イーブンタイド ルール入門
Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, Lee Sharpe, Eli Shiffrin, and Thijs van Ommen
最終更新日:08/06/11
イーブンタイド プレリリース:2008年7月12-13日
イーブンタイド公式発売日:2008年7月25日
イーブンタイドは、公式発売日をもって認定構築戦で使用可能になる。
スタンダードでは、コールドスナップ、時のらせん、次元の混乱、未来予知、第10版、ローウィン、モーニングタイド、シャドウムーア、イーブンタイドの各セットが使用可能。
ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築フォーマットでは、ローウィン、モーニングタイド、シャドウムーア、イーブンタイドの各セットが使用可能。
イーブンタイドのカードは、全180種類(コモン60、アンコモン60、レア60)。
ルール入門は、イーブンタイドのプレリリース・トーナメントをサポートする目的で作られたものである。 ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。 あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。
より詳しい内容の「イーブンタイド よくある質問集」(FAQ)は、2008年7月14日に発表になる予定。 イーブンタイドのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。
復活メカニズム:混成
混成マナ・シンボルは、そのコストを2色のどちらででも支払えることを意味する。 例えば、{W/B}は{W}でも{B}でも支払うことができる。 これは白マナのシンボルであり、黒マナのシンボルでもある。 マナ・コストが{W/B}であるカードは白でも黒でもあり、点数で見たマナ・コストは1である。 カード上では{W/B}は、斜めに区切られた丸いシンボルで描かれている。左上が白マナのシンボル風(白の背景に太陽)で、右下が黒マナのシンボル風(暗い灰色の背景に髑髏)である。
《安息無き亡霊/Restless Apparition》
{W/B}{W/B}{W/B}
クリーチャー ― スピリット
2/2
{W/B}{W/B}{W/B}:安息無き亡霊はターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
頑強 (このクリーチャーが場からいずれかの墓地に置かれたとき、それの上に−1/−1カウンターが置かれていなかった場合、それを−1/−1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で場に戻す。)
- シャドウムーアで登場した混成マナ・シンボルは{W/U}{U/B}{B/R}{R/G}{G/W}で、すべてが友好色の組み合わせだった。 それに対し、イーブンタイドで登場する混成マナ・シンボルは{W/B}{U/R}{B/G}{R/W}{G/U}で、すべてが敵対色の組み合わせになっている。
- 混成マナ・シンボルは、カードの右上のマナ・コストや、起動型能力をプレイするためのコスト等、コストにのみ使用される。
- マナ・コストに混成マナ・シンボルを持つカードは混成カードである。 混成カードは、それをプレイするために支払われたマナの種類によらず、マナ・コストに描かれた各色である。 例えば、《安息無き亡霊》は白であり黒である。
- 混成呪文や混成コストを持つ起動型能力をプレイする際に、モードやXの値を選ぶのと同じ時点で、各混成マナ・シンボルに対しどの色のマナを支払うのかを選ぶ。 何らかの効果により呪文をプレイするためのコストの色マナが少なくなる場合、その効果はその呪文をプレイする手順の中でその色のマナを支払うことを選んだ場合にのみ適用される。
- コストに複数の混成マナ・シンボルがある場合、各シンボル毎に異なる色を選ぶことができる。 例えば、呪文のコストが{W/B}{W/B}である場合、それのために{W}{W}か{W}{B}か{B}{B}を支払うことができる。
- 他の多色カードとは異なり、混成カードは金枠ではなくツートンカラーの枠を持っている。枠の左半分が自身の色のうち1色、もう半分が自身の色のうちもう1色である。
- 混成マナ・シンボルは新しい色ではない。 混成色マナをマナ・プールに加えるようなことはできない。
新キーワード能力:回顧
回顧は特定のインスタント・カードやソーサリー・カードを墓地からプレイできるようにする能力である。
