シャドウムーア ルール入門

Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe

最終更新日:08/04/04

シャドウムーアプレリリース:2008年4月19-20日

シャドウムーア公式発売日:2008年5月2日

 シャドウムーアは、公式発売日をもって認定構築戦で使用可能になる。スタンダードでは、コールドスナップ、時のらせん、次元の混乱、未来予知、第10版、ローウィン、モーニングタイド、シャドウムーアの各セットが使用可能となる。ローウィン・ブロック構築は、今後はローウィン=シャドウムーア・ブロック構築と呼ばれ、ローウィン、モーニングタイド、シャドウムーアの各セットが使用可能となる。

セット枚数:301枚(コモン121、アンコモン80、レア80、基本土地20)

 ルール入門は、シャドウムーアのプレリリース・トーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。

 より詳しい内容の「シャドウムーア よくある質問集」(FAQ)は、2008年4月21日に発表になる予定。シャドウムーアのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。

復活メカニズム:混成

 混成マナ・シンボルは、そのコストを2色のどちらででも支払えることを意味する。例えば、{U/B}は{U}でも{B}でも支払うことができる。これは青マナのシンボルであり、黒マナのシンボルでもある。マナ・コストが{U/B}であるカードは青でも黒でもあり、点数で見たマナ・コストは1である。カード上では{U/B}は、斜めに区切られた丸いシンボルで描かれている。左上が青マナのシンボル風(青の背景に水滴)で、右下が黒マナのシンボル風(暗い灰色の背景に髑髏)である。

《スズメバチの槍兵/Wasp Lancer》
{U/B}{U/B}{U/B}
クリーチャー ― フェアリー・兵士
3/2
飛行

新メカニズム:単色混成マナ

 単色混成マナ・シンボルは、そのコストを2通りの方法のどちらででも支払えることを意味する。例えば、{2/B}は{B}か任意のタイプのマナ2点で支払うことができる。これは黒マナのシンボルである。カード上では{2/B}は、斜めに区切られた丸いシンボルで描かれている。左上が不特定マナ・シンボル風(灰色の背景に数字の2)で、右下が黒マナのシンボル風(暗い灰色の背景に髑髏)である。

《女王への懇願/Beseech the Queen》
{2/B}{2/B}{2/B}
ソーサリー
({2/B}は、任意の2マナか{B}で支払うことができる。このカードの点数で見たマナ・コストは6である。)
あなたのライブラリーから、点数で見たマナ・コストがあなたがコントロールする土地の総数以下であるカードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。

テーマ:色関連

 シャドウムーアの多くのカードは、それぞれが特定の色をチェックする別々の2つの能力を持っている。あるカードが両方の色に一致する場合、両方の能力が“機能”する。(混成カードは、それをプレイするために支払われたマナの種類によらず、マナ・コストに描かれた各色であることに注意。)

 例えばあるカードは、それぞれが特定の色のパーマネントに適用される能力を2つ持っている。

《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》
{1}{G/W}{G/W}{G/W}
クリーチャー ― エルフ・騎士
4/4
あなたがコントロールする他の緑のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールする他の白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
いずれかの対戦相手がコントロールする呪文や能力によって萎れ葉のしもべが捨てさせられる場合、それをあなたの墓地に置く代わりに場に出す。

 あるカードは、それぞれが特定の色をチェックする誘発型能力を2つ持っている。

《恐るべき下層流/Dire Undercurrents》
{3}{U/B}{U/B}
エンチャント
青のクリーチャーがあなたのコントロール下で場に出るたび、プレイヤー1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーはカードを1枚引く。」を選んでもよい。
黒のクリーチャーがあなたのコントロール下で場に出るたび、プレイヤー1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。」を選んでもよい。

 一連のオーラのサイクルは、エンチャントされているクリーチャーの色をチェックする。

《大霊の盾/Shield of the Oversoul》
{2}{G/W}
エンチャント ― オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーが緑であるかぎり、それは+1/+1の修整を受けるとともに破壊されない。(致死ダメージや“破壊する”効果ではそれは破壊されない。それのタフネスが0以下である場合は、それはオーナーの墓地に置かれる。)
エンチャントされているクリーチャーが白であるかぎり、それは+1/+1の修整を受けるとともに飛行を持つ。

 “たなびく”サイクルを含む一連のカードは、パーマネントの色を変えることができる。

《たなびく紺碧/Cerulean Wisps》
{U}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは青になる。そのクリーチャーをアンタップする。
カードを1枚引く。

 それ以外の色に関する注意事項は以下の通り。

テーマ:−1/−1カウンター

 シャドウムーアのセットには、これまでのマジックの歴史上のカードよりも多くの枚数の、−1/−1カウンターを与えるカードが存在する。ほとんどにおいて、−1/−1カウンターは+1/+1カウンターと同じ働きをするが、マイナスの数値であるがゆえに時に非常にトリッキーな状況を発生することがある。

