:::総合ルール変更点 By Jess Dunks  これは、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』の発売に伴って計画されているマジック公式ルールへの変更の概要です。新しいメカニズムとその働きの概要を知りたければ、そのセットのメカニズム記事をご参照ください。  執筆時点で、公式ルールは検証中であることにご留意ください。公式ルールは、ルール・ページで公開されます。この概要と公式ルールとの間に齟齬がある場合、公式ルールが優先されます。 ::新ルール、更新されたルール ::イニシアチブを得る :721  これが最初なのは、イニシアチブという状態やそれに関わるあらゆることを定義している新項目だからです。ゲームを再び開始する、サブゲームといったルールの項番は変更になります。 ::地下街探索 :205.3p  この新ルールは、このセットに入っている新しいダンジョン・カードである地下街もサブタイプを持つと説明しています。そのサブタイプは、地下街です。このサブタイプは「ダンジョン探索」能力で使われます(後述)が、ダンジョン・タイプと相互作用するカードはありません。 :701.46d  ダンジョン探索の変種である「地下街探索」がどのように作用するかを説明するルールです。 ::背景選択 :702.124h  このルールは共闘能力の新しい変種である背景選択について説明しています。これは、「1枚がこのカードでありもう1枚が伝説の背景・エンチャントであるなら、あなたの統率者としてその2枚を指定してもよい。」を意味します。これは他の共闘能力と組み合わせることはできず、追加の統率者として背景エンチャントを指定することができるようになるのは背景選択能力を持つクリーチャーを使っているときだけです。 ::それ以外のルール変更 :107.3n  これはカードでのXの使い方への追加となる新ルールです。《嵐の王の雷》は、その呪文のために支払われたXの値を必要とする遅延誘発型能力を生成します。このルールで、それが作用するようになります。 :111.5  トークンが戦場に出られないなら、生成されない、というルールです。インスタントやソーサリーであるカードのコピーであるトークンを作る場合を扱えるように加筆されました。ご想像通り、それらのトークンも生成されません。 :112.2a  スタックにある呪文をコピーしたら、rule 112.2に則って、それのオーナーはそれをスタックに置いたプレイヤーです。ただし、様々な効果で、大抵は追放領域にある。カードのコピーを生成してプレイヤーに唱えさせているものがあります。この新サブルールは、そのコピーのオーナーが、そのコピーを生成して唱える許可を得たプレイヤーであるということを明記しています。 :112.4  この一般則は、あまりにも広範になっていました。効果がパーマネント・呪文の特性を変更するなら、それはその呪文がなるパーマネントにも適用され続けると書かれていました。rule 400.7にはその範囲は特定の効果に限るとあり、このルールもそれを反映する形に書き改められています。 :115.9  《ワイルの逆転》は、「1つ以上の対象を持つ」呪文や能力だけを対象とできる新カードです。rule 115.9はこれまで単一の対象を持つ呪文を扱うルールでしたが、任意の数の対象を扱えるように若干更新されました。 :400.7a  これは、パーマネント・呪文に適用される効果のうち何がそれが戦場でなるパーマネントにも適用され続けるかを説明するルールです。前回の更新でルールへの変更が抜けていて、《道具箱、ヘンジー・トーリ》の機能に関して混乱が生じていました。具体的には、今回の変更によって、奇襲を持つ呪文を《道具箱、ヘンジー・トーリ》の効果で唱えた場合、その呪文が戦場でなるパーマネントも奇襲を持ち続けることが明確になります。 :506.6  《狡猾な扇動者、フィルクラーグ》は、戦闘に参加しているクリーチャーが「攻撃しなければならなかった」かどうかを知る必要があります。戦闘フェイズのルールに新しく追加して、その意味を定義します。具体的には、攻撃クリーチャーを指定する時点でクリーチャーに攻撃を強制する1つ以上の効果がそのクリーチャーに適用されていたなら、クリーチャーは「攻撃しばければならなかった」となります。攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーは攻撃クリーチャーとして指定されていないので、それらのクリーチャーには適用されません。プレイヤーが宣言しうる適正な攻撃が、実際にはその種の効果が適用されていないクリーチャーだけでの攻撃しかないという奇妙な状況がありえます。その場合、《狡猾な扇動者、フィルクラーグ》の能力はそれらのクリーチャーを無視します。 :601.4  この新ルールは、呪文を唱える間のプレイヤーの選択方法を少し拡張します。具体的には、モードの選択、コストに含まれるXの決定、追加コストや代替コストの選択などの、rule 601.2bで列記されている選択です。通常、呪文を唱えるプレイヤーはこれらの選択を、このルールに書かれている順番で行ないます。しかし、呪文によっては、異なる順番で選択しなければならないものがあります。例えば、《豊穣の碑文》はキッカーと「以下から1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」を持つモードを持つ呪文です。rule 601.2bにおいてキッカー・コストを支払うかどうかの決定はモードの選択よりも後に書かれていますが、この呪文では、いくつのモードを選べるかを決めるためにキッカー・コストを支払うかどうかを先に選ばなければなりません。《道具箱、ヘンジー・トーリ》に関する議論(上述rule 400.7a 参照)の中でも、この状況でどのような順番で選択するのかについて混乱が見られました。新しいrule 601.4は、それを明確化します。