時のらせん ルール入門
Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe
Document last modified 06/08/18
時のらせん プレリリース:2006年9月23-24日
時のらせん 公式発売日:2006年10月6日
時のらせんは、2006年10月20日から認定構築戦で使用可能。
ルール入門とは?
ルール入門は、新たなセットのプレリリーストーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。また、トーナメントの主催、ジャッジ、プレイヤーは、各トーナメントパックの中に入っている解説書をきちんと読むことをお勧めする。
より詳しい内容の「時のらせん よくある質問集」(FAQ)は、2006年9月25日に発表になる予定。時のらせんのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。
新キーワード能力「瞬速」
「瞬速/Flash」は、昔からの能力に新しいキーワードが付いたものである。時のらせんにおいては、この能力はこう表記される。
瞬速 (あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。)
瞬速に関する公式ルールは以下の通り。
502.57.瞬速
502.57a 瞬速は、その能力を持つカードをプレイすることのできるあらゆる領域で機能する常在型能力である。「瞬速/Flash」は、「あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。」ということを意味する。
502.57b 一つのオブジェクトに複数の瞬速があっても効果は変わらない。
- この能力を持つ古いカードは、能力として瞬速を持つように訂正される。
新キーワード能力「刹那」
刹那はスタック上で機能する常在型能力である。時のらせんにおいては、この能力はこう表記される。
刹那 (この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文やマナ能力でない起動型能力をプレイできない。)
刹那に関する公式ルールは以下の通り。
502.58.刹那
502.58a 刹那は、刹那を持つ呪文がスタック上にある間にのみ機能する常在型能力である。「刹那/Split second」は「この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文やマナ能力でない起動型能力をプレイできない。」ということを意味する。
502.58b 一つの呪文に複数の刹那があっても効果は変わらない。
- 刹那を持つカードがスタック上にある間でも、プレイヤーは優先権を得る。
- 刹那はプレイヤーがマナ能力をプレイすることを妨げない。
- 刹那は誘発型能力が誘発することを妨げない。その場合、その誘発型能力のコントローラーはそれをスタックに置く。必要なら対象を選ぶ。この能力は通常どおりに解決される。
- 刹那はプレイヤーが特殊な行動を行なうことを妨げない。特に、プレイヤーは刹那を持つ呪文がスタック上にある間であっても、裏向きのクリーチャーを表向きにできる。
- 刹那はすでにスタック上にある呪文や能力に対して何も影響しない。
- 誘発型能力の解決において呪文のプレイが発生する場合、刹那を持つ呪文がスタック上にあるなら、その部分の効果は実行されない。
新キーワード能力「待機」
待機は、呪文のプレイにおいて、実質的にマナの代わりに時間を消費できるようにする能力である。待機コストと時間カウンターの数はカードによって様々だが、カード上の能力表記はこのようになる。
待機 4―{1}{R} (これをあなたの手札からプレイするのではなく、{1}{R}を支払ってゲームから取り除き、その上に時間カウンターを4個置いてもよい。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、あなたはそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。それは速攻を持つ。)
待機に関する公式ルールは以下の通り。
502.59.待機
502.59a 待機は三つの能力を表すキーワードである。第一は、待機を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二と第三は、ゲーム外領域で機能する誘発型能力である。「待機 N―[コスト]/Suspend N--[cost]」は「あなたがこのカードを手札からプレイできる場合、あなたは[コスト]を支払ってこのカードをゲームから取り除き、その上にN個の時間カウンターを置いてもよい。この行動はスタックを使わない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それがゲーム外にある場合、可能ならそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。そうできない場合、それはゲーム外に残る。これによりそれをプレイして、なおかつそれがクリーチャーである場合、それはあなたがそれのコントロールを失うまで速攻を持つ。」ということを意味する。
502.59b あるカードは、それがゲーム外領域にあり、待機を持ち、その上に時間カウンターが置かれている場合、「待機状態/suspended」であるとみなされる。
502.59c 待機能力の効果により呪文をプレイすることは、409.1bや409.1f-hの代替コストの支払いのルールに従う。
