DCI 汎用トーナメント・ルール 2000-2001年度版 2000年9月1日発行 はじめに  DCI汎用トーナメント・ルールは、プレイヤーの組織であるDCIがサポートする全てのゲームが、世界中の公認トーナメントの公正さと一貫性の維持を補助するためにある。DCI汎用トーナメント・ルールは、それぞれのゲームに関するDCIフロア・ルールに加えて、全てのゲームに適用される。このトーナメント・システムを維持するために、参加者および運営関係者は、ルール自体およびその精神に従ってお互い公正に、そして敬意を払って接しなければならない。DCI汎用トーナメント・ルールまたはそれぞれのゲームのDCIフロア・ルールに違反するプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。 注:このルールにおける用語の定義は、DCI汎用トーナメントルールの付録Bを参照のこと。 1. DCIトーナメントルール概則 2. DCIにサポートされているゲーム  DCI汎用トーナメントルールによってサポートされているゲームは次のとおり。 ・Magic: The GatheringR(マジック:ザ・ギャザリング) ・ポケモン(海外のみ) ・Legend of the Five Rings(国内未発売)  もし上記のゲームのDCIフロア・ルールのセクションを持っていない場合、DCIのインターネットサイト(www.thedci.com)のトーナメントページからダウンロードできる。 3. プレイヤーの資格  下記の条件にあてはまるプレイヤーを除いて、全てのプレイヤーはDCI公認イベントに参加する資格を持つ。 ・記録上のトーナメント主催者(ただし、3ジャッジシステムを使用したイベントを除く。3ジャッジシステムについて《セクション19》を参照) ・記録上のヘッドジャッジおよびその他のジャッジ(例外:《セクション19:3ジャッジシステム》を参照) ・現在DCIによって出場停止処分を受けているプレイヤー・ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社またはハズブロ社の従業員 ・元ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社またはハスブロ社の従業員(ウィザーズ社/ハズブロ社の雇用最終日から3ヶ月が経過するまで) ・ゲームキーパーを含むウィザーズ・オブ・ザ・コーストの小売店従業員は、公認イベント参加規則について雇用者と相談しなければならない ・ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社およびハズブロ社の従業員の家族またはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社およびハズブロ社の従業員と同居している人は、プレミア・イベントまたはプレミア・イベントへの招待が得られるイベントに参加できない。(プレミア・イベントについて、《付録B》を参照) ・北米以外のウィザーズ・オブ・ザ・コースト商品の販売代理店の従業員およびウィザーズ・オブ・ザ・コースト社との業務提携先の従業員は、公認イベント参加規則についてその地域のウィザーズ・オブ・ザ・コースト支社と相談しなければならない ・そのイベントで使用するカードセットのテストプレイを行った人(そのカードセットの公式販売日付1ヶ月が経過するまで) ・ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の基本方針、またはDCIによって特別に参加を禁止されたプレイヤー(例えば、すでに参加資格を得ているプレイヤーは、マジック:ザ・ギャザリング・プロ・ツアー予選トーナメントに参加できない) ・プロ・ツアーのような招待制度のトーナメントは、プレイヤーの参加資格の条件が異なる場合がある 4. トーナメントの必需品  トーナメントに参加するため、プレイヤーは次の道具を持って来なければならない。 ・ゲーム情報を記録するための見やすく信頼できるもの。(トークン、スコアカウンター、ペンと紙など) ・参加者の名前で登録されている正当で固有のDCI番号。 注:新しいプレイヤーは初参加のトーナメントにおいてDCIに登録しなければならない。プレイヤーは、1つだけDCI番号を持つことができる。トーナメント主催者は複数のDCI番号を使っているプレイヤーを報告しなければならない。 ・そのゲームのDCIフロア・ルールやトーナメント主催者によって要求される個々のトーナメント形式に必要な道具。 例:構築形式のトーナメントには、プレイヤーは構築したデッキを持って来る必要がある。 5. 賭博  プレイヤー、またはトーナメント運営関係者は、トーナメントの結果に対して賭けをしてはならない。 6. イベント情報の公開  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、公認トーナメントの映像、ビデオ再現、プレイヤーのデッキの内容などのイベント情報を公表する権利を保有する。トーナメント主催者も同様にイベント情報を公表することができる。 7. 公示文書の更新  DCIは、公認された各ゲームに関するフロア・ルールの明確化や修正などの変更を予告することなく行う権利を保有する。 10. トーナメントにおける責務 11. イベント知識責務  参加者、ジャッジおよび主催者などの公認トーナメントの関係者は、 汎用トーナメントルールの最新版、そしてそのトーナメントのゲームのルールおよびDCIフロア・ルール、他の適用できる規定を理解し、従う責任がある。 12. トーナメント主催者の責務  イベントのトーナメント主催者は、トーナメント運営全体、そしてイベント報告に関して究極的な責務がある。トーナメント主催者の責任は以下のことを含む(ただし、それに限られているわけではない): ・イベントの会場を確保すること ・イベント運営に必要な備品(シールドデッキ戦イベント用の製品など)を用意すること ・すべてのトーナメント結果をそのイベント終了後から1年間保持すること ・勝利者を含むすべてのイベント結果を期限内にDCIに報告すること ・イベントにおいて適切な人(ヘッドジャッジを含む)をスタッフとして配慮すること ・イベントの日程に先立ちそのトーナメントの告知を十分に行うこと 13. プレイヤーの責務  プレイヤーは、DCI、ヘッドジャッジ、そしてその他のトーナメント運営関係者によって提示されたゲームプレイのルール解釈およびガイドラインに従わなければならない。プレイヤーは、いかなるときも敬意に満ち、スポーツマンシップ精神に則った行動をとるように要求される。ヘッドジャッジまたはトーナメント運営関係者に対して口論をするプレイヤーは、DCI汎用ペナルティガイドラインの該当する規定により処罰される。プレイヤーは、対戦相手に与えられるペナルティの適用の撤回を求めることはできない。ジャッジは適正なペナルティが与えられること保証しなければならない。 14. 観戦者の責務  観戦者は対戦の間、静かな状態を維持することを要求されており、そして、対戦が進行している間は、いかなる方法であれプレイヤーとの意志の疎通を許されない。