TITLE : 第6版ルールブック 第6版ルールブック ◎はじめに  マジック:ザ・ギャザリングのゲームは、他のゲームと比較して説明はできません。チェスに似ているとか、ロールプレイング・ゲームのようなものだとか、コントラクト・ブリッジに似ているとか言う人がいるかもしれませんが、実際には、それらとは全然違うものです。  しかし、奥が深いという点では同じです。熱心なプレイヤーは、その奥底まで探求しようとします。初心者のプレイヤーは、まずルールを知ることが大切です。 ゲームを学ぶ一番よい方法は、マジックの場合は特にそうですが、友だちから学ぶことだと思います。しかしいつもそれが可能なわけではありません。そこで、ルールが簡単に手に入ることが必要です。第一、あなたの近所の誰かが、最初の一人としてまずルールを知らなければなりません。このルールブックを手軽な参考書と考えてください。一読してすぐにわかるというものではありませんが、少なくとも通常のゲーム中に起こりうる質問に対する答はすべてここにあるはずです。それ以上にルールに詳しくなりたいなら、我々にコンタクトするか、我々のウェブサイトを見てください。 ●誰のためのルールブックか?  このルールブックは、マジックを多少はプレイしたことのある人に向けて作られています。このゲームのプレイ・ガイドをよく読んだとか、初級者向けのマジック(例えば、マジック:ザ・ギャザリング ―― ポータル三国志)をプレイしたことがあるとか、友だちからプレイの仕方を習ったことのある人に向けて作られています。  あなたがこのルールブックを読む段階に達しているかどうかわからないなら、ここで簡単なテストしてみましょう。「このクリーチャーをプレイするには、山を3つとその他の土地を6つタップする」この文章を読んだとき、あなたは次のうちのどれに該当しますか。 a)ちんぷんかんぷんだ。 b)クリーチャーをプレイするために、土地をタップする指示であることがわかった。 c)《真紅のヘルカイト》をプレイするときの指示であることがわかった。  もしあなたの答えが(a)なら、このゲームについているプレイ・ガイドをよく読んでから、先に進むことを勧めます。また、初級者向けのゲーム(例えば、ポータル三国志など)を手にとってみることもお勧めします。  あなたの答えが(b)なら、あなたはこのルールブックにぴったり合っています。マナを引き出す目的で土地をタップしたことを表すために、土地カードを横向きにするということを、あなたはもう知っています。また、土地でクリーチャー呪文のコストを支払えることも知っています。  あなたの答えが(c)なら、あなたはすでにマジックのプレイの仕方を知っています。それをお友だちに教えてあげるべきです! このルールブックは、クラシック・セットで更新された点を手軽に知るのに役立つでしょう。  緑色の文字で印刷されている語や句は、用語集にも載っている重要な言葉です。用語集は32ページから始まっています。  用意はいいですか? それでは始めましょう…… ------------------------------------------------------------------------------- 目次 ○セクションI:基本 ゲーム用品 ゲームの目的 ゲームの開始 マジック・カードの各部分 重要な用語とシンボル カード・タイプ:アーティファクト、クリーチャー         エンチャント、インスタント、土地、ソーサリー プレイの領域 ○セクションII:呪文、能力、効果 マジックの大原則 呪文とは? 能力とは? 呪文や起動型能力プレイ 誘発型能力のプレイ スタック 呪文や能力の解決 効果とは? ○セクションIII:ターンの構成 1.開始フェイズ 2.メイン・フェイズ 3.戦闘フェイズ 4.メイン・フェイズ(再度) 5.終了フェイズ ○セクションIV:クリーチャーの能力 先制攻撃、飛行、速攻、渡り、再生 ○セクションV:用語集 -------------------------------------------------------------------------------   ◎セクションI:基本 ●ゲーム用品  クラシック・ゲームには、特別にデザインされた2組のデッキが用意されています。各デッキはそれぞれ40枚のカードから成っています。ゲームを始めるのに必要な品物といえば、この2組のデッキと、現在のライフを覚えておくための何かの道具だけです。オハジキのようなものでもよいですし、鉛筆と紙でもかまいません。あとになって、あなたが自分自身でデッキを作るようになったら、各プレイヤーは最低60枚のカードから成るデッキが必要になります。デッキには同じカードは4枚までしかあってはいけません。ただし基本地形カードは別で、これは同じものが5枚以上あってもかまいません。デッキのサイズには上限はなく、60枚以上であれば何枚でもかまいません。 ●ゲームの目的  あなたは、対戦相手が(a)そのライフが0以下になった、あるいは(b)そのライブラリーにカードが1枚もないときに、カードを引くことを強制された場合に、勝ちとなります。 ●ゲームの開始  各プレイヤーは、それぞれ20点のライフでゲームを始めます。デッキをよく切り混ぜ、それを一番上から7枚引いて手札とします。最初の手札が気に入らない場合には、マリガンを宣言し、デッキを切り直して、1枚少ない枚数のカードを引いて新たな手札とできます。マリガン宣言は何度でも行なえますが、そのたびに引くことのできるカードは1枚ずつ少なくなってゆきます。  誰が先攻になるかを、無作為に決めます。先攻プレイヤーは、最初のターンはドロー・ステップを飛ばします(先攻は、このターン、カードを引けません)。前に同じ相手とプレイしているなら、前のゲームで負けた者が先攻・後攻を決められます。 ●マジックのカードの各部分 カード名:カードの名前はカードの左上に書かれています。カードの文章欄の中にカード名がある場合には、それはそのカード自身のことを言っています。たとえ同じ名前のカードが場に出ていたとしても、文章欄で言っているのはそのカード自身のことだけです。 マナ・コスト:カードの右上にあるシンボルは、その呪文をプレイするのに必要なコストです。マナ・コストが(2)(U)であれば、青マナ1点(例えば《島》1つから生み出される)と、その他の好きな種類のマナ2点を支払うことによって、そのカードをプレイすることができるわけです。 カード・タイプ:これはそのカードが、アーティファクト、アーティファクト・クリーチャー、クリーチャー、エンチャント、土地、インスタント、ソーサリーのどれであるかを示しています。クリーチャーの場合には、クリーチャーという語のあとに、そのクリーチャー・タイプ(ゴブリン、エルフなど)が示されています。他のカードにつけられるエンチャントの場合には、(エンチャント(クリーチャー)、エンチャント(土地)などのようにつけることのできるカード・タイプが( )に入れて示されています エキスパンション・シンボル:このシンボルは、そのカードがマジックのどのエキスパンションからのものであるかを示しています。(クラシックのエキスパンション・シンボルはIVで、6を意味するローマ数字です。このセットがマジックの第6版に当たるからです)。シンボルには3色のうちのいずれかが使われていますが、これはそのカードのレアリティ(希少度)を表しています。コモン・カードは黒、アンコモン・カードは銀色、レア・カードは金色になっています。 文章欄:ここにはそのカードの能力が説明されています。また、フレイバー・テキストが載っている場合もあります。フレイバー・テキストは楷書体で書かれ、マジックの世界や物語に関することが書かれています。これは雰囲気を高めるためのものなので、実際のゲームのプレイにはまったく影響しません。 コレクター・ナンバー:カードのコレクションに便利なように付けられているナンバーです。最初の数字は、そのシリーズでのカードの位置であり、第2の数字はそのエキスパンションに全部で何枚のカードがあるかを示しています。例えば、40/330というコレクター・ナンバーであれば、それは330枚の違ったカードの中の40番目のカードであることを示しています。 ●重要な用語とシンボル マナ:マナはマジックのお金のようなものだと考えてください。たいていのコストはこれで支払います。土地(ときには土地以外のカード)がマナを生み出します。生み出されたマナは、あなたのマナ・プール(財布のようなものだと考えてください)に貯められます。あなたは、呪文や能力をプレイするために、自分のマナ・プールからマナを取り出して使います。  財布の中のお金と同じように、あなたのマナ・プールに残されたマナは、あなたのポケットに焼け穴を作ります。各フェイズの終了時、使われずにマナ・プールに残っているマナ1点につき、あなたは1点のライフを失い、そしてそのマナは失われます。これをマナ・バーンと呼びます。  マナは、5つのマジックの色(白、青、黒、赤、緑)の1つであるか、あるいは無色です。コストを色マナで支払わなければならないとき、色マナ・シンボル((W)(U)(B)(R)(G))が使われます。コストを支払うのにどんなマナでもかまわない場合には、数字(例えば、(2))が使われます。 