- 「あなたがこのカードを手札からプレイできる場合」は、タイミング上の制限やプレイの許可のみをチェックする。これには、カードのタイプによる制限(例えば、待機を持つカードがクリーチャーである場合、あなたのメイン・フェイズ中でスタックが殻でなければならない)や、他の能力による影響、例えば瞬速や《翻弄する魔道士/Meddling Mage》の能力などが含まれる。そのカードを実際にプレイするためのすべての手順に従えるかどうかは関係がない。例えば、カードが適正な対象の不足や支払えないマナ・コストなどでプレイできないとしても、待機によりゲームから取り除くことはできる。
- 待機能力でカードをゲームから取り除くことは、そのカードをプレイすることではない。この行動はスタックを使わず、対応することもできない。
- 待機能力を持つ呪文が対象を取る場合、その対象は呪文のプレイ時に選ぶ。そのカードをゲームから取り除くときではない。
- 待機の一つ目の誘発型能力が打ち消された場合、時間カウンターは取り除かれない。その能力は、オーナーの次のアップキープに再び誘発する。
- 待機状態のカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、待機能力の二つ目の誘発型能力が誘発する。時間カウンターが取り除かれた理由や、誰の効果でそれが取り除かれたかは関係が無い (時のらせんの注釈文は、この点において不明瞭である)。
- 待機の二つ目の誘発型能力が打ち消された場合、そのカードはプレイされない。それはゲームの残りの間、時間カウンターが置かれていない状態でゲーム外に置かれたままになる。以降はそれは待機状態であるとみなさない。
- 待機の二つ目の能力が解決される場合、そのカードのオーナーは、望むと望まざるに関係なく、可能ならばそのカードをプレイしなければいけない。その呪文の通常のタイミング制限は無視される(例えば、待機状態のカードがクリーチャーで、能力がアップキープ中に解決されても、あなたはそのカードをプレイできる)が、他の制限は無視されない。
- 待機の二つ目の誘発型能力が解決されたが、適正な対象の不足やプレイ制限などによりそのカードがプレイできない場合、それはゲームの残りの間、時間カウンターが置かれていない状態でゲーム外に置かれたままになる。以降はそれは待機状態であるとみなさない。
- 待機の二つ目の誘発型能力が解決される際に、待機状態のカードをプレイするために追加コストが発生する場合、そのカードのオーナーは可能ならそのコストを支払わなければいけない。そうできない場合、そのカードはゲーム外に残る。ただし、追加コストにマナが含まれる場合、状況は複雑になる。そのプレイヤーのマナ・プールに、コストを支払うのに十分なマナがある場合、そのプレイヤーはそうしなければいけない。そのプレイヤーがコストを支払うことができない場合、そのカードはゲーム外に残る。ただし、そのプレイヤーにそのコストを支払うだけの十分なマナを生み出す手段がある場合、そのプレイヤーには選択肢がある。そのプレイヤーは呪文をプレイし、マナを生み出し、こすとを支払うことができる。あるいはそのプレイヤーはマナ能力をプレイしないことを選び、その結果、追加のマナが支払えないことによってそのカードのプレイを不可能にすることもできる。
- 待機により場に出たクリーチャーは速攻を持つ。それは場に出た最初のターンを越えた後も、同じプレイヤーがコントロールしているかぎり速攻を持つ。他のプレイヤーがコントロールを得た場合、それはただちに速攻を失う。
ルールの変更:マナ・コストの無いカード(逆転裁定)
マナ・コストの無いオブジェクトに関するルールは変更になる。これまでは、マナ・コストの無いオブジェクトは呪文としてプレイできないことがルールで規定されていた。これらのルール(213.1a and 401.1b、内容は同一)は、「存在しないマナ・コストは支払うことができない」に変更になる。
この変更は、時のらせんの待機カードのうちのいくつかや、神河救済の《常在精神/Evermind》に影響する。
- マナ・コストの無いカードは、通常は呪文としてプレイできない。401.9hにおいて、存在しないマナ・コストを支払うことは不可能だからである (注:これはコストが{0}の呪文とは異なる。これはコストであり支払うことができる)。呪文のプレイに何らかの追加コストが与えられる場合であっても、マナ・コストの無いカードはプレイすることができない。「{ }+{1}」は不可能な計算だからである。
- これらのカードをプレイする何らかの方法、例えば、マナ・コストを支払わずにプレイする等の方法が存在すれば、それを呪文としてプレイすることができる。これは、「マナ・コストを支払わずにプレイする」ことを認める効果によって(例えば待機や《呪文乗っ取り/Spelljack》等)や、代替コストでプレイすることを認める効果(例えば《太陽の拳/Fist of Suns》等)によって可能である。
- マナ・コストの無いカードの点数で見たマナ・コストは0である。
新ゲームルール:+1/+1カウンターと−1/−1カウンター
時のらせんの発売に合わせて、新しい状況起因効果が導入される。
420.5n いずれかのパーマネントの上に+1/+1カウンターと−1/−1カウンターが置かれている場合、その上から+1/+1カウンターと−1/−1カウンターを同じ数だけ取り除く。
- このルールは他のタイプのカウンターには適用されない。あるパーマネントの上に+1/+0カウンターと+0/+1カウンターと−1/−1カウンターが置かれている場合、それらはそのパーマネントの上に残る。
