未来予知 ルール入門

Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe

最終更新日:07/03/25

未来予知 プレリリース・トーナメント:07/04/21-22

未来予知 公式発売日:07/05/04

未来予知は、2007年5月20日から認定構築戦で使用可能。

 未来予知のカードは、全180種類(コモン60、アンコモン60、レア60)。

 ルール入門は、未来予知のプレリリース・トーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。

 より詳しい内容の「未来予知 よくある質問集」(FAQ)は、2007年4月23日に発表になる予定。未来予知のカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。

一般注釈

「タイムシフト」カード

 未来予知には「タイムシフト」カードが含まれているが、それらは時のらせんや次元の混乱のタイムシフトカードとは異なっている。

 未来予知の各タイムシフトカードは、理論上ありうる未来のマジックのセットから「逆再録」したカードである。これらのカードは独自のカード枠を持っている。それらは独自のレア度を持たず、未来予知の“通常の”カードと混ざり合っている。各ブースターパックに複数枚のタイムシフトカードが入っているが、その枚数は様々である。

 すべてのタイムシフトカードの枠の左上には、カードのタイプを示すアイコンが描かれている。複数のタイプを持つカードには、すべて“複数タイプ”を示す同一のアイコンがある。クリーチャー・カードの中には固有の印刷された能力を持たないためにテキスト欄が無いものがあるが、これらのクリーチャーも通常と同様に能力を得ることができる。

新キーワードメカニズム

 未来予知のカードは、来年、ではなくてこの先百年間のマジックの進化をまたにかけているため、キーワード能力も大変なことになっている。その内の多くはすでにおなじみのものだ。いくつかは、古いカードの働きに応じてオラクル表記に影響することになる。ルール入門ではすべてのキーワードには触れない。

サイクル:「壮大」を持つ伝説のクリーチャー

 「壮大」は、ルール上の意味を持たない能力語である。

《刃の翼タロックス/Tarox Bladewing》
{2}{R}{R}{R}
伝説のクリーチャー ― ドラゴン
4/3
飛行、速攻
壮大 ― 他の「刃の翼タロックス」という名前のカードを1枚捨てる:刃の翼タロックスはターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。Xは自身のパワーに等しい。

サイクル:“契約”

 未来予知には、カード名に“契約”という語を含むインスタントのサイクルがある。それぞれのマナ・コストは{0}で、いずれもあなたの次のアップキープの開始時にマナを支払わないかぎりゲームに敗北するという遅延誘発型能力を生み出す。

《仲裁の契約/Intervention Pact》
{0}
インスタント
仲裁の契約は白である。
このターン、次にあなたが選んだいずれかの発生源1つがあなたに与えるダメージをすべて軽減し、0にする。あなたはこれにより軽減されたダメージに等しい点数のライフを得る。
あなたの次のアップキープの開始時に、{1}{W}{W}を支払う。そうしない場合、あなたはこのゲームに敗北する。

サイクル:スペルシェイパー

 未来予知には一連のスペルシェイパーのサイクルがある。これらのスペルシェイパーは、過去にあったクリーチャーを真似たクリーチャー・トークンを生み出す。(もっとも、うち1枚が生み出すクリーチャーは……未来からだ!)

《ラノワールの助言者/Llanowar Mentor》
{G}
クリーチャー ― エルフ・スペルシェイパー
1/1
{G}, {T}, カードを1枚捨てる:「ラノワールのエルフ」という名前の「{T}:あなたのマナ・プールに{G}を加える。」を持つ緑の1/1のエルフ・ドルイド・クリーチャー・トークンを1体場に出す。

テーマ:待機の新たな展開

 待機ルール自身に変更は無いが、このセットではこの能力を持ついくつかのカードで興味深いひねりが加えられている。

 このセットには、待機能力を持ち、解決時に自分自身をゲームから取り除いて時間カウンターを置き、再び待機状態にする5枚のカードのサイクルがある。

《弧状の刃/Arc Blade》
{3}{R}{R}
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。弧状の刃はそれに2点のダメージを与える。弧状の刃を、それの上に時間カウンターを3個置いた状態でゲームから取り除く。
待機 3―{2}{R}(これをあなたの手札からプレイするのではなく、{2}{R}を支払ってゲームから取り除き、その上に時間カウンターを3個置いてもよい。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、あなたはそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。)

