2001-2002 DCI Floor Rules Update  この文書は、先シーズンのルールからの変更点の概要を示している。編集上の小さな変更点は注意する必要はない。DCIトーナメント・ルールの変更点は2001年11月1日から有効になる(ただし、Pokemonトレーディング・カード・ゲームに関するものは2001年10月15日から有効である)。ゴシック体で書かれている部分は解説であり、本文には含まれない。 DCI汎用トーナメント・ルール 3. プレイヤーの資格 社員に関する規則は変更・更新された。(汎用トーナメント・ルールの付録Bに示した)社員についての規則は、勤務先がウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の事務所(アントワープ、北京、ロンドン、ミラノ、パリ、シアトル、シドニー)である人すべてに適用される。これには、常勤の契約社員も含まれる。一方、ハスブロ社の社員はDCI認定トーナメントに参加することができるようになった。これは、DCIが、ハスブロ社の社員が社員であることによって何らかの利益を得ることはないと判断したからである。 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の社員は退社してからも30日の間、DCI認定トーナメントに参加することはできない。(汎用トーナメント・ルールの付録Bに示した)戦略パートナーとは、(たとえばホビージャパンやAmigoなどの)ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の組織プレイをある地域で運営している個人もしくは法人のことである。 *  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の従業員 *  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の元従業員(ウィザーズ社の雇用最終日から30日が経過するまで) *  ゲームキーパーを含むウィザーズ・オブ・ザ・コーストの小売店従業員は、プレミア・イベント以外のイベントや、プレリリース・トーナメント、アマチュア選手権、フライデー・ナイト・マジックに参加することはできるが、付録Bに定めるそれ以外のプレミア・イベントや、その雇われている店で行われるトーナメントには参加できない。 * ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の戦略パートナー(付録B参照)の従業員は、DCI認定イベントに参加できない。(たとえば、ホビージャパン、Amigo Spiel、Devirなど) *  カードセットのテストプレイやリビューを行った人は、そのカードセットのプレリリース・トーナメントの行われた日から18日間が経過するまで、そのカードセットを使うイベントに参加できない。 6. イベント情報の公開  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、トーナメントを開催している最中にサイドボード・オンラインにプレイヤーのデッキリストを公開できる。この情報は、プロツアー級のイベントなどに関して用いられる。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、懲罰や資格停止に関する情報を公開する権限を有する。  ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、認定トーナメントの映像、ビデオ再現、プレイヤーのデッキ内容などのイベント情報を、そのイベントの間でさえ、いつでも公表する権利を有する。  また、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、懲罰や資格停止に関する情報を公開する権利を有する。 13. プレイヤーの責務  DCIは、全てのプレイヤーに正確なレーティングを整備するように要求する。それぞれが自分のレーティングを確認できるように、DCIはマジック・プレイヤー報奨プログラム(http://www.wizards.com/magicrewards)を準備している。緊急にDCIに報告することが必要な場合、南北アメリカおよびヨーロッパからは dciappeal@wizards.com に、日本からは mpr.jp@wizards.com に連絡することができる。  プレイヤーは、DCI、ヘッド・ジャッジ、そしてその他のスタッフによって提示されたゲーム・プレイのルール解釈およびガイドラインに従わなければならない。いかなるときもプレイヤーは、敬意に満ち、スポーツマン精神に則った行動をとることが求められる。ヘッド・ジャッジまたはスタッフに対して口論をするプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定により処罰される。