再録キーワード能力:バイバック
バイバックはテンペストで初めて登場した能力である。この能力は、バイバックを持つ呪文に追加コストを支払うことで、解決時にそれが手札に戻るものである。バイバックのルールは、いくつかの相互作用を明確化するために、若干変更される。バイバックに関する公式ルールは以下の通り。
502.16.バイバック
502.16a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーがスタックにある間に働く。それは呪文がスタック上にある間に機能する2つの常在型能力をあらわす。「バイバック [コスト]/Buyback [コスト]」は、「あなたは、この呪文をプレイするに際し、追加で[コスト]を支払ってもよい。」と「バイバック・コストが支払われた場合、この呪文の解決に際し、この呪文をあなたの墓地に置く代わりに手札に加える。」ということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、409.1bや409.1f-hに示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
- バイバックは追加コストである。バイバックのために支払うかどうかは、あなたが呪文をプレイする段階で決定する。バイバック・コストを支払うことを選んだ場合、呪文自身の効果の後に、その呪文はあなたの墓地に置かれる代わりにあなたの手札に戻る。
- バイバックは、呪文が解決されたときにのみその呪文を手札に戻す。呪文が打ち消されたら、それは通常どおり墓地に置かれる。
- あなたがオーナーではない、バイバック・コストが支払われた呪文をあなたがコントロールしている場合、その呪文は解決時に通常どおりにオーナーの墓地に置かれる。そのカードはあなたの墓地に置かれるわけではないので、バイバックの置換効果で置換するイベントは発生しない。
- バイバック・コストが支払われた呪文のコピーをあなたがコントロールしている場合、解決時にコピーは手札に戻り、その後消滅する。
- 呪文が手札に戻るかどうかは、バイバックに対する支払いを選択したかどうかに依存し、実際にバイバックのための支払いをしたかどうかによらない(コスト軽減効果によりバイバックコスト分が実際には払われない事例など)。
- バイバック・コストは、支払ったか支払わなかったかにかかわらず、呪文のマナ・コストや点数で見たマナ・コストに数えない。
再録キーワード能力:エコー
エコーはウルザブロックで初めて登場した能力である。エコーのルールは変更になるが、これまでのエコーを持つカードは機能的には変更されない。エコーに関する公式ルールは以下の通り。
502.19.エコー
502.19a エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/Echo [コスト]」は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントが直前のあなたのアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロール下になっていた場合、[コスト]を支払わないかぎりこれを生け贄に捧げる。」ということを意味する。
- 旧ルールでは、パーマネントはマナ・コストが支払われないかぎり生け贄に捧げられていた。新ルールでは、パーマネントのエコー・コストが支払われないかぎり生け贄に捧げられる。旧カードにおいては、これら2つのコストは同一である。
- エコーの支払いは常に選択可能である。エコーの誘発型能力が解決されるとき、そのパーマネントのコントローラーがエコー・コストを支払えない場合、あるいは支払わないことを選んだ場合、そのプレイヤーはそのパーマネントを生け贄に捧げる。
- パーマネントのエコー能力は、それがコントローラーの直前のアップキープの開始時よりも後に場に出た場合(場を離れて戻ってきた場合や、フェイズ・インしてきた場合を含む)や、現在のコントローラーがコントロールを奪ったのが、そのプレイヤーの直前のアップキープよりも後だった場合に誘発する。
再録キーワード能力:側面攻撃
側面攻撃はミラージュブロックで初めて登場した能力である。側面攻撃に関する公式ルールは以下の通り。
502.3.側面攻撃
502.3a 側面攻撃はブロック・クリーチャー指定ステップに誘発する誘発型能力である (309「ブロック・クリーチャー指定ステップ」を参照)。「側面攻撃/Flanking」は「このクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、そのブロックしているクリーチャーはターン終了時まで−1/−1の修整を受ける。」ということを意味する。
502.3b 1体のクリーチャーに複数の側面攻撃がある場合、それらは個別に誘発する。
再録キーワード能力:フラッシュバック
フラッシュバックはオデッセイブロックで初めて登場した能力である。フラッシュバックに関する公式ルールは以下の通り。
502.22.フラッシュバック
502.22a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」は、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい」「フラッシュバック・コストが支払われた場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。
