マジック:ザ・ギャザリング(R) 大会規定

2009年7月1日発効

★はじめに

 DCIは組織化プレイ専門の世界組織であり、この文書やマジックに定める目的や理念に基づいた規定や方針を推進・施行・整備している。その規定や方針については、目的を果たせるように常時更新されている。

 この文書の目的は、マジックのすべての認定大会で適用される、適正な規定、責任、手順を定義することでマジックの大会を運営するための基礎を整えることにある。DCI認定の大会は、世界各地で運営されている。この文書によって、異なる地域において行なわれる大会が均質になるようにし、また世界各地からのプレイヤーが国際大会にスムーズに参加することが可能なようにする。

 すべてのプレイヤーは均一に扱われ、またその大会のルール適用度(REL)によって定められる責任を分担する。ルール適用度について詳しくは違反処置指針を確認のこと。プレイヤーと大会スタッフはDCI認定大会を上手く運営するためにお互いに協力すべきであり、このマジック大会規定、総合ルール、違反処置指針その他の適用される文書に従う責任がある。観客には観客の義務が定められている。DCI規定に抵触した故人は、違反処置指針の該当する項目に則って処置される。

 この文書にある情報は、マジック総合ルールと矛盾する(あるいは総合ルールにおいて未定義である)ものがある。その場合、この文書の内容が優先される。

 特定の大会に関するファクト・シートは、また異なる方針や手順を定めている場合がある。この文書とファクト・シートの間で矛盾が生じた場合、ファクト・シートの内容が優先される。

1. 大会の基本

1.1 大会の種別

 認定大会はプレミア大会と非プレミア大会の2つの種別に分けられる。プレミア大会はウィザーズ・オブ・ザ・コースト社、あるいはその選んだ大会主催者によって運営され、特定の名前と特徴を持つ。非プレミア大会はプレミア大会以外の大会のことである。

 大会の形式は、主にリミテッド形式と構築形式の2種類が存在する。それぞれの形式に特有の規定が存在する。リミテッド形式では、プレイに用いる物品はすべて大会の間に提供される。構築形式では、プレイヤーはそれぞれに事前にデッキを準備し、それを用いて対戦する。プレミア大会の中には、複数の形式からなる単一の大会も存在する。

1.2 大会情報の公開

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、DCI認定大会の大会情報を(その大会の間も含む)いつでも公開する権利を有する。大会情報の中には、プレイヤーのデッキ内容、戦略の解説、会話の内容、ビデオ撮影などが含まれる。大会主催者も、大会情報を公開する権利を持つ。

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、懲罰ならびに資格停止に関する情報を公開する権利を有する。

1.3 大会上の役職

 大会のために、以下の役職が定義されている。

 上記のうち最初の4つの役職は、大会の大会スタッフである。ヘッドジャッジとフロアジャッジはあわせてジャッジと呼ばれる。1人の個人が複数の大会スタッフとしての役職を兼ねてもよい。大会でジャッジでない個人は、本人がプレイしていないマッチに関しては観客である。大会にプレイヤーとして参加している個人は、その大会において大会スタッフを務めてはならない。取材者も観客として扱われる。

1.4 参加資格

 以下の例外を除いて、DCI認定大会には誰でもプレイヤーとして参加することができる。

 プレイテスター、レビュアー、その他カードセットに関する知識を有するビジネス・パートナーは、そのセットのプレリリース大会でプレイできない。

 一部の大会は、プレイヤーとして参加するために追加の条件がある(プロツアーなどの、招待選手のみによる大会)。

 プレミア大会招待ポリシーは、(プロツアーなど)招待選手のみによるプレミア大会の参加資格に関する規定を定義している。

 大会への参加資格について疑問のある個人は、DCI Policy Manager(Scott.Larabee@wizards.com)に連絡すること。

1.5 DCI会員番号

 大会参加者は、登録中に自分のDCI番号をスコアキーパーに伝えなければならない。DCI番号を持っていないプレイヤーは、大会主催者に番号を請求しなければならない。DCI会員になるのに特別に費用は必要ないが、1人1つしか番号を持つことはできない。仮のプレイヤー番号、仮のプレイヤー名や代替物が使われている結果を、DCIに報告してはならない。

1.6 大会主催者

 大会主催者は、大会の運営のための以下のようなことに関して責任を持つ。

1.7 ヘッドジャッジ

 認定大会では、論争の裁定やルールの解釈その他公式な決定を下すために、ヘッドジャッジがその場に必要である。ヘッドジャッジはDCI認定大会において最終の裁定権限者であり、すべての大会参加者はその解釈に従わなければならない。ヘッドジャッジはDCI認定ジャッジであるほうが望ましいが、そうでなくても問題はない。

 ヘッドジャッジの責任には、以下のようなものがある。

 しばらくの間任を果たせない場合、必要であれば、ヘッドジャッジは一時的に他のジャッジに義務を渡してもよい。また、大会の完全性が損なわれるような特別な条件下においては、大会主催者はヘッドジャッジに代わってもよい。

 一部のプレミア大会においては、複数のヘッドジャッジがいたり、大会の部分ごとに異なるヘッドジャッジがいたりする。ヘッドジャッジとして務めている限りにおいて、すべてのヘッドジャッジは同等の責任を持ち、同等の権限を行使する。

1.8 フロアジャッジ

 フロアジャッジは、大会運営に協力する。DCI認定ジャッジである必要はない。大会にプレイヤーとして参加していなければ、いつでも誰であってもフロアジャッジに指名されることがありうる。彼らの責任には、以下のようなものがある。

 ジャッジはプレイヤーや観客の質問に答えたり、不正なプレイを処理したり、その他妥当な要請に応えるために存在する。プレイヤーは特定のジャッジに対して要求に応えるよう要求してはならないが、大会スタッフに通訳を頼むことは認められる。要求に応えるかどうかはフロアジャッジの自由裁量に任せられている。

 ジャッジは一般に、現在のゲームの局面に関してプレイヤーが判断するための助力をするものではないが、ルール、カードの相互作用、あるいはカードの正式な文章(オラクル)について答えることはできる。一般RELにおいては、ジャッジは、教育のためにプレイヤーがゲームの局面を理解するための助力をしてもよい。プレイヤーがテーブルから離れて質問をしたい場合、その要求はほとんどの場合において認められるべきである。

 ジャッジはゲーム上の不正な行動を防ぐために介入してはならない。ルールが破られた直後に介入し、問題が複雑化するのを防ぎ、ゲームの完全性を復元し、必要に応じて懲罰を与えること。

1.9 スコアキーパー

 スコアキーパーは、大会を通して、適正な組み合わせと大会記録を作ることを任務とする。スコアキーパーの責任には、以下のようなものがある。

 ヘッドジャッジは、スコアキーパーの処理上で発生した問題を解決するための行動の決定に関する最終権限を持つ。

1.10 プレイヤー

 プレイヤーには、以下の責任がある。

 プレイヤーは大会に参加するために以下の物品を用意しなければならない。

 自身の責任を果たさなかったプレイヤーは、懲罰を受け、DCIによる調査を受ける。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社とDCIは、事前の予告なしでプレイヤーの資格を停止させ、あるいは無効にする権限を留保する。

1.11 観客

 観客には、以下の責任がある。

 プレイヤーは、観客がマッチを見ないよう要請することができる。その種の要請はジャッジに申請すること。大会スタッフは観客にマッチを見ないように指示することができる。

2. 大会の機構

2.1 マッチの構成

 マジックのマッチは、一方が指定数だけ勝つまで続けられる一連のゲームである。引き分けのゲームはこの数に考慮せず、指定数だけの勝負がつくか、あるいはラウンドの終了時刻が来るまで続けられる。終了時刻が来たことによって終わる場合、その時点でもっとも勝利数の多いプレイヤーの勝利となる。両方のプレイヤーが同数のゲームに勝利していた場合、マッチは引き分けとなる。通常、マッチの勝利に必要なゲームの勝利数は2である。大会主催者は決勝シングルエリミネーションを3本先取としてもよいが、その決定は大会の開始前に告知されていなければならない。各ゲームの結果ではなくマッチの結果はDCIに報告され、世界規模のレーティングおよびランキングの計算に用いられる。

