マジック違反処置指針

2018年1月19日発効

★はじめに

 マジック違反処置指針は、ジャッジが、ルール適用度が競技またはプロで行なわれるイベント中に起こる規定違反の解決のための適正な懲罰と手続き、ならびにその理由となる理念を知ることができ、イベントに参加したプレイヤーが不利益を被ったり、イベントの完全性が失われたりすることを防ぐために定められている。ルールに抵触した場合に何らかの懲罰を与えなければ、ルールは有効に働かない。ルール適用度が一般のイベントにおいては『ルール適用度が一般の場合のジャッジ法』を用いること。

★この文書の枠組み

 この文書は、大きく2つの部分に分けられる。『大分類の定義と理念』(第1章)と『違反行為』(第2章〜第4章)である。違反は大分類(ゲーム上の誤り、イベント上の誤り、非紳士的行為)に分類され、その後、それぞれの違反ごとの小分類に分けられる。

 この文書で用いられる用語の定義については、マジック・イベント規定を参照のこと。

 この文書は複数の言語で提供されている。万一、英語版とそれ以外の版の間で齟齬があった場合、紛争の処理においては、英語版を元にIPGを解釈すること。

 この文書は定期的に更新される。最新版は http://www.wizards.com/wpn/Events/Rules.aspx で確認すること。

★もくじ

 1. 一般理念

 1.1. 懲罰の定義

 1.2. 懲罰の適用

 1.3. ライブラリーの無作為化

 1.4. 復元

 1.5. カード群

 2. ゲーム上の誤り

 2.1. ゲーム上の誤り ─ 誘発忘れ

 2.2. ゲーム上の誤り ─ 過剰なカードを見た

 2.3. ゲーム上の誤り ─ 非公開カードに関する誤り

 2.4. ゲーム上の誤り ― マリガン手順の誤り

 2.5. ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為

 2.6. ゲーム上の誤り ─ 違反の見逃し

 3. イベント上の誤り

 3.1. イベント上の誤り ─ 遅刻

 3.2. イベント上の誤り ─ 外部情報の参照

 3.3. イベント上の誤り ─ 遅いプレイ

 3.4. イベント上の誤り ─ デッキリストの誤り

 3.5. イベント上の誤り ― デッキの誤り

 3.6. イベント上の誤り ─ リミテッド手順抵触行為

 3.7. イベント上の誤り ─ 意思疎通規定抵触行為

 3.8. イベント上の誤り ― 区別できるカード

 3.9. イベント上の誤り ─ 不充分な切り直し

 4. 非紳士的行為

 4.1. 非紳士的行為 ─ 軽度

 4.2. 非紳士的行為 ─ 重度

 4.3. 非紳士的行為 ─ 結果の捏造

 4.4. 非紳士的行為 ─ 買収・賭博

 4.5. 非紳士的行為 ─ 攻撃的行為

 4.6. 非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗

 4.7. 非紳士的行為 ─ 遅延行為

 4.8. 非紳士的行為 ― 故意の違反

 付録A ─ 懲罰一覧

 付録B ─ 前版からの変更点

1. 一般理念

 ジャッジは、公正な仲裁者であり、ポリシーとルールの執行者である。ジャッジは、ルールに抵触する事項があったと判断したか、プレイヤーが問い合わせてくるか、状況に悪化の可能性があるかしない限り、ゲームに介入すべきではない。ジャッジはプレイ手順の誤りが発生するのを防ぐものではなく、問題が発生した後でルールやポリシーを破ったプレイヤーに罰を与え、正しいプレイと紳士的行為について、例を示しながらプレイヤーを教化するべきものである。また、ジャッジはゲーム外の誤りを防ぐために介入することも認められる。

 プレイヤーの過去や技量についての情報は、違反を変更するものではないが、取り調べにおいては考慮されうる。

 懲罰の目的は、そのプレイヤーが同種の誤りを将来犯さないようにすることである。そのためには、どの行動がルールやポリシーに抵触しているのかを説明し、教育のために必要なだけの懲罰を与える必要がある。また、懲罰は、そのイベントに参加しているその他のプレイヤーに対する抑止力や教育として、そしてプレイヤーの行為を追跡するためにも用いられることがある。

 小さなルール違反がプレイヤー両者の同意の下で即座に処理された場合、ジャッジが介入する必要はない。プレイヤーの行動が両プレイヤーにとって明確であっても、外部の観戦者を混乱させうるようなものであった場合、ジャッジはプレイヤーに状況を明確にするように要請することが推奨されるが、その際に違反として扱ったり懲罰を科したりする必要はない。このどちらの場合にも、ジャッジはゲームが正常に進むようにするべきである。重大なルール違反に関しては、まずどの違反が適用されるかを判断し、その後それぞれの指示に従って処理すること。

 ヘッドジャッジは、特定の例外事象の存在下あるいは適用すべき理念がこの文書に定められていない場合においては、この指針から逸脱した懲罰を決定する権限を持つ。特定の例外事象とは、テーブルが倒れた、ブースターに他のセットからのカードが入っていた、といった希なことだけを指す。ルール適用度、イベントのラウンド数、プレイヤーの年齢や経験、プレイヤーを教育するという目的、ジャッジの認定レベルなどは例外事象として認められない。他のジャッジが逸脱を必要だと考えた場合、ヘッドジャッジに相談しなければならない。

 ジャッジは人間であり、間違うものである。ジャッジが間違った場合、ジャッジは自分の誤りを認識し、プレイヤーに謝罪し、手遅れになっていなければ修復する。イベントのスタッフがプレイヤーに間違った情報を与えたことによって何らかの違反になった場合、ヘッドジャッジはその懲罰を格下げする権限を持つ。たとえば、プレイヤーがジャッジにあるカードがそのフォーマットで使えるかどうかを尋ね、ジャッジが使えると答えた場合、その後でそのプレイヤーのデッキをチェックしたときにそのカードが入っていたことによってデッキが不正になっていた場合、ヘッドジャッジは通常の手順通りデッキリストを修復するが、ジャッジの直接の誤りによるものなので懲罰を【警告】に格下げすることもできる。

1.1. 懲罰の定義

【警告】

 【警告】は公式に記録される懲罰である。【警告】は、解決にいくらか時間がかかる不正なプレイに対して与えられる。【警告】の目的は、ジャッジやプレイヤーに問題が起こったことを知らせ、DCI懲罰データベースにその違反の記録を永遠に残すことにある。1分以上の時間がかかった場合、それに応じて延長時間が与えられる。

【ゲームの敗北】

 【ゲームの敗北】が与えられた場合、そのゲームは即座に終了し、違反を犯したプレイヤーはマッチ記録上そのゲームに負けたことになる。そのマッチに次のゲームがある場合、【ゲームの敗北】を受けたプレイヤーが先攻か後攻かを決める。マッチ開始前に【ゲームの敗北】が与えられていた場合、実際にプレイする最初のゲームにおいては、どちらのプレイヤーもサイドボードを使うことはできない。

 【ゲームの敗北】は、反則が行なわれたゲームに与えられる。その例外は、その次のゲームが既に始められている場合と、違反がラウンドとラウンドの間に行なわれた場合である。それらの場合には、そのプレイヤーの次のゲームに対して【ゲームの敗北】が与えられる。両プレイヤーに同時に【ゲームの敗北】が与えられた場合、それは記録されるが、マッチの結果には影響しない。

【マッチの敗北】

 【マッチの敗北】は、マッチそのものが成立していなくなったときに与えられる、重い懲罰である。

 【マッチの敗北】は、通常、反則が行なわれたゲームに与えられる。その例外は、そのマッチが既に完了している場合だけである。その場合、そのプレイヤーの次のマッチに対して【マッチの敗北】が与えられる。

【失格】

 【失格】は、イベント全体の完全性に損害を与えるような行為、重大な非紳士的行為に対して与えられる。

 【失格】を受けるのは、そのイベントのプレイヤーであるとは限らず、観客に対して与えられることもある。その場合、その人物はウィザーズイベントレポーター(WER)に入力され、【失格】はDCIに報告される。

 【失格】は、ヘッドジャッジがそのイベントの完全性にかかわる問題があると判断するに足る情報があった場合には、証明なしで与えられることもある。ヘッドジャッジの報告書に、そうであるということを明記することが望ましい。

 この懲罰が適用された場合、そのプレイヤーは現在のマッチに敗北し、イベントから途中退出した扱いになる。そのプレイヤーは既に受け取っていた分については返還の義務を負わないが、追加の賞を受け取ることはありえない。また、失格処分を受けたプレイヤーは当該イベントにおいてプレインズウォーカー・ポイントを得られない。

 プレイヤーが【失格】を受けた場合、そのプレイヤーはイベントから除外され、順位表示にも含まれることはない。従って、他のプレイヤーはその分だけ順位が上がり、その新しい順位に基づいて賞を受けることになる。足切りのあとで【失格】が与えられた場合、順位は繰り上がるが、次点のプレイヤーが追加ラウンドに進むことはない。例えば、プロツアー予備予選の準々決勝で【失格】が与えられた場合、9位のプレイヤーは8位になるが、トップ8のシングル・エリミネーション・ラウンドに進む権利は得られない。

 【失格】の手順に関するさらなる情報は http://blogs.magicjudges.org/o/disqualification-process/ 参照。

1.2. 懲罰の適用

 懲罰は、DCI懲罰データベースに永久記録されるよう、イベントの報告に添えて報告されるべきである。加えて、(〔遅刻〕(3.1)と〔デッキリストの問題〕(3.4)を除く)【ゲームの敗北】以上の懲罰はヘッドジャッジに報告され、ヘッドジャッジの手で与えられることを推奨する。

 イベントに参加していなくても懲罰が与えられる場合がある。この指針はプレイヤーを前提にしているが、会場にいるほかの人(観客、スタッフ、ジャッジ)も懲罰を受けるためにイベントに登録され(そして棄権扱いにされ)ることがある。懲罰が実際に適用される前に当該プレイヤーがイベントを棄権していたとしても、その懲罰は与えられる。

 懲罰が与えられる場合、ジャッジは関連するプレイヤー全員に、その違反について説明し、状況を正すための指示を与え、そして懲罰を与えるようにしなければならない。ヘッドジャッジがこの指針を逸脱することを選んだ場合、ヘッドジャッジは通常の懲罰と、逸脱の理由について説明することが望ましい。

