何もないこと、あるいはより小さいものと置換する)。これらの効果は、これらの効果は、それが影響するものに対する「盾」のような働きをする。全ての置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるか、軽減 効果は「軽減する/prevent」という単語によってどのようなイベントが起こらなくなるかを記している。「代わりに」または「軽減する」という語を含む能力は、それぞれ置換効果、軽減 効果を発生させる。
419.2. 置換・軽減 効果は、イベントの発生時まで継続的に適用される。前もって固定するのではない。
419.3. 置換・軽減 効果を生む呪文や能力のプレイには特別な制限はない。これらの効果は、それが使われるか期間が切れるまで持続する。
419.4. 置換・軽減 効果は、しかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生む呪文や能力は、そのイベントを起こす何かに対応してプレイされ、したがって、そのイベントが起きるよりも前に解決される。
例:クリーチャーを破壊する 呪文に対応して、再生 能力をプレイすることができる。
419.5. イベントが置換または軽減された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに、変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できなくても、単純にその不可能な指示を無視するだけになることに注意せよ。ある発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。この場合、ダメージを与えたときに誘発する能力は誘発しない。ダメージを増加させる置換効果は、0点のダメージが与えられたときには置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。「[X]するたび、あなたは[Y]してよい。そうした場合、[Z]する/Whenever [X], you may [Y]. If you do, [Z]」という類の能力が存在するが、これの「そうした場合/If you do」とは、[Y]イベントの一部でも行うことを意味する。もし[Y]が完全に置換されていたり、他のイベントの一部であったりした場合には、「そうした場合」の節は、[Y]を置換したイベントを参照する。
419.6a 置換効果は自分自身を繰り返し起動することはなく、各イベントにつき1回だけ置換する機会を得る。
例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールするクリーチャーは、それが通常与えるダメージの代わりに、その倍のダメージを与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常1点のダメージを与えるクリーチャーは、4点のダメージを与える。2点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。
419.6b 再生はダメージに対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される時点で、その代わりにダメージを全て取り除き、タップし、(戦闘中ならば)戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。
419.6c 効果によって、あるクリーチャーやプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーが場を離れていたり、クリーチャーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。同様に、どちらかのプレイヤーがゲームに存在しない場合も、効果は何もしない。
419.6d 呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換することがある。それらの効果のことを「自己置換効果」と呼ぶ。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。
419.7a 軽減 効果は通常、与えられる筈のダメージに対して適用される。
419.7b ある種の軽減 効果は、一定の量のダメージに対処し、消耗する。例えば、「このターン、対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人に与えられる次のダメージを3点軽減する」。「シールドされた」クリーチャーかプレイヤーへ与えられる筈のダメージ1点につき、代わりにシールドを1減らす。シールドが0まで減ったら、残りのダメージは通常通り与えられる。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与えるイベントやダメージ源の数は問題にしない。
419.7c 例えば、「このターン、あなたの選んだ赤の発生源1つが次にあなたにダメージを与える時、そのダメージを軽減する」などのある種の軽減 効果は、特定の源からのダメージに対処する。ダメージ源は、この呪文や能力を解決する時に選ぶ。ダメージ源はパーマネントかスタック上の呪文(パーマネント生成呪文を含む)かスタック上の呪文や擬呪文によって参照されるカードやパーマネントである。プレイヤーがパーマネントまたはパーマネント 呪文を選んだ場合、軽減 効果はそのパーマネントまたはその呪文の解決によって場に出る パーマネントからの次のダメージに対して適用し、それがそのパーマネントの能力によるものか、それともそれが与える戦闘ダメージかは問題としない。呪文や能力が解決されるまでに、ダメージ源が場を離れていてもよい。呪文によって、クリーチャー、あるいはある特定の色、といった、特定の特性を有する発生源からのダメージだけに影響を及ぼす軽減 効果が発生することがある。その類の制限のある軽減の「盾」を使った場合、ダメージを軽減するときにもう一度発生源を確認する。その特性が適合していなければ、ダメージは軽減されない。
419.8a 複数の置換・軽減 効果が一つのパーマネントやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを変更しようとした場合、影響を受けるパーマネントをコントロールしているプレイヤー、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか決める。その後で、もしまだ適当であれば、他のものが適用される。適用される置換効果の中に「自己置換効果」(rule 419.6d 参照)があれば、その効果が他のものよりも先に適用される。
例:「カードが墓地に置かれる場合、その代わりにそれをゲームから取り除く」と書かれているエンチャントと、「[このカード]が墓地に置かれる場合、その代わりにこれをオーナーのライブラリーに加えたうえで切り直す」と書かれたクリーチャーの2枚のカードが場にある。このとき、そのクリーチャーが破壊された場合、そのクリーチャーのコントローラーがどちらの置換効果を先に処理するか決定する。その結果、他方は何もしない。
419.8b 置換効果は、イベントを修正する別の置換効果の結果として、あるイベントに適用できるようになることがある。
例:「あなたが1点のライフを得る場合、その代わりにカードを1枚引く」という効果と「カードを引くかわりに、対象の、あなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にある対象のカードを手札に戻すことになる。
420.1. 【状況起因効果】とは、以下に示した条件を満たしたときにだけ適用される特殊な効果である。特定の状態を待っている能力は、誘発型能力である(rule 410.8 参照)
420.2. 状況起因効果は常に有効であり、また、どちらのプレイヤーにもコントロールされていない。
420.3. プレイヤーが呪文や能力をプレイする優先権を得るとき(rule 408〔呪文や能力のタイミング〕参照)、下記の、状況起因効果の条件がチェックされる。適用すべきすべての効果が一つのイベントとして解決され、それから、再びチェックが繰り返される。状況起因効果がひとつも発生しなくなったら、誘発型能力がスタックに積まれる。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。このチェックはクリンナップ・ステップの間にも行なわれる(rule 314〔クリンナップ・ステップ〕参照)。下記の条件が一つでも満たされた場合、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。
420.4. 誘発型能力と異なり、状況起因効果は、呪文や能力の解決中に起きた事はチェックしない。