2.2 プレイ/ドロー・ルール

 マッチの第1ゲームにおいて、(ダイスやコイントスなど)無作為の方法によって定められたプレイヤーは先攻か後攻かを選ぶ。そのプレイヤーは自分の手札を見る前にその宣言を行なわなければならない。宣言しなかった場合、そのプレイヤーは先攻を選んだものとする。先攻のプレイヤーは第1ターンのドロー・ステップを飛ばす。これはプレイ/ドロー・ルールと呼ばれる。

 マッチでゲームが終わった場合、そのゲームの敗者が次のゲームの先攻を、サイドボードの終了時までに決める。ゲームが引き分けに終わった場合、そのゲームの最初に先攻後攻を選んだプレイヤーが再び先攻後攻を決定する。

2.3 ゲーム開始前の手順

 各ゲームの開始前に、ゲーム開始前の手順のためにプレイヤーは3分以上の時間をかけてはならない。その後、プレイヤーは自分のデッキを対戦相手に提示する。マリガンなど、それ以降のゲーム開始前の手順は速やかに行なわれなければならない。

 以下の手順を各ゲームの開始前に行なわなければならない。

  1. (マッチの第2ゲーム以降では)プレイヤーはデッキの中のカードをサイドボードのカードと置き換えてよい。その枚数を宣言する必要はない。
  2. プレイヤーは自分のデッキをシャッフルする。第1ステップと第2ステップを何度か繰り返してもよい。
  3. プレイヤーはデッキを対戦相手に提示し、シャッフルを求める。
  4. 各プレイヤーは7枚カードを引く。これらのカードは裏向きにテーブルに並べてもよい。
  5. 各プレイヤーは、ターン順にマリガンを行なうかどうかを決定する。(マリガンに関するルールは総合ルールの101.4節を参照)

 すべてのプレイヤーがマリガンの処理を終えたら、ゲームは開始したものとして扱う。ゲーム開始前の手順は、マッチ開始が宣言される前に行なってもよい。

2.4 ゲームまたはマッチの、投了またはID(同意による引き分け)

 ゲームやマッチが終わっていない限り、プレイヤーはいつでも投了したり、双方の合意の元でそのゲームやマッチを引き分けにすることができる。すでに終わっているゲームを投了したり引き分けにしたりすることはできない。また、謝礼の類と引き替えに同意してはならない。プレイヤーがプレイしようとしない場合、そのプレイヤーはそのマッチを投了したものとして扱う。

2.5 マッチ終了時の手順

 マッチの終了時刻が来た時点でまだ勝者が決定していなかった場合、その時点でのアクティブ・プレイヤーがそのターンを終わらせ、その後に追加で合計5ターンをプレイする。通常は片方のプレイヤーが3ターン、もう一方のプレイヤーが2ターンを得ることになるが、追加のターンを得る効果がある場合には数がずれることもありうる。複数人のプレイヤーが同時にプレイする類のチーム戦(双頭巨人戦など)では、5ターンではなく3ターンが追加される。

 追加ターンの終了時にまだゲームが終わっていなかった場合、そのゲームは引き分けとなる。

 (裁定に時間がかかった、デッキチェックをしたなどの理由で)ジャッジが時間もしくはターンの延長を与えた場合、マッチ終了時の手順はその延長分が終わるまで開始されない。

 シングルエリミネーション・ラウンドでは、マッチは引き分けで終わってはならない。すべてのプレイヤーの勝利ゲーム数が同じ場合、その時点でもっともライフ総量が多いプレイヤーがそのゲームの勝者となる。すべてのプレイヤーのライフ総量が同じ場合(または、勝利ゲーム数が同数で、ゲームとゲームの間である場合)、ライフ総量が変化してどちらかのプレイヤーのライフが多くなるまでそのゲームまたはマッチを続ける。双頭巨人戦においては、マッチの勝者を決めるに際してはチームを個人であるかのように扱う。

2.6 時間延長

 ジャッジが、ラウンド・クロックが進行中に1分以上マッチを中断させた場合、そのマッチの時間を適宜延長させるべきである。デッキチェックのためにマッチが中断されていた場合、デッキチェックにかかった時間に加えて3分の延長が与えられる。

2.7 デッキ登録

 競技またはプロRELの大会においては、プレイヤーはデッキと(存在するなら)サイドボードを登録する必要がある。ヘッドジャッジは、一般RELの大会においても登録を義務づけてもよい。

 デッキリストを用いる個人戦リミテッド形式の大会では、デッキリストを提出するまでは他のプレイヤーや観客と会話したり、非公開情報を共有したりしてはならない。

 登録されたデッキリストは、デッキとサイドボードの元の構成を記録したものである。デッキリストの提出が終わった後では、デッキリストを編集することはできない。

 プレイヤーはマッチとマッチの間に自分のデッキリストを見ることを要求できる。その種の要求は、大会の状況によっては受け入れられない場合がある。

 デッキリストはその大会進行中は公開情報ではなく、他のプレイヤーと共有されることはない。しかし、複数日にわたるプロRELの大会においては、デッキリストをプレスその他の外部から手にできたプレイヤーの有利をなくするために、ヘッドジャッジは残っているプレイヤーのデッキリストのコピーを配ることにしてもよい。これはしばしばシングルエリミネーションの決勝ラウンドの間に行なわれる。

2.8 デッキ・チェック

 すべての競技またはプロRELの大会において、デッキチェックは必ず行なわれなければならない。ヘッドジャッジは、一般RELの大会においてもデッキチェックを行なうことにしてもよい。DCIは、大会全体を通して、すべてのデッキのうち10%以上のデッキをチェックすることを推奨する。プレイヤーが手札を見て、マリガンの手順に入っていた場合、デッキチェックによって【ゲームの敗北】が与えられない限り、その手札をそのまま使用する。プレイヤーはデッキチェックの後でサイドボードをすることはできないが、マリガンの手順が終わっていない限りマリガンの手順を続けてもよい。

2.9 記録を取ること

 プレイヤーはマッチの間に記録を取ってもよく、その記録をそのマッチの進行中に参照してもよい。マッチの開始時に、各プレイヤーの記録用紙は空白でなければならず、マッチの間ずっと見える状態でなければならない。プレイヤーはその記録について他のプレイヤーに説明したり公開したりする必要はない。ジャッジはプレイヤーの記録を提示させたり、その記録について説明を求めたりすることができる。プレイヤーは、以前のマッチの間の記録を含む外部の記録をゲーム中に見てはならない。

 ゲームとゲームの間には、プレイヤーはマッチの前に取られた記録を見てもよい。その記録を対戦相手に提示する必要はない。それらの記録は次のゲームの開始前にプレイエリアから取り除かれなければならない。記録用紙3枚以上といった、度を超えた量の記録を見ることは認められず、〔遅いプレイ〕として懲罰を受ける事もあり得る。

 プレイヤー並びに観客(例外:許可を受けた取材者)は、ドラフト中やカードプールの登録中に記録を取ってはならない。その後のデッキ構築中になら記録を取ってもよい。

 カードに芸術的な修正が加えられているものは、それが戦略的にほとんど意味がない場合に限り使ってもよい。その大会でどのようなカードが許容されるか、またどの程度の記録が許容されるかについての最終的な決定権者はヘッドジャッジである。

2.10 大会からの退出

 大会から退出することを選んだプレイヤーは、次のラウンドの組み合わせが生成される前にスコアキーパーにその意志を伝えなければならない。スコアキーパーが次のラウンドの組み合わせを作り始めた以降に退出を告げたプレイヤーは、そのままそのラウンドは組み合わせられる。どちらのプレイヤーもマッチに姿を見せなかった場合、スコアキーパーに報告しない限り、その大会から両方のプレイヤーとも退出したものとして扱う。

 プロツアー予選のトップ8など足切りが行なわれた後でプレイヤーが大会から退出する場合、他のプレイヤーがその代わりに進出することはない。そのプレイヤーのそのラウンドの対戦相手は不戦勝を得る。足切りが行なわれたと判断されるのは、その足切りそのものあるいはその足切り後の最初のラウンドの組み合わせが掲示あるいは公表された時である。

 退出したプレイヤーは、ヘッドジャッジの判断によって大会に再参加することができる。ただし、必要なデッキをドラフトあるいは構築していない部分への再参加は認められない。また、足切りの行なわれた後で再参加することもできない。

 リミテッド形式の大会において、ドラフト中、あるいはデッキ構築中で次のラウンドの開始前に退出したプレイヤーは、そのラウンド不戦勝でない限り【マッチの敗北】を受ける。

