ローウィン ルール入門
Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe
Document last modified 07/08/23
ローウィン プレリリース:2007年9月29-30日
ローウィン 公式発売日:2007年10月12日
ローウィンは、2007年10月20日から認定構築戦で使用可能。
セット枚数:301枚(コモン121、アンコモン80、レア80、基本土地20)
ルール入門は、ローウィンのプレリリース・トーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。
より詳しい内容の「ローウィン よくある質問集」(FAQ)は、2007年10月1日に発表になる予定。ローウィンのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。
一般注釈
カードタイプ:プレインズウォーカー
プレインズウォーカーは新しいカードタイプである。プレインズウォーカーは、あなたの横に並んで一緒に戦ってくれる強力な仲間である。
《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
{2}{G}{G}
プレインズウォーカー ― ガラク
[+1]:土地2つを対象とし、それらをアンタップする。
[-1]:緑の3/3のビースト・クリーチャー・トークンを1体場に出す。
[-4]:あなたがコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+3/+3の修整を受けるとともにトランプルを得る。
プレインズウォーカーは、あなたがソーサリーをプレイできる時のみプレイできる。プレインズウォーカーはパーマネントである。したがって、あなたがコントロールするプレインズウォーカー呪文が解決されたら、それはあなたのコントロール下で場に出る。パーマネントに影響する呪文や能力(「パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。」等)は、プレインズウォーカーに影響する。プレインズウォーカーはクリーチャーではない。カードがクリーチャーに影響を与える場合、それはプレインズウォーカーには何の影響も与えない。
プレインズウォーカーのサブタイプ
各プレインズウォーカーにはサブタイプがある。例えば、《野生語りのガラク》のタイプ行には「プレインズウォーカー ― ガラク」と書かれている。これらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプとも呼ばれる。これらはクリーチャー・タイプではなく、独自のリストを持つ。
- 場に出ている2人以上のプレインズウォーカーに共通のサブタイプがある場合、それらはすべて状況起因効果でオーナーの墓地に置かれる。
プレインズウォーカーの忠誠度
「忠誠度/Loyalty」はプレインズウォーカーのみが持つ特性である。各プレインズウォーカーの忠誠度は、カードの右下隅に書かれている。これはパワーやタフネスではない――新しい種類の値である。
- プレインズウォーカーは、自身の忠誠度に等しい数の忠誠カウンターが置かれた状態で場に出る。プレインズウォーカーが場にある間、その忠誠度はそれの上に置かれている忠誠カウンターの数に等しい。印刷されている忠誠度の値は無視される。
- プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、その数に等しい忠誠カウンターがその上から取り除かれる。後述「プレインズウォーカーへのダメージ」を参照。
- プレインズウォーカーの能力をプレイすることで忠誠度が上下する。後述「プレインズウォーカー能力」を参照。プレインズウォーカーが忠誠度を失った場合、その点数に等しい数の忠誠カウンターをその上から取り除く。プレインズウォーカーが忠誠度を得た場合、その点数に等しい数の忠誠カウンターをその上に追加で置く。
- プレインズウォーカーの忠誠度が0になった場合、それは状況起因効果でオーナーの墓地に置かれる。
- プレインズウォーカーが場に無い場合、その忠誠度はカードの右下隅に書かれている値に等しい。
プレインズウォーカー能力
ローウィンに登場する各プレインズウォーカーは、それぞれ起動型能力を3つ持っている。これらの能力は、カードには特に示されていない制限と、新しいシンボルで表されているコストを持っている。