例:「このクリーチャーは、あなたの手札の枚数に等しいパワーとタフネスを持つ」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、そのあとカードを7枚引く」という呪文をプレイしたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因効果がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札が無くなった時に誘発する能力は、誘発 イベントが解決中に発生したので、呪文の解決後にスタックに積まれる。
420.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。
420.5b タフネスが0や0未満のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。
420.5c 致死ダメージを受けたクリーチャーは破壊される。致死ダメージは、正の数でクリーチャーのタフネス以上のダメージである。再生はこのイベントを置換する。
420.5d 不正なパーマネント、あるいは存在しないパーマネントにエンチャントしているエンチャントはオーナーの墓地に置かれる。
420.5e 同名の「レジェンド/Legend」または「伝説の/Legendary」パーマネントが複数場にある場合、もっとも長くその名前でレジェンドまたは伝説の パーマネントであり続けたものを除き、すべてがそのオーナーの墓地に置かれる。これは「レジェンド・ルール」と呼ばれる。同時の場合には、同名のレジェンドまたは伝説の パーマネントはすべてそのオーナーの墓地に置かれる。(同じ名前を持つ2つのパーマネントのうち片方だけがレジェンドか伝説の パーマネントである場合、このルールは適用しない。)
(訳注:通常、「後に出したものが墓地に置かれる」というルールです。)
420.5f 【場】以外の領域にあるトークンは存在しなくなる。
420.5g 自分のライブラリーにあるカードよりも多くカードを引くように要求されたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
420.5h 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。
420.5i エンチャント(ワールド)が複数場にある場合、もっとも短い期間エンチャント(ワールド)であったものを除き、すべてがそのオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、そのすべてがそのオーナーの墓地に置かれる。
421.1. 稀に、一群の行為が永久に繰り返される状態にゲームが陥ることがある。この種のループを中断する方法を「無限ルール」として規定する。
421.2. ループが、選択可能な行動を一つ以上含み、一人のプレイヤーがそれをすべてコントロールしている場合、そのプレイヤーが回数を選ぶ。ループはその回数、但し途中で他のプレイヤーが介入した場合はその時点まで、繰り返したものとみなす。
421.3. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、ループを続けるには双方のプレイヤーによる行動が必要である場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーにはここで2つの選択肢がある。
・選んだ回数よりも少ない回数を選ぶ。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それからアクティブ・プレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。
・アクティブ・プレイヤーが選んだ回数を認める。この場合、ループはその回数だけ繰り返し、それからアクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが「最後の宣言をする」までの部分を実行する。(どちらの場合も、最後の部分は無いことがありうる)
例:あるプレイヤーが、「(0):[クリーチャー名]は飛行を得る」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、他のプレイヤーが「(0):対象のクリーチャー1体は飛行を失う」という能力を持つパーマネントをコントロールしているとする。「無限ルール」により、どちらのプレイヤーから飛行を得る/失う能力のループを始めたとしても、アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーが最終的な決定権を持ち、よってそのクリーチャーが飛行を持つかどうかを決めることができる。(但し、この例は、最初のプレイヤーが少なくとも一回、そのクリーチャーに飛行を与えようとしたと仮定していることに注意すること)
421.4. ループが選択できない行動のみからなる場合、ゲームは引き分けとして終了する(rule 102.6 参照)。
421.5. ループが、各プレイヤーがコントロールする選択可能な行動を少なくとも一つ含み、これらの行動が互いに依存していない場合、アクティブ・プレイヤーが回数を選ぶ。アクティブ・プレイヤー以外のプレイヤーはその回数に合意してもよいし、より多い回数を選んでもよい。このルールは、それらの行動が一つのループでなく別々のループに存在する場合でも適用されることに注意すること。
422.1. プレイヤーが、行動を開始した後で、その行動を適正に行なうことができないことが分かった場合、行動全体が取り消され、既に行なわれた支払いは取り消される。取り消される行動によって能力が誘発することはない。その行動が呪文のプレイであった場合、呪文 カードはそれがもとあった領域に戻る。プレイヤーは、不正なプレイを行なう間にプレイした適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。しかし、プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからのカードの移動、無作為の選択、無作為の領域変化を伴う行動を取り消すことはできない。
422.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の行動を取るかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の行動を取ることもできる。
(訳注:要するに、改めて何でもできるということです)
500.1. 能力や継続的効果の中には、戦闘時の攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定を制限するものがある。(rule 308〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 309〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)
500.2. 攻撃クリーチャーの指定の一環として、アクティブ・プレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが攻撃しなければならない、攻撃できない、その他の攻撃の制限または義務を持っていないかどうかをチェックする。もしそのような制限もしくは義務が提案された攻撃と矛盾する場合、その攻撃は不正となり、アクティブ・プレイヤーは異なる攻撃クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(タップしているクリーチャーおよび攻撃のためのコストを払っていないクリーチャーはそれらのクリーチャーに攻撃を要求する効果から除外される)。
例:プレイヤーが、「[このクリーチャー]は他のクリーチャーが攻撃しなければ攻撃できない」というクリーチャー2体をコントロールしているとする。これらを両方とも攻撃クリーチャーとして宣言するのは適正である。
例:あるプレイヤーが、「可能ならば攻撃する」クリーチャーと、もう一体のクリーチャーをコントロールしており、更に「各ターンにクリーチャーは1体しか攻撃に参加できない」という効果がある場合、どちらのクリーチャーを攻撃クリーチャーとして宣言するのも適正であるが、両方とも宣言する、あるいは両方とも宣言しないのは不正である。
500.3. ブロック・クリーチャーの指定の一環として、防御側のプレイヤーはコントロールしているそれぞれのクリーチャーが、ブロックしなければならない、ブロックできない、もしくは他のブロックの制限または義務を持っていないかどうかをチェックする。もしそのような制限もしくは義務が提案されたブロック・クリーチャーの組み合わせと矛盾する場合、そのブロックは不正となり、防御側プレイヤーは異なるブロック・クリーチャーの組み合わせを提案しなければならない(ブロックのためのコストを払っていないクリーチャーはブロックをそれらのクリーチャーに要求する効果から免除される)。