また、違反が行われたマッチにジャッジがついていた場合にも、プレイヤーはその該当する罰則に従わなければならない。プレイヤーは、対戦相手に与えられる罰則の適用の撤回を求めることはできない。ジャッジは適正な罰則が与えられることを保証しなければならない。 全てのプレイヤーは、レーティングを正確に保つ責任がある。レーティングに異常があった場合、即座にDCIに連絡すべきである。 14. 観戦者、プレスの責務  プレミア級のイベントについての報道が増えたので、プレスの責任について記述された。プレスとは、そのイベントを(インターネットのものも含めて)あらゆる媒体で報道する立場の人間である。プレイヤーは、プレスに対し、マッチを見ないように要求することはできない。  観戦者は対戦の間、静かな状態を維持することを要求されており、そして、マッチが進行している間は、いかなる方法であれプレイヤーとの意志の疎通をしてはならない。プレイヤーは、観戦者に試合を見ないように要求してもよい。そのような要求は必ずジャッジを通じて行われなければならない。ルール違反に気づいた観戦者やプレスは、ジャッジに通知するべきである。ただし、試合進行を妨害してはならない。 17. ヘッド・ジャッジへの上訴  ヘッド・ジャッジの責任は明確化された。チーム・リーダー制を用いる場合に関する方針は、ヘッド・ジャッジに上訴しようと思うプレイヤーが誤ってチーム・リーダーに上訴してしまうことがあるからである。ジャッジの決定に関する全ての上訴はヘッド・ジャッジに送られるべきであり、チーム・リーダーを通す必要はない。  プレイヤーがジャッジの決定に納得できないのであれば、裁定をヘッド・ジャッジに上訴することができる。ヘッド・ジャッジは、他のジャッジの決定を却下する権限がある。状況に応答するジャッジが最初の決定を下す前に、プレイヤーはヘッド・ジャッジに直接訴えることはできない。ヘッド・ジャッジの決定は、最終決定である。  チーム・リーダー制を用いる場合にも、全ての上訴は、最終決定を下すヘッド・ジャッジに通されなければならない。 21. シャッフル  DCIは、ルール適用度3以上のイベントにおいて、対戦相手のデッキをシャッフルすることを義務づける。こうすることで、不正なシャッフルの技術を用いた不正の数を減らすことができるだろう。対戦相手のデッキをシャッフルしなかったことによる罰則は存在しないが、フロア・ルールにこう明記することはプレイヤーを教育する助けになると考えている。より低いルール適用度のイベントにおいても、ヘッド・ジャッジは、このシャッフルをトーナメントの開始前に告知し、義務づけることができる。 デッキを充分に無作為化するために、ルール適用度3以上のイベントでは、プレイヤーはゲームの開始時にその対戦相手のデッキをシャッフルしなければならない。ヘッド・ジャッジはルール適用度1や2のイベントでも、対戦相手のデッキをシャッフルすることを強制してもよい。そうする場合、トーナメントの開始時にそう告知する。 何らかの効果でシャッフルを行なう場合には、プレイヤーは、そのシャッフルの後で、対戦相手のデッキをシャッフルするか、カットするかしなければならない。 25. ゲーム、またはマッチの投了  トップ8によるシングル・エリミネーションの最終戦において賞を分割しようとするプレイヤーのために、賞金分割の手順は合理化された。さらに、プレイヤーは賞の分配を変更することはできなくなった。  賞金を分配しようと考えるプレイヤーは、その意志を明確に表すとともに、そのイベントのヘッド・ジャッジのいる前でその提案を持ちかけなければならない。 プレイヤーは下記のガイドラインに従って、いつでもゲーム、もしくはマッチを投了することができる。そのゲーム、またはマッチは投了したプレイヤーの敗北として記録される。もしプレイヤーがプレイを拒否した場合、そのマッチを投了したものと見なす。 下記の行為は禁止されている: * 賄賂または収賄、もしくは賞品の分割で投了、途中退出、引き分けを導くこと * コイン投げやサイコロなどの無作為の方法でゲームもしくはマッチの勝者を決めること  こういった不当な行為をするプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。  プレイヤーは、たとえばチームメイトと望むとおりに賞品を分けることができるが、それがゲームやマッチにおいて譲歩したり引き分けにしたりすることの代償であってはならない。  トップ8のシングル・エリミネーションにおける決勝戦に進んだプレイヤーは、マッチをプレイしないことを選択できる。その両方のプレイヤーがプレイしないことに同意した場合、(受賞するためには)そのいずれかはイベントから途中退出しなければならない。マッチがプレイされていないので、プレイヤーのDCIレーティングは変化しない。