- 墓地からフラッシュバック・コストを支払って呪文をプレイするときでも、それのマナ・コストは変わらない。単に、マナ・コストの代わりにフラッシュバック・コストを支払うだけである。
- 呪文のために支払うコストが増減する効果は、フラッシュバック・コストを支払う場合も増減させる。そのようなコストは呪文のマナ・コストではなく総コストに影響するからである。
- フラッシュバックでプレイされた呪文が解決されるとき、それがオーナーの墓地に行くことはまったくない。したがって、カードが墓地に置かれることによる誘発型能力は誘発しない。カードは代わりにゲームから取り除かれる。
- フラッシュバックでプレイされた呪文が打ち消された場合、それはオーナーの墓地に置かれるのではなく、やはりゲームから取り除かれる。
再録キーワード能力:マッドネス
マッドネスはトーメントで初めて登場した能力である。マッドネス能力のタイミングは簡略化され、それに関連するルール変更のため若干の相互作用が変更になる。マッドネスに関する公式ルールは以下の通り。
502.24.マッドネス
502.24a マッドネスは二つの能力を表すキーワードである。第一は、マッドネスを持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二は、第一の能力が適用されたときに機能する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てる場合、そのプレイヤーはそれを捨てるが、それを自分の墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい。」と「このカードがこれによりゲームから取り除かれたとき、それのオーナーはそれのマナ・コストではなく[コスト]を支払ってそれをプレイしてもよい。そのプレイヤーがそうしない場合、そのプレイヤーはそのカードを自分の墓地に置く。」ということを意味する。
502.24b マッドネス能力を使って呪文をプレイすることは、409.1b、409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。
- 旧ルールでは、マッドネス誘発能力が解決された後、マッドネス・カードのオーナーはそのマッドネス・カードをプレイするための若干の時間の枠(そのプレイヤーが優先権をパスするまで)が与えられた。その枠内において、そのプレイヤーはマッドネス・カードをプレイする前に特別な行動(土地をプレイするなど)ができた。また、カードを捨てたプレイヤーがアクティブ・プレイヤーでない場合、そのプレイヤーはマッドネス誘発を解決した後に優先権を得ず、アクティブ・プレイヤーが優先権をパスするまでマッドネス・カードのプレイを待たなければいけなかった。
新ルールにおいては、マッドネス・カードのプレイはマッドネス誘発型能力の効果の一部である。プレイヤーはマッドネス誘発型能力の解決の際に、そのカードをプレイするか、そのカードを自分の墓地に置くかのいずれかになる。
- あなたがマッドネスを持つカードを捨てたとき、あなたはそのカードを通常どおり捨ててもよいし、それをゲームから取り除いてもよい。それをゲームから取り除いたとき、あなたはそれをプレイしてもよいし、それをあなたの墓地に置いてもよい。マッドネスでカードをプレイすることは、手札からインスタントをプレイするのと同様である。ただし、支払うのはカードのマナ・コストではなくマッドネス・コストである。それは他の呪文と同様にスタックに置かれ、他の呪文と同様に打ち消すことができる。
- マッドネス・コストを支払って捨てられるカードを呪文としてプレイするときでも、それのマナ・コストは変わらない。単に、マナ・コストの代わりにマッドネス・コストを支払うだけである。
- 呪文のために支払うコストが増減する効果は、マッドネス・コストを支払う場合も増減させる。そのようなコストは呪文のマナ・コストではなく総コストに影響するからである。
- マッドネスは、そのカードを捨てた理由を問わず同様に機能する。コストとして捨てた場合、呪文や能力の指示があった場合、ターン終了時に手札が多すぎた場合などでもかまわない。ただし、そのカードをマッドネスでプレイしたいからという理由で単に捨てることはできない。
- マッドネスでカードをプレイする場合、それは捨てられたカードに数えるが、プレイする前に実際に墓地に置かれるわけではない。これはつまり、相手が「対応して」そのカードを取り除いて呪文のプレイを妨害することはできないということである。ただし、カードを捨てることで誘発する能力は誘発する。
- カードを捨てたときにマッドネスでプレイしないことを選んだ場合、それは墓地に置かれる。再びそれをプレイできる機会は無い。
再録キーワード能力:変異
変異はオンスロートブロックで初めて登場した能力である。変異に関するルールは若干変更される。旧ルールでは、裏向きの呪文と裏向きのクリーチャーのマナ・コストは{0}であるとされていた。新ルールでは裏向きの呪文と裏向きのクリーチャーはマナ・コストを持たない (裏向きの呪文と裏向きのクリーチャーの点数で見たマナ・コストは0のままである)。これにより、いくつかの相互作用が変更になる。マナ・コストが無い呪文に対するルールの変更により、これが可能になっている (詳しくは、前述「マナ・コストの無いカード」の項目を参照)。
変異に関する公式ルールは以下の通り。
502.26.変異
