モーニングタイド ルール入門
Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe
最終更新日:2008年1月9日
モーニングタイド プレリリース:2008年1月19-20日
モーニングタイド公式発売日:2008年2月1日
モーニングタイドは、公式発売日をもって認定構築戦で使用可能になる。下記「マジックフロアルールの変更」を参照。
モーニングタイドのカードは、全150種類(コモン60、アンコモン40、レア50)。
このルール入門は2つの章に分かれており、それぞれが別の目的を持っている。
ルール入門は、モーニングタイドのプレリリース・トーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。
より詳しい内容の「モーニングタイド よくある質問集」(FAQ)は、2008年1月21日に発表になる予定。モーニングタイドのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。
一般注釈
マジックフロアルールの変更
2007年12月1日、マジック認定イベントを取り仕切るルールの一項目が大きく変更された。新しいマジックのセットは、その製品の公式発売日から構築の認定戦で使用可能になる(これまでは発売月の20日からだった)。モーニングタイドはこの変更が適用される初めてのセットとなる。したがって、構築戦では2008年2月1日から使用可能になる。
キーワード能力:徘徊
徘徊は、一部のならず者カードが持つ代替コストである。
《掛け鍵のフェアリー/Latchkey Faerie》
{3}{U}
クリーチャー ― フェアリー・ ならず者
3/1
飛行
徘徊 {2}{U} (このターン、あなたがフェアリーかならず者でいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えている場合、あなたはこれをその徘徊コストでプレイしてもよい。)
掛け鍵のフェアリーが場に出たとき、それの徘徊コストが支払われていた場合、カードを1枚引く。
徘徊の公式ルールは以下の通り。
502,76.徘徊
502.76a 徘徊は、スタック上で機能する常在型能力である。「徘徊 [コスト]/Prowl [コスト]」とは「このターン、いずれかのプレイヤーに、ダメージを与えた段階でこの呪文のクリーチャー・タイプのいずれかを持っていた、あなたがコントロールする発生源による戦闘ダメージを与えていた場合、あなたはこの呪文のマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。カードを 徘徊コストでプレイすることは、409.1bや409.1f?hの代替コストの支払いのルールに従う。
502,76b 戦闘ダメージを割り振った発生源が戦闘ダメージの解決前に場を離れた場合、それのコントローラーやクリーチャー・タイプを決定する場合にはそれの最後の情報を参照する。
- あなたが徘徊を持つ呪文をプレイする時点で、このターン全体の現時点以前で徘徊の条件が満たされたかどうかをチェックする。条件に必要なのは、戦闘ダメージを与えた時点で該当するクリーチャー・タイプを持っていたパーマネントをあなたがコントロールしていたか、あなたがコントロールしていたパーマネントが戦闘ダメージをスタックに置いた後に場を離れた時点で該当するクリーチャー・タイプを持っていたかどうかである。そのパーマネントを現時点でコントロールしている必要はないし、同じクリーチャー・タイプを維持している必要もない。
- カードを徘徊コストでプレイすることは、そのカードをプレイできるタイミングを変更しない。変わるのはコストだけである。
- 徘徊の注釈文には特定のクリーチャー・タイプが書かれているが、これは利便性のためのみである。実際に問題になるのは現在の徘徊カードのクリーチャー・タイプである。例えば、《奸謀/Conspiracy》等のカードで徘徊呪文がエルフになっている場合、あなたがマナ・コストではなく徘徊コストでその呪文をプレイするには、このターンにあなたがコントロールするエルフでいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えなければいけない。
- 徘徊は選択可能である。望むなら、呪文を徘徊コストでプレイするのではなく通常のマナ・コストでプレイすることができる。
- カードの中には、徘徊コストが支払われた場合に、場に出たときの能力や追加の効果を持つものがある。これらは、あなたがカードを通常のマナ・コストではなく徘徊コストを支払ってプレイした場合に得ることができる。
