これらが3月31日に発表されたことに気をつけろーこれらは四月バカではない。 1998年4月 マジックの裁定と訂正 最近の重要な裁定のまとめ Beth Moursund 編(*ぱお*/米村 薫 訳) 一般裁定 以下はルールブックを判りやすくするものであり、一般にゲームをどうするかである。 1.マジックに「無限」のようなものはない。よく「無限コンボ」と称されるものの  多くは、完全に一人のプレイヤーの支配下にある。例えば、Earthcraft《大地の  知識》−Wild Growth《繁茂》−Sacred Mesa《聖なるメサ》という循環は、その  プレイヤーが望む数だけのWild Pegasusトークンを作ることを許すが、一つずつ  独立の行動を必要とする。この種の場合全てにおいて、そのプレイヤーは行動を  一巡りさせ、その後、何回その行動をするか宣言する必要がある。これは任意の  自然数でありうる。対戦相手が何も妨害をしなければ、この行動は、宣言された  回数だけ行われる。このルールは(コインフリップやデッキシャッフルのような)  プレイヤーの支配下にない要素を含む循環で、回数ではなく条件が成立するまで  繰り返すことをプレイヤーが望んだ場合には適用されない。この場合については  ルールチームの間でも意見の一致を見ていない。今後、各トーナメントのヘッド  ジャッジによる裁定がなされる。 2.ある場合において、プレイヤーの支配下にない循環が作り出される場合がある。  例えば、Ivory Gargoyle[aR2]が、 AEther Flash《上天の閃光》が場にある時に  破壊されたならば、ターン終了時に、場に出て致死ダメージを受けて破壊される、  という終わりのないサイクルが始まる。この場合、このサイクルを示したあとで  各プレイヤーは (1)と同じように自然数を宣言する。いつも通りに、アクティブ  プレイヤーが先に宣言する。選ばれた中で最も多い回数繰り返されて止まる。  これは、これまでは特別な裁定が必要とされた「有りえない」状態を解決する。  例の、Ivory Gargoyle−AEther Flash《上天の閃光》の場合、ガーゴイルは何回  サイクルが繰り返されようと墓場にあることになる。同様に、あるプレイヤーが  Sacred Ground《聖なる場》を、他方がLand Equilibrium[lR1]を出している時、  最初のプレイヤーが過剰の土地を出した時に、土地を生贄に捧げて、それが再び  場に戻る、というサイクルを発動する。究極的には場に残ることになる。 3.幾つかの効果(特にHumility《謙虚》の物が顕著であるが、それ以外にもコピー  カードの物がそうである−この後を見よ)は、能力を除くが、効果は除かない。  エンチャントや継続的効果が、ある能力を与えているかどうかを見分けるには、  その源となるカードの特定の語を見ればよい。パーマネントが何かを『得る』と  書かれていた場合、源はパーマネントにその能力を与えている。パーマネントが  何かを『失う』と書かれていた場合は、源はパーマネントの能力を除いている。  これらのキーワードがなかったら、カードは単純にそのパーマネントに適用する  効果を生み出しているだけであり、パーマネントの能力を除いても変わらない。  例えば、《謙虚》はFlight《飛行》(飛行能力を与える)に対して働くけれども、  Pacifism《平和な心》に対しては働かない。これは、プロツアー・LAにおける  裁定の反転である。 4.呪文や能力ではなく、マジックの一般ルールに従って生じる破壊はプレイヤーに  支配されていない。特に、「レジェンドの破壊」のルールによる土地の破壊や、  致死ダメージ(タフネスの0以下への減少を含む)による土地の破壊によっては  《聖なる場》の能力を誘発しない。 5.これまで、カードが色、土地型、カード名、クリーチャータイプを指定する時は  既に存在するものの中から選ぶ必要があった。「クリーチャータイプ」について、  このルールを緩和する。今後はマジックに存在していないクリーチャータイプを  選ぶことも合法になった。とはいえ、名詞である必要はあり、マジックにおいて  その他に意味を持つ単語を選ぶことは出来ない。例えば、Volrath's Laboratory  《ヴォルラスの研究所》でPlatypusトークンを作ることは可能である。しかし、  トークンを「対戦相手」または「土地」と名付けることは出来ない。問題のある  名前を選ぶことはスポーツマンシップに反するので、トーナメントからの退場を  招くこともありうるということに注意せよ。 6.カードが場に出たときに誘発する能力には二種類の異なる型がある。一つめが、  「【このカード】が場に出たとき、」というもので、それは、そのカード自身が  場に出たときにだけ誘発される。それ以降、その能力は不活性になる。二つめが  「【パーマネントの種類】が場に出たとき、」というもので、そのカードが場に  ある限り続く継続的効果を作り、それで表される状態が起こることを観察する。  この二つめの種類の能力を持つカードはそれ自身が場に出る、あるいは、それと  同時に何かが場に出た時には誘発されない。それはそのカードがまだ場になく、  イベントを「見る」ことができないからである。  例えば、二つのMogg Bomber《モグの爆