:::マジック・ジャッジ規約 2016年6月23日 ::もくじ はじめに ジャッジ規約の理念 マジックとの関連性 不品行の確認 不品行の解決 付録A − 更新履歴 ::はじめに  マジック・ジャッジ規約(「本規約」)の根幹を成す価値観は、奉仕心、高潔さ、公共心、敬意、信頼である。これらの実例としては、例えば他者を敬意を持って助けること、イベントの規定を守ること、マジックをともに楽しむことのできる包括的環境を作り上げることなどが含まれる。  これらの価値観は時に重複し、時に競合することもある。本規約の各要素は、複数の価値観によって支持されている。これらの価値観相互の調整が必要なこともあるが、その場合にもジャッジ・プログラムの道標であることに変わりはない。  ジャッジとは、これらの価値観を支持し、自身の時間を使ってイベントを運営したり裁定を広めたりコミュニティの問題を解決したりする存在である。地元の店でルールの質問に答えるジャッジも、プロツアーのヘッド・ジャッジも、ジャッジは皆マジックを楽しいものにするとともにマジックのイベントを公正なものにするという目標を共有している。  ジャッジはコミュニティにおいて信頼と権限を有する特別な立場にある。我々はルールを施行し、懲罰を与え、場合によってはプレイヤーを失格にすることもある。コミュニティは、ジャッジがその地位と権限に相応しい振る舞いをすると考えている。  この文書は、ジャッジが自らの責任を理解する助けとなるものであり、何が許容され、何が許容されないのかを定義する助けとなるものである。マジック・コミュニティにおけるジャッジの振る舞いは、イベントにおいてジャッジが信頼される専門家として振る舞う能力に影響するが、ジャッジ・プログラムの影響範囲には限界がある。マジック・コミュニティに関係のない人間関係など、ジャッジの私生活を管理・制約するのはジャッジ・プログラムの影響範囲ではない。  ジャッジ・プログラムの会員であることは双方向的に任意であり、ジャッジはいつでもジャッジ・プログラムから脱退できるし、ジャッジ・プログラムもジャッジの行動に基づき、資格停止をしたり認定レベルを変更したり除名したりできる。  ジャッジ・プログラムは会員の申告された不品行について調査し、対処する。その対処は、価値観を守るためであり、安全で快適なマジック体験を守るためであり、コミュニティから見たジャッジ・プログラムの立場を守るだめである。 ::ジャッジ規約の理念  ジャッジは、マジック・コミュニティへの責任を果たすために追加の権限を与えられている。コミュニティは、ジャッジがジャッジとしての立場や権限を公正かつ明瞭に使うものとしてジャッジに委託している。 :ジャッジは、自身のジャッジとしての立場や権限を公正に使うべきである。  ジャッジは、自身の立場や権限を、公正にかつ該当するイベント関連文書の指針に基づいて用いるべきである。ジャッジはマジック・コミュニティの全メンバーを、そのメンバーの人種、性別、ジェンダー、性同一性、皮膚の色、宗教、出身国、性指向に関わらず公正に敬意を持って扱うべきである。コミュニティ・メンバーの評判、名声、技術などによって、ジャッジは扱いを変えるべきではない。ジャッジは問題行動の来歴のある個人の行動をより注意深く検証することは許されるが、その行動が故意の違反であるかどうかに関してその評判だけに基づいた偏った判断をすべきではない。 :ジャッジは、個人的な利益のためにジャッジとしての立場や権限を使うべきではない。  ジャッジはマジック・コミュニティに奉仕すべきである。ジャッジは、一般RELのイベントにおいて自分のマッチで裁定の必要がある場合に自分に有利なように偏った裁定を下すべきではない。ジャッジは、個人的に気に入らないからと懲罰を下したり、あるいは個人的に気に入っているからと懲罰を下さないようにしてはならない。ジャッジは、その信頼を用いて詐欺を働いたり、プレイヤーのデッキやイベント主催者の商品を盗むなど不誠実なことをするためにその立場を利用したりしてはならない。 :ジャッジは、他者を迎え入れる環境を作るべきである。  