ルール違反に気づいた観戦者は、ジャッジに通知するべきであり、試合進行を妨害してはいけない。プレイヤーは、トーナメント運営関係者以外の人が試合を見ないように要求する権利を持っている。すべてのそのような要求はジャッジを通じて行われなければならない。 15. ジャッジの責務  全てのジャッジには、トーナメントが円滑に進行されるように、公正で公平な判決を下し、そして、ヘッド・ジャッジおよび他のトーナメント運営関係者を支援する責務がある。ジャッジは自分で気がついた、あるいは忠告によってもたらされたあらゆるルール違反(それがDCIフロア・ルールの違反であれ、ゲームのルール違反であれ)を解決するために行動しなければならない。 16. ヘッドジャッジの責務  公式に公認された大会には、争議の裁定、ルール説明、ペナルティの指示、およびその他の公式決定を行なうためにヘッドジャッジが必要になる。ヘッドジャッジは、トーナメント主催者の合意のもとで、ヘッドジャッジの義務の遂行を助け、ヘッドジャッジが要求する業務を行なうための他のジャッジを何人でも指名することができる。ヘッドジャッジは、トーナメントで出された全ての警告をDCIに直接、あるいはトーナメント主催者のイベント報告を通じて報告する責務がある。  ヘッドジャッジとトーナメント主催者は同一人物でもいいし、そうでなくてもよい。あらゆるDCI公認トーナメントにおいて、ヘッドジャッジは最終裁定を下す権限を持つ。(《セクション15:ジャッジの責務》を参照)  ヘッドジャッジがDCI認定ジャッジであることが望ましいが、必ずしも認定ジャッジである必要はない。今の時点では、この認定はマジック・ザ・ギャザリングにだけジャッジを認定するシステムが存在する。マジックの認定ジャッジになりたい、もしくは地元で認定ジャッジを見つけたい場合、DCIジャッジ認定トレーニング管理者(英語のみ)もしくは(国内の連絡先)までお問い合わせください。 17. ヘッドジャッジへの上訴  プレイヤーがジャッジの決定に納得できないのであれば、裁定をヘッドジャッジに上訴することができる。ヘッドジャッジは、他のジャッジの決定を却下する権限がある。状況に応答するジャッジが最初の決定を下す前に、プレイヤーはヘッドジャッジに直接訴えることはできない。ヘッドジャッジの決定は、最終決定である。 18. 長時間の裁定  ジャッジによって裁定を行なうのに1分以上時間がかかった場合、ジャッジは適切な時間、マッチを延長してもよい。追加時間は、即座にジャッジによって明瞭に伝達され、記録されなければならない。 19. 3人ジャッジ制  3人ジャッジ制には下記の制限がある: ・3人ジャッジ制は、最低8名、最大16名の参加者のトーナメントで使うことができる。 ・プレミア・イベントでは3人ジャッジ制を使うことができない。(プレミア・イベントの定義について、付録Bを参照)ただし、フライデー・ナイト・マジックおよびL5R のストーリーライン・イベントでは3人ジャッジ制を使うことができる。 ・3人ジャッジ制は、1対1のトーナメントにのみ使うことができ、マルチ・プレイヤー・イベントでは使えない 。 ・Eloレーティング・システムが使われるゲームにおいて、3人ジャッジ制が使われるイベントのK値は8Kに限られる。 ・3人ジャッジ制を用いる主催者は、トーナメントが始まる前にその使用を発表し、そして3名のジャッジのうちヘッドジャッジ、第2のジャッジ、および第3のジャッジは誰であるかを指名しなければならない。 ・トーナメント主催者は、3人ジャッジ制を使っている時に限り、公認イベントに参加することができ、さらに、そのイベントのジャッジをすることができる。このタイプのイベントは、ジャッジおよびトーナメント主催者が参加することを許される唯一のものである。  3人ジャッジ制を使っているとき、ヘッドジャッジは、ヘッドジャッジが参加しているゲームにおいて裁定が必要とされるときを除く、全ての裁定を行なう。もしヘッドジャッジが参加しているゲームにおいて裁定が必要とされるならば、第2のジャッジが裁定を行う。唯一、第3のジャッジが裁定を行なう場面は、ヘッドジャッジが第2のジャッジと対戦しているときである。 20. トーナメントの機構 21. シャッフル  すべてのシャッフルは、カードの表が見えないように行わなければならない。シャッフルの方法に関係なく、プレイヤーのデッキは、無作為に十分シャッフルされなければならない。プレイヤーがデッキをシャッフルした後、プレイヤーは、追加のシャッフルまたはカットのためにデッキを対戦相手に提示しなければならない。ジャッジの裁量によって、プレイヤーは対戦相手の代わりに、ジャッジにカードをシャッフルさせることを要求することができる。デッキを対戦相手に提示することによって、プレイヤーはデッキが十分に混ぜ合わされていることを明らかにする。  デッキが提示され、受け取った後で、対戦相手のデッキが十分に混ぜ合わされていないと感じたプレイヤーは、ジャッジに連絡しなければならない。ヘッドジャッジは、デッキが十分に混ぜ合わされたかどうかに関して決定する、最終的な権限を持っている。そして、ヘッドジャッジはプレイヤーがデッキを十分に混ぜ合わせるようにしたかどうかを測定する権利を持っている。デッキが十分に混ぜ合わされていないもしくはプレイヤーが十分にデッキを混ぜ合わせようとしなかったとヘッドジャッジが判断した場合、そのプレイヤーはDCI汎用ペナルティガイドラインの該当する規定により処罰される。  DCIは、デッキを充分に無作為化するために相手のデッキを必ずシャッフルすることを推奨する。  対戦相手がプレイヤーのデッキをシャッフルまたはカットする機会を得たあと、デッキは所有者に返される。対戦相手がプレイヤーのデックをシャッフルした場合、そのプレイヤーは最後に1回カットをすることができる。 22. 遅刻  プレイヤーは、各ラウンドが始まるとき、指定の座席に着いていることになっている。ラウンドが始まった後で座席に着いたプレイヤーは、そのゲームのDCIフロア・ルールに記載されている遅刻ペナルティによって処罰される。ラウンドの終わりまでに座席に着くことができなかったプレイヤーは、トーナメントから除外される。  団体戦のイベントで、チームの1人以上のメンバーがラウンドの終わりまでに座席に来なければ、そのチームはトーナメントから自動的に除外される。 23. ゲーム開始前の時間制限  各ゲームの前に、競技者にはデッキをシャッフルし、追加のシャッフル、カットのために対戦相手に提示するための3分間が与えられる。この3分間には、サイドボードの入れ替えが含まれているが、対戦相手のデッキをシャッフルする時間およびマリガン処理(そのゲームのDCIフロア・ルールがマリガンを認めている場合)をする時間を含まない。ゲームが始まる前に、あらゆるマリガン、または対戦相手のデッキのシャッフルは、時間を守って行なわれなければならない。《セクション21》において指定されたシャッフルの要求は、このステップの間適用される。  プレイヤーが故意に制限時間を守らず、時間かせぎをしているとヘッドジャッジが判断した場合、そのプレイヤーはDCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。 