マジック日本語vfaq(20051231 版)

文責:*ぱお*/米村 薫(pao@f-o-rainbow.com)

 注:項目の番号・内容は流動的なので、リンクは http://mjmj.info/data/jpvfaq.html まで。


〜しないかぎり 《稲妻のすね当て》無限コンボ 「探す」 0未満のライフ アーティファクト・土地の数 アニメイト召喚酔い イソクロと追加コスト エクステンデッドのサイクル カード名の書かれた文章 コストにXがある呪文 スタックと『速度』 ターン進行(フェイズ・ステップ順) タフネス0と破壊されない タフネス減少とダメージ ダメージの扱い トランプルとダメージ軽減 プレイする際の行動 プロテクション マナ・コストとコスト増減 マナ・プール マナ能力 レジェンド・ルール 継続的効果の相互作用 軽減とトランプル 個別エンチャントと対象 古いカード 効果の終了 攻撃・ブロック 制限・強制 再生 再録カードの扱い 実行不可能な効果 呪文のコピー 重複する効果 召喚酔い 場を離れる領域変更 場以外の常在型能力 生け贄に捧げる 戦闘から取り除く 戦闘ダメージの割り振り 戦闘フェイズ 戦闘中にタップされたら 対象とは? 対象の適正チェック 単発型継続的効果 置換されたイベント 置換効果・継続的効果・誘発型能力 点数で見たマナ・コスト 特性変更の優先順位 能力の種類について 能力は発生源から独立 破壊されたトークン 飛行を持つかのように 複数のダメージ 複数の置換効果 複数の誘発型能力 複数の領域変更誘発 変異とは 墓地、ライブラリー、手札 墓地にあるクリーチャー 優先権


〜しないかぎり

 「〜しないかぎり/unless」という表記を使っている効果では、その行動が適正に実行できる場合、その行動をすることを選ぶことができます。
 選んだ後で置換や軽減をしても、選択しているので、「〜しないかぎり」の後に(英語なら前に)書かれている効果は発生しません。

《稲妻のすね当て》無限コンボ

 装備能力は、対象を取ります。従って、《稲妻のすね当て》を装備している《ダールの降霊者》は装備能力の適正な対象ではありません。

「探す」

 ある領域からある条件のカードを「探す」場合、その領域が全プレイヤーに公開されていない場合には、そのカードを見つけないことができます。

0未満のライフ

 《白金の天使/Platinum Angel》[MRD]が出ていようが出ていまいが関係なく、ライフは0未満の値を取ることがあります。
 その場合、ライフを加減する以外の目的で見るときには、0として扱います。

アーティファクト・土地の数

 構築環境でデッキに5枚以上いれていいのは、基本地形だけです。
 現在のルールでは、基本地形には「土地(基本地形)」と書かれています。以前は、《平地》《森》《山》《沼》《島》と、アイスエイジ・拡張セットの雪かぶりの土地(《Snow-Covered Plains》[IA]など)だけが基本地形でした。
 それ以外の土地は、自身をタップしてマナを出す能力しか持っていなくても、基本地形ではありません。従って《古えの居住地/Ancient Den》[MRD]などの「アーティファクト・土地」は、デッキには4枚までしか入れられません。

アニメイト召喚酔い

「あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーがコントロールを得たクリーチャーは、そのプレイヤーのターン開始時が次に来るまでは、攻撃に参加することもできないし、コストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使うこともできない」 というのがいわゆる召喚酔いの正しいルールです。
 それまでにも場にあったのなら、それが土地であろうとなかろうと、攻撃やタップ・シンボルを含む起動型能力をプレイできますし、逆に、前のターンに存在しなかったのであれば、プレイできません。

イソクロと追加コスト

 《等時の王笏》はコピーを「プレイ」するので、追加コストがある場合は、それを支払うことができますし、もし強制であれば支払わなければなりません。支払った場合には、双呪であれば2つの効果が両方発生します。キッカーなら、それによる追加の効果(あるいは自己置換された効果)が発生します。
 もちろん、支払わなければその種の追加効果は発生しません。

エクステンデッドのサイクル

 エクステンデッドは、6〜8つのブロックによって構成されます。
 「ラヴニカ:ギルドの都」が発売され、エクステンデッドでも使えるようになった時に、テンペスト〜プロフェシーの9セットが使えなくなりました。