ジャッジはマジック・コミュニティの一員として、誰かが嫌がらせを受けた、脅された、虐められた、つきまとわれたなどと感じるような行動がおこなわれないようにする責任を持つ。ジャッジにはそれに加えて、これらの行動を受け入れず、マジック・コミュニティの全てのメンバーが歓迎されていると感じる環境を積極的に作っていく責任がある。ジャッジは他者が悪い環境を作ることを見逃すべきではない。ジャッジは、自身がスタッフを務めるイベントにマジック・コミュニティの他のメンバーが参加して不快に思うような見解を公表すべきではない。 :ジャッジは自身の行為やジャッジとしての立場・権限に関する責任を持つべきである。  ジャッジは、マジック・コミュニティの他のメンバーが自身の行為を報告することを妨げようとするべきではない。不品行を報告したことへの報復はいかなるものも認められない。ジャッジは、報告しようとする個人に対し報告手段を隠蔽しようとするべきではない。ジャッジは自身の誤りを認めて受け入れるべきであり、また、意思疎通においては誠実かつ直接的であるべきである。 :プレイヤーとして不品行と思われる行為は、ジャッジとしても不品行である。  マジック違反処置指針において〔非紳士的行為 ― 重度〕や〔故意の違反〕になる行為、あるいは一般RELにおいて『重大な問題』になるような行為は、ジャッジとしても不品行である。プレイヤー調査委員会において資格停止などの制裁を招くような不品行は、ジャッジ・プログラムからも少なくとも同じ期間の資格停止など同等の制裁を受けることになる。 ::マジックとの関連性  ジャッジはマジック・コミュニティの最善のあり方とジャッジ・プログラムの価値観を反映する義務がある。しかしながら、不品行について判断する場合、その不品行とマジックとの関連性は重要な要素である。  よりジャッジ・レベルが高いということは、コミュニティにおけるさらなる信頼とステータスをもたらす。従って、ジャッジの認定レベルやプログラム上の役割は不品行の調査において考慮されることになる。  たとえば、地域コーディネーター、プログラム・コーディネーター、グランプリ・ヘッドジャッジの公共での振る舞いは、コミュニティにとってマジックやジャッジ・プログラムに関連したものとして考えられ、プログラム内の他のジャッジとは全く違うものとなる。つまり、上級役割を持つジャッジは自身の公共での振る舞い全てが少なくとも部分的に関連しているものとして考えるべきである。  不品行を考慮するにあたって、その行為はマジックとの関連性に基づいて3種類に分類される。 * マジックやジャッジに「直接関連している」行為 * マジックやジャッジに「部分的に関連している」行為 * 「関連していない」行為  各分類の定義については以下に述べる通りである。 :「直接関連している」行為  これには、認定ジャッジとしての行為や、自身を認定ジャッジであると明言した上での行為が含まれる。 例: * ジャッジとしてイベントで働いている間の行動(休憩中も含む) * ジャッジの服を着ている間の行動 * 自身をジャッジだと明言した上での行動。例えば自身がジャッジ・シャツを着ている写真をソーシャルメディアのアイコンにしている場合や、信頼を得るためにジャッジ資格を用いている場合など。 * JudgeAppsや公式なMagic JudgeのFacebookのページなど、公式なジャッジ議論のおこなわれるウェブサイトでの行動  制服を着ているジャッジはジャッジ・プログラムとマジック・コミュニティを直接代表しているので、制服を着ている、あるいはイベントでジャッジとして働いている間の不品行は、常に本規約の対象となる。公式なジャッジ関連サイトへの投稿もまたこの基準に従う。同様に、ジャッジが、自身がジャッジであることを用いて信頼を得ている場合、そのジャッジの行為はこの基準に従う。ジャッジの制服やロゴは、それを用いているジャッジの行動がジャッジ・プログラムに関連しているという印象を与える。この役割にある間の不品行は、「部分的に関連している」あるいは「関連していない」場合の不品行よりも強い制裁を招く可能性がある。 :「部分的に関連している」行為  これには、マジックのイベントにジャッジ以外の形で参加している間の行為、マジックに特に注目している観客に話している間の行為、マジックやジャッジに深く関わっている個人として発言している場合の行為が含まれる。 例: * マジックのイベントにプレイなどジャッジ以外の形で参加している間の行動 * 『Magic Online』でプレイ、トレード、その他交流している間の行動 * 非公式なマジックのウェブサイトやマジック関連のSNSでの投稿 * マジックのイベントに併催されている交流イベントでの行動  マジックに関連している限り、不品行はジャッジ・プログラムとその会員に悪影響を与える可能性がある。ジャッジの行為は、そのジャッジに対するジャッジ・プログラムからの評判や信頼に影響を与える可能性がある。この分類に入る不品行はジャッジ・プログラム全体やマジックそのものに影響を与えるとは限らないが、コミュニティのジャッジへの見方やコミュニティのそのジャッジへの信頼を傷つけることはある。 :「関連していない」行為  マジックやジャッジと不品行との関わりが、その不品行に関係する個人が認定マジック・ジャッジであるという点だけであるなら、その不品行はジャッジ・プログラムが考慮すべきものではない。ただし、非常に深刻な不品行の場合、ジャッジ・プログラムが考慮すべき重要で例外的な事件となることはありうる。その場合、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが主導する場合もある。 ::不品行の確認  ジャッジの行為が問題であるかどうか、またその不品行がジャッジ・プログラムから見てどう解決されるべきかを決定するためにジャッジ規約委員会(「委員会」)を置く。委員会は、プログラム・コーディネーターと地域コーディネーターによる定期的な手続きの元で選ばれたレベル3ジャッジによって構成される。  委員会の委員は、当該ジャッジからの主張などの情報を共有する。当該ジャッジは、委員会で自分の代理人役を務めることに同意するジャッジを指名できる。その代理人ジャッジが委員会の委員であった場合、その代理人ジャッジはその問題の解決には関与しない。代理人ジャッジを置く目的はコミュニケーションを円滑にし、委員会からの圧迫感を和らげ、当該ジャッジが孤立していると感じないようにすることである。  不品行を告発されたジャッジや、委員会が求める情報を持っている可能性のあるジャッジとの連絡は、特に他の手段が指定されていない限り、JudgeAppsでそのジャッジが提供しているメールアドレスを使って行われる。  必要な情報を収集し、考慮したあとで、委員会はその事例がどのように解決されるべきだと考えているかという提言をまとめる。その提言において、委員会の委員は申し立てられているジャッジがその不品行、マジックとの関連性なども踏まえたその事例における特定の状況に関して責任を有するかどうかを検討し、審議する。その決定は、発効する前に、地域コーディネーター諮問委員会(RCAC)、プログラム・コーディネーター、ジャッジ・プログラム・マネージャーに報告される。  委員会は、疑念を申し立てた人物ならびにその対象となったジャッジに対し、調査の状況と終了予定時期についての情報を開示し続ける責任を有する。  委員会はありうる不品行の状況について整理するため、手順と推奨される解決策を詳細に提言した文書を用いる。ただし、このシステムの悪用を防ぐため、この文書は非公開とする。  資格停止ならびに資格剥奪となったジャッジの一覧は、委員会、地域コーディネーター、プログラム・コーディネーター、RCACにのみ公開される。これらのジャッジは、必要に応じて資格停止中のジャッジに関して関係のある個人と意思疎通することが認められる。 ::不品行の疑いの報告  不品行の疑いについては、そのジャッジを管轄する地域コーディネーターに報告されるか、匿名の報告としてマジック・ジャッジ報告フォームから報告される。  地域コーディネーターには次のページから連絡できる。 