途中退出したプレイヤーは、2位の賞を受け、もう一方のプレイヤーが1位の賞を受け取る。 いずれのプレイヤーも、この途中退出によって賞が得られなくなることはない。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、プロツアーへの出場権利や交通費を、他のプレイヤーに与えることはない。 例1:トップ8のシングル・エリミネーションに残ったプレイヤー全員が、1位から8位までの賞を、その主催者の告知と関係なく均等に分けることにした場合、その賞分割の代価としてマッチの投了が行われない限り、それを行ってもよい。 例2:プロツアー予選の決勝に残った2人のプレイヤーが、同意によってプレイをせずに賞(プロツアー出場権利と交通費)を分けてもよい。しかし、その同意はマッチの結果が出た後ですることはできない。一方のプレイヤーはイベントから途中退出しなければならず、残った側のプレイヤーに交通費と出場権利が与えられる。そのプレイヤーは、賞を同意した通りに分けることができる。いずれのプレイヤーも、この途中退出によって賞が得られなくなることはない。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、プロツアーへの出場権利や交通費を、他のプレイヤーに与えることはない。 28. 記録を取ること  どんな記録をしてもよいことになった。ただし、マッチの間、外からの記録を参照してはならない。 プレイヤーは、マッチの進行中に記録を取ってもよいし、マッチの間にその記録を参照してもよい。しかし、それらの記録は手早く、プレイの妨げにならないようにしなければならない。記録を取るために長い時間をかけたプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインに則って処罰される。 マッチの進行中に、そのマッチの間に取ったもの以外の記録を参照することはできない。ただし、(サイドボード・カードも含む)カードの表に書かれている場合は例外であり、それが混乱を招くものや不適切なものでない限りは認められる。 41. いかさま  不正な記録、という項目はなくなった。ジャッジに虚偽や誤解を招く情報を伝えることもいかさまの一種と規定された。 * ジャッジなどのスタッフに、虚偽あるいは誤解を招く情報を伝えること 43. 遅いプレイ  遅いプレイは許容されない、ということが判るように、この節は書き改められた。  プレイヤーは、時間を守ってターンを進めなければならない。過度に遅いプレイや時間稼ぎは許されない。トーナメント中のどの局面であれ、プレイヤーのプレイが過度に遅いとジャッジが判断した場合、そのプレイヤーは、DCI汎用ペナルティ・ガイドラインの該当する規定によって処罰される。 44. 印のあるカード  スリーブに入れられたカードは、スリーブに入った状態で印があるかどうかを決定される。 カードの表を見なくても何らかの形でカードに見分けがつく場合、そのカードには印があるという。これには、キズ、変色、不自然な折れ方などが含まれる。プレイヤーのカードがスリーブに入れてある場合、スリーブもカードの一部と見なされるので、スリーブに入っている状態で、カードをチェックすることになる。 63. カード、ブースター・パックの異常  ヘッド・ジャッジは異常なカードやブースターについてトーナメント主催者と協議することが推奨される。  枚数に異常のあるデッキやブースター・パックを受け取ったプレイヤーは、それをヘッド・ジャッジに報告しなければならない。ヘッド・ジャッジは、トーナメント主催者と協議の上、その判断でデッキやブースター・パックを交換することができる。 67. シールド・デッキの交換  シールド・デッキの交換について、より詳細に表記された。 シールド・デッキ戦では、参加者はシールド・デッキの交換を要求されることがある。シールド・デッキの交換をすると、プレイヤーはイベントで最初に受け取ったデッキでプレイしない。その代りに、まずイベントに参加する全てのプレイヤーはデッキ登録用紙とともに未開封の製品が配られる。プレイヤーは、デッキを開封し、デッキ登録用紙に内容を記録する。この過程は、『デッキ登録』と呼ばれ、20分の時間が与えられる。その後、スタッフは、シールド・デッキとデッキ登録用紙を集める。次に、それらを全てのプレイヤーに無作為に配る。このとき記録したプレイヤーと受け取るプレイヤーが同じでも全く問題はない。この全過程を『シールド・デッキの交換』と呼ぶ。その後、このとき受け取ったカードでデッキを構築するために、プレイヤーには30分(団体戦の場合は60分)の時間が与えられる。 74. ブースター・ドラフトの手順  Pokemonのトーナメント主催者は、Pokemonでのブースター・ドラフトの際に(6パックではなく)5パックを使うように推奨される。 