502.26a 変異は、その能力を持つカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たないクリーチャーとしてプレイできる。」という意味である。あなたはインスタントをプレイできる時ならいつでも、あなたがコントロールする裏向きのパーマネントの変異コストをすべてのプレイヤーに見せてもよい。そうしたなら、そのコストを支払い、その後そのパーマネントを表向きにする。この行動はスタックを使わない (504「裏向きの呪文やパーマネント」を参照)。
502.26b 変異能力を使ってカードをプレイするには、それを裏向きにする。それは、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たない2/2の裏向きのクリーチャー カードとなる。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である (418.5「継続的効果の相互作用」や503「オブジェクトのコピー」を参照)。 それを(同じ特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに置き、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異能力を持つカードを呪文としてプレイすることができる領域ならどの領域からでも、変異能力を使ってカードをプレイできる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性をもったまま場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。
502.26c 変異を持たないカードを裏向きにプレイすることはできない。
502.26d あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも、あなたはあなたがコントロールする裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。そうするには、そのパーマネントのその効果が終わる時点での変異コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、それを支払い、そのパーマネントを表向きにする。変異の効果は終了し、その通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが場に出たときに誘発される能力は、表向きになったときには誘発されず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに場に出ているからである。
502.26e 表向きのパーマネントが呪文や能力によって裏向きになった場合、それは裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たないクリーチャーになる。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である (418.5「継続的効果の相互作用」や503「オブジェクトのコピー」を参照)。変異と裏向きのクリーチャーに関するルールは通常通り適用される。
502.26f 変異能力を持つカードのプレイに関する詳細については、504「裏向きの呪文やパーマネント」を参照のこと。
- 変異能力は、カードを裏向きに{3}でプレイすることや、変異コストを支払うことでそれを表向きにする行動を取ることを認めるものである。
- カードを裏向きにプレイするには、それを裏向きにスタックに置き(相手はそれが何であるかわからない)、{3}を支払う。これはその呪文のマナ・コストで無い点に注意(マナ・コストは持たない)。これは代替コストである。その呪文が解決されたら、それは裏向きのパーマネントとして場に出る。
- カードが裏向きであるかぎり、それは(何らかの効果により特性を与えられないかぎり)2/2の無色の、名前やエキスパンション・シンボルやマナ・コストや能力やサブタイプを持たないクリーチャーである。
- あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも、あなたは変異コストを支払って裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。これは起動型能力ではない。これはスタックを用いない特殊な行動であり、打ち消したり対応したりできない。これはスタック上の裏向きのカードに対しては行なえない。
- パーマネントを表向きにすることは、場に出たときの能力を誘発しない。
- パーマネントを表向きにしたり裏向きにしたりすることでそれの特性は変わるが、それ以外に関しては同じパーマネントである。元の物を対象としていたり、元の物に影響を与えていた呪文やカウンターやオーラや装備品やダメージはそのままである。パーマネントを表向きにしたり裏向きにしたりすることは、それがタップ状態かアンタップ状態か、あるいは反転後か反転前かを変えない。
- あなたはいつでも、あなたがコントロールするスタック上の裏向きの呪文や、あなたがコントロールする裏向きのパーマネントや、フェイズ・アウト領域にあるフェイズ・アウト時にあなたがコントロールしていた裏向きのカードの表を見てもよい。
- 裏向きの呪文が打ち消されたら、それを表向きにする。* 裏向きのクリーチャーが場を離れたら、それを表向きにする。
