_DCI_(TM) 禁止・制限カードリストアナウンス

1999年3月発布
1999年4月発効

スタンダード構築：
　新規禁止カード：
　　Dream Halls《ドリーム・ホール》
　　Earthcraft《大地の知識》
　　Fluctuator《波動機》
　　Lotus Petal《水蓮の花びら》
　　Recurring Nightmare《繰り返す悪夢》
　　Time Spiral《時のらせん》
注：以下もこれまで通り禁止です。
　：Tolarian Academy《トレイリアのアカデミー》
　：Windfall《意外な授かり物》

エクステンデッド構築：
　変更なし

ウルザブロック構築：
　新規禁止カード：
　　Time Spiral《時のらせん》
　　Windfall《意外な授かり物》

クラシック・リストリクテッド(Type 1.5) 構築：
　禁止解除カード：
　　Candelabra of Tawnos
　　Copy Artifact
　　Maze of Ith
　　Mishra's Workshop
　新規禁止カード：
　　Time Spiral《時のらせん》

クラシック(Type 1) 構築：
　制限解除カード：
　　Maze of Ith
　新規制限カード：
　　Time Spiral《時のらせん》


訂正：
　１９９９年３月１日から、『フリー』クリーチャー(Cloud of Faeries、Great
Whale、Palinchron、Peregrine Drake）に関して以下のエラッタを適用する。
"When [this creature] comes into play, if you played it from your hand, 
 untap up to [the appropriate number] lands."
『[クリーチャー]が場に出たとき、それがあなたの手札からプレイされていれば、
　[それぞれの枚数]枚までの土地をアンタップする』

　また、Priest of Gixも以下のエラッタを得る。
"When Priest of Gix comes into play, if you played it from your hand,
 add [three black mana] to your mana pool." (This should be
treated as if there were actual mana symbols in the text box.)
『ギックスの僧侶が場に出たとき、それがあなたの手札からプレイされていれば、
　あなたのマナ・プールに[黒マナ３つ]を加える』(マナシンボルとして扱う)。

　このエラッタの示唆するところについて、 _マジック_(R)のリードデザイナーの
Bill Roseは次のように語っている。
「この書式によって、それをRecurring Nightmare《繰り返す悪夢》やSneak Attack
《騙し討ち》の類の能力で直接場に出したときは土地をアンタップできないことが
　明白になった。プレイするのと場に出すのは別である」

禁止・制限リストの意図

一般理念
　なぜこの四半期の禁止・制限リストにはこれまでになく多いスタンダード環境の
禁止カードが含まれているのか？　その答えは、現在のスタンダード環境が健全な
ゲームに相応しくないデッキタイプによって支配されているからである。速すぎ、
成立の可能性も高すぎるいくつもの『コンボ』デッキが勝ちすぎている。これらの
デッキはマジックのトーナメントを楽しく面白いものにするべき双方向的な要素を
なくしてしまう。
　コンボデッキはマジックにおいて常に存在する。しかしプレイヤーや観客(？)は
環境を支配されはじめるとくじけるものだ。マジック・Ｒ＆Ｄは、コンボデッキが
あまりにも速く、効率的に勝つことができるべきではないと考えている。例えば、
Channel／Black Lotus／Fireball というのは許されるべきではないコンボであり、
従って正された。
　現在の問題となっているカードがデザインされたときは、スタンダードの環境は
現在とはかなり違っていた。当時支配的であったデッキは青白の遅いコントロール
デッキだった。テンペスト環境のスピードが、その遅い環境に直接、そして慎重に
反応し、そして前にあったものよりも『速い』カードが導入された。
　加えて、ウルザズサーガのカードセットにおいて、新しいコンボカードが何枚も
リリースされた。コンボデッキは何年も問題外だったので、新しいコンボカードは
そのセットの開発中にも、何も考慮されなかった。テンペスト環境の速いカードと
組み合わせると、想像を絶する速さでそれらのコンボが成立し、現行スタンダード
環境のプレイヤーのやる気を殺いでいる。我々は、これがプレイヤーにもたらした
不具合について心から謝罪する。


スタンダード

Dream Halls《ドリーム・ホール》：
　マジックＲ＆Ｄはこのカードについて、本質的に呪文のキャスティングコストを
支払わなくて良くするということで心配している。一般には問題ではないけれども、
カードを引くものと組み合わせると問題になる。

Earthcraft《大地の知識》：
　これは無限マナを産み出すいくつものコンボデッキにおけるキーカードである。
クリーチャーをタップするという『コスト』は、それが容易にアンタップできたり、
あるいは何度も唱えることができる状況下では不適当である。