新シンボル:アンタップシンボル

 アンタップシンボルはタップシンボルの類似物である。このシンボルは、ルール文書では{Q}で示されるが、カード上では黒丸にJの形をした矢印(先が上向き)で表記される。

《メロウの波破り/Merrow Wavebreakers》
{4}{U}
クリーチャー ― マーフォーク・兵士
3/3
{1}{U}, {Q}:メロウの波破りはターン終了時まで飛行を得る。({Q}はアンタップ・シンボルである。)

 アンタップ・シンボルに関連するルールは以下の通り。

104.5. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストにアンタップ・シンボルがある場合、「このパーマネントをアンタップする」ということを意味する。既にアンタップ状態のパーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 212.3f 参照。
212.3f クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルまたはアンタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、プレイできない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーは攻撃に参加できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 502.5 参照)。
502.5b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの最初から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃したり、コストにタップ・シンボルまたはアンタップ・シンボルを含む起動型能力を使ったりすることができる。(rule 212.3f 参照)

新キーワード能力:共謀

 共謀はインスタント・カードやソーサリー・カードが持つことのできる能力である。この能力により、クリーチャーがチームを組んで呪文のコピーを1つ作ることができる。

《痕跡焼き/Burn Trail》
{3}{R}
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。痕跡焼きはそれに3点のダメージを与える。
共謀 (この呪文をプレイするに際し、あなたはあなたがコントロールするこの呪文と共通の色を持つアンタップ状態のクリーチャー2体をタップしてもよい。そうした場合、この呪文をコピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)

 共謀の公式ルールは以下の通り。

502.78. 共謀
502.78a 共謀は二つの能力を表すキーワードである。一つ目は、呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。二つ目は、呪文がスタック上にあるときに機能する誘発型能力である。「共謀/Conspire」は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはあなたがコントロールするこの呪文と共通の色を持つアンタップ状態のクリーチャー2体をタップしてもよい。」と「この呪文をプレイしたとき、それの共謀コストが支払われていた場合、それをコピーする。 この呪文が対象を取る場合、あなたはそれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。 呪文の共謀コストを支払うことは、409.1bや409.1f?hの追加コストの支払いのルールに従う。
502.78b 呪文に複数の共謀能力がある場合、それぞれは個別に支払われ、誘発も自身の支払いに対してのみ行われる。他の共謀を参照することはない。

新キーワード能力:頑強

 頑強は、クリーチャーを死から呼び戻す能力である。

《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
{2}{B/R}{B/R}
クリーチャー ― ゴブリン・暗殺者
2/2
残忍なレッドキャップが場に出たとき、クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。残忍なレッドキャップはそれに自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
頑強 (このクリーチャーが場からいずれかの墓地に置かれたとき、それの上に−1/−1カウンターが置かれていなかった場合、それを−1/−1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で場に戻す。)

 頑強の公式ルールは以下の通り。

502.79. 頑強
502.79a 頑強は誘発型能力である。 「頑強/Persist」は、「このパーマネントが場からいずれかの墓地に置かれたとき、それの上に−1/−1カウンターが置かれていなかった場合、それを−1/−1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で場に戻す。」を意味する。

新キーワード能力:萎縮

 萎縮は、クリーチャーに与えられるダメージの性質を変える能力である。

《クルラスの騎士/Kulrath Knight》
{3}{B/R}{B/R}
クリーチャー ― エレメンタル・騎士
3/3
飛行
萎縮 (これはクリーチャーに−1/−1カウンターの形でダメージを与える。)
あなたの対戦相手がコントロールするカウンターが置かれているクリーチャーは攻撃もブロックもできない。

 クリーチャーにダメージを与えることに関する公式ルールは以下の通り。

212.3g クリーチャーにダメージが与えられた場合、それはクリーチャーに残る。 そのクリーチャーへのダメージの合計がそれのタフネス以上である場合、そのクリーチャーは致死ダメージを与えられ、状況起因効果で破壊される(rule 420.5cを参照)。 クリーチャーに与えられたダメージは、それが再生したとき(rule 501.5「再生」参照)か、クリンナップ・ステップ中(rule 314.2参照)にすべて取り除かれる。

 萎縮の公式ルールは以下の通り。

502.80. 萎縮
502.80a 萎縮を持つ発生源からクリーチャーに与えられたダメージはクリーチャーに残らない(rule 212.3gを参照)。そうではなく、それはその点数に等しい−1/−1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。
502.80b 一つのオブジェクトに複数の萎縮があっても効果は変わらない。

サイクル:“混成強化”呪文

 シャドウムーアの混成呪文の中には、それのコストとして特定の色のマナが支払われたかどうかを基準に効果を決定するものがある。

《魂魄流/Torrent of Souls》
{4}{B/R}
ソーサリー
魂魄流をプレイするために{B}が支払われている場合、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを最大1枚まで対象とし、それを場に戻す。 魂魄流をプレイするために{R}が支払われている場合、プレイヤー1人を対象とする。ターン終了時まで、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーは+2/+0の修整を受けるとともに速攻を得る。 ({B}{R}が支払われている場合、両方を行う。)

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