24. ゲーム中のシャッフルの時間制限  ゲーム中に発生する全てのシャッフル、およびデッキの中からカードを探す行為は、1分間の時間制限が設けられている。ジャッジがプレイヤーのシャッフル時間が長すぎると判断した場合、そのプレイヤーはDCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。《セクション 21》において指定されたシャッフルの要求は、ここでも適用される。 25. ゲーム、またはマッチの投了  プレイヤーは下記のガイドラインに従って、いつでもゲーム、もしくはマッチを投了することができる。そのゲーム、またはマッチは投了したプレイヤーの敗北として記録される。もしプレイヤーがプレイを拒否した場合、そのマッチを投了したものと見なす。 下記の行為は禁止されている: ・賄賂または収賄、もしくは賞品の分割で投了を導くこと ・コイン投げやサイコロなどの無作為の方法でゲームもしくはマッチの勝者を決めること  こういった不当な行為をするプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。  プレイヤーは、以下にあげた条件の全てを満たしている場合に限り、ゲームやマッチを譲歩してトーナメントの賞品を分けあうことが許される。 ・譲歩して賞品を分けあうことは、トーナメントのシングル・エリミネーション部分の最終戦においてのみ許される(つまり、プレイヤーがその2人しか残っていないということである)。スイス・ドローのみの大会においては、いかなる場合であっても許されない。 ・譲歩して賞品を分けあうことに関する交渉は、ジャッジがいる前で行なわなければならない。 ・譲歩することの代償として認められる賞品の分割は、1位と2位の賞品にのみ関連しなければならない。 ・プレイヤーは、トーナメントの賞品以外の利益を提示してはならない。 例:1位の賞品がブースター1箱であり、2位の賞品が50$であったとする。シングル・エリミネーションの最終戦に残った二人のプレイヤーは、この50$と1箱を任意に分けるということを選択することができる。この決定はジャッジのいる前で行なわねばならない。また、150$を分け合うように合意することは許されない。なぜなら、それは1位と2位の賞品を分け合うという範疇を逸脱しているからである。  プレイヤーは、例えばチームメイトと望むとおりに賞品を分けることができるが、それがゲームやマッチにおいて譲歩することの代償であってはならない。  そのトーナメントに残っているすべてのプレイヤーが認めた場合に限り、発表していたのと違う方法で賞品を分けることができる。そのような賞の再分配に関連して譲歩することがあってはならない。例えば、シングル・エリミネーションに残った8人が、主催者が発表していた方法ではなく1位から8位まで均等に賞品を分けることを決定した場合、賞品分割の代償として譲歩することがない限り、それは認められる。  L5Rストーリーライン・イベントのプレイヤーは、ジャッジの見ている前でキャラクターとして行なう限りにおいて、賄賂を申し出ることができる。 26. イベントからの棄権  イベントから棄権することに決めたプレイヤーは、次のラウンドの座席表が発表される前に記録係に通知しなければならない。記録係が次のラウンドのために対戦組合せ作業を始めた後でトーナメントから去るプレイヤーは、そのラウンドでマッチに負けたものとして扱われ、そのラウンド後のイベントから除外される。 27. 同意による引き分け(Intentional Draw)  プレイヤーは、マッチの結果が提出される前であれば、いつでもお互いの同意によりでマッチの結果を引き分けにしてもよい。これは《セクション41》の違反として扱わない。その申し出が断られた場合、それ以上の強要なくマッチは通常どおり進行されなくてはならない。同意による引き分けは、通常の引き分けと同じように扱われる。例えば、2人のプレイヤーがマジックのスイス式のトーナメントで故意の引き分けにした場合、各々は1点のマッチポイントを受け取ることになる。その他のゲーム特有の情報については、それぞれのゲームのDCIフロア・ルールを参照すること。 28. 記録をとること  下記の情報を除いて、プレイヤーは対戦相手のデッキ、または、行動についてノートをとることを許されない: ・対戦相手の名前そしてその他の適度な個人情報 ・対戦相手のDCI番号 ・どちらのプレイヤーが先攻で、何回マリガンを使ったか ・ゲーム状態を示すもの(マナプールにあるマナ、毒カウンターの数、名誉点(Honor)、ライフポイント、土地をプレイしたかどうか、など) ・経過したターン数 29. 電子機器  ヘッドジャッジもしくはトーナメント主催者は、プレイヤーに電子機器(携帯電話、ポケットベル、ポータブルオーディオユニットなど)の電源を切ることを求めることができる。トーナメントの運営関係者の判断で、電源の入った電子機器を持っているプレイヤーの参加を認めないこともできる。 30. トーナメントにおけるカード状態の規則 31. 使用可能なカード  プレイヤーのデッキの全てのカードは、ゲームのメーカー、またはDCIによって認められている業務提携先によって生産されたものでなければならない。個々のゲームのDCIフロア・ルールは、必要であればその他の情報を含んでいる。 32. カードの解釈  カード解釈に関する最終的な裁定権限はヘッドジャッジが持つ。カードの解釈に関する更に詳細なルールを見るには、そのゲームのDCIフロア・ルールを参照すること。プレイヤーが英語以外のカードまたは印刷ミスのカードを使っていて、間違えやすいテキストやイラストによって有利にゲームをすすめるようにしているとヘッドジャッジが判断した場合、そのプレイヤーは該当するDCI汎用ペナルティ・ガイドラインの規定によって処罰される。 33. カードの位置  プレイヤーは、サイドボード中も含み、カードをプレイの場の高さよりも上に保たなければならない。手札を対戦相手に見せることはDCI汎用トーナメントルールの違反とみなされない。 34. 代用(プロキシ)カード  下記の場合を除いて、代用カードの使用は認められない。 ・カードがプレイによって過度に摩耗する、もしくは進行中の公認トーナメントで損傷した場合、ジャッジはその裁量で代用カードを供給するか、またはプレイを続行する前に全てのカードをスリーブに入れることを要求できる。 ・限定形式のトーナメントのために開かれた製品の中で、何らかの方法でカードの見分けがつくとされた場合、ジャッジはその裁量で代用カードを供給することができる。  プレイヤーは代用カードを制作することはできない。ジャッジが代用カードを製作したら、そのカードはそのプレイヤーのデッキに入れられる。オリジナルのカードは、マッチの間、手近な場所に保持される。代理カードがプレイされたとき、オリジナルのカードと入れ替える。そのオリジナルのカードがプレイヤーのデッキあるいは手札に戻る場合、代わりに代理カードと入れ替える。この置換方法は、対戦相手がプレイされたカードを明確に把握し、混乱を回避することができるようにするものである。  