2.11 電子機器

 ヘッドジャッジは、プレイヤーがプレイ中に電子機器(携帯電話、ヘッドホン、MP3プレイヤーなど)を使用することを禁止すること、あるいはそれらの機器をマナーモードにするように指示することができる。

2.12 ヘッドジャッジへの上訴

 プレイヤーがジャッジの裁定に納得できない場合、そのプレイヤーはヘッドジャッジに上訴することができる。フロアジャッジが裁定を終えるまでは上告することはできない。特殊な状況下では、ヘッドジャッジは他の上級ジャッジを代理として指名し、二次裁定を出させてもよい。その場合、プレイヤーはさらにヘッドジャッジに上訴する権利を持つ。

3. 大会規定

3.1 タイブレイカー

 以下のタイブレイカーを用いて、大会におけるプレイヤーの順位を決定する。

  1. マッチポイント
  2. オポ(オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ)
  3. ゲーム・ウィン・パーセンテージ
  4. オポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージ

 これらのタイブレイカーの定義は付録Dに定められている。1ゲームマッチの形式においては、上記のうち一部のタイブレイカーは使用されない。

3.2 形式とレーティング区分

 DCIは以下の形式を、個人戦、2人チーム戦、3人チーム戦、双頭巨人戦について認定する。

 DCIは以下のレーティング区分を管理する:

 チーム戦大会(構築、リミテッド)において、チームの各メンバーは対戦するチームのメンバーと1対1の対戦を行ない、その個人戦の結果からチームのマッチ結果が得られる。多人数戦大会では、両チームの全プレイヤーで同一のゲームを行なう。

3.3 使用可能カード

 プレイヤーは、以下の条件を満たす限りにおいて特殊セットやサプリメント、プロモカードを使うことができる。

 Unglued、Unhingedの基本土地カードは、認定大会で使用できる。

 不透明のスリーブに入れている限り、アルファ版のカードも使用できる。

 他の条件を満たしている限り、英語以外のカードあるいは印刷ミスのあるカードを使ってもよい。ただし、分かりにくい文言や絵を使って有利を得ようとしてはならない。公式のテキストレス・プロモカードは、他の条件を満たしていれば、DCI認定の大会で使うことができる。芸術的な修正は許容されうるが、その修正がカードを識別できなくしていたり、戦略上意味のある情報を含んでいてはならない。

 あるカードがその大会で使用できるかどうかを決定するのは、ヘッドジャッジである。

3.4 代用カード

 競技中に、偶然に傷ついたカードまたはこの大会中にひどく摩耗したカード(リミテッド形式で使う物品が傷ついていたり印刷ミスが起こっていたりした場合も含む)の代用として、ヘッドジャッジの判断により代用カードを使う。故意あるいは過失によって破損させたカードには代用カードは発行されない。

 プレイヤーは代用カードを作ってはならない。ジャッジが代用カードを作った場合、そのカードはプレイヤーのデッキに入れられる。マッチの間、元のカードは近くに保持され、場にあって区別できる間は代用カードと交換される。

 「代用」という用語は、模造のカード、あるいは本物のカードではないあらゆるカードを含む。カードの偽造に対しては、法の及ぶ限りの訴追が行われる。

3.5 カードの解釈

 カードの公式なテキストは、そのカード名に対応するオラクルのテキストである。プレイヤーはカードが(カード名でなくてもよいが、何らかの条件で)特定できる場合にのみ、そのカードの公式なテキストを求めることができる。この要求は、大会の状況によっては受け入れられない場合がある。

 プレイヤーはオラクルの誤字や脱字を悪用してはならない。ヘッドジャッジはカード解釈に関する最終権限者であり、誤りが発見されたときにはオラクルを却下することも認められる。

 「ゲームの外部にあるあなたがオーナーであるカード」を参照するカードが存在する。大会においては、その条件に当てはまるのはそのプレイヤーのサイドボードにあるカードだけである。

3.6 新製品の扱い

 以下のカード・セットは2009年の間に発売が予定されている。それらのセットを認定大会で使用できるようになるのは、以下の期日である。

マジック2010/Magic 20102009年7月17日
ゼンディカー/Zendikar2009年10月2日

 公式なプレリリースなどの特定のリミテッド形式大会(ならびにその併催大会)においては、上記の使用できるようになる日よりも前に新しいセットを使用することができる。

 これらの日付は変更になることもある。変更がある場合、DCIは http://thedci.com/ において告知する。

3.7 ゲーム上のマーカー

 ゲーム内の効果を忘れないよう、小さな物品(グラスビーズなど)をマーカーとしてプレイヤーのライブラリーや墓地の上に置いてもよい。これらのマーカーはその領域に残っているカードの枚数を分からなくするようなものであったり、一番上のカードを完全に覆うものであったりしてはならない。

 ゲーム内の物(パーマネントなど)を示すためにマーカーを用いる場合、それがタップしているかどうかなどどういう状態にあるかを明確に示せるものでなければならない。いずれかのプレイヤーの使っているスリーブやカードの裏面と似たスリーブや裏面をしたカードをマーカーとして使ってはならない。大会スタッフは、混乱を招きそうであったり不適当であったりするマーカーの使用を禁止してもよい。

3.8 カードのシャッフル

 ゲームの開始時やシャッフルするように指示されたときに、リフルシャッフル、フェローシャッフル系のシャッフルによってデッキを無作為化しなければならない。無作為化とは、どのプレイヤーにもデッキの中の並びやカードの位置がまったく分からない状態にすることである。ディール・シャッフル(Pile Shuffle、俗に○山切りとも呼ばれる)だけでは充分な無作為化とは認められない。

 デッキを無作為化したら、対戦相手に提示しなければならない。この行動は、そのデッキが適正で無作為化されているという意思表示である。対戦相手はそれをさらにシャッフルしてもよい。この手順の間、カードやスリーブに傷をつけるような行為をしてはならない。デッキを受け取った際にそれが充分に無作為化されていないと思った場合、受け取った対戦相手はジャッジを呼ばなければならない。プレイヤーは、対戦相手ではなくジャッジにシャッフルするように求めてもよい。この要求はジャッジの判断によって却下されることもある。

 プレイヤーがシャッフル中にカードの表を見てしまった場合、そのデッキは無作為化されていない状態になり、再びシャッフルをしなければならない。

 競技あるいはプロRELの大会では、プレイヤーは対戦相手のデッキを必ずシャッフルしなければならない。ヘッドジャッジは、一般RELの大会でもそうするよう要求してもよい。

3.9 スリーブ

 プレイヤーはスリーブその他のカード保護用の機材を用いてもよい。スリーブを使うことにした場合、そのスリーブはすべて同一で、すべてのカードが同様にスリーブ内に配置されていなければならない。スリーブにホログラムその他のマーキングがある場合、そのマーキングはカードの表側に来るものでなければならない。

 マッチの間、プレイヤーはジャッジに対戦相手のスリーブを調査するように要求してもよい。ジャッジは、スリーブが区別できたり、くたびれていたりなどの状態やデザインによってシャッフルやゲームのプレイに支障があると感じた場合、そのスリーブの使用を禁止できる。スリーブの変更には時間がかかるので、ジャッジは、スリーブの変更をマッチの終了後に延期してもよい。

 競技またはプロRELの大会では、スリーブにさらなる条件が追加される。裏面の反射率の高いものは使用できない。スリーブの周囲が単一の色でない場合、裏面に絵が描かれているものは使用できない。表面裏面を問わず、一面に渡ってホログラムが入っているものも使用できない。

 ヘッドジャッジはスリーブの許可不許可に関する最終権限者である。

3.10 区別できるカード

 プレイヤーは、大会の間を通して、自分のカード並びにスリーブが区別できる状態にならないように保つ義務がある。表側を見ることなく、傷や退色、反りなどによってカードを識別できるようになっている場合、そのカードやスリーブは区別できるものとして扱う。

 プレイヤーのカードにスリーブがかかっている場合、区別できるかどうかの判断はスリーブに入れた状態のままで行なう。スリーブを使う場合、スリーブに入れる前に充分な無作為化をしておくことで、区別できるにしてもパターンがある状態にはならないようにできる。カードやスリーブは消耗品であり、大会でプレイしている間にも区別できる状態になってしまうことがあることにプレイヤーは注意を払うべきである。

 ヘッドジャッジは、プレイヤーのデッキに含まれるカードが区別できるかどうかを決定する権限を持つ。ジャッジはプレイヤーに、現在使っているスリーブを外す、あるいはスリーブを、即座にあるいは次のラウンド開始前に交換するよう要求できる。

