DCI(tm) ペナルティ・ガイドライン 2002-2003年 トーナメント・シーズン版 2002年9月1日発効 はじめに DCI汎用ペナルティ・ガイドラインは、ジャッジがトーナメント中に発生した違反に関して妥当な罰則を決定する助けとなるシステムである。罰則は不正行為からプレイヤーを守るために存在する。第160節を除いて、この文章に記されているすべての罰則は、違反が故意でないと仮定している。ジャッジが、その違反が故意であると確信したならば、第160節の該当する罰則に格上げされる。これらの罰則はあくまで指針であり、ジャッジは情状を酌量して罰則を軽減あるいは格上げすることができる。 注:本文中の用語の定義に関しては、DCI汎用トーナメント・ルールの付録Bを参照のこと。 もくじ 10 違反の形式 20 罰則の定義 30 罰則の適用 40 違反の累積 100 デッキに関する問題 101 デッキに関する問題−不正なメインデッキ・リスト 102 デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リストは適正) 103 デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リスト不使用) 104 デッキに関する問題−不正なサイドボード・リスト 105 デッキに関する問題−不正なサイドボード(リストは適正) 106 デッキに関する問題−不正なサイドボード(リスト不使用) 110 プレイミス 111 プレイミス−軽度 112 プレイミス−中度 113 プレイミス−重度 114 プレイミス−サイドボードの戻し損ね 115 プレイミス−遅刻 116 プレイミス−対戦相手の間違い 120 ドローの誤り 121 ドローの誤り−過剰にカードを引いてしまった場合 122 ドローの誤り−過剰のカードを見てしまった場合 123 ドローの誤り−ゲーム開始時の不正なドロー 124 ドローの誤り−カードを引き忘れた場合 130 印のあるカード 131 印のあるカード−軽度 132 印のあるカード−重度 140 遅いプレイ 141 遅いプレイ−プレイが遅い場合 142 遅いプレイ−ゲーム開始までの時間制限を越えた場合 150 非紳士的行為 151 非紳士的行為−軽度 152 非紳士的行為−中度 153 非紳士的行為−重度 160 不正行為 161 不正行為−買収行為 162 不正行為−遅延行為 163 不正行為−詐欺行為 164 不正行為−不正一般 付録A−罰則一覧表 付録B−問い合わせ先 10 違反の形式 違反は以下のように列記されている。 * 名称 − その違反の分類。 * 定義 − その違反の内容。 * 例  − その違反のいくつかの例。 * 理念 − その罰則の理由。 * 罰則 − それぞれのルール適用レベルで適当と思われる罰則。 20 罰則の定義 【注意/Caution】:  【注意】は、最も軽い罰則である。プレイヤーへの口頭での指導であり、違反内容と、それを繰り返した場合の結果について伝えなければならない。【注意】はヘッド・ジャッジに報告されるべきであるが、DCIに報告する必要はない。 【警告/Warning】:  【警告】は、公式に記録される罰則である。【警告】の目的は、ジャッジとプレイヤーに問題が起こっていることを伝えることと、DCI罰則データベースにその違反の永久的な記録を残すことである。【警告】はヘッド・ジャッジと、警告の記録に責任を持つスタッフに報告されなければならない。また、その違反を犯したプレイヤーには、その違反と、繰り返した場合に予想される結果について説明しなければならない。 【ゲームの敗北/Game Loss】:  この罰則は常に【警告】とともに与えられる。プレイヤーがゲームとゲームの間に違反を行なった場合は、次のゲームにこの罰則は適用される。【ゲームの敗北】は、ヘッド・ジャッジと、警告の記録に責任を持つスタッフに報告されなければならない。また、その違反を犯したプレイヤーには、その違反と、繰り返した場合に予想される結果について説明しなければならない。 【マッチの敗北/Match Loss】:  この罰則は常に【警告】とともに与えられる。一般に、【マッチの敗北】はその現在進行中のマッチに適用されるが、マッチとマッチの間である場合、あるいは後回しにするべき事情がある場合は、次のマッチに適用するべきである。例えば、マッチの勝負を決めるゲームの最終ターンで負けつつあるプレイヤーが、[非紳士的行為−中度]の罰則を受けて【マッチの敗北】を宣告された場合、実質的に負けが決まっているマッチを負けにしても罰としての意味がないので、ジャッジの判断で、その【マッチの敗北】を次のマッチに適用してもよい。【マッチの敗北】は、ヘッド・ジャッジと、警告の記録に責任を持つスタッフに報告されなければならない。また、プレイヤーには、可能な限りその違反と、繰り返した場合に予想される結果について説明しなければならない。 【失格/Disqualification】:  この罰則は常に【警告】とともに与えられる。この罰則が適用されると、プレイヤーはその現在のマッチに敗北し、トーナメントから除外される。プレイヤーが【失格】の前に手にしていた賞はそのまま保持される。場合によっては、【受賞資格も失う失格/Disqualification without prize】のほうがふさわしい。【受賞資格も失う失格】の場合、賞やそれに伴う副賞(プロ・ポイント、トーナメントへの参加資格など)も失われる。【受賞資格も失う失格】は、[非紳士的行為−重度]や[不正行為]に関して推奨される。【失格】を出すのはヘッド・ジャッジでなければならず、警告の記録に責任を持つスタッフに報告されなければならない。 トーナメントにおいて【受賞資格も失う失格】を受けたプレイヤーは、順位表にも記録されない。つまり、より上位のプレイヤーが【受賞資格も失う失格】になると、それ以下の順位のプレイヤーは全員1つ繰り上げになるということである。繰り上げになったプレイヤーは、その新しい順位で受けるべき賞を全て受ける。選抜後に【受賞資格も失う失格】が発生した場合は、その代わりのプレイヤーが決勝に参加することはない。例えば、プロツアー予選の準々決勝で【受賞資格も失う失格】を受けたプレイヤーがいたとしても、予選9位のプレイヤーがシングル・エリミネーションに進むようにはならないが、順位表では8位に記録される。  違反の累積による【失格】は、【受賞資格も失う失格】ではない。つまり、[プレイミス]を繰り返し、警告を何度も受けたとしても、そのプレイヤーは【失格】にはなるけれど、【受賞資格も失う失格】を受けることはない。 30 罰則の適用  DCI汎用ペナルティ・ガイドラインはDCIの認定するすべてのゲームに適用されるが、違反の中にはある種のゲームには適用されないものもある。