カード名の書かれた文章

 マジックにおいて、カードにそのカード自身の名前が書かれている場合にはその語はそのカード自身のことを指し、他の同名のカードのことは指しません。

コストにXがある呪文

 呪文をプレイする際、Xがいくつであるかを宣言した後でマナを支払います。そして、同じ呪文や能力に含まれるXは常に同一の値を取ります。

スタックと『速度』

 マジックにおいて、スタックというのは一つの領域です。
 その領域に、解決を待つ呪文や能力、戦闘ダメージが順番を持って積まれ、積まれたのと逆順に解決されることになります。
 また、「速度」という概念はありません。
 俗に「ソーサリー速度」と呼ばれるのは、自分のメイン・フェイズの間で、スタックが空の時にのみプレイできる呪文や能力のことです。
 「マナ能力は速い」というように言われることもありますが、そうではなく、マナ能力はスタックを用いずに解決されるだけのことです。

ターン進行(フェイズ・ステップ順)

 マジックのターンは、
・開始フェイズ
  ・アンタップ・ステップ
  ・アップキープ・ステップ
  ・ドロー・ステップ
・戦闘前メイン・フェイズ
・戦闘フェイズ
  ・戦闘開始ステップ
  ・攻撃クリーチャー指定ステップ
  ・ブロック・クリーチャー指定ステップ
  ・戦闘ダメージ・ステップ
  ・戦闘終了ステップ
・戦闘後メイン・フェイズ
・終了フェイズ
  ・ターン終了ステップ
  ・クリンナップ・ステップ
 という順に処理されます。

タフネス0と破壊されない

 タフネスが0以下になったクリーチャーは、破壊されるのではなく、単純に墓地に置かれます。これは致死ダメージとは別の状況起因効果です。
 ですから、「破壊されない」の効果を受けていても、関係ありません。

タフネス減少とダメージ

 ダメージを受けたクリーチャーは、タフネスが下がるのではなく、ただ単にダメージを受けます。これはタフネスと比較されますが、別の数値です。
 ですから、例えば 3/3 クリーチャーが1点のダメージを受けた場合には、それは「1点のダメージを受けた、タフネス3のクリーチャー」になります。「一時的に3/2になっているクリーチャー」ではありません。
 タフネスを下げる効果とは、タフネスにマイナス修整を与える効果です。
 タフネスが0以下になったクリーチャーは、破壊されるのではなく、単純に墓地に置かれます。これは致死ダメージとは別の状況起因効果です。

ダメージの扱い

 クリーチャーに与えたものもプレイヤーに与えたものも「ダメージ」です。また、攻撃によるものも何らかの効果によるものも「ダメージ」です。
 特に制限されていなければ、それら全てをダメージとして扱います。

トランプルとダメージ軽減

 トランプルによる戦闘ダメージの割り振りは、通常の戦闘ダメージと同様に戦闘ダメージ・ステップの開始時に行なわれ、解決されて割り振られた通りに与えられます。
 この際、あらゆる置換効果や軽減効果が適用される前の状態で、ブロック・クリーチャー全てにタフネスと同じかそれ以上のダメージが与えられていればプレイヤーにもダメージを割り振ることができます。

プレイする際の行動

 呪文や能力は、プレイする(誘発型能力の場合はスタックに積まれる)際に、
1)プレイを宣言し、
2)モードや特殊なコストの支払い意志を選択し、
3)対象を選び、
4)ダメージやカウンターなどの効果を複数の対象に分ける場合は分け方を選び、
5)プレイするためのコストを決定し、
6)コストを支払います。

プロテクション

 プロテクションの効果は、『双円形舞台』と覚えましょう。
『双』:その性質の装備品を   『装』備できない
『円』:その性質のオーラに   『エン』チャントされない
『形』:その性質のダメージを0に『軽』減する
『舞』:その性質のクリーチャーに『ブ』ロックされない
『台』:その性質の呪文や能力の 『対』象にならない
 の5種類です。

マナ・コストとコスト増減

 親和などで増減されるのはプレイするためのコストです。マナ・コストではありません。
 マナ・コストとは、カードの右上に書かれているそのままの値を指します。

マナ・プール

 マナ能力などによって出されたマナは、一旦、あなたのマナ・プールに入り、消費されるかフェイズが終わるまでそのままそこに残ります。

マナ能力

 マナ能力とは、マナを生み出す起動型能力と、その起動型マナ能力によって誘発する、マナを出す誘発型能力のことを指します。
 これらはスタックに乗らず、即座に解決されます。
 優先権を持っているときだけでなく、何らかのルールや効果によってマナを支払う必要がある時ならいつでも起動型マナ能力をプレイすることができます。