501.1. 【回避能力】は、戦闘時のブロック・クリーチャー指定ステップを変更する常在型能力であり、攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーを制限する。
例:飛行を持たない壁は、壁にしかブロックされず、かつ飛行を持つクリーチャーにしかブロックされない クリーチャーをブロックできない。
501.3. クリーチャーの中には、ブロックのしかたを制限する能力を持つものもある。回避能力と同様に、これらは戦闘時のブロック・クリーチャー指定ステップのルールのみを変更する(ブロック指定後に回避能力を得ても意味はない)。
502.1. ほとんどのクリーチャーの能力は、カードのルール・テキストに、何をする能力かが明確に記述されている。しかし、非常に一般的な能力や、定義を書くのにあまりに多くのスペースを要する能力もある。この場合、カードには能力の名前を「キーワード」としてのみ記してある。それに関するルールを注釈文として要約してあることもある。
502.2a 【先制攻撃】は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。
502.2b 戦闘ダメージ・ステップの間、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが先制攻撃を持っている場合、先制攻撃を持たないクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが行なわれ、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。
502.2c 第1戦闘ダメージ・ステップの後で先制攻撃を与えたり取り除いたりしても、クリーチャーが戦闘ダメージを与えなくなったり、戦闘ダメージを2回与えたりすることはない。
502.3a 【側面攻撃】は、ブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。
502.3b 側面攻撃を持つクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーにブロックされたとき、ブロックしているクリーチャーはターン終了時まで-1/-1を得る。
502.5b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの開始時から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃したり、コストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使ったりすることができる。
502.6a 【土地渡り】や【雪をかぶった土地渡り】は総称であり、通常は、カードのルール・テキストに(「島渡り」や「雪をかぶった沼渡り」といったように)特定の土地のタイプが指定されている。
502.6b 土地渡りや雪をかぶった土地渡りは回避能力である。土地渡りを持つクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたタイプの土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない。雪をかぶった土地渡りを持つクリーチャーは、防御側プレイヤーが指定されたタイプの雪をかぶった土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない。
502.6c 雪をかぶった土地渡りは土地渡りの特殊な形である。もしプレイヤーがどんな土地渡りの能力でも選ぶ事を許された場合、そのプレイヤーは雪をかぶった土地渡りの能力を選んでも良い。ある効果によってパーマネントのすべての土地渡りの能力が失われるとき、雪をかぶった土地渡りも同じように能力を失う。
502.6d 土地渡りもしくは雪をかぶった土地渡り 能力は互いを「相殺」しない。
例:雪をかぶった森渡りを持つクリーチャーをコントロールしている場合、防御側プレイヤーが雪をかぶった森をコントロールしているなら、そのプレイヤーのコントロールする、雪をかぶった森渡りを持つクリーチャーにさえもブロックされない。
502.7a 【プロテクション】は常在型能力であり、「プロテクション([性質])」と書かれる。この性質は通常は色であるが(例えば「プロテクション(黒)」)、パーマネントのタイプなど、どのような特性であってもよい。
502.7b プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ呪文の対象にならず、記述された性質を持つ発生源からの能力の対象にもならず、そして記述された性質を持つエンチャントによってエンチャントされる事もない。プロテクションを持つパーマネントにエンチャントしているエンチャントは状況起因効果によりオーナーの墓地に置かれる。さらに、その性質を持つ発生源から与えられる全てのダメージを0に軽減する。攻撃に参加した場合、その性質を持つクリーチャーによってブロックされない。
502.9a 【トランプル】は、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与えたりする時には特別な影響を及ぼさない。
502.9b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを、ブロック・クリーチャーと防御側プレイヤーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、今までにそのクリーチャーに与えられたダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れる(rule 502.9f 参照)。コントローラーはすべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御側プレイヤーにはダメージを割り振ることはできない。
502.9c トランプルを持つ攻撃クリーチャーをブロックしたクリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップよりも前にすべて戦闘から取り除かれた場合、ダメージはすべて防御側プレイヤーに割り振られる。
502.9d (削除)
502.9e トランプルを持つクリーチャーからダメージを割り振る際には、ブロック・クリーチャーの実際のタフネスのみを考え、最終的に与えるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。
502.9f 攻撃クリーチャーが複数いるとき、トランプルを持たないクリーチャーからのダメージを、トランプルを持つクリーチャーからのダメージが最大限生かせるように割り振るのは適正である。
例:複数の攻撃クリーチャーをブロックすることのできる能力を持った2/2クリーチャーが、1/1で特殊能力を持たないクリーチャーと、3/3でトランプルを持ったクリーチャーとをブロックしたとする。アクティブ・プレイヤーは、第1の攻撃クリーチャーからの1点のダメージと第2の攻撃クリーチャーからの1点のダメージをブロック・クリーチャーに、そしてトランプルによる2点のダメージを防御側プレイヤーに、それぞれ割り振ることができる。
502.10a 【バンド】は攻撃クリーチャー指定やブロック・クリーチャー指定、戦闘ダメージの割り振りのルールを修正する常在型能力である。
502.10b プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、任意の数のバンドを持つ攻撃クリーチャーと、1体までのバンドを持たないクリーチャーを一つの「バンド」として宣言してもよい。(防御側のプレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。(rule 502.10h 参照))。
502.10c プレイヤーは任意の数の攻撃 バンドを指定してもよいが、クリーチャーはそれぞれ1つのバンドにしか所属できない。
502.10d 攻撃 バンドがいったん宣言されると、たとえ後で何らかの方法によって一つもしくは複数のクリーチャーのバンド 能力が取り除かれても、戦闘が終わるまでその効果は続く。但し、戦闘から取り除かれた場合には、バンドからも取り除かれる。
502.10e 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされた状態になると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされた状態になる。