キーワード能力:補強
補強は手札からプレイすることのできる起動型能力である。
《三人組の狩り/Hunting Triad》
{3}{G}
部族ソーサリー ― エルフ
緑の1/1のエルフ・戦士・クリーチャー・トークンを3体場に出す。
補強 3―{3}{G} ({3}{G}, このカードを捨てる:クリーチャー1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターを3個置く。)
補強の公式ルールは以下の通り。
502,77.補強
502.77a 補強は、補強能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。。「補強 N―[コスト]/Reinforce N--[コスト]」とは「[コスト], このカードを捨てる:クリーチャー1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターをN個置く。」を意味する。
502.77b 補強能力はそのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみプレイできるものであるが、それはそのオブジェクトが場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、補強を持つオブジェクトは、オブジェクトが1つ以上の能力を持つかどうかに依存する効果の影響を受ける。
能力語:族系
族系は、一連のモーニングタイドのクリーチャーが持つ同様の誘発型能力を示す能力語である。それぞれは、実際に与えるボーナスを除いて同様の動きをする。
《さまよう灰髭/Wandering Graybeard》
{3}{W}{W}
クリーチャー ― 巨人・ウィザード
4/4
族系 ― あなたのアップキープの開始時に、あなたはあなたのライブラリーの一番上のカードを見てもよい。それがさまよう灰髭と共通のクリーチャー・タイプを持つ場合、あなたはそれを公開してもよい。そうした場合、あなたは4点のライフを得る。
- 族系能力の最初の2文は(クリーチャーの名前を除いて)同じである。最後の行は、それぞれの族系能力ごとに異なる。
- 族系能力を持つクリーチャーとライブラリーの一番上のカードに共通のクリーチャー・タイプがあっても、公開しなくてもかまわない。
- 族系能力の解決が終わった後、見たカードはそのままライブラリーの一番上に残る。
- 族系能力を持つクリーチャーが複数いる場合、それらはそれぞれ誘発し別々にか解決される。何らかの方法でライブラリーを切り直したり一番上のカードを別な場所に動かしたりしないかぎり、あなたは同じカードを見続けることになる。
- あなたのライブラリーの一番上のカードが(《未来の大魔術師/Magus of the Future》等で)すでに公開されている場合、それでも族系能力の効果の一部としてそのカードを公開するか否かを選択することができる。
サイクル:“旗騎士”
モーニングタイドには、カード名に“旗騎士”という単語を持つ一連のクリーチャーのサイクルがある。それらは他の特定の呪文をプレイするためのコストを軽くする。
《蛙投げの旗騎士/Frogtosser Banneret》
{1}{B}
クリーチャー ― ゴブリン・ならず者
1/1
速攻
あなたがプレイするゴブリン呪文とならず者呪文は、それをプレイするためのコストが{1}少なくなる。
- あなたがプレイする呪文がゴブリンでありならず者である場合、プレイするためのコストは{1}減る。{2}ではない。
- この効果は、追加コストや代替コストを支払うことを選んだ場合でも、呪文の総コストを減らす。例えば、あなたがならず者呪文を徘徊コストでプレイする場合、《蛙投げの旗騎士》はその呪文をプレイするコストを{1}少なくする。
サイクル:部族装備品
モーニングタイドには、特定のクリーチャー・タイプに関係のある部族装備品のサイクルがある。
《黒曜石の戦斧/Obsidian Battle-Axe》
{3}
部族アーティファクト ― 戦士・装備品
装備しているクリーチャーは+2/+1の修整を受けるとともに速攻を持つ。
いずれかの戦士・クリーチャーが場に出るたび、あなたは黒曜石の戦斧をそれにつけてもよい。
装備 {3}
- これらの各装備品は、タイプ行に2つのサブタイプが書かれている。1つ目はクリーチャー・タイプであり、この場合は部族のサブタイプでもある。2つ目は装備品で、これはアーティファクトのサブタイプである。