 違反によっては、基本の懲罰に加えて反則を処理するための手続きが記されているものがある。その手続きは、スタッフが不公正である、偏っている、贔屓をしているというような批難を受けないように定められている。引用文に従って裁定を下した場合、プレイヤーの不満はジャッジではなく不公正なポリシーに向けられることになる。この手続きから逸脱した場合、そのプレイヤーや、そのプレイヤーから話を聞いた人たちからの不満がそのジャッジに向けられることになる。

 これらの手続きは、プレイされているゲームやゲームの状況、あるいはその懲罰の手続きによって誰が利益を得るかといったことを考慮しないし、考慮すべきではない。これは単にゲームの状況を「正す」ためにあるのであり、細かな状況が失われることを恐れたり、プレイヤーを(故意でないにせよ)贔屓したりすることはトラブルの元である。

 単一の誤りが複数の関連する違反を引き起こした場合、それらの違反の中で最も重い懲罰を課す。

1.3. ライブラリーの無作為化

 この文書に定められた違反の措置のなかで、ライブラリーの無作為化された部分を切り直すというものがある。この場合、ライブラリーの一番上や一番下に置かれたなど、ライブラリーの中で無作為でない部分を判別し、それを取り分ける。両プレイヤーがそれを確認したあと、墓地、追放領域、戦場にある、《渦まく知識》や占術カードなどのライブラリー操作系のカードを確認する。ライブラリーを切り直したあとで、取り分けて置いたカードを本来あるべき場所に戻す。

 措置の一部としてのジャッジによる切り直しは、ゲーム上の切り直しとしては扱わない。

1.4. 復元

 この文書の中で、ジャッジに復元の可能性を考慮してもよいという記載が存在する。プレイヤーが手に入れうる、プレイヤーの行動に影響を与えうる情報が存在するため、復元は最終手段として扱われ、ゲームをそのままに続けさせるのがはっきり悪い解決であるという状況においてのみ適用される。よい復元とは、得られた情報が何も影響を及ぼさず、プレイの流れが変わらない(訂正された誤りを除く)ものである。言い換えると、復元は選択の幅が最少である状況に限る。

 ヘッドジャッジだけが復元を許可できる。大規模なイベントにおいては、ヘッドジャッジはその権限をチームリーダーに委譲してもよい。

 復元をする場合、誤りの行われた時点以降の各処理は、もっとも後に行われたものから逆順に巻き戻される。すべての処理は巻き戻されなければならず、一連の行動のうち一部を無視したり順番を変えたりすることは認められない。処理を巻き戻す中でカードがどれであるかプレイヤーのいずれか1人にでも判っていないものがあった場合(引いたカードなどがその典型である)、あり得る候補の中から無作為のカードが選ばれる。ある行動によってプレイヤーがライブラリーの中の特定の場所にあるカードの内容を知った場合、その行動を巻き戻すには、ライブラリーの無作為な部分にそのカードを入れて切り直す。但し、復元を進める中で一人のプレイヤーにのみ知られているカードがライブラリーに戻されていたなら、そうしたカードは前述の方法で切り混ぜられることはない。

 無作為あるいは未知の要素を含む復元、中でも引いたカードが変わってしまうことになるような状況をもたらしかねない場合には、特に注意深く取り扱われるべきである。例えば、プレイヤーがライブラリーを切り直す能力を使える状況で、カードをライブラリーに戻すことは、極々一部の特例を除いては行うべきではない。

 措置の中で単純な復元が行われることがある。単純な復元とは、最後に行われた(あるいは現在行われつつある)処理を巻き戻すことであり、それによって所定の措置のうち他の部分を可能にするものである。単純な復元には、無作為の要素が含まれるべきではない。

1.5. カード群

 この文書で定める違反のいくつかは、「カード群」を参照する。カード群とは、ゲームのルールや効果によって物理的に隔てられた集まりを指す。それは領域と対応することもあるが、領域の一部でしかないこともありうる。また、カードが1枚であってもカード群として扱われる。

 カードは次のカード群に入るまでの間そのカード群に属しているものとする。それらの「間」の状況は存在せず、(新しいカード群が非公開のカード群でない限り)まだ表面が見られていないカードは前のカード群に属したままである。

2. ゲーム上の誤り

 〔ゲーム上の誤り〕は、マジック総合ルールを破ったことによる、不正あるいは不正確なプレイによっておこる。多くの反則がこの分類に入るので、全てを列記することは不可能である。以下に示す指針は、〔ゲーム上の誤り〕をどう処理するかという判断の枠組みをジャッジに提示するためのものである。

 〔ゲーム上の誤り〕のほとんどは、誤りが過失によるものだと仮定している。故意によるものだとジャッジが確信した場合、まず〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕が発生していないかを考えるべきである。

 格上げされることのない〔違反の見逃し〕を除いて、同じ分類に入る〔ゲーム上の誤り〕による3回目以降の【警告】は、【ゲームの敗北】に格上げされる。複数日にわたる大会においては、この種の違反に関する前日の【警告】は考慮しない。

2.1. ゲーム上の誤り ─ 誘発忘れ

懲罰:

 なし

定義:

 誘発型能力が誘発したが、その能力をコントロールしているプレイヤーが、その能力が最初にゲームに視覚上の影響を及ぼす時点でその存在に気付いたことを示さなかった。

 プレイヤーが気付いていることを示さなければならないタイミングがいつなのかは、その誘発型能力がゲームにどのような影響を与えるかに依存する。

 上のいずれかの義務が果たされたなら、それ以降の問題は〔ゲーム上の誤り ― その他一般のゲームルール抵触行為〕として扱われることになる。

 遅延誘発型能力を作る以外の効果を持たない誘発型能力は、示される必要なく自動的に解決される。生成される遅延誘発型能力は該当する時点で示されなければならない。呪文や能力のコピーを作る以外の効果を持たない誘発型能力(ストームや暗号など)は自動的に解決されるが、その生成されるオブジェクトの解決は、(それが誘発型能力でなくても)上記と同じ条件に従って示されなければならない。

 プレイヤーは急いでゲームの行動を行なうなどして誘発を忘れさせることはできない。たとえば、プレイヤーが対戦相手に誘発型能力を示す機会を与えずに自分のドロー・ステップにカードを引いた場合にも、そのコントローラーはその時点で適切な義務を果たす機会がある。特に、一連の処理あるいはスタック上のオブジェクトの解決に関連している場合には、順序違いの行動に関するルール(MTR 4.3)も適用できる。

 誘発型能力がゲームに影響を及ぼさない場合、それに気付いたことを示せていなくても違反とはならない。例えば、コントローラーがクリーチャーを1体生け贄に捧げるという効果を持つ誘発型能力があって、そのコントローラーがクリーチャーをコントロールしていない場合にはその能力について示さなくてもよい。同様に、視覚上の効果を伴わない選択的な誘発型能力を示したプレイヤーは、対戦相手が対応しないかぎり肯定的選択を行ったものとして扱う。

 ジャッジは、【警告】を出す意図があるか、あるいはコントローラーが故意に自分の誘発型能力を忘れていると推測する理由があるのでないかぎり、誘発忘れの状況に介入しない。

 他のプレイヤーをコントロールしているプレイヤーは、その間について自身のものに加えてコントロールされているプレイヤーの誘発型能力についても責任を負う。

例:

(A) 《悪名の騎士》(賛美つきの2/1クリーチャー)が単独で攻撃し、そのコントローラーが「2点」と言った。
(B) プレイヤーが自分の待機呪文から最後のカウンターを取り除くのを忘れて、ドロー・ステップにカードを引いた。
(C) プレイヤーが《躁の蛮人》を唱え、その誘発型能力の対象を選ばなかったことに次の呪文を唱えてから気がついた。
(D) プレイヤーが《聖トラフトの霊》の生成した天使・トークンを戦闘終了時に取り除くのを忘れた。この誤りに気付いたのは次のターンのブロック・クリーチャー指定時であった。

理念:

 誘発型能力は多数存在し、実体が見えるわけでもないので、処理を忘れたことによって厳しい懲罰を与えるべきではない。プレイヤーには自分の誘発型能力を覚えておくことが期待されており、故意に無視した場合は(上記の通り、その能力がゲームに何も影響を及ぼさない場合を除いて)〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕に該当する。対戦相手がその能力の宣言や解決に際してすることがあったとしても、対戦相手は自分のコントロールしていない、忘れられた誘発を指摘する義務はないが、指摘したいなら指摘してもよい。

 誘発型能力は特にそうでないとわからない限り覚えられているものとして扱われ、そのゲームの局面への影響は即座に明らかになるとは限らない。対戦相手は誘発型能力を指摘しないことによって有利を得ることがあるが、誘発型能力を忘れさせるように仕向けて良いということではない。対戦相手が、誘発型能力の厳密なタイミングに関する情報を必要とする場合、あるいは解決された誘発型能力に影響されうるゲーム上のオブジェクトに関する詳細を必要とする場合、そのプレイヤーはその能力のコントローラーが宣言する前にその能力の存在を認識する必要があることがありうる。示されていない誘発型能力が忘れられていたかどうかによって適正かそうでないかが変わるようなプレイをしたプレイヤーは、違反をしたものとしては扱わない。その誘発型能力が忘れられていたかを確認し、状況によっては単に巻き戻す。

 プレイヤーは、ゲームの処理をするなどしてゲームを速く進めることで相手のコントロールする誘発型能力を忘れさせることはできない。対戦相手のターンに、誘発型能力のコントローラーが何かする(何か処理をするとか優先権を明示的にパスするなど)前にその誘発型能力に気付いているということを示したなら、その誘発型能力は忘れられていない。これはスタック上にあるオブジェクトを間違った順番で解決している一連の行動なので、順序違いの行動の規定(MTR 4.3節)も適用されることがある。

追加措置:

 以下の3種類の能力は本来誘発すべき時点からどれだけ時間が経っていようとも、発見された時点ですぐ解決される。

 同じ能力内に「そうしたとき/when you do」が後に続く処理を含む能力は、その処理を宣言することで示されたものとして扱う。これは督励の類の能力でもっともよくあることである。

 前のターンの現在のフェイズよりも前に忘れられた誘発については、プレイヤーにゲームを続けるように指示する。誘発によって生成した効果の持続時間がすでに過ぎている場合、プレイヤーにゲームを続けるように指示する。

 このどちらにも該当しない誘発型能力については、対戦相手は、その誘発型能力をスタックに置くかどうかを選ぶ。スタックに置く場合、その忘れられていた能力をスタックの該当する場所に置く。それが不可能な場合、スタックの一番下に置く。その能力が本来誘発するべき時点で適正な選択でなかったオブジェクトを含む選択を行なうことはできない。たとえば、プレイヤーにクリーチャーを1体生け贄に捧げさせる能力であれば、能力が本来誘発していた時点で戦場になかったクリーチャーを生け贄に捧げることはできない。