- プレインズウォーカーの能力は、そのプレインズウォーカーのコントローラーのみがプレイすることができ、そのプレイヤーがソーサリーをプレイできるときにのみプレイすることができる。プレインズウォーカー能力は、それが場に出たターンにプレイしてかまわない。いずれのプレイヤーも、あるターンにあるプレインズウォーカーの能力がプレイされている場合、そのターン中はそのプレインズウォーカーの能力をプレイできない。言い換えれば、自分のターン中には、あなたの各プレインズウォーカーは1回ずつしか能力を使えないということである。
- プレインズウォーカー能力のコストは、数字が中に書かれている矢印で示されている。プラスの数字(「+3」等)が書かれている上向きの数字は、その数の忠誠カウンターを置くことを意味する(「このプレインズウォーカーに忠誠カウンターを3個置く。」等)。マイナスの数字(「−1」等)が書かれている下向きの数字は、その数の忠誠カウンターを取り除くことを意味する(「このプレインズウォーカーから忠誠カウンターを1個取り除く。」等)。マイナスの忠誠度コストを持つプレインズウォーカー能力は、少なくともその数の忠誠カウンターがそのプレインズウォーカーに置かれていないかぎりプレイできない。
プレインズウォーカーと戦闘
プレインズウォーカーはクリーチャーではなく、自身が攻撃することもブロックすることもない。しかし、プレインズウォーカーは攻撃を受けることがある。
攻撃クリーチャー指定ステップの最初に、防御プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしている場合、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーが誰(あるいはどれ)を攻撃するかを宣言する。選べるのは、防御プレイヤーかそのプレイヤーのプレインズウォーカーのいずれかである。すべての攻撃クリーチャーで同じものを攻撃してもよいし、それぞれ異なるものを攻撃してもよい。防御プレイヤーが複数のプレインズウォーカーをコントロールしている場合、一つの戦闘フェイズでそれらの一部ないし全部に対し攻撃を行うことができる。
ブロック・クリーチャー指定ステップの最初に、防御プレイヤーは(いるのであれば)自分がコントロールするどのクリーチャーでどの攻撃クリーチャーをブロックするのかを宣言する。攻撃クリーチャーが誰(あるいはどれ)を攻撃しているのかは、ブロック・クリーチャーにとっては関係がない。
戦闘ダメージ・ステップにおいて、ブロックされなかった攻撃クリーチャーから防御プレイヤーへのダメージ、ブロックされたクリーチャーからのダメージ、ブロックしたクリーチャーからのダメージは、通常と同様に割り振り与えられる。プレインズウォーカーを攻撃しているブロックされなかったクリーチャーは、そのプレインズウォーカーに戦闘ダメージを割り振り与える。その結果、その点数に等しい数の忠誠カウンターが取り除かれる。プレインズウォーカーはプレイヤーと同様に、戦闘ダメージを与えることはない。
- トランプルを持つクリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃してブロックされた場合、攻撃クリーチャーはまず各ブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振らなければならない。その上で余ったダメージはそのプレインズウォーカーに割り振ることができる。ただし、プレインズウォーカーを攻撃したトランプルを持つクリーチャーは、そのプレインズウォーカーを“トランプルして”余ったダメージを防御プレイヤーに与えることはできない。
- プレインズウォーカーが場を離れたりコントローラーが代わったりした場合、それは戦闘から取り除かれ、攻撃されている状態でなくなる。しかし、そのプレインズウォーカーを攻撃していたクリーチャーは戦闘から取り除かれない――それは攻撃しているままである。それをブロックすることも可能である。ブロックされなかった場合、それは攻撃クリーチャーのままであるが、戦闘ダメージ・ステップにダメージを割り振ることはない。ブロックされた場合、通常通りにブロックしたクリーチャーにダメージを与える。攻撃クリーチャーがトランプルを持つ場合、そのトランプル能力には意味がない。余ったダメージを割り振る先がないからである。
