カードをデッキから大きく動かし、ただし手札にある他のカードと触れていない場合、過剰のカードを見たものとして扱う。これには、手を滑らせた場合も、誤って手札に入れそうになってその前に止めた場合も含まれる。カードが手札に入れられたり、あるいはライブラリーからカードを動かした後で何かゲーム上意味のある行動を取った場合、罰則は「過剰のカードを引いてしまった」に移行する。
カードを裏向きのまま(表を見ずに)テーブル上に並べ、カードの枚数を数える行為は「カードを見てしまった」としては扱わない。
この罰則は一連の行動で複数枚過剰に見てしまった場合にも1度だけ適用される。
(A) 対戦相手のデッキをシャッフルするときにひっくり返してしまった。
(B) デッキからカードを引く時に、次のカードを表向きにしてしまった。
(C) 対戦相手にデッキを手渡す時に、その一番下のカードを見てしまった。
(D) 対戦相手のデッキからカードを引いてしまった。
(E) 場になくなっている《師範の占い独楽》で3枚のカードを見てしまった。
過剰のカードを見てしまうことはよくあることなので、罰則は、過剰のカードを引いた場合に比べて厳しくない。過剰のカードを引いた場合はそれを悪用する可能性が大きいので、別の、より厳しい罰則が定義されている。
該当する罰に加えて、状況は必ず正されなければならない。プレイヤーは、自分のデッキの無作為である部分(既に見たカードであっても、それがどこにあるか判らなければ無作為であるとする)を切り直す。無作為でない部分、つまり、ライブラリーの一番上や一番下に置かれたカードを別に取り分け、それ以外の部分を切り直してから、操作されたカードを元のままに戻すこと。
この罰則を、不要なカードをライブラリの中に戻し、「自由に切り直す」ために用いることは認められない。そのような行為は「不正行為−詐欺行為」として扱われ、それなりの罰を受けることになる。
罰則に関して、2つの変更が加えられた。「過剰のカードを見てしまった」と「過剰のカードを引いてしまった」の区別がはっきりしたことと、ジャッジが状況をどう立て直すべきかということである。罰則の重さ自体は今までと変わらない。
新しい見解では、カードが手札の他のカードに触れた時点で「カードを引いた」として扱う。両方のプレイヤーが、どのカードが問題のカードであるか区別できたとしても、やはり悪用の可能性が高まっていることから言っても罰則を格上げすべきである。その時点までは、カードは容易に区別でき、また状況を元に戻すことも可能である。カードを引く前の手札が空だった場合、カードを引いた後かどうかの判断はジャッジに委ねられる。両手を揃えたなら、それは間違いなくカードを引いたということになるだろう。
今までのルールでは、罰を与えたときに状況を立て直すために、そのカードを両方のプレイヤーに見せ、その後で本来あるべき場所に戻すという方法を用いてきた。この方法の問題点は、その情報によって有利不利が発生し、ゲームの結果に影響を及ぼしうるということである。デッキを切り直すことによって、ゲームの状態はカードが公開される前の状態に戻ることになる、
切り直す前に、ライブラリーに「適正に知りえた」カードがないかどうか注意すること。両方のプレイヤーに、そのことについて確認し、墓地やゲーム外、場にある、《渦まく知識》や占術能力のあるカードなどのデッキ操作系カードを確認すること。《師範の占い独楽》で3枚をライブラリーの下に送っていることもあり得るので、両方のプレイヤーに確認して見落としがないようにしなければならない。
この罰則を、イカサマの手段に使うことを許してはならない。デッキは常に無作為化されているので、公開されてしまったカードをデッキに入れて切り直すことはほとんど影響がないはずである。この切り直しのために、適当なだけの時間を延長することを考えるべきである。