例えば、マリガン・ルールの存在しないゲームにおいて、マリガン関連の罰則は適用されない。  ルール適用度2以上というのは、マジック:ザ・ギャザリングのトーナメントなどのより競技的なトーナメントにおいてのみ適用されるべきである。トーナメント主催者やジャッジはより高いルール適用度でトーナメントを開いても構わないが、ほとんどのトーナメントはルール適用度1で行われるべきである。  大きなイベントにおいて第1回戦の間にデッキリストのチェックが終わった場合、ヘッド・ジャッジは、第2回戦の開始をデッキリストに関する罰則の処理が終わるまで待つことを考慮に入れるべきである。公正さという観点から言って、この罰則の適用を後回しにするということを決めるのは、トーナメント開始時にすべきである。こうすることで、罰則の処理をより効率的に行なうことができるのに加え、罰則の処理前に次の対戦を終えてしまうプレイヤーが出てくることも防ぐことができる。より小さなイベントにおいては、デッキリストの枚数も少ないので、発見し次第に罰則を与えていくという方法でよい。より効率的にするためには、【ゲームの敗北】を先に、【マッチの敗北】を後に処理するのが望ましい。ゲームの進行中にデッキリストの誤りが見つかった場合、罰則は即座に与えられるべきである。例えば、プレイ中に対戦相手が禁止カードを使っていることが判った場合などである。  プレイヤーがジャッジに違反を報告した場合、可能な限り、罰則はその違反の起こった対戦の間に与えられるべきである。  失格になっていないプレイヤーが、DCIによる調査を受けることもある。  マッチが複数のゲームからなるのではないトーナメントについて、【ゲームの敗北】は【マッチの敗北】と本質的に同じことになる。以下のゲームにおいては、【ゲームの敗北】の代わりに、以下に列記している罰則を適用すること。 * ハリー・ポッター(tm) トレーディング・カードゲーム:【マッチの敗北】 * Pokemon(r) トレーディング・カードゲーム(海外のみ):プレイヤーのデッキの一番上のカードをサイドカードとして脇に置き、対戦相手は自分のサイドカードを一枚引く。 * MLB(tm) Showdown(tm) スポーツ・カード・ゲーム:そのマネージャーのチームの、最も高いポイントを持つメンバーを退場させる(複数のカードが同じ最も高いポイントを持つ場合、どちらを退場させるかをそのマネージャーが選択する)。 * NFL Showdown スポーツ・カード・ゲーム:そのコーチのチームの、最も高いポイントを持つ選手を退場させる(複数のカードが同じ最も高いポイントを持つ場合、どちらを退場させるかをそのコーチが選択する)。 40 違反の累積  初めての違反に関して適用されるべき罰則は、それぞれの違反の項に記されている。同じ違反がもう一度繰り返された場合、その上の罰則が適用されることが望ましい。この罰則の格上げに関しては、他のルール適用度でどのような罰則が適用されるかは関係なく、次の順序で格上げされる。 【注意】−【警告】−【ゲームの敗北】−【マッチの敗北】−【失格】  基本の罰則が【警告】だとしたら、次に同じ違反をした場合には【ゲームの敗北】となり、さらにもう一度同じ違反を犯したら【マッチの敗北】となる。例えば、ルール適用度1において、[ドローの誤り−過剰のカードを見てしまった場合]に与えられる罰則は【注意】である。同じことが繰り返された場合、次は【警告】、さらに繰り返したら【ゲームの敗北】、そして【マッチの敗北】となり、五度目には【失格】となる。 繰り返しによる【失格】は、【受賞資格も失う失格】ではない。 低いルール適用度のトーナメントでは、教育的観点から、ジャッジの判断で罰則を格上げしないことを選択してもよい。 100 デッキに関する問題  この節では、構築環境、限定環境を問わず、デッキに関する問題とそれに関連する違反を取り扱う。 101 デッキに関する問題−不正なメインデッキ・リスト 定義:  この罰則は、デッキリストを使用するトーナメントに適用される。サイドボードが使用されており、そちらのリストだけが不正であった場合、第114節を参照のこと。  以下のいずれかにあてはまる場合に、プレイヤーのデッキリストは不正となる: * デッキリストに記されたカードの枚数が不正な場合。 * デッキリストに、その環境で許されていないカードが含まれている場合。 * デッキリストに示されているデッキが、ゲームのルールに違反している場合。(例えばマジックにおける4枚制限ルール) 例: (A) マジックのスタンダード環境のトーナメントで、デッキの枚数が60枚以上でなければならないのに59枚しか記されていなかった。 (B) マジックのエクステンデッド環境のトーナメントで、禁止カードの《暗黒の儀式/Dark Ritual》がデッキリストに記されていた。 (C) マジックのスタンダード環境のトーナメントで、最大4枚制限のところ、《ショック/Shock》が5枚記されていた。 (D) ルール適用度3のマジックのトーナメントで、デッキリストに56枚しか記されていなかった。ただし、実際のデッキは60枚であり、《サイカトグ/Psychatog》4枚が記録されていなかった。 理念:  デッキリストは、プレイヤーのデッキの絶対なる記録である。デッキリストが不正である場合、そのプレイヤーは実際にどうであれ、不正なデッキでプレイしているものとする。しかし、デッキリストが不正である場合の大半は書き間違いによるものなので、デッキリストが不正であることを理由にトーナメントから【失格】させるのは最善の方法ではない。可能ならば、デッキリストを実際のデッキに合うように修正するのが最善である。トーナメントの公正さを保つため、DCIは、すべてのデッキリストが適正であることをできるだけ早く、できるならば第2回戦の開始前に確認することを推奨する。ルール適用度を問わず、ジャッジなどのスタッフはトーナメントの開始前に、不正なデッキリストを提出した場合にどのような罰則を受けるのか、プレイヤーが認識できるように気を配ること。 罰則:  ルール適用度にかかわらず、基本的にはプレイヤーのデッキリストを適正なものに直し、そのデッキリストに記されたデッキでトーナメントに参加し続けられるようにする。カード枚数の上限に反している過剰のカードや、不正なカードはデッキリストから除かれる。この修正によってデッキが適正なものになる場合、デッキリストをそのデッキに合うように修正する。その後、デッキリストが適正なものになるように追加のカードを加える必要があるときには、プレイヤーは、(マジックなら)基本地形や(ハリー・ポッターなら)レッスンなどの基本カードだけを加えるべきである。 