各プレイヤーが最初のパックをドラフトした後、スタッフはプレイヤーに次の指定されたパックを開くように指示する。次のパックは、逆方向に回すことを除いて1パック目と同様にドラフトする。全てのブースター・パックの全カードがドラフトされるまで、この過程は繰り返される。たとえば、ポケモン:ロケット団・カード5パックでドラフトをする場合、第1、第3、および第5のパックは、時計周りにドラフトされ、第2と第4のパックは、反時計周りでドラフトされる。 75. ロチェスター・ドラフト規則  (ポッド・ジャッジではなく)アクティブ・プレイヤーがカードを並べる。 例:アクティブ・プレイヤーは、ブースター・パックのカードを配置する。それらのカードは、出た順番(1をテーブルに置かれた最初のカード、15をテーブルに置かれた最後のカードとすると、1-15)に配置する。プレイヤーが時間内にドラフトをできなかった場合、ポッドのジャッジはテーブル上のカードを見て、最初にテーブルに置かれたカードをプレイヤーに与える。既に最初のカードがドラフトされていた場合、テーブルに置かれた第2のカードが与えられる。以下、第3、第4と続く。 76. ロチェスター・ドラフト・テーブルの準備  プレイヤーがカードを確認できる時間は、(20秒ではなく)30秒になった。 ドラフトする各パックの準備として、アクティブ・プレイヤー(第77節を参照)は1つのブースター・パックの中身を全てテーブル上に表向きに配置する。このとき自分の方にカードを向ける。ドラフトが始まるまでプレイヤーはカードを30秒間見ることができる。 マジック:ザ・ギャザリングTM DCIフロア・ルール 104. 新製品の発売  カードセットが適正に使えるようになる日がいつか、マジック・フロア・ルールに明記された。 オデッセイ、トーメント、ジャッジメント、以上の3つのカードセットは、この2001〜2002年トーナメント・シーズン中に発売が予定されている。 それらのセットを構築戦で使用できるようになるのは、以下の期日である。 ・ オデッセイ/Odyssey: 2001年11月1日 ・ トーメント/Torment: 2002年3月1日 ・ ジャッジメント/Judgment: 2002年7月1日 これらの日付は変更になることもある。変更がある場合は、DCIはそれを公式に告知する。 新しいカードセットは、限定形式トーナメントにおいては、発売日に関係なくいつでも使用が許される(プレリリース・トーナメントのように発売日より前から使用する場合もある)。 . 111. マッチの構造  引き分けに終わったゲームは、マッチのゲーム数を数えるときに算入しなくなった。しかし、記録の都合上、何本が引き分けになったかは数えられる。例えば、ゲーム1はプレイヤーAが、ゲーム2はプレイヤーBが勝ったとき、ゲーム3が引き分けになっても、時間があるかぎりゲーム4、ゲーム5と続け、どちらかのプレイヤーが2本先取するまで続ける。そして、例えば5本目で勝負がついた場合、マッチの結果は2-1-2と記録される。  時間切れで勝負かつかなかったゲームは引き分けとして数えられる。 通常、マジックの1マッチは3つのゲームからなり、トーナメント主催者は1マッチにつき少なくとも3回のゲームを認めなければならない。トーナメント主催者の選択によっては、5本中3本先取制のシングル・エリミネーションによる決勝ラウンドを行ってもよい。これを行なう場合、トーナメント開始前に発表しなければならない。(個々のゲームではなく)マッチの結果はDCIに報告され、全世界共通のレーティングとランキングに反映される。 引き分けになった(勝利者がいない)ゲームは、3本のうちの1本としては数えない。マッチは、時間の許すかぎり、どちらかのプレイヤーがゲームに勝ち越すまで継続される。 112. マッチの制限時間 マッチの制限時間の最低限度(45分間)についての記述が追加された。これは長い間の懸案事項であったが、今まではフロア・ルールに記されることはなかった。これが含まれたことで、プレイヤーには、マッチの全てのゲームをするために充分な時間が保証される。 また、プレミア・レベルのイベントに関しての、推奨制限時間も追加された。これは、世界中のどこで行われるものであっても、同じ条件でプレイできることを保証するものである。 限定トーナメントにおけるデッキ構築のための時間についても追加された。これはただの私信ではあるが、しかし、DCIはトーナメント主催者がこの時間通りに実行するよう、強く要求する。DCIは、この制限時間について、プレイヤーがデッキを作り、デッキリストに記録するためには充分な時間であると考えている。 各ラウンドの制限時間は45分以上でなければならない。 トーナメントにおける各ラウンドの制限時間を以下のように推奨する: * 構築形式と限定トーナメント−50分間 * シングル・エリミネーションの準々決勝と準決勝−90分間 * シングル・エリミネーションの決勝戦−時間無制限 *  以下の時間制限は必須である: * 日本選手権、大陸選手権、プロツアー、世界選手権などの、複数日にわたるトーナメントでは、そのスイス式ラウンドは60分間、決勝ラウンドは時間無制限とする。