次元の混乱 ルール入門
Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe
Document last modified 06/12/13
次元の混乱プレリリース:07/01/20-21
次元の混乱公式発売日:07/02/02
第9版は、2007年2月20日から認定構築戦で使用可能。
次元の混乱のカードは、全165種類(コモン60、アンコモン55、レア50)。
ルール入門は、次元の混乱のプレリリーストーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。
より詳しい内容の「次元の混乱 よくある質問集」(FAQ)は、2007年1月22日に発表になる予定。次元の混乱のカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。
「タイムシフト」カード
次元の混乱には、いわゆる“タイムシフト”カードがあるが、これらは時のらせんのタイムシフトカードとは異なっている。
次元の混乱のタイムシフトカードは、ミラディン以前のマジックのセットのカードの中から、色を変えて採録したものである。これらのカードは独自のカード枠を持っている。時のらせんのタイムシフトカードとは異なり、これらのカードは独自のレアリティではない。これらはコモン、アンコモン、レアのタイムシフトカードに分けられ、次元の混乱の“通常の”カードに混ぜられている。各ブースターには、複数のタイムシフトカードが入っている。
新キーワード:消失
消失は、消失を持つパーマネントが場にいられる時間を制限する能力である。
《ケルドの匪賊》
{1}{R}
クリーチャー ― 人間・戦士
3/3
消失 2 (このパーマネントは、時間カウンターが2個置かれた状態で場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それの上から時間カウンターを1個取り除く。最後の1個が取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。)
ケルドの匪賊が場に出るか場を離れるかしたとき、プレイヤー1人を対象とする。ケルドの匪賊はそのプレイヤーに1点のダメージを与える。
消失に関する公式ルールは以下の通り。
502.60.消失
502.60a 消失は三つの能力を表すキーワードである。「消失 N/Vanishing N」とは「このパーマネントは、N個の時間カウンターが置かれた状態で場に出る。」と「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。
502.60b 数値を持たない消失は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。
502.60c パーマネントに複数の消失がある場合、それぞれは個別に作用する。
- 消失と、時のらせんで登場した待機メカニズムは、どちらも時間カウンターを用いる。時のらせんブロックの時間カウンターを操作するほとんどの効果(《ジョイラの時虫》等)は、時間カウンターが置かれた消失を持つパーマネントにも影響を与えることができる。
- 消失は、ネメシスの消散メカニズムに似ている。ただし、その動きはむしろ待機に近い。カードは指定の数の時間カウンターが置かれた状態から始まり、あなたのアップキープの開始時に時間カウンターを1個取り除く能力が誘発し、最後の時間カウンターが取り除かれたときに、何かをしなければいけない能力が誘発する。
- 消失のルールには「条件誘発の『場合』構文」があり、パーマネントの上に時間カウンターが置かれていない場合は、カウンターを取り除く能力は誘発しなくなる。この事実は、実際はMagic Online以外でほとんど影響が無いため、消失の注釈文には書かれていない。
- 消失を持つパーマネントから最後の時間カウンターが取り除かれ、生け贄に捧げる能力が打ち消された場合、そのパーマネントは時間カウンターが無い状態で無制限に場に残る。以降は消失の2つの誘発型能力が誘発しないことになる。同様に、すでに場にある時間カウンターを持たないパーマネントが、消失を持つパーマネントのコピーになっても、それは無制限に場に残る。すでに場にある時間カウンターが置かれたパーマネントが、消失を持つパーマネントのコピーになった場合、それは通常通り消失する。
再録キーワード能力:エコー
エコーはウルザブロックや時のらせんで登場したキーワードである。
《ウークタビー・ドレイク》
{G}
クリーチャー ― ドレイク
2/1
飛行、速攻
エコー {1}{G}{G} (あなたのアップキープの開始時に、これが直前のあなたのアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロール下になっていた場合、それのエコー・コストを支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。)
エコーに関する公式ルールは以下の通り。
502.19.エコー
502.19a エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/Echo [コスト]」は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントが直前のあなたのアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロール下になっていた場合、[コスト]を支払わないかぎりこれを生け贄に捧げる。」ということを意味する。
- これまでのエコーを持つカードのエコー・コストは、常にマナ・コストと同じだった。しかし、次元の混乱では、エコー・コストは常にカードのマナ・コストと異なっている。
テーマ:“恐喝”カード
次元の混乱では、スタック上にある間にどのプレイヤーもそれを打ち消すことのできる一連の黒のカードが存在する。
《時間の恐喝》
{B}{B}{B}{B}
ソーサリー
あなたが時間の恐喝をプレイしたとき、どのプレイヤーもライフを半分支払ってもよい(端数切り上げ)。いずれかのプレイヤーがそうした場合、時間の恐喝を打ち消す。
このターンの後に追加の1ターンを行う。
- “恐喝”カードがプレイされたとき、それの“恐喝”能力が誘発し、スタックの一番上に置かれる。