例えば、マジックのスタンダード環境のトーナメントに参加したプレイヤーのデッキリストに58枚しか書かれておらず、《解呪/Disenchant》が5枚入っていた場合、まず4枚制限により《解呪》が1枚取り除かれる。そして、デッキリストに57枚しかカードがなくなったので、そのプレイヤーの好きな基本地形を3枚加えることによって60枚にし、最小枚数の制限を満たすようにする。しかしながら、ここでそのプレイヤーの実際のデッキに《解呪/Disenchant》が4枚しか入っておらず、《対抗呪文/Counterspell》3枚が入っていた場合には、デッキリストに《対抗呪文/Counterspell》3枚を書き加え、実際のデッキを修正することなくプレイできるようにする。 そして、そのプレイヤーはルール適用度によって(下の一覧にある通り)【ゲームの敗北】または【マッチの敗北】を受ける。提出されたデッキリストが61枚であったなら、《解呪》を取り除いたときにデッキは60枚になり、最小枚数の制限内なので、基本地形は追加されない。 デッキに関する問題−不正なメインデッキ・リスト REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 ゲーム ゲーム マッチ マッチ マッチ 102 デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リストは適正) 定義:  この罰則は、デッキリストを使っているトーナメントにのみ適用される。サイドボードが使用されており、その実際のサイドボードだけが不適当な場合は、第105節を参照のこと。この罰則は、デッキ中のカードをなくしたり、あるいは逆にデッキ中にカードを混ぜいれてしまったり、またはデッキリストとデッキが違っているプレイヤーに適用される。  デッキリストは適正で、以下のいずれかにあてはまる場合、プレイヤーのデッキは不正となる: * メインデッキの枚数が不正な場合。 * メインデッキに、その環境で不正なカードが入っている場合。 * メインデッキが、ゲームのルールに違反している場合。(例えばマジックでの4枚制限ルール) * メインデッキとデッキリストが一致していない場合。 例: (A) マジックのスタンダード環境のトーナメントで、デッキの枚数が60枚以上でなければならないのに59枚しかなかった。デッキリストには60枚書かれている。 (B) マジックのエクステンデッド環境のトーナメントで、禁止カードの《暗黒の儀式/Dark Ritual》がデッキに入っていた。デッキリストには禁止カードは書かれていなかった。 (C) マジックのスタンダード環境のトーナメントで、最大4枚制限のところ、《ショック/Shock》が5枚記されていた。デッキリストには4枚の《ショック》を含む適正なデッキが記されていた。 (D) マジックのトーナメントで、あるプレイヤーのデッキに、前の対戦相手の《平和な心/Pacifism》が混じっていた。デッキリストは適正なものだった。 理念:  デッキリストは、プレイヤーのデッキの完全なる記録である。デッキリストに適正なデッキが記されていて、実際のデッキがそれと同じでなかった場合、デッキをデッキリストに合うように訂正すべきである。 罰則:  すべてのルール適用度において、プレイヤーは【ゲームの敗北】となり、デッキをデッキリストに合うように変更する。5分以内でそれができなかった場合、罰則は【マッチの敗北】に格上げされる。この変更が次のマッチの開始時までに終わらなかった場合には、そのプレイヤーはそのトーナメントを続けることはできない。 デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リストは適正) すべてのルール適用度 ゲーム 103 デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リスト不使用) 定義:  この罰則は、デッキリストを使用しないトーナメントに適用される。サイドボードが使用されており、そちらだけが不正であった場合、第106節を参照のこと。  以下のいずれかにあてはまる場合に、プレイヤーのメインデッキが不正となる: * メインデッキのカード枚数が不正な場合。 * メインデッキに、その環境で許されていないカードが含まれている場合。 * メインデッキが、ゲームのルールに違反している場合。(例えばマジックでの4枚制限ルール) 例: (A) マジックのスタンダード環境のトーナメントで、デッキの枚数が60枚以上でなければならないのに59枚しかなかった。 (B) マジックのエクステンデッド環境のトーナメントで、禁止カードの《暗黒の儀式/Dark Ritual》がデッキに入っていた。 (C) マジックのスタンダード環境のトーナメントで、最大4枚制限のところ、《ショック/Shock》が5枚デッキに入っていた。 理念:  プレイヤーがプレイしているデッキに何らかの意味で適正でないカードが含まれている場合、そのデッキは不正となる。しかし、ルール適用度の低いトーナメントには、プレイヤーをルールについて教育するという目的もあるため、それらのトーナメントで不正なデッキによってプレイヤーを【失格】とするべきではない。 罰則: 通常、ルール適用度が高いトーナメントにおいてはデッキリストが使われるので、高いルール適用度に対する厳罰は必要ない。ジャッジなどのスタッフはトーナメントの開始前に、不正なデッキでプレイした場合にどのような罰則を受けるのか、プレイヤーが認識できるように気を配ること。 デッキリストが使われていない場合、デッキを直させてプレイを続けさせるのが一般的である。ヘッド・ジャッジはデッキを訂正させるべく、プレイヤーと協力すべきである。不正なカードを即座に取り除き、そしてデッキを適正なものにするためにカードを加える必要があるときには、ジャッジはプレイヤーに(マジックなら)基本地形、(ハリー・ポッターなら)レッスンなどの基本カードを加えるように指示すべきである。 デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リスト不使用) REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 ゲーム ゲーム −− −− −− 104 デッキに関する問題−不正なサイドボード・リスト 定義: この罰則は、サイドボードを使用するゲームで、サイドボードのカードを記録する必要のあるトーナメントにおいてのみ適用される。サイドボードの記録が必要ない場合には、第106節を参照のこと。この違反の目的上、実際にサイドボードに含まれているカードが適正かどうかは問題にならない。