- 双頭巨人戦において、クリーチャーは防御チームか、そのチームのいずれかのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃することができる。プレインズウォーカーを攻撃しているクリーチャーは、防御チームのプレイヤーであればどちらがコントロールするクリーチャーででもブロックできる。そのプレインズウォーカーのコントローラーに限られない。
プレインズウォーカーへのダメージ適用
あなたがコントロールする発生源が戦闘ダメージ以外のダメージをいずれかの対戦相手に与える場合、代わりにあなたはその発生源からのダメージをその対戦相手がコントロールするいずれかのプレインズウォーカーに与えることができる。これは移し変え効果である。あなたはその移し変え効果が適用される際に移し変えを行うかどうかを選ぶ。ただし、通常の置換効果の適用順のルールには従う。それらの効果を適用する順番はダメージを適用される側のプレイヤーが決めるが、そのダメージを移し変えるかどうかを決めるのは発生源のコントローラーである。このダメージの移し変えは、戦闘ダメージには適用されないことに注意。
- 例えば、あなたはプレインズウォーカーを《ショック/Shock》の対象にすることはできないが、対戦相手を《ショック/Shock》の対象にし、その《ショック/Shock》の解決の際に、《ショック/Shock》からの2点のダメージをその対戦相手がコントロールするプレインズウォーカーのうち1人に与えることができる。そうした場合、そのプレインズウォーカーから忠誠カウンターが2個取り除かれる。
- プレイヤーとプレインズウォーカーの間でダメージを分割することはできない。上記の《ショック/Shock》の例で言えば、《ショック/Shock》のダメージをプレイヤーに1点、プレインズウォーカーに1点にすることはできない。
- あなたがコントロールする発生源があなたにダメージを与える場合、あなたはその発生源からのダメージを代わりに自分のプレインズウォーカーに与えることはできない。
- 双頭巨人戦において、あるプレイヤーに与えられるダメージを、そのプレイヤーのチームメイトがコントロールするプレインズウォーカーに与えることはできない。
カードタイプ:部族
部族は未来予知の1枚のカードで登場したカードタイプである。部族はクリーチャーではないがクリーチャー・タイプを持つ。ローウィンには多くの部族カードがあるため、繰り返しではあるが「よくある質問」において項目を掲載する。部族カード・タイプに関するルールは以下の通り。
212.8. 部族
212.8a 各部族カードは他のカード・タイプを持つ。部族カードのプレイや解決は、その他のタイプのプレイや解決のルールに従う。
212.8b 部族のサブタイプは常に1単語であり、ダッシュの後に「部族エンチャント ― マーフォーク」のように書かれる。部族サブタイプの一覧はクリーチャーのサブタイプの一覧と同一である。これらのサブタイプは「クリーチャー・タイプ」と呼ばれる 部族には複数のサブタイプがあることもありうる。
- 部族はパーマネントのタイプではない。ただし、他のタイプによりそのカードがパーマネントになる場合、その部族カードはパーマネントになる。
- ローウィンのカードの多くはクリーチャー・タイプを参照する。これらのカードは、そこでの表記や機能によっては部族に影響する。以下では、クリーチャー・タイプの例として「ゴブリン」を使う。
- カードに「ゴブリン」が単体で書かれている場合(「ゴブリン・カード」や「ゴブリン呪文」等でない場合)は、それは実際には「ゴブリン・パーマネント」を指す。それは場に出ているあらゆるゴブリン・パーマネントに影響する。これにはゴブリン部族が含まれる。
- カードに「ゴブリン・クリーチャー」と書かれている場合、それは場に出ているゴブリン・クリーチャーにのみ影響する。部族には影響しない。
- カードに「ゴブリン・カード」と書かれている場合、それは場に出ていないあらゆるゴブリン・カードに影響する。これにはゴブリン部族が含まれる。
- 呪文があなたがゴブリンをコントロールしているかどうかを確認している場合、それはあなたがゴブリン・パーマネントをコントロールしているかどうかを確認する。それはあなたがコントロールする(その呪文自身を含む)ゴブリン呪文を数えない。
- 複数のタイプを持つカードがいくつかのサブタイプを持つ場合、各サブタイプは適切なタイプと結び付けられる。