そうでなければ、スイス式ラウンドは50分間とする。 * グランプリ、グランプリ・トライアル、プロツアー予選、州選手権、地区選手権のスイス式ラウンドは50分間とする。 加えて、限定トーナメントでは以下の時間制限を推奨する: * シールド・デッキ−デッキ登録時間20分、デッキ構築時間30分 * ドラフト−デッキ登録時間と構築時間、あわせて30分 * チーム戦(シールド・デッキ)−デッキ登録時間20分、デッキ構築時間60分 * チーム戦(ドラフト)−デッキ登録時間と構築時間、あわせて30分 113. 先攻の決定 先攻後攻を決定する選択は拡張され、明確化された。選択すべきプレイヤーによって選択が成されなかった場合(これはそのプレイヤーがゲームに集中していなかったときによくあることである)、そのプレイヤーは先攻を選択したものとして扱う。こうすることで、意志を明確にしないことで対戦相手を引っかけようとする行為を予防することができる。 コイントス(またはその他の無作為選定方法)の勝者は、先攻になって最初のドロー・ステップを飛ばすか、後攻になるかを選択する。コイントスの勝者は自分の手札を見る前にこの選択を行なわなければならない。選択を行なわなかった場合、そのプレイヤーが先攻となる。先攻のプレイヤーは第1ターンのドロー・ステップを飛ばす。以降の各ターンは、マジックのルールに記載された通常の手順にしたがって進行する。これは「プレイ/ドロー(先攻ドローなし)・ルール」とも呼ばれる。 マッチの各ゲームの終了後、前回のゲームの敗者(罰則によるゲームの敗北であっても)が、次のゲームの先攻後攻を決める。ゲームが引き分けになった(すなわち勝者がいない)場合は、そのゲームの先攻後攻を決めたプレイヤーが、再び次のゲームの先攻後攻を決める。 114. ゲーム開始前の手順  ゲーム開始前に、プレイヤーはそのサイドボードを明確に区別できるところに置かなければならない。 ゲームを開始する前に、プレイヤーは先攻後攻を決めなければならない(第113節を参照)。これは、プレイヤーが自分の手札を見る前であれば、ゲーム開始前の手順のどの時点で行ってもよい(サイドボードの前に先攻後攻を決める必要はない点に注意すること)。各ゲーム開始前には、以下の内容を手順通りに実行しなければならない。 1. (各マッチの第1ゲーム終了以降ならば)サイドボードのカードとデッキのカードを交換してもよい。 2. 自分のデッキをシャッフルする(汎用トーナメント・ルール、第21節を参照)。再びサイドボードからカードを入れるためにシャッフルを中断してもよいが、その場合にもきちんとシャッフルをしなおさなければならない。 3. 自分のデッキを対戦相手に提示し、シャッフルまたはカットをしてもらう。 4. もし対戦相手が提示したデッキをシャッフルした場合、自分のデッキを最後に1度カットをしてもよい。 5. サイドボードのカードを裏向きに提示し、見やすいところに置く。 6. カードを7枚引く。 7. マリガンをするかどうかを順番に決定する(第115節を参照)。 マリガンが全て解決された後で、ゲームを開始する。 122. サイドボードの使用 プレイヤーは、そのサイドボードを提示するとともに、それを容易に区別できるところに保管しなければならない。 各ゲームの開始前に、プレイヤーは、対戦相手の要求があった場合には、自分のサイドボードを提示し、裏向きのままでカードの枚数を数えることを許可しなければならない。プレイヤーは、ゲーム中、サイドボードを見ることはできない。サイドボードは、ゲームに使用する範囲に存在する他のカードと混じったり入れ代わったりしないように、明確に区別されていなければならない。 125. スタンダード形式デッキ構築 126. エクステンデッド形式デッキ構築 127. タイプ1形式デッキ構築 128. タイプ1.5形式デッキ構築 129. ブロック形式デッキ構築 これらの節は、この2001−2002年トーナメント・シーズンにおいて導入される新しいセットのことを記録するために更新された。このフロア・ルールの更新は、セットの入れ換えや禁止/制限カードの変更は伴わない。 134. シールド・デッキ・トーナメント・ルール 基本地形5枚入れ換えのルールにかわり、無制限の交換のルールが採用された。このルールが適用されるのは、非プレミアの基本地形だけである。プレミア地形が与えられたデッキに入っていた場合、基本地形以外のカードと同じように、プレイヤーはそれをデッキリストに記録する。デッキ交換が行われる場合には、プレミア土地もそのデッキとともに扱われる。 シールド・デッキ・トーナメントにおいては、受け取ったシールド・デッキに含まれるプレミアでない基本地形カードの中から任意の枚数を、トーナメント主催者から提供された基本地形カードと交換してもよい。