サイドボードを含むデッキリストは、そのプレイヤーのサイドボードの公式な内容の表記である。 以下のいずれかにあてはまる場合に、サイドボードは不正となる: * サイドボード・リストの枚数が適正でない場合(多寡を問わない) * サイドボード・リストに、その環境で不正なカードが含まれている場合。 * サイドボード・リストに、デッキを不正なものにするカードが記されている場合。(例えばマジックにおける4枚ルールを破っている場合) 例: (A) マジックの構築トーナメントで、リストに14枚しかサイドボードが記されていなかった。 (B) マジックの構築トーナメントでサイドボード・リストに3枚、メインデッキに2枚の《解呪/Disenchant》が記されていた。 (C) マジックのエクステンデッド環境のトーナメントで、禁止カードの《時のらせん/Time Spiral》がサイドボード・リストに記されていた。 (D) マジックの限定トーナメントで、[合計]の欄に正しい数字を記していなかった。 理念:  サイドボード・リストは、プレイヤーのサイドボードの絶対なる記録である。サイドボード・リストが不正である場合、そのプレイヤーは実際にどうであれ、不正なサイドボードでプレイしているものとする。しかし、サイドボード・リストが不正である場合の大半は書き間違いなので、サイドボード・リストが不正であることを理由にトーナメントから【失格】させるのは最善の方法ではない。トーナメントの公正さを保つため、DCIはすべてのサイドボード・リストが適正であることをできるだけ早く、できるならば第2ラウンド開始前に確認することを推奨する。ルール適用度を問わず、ジャッジなどのスタッフはトーナメントの開始前に、不正なサイドボード・リストを提出した場合にどのような罰則を受けるのか、プレイヤーが認識できるように気を配ること。 罰則:  ルール適用度にかかわらず、基本的にはプレイヤーのサイドボード・リストを適正なものに直し、そのサイドボード・リストに記されたサイドボードでトーナメント・プレイを続けられるようにする。カード枚数の上限に反している過剰のカードや、不正なカードはサイドボード・リストから、書かれている下から順番に除かれる。その後、サイドボード・リストが適正なものになるように追加のカードを加える必要があるときには、実際にサイドボードに含まれているカードを追加すべきである。例えば、マジックのスタンダード環境のトーナメントに参加したプレイヤーのサイドボード・リストに13枚しか書かれておらず、《解呪/Disenchant》が5枚入っていた場合、まず4枚制限により《解呪》が1枚取り除かれる。そして、サイドボード・リストに12枚しかカードがなくなったので、実際のサイドボードに入っているカードを加えることによって15枚にし、最小枚数の制限を満たすようにする。そして、そのプレイヤーは【ゲームの敗北】を受ける。 デッキに関する問題−不正なサイドボード・リスト すべてのルール適用度 ゲーム 105 デッキに関する問題−不正なサイドボード(リストは適正) 定義:  この罰則は、サイドボードを使用するゲームで、サイドボードのカードを記録する必要のあるトーナメントにおいてのみ適用される。サイドボードの記録が必要ない場合には、第106節を参照のこと。サイドボード・リストが不正であった場合、第104節を参照のこと。サイドボードを含むデッキリストは、そのプレイヤーのサイドボードの公式な内容の表記である。従って、(サイドボード・リストを用いる場合)サイドボード・リストが不正であることはこの罰則に優先される。  サイドボード・リストが適正で、かつ以下のいずれかにあてはまる場合に、サイドボードは不正となる: * サイドボードの枚数が適正でない場合。(多寡を問わない) * サイドボードに、その環境で不正なカードが含まれている場合。 * サイドボードに、デッキを不正なものにするカードが含まれている場合。(例えば、マジックにおける4枚ルールを破っている場合) * サイドボードとそのリストが一致していない場合。 例: (A) マジックの構築トーナメントで、サイドボード・リストには《恐怖/Terror》が4枚しか記されておらず、適正であったが、実際のサイドボードには5枚含まれていた。 (B) サイドボード・リストは適正であるが、プレイヤーがサイドボードから数枚(あるいはすべて)のカードをなくした。 理念:  サイドボードが不正であり、そのリストが適正であった場合、最もよい解決法は、そのサイドボードをリストにあうように修正することである。サイドボード・リストが不正な場合、この罰則ではなく第104節を参照のこと。 罰則:  下の罰則に加え、サイドボードをそのトーナメントの残りの期間、サイドボード・リストにあうように修正すること。これは決勝ラウンドや、別の日で行なうラウンドにも適用される。また、そのプレイヤーはそのマッチの間、サイドボードを使うことはできない。プレイヤーには、次のラウンドの開始前に、サイドボードをリストと合致するように直す責任がある。もしそれができなかった場合、サイドボードのその部分はそのプレイヤーの選択した(マジックなら)基本地形、(ハリー・ポッターなら)レッスンなどの基本カードで置き換えられる。 デッキに関する問題−不正なサイドボード(リストは適正) すべてのルール適用度 ゲーム 106 デッキに関する問題−不正なサイドボード(リスト不使用) 定義: この罰則は、サイドボードを使用するゲームで、サイドボードのカードを記録する必要のないトーナメントにおいてのみ適用される。サイドボードの記録が存在する場合には、第104節または第105節を参照のこと。 以下のいずれかにあてはまる場合に、サイドボードは不正となる: * サイドボードの枚数が適正でない場合(多寡を問わない) * サイドボードに、その環境で不正なカードが含まれている場合。 * サイドボードに、デッキを不正なものにするカードが含まれている場合。(例えばマジックにおける4枚ルールを破っている場合) 理念:  サイドボードが不正であった場合、プレイヤーには以下の罰則が与えられる。プレイヤーにはどのカードがなぜ不正であるかを説明すべきである。さらに、そのサイドボードを適正なものに直し、トーナメントで使用できるようにすべきである。 罰則: ルール適用度の高いトーナメントではデッキリストが使われるので、高いルール適用度に関して厳しい罰を与える必要はない。 デッキに関する問題−不正なサイドボード(リスト不使用) REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 ゲーム ゲーム −− −− −− 110 プレイミス  この節には、プレイミスに関する罰則を記す。多くの違反がこの分野に入るが、そのすべてを記すことは不可能である。