格上げ:

 誘発型能力のコントローラーにとって有害であると考えられる場合、【警告】が与えられる。現在のゲームの局面はその決定には影響しない。ただし、対称的能力(《吠えたける鉱山》など)の場合、通常、誰が影響を受けるのかによって有害かどうかを判断する。

2.2. ゲーム上の誤り ─ 過剰なカードを見た

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、デッキに含まれるカードの表面を見うる行動を、適正な権利のないままにとった。

 この懲罰は、複数のカードが一連の行動によって見られた場合にも1回だけ適用する。

例:

(A) 対戦相手のライブラリーをシャッフルしている間に、事故で(落としたり弾いたりして)カードを公開してしまった。
(B) ライブラリーからカードを引く際に、その次のカードまで引き出してしまった。
(C) 対戦相手にデッキを渡す際に、自分のデッキの一番下のカードを見てしまった。

理念:

 過剰なカードを見てしまうことはよくあることである。この違反は、手を滑らせたりルールを誤ったりして、プレイヤーが見るべきでないデッキ内のカードを見てしまったという状況を扱う。カードは、それが他の非公開のカード群に触れるまでの間、ライブラリー内のカードとして扱われる。それらのカードが他の非公開のカード群と合わさった場合、〔非公開カードに関する誤り〕や〔その他一般のゲームルール抵触行為〕となる。

 プレイヤーは、この懲罰を「追加のシャッフル」あるいは引きたくないカードをライブラリーの中に戻すための方法として扱ってはならない。そのような行為は〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕である。また、この懲罰を遅延行為のために用いることも許すべきではない。ライブラリーは既に無作為化されているので、公開されたカードをライブラリーの中に混ぜ入れるためにそれほどの時間を認めるべきではない。

追加措置:

 プレイヤーは、それまで未知であったカードすべてをデッキの無作為化されている部分に加えて切り直す。その後、既知のカードをそれらの正しい位置に置く。

2.3. ゲーム上の誤り ─ 非公開カードに関する誤り

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、公開されている情報だけからは修正できない誤りを、対戦相手の承諾なく犯した。

 この違反は、それが何であるかいずれか一方のプレイヤーにしかわかっていないカードが、その誤りの前後両方とも非公開のカード群に含まれていた場合にのみ適用される。 この違反は、ライブラリーからとったカードが別のカードにくっついていた、表が見えた、ライブラリーを崩したなどの手が滑ったことには適用されない。問題のカードは、そのプレイヤーが意図して隔離したカード群に含まれていなければならない。

例:

(A) プレイヤーが《Ancestral Recall》を唱えた後に、4枚のカードを引いた。
(B) プレイヤーが占術1を行う際に、2枚のカードを占術した。
(C) プレイヤーが《闇の腹心》の誘発型能力を解決して、そのカードを公開せずに手札に入れた。
(D) プレイヤーが手札に本来持っているべき枚数より多いカードを持っていた。
(E) プレイヤーが《予期》を唱え、ライブラリーの一番上からカードを4枚取った。
(F) 先攻プレイヤーが第1ターンにカードを引いた。

理念:

 ゲームの局面を「正しい」ものに戻すことはできないが、この誤りは対戦相手に充分な情報と誤りを正す権限を与えることで、利益を得られなくなるように相殺することができる。

 カードが公開領域に置かれていた場合、正常な状態がわかるので、その違反は〔その他一般のゲームルール抵触行為〕で処理できる。カードの表が1人のプレイヤーにしか見えていない場合、そのカードが(ライブラリーの一番上にあった、手札がそれ1枚だけであったなど)明確に区別できる位置にない限り、カードの正常な状態は決定できない。

 この違反を、例えば緑マナで《渦まく知識》を唱えたなどの、公開情報で修正できる誤りから派生した修正不能な状況に適用しないように注意すること。その場合、違反は元になった問題に基づいて処理される。

 例えばライブラリーの一番上にあった時に公開された、あるいは手札を見たなどの理由で対戦相手が知っていたカードに関する情報は、措置を適用するカード群を決定する上で考慮に入れてもよい。

 誤りを措置するにあたっては、可能な限り最小のカード群を扱うこと。これは、措置を適用するのは指示によって定義されたカード群の一部だけということもあり得るということである。例えば、プレイヤーが《集合した中隊》を解決し、まず片手で3枚、続いてもう一方の手で4枚のカードを見たとしたら、この違反を起こしているのは後半の4枚のカード群のみであり、7枚すべてではなくその4枚が措置の対象となるべきである。

追加措置:

 この違反の直後に、例えば捨てる、ライブラリーの一番上に置く、土地をプレイするなどで当該セット群から基地の場所へカードが移動していた場合、この違反の直後の時点までの単純な復元を行ってもよい。

 問題を含むカード群が既に存在していない場合、追加措置は行わない。

 この誤りによってカードが適正な時期よりも早くカード群に含まれ、そのカード群のカードを含む他の処理を先にしなければならなかった場合、そのプレイヤーは過剰なカードを含むカード群を公開し、その対戦相手はそれまで未知だったカードを必要な枚数選ぶ。それらのカードを、それらのカードが適正に追加されるべき時点まで脇に置き、それからそのカード群に戻す。

 公開されるべきカードに関する誤りの場合、そのカードを含むカード群を公開し、対戦相手はそれまで未知であった枚数のカードを選ぶ。ここで選ばれたカードを「公開された」カードとして扱い、残りの処理を行う。このカード群の選び直しと残りの処理の続行が複雑すぎる状況を引き起こす場合、それらのカードを手札に残す。

 問題を含むカード群にあるべき枚数以上のカードが含まれている場合、そのプレイヤーは過剰なカードを含むカード群を公開し、その対戦相手はそれまで未知だったカードをカード群の枚数を適正まで減らすために必要な枚数選ぶ。

 それらの過剰なカードは適正な場所に戻される。その場所がライブラリーであった場合、無作為の部分に入れて切り直す。ただし、そのオーナーが不適正に移動されたカードを既に知っていた場合(例:過剰に引いたカードを《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》で既に見ていた)は、それらのカードは単にもともとの場所に戻されるのみであり、無作為化されることはない。

格上げ:

 変異能力を用いて唱えた裏向きのカードが、ゲーム中に、変異能力を持たないということが明らかになった場合、懲罰は【ゲームの敗北】となる。変異能力を持つカードが手札にあって、違反が見つかったカードを唱えてから手札にカードが入っておらず、また誤りを自分自身で気付いた場合、この格上げは適用しない。手札にある変異能力を持つカードと戦場のそのカードを入れ替えてもよい。

2.4. ゲーム上の誤り ― マリガン手順の誤り

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーがマリガン手順の一部で誤りを犯した。ゲーム開始前の手順が完了した後の誤りには、この違反は適用しない。マリガン後に複数枚の「占術」をした場合、〔非公開カードに関する誤り〕として扱う。

 必要よりも早くマリガンすることを宣言した、などの利益のない小さな手順の誤りは、違反ではない。

例:

(A) プレイヤーがゲームの開始時に(7枚でなく)8枚引いた。
(B) プレイヤーがゲームの開始時、マリガン後に(6枚でなく)7枚引いた。
(C) プレイヤーが手札をキープして占術を行い、その後で再びマリガンした。
(D) マリガンせずにキープすることを選んだプレイヤーが、対戦相手がマリガンしたのを見てからマリガンした。

理念:

 ゲームの開始前の誤りには、ゲーム中の他の時点とは違い、より損害の小さい選択肢である強制マリガンが存在する。しかしながら、〔非公開カードに関する誤り〕にするほうが有利だと考えたプレイヤーが違反に気づいてもマリガン手順が終わるまで黙っていてそれから「発見」したいと考えるようであるべきではない。

 違反を犯したプレイヤーが可能な限り早く自分の誤りを報告することを推奨する意味で、ゲーム開始前に措置を行う選択肢が与えられる。

 マリガンした後でプレイヤーが自分のライブラリーの一番上を見た場合、見る前に口頭で、あるいはライブラリーの上から複数枚を一度に見ることによって、はっきりともう一度マリガンすることを宣言していないかぎり、手札をキープすることを選んだものとする。

追加措置:

 プレイヤーの手札にカードが多すぎる場合、そのプレイヤーは手札を公開することを選んでもよい。そうしたなら、その対戦相手はその中からライブラリーに戻して切り直すカードを選ぶ。複数枚多すぎた場合(例えば、1回マリガンした後に6枚のはずが8枚引いた)、対戦相手は適正な枚数になるまでカードを取り除き続ける。

 この方法でカードを手札から取り除かなかった場合(枚数が多くならないような誤りの場合や、プレイヤーが公開しないことを選んだ場合)そのプレイヤーはもう一度マリガンを行う。

 この措置が終わった後で、プレイヤーはマリガンを続けてもよい。

2.5. ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為

懲罰:

 【警告】

定義:

 この違反は、プレイヤーが何か誤りを犯したりゲーム手順を正しく進めなかったりした場合に起こる様々な場合に適用される。総合ルールに抵触している行為のうち、他の〔ゲーム上の誤り〕が該当しないものはこの違反となる。

例:

(A) 《神の怒り》を{3}{W}で唱えた(実際のコストは{2}{W}{W})。
(B) 毎ターン攻撃しなければならないクリーチャーで攻撃しなかった。
(C) 致死ダメージを受けたクリーチャーを墓地に置かないままにしていて、数ターン後に気付いた。
(D) カードを宣言すべきだったにも関わらず宣言していない状態の《ファイレクシアの破棄者》が戦場に出ている。
(E) 《渦まく知識》をプレイしたプレイヤーが手札から2枚ライブラリーに置くのを忘れた。

理念:

 〔ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為〕は1人のプレイヤーの責任であるが、多くの場合には公開下で起こることであり、両方のプレイヤーはゲームにおいて何が起こっているのか気付いているはずである。これらの誤りを「修正」したい衝動に駆られるが、それよりも、問題の重大さに関らず、全てのジャッジが均質に取り扱えるようにすることが重要である。

追加措置:

 第一に、単純な復元を行えるかどうかを検討する(1.4節参照)。

 単純な復元が適当ではなく、かつ違反が以下のいずれかの分類1つにのみ当てはまる場合、記された部分的な修正を行う。

 これらの修正に際し、より円滑な修正を行えるようになる場合は事前に単純な復元を行ってもよい。これらの部分的な修正に伴って生成される誘発型能力は、上記の行動が正しい時点で行われていた場合に誘発していたはずのものだけである。

 上記のどれにも当てはまらなければ、完全な復元を検討するか、ゲームをそのまま続ける。

 〔ゲーム上の誤り〕にプレイヤーが気づけるべき時間内に気づかれなかった場合、そのほとんどにおいて、対戦相手は〔ゲーム上の誤り ― 違反の見逃し〕の懲罰を受ける。置換効果が存在していたり相手プレイヤーの指示に従って処理していたりして、両方のプレイヤーに〔その他一般のゲームルール抵触行為〕の責任があるとジャッジが判断したら、両方のプレイヤーが〔ゲーム上の誤り ― 違反の見逃し〕ではなく、〔ゲーム上の誤り ― その他一般のゲームルール抵触行為〕の懲罰を受ける。たとえば、一方のプレイヤーが《流刑への道》を相手のクリーチャーに唱え、対戦相手がそのクリーチャーを墓地に置いた場合、両方のプレイヤーがこの違反となる。

2.6. ゲーム上の誤り ─ 違反の見逃し

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、〔ゲーム上の誤り〕を他のプレイヤーが犯した時に即座に指摘しなかった。ジャッジが、有利を得るため、あるいはより有利なタイミングで発見するために故意に見逃したと確信した場合、〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕の適用を検討すべきである。対戦相手の誘発型能力を指摘しないことは、〔違反の見逃し〕にも〔故意の違反〕にも該当しない。

例:

(A) 対戦相手が《俗世の教示者》で探したカードを公開し忘れたことに、ターン終了時まで気付かなかった。
(B) 対戦相手の《アルマジロの外套》がプロテクション(緑)を持っているクリーチャーについていることに気付かなかった。

理念:

 誤りが、有利を得る可能性が生じる前に見つけられた場合、ゲームの状況はそれほどひどく破壊されなくなる。誤りが見逃されていた場合、見つけられなかった対戦相手にもいくらかの責任はある。

3. イベント上の誤り

 〔イベント上の誤り〕は、マジック・イベント規定の違反のことである。ジャッジがその誤りを故意だと判断した場合、〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕の適用を検討するべきである(過去の版の違反処置指針では、故意の違反の扱いについて各節ごとに参照していた。〔遅いプレイ〕を除いて、全ての故意の違反は〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕の可能性があるものとして判断されることになる)。

 ここに記載されている違反以外の形でプレイヤーがマジック・イベント規定に抵触した場合、ジャッジは正しい手順をそのプレイヤーに説明すべきであるが、懲罰を与えるべきではない。継続して、あるいは故意に、それらの規定を無視していた場合、さらなる調査が必要になる場合がある。

 同じ分類に入る〔イベント上の誤り〕による2回目以降の【警告】は、【ゲームの敗北】に格上げされる。複数日にわたる大会においては、違反の数は1日ごとにリセットされる。

3.1. イベント上の誤り ─ 遅刻

懲罰:

 【ゲームの敗北】

定義:

 プレイヤーがラウンドの開始時点で着席していなかった、あるいは指示された行動を時間内に終わらせなかった。(すべてのプレイヤーが早く終わらせたため)ラウンドが前のラウンドの終了予定時刻よりも早く始まった場合、予定されていた前ラウンドの終了時刻までは遅刻とはならない。

 マッチ前あるいはマッチ中に、トイレや紛失カードの交換など正当な理由があるプレイヤーが遅れることの許可をジャッジに求めた場合、そのプレイヤーには〔遅刻〕になる前に10分間の時間が与えられる。10分以上の時間がかかった場合、【マッチの敗北】が与えられる。それ以下ならば懲罰は与えられず、かかった時間分の延長が与えられる。

例:

(A) ラウンド開始5分後まで、自分の席につくことができなかった。
(B) ジャッジや主催者が告知した提出期限までにデッキリストを提出できなかった。
(C) デッキをなくして、ラウンド開始の10分後までに代わりのカードを見つけられなかった。
(D) 間違った席について、本来と違う対戦相手とプレイしていた。

理念:

 プレイヤーは、マッチを行なえるように時間通りに正しい席につく義務と、時間通りに登録を終える義務がある。イベント主催者は懲罰適用前の時間を与えることを告知してもよい。そうしない場合は、ラウンド開始直後に該当する懲罰が与えられる。

追加措置:

 遅刻した時間の長さに応じて、延長時間が与えられる。

格上げ:

 ラウンド開始から10分経過してもプレイヤーが席についていない場合【マッチの敗北】が与えられ、そのラウンドの終了までにそのプレイヤーがヘッドジャッジかスコアキーパーに申し出ない限り、棄権したものとなる。

3.2. イベント上の誤り ─ 外部情報の参照

懲罰:

 【マッチの敗北】

定義:

 プレイヤー、観客、その他イベント関係者が以下の行動を取った場合、この違反となる。

 これらの分類はリミテッド・イベントでのデッキ構築中やドラフト中にも適用される。また、ドラフト中にメモを取ってはならない。チーム戦形式においては、この違反の定義を変更するような意思疎通規定が存在する場合がある。

 現在のマッチ外で取ったメモは、そのマッチの開始時に本人が所有していた場合に限り、ゲームとゲームの間にのみ見てもよい。

例:

(A) ゲーム進行中に、イベント前に準備したメモを見た。
(B) 観客が、その情報を求めていないプレイヤーに正しいプレイを指摘した。

理念:

 イベントはプレイヤーの技量を試す場であり、外部のアドバイスや指示に従う能力を試す場ではない。戦略上、戦術上、あるいはデッキ構築に関するアドバイスは、外部情報である。

 カードへの視覚的変更や簡単な文字列など、戦略的な情報をほとんどもたらさない物はメモとしては扱わない。詳細な記述や複雑な戦略的情報をカードに記載してはならない。そのイベントでどのようなカードやメモが認められるかに関する最終決定は、ヘッドジャッジが行なう。

 この違反を犯した観客は、イベントに参加していない場合、その領域から離れるように指示されうる。

格下げ:

 その情報がゲーム間に見て構わない情報だった場合、懲罰は【ゲームの敗北】に格下げされる。

3.3. イベント上の誤り ─ 遅いプレイ

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、適正な時間内にゲームの行動を終わらせなかった。故意に遅くプレイすることで時間制限を有利に働かせようとしているとジャッジが判断した場合、その違反には〔非紳士的行為 ─ 遅延行為〕が適用される。

 また、厳密な回数と最終的なゲームの局面を提示できないままにループを実行し続けるプレイヤーにも、〔遅いプレイ〕が適用される。

例:

(A) 何もゲームの状態が変わっていないのに対戦相手の墓地を何度も確認した。
(B) 《思考の大出血》の解決中に時間をかけて相手のライブラリーの内容を記録した。
(C) マジックのプロツアー予選で、ゲーム間にデッキをシャッフルするのにあまりにも時間がかかっていた。
(D) スタッフの許可なく、席を立って順位を確認しに行ったりトイレに行ったりした。

理念:

 全てのプレイヤーは、対戦相手が時間制限によって不利にならないよう、充分な速度でプレイする責任がある。プレイヤーはそう認識せずにプレイが遅いことがあるので、「速くプレイしてください」と伝えるだけで充分な場合もありうる。それでも遅い場合は懲罰を与えること。

追加措置:

 マッチの制限時間が終わった後、与えられる延長のターン数を2つ増やす。このターンの追加は、他の理由による時間の延長を適用した後、マッチ終了時の手順が始まる前に適用される。

 マッチが既に延長ターンに入っている場合にはさらに延長ターンは与えられないが、その場合にも【警告】は適用される。

3.4. イベント上の誤り ─ デッキリストの誤り

懲罰:

 【ゲームの敗北】

定義:

 デッキリストが不適正である。または、大会中にカードをなくしたため、デッキリストを修正しなければならない。

 この違反には、シールド・プール交換前に他の参加者が行なう登録中の誤りは含まれない。その修正はジャッジの判断によって行なわれるべきである。

例:

(A) レガシー・フォーマットのデッキリストに禁止カードである《Mana Drain》が含まれていた。
(B) デッキリストが56枚分しか登録されていなかった。そのプレイヤーのデッキは実際には60枚で、リストにない4枚の《払拭》が入っていた。
(C) 《龍語りのサルカン》と《揺るぎないサルカン》の両方が使用可能な大会で、デッキリストに「サルカン」とだけ登録されていた。
(D) カードを紛失し、同名のカードを用意できなかったため、リスト通りのデッキを使うことができなくなった。
(E) 《復讐のアジャニ》と登録したプレイヤーが、《不撓のアジャニ》を使用していた。

理念:

 デッキリストは、デッキがそのトーナメントの間同一であることを保証するために用いられる。ジャッジや他のスタッフは、イベント開始前にプレイヤーに対して、適正なデッキリストを提出し、適正なデッキでプレイするよう心がけさせるべきである。イベントでの対戦が始まった以降にデッキリストを修正したプレイヤーは、通常、【ゲームの敗北】を受ける。

 デッキチェック中に見つかったデッキリストの誤りは、即座に与えられる。それ以外のデッキリストの問題に関する懲罰は、その次のラウンドの開始時に与えられる。これによって、現在行なわれているゲームへの影響を最小限にし、懲罰を適用できるようになるよりも早くにマッチを終わらせたプレイヤーがいる場合にも公平性を保つことが出来るようになる。

 デッキリストに曖昧または不明瞭な名前で書かれている場合、プレイヤーは発見されるまでそのカードを入れ替えることが可能になってしまう危険性がある。ストーリー上のキャラクター(伝説のパーマネントやプレインズウォーカー)については、そのフォーマットにおいて該当するキャラクターが1種類である場合のみ名前だけでそれを指すものとして認められる。そのキャラクター名で始まる他のカードがフォーマットに存在したとしても関係ない。

 ヘッドジャッジは、そのプレイヤーがデッキリストに書いたものが完全で正確なカード名でなくても明白で確定できると確信したなら、この懲罰を科さなくてもよい。リミテッドの大会では、ヘッドジャッジは基本土地の記録が正確でなくても明確であると確信したなら、この懲罰を科さなくてもよい。これはデッキリストに書かれたものだけに基づいて判断するべきであり、プレイヤーの意図やデッキの実際の内容に基づいてはならない。確認のためにデッキをチェックする必要がある場合、その記述は明白ではない。