- 変異を持たないカードを裏向きにプレイするのは不正な行為である。対戦相手にはそれが変異を持っているかいないかがわからないので、プレイヤーはゲーム終了時に裏向きの呪文やパーマネントやフェイズ・アウト領域のカードを公開し、相手にそれが変異持ちであることを確認させなければいけない。
- 裏向きのクリーチャーの戦闘ダメージがスタックに乗っている状態でそれを表向きにし、そのクリーチャーが「このクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたび」に誘発する能力を持っている場合、その能力は戦闘ダメージの解決時に誘発する。
- あなたが裏向きのクリーチャーのコントロールを得た場合、あなたはそれが何であるかを見ることができ、それの変異コストを支払って表向きにすることができる。相手はそれをできないが、そのクリーチャーが何であるかは知っている。
- 裏向きのクリーチャーは能力を持っていないので、変異能力も持っていない。変異を持つ表向きのクリーチャーがその能力を持つ。
- 呪文や能力が裏向きのクリーチャーを表向きにするよう指示した場合、あなたはそのためにそのクリーチャーの変異コストを支払う必要は無い。
- 回避能力を持つクリーチャーが裏向きになっていて、それがブロックされた後に表向きになっても、ブロック・クリーチャーには影響しない。ブロックの制限はブロック・クリーチャーが宣言されるときにのみチェックされるからである。
- あなたが複数の裏向きの呪文をスタック上にコントロールしている場合や、複数の裏向きのパーマネントを場に出している場合や、複数の裏向きのカードがフェイズ・アウトしている場合、あなたはそれぞれの呪文やパーマネントやフェイズ・アウト状態のカードを互いに区別できるようにしなければいけない。これには、呪文のプレイされた順番、裏向きのパーマネントが場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したかなどが含まれる(ただしこれに限らない)。裏向きのオブジェクトを区別する一般的な方法は、カウンターやダイスなどで異なるオブジェクトに目印をつけたり、テーブル上に出した順番にオブジェクトを並べておくことである。
再録キーワード能力:シャドー
シャドーはテンペストで初めて登場した回避能力である。シャドーに関する公式ルールは以下の通り。
502.8.シャドー
502.8a 「シャドー/Shadow」は回避能力である。
502.8b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない (309「ブロック・クリーチャー指定ステップ」参照)。
502.8c 1体のクリーチャーに複数のシャドー能力があっても意味はない。
再録キーワード能力:ストーム
ストームはスカージで初めて登場した能力である。ストームに関する公式ルールは以下の通り。
502.30.ストーム
502.30a ストームは、それを持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。
502.30b 呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。
- ストームのコピーはスタックに直接置かれる――プレイされるわけではない。これはつまり、コピーそれ自身はストームのコピーを生み出さず、このターンの後にプレイされたストーム呪文の数に含まれないことを意味する。
- 対象を取る各ストーム呪文は、その呪文の各コピーごとに対象を変えることができる。選択は各コピーごとに個別に行なう。
- このターンにプレイされた呪文を数える場合、裏向きにプレイされた呪文や、手札以外の領域からプレイされた呪文や、打ち消された呪文を数に入れる。
- 呪文のコピーは、通常の呪文と同様に打ち消すことができる。ただし、各コピーはそれぞれ個別に打ち消す必要がある。ストーム呪文を打ち消してもコピーは打ち消されない。
- 待機によりカードを取り除くことは呪文のプレイに数えない。待機呪文は、最後の時間カウンターを取り除いて、その能力を解決したときにのみプレイする。
- 《双つ術/Twincast》のような呪文によりストームを持つ呪文をコピーした場合、そのコピーした呪文のストーム能力は誘発しない。単に新たな呪文を1つ得るだけである。
再録テーマ:スリヴァー
時のらせんでは、クリーチャー・タイプ「スリヴァー」を持つクリーチャーが何体か登場する。ほとんどのスリヴァーは、能力や特性の変更をすべてのスリヴァーに与える。スリヴァーはこれまでに、テンペスト、ストロングホールド、レギオン、スカージに登場した。
- 各スリヴァーは、自分自身とすべてのスリヴァーに能力を与える。
- スリヴァーが場のスリヴァーに与える能力には、起動型能力、常在型能力、誘発型能力がある。すべてのスリヴァーが能力を与えるわけではない。スリヴァーが何らかの行動、例えば戦闘ダメージを与えることなどを行なうことで誘発する能力を与えるものもいる。
- スリヴァーが与える能力、例えばパワーやタフネスの強化や誘発型能力は累積する。
- 他のタイプのクリーチャーをスリヴァーに変えることで、そのクリーチャーがスリヴァーであることの恩恵を受けさせることができる。
- あるスリヴァーのタイプを変えてスリヴァーでなくした場合、それは自分自身に能力を与えなくなる。ただし、それは他のスリヴァーには影響を与え続ける。
All trademarks are property of Wizards of the Coast, Inc. in the U.S.A. and other countries.(c)2006 Wizards.