- パーマネントのサブタイプが変わった場合、新たなサブタイプは該当する種類のサブタイプ(クリーチャー・タイプ、土地タイプ、アーティファクト・タイプ、エンチャント・タイプ、呪文タイプ、プレインズウォーカー・タイプ)全てを置き換える。他の種類のサブタイプや、そのパーマネントのタイプには影響しない。
- パーマネントがなんらかのタイプでなくなった場合、それに関連するサブタイプは、そのパーマネントが現在持っているいずれかのタイプに対応するサブタイプであればそのまま残る。そうでなければ、そのパーマネントから該当するタイプが取り除かれている間取り除かれる。
- オンスロートの《人工進化/Artificial Evolution》は、部族のクリーチャー・タイプを書き換えられる。
- 古いカードのうちのいくつかは、Oracleデータベースにおいて、部族との微妙な問題を解決できるようにするために訂正される。例えば、インスタント・カードやソーサリー・カードは場に出ない。古いカードの文面でゴブリン・カードが場に出るようになっている場合、それはゴブリン・パーマネント・カードを場に出すように変更される。
キーワード:激突
激突は、小さな競い合いを発生させるキーワード行動である。激突に勝つことで、あなたはボーナスを得ることができる。
《つっかかり/Lash Out》
{1}{R}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。つっかかりはそれに3点のダメージを与える。いずれかの対戦相手と激突を行う。あなたが勝った場合、つっかかりはそのクリーチャーのコントローラーに3点のダメージを与える。(激突を行う各プレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを公開し、そのカードを一番上か一番下に置く。自分のカードの点数で見たマナ・コストの方が大きいプレイヤーが勝つ。)
激突の公式ルールは以下の通り。
501.10. 激突を行う
501.10a 「激突を行う/clash」と指示された場合、プレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを公開する。その後、そのプレイヤーはそのカードを自分のライブラリーの一番下に置いてもよい。
501.10b 「いずれかの対戦相手と激突を行う」とは「対戦相手を1人選ぶ。あなたとその対戦相手はそれぞれ激突を行う。」という意味である。
501.10c ある激突において、あるプレイヤーが公開したカードが、その激突で他のプレイヤーが公開したすべてのカードよりも大きい点数で見たマナ・コストを持つ場合、そのプレイヤーは激突に勝利する。
- ローウィンの激突を持つカードには、「いずれかの対戦相手と激突を行う。」と書かれている。これを行う場合、以下の手順に従う。
- その呪文や能力のコントローラーは対戦相手を1人選ぶ (その対戦相手を対象にしているわけではない)。
- 激突に参加している各プレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを公開する。
- 公開されたカードの点数で見たマナ・コストを記録する。
- ターン順に、激突に参加したプレイヤーは、自分が公開したカードを自分のライブラリーの一番上に置くか下に置くかを決める (最初に決めるのはあくまでターンプレイヤーである。激突を行った呪文や能力のコントローラーとは限らない)。二人目のプレイヤーが選択する段階で、一人目のプレイヤーの選択を知ることができる。その後、すべてのカードは同時に移される。
- 激突が終了する。いずれかのプレイヤーが公開したカードが、その激突で他のプレイヤーが公開したすべてのカードよりも大きい点数で見たマナ・コストを持つ場合、そのプレイヤーは激突に勝つ。
- いずれかのプレイヤーが激突をしたときに誘発する能力がある場合、それらが誘発し、スタックに置かれるのを待つ。
- 激突の呪文や能力の解決を終える。通常は、激突の呪文や能力のコントローラーが激突に勝利した場合、何らかのボーナスが発生する。
- 激突の最中に誘発した能力がスタックに置かれる。
- 激突には引き分けも敗北もない。あなたが勝つか、そうでないかだけである。
- 激突を持つ呪文や能力には、あなた(その呪文や能力のコントローラー)が激突に勝った場合に何が起こるかが書かれている。通常は、あなたが激突に勝たなかった場合、何も起こらない (《魅惑的な一瞥/Captivating Glance》は例外)。