《カラスの罪/Raven's Crime》
{B}
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。
回顧 (あなたはこのカードを、それの他のコストの支払いに追加して土地カードを1枚捨てることで、あなたの墓地からプレイしてもよい。)
回顧の公式ルールは以下の通り。
502.81. 回顧
502.81a 回顧はインスタントやソーサリーの一部が持つ能力である。 それはそのカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある状態で機能する常在型能力である。 「回顧/Retrace」は「あなたはこのカードを、それをプレイするための追加コストとして土地カードを1枚捨てることで、あなたの墓地からプレイしてもよい。」を意味する。 回顧能力を使って呪文をプレイすることは、409.1b、409.1f-h の追加コストを支払うことに関するルールに従う。
- 回顧能力を使ってカードをプレイすることは、他のカードをプレイすることとほとんど同じであるが、二つの点が異なる。そのカードはあなたの手札からではなくあなたの墓地からプレイされ、あなたは他のコストに加えて土地カードを1枚捨てなければいけない。
- あなたの墓地からプレイされる回顧カードは、そのカード・タイプによる通常のタイミングのルールに従う。
- 回顧カードをあなたの墓地からプレイするには、あなたはそれのマナ・コストを支払うとともに、さらに土地カードを1枚捨てなければいけない。
- あなたの墓地からプレイされた回顧カードが解決されたり打ち消されたりした場合、それはあなたの墓地に戻る。 再びそれの回顧能力を使ってプレイしてもよい。
- アクティブ・プレイヤーが回顧を持つ呪文をプレイした場合、そのプレイヤーは、その呪文の解決後、他のプレイヤーがそのカードを墓地から取り除く前に、そのカードを再びプレイすることができる。 呪文の解決後にはアクティブ・プレイヤーが優先権を持つため、そのプレイヤーは直ちに新たな呪文をプレイすることができる。 回顧を持つカードを墓地からプレイすることによって、そのカードはスタックに置かれるので、他のプレイヤーはそれが墓地にある状態で何らかの行動をとることはできない。
新能力語:彩色
彩色は能力語である。 それは、あるカードやパーマネントの集合における特定の色のマナ・シンボルを数える能力の前に書かれている。 (能力語自体にはルール上の意味は無い。)
《心臓鞭の燃えがら/Heartlash Cinder》
{1}{R}
クリーチャー ― エレメンタル・戦士
1/1
速攻
彩色 ― 心臓鞭の燃えがらが場に出たとき、それはターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。Xはあなたがコントロールするパーマネントのマナ・コストの赤マナ・シンボルの総数に等しい。
- 別々の彩色能力は、それぞれ異なる効果を持ち、それぞれ異なるカードやパーマネントの集合を参照している。 各カードを注意深くチェックすること。
- 彩色能力が数えるのは、カードの右上に書かれているマナ・コストの部分だけである。 カードの文章欄にあるマナ・シンボルは数えない。
- 彩色能力は、混成マナ・シンボルをそれぞれの色として数える。 例えば、マナ・コストが{3}{U/R}{U/R}であるカードは、赤マナ・シンボルを2個有している。
- 彩色能力の多くは、その彩色能力を持つパーマネント自身を含んでチェックを行う。 例えば、《心臓鞭の燃えがら》の彩色能力は自身を含むため、最低でも+1/+0の修整を受ける。 同様に、《尊原初/Primalcrux》({G}{G}{G}{G}{G}{G}のクリーチャーで、パワーとタフネスが、それぞれあなたがコントロールするパーマネントのマナ・コストの緑マナ・シンボルの総数に等しい。)は、場にある間は少なくとも6/6である。
- 《瓜二つ/Spitting Image》や《クローン/Clone》といったコピー効果は、パーマネントのマナ・コスト(と、その分のマナ・シンボル)をコピーする。 パーマネントのコピーであるトークンはそのパーマネントのマナ・コストを(あるのであれば)コピーし、彩色能力はそれを数に数える。
サイクル:ミミック
イーブンタイドには、混成の2/1の多相の戦士・クリーチャーのサイクルがある。 それぞれは、あなたが特定の2色である呪文をプレイしたときにサイズを変える能力を持っている。
《岸砕きのミミック/Shorecrasher Mimic》
{1}{G/U}
クリーチャー ― 多相の戦士
2/1