ここに記されていないプレイミスの取り扱いについてはヘッド・ジャッジが決定する。 111 プレイミス−軽度 定義:  軽度のプレイミスとは、プレイヤーが故意でなく犯した違反の中で、トーナメントに影響の小さい行動のことである。 例: (A) シールド・デッキの内容を記録する際、《ファイレクシアの汚染者/Phyrexian Defiler》を《ファイレクシアの堕落者/Phyrexian Debaser》と記録してしまった。 (B) ライフの合計を記録するための方法を準備できていなかった。 (C) スター・ウォーズのトーナメントにおいて、プレイヤーがユニットのダメージを記録するための方法を準備してこなかった。 (D) カードを何度もテーブルの下に持っていった。 (E) トーナメント・エリア内にガムの包み紙や記録用紙の切れ端などの小さなゴミを残した。 (F) マジックのスタンダード環境のトーナメントにおいて、冠雪地形/Snow Covered Landを使っていた。 理念:  プレイミスの重大さはさまざまであるので、ジャッジはトーナメントに与えうる影響の大きさによってその罰則を調整すべきである。 罰則:  プレイミスによって時間内にゲームやマッチを終えられない場合、ジャッジは罰則を必要なだけ格上げすべきである。 プレイミス−軽度 すべてのルール適用度 注意 112 プレイミス−中度 定義:  中度のプレイミスとは、プレイヤーが故意でなく犯した違反の中で、トーナメントに悪影響を与えた行動のことである。 例: (A) デッキリストに名前を書き忘れた。 (B) シールド・デッキのカードを、ジャッジの許可なく同じ種類のカードと入れ換えた。 (C) 対戦相手にデッキを渡す前に充分な無作為化ができていなかった。 (D) トーナメント・エリア内に食べ散らかしなど大きなゴミを残した。 (E) マジックのトーナメントで、マナコストが2WWである《神の怒り/Wrath of God》を、白マナ1つと無色マナ3つでプレイしてしまった。 (F) マジックのトーナメントで、《不実/Treachery》をプロテクション(青)を持つクリーチャーにプレイしてしまった。 (G) 対戦相手がカットしたデッキを再びシャッフルしてしまった。 (H) ゲームの進行中に、サイドボードのカードの表を見てしまった。 (I) 《神の怒り/Wrath of God》の絵を識別できないほどに完全に黒く塗りつぶしてしまった。 理念:  プレイミスの重大さはさまざまであるので、ジャッジはトーナメントに与えうる影響の大きさによってその罰則を調整すべきである。 罰則:  プレイミスによって時間内にゲームやマッチを終えられない場合、ジャッジは罰則を必要なだけ格上げすべきである。 プレイミス−中度 すべてのルール適用度 警告 113 プレイミス−重度 定義:  重大なプレイミスとは、プレイヤーが故意でなく犯した違反の中で、トーナメントに非常に大きな悪影響を及ぼしたもののことである。 例: (A) コーヒーをデッキの上にこぼして、マッチの継続を不可能にした。 (B) デッキからではなくサイドボードからカードを引き、手札に入れてしまった。 (C) デッキをなくし、その代わりのカードを見つけることができなかった。 (D) (ポケモンだけに関する状況のため、削除) (E) 関係ないときにデッキをシャッフルしてしまった。 理念:  プレイミスの重大さはさまざまであるので、ジャッジはトーナメントに与えうる影響の大きさによってその罰則を調整すべきである。 罰則:  プレイミスによって時間内にゲームやマッチを終えられない場合、罰則を必要なだけ格上げする。 プレイミス−重度 すべてのルール適用度 ゲーム 114 プレイミス−サイドボードの戻し損ね 定義:  この罰則は、プレイヤーがマッチの第1ゲーム前にデッキを対戦相手に渡す時よりも前に本来の構成に戻していなかった場合が該当する。この罰則は、サイドボードを使用しているゲームにのみ適用される。 例: (A) マジックのトーナメントで、前のラウンドで使った《赤の防御円/Circle of Protection: Red》がデッキの中に残っていた。 理念:  この場合、【ゲームの敗北】が公正な罰則である。デッキリストを使わないトーナメントでは、サイドボードが記録されていない限りはこの罰則は適用されない。 罰則: プレイミス−サイドボードの戻し損ね すべてのルール適用度 ゲーム 115 プレイミス−遅刻 定義:  この罰則は、プレイヤーがラウンドの開始時に自分の席についていなかった場合に適用される。 例: (A) プレイヤーが、ラウンド開始5分後まで席に到着できなかった。 (B) プレイヤーが、デッキリストをジャッジやトーナメント主催者の指示した時間までに提出できなかった。 理念:  プレイヤーはマッチの時間を守る義務がある。 罰則:  この罰則は、ラウンドが予定よりも早く始まって、本来の開始時間までにプレイヤーが着席していた場合には適用されない。低いルール適用度においては、トーナメント主催者はゲーム前の準備時間(最初の3分間)が経過するのを待って【ゲームの敗北】にするとしてもよい。より高いルール適用度においては、ラウンド開始と同時に【ゲームの敗北】にするべきである。ルール適用度にかかわらず、プレイヤーがラウンド開始の10分後にまだ着席していない場合には、2本目の【ゲームの敗北】となる。プレイヤーがこのラウンドの終了時までに現れなかった場合、そのプレイヤーは自動的にトーナメントから除外される。 プレイミス−遅刻 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 警告 警告 ゲーム ゲーム ゲーム 116 プレイミス−対戦相手間違い 定義:  この罰則は、そのラウンドの正しい組み合わせと異なる対戦相手と試合をしていた場合に適用される。 例: (A) プレイヤーが間違った席につき、間違った対戦相手とプレイしていた。 (B) 団体戦において、プレイヤーAとして登録したプレイヤーが、プレイヤーCと対戦していた。 理念:  正しい席についているかどうかを確認するのは、各プレイヤーの責任である。 罰則:  第1ゲームのゲーム前の準備時間(通常、3分間)の間にこの誤りに気付いた場合、間違ったテーブルについていたプレイヤーは【警告】を受け、正しい席に座りなおす。それ以降で、[遅刻]によって2本目を失う前(通常10分間)に判った場合には、間違ったテーブルに座っていたプレイヤーは【ゲームの敗北】を受け、正しい席に座りなおす。2本目を失う時間までこの誤りに気付かなかった場合、間違ったテーブルについていたプレイヤーは【マッチの敗北】を受ける。 