追加措置:

 デッキリストに不適正なカードが含まれている場合、そのカードを取り除く。

 その後、デッキリストをそのプレイヤーが実際に使用しているデッキにあわせて修正する。(サイドボードの枚数が多すぎる、あるいは同一のカードが5枚以上含まれている等によって)デッキ/サイドボードとデッキリストの両方がカードの枚数制限を超えている場合、デッキリストの下から順にカードを取り除く。

 最後に、デッキに含まれるカードの枚数が下限に満たない場合、プレイヤーはカード名が《平地/Plains》《島/Island》《沼/Swamp》《山/Mountain》《森/Forest》のいずれかであるカードを望む組み合わせで下限枚数を満たすように加え、デッキリストをその通りに修正する。この変更は、後になくしたカードの代わりを見つけた場合には懲罰なしで元に戻すことができる。

3.5. イベント上の誤り ― デッキの誤り

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが実際に使用しているデッキまたはサイドボードが、登録されたデッキリストと整合しておらず、プレイヤーが意図していたのはデッキリストのものである。

 サイドボードと一緒にそのプレイヤーのデッキでプレイされうる他のカードが置かれている場合、そのカードが以下のどれかでない限り、サイドボードの一部として扱う。

 異なるスリーブに入っているカード、トークン、チェックリスト・カードを使っている場合の両面カードは、(サイドボードではなく)デッキが適正かどうかを判断する上では無視する。

 プレイヤーが本来メインデッキにあるべきカード(か、その同名カード)を用意できない場合、それは〔デッキリストの誤り〕として扱う。サイドボードのカードが失われていた場合、そう記録するが、懲罰は与えない。

例:

(A) プレイヤーのデッキに60枚以上必要なところ、59枚しか含まれていなかった。ただし、彼のデッキリストには正しく60枚記されていた。
(B) 前の対戦相手の《平和な心》がデッキに混じっていた。デッキリストには適正なデッキが記されていた。
(C) マッチの第1ゲームにおいて、サイドボードにしか登録されていない《真髄の針》がメインデッキに含まれていた。

理念:

 プレイヤーはデッキの誤りを即座に報告するべきであり、また誤りのあるカードがデッキ内にあったことによって有利を得る余地があってはならない。

 デッキの誤りとして最も一般的な例は、サイドボードの戻し忘れとカードが別のデッキに交じることである。これらから有利を得ることは、明白な〔故意の違反〕でなければ難しい。それらのカードを実際に使用される前に取り除ければ、この誤りを埋め合わせることは十分可能である。但し、メインデッキに入っている特定のカードが多すぎる、という誤りは発見することがより困難であるため、懲罰を格上げすることになる。

 この誤りによって【ゲームの敗北】が与えられる可能性があることは、故意の悪用を減らすために必要である。その時点を過ぎると、対戦相手はそのデッキが適正であると同意している。ジャッジがこれらの違反について調査するにあたっては、悪用の可能性に充分留意すべきである。

追加措置:

 (本来使用できるタイミングでないサイドボードのカードを含む)不適正なカードをすべてデッキから取り除く。デッキから失われているカードをデッキの無作為の部分に加えて切り直す。第2ゲーム以降で、それらのカードがサイドボードと一緒にあった場合は、そのサイドボード全体からその枚数のカードを無作為に選び、デッキに加えて切り直す。

 最初の手札を引いている最中にこの違反が見つかった場合、プレイヤーにマリガンをさせる。そうでない場合、手札を含むいかなるカード群(例えば占術中、これから引こうとしていたなどのカード群)にも、取り除いた不適正なカードの代わりのカードは加えられない。

 紛失したカードが現在または過去の対戦相手のデッキに含まれていた場合、両プレイヤーに対して懲罰を与える。

格上げ:

 対戦相手にゲーム開始時のシャッフルのためにデッキを提示している間にデッキが不適正であると発覚し、紛失したカードが対戦相手のデッキに含まれていなかった場合、【ゲームの敗北】に格上げされる。

格上げ:

 不適正なカードが対戦相手の目に触れた、または触れようとした(例えば公開されたり墓地に置かれたりした)か、またはジャッジによって発見された場合、【ゲームの敗北】に格上げされる。

格上げ:

 登録されたよりも多い枚数がデッキに含まれており、それがゲーム開始後に見つかった場合、【ゲームの敗北】に格上げされる。例えば、デッキリスト上では《ショック》がメインデッキに2枚・サイドボードに2枚と登録されているときに、3枚がメインデッキに含まれていたような場合にこの格上げが適用される。

3.6. イベント上の誤り ─ リミテッド手順抵触行為

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーがドラフト中に技術上の誤りを犯した場合、この違反になる。

例:

(A) 右隣に渡すべきブースターを左隣に渡した。
(B) ドラフトのピックに認められる以上の時間を費やした。
(C) 一旦自分の束の上に置いたカードをもう一度戻した。

理念:

 ドラフト中の誤りは混乱の元であり、即座に気付かなければさらなる混乱を引き起こす。 〔イベント上の誤り ─ リミテッド手順抵触行為〕に関する追加の懲罰について、ドラフト前に告知されたり、形式に対応したイベント規定に定められていたりする場合がある。

3.7. イベント上の誤り ─ 意思疎通規定抵触行為

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、マジック・イベント規定の4.1節に定められた意思疎通規定に抵触した。この違反はこのポリシーの違反にのみ適用され、一般の意思疎通上の混乱に適用されるものではない。

例:

(A) 手札にあるカードの枚数を聞かれて「3」と答えたが、実際には4枚持っていたことにあとで気付いた。
(B) そのターンに土地をプレイしていないと言ったが、それは単なる記憶違いだった。

理念:

 明瞭な意思疎通はマジックをプレイする上の基本である。多くの反則は故意であるが、単なる勘違いによることがないわけではないので、それには厳罰は望ましくない。

 意思疎通規定の全文はマジック・イベント規定の第4.1節に記載されている。その概略は以下の通り。

追加措置:

 プレイヤーが、対戦相手から与えられた不正確な情報に基づいて行動していることが明確である場合、復元を考慮してもよい。復元は問題のあった意思疎通のあった時点までではなく、行動した時点まで行なう。

3.8. イベント上の誤り ― 区別できるカード

懲罰:

 【警告】

定義:

 デッキに入っているカードやそのスリーブの特徴によって、ライブラリー内の他のカードと区別しうる状況になっていた。この「特徴」には、傷跡や爪痕、変色、角の変形や箔押しカードの反りなども含まれる。例:

(A) スリーブ数枚の背面に小さな傷がついていた。傷がついているのは《山》、《ロクソドンの教主》、《稲妻のらせん》だった。
(B) スリーブを使わないプレイヤーが何枚かフォイル・カードを使っていて、他のカードと容易に区別ができた。
(C) スリーブを使わないプレイヤーのデッキに含まれる基本土地の背面が、他のカードと比べて明らかに褪色していた。

理念:

 イベントの間にスリーブやカードに擦れ傷がつくことはよくあることであり、プレイヤーがそれによって利益を得ようとしていない限り、その状況を理解させるだけで充分である。ほとんどのスリーブは何らかの形で目印がつくものであり、ジャッジは、懲罰を決定するにあたってそれを忘れるべきではない。〔区別できるカード〕の場合、プレイヤーに、スリーブに入れる前にシャッフルするとよい、ということを伝えることが非常に重要である。

 この違反は、そのプレイヤーのデッキに入っているカードについてのみ適用される。サイドボードで区別できるスリーブが使われていても、そのカードがそのままデッキに入れられていないかぎり違反ではない。調査しない限り、ジャッジはプレイヤーにサイドボードのカードが区別できる状態であることの注意喚起を行うべきである。

追加措置:

 プレイヤーは、区別できないカードやスリーブと交換したり、あるいはスリーブを使っていない場合には背面の傷を隠せるようにスリーブに入れたりすることが必要となる。イベントでのプレイ中にカードが酷く痛んでしまったなどで区別がつくようになった場合、ヘッドジャッジは代用カードを発行してもよい。

 プレイヤーが交換するカードを準備できなかった場合、イベントの残りの期間、それらのカードを基本土地と入れ替えてもよい。この変更は、後に区別できるカードと交換できるカードを見つけたなら取り消すことができる。

格上げ:

 これらの特徴のパターンを所有者が認識することで重要な利益を得る可能性があるとヘッドジャッジが判断したなら、懲罰は【ゲームの敗北】となる。

3.9. イベント上の誤り ─ 不充分な切り直し

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、過失によって自分のデッキまたはデッキの一部を充分に切り直さないままで対戦相手に提示したか、デッキをさらなる無作為化のために対戦相手に提示しなかった場合、この違反になる。デッキの中のカードが1枚でもどこにあるか、あるいはその分布がどうであるかをプレイヤーが知っているとジャッジが判断した場合、そのデッキは切り直されていないとする。

例:

(A) ライブラリーからカードを探した後、切り直さなかった。
(B) ライブラリーからカードを探した後、リフル・シャッフルを1回だけして対戦相手に渡した。
(C) 続唱能力の解決中に公開された、デッキの一部を切り直し忘れた。

理念:

 プレイヤーは自分のデッキを必要に応じて充分に切り直してあるはずであり、そうする技術と必要性の理解があると考えられる。しかしながら、対戦相手にはプレイヤーの後で切り直す権利が認められているので、これによって得られうる利益は小さいと考えられる。デッキに含まれているカードが見えた場合、切り直している途中に1枚2枚のカードの位置が判っただけであっても、切り直されているとは考えない。切り直している間、カードが自分にもチームメイトにも対戦相手にも見えないようにプレイヤーは気を払うことが期待される。

 プレイヤーは複数の方法を用いて充分にデッキを切り直すべきである。俗に言う「パイル・シャッフル」はゲーム開始時にのみ認められる。

 無作為化の前にカードを並べ替える(ある種のカードをデッキの中に散らしたり、逆に組み合わせて入れたりする)ことは認められるが、その後充分に切り直されることが必要である。

追加措置:

 デッキの無作為の部分を充分に切り直す。

4. 非紳士的行為

 〔非紳士的行為〕は、大会の安全性や競技性、楽しさ、または完全性に大きな被害を与える可能性のある、問題のある振る舞いである。

 非紳士的行為は、紳士的行為でないということとイコールではない。「良い」とも「紳士的だ」とも言えないが「非紳士的」ではない、「競技的」行為という幅が充分にある。何が〔非紳士的行為〕かを最終的に判断するのは、ヘッドジャッジである。