この土地カードの交換は、マッチの、ゲームとゲームの間に行なうこともできる。 以前は、トーナメント主催者は「基本地形5枚支給」あるいは「基本地形5枚交換」を行なっていたが、この方法は、プレイヤーが実際に必要な以上の土地を確保しようとするという問題点のために廃止された。ある種類の基本地形が他の物よりも多く使われる環境においても、「5枚交換」ルールのほうが新しいルールよりも土地を使い切りにくいという保証はない。 147. チーム・ロチェスター・ドラフト・トーナメント チーム・ロチェスター・ドラフトについてはこの新しい節で取り扱う。  チーム・ロチェスターで行われるイベントでは、それぞれ3人のプレイヤーからなる2チームで1つの卓を構成する。それぞれのプレイヤーは、相手チームの、同じ席番号のプレイヤーの正面に位置する(時計周りに、1A-1B-1C-2A-2B-2C という順番で座る)。  ドラフトの間、会話することは許されない。しかし、指を差したり、ゼスチャーによる指示をしたりすることは許可されている。  コイントスなどの無作為の方法で決まったチームは、先にカードを取るか、後にするかを決める。そして、先にカードを取るチームの"B"プレイヤーが、まず第1パックを開く。15枚のカード全てがそのパックからドラフトされるということを覗いては、通常のロチェスター・ドラフトのルールに則ってドラフトが行われる(汎用トーナメント・ルールの第76節、77節を参照)。 例:チーム1とチーム2が同じテーブルについた。その席順は、時計回りに1A-1B-1C-2A-2B-2Cとなる。チーム2がコイントスに勝ち、後攻を選んだ。第1パックのアクティブ・プレイヤーはプレイヤー1Bである。プレイヤー1Bの最初のパックは、開かれた後にプレイヤー1Bの前に並べられる。30秒間の確認時間の後、以下の順序でドラフトされる。 プレイヤー 1B-カード 1  プレイヤー 1A-カード 6  プレイヤー 1C-カード 11 プレイヤー 1C-カード 2  プレイヤー 1A-カード 7  プレイヤー 1B-カード 12 プレイヤー 2A-カード 3  プレイヤー 2C-カード 8  プレイヤー 1B-カード 13 プレイヤー 2B-カード 4  プレイヤー 2B-カード 9  プレイヤー 1C-カード 14 プレイヤー 2C-カード 5  プレイヤー 2A-カード 10  プレイヤー 2A-カード 15 付録A −プレミア・イベント  この中のいくつかは、2001-2002年のDCIトーナメント・ポリシーの変更に伴って変更されている。 世界選手権 (48K、REL5、要レベル4ジャッジ)  この節は更新され、2002年の世界選手権の形式と会場が表記されている。 世界選手権はマジックのプロ・プレイヤーにとってそのシーズンの集大成となるイベントである。2002年度世界選手権は、8月にオーストラリアのシドニーで開催される。競技者が参加資格を得るには、各国の国別選手権や大陸選手権において上位入賞していること、もしくは高いDCIレーティング・ポイントあるいはプロ・ポイントを持っていることが必要である。今年度の世界選手権は、ロチェスター・ドラフト、ブロック構築、スタンダード形式で行われる。 プロツアー (48K、REL5、要レベル4ジャッジ)  この節は更新され、2001〜2002年に行われるプロツアーの形式と会場が表記されている。 マジックの、プロ・サーキットは世界中で開催される5つのプロツアーによって成り立っている。各プロツアーでは、世界のトップ・プレイヤー達が総額200,000ドル以上の賞金をめぐって競う。競技者がプロツアーへの参加資格を得るには、プロツアー予選で勝つこと、もしくは高いDCIレーティング・ポイントあるいはプロ・ポイントを持っていることが必要である。2001〜2002年のプロツアー・シーズンでは、次の都市でのイベント開催が予定されている: ・ 2001年9月、ニューヨーク(チーム限定) ・ 2001年11月、ニューオーリンズ(エクステンデッド) ・ 2002年1月、サンディエゴ(ロチェスター・ドラフト) ・ 2002年3月、大阪(ブロック構築) ・ 2002年5月、ニース(ブースター・ドラフト) グランプリ(40K、REL4)  特別賞は、DCIレーティングではなくプロ・ポイントに基づいて与えられるようになった。 一連のグランプリは、賞金及びプロツアーへの複数の参加資格を提供する、大規模な代表選考トーナメントの国際的なサーキットである。グランプリは、誰でも参加できる。高いDCIレーティングあるいはプロ・ポイントを持つ参加者は、不戦勝を得ることができる。加えて、今までプロ・ポイントを得たことがないプレイヤーの中で最高順位のプレイヤーには、特別賞金がある。 アマチュア選手権 (32K、REL3)  アマチュア選手権は、32Kでルール適用度3のイベントになった。 