例:プレイヤーが、飛行を持つクリーチャーと沼渡りを持つクリーチャーで構成されたバンドで攻撃する。防御側プレイヤーは、沼をコントロールしているとしても、飛行 クリーチャーをブロックすることは可能である。防御側のプレイヤーがそうした場合、沼渡りを持つクリーチャーも、同じようにブロック・クリーチャーによってブロックされた状態になる。
502.10f バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。
502.10g バンドを構成しているクリーチャーの1体が呪文や能力の結果としてブロックされた状態になった場合、そのバンド全体がブロックされた状態になる。
502.10h バンドしているクリーチャーをコントロールしているプレイヤーはそのクリーチャーをブロックした、もしくはそのクリーチャーにブロックされたクリーチャーが与える戦闘ダメージをどのように割り振るかを選ぶ。攻撃もしくはブロックする時にバンド 能力を持っていたとしても、戦闘ダメージ・ステップの開始前にその能力が取り除かれた場合はダメージは通常どおりに割り振られる。
502.11a 【他の〜とのバンド】は、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の〜とのバンドもまた失われる。
502.11b 「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド/bands with other [クリーチャー・タイプ]」は、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャーと攻撃 バンドを組むことができる。バンドを持つクリーチャーもこのバンドに参加できるが、バンドを持たないクリーチャーは参加できない。このバンドに含まれるクリーチャーは必ずしも「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」で特定されたクリーチャー・タイプを持つ必要はない。このバンドをブロックするときは、バンド一般のルールに従って処理される。
502.11c クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つクリーチャー2体以上によってブロックされた場合、防御側プレイヤーは攻撃クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。同様に、クリーチャーが、同じ「他の[クリーチャー・タイプ]とのバンド」を持つ攻撃クリーチャー2体以上をブロックした場合、攻撃側プレイヤーはブロック・クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを決定する。
502.12a 【ランページ】は誘発型能力である。「ランページ[X]/Rampage [X]」は、「このクリーチャーが2体もしくはそれ以上のクリーチャーによってブロックされた時、2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける」ということを意味する。
502.12b ランページのボーナスは戦闘のたび、誘発型能力が解決される時に一回だけ計算する。その後にブロッククリーチャーが追加、もしくは取り除かれてもその戦闘中はボーナスは変わらない。
502.13a 【累加アップキープ】は、パーマネントに上昇するコストを負わせる誘発型能力である。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep - [cost]」という表記は、「あなたのアップキープの開始時に、年齢カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある年齢カウンター一つごとに[コスト]を支払ってもよい。そうしなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。
502.13b パーマネントに複数の累加アップキープがある場合、それぞれが別々に誘発する。しかしながら、年齢カウンターはどの特定の能力にも関連づけられていないので、それぞれの累加アップキープの解決時に、パーマネントの上にある年齢カウンターの総数を数える。
例:「累加アップキープ - 1点のライフを支払う」という能力を二つ持っているクリーチャーがあり、現在その上には、年齢カウンターは存在しない。今、この2つの能力が誘発したとする。一つめの能力が解決されるとき、そのコントローラーはカウンターを乗せ、1点のライフを支払うことを選択した。二つめの能力が解決されるとき、さらに一つのカウンターを乗せるので、ライフの支払いは2点となる。
502.14a 【冠雪】とは、それ自身では何も意味を持たない能力であり、他のカードが参照することのあるキーワードであるだけである。カードが「雪をかぶった土地」を参照する場合、それは冠雪 能力を持った土地のことである。カードが「雪をかぶった森」を参照する場合、それは冠雪 能力を持った森のことを意味する。
502.14b Ice Age・エキスパンションで、5種類の雪をかぶった土地が印刷された。それらの名前は、《Snow-Covered Plains》《Snow-Covered Island》《Snow-Covered Swamp》《Snow-Covered Mountain》《Snow-Covered Forest》である。これらの土地は、名前が違い、冠雪 能力を持っているものの、基本地形である。
502.14c ある効果によって冠雪 能力を得たり失ったりすることがある。この場合にも、その土地の名前が変更されるわけではない。例えば、《Snow-Covered Forest》という名前のカードは「Snow-Covered Forest」であり、冠雪 能力を得た《森/Forest》はやはり《森》である。
502.15a 【フェイジング】は、アンタップ・ステップのルールを変更する常在型能力である。
502.15b それぞれのプレイヤーのアンタップ・ステップに、そのプレイヤーがコントロールするパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーのコントロールするパーマネントのうちでフェイジングを持つもの全てがフェイズ・アウトする。同時に、フェイズ・アウトしたときにそのプレイヤーがコントロールしていた全てのパーマネントがフェイズ・インする(rule 217.8〔フェイズド・アウト〕、および rule 302.3 参照)。
502.15c 呪文や能力によってプレイヤーのアンタップ・ステップが飛ばされた場合、フェイジングのイベントはそのターン、単に起こらなくなる。
502.15d フェイズ・インしてくるパーマネントは、場に出るときの能力やどうやって場に出るかを変更する効果を無視する。フェイジングについて特別に明記してある能力や効果だけが変更したり誘発したりする。フェイズ・アウトするパーマネントは、場を離れるときの効果を通常通りに誘発する(アンタップ・ステップの間には優先権が発生しないので、フェイジングのイベントによって誘発した能力はアップキープ・ステップの開始時までスタックに積まれない)。
502.15e パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、それが受けていたダメージは取り除かれる。
502.15f 【フェイズド・アウト】領域から場に戻ったカードは、場を離れたときのものと同じパーマネントとして扱われる。これは、パーマネントが領域を変更した場合には以前の記憶を「忘れる」という rule 217.8 の例外である。
502.15g 一時的な持続効果やパーマネントを参照する遅延誘発型能力は、そのパーマネントがフェイズ・アウトした場合には影響を及ぼしつづけることはできない。一方、それ以外で、そのパーマネントを参照する効果(永続的な持続効果を含む)は、場に戻ってきたときにも影響を与え続ける。
例:《巨大化/Giant Growth》の影響を受けているクリーチャーがフェイズ・アウトした場合、もしそのターンの間に場に戻ってきたとしても、+3/+3の修正を受けることはない。これは、この効果が一時的な持続効果だからである。
502.15h フェイズ・アウトしたカードは、以前の状態を「覚えて」いて、同じ状態で場に戻ってくる。上にあったカウンターについて、また最初に場に出たときに行われた選択について、そして場を離れたときにタップ状態であったかどうかも「覚えて」いる。また、フェイズ・アウトしたときに誰がコントロールしていたかも「覚えて」いるけれども、コントロールを奪う効果が一時的な持続効果であり、影響力を失っていれば、異なるプレイヤーのコントロール下で場に出ることになる。