 ジャッジは、その行為がどう問題であるかを説明すべきである。プレイヤーは状況と振る舞いを即座に改善するはずである。しかしながら、確かにプレイヤーにその行動の重大性を理解させることは重要であるが、ジャッジは常に衝突を悪化させるよりも状況をやわらげる方法を探すべきである。

4.1. 非紳士的行為 ─ 軽度

懲罰:

 【警告】

定義:

 プレイヤーが、イベントあるいはその参加者に損害を与える行為を行なった。その個人の周囲に不快感を与える場合があるが、不快感を与えなかったからといってこの懲罰が免除されるわけではない。

例:

(A) あまりに低俗で下品な発言をした。
(B) ジャッジに、対戦相手に懲罰を与えるよう不適切に要求を行なった。
(C) フロアジャッジの裁定を待たずに、ヘッドジャッジへの上訴をした。
(D) ゲームに負けた後、デッキを床にばらまいた。
(E) プレイ終了後、プレイ場所に大量のゴミを残していった。
(F) プレイエリアから出るようという、イベント・スタッフの指示に従わなかった。

理念:

 全ての参加者は、イベントにおいて安全で快適な環境を期待していると考えられる。従って、参加者はその環境を保つために受け入れられない振る舞いについて自覚する必要がある。

追加措置:

 プレイヤーはその問題をただちに解決しなければならない。さらなる〔非紳士的行為 ─ 軽度〕には、他の項目であっても【ゲームの敗北】が与えられる。

 繰り返しや格上げによって【ゲームの敗北】が与えられた場合、それがゲームの終了時だったとしたら、ジャッジの判断によって懲罰を次のゲームに適用するようにしてもよい。

4.2. 非紳士的行為 ─ 重度

懲罰:

 【マッチの敗北】

定義:

 プレイヤーが、1人またはそれ以上の個人が嫌がらせ、強迫、いじめ、つきまといだと常識的に感じるような行動をした。これには、人種、肌の色、宗教、出身国、年齢、性別、障害、性的指向に基づく侮辱が含まれる。物理的な暴力による強迫は、〔非紳士的行為 ― 攻撃的行為〕として扱われるべきである。

 この違反として扱われる嫌がらせの成立において、違反者が悪意や害意を持っている必要はない。

例:

(A) 対戦相手を人種差別的言辞で中傷した。
(B) 書面による許可なく他のプレイヤーの不適切な写真を撮った。
(C) 観客をデートに誘い、断られたのにしつこく誘い続けた。
(D) 手を出させる目的で他のプレイヤーの邪魔をした。
(E) 観客が、他のプレイヤーをいじめるためにソーシャルメディアを使った。

理念:

 安全な環境は、すべての大会参加者にとって基本的に期待されることである。嫌がらせはこの安全とイベントの完全性を蝕むものである。故意に、大会において有害あるいは不快な状況を作り出すプレイヤーは、即座にその振る舞いを改めて後悔の念を示すか、さもなければ除外されるべきである。

 この違反の対立的性質から、ジャッジは進行中のマッチを終了させ、プレイヤーを引き離す必要がある。状況を悪化させることがないよう、あらゆる手を尽くすべきである。違反者は懲罰と、理由を問わずその振る舞いが許容されない理由の教育を受けるためにそのエリアから除外される。その後、落ち着きを取り戻すためにいくらかの時間がかかることが考えられる。謝罪は望ましいことではあるが、被害者が嫌がらせをしてきた相手に接触したくないという意志は尊重すること。

 スタッフはこうした問題を気づき次第調査すること。その違反が〔非紳士的行為 ― 重度〕に当てはまらないと判断した場合にも、プレイヤーに今後の誤解を避けるために説明するべきである。

追加措置:

 プレイヤーはただちに振る舞いを改めるべきである。この違反がマッチの終了時に行われていた場合、ジャッジはこの懲罰を次のマッチに適用してもよい。

格上げ:

 この違反が悪意を持っておこなわれていたり、プレイヤーが反省の意を示さなかったり、この違反が後に繰り返されたりした場合には、懲罰は【失格】とイベント会場からの退場になる。

4.3. 非紳士的行為 ─ 結果の捏造

懲罰:

 【失格】

定義:

 プレイヤーが、現在のゲームに関係ない方法(や、現在のゲームで適正でない行動)でゲームやマッチの勝者を決めようとした、あるいはそう提案した。

 この申し出を受けたプレイヤーが速やかに大会スタッフやジャッジに申し出なかった場合、提案に同意したと見做され、同じ懲罰を受ける。

例:

(A) イベントで時間切れに際して、引き分けになりそうだった2人のプレイヤーがダイスを振り、勝者を決めた。
(B) マッチの勝者をコイン投げで決めようと対戦相手に提案した。
(C) プレイヤー2人が腕相撲をしてマッチの勝者を決めた。
(D) プレイヤー2人がじゃんけんをしてマッチをするか引き分けにするかを決めた。
(E) ゲームの勝者を決めるために、延長ターンの終わりにプレイヤー2人がライブラリーの一番上のカードの点数で見たマナ・コストを比較した。
(F) 延長ターンの終わりに、「続けていたらどちらが勝ったか」を見るためにプレイヤー2人がライブラリーの上からカードを公開した。

理念:

 ゲーム外の方法で勝者を決定することは、イベントの完全性を危うくする。

 時間切れによって引き分けになったマッチはその通りに報告されるはずであり、その結果を決定するために不正な方法を用いることはこの懲罰の対象となる。

4.4. 非紳士的行為 ─ 買収・賭博

懲罰:

 【失格】

定義:

 プレイヤーが、対戦相手を誘惑して投了させたり、引き分けにしたり、マッチ結果を捏造したりさせようとした、あるいはそれを受け入れた。マジック・イベント規定の5.2節に、買収の成立条件についてより詳しく記載されている。

 賭博は、プレイヤーまたは観客がイベントやマッチ、あるいはその一部の結果に関して賭けをおこなった、あるいは提案したときに成立する。賭博は金銭に限るものではなく、また、賭けの対象が自分のマッチかどうかも問題ではない。

 この申し出を受けたプレイヤーが速やかに大会スタッフやジャッジに申し出なかった場合、提案に同意したと見做され、同じ懲罰を受ける。

例:

(A) スイス・ラウンドの間に、対戦相手に100ドルで投了してくれないかと持ちかけた。
(B) 対戦相手に、カードをあげるからIDしてくれ、と申し出た。
(C) 賞金を山分けにする代わりに投了してくれるよう、対戦相手に頼んだ。
(D) マッチの勝者が相手のデッキからレア・カードを1枚選んで取ってもいいと、プレイヤー2人が同意した。
(E) 観客2人が、あるマッチが終わるまでに何ゲームかかるかに関して賭けを行なった。

理念:

 買収と賭博はイベントの完全性を損なうものであり、厳しく禁じられている。

4.5. 非紳士的行為 ─ 攻撃的行為

懲罰:

 【失格】

定義:

 他者あるいはその持ち物に対して脅迫的な振る舞いをした場合、この違反となる。

例:

(A) 投了しなかったプレイヤーに、殴ると脅した。
(B) 他のプレイヤーの座る椅子を引いて、そのプレイヤーを床に倒させた。
(C) 裁定を受けた後で、ジャッジに脅迫的な態度を見せた。
(D) 他のプレイヤーのカードを引き裂いた。
(E) 故意にテーブルをひっくり返した。

理念:

 イベントの全関係者の安全は、最優先されることである。物理的な悪用や恫喝行為には、許容の余地はない。

追加措置:

 イベント主催者は当該行為者をイベント会場から退場させるべきである。

4.6. 非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗

懲罰:

 【失格】

定義:

 イベントで用いる、カードや大会用の備品などの物品を盗んだ場合、この違反になる。

例:

(A) 対戦相手のサイドボードからカードを盗んだ。
(B) テーブル番号札をテーブルから盗んだ。
(C) 前の対戦相手のカードが自分のものに混じっているのに気づいて、スタッフに報告せずに隠した。

理念:

 プレイヤーは、自分の物品がなくなることを心配せずにイベントに参加する。しかし、これはプレイヤーが自分の所有物に注意を払う責任がないということではない。また、イベントに持ってきた、あるいは配られた物品を最後まで持っていることは当然である。イベントの物品に関係しない窃盗はイベント主催者の責任になるが、ジャッジは可能な限り主催者に協力すべきである。

追加措置:

 イベント主催者は当該行為者をイベント会場から退場させるべきである。

4.7. 非紳士的行為 ─ 遅延行為

懲罰:

 【失格】

定義:

 時間制限を利用して有利にしようと、故意にプレイを遅くした場合はこの違反になる。故意でない場合には、〔イベント上の誤り ─ 遅いプレイ〕を適用する。

例:

(A) 手札に土地カード2枚だけを持っているプレイヤーが、ゲームに大した意味のある行動を取れない状況で時間をかけて『考え込んで』いて、時間を食いつぶしていた。
(B) 優勢なプレイヤーが、対戦相手に逆転のチャンスを与えないように明らかにプレイのペースを落としていた。
(C) 遅いプレイをしていたプレイヤーが【警告】を受けた際、考える時間を稼ぐために上訴した。
(D) マッチの第3ゲームの開始前に、対戦相手が時間内に勝ちにくくなるように、故意にゆっくりとマリガンを行った。
(E) ゲームで不利になったプレイヤーが、時間切れになるようにプレイのペースを落とした。

4.8. 非紳士的行為 ― 故意の違反

懲罰:

 【失格】

定義:

 イベント関連文書で定められた規則を破ったり、イベント・スタッフに嘘をついたり、あるいは、自分(やチームメイト)のマッチで違反があったにもかかわらずそれに注意しなかったりした。

 また、以下の条件を満たしていない場合、〔故意の違反〕にはならない。

 どちらかの条件でも満たしていなければ、その違反は〔故意の違反〕ではなく、他の違反で取り扱われる。

 〔故意の違反〕は一見すると〔ゲーム上の誤り〕や〔イベント上の誤り〕になるので、意図や認識を確認するためにジャッジによる調査が必要である。

例:

(A) プレイヤーが、対戦相手に無断で記入済みの結果報告用紙を改竄した。
(B) 自分の主張を強めるため、ゲーム中に何が起こったかについてイベント・スタッフに嘘をついた。
(C) 対戦相手のクリーチャーが致死ダメージを受けていないにもかかわらず、対戦相手がそれを墓地に置くことを放置した。
(D) 対戦相手が《饗宴と飢餓の剣》の誘発型能力の半分だけを解決したことに気付いた上で、その誤りを指摘しなかった。
(E) ドラフト中に、他のプレイヤーのピックを覗き見た。
(F) シールドデッキのカード・プールにカードを加えた。
(G) 過剰なカードを引いてしまったことに気付いたが、懲罰を受けるのを避けるためにジャッジを呼ばなかった。

付録A ─ 懲罰一覧

ゲーム上の誤り誘発忘れ/Missed Triggerなし
ゲーム上の誤り過剰なカードを見た/Looking at Extra Cards(LEC)
ゲーム上の誤り非公開カードに関する誤り/Hidden Card Error
ゲーム上の誤りマリガン手順の誤り/Mulligan Procedure Error
ゲーム上の誤りその他一般のゲームルール抵触行為/Game Rule Violation(GRV)
ゲーム上の誤り違反の見逃し/Failure to Maintain Game State(FtMGS)
イベント上の誤り遅刻/Tardiness
イベント上の誤り外部情報の参照/Outside Assistance
イベント上の誤り遅いプレイ/Slow Play
イベント上の誤りデッキリストの問題/Decklist Problem (DLP)G
イベント上の誤りデッキの問題/Deck Problem(DP)W
イベント上の誤りリミテッド手順抵触行為/Limited Procedure Violation
イベント上の誤り意思疎通規定抵触行為/Communication Policy Violation
イベント上の誤り区別できるカード/Marked Cards
非紳士的行為軽度/Unsporting Conduct - Minor
イベント上の誤り不充分な切り直し/Insufficient Shuffling
非紳士的行為重度/Unsporting Conduct - Major
非紳士的行為結果の捏造/Improperly Determining a WinnerDQ
非紳士的行為買収・賭博/Bribery and WageringDQ
非紳士的行為攻撃的行為/Aggressive BehaviorDQ
非紳士的行為イベント物品の窃盗/Theft of Tournament MaterialDQ
非紳士的行為遅延行為/StallingDQ
非紳士的行為故意の違反/CheatingDQ

付録B ─ 前版からの変更点

2018/01/19版

 1.4:復元の中で、カードの位置等に関する情報を失わせるための切り直しを行えるようにした。

 2.4:違反がこの区分に当てはまるかどうかは、マリガンの手順の間に起きたかどうかではなく、マリガンの手順の一部かどうかで判断される。

 2.5:順番を変更し、より判断の基準を明確にした。

 2.5:部分的修正は、本来のタイミングで誘発しなかったはずの誘発型能力を生成することはない。

 3.5:失われていたカードはライブラリーの無作為の部分に切り混ぜられる。

 3.5:カードが誤ったデッキに混ざっていた場合は両プレイヤーが懲罰を受ける。この懲罰が警告であるとは限らない(訳注:格上げとなった場合等)。

 3.8:格上げの判断基準について明確になるよう表現を修正した。プレイヤーがそのパターンを認識していなくとも、ヘッドジャッジがその知識を利用すれば重要な利益が得られると判断した場合は格上げの対象となる(日本語版のみ)。

2017/09/29版

 全般:backupの訳語を「巻き戻し」から「復元」に変更し、用語であることをより明確化した(日本語版のみ)

 1.1:【ゲームの敗北】に関する古い理念を削除した。【マッチの敗北】についても同様である。

 1.1:対戦相手が受けた【マッチの敗北】と同時に与えられる【ゲームの敗北】は、もはや次のラウンドに持ち越されない。

 1.2:〔デッキ/デッキリストの誤り〕に関する古い言及を削除した。

 2.1:選択的処理に続く「そうしたとき」の誘発は、示されたものとして扱う。

 3.2:ゲームの間に適正に得られる情報だった場合、格下げが可能になった。

 3.5:デッキの提示のタイミングについてより明確な記述にした。

2017/07/14版

 1.2:同一の原因で発生した複数の違反は、最も重い懲罰のみが科される。

 2.2:そのカードが(墓地などの)公開領域に移動した場合、それはまだLECであり得る。

 2.5:単純な巻き戻しは列挙された修正いずれの際にも行われることが許容される。

 3.4:基本土地に関する用語を3.5に合わせた。

 3.5:英語版のみの軽微な用語修正。

2017/04/24版

 1.1:失格処分を受けたプレイヤーがPWPを得られないことを明確化した。

 1.2:大会からの退出は懲罰を免れる手段にはならない。各懲罰の定義からの移動。

 1.5:非公開でないカード群にカードが加わるのは、そのカードの表が見られた時である。

 2.1:必ず解決されるべき誘発型能力の類型が加わった。

 2.3:公開忘れの際の追加措置を改めた。

 3.3:追加ターンの措置を明確化した

 3.4:不十分な切り直しは3.9に移動する。

 3.4:デッキリストの誤りを新たな違反として扱う。

 3.5:デッキの誤りに限った違反とする。懲罰は格上げ余地のある警告となる。

 3.5:初手の時点で発見された場合は強制マリガンとなる。

 4.3:MTRと整合させる更新。申し出を即座に通報しなかった場合は共犯となる。

 4.4:MTRと整合させる更新。申し出を即座に通報しなかった場合は共犯となる。

2017/01/20版

 全般:「ライブラリー」と「デッキ」の語を明確に使い分ける。

 全般:「大会」と「イベント」の語を明確に使い分ける。

 1.4:全員に対して公開されたカードは通常通り切り混ぜられる。

 1.5:カード群の定義のために節を設ける。

 2.2:定義の見直し。この違反はライブラリーのカードにしか適用されない。

 2.3:HCEとLECの区別を明確化した。HCEを犯すプレイヤーは、そのカード群を意識的に見ている必要がある。

 2.3:修復後に何かしらの行動を行う必要があった場合、その行動は適正に行われる。

 3.5:トークンや異なるスリーブに入ったカード等の例外は、メインデッキにのみ適用される。サイドボードには適用されない。

 3.5:なくしていたカードによる格下げは、それが対戦相手のデッキに入っていた場合は常に適用可能になる。

 3.5:サイドボードの戻し忘れに対する新しい格下げ方法。

 3.8:「区別」と「有利」について、より焦点が明確になるように言葉を見直した。

 3.8:スリーブを使用しない場合の問題の例示を追加した。

2016/09/30版

 2.1:「〜しなかった場合」についてもその能力を解決するかどうか対戦相手が決定する。

 2.1:他のプレイヤーをコントロールするなら、そのプレイヤーの誘発型能力についても責任を持たなければならない。

 2.3:例をより明確な表現に改めた。2.3:ライブラリーのオーナーが既に知っていたカードは、そのまま元の場所に戻される。

 3.5:格下げはもはや選択的ではない。格下げが適用されるべき場合について、更に明確化された。

 4.8:例をより明確な表現に改めた。

2016/07/22版

 1.2: 懲罰を受けるためにプレイヤーを登録することに関する記載を4章から移動。

 2.1: 遅延領域移動誘発型能力は、生成された時点でオブジェクトの組に固定される必要がある。

 2.4: マリガン中に過剰なカードを占術した場合、〔非公開カードに関する誤り〕になる。

 2.5: ダメージ割り振り順を正しい用語に修正。

 3.1: 遅れることをジャッジに連絡していたプレイヤーの扱いについて明確化。

 3.5: 全般の明瞭化。サイドボードについて必要な時点で明示するようにした。

 3.5: サイドボード内にあってよいカードについてを定義内に移動。

 3.5: 「明らかにデッキの一部ではないカード」を明記。注:サイドボードには関係ない!

 3.5: 例F(サイドボードとデッキが混じっている)を削除。これは〔非公開カードに関する誤り〕。

 3.8: サイドボードのカードは区別できるものとしては扱わないという注釈。

 4: 懲罰を受けるためにプレイヤーを登録することに関する記載を1.2へ移動。

 4.6: 例Aは現行の登録手順ではまず起こらないことなので削除。

 4.8: 違反の番号を正しく修正。

2016/04/12(日本語訂正)

 2.5: 訳オチの修正。

 3.5: 誤訳の修正。

2016/04/08版

 1.4: 単純な巻き戻しには無作為の要素は含まれない。

 2.1: 誘発を示すときは、どの誘発かを示す必要がある。

 2.1: 視覚上の効果を伴わない「してもよい」能力は、示された場合は選ばれたものとして扱う。

 2.2: 〔過剰なカードを見た〕と〔非公開カードに関する誤り〕の境界線を明確化した。

 2.3: 違反の改定。よく似た理念だが、微妙な状況の扱いを明確化した。

 2.4: マリガンの問題を扱う違反として別枠化(〔非公開カードに関する誤り〕に統合されていた)