 プレイヤーがデッキに含まれるカードを交換する必要がある時に、それが不可能な場合、そのカードをそのプレイヤーの好きな基本土地カードに入れ替えてもよい。一旦交換した場合、その後で交換するためのカードを見つけたとしても、元の状態に戻すことはできない。これはカードをなくした場合にも適用する。

3.11 非公開情報

 マッチ、ドラフト、ゲーム開始前の手順の間、プレイヤーは自分のカードをプレイ面よりも上に保ち、非公開情報を他のプレイヤーに見られないように努力する義務がある。しかしながら、プレイヤーは自分の手札やその他の自分だけが得られる非公開情報を、ルールで特に禁止されていない限り、公開することを選んでもよい。プレイヤーは意識的に非公開情報を求めてはならない。

3.12 タップ/反転位相のカード

 カードがタップ状態、あるいは反転状態である場合、それはほぼ90度(タップ)あるいは180度(反転)回転させられていなければならない。

3.13 墓地の順序

 ウルザズ・サーガ以降のカードだけからなる形式においては、自分の墓地にあるカードの順番は好きに変更してもよい。対戦相手の墓地を見る時に順番を入れ替えてはならない。

3.14 サイドボード

 サイドボードはそのプレイヤーの、メインデッキに含まれないカードからなる。マッチの第1ゲーム終了後は、それらのカードをメインデッキに入れて使ってもよい。

 サイドボードの構成に関する制限は、それぞれの形式ごとのデッキ構築規定に含まれている。プレイヤーはマッチの間、自分のサイドボードをデッキのカードと明確に区別できる状態に保たなければならない。

4. 意思疎通

4.1 プレイヤーの意思疎通

 プレイヤー間の意思疎通は、仮想のオブジェクトや非公開の情報を含むゲームのプレイを行なうための根本である。ブラフはゲームの一側面ではあるが、プレイヤーが発言その他の方法で示すときにしてよいこととしてはならないことにはっきりと線引きをしておく必要がある。大会スタッフや競技的プレイヤーは、ブラフと詐欺行為の間の線引きを理解すべきである。これはまた、紳士的かつ競技的なプレイヤーに求められることを明確に示す。

 DCIは哲学として、プレイヤーは「ゲームのルールをよく理解していること」「現在の局面にある相互作用によく気付くこと」「よい戦術的計画」によって有利をえるべきだと考えている。プレイヤーはゲームの進行中に対戦相手を助ける必要はない。

 状況によらず、プレイヤーは礼儀正しく敬意をもって対戦相手に接することが求められている。そうしない場合、〔非紳士的行為〕の懲罰を受けることになりうる。

 ゲーム内の情報は、『共有情報/Free Information』『類推情報/Derived Information』『秘匿情報/Private Information』の3つに分類される。

 共有情報は、全てのプレイヤーが、対戦相手の妨害や省略なしにこの情報を得る権利があるのでそう呼ばれる。共有情報を提示するように対戦相手に求めて得られなかった場合、ジャッジを呼んで状況を説明するべきである。

 共有情報には以下のものがある。

 類推情報は、全てのプレイヤーに与えられる情報であるが、それを求めるために対戦相手に助力しなくてもよい、求めるためにいくらかの技能や計算が必要なものである。

 類推情報には以下のものがある。

 秘匿情報は、プレイヤーが現在視認できるゲームの局面や過去のゲームの行動に関する記憶から求めることだけが認められているのでそう呼ばれる。

 共有情報でも類推情報でもない情報は、全て秘匿情報となる。

 意思疎通に関する規則は以下のとおり。

 ジャッジは、プレイヤーが共有情報を決定することを助けるべきである。ただし、ゲームの局面に関する類推情報を求めることに協力してはならない。

4.2 大会での手順省略

 大会での手順の省略とは、プレイヤーが特にそう宣言せずにルール上の一連の行動の一部を飛ばすことである。ゲームをスムーズに進行するためには必要であり、これによってルール上の些事にとらわれることなく明確なプレイを行なうことができるようになる。ほとんどの手順の省略は、1回またはそれ以上の回数、暗黙に優先権の放棄を行なうことを含む。優先権の放棄を含む手順の省略を新しく使いたい場合、その宣言の一部として最終的なゲームの状態がどうなるのかを明確にすること。

 プレイヤーは、省略されている一連の行動の途中で、どのようにして、またどの時点でその行動から逸脱するのかを宣言し、中断させることができる。手順の省略によって混乱が生じた場合、その省略された行動の一番最初まで巻き戻すこと。これに関して懲罰は与えられるべきではない(が、それ以降はより明瞭にプレイするよう心がけるべきである)。宣言されていない手順の省略を用いたり、一般に用いられている手順の省略を勝手に変更したりして、ゲームを曖昧なものにしてはならない。

 プレイヤーは優先権を要求し、何もしないことを選んではならない。何もしない場合、優先権は要求されなかったものとして、直前に優先権を持っていたプレイヤーに戻される。

 マジックで伝統的に用いられている手順の省略として、以下のものがある。それらから逸脱したい場合、そうすることを明示するべきである。また、例示の中には、暗黙に優先権を放棄することをもたらすという点において上記のポリシーに反するものがある。

4.3 順序違いの連続行動

 マジックのゲームを厳密に表現することの複雑さに鑑み、完了後の結果が適性で明確な局面を現している場合には、技術的には正しくない順番であっても動作を一連として行なうことは許容できる。

 正しい順序で行なったと仮定した場合に全ての行動が適正であることが必要であり、また、対戦相手は必要な時点で対応するために、正しい順序で行なうようにプレイヤーに求めても良い。(その場合、それ以降に行なわれる行動は一旦取り消され、そのまま行動する義務は生じない)

 プレイヤーは、順序違いの連続行動の途中で対戦相手の反応を見て利用してはならないし、またやり忘れた事をやりなおすために順序違いの連続行動だと主張することも認められない。一般に、手が止まった場合にはそれで行動が終わったものだと判断され、連続行動は終わりとなってゲームは連続行動終了後の対応する局面に進むことになる。

例:

(A) プレイヤーが土地をアンタップする前に《マスティコア》のアップキープ・コストとしてカードを捨てた。
(B) 《砕土》の解決時に、《砕土》のカードを墓地に置いてからカードを探した。
(C) 《均衡の復元》の解決時に、土地やクリーチャーを生け贄に捧げる前に手札を捨てた。
(D) 2体のクリーチャーが状況起因効果によって墓地に送られる場合に、その一方が持っている場を離れた時の誘発型能力を、他方を墓地に置く前に解決した。
(E) ブロック・クリーチャー指定を始めてから、《樹上の村》を起動してブロックした。

4.4 チーム内/多人数戦での意思疎通

 同一チーム内のメンバーは、いつでも他のメンバーと口頭で意思疎通してもよい。これにはプレイ中、ドラフト中、デッキ構築中を含む。しかしながら、非公開情報を手にすることができる可能性のあったチームメンバー(チームメイトが対戦を続けている間に観客と話をしたなど)はそのマッチの間チームメイトと意思疎通してはならない。

 ドラフト中の記録に関する制限は、チーム戦でも適用される。

5. 大会規定抵触行為

5.1 イカサマ

 イカサマは許されない行為である。ヘッド・ジャッジは、イカサマに関するすべての申し立てをよく検討し、プレイヤーが不正な行為をしたと判断した場合には違反処置指針に基づく適切な罰則を与える。すべての失格者は、後にDCIの再調査を受け、更なる罰則が適用される可能性がある。

5.2 共謀・買収

 退出、投了、あるいはIDへの同意は、見返りがあるものであってはならない。そのような見返りについて申し出ることは禁止されている。申し出があった際に即座にジャッジを呼ばなかった場合、両方のプレイヤーが同様に処罰される。

 プレイヤーは、現在の大会で得られる、または得られた賞を任意に分け合うことができ、マッチの間あるいはマッチ前にそれについて同意を取っておくこともできる。ただし、賞の分配がゲームやマッチの結果、あるいはプレイヤーの大会からの退出の見返りであってはならない。

 マッチやゲームの結果は無作為にあるいは勝手に決定されてはならず、通常のゲームによって決められなければならない。サイコロの振り合い、コイントス、腕相撲、その他のゲームの結果によって決めるなどは認められない。