「代用」という用語は、本物のゲームカードではないあらゆるカード、または模造のカードを含む。カードの偽造に対しては、法のもとに可能な限りの訴追が行われる。 35. カード・スリーブ  プレイヤーは、カードにプラスチックのカード・スリーブ、またはその他のプロテクターを使うことができる。プレイヤーがカード・スリーブを使うことにした場合、そのプレイヤーの現在のデッキの全てのカードは、同じスリーブに入れなければならない。スリーブにホログラム、または他のマークがついている場合、マークがカードの表側に見えるようにスリーブに挿入されなければならない。  マッチが始まった後、プレイヤーはジャッジが対戦相手のカード・スリーブを検査することを要求してもよい。ジャッジが、そのプレイヤーのスリーブに目印がついている、摩耗している、あるいはゲーム・プレイやシャッフルの邪魔になると判断した場合、ジャッジはカード・スリーブの使用を認めないことができる。混乱を避けるために、対戦相手の領域にあるカードをスリーブに入れることは許される。 36. カードの角度を変える  特別な効果を表示するためにカードをルールに従って回転させなければならない場合、そのゲームに記されている、90度、または180度にほぼ等しい角度でなければならない。 37. ゲームのマーカー  プレイヤーのデッキがスリーブに入っていない場合、プレイヤーのデッキに入っているカードの裏と同じ模様のカードをトークンやゲームのあらゆる効果を表すマーカーとして使うことができない。デッキはスリーブに入っている場合、マーカーをデッキに使われているスリーブと同じスリーブに入れることができない。  プレイヤーのデッキの上、またはプレイヤーのデッキが見えないようにマーカーを置いてはいけない。ジャッジは、ゲームの状態を混乱させるようなマーカーの使用を認めないことができる。 40. トーナメント規定違反 41. いかさま  いかさまは許されない行為である。ヘッドジャッジは、全てのいかさまの申し立てをよく検討し、プレイヤーが不正な行為をしたと判断した場合、ヘッドジャッジは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインに基づく適切なペナルティを与える。全ての失格者は、後にDCIの再調査を受け、更なるペナルティが与えられる可能性がある。  いかさまは、以下の行為を含む(ただし、それに限られているわけではない): ・外部から助言やコーチを受けること ・シャッフルやカットの途中に相手のカードの表側をみること ・不適切な内容のノートを取ること(《セクション28》を参照) ・ゲームやマッチの結果を改竄するように共謀すること(《セクション28》を参照) ・ルールやカードを誤った内容でプレイすること ・目印のついたカードや目印のついたスリーブを使うこと(《セクション44》参照) ・過剰にカードを引くこと ・デッキから引くカード、あるいは対戦相手の引くカードを操作すること ・時間制限を利用して、ターンを引き伸ばす時間稼ぎを行なうこと ・誤った公開情報を伝えること(ポイント合計、デッキのカード枚数など) 42. スポーツマンシップ精神に反した行為  スポーツマンシップ精神に反した行為は、容認されないし、許されることもない。ジャッジ、プレイヤー、観戦者、およびトーナメント運営関係者は、礼儀正しく、敬意に満ち、スポーツマンシップ精神に則った態度で振舞わなければならない。更に、トーナメント運営関係者に対し、あるいはプレイヤー同士で、不敬を働いたり言い争ったりするプレイヤーや観戦者、トーナメント・運営関係者、または対戦相手を困惑させるプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。そして、更なるDCIの再調査を受けることになる。 43. 遅いプレイ  プレイヤーは、時間を守ってターンを進めなければならない。ゲームの戦略を考え抜くのに妥当な時間を費やすことは認められるが、過度に遅いプレイや時間稼ぎは認められない。プレイヤーがトーナメント中のどの局面であれ、過度に遅くプレイされているとジャッジが判断した場合、そのプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。 44. 目印のついたカード(マークトカード)  カードの表を見なくても何らかの形でカードに見分けがつく場合、そのカードには目印がついているという。これには、キズ、変色、不自然な折れ方などが含まれる。プレイヤーのカードがスリーブに入れてある場合、スリーブもカードの一部と見なされる。よって、 ・透明のスリーブに入れてあるカードの場合、カードに目印がついているかどうか判断するために必ずスリーブとカードの両方がチェックされる。 ・不透明のスリーブに入れてあるカードの場合、カードに目印がついているかどうか判断するために必ずスリーブだけがチェックされる。  プレイヤーのデッキに、裁断ミスにより他のカードとは違う形になっているカードが含まれている場合、それらはすべて目印がついていると見なされる。ただし、デッキ内のすべてのカードが不透明で且つ目印のないスリーブに入れてある場合には目印がついているものとしては扱われない。例えば、Legend of the Five RingsのDCI公式トーナメントにおいて、裁断ミスのHonor Boundのカードは、不透明なスリーブに入っていない限り、目印がついているものとして扱われる。また、マジックのイベントにおいてプレイヤーのデッキにアルファ版のカードが他のセットのカードと混ざって入っている場合もそうである。ただし、デッキ内のすべてのカードがアルファ版のカードである場合は、アルファ版のカードに目印がついているとはみなされないため、不透明のスリーブに入っていなくてもよい。  裁断ミスにより、カードのスリーブがデッキ内の他のスリーブとは違う傷み方をしている場合、そのカード(およびスリーブ)は目印がついていると見なされる。  プレイヤーのデッキ内のカードに目印がついているかどうかを判断する権利は、ヘッドジャッジを持つ。 50. 構築形式トーナメント概則 51. 現行カードの旧版  プレイヤーはそれぞれのゲームに関するDCIフロア・ルールにある構築戦に使用が許可されている現行のカードの旧版を、目印のついたカードとみなされるような特徴を持っていない限り、使ってもよい。(目印のついたカードについては、《セクション44》を参照) 53. 構築形式デッキの登録  ヘッドジャッジ、またはトーナメント主催者は、トーナメントの受付時にプレイヤーにデッキを登録すること、そしてサイドボードの使用が許可されているゲームであればサイドボードをデッキリストに登録することを要求してもよい。デッキ登録は、各デッキの構成を記録する。いったんトーナメントの運営者がプレイヤーのデッキリストを受け取れば、デッキは変更できない。デッキの登録を間違えた場合、ヘッドジャッジはDCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定を適用する。