Fluctuator《波動機》：
　このカードについては、このリストに載っている中でもっとも深く議論された。
最終的には、 Recurring Nightmare《繰り返す悪夢》が禁止されたのと同じ理由で
禁止されることになった。コンボデッキの中でもっとも有利なものが禁止されたら、
《波動機》デッキが最前線になるだろうからである。

Lotus Petal《水蓮の花びら》：
　このカードで多くのコンボデッキは他の手段でするよりも速く加速され、そして
複数色を簡単に出せるようになる。《水蓮の花びら》を禁止することで、ある種の
コンボカード、例えば Yawgmoth's Will《ヨーグモスの意志》を環境に残すことが
可能になる。

Recurring Nightmare《繰り返す悪夢》：
　これは、難しい決断であった。『フリー』クリーチャーへのエラッタをうけても、
特に Survival of the Fittest《適者生存》などと《繰り返す悪夢》デッキはなお
強すぎる。このデッキはTime Spiral《時のらせん》デッキに比べて明らかに遅いが、
Ｒ＆Ｄでは《時のらせん》を禁止すると《繰り返す悪夢》デッキが支配的になると
判断した。

Time Spiral《時のらせん》：
　これは、あまりにも多くのコンボデッキにおけるキーカードであった。本質的に
０マナで７枚の新しいカードを得ることができるのは強すぎ、アンバランスである。
開発時には、６マナというのは充分な重さだと思ったが、実際はそうではなかった。


エクステンデッド

　エクステンデッド環境のデッキのバランスは正常であり、変更する必要はないと
判断した。どのデッキタイプも支配的ではない。


ウルザブロック

Time Spiral《時のらせん》：
　スタンダード参照のこと。

Windfall《意外な授かり物》：
　このカードはあまりにも低コストであまりにも多くのカードを引くことができる。
手札をすぐに空にできるデッキにおいて、このカードはアンバランスである。


クラシック・リストリクテッド

　クラシック環境の全ての禁止・制限カードはクラシック・リストリクテッドでも
禁止になる。


クラシック

Time Spiral《時のらせん》：
　これの効果と『フリー』であるということの組み合わせは強力過ぎる。

Maze of Ith：
　現在の環境ではこれは問題のあるカードとはいえないので、制限を解除する。

WIZARDS OF THE COAST, Magic, Urza's Saga, Tempest, and DCI are trademarks of
Wizards of the Coast, Inc. (c)1999 Wizards of the Coast, Inc.


マジック履行プログラム

　Wizards of the Coast社は、カードを制限あるいは禁止することがトーナメント
環境の長期安定化を計るうえで重要だと考えている。しかしながら、マジック(R)の
商品を買ったプレイヤーにとって、もっとも多いトーナメントで使えないカードを
引くということが、プレイヤーを哀しませ、やる気を失わせることは判っている。
そこで、以下のカードのスタンダードでの禁止に伴う履行プログラムを提示する。

Earthcraft《大地の知識》                   _Tempest_(TM)
Dream Halls《ドリーム・ホール》            _Stronghold_(TM)
Recurring Nightmare《繰り返す悪夢》        _Exodus_(TM)
Fluctuator《波動機》                       _Urza's Saga_(TM)
Time Spiral《時のらせん》                  _Urza's Saga
Tolarian Academy《トレイリアのアカデミー》 _Urza's Saga

　履行プログラムの概要は以下のとおり。

1.WotC社のサイト(http://www.wizards.com/Magic/)に行き、履行フォームを得る。
2.履行フォームを全て埋める。上記のカードと一緒に、それを以下の住所に送る。

Merchant Services--Magic Redemption Program
P.O. Box 707
Renton, WA 98057-0707
U.S.A.

3.WotCはそのカードの数に応じてブースターパックを返送する。このブースターは
　そのカードが入っていたセットのものである。言い換えると、Dream Halls２枚と
Recurring Nightmare１枚を送ったら、Strongholdのブースターが２つとExodusの
ブースターが１つが送り返すということになる。この手間については残念に思う。


規約と責任範囲：
＊WotC社はカードが郵送中に失われることについては責任を持たない。
＊カードはプレイできる状態でなければならない。
＊ラースサイクルブロックのカード交換は１９９９年１１月１日まで。
＊ウルザブロックのカード交換は２０００年１１月１日まで。
＊リストにあるものだけが今回の交換の対象である。その他のカードを送っても、
　交換も返送も行なわない。
＊配達まで４〜６週間お待ちください。

WIZARDS OF THE COAST, Magic, THE RATH CYCLE, Tempest, Stronghold, Exodus,
Urza's Saga, Urza's Legacy, and Urza's Destiny are trademarks of Wizards of
the Coast, Inc. (c)1999 Wizards of the Coast, Inc.



Elaine Ferrao
DCI Policy Administrator