ローウィン ルール入門

Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe

Document last modified 07/08/23

ローウィン プレリリース:2007年9月29-30日

ローウィン 公式発売日:2007年10月12日

ローウィンは、2007年10月20日から認定構築戦で使用可能。

セット枚数:301枚(コモン121、アンコモン80、レア80、基本土地20)

 ルール入門は、ローウィンのプレリリース・トーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。

 より詳しい内容の「ローウィン よくある質問集」(FAQ)は、2007年10月1日に発表になる予定。ローウィンのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。

一般注釈

カードタイプ:プレインズウォーカー

 プレインズウォーカーは新しいカードタイプである。プレインズウォーカーは、あなたの横に並んで一緒に戦ってくれる強力な仲間である。

《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
{2}{G}{G}
プレインズウォーカー ― ガラク
[+1]:土地2つを対象とし、それらをアンタップする。
[-1]:緑の3/3のビースト・クリーチャー・トークンを1体場に出す。
[-4]:あなたがコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+3/+3の修整を受けるとともにトランプルを得る。

 プレインズウォーカーは、あなたがソーサリーをプレイできる時のみプレイできる。プレインズウォーカーはパーマネントである。したがって、あなたがコントロールするプレインズウォーカー呪文が解決されたら、それはあなたのコントロール下で場に出る。パーマネントに影響する呪文や能力(「パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。」等)は、プレインズウォーカーに影響する。プレインズウォーカーはクリーチャーではない。カードがクリーチャーに影響を与える場合、それはプレインズウォーカーには何の影響も与えない。

プレインズウォーカーのサブタイプ

 各プレインズウォーカーにはサブタイプがある。例えば、《野生語りのガラク》のタイプ行には「プレインズウォーカー ― ガラク」と書かれている。これらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプとも呼ばれる。これらはクリーチャー・タイプではなく、独自のリストを持つ。

プレインズウォーカーの忠誠度

「忠誠度/Loyalty」はプレインズウォーカーのみが持つ特性である。各プレインズウォーカーの忠誠度は、カードの右下隅に書かれている。これはパワーやタフネスではない――新しい種類の値である。

プレインズウォーカー能力

 ローウィンに登場する各プレインズウォーカーは、それぞれ起動型能力を3つ持っている。これらの能力は、カードには特に示されていない制限と、新しいシンボルで表されているコストを持っている。

プレインズウォーカーと戦闘

 プレインズウォーカーはクリーチャーではなく、自身が攻撃することもブロックすることもない。しかし、プレインズウォーカーは攻撃を受けることがある。

 攻撃クリーチャー指定ステップの最初に、防御プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしている場合、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーが誰(あるいはどれ)を攻撃するかを宣言する。選べるのは、防御プレイヤーかそのプレイヤーのプレインズウォーカーのいずれかである。すべての攻撃クリーチャーで同じものを攻撃してもよいし、それぞれ異なるものを攻撃してもよい。防御プレイヤーが複数のプレインズウォーカーをコントロールしている場合、一つの戦闘フェイズでそれらの一部ないし全部に対し攻撃を行うことができる。

 ブロック・クリーチャー指定ステップの最初に、防御プレイヤーは(いるのであれば)自分がコントロールするどのクリーチャーでどの攻撃クリーチャーをブロックするのかを宣言する。攻撃クリーチャーが誰(あるいはどれ)を攻撃しているのかは、ブロック・クリーチャーにとっては関係がない。

 戦闘ダメージ・ステップにおいて、ブロックされなかった攻撃クリーチャーから防御プレイヤーへのダメージ、ブロックされたクリーチャーからのダメージ、ブロックしたクリーチャーからのダメージは、通常と同様に割り振り与えられる。プレインズウォーカーを攻撃しているブロックされなかったクリーチャーは、そのプレインズウォーカーに戦闘ダメージを割り振り与える。その結果、その点数に等しい数の忠誠カウンターが取り除かれる。プレインズウォーカーはプレイヤーと同様に、戦闘ダメージを与えることはない。