パーマネント:アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地は、それが解決されたときに墓地へ行くのではなく、場に出されます。そのようなカードはパーマネントと呼ばれます。何かによって場から取り除かれないかぎり、ずっと場に残っているからです。 タップ:カードがタップされたということは、そのカードが使われたことを意味します。カードをタップするには、そのカードを横向きにします。自分の各ターンの開始時、あなたは、自分のタップ状態のカードをすべてアンタップ(縦向きに戻す)し、それらを再び使えるようにします。   (T)のシンボルはタップの意味です。普通、このシンボルは能力をプレイするためのコストとして使われています(例えば《放蕩魔術師》)。コストとしてこのカードをタップせよ、という意味です。 対象:呪文や能力の説明の中に対象という言葉がある場合、あなたはその呪文や能力をプレイするときに、それが何に対して影響を与えるのかを選択します。例えば《放蕩魔術師》の文章欄には「(T): 放蕩魔術師は、対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人に、1点のダメージを与える」と書かれています。この能力をプレイするとき、あなたはクリーチャー1体かプレイヤー1人を選びます。すると《放蕩魔術師》は、あなたが選んだクリーチャーかプレイヤーに1点のダメージを与えるのです。 ●カード・タイプ マジックのカードには、6つのタイプがあります: ○アーティファクト  アーティファクトは魔術的な品物を表す無色のパーマネントです。それらをプレイできるのは、あなたのメイン・フェイズの間だけです(フェイズについては24ページを参照)。アーティファクトの中には、アーティファクト・クリーチャーというのもあります。これは普通のクリーチャーと同じように、攻撃やブロックに参加できます。アーティファクト・クリーチャーは、アーティファクトのルールとクリーチャーのルールの両方に従わなければならず、また、アーティファクトに影響を与える呪文や能力からも、クリーチャーに影響を与える呪文や能力からも影響を受けます。 ○クリーチャー  クリーチャーは攻撃やブロックに参加できるパーマネントです。クリーチャーをプレイできるのは、あなたのメイン・フェイズの間だけです。他のタイプのカードとは違って、クリーチャー・カードの右下には「/」で分けられた2つの数字が示されています。「/」の左側の数字は、そのクリーチャーのパワーで、そのクリーチャーが戦闘でどのぐらいのダメージを与えることができるかを表しています。「/」の右側の数字はそのクリーチャーのタフネスで、そのクリーチャーがどのぐらいのダメージを受けたら破壊されるかを表しています。  クリーチャーは、それがあなたのもっとも近いターンの開始時からあなたのコントロール下にあったのでないかぎり、攻撃に参加できず、コストに(T)が含まれている能力もプレイできません。しかし、クリーチャーのその他の能力は、そういうことに関係なくプレイでき、タップ状態になければ、ブロックにも参加できます。 ○エンチャント  エンチャントは、あなたのメイン・フェイズの間にだけプレイできるパーマネントです。エンチャントには2つの種類があります。それだけで独立して場に出ているものと、他のパーマネントにつけられるものです。エンチャントのカード・タイプが「エンチャント(場)」となっている場合には、アーティファクトやクリーチャーと同じように場に出されます。カード・タイプが「エンチャント(  )」(カッコの中には、クリーチャーや土地といった、パーマネントのタイプが書かれている)となっている場合には、そのエンチャントはカッコの中で特定されているタイプのパーマネントにしかつけられません。  エンチャントがつけられているパーマネントが場を離れた場合、そのエンチャントは破壊され、つく相手がいないのに、エンチャントだけがまだあたりを漂っているということはありません。 ○インスタント  インスタントは、ほとんどどんなときでもプレイできる呪文です。対戦相手のターンの間や、他の呪文に対応してプレイすることもできるのです。インスタント呪文はパーマネントではありません。解決されると、そのオーナーの墓地に置かれます。  インスタント呪文だけがインスタントなのではありません。起動型能力もインスタントとしてプレイされます(起動型能力について詳しくは、17ページを参照)。 ○土地  土地は、たいていはマナ能力(マナを生み出す能力)を持つパーマネントです。この能力は呪文や能力のコストを支払うためのもっとも一般的な方法として使われます。土地は、 (a)呪文ではない 、(b)自分のターンのメイン・フェイズの間に限り、1ターンに1つだけプレイできる、という点で、他のパーマネントとは異なります。  普通の土地は「基本地形」と呼ばれ、平地、島、沼、山、森の5種類があります。それ以外の土地は「特殊地形」と呼ばれます。 ○ソーサリー  ソーサリーは、あなたのメイン・フェイズの間にだけプレイできる呪文です。ソーサリー呪文はパーマネントではありません。解決されると、そのオーナーの墓地に置かれます。 ●プレイの領域  カードやルールの中に、そのカードが置かれている領域が述べられていることがあります。基本的な領域は次のとおりです。 ライブラリー:あなたがプレイするために使うカードを積み重ねたもので、あなたはそこからカードを引きます。ライブラリーのカードは表を下にして重ねられており、その順番はゲーム開始時のときのままです。あなたのライブラリーのカードは、誰も見ることはできません。 手札:あなたがカードを引くと、そのカードはあなたの手札になります。他のほとんどのカード・ゲームの場合と同じです。あなた以外には、誰もあなたの手札のカードを見ることはできません。 場:あなたの目の前のスペースで、あなたはそこにあなたのパーマネントを置きます。パーマネントをどのように置くかはあなたの自由です(土地は、あなたにもっとも近く置くことを勧めます)が、対戦相手からはあなたのパーマネントがすべて見えなければならず、タップの有無も対戦相手にもわからなければなりません。 墓地:ここは、あなたが捨てるカードを置くところです。呪文は解決されるとここに置かれ、パーマネントは破壊されるとここに置かれます。あなたの墓地のカードは常に表向きに置かれ、誰でも、いつでも、見ることができます。 ◎セクションII:呪文、能力、効果 ●マジックの大原則  カードの文章欄に書かれていることとルールとが矛盾する場合、カードの文章欄のほうが優先します。例えば、ルールでは、あなたは各ターンに1つしか戦闘フェイズがありませんが、《連続突撃》の効果は、あなたに本来に加えて戦闘フェイズを1つ与えてくれます。「戦闘フェイズは1ターンに1つ」というルールよりも、このターンに関してはこの効果のほうが優先されるのです。 ●呪文とは?  カードは、プレイされたときから解決されたときまで、呪文と呼ばれます。呪文が解決されると、それはそのオーナーの墓地に置かれる(インスタント呪文かソーサリー呪文の場合)か、あるいは場に出されます(その他のものの場合)。クリーチャー・カードでさえも、プレイされているうちは呪文です。例えば、あなたが《風のドレイク》をプレイした場合、あなたは実際には《風のドレイク》呪文をプレイしているのです。呪文が解決されると、それは《風のドレイク》というクリーチャーを場に出し、呪文カードはパーマネントになります。  これにはひとつだけ例外があります。土地カードは呪文ではありません。土地カードは単に場に出されるだけです。 ●能力とは?  能力は呪文のようなもので、パーマネントの文章欄に示されてます。たいていの能力にはコストがあり、呪文とまったく同じようにプレイされ、解決されます。能力がいったんプレイされると、それはその発生源とは別個の存在になります。すなわち、例えば、あなたが《放蕩魔術師》の能力をプレイし、そのあとで《放蕩魔術師》が破壊されても、それには無関係にその能力は解決されるのです。  能力には、次のような3種類があります。 起動型能力:「起動コスト」と呼ばれる特定のコストを支払ってプレイします。起動型能力は、「起動コスト:能力」の形で記述されています。コロン(:)の前の部分がその能力の起動コストで、コロンのあとの文章が、あなたがそのコストを支払った場合にプレイされる能力です。起動型能力をプレイできるのは、そのパーマネントのコントローラーだけです。 誘発型能力:文章欄の能力の最初の文節が、「……とき(に)」「……たび(に)」「……時(に)」という語句で終っているものは、誘発型能力です。このタイプの能力では、文章の最初の文節が能力を誘発するイベントです。誘発するイベントが起きたとき、誘発型能力が発生し、あなたはそれをプレイしないことは選択できません。誘発するイベントが一度に複数発生した場合、能力はそのイベント1つにつき1つずつ、スタックに乗ります。 常在型能力:この能力は、他の能力とは違うようにプレイされ、解決されます。常在型能力を持つパーマネントが場に出たとき、その能力の効果は単に「オン」となり、そのパーマネントが場に出ているかぎり、その効果は続きます。 ●呪文や起動型能力のプレイ  あなたが呪文や能力をプレイできるのは、あなたが優先権を有する場合に限ります。では、どんなときに優先権を得るのでしょうか? ほとんどのフェイズやステップの開始時に、アクティブ・プレイヤー(そのターンを進めているプレイヤー)が優先権を得ます。優先権を有するとき、あなたは呪文や能力をプレイするか、パスすることができます。あなたがパスすれば、対戦相手が優先権を得ます。呪文や能力が解決されたあとで、再び、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。そのプレイヤーがパスすれば、再び、対戦相手が優先権を得ます。  次のようなタイプのカードは、あなたのメイン・フェイズであるときに、あなたが優先権を有し、解決を待つ呪文や能力が存在しない場合にのみ、プレイできます。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地、ソーサリーがそれです。  呪文および起動型能力は、次の3つのステップに従ってプレイされます。 1. 対戦相手に、あなたがどの呪文あるいは能力をプレイするかを告げます。呪文の場合には、そのカードをあなたの手札から取って対戦相手に見せます。 2. 呪文あるいは能力に「対象」という言葉があった場合には、そのために対象を選びます。呪文あるいは能力の文章欄に「〜から1つを選ぶ」という言葉がある場合(例えば《治癒の軟膏》)、その選択を行ないます。 3. 呪文の場合は、そのマナ・コストを支払います。起動型能力の場合は、その起動コストを支払います。呪文あるいは能力のコストの中に(X)が含まれている場合には、Xの値を決めて、それだけのマナを支払います。  これで終わりです。これで呪文あるいは能力はプレイされ、解決を待つためにスタックに乗せられます。スタックについては20ページを、呪文や能力の解決については21ページ参照してください。呪文や能力がプレイされたあとどうなるかが説明されています。 ●誘発型能力のプレイ  誘発型能力は、あなたがプレイするわけではありません。ゲームがあなたのためにプレイするのです。誘発型能力は、それを誘発するイベントが発生するのを待っています。イベントが発生すると、ゲームはプレイヤーが優先権を得るのを待ち、プレイヤーが優先権を得ると、ゲームがコントロールを得ます。ゲームは、あなたが好むと好まざるとにかかわらず、その能力をスタックに乗せます。ゲームがその能力をスタックに乗せるとき、あなたはその選択を行ない、その対象を決めます。誘発型能力がスタックに乗ったあと、本来優先権を得ていたプレイヤーが、再び優先権を得ます。  複数の能力が同時に誘発したらどうなるでしょうか? ゲームはまず、アクティブ・プレイヤーの能力を、そのプレイヤーが決めた順番でスタックに乗せます。そのあとで、対戦相手の能力を、その対戦相手が決めた順番でスタックに乗せます。 ●スタック  スタックとは、プレイされた呪文や能力が解決を待っている場所です。その働き方は以下のとおりです:まず優先権を有するプレイヤーが呪文あるいは能力を1つプレイし、それがスタックに乗ります。そのプレイヤーは、スタックにさらに呪文や能力を加えることもできますし、対戦相手に優先権を渡して、対戦相手が呪文や能力をスタックの一番上に乗せるようにしてもかまいません。このようにして、両方のプレイヤーが呪文や能力をすべてプレイし終わるまで、優先権は行き来します。それから、スタックの一番上にある呪文あるいは能力 ―― つまり、一番最後にプレイされた呪文あるいは能力 ―― が解決されます。呪文あるいは能力が1つ解決されるたびに、アクティブ・プレイヤーが、再び優先権を得ます。  例えば、あなたがわたしのクリーチャーに対して《電撃破》をプレイし、それに対応してわたしが《巨大化》をそのクリーチャーにプレイしたとします(あなたもわたしもそれ以上の呪文や能力をプレイする気はありません)。この場合、スタックの一番上にあるため、まず《巨大化》が解決されます。そのあと、両者ともこれ以上他の呪文や能力をプレイする気がない場合には、《電撃破》が解決されます。  中には、スタックに乗らないものがあります。 ・マナを生み出す能力は、スタックに乗りません(ただし、マナを生み出す呪文 ―― 例えば《暗黒の儀式》などはスタックに乗ります)。あなたはただちにマナを得ます。例えば、あなたが(G)を得るために《ラノワールのエルフ》をタップしたとき、能力が解決されるのを待つ必要はなく、カードをタップすると同時に、マナを得られます。 ・常在型能力は、スタックに乗りません。そのような能力は、その能力を持つパーマネントがプレイされると同時に「オン」の状態になります。 ・あなたが土地をプレイするとき、単に土地を場に出すだけです。土地カードは呪文ではないので、スタックには乗りません。 ●呪文や能力の解決 1. 呪文や能力の対象を、それらがまだ適正な対象であるかどうかを見るため、チェックします(呪文や能力が対象を持たないなら、このチェックは必要ありません)。対象は、それが場を離れたり、特性の変化でその呪文や能力の対象の条件に適合しなくなった場合には、不適正です。呪文や能力が解決されようとするときに、その対象がすべて不適正なものである場合には、その呪文や能力は何の効果も生み出しません。 2. 呪文や能力の効果が生み出されたら、その呪文や能力に記載されている効果が、書かれている順序で実行されます(置換効果によって、あなたが実際に行なうことが修正される可能性もあります)。それ以前に行なった選択以外の選択が文章欄で要求されている場合には、効果を実行する際にそれらの選択を行ないます。 3. 能力については、それで終わりです。呪文については、その効果を実行したあと、その呪文カードを(アーティファクト呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文なら)場に出し、(インスタント呪文、ソーサリー呪文なら)そのオーナーの墓地に置きます。 ●効果とは?  呪文や能力が解決されると、その呪文や能力は効果を生み出します。効果には基本的に3つの種類があります。 ○一時的効果  一時的効果は、ダメージを与えるとかクリーチャーを1体破壊するとかいう何かを、一度だけ行ないます。例えば、《対抗呪文》の文章欄には「対象の呪文1つを打ち消す」と書かれています。《対抗呪文》が解決されたところで、その効果は終了するのです。 ○継続的効果  これらの効果は、何かを、ただ一度ではなく、ある期間にわたって行ないます。呪文の継続的効果は、その呪文の文章欄に記載された期間続きます。例えば、《巨大化》の文章欄には「対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+3/+3の修正を受ける」と書かれています。その効果は、呪文が解決されてからターン終了時まで続くのです。  継続的効果を発揮する起動型能力および誘発型能力は、呪文と同じルールに従います。すなわち、効果は、その能力に記載されている期間続くのです。  常在型能力の継続的効果は、そのパーマネントが場に出ているかぎり有効です。例えば、《弱体化》の文章欄には「エンチャントされているクリーチャーは、-2/-2の修正を受ける」と書かれています。エンチャントされているクリーチャーに対するその効果は、これがそのクリーチャーについている間続きます。 ○置換効果および軽減効果  これらの効果は、特定のイベントが起こるのを待ち、そのイベントが起こったら、それを別のイベントと置き換えたり、修正したり、それが起こることの一部または全部を妨げたりします。  置換効果を生み出す呪文や能力の文章欄には、「代わりに」という言葉が使われています。例えば、《墓いらずのゾンビ》の文章欄には「墓いらずのゾンビが場から墓地に置かれるとき、代わりに、墓いらずのゾンビをそのオーナーのライブラリーの一番上に置く」と書かれています。  軽減効果を生み出す呪文や能力の文章欄には、「軽減する(あるいは、軽減し、など)」という言葉が使われています。例えば、《サマイトの癒し手》の文章欄には「(T): このターン、対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人への次のダメージを、1点軽減する」と書かれています。その効果は、対象がダメージを与えられるときをこのターンの間待ち、ダメージが与えられたら、それを1点軽減します。 ◎セクションIII:ターンの構成  1ターンには5つのフェイズがあり、あるフェイズの間に何も起こらなくても、そのフェイズは存在します。各フェイズの終了時、あなたのマナ・プールに残っていたマナは消滅し、あなたはそのマナと同じ値のライフを失います(あなたは、マナ・バーンを被ったのです)。 ●1. 開始フェイズ このフェイズには、3つのステップがあります。 ○a. アンタップ・ステップ  あなたのアンタップ・ステップの間、あなたのタップ状態のカードをすべてアンタップします。このステップの間には、誰も呪文や能力をプレイすることはできず、このステップの間に誘発する能力は、アップキープ・ステップを待ってスタックに乗ります。 ○b. アップキープ・ステップ  あなたが、アップキープに誘発する能力(つまり、「あなたのアップキープの開始時、……」とある能力)をコントロールしているのでないかぎり、気づかずにアップキープ・ステップを通過してしまうかもしれません。プレイヤーは、このステップの間にインスタント呪文や起動型能力をプレイできます。 ○c. ドロー・ステップ  あなたのドロー・ステップの開始時、カードを1枚引きます。プレイヤーは、このステップの間にインスタント呪文や起動型能力をプレイできます。 ●2. メイン・フェイズ  このフェイズの間に、あなたはどんな種類の呪文や能力でもプレイできますが、あなたの対戦相手はインスタント呪文と起動型能力しかプレイできません。また、あなたはこのフェイズの間に土地を1つプレイできます。土地は1ターンに1つしかプレイできないことを忘れないでください。 ●3. 戦闘フェイズ このフェイズには、5つのステップがあります。 ○a. 戦闘開始ステップ  プレイヤーは、このステップの間にインスタント呪文や起動型能力をプレイできます(ただし、通常は、それらをプレイすべき理由はありません)。 ○b. 攻撃クリーチャー指定ステップ  あなたのクリーチャーのうち、どれが攻撃に参加するかを決めます。攻撃を行なうクリーチャーを指定するときに、そのクリーチャーをタップします。壁、すでにタップ状態のクリーチャー、このターンの開始時からあなたのコントロール下になかったクリーチャーは、攻撃クリーチャーとして指定できません。  あなたのクリーチャーが攻撃できるのは、あなたの対戦相手だけであることを忘れないでください。ある特定のクリーチャーを狙って攻撃するようなことはできません。  あなたが攻撃クリーチャーを指定し終わったら、プレイヤーはインスタント呪文や起動型能力をプレイできます。 ○c. ブロック・クリーチャー指定ステップ  あなたの対戦相手は、自分のクリーチャーのうち、どれがあなたの攻撃クリーチャーをブロックするかを決めます。ブロック・クリーチャー1体は攻撃クリーチャー1体のブロックにしか割りふることができませんが、複数のブロック・クリーチャーが共同して、1体の攻撃クリーチャーをブロックすることはできます。タップ状態のクリーチャーはブロックに参加できません。  あなたの対戦相手がブロック・クリーチャーを指定し終わったら、プレイヤーはインスタント呪文や起動型能力をプレイできます。 ○d. 戦闘ダメージ・ステップ  ブロックされなかった攻撃クリーチャーは、自分自身のパワーに等しい値のダメージを防御側プレイヤーに与えます。ブロックされた攻撃クリーチャーは、自分をブロックしているクリーチャーにダメージを与えます。攻撃クリーチャー1体が複数のブロック・クリーチャーにブロックされた場合、攻撃側プレイヤーが、各ブロック・クリーチャーにどのようにダメージを割りふるかを決めます。ブロック・クリーチャーは、自分がブロックしているクリーチャーにダメージを与えます。  攻撃クリーチャーがブロック・クリーチャー指定ステップでブロックされ、その後そのブロック・クリーチャーが取り除かれても、攻撃クリーチャーは何のダメージも与えません。  プレイヤーが、戦闘ダメージがどのように与えられるかをすべて指定し終わったら、ダメージはスタックに乗ります。クリーチャーに何が起こっても、スタックにあって与えられるのを待っているダメージには、影響はありません。  そのあとで、プレイヤーは、インスタント呪文や起動型能力をプレイできます。それらが解決されたら、戦闘ダメージが実際に与えられます。ダメージがスタックに乗ったあとでクリーチャーが場を離れても、スタックにあって解決を待っている戦闘ダメージは、通常どおりに与えられます。クリーチャーが、すでに場にいないクリーチャーにダメージを与えようとしても、そのダメージは与えられません。 ○e. 戦闘終了ステップ  アップキープ・ステップと同じく、このステップも、あなたが、戦闘終了時に誘発する能力(つまり、「戦闘終了時、……」とある能力)をコントロールしているのでないかぎり、気づかずに通過してしまうかもしれません。プレイヤーは、このステップの間にインスタント呪文や起動型能力をプレイできます。 ●4. メイン・フェイズ(再度)  あなたの第2のメイン・フェイズは、第1のメイン・フェイズとまったく同じです。すなわち、あなたはどんな種類の呪文や能力でもプレイできますが、あなたの対戦相手はインスタント呪文と起動型能力しかプレイできません。また、あなたはこのフェイズに土地を1つプレイできます。土地は1ターンに1つしかプレイできないことを思い出してください。あなたがこのフェイズで土地をプレイできるのは、あなたが第1のメイン・フェイズで土地をプレイしなかった場合に限ります。 ●5. 終了フェイズ このフェイズには、2つのステップがあります。 ○a. ターン終了ステップ  アップキープ・ステップと同じく、このステップも、あなたが、ターン終了時に誘発する能力(つまり、「ターン終了時、……」とある能力)をコントロールしているのでないかぎり、気づかずにこのステップを通過してしまうかもしれません。プレイヤーは、このステップの間にインスタント呪文や起動型能力をプレイできます。 ○b. クリンナップ・ステップ  あなたの手札にカードが7枚以上ある場合には、7枚になるまでカードを選んで捨てます。それから、クリーチャーにあるダメージがすべて取り除かれ、「ターン終了時まで」とある効果がすべて終わります。  このステップの間には、誰も呪文や能力をプレイできません。ただし、このステップの間に誘発する能力は別です(めったに起きませんが)。 ◎セクションIV:クリーチャーの能力  クリーチャーの能力には、カードでは完全には説明されていないものがあります。ただし、そのような能力には注意書きがついていて、その効果が大まかに説明されています。以下は、クリーチャーの標準的な能力の完全な説明です。 ●先制攻撃  先制攻撃を持つクリーチャーは、先制攻撃を持たないクリーチャーよりも先に、戦闘ダメージを与えます。あなたの戦闘ダメージ・ステップになったとき、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの何体かが先制攻撃を持つなら、先制攻撃を持つ攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーのための特別な戦闘ダメージ・ステップが形成されます。この特別な戦闘ダメージ・ステップは、普通の戦闘ダメージ・ステップと同じように機能しますが、先制攻撃を持たないクリーチャーは戦闘ダメージを与えられない、という点だけが違います。  先制攻撃戦闘ダメージ・ステップが終わったら、まだ戦闘ダメージを与えていないクリーチャーのための第2戦闘ダメージ・ステップになります。この第2のステップが完了したあと、通常どおり、戦闘終了ステップに進みます。 ●飛行  飛行を持つクリーチャーは、同じく飛行を持つ他のクリチャーにしかブロックされません。飛行クリーチャーは、飛行を持つ他のクリーチャーをブロックでき、飛行を持たないクリーチャーをブロックすることもできます。 ●速攻  あなたが速攻を持つクリーチャーをコントロールしている場合、「あなたの、もっとも近いターンの開始時からそのクリーチャーをコントロールしていたのでないかぎり、そのクリーチャーは攻撃に参加できず、起動コストに(T)が含まれる起動型能力もプレイできない」というルールを無視できます。言い換えれば、場に出たターンには通常なら許されていないことが、速攻を持つクリーチャーにはできるということです。 ●渡り  渡りとは、島渡り、沼渡り、山渡り、森渡りなどの能力の総称です。防御側プレイヤーが特定のタイプの土地を少なくとも1つコントロールしているなら、その渡りを持つクリーチャーはブロックされません。  渡りの能力は、互いに相殺し合うことはありません。例えば、防御側プレイヤーが森をコントロールしている場合には、森渡りを持つクリーチャーでも、森渡りを持つ別の攻撃クリーチャーはブロックできません。 ●再生  再生はクリーチャーが破壊されることを防ぎます。再生は、次の2つの点で、クリーチャーの他の標準的な能力とは違っています。(a)起動型能力である、(b)「代わりに」という言葉が含まれていないにもかかわらず、置換効果を生み出す。  再生能力が解決されると、その効果はそのクリーチャーが破壊されるまで待ち、それから、破壊と再生効果が置換されます。そのクリーチャーはタップされ、すべてのダメージが除去され、(戦闘中なら)戦闘から取り除かれます。 ◎セクションV:用語集 ●アーティファクト  魔術的な品物を表し、1つ以上の能力を持つ無色のパーマネント。アーティファクトは、そのマナ・コストに色マナが含まれていないので、どんなデッキにも入れられます。アーティファクトは、あなたのメイン・フェイズの間に、あなたが優先権を有し、スタックが空の場合にのみ、プレイできます。「アーティファクト・クリーチャー」も参照してください。 ●アーティファクト・クリーチャー  クリーチャーを表す無色のパーマネント。