 プレイヤーは他のマッチと関連して同意を導いてはならない。プレイヤーは他のテーブルのマッチやゲームの状態を見て判断しても良いが、マッチ中に席を離れたり、観客に状況を聞いたりしてはならない。

 現金か未開封の商品だけが賭けられている大会のシングルエリミネーション・ラウンドでは、大会主催者の許可があれば、プレイヤー全員が賞を均等に分割することを選んでも良い。その時点で大会を終わりにしても良いし、レーティングの変動のためにプレイを続けても良い。この同意のためには、大会に残っているプレイヤー全員が同意する必要がある。

例:1位が12パック、2位が8パック、3位4位がそれぞれ4パックを得られるという大会の準決勝開始前に、プレイヤーは大会主催者に、大会を終了させ、全員が7パックずつを手にする許可を得ても良い。

 大会のシングルエリミネーションの最終ラウンドに残っているプレイヤーは、大会の賞を任意に分け合って良い。その場合、各テーブルごとにどちらかのプレイヤーは大会から退出することに同意しなければならない。その後、結果の順位に基づいて賞が与えられる。マッチはプレイされていないので、DCIレーティングは変動しない。この同意は譲歩やIDではない。

例:交通費と参加資格が得られる1人枠のプロツアー予選での決勝で、決勝進出者2名は同意によって大会の賞を分け合っても良いが、その同意によってマッチの結果が変化してはならない。1人が大会から退出し、退出しなかったプレイヤーは交通費と参加資格を得る。その後、それ以外の賞品を同意したとおりに分け合って良い。交通費と参加資格を切り離すことはできない。

5.3 賭博行為

 大会参加者、大会スタッフ、観客は、大会、マッチ、ゲームの結果並びにそれらの一部に関しての賭けを行なってはならない。

5.4 非紳士的行為

 非紳士的行為は決して容認されない。大会参加者には、礼儀正しく敬意に満ちた振る舞いが必要である。非紳士的行為にはたとえば以下のようなものが含まれる。

 非紳士的行為はすべてDCIの調査を受けることになる。

5.5 遅いプレイ

 プレイヤーは、どれだけ状況が込み入っていようとも、時間を守ってターンを進めなければならず、大会ごとに定められた時間制限を守らねばならない。プレイヤーは、告知された時間内にマッチを終わらせられるペースを守る義務がある。時間稼ぎは許されない。プレイヤーはジャッジに、そのゲームが遅いプレイでないか見るように頼んでもよい。その種の要求は、大会の状況によっては受け入れられない場合がある。

6. 構築形式大会規定

6.1 デッキ構築上の制限

 構築形式のデッキは、60枚以上のカードで構成されなければならない。デッキに含まれるカードの枚数に上限はない。サイドボードを使う場合、ちょうど15枚でなければならない。

 特殊タイプとして基本を持っているか、あるいは文章にそう特に書いてあるカードを除いては、1人のプレイヤーのデッキとサイドボードを合わせて、英語版のカード名に直して同名のカードは4枚までしか入れることができない。

 特定の形式において使えるカードは、その形式で使用できるセットのカードと、それと同名のカードだけである。

 特定の形式において禁止されているカードは、その形式のデッキでは使用できない。特定の形式において制限されているカードは、デッキとサイドボードをあわせて1枚しか入れてはならない。

6.2 サイドボードの使用

 各ゲームの開始前に、プレイヤーは、対戦相手の要求があった場合には、自分のサイドボードを(裏向きで)提示し、求められた場合には相手にカードの枚数を数えることを許可しなければならない。プレイヤーは、ゲーム中、サイドボードを見ることができるが、その場合も他のカードと混じらないように注意しなければならない。サイドボードは、ゲームに使用する範囲に存在する他のカードと混じったり入れ代わったりしないように、明確に区別されていなければならない。

 各マッチにおいて、2本目以降のゲームを開始する前に、プレイヤーはメインデッキとサイドボードのカードを入れ替えて、メインデッキの構成を変更することができる。メインデッキとサイドボードとの間でカードを交換した後も、サイドボードは必ず15枚に保たれていなければならない。交換するカードの枚数に制限はなく、また、何枚交換したかを公開する義務もない。

 メインデッキとサイドボードは、各マッチの最初のゲームが開始される前に、元の構成に戻しておかなければならない。もし懲罰によりプレイヤーが第1ゲームの開始前にゲームの敗北を受けていた場合、どちらのプレイヤーもサイドボードのカードを2本目のゲームに使用してはならない。

6.3 スタンダード形式デッキ構築

 スタンダード形式で使用可能なのは、以下のカード・セットである。

 現在、スタンダードに禁止カードは存在しない。

6.4 エクステンデッド形式デッキ構築

 エクステンデッド形式で使用可能なのは、以下のカード・セットである:

 以下のカードは、エクステンデッド形式で使用が禁止されている:

6.5 ヴィンテージ形式デッキ構築

 ヴィンテージ形式のデッキには、すべてのマジックのカード・セットおよび基本セットに含まれるカード、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が発行したプロモ・カードを使用することができる。

 以下のカードは、ヴィンテージ形式において使用が禁止されている:

 以下のカードは、ヴィンテージ形式において制限カードに指定されている:

6.6 レガシー形式デッキ構築

 レガシー形式のデッキには、すべてのマジックのカード・セットおよび基本セットの拡張セットに含まれるカード、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が発行したプロモ・カードを使用することができる。

 以下のカードはレガシー形式において使用が禁止されている:

6.7 ブロック構築形式デッキ構築

 ブロック構築のデッキは、数個のエキスパンションからのカードだけで構成される。

 DCIは以下のブロック構築形式を認定する:

 ブロック構築形式において禁止されているカードは以下の通り:

7. リミテッド形式大会規定

7.1 デッキ構築上の制限

 リミテッド形式のデッキは、最低40枚のカードで構築され、デッキ枚数の上限はない。

 リミテッド形式では、1つのデッキに同じカードが4枚までという制限はない。

7.2 サイドボードの使用

 リミテッド環境のメインデッキに使用しなかった、すべてのドラフトまたは開封したカードはサイドボードとして機能する。プレイヤーは、ゲーム中、サイドボードを見ることができるが、その場合も他のカードと混じらないように注意しなければならない。サイドボードは、ゲームに使用する範囲に存在する他のカードと混じったり入れ代わったりしないように、明確に区別されていなければならない。

 各マッチの2本目以降のゲームを開始する前に、メインデッキのカードとサイドボードのカードを交換して、デッキの構成を変えてもよい。また、このとき基本土地カードの追加を求めてもよい。プレイに使用するメインデッキの枚数が40枚以上である限り、交換するカード枚数の制限はないし、カードを1対1で交換する必要もない。各マッチの第1ゲーム開始前に、デッキは本来の構成に戻されなければならない。

 デッキリストを用いないリミテッド形式の大会においては、ゲームとゲームの間にデッキとサイドボードの間でカードを好きなように入れ換えてもよく、次のマッチ開始前に元の状態に戻すという義務は存在しない。ヘッドジャッジまたは大会主催者がこの選択肢を用いない場合、デッキ構築前にそう告知しなければならない。競技またはプロRELの大会では、この選択を行なうことはできない。

7.3 リミテッド形式の大会でのカードの使用

 カードは大会スタッフから直接受け取らなければならず、新品(未開封)であるか、あるいは事前に大会主催者によって準備・捺印されたものでなければならない。大会に参加する各プレイヤー(あるいはチーム)が受け取る物品は完全に同数同種でなくてはならない。たとえば、ドラフトに参加するあるプレイヤーに時のらせんのブースターが3つ配られた場合、他のプレイヤー全員にも時のらせんのブースター3つが配られなければならない。

 DCIは、個人戦のシールド・デッキ形式の大会では1人あたりブースター6個を、ブースター・ドラフト形式やチーム戦のロチェスター・ドラフト形式の大会では1人あたりブースター3個を使用することを推奨する。現在の発売状況に合わせた物品の推奨される組み合わせ方については、付録Eを参照。

 大会主催者がプレイヤーによる物品の提供を認めた場合、その物品は他の物品とひとまとまりにされた上で、無作為に配られなければならない。プレイヤーは大会が終わるか正式に退出するまで、そのカードを(法的に)所有することはできない。

 プレイヤーは実際に受け取ったカード、ドラフトしたカード、そして大会主催者によって供給された基本土地カードのみを使うことができる。プレイヤーがカードを同名のカードと交換したい場合、ジャッジの許可が必要である。