- 公開されたカードの中に、単独で最も大きい点数で見たマナ・コストを持つカードがなかった場合(公開されたカードの点数で見たマナ・コストがどちらも2だった等)、誰も激突に勝利しない。
- 公開されたカードに含まれるXは0として扱う。
- マナ・コストを持たないカード(土地など)の点数で見たマナ・コストは0である。
- いずかのプレイヤーが激突において分割カードを公開した場合、分割されたそれぞれのカードの点数で見たマナ・コストは個別に考える。その結果、複数のプレイヤーが激突に勝利することがありえる。例えば、プレイヤーAが公開したカードが分割カードでそれぞれの点数で見たマナ・コストが1と3で、プレイヤーBが公開したカードの点数で見たマナ・コストが2だった場合、両方が勝利する (プレイヤーAのカードは点数で見たマナ・コスト3を持つため、プレイヤーBの2より大きい。一方でプレイヤーAのカードは点数で見たマナ・コスト1を持つため、プレイヤーBの2の方が大きい)。
- 2枚のカード(《絡め取る罠/Entangling Trap》と《炎族の反乱/Rebellion of the Flamekin》)は、あなたが激突を行うたびに誘発する能力を持つ。これらの能力は、あなたが激突に参加するたびに誘発する。その激突を発生させたのがあなたである場合に限られない。あなたが激突に勝利したかどうかは関係がない。
- 1枚のカード(《森のこだま/Sylvan Echoes》)は、あなたが激突を行って勝つたびに誘発する能力を持つ。これは上記2枚のカードと同様に働くが、あなたがその激突に勝ったかどうかが関係してくるところが異なる。対戦相手が発生させた激突であっても、あなたが勝利することがありえる点に注意。
キーワード能力:多相
多相を持つカードはすべてのクリーチャー・タイプである。これはそれがどの領域にあるかを問わない。
《鏡の精体/Mirror Entity》
{2}{W}
クリーチャー ― 多相の戦士
1/1
多相 (このカードは常にすべてのクリーチャー・タイプである。)
{X}:あなたがコントロールするクリーチャーは、ターン終了時までX/Xになるとともにすべてのクリーチャー・タイプを得る。
多相の公式ルールは以下の通り。
502.73. 多相
502.73a 多相は特性定義能力である。「多相/Changeling」とは「このオブジェクトはすべてのクリーチャー・タイプである」を意味する。この能力はすべての領域で機能する。405.2を参照。
502.73b 一つのオブジェクトに複数の多相があっても効果は変わらない。
- 多相を持つカードはすべてのクリーチャー・タイプであるため、それはいずれかのクリーチャー・タイプに影響を与える呪文や能力の影響を受ける。そのクリーチャー・タイプが何であるかを問わない。また、多相は特性定義能力であるため、これはすべての領域において働く。例えば、あるカードにより手札にあるマーフォーク・カードを公開することが求められた場合や、あなたの墓地にあるゴブリン・カードをあなたの手札に戻す場合、ヤギ1つのコントロールを得る場合等において、これらの行動を多相を持つカードに対して行うことができる。
- 継続的効果の相互関係を決定するルールにおいて、タイプ変更効果は能力を加えたり取り除いたりする効果よりも先に適用される。その結果、いくつかの不自然に見える事態が発生しえる。
- 何らかの効果により多相を持つクリーチャーがすべてのクリーチャー・タイプを失う場合、そのクリーチャーは多相を失うわけではない――ただし、それでもすべてのクリーチャー・タイプを失う。
- 何らかの効果により、多相を持つクリーチャーが新しいタイプになった場合、そのクリーチャーは多相を失うわけではない――ただし、それでもそれはすべてのクリーチャー・タイプではなくなる。それは単に新たなクリーチャー・タイプになるだけである。
- カードが多相を失った場合でも、それはすべてのクリーチャー・タイプである。それは単に多相を持たないだけである。
- あるオブジェクトにすべてのクリーチャー・タイプを与える効果は、そのオブジェクトに多相を与えるわけではない点に注意。
キーワード能力:覇権
覇権は、あなたのパーマネントを他のパーマネントへとレベルアップさせる能力である。
《新星追い/Nova Chaser》
{3}{R}
クリーチャー ― エレメンタル・戦士
10/2