例:《Diseased Vermin》は「あなたのアップキープの開始時に、Diseased Verminは、X点のダメージを、対象のこれによってダメージを受けたことがある対戦相手1人に与える。Xはこの上にある感染カウンターの数である」という能力を持つ。《Diseased Vermin》がフェイズ・アウトしたとき、これにいくつのカウンターが乗っているか、そしてどの対戦相手がこれによってダメージを受けたことがあるかということを「覚えて」いる。フェイズ・インしてきたとき、それらの対戦相手をアップキープ時の誘発型能力の対象にすることができる。
502.15i パーマネントがフェイズ・アウトしたとき、そのパーマネントについている全ての個別エンチャントは同時にフェイズ・アウトする。このフェイズ・アウトする二つめの方法のことを、「間接的に」フェイズ・アウトしたとも言う。「間接的に」フェイズ・アウトしたエンチャントは、それ自身ではフェイズ・インしてこないが、それのついているカードがフェイズ・インしてくるときに一緒にフェイズ・インしてくる。
502.15j 個別エンチャントが(エンチャントしているパーマネントと一緒にフェイズ・アウトしたのではなく)直接フェイズ・アウトした場合、それは何にエンチャントしていたかを「覚えて」おり、そのパーマネントについた状態で場に戻る。パーマネントが場を離れていたり、あるいはエンチャントすることが不正になっていたならば、エンチャントは場に戻り、そしてその後でオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因効果である(rule 420〔状況起因効果〕参照)。
502.15k 2つ以上のパーマネントが同時にフェイズ・インしてくる場合、アクティブ・プレイヤーがその相対的なタイムスタンプ順を場に出るときに決める。間接的にフェイズ・インしてくる個別エンチャントは、そのエンチャントしているパーマネントよりも遅いタイムスタンプを持つ必要がある。複数の個別エンチャントが同じパーマネントについて間接的にフェイズ・インしてくる場合、そのもともとの相対的なタイムスタンプ順は保持されなければならない(【タイムスタンプ順】参照)。この場合にも、パーマネントが同時にフェイズ・インしてくるという事実には変わりはない。例えば、同じ名前を持つ二つのレジェンドがフェイズ・インしてくる場合、その両方がそれぞれのオーナーの墓地に行く。
502.15m フェイズ・インしてきたパーマネントは速攻を持っているのと同じように攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる(これは、そのパーマネントが場に出たターンにフェイズ・アウトし、フェイズ・インしてきた場合にも適用される)。このパーマネントは、コントローラーが変わるか場を離れるまで、攻撃に参加したり、能力をプレイするためにタップしたりできる。
502.15n パーマネントを対象とする呪文や能力は、宣言後に対象のパーマネントがフェイズ・アウトし、解決前にフェイズ・インしてきた場合にも通常通りそのパーマネントを対象に解決される。
502.16a 【バイバック】は、ある種のインスタントやソーサリーがスタックにある間(つまり、それが呪文である間)に働く常在型能力である。「バイバック[コスト]/Buyback [cost]」という語句は、「あなたは、この呪文をプレイするに際して追加で[コスト]を支払ってもよい。そうした場合、この呪文の解決時に、このカードを墓地に置く代わりに手札に戻す」ということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、rule 409.1bとrule 409.1fに示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
502.17a 【馬術】はポータル三國志に存在する回避能力である。
502.17b 馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。
502.18a 【サイクリング】は、サイクリングを持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ働く起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [cost]」という語句は、「[コスト], 手札からこのカードを捨てる:カードを一枚引く。この能力はこのカードがあなたの手札にあるときにしかプレイできない」ということを意味する。
502.18b サイクリングはそのカードが手札にあるときにしかプレイできないが、カードが場にあるときにも存在しつづける。従って、サイクリングを持つカードは、起動型能力を持つ墓地にあるカード、あるいは起動型能力を持つパーマネントに影響を及ぼす効果の影響を受ける。
502.19a 【エコー】はアップキープに誘発する誘発型能力である。「エコー/echo」とパーマネントのルール・テキストに書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もし あなたがこのパーマネントのコントロールを、あなたの直前のアップキープより後に得たのであれば、これのマナ・コストを支払わない限りこれを生け贄に捧げる」ということを意味する。
502.20a 【消散】は2つの能力を表すキーワードである。一つめは、パーマネントが場に出るに際し、その上にカウンターを乗せるという常在型能力であり、二つめはそのパーマネントのコントローラーのアップキープの開始時に、そのパーマネントの上から1つそのカウンターを取り除く。取り除くことができない場合、このパーマネントを生け贄に捧げる、という誘発型能力である。「消散 [X]/Fading [X]」という語句は、「このパーマネントは、その上に消散 カウンターがX個置かれた状態で場に出る」「あなたのアップキープの開始時、このパーマネントの上から消散 カウンターを1個取り除く。消散 カウンターを取り除けないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる」ということを意味する。
502.21a 【キッカー】はそのカードがスタックに積まれている間(つまり呪文である間)に働く常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」という語句は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。「キッカー [コスト1]/[コスト2]/Kicker [コスト1] and/or [コスト2]」という表現は、「キッカー [コスト1], キッカー [コスト2]」というのと同じである。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 409.1bとrule 409.1fに示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
502.21b キッカーを持つカードは、キッカー・コストが支払われたときに起こることを特定する、追加の呪文のテキストや能力を持っている。複数のキッカー・コストを持つ呪文は、それぞれのキッカー・コストに対応する 呪文のテキストや能力を持っている。
502.21c キッカー・コストが支払われたときについての呪文のテキストがパーマネントやプレイヤーを対象とする場合、呪文のコントローラーはその該当するキッカー・コストを支払うという意志を宣言したときにのみその対象を選ぶ。そうでなければ、その対象の選択は行われない。
502.21d [コスト1]と[コスト2]の複数のキッカー・コストを持つカードは、「あなたが[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には/if you paid the [コスト1] kicker cost」と「あなたが[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には/if you paid the [コスト2] kicker cost」という語句を含んでいる。この文章は、単にそれぞれのキッカー・コストを意味しているだけであり、実際にどれだけのコストが支払われたかは関係ない。言い換えると、「あなたが[コスト1]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「あなたが1番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味であり、「あなたが[コスト2]のキッカー・コストを支払った場合には」とは「あなたが2番めに表記されているキッカー・コストを支払った場合には」という意味である。