アーティファクト・クリーチャーは、アーティファクトでもありクリーチャーでもあると見なされ、その両方に影響を与えるルール、呪文、能力の影響を受けます。アーティファクト・クリーチャーは、普通のクリーチャーとまったく同じに攻撃やブロックに参加できますが、たいていの場合、クリーチャー・タイプは持ちません。「アーティファクト」「クリーチャー」も参照してください。 ●「与えられたダメージ」  軽減されたダメージの値を差し引いた、戦闘ダメージの値です。 ●アップキープ・ステップ  開始フェイズの2番目のステップです。強力なパーマネントは、たいていは、そうでないものよりも維持の手間がかかります。通常、そのようなコストはこのステップで支払われます。そうでなければ、パスする以外に、あなたがこのステップで要求されるものはありません。 ●あなた  マジック・カードの「あなた」という言葉は、そのカードの現在のコントローラーのことを指しています。 ●アンコモン  「レアリティ」を参照してください。 ●アンタップ  タップ状態のカードを縦向きにし、あなたがそれを再び使えるようにすること。 ●アンタップ・ステップ  開始フェイズの最初のステップで、そこでは、あなたのクリーチャーと土地をすべてアンタップすることで、それらにまた活力を与えます。このステップの間は、誰も何もプレイできず、このステップの間に誘発する誘発型能力は、スタックに乗るのにアップキープ・ステップまで待たなければなりません。 ●生け贄に捧げる  あなたのパーマネントの1つを場からあなたの墓地へ置くことです。これを、あなたの手札のカードにだけに影響する、カードを捨てることとは混同しないでください。 ●色  マジックの5つの色は、白、青、黒、赤、緑です(どんな色があったか忘れた場合には、カードの裏に5つの色が示されています)。カードの色は、そのマナ・コストのマナの色であると見なされます。つまり、マナ・コストの中に青マナがあれば、そのカードは青です。カードの色は、特定の色の何かに影響を与える呪文や能力、例えば《畏怖》や《赤の防御円》などにとっては重要なことです。土地とアーティファクトは色を持たず、そのため、無色であると言われます(洒落た言い方でしょう?)。 ●インスタント  呪文あるいは能力の一種で、プレイされ、そのあとで解決されると、そのオーナーの墓地に行きます。ソーサリーとは違い、インスタントはどのプレイヤーのターンのほとんどどのフェイズにでもプレイでき、別の呪文に対応してプレイできます。インスタントには、一枚一枚がカードの形であるインスタント呪文と起動型能力とがあります。「起動型能力」も参照してください。 ●打ち消す  呪文が何も効果を現さないように、呪文のプレイを取り消すことです(呪文とは、土地以外の、プレイされつつあるカードです)。 ●永続的に  「永続的に」という言葉は、この効果を変える何かが起こるまで、という意味です。言い換えれば、あまり気にしなくてよい、ということです。 ●エキスパンション・シンボル  イラストの下の右のほうについているシンボル。エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのエキスパンションからのものかを表し、3色のうち1色を使ってレアリティを表します。黒はコモン・カード、銀はアンコモン・カード、金はレア・カードです。 ●エンチャント  1つ以上の能力を持つ、一種のパーマネントです。エンチャントの中には、それだけで独立しているのではなく、特定のタイプのパーマネントにつけられるものがあります。これらのカードは「エンチャント(クリーチャー)」「エンチャント(土地)」というように、それがつくパーマネントのタイプが(  )の中に示されています。一方、それだけで独立しているものは「エンチャント(場)」と書かれています。パーマネントにエンチャントがついているときに、そのパーマネントが場から離れたら、エンチャントは破壊されます。「エンチャント(場)」も「エンチャント(  )」も、ともにエンチャントに影響を与える呪文や能力の影響を受けます。  エンチャントが「エンチャントされているクリーチャー」「エンチャントされている土地」などと言う場合、それは自分がついているパーマネントのことを指します。 ●エンチャント(クリーチャー)  「エンチャント」を参照してください。 ●オーナー  そのカードを自分のデッキにあって、ゲームを始めた人物です。対戦相手があなたのパーマネントの1つのコントローラーになっても、あなたがそのオーナーであることに変わりはありません。「コントローラー」と比べてみてください。 ●カード・タイプ  カードのイラストの下に示されている、カードの区分。カード・タイプには、アーティファクト、アーティファクト・クリーチャー、エンチャント、土地、インスタント、ソーサリーがあります。カードにはサブ・タイプがあるものもあります。「クリーチャー ― ゴブリン」のゴブリン、エンチャント(土地)の土地などが、それです。 ●(カードを)捨てる  カードをあなたの手札から取って、それをあなたの墓地に置くことです。呪文か能力があなたにカードを捨てさせる場合には、あなたが捨てるカードを選べるか、無作為に捨てなければならないかが、指定されています。無作為に捨てる場合、そのもっとも簡単な方法は、あなたのカードを広げて、対戦相手に選んでもらうことです(もちろん、対戦相手に見せるのはあなたのカードの裏側だけです!)。 ●(カードを)引く  あなたのライブラリーの一番上のカードを取り、それをあなたの手札に加えることです。  通常、あなたは、あなたの各ターン、あなたのドロー・ステップ開始時に、カードを1枚引きます。効果によってさらにカードを引かされる場合、引くカードは、通常引く1枚の代わりになるのではなく、通常の1枚にさらに加えて引きます。  呪文や能力が、あなたのライブラリーからあなたの手札にカードを加えるときは、その呪文や能力に「カードを引く」という言葉が使われている場合に限り、カードを引くと見なされます。 ●解決  スタックが、その上にある呪文や能力を処理するとき、その呪文や能力は解決されて効果を生み出します。呪文や能力が打ち消された場合、あるいは解決されるまでにその対象がすべて不適正になっていた場合には、その呪文や能力はいっさい解決されません。「打ち消す」「スタック」も参照してください。 ●カウンター  呪文の効果の持続を覚えておくためのマーカーです。カウンターとして何を使ってもかまいません。コイン、オハジキ、蜘蛛の死骸、その他何でもいいのです。カウンターにはいろいろな種類があり、名前で区別されます。例えば、胞子カウンターは頭カウンターとは違いますし、+1/+1カウンターは+2/+2カウンターとは違います。違う種類のカウンターを表すためには違うものを使い、物事をはっきりとしておきます。 ●……かのように  カードの指示が、「何かが別の何かであるかのように扱う」や「何かがある特定の能力を持つかのように扱う」とある場合、その指示どおりに仮定して考えなければなりません。カードがその何かになったり、その何かを得たりするわけではありません。例えば、《大蜘蛛》は「自分自身に飛行があるかのようにブロックに参加できる」と書かれているので、飛行を得たり、飛行を持つクリーチャーとして扱われたりするわけではありません。単に、飛行を持つクリーチャーは、大蜘蛛を無視して通過できなくなるというだけなのです。 ●壁  攻撃には参加できないが、通常はブロックには適したクリーチャー。壁の文章欄には、このルールを思い出すように、「(壁は攻撃に参加できない。)」と書かれています。壁もクリーチャーであることに変わりはないので、クリーチャーに影響する呪文や能力の影響を受けます。したがって、奇妙に思えるかもしれませんが、壁を、それに《恐怖》をプレイするで破壊できます(壁に飛行を与えることさえも、できるのです!)。 ●……から1つを選ぶ  カードに「……から1つを選ぶ」という一文がある場合、そのカードをプレイするとき、その選択肢から1つを選ばなければなりません。最初に選択したことがうまくいかなくても、あとで考えを変えて別のものを選ぶことはできません(あなたはそのチャンスに賭けるしかありません!)。 ●起動型能力  起動コストを支払うことでプレイする能力。コストは、能力のテキストの前にある、コロン(:)の前に示されています。例えば、「(2), (T): あなたは1点のライフを得る」と書かれていたなら、あなたは、(2)およびその能力を持つパーマネントをタップするという起動コストを支払って、1点のライフを得ます。起動型能力はインスタントとまったく同じにプレイされます。(T)を含まない起動コストは、たいていの場合、1ターンの間に2回以上支払えることに注意してください。 ●基本地形  「土地」を参照してください。 ●クリーチャー  対戦相手を攻撃したり、攻撃クリーチャーをブロックするようにデザインされたパーマネントのタイプです。加えて、多くのクリーチャーは、そのカード自体に書かれた能力を持っています。カードの右下隅に、「/」で区切られた2つの数字があります。