トランプル
覇権(エレメンタル) (これが場に出たとき、あなたがコントロールする他のエレメンタル1つをゲームから取り除かないかぎり、これを生け贄に捧げる。これが場を離れたとき、そのカードが場に戻る。)
覇権に関する公式ルールは以下の通り。
502.72. 覇権
502.72a 覇権は2つの誘発型能力を意味する。「覇権([オブジェクト])/Champion an [オブジェクト]」とは、「このパーマネントが場に出たとき、あなたがコントロールする他の[オブジェクト]をゲームから取り除かないかぎり、それを生け贄に捧げる。」と「このパーマネントが場を離れたとき、その取り除いたカードをオーナーのコントロール下で場に戻す。」を意味する。
502.72b 覇権により現されている2つの能力は、217,7dで定義されている関連している能力である。
502.72c パーマネントが、あるパーマネントの覇権能力によりゲームから取り除かれている場合、そのパーマネントは「覇権させられている」とみなされる。
- クリーチャーは自身の覇権能力で自身をゲームから取り除くことはできない。
- 覇権能力を持つクリーチャーが、その場に出たときの能力を解決する前に場を離れた場合、その場を離れたときの能力は何もしない。その後、その場に出たときの能力が解決される。それのコントローラーは自分がコントロールする該当するパーマネントをゲームから取り除いてもよい。そうした場合、そのカードは戻ってこない。そうしなかった場合、何も起こらない(覇権を持つクリーチャーは場に残っていないため生け贄に捧げられない)。
- 覇権を持つクリーチャーが(《お粗末/Humble》等により)覇権能力を失った後に場を離れた場合、覇権の場を離れたときの能力は誘発しない。ゲームから取り除かれたカードは取り除かれたままである。
- ローウィンのカードで多相と覇権の両方を持つクリーチャーは、すべて「覇権(クリーチャー)」を持つ。この能力は、あなたがコントロールするクリーチャーであればどれをゲームから取り除いてもよい。
- ローウィンの他のすべての覇権を持つカードは「覇権([クリーチャー・タイプ])」を持つ。この能力はクリーチャーに限定されない。例えば、「覇権(キスキン)」を持つカードであれば、キスキンであるエンチャントをゲームから取り除くこともできる。
キーワード能力:想起
想起は代替コストである。クリーチャーを本来のマナ・コストではなく想起コストでプレイした場合、それが場に出たときに生け贄に捧げる。しかし、その分より少ないコストで場に出たときの能力が使えるようになる。
《雲打ち/Cloudthresher》
{2}{G}{G}{G}{G}
クリーチャー ― エレメンタル
3/3
瞬速
到達 (これは飛行を持つクリーチャーをブロックできる。)
雲打ちが場に出たとき、それは飛行を持つ各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ2点のダメージを与える。
想起 {2}{G}{G} (あなたはこの呪文を、その想起コストを支払ってプレイしてもよい。そうした場合、場に出たときにそれを生け贄に捧げる。)
想起に関する公式ルールは以下の通り。
502.74. 想起
502.74a 想起は、そのカードをプレイできるあらゆる領域において機能する常在型能力と、それが場に出たときに機能する誘発型能力の2つの能力を現している。「想起 [コスト]/Evoke [コスト]」とは「このカードのプレイにおいて、あなたはそれのマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」と「このパーマネントが場に出たとき、それの想起コストが支払われていた場合、それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。」を意味する。カードを想起コストでプレイすることは、409.1bや409.1f-hの代替コストの支払いのルールに従う。
- あなたが呪文を想起コストでプレイした場合でも、その呪文は実際にプレイされている――支払うコストが異なるだけである。その呪文は通常通りに打ち消せる。呪文をプレイすることを妨げる能力は、その呪文を想起でプレイすることを妨げる。
- ローウィンの想起を持つ各クリーチャーは場に出たときの能力を持つ。これはすなわち、通常のコストを支払えば能力とクリーチャーの両方を手に入れることができ、想起コストを支払えば単に能力の方だけが残ることを意味する。