レジェンド・ルール

 レジェンド・ルールとは、同名の「伝説の/Legendary」パーマネントが複数場にある場合、それらをすべてオーナーの墓地に置くというものです。
 同じ名前を持つ2つのパーマネントのうちの片方が伝説のパーマネントでも、他方がそうでない場合には、このルールは適用されません。

継続的効果の相互作用

 2005年11月現在のルールでは、オブジェクトの特性を変更する継続的効果は、「コピー効果」「コントロール変更効果」「文章変更効果」「タイプ変更効果」「一般の継続的効果」「パワーやタフネスを変更する継続的効果」に分類され、その順番に処理されます。
 1つの能力からの効果が、複数の種類に分割されることもあります。
 さらに、パワーやタフネスを変更する継続的効果は、「特性定義能力の効果」「一般の効果」「カウンターによる効果」「修整を加える常在型能力の効果」「パワーとタフネスを入れ替える効果」の種類細別に分け、順に処理します。
 また、同じ分類にある効果について、ある効果が、他の効果を適用した時にそのテキストが変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、あるいは何に適用するかが変わったり、何をするかが変わったりする場合、その効果は他方に「依存している」と言い、依存する効果は依存される効果よりもあとで処理されます。
 効果の依存性でループになっている場合、あるいはどれも依存性がない場合、「タイムスタンプ順」で処理されます。
 常在型能力による継続的効果は、その常在型能力を持つパーマネントが場に出たときと同じタイムスタンプを、能力や呪文の解決による継続的効果はその呪文や能力が解決されたときのタイムスタンプを持ちます。

軽減とトランプル

 トランプルは、戦闘ダメージの割り振りを変更する常在型能力です。
 致死ダメージ相当の戦闘ダメージをクリーチャーに割り振った後で、防御側プレイヤーにも戦闘ダメージを割り振れるのですが、この、クリーチャーへのダメージ割り振りにおいては、軽減などの効果を一切考慮しません。
 プロテクションによるダメージ軽減も考慮しませんので、単純に、パワーとタフネスを比較したあまりの分をプレイヤーに割り振ることができます。

個別エンチャントと対象

 個別エンチャントは、呪文のときには対象を取りますが、それ以降もずっと対象をとり続けているわけではありません。
 エンチャントされたパーマネントに影響を及ぼす能力は「対象」という語を使っていませんので、対象を取る能力ではありません。

古いカード

 古いカードを使う場合、それらは新しい同名カードのテキストを持つとして処理されます。
 最初の基本セットであるアルファ版だけは、カードの角の曲がりが違うので使用する場合にはデッキを不透明なスリーブにいれなければなりません。
 それ以外のセットのカードは、そのフォーマットで使用できる同名カードが存在する場合、問題なく使うことができます。

効果の終了

 一般に、呪文や起動型・誘発型能力は、解決したら単発的あるいは継続的な効果を生み出し、終わります。以降、条件を確認することはありません。
 継続的効果の中には、ある一定の(あるいは不定の)時間だけ継続してから終わるものもあれば、終わらないものもあります。いずれにせよ、その効果を生み出した呪文や能力に指定されていた期間以外の条件は関係ありません。

攻撃・ブロック 制限・強制

 攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定に関して、8版ルールで明確化されました。
 そのクリーチャーは攻撃に参加できない、あるいは攻撃に参加するためには何らかの条件を満たさなければならない、という「攻撃制限」。
 攻撃に参加しなければならない、あるいは何らかの条件を満たしている場合攻撃に参加しなければならない、という「攻撃強制」。
 それぞれ対応するものがブロックにも存在し、「ブロック制限」「ブロック強制」と呼ばれます。
 さて、ブロック・クリーチャーを指定する際には、すべてのブロック制限をチェックし、それに反しないことが大前提となります。その上で、できる限り多くのブロック強制を達成しなければなりません。この際に、ブロック制限でブロックに参加できないクリーチャーに関するブロック強制は考慮する必要はありません。(攻撃についても同じです)

再生

 再生能力は、「パーマネントが破壊される代わりに、受けていたダメージを全て取り除き、戦闘から取り除き、タップする」という効果を持つ置換効果の盾を作ります。
 なお、この盾を消費することを単に「再生する」と言います。
 ですから、再生されたパーマネントは場を離れませんので、場に出ることも、表向きになることもありません。