DCIは、トーナメント運営者が各ラウンドに数プレイヤーを適当に選んで、そのプレイヤーが実際に使用しているデッキの内容とそのプレイヤーのデッキリストに登録されている内容が一致されているのを確認するように推奨する。(なお、K値を拡張する際、この確認は義務づけれる。) 60. 限定形式(リミテッド)トーナメント概則  このセクションにおける規則は、シールドデッキ・トーナメント(《セクション65》)、およびドラフト・トーナメント(《セクション70》)を含むすべての限定形式のトーナメントに適用される。 61. 限定デッキの登録  ヘッドジャッジ、またはトーナメント主催者は、プレイヤーが限定形式トーナメントで受け取ったすべてのカードをデッキリストに記録することを要求してもよい。カードが登録された後、プレイが始まる前にデッキの準備をするための制限時間がプレイヤーに与えられる。プレイヤーが受け取ったカードのうち、メインデッキに使用されなかったカードは、サイドボードとなる。DCIは、トーナメント運営者が各ラウンドに数プレイヤーを適当に選んで、そのプレイヤーが実際に使用しているデッキの内容とそのプレイヤーのデッキリストに登録されている内容が一致されているのを確認するように推奨する。(なお、K値を拡張する際、この確認は義務づけれる。) 62. カードの使用−限定形式トーナメント  シールドデッキ・トーナメントにおいてプレイヤーが使用できるカードは、トーナメント運営者から直接受け取ったカードでなければならない。プレイヤーはトーナメントに参加している他のプレイヤーと同種類のトーナメント・デッキおよびブースターパックを同数受け取らなければならない。  限定形式トーナメントにおいては、プレイヤーは実際に受け取ったカード、ドラフトしたカード、そしてトーナメント主催者によって特別に追加供給されたカード(例えば、マジックにおける基本地形カード)のみを使うことができる。プレイヤーは、受け取ったカード、およびドラフトをしたカードを、たとえそれが全く同じカードだとしても、他のカードと交換してはならない。カードが損傷している、もしくは目印のついたカードと考えられる場合、プレイヤーはセクション63−カード、ブースターパックの異常の規定に従わなければならない。 63. カード、ブースターパックの異常  枚数に異常のあるデッキやブースターパックを受け取ったプレイヤーは、それをヘッドジャッジに報告しなければならない。ヘッドジャッジはその判断でデッキやブースターパックを交換することができる。プレイヤーが目印のついたカード(《セクション28》)を受け取った場合、ヘッドジャッジはその判断でカードを交換することができる。(《セクション34−代用カード》を参照。)  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社もトーナメント主催者も、ブースターパック、およびトーナメントデッキの、カードの希少度や出現頻度等の内容について一切保証しない。 64. 早期の退席  限定形式トーナメントのプレイヤーが未開封の製品を受け取ったならば、最初のマッチの前にイベントを棄権することはできない。この規則に違反した参加者は、公式のトーナメントの記録上ではマッチの敗北になり、(その対戦相手がマッチの勝利を得る)トーナメントから除外される。 65. シールドデッキ・トーナメント概則  DCIにサポートされるゲームの全てにシールドデッキ・トーナメントがあるとは限らない。詳細はそれぞれのゲームに関するDCIフロア・ルールの限定形式トーナメント・セクションで確認すること。 66. デッキ構築  トーナメントプレイが始まる前に、各プレイヤーは各種の未開封の製品を受け取る。もしデッキ登録が必要であれば、20分間のデッキ登録時間が与えられる。その後、各プレイヤーはそのゲームのDCIフロア・ルールが必要とするシールドデッキの枚数が満たされるトーナメントデッキを作成する。プレイヤーにはイベントが始まる前に30分のデッキ構築時間が与えられる。  ヘッドジャッジ、またはトーナメント主催者は、プレイヤーにメインデッキ、サイドボードに使用するすべてのカードをデッキリストに記録することを要求してもよい。メインデッキでプレイされているカードを正確に記録できなかった場合、そのプレイヤーはDCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。 67. シールドデッキの交換  シールドデッキイベントでは、参加者はシールドデッキの交換を要求されることがある。シールドデッキの交換をすると、プレイヤーはイベントで最初に受け取ったデッキでプレイしない。その代りに、まずイベントに参加する全てのプレイヤーはデッキ登録用紙とともに未開封の製品が配られる。プレイヤーは、デッキを開封し、デッキ登録用紙に内容を記録する。この過程は、「デッキ登録」と呼ばれ、20分の時間が与えられる。その後トーナメント運営者は、シールドデッキとデッキ登録用紙を集める。次に、デッキの内10〜20パーセントは、記録したプレイヤーに返される。残りのデッキは、デッキを持たない全てのプレイヤーに無作為に配られる。このとき記録したプレイヤーと受け取るプレイヤーが同じでも全く問題はない。この全過程は、「シールドデッキの交換」と呼ばれる。その後、プレイヤーはこのとき受け取ったカードでデッキを構築する。 70. ドラフト・トーナメント概則  DCIにサポートされた全てのゲームに、ドラフト・トーナメントがあるとは限らない。詳細はそれぞれのゲームに関するDCIフロア・ルールの限定形式トーナメント・セクションで確認すること。 71. プレイヤーの配置  プレイヤーは、トーナメント主催者およびヘッドジャッジの指示に従い、おおむね同じ人数のポッドと呼ばれる集団に無作為に集められる。その後、トーナメント運営者は、等しい数のブースターパックをポッド内の各プレイヤーに配分する。  プレイヤーは、同じポッド内のプレイヤーとのみ対戦する。  プレイヤーはドラフトの間、他の人に話しかけるなど、コミュニケーションをとってはならない。プレイヤーがカードをドラフトしたとき、それらのカードを自分の前に1つの山に整然と置かなければならない。ドラフトされたカードは、各パックのドラフトとドラフトの間の時間にだけ確認することができる。 72. ドラフトカードの選択  トーナメントが始まる前に、ヘッドジャッジはプレイヤーがカードを選ぶのに使える時間を告知しなければならない。プレイヤーが与えられた時間内にカードを選ぶことができなかった場合、ポッドのジャッジはそのプレイヤーが選んでいたパックの中から無作為に選んでプレイヤーに与える。 73. デッキ構築  ドラフトが終了すると、プレイヤーにはドラフトしたカードでデッキを構築するため、30 分の構築時間が与えられる。デッキは、そのゲームのDCIフロア・ルールが必要とするシールドデッキの枚数が満たされるトーナメントデッキを作成する。 ヘッドジャッジ、またはトーナメント主催者は、プレイヤーにドラフトした全てのカードと、デッキに使用する全てのカードをデッキリストに記録することを要求してもよい。 