http://blogs.magicjudges.org/contact/contact-a-regional-coordinator/  報告フォームは次のページに置かれている。 http://goo.gl/wj7Zp0  不品行の疑いについては上級役割を持つジャッジまたは委員会のメンバーに報告してもよい。その場合、その報告は委員会に上げられる。  イベント中の不品行の疑いは、何らかの方法での委員会への報告に加えてイベント主催者にも報告されるべきである。  不品行の疑いに関する匿名の報告は、プロツアー殿堂顕彰者から選ばれた地域コーディネーター諮問委員会(RCAC)のメンバーにも報告される。そのメンバーはその事象を匿名として扱い、その報告した個人の情報をその個人の同意なくジャッジに公開しない。現在、この代理人はジョン・フィンケル/Jon Finkelが務めている。  なお、ジャッジ・プログラムと上記の過程は、司法に代わるものではない。法律違反やその疑いのある類の深刻な不品行は、司法機関に通報されるべきである。 ::不品行の類例  ジャッジがジャッジ・プログラムの判断と、委員会がどのような行為に対処するかということを理解する助けとなるよう、不品行を以下の類例に分類する。これらの説明は、同時に委員会が同種の違反を一貫して公正に解決するための助けにもなる。ルール裁定の誤りなど、ジャッジが誠実にしようとしていた場合の誤りは不品行には当たらない。 :イベントの完全性の侵害  ジャッジが悪意あるいは不誠実さをもってイベントの完全性を侵害した。これはジャッジがジャッジとしての地位や権限を悪用して対立で有利を得たときが該当する。また、ジャッジが自身の臨席しないイベントでスタッフとして登録した場合も該当する。  認定イベントの完全性を守るため、この不品行に懲罰を課す。 例: * ジャッジが、ラウンドでの組み合わせを故意に操作して、友人たちが最終戦まで当たらないようにした。 * ジャッジが、プレイヤーが自分の友人だからと言って対戦相手のデッキリストを不正に見せた。 * イベント会場に物理的に臨席できないことを知りながら、自身の認定を維持する条件を満たす目的でジャッジが主催者に自分をジャッジとして登録するように頼んだ。 :ジャッジ詐称  これは、誰かが利益を得たり懲罰を回避したりする目的で自分を認定マジック・ジャッジであると名乗った場合が該当する。認定ジャッジであると嘘をついた個人は、ジャッジとしての誠実さや信頼性に欠けていると言える。 例: * ジャッジ試験あるいはルール・アドバイザー試験の結果を誤解して、プレイヤーが自分をジャッジだと思い込んでいた。 * ジャッジが、主催者に印象づけ、あるいは主催者から利益を得る目的で、実際よりも高いレベルのジャッジであると名乗った。 * イベントの認定を得る、あるいは報告するために必要な条件を満たすため、あるいはコミュニティで雇用や信頼を得るためにジャッジでないプレイヤーがジャッジであると名乗った。 :重大な交渉上の問題  ジャッジは、プレイヤー、観客、他のジャッジ、主催者と適切な交渉をおこなうことを期待されている。  重大な交渉上の問題とは、ジャッジが、他のプレイヤー、観客、ジャッジ、主催者との適切な交渉に重大な形で失敗することを言う。この失敗の結果は、しばしば、対立の目に見える形での致命的な深刻化や労働関係の消滅となり、ジャッジ・プログラムのイメージにも影響を及ぼすことになる。  ジャッジが、感情的苦痛や心理的苦痛、その他物理的でない被害を他者に与えると想像できるべきことをした場合にも、重大な交渉上の問題となりうる。これにはプライバシーの侵害も含まれる。この種の行為を繰り返すことは〔ハラスメント〕になる。物理的な被害の恐れがある場合、〔暴力行為〕になる。  これには、不品行を報告した、あるいは報告したと思われた、個人へのあらゆる報復も含まれる。コミュニティのメンバーは、報復を危惧することなく不品行を報告できるべきである。  これには、特にソーシャルメディアにおける、一般的な不親切さ、無愛想さ、その他非社交的態度は含まれない。 例: * ジャッジが、イベント会場において同僚と怒鳴りあいを始めた。 * イベント主催者との話し合いの場で、笑いを取ろうとして差別的文言を口にした。 * ジャッジが、イベントで特定の個人を探し、その性的外見を侮辱した。 :ハラスメント  ハラスメントは、体系的・継続的な、個人またはグループの迷惑な行為であり、脅迫、強要、威嚇、支配などが含まれる。  性的かどうかにかかわらず、ジャッジによるハラスメントは許容されない。ハラスメントの訴えは、被害者の保護と被害者への配慮を持って扱う。 例: * ジャッジが、イベント後の宴会の席で他のジャッジに言い寄り、拒絶されても即座に止めなかった。 * ジャッジが、指導しているジャッジ候補生に恋愛感情を持ち、拒絶されても指導する立場を利用してつきまとおうとした。 :暴力行為  ジャッジが、他者を肉体的に傷つけ、あるいは傷つける恐れを与えた。これは決して認められるものではなく、厳罰に処せられる。この行為がジャッジ本人あるいは他人への肉体的被害を防ぐためのものであった場合、委員会はその事情を考慮するものとする。 例: * ジャッジが、殴り合いを終わらせるためにその殴り合いに参加した。 * ジャッジが、侮辱されて腹を立ててプレイヤーを殴った。 * ジャッジが、性的暴行を企てて誰かを呼び出した。 :賭博・買収  ジャッジが、イベントに関する何かに関して賭けをおこなったり、賄賂を求めたり、賄賂を受け入れたり、該当する規定を適用させずに賄賂を無視したりした場合が該当する。  マジックに関する賭博は許容されない。賭博を許容、勧誘、黙認することはジャッジ・プログラムの完全性を害するものであり、許容されない。 例: * ジャッジが、【失格】に繋がるプレイヤーの違反を無視する見返りとしてプレイヤーに賄賂を求めた。 * ジャッジが、友人がイベントでトップ8に入るかどうかという賭けをした。 :窃盗  ジャッジが、プレイヤー、他のジャッジ、店舗、主催者の所有物を盗んだ場合が該当する。ジャッジ・プログラムにおいて、いかなる形でも窃盗犯は許容されない。 例: * ジャッジが、ドラフトの予備のブースターを盗んだ。 * ジャッジが、イベントで自身がジャッジを務めている店から、店長の許可なく商品を取った。 ::不品行の解決  重大さの軽い順に、解決の内容を列記する。この解決と同時に、各事例個別の状況に従って追加の連絡や措置、制裁がある場合もある。 :【制裁なし】  委員会に事例が提出された後、委員会がその事例に懲罰を与える必要は無いと判断した場合、解決がなされたこと、制裁なしであることを伝える手紙がそのジャッジに送られる。 :【警告文】  警告文は、その対象のジャッジに問題行為であると認識させることを目的としている。同時に、そのジャッジの行為をジャッジ・プログラムの継続的方針に会わせて改めることを求めるためのものである。 :【資格停止】  資格停止はもっとも複雑な解決である。資格停止は、行為を反省し、改める機会として、ジャッジ・プログラムからの一定期間の隔離を強制する。資格停止において、問題行動をそのジャッジに指摘し、その行為を改めることをジャッジ・プログラムへの再参加の条件とする。資格停止はまた、ジャッジ・プログラムが問題行動を深刻に受け止めることの表明でもある。  資格停止中のジャッジは、ジャッジとして活動することや自身をジャッジだと名乗ることを避けるはずである。DCIやWPNの認定イベントにジャッジとして参加することは認められない。ジャッジ・カンファレンスへの参加は認められない。  資格停止中のジャッジの、JudgeAppsでのアカウントは有効なままであるが、資格停止中のジャッジは認定ジャッジのみによる議論を読むことはできても参加すべきではない。資格停止になっても、JudgeApps以外の、認定ジャッジのみのフォーラムやグループから脱退する必要はない。しかし、グループの管理者が、その裁量によってそのジャッジを除名することは認められる。  資格停止中のジャッジは、現在進行中のジャッジ・プロジェクトに積極的に参加すべきではないし、特に主導的立場においてはそうである。