502.22a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」とは、「このカードのマナ・コストを払うかわりに[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい。そうした場合、このカードがスタックから離れるときに、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック 能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f の代替コストを支払うことに関するルールに従う。
502.23a スレッショルドは、「スレッショルド − [文章]/Threshold -- [文章]」と表記される常在型能力である。文章の部分は、常在型能力、起動型能力、誘発型能力、特性定義文、呪文文章、あるいはこれらの任意の組み合わせでありうる。「スレッショルド − [文章]」とは、「あなたの墓地に7枚以上のカードがある場合、このカードは '[文章]' を持つ」ということを意味する。
502.23b スレッショルドを持つカードや呪文は、そのコントローラーの墓地に7枚以上のカードがある場合にのみ、スレッショルド文章を持つものとして扱う。そうでない場合、「スレッショルド −」以下の文章はそのカードやパーマネントに存在しないものとして扱われる。
502.23c スレッショルドを持つインスタントやソーサリー・カードは、そのカードがスタックにある間(つまり呪文である間)にのみスレッショルド文章を持つ。スレッショルドを持つアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地 カード、あるいはパーマネントは、そのカードやパーマネントが場にある間だけスレッショルド文章を持つ。
503.1. コピー・カードは、他の呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー」を生成する、あるいは「コピー」になるカードである(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という語句があるものがあるが、それはコピー・カードではない。Oracleで訂正されている)。
503.2. パーマネントをコピーする場合、そのコピーは、名前、マナ・コスト、色、タイプ、サブ・タイプ、エキスパンション・シンボル、ルール・テキスト、パワー、タフネスとしてそれぞれコピーされるパーマネントの印刷されている値を得る。コピーされるパーマネントが伝説性を持っていたり、あるいはエンチャント(ワールド)であったとしても、その部分もコピーされる。(タイプを変更するようなものも含む)効果やカウンターはコピーされない(この例外は効果がそれ自身をコピーする場合である。rule 503.3 参照)。
例:《キマイラ杖/Chimeric Staff》は「(X):ターン終了時まで、キマイラ杖はX/Xのアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトであり、《Clone》は「Cloneが場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選択する。そうした場合、Cloneはそのクリーチャーのコピーとして場に出る」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5 アーティファクト・クリーチャーになった後で、《Clone》がそれのコピーとして場に出た場合、《Clone》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャーになることはできる)。
503.3. コピーされた情報はそのコピーの印刷された情報となり、元々印刷されていた情報を上書きする。そのコピーを他のカードがコピーした場合には、新しく印刷された情報となっている情報を用いる。
例:《Vesuvan Doppelganger》が《灰色熊/Grizzly Bears》(能力を持たない2/2の緑のクリーチャー)のコピーとして場に出た。《Vesuvan Doppelganger》は「Vesuvan Doppelgangerが場に出るに際し、場にあるクリーチャーを選んでもよい。そうした場合、Vesuvan Doppelgangerはその色を除いて、そのクリーチャーのコピーとなり、『あなたのアップキープの開始時に、このクリーチャーを色を除いて、他のクリーチャーのコピーとしてもよい。そうした場合、このクリーチャーはこの能力を得る』という能力を得る」という能力を持つ。その後で、《Clone》がその《Vesuvan Doppelganger》のコピーとして場に出た場合には、《Clone》は2/2の青の《灰色熊》となり、《Doppelganger》のアップキープ 能力を持つ。
503.4. パーマネントが場にある間、それを他のパーマネントやカードのコピーにするという効果が存在する。その変化は場に出たときの能力や場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのコピーに影響を及ぼす効果を変更することもない。
例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》は「クリーチャーが場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「対象のクリーチャーはターン終了時まで+3/+3の修正を受ける」という効果を持つ《巨大化/Giant Growth》の影響を受けている時に他のクリーチャーが場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。
503.5. 他のパーマネントの「コピーとして」場に出る コピー・カードは、そのパーマネントの持つ能力を持って場に出る。コピーが、(「〜状態で場に出る/comes into play with」や「[これ]が場に出るに際し/as [this] comes into play」などの)場に出るときのイベントを変更する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。
例:《スカイシュラウドのビヒモス/Skyshroud Behemoth》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散 カウンターが2個置かれた状態で場に出る。あなたのアップキープの開始時、そのクリーチャーの上から消散 カウンターを1個取り除く。消散 カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)/スカイシュラウドのビヒモスは、タップ状態で場に出る」という能力を持つ。《Clone》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして場に出る場合、消散 カウンターが2個置かれた状態で、タップ状態で場に出る。
例:《シマクマ/Striped Bears》は「シマクマが場に出たとき、カードを1枚引く」という能力を持っている。《Clone》が《シマクマ》のコピーとして場に出るとき、《Clone》は《シマクマ》の場に出るときの誘発型能力を持っているので、《Clone》のコントローラーはカードを1枚引く。
503.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントの「選択」はコピーされない。あるカードが他のパーマネントのコピーとして場に出る場合、そのコピーのコントローラーが、全ての「場に出るに際し」ての選択を行なう。
例:《Clone》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る。《カメレオン・スピリット》は「カメレオン・スピリットが場に出るに際し、色を1色選ぶ」という能力を持つ。この《Clone》は、《カメレオン・スピリット》の行っていた色の選択についてはコピーしないで、《Clone》のコントローラーが改めてその選択を行なう。
503.7. パーマネントの「選択」はコピーされないので、コピー・カードは、行われていない選択に基づく能力を得ることがある。その場合、その選択は「0」または「未定義」として扱われる。
例:《万物の声/Voice of All》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーしている。《万物の声/Voice of All》は「万物の声が場に出るに際し、色を1色選ぶ。/万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》は《万物の声》として場に出ることはなく、従って色を選択する機会がないので、《不定の多相の戦士》のプロテクション 能力はまったく意味をなさない。
503.8. プレイヤーにそのコピーが場に出たときの選択を行わせるコピー・カードの能力が存在する場合、そのコピーはその選択を覚えており、その値が適切ならば、能力に使おうとする。もし適切でなければ、それは「0」または「未定義」として扱われる。