- クリーチャーを想起コストでプレイすることは、2つの場に出たときの能力を発生する。想起により生け贄に捧げる能力と、そのクリーチャーが持つ他の能力である。そのクリーチャーのコントローラーは、それらをスタックに置く順番を選べる。どちらの能力も通常通りに対応することができる。
- 想起はクリーチャーをプレイできるタイミングを変更しない。ソーサリーをプレイできるときのみプレイ可能なクリーチャー呪文は、想起でプレイするときも同様である。
- 想起によりプレイされたクリーチャー呪文が、それが場に出る前にコントローラーが変わった場合でも、それは場に出たときに生け贄に捧げられる。同様に、想起でプレイされたクリーチャーが場に出て、それを生け贄に捧げる能力の解決前にコントローラーが変わった場合でも、それはやはり生け贄に捧げられる。
- 想起コストを支払って呪文をプレイするときでも、それのマナ・コストは変わらない。単に、マナ・コストの代わりに想起コストを支払うだけである。
- 呪文をプレイするために支払うコストが増減する効果は、想起コストを支払う場合も増減させる。そのようなコストは呪文のマナ・コストではなく総コストに影響するからである。
- クリーチャーが場に出たときに想起の生け贄に捧げる能力が誘発するかどうかは、その呪文のコントローラーが想起コストを支払うことを選択したかどうかに依存する。じっさいにそれが支払われたかどうかは関係がない(コストが減った、他の能力により変更された等)。
- 呪文を「それのマナ・コストを支払うことなく」プレイした場合、それの想起能力は使用できない (もっとも、それを望むことは多分ないだろうが)。
キーワード能力:秘匿
ローウィンの5枚サイクルのレアの土地が持つ秘匿能力は、後にプレイするためにカードを隠すものである。さらに、それによりその土地はタップ状態で場に出る。
《苔汁の橋/Mosswort Bridge》
土地
秘匿 (この土地はタップ状態で場に出る。そうしたとき、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見て、そのうち1枚を裏向きでゲームから取り除き、その後残りをあなたのライブラリーの一番下に置く。)
{T}:あなたのマナ・プールに{G}を加える。
{G}, {T}:あなたがコントロールするクリーチャーのパワーの合計が10以上である場合、あなたはその取り除かれたカードをマナ・コストを支払わずにプレイしてもよい。
秘匿に関する公式ルールは以下の通り。
502.75. 秘匿
502.75a 秘匿は、常在型能力と誘発型能力の両方を意味する。「秘匿/Hideaway」とは「このパーマネントはタップ状態で場に出る。」と「このパーマネントが場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。それらのうち1枚をゲームから裏向きに取り除き、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。そのカードがゲームから取り除かれているかぎり、そのパーマネントをコントロールしていたプレイヤーはそれを見てもよい。」を意味する。
- 秘匿を持つ土地があなたのコントロール下で場に出たとき、あなたは自分のライブラリーの上から4枚を見てそのうち1枚をゲームから取り除かなければいけない。ライブラリーのカードが4枚未満である場合、そのすべてを見てそのうち1枚をゲームから取り除く。
- 取り除かれたカードは、現在その秘匿土地をコントロールしているプレイヤーは見ることができ、これまでにその土地をコントロールしてたプレイヤーも同様に見ることができる。取り除かれたカードをプレイできるのは、その起動型能力をコントロールしているプレイヤーだけである。そのカードのオーナーや、そのカードをゲームから取り除いたのが誰かは関係がない。
- 秘匿を持つ土地が場を離れたら、誰も取り除かれたカードを見ることができなくなる。
- ローウィンの秘匿を持つ各カードには、特定の条件が満たされた場合にその取り除かれたカードのプレイを認める起動型能力がある。この能力は、その秘匿能力が取り除いたカードのみを参照する。
- 土地の最後の能力は、その能力の解決の一部においてその取り除かれたカードをプレイすることを認める。カード・タイプによるタイミング制限(クリーチャーやソーサリー等)は無視される。それ以外のプレイ制限(「[カード名]は戦闘中にのみプレイできる。」等)はそのままである。