プレイミス−対戦相手間違い すべてのルール適用度 警告 120 ドローの誤り  この節では、カードを引くこと、カードを見ることなどに関連する罰則について記述されている。 121 ドローの誤り−過剰にカードを引いた場合 定義: カードを裏返したままで数える以外の行動でカードをデッキからカード1枚分以上動かした場合、あるいはデッキからカードを取った後で何らかの行動(呪文をプレイする、フェイズを進めるなど)をした場合に、カードを引いたと判断する。プレイヤーがカードを引いたとき、即座にそのカードは手札に入ったものと判断する。マジックにおいては、それは(何らかの効果でカードを引いたとき以外)一般にドロー・ステップの開始も意味する。 カードの枚数を数えるために、表を見ずにテーブルの上に裏返して置いた場合には、過剰にカードを引いたとは判断しない。この罰則は一連の行動で複数枚過剰に引いてしまった場合にも1度だけ適用される。 理念: プレイヤーが過剰のカードを引いた時、対戦相手に気付かれずに進み、そして過大な有利を得る可能性が常に存在する。この不正が行われる可能性があるので、過剰のカードを引いたことに関する罰則は厳しいものになる。カードを見てしまうことは非常によくあることなので、それに関しては、それほど厳しくない別の罰則として[ドローの誤り−過剰のカードを見てしまった場合](第122節)という違反を定義する。 この問題を直す時、過剰のカード(どれが過剰のカードか判らない場合には無作為に選ばれたカード)は必ずデッキの一番上に戻される。こうすることで、カードをデッキに混ぜいれるときに得られるシャッフルすることでの有利を得ないようにし、ゲームへの影響を可能な限り小さいものにする。 [ドローの誤り−ゲーム開始時の不正なドロー](第123節)も、それほど厳しくない別の罰則で扱う。 例: (A) マジックのトーナメントで、《綿密な分析/Deep Analysis》をプレイしたプレイヤーが、4枚カードを引いてしまった。 罰則: ゲームを続けるために、状況は必ず正されなければならない。過剰なカードを引いていることが明らかであれば、そのカードはデッキの上に戻されるべきである。どれがそのカードなのかが明らかでない場合、そのプレイヤーの手札から無作為に選ぶ。複数のカードが手札に入っており、その順序が明確でなければ、それらのカードを無作為な順序でデッキの一番上に置く。違反を犯したプレイヤーの対戦相手は、この違反によって見たカードを見ることが許される。 ジャッジが状況を戻すことができないほど多くのカードを引いた場合には、【ゲームの敗北】が適用される。また、その過剰のカードを引いたことで大きな有利を得たとジャッジが判断した場合(例えば、対戦相手によって操作されていたライブラリを見た、戦略的に決定的なカードを見たなどの場合)にも、罰則は【ゲームの敗北】にすべきである。 ドローの誤り−過剰にカードを引いた場合 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 警告 警告 ゲーム ゲーム ゲーム 122 ドローの誤り−過剰のカードを見てしまった場合 定義: カードをデッキから大きく動かした場合、カードを見たと判断する。これには、カードを床に落とした場合、あるいは対戦相手のデッキをシャッフルする途中でカードを裏返してしまった場合、あるいはカードを誤ってプレイした時にデッキの中のカードを見てしまった場合などを含む。この罰則には、無作為に手札を捨てさせるときに過剰のカードを表向きにしてしまうなど、対戦相手のデッキや手札のカードを見ることも含む。 カードの枚数を数えるために、表を見ずにテーブルの上に裏返して置いた場合には、過剰のカードを見たとは判断しない。この罰則は一連の行動で複数枚過剰に見てしまった場合にも1度だけ適用される。 例: (A) 対戦相手のデッキをシャッフルするときにひっくり返してしまった。 (B) デッキからカードを引く時に、次のカードを表向きにしてしまった。 (C) 対戦相手にデッキを手渡す時に、その一番下のカードを見てしまった。 (D) 対戦相手のデッキをシャッフルするときに、表向きで行ってしまった。 (E) 対戦相手のデッキからカードを引いてしまった。 理念:  過剰のカードを見てしまうことはよくあることなので、罰則は、過剰のカードを引いた場合に比べて厳しくない。過剰のカードを引いた場合はそれを悪用する可能性が大きいので、別の、より厳しい罰則が定義されている。シャッフルすることによる有利を得ないように、カードは本来あったところにそのまま戻される。 罰則: ゲームを続けるために、状況は必ず正されなければならない。違反を犯したプレイヤーの対戦相手は、この違反によって見たカードを見ることが許される。 ジャッジが状況を戻すことができないほど多くのカードを見た場合には、【ゲームの敗北】が妥当である。また、その過剰のカードを見たことで大きな有利を得たとジャッジが判断した場合(例えば、戦略的に決定的なカードを見た場合)、罰則は【ゲームの敗北】にすべきである。 ドローの誤り−過剰のカードを見てしまった場合 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 警告 警告 警告 123 ドローの誤り−ゲーム開始時の不正なドロー 定義: この罰則は、ゲームの最初に、あるいはマリガン後に、手札を引く時にカードの枚数を間違えたときに適用される。 例: (A) マジックのトーナメントで、最初の手札を7枚でなく8枚引いてしまった。 (B) マジックのトーナメントで、マリガンをした後で6枚でなく7枚引いてしまった。 (C) マジックのトーナメントで、先攻を選んだプレイヤーが最初のドロー・ステップに手札を不正に引いてしまった。 理念:  一般に、これは重大な違反ではないため、軽い罰則が妥当である。プレイヤーにもう1枚少ない手札を引き直させるのが簡単で、そしてもう一度シャッフルすることによる有利を得る可能性を回避することができる解決法である。 罰則:  手札をデッキに戻した上でシャッフルして、実際に引いた枚数ではなく、本来引くべき枚数より1枚少ないカードを初期手札として引き直す。(マジックにおけるマリガンを強制するのと同じようなものである) ドローの誤り−ゲーム開始時の不正なドロー REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 警告 警告 警告 124 ドローの誤り−カードを引き忘れた場合 定義:  カードを引かなければならないときに、カードを引かなかった。 例: (A) マジックのトーナメントで、プレイヤーが、自分のドロー・ステップにカードを引き忘れた。 (B) マジックのトーナメントで、キャントリップ効果によってカードを引くことを忘れていた。 