- 誘発型能力が解決される際、アクティブ・プレイヤーから行動(《時間の恐喝》の場合、ライフの支払い)を行う選択権を得る。そのプレイヤーが拒否した場合、ターン順に次のプレイヤーが選択権を得る。いずれかのプレイヤーが行動を行った場合、直ちにその呪文は打ち消され、他のプレイヤーは行動を行う機会を得られない。すべてのプレイヤーが拒否した場合、呪文はスタック上に残る。
- プレイヤーは、実際のその行動を行えない場合、“恐喝”の選択肢を選べない。例えば、行動が「カードを3枚捨てる」の場合、手札のカードが2枚以下のプレイヤーは呪文を打ち消す選択肢を持たない。
テーマ:“救出”カード
次元の混乱には、場に出たときの能力であなたがコントロールするクリーチャーを手札に戻す一連の白のカードが存在する。
《白たてがみのライオン》
{1}{W}
クリーチャー ― 猫
2/2
瞬速 (あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。)
白たてがみのライオンが場に出たとき、あなたがコントロールするクリーチャーを1体、オーナーの手札に戻す。
- “救出”クリーチャー自身をオーナーの手札に戻してもよい。あなたが他のクリーチャーをコントロールしていない場合、救出クリーチャー自身を手札に戻さなければいけない。
- 救出クリーチャーが自分がコントロールするクリーチャーを超える数のクリーチャーを戻すよう指示していた場合、あなたは自分がコントロールするすべてのクリーチャーをオーナーの手札に戻さなければいけない。
- この能力は、戻すクリーチャーを対象にとらない。どれを戻すかは、能力の解決時まで選択しない。その選択に対して対応して何かをすることはできない。
再録キーワード能力:待機
待機は時のらせんで登場したキーワード能力である。待機のルールに変更は無いが、待機の注釈文の最後の一文は若干変更され、最後の時間カウンターを誰が取り除いたかが関係ないことが明確になった。
《シヴ山の隕石》
{3}{R}{R}
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。シヴ山の隕石はそれに13点のダメージを与える。
待機 2―{1}{R}{R} (これをあなたの手札からプレイするのではなく、{1}{R}{R}を支払ってゲームから取り除き、その上に時間カウンターを2個置いてもよい。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、あなたはそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。)
待機メカニズムに関する情報は、時のらせん よくある質問集を参照。
サイクル:“待機 X”を持つカード
次元の混乱には、“待機 X”を持つカードのサイクルがある。
《永劫の年代史家》
{3}{U}{U}
クリーチャー ― アバター
*/*
永劫の年代史家のパワーとタフネスは、それぞれあなたの手札のカードの枚数に等しい。
待機 X ― {X}{3}{U} Xは0にできない。
永劫の年代史家がゲームから取り除かれている間にそれの上から時間カウンターが取り除かれるたび、カードを1枚引く。
- 待機能力の両方のXの値は同一である。Xの値は、このカードを手札から待機状態にする際に決定する。値は1以上でなければならない。
- これらのカードが待機状態になった場合、その後に最後の時間カウンターが取り除かれたとき、誘発型能力と「このカードをプレイする」能力の両方が誘発する。あなたはそれらをスタックに置く順番を決めてよい。
- 《永劫の年代史家》の最後の時間カウンターが取り除かれたときにあなたの手札にカードが無い場合、2つの能力をスタックに置く順番は重要になる。「このカードをプレイする」能力を先に解決した場合、《永劫の年代史家》は0/0クリーチャーとして場に出、カードを引く効果の解決前に状況起因効果で墓地に置かれてしまう。一方で、スタックで待機の能力の上にカードを引く能力を置いた場合、《永劫の年代史家》は場に出た時点では1/1になっている。同様の状況は、他の“待機 X”クリーチャーにも起こりえる。
再録テーマ:分割カード
分割カードは、1つのカードの表面に2つのカードがあるものである。これらは、インベイジョン、アポカリプス、ディセンションなどに登場してきた。次元の混乱の分割カードがこれまでのものと最も違うのは、次元の混乱の分割カードはそれぞれの半分が同じ色であることである。これまでのすべての分割カードは、カード全体で考えた場合に多色カードになるが、今回の分割カードは単色である。
《死亡》
{R}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。死亡はそれに2点のダメージを与える。
《退場》
{2}{R}
インスタント
あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
- 分割カードをプレイする場合、どちらか一方のみがプレイされる。その半分がスタックに置かれる。スタック上にある間は、その半分の特性のみが考慮される。残りの半分は存在しないものとして扱う。
- スタック以外の領域においては、分割カードは2つの特性のセットを持つ。名前も2つ、マナ・コストも2つ、等々である。その特性がチェックされる場合、ゲームは2つの値を見る事になる。例えば、ゲーム中に《死亡+退場》の点数で見たマナ・コストがチェックされた場合、その結果は「1であり3」になる。《ヴェナーリアの微光》などの効果により、このカードが点数で見たマナ・コストが2以下を持つかどうかが問われた場合、答えは「イエス」である。《闇の腹心/Dark Confidant》などの効果によりカードの点数で見たマナ・コストが問われた場合、答えは「1と3」であり、この場合は失うライフの点数は合計で4になる。
- 分割カードのいずれか半分に適当されるものは、カード全体に適用される。例えば、《死亡+退場》があなたの手札にあって、相手が《虚空/Void》をプレイして3を選んだ場合、あなたは《死亡+退場》を捨てなければならない。代わりに1を選んだとしても、やはり捨てなければいけない。しかし、4を選んだ場合は《死亡+退場》は捨てない。
- 何らかの効果でカード名を指定するとき、そのプレイヤーが分割カードを指定した場合は、分割カードの両方の半分を指定しなければいけない。
他のキーワード能力やテーマ
瞬速、刹那、待機、側面攻撃、キッカー、マッドネス、変異、シャドー、スリヴァーなどの情報に関しては、時のらせんのよくある質問集を参照。
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