2000年6月 *マジック* 裁定と訂正 最近の裁定集 Collin Jackson 編(*ぱお*/米村 薫 訳) 一般ルール 1) マジック詳細ルールの502.7bに、「プロテクションを持つパーマネントは記述された性質を持つ呪文や能力の対象にならず、……」と書かれているが、これは「プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ呪文や記述された性質を持つ発生源からの能力の対象にならず、……」と読み替える。 例: Yavimaya Scionはプロテクション(アーティファクト)を持っているので、アーティファクトを発生源とする能力の対象にはならない。Yavimaya Scionを緑のクリーチャーの能力で対象にしたあと、能力がスタックに載っている間にそのクリーチャーをアーティファクトにした場合、その能力の解決時に対象が不適当になっているので、打ち消される。 2) カードに「あなたが攻撃を受けるたび、」"whenever you're attacked"と書かれている場合(例えばReveille Squad《起床ラッパ隊》など)、その文は「少なくとも1体のクリーチャーがあなたにアタックしてきた時」 "Whenever at least one creature attacks you."ということを意味する。言い換えると、誘発イベントは戦闘ごとに1度しか発生しないということである。 3) マジック詳細ルールの409.1bにある、呪文や能力をスタックに載せた後で行わなければならない選択に関するルールを以下のように明確化する。 「呪文や能力がモーダルならば(『……から1つを選ぶ』"Choose one --" と書かれていれば)、プレイヤーはモードを選ぶ。そして、そのマナ・コストに含まれる(X、Yなどの)変数の値を宣言し、代用コストで支払うかどうかを宣言し、バイバック・コストを支払うかどうかを宣言する。これらの選択は、文章中に『……から1つを選ぶ』と書かれてはいないが、モードの選択として扱われる。」 4) ある基本土地タイプで、他の土地タイプを書き換える場合、土地の名前も新しい基本土地タイプに従って変更される。さらに、その土地は全ての能力を失い(あるならばレジェンド性も)、その新しい土地タイプによるマナ能力を得る。他の特性は変化しない。 例: 私は、自分のコントロールするForest《森》を対象にして、Animate Land《動く土地》をプレイしました。この解決後に、あなたはその《森》に対してEvil Presence《邪悪の気配》をエンチャントしました。  この場合、どうなるでしょうか。 Animate Land G Instant Until end of turn, target land is a 3/3 creature that's still a land. Evil Presence B Enchant Land Enchanted land is a swamp. 《邪悪の気配》の解決時に、《森》の土地タイプは《森》から《沼》になり、それに従って名前も変化します。そして、その土地は緑マナを産み出す能力を失い、黒マナを産み出す能力を得ます。  そして、その後にも、3/3クリーチャーでありつづけます。 訂正 1) 土地は自動的にその基本土地タイプによるマナ能力を得るので、いわゆる「デュアル・ランド」(Badlands, Bayou, Plateau, Savannah, Scrubland, Taiga, Tropical Island, Tundra, Underground Sea, Volcanic Island)は、単にそれらの基本地形として扱うというテキストだけを持つものとして扱う。その土地自身のマナ能力は存在しないと考えるべきである。つまり、例えば、Badlandsは、「Badlandsはその土地タイプに加えて《沼》、《山》である」と読み替える。 原文: Badlands is a swamp and a mountain in addition to its land type. 2) 印刷されているとおり、Rhystic Cave《リスティックの洞窟》は、呪文や能力の宣言中にプレイした場合にまずいことが起こる。これは、このカードの他にもマナが出るか出ないか解決時にしか定まらないマナ能力を持つすべてのカードにおいて起こりうる問題である。  《リスティックの洞窟》は「T: 色を選ぶ。いずれかのプレイヤーが(1)を支払わない限り、あなたのマナ・プールにその色マナを1点加える。あなたはこの能力を他の呪文や能力の宣言中にプレイできない」と読み替える。 原文: T: Choose a color. Add one mana of that color to your mana pool unless any player pays 1. You can't play this ability during the announcement of another spell or ability.  「呪文や能力の宣言中」とは、呪文や能力をプレイしている途中のすべてのステップ(マジック詳細ルールの409.1a-f)のことを示す。つまり、例えば、《リスティックの洞窟》の能力をプレイしてマナ・コストを支払おうと思えば、その呪文を宣言しはじめるより前に能力をプレイし、マナを得られるかどうかはっきりさせておく必要がある。  訂正後のテキストでは、プレイヤーが(1)を支払うかどうか決めるより前に何色のマナを出そうとしているのかを宣言する必要があるということも明白に定められた。 3) Hollow Warrior《虚ろの戦士》は自分でブロック・コストを支払うことが可能である。攻撃やブロックのコストは宣言と同時に支払われるからである。これはこのカードのデザイン意図に反している。そこで、テキストを訂正し、「《虚ろの戦士》は、あなたが自分のコントロールする、このターン、攻撃/ブロック・クリーチャーとして宣言されていない、アンタップ状態のクリーチャーを1体タップしない限り、攻撃にもブロックにも参加できない」とする。 原文: Hollow Warrior can't attack or block unless you tap an untapped creature you control not declared as an attacking or blocking creature this turn.  これによって、《虚ろの戦士》の攻撃/ブロック・コストの支払いのために戦闘に参加しているクリーチャーをタップすることはできなくなる。 4) Mercenary Informer《傭兵の密告者》、Rebel Informer《レベルの密告者》、Brutal Supression《粗暴な抑制》は、Conspiracy《姦謀》などの効果によって非常に奇妙な振る舞いをしてしまう。多くのプレイヤーが考えているとおりの振る舞いをするようにするために、カードテキストを訂正する。 《傭兵の密告者》は黒の呪文や能力の対象にならない。 2W: 対象の傭兵を、そのオーナーのライブラリの一番下に置く。 Mercenary Informer can't be the target of black spells or abilities. 2W: Put target Mercenary on the bottom of its owner's library. 《レベルの密告者》は白の呪文や能力の対象にならない。 3: 対象のレベルを、そのオーナーのライブラリの一番下に置く。 Rebel Informer can't be the target of white spells or abilities. 3: Put target Rebel on the bottom of its owner's library. 《粗暴な抑制》は以下のように読み替える:  レベルの起動型能力は、それをプレイのに本来のコストに加えて、「土地を1つ、生け贄に捧げる」が必要となる。 原文: Activated abilities of Rebels cost an additional "Sacrifice a land" to play.  「カード」という語を除いたことで、(場以外の領域に移動すると消える)トークンにも影響できるようになったが、そのかわりに複雑なルールの問題を消し去ることができた。それらのカードの起動型能力は、やはり場に出ているレベルや傭兵にしか影響を及ぼさない。 特定カードの裁定 1) Remedy《治療》は「このターンの間、あなたが選んだように振り分けた、任意の数の対象のクリーチャーとプレイヤーに与えられる計5点のダメージを軽減する」と書かれている。  あなたはこの呪文の「対象選択」ステップ(409.1c)に5つまでの対象を選び、それぞれ何点のダメージ軽減の盾をつけるか「割り振り」ステップ(409.1d)に選択する。解決時になって、その盾のつけ方を変えることはできない。 (C)2000 Wizards. All trademarks property of Wizards of the Coast, Inc. # # #