:::総合ルール変更点 2020年6月23日 イーライ・シフリン/Eli Shiffrin / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru :101.4e 101.4節はAPNAP順、すなわち何かを複数のプレイヤーが行なう場合にその順番が明示されていなかった時の、まずアクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が、その後非アクティブ・プレイヤーがターン順で、行なう、という指針について語っています。アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順(Active Player, Nonactive Player Order)、略してAPNAPです。素敵な略号でしょう。ところで、ゲーム開始前、つまりアクティブ・プレイヤーがいない時点ではどうなるのでしょうか。この新しいルールは、他のルールでほのめかされていたその部分を明確化しています。APがいないときのAPNAPは、開始プレイヤーをAP、それ以外のプレイヤーをNAPとします。 :103.1&103.2 ゲームは、自分のデッキを切り直してどちらが先行かを決めることで始まります。実際のゲームでは、ほとんどのプレイヤーはその順番を考えずに、切り直している間にダイスを振るなどをしますが、ルール上は何が先に行なわれるのかを決める必要があり、切り直しが先だとされてきていました。どちらを先にするかということは相棒には影響があるので、切り直しの前にカードを脇に置く前に開始プレイヤーを定める必要があります。今後は、開始プレイヤーを決めるのが一番最初ですが、それが意味を持たないなら今までやってきた通りの方法を続けることができます。(実際、対戦相手の相棒を見てから相棒を選びたい場合というのはどの程度あるのでしょうか。) 109.4 オブジェクトは、スタックか戦場にある間のみコントローラーを持ちます。これには5つの例外がありましたが、今は6つになりました。6つ目は、スタックを使わないけれども「あなた」が何かをするように書かれることがある、マナ能力です。 116.2 特別な処理は8つありました。相棒の変更によって9つになりました。編集と改訂を経て、この数字の変更は(おそらく7番によって)食べられましたが、今は戻り、落ち着きました。ルールは数えられます。間違いなく。 :120.4a  「余剰のダメージ」のルールが少し更新され、明示的に致死ダメージを参照するようになりました。これによって《力の具現、ジローサ》がその巨大な足の踏み場を得ました。 :205.3j  バスリがプレインズウォーカー・タイプの一覧に追加されました。オケチラの名のもとに! :205.3m  犬がクリーチャー・タイプの一覧に追加されました! 猟犬はもう兎を追わないので、取り除かれました。 :603.2d  この新ルールは、追加で能力が誘発するという《パンハモニコン》系の効果を扱うためのものです。もっとも重要なことは、《万物の聖域》が誘発の無限ループを起こさないようにブレーキを掛けることです。結局のところ、これはすでにこの種のものを成立させるためにしていた裁定を明記しただけです。 607.3  関連した能力は、その1つがカードを追放し、もう1つがその追放されたカードを参照している場合、《パンハモニコン》のようなものがあると追放されたカードを2枚使うことになるという奇妙なことがおこります。この奇妙さを解決するためのルールが、自分の足につまづいてしまっていました。情報を参照したりなにか処理をするためにカード「1枚」を扱う場合、それらのカードすべてを扱うとしていましたが、それは正しくありません。カードに処理をする能力は、1枚だけを選ぶ必要があります。このルールはそのように更新されました。カードの情報を三pする能力は、今後も両方を参照します。 :610.3a  何かが、あるイベントが起こる「まで」他の何かを追放するという場合、その追放よりも前にそのイベントが起こっていたら、まったく追放はされません。《宮殿の看守》は、いずれかの対戦相手が統治者になるまでクリーチャーを追放します。そして、プレイヤーはそれよりもずっと前に統治者になっている場合がありえます! このルールは、呪文や能力がスタックに置かれたり誘発したりした以降の「まで」のイベントだけを参照するようになります。 :613.2a  第1a種は、コピー可能な値を定める効果が置かれる場所です。コピー可能な値に関する過去のルールから、1つ移し忘れがありました。《原初の土》などの、値を定める置換効果です! この場所に戻りました。 :613.7g  このルールは、(英語では)「time」という単語が落ちていました。この脱字はM21で修正された、としか言いようがありません。文句はテフェリーにどうぞ。 701.13  切削が堂々と常盤木キーワード処理の仲間入りをしました! それ以降の30個のキーワード処理はすべて項番が下がります。一方、他のルールの中で、長々と書かれていた発掘キーワードは「切削する」を用いる形に更新されました。 704.5  状況起因処理の一覧は増え続けています。今回の更新で704.5yに到り、あと2つ増えた時に起こることを決める(704.5aaが一番の候補でした)のではなく、真ん中で2つに分けることにしました。特定の変種ルールでしか使われない状況起因処理は、新しい704.6節に区分されます! :704.6d  うーん、この新しい部屋。ペンキの匂いまでしてきます。ここであまりくつろぐつもりはありませんが、次に行く前に統率者戦の新しい状況起因処理があります。あなたの統率者が墓地や追放領域に行くなら、それを統率領域に動かす機会が1回あります。過去の置換効果は死亡や追放されることには適用されなくなり、あなたの統率者は死亡するようになりました。統率者戦の章にある903.9 も、この変更に合わせて更新されています。 :707.9  裏向きの変異クリーチャーがいたら、それが戦場を離れるかあなたが敗北したならそれを公開しなければなりません。このルールは、変容クリーチャー呪文のおかげで発生した、裏向きのカードを内包するオモテ向きクリーチャーで発生することのために更新されました。その裏向きの部品も公開しなければなりません。 :714.2a  このルールは、章記号でのローマ数字の使い方を表しています。例示しているのはI、II、IIIです(読者の皆さんには1、2、3とわかることでしょう)。このルールは古代ローマ人の数え方も説明していると主張する人がいて、IVが4だと説明していないことからローマは滅亡して新しい英雄譚・カードが処理できないと言うのです。時間のパラドックスによる現代社会の滅亡を防ぐため(テフェリー、止めてくださいよ)、このルールには「以下同様」と追加され、ローマ人や英雄譚が3より大きい数字を数えられることが明示されました。 :721.3e  《ヨーグモスの意志》は、あなたの墓地に置かれるはずのカードを追放します。合同パーマネントがある場合、そこにはカードとトークンが混ざっている場合があります。この新ルールでは、ヨーグモスがこれをどう感じているかが明確化されました。パーマネントがトークンでなければ、トークンである部品も含むすべてが追放されます。トークンであれば、そのパーマネントが死亡した場合その部品であったカードは追放されます。 :903.3d  パーマネントについて話すとき、エルフ、チャンドラ、土地、それらはすべて戦場にあるパーマネントでその条件を満たすものを指します。呪文を参照したい場合は、「呪文」と書いています。これは確立した表記ですが、統率者によって歪んでいます。「あなたの統率者を唱える」という場合には、「呪文」という表記をしていません。しかし、これはスタック上にある間にあなたの統率者をコントロールしているという意味でしょうか? この新ルールは「あなたの統率者」という表記が様々な状況で何を示すかを明確化する助けになります。