74. ブースタードラフトの手順  トーナメント運営者からの合図で、各プレイヤーは指定されたブースターパックを開き、カードを数える。プレイヤーのブースターパックに適切な枚数のカードが入っていない場合、プレイヤーは即座にジャッジに通告しなければならない。適切な枚数のカードが入っていないパックは交換される。プレイヤーは、ブースターパックの中から1枚のカードを選び、残っているカードを裏向きにして左側のプレイヤーに渡す。開封されたパックは、全てのカードがドラフトされるまでポッド内でそれぞれのプレイヤーが1枚ずつを取りながら回される。プレイヤーがパックからカードを取った場合、選んだものとみなされ、パックにもどすことはできない。プレイヤーは、選んだカードや今手に持っているパックのなかにあるカードを他のドラフトの参加者に見せてはならない。そして、プレイヤーは、他のドラフトの参加者に自分が選んだカードや選んで欲しいカードについての合図を示してはならない。  各プレイヤーが最初のパックをドラフトした後、トーナメント運営者はプレイヤーに次の指定されたパックを開くように指示する。次のパックは、逆方向に回すことを除いて1パック目と同様にドラフトする。全てのブースターパックの全カードがドラフトされるまで、この過程は繰り返される。例えば、ポケモン:ジャングルカード5パックでドラフトをする場合、第1、第3、および第5のパックは、時計周りにドラフトされ、第2と第4のパックは、反時計周りでドラフトされる。  複数の異なるカードセットでドラフトをする場合は、発売された順番にドラフトする。例えば、ウルザズ・サーガ、ウルザズ・レガシー、ウルザズ・デスティニーでドラフトをする場合、時計回りにドラフトされる最初のパックは、ウルザズ・サーガであり、反時計回りにドラフトされる第2パックは、ウルザズ・レガシーであり、時計回りにドラフトされる第3パックは、ウルザズ・デスティニーである。 75. ロチェスタードラフト規則  プレイヤーがカードに手を触れてドラフト選択を示したら、他のカードを選ぶことはできない。  トーナメントが始まる前に、ヘッドジャッジはプレイヤーがカードを選ぶのに使える時間を告知しなければならない。プレイヤーが与えられた時間内にカードを選択することができなかった場合、ポッドのジャッジはブースターから残っている「最も早くテーブルに置かれた」カードをプレイヤーに与える。 例:ポッドのジャッジは、ブースターパックのカードを配置する。それらのカードは、出た順番(1をテーブルに置かれた最初のカード、15をテーブルに置かれた最後のカードとすると、1-15)に配置する。プレイヤーが時間内にドラフトをできなかった場合、ポッドのジャッジがテーブル上のカードを見て、一番最初にテーブルに置かれたカードをプレイヤーに与えられる。既に最初のカードがドラフトされていた場合、テーブルに置かれた第2のカードが与えられる、以下、第3、第4と続く。  ロチェスタードラフトの間、プレイヤーは最も新しくドラフトしたカードを常に表向きに表示していなければならない。パックから全てのカードがドラフトされると、プレイヤーはそのパックのカードを他の場所へ動かしてもよい。 76. ドラフトテーブルの準備  ドラフトテーブルがセットされる前に、それぞれのブースターパックはそれぞれのグループ内の参加者数と同じ数ずつのグループに分けられる。もしドラフトが複数の異なるカードセットで行なわれる場合、各グループが同じカードセットのパックで構成されなければならない。  ドラフトする各パックの準備として、ポッドのジャッジは1つのブースターパックの中身を全てテーブル上に表向きに配置する。このときアクティブ・プレイヤー(《セクション77:ロチェスタードラフト−アクティブ・プレイヤー・ローテーション》を参照)の方にカードを向ける。ドラフトが始まるまでプレイヤーはカードを20秒間見ることができる。 77. ロチェスタードラフト−アクティブ・プレイヤ・ローテーション  テーブルに配置されたカードを最初にドラフトするプレイヤーはアクティブ・プレイヤーと呼ばれる。最初のアクティブ・プレイヤーは、ジャッジによって第1座席に配置されたプレイヤーである。各ドラフトポッド内の全プレイヤーは、各ブースターパック・グループにつき1度アクティブ・プレイヤーを務める(《セクション76:ロチェスタードラフトテーブルの準備》を参照)。アクティブ・プレイヤーは、以下のようにプレイヤー間で移動する: ・アクティブ・プレイヤーのローテーションは最初の種類のブースターパックでは最初にドラフトするプレイヤーから始まり、時計回りに進む。 ・2種類めのブースターパックでは、最初のブースターパックで最後にドラフトを始めたプレイヤーから始まり、反時計回りに進む。 ・そして、3種類めのブースターパックでは、時計回りに戻り、再び最初にドラフトを開始したプレイヤーからドラフトをする。 78. ドラフトの順番  ドラフトの順番は「U」の形に進む。アクティブ・プレイヤーから始まり、ドラフトをまだしていないプレイヤーに回っていく。ポッド内の最後のプレイヤーは、1枚ではなく2枚のカードを選択する。その後逆回りにそのパックで最初にドラフトを始めた人に向かってドラフトを進める。全てのカードがドラフトされるか、各プレイヤーがそのブースターパックから2枚のカードをドラフトし終えた場合(どちらかの条件が先に満たされた場合)、テーブルジャッジはドラフトエリアを片付け、次のブースターパックドラフトの準備をする。 例その1:8人のプレイヤーがテーブルに座る場合。プレイヤーは時計回りに1-2-3-4-5-6-7-8の番号がつけられている。アクティブ・プレイヤーは、プレイヤー1である。プレイヤー1の最初のブースターパックが開封され、プレイヤー1の前に表向きに配置される。20秒間カードを見た後で、以下の順番でドラフトを進める: プレイヤー1−カード1 プレイヤー2−カード2 プレイヤー3−カード3 プレイヤー4−カード4 プレイヤー5−カード5 プレイヤー6−カード6 プレイヤー7−カード7 プレイヤー8−カード8 プレイヤー8−カード9 プレイヤー7−カード10 プレイヤー6−カード11 プレイヤー5−カード12 プレイヤー4−カード13 プレイヤー3−カード14 プレイヤー2−カード15 次に開封されるパックはプレイヤー2の最初のブースターである。 例その2:7人のプレイヤーがテーブルに座る場合。プレイヤーは時計回りの1-2-3-4-5-6-7の番号がつけられている。アクティブ・プレイヤーは、プレイヤー1である。プレイヤー1の最初のブースターパックが開封され、プレイヤー1の前に表向きに配置される。20秒間カードを見た後で、以下の順番でドラフトをする: プレイヤー1−カード1 プレイヤー2−カード2 プレイヤー3−カード3 プレイヤー4−カード4 プレイヤー5−カード5 プレイヤー6−カード6 プレイヤー7−カード7 プレイヤー7−カード8 プレイヤー6−カード9 プレイヤー5−カード10 プレイヤー4−カード11 プレイヤー3−カード12 プレイヤー2−カード13 プレイヤー1−カード14  カード15はドラフトから取り除かれる。  次に開封されるパックはプレイヤー2の最初のブースターである。 