しかしながら、そのプロジェクトのリーダーが、資格停止が終わった後のプロジェクトの継続性を保つために資格停止中のジャッジを自分のプロジェクトに参加させ続けることは認められる。資格停止中のジャッジをプロジェクトに参加させ続けることを認めるかどうかは、そのプロジェクトのリーダーの判断による。プロジェクトのリーダーが資格停止になったという場合には、即座にそのプロジェクトのサブリーダーがリーダーになるべきである。  資格停止中のジャッジは、表彰の提出によるエグゼンプラー・プログラムへの参加は認められない。資格停止中のジャッジが資格停止中に提出した表彰は公開されず、それによる送付も行われない。資格停止中のジャッジへの表彰、資格停止中、あるいは資格停止前に提出されたそのジャッジへの表彰によって送付が行われるかどうかは、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの裁量による。  ジャッジセンターへのアクセスは、資格停止には影響されない。資格停止中のジャッジもレビューを提出したり、練習問題を解いたりなどジャッジセンターを使うことができる。資格停止中のジャッジは、資格停止を受けた時点で編集中だったレビューを完成させることが推奨される。資格停止中のジャッジは、認定や昇格のために指導している相手を他のジャッジに引き継ぎ、指導を継続するとともに無用な遅延を防ぐべきである。  JudgeAppsで資格停止中のジャッジをジャッジとして選んだイベント主催者は、資格停止中であることを知らされる。そのイベントのスタッフとして資格停止中のジャッジを使うかどうかは、主催者の判断による。ただし、資格停止中のジャッジがイベントでジャッジとして活動した場合、資格停止を無視したものと判断されることになる。 :【降格】  降格は、ジャッジの活動がそのレベルに相応しくない、あるいはジャッジのレベルに対する敬意や権限、責任がその不品行において重要な要素である場合に適用されうる。この制裁は主に、レベルに伴う特定の特権をジャッジに与えないようにするために用いられる。  降格は、資格停止とともに与えられることがある。レベル1ジャッジに関しては、降格と除名の間に違いは存在しない。 :【除名】  除名は、委員会がそのジャッジはジャッジ・プログラムの一員であるべきではないと判断した場合に用いられる。これは委員会がとり得るもっとも重い制裁であり、軽々に扱われるものではない。  追加措置として、委員会はそのジャッジが将来認定されることがないようにすることもある。 ::付録A − 改版履歴 2014年11月30日 - 初版 2015年1月1日 - 第2版 2015年12月24日 - 第3版 2016年6月23日 - 第4版 :2016年4〜5月の変更点 * レベル4、レベル5への言及を削除したなど、NNWOに関して編集した。 :2015/12/24版の変更点 * 重大で例外的な状況においてはWotCが指揮することがあると記載した。 * ジャッジでもあるプレイヤーの資格停止はPICだけでなくWotCも可能であると明記した。 * ジャッジと代理人の意思疎通手段としてJudgeAppsのメールアドレスを推奨した。 * 〔重大な交渉上の問題〕で、Facebookを監視しているわけではないことを強調し、全体として不親切なものではなく個別的なおのが問題だと明記した。 * 資格停止についてカンファレンスやイグザンプラーへの対応を明確化した。 * 委員会に関わる人物に地域コーディネーターを追加した。 * 代理人の役割について詳細を記すとともに、L3という条件を外した。L3は推奨されるが、実際は当該ジャッジが求めるのであればL2でも問題はない。 * 誤字の修正。過去の「付録A」を本文に編入、分割。 :2015/01/01版の変更点 * 誤字や不明瞭な部分の修正 * 文書構造、もくじ、節と付録の分割 * 手続きの節に報告手順について記述 * 当該ジャッジからの供述、代理人を立てる権利について明記 * 深刻さに従って不品行の分類の記述順を変更 * 「DCI番号の不正、不適切な登録」を「イベントの完全性の侵害」に広範化・明確化 * 「贈賄、買収」の2つめの例を明確化