再録カードの扱い

 構築形式でカードが使えるかどうかは、それと同名のカードが、その形式で使えるカード・セットに含まれているかによって判断されます。
 例えば、第9版に含まれている《ショック/Shock》[9ED]は、そのカードがストロングホールドのカードであったとしても、スタンダードで使用できます。

実行不可能な効果

 何らかの呪文や能力の効果が実行不可能なとき、それが、対象を取るものでかつ全ての対象が不適正になっている場合を除いては、効果の中で実行可能な部分全てを実行し、それで処理が終わります。

呪文のコピー

 呪文をコピーする際は、そのプレイ時に行われた選択もすべてコピーします。対象の選択もコピーされますが、「新しい対象を選んでもよい」となっているコピー効果では、新しい対象を選ぶことができます。

重複する効果

 現在まで存在しませんが「飛行を2つ以上持つクリーチャーは〜」といった能力が存在しないという保証はありません。
 また、飛行は「飛行を持つクリーチャーにしかブロックされない」であって「自分より飛行の少ないクリーチャーにはブロックされない」ではありません。
 ですから、結果として、飛行を2つ持っていることに意味がないだけです。他の能力についても、同じようなことが言えます。

召喚酔い

 俗に言う召喚酔いとは、「あるプレイヤーのターン開始時以降にそのプレイヤーがコントロールを得たパーマネントは、クリーチャーであれば、そのプレイヤーのターン開始時が次に来るまでは、攻撃に参加することもできないし、起動コストにタップ・シンボルを含む起動型能力を使うこともできない」
 というルールです。

場を離れる領域変更

 場を離れる領域変更誘発は、場を離れる直前の状況に従って誘発しますので、その時点での能力の発生源のコントローラーがその能力のコントローラーです。

場以外の常在型能力

 通常の能力は、パーマネントが場にある間しか有効にはなりません。
 例外は、場以外の領域にあるときにのみ有効になる能力と、場以外の領域にあるときに有効であると明記されている能力だけです。
 他の領域にあるときにも有効になりそうな能力というだけでは、この例外に当てはまりません。

生け贄に捧げる

 生け贄に捧げる、という場合、その行動をするプレイヤーがコントロールを持っているパーマネントしか生け贄に捧げることはできません。

戦闘から取り除く

 クリーチャーでなくなるか、再生するか、またはコントローラーが変わった場合、クリーチャーは戦闘から取り除かれます。この場合、取り除かれたクリーチャーは「攻撃クリーチャー」「ブロック・クリーチャー」「ブロックされたクリーチャー」「ブロックされていないクリーチャー」のどれでもなくなった上、戦闘ダメージを割り振ることも割り振られることもできなくなります。
 それ以外に制約はありません。
 例えば、ブロックが成立している状態でブロック・クリーチャーを取り除いても、ブロックされていたクリーチャーは、やはり「ブロックされた」状態のままです。

戦闘ダメージの割り振り

 戦闘ダメージは、通常、ダメージを与えるクリーチャーのコントローラーが任意に割り振ることができます。
 複数のクリーチャーにブロックされた場合、攻撃クリーチャーは、その中の1体だけに全部のダメージを与えることも、均等にダメージを割り振ることも可能です。
 戦闘ダメージの割り振りはスタックに積まれたときに決定され、解決時に、ダメージを与えるクリーチャーが場を離れていたり、パワーが変化していたり、ダメージを割り振られたクリーチャーが戦闘から取り除かれていたりしても、その割り振り通りに与えられます。ダメージを受けるべきクリーチャーが既に場にいないかクリーチャーでなくなっている場合は、それに割り振られていたダメージは与えられません。

戦闘フェイズ

 戦闘フェイズは、以下の5つのステップに分けて処理されます。
・戦闘開始ステップ
・攻撃クリーチャー指定ステップ
・ブロック・クリーチャー指定ステップ
・戦闘ダメージ・ステップ
・戦闘終了ステップ
 各ステップの開始時に、そのステップで発生することが処理され、それからアクティブ・プレイヤーが呪文や能力を使う機会(優先権)が発生します。
 具体的には、攻撃クリーチャー指定ステップには攻撃クリーチャー指定。
 ブロック・クリーチャー指定ステップにはブロック・クリーチャー指定。
 戦闘ダメージ・ステップには、戦闘ダメージの割り振りをスタックに積む。
 戦闘終了ステップには、戦闘終了時の誘発型能力をスタックに積む。
 これらの処理が行なわれた後で、優先権が発生し、他のフェイズ、あるいはステップと同じように呪文や能力を使用することができます。

戦闘中にタップされたら

 戦闘中にクリーチャーがタップあるいはアンタップされても、それによって戦闘から取り除かれることはありません。
 攻撃クリーチャーであろうと、ブロック・クリーチャーであろうと同じです。

対象とは?