80. DCI公認規則  DCI公認イベントを開催するトーナメント主催者は、このセクションの規則に従わなければならない。DCIは、いつでもあらゆるイベントの公認を取り消す権利を持っている。 81. 公認申請の締切り  公認イベントの承認を得るためには、トーナメント主催者はイベントの1ヶ月前にDCIに公認を申し込まなければならない。 82. 参加者の下限  レーティング、ランキングが設定されているイベントには最低限必要な参加者を要求する。最小限は、以下のとおりである: マジック:ザ・ギャザリング 1つのイベントに、最低8名のプレイヤーの参加が必要 1つの団体戦イベントに、最低4チームの参加が必要 マジック:ザ・ギャザリング以外のDCI公認ゲームでは、主催者が3人ジャッジ制(《セクション19》)を使っていない限り、最低4人の参加者が必要である。 90. イベント報告の規則  期限を守って提出される正確なイベント報告は、正確な最新のDCIレーティングの根幹をなすものである。トーナメント主催者は、イベントのレポートを行なうとき、このセクションの規則に従わなければならない。 91. 主催者の記録  トーナメント主催者は、運営した過去1年間のDCI公認イベントの全てのトーナメントレポートの記録を取っておくことを要求される。イベント結果が紛失した場合、これらの記録はバックアップとして使うことができる。 92. イベント報告提出期限  イベント報告のDCIへの提出期限は、トーナメントの結果が出た後8日以内である。8日以内にDCIに提出されないトーナメントレポートは遅刻として扱われ、イベントの14日後、DCIトーナメント・データベースに「未受」(Not Received)として記載される。 93. 義務不履行のトーナメント  15日以内にDCIに制出されていないイベント報告はDCIトーナメント・データベースに「義務不履行」(Delinquent)として記録される。義務不履行のトーナメントのあるトーナメント開催者は、新たなトーナメントを開催できなくなる可能性がある。 94. 無効のトーナメント  無効になったイベントのプレイヤーのマッチ記録は、DCIレーティングおよびランキングに反映されない。  DCIは、いかなる理由においても、あらゆる公認されたトーナメントの報告された結果を無効とする権利を持っている。しかし通常トーナメントの結果が無効とされるのは、虚偽の、または誤った結果が報告された時のみである。さらに、DCIはトーナメント終了後30日以内に提出されないイベント報告を無効とする権利も有する。 95. イベントの最新情報  トーナメント主催者、およびプレイヤーは、イベントの報告状況をDCIのインターネットサイト、www.thedci.comにて確認できる。さらに、DCIは定期的最新情報を主催者に送り、公認されたトーナメントの状態を通知する。ある主催者の主催したイベントが記録上に 「義務不履行」もしくは「無効」と2ヶ月間表示されている場合、DCIはその主催者の結果報告履歴を調査し、しかるべき公認申請のペナルティを与える。  DCIは情状酌量の余地のある状況によって個々の基準によりペナルティを調節する権利と、この方針を通告なしで変える権利を持つ。 96. DCI番号を持つ義務  公認されたトーナメントに参加する前に、全てのトーナメント参加者にはDCI会員番号を発行されなければならない。暫定の会員番号、プレイヤー名、および入賞者の結果報告は、DCIレーティングには関係しない。会員カードはDCIにファックスで送ることはできない。 97. トーナメントレポート、および、イベント招待リスト  プレミアイベントの招待選手やバイリストを作成するためのレーティング計算をするために、トーナメントレポートは指定されたレーティング提出期限、およびDCIのインターネットサイトwww.thedci.com上のスケジュールに従って提出されなければならない。 付録A−DCIレーティングおよびランキングシステム Eloレーティングシステム DCIは、以下のゲームに Eloレーティングを設定する: ・マジック:ザ・ギャザリング ・ポケモン  Eloレーティングシステムでは、プレイヤーのマッチ記録と対戦相手のマッチ記録を比較し、プレイヤーがマッチを獲得する確率を決定する。この確率は、各マッチの結果に基づいてプレイヤーのレーティングが何ポイント上下するかを決定する要素になる。プレイヤーは低いレーティングを持つ対戦相手に勝つだろうと推定されるので、プレイヤーがより高いレーティングの対戦相手に勝った場合、プレイヤーのレーティングはより低いレーティングのプレイヤーに勝ったときより大きく上がる。全ての新しいプレイヤーのレーティングは、1600の基本レーティングから始まる。DCIは、各マッチのプレイヤーの勝利比率を決定するために次の方程式を使う: 勝利確率=1/(10^((対戦相手のレーティング − プレイヤーのレーティング)/400) + 1)  この確率は、マッチの後で各プレイヤーのレーティングを再計算するために使われる。下の方程式において、プレイヤーがマッチに勝った場合、1ポイントを、負けた場合は0ポイントを、そして引き分けの場合は0.5ポイントを得る。プレイヤーの新しいレーティングは、以下のとおりに決定される: プレイヤーの更新後のレーティング=プレイヤーの更新前のレーティング+(K値×(得たポイント − プレイヤーの勝利確率))  全てのプレイヤーについて、最初のマッチから順を追ってレーティングを計算する。  DCIはある地理的地域(大陸、国、州、都市、等)のプレイヤーをEloレーティングに基づいて順位づけ、各地域のトッププレイヤーを決定する。 ポイント−累算ランキング 以下のゲームは、ポイント累算ランキングを用いている: ・Legend of the Five Rings  プレイヤーは、上に挙げられたゲームのDCI公認トーナメントに参加することによってランキングポイントを蓄積する。各プレイヤーが各イベントで受け取るポイントの数は、2つの要素によって成り立つ。それは、イベントでDCI番号を使うプレイヤーの数、そしてイベントにおけるプレイヤーの最終順位である。プレイヤーは、それから以下の2つのランキングを得る。 ・全てのポイントを計算した生涯ランキング ・プレイヤー個人の過去12ヶ月の最終成績のベスト6を示すランキング  上記の各々のゲームのランキングとは別に、DCIはプレイヤーが参加している各DCI公認イベントのために生涯ランキングを設定している。 例:普段はLion ClanデッキをプレイするLegend of Five RingsプレイヤーがPhoenix Clanデッキに挑戦すると決める。このプレイヤーのLion Clanランキングは、Phoenix Clanランキングとは独立しているが、このプレイヤーの2つのClanでの成績はLegend of Five Rings全体のランキングに含まれる。 付録B−用語の定義 アンティカード(Ante Card):カードのルールテキストに「アンティ」に関する記述のある全てのカード。これらのカードは、アンティとして賭けられたカードを奪い合うことに関連するルール的機能を有する。