時のらせん ルール入門

Compiled by Mark L. Gottlieb, with contributions from Laurie Cheers, Jeff Jordan, and Lee Sharpe

Document last modified 06/08/18

時のらせん プレリリース:2006年9月23-24日

時のらせん 公式発売日:2006年10月6日

時のらせんは、2006年10月20日から認定構築戦で使用可能。

ルール入門とは?

ルール入門は、新たなセットのプレリリーストーナメントをサポートする目的で作られたものである。ここでは、マジック:ザ・ギャザリングのルールの大きな変更点や、新たなセットの最も複雑な部分の解説を行なう。あるカードの表記がルールやオラクルと矛盾する場合、カードに印刷されているものが正しいものとする。また、トーナメントの主催、ジャッジ、プレイヤーは、各トーナメントパックの中に入っている解説書をきちんと読むことをお勧めする。

より詳しい内容の「時のらせん よくある質問集」(FAQ)は、2006年9月25日に発表になる予定。時のらせんのカードのGathererデータベースへの登録やオラクルも、その時に同時に発表になる。

新キーワード能力「瞬速」

「瞬速/Flash」は、昔からの能力に新しいキーワードが付いたものである。時のらせんにおいては、この能力はこう表記される。

瞬速 (あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。)

瞬速に関する公式ルールは以下の通り。

502.57.瞬速

502.57a 瞬速は、その能力を持つカードをプレイすることのできるあらゆる領域で機能する常在型能力である。「瞬速/Flash」は、「あなたはこの呪文を、あなたがインスタントをプレイできるときならいつでもプレイしてよい。」ということを意味する。

502.57b 一つのオブジェクトに複数の瞬速があっても効果は変わらない。

新キーワード能力「刹那」

刹那はスタック上で機能する常在型能力である。時のらせんにおいては、この能力はこう表記される。

刹那 (この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文やマナ能力でない起動型能力をプレイできない。)

刹那に関する公式ルールは以下の通り。

502.58.刹那

502.58a 刹那は、刹那を持つ呪文がスタック上にある間にのみ機能する常在型能力である。「刹那/Split second」は「この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文やマナ能力でない起動型能力をプレイできない。」ということを意味する。

502.58b 一つの呪文に複数の刹那があっても効果は変わらない。

新キーワード能力「待機」

待機は、呪文のプレイにおいて、実質的にマナの代わりに時間を消費できるようにする能力である。待機コストと時間カウンターの数はカードによって様々だが、カード上の能力表記はこのようになる。

待機 4―{1}{R} (これをあなたの手札からプレイするのではなく、{1}{R}を支払ってゲームから取り除き、その上に時間カウンターを4個置いてもよい。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、あなたはそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。それは速攻を持つ。)

待機に関する公式ルールは以下の通り。

502.59.待機

502.59a 待機は三つの能力を表すキーワードである。第一は、待機を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二と第三は、ゲーム外領域で機能する誘発型能力である。「待機 N―[コスト]/Suspend N--[cost]」は「あなたがこのカードを手札からプレイできる場合、あなたは[コスト]を支払ってこのカードをゲームから取り除き、その上にN個の時間カウンターを置いてもよい。この行動はスタックを使わない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それがゲーム外にある場合、可能ならそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。そうできない場合、それはゲーム外に残る。これによりそれをプレイして、なおかつそれがクリーチャーである場合、それはあなたがそれのコントロールを失うまで速攻を持つ。」ということを意味する。

502.59b あるカードは、それがゲーム外領域にあり、待機を持ち、その上に時間カウンターが置かれている場合、「待機状態/suspended」であるとみなされる。

502.59c 待機能力の効果により呪文をプレイすることは、409.1bや409.1f-hの代替コストの支払いのルールに従う。

ルールの変更:マナ・コストの無いカード(逆転裁定)