例:《Vesuvan Doppelganger》が《カメレオン・スピリット/Chameleon Spirit》のコピーとして場に出る時、《Vesuvan Doppelganger》のコントローラーが青を選択し、後で、《Vesuvan Doppelganger》が《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》のコピーとなったとする。《クウィリーオン・エルフ》は「(T):あなたのマナ・プールに、選んだ色のマナ1点を加える」という能力を持つ。この能力をプレイした場合には、青マナを生み出すことになる。
例:《Vesuvan Doppelganger》が、《狩りの統率者/Caller of the Hunt》のコピーとして場に出た。《狩りの統率者》は「あなたが狩りの統率者をプレイするに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力を持つ。ここで、ゴブリンを選択した場合、後で、《Vesuvan Doppelganger》が《クウィリーオン・エルフ》のコピーとなった場合、それの(訳注:2つめの)マナ能力がプレイされたとしても、マナを出すことには失敗する。ゴブリン・マナを生み出すことはない。
503.9. コピー・カードの中には、コピー中にコピーに能力を与えるものがある。この能力は、コピーされたものと同じように、コピーに印刷された値として扱われる。また、コピー・カードの中には、ある値をコピーしない、と書かれたものがある。この場合、その本来の値が保持される。
例:《クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves》が場に出て、《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》がそれをコピーした。《不定の多相の戦士》の印刷された値は、《不定の多相の戦士》が「クリーチャーが場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という印刷された能力を持っていることを除いて、《クウィリーオン・エルフ》と同じになる。その後で、《Clone》が《不定の多相の戦士》のコピーとして場に出た場合、《Clone》は《不定の多相の戦士》が《クウィリーオン・エルフ》をコピーしている途中で自分自身に与えた能力も含む、新しい印刷された値をコピーする。
503.10. 呪文をコピーする時、パーマネントから通常コピーされる全ての情報がコピーされる。それに加え、例えばモード、対象、Xの値、バイバックなどの選択的コストの支払いなど、呪文をプレイするときになされた全ての選択がコピーされる(rule 409〔呪文や起動型能力のプレイ〕参照)。通常、解決時に行われる選択はコピーされない。
例:あるプレイヤーが、《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》を対象に《Fork》をプレイした。《Fork》は、「対象のインスタントかソーサリー 呪文のコピーをスタックに置く。このとき、色はコピーしないし、コピーに関して新しい対象を選ぶことができる」という文章である。《エメラルドの魔除け》は「以下の3つから1つを選ぶ。『対象のパーマネント1つをアンタップする』『対象の全体エンチャント1つを破壊する』『対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで飛行を失う』」という文章である。《Fork》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《Fork》がそう認めているからである。
503.11. ある効果がパーマネントを名前で参照する場合、他のものをコピーした結果名前が変わっていたとしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。
例:《不定の多相の戦士/Unstable Shapeshifter》が《狂ったアーモドン/Crazed Armodon》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「(G):狂ったアーモドンは、ターン終了時まで、+3/+0の修正を受けるとともにトランプルを得る。ターン終了時に狂ったアーモドンを破壊する。この能力は1ターンに1回だけしかプレイできない」という能力を持っている。この起動型能力がプレイされた後、ターン終了時までに他のもののコピーになっていたとしても、ターン終了時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。
504.1. 古いカード2枚(《Camouflage》と《Illusionary Mask》)によって、場に出ているクリーチャーは裏向きになることがある。
504.2. 裏向きで場に出ているクリーチャー、あるいは裏向きで場に出る クリーチャーは、0/1の無色で名前、クリーチャー・タイプ、エキスパンション・シンボル、能力を持たず、マナ・コストが0として扱う。裏向きで場に出る クリーチャーは、それが場に出るよりも前に裏向きになる。従って、そのクリーチャーの場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。
504.3. 裏向きのクリーチャーのコントローラーは、優先権を持っているときならいつでもそれを表向きにできる。この行動はスタックに積まれない(他の効果によってクリーチャーが表向きにされることもある)。
504.4. 裏向きのクリーチャーが表向きになった場合、その特性はカードの本来の特性に戻る。そのクリーチャーは新しく場に出たものとしては扱わないので、クリーチャーが場に出たことに関連する能力は誘発しないし、効果も発生しない。
505.1. 【分割カード】では、一枚のカードに2組の表が存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。
505.2. 【スタック】以外の領域にあるときは、分割カードは二組の特性を持つ。スタックにあるときは、プレイされている側の特性だけが存在し、他方の特性は存在しないものとして扱われる。
505.3. 全ての分割カードは、それぞれの半分が異なる色のマナ・シンボルをマナ・コストに含むので、スタックにあるときを除いては多色として扱われる。スタックにあるときは、そのプレイされている側の色だけが存在する。
505.4. 分割カードには2つのプレイできる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。
505.5. 【スタック】以外の領域にある分割カードについて、ある特定の特性を問う効果は、分割カードのそれぞれの半分が持つ特性の組み合わせを答えとして得る。
例:《冥府からの誕生/Infernal Genesis》は「各プレイヤーのアップキープの開始時、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。そのあと、そのプレイヤーは1/1の黒のミニオン・クリーチャー・トークンをX個場に出す。Xはそのカードの点数で見たマナ・コストである」という能力を持つ。この能力の解決時にライブラリーの一番上にあるカードが《暴行+殴打/Assault/Battery》であった場合、《暴行/Assault》の点数で見たマナ・コストが1で《殴打/Battery》が4なので、合計5体の1/1クリーチャー・トークンを得る。
505.6. 分割カードの特性がある値と同じかどうかを問う効果は、一つだけの答えを得る。この答えは、分割カードのどちらかの側がその与えられた値と同じであれば「はい」になる。
例:《虚空/Void》は、「数を1つ選ぶ。その数と等しい値の点数で見たマナ・コストを持つアーティファクトとクリーチャーをすべて破壊する。そのあと、対象のプレイヤー1人はその手札を見せ、その中の土地でないカードのうち、点数で見たマナ・コストがその数と等しい値のカードをすべて捨てる」という文章である。プレイヤーが《虚空》をプレイし、1または4を指定した場合、対戦相手は《暴行+殴打》を捨てることになる。5を指定した場合には、《暴行+殴打》のどちらの半分も点数で見たマナ・コストが5ではないので、影響を受けない。
505.7. 何らかの効果によってプレイヤーがカード名を指定する際、分割カードを指定しようとするなら、そのプレイヤーは分割カードの持つ2つの名前を両方とも指定しなければならない。
activated ability(起動型能力), 403, 406.1d
delayed triggered ability(遅延誘発型能力), 406.2
mana ability(マナ能力), 214.9f, 406.1, 408.2e, 411, 413.2e