プレインズウォーカーへのダメージ適用

 あなたがコントロールする発生源が戦闘ダメージ以外のダメージをいずれかの対戦相手に与える場合、代わりにあなたはその発生源からのダメージをその対戦相手がコントロールするいずれかのプレインズウォーカーに与えることができる。これは移し変え効果である。あなたはその移し変え効果が適用される際に移し変えを行うかどうかを選ぶ。ただし、通常の置換効果の適用順のルールには従う。それらの効果を適用する順番はダメージを適用される側のプレイヤーが決めるが、そのダメージを移し変えるかどうかを決めるのは発生源のコントローラーである。このダメージの移し変えは、戦闘ダメージには適用されないことに注意。

カードタイプ:部族

 部族は未来予知の1枚のカードで登場したカードタイプである。部族はクリーチャーではないがクリーチャー・タイプを持つ。ローウィンには多くの部族カードがあるため、繰り返しではあるが「よくある質問」において項目を掲載する。部族カード・タイプに関するルールは以下の通り。

212.8. 部族
212.8a 各部族カードは他のカード・タイプを持つ。部族カードのプレイや解決は、その他のタイプのプレイや解決のルールに従う。
212.8b 部族のサブタイプは常に1単語であり、ダッシュの後に「部族エンチャント ― マーフォーク」のように書かれる。部族サブタイプの一覧はクリーチャーのサブタイプの一覧と同一である。これらのサブタイプは「クリーチャー・タイプ」と呼ばれる 部族には複数のサブタイプがあることもありうる。

キーワード:激突

 激突は、小さな競い合いを発生させるキーワード行動である。激突に勝つことで、あなたはボーナスを得ることができる。

《つっかかり/Lash Out》
{1}{R}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。つっかかりはそれに3点のダメージを与える。いずれかの対戦相手と激突を行う。あなたが勝った場合、つっかかりはそのクリーチャーのコントローラーに3点のダメージを与える。(激突を行う各プレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを公開し、そのカードを一番上か一番下に置く。自分のカードの点数で見たマナ・コストの方が大きいプレイヤーが勝つ。)

 激突の公式ルールは以下の通り。

501.10. 激突を行う
501.10a 「激突を行う/clash」と指示された場合、プレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを公開する。その後、そのプレイヤーはそのカードを自分のライブラリーの一番下に置いてもよい。
501.10b 「いずれかの対戦相手と激突を行う」とは「対戦相手を1人選ぶ。あなたとその対戦相手はそれぞれ激突を行う。」という意味である。
501.10c ある激突において、あるプレイヤーが公開したカードが、その激突で他のプレイヤーが公開したすべてのカードよりも大きい点数で見たマナ・コストを持つ場合、そのプレイヤーは激突に勝利する。

キーワード能力:多相

 多相を持つカードはすべてのクリーチャー・タイプである。これはそれがどの領域にあるかを問わない。

《鏡の精体/Mirror Entity》
{2}{W}
クリーチャー ― 多相の戦士
1/1
多相 (このカードは常にすべてのクリーチャー・タイプである。)
{X}:あなたがコントロールするクリーチャーは、ターン終了時までX/Xになるとともにすべてのクリーチャー・タイプを得る。

 多相の公式ルールは以下の通り。

502.73. 多相
502.73a 多相は特性定義能力である。「多相/Changeling」とは「このオブジェクトはすべてのクリーチャー・タイプである」を意味する。この能力はすべての領域で機能する。405.2を参照。
502.73b 一つのオブジェクトに複数の多相があっても効果は変わらない。

キーワード能力:覇権

 覇権は、あなたのパーマネントを他のパーマネントへとレベルアップさせる能力である。

《新星追い/Nova Chaser》
{3}{R}
クリーチャー ― エレメンタル・戦士
10/2
トランプル
覇権(エレメンタル) (これが場に出たとき、あなたがコントロールする他のエレメンタル1つをゲームから取り除かないかぎり、これを生け贄に捧げる。これが場を離れたとき、そのカードが場に戻る。)