アンティカードは、マジック・ザ・ギャザリングの絶版セットに含まれる。 禁止カード(Banned Card):そのフォーマットにおける、DCIが定めた使用できないカード。例えば、《Channel/チャネル》は、DCI公式認定のタイプ1トーナメントにおいては禁止カードに指定されている。これは、チャンネルをタイプ1構築戦トーナメントに使用するデッキに、一切入れてはいけないことを意味する。 構築形式(Constructed):プレイヤーが自分の使用するデッキをトーナメントに持参するトーナメント形式。構築形式のデッキは、それぞれのフォーマットに従い、プレイヤーは、自分の持っているカードの中から選んでデッキを組む。 カット(Cutting):一度だけ、カードの内容を見ずにデッキから一部のカードを取り出し、それを残りの部分の上に置くこと。カットを2回以上行なった場合、シャッフルであると見なされる。 DCI:ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のトレーディングカードゲームのトーナメント環境の発展・維持をすることを専門の業務とする組織。かつては Duelists' Convocation Internationalの頭文字を取った略号であったが、いまは正式の組織名はDCIである。 K値拡張トーナメント(Enhanced-K Tournament):Eloレーティング方式 (付録Aを参照)を使うゲームのトーナメントにおいて、主催責任者はK値拡張規定表より該当するK値を設定することで、マッチ結果により増減する、プレイヤーのレーティングの増減幅を増やす、もしくは制限することができる。トーナメントは、拡張されたK値にするためには、定められた基準を満たさなければならない。 ゲームの開始(Game Begins):全てのプレイヤーがデッキをシャッフルし、カットしてもらうためにデッキを対立相手に提示した時点でゲームが開始したと見なされる。 ヘッドジャッジ裁定(Head Judge Determines):ヘッドジャッジの意見に基づいた決定。 K値(K-Value):Eloレーティング方式(《付録A》を参照)を使用しているトーナメントにおいて、1マッチにつき上下にするレーティングポイントの最大数。 リミテッド/限定形式(Limited):プレイヤーがトーナメントにおいて使用するデッキを、ドラフトで入手したカード、もしくはパックを開封して入手したカードを用いて構築するトーナメント形式。主な限定戦形式は、シールドデッキ、ブースタドラフト、およびロチェスタードラフトの三種類である。 メインデッキ(Main Deck):プレイヤーがマッチの開始時に対戦相手に提示するデッキ。 マッチ(Match):勝敗を決定するために2名のプレイヤーで行なわれるの一連のゲーム。通常、マッチの勝者は3ゲーム中2ゲームを勝利することで決定する。詳細はそれぞれのゲームのDCIフロア・ルールを参照。 マッチの開始(Match Begins):トーナメント運営者がマッチのスタートを宣言した時点で、マッチは開始されたと見なされる。 プレミアイベント(Premier Events):ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が選んだトーナメント主催者に限定して、もしくは特定の選ばれたグループやプレイヤー(例えば招待基準に従って)に対してのみ開催するあらゆるイベント。プレミアイベントには以下に記すものを含むが、これらに限ったものではない:世界選手権、大陸選手権、全国選手権、地方選手権、州選手権、プロツアー、プロツアー予選、グランプリ、ジュニアスーパーシリーズ選手権、ジュニアスーパーシリーズチャレンジトーナメント、ストーリーライントーナメント、フライディナイトマジックのイベント、プレリリーストーナメント。詳細はそれぞれのゲームのDCIフロア・ルールを参照。 プロモカード(Promo Card):特定のカードセットとは別に配布された、製造元が製作したプレイ可能のカードを意味する。 代用カード(Proxy):競技の間に使用した他のカードを表しているカード、または偽造されたあるいはそのゲームの製造元によって作られたもではないカードを意味する。プロキシーカードともいう。 公開情報(Public Information):マッチにおいて全てのプレイヤーが知ることができる情報。参加者がゲームのルール上、トーナメント運営者および対戦相手と共有すべき数値やカードテキスト等の情報を示す。例えば、ほとんどのゲームにおいて、プレイヤーの手札の数は公開情報である。 レーティング(Rating):公認されたトーナメントにおいてプレイヤーの過去の成績を表す、DCIによって発行された数値。 ランキング(Ranking):プレイヤーが入っているグループでの位置づけを表すプレイヤーのDCIレーティングに基づく値。例えば、プレイヤーがドイツのハンブルク市では1位でも、ヨーロッパの全体では85位という順位になることがありうる。 制限カード(Restricted card):DCI指定のトーナメント形式におけるデッキにつき使用が1枚に制限されるカード。例えば、Black Lotus(絶版)は、DCI公認のマジック:ザ・ギャザリングのタイプ1トーナメントにおいて制限されている。これは、タイプ1形式のデッキ1つにつき1枚のBlack Lotusしか入れることを許されないことを意味する。 ラウンド(Round):マッチプレーが行われる時限。 ラウンドの開始(Round Begins):ヘッドジャッジ、またはトーナメント主催者が全てのプレイヤーに対し着席し、マッチプレイに備えるように告知された時間を意味する。 記録係(Scorekeeper):記録係は、以下の責任を持つトーナメント運営者である:全てのマッチおよびゲームの結果の記録、プレイヤーの座席の製作、マッチ・ゲーム結果の報告の正確性の保証、プレイヤーのイベントからの棄権の処理、等である。ヘッドジャッジ、トーナメント主催者のようなトーナメント運営者もまたイベントの記録係を務めることがある。 シングルエリミネーション/勝ち残り戦(Single Elimination):プレイヤーが1つのマッチに負けた時点でトーナメントから除外されるトーナメント形式である。この形式において、トーナメントの最終ラウンドに全勝者2人が対戦できるように、1ラウンド目にバイ(不戦勝)を与える必要があることもある。 スイスのラウンド(Swiss Rounds):プレイヤーがトーナメントの全てのラウンドに参加することを可能にする競技形式。いくつかのトーナメントにおいて、シングルエリミネーションによる決勝ラウンドは、スイスのラウンドの後に行われる。 トーナメント開始(Tournament Begins):登録が締切られた時に、トーナメントは開始したと見なされる。 トーナメント運営者(Tournament Official):トーナメントを運営する権限が与えられているあらゆる人。これは以下の人(その全てではないが)を含む:トーナメント主催者、記録係、その他の記録スタッフ、ヘッドジャッジ、その他全てのジャッジ。(《セクション10》を参照)