Active player(アクティブ・プレイヤー), 408.1c, 413.2d
Artifacts(アーティファクト), 214.6, 305.3, 401.3
Basic set(基本セット), 206.3
Collector number(コレクター番号), 211
Color(色), 203.2, 217.6b, 402.3
attacking creature(攻撃クリーチャー), 308.5, 309.1, 309.3, 410.9b
beginning of combat step(戦闘開始ステップ), 307
blocked creature(ブロックされたクリーチャー), 309.3, 310.1c
blocking creature(ブロック・クリーチャー), 309.3, 310.1, 310.1d
combat damage step(戦闘ダメージ・ステップ), 310, 502.2b
declare attackers step(攻撃クリーチャー指定ステップ), 308
declare blockers step(ブロック・クリーチャー指定ステップ), 309
end of combat step(戦闘終了ステップ), 311
removed from combat(戦闘から取り除く), 306.2, 309.4
unblocked creature(ブロックされていないクリーチャー), 309.3, 310.1b
Comes into play(場に出る), 214.3, 410.10a
Controller(コントローラー), 214.8i, 403.2, 410.2, 410.4, 413.2b
Cost(コスト), 308.2, 309.2, 409.1f
activation cost(起動コスト), 403.1, 409.1f, 409.1g, 411.1
additional cost(追加コスト), 203.4, 402.4, 409.1f
alternative cost(代替コスト), 402.4, 409.1f
converted mana cost(点数で見たマナ・コスト), 203.3
Countering spells(呪文を打ち消す), 401.3, 414
Creatures(クリーチャー), 208.1, 214.7, 216.1, 401.3
Cumulative Upkeep(累加アップキープ), 502.13
Deck(デッキ), 100.2, 100.4, 217.2a
Discard(捨てる), 217.3b, 217.4a, 314.1a
Duration(持続), 418.3a
Effects(効果), 214.4, 300.3, 314.1b, 402.1, 408.2a, 416
continuous effect(継続的効果), 214.5, 410.10b, 412.1, 418
dependent effect(依存する効果), 418.5c
independent effect(依存しない効果), 418.5c
prevention effect(軽減 効果), 314.1b, 419, 419.7, 419.8
Enchantments(エンチャント), 214.8, 305.3, 401.3
enchanted permanent(エンチャントされたパーマネント), 214.8g, 214.8h, 214.8i
global enchantment(全体エンチャント), 214.8a, 214.8b
local enchantment(個別エンチャント), 214.8a, 214.8c, 214.8d, 214.8e, 214.8f, 214.8g, 214.8h, 214.8i, 412.2, 420.5d
Expansion symbol(エキスパンション・シンボル), 206
Flavor text(フレイバー・テキスト), 207.2
Game state(ゲームの状態), 410.8a, 410.8b
Illustration(絵), 204
Infinity(無限), 421
Initial value(初期値), 214.5, 418.3c
Lands(土地), 203.1, 213.1, 214.9, 305.4, 408.2d
Leaves play(場を離れる), 214.3, 216.3, 410.10c, 410.10d
Main phase(メイン・フェイズ), 305, 408.1d
Mana pool(マナ・プール), 300.4, 406.1a
Mana symbols(マナ・シンボル), 203.1, 203.2
Maximum hand size(手札の最大枚数), 217.3b, 314.1a
Pass(パス), 300.2, 408.1c, 413.1
Permanent(パーマネント), 214.1, 214.2, 214.3, 214.4, 214.5, 214.9f, 217.5b, 217.5c, 402.8
Phase(フェイズ), 300.1, 300.2, 300.3, 408.1c, 410.1
Priority(優先権), 302.2, 408.1b, 408.1c, 408.1d, 420.3
Pseudospell(擬呪文), 217.6b, 409.1a, 410.2
Rarity(レアリティ), 206.2
Resolve(解決する), 217.6c, 401.1, 401.3, 413
Rules text(ルール・テキスト), 207.1
Snow-covered land(雪をかぶった土地), 502.14
Spell(呪文), 213.1, 217.5b, 217.6a, 217.6b, 401, 408.1e
Step(ステップ), 300.1, 300.2, 300.3, 408.1c, 410.1
Subtype(サブタイプ), 212.2, 214.2, 214.7a
Target(対象), 409.1c, 409.1d, 409.1e, 413.2a, 415.2
Token(トークン), 200.1, 203.1, 214.2, 214.5, 216, 413.2f
Trigger event(誘発条件), 404.1, 404.2, 406.2b, 410.2, 410.6, 410.7
Zone(領域), 217, 402.3, 406.2d, 410.10
stack(スタック), 217.6, 310.2, 408.1c, 408.1e, 408.1f, 408.1g, 408.2, 409.1a, 413.1
removed from game(ゲーム外), 217.7
Magic: The Gathering Original Game Design: Richard Garfield
Comprehensive Rules Design and Development: Beth Moursund and Bill Rose, with contributions from William Jockusch, Paul Barclay, Charlie Camino, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, Jeff Jordan, Jim Lin, Steve Lord, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Henry Stern, Ingo Warnke, Tom Wylie, and Donald X
Editing: Del Laugel and Bill "Quill" McQuillan
Magic Lead Design: Bill Rose
Magic: The Gathering was designed by Richard Garfield, with contributions from Charlie Camino, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, and Elliott Segal. The mana symbols were designed by Christopher Rush.
Thanks to all our project team members and the many others too numerous to mention who have contributed to this product.
Special thanks to Peter Adkison for recognizing good ideas while having them himself, and for recognizing good people while being one himself.
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