- 取り除かれたカードが土地である場合、最後の能力によってそれをプレイできるのは、現在が自分のターンで、このターン中に土地をプレイしていない場合のみである。これはそのターンの土地のプレイであるとみなす。
- 取り除かれたカードが上記やその他の制限(呪文の適正な対象がない等)によりプレイできない場合、その土地の起動型能力の解決時には何も起こらず、そのカードはうらむ木にゲームから取り除かれたままである。後に再びその能力を起動してカードをプレイしようとすることができる。
- カードを(最後の能力等で)「マナ・コストを支払うことなく」プレイする場合、それの代替コスト(想起や変異等)を支払うことはできない。一方で、そのカードが追加コストを持つ場合、それを払うことはできる。
- 土地の起動型能力をプレイし、それに対応してその土地のコントロールを失った場合、それでも能力の解決時に取り除かれたカードをプレイすることはできる。
- 秘匿によりゲームから取り除かれたカードがプレイされたりその他の理由によってゲーム外領域を離れたりした場合、秘匿土地の最後の能力をプレイすることは何の効果も持たない。
サイクル:命令
ローウィンには、カード名に“命令”を持つ5枚のカードのサイクルがある。これらは1つではなく2つのモードを選ぶカードである。
《謎めいた命令/Cryptic Command》
{1}{U}{U}{U}
インスタント
以下の4つから2つを選ぶ。「呪文1つを対象とし、それを打ち消す。」「パーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。」「あなたの対戦相手がコントロールするすべてのクリーチャーをタップする。」「カードを1枚引く。」
- “命令”は通常のモード選択カードと同様に機能する。例外はモードを2つ選ぶことだけである。この選択は呪文のプレイ時に行う。
- 異なる2つのモードを選択しなければいけない。1つのモードのみを選んだり、同一のモードを2回選ぶことはできない。
- 選ばれたモードは、カードに書かれた順番に効果を発揮する。
- モードが対象をとる場合、そのための適正な対象がなければそのモードは選べない。これによりモードが2つ選べない場合、その呪文はプレイできない。
- 適正であれば、同一のクリーチャーやプレイヤーを2つのモードのそれぞれで対象にできる。
サイクル:インカーネーション
ローウィンには、クリーチャー・タイプ“インカーネーション”を持つ5枚のカードのサイクルがある。これらのクリーチャーは、墓地に置かれたときにあなたのライブラリーに加えてきりなおされる。
《戦慄/Dread》
{3}{B}{B}{B}
クリーチャー ― エレメンタル・インカーネーション
6/6
畏怖
いずれかのクリーチャーがあなたにダメージを与えるたび、それを破壊する。
戦慄がいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、それをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。
- 最後の誘発型能力は、インカーネーションがあらゆる領域から墓地に置かれたときに誘発する。場からに限られない。
- この能力はインカーネーションが場から墓地に置かれたときに誘発するものであるが、場を離れたときに特定して誘発するわけではないので、他の場を離れたときの能力とは異なる動作となる。この能力は墓地で誘発する。
- インカーネーションが場にある間に能力を失っていて破壊された場合(《木化/Lignify》等)、それでも能力は誘発し、それはオーナーのライブラリーに加えて切り直される。
- 一方で、インカーネーションが墓地にある段階でこの能力を失った場合(《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》等)、この能力は誘発せず、インカーネーションは墓地にとどまる。
- インカーネーションが誘発型能力の誘発後で解決前に墓地から取り除かれた場合、それはオーナーのライブラリーには加えられない。同様に、何らかの置換効果によりインカーネーションが墓地に置かれる代わりに別の領域に移動した場合、能力はまったく誘発しない。
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