- これらの装備品には、「いずれかの[クリーチャー・タイプ]・クリーチャーが場に出るたび、あなたは[この装備品]をそれにつけてもよい。」という誘発型能力がある。これらは、指定されたクリーチャー・タイプのクリーチャーが場に出るたび、それが誰のコントロールするものであるかにかかわらず誘発する。これにより、本来の装備能力ではつけることのできない他のプレイヤーのクリーチャーに対し、この装備品をつけることができる。
- あなたが装備品を他のプレイヤーのクリーチャーにつけた場合でも、その装備品は自分がコントロールしたままであり、そのクリーチャーのコントロールを得るわけでもない。装備品の装備能力をプレイできるのはあなただけであり、その装備品の誘発型能力が再び誘発したときに、その装備品を移動するかどうか選ぶのもあなたである。そのクリーチャーのコントローラーは、その装備品によってクリーチャーに与えられた起動型能力をプレイでき、クリーチャーに与えられた能力が「あなた」を参照する場合は、そのプレイヤーを示す。
テーマ:“クラッシュバック”呪文
モーニングタイドには、あなたが激突に勝つと手札に戻ってくる一連の呪文がある。
《蟻の解き放ち/Release the Ants》
{1}{R}
インスタント
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。蟻の解き放ちはそれに1点のダメージを与える。いずれかの対戦相手と激突を行う。あなたが勝った場合、蟻の解き放ちをオーナーの手札に戻す。(激突を行う各プレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを公開し、そのカードを一番上か一番下に置く。自分のカードの点数で見たマナ・コストの方が大きいプレイヤーが勝つ。)
- あなたが激突に勝った場合、この呪文は解決の一部としてスタックからあなたの手札に移動する。墓地に行くことはまったくない。あなたが激突に勝たなかった場合、この呪文は通常通りスタックから墓地に置かれる。
- この呪文が何らかの理由(対象がすべて不適正になる等)で打ち消された場合、効果はまったく発生しない。激突は行われず、呪文が手札に戻ることもない。
- 激突のキーワード行動に関する詳細は、ローウィンよくある質問集を参照。
テーマ:カウンター強化
モーニングタイドのカードの中には、あなたがコントロールする他の特定のクリーチャーが場に出るに際し、追加の+1/+1カウンターを置く能力を持つものがある。
《寓話の賢人/Sage of Fables》
{2}{U}
クリーチャー ― マーフォーク・ウィザード
2/2
あなたがコントロールする他の各ウィザード・クリーチャーは、+1/+1カウンターが追加で1個置かれた状態で場に出る。
{2}, あなたがコントロールするクリーチャーから+1/+1カウンターを1個取り除く:カードを1枚引く。
- 指定されたクリーチャー・タイプを持つあるクリーチャーがいくつかの+1/+1カウンターが置かれて場に出る場合、代わりにそれはその個数+1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。指定されたクリーチャー・タイプを持つあるクリーチャーが+1/+1カウンターが置かれずに場に出る場合、代わりにそれは1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出る。
- クリーチャーは、あなたのコントロール下で場に出る場合にのみカウンターを得る。そのクリーチャーのオーナーが誰であるかや、それが場に出る前の領域(墓地等)は問わない。
- クリーチャーは、それが場に出る時点でのコピー可能な特性(印刷されている値に、コピー効果、「場に出るに際し」「表になるに際し」の能力による特性への影響、呪文やパーマネントを裏向きにする能力の影響を加味したもの)として指定されたクリーチャー・タイプを持つ場合に、この効果によるカウンターを得る。例えば、あなたがウィザードを選んだ《奸謀/Conspiracy》をコントロールしているとする。あなたが通常はウィザードではないクリーチャーを場に出す場合、それは《寓話の賢人》によるカウンターを得ない。
- クリーチャーがあなたのコントロール下で場に出るに際し、何らかのコピー効果がそのクリーチャーのコピー可能な特性を変更する場合、それらの効果やカードからの効果はあなたが選んだ順番で適用される。例えば、《クローン/Clone》のテキストは「クローンが場に出るに際し、あなたは場に出ているクリーチャー1体を選んでもよい。そうした場合、クローンはそのクリーチャーのコピーとして場に出る。」である。あなたが《クローン/Clone》の効果を先に適用し、コピーするのをウィザードにして、その後に《寓話の賢人》の効果を適用した場合、それは+1/+1カウンターが置かれて場に出る。《寓話の賢人》の効果を先に適用した場合、《クローン/Clone》にはこの+1/+1カウンターは置かれない。