これらの数字は、そのクリーチャーのパワー(そのクリーチャーが戦闘で与えるダメージの値)とタフネス(そのクリーチャーを破壊するのに必要なダメージの値)を表しています。  クリーチャーはパーマネントの一種ですから、いったん場に出ると、効果によって破壊されたり取り除かれたりしないかぎりは、ゲームの残りの間そのまま場に残っています。あなたがクリーチャーのマナ・コストを支払わなければならないのは、それを場に出すときだけで、攻撃に参加させるときにマナ・コストを支払う必要はありません。クリーチャーがプレイされつつある間は、それが呪文であり、他の呪文と同じく打ち消すことができるということを忘れないでください。 ●クリーチャー・タイプ  これは、ゴブリン、エルフ、壁といったように、それがどんな種類のクリーチャーであるかを示すものです。クリーチャー・タイプは、カードのイラストの下にクリーチャーという言葉の後ろについています。古いカードでは「……の召喚」となっています(「……」がクリーチャー・タイプ)。アーティファクト・クリーチャーには、通常、クリーチャー・タイプはありませんが、それがある場合には、他のクリーチャーと同じ場所に、アーティファクト・クリーチャー ― ゴーレムというように書かれています。クリーチャーとなった土地には、クリーチャー・タイプがなく、クリーチャー・タイプを対象にする呪文の影響は受けません。 ●軽減効果  効果のひとつで、特定のイベントが起こるのを待ち、そのイベントが起こったら、それが起こることの一部または全部妨げます。 ●ゲームから取り除く  カードをゲームから取り除き、それを脇にどけて、ゲームの残り間、そのカードの存在を無視すること。それを墓地に置いたり、手札に加えたりしてはいけません。 ●効果  呪文や能力がゲームに及ぼす影響です。「能力」「呪文」も参照してください。 ●交換  何かを交換するには、2人のプレイヤーがそれぞれ相手に与えるものを持っていなければなりません。例えば、一方が場にクリーチャーを1体も出していない場合、あなたと対戦相手がクリーチャーのコントロールを交換することはできません。 ●攻撃  あなたの戦闘フェイズの間に、あなたは自分がコントロールするクリーチャーを何体でも好きなだけ使って、対戦相手を攻撃できます。攻撃に参加するクリーチャーはタップしなければなりませんから、すでにタップ状態のクリーチャーは、攻撃に参加できません。なぜ攻撃を行なうのでしょうか。それはあなたの対戦相手のライフがゴブリンの凧のように落下するのを見るためです! 恐らく、対戦相手は、あなたの攻撃クリーチャーをブロックしようとするか、インスタントや起動型能力を使って戦闘から取り除こうとするでしょう。あなたは、対戦相手だけを攻撃でき、対戦相手のクリーチャーを狙って攻撃することはできないことを忘れないでください。「攻撃クリーチャー」「ブロック・クリーチャー」「戦闘」も参照してください。 ●攻撃クリーチャー  攻撃をしているクリーチャー。クリーチャーは、あなたが攻撃クリーチャー指定ステップで攻撃クリーチャーとして指定すると、攻撃クリーチャーになります。クリーチャーで攻撃するためには、そのクリーチャーをタップしなければなりません。クリーチャーがすでにタップ状態になっている場合には、そのクリーチャーは攻撃に参加できません。1体のクリーチャーを、起動コストの支払いと攻撃への参加の、両方のために同時にタップすることはできません。どちらのためにタップするのかを選ばなければなりません。クリーチャーは、(再生のような)効果によって戦闘から取り除かれないかぎりは、攻撃クリーチャーと指定されたときから戦闘終了時まで、攻撃していると見なされます。戦闘フェイズ以外では、攻撃クリーチャーというものは存在しません。 ●コスト  「起動型能力」「マナ・コスト」を参照してください。 ●コモン  「レアリティ」を参照してください。 ●コレクター・ナンバー  カードの一番下にある小さな2つの数字で、マジック・カードのコレクションをしやすくします。最初の数字は、そのセットでのカードの位置で、2番目の数字はそのセットに全部で何枚のカードがあるかです。 ●コントローラー  パーマネントについては、それを場に出したプレイヤーを言います。呪文や起動型能力については、その呪文や起動型能力をプレイしたプレイヤーを言います。誘発型能力や常在型能力については、その能力を持つパーマネントをコントロールするプレイヤーを言います。パーマネントのコントローラーは、効果によって変えられます。あなたが、対戦相手の土地やクリーチャーにプレイしたエンチャントは、あなたのコントロールの下に残っています。 ●コントロール  呪文やパーマネントをプレイするか否かを決める能力を持つことです。プレイヤーは、場に出ているものか、プレイされつつあるもののみをコントロールできます。ライブラリーや墓地や手札のカードには、コントローラーは存在しません。 ●再生  クリーチャーの一能力で、クリーチャーを破壊されずに済むようにします。クリーチャーを再生させる呪文や能力が解決されると、そのクリーチャーは、その上にエンチャントやカウンターをすべて保持したまま、適用されている効果も残したままで場に残ります。そのクリーチャーはタップ状態となり、戦闘から取り除かれます。同時に、すべてのダメージも取り除かれます。 ●シールド・デッキ戦  シールド・デッキ戦では、限られた枚数のカードを与えられてあなたのデッキを構築します。シールド・デッキ戦では、適正なデッキに必要な枚数は最低40枚です。 ●島渡り  「渡り」を参照してください。 ●呪文  あなたの手札からプレイされつつある、土地でないカード。呪文が解決されると起きることは、そのカードのタイプによります。インスタントやソーサリーの場合、それはそのオーナーの墓地に置かれます。その他の場合はパーマネントとして、それをプレイしたプレイヤーのコントロールの下に場に出されます。「パーマネント」も参照してください。 ●常在型能力  能力の一カテゴリーで、その能力を持つパーマネントが場に出ると同時に効果を現します。常在型能力は、そのパーマネントが場を離れるまで「オン」の状態になったままです。これらはスタックには乗りません。「パーマネント」も参照してください。 ●スタック  呪文や能力が解決を待つために行く場所。さらに呪文や能力がプレイされると、それらはスタックの一番上に追加されます。両プレイヤーともに、これ以上物事を複雑にしないことにしたら、スタックの上にあるものが、上から下へ順に一度に1つずつ解決されてゆきます。ただし、スタック上のものが1つ解決されるたびに、プレイヤーはさらに呪文や能力をプレイできます。「能力」「優先権」「呪文」も参照してください。 ●先制攻撃  クリーチャーの一能力で、クリーチャーが、この能力を持たないクリーチャーよりも先に戦闘ダメージを与えられるようにします。先制攻撃を持つクリーチャーが1体以上攻撃やブロックに参加する場合、普通の戦闘ダメージ・ステップの前に、先制攻撃を持つクリーチャーのための戦闘ダメージ・ステップを別に形成します。そのあと、通常の戦闘ダメージ・ステップの間に、先制攻撃を持たない(その前のステップで生き残った)クリーチャーが戦闘ダメージを与えます。 ●戦闘  あなたのターンの第3番目のフェイズで、あなたが、自分のクリーチャーを使って対戦相手に手痛い打撃を与えようとするところです。必ず攻撃を行なわなければならないわけではありませんが、あなたのターンの他のフェイズを飛ばせないのと同様、戦闘フェイズも飛ばせません。あなたは、1ターンに1回だけ攻撃を行なえます。「攻撃」も参照してください。 ●戦闘ダメージ  戦闘ダメージ・ステップの間に、クリーチャーによって与えられたダメージ。これには、クリーチャーのパワーからのダメージしか含まれませんから、カードの文章欄に示されている能力によってクリーチャーが与えたダメージについては、戦闘ダメージとは言いません。例えば、あなたが《放蕩魔術師》の能力をプレイしたとき、それはいつものように、単なる1点のダメージを1つ与えるだけですが、《放蕩魔術師》が攻撃に参加したときは、それは1点の戦闘ダメージを与えます(《放蕩魔術師》のパワーは1なので)。クリーチャーが戦闘ダメージを与えないようにする効果もあります。これらの効果は、影響を受けたクリーチャーが0点のダメージを与えるようにするのではなく、戦闘ダメージをいっさい与えないようにすることに注意してください。 ●ソーサリー  呪文のタイプのひとつで、あなたのメイン・フェイズの間に、あなたが優先権を有し、スタックが空の場合にのみプレイできます。ソーサリーは、解決されるとそのオーナーの墓地に行きます。「優先権」「スタック」も参照してください。 ●速攻  クリーチャーの一能力で、クリーチャーが、あなたの側で場に出たターンに、攻撃に参加したり、タップして起動型能力のコストを支払ったりできるようにします。他の能力と同じく、速攻を持つクリーチャーのコントロールを対戦相手が得た場合には、速攻は対戦相手のために働きます。「起動型能力」「攻撃」も参照してください。 ●ターン  1ターンはいくつかのフェイズに分けられ、1フェイズはいくつかのステップに分けられます。プレイヤーは、それらすべてを順番に通っていくことで、1ターンを完了します。