理念:  一般に、これは重大な違反ではないため、軽い罰則を受ける。これによってゲームに大きな影響があった(例えば、《吠えたける鉱山/Howling Mine》によってカードを引くことを忘れて、それによって何ターンにも渡って《呪われた巻物/Cursed Scroll》が有効に利用できたなど)とジャッジが判断した場合には、ジャッジは罰則を【ゲームの敗北】に格上げできる。 罰則:  ターンが過ぎていない限り、引くのを無視していたのと同数のカードを引くことで状況を正さなければならない。 ドローの誤り−カードを引き忘れた場合 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 警告 警告 警告 130 印のあるカード  この節では、印のあるカードやスリーブについての罰則を取り扱う。ここに記されているのは、通常どおり、故意ではないと仮定した罰則である。故意に印をつけているとヘッド・ジャッジが判断した場合、第160節を適用すること。 131 印のあるカード−軽度 定義:  この罰則は、プレイヤーのカードに、有利になるとは思えないけれども区別できる印がある場合に適用される。スリーブを使っている場合、スリーブに入っている状態で判断する。 例: (A) マジックのトーナメントで、スリーブの一部に小さな傷が付いていた。その傷は、《島/Island》と《対抗呪文/Counterspell》と《マスティコア/Masticore》にそれぞれ1枚ずつだけ見つかった。 (B) スリーブを使っていないプレイヤーのデッキの中にプレミアム・カードが数枚含まれており、明らかに他のカードと区別できた。 理念:  有利になる可能性が小さい場合、プレイヤーはカードもしくはスリーブを交換すべきであるが、重い罰則を適用される必要はない。 罰則: 印のあるカード−軽度 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 注意 警告 警告 132 印のあるカード−重度 定義:  この罰則は、充分有利になる可能性があるような印がプレイヤーのカードにある場合に適用される。スリーブを使っている場合、スリーブに入っている状態で判断する。 例: (A) マジックのトーナメントで、あるプレイヤーが使っている土地カードに、他のカードと区別できる傷が入っていた。 (B) マジックのトーナメントで、あるプレイヤーのデッキに入っている《激動/Upheaval》4枚すべてのスリーブの角が明らかにひずんでいた。 理念:  目印によって有利を得る可能性が高いと判断された場合、厳しい罰を受けるべきである。この罰則はあくまでも故意でない場合に適用される。ジャッジが故意だと判断した場合には第160節を参照のこと。 罰則: 印のあるカード−重度 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 ゲーム ゲーム マッチ マッチ マッチ 140 遅いプレイ  この節には、故意ではなく遅いプレイをしたプレイヤーへの罰則が記されている。 141 遅いプレイ−プレイが遅い場合 定義:  行動を完遂するのに必要と考えられる以上の時間を掛けたプレイヤーは、プレイが遅いことによる罰則を受ける。時間制限を利用しようとして故意に行動を遅らせているとジャッジが判断した場合、そのプレイヤーは、[不正行為−遅延行為]をしているものとし、第162節に記された厳罰を受けることになる。 例: (A) ブロック・クリーチャーの宣言をはっきりしないまま、不当に長い時間考えこんでいる。 (B) 《嘘か真か/Fact or Fiction》の解決時に、カードをどう分けるか決定するために不当に長い時間かけて考えている。 (C) 《消えないこだま/Haunting Echoes》の解決時に、対戦相手のデッキの中身をメモするために時間がかかっている。 理念:  遅いプレイの罰則を与えるかどうかについては、ジャッジは、それを故意かどうか判断する必要がない。すべてのプレイヤーは、対戦相手に時間制限による不利益を与えないように速く行動する責任がある。 罰則:  この罰則と同時に、3分間の延長が認められる。遅いプレイによってマッチ結果に影響があった場合、ジャッジは、罰則を必要なだけ格上げするべきである。 遅いプレイ−プレイが遅い場合 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 警告 警告 警告 142 遅いプレイ−ゲーム開始までの時間制限を破った場合 定義:  ゲーム前の準備を終えるための時間制限を超過した。 例: (A) マジックのプロツアー予選のラウンド開始3分後に、まだシャッフルを終えていなかった。 理念:  この罰則は、プレイヤーが故意に時間稼ぎをしているのではないと仮定している。ヘッド・ジャッジが故意だと判断した場合、第162節を参照のこと。 罰則:  1分間の延長がこの罰則とともに与えられる。 遅いプレイ−ゲーム開始までの時間制限を破った場合 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 注意 警告 警告 150 非紳士的行為  この節では、トーナメントにおける非紳士的行為に関する罰則を取り扱う。意図的でない行為についても、この罰則が与えられることがある。 151 非紳士的行為−軽度 定義:  軽度の非紳士的行為とは、トーナメントにおいてある個人に損害を与え、しかしトーナメント全体の進行にはそれほど影響を与えないような行為のことである。 例: (A) 過度に無礼、あるいは過度に下品な言葉を放った。 (B) 対戦相手に罰則を与えるよう、何度も繰り返してジャッジに要求した。 理念:  非紳士的行為は、その程度によって異なって扱われるべきである。ヘッド・ジャッジが常にその最終的な決定権を持ち、その状況にふさわしい裁定を下すべくこのガイドラインを解釈することができる。 罰則: 非紳士的行為−軽度 すべてのルール適用度 警告 152 非紳士的行為−中度 定義:  中度の非紳士的行為とは、一人または複数のプレイヤーに損害を与え、しかしトーナメントを遅らせはせず、肉体的損害や過度の不快感を与えなかった行為のことである。 例: (A) プレイヤーが何度もジャッジを呼び、対戦相手の取るに足らない見落としを捉えて【ゲームの敗北】にすべきだと主張した。 (B) プレイヤーがスタッフの指示に従わなかった。 理念:  非紳士的行為は、その程度によって異なって扱われるべきである。ヘッド・ジャッジが常にその最終的な決定権を持ち、その状況にふさわしい裁定を下すべくこのガイドラインを解釈することができる。 