 大会主催者が基本土地を提供しない場合、参加登録前にそれう告知しなければならない。大会主催者が求めた場合、プレイヤーは、大会からの退出時あるいは大会終了時に基本土地カードを返さなければならない。大会主催者が基本土地カードを準備できない場合、区別できるようになっていない限り、プレイヤーは自分の持参した基本土地カードを加えてもよい。

 プレイヤーは、デッキ構築中に好きな数の基本土地カードをデッキに加えてもよい。適正に使える形式であっても、基本氷雪土地カードを加えることはできない。

7.4 規定外の物品

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社も大会主催者も、ブースター・パック並びにトーナメント・パックに含まれるカードの希少度や出現頻度については保証しない。プレイヤーが受け取ったブースター・パックあるいはトーナメント・パックから、不自然な希少度や出現頻度でカードが出てきた場合、ジャッジを呼ぶこと。その異常な物品を交換するか続行するかは、ヘッドジャッジと大会主催者の決定による。

7.5 シールド・デッキの交換

 シールド・デッキ形式大会では、ヘッドジャッジは参加者にデッキ構築前にシールド・デッキの交換を要求することができる。プレイヤーは未開封の物品を受け取り、それをデッキリストに登録する。この義務を果たす前に大会から退出したプレイヤーは、第1ラウンドでマッチの敗北を受ける。大会スタッフはシールド・デッキとデッキ登録用紙を集め、それらを無作為に配り直す。このとき記録したプレイヤーと受け取るプレイヤーが同じでも全く問題はない。ヘッドジャッジはプレイヤーに、登録中に(たとえばまず色、それからアルファベット順、といったように)指示したように並べ替えさせ、受け取ったプレイヤーが使いやすいようにさせるべきである。

7.6 ドラフト・ポッドの組み分け

 ブースター・ドラフト並びにチーム戦ロチェスター・ドラフト形式の大会では、プレイヤーは、ヘッド・ジャッジの指示に従い、おおむね同じ人数のポッドと呼ばれるドラフト用の円卓を構成する。その後、大会スタッフは、ブースター・パックを同数ずつ各プレイヤーに配分する。

 プレイヤーは、同じポッド内のプレイヤーとのみ対戦する。一般RELの大会では、大会主催者はこの制約を解除しても良い。そうする場合、大会の開始前に告知しなければならない。

 プレイヤーはドラフトの間、スタッフ以外の個人と意思疎通を取ってはならないし、非公開情報をスタッフ以外の個人に開示してもならない。この規定はドラフトのポッド構成が発表された時から、プレイヤーがデッキリストを提出するまで適用される。

7.7 ブースター・ドラフトの手順

 各プレイヤーは同時に、指定されたブースター・パックを開いて裏向きにカードを数え、トークンが入っていた場合それを取り除く。この際にカードの枚数が異常であった場合、そのプレイヤーは即座にジャッジを呼ばなければならない。プレイヤーは、そのブースター・パックからカードを1枚選び、残りのカードを裏向きで左隣のプレイヤーに渡す、という手順を、パックのカードがすべてドラフトされるまで続ける。

 プレイヤーがパックからカードを取り除き、それを自分の前にある裏向きの1つの束の上に置いた時点で、そのカードを選んだことになり、パックに戻すことはできない。プレイヤーは、現在のカードの選択や今手に持っているパックの中にあるカード、あるいはドラフト済のカードを他のドラフトの参加者に見せてはならないし、見られないように注意を払わなければならない。プレイヤーは、他のドラフトの参加者に自分が選んだカードや選んで欲しいカードについての合図を示してはならない。

 競技またはプロRELの大会において、プレイヤーやチームは自分のドラフト済のカードをピック中、あるいはピックとピックの合間に見てはならない。一般RELでは他のカードを持っていない時になら見てもよいが、ヘッドジャッジが最初のドラフトの開始前に告知した場合には見てはならない。ブースターとブースターの間には、ドラフト済のカードを確認するための時間が設けられている。

 各プレイヤーが最初のパックをドラフトした後、プレイヤーは次のパックを開き、逆方向に(つまり反時計回りに)回すことを除いて2パック目と同様にドラフトする。すべてのブースター・パックの全カードがドラフトされるまで、この過程は繰り返される。

 ドラフトを続けられない、あるいは続けたくないプレイヤーは、ドラフトから切り離され、その時点でドラフトしてあったカードを用いてデッキを組まなければならない。そのブースター・パックの残りの期間、大会スタッフはそのプレイヤーの代わりに無作為にピックを行なう。

8. チーム戦大会規定

8.1 チーム名

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、不愉快または下品と思われるチーム名を承認しない権限を有する。大会スタッフは、不愉快または下品と思われる名前のチームの登録を認めなくてもよい。

8.2 チームの構成と識別

 チームの人数は、形式により2人または3人である。チームはメンバー個々のDCI会員番号により識別され、すべてのチームは大会に参加するに際して大会主催者にすべての情報を提示しなければならない。個々のDCIメンバーが複数のチームのメンバーになってもよい。もしプレイヤーの1人が大会から退出または失格した場合、そのチーム全体が大会から退出することになる。

 チームが大会に登録するときには、プレイヤーの順番を指定しなくてはならない。例えば、3人チーム戦の大会に参加する場合、誰がプレイヤーAで、誰がプレイヤーB、プレイヤーCであるか決めなくてはならない。ここで定めた順番は、大会を通して変更することはできない。

 大会で対戦する場合、プレイヤーAは相手チームのプレイヤーAとプレイし、プレイヤーBはプレイヤーBと、プレイヤーCはプレイヤーCとプレイする。

8.3 チーム・レーティング

 認定チーム戦構築形式大会(ヴィンテージ、レガシー、エクステンデッド、ブロック構築、スタンダード)の結果はすべてチームの人数ごとの構築レーティングに組み込まれる。

 認定チーム戦構築形式大会(シールド・デッキ、ロチェスター・ドラフト)の結果はすべてチームの人数ごとの構築レーティングに組み込まれる。

8.4 チーム内の意思疎通規定

 チームメイト同士は、プレイエリアを離れていない限りいつでも意思疎通してよい。一度でもプレイエリアを離れた場合、マッチ終了時まで戻ることは認められない。

8.5 共同デッキ構築規定

 チーム戦公式形式大会においては、共同デッキ構築規定を用いる。特殊タイプとして基本を持っているか、あるいは文章にそう特に書いてあるカードを除いては、チームの全プレイヤーのデッキとサイドボードを合わせて、英語版のカード名に直して同名のカードは4枚までしか入れることができない。(チーム戦構築形式大会で、1人のプレイヤーがメインデッキに《帰化/Naturalize》を4枚入れていた場合、そのチームの他のプレイヤーはデッキにもサイドボードにも《帰化》を入れることはできない)。その形式での制限カードは、チーム全体で1枚しか使用できない。その形式での禁止カードを使用することはできない。

8.6 チーム戦ロチェスター・ドラフト大会

 チーム戦ロチェスター・ドラフトで行われる大会では、それぞれ3人のプレイヤーからなる2チームで1つの卓を構成する。各チームのプレイヤーは、時計周りにA-B-Cの順で着席する(3人チーム戦では、時計周りに、1A-1B-1C-2A-2B-2C という順番で座る)。

 コイントスなどの無作為の方法で決まったチームは、先にカードを取るか、後にするかを決める。そして、先にカードを取るチームの"B"プレイヤーが、まず第1パックを開く。

 ドラフトは、大会スタッフの指示に従い、第1プレイヤーが最初のブースター・パックの中身をすべてテーブル上に表向きに配置することで始まる。このとき自分の方にカードを向ける。カードを確認した後、各プレイヤーは順に1枚ずつカードを選択していく。カードを選択して自分の、他のドラフトしたカードとまとめて配置したら、その選択を変更することはできない。時間内に選択できなかった場合、大会スタッフがそのブースター・パックから出た「最古の」(テーブルに一番長い間存在していた)カードを選択する。

 テーブルに配置されたカードを最初にドラフトするプレイヤーはアクティブ・プレイヤーと呼ばれる。最初のアクティブ・プレイヤーは、大会スタッフに指名されて第1パックを開封したプレイヤーである。各ドラフト・ポッド内の全プレイヤーは、各ブースター・パック・グループにつき1度アクティブ・プレイヤーを務める。アクティブ・プレイヤーは第1パックと第3パックは時計回りに、第2パックでは反時計回りに、それぞれU字の順に移行する。あるグループで最後にブースター・パックを開封したプレイヤーは、次のグループでは最初にブースター・パックを開封する。