マナ・コストの無いオブジェクトに関するルールは変更になる。これまでは、マナ・コストの無いオブジェクトは呪文としてプレイできないことがルールで規定されていた。これらのルール(213.1a and 401.1b、内容は同一)は、「存在しないマナ・コストは支払うことができない」に変更になる。

この変更は、時のらせんの待機カードのうちのいくつかや、神河救済の《常在精神/Evermind》に影響する。

新ゲームルール:+1/+1カウンターと−1/−1カウンター

時のらせんの発売に合わせて、新しい状況起因効果が導入される。

420.5n いずれかのパーマネントの上に+1/+1カウンターと−1/−1カウンターが置かれている場合、その上から+1/+1カウンターと−1/−1カウンターを同じ数だけ取り除く。

再録キーワード能力:バイバック

バイバックはテンペストで初めて登場した能力である。この能力は、バイバックを持つ呪文に追加コストを支払うことで、解決時にそれが手札に戻るものである。バイバックのルールは、いくつかの相互作用を明確化するために、若干変更される。バイバックに関する公式ルールは以下の通り。

502.16.バイバック

502.16a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーがスタックにある間に働く。それは呪文がスタック上にある間に機能する2つの常在型能力をあらわす。「バイバック [コスト]/Buyback [コスト]」は、「あなたは、この呪文をプレイするに際し、追加で[コスト]を支払ってもよい。」と「バイバック・コストが支払われた場合、この呪文の解決に際し、この呪文をあなたの墓地に置く代わりに手札に加える。」ということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、409.1bや409.1f-hに示された追加コストの支払いに関するルールに従う。

再録キーワード能力:エコー

エコーはウルザブロックで初めて登場した能力である。エコーのルールは変更になるが、これまでのエコーを持つカードは機能的には変更されない。エコーに関する公式ルールは以下の通り。

502.19.エコー

502.19a エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/Echo [コスト]」は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントが直前のあなたのアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロール下になっていた場合、[コスト]を支払わないかぎりこれを生け贄に捧げる。」ということを意味する。

再録キーワード能力:側面攻撃

側面攻撃はミラージュブロックで初めて登場した能力である。側面攻撃に関する公式ルールは以下の通り。

502.3.側面攻撃

502.3a 側面攻撃はブロック・クリーチャー指定ステップに誘発する誘発型能力である (309「ブロック・クリーチャー指定ステップ」を参照)。「側面攻撃/Flanking」は「このクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、そのブロックしているクリーチャーはターン終了時まで−1/−1の修整を受ける。」ということを意味する。

502.3b 1体のクリーチャーに複数の側面攻撃がある場合、それらは個別に誘発する。

再録キーワード能力:フラッシュバック

フラッシュバックはオデッセイブロックで初めて登場した能力である。フラッシュバックに関する公式ルールは以下の通り。

502.22.フラッシュバック

502.22a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードがプレイヤーの墓地にあるときに働く常在型能力である。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」は、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地からプレイしてもよい」「フラッシュバック・コストが支払われた場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりにゲームから取り除く」ということを意味する。フラッシュバック能力を使って呪文をプレイすることは、rule 409.1b、rule 409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。

再録キーワード能力:マッドネス

マッドネスはトーメントで初めて登場した能力である。マッドネス能力のタイミングは簡略化され、それに関連するルール変更のため若干の相互作用が変更になる。マッドネスに関する公式ルールは以下の通り。

502.24.マッドネス

502.24a マッドネスは二つの能力を表すキーワードである。第一は、マッドネスを持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二は、第一の能力が適用されたときに機能する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てる場合、そのプレイヤーはそれを捨てるが、それを自分の墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい。」と「このカードがこれによりゲームから取り除かれたとき、それのオーナーはそれのマナ・コストではなく[コスト]を支払ってそれをプレイしてもよい。そのプレイヤーがそうしない場合、そのプレイヤーはそのカードを自分の墓地に置く。」ということを意味する。