 カードの中には、カードをゲームから取り除いた上で、それに待機を与えるものがある。

テーマ:エンチャントのタップ

 このセット内のエンチャントのいくつか(何枚かのオーラを含む)にはタップ能力がある。

再録キーワード行動:占術

 占術は、フィフス・ドーンで登場したキーワード行動である。これは「生け贄に捧げる」や「再生する」と同様に「占術を行う」という形で書かれる。(マジック総合ルールの「キーワード行動」に関する項目は、5月1日に更新される予定。)

《卑しめる裁き/Judge Unworthy》
{1}{W}
インスタント
攻撃かブロックしているクリーチャー1体を対象とする。占術3を行い、その後あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。卑劣な裁きはそのカードの点数で見たマナ・コストに等しい点数のダメージをそのクリーチャーに与える。(占術3を行うには、あなたのライブラリーの一番上から3枚のカードを見て、そのうちの望む枚数のカードをあなたのライブラリーの一番下に置き、残りを望む順番で一番上に置く。)

 占術に関するルールは以下の通り。

501.9. 占術
501.9a 「占術Nを行う/Scry N」とは、あなたのライブラリーの一番上からN枚のカードを見て、それらのうち望む枚数のカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置くことを意味する。

再録キーワード能力:変異

 未来予知のセットには、変異を持つ非クリーチャー・カードがある。

《生けるものの洞窟/Zoetic Cavern》
土地
{T}:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
変異 {2}(あなたはこれを、{3}を支払うことで、裏向きの2/2のクリーチャーとしてプレイしてもよい。いつでも変異コストを支払ってそれを表向きにすることができる。)

 クリーチャーでない変異カードを扱うため(および、過去に出した裁定に対応するため)に、変異に関する一部のルールは更新される。変更される部分は以下の通り(3つ目の文は新規)。

502.26b 変異能力を使ってカードをプレイするには、それを裏向きにする。それは、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たない2/2の裏向きのクリーチャー・カードとなる。(表側のカードの特性ではなく)これらの特性を持つカードのプレイに適用される効果や禁止事項は、このカードのプレイに適用される。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である(rule 418.5〔継続的効果の相互作用〕およびrule 503〔オブジェクトのコピー〕参照)。それを(同一の特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに置き、それのマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異能力を持つカードを呪文としてプレイすることができる領域ならどの領域からでも、変異能力を使ってカードをプレイできる。その呪文が解決された時点で、それは呪文であった間と同じ特性をもったまま場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。

 その他の変異を持つ非クリーチャー・カードの注意事項は以下の通り。

再録キーワード能力:サイクリングとタイプ・サイクリング

 サイクリングは、最近ではオンスロートブロックで登場したキーワード能力である。基本的な能力には変更は無い。

 タイプ・サイクリングは、これまでではスカージで登場した。そのときは、それは能力として(“沼サイクリング”のように)土地タイプのみを持っていたので、「土地サイクリング」と呼ばれていた。この能力は拡張され、他のサブタイプとも結びつけることができるようになった。そのため、名前もそれに合わせて変更になる。能力自体の動作に変更は無い。