罰則: 非紳士的行為−中度 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 ゲーム ゲーム マッチ マッチ マッチ 153 非紳士的行為−重度 定義:  重度の非紳士的行為とは、一人または複数人のプレイヤーに損害をもたらし、トーナメントを遅らせ、物理的な喧嘩や過度の不快感を与えた行為のことである。 例: (A) プレイヤーが他のプレイヤーの座ろうとしていたイスを引き、そのプレイヤーを床に倒した。 (B) ジャッジが最終的な裁定を下した後に、しつこく口論を仕掛けてきた。 理念:  非紳士的行為は、その程度によって異なって扱われるべきである。ヘッド・ジャッジが常にその最終的な決定権を持ち、その状況にふさわしい裁定を下すべくこのガイドラインを解釈することができる。 罰則: 非紳士的行為−重度 すべてのルール適用度 受賞資格も失う失格 160 不正行為  この節では、故意によってプレイヤーが大きく有利を得る行為に関する罰則を取り扱う。 161 不正行為−買収行為 定義: あるプレイヤーが対戦相手に投了、引き分け、あるいはマッチの結果を変更することを求めて買収を持ちかけた場合、または、2人のプレイヤーがコイントスやさいころなどの無作為の方法でゲームやマッチの結果を決めようと企てた場合。DCI汎用トーナメント・ルールの25節に、何が買収の構成条件かが詳しく記されている。 例: (A) スイス式のラウンド中に、対戦相手に100ドルを渡して投了してくれるように要請した。 (B) マッチの勝者を決めるために、2人のプレイヤーがさいころを振った。 (C) 引き分けにするために、対戦相手にカードの提供を申し出た。 理念: トーナメントの公正さを失わせる買収行為は、厳しく禁止されている。試合結果を無作為の方法で決定することも、同様に禁止されている。この罰則の厳密な適用のために、DCI汎用トーナメント・ルールの第25節を参照すること。 罰則: 不正行為−買収行為 すべてのルール適用度 受賞資格も失う失格 162 不正行為−遅延行為 定義:  プレイヤーが故意にプレイを遅らせ、時間制限で有利になろうとした場合。故意でない場合は、第141節を参照のこと。 例: (A) 手札に2枚の土地カードを持っていて、ゲームに意味のある行動が取れない場合に数分間かけて行動について考えるふりをした。 理念:  プレイヤーが時間稼ぎをしているのが明らかならば、厳罰が適当である。 罰則: 不正行為−遅延行為 すべてのルール適用度 受賞資格も失う失格 163 不正行為−詐欺行為 定義:  故意にルールや方法、個人情報などを誤って表現した場合。 例: (A) 偽名と偽のDCI番号を使ってトーナメントに参加した。 (B) スタッフにマッチの結果について嘘をついた。 理念:  この種の行動には許す余地はない。 罰則: 不正行為−詐欺行為 すべてのルール適用度 受賞資格も失う失格 164 不正行為−不正一般 定義:  買収行為、遅延行為、詐欺行為のいずれでもない故意の違反行為は、すべてこの罰則で処理される。 例: (A) シャッフル中に対戦相手のデッキを覗き見、対戦相手の不利益になるようにカードを操作した。 (B) デッキのカードに故意に目印をつけ、有利を得るために使った。 (C) 対戦相手の隙をついて、故意に追加のカードを引いた。 理念:  ルールを故意に破るプレイヤーには、厳罰を与えるべきである。 罰則: 不正行為−不正一般 すべてのルール適用度 受賞資格も失う失格 付録 A−罰則一覧表 (C=注意、W=警告、G=ゲーム、M=マッチ、D=失格、DQP=受賞資格も失う失格) 違反                        REL 12345 デッキに関する問題−不正なメインデッキ・リスト     GGMMM デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リストは適正) GGGGG デッキに関する問題−不正なメインデッキ(リスト不使用) GG*** デッキに関する問題−不正なサイドボード・リスト     GGGGG デッキに関する問題−不正なサイドボード(リストは適正) GGGGG デッキに関する問題−不正なサイドボード(リスト不使用) GG*** プレイミス−軽度                    CCCCC プレイミス−中度                    WWWWW プレイミス−重度                    GGGGG プレイミス−サイドボードの戻し損ね           GGGGG プレイミス−遅刻                    WWGGG プレイミス−対戦相手間違い               WWWWW ドローの誤り−過剰にカードを引いた場合         WWGGG ドローの誤り−過剰のカードを見てしまった場合      CCWWW ドローの誤り−ゲーム開始時の不正なドロー        CCWWW ドローの誤り−カードを引き忘れた場合          CCWWW 印のあるカード−軽度                  CCCWW 印のあるカード−重度                  GGMMM 遅いプレイ−プレイが遅い場合              CCWWW 遅いプレイ−ゲーム開始までの時間制限を破った場合    CCCWW 非紳士的行為−軽度                   WWWWW 非紳士的行為−中度                   GGMMM 非紳士的行為−重度                   DQP 不正行為−買収行為                   DQP 不正行為−遅延行為                   DQP 不正行為−詐欺行為                   DQP 不正行為−不正一般                   DQP 注意:ほとんどのDCI認定トーナメントでは、ルール適用レベルは1が望ましい。 付録 B−問い合わせ先 この文書は2002年9月1日から2003年8月31日まで有効である。 この文書の最新版や、DCIトーナメントやジャッジングについての質問などはDCIまでお問い合わせください。 DCIウェブサイト: http://thedci.com/ DCIジャッジサイト: http://www.wizards.com/judge/ 電子メール:dcijudge@wizards.com (DCIジャッジ認定および訓練管理者(英語のみ)) (日本語での問い合わせは、ron.foster@wizards.com まで) Phone:(800) 324-6496(Wizards of the Coast社 ゲーム・サポート:英語のみ)