- 複数のカードからこの効果がある場合、それらは累積する。つまり、あなたの《寓話の賢人》が2体いる場合、あなたがコントロールするウィザード・クリーチャーは追加で2個の+1/+1カウンターが置かれて場に出る。
- これらのクリーチャーが指定されたクリーチャー・タイプを持つクリーチャーと同時に場に出る場合(《死せる生/Living End》等)、そのクリーチャーは+1/+1カウンターを得ない。
テーマ:クリーチャー・タイプを1つ選ぶ
モーニングタイドのカードの中には、クリーチャー・タイプを1つ選び、そのタイプを持つパーマネントをあなたがいくつコントロールしているかを基準として効果を発揮するものがある。
《揃った連射/Coordinated Barrage》
{W}
インスタント
クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。揃った連射はそのクリーチャーに、あなたがコントロールする選ばれたクリーチャー・タイプを持つパーマネントの総数に等しい点数のダメージを与える。
- 対象を選ぶのは呪文のプレイ時だが、クリーチャー・タイプを選ぶのは呪文の解決時である。
- これらの呪文は選ばれたタイプを持つあなたがコントロールするパーマネントの数を数える。クリーチャーの数に限られない。これには部族パーマネントが数に入る。
再録キーワード能力:想起
想起能力はモーニングタイドでも再び登場する。能力自体はローウィンの時とまったく同じだが、それを持つクリーチャーは異なっている。ローウィンの想起を持つクリーチャーは、すべて場に出たときの能力を持っている。モーニングタイドの想起を持つクリーチャーは、すべて場を離れたときの能力を持っているのである!
《這い耽り/Slithermuse》
{2}{U}{U}
クリーチャー ― エレメンタル
3/3
這い耽りが場を離れたとき、対戦相手を1人選ぶ。そのプレイヤーの手札のカードの枚数があなたより多い場合、その差に等しい枚数のカードを引く。
想起 {3}{U} (あなたはこの呪文を、その想起コストを支払ってプレイしてもよい。そうした場合、場に出たときにそれを生け贄に捧げる。)
- 想起自体に関して言えば、ローウィンのクリーチャーもモーニングタイドのクリーチャーもほとんど違いはない。どちらにおいても、想起コストでプレイすることで能力のみが手に入り、クリーチャーは得られない――ただし、クリーチャーは短い間だけ場に出ることになる。
- モーニングタイドのクリーチャーを想起コストでプレイすることは、場に出たときの能力が1つだけ発生することを意味する。すなわち、想起によりクリーチャーを生け贄に捧げる能力である。そのクリーチャーが生け贄に捧げられた後に、それの場を離れたときの能力がスタックに置かれる。
- 想起はクリーチャーをプレイできるタイミングを変更しない。ソーサリーをプレイできるときのみプレイ可能なクリーチャー呪文は、想起でプレイするときも同様である。
- 想起によりプレイされたクリーチャー呪文が、それが場に出る前にコントローラーが変わった場合でも、それは場に出たときに生け贄に捧げられる。同様に、想起でプレイされたクリーチャーが場に出て、それを生け贄に捧げる能力の解決前にコントローラーが変わった場合でも、それはやはり生け贄に捧げられる。どちらの場合でも、クリーチャーが場を離れたときのコントローラーが、場を離れたときの能力のコントローラーである。
- 想起コストを支払って呪文をプレイするときでも、それのマナ・コストは変わらない。単に、マナ・コストの代わりに想起コストを支払うだけである。
- 呪文をプレイするために支払うコストが増減する効果は、想起コストを支払う場合も増減させる。そのようなコストは呪文のマナ・コストではなく総コストに影響するからである。
- クリーチャーが場に出たときに想起の生け贄に捧げる能力が誘発するかどうかは、その呪文のコントローラーが想起コストを支払うことを選択したかどうかに依存する。じっさいにそれが支払われたかどうかは関係がない(コストが減った、他の能力により変更された等)。
- 呪文を「それのマナ・コストを支払うことなく」プレイした場合、それの想起能力は使用できない
All trademarks are property of Wizards of the Coast, Inc. in the U.S.A. and other countries.(c)2008 Wizards.