 サイクリングのルールの更新部分は以下の通り。

502.18. サイクリング
502.18a サイクリングは、サイクリング能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [コスト]」は、「[コスト], このカードを捨てる:カードを1枚引く。」ということを意味する。
502.18b サイクリング能力は、そのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみプレイできるものであるが、それはそのオブジェクトが場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、サイクリングを持つオブジェクトは、オブジェクトが1つ以上の能力を持つかどうかに依存する効果の影響を受ける。
502.18c サイクリングを持つカードの中には、サイクリングを行ったときに誘発する能力を持つものがある。「あなたが[このカード]をサイクリングしたとき/When you cycle [this card]」は、「あなたが[このカード]をサイクリング・コストとして捨てたとき」ということを意味する。これらの能力は墓地で誘発する。
502.18d タイプ・サイクリング能力は、サイクリング能力の一種である。「[サブタイプ]サイクリング [コスト]/[サブタイプ]cycling [コスト]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから[サブタイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。」ということを意味する。
502.18e いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングすることで誘発するカードは、いずれかのカードがタイプ・サイクリングのコストとして捨てられたときにも誘発する。サイクリングを禁止する効果によって、カードのタイプ・サイクリング能力のプレイも禁止される。

新キーワード能力:絆魂

 絆魂は、(《賛美されし天使/Exalted Angel》等の)すでにある能力に与えられた新たな名前である。絆魂に関するルールは以下の通り。

502.68. 絆魂
502.68a 絆魂は誘発型能力である。「絆魂/Lifelink」は「このパーマネントがダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。」という意味である。
502.68b 1つのパーマネントに複数の絆魂能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。

新キーワード:到達

 到達は、《大蜘蛛/Giant Spider》などの「[このクリーチャー]は飛行を持つかのようにブロックできる」能力に置き換わるものである。飛行に関するルールもそれに伴い変更される。

 飛行に関する公式ルールを、以下の通り改定する。

502.4. 飛行
502.4a 「飛行/Flying」は回避能力である。
502.4b 飛行を持つクリーチャーは、飛行も到達も持たないクリーチャーによってブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(309「ブロック・クリーチャー指定ステップ」や502.70「到達」を参照。)
502.4c 1体のクリーチャーに複数の飛行能力があっても意味はない。

 到達に関する公式ルールは以下の通り。

502.70. 到達
502.70a 「到達/Reach」は常在型能力である。
502.70b 飛行を持つクリーチャーは、飛行も到達も持たないクリーチャーによってブロックされない。(309「ブロック・クリーチャー指定ステップ」や502.4「飛行」を参照。)
502.70c 1体のクリーチャーに複数の到達能力があっても意味はない。

新キーワード能力:被覆

 被覆能力は、以前からある能力に新たなキーワードがついたものである。被覆に関するルールは以下の通り。

502.36. 被覆
502.36a 被覆は常在型能力である。「被覆/Shroud」は「このパーマネントやプレイヤーは呪文や能力の対象にならない。」という意味である。
502.36b 1つのパーマネントや1人のプレイヤーに複数の被覆能力があっても意味はない。

新カード・タイプ:部族

 「部族/Tribal」は新しい(“クリーチャー”や“インスタント”のような)タイプである。カード・タイプ“部族”に関するルールは以下の通り。

212.8. 部族
212.8a 各部族カードは他のカード・タイプを持つ。部族カードのプレイや解決は、その他のタイプのプレイや解決のルールに従う。
212.8b 部族のサブタイプは必ず1単語であり、長いダッシュに続いて並べられている。「部族エンチャント ― レベル・オーラ」では、「レベル」が部族のサブタイプである。部族サブタイプの一覧はクリーチャーのサブタイプの一覧と同一である。これらのサブタイプは「クリーチャー・タイプ」と呼ばれる。部族には複数のサブタイプがあることもありうる。
205.3d アーティファクト、エンチャント、土地には、それぞれ独立なサブタイプの組が存在する。インスタントとソーサリーはサブタイプを共有する。これらのサブタイプは「呪文タイプ」と呼ばれる。クリーチャーと部族もサブタイプを共有する。これらのサブタイプは「クリーチャー・タイプ」と呼ばれる。(この文書の最後の「クリーチャー・タイプ」「土地タイプ」などの項目に、それぞれのすべてのサブタイプの一覧が書かれている。)
205.3e 複数のタイプを持つカードがいくつかのサブタイプを持つ場合、各サブタイプは適切なタイプと結び付けられる。

All trademarks are property of Wizards of the Coast, Inc. in the U.S.A. and other countries.(c)2007 Wizards.