あなたが緑であり青である呪文をプレイするたび、岸砕きのミミックはターン終了時まで5/3になるとともにトランプルを得る。
- ミミックの能力は、あなたが指定された両方の色である呪文をプレイするたびに誘発する。 その呪文が他の色であるかどうかは問わない。 例えば、《岸砕きのミミック》はあなたが《狩るものヴォラシュ/Vorosh, the Hunter》(緑青黒)をプレイしたときに誘発する。
- ミミックの能力は、それのパワーやタフネスを変更するほとんどの効果を上書きする。 ただし、特定の効果はその後でも適用される。
- ミミックの能力の解決後に発生した、それのパワーやタフネスを変更する効果(《巨大化/Giant Growth》等)や、それのパワーやタフネスを特定の値にする効果(《木化/Lignify》等)。
- ミミックのパワーやタフネスを変更するカウンター(+1/+1カウンターや−1/−1カウンター等)。それがいつクリーチャーに置かれたかは問わない。
- ミミックのパワーやタフネスを修整する常在型能力(《栄光の頌歌/Glorious Anthem》等)。それがいつ最初に適用されたかは問わない。
- ミミックのパワーやタフネスを入れ替える効果。それがいつ最初に適用されたかは問わない。
- ミミックが持つ他の能力は影響を受けない。
- あるターンに、あなたが指定された2色である呪文を再びプレイした場合、ミミックの能力は再び誘発する。 ミミックは再び能力に指定されたパワーとタフネスになり、それに適用されていたパワーやタフネスに影響を与える効果を一時的に上書きする。
- これらは多相の戦士であるが多相能力を持っておらず、すべてのクリーチャー・タイプではない。 多相を持つのは、ローウィンとモーニングタイドの多相の戦士だけである。
サイクル:雛
イーブンタイドには、混成の6/6クリーチャーで、−1/−1カウンターが4つ置かれた状態で場に出て、あなたが特定の色の呪文をプレイしたときにそのカウンターが減るクリーチャーのサイクルがある。
《好戦的な雛/Belligerent Hatchling》
{3}{R/W}
クリーチャー ― エレメンタル
6/6
先制攻撃
好戦的な雛は−1/−1カウンターが4個置かれた状態で場に出る。
あなたが赤の呪文をプレイするたび、好戦的な雛から−1/−1カウンターを1個取り除く。
あなたが白の呪文をプレイするたび、好戦的な雛から−1/−1カウンターを1個取り除く。
- 指定された両方の色である呪文をプレイした場合、両方の能力が誘発する。 その結果、合計2個の−1/−1カウンターが取り除かれる。
- 雛の上に−1/−1カウンターが無い状態で能力が誘発した場合、その能力は何もしない。 カウンターが取り除けないことによるペナルティは無い。
サイクル:垣魔道士
イーブンタイドには、混成の2/2クリーチャーで、あなたが特定の基本土地タイプを持つ土地を2つ以上コントロールしているかどうかをチェックする場に出たときの能力を2つ持っているクリーチャーのサイクルがある。
《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》
{2}{R/W}
クリーチャー ― ドワーフ・シャーマン
2/2
デュルガーの垣魔道士が場に出たとき、あなたが山を2つ以上コントロールしている場合、アーティファクト1つを対象とする。あなたはそれを破壊してもよい。
デュルガーの垣魔道士が場に出たとき、あなたが平地を2つ以上コントロールしている場合、エンチャント1つを対象とする。あなたはそれを破壊してもよい。
- 垣魔道士の各誘発型能力は、「〜場合、」節を持つ。 したがって、あなたが指定された土地タイプを持つ土地を2つ以上コントロールしている状態で垣魔道士が場に出たのでなければこの能力は誘発しないし、能力の解決時に解決時にあなたが指定された土地タイプを持つ土地を2つ以上コントロールしていなければ何もしない。
*垣魔道士のそれぞれの誘発型能力は、それぞれ別個にあなたの土地をチェックする。 したがって、例えばあなたが《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を2つコントロールしていれば、《デュルガーの垣魔道士》の両方の能力が誘発する。
- 両方の能力は同時に誘発する。 あなたはそれらをスタックに置く順番を決めてよい。
- すべての垣魔道士の能力は任意である。 あなたはその解決時に、それを使うかどうかを選ぶ。 ただし、能力が対象をとっている場合、その能力を使わないつもりであっても、対象を選ばなければいけない。
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