::オラクル変更点 イーライ・シフリン/Eli Shiffrin / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru >[https://magic.wizards.com/sites/mtg/files/styles/auth_small/public/images/person/authorpic_Eli-Shiffrin.jpg] 2019年9月27日 >原文はこちら <> :《潜伏工作員、ザンチャ/Xantcha, Sleeper Agent》[C18](機能変化) = ああ、いえ、ザンチャはやっぱり奇妙ではあります。ただ、どんな奇妙さかが変わっただけです。コレまでは、《潜伏工作員、ザンチャ》の入場置換効果は、単にプレイヤーのコントロール下で戦場に出るのではなくコントロール変更効果を生成していました。そこで、機能的に違いを持つ新しい文章で《囚われの聴衆》が登場しました。終わることがありうる「コントロールを得る」効果が存在しないので、《潜伏工作員、ザンチャ》や《囚われの聴衆》をコントロールして言うrプレイヤーがゲームに敗北した場合、《囚われの聴衆》は追放され《潜伏工作員、ザンチャ》は本来のコントローラーの元に戻ります。 《繁栄のペンダント》の登場後、2枚が同じ文章を使うようになったので、《潜伏工作員、ザンチャ》も反抗するのを止めて従うべきだと決めました。物語のファンの皆さんは、《潜伏工作員、ザンチャ》が体制に従うなんておかしいとお思いでしょうが、しばしばゲームプレイは物語より重視されるのです。 《潜伏工作員、ザンチャ》旧テキスト: << As Xantcha, Sleeper Agent enters the battlefield, an opponent of your choice gains control of it. Xantcha attacks each combat if able and can't attack its owner or planeswalkers its owner controls. 3: Xantcha's controller loses 2 life and you draw a card. Any player may activate this ability. >> 新テキスト: << Xantcha, Sleeper Agent enters the battlefield under the control of an opponent of your choice. Xantcha attacks each combat if able and can't attack its owner or planeswalkers its owner controls. 3: Xantcha's controller loses 2 life and you draw a card.Any player may activate this ability. >> 訳文: << 潜伏工作員、ザンチャは 潜伏工作員、ザンチャは、あなたが選んだ対戦相手1人のコントロール下で戦場に出る。 潜伏工作員、ザンチャは可能なら各戦闘で攻撃する。これはオーナーやオーナーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃できない。 {3}:潜伏工作員、ザンチャのコントローラーは2点のライフを失い、あなたはカードを1枚引く。この能力はどのプレイヤーも起動できる。 >> -------- :ノブレス・オブリージュ(機能変化) 新しいくりーちゃー・たいぷが追加されました!農民、彫像、ハツカネズミ、邪術師、貴族です。 この中で、過去のクリーチャーに適用されるのは2種類だけです。邪術師になるクリーチャーは1体(《戦慄の魔術使い》……英語名を見ればわかりますね)。 農民やハツカネズミになるクリーチャーはいません。彫像は《悲運な職工》専用にしたかったので、彫像になりうるクリーチャーは、なりませんでした。多相は定義上彫像ですが、それをタイプ行に書くつもりはありません。 貴族は、大変更です。ダグ・ベイアー/Doug Beyerはマジックに存在する貴族について深く考え、他の「仕事」や「階級」であるクリーチャー・タイプを持たないクリーチャー、つまりこれまで何もしていなかった王族にだけこのクリーチャー・タイプを与えることにしました。《キイェルドーの王、ダリアン》や《オレスコスの王、ブリマーズ》はそれぞれ自分の立場で働いているので、貴族にはなりません。《ゴブリンの王》や《スリヴァーの女王》や《束縛の皇子》など、貴族階級でないものは貴族・タイプは得ません。 《カルテルの貴種》は特別な例外です。オルゾフの貴種は、クリエイティブ的に、称号のある貴族というよりも成り上がりの富豪です。貴族にすることも正当化できたでしょうが、そうしないことに決めました。 もう1つ特別なのが《吸血鬼の貴族》です。ダグは検討の結果、この反抗的な世継ぎという特徴はならず者に加えて貴族というクリーチャー・タイプを得るべきだと判断しました。 これらのルールはこの訂正を適用するにあたってのことです。今後の貴族は複数の職業を持っていたり気まぐれでついたりしますが、それはカードに印刷されています。 新しい貴族は20枚あります。 ・《セファリッドの皇帝アボシャン》 セファリッド → セファリッド・貴族 ・《Baron Sengir》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《永遠王、ブレイゴ》 スピリット → スピリット・貴族 ・《セファリッドの貴族》 セファリッド → セファリッド・貴族 ・《女帝ガリーナ》 マーフォーク → マーフォーク・貴族 ・《Faerie Noble》 フェアリー → フェアリー・貴族 ・《ファルケンラスの貴種》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《ファルケンラスの貴族》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《疫病の女王、ガルザ・ゾル》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《威圧する君主》 人間 → 人間・貴族 ・《甘やかす貴種》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《黄金の呪いのマカール王》 人間 → 人間・貴族 ・《King Suleiman》 人間 → 人間・貴族 ・《セファリッドの女帝ラワン》 セファリッド → セファリッド・貴族 ・《マーフォークの君主》 マーフォーク → マーフォーク・貴族 ・《スプライトの貴族》 フェアリー → フェアリー・貴族 ・《流城の貴族》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《吸血鬼の貴族》 吸血鬼・ならず者 → 吸血鬼・貴族・ならず者 ・《吸血貴族》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ・《吸血鬼の君主》 吸血鬼 → 吸血鬼・貴族 ------- :対象の数は(機能変化) 《Dwarven Song》などの『レジェンド』のカードは、長かった文章が単純な文に変更されています。しかし、その中で、少しだけ変化がありました。「1体以上」を対象にしていたのが「望む数の」クリーチャーを対象にするようになっていたのです。印刷された文章の数え方に合わせて、1体以上に改めます。 = :《Dwarven Song》旧テキスト: << Any number of target creatures become red until end of turn. >> 新テキスト: << One or more target creatures become red until end of turn. >> 訳文: << クリーチャー1体以上を対象とする。ターン終了時まで、それらは赤になる。 >> --------- ::《〈大演算器〉/The Grand Calcutron》(機能変化) = これはこれまででもっとも奇妙なオラクル変更の1つです。〈大演算器〉は、銀枠統率者デッキで小型装置団の統率者としてプレイできるように意図されていました。文章欄を見ると、印刷されたカードには「大演算器は統率者として使用できる。」と書くスペースはありません。最初の解決策はGathererの裁定欄にそう書くことでしたが、それはGathererの裁定に求めていたものよりも恣意的なものでした。そこで、黒枠カードでは決してしないことですが、銀枠なので、この能力をオラクルで書き足し、裁定によって強化されるようなことがないようにしました。小型装置団なので強化するほうがふさわしかったかもしれませんが。………… 強調しておきますが、これは黒枠のマジックでするようなことではありません。これはカードの文章への強烈な変更であることを認識していますが、それでもなお、このカードができて以来ずっと「統率者として使用できる」という裁定が存在していたからこそできることです。ネフィリムごめんね。 -------- :神話の綴り方(機能変化なし) そのカードを唱えたときにどのマナが、あるいはどのコストが支払われたかを参照するカードは、そのカードのカード名ではなく「このカード」という書式を使うようになります。ここでは、それらの変更は機能変化ではない、ということだけしか伝えさえしません。心配しないでください。 ------- :野菜を食べよう(機能変化なし) 『エルドレインの王権』のカード3枚には枠の都合で食物・トークンの注釈文が省略されていますが、オラクルでは追加しておくことにしました。プレインズウォーカーの《王冠泥棒、オーコ》、出来事を持つ《知りたがりの二人》、そして単純に文章が長すぎる《貪るトロールの王》です。印刷されたカードが間違っているわけではなく、食物・トークンが何であるかを知るためにオラクルが使いやすいようにするためのものです。 --------- :ダメージの代わり(機能変化なし) 異なった量のダメージを与える自己置換効果を持つカードの新しい書式が開発されました。『エルドレインの王権』の《殺戮の火》と……それから、《大笑いの炎》などの古いカードもあります。これは機能変化ではありません。ダメージを与える先などを変更することはできません。 = 《大笑いの炎》の旧テキスト: << Cackling Flames deals 3 damage to any target. Hellbent ― Cackling Flames deals 5 damage to that permanent or player instead if you have no cards in hand. >> 新テキスト: << Cackling Flames deals 3 damage to any target. Hellbent ― Cackling Flames deals 5 damage instead if you have no cards in hand. >> 訳文: << クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。大笑いの炎はそれに3点のダメージを与える。 暴勇 ── あなたの手札にカードがないなら、代わりに大笑いの炎は5点のダメージを与える。 >> -------- ::はじめに ::総合ルール変更点 ::オラクル変更点