 2.5: 部分的修復はそれによって完全に網羅される場合にのみ適用される。

 2.5: 不正な選択に対する部分的修復は、引き起こされる問題のある相互作用を巻き戻すことができる。

 3.5: 明らかにデッキの一部ではないカードは、発見されても無視される。

 3.5: なくしたカードをゲーム中に見つけた場合の扱いを明確化。

 3.5: 自分でジャッジを呼んだことによる格下げは不正なカードに関するもので、なくしたカードに関するものではない。

 付録A: 〔マリガン手順の誤り〕を追加。

2016/01/22版

 全般:例で用いているカードを最近のものに差し替えた。

 1: イベント・スタッフによる誤りは格下げてもよい。

 2.1: 対象を取らない誘発型能力の表明が明確になるように調整。

 2.3: 新しい違反! DECからの置き換え。

 2.3: 変異の格上げは2.5ではなくここで扱う。

 2.4: 違反ではない! 2.3に統合。

 2.5: 誤った領域のオブジェクトに関する更新。動くべきなのに動いていなかったオブジェクトにも適用。

 2.5: 両者にGRVを与えることに関してジャッジの裁量を増やした。置換効果にも適用される。

 3: 〔イベント上の誤り〕の数は日をまたがない。

 3.5: プレイ後のデッキリスト修正は必ず【ゲームの敗北】になるべきだと明確化した。

 3.5: デッキのカードをなくした場合、(修正できるなら)ゲームの開始後には【ゲームの敗北】を出さない。

 3.6: ドラフトに関するものだと明確化。変更ではない。

 3.8: 冒頭文の明確化。

2015/10/02版

 1.4: 切り直しが必要なときの、後にわかったカードの扱いを明確化した。

 2.1: 誘発型能力を処理する際のオブジェクトの選択は、その誘発が本来起こっていた時間に適正だったかどうかを見る。

 2.2: カードをライブラリーから取り除いた後でゲームの行動をおこなったかどうかを考慮しなくなった。

 2.3: 明確化のため書き直し。GRV/CPVからカードを引いた場合はすべてここで扱う。

 2.3: これまで〔公開忘れ〕だったものやライブラリーの一番上を見た場合にもこの違反で扱う。

 2.3: カードを引くことを別扱いにすると明記した。

 2.3: 訂正後には、その問題を起こした行動をもう一度おこなうことはない。

 2.6: 変異のための格上げ。〔公開忘れ〕は、今後〔過剰なカードを引いた〕で扱う。

 3.4: 対戦相手にデッキを提示しないのは〔不十分な無作為化〕である。

 3.5: 「わかる名前」というルールはリミテッドのデッキリストでは「わかる基本土地タイプ」にも適用される。

 3.6: 例Dの削除。カード登録の誤りは懲罰の対象ではなくなった。

 3.7: 巻き戻しは行動に対するものであり、意思疎通の誤りに対するものではない。

 3.8: 〔区別できるカード〕の交換も取り消せる。

 付録B:MTRに移管。

2015/07/13版

 一般:追加措置の項目中、格上げ、格下げを分かりやすく表記した。

 1: 全体の整理と文章の見直し。

 1: プレイヤーが自力で解決した小さな混乱には介入しないということを理念に追加した。

 1.1(旧): RELの定義をMTRに移管し、1.1〜1.4の項目番号を変更した。

 1.1: 【注意】の削除と、各所の表記を整理した。

 1.2: 複数の違反の扱いについて文章を改めた。与える懲罰は1つになるはず。

 1.3: 単純な巻き戻しの意味についての説明。

 1.4: 複数の措置で用いる、部分的に知られているデッキの切り直しについてここに記載した。

 2: 多人数戦についての残っていた記載を削除。

 2: 〔違反の見逃し〕の説明と格上げについての記述を整理した。

 2: 違反にならない状況でゲームの局面を保つことに関しての記載を第1節に移動。

 2.1: 一般的な状況の懲罰を「なし」であると改めた。

 2.1: 明確化のため、記載順を改めた。対戦相手のターンの誘発忘れの説明を追加した。

 2.1: 視覚上の表現を伴わない、ゲームの局面に影響を及ぼす誘発型能力には処理が伴わない。

 2.3: 書き直し。今後は【警告】である。状況を解決するための特別な措置が記されている。

 2.4: ゲーム開始時に修正した場合、誰がマリガンする順番かを決定する上で、マリガンとして扱う。

 2.5: 〔違反の見逃し〕をこの違反の追加措置の一部として表記した。

 3: 様々なMTR抵触が、違反の分類に当てはまらないと明記した。

 3.3: 双頭巨人戦の記述を削除。

 3.5: デッキの誤りと、デッキチェック中のリストの誤りだけが即座に扱われる。

 3.5: なくしたカードの代わりに入れた基本土地は、後にそれ以上の懲罰なしに戻すことができる。

 付録A:〔誘発忘れ〕と〔過剰なカードを引いた〕の懲罰の更新。

2015/03/23版

 1.2: 【失格】の手続きおよび文書へのリンクを追加。

 1.3: 複数の違反があった場合の段落は、1人のプレイヤーによるものにのみ適用される。

 2.1: 物理的な効果を持つ誘発は、宣言した後で忘れた場合、忘れたものとする。

 2.5: 定義された修正をおこなう前に検討する巻き戻しはほんのわずかである。

 2.5: ブロック順を適切な即時の修正一覧に追加。

 3.3: ヘッドジャッジの判断による格上げの削除。

 3.5: プレイ開始後に見つかったデッキリストの問題に関する懲罰は次のラウンドに延期される。

2015/01/23版

 1.2: 【注意】に関する古い記述を更新。

 2: 複数の違反の扱いについてさらなる明確化。

 2.4: 誤ったマリガンの処理を定義に戻した。

 2.5: 判別できない誤りの格上げについての新しい取り扱い(と明確化)。

 付録B: プロツアー地域予選をリストに追加。

 J 2.5: 巻き戻しに関する訳オチの訂正。

2014/09/26版

 1.2: 同時に与えられた【ゲームの敗北】は相殺されるようになった。

 1.4: 巻き戻しの理念に関する節の新設。

 2.3: 巻き戻しの要件を、〔その他一般のゲームルール抵触行為〕か〔意思疎通規定抵触行為〕に限った。空の手札にカードを引いたことも格下げの理由となりうる。

 2.3: カードを引く枚数が少なすぎたことは〔その他一般のゲームルール抵触行為〕となる。

 2.5: 巻き戻しの説明を1.4に移行。部分的修正は最初に検討される。

 2.5: 不正な領域にあるカードの扱いは、時間よりも邪魔になるかどうかに注目するようになった。

 2.6: 文法上の修正。

 3.1: 措置の一部を定義や理念に移動させた。

 3.5: 同時に【ゲームの敗北】が与えられる場合の規定は一般化されたので、ここからは削除。

 3.7: 巻き戻しの説明を1.4に移行。

 付録 B: プロツアー予備予選、プロツアー地域予選、ワールド・マジック・カップ予選トライアルの記述を追加。

2014/07/18版

 はじめに: 懲罰の小分類についての不必要な説明を削除した。

 1.2: 文法上の修整。

 1.3: 文法上の修整。参照先の間違いの訂正。

 2.4: 明確化のための違反の単純化。カードを手札から取り除いたら必ず切り直す。

 2.5: いつ両プレイヤーが〔その他一般のゲームルール抵触行為〕になるかの定義の変更。

 3.5: 「明確さ」をより明確にするため、明確さに関する文章変更。

 3.5: 開始前の発見と、〔ゲーム開始時の引き間違い〕のタイミングを揃えた。

 4.2: 大変更。〔非紳士的行為 ― 重度〕を嫌がらせという観点から定義し、【マッチの敗北】にした。

 4.4: 賭けを持ちかけるだけでもこの違反に該当する。

 付録 A: 〔非紳士的行為 ― 重度〕の更新。〔デッキ/リストの問題〕の誤りの修正。

 付録 B: ワールド・マジック・カップ予選トライアルの追加。

2014/04/18版

 一般: 文法の検討と曖昧な「べき」の明確化。

 2: 文法上の調整により、【警告】の格上げを明確化。

 2.4: マリガン手順とそれ以外の初期手札の誤りを統合。

 2.5: 文法上の調整により、公開しなかった場合の処理を明確化。

 3.5: 削除(〔デッキ/リストの問題〕に置き換え)。この項目のほとんどは〔リミテッド手順抵触行為〕ならびに〔非紳士的行為 ― 軽度〕に統合。

 3.5: 〔デッキ/リストの問題〕。ヘッドジャッジはより自由に明確な書き間違いを格下げできるようになった。

 3.6: 名称変更。シールドデッキの登録時の誤りもここに含まれるようになった。

 3.6: デッキリストの誤りに関する文章を書き直し、デッキリストの扱いを明確化した。

 4.1: イベント・スタッフの指示に従わなかった場合の扱いが、重度から軽度になった。

 4.3: プレイヤーが見られないゲームの情報を使って勝敗を決めることは認められないと明確化した。

 付録A: 更新を反映して表を更新。

2014/02/07版

 3.9: サイドボードのカードを紛失したことによる懲罰は発生しないと明確化した。

 3.9: 両プレイヤーが同時に〔デッキ/リストの問題〕による【ゲームの敗北】を受ける場合、それはマッチに計算しない。

 4.7: ゲーム間の時間が明記されなくなったことにあわせて例(D)を更新した。

 4.8: 3山切りでツミコミを逆用することを非合法としていた例(G)を削除した。

2013/09/16版

 2.1: 忘れられた遅延誘発型能力は、プレイヤーが優先権を得るときまで解決されない。

 2.2: 〔意思疎通規定違反〕の記述の修整(英語版のみ)。

 2.3: 追加ターンを与える能力との混乱を避けるため、「追加ターン」を「延長ターン」に書き換えた。

2013/07/19版

 2.3: プレイヤーがカードを引くことを確認した場合、〔過剰なカードを引いた〕にはならない。

 2.4: 定義を明確化するための微調整。

 2.5: 引き忘れたカードは必ず引かれる。捨てることに関する同様の例外規定と統合。

 2.5: 領域変更の例外をさらに明確化。

2013/05/03版

 1.2: カードが破損した場合以外にも適用できるよう、「損害」から「問題」に変更。

 2.4: 定義を明確化するために再編。指針の変更ではない。

 3.1: 3分という公式時間制限の撤廃。主催者は遅刻までの時間を定められる。

 3.3: 例Cから特定の時間制限の数字を削除。

2013/02/08版

 2.1: 誘発型能力が忘れられたことになる時期の定義を修正。理念部分の加筆。

 2.1: 領域変更を伴う遅延誘発型能力の扱いを特記。何もしなかったときの処理が定められている能力の解決時期を調整。

 3.7: (英語版で)違反の名前を変更。「プレイヤー意思疎通違反」だとわかりにくい。

 4.3: 理念部分を、無作為でない不正な決定方法にも対応するように変更。

 5: 〔故意の違反〕の章の合理化。〔遅延行為〕を4.7節に移動、〔故意の違反〕は4.8節〔非紳士的行為 ― 故意の違反〕に移動。

 5.3: 4.8節に統合。行動が不正であると知ることが違反の構成要件に。

 5.4: 4.8節に統合。行動が不正であると知ることが違反の構成要件に。

 付録A: 表の更新

 付録B: 表の更新

 全般: 〔故意の違反〕ならびにその小分類を参照する部分の一新。

2012/09/20版

 全般: 番号変更! 第3-6節は、1つずつ繰り上げとなる。以下の列記では併記する。

  3/2: 気づき得ない誤りに関する記述を拡張し、3.6/2.5に移動。

  3/2: 使われなくなった、ターン周期の記述を削除した。

 3.1/2.1: 懲罰が与えられるかどうか、また誘発忘れの処理全体を刷新。失効能力は削除された。

 3.2: 削除され、3.6/2.5に組み込まれた。

 3.6/2.5: 気づき得ない誤りの違反に関する格上げと記述を追加した。

 3.6/2.5: 誤った領域にあるオブジェクトはターン周期でなく1ターンの間処理される。

 4.9/3.9: サイドボードと一緒に置いておいても良いカードの種別を2つ増やした(スリーブには要注意!)

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