 対象をとる呪文や能力は、その文章に「対象」という語を含んでいるものと、あと個別エンチャント呪文だけです。
 それ以外の、例えば「あなた」「対戦相手」また単に「クリーチャー1体」「あなたのコントロールしているクリーチャー」などは対象ではありません。

対象の適正チェック

 対象を取る呪文や能力は、そのプレイ時(またはスタックに積まれる時)と解決時の2回、その対象が適正かどうかをチェックします。
 プレイ時に、全ての対象が適正でなければプレイできません(誘発型能力の場合、適正な対象を選べなければ、スタックに積まれずに消滅します)。
 解決時に、全ての対象が不適正であれば呪文や能力全体が打ち消されます。
 解決時に一部の対象が不適正だった場合、適正な対象に対しては通常通りに解決されて効果を及ぼしますが、不適正な対象には何も起こりません。また、その呪文や能力の対象を取らない部分は通常通り解決されます。

単発型継続的効果

 一般に、呪文や起動型・誘発型能力の継続的効果は2種類に分類されます。
 1つめは、パワーやタフネスなど、オブジェクトの特性を変化させるもの、もう1つが、マジックのルールを変更するものです。
 この前者、特性を変化させる効果は、その効果が発生したときにその影響を受けたものだけに影響があり、その後で場(などの影響を受ける領域)に出たオブジェクトには影響を及ぼしません。
 後者は、その効果が発生したときはまだ影響を受ける領域に存在しなかったオブジェクトにも影響をもたらします。

置換されたイベント

 置換された(あるいは軽減された)イベントは、発生したとは扱いません。従って、置換されたイベントによって誘発型能力が誘発することはありません。

置換効果・継続的効果・誘発型能力

 「〜で場に出る/come into play with/as 〜」や「〜が場に出るに際し/As 〜 comes into play」といった効果は置換効果として処理されますので、「場に出る」代わりに「〜で場に出る」ことになります。
 一方、通常の継続的効果は、場にあるオブジェクトにだけ影響を及ぼします。従って、適用されるのは「場に出る」よりも後です。
 場に出終わった時点では既に適用されているので、誘発型能力のチェックは継続的効果の適用後ということになります。
 スタックから場へと動かすイベントが烈日で変更され、一方でスタックから場に出る「途中」で継続的効果が適用される、と考えれば、イメージとしては捉えやすいかもしれません。

点数で見たマナ・コスト

 点数で見たマナ・コストとは、カードの右上に書かれているマナ・コストをどの色であれ、あるいは不特定マナであれ、色とは関係なく1点を1点として合計した値です。
 親和などの効果でプレイするためのコストが減ること、また何らかの効果でコストが増えることは考慮に入れません。

特性変更の優先順位

 一般に、オブジェクトの特性は、まずそのオブジェクトそのものの特性から、コピー効果、コントロール変更効果、文章変更効果、タイプ変更効果を適用し、一般の継続的効果が適用されたあとでパワーやタフネスの変更が適用されます。

能力の種類について

 マジックの能力には、大きく分けて三種類があります。
 1つめが起動型能力。
 [コスト]:[効果] という書式で書かれており、通常そのコントローラーがコストを『支払って』プレイする。
 支払っているので、1つのコストで複数の効果を生み出すことはできない。
 2つめが誘発型能力。
 [誘発イベント]たび/とき/開始時、[効果] という書式で書かれており、誘発イベントが起こったら自動的に発生する。
 複数の誘発型能力があれば、それらはそれぞれ別々に誘発する。
 3つめが常在型能力。
 上記の2つ以外のもので、存在するかぎり有効。