 ドラフトの順番も、第1パックと第3パックでは時計回りに、第2パックでは反時計回りに、それぞれ「U」の形に進む。アクティブ・プレイヤーから始まり、ドラフトをまだしていないプレイヤーへと最後まで回っていく。ポッド内の最後のプレイヤーは、1枚ではなく2枚のカードを選択する。その後逆回りにそのパックで最初にドラフトを始めた人に向かってドラフトを進める。アクティブ・プレイヤーまで戻ってもまだカードが残っている場合には、ドラフトを始めたプレイヤーが2枚カードを選び、そして再び逆回りにドラフトを続ける。

例:チーム1とチーム2が同じテーブルについた。その席順は、時計回りに1A-1B-1C-2A-2B-2Cとなる。チーム2がコイントスに勝ち、後攻を選んだ。第1パックのアクティブ・プレイヤーはプレイヤー1Bである。プレイヤー1Bの最初のパックは、開かれた後にプレイヤー1Bの前に並べられる。20秒間の確認時間の後、以下の順序でドラフトされる。

プレイヤー 1B-カード 1プレイヤー 1A-カード 6プレイヤー 1C-カード 11
プレイヤー 1C-カード 2プレイヤー 1A-カード 7プレイヤー 1B-カード 12
プレイヤー 2A-カード 3プレイヤー 2C-カード 8プレイヤー 1B-カード 13
プレイヤー 2B-カード 4プレイヤー 2B-カード 9プレイヤー 1C-カード 14
プレイヤー 2C-カード 5プレイヤー 2A-カード 10プレイヤー 2A-カード 15

 カード選択の間、各プレイヤーは現在のパックから最後にドラフトしたカードを常に表向きに表示していなければならない。それ以外の間は、ドラフト済のカード1枚を表向きにしたままでもいいし、すべてのカードを裏向きにしていてもよい。ドラフトが進行している間、あるいは大会スタッフが指示した場合、プレイヤーは自分のドラフト済のカードを確認することはできない。

8.7 チーム戦シールド・デッキ大会

 個人戦リミテッド形式大会(第7節)の規定がすべてチーム戦シールド・デッキ戦にも適用される。変更点は以下の通り。

 各チームが受け取るパックは均等でなければならない。あるチームがアラーラの断片のブースターを12個受け取ったなら、他のチームも同じくアラーラの断片のブースター12個を受け取らなければならない。

 DCIは、2人チーム戦ではチームあたりブースター8個を、3人チーム戦ではチームあたりブースター12個を使うことを推奨する。現在の発売状況に合わせた物品の推奨される組み合わせ方については、付録Eを参照。

 全てのカードは、いずれかのプレイヤーのデッキまたはサイドボードとして割り振られ、その大会の間は他のプレイヤーに渡すことはできない(プレイヤー間でデッキやサイドボードを共有することはできない)。デッキリストを用いない一般RELの大会では、マッチとマッチの間に限ってカード・プールの交換が認められる。

9. 双頭巨人戦大会規定

9.1 マッチの構成

 双頭巨人戦のマッチは1ゲームからなる。

 引き分けのゲーム(勝者のいないゲーム)は上記の1ゲームには計算しない。制限時間までの間、勝利チームが決まるまでマッチを続ける。

9.2 意思疎通規定

 チームメイトはお互いにいつでも意思疎通をしてもよい。

9.3 プレイ/ドロー・ルール

 コイントス(またはその他の無作為選定方法)で決まったチームは、先攻か後攻かを選ぶ。この選択はそのチームのプレイヤーのいずれかが自分の手札を見るより前に行なう。手札を見た場合、そのチームが先攻となる。先攻のチームは第1ターンのドロー・ステップを飛ばす。

9.4 ゲーム開始前の手順

  1. チームメイトのどちらが第1プレイヤーでどちらが第2プレイヤーかを決め、第1プレイヤー(プレイヤーA)を右にして、チームメイトが並んで座る。マッチごとに第1プレイヤーが交代してもよい。
  2. 自分のデッキをシャッフルする。
  3. プレイヤーはデッキを対戦相手に提示し、シャッフルを求める。
  4. 各プレイヤーは7枚カードを引く。これらのカードは裏向きにテーブルに並べてもよい。
  5. 各プレイヤーは、ターン順にマリガンを行なうかどうかを決定する。(マリガンに関するルールは総合ルールの101.4節を参照)

 マリガンが全て解決された後で、ゲームを開始する。

9.5 双頭巨人戦構築規定

 双頭巨人戦構築形式大会では、共同デッキ構築規定(第8.5節参照)を用いる。

 その形式で禁止されているカードに加え、双頭巨人戦のすべての構築形式大会(ヴィンテージ、レガシー、エクステンデッド、ブロック構築)では以下のカードが禁止されている。

 双頭巨人戦構築形式大会では、サイドボードは使用されない。

9.6 双頭巨人戦リミテッド規定

 リミテッド形式大会規定(第7節)がすべて適用される。変更点は以下の通り。

 DCIは、双頭巨人戦シールド・デッキ大会ではチームあたりブースター8個、双頭巨人戦ブースター・ドラフト大会ではチームあたりブースター6個を使うことを推奨する。現在の発売状況に合わせた物品の推奨される組み合わせ方については、付録Eを参照。

 チームの開始時のデッキで使われなかったカードは共有サイドボードとなり、両方のプレイヤーがアクセスできる。

9.7 双頭巨人戦ブースター・ドラフト大会

 (プレイヤーでなく)チームは、それぞれほぼ同数になるように、ドラフト・ポッドに無作為に分けられる。チームメイトは並んで着席し、その後、大会スタッフは未開封パックを各チームに2組ずつ配る。

 パックを開封し、第1パックのカード枚数を確認したら、チームはそのブースター・パックから2枚カードを選択し、残りのカードを裏向きにして左側のチームに渡す。選択したカードは1つないし2つの束にして置かれる。この時点ではどちらかのプレイヤーに振り分けられずに共有のカード・プールに入れられる。パックは、ドラフト・ポッド内を順に、各チーム2枚ずつピックしながら回され、カードがなくなるまで続く。

 2つめのパックについて、ドラフトの方向は通常通り逆むきになる。従って、ドラフトの回転方向は、順に 左−右−左−右−左−右 となる。

10. 認定規定

10.1 最低参加者数

 DCIが大会を認定するための最低参加者数は、以下の通りである。

 上記の最低参加人数を満たさなかった場合、その大会はDCIの認定を得られず、レーティングに加算されることはない。その場合には、大会主催者は大会を「行なわなかった/Did Not Occur」としてDCIに報告しなければならない。

10.2 ラウンド数

 DCIが大会を認定しプレイヤーの公式レーティングに反映させるにあたって、最低限行なわれなければならないラウンド数は以下の通りである。

 上記の最低ラウンド数を満たさなかった場合、その大会はDCIの認定を得られず、レーティングに加算されることはない。その場合には、大会主催者は大会を「行なわなかった/Did Not Occur」としてDCIに報告しなければならない。

 ラウンド数は第1ラウンド開始前か開始時に告知されるべきである。告知された場合、その数で固定される。大会の終了条件を添えて、ラウンド数が変動するということを告知してもよい。たとえば、20人参加の大会で、4回戦終了時に4勝のプレイヤーが1人だけでない限り5回戦行なう、という告知が認められる。

 スイス式大会で推奨されるラウンド数は、付録Fを参照。

10.3 招待選手のみの大会

 招待選手のみによる大会では、参加に必要な条件が追加される。プレミア大会の招待リストは、DCIプレミア大会招待ポリシーにおいて定義されている。大会主催者は、予選大会を充分な数開いてすべてのプレイヤーに参加の機会が与えられるようにする限りにおいて、招待選手のみによる非プレミア大会を開催してもよい。

10.4 組み合わせのアルゴリズム

 特に告知されていない限り、大会はスイス式で行なわれる。その後、トップ2、トップ4、トップ8、トップ16、あるいはトップ32によるシングル・エリミネーションの決勝ラウンドを行なう大会もある。リミテッド形式のドラフト大会においては、スイス式組み合わせのアルゴリズムは第7.6節に示したとおり修整される。