このタイトル・イベントには、プロ・ポイントを一度も得たことのないプレイヤーであれば誰でも参加できる。形式はスタンダードである。 ハリー・ポッター(tm) フロア・ルール これは完全に新規の文章である。 MLB(tm) Showdown(tm) フロア・ルール 507. 不戦勝と同意による引き分け この節は拡張され、同意による引き分けを含むようになった。 マネージャーが不戦勝、あるいは対戦相手と同意による引き分けになった場合、そのラウンドは、予定先発投手が完投したものとして扱う。リリーフや抑えの投手は投げていないものとし、そのマネージャーのブルペンはそのラウンドの終了後に初期化される。 536. ドラフト・トーナメント・ルール  この節には、ドラフトで何パックのブースター・パックを使うかが明記された。 オークション・ドラフト・トーナメントにおいて、各プレイヤーはそれぞれ、ドラフトするパックに加えて1パックのブースター・パックを得る。ブースター・ドラフト及びロチェスター・ドラフトにおいては、トーナメント主催者はイベントの開始前に各プレイヤーがドラフトするパックに加えて1パックのブースターを得るのか、それとも2パックのブースターを得るのかを宣言する。 汎用ペナルティ・ガイドライン 30. 罰則の適用 この節には、マジック以外のゲームにおける【ゲームの敗北】の取り扱いについて記述された。  DCI汎用ペナルティ・ガイドラインはDCIの認定する全てのゲームに適用されるが、違反の中にはある種のゲームには適用されないものもある。例えば、マリガン・ルールの存在しないゲームにおいて、マリガン関連の罰則は適用されない。  ルール適用度2以上というのは、マジック:ザ・ギャザリングのトーナメントなどのより競技的なイベントにおいてのみ適用されるべきである。トーナメント主催者やジャッジはより高いルール適用度でトーナメントを開いても構わないが、ほとんどのイベントはルール適用度1で行われるべきである。  マッチが複数のゲームからなるのではないイベントについて、【ゲームの敗北】は【マッチの敗北】と本質的に同じことになる。以下のゲームにおいては、【ゲームの敗北】の代わりに、以下に列記している罰則を適用すること。 * Harry Potter(tm) トレーディング・カード・ゲーム:【マッチの敗北】 * Pokemon(r) トレーディング・カード・ゲーム:プレイヤーのデッキの一番上にあるカードをプライズ・カードとして脇に置き、対戦相手はそれを得る。 * MLB(tm) Showdown(tm) スポーツ・カード・ゲーム:そのマネージャーのチームの、最も高いポイントを持つメンバーを退場させる(複数のカードが同じ最も高いポイントを持つ場合、どちらを退場させるかをそのマネージャーが選択する)。 * NFL Showdownスポーツ・カード・ゲーム:【マッチの敗北】 * WCW(tm) Nitro(tm) カード・ゲーム:【マッチの敗北】 * X-Men(tm) トレーディング・カード・ゲーム:【マッチの敗北】 104. デッキに関する問題−不正なサイドボード・リスト  この節で指示されている、プレイヤーのサイドボードの枚数が認められる枚数より多かった場合の処理についてのルールは変更された。以前の罰則は、【ゲームの敗北】と、サイドボードの使用禁止であったが、これは本来の目的に比べて厳しすぎるものであった。この新しいペナルティ・ガイドラインでは、リストの最後から過剰な分のカードを取り除くことでサイドボードを適正なものにするようになる。この場合、複数枚あるカードの一部だけが取り除かれることもありうる。例えば、サイドボード・リストに16枚書かれていた場合、ジャッジはそのリストを見て、どのカードが一番最後に書かれているかを決定する。このカードが同名のカード群の一部だった場合、ジャッジはその中の一枚を取り除くことになる。 罰則:  ルール適用度にかかわらず、基本的にはプレイヤーのサイドボード・リストを適正なものに直し、そのサイドボード・リストに記されたサイドボードでトーナメント・プレイを続けられるようにする。カード枚数の上限に反している過剰のカードや、不正なカードはサイドボード・リストから除かれる。その後、サイドボード・リストが適正なものになるように追加のカードを加える必要があるときには、プレイヤーは基本カード(マジックなら基本地形、ハリー・ポッターならレッスン)だけを加えるべきである。例えば、マジックのスタンダード環境のトーナメントに参加したプレイヤーのサイドボード・リストに13枚しか書かれておらず、《解呪/Disenchant》が5枚入っていた場合、まず4枚制限により《解呪》が1枚取り除かれる。そして、サイドボード・リストに12枚しかカードがなくなったので、プレイヤーが選択した3枚の基本地形を加えることによって15枚にし、最小枚数の制限を満たすようにする。