502.24b マッドネス能力を使って呪文をプレイすることは、409.1b、409.1f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。

新ルールにおいては、マッドネス・カードのプレイはマッドネス誘発型能力の効果の一部である。プレイヤーはマッドネス誘発型能力の解決の際に、そのカードをプレイするか、そのカードを自分の墓地に置くかのいずれかになる。

再録キーワード能力:変異

変異はオンスロートブロックで初めて登場した能力である。変異に関するルールは若干変更される。旧ルールでは、裏向きの呪文と裏向きのクリーチャーのマナ・コストは{0}であるとされていた。新ルールでは裏向きの呪文と裏向きのクリーチャーはマナ・コストを持たない (裏向きの呪文と裏向きのクリーチャーの点数で見たマナ・コストは0のままである)。これにより、いくつかの相互作用が変更になる。マナ・コストが無い呪文に対するルールの変更により、これが可能になっている (詳しくは、前述「マナ・コストの無いカード」の項目を参照)。

変異に関する公式ルールは以下の通り。

502.26.変異

502.26a 変異は、その能力を持つカードをプレイできる時ならいつでも働く常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも働く。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たないクリーチャーとしてプレイできる。」という意味である。あなたはインスタントをプレイできる時ならいつでも、あなたがコントロールする裏向きのパーマネントの変異コストをすべてのプレイヤーに見せてもよい。そうしたなら、そのコストを支払い、その後そのパーマネントを表向きにする。この行動はスタックを使わない (504「裏向きの呪文やパーマネント」を参照)。

502.26b 変異能力を使ってカードをプレイするには、それを裏向きにする。それは、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たない2/2の裏向きのクリーチャー カードとなる。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である (418.5「継続的効果の相互作用」や503「オブジェクトのコピー」を参照)。 それを(同じ特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに置き、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異能力を持つカードを呪文としてプレイすることができる領域ならどの領域からでも、変異能力を使ってカードをプレイできる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性をもったまま場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。

502.26c 変異を持たないカードを裏向きにプレイすることはできない。

502.26d あなたがインスタントをプレイできるときならいつでも、あなたはあなたがコントロールする裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。そうするには、そのパーマネントのその効果が終わる時点での変異コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、それを支払い、そのパーマネントを表向きにする。変異の効果は終了し、その通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが場に出たときに誘発される能力は、表向きになったときには誘発されず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに場に出ているからである。

502.26e 表向きのパーマネントが呪文や能力によって裏向きになった場合、それは裏向きで2/2の、テキストや名前やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボルやマナ・コストを持たないクリーチャーになる。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である (418.5「継続的効果の相互作用」や503「オブジェクトのコピー」を参照)。変異と裏向きのクリーチャーに関するルールは通常通り適用される。

502.26f 変異能力を持つカードのプレイに関する詳細については、504「裏向きの呪文やパーマネント」を参照のこと。

再録キーワード能力:シャドー

シャドーはテンペストで初めて登場した回避能力である。シャドーに関する公式ルールは以下の通り。

502.8.シャドー

502.8a 「シャドー/Shadow」は回避能力である。

502.8b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない (309「ブロック・クリーチャー指定ステップ」参照)。

502.8c 1体のクリーチャーに複数のシャドー能力があっても意味はない。

再録キーワード能力:ストーム

ストームはスカージで初めて登場した能力である。ストームに関する公式ルールは以下の通り。

502.30.ストーム

502.30a ストームは、それを持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文をプレイしたとき、このターン、この呪文より前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。

502.30b 呪文に複数のストームがある場合、それぞれは個別に誘発する。

再録テーマ:スリヴァー

時のらせんでは、クリーチャー・タイプ「スリヴァー」を持つクリーチャーが何体か登場する。ほとんどのスリヴァーは、能力や特性の変更をすべてのスリヴァーに与える。スリヴァーはこれまでに、テンペスト、ストロングホールド、レギオン、スカージに登場した。


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