付録 A - 前の版からの変更点

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、規定を変更する権利ならびにその解釈、修整、明確化、その他の変更を予告することなく行なう権利を保有する。

 この文書は3ヶ月おきに、3月20日、6月20日、9月20日、12月20日に更新される予定である。

 最新の版は http://www.thedci.com/docs から確認できる。

2009年6月20日

全般:完全刷新。

2009年7月1日

全般:多数の修正と明確化。

付録 B - 制限時間

 各ラウンドの制限時間は40分以上でなければならない。

 大会における各ラウンドの推奨制限時間を以下の通り定める:

 あわせて、リミテッド形式大会においては以下の推奨制限時間を定める:

 ヘッドジャッジが、その大会の制限時間に関する最終権限者である。しかし、上記の推奨時間から逸脱する場合、それを大会の登録前ならびに登録中に告知しなければならない。

 プレミア大会においては、これ以外の時間制限が定められることがある。制限時間に関しては、その大会のファクト・シートを参照すること。(※:Magicは不要。)

 時間制限のあるラウンドにおいては、プレイヤーはその開始が公式に告知されるまでマッチを始めてはならない。

ブースター・ドラフトの時間

 個人戦ブースター・ドラフトにおいては、通常、以下の制限時間内に選択を終えなければならない。

パック内の残りカード制限時間
15 枚40 秒
14 枚40 秒
13 枚35 秒
12 枚30 秒
11 枚25 秒
10 枚25 秒
9 枚20 秒
8 枚20 秒
7 枚15 秒
6 枚10 秒
5 枚10 秒
4 枚5 秒
3 枚5 秒
2 枚5 秒
1 枚N/A

 これに加えて、ブースター・パックをドラフトし終わるごとに、ピックしたカードを確認するために1パック目は30秒、2パック目は45秒(以下15秒ずつ追加される)の時間が与えられる。

ロチェスター・ドラフトの時間

 カードがテーブルの上に広げられてから最初のカードがドラフトされるまで、確認するための時間が20秒与えられる。プレイヤーは各選択を5秒以内で行なわなければならない。

多人数戦ドラフトの時間

 多人数戦ドラフトにおいては、通常、以下の制限時間内に選択を終えなければならない。

パック内の残りカード制限時間
15枚入り14枚入り
15 枚14 枚50 秒
13 枚12 枚45 秒
11 枚10 枚40 秒
9 枚8 枚30 秒
7 枚6 枚20 秒
5 枚4 枚10 秒
3 枚-10 秒
1 枚2 枚N/A

 これに加えて、ブースター・パックをドラフトし終わるごとに、ピックしたカードを確認するために60秒の時間が与えられる。

付録 C - DCIレーティング・ランキング・システム

Eloレーティング・システム

 Eloプレイヤーレーティング・システムでは、プレイヤーのマッチ記録と対戦相手のマッチ記録を比較し、マッチを獲得するプレイヤーの推定勝率を計算する。この確率は、各マッチの結果に基づいてプレイヤーのレーティングが何ポイント上下するかを決定する要素になる。プレイヤーは、より低いレーティングを持つ対戦相手に勝つことが推定されるので、プレイヤーがより高いレーティングの対戦相手に勝った場合、プレイヤーのレーティングはより低いレーティングのプレイヤーに勝ったときより大きく上がる。すべての新しいプレイヤーのレーティングは、1600の基本レーティングから始まる。DCIは、各マッチにおけるプレイヤーの推定勝率を決定するために次の式を使う:

個人戦:

推定勝率= 1
10(対戦相手のレーティング - プレイヤーのレーティング)/400) + 1

 この確率は、マッチの後で各プレイヤーのレーティングを再計算するために使われる。下の方程式において、プレイヤーがマッチに勝った場合、1ポイントを、負けた場合は0ポイントを、そして引き分けの場合は0.5ポイントを得る。プレイヤーの新しいレーティングは、以下のとおりに決定される:

新レーティング=前のレーティング+(K値×(ポイント−推定勝率))

 K値とは、1マッチの結果で変動しうるプレイヤーのレーティングの最大値である。

チーム戦:

推定勝率= 1
10(対戦相手の平均レーティング - プレイヤーのレーティング)/400) + 1

 この確率は、マッチの後で各プレイヤーのレーティングを再計算するために使われる。下の方程式において、プレイヤーがマッチに勝った場合、1ポイントを、負けた場合は0ポイントを、そして引き分けの場合は0.5ポイントを得る。プレイヤーの新しいレーティングは、以下のとおりに決定される:

新レーティング=前のレーティング+(K値×(ポイント−推定勝率))

 通常、マジックの大会のK値は16であるが、大会によってはより高い、あるいは低いK値を取ることがある。それらはその大会あるいは大会プログラムのファクトシートに記されている。

 プレイヤーはプレイした最初のマッチの開始時にレーティングを得る。それ以降のレーティングは時系列順に計算される。DCIはある地理的地域(大陸、国、州、都市、等)のプレイヤーをEloレーティングに基づいて順位づけ、各地域のトッププレイヤーを決定する。

付録 D - タイブレークの解説

マッチ・ポイント

 プレイヤーは、勝ったマッチ一つごとに3点、引き分けたマッチ一つごとに1点のマッチ・ポイントを得る。(負けたマッチではポイントは得られない。)

 マッチが時間切れになって、両方のプレイヤーが同じ数のゲームに勝利していたら、そのマッチは引き分けとみなす。時間切れになったときに、一方のプレイヤーがその対戦相手よりも多くのマッチに勝利していたら、マッチに勝ったと記録される。不戦勝になったプレイヤーは、3点のマッチ・ポイントを得る。

例:

ゲーム・ポイント

 ゲーム・ポイントとは、マッチ・ポイントと同じように、各ゲームごとに勝てば3点、引き分けで1点を得るというポイントである。終わらなかったゲームは、引き分けとして扱われる。プレイされなかったゲームには点数は与えられない。

例:

マッチ・ウィン・パーセンテージ:

 あるプレイヤーのマッチ・ウィン・パーセンテージは、そのプレイヤーの合計マッチ・ポイントを参加したラウンド数×3で割ったものである。ただし、0.33よりも小さかった場合には0.33として扱われる。(マッチ・ウィン・パーセンテージの最低値[0.33]を定めることは、タイブレーカーの第1段階においてオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージを計算するときにあまりにも不利になることを防ぐ)

例:

ゲーム・ウィン・パーセンテージ:

 マッチ・ウィン・パーセンテージと同じように、あるプレイヤーのゲーム・ウィン・パーセンテージは、ゲーム・ポイントを彼が行なったゲームの総数×3で割って求められる。

例:

オポ(オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ)

 あるプレイヤーのオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージとは、そのプレイヤーが対戦した相手のマッチ・ウィン・パーセンテージの平均である(不戦勝のラウンドは除く)。上に書いたマッチ・ウィン・パーセンテージの定義を用いて、それぞれの対戦相手のマッチ・ウィン・パーセンテージを算出する。

例:

オポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージ

 オポと同じように、あるプレイヤーのオポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージは、単純にその対戦相手全員のゲーム・ウィン・パーセンテージの平均で求められる。オポを求めるときと同じように、0.33以下のゲーム・ウィン・パーセンテージは0.33として計算する。

不戦勝

 プレイヤーがあるラウンドで不戦勝になったとき、そのマッチに2−0−0で勝ったものとして計算される。つまり、3マッチポイントを得、6ゲームポイントを得る。彼または彼女のオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージやオポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージを求めるときには、それは無視される。

付録 E - リミテッド形式において推奨されるブースターの組み合わせ

 アラーラ・ブロックにおいて、リミテッド形式大会で推奨されるブースターの組み合わせは以下の通り。

 基本セット2010において、リミテッド形式大会で推奨されるブースターの組み合わせは以下の通り。

付録 F - スイス式大会において推奨されるラウンド数

 以下のスイス式ラウンドが、しばしばプレミア大会で推奨される。非プレミア大会においても、大会主催者の決定によりこれを用いてもよい。ここで記載するのは参照のためである。

参加人数ラウンド数
83
9-164
17-325
33-646
65-1287
129-2268
227-4099
410+10

 チーム戦の場合、各チームを1人のプレイヤーとして計算する。

 トップ4を選出する個人戦あるいはチーム戦では、上記の表よりも1回戦増やすべきである。

 トップ2を選出する個人戦あるいはチーム戦では、上記の表よりも2回戦増やすべきである。


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