そして、そのプレイヤーは【ゲームの敗北】を受ける。 130. 印のあるカード 印のあるカードの違反は、2つに分類されることになった。「印のあるカード−軽度」と「印のあるカード−重度」である。 131. 印のあるカード−軽度 定義:  プレイヤーのカードに、有利になるとは思えないけれども区別できる印がある場合、この違反が適用される。スリーブを使っている場合、スリーブに入っている状態で判断する。 例: (A) マジックのトーナメントで、スリーブの一部に小さな傷が付いている。その傷は、《島/Island》と《対抗呪文/Counterspell》と《マスティコア/Masticore》にそれぞれ1枚ずつだけ見つかった。 (B) スリーブを使っていないプレイヤーのデッキの中にプレミアム・カードが数枚含まれており、明らかに他のカードと区別できた。 理念:  有利になる可能性が小さい場合、プレイヤーはカードもしくはスリーブを交換すべきであるが、重い罰則を適用される必要はない。 罰則: 印のあるカード−軽度 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 注意 注意 注意 警告 警告 132. 印のあるカード−重度 定義:  プレイヤーのカードに、充分有利になる可能性があるような印がある場合、この違反が適用される。スリーブを使っている場合、スリーブに入っている状態で判断する。 例: (A) マジックのトーナメントで、あるプレイヤーが使っている土地カードに、他のカードと区別できる傷が入っていた。 (B) マジックのトーナメントで、あるプレイヤーのデッキに入っている《火薬樽/Powder Keg》4枚全てのスリーブの角が明らかにひずんでいた。 理念:  目印によって有利を得る可能性が高いと判断された場合、厳しい罰を受けるべきである。この違反はあくまでも故意でない場合に適用される。ジャッジが故意だと判断した場合には第160節を参照のこと。 罰則: 印のあるカード−重度 REL1 REL2 REL3 REL4 REL5 ゲーム ゲーム マッチ マッチ マッチ 141. 遅いプレイ−プレイが遅い場合  遅いプレイに関する理念の項目の中で、ジャッジはペナルティを与えるに際してゲームの状況を考慮にいれる必要はなくなった。故意による遅いプレイは、ゲームの状況と関係なく「遅延行為」として扱われる。 理念:  遅いプレイの罰則は、ジャッジがそれを故意かどうか判断する必要がない。全てのプレイヤーは、対戦相手に時間制限による不利益を与えないように速く行動する責任がある。 ジャッジは、遅いプレイがあった場合に追加時間を与えるべきではない。追加時間を与えるべきであるという部分は削除された。(もちろん、裁定にかかった時間については追加時間を与えるべきである) 罰則:  裁定が長引いたときの延長時間(汎用トーナメント・ルール第18項参照)を除き、時間の延長は罰則に含まれない。遅いプレイによってマッチ結果に影響があった場合、ジャッジは、罰則を必要なだけ格上げするべきである。 161. 不正行為−買収行為  この項目についてわかりやすいよう、「共謀」という表現は削除された。プレイヤーは、投了や同意による引き分けの代償として、賄賂を申し出たり受け入れたりしてはならない。また、ゲームやマッチの結果を無作為の方法で決定することも禁止されている。 定義: あるプレイヤーが対戦相手に投了、引き分け、あるいはマッチの結果を変更することを求めて買収を持ちかけた場合、または、2人のプレイヤーがコイントスやさいころなどの無作為の方法でゲームやマッチの結果を決めようと企てた場合。DCI汎用トーナメント・ルールの25節に、何が買収の構成条件かが詳しく記されている。 例: (A) スイス式のラウンド中に、対戦相手に100ドルを渡して投了してくれるように要請した。 (B) マッチの勝者を決めるために、2人のプレイヤーがさいころを振った。 理念: トーナメントの公正さを失わせる買収行為は、厳しく禁止されている。試合結果を無作為の方法で決定することも、同様に禁止されている。この罰則の厳密な適用のために、DCI汎用トーナメント・ルールの第25節を参照すること。 罰則: 不正行為−買収行為 全てのルール適用度 受賞資格も失う失格 164 不正行為−不正一般  この新しい区分は、さまざまな不正行為を取り扱う。 定義:  買収行為、遅延行為、詐欺行為のいずれでもない故意の違反行為は、全てこの罰則で処理される。 例: (A) シャッフル中に対戦相手のデッキを覗き見、対戦相手の不利益になるようにカードを操作した。 (B) デッキのカードに故意に目印をつけ、有利を得るために使った。 (C) 対戦相手の隙をついて、故意に追加のカードを引いた。 理念:  ルールを故意に破るプレイヤーには、厳罰を与えるべきである。 罰則: 不正行為−不正一般 全てのルール適用度 受賞資格も失う失格