開始フェイズ(アンタップ、アップキープ、ドロー)、メイン・フェイズ、戦闘フェイズ(戦闘開始、攻撃クリーチャー指定、ブロック・クリーチャー指定、戦闘ダメージ、戦闘終了)、メイン・フェイズ(再度)、終了フェイズ、の順です。あなたの終了フェイズが終わったら、対戦相手がそのターンを始めます。 ●対応する  呪文や能力のプレイ直後、その解決前に、別のインスタントや能力をプレイすること。「スタック」も参照してください。 ●対象  呪文や能力の文章欄に「対象の……」とあるときに、それらが狙いをつけているもの。多くの呪文や能力には、何が対象となりうるかという必要条件があり、それらの条件はカードの文章欄に明示されています。あなたは、呪文や能力をプレイするときに、その対象を選ばなければなりません。あとから、選んだ対象を変えることはできません。 ●タップ  そのターンにそのカードが使われたことを表すため、カードを横向きにすること。土地をマナを引き出すためにタップし、クリーチャーを攻撃に参加させるためにタップし、起動コストに(T)を含む起動型能力のコストを支払うためにパーマネントをタップします。その他の効果でも、あなたのパーマネントはタップ状態となりえます。そのような場合には、あなたは、自分でタップすることを選んだ場合であればできたはずのことは、できなくなります(そのため、自分のパーマネントがタップさせられることを嫌がるのです)。カードがタップ状態になると、それがまずアンタップされるまでは、再びタップすることはできません。「起動型能力」も参照してください。 ●タフネス  そのクリーチャーを破壊するのに必要なダメージの値。クリーチャーのタフネスは、カードの右下の部分に示されている2つの数字のうち、「/」の右側の数字です。「パワー」も参照してください。 ●ダメージ  クリーチャーは、戦闘においてお互いにダメージを与え合い、多くの呪文や能力は、クリーチャーやプレイヤーに直接ダメージを与えます。クリーチャーが、1ターンの間にそのタフネス以上のダメージを与えられた場合、そのクリーチャーは破壊されます。プレイヤーが直接ダメージを与えられた場合、そのダメージの値と等しい点数のライフがそのプレイヤーのライフから差し引かれます。 ●置換効果  効果のひとつで、特定のイベントが起こるのを待ち、そのイベントが起こったら、それを別のイベントと置き換えたり、修正したりします。「軽減効果」も参照してください。 ●致死ダメージ  クリーチャーを破壊するのに十分なダメージ。クリーチャーが、1ターンの間にそのタフネス以上のダメージを受けたとき、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたことになります。「タフネス」も参照してください。 ●デッキ  あなたのコレクションの中から、対戦相手を打ち負かすために集められた最低40枚(あなたが自分でデッキを作るなら、最低60枚)のカードの集まりで、そこには呪文、クリーチャー、土地がほどよくミックスされています。 ●手札  あなたが手に持っているカードです。通常、手札のカードは最大7枚です。あなたが手にカードを持っていなくても、あなたには(0枚の)手札があります。 ●トークン  呪文や効果によって作り出され、自分自身のカードを持たないクリーチャーを表すために使う品物。トークンは、トークン・クリーチャーが場を離れたときに、ゲームから完全に消滅してしまうという点以外は、あらゆる点でクリーチャーであると見なされます。トークン・クリーチャーは、クリーチャーに影響するルール、呪文、効果の影響を受けますが、カードに影響するものには影響を受けません(あなたがトークンとしてカードを使っていても)。 ●特殊地形  「土地」を参照してください。 ●土地  たいていはマナ能力を持つパーマネントです。平地、島、沼、山、森、の5つの基本地形があり、それぞれがその色のマナ1点を生み出します。この5種類以外の土地は「特殊地形」と呼ばれます。特殊地形は、たいていの場合、マナ能力に加えて、あるいはマナ能力の代わりに他の能力も持っています。土地は、1ターンに1つ、あなたのいずれかのメイン・フェイズの間にだけ、スタックが空の場合にのみ、プレイできます。土地は呪文ではないので、打ち消すことはできません。「マナ能力」も参照してください。 ●土地タイプ  土地タイプは、クリーチャー・タイプやカード・タイプとは違い、土地タイプはその土地の名前と同じです。例えば、森はすべて、森というタイプです。土地タイプはその名前以外、カードには書かれていません。 ●トランプル  トランプルを持つクリーチャーがその戦闘ダメージを与えたとき、それをブロックするクリーチャーをすべて破壊するのに十分なダメージを与えてなお余裕があるなら、残りのダメージを防御側プレイヤーに与えます。「戦闘ダメージ」も参照してください。 ●沼渡り  「渡り」を参照してください。 ●能力  パーマネントの文章欄のテキストのうち、ある効果を生み出すもの。カードの能力は、文章欄のフレイバー・テキストの上に書かれています。能力は、そのカードが場に出ているときにだけ、そのコントローラーのみがプレイできます(常在型能力はプレイされません。それらは単に「オン」の状態にあります)。能力には、飛行のようなクリーチャーの能力から、「白のクリーチャーは、+1/+1の修正を受ける」といった常在型能力まで、いくつかの種類があります。「起動型能力」「常在型能力」「誘発型能力」も参照してください。 ●パーマネント  場に出ているカードです。パーマネントは、アーティファクト、アーティファクト・クリーチャー、クリーチャー、エンチャント、土地です(トークンは、クリーチャーであり、それらもパーマネントであることを忘れないように)。 ●破壊する  カードを場から取り除き、そのオーナーの墓地に置くことです。破壊されたクリーチャーは、効果によって再生できます(別の効果がそれを妨げなければ)。「再生」も参照してください。 ●パス  あなたに優先権があるとき、何もしないことを選択することです。スタックに乗っている呪文や能力は、すべてのプレイヤーが連続してパスするまでは、解決されません。「優先権」「スタック」も参照してください。 ●発生源  たいていはダメージや効果といった、何かが生まれる源です。効果が解決のためにスタックに乗せられたあとで、その効果の発生源が破壊されても、効果は変わりなく解決されます。 ●場に出す  何かをゲームに登場させること。クリーチャー(あるいはクリーチャー・トークン)を場に出すよう指示があっても、そう指示した能力がマナ・コストを支払って場に出すように言っていないかぎりは、クリーチャーのマナ・コストを支払う必要はありません。 ●場に出ている  場に出ているカードはパーマネントです。あなたのライブラリー、墓地、手札にあるカードは、場に出ているとは見なされません。「パーマネント」も参照してください。 ●場に出る  カードは、解決するのに成功すると、場に出ます。何かが場に出たことで誘発される効果は、そのカードが完全に解決されるまでは誘発されません。つまり、そのカードが打ち消されたら、効果はいっさい誘発されません。 ●パワー  そのクリーチャーが戦闘で与えることのできる戦闘ダメージの値。クリーチャーのパワーは、カードの右下の部分に示されている2つの数字のうち、「/」の左側の数字です。「タフネス」も参照してください。 ●飛行  飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーにはブロックされません。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーと飛行を持たないクリーチャーのどちらもブロックできます。 ●フェイズ  各ターンの主要なセクションです。ひとつのターンには、開始フェイズ、メイン・フェイズ、戦闘フェイズ、メイン・フェイズ(再度)、終了フェイズ、の5つのフェイズがあります。各フェイズはさらにステップに分割されます。各フェイズの開始時、そのフェイズに誘発する能力がスタックに乗ります。各フェイズの終了時、プレイヤーのマナ・プールに残っているマナは消滅します(該当する場合には、マナ・バーンが起きます)。「マナ・バーン」も参照してください。 ●プレイ  土地については、場に出すことです。呪文については、マナ・コストを支払うことでその呪文をスタックに乗せることです。起動型能力については、起動コストを支払うことでその起動型能力をスタックに乗せることです。「起動型能力」「土地」「呪文」を参照してください。 ●フレイバー・テキスト  文章欄の楷書体の文で、そのカードの魔術的な世界の一部を描写したり、雰囲気をかもし出したりしています。フレイバー・テキストは、そのカードをどのようにプレイするかにはまったく関係ありません。あるクリーチャーがあたり一帯を震え上がらせているとテキストに書いてあっても、そのクリーチャーが対戦相手を脅してくれるわけではありません! ●ブロック  対戦相手の攻撃クリーチャーを迎撃するために、あなたのクリーチャーを使うことです。戦闘の間、1体以上のあなたのアンタップ状態のクリーチャーに、各攻撃クリーチャーをブロックさせることができます。