能力は発生源から独立

 一旦発生した能力はその発生源とは独立してスタックに置かれ、その能力の発生源が場(など元の領域)を離れても、能力は打ち消されません。

破壊されたトークン

 トークンもパーマネントですので、破壊されたら墓地に置かれます。
 墓地に置かれてから、次に優先権が発生するタイミングで、状況起因効果でゲームから取り除かれます。

飛行を持つかのように

 「飛行を持つかのようにブロックに参加できる」クリーチャーは、ブロック・クリーチャーの宣言時にそのブロックが適正であるかどうか判断するに関して飛行を持つクリーチャーとして扱われます。
 ですから、飛行を持つクリーチャーによってしかブロックできない、という能力を持ったクリーチャーをブロックすることも可能です。

複数のダメージ

 次に与えられたダメージをX点分だけ処理します。
 現在、マジックでは「ダメージをまとめて扱う」ということはありません。
#戦闘ダメージは全て同時に扱われますが、それとは異なります。

複数の置換効果

 複数の置換効果、軽減効果が1つのイベントに作用しうる場合、その順番はそのイベントによって本来影響を受けるプレイヤーが好きに決めます。どれか1つだけを選んで、その他を無視するということは(結果的にそうなることはありますが)できません。
 ただし、これには例外があります。
 そのカード自身の効果を一部置き換える置換効果は、自己置換効果と呼ばれ、一番最初に適用しなければなりません。

複数の誘発型能力

 複数の誘発型能力があった場合、それらは全て独立に誘発します。
 その後、次に優先権が発生するときに、まず先にアクティブ・プレイヤーのコントロールする誘発型能力をすべて、コントローラーの望む順でスタックに置きます。次に、非アクティブ・プレイヤーのコントロールする誘発型能力をコントローラーの望む順でスタックに置きます。

複数の領域変更誘発

 場を離れる領域変更誘発は、場を離れる直前の状況に従って誘発しますので、同時に場を離れる複数のパーマネントは、それぞれもう一方のパーマネントが場を離れることを「見る」ことになります。

変異とは

 変異とは、
・そのクリーチャー・カードを3マナで裏向きにプレイできる
・変異コストを支払って表にできる
 という2つの効果を持つ能力です。
 ですから、表にできるのは1度だけです。また、クリーチャー呪文なので、裏向きでプレイできる(場に出せる)のは、自分のメイン・フェイズの間で、スタックが空のときだけです。
 あなたが優先権を持っている時ならいつでも変異コストを支払って表向きにすることができます。表にすることはスタックを用いない特別な行動であり、対応して何か行動することはできません。
 なお、表にすることは「場に出す」ことではありません。

墓地、ライブラリー、手札

 カードが墓地、ライブラリー、手札に置かれるとき、かならず、オーナーの墓地、ライブラリー、手札に置かれます。もし仮に、おかしな相互作用の結果そうでない効果が発生したとしても、ルールによってそうなります。

墓地にあるクリーチャー

 墓地にあるのはクリーチャーではなく、クリーチャー・カードです。
 「クリーチャー」「アーティファクト」「エンチャント」などと言った場合、パーマネントのことだけを指します。墓地や手札、スタック、ライブラリーにあるカードを指すことはありません。

優先権

 マジックには、「優先権」という概念があります。
 優先権は、アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップ(例外あり)を除く、フェイズやステップの開始時と、スタックの一番上にある呪文や能力を解決した後に、アクティブ・プレイヤーが得ます。
 なお、優先権が発生する直前に、そのフェイズやステップに起こるルールの処理(カードを引くとか攻撃クリーチャーを指定するとか)と、状況起因効果、誘発型能力の処理が行なわれます。
#クリンナップ・ステップの開始時に優先権が発生するのは、状況起因効果や誘発型能力があった場合だけです。
 優先権を持つプレイヤーは、呪文や能力をプレイしたり、あるいは「特別な行動」を行なったりすることができます。
 プレイが終わると、再び優先権はその呪文や能力をプレイしたプレイヤーに与えられます。優先権を持つプレイヤーが、プレイしたいだけの呪文や能力をプレイし終えたら、『パス』を宣言します。
 パスされたら、次は、もう一人のプレイヤーに優先権が移ります。こちらも、同じようにいくつでも呪文や能力をプレイすることが可能です。
 双方のプレイヤーが『続けて』パスするまで、これを繰り返します。
 その後、双方のプレイヤーが続けてパスしたら、スタックの一番上の呪文や能力が1つ解決され、アクティブ・プレイヤーに優先権が発生します。
 スタックが空の状態で双方のプレイヤーが続けてパスした場合、その時点でそのステップ(あるいはフェイズ)は終わり、次のステップに移ります。