 覇権に関する公式ルールは以下の通り。

502.72. 覇権
502.72a 覇権は2つの誘発型能力を意味する。「覇権([オブジェクト])/Champion an [オブジェクト]」とは、「このパーマネントが場に出たとき、あなたがコントロールする他の[オブジェクト]をゲームから取り除かないかぎり、それを生け贄に捧げる。」と「このパーマネントが場を離れたとき、その取り除いたカードをオーナーのコントロール下で場に戻す。」を意味する。
502.72b 覇権により現されている2つの能力は、217,7dで定義されている関連している能力である。
502.72c パーマネントが、あるパーマネントの覇権能力によりゲームから取り除かれている場合、そのパーマネントは「覇権させられている」とみなされる。

キーワード能力:想起

 想起は代替コストである。クリーチャーを本来のマナ・コストではなく想起コストでプレイした場合、それが場に出たときに生け贄に捧げる。しかし、その分より少ないコストで場に出たときの能力が使えるようになる。

《雲打ち/Cloudthresher》
{2}{G}{G}{G}{G}
クリーチャー ― エレメンタル
3/3
瞬速
到達 (これは飛行を持つクリーチャーをブロックできる。)
雲打ちが場に出たとき、それは飛行を持つ各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ2点のダメージを与える。
想起 {2}{G}{G} (あなたはこの呪文を、その想起コストを支払ってプレイしてもよい。そうした場合、場に出たときにそれを生け贄に捧げる。)

 想起に関する公式ルールは以下の通り。

502.74. 想起
502.74a 想起は、そのカードをプレイできるあらゆる領域において機能する常在型能力と、それが場に出たときに機能する誘発型能力の2つの能力を現している。「想起 [コスト]/Evoke [コスト]」とは「このカードのプレイにおいて、あなたはそれのマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」と「このパーマネントが場に出たとき、それの想起コストが支払われていた場合、それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。」を意味する。カードを想起コストでプレイすることは、409.1bや409.1f-hの代替コストの支払いのルールに従う。

キーワード能力:秘匿

 ローウィンの5枚サイクルのレアの土地が持つ秘匿能力は、後にプレイするためにカードを隠すものである。さらに、それによりその土地はタップ状態で場に出る。

《苔汁の橋/Mosswort Bridge》
土地
秘匿 (この土地はタップ状態で場に出る。そうしたとき、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見て、そのうち1枚を裏向きでゲームから取り除き、その後残りをあなたのライブラリーの一番下に置く。)
{T}:あなたのマナ・プールに{G}を加える。
{G}, {T}:あなたがコントロールするクリーチャーのパワーの合計が10以上である場合、あなたはその取り除かれたカードをマナ・コストを支払わずにプレイしてもよい。

 秘匿に関する公式ルールは以下の通り。

502.75. 秘匿
502.75a 秘匿は、常在型能力と誘発型能力の両方を意味する。「秘匿/Hideaway」とは「このパーマネントはタップ状態で場に出る。」と「このパーマネントが場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。それらのうち1枚をゲームから裏向きに取り除き、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。そのカードがゲームから取り除かれているかぎり、そのパーマネントをコントロールしていたプレイヤーはそれを見てもよい。」を意味する。

サイクル:命令

 ローウィンには、カード名に“命令”を持つ5枚のカードのサイクルがある。これらは1つではなく2つのモードを選ぶカードである。

《謎めいた命令/Cryptic Command》
{1}{U}{U}{U}
インスタント
以下の4つから2つを選ぶ。「呪文1つを対象とし、それを打ち消す。」「パーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。」「あなたの対戦相手がコントロールするすべてのクリーチャーをタップする。」「カードを1枚引く。」

サイクル:インカーネーション

 ローウィンには、クリーチャー・タイプ“インカーネーション”を持つ5枚のカードのサイクルがある。これらのクリーチャーは、墓地に置かれたときにあなたのライブラリーに加えてきりなおされる。

《戦慄/Dread》
{3}{B}{B}{B}
クリーチャー ― エレメンタル・インカーネーション
6/6
畏怖
いずれかのクリーチャーがあなたにダメージを与えるたび、それを破壊する。
戦慄がいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、それをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。

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