この場合、攻撃クリーチャーは戦闘ダメージをあなたにではなく、ブロック・クリーチャーに与えます。「ブロック・クリーチャー」「戦闘」も参照してください。 ●ブロック・クリーチャー  アンタップ状態のクリーチャーは、ブロック・クリーチャーとして割りふられることで、そのコントローラーを攻撃クリーチャーから守ることができます。つまり、攻撃クリーチャーによって割りふられるダメージは、ブロック・クリーチャーに向けられそのコントローラーには届かない、ということです(プレイヤーにはいい話ですが、ブロック・クリーチャーにはあまりいい話ではありません)。  クリーチャーは、ブロック・クリーチャーと指定されたときから戦闘終了時まで、ブロック・クリーチャーと見なされます。戦闘フェイズ以外では、ブロック・クリーチャーというものは存在しません。「戦闘ダメージ」も参照してください。 ●ブロックされたクリーチャー  ブロック・クリーチャー指定ステップの間にブロックされた攻撃クリーチャー。クリーチャーは、ブロックされたときから戦闘終了時まで、ブロックされていると見なされ、たとえ、戦闘ダメージ・ステップ以前にブロック・クリーチャーが戦闘から取り除かれたり場を離れたりしても、これは変わりません。言い換えれば、あなたの攻撃クリーチャーをブロックされたクリーチャーにしたくないなら、対戦相手のクリーチャーがあなたのクリーチャーをブロックする機会を得る前に、それを取り除いてしまわなければならないということです。「攻撃クリーチャー」「戦闘ダメージ」も参照してください。 ブロックされない  クリーチャーが「ブロックされない」というとき、防御側プレイヤーがそのクリーチャーをブロックすることは不可能です。防御側プレイヤーにどんなにすごいクリーチャーがいても関係ありません。ブロックしようなどと思わないことです。 ●ブロックされなかった  戦闘の間、ブロック・クリーチャー指定ステップが終わったあとで、ブロック・クリーチャーを割りふられなかった攻撃クリーチャーは、「ブロックされなかった」と戦闘終了時まで見なされます。 ●プロテクション  3つの異なる効果を持つ能力。(1)クリーチャーは、プロテクションが防ぐ色のクリーチャーによってはブロックされない。(2)クリーチャーは、プロテクションが防ぐ色の呪文や能力の対象とならない。(3)プロテクションが防ぐ色の発生源からのダメージは0になる。 ●文章欄  カードの下半分の四角い部分で、文章が書かれています。文章欄には、能力、フレイバー・テキスト、注意書き(あなたにルールを思い出させるための文章)があり、それに綺麗な地紋もついています。 ●防御側プレイヤー  攻撃されつつあるプレイヤーです。あなたの対戦相手のターンでは、対戦相手がそのクリーチャーをあなたへの攻撃に割りふるときには、あなたは常に防御側プレイヤーです。 ●墓地  あなたの捨て札を置くところです。ここは、捨てられたり、破壊されたり、生け贄に捧げられたり、効果によってそこへ送るよう指定されたりしたときに、カードが行くところです。カードがゲームから取り除かれた場合には、カードはそのオーナーの墓地に行くことなく、完全にゲームから取り除かれることに注意してください。 ●負け  あなたのライフが0以下になったとき、あなたはゲームに負けたことになります。また、あなたが、ライブラリーにカードが1枚もないときにカードを引くことを強制された場合にも、あなたはゲームに負けたことになります。「ライブラリー」「ライフ」も参照してください。 ●マナ  マジックの呪文のエネルギーの基本的単位で、たいていはあなたの土地をタップすることで得られます。5つの基本地形は、それぞれ特定の色のマナを生み出します。平地は白、島は青、沼は黒、山は赤、森は緑を生み出すのです。これらの色のいずれでもないマナは、無色(のマナ)と呼ばれます。マナ・コストのうち、色の特定されていないマナ・コスト、つまり単に数字(例えば(2))で表されるマナ・コストは、無色のマナも含めどのタイプのマナで支払ってもかまいません。 ●マナ・コスト  カードのマナ・コストは、その右上隅にあります。アーティファクトのマナ・コスト以外、マナ・コストにはある特定の色のマナが少なくとも1つは含まれています。たいていは、その他に特定の点数の追加のマナが要求されますが、その追加のマナの色はその呪文をかける者が決めます。例えば、(2)(U)というマナ・コストは、その呪文をプレイするために合計で3点のマナが必要で、そのうちの1点は青でなければならないという意味です。  カードのマナ・コストのマナ・シンボルは、そのカードの色も決定します。例えば、そのマナ・コストに(G)があれば、そのカードは緑です。「マナ」も参照してください。 ●マナ能力  あなたのマナ・プールに特定の点数と色のマナを加える能力。マナ能力は、プレイしたときにスタックには乗らず、あなたはただちにマナを得るだけです(ただし、マナを生み出す呪文はスタックに乗ります)。 ●マナ・バーン  各フェイズの終了時、あなたのマナ・プールに残っていたマナは消滅し、この方法で失われたマナ1点につき、あなたは1点のライフを失います。これはマナ・バーンと呼ばれます。言い換えれば、土地をタップして使わないマナを引き出してはならない、ということです。 ●マナ・プール  あなたがマナを使うときまで、マナを入れて貯めておく想像上の場所。マナを引き出す目的で土地をタップすると、引き出されたマナは、あなたがそれを使うまで、あるいはフェイズの終了時まで、あなたのマナ・プールに残っています。「マナ」「マナ・バーン」も参照してください。 ●マリガン  最初の手札が何らかの理由で気に入らなかった場合、あなたはマリガンを宣言できます。マリガンとは、手札を加えたうえであなたのライブラリーを切り直し、1枚少ない枚数で新たに手札を引くことです。マリガンを行なうときに、気に入らなかった手札を対戦相手に見せる必要はありません。マリガンは何度でも宣言できますが、マリガンを行なうたびに、新しい手札として引けるカードは1枚ずつ少なくなるので、かなりの負担です! ●見せる  カードを見せるとき、そのカードはゲーム中のすべてのプレイヤーに見せなければなりません(通常は、あなたが嘘を言っていないことを示すためです)。 ●無色  「色」を参照してください。 ●メイン・フェイズ  あなたは、1ターンに2つのメイン・フェイズがあります。ひとつは戦闘前、もうひとつは戦闘後です。メイン・フェイズの間、あなたはアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、ソーサリーをプレイでき、またそのターンにまだプレイしていないなら、土地を1つプレイできます。 ●森渡り  「渡り」を参照してください。 ●山渡り  「渡り」を参照してください。 ●優先権  あなたは、あなたが優先権を有するときにのみ、呪文や能力をプレイできます(18ページを参照)。 ●誘発型能力  ゲーム中にイベントが起こると、自動的にスタックに乗る能力。あなたは誘発型能力を無視したり、遅らせたりすることはできません。あなたは、スタックに乗っている誘発型能力のところまで来たら、必ずそれを処理しなければなりません。 ●ライフ  各プレイヤーは、20点のライフを持ってゲームを始めます。あなたが効果やクリーチャーによってダメージを受けたとき、その値をあなたのライフから差し引きます。あなたのライフが0以下になったら、あなたはそのゲームに負けたことになります。何らかによって両プレイヤーのライフが同時に0以下になった場合には、そのゲームは引き分けになります。 ●ライブラリー  あなたがそこからカードを引くカードの山です。ライブラリーのカードの順番は、(効果が、あなたにカードを切り直させないかぎりは)変わらず、あなたは、自分が次に何を引くかを事前には見られません。ライブラリーにカードが1枚もなくても、ライブラリーは存在します。「(カードを)引く」も参照してください。 ●レア  「レアリティ」を参照してください。 ●レアリティ(希少度)  マジックのカードには、コモン、アンコモン、レアの3つのレベルのレアリティがあります。エキスパンション・シンボルの色がそれを示し、黒ならコモン、銀ならアンコモン、金ならレアです。 ●レジェンド  クリーチャーのタイプが「レジェンド」である場合には、そのクリーチャーは同時に1体しか場に出ていられません。同じ名前の別のカードが場に出た場合、それはそのオーナーの墓地に置かれます。 ●渡り  クリーチャーの一能力で、防御側プレイヤーがある特定のタイプの土地を少なくとも1つコントロールしているかぎり、そのクリーチャーを、ブロックされなくします。「渡り」というのは、島渡り、沼渡り、山渡り、森渡りの総称です。渡りの能力は互いに相殺し合うことはありません。例えば、森渡りを持つクリーチャーでも、防御側プレイヤーが森をコントロールしている場合には、森渡りを持つ他のクリーチャーはブロックできません。 ●X カードのコントローラーが選択できる数字。呪文のマナ・コストや能力の起動コストに(X)があるときには、そのコントローラーが、呪文や能力をプレイするときにXの値を決めます。