《道具箱、ヘンジー・トーリ》について具体的には、Xをマナ・コストに含むクリーチャー・呪文の場合、マナ総量が4点以上になるXの値を選んだなら、それによって与えられる奇襲能力を使うことができます。 :607.3  追放されているカード1枚に言及する関連した能力を持つオブジェクトが複数のカードを追放した場合にどうするかを説明する新ルールです。追加された段落で、その能力が「その追放されているカード」のコピーであるトークンを生成するものであって伏線追放していたなら、その能力は追放されているカードそれぞれのコピーであるトークンを生成します。この状況では、その前半部で複数枚のカードからなる、合同パーマネントや合体パーマネントを追放しているのが通例です。 :608.3  このルールとそのサブルールは、パーマネント・呪文の解決について説明しています。文章は大幅に書き換わっていますが、取り上げるような機能変化はありません。ではなぜ更新したのでしょうか? 説明します。1段落飛ばして、まとめだけ読んでいただいても結構です。おまかせします。  これまで、このセクションではパーマネント呪文の解決は1工程、単にそのパーマネントを戦場に出すだけと書かれていました。簡単ですよね? 例外としてオーラが書かれていましたが、これも簡単に理解できるものでした。その後、比較的最近になって、パーマネント呪文のコピーが、さらに変容が例外に追加されました。他にも、この工程には、ルールには書かれていない例外や追加がいくつか隠れていました。例えば、授与されたオーラの対象が不適正な場合の処理は変容の場合と非常によく似ていますが、このセクションでは変容についてしか書かれていません。授与は抜けていました! パーマネント呪文の解決に際して他の効果を持たせる能力すらあります。全体として、このセクションに個別のルールを書くこと(や、書いていないこと)に実際上の問題があるわけではありませんが、私達(間違いなく私も含みます)融通の利かない人間にとって面倒な問題を積み上げていくことになっていました。  結論として、私たちはこれを整備して明確化することにしました。 :700.8  このルールとそのサブルールは、パーティー・メカニズムについて説明しています。新カード《団結》には、プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャーの中から「パーティーを選」ぶと書かれています。これは、単に自分のパーティーに含まれるクリーチャーの数を数えていたこれまでのパーティーの効果とは違います。このセクションは書き直され、説明のために新しいサブルールが追加されました。パーティーを選ぶ場合、各プレイヤーは該当するクリーチャー・タイプ(ウィザード、クレリック、戦士、ならず者)ごとにそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャー最大1体を選びます。 :702.21b  《無慈悲な魂、ミンタラ》は「護法 {X}、Xはあなたが持っている経験カウンターの個数に等しい。」を持っています。護法の新サブルールで、Xの値は語法能力の解決に際して決定されると説明されています。誘発した時点で固定されるわけではありません。つまり、誘発してから解決されるまでの間に経験カウンターを増やした場合、対戦相手はその呪文が打ち消されないようにするためにはその増えたマナを支払う必要があります。 :702.122d  機体が「搭乗され」たときに誘発する能力に関するルールが、それに搭乗したクリーチャーについての情報を必要とする「場合」節を扱うために拡張されました。その場合節で参照できるのは、それを誘発させた搭乗能力のコストを支払うためにタップされたクリーチャーだけであり、他のときにそれに搭乗したクリーチャーは含みません。 :702.124i  「共闘」という語を使わない共闘能力の変種をマジックに導入し始めて、「共闘を持つ」という表現の意味について混乱を生じさせることになると気づきました。カードが共闘を持ちそれでないカードを参照する場合、それは教頭のすべての変種を参照するのではなく、共闘と「~との共闘」メカニズムだけを参照すると決めました。 :702.145  キーワード能力である日暮に関するルールです。文字通り読むと、これは夜に《クローン》が日暮クリーチャーのコピーとして戦場に出ること(これそのものが充分に奇妙です)を含むコーナーケースで直感に反する相互作用を起こします。その場合、《クローン》は変身した状態で戦場に出ることはできないので、両面カードのルールから、その《クローン》はそもそも戦場に出ないのです! 日暮ルールは、変身する両面カードで表されるパーマネントにしか適用されないと変更されました。 :705.1–2  コイン投げに関するルールです。パーマネント呪文の解決の工程と同様、これも少々整理整頓されましたが、ルールの機能は1つを除いて大きくは変わっていません。これまでは、ルール上厳密には、コイン投げをさせた効果が必要としない限り、コイン投げの勝敗を決めることは求められていませんでした。これは勝者が必要であると書かれてはいないけれども必要な《酒場の悪漢》で問題でした。《酒場の悪漢》は、このルールで適切に扱われるようになります。 :903.13e  統率者ドラフトのセクションにあるこのサブルールは、《虹色の笛吹き》をドラフトで統率者として扱う方法についてのルールなので「《虹色の笛吹き》」ルールと呼ばれていました。おそらく、これは今後「《虹色の笛吹き》と《正体を隠した者》」ルールと呼ばれることになるでしょう。言いやすいですね。 ::新サブタイプ :クリーチャー・タイプ  ギス/Gith、セイウチ/Walrus :プレインズウォーカー・タイプ  エルミンスター/Elminster、ミンスク/Minsc、ターシャ/Tashe :エンチャント・タイプ  背景/Background :ダンジョン・タイプ  地下街/Undercity ::用語集の新項目  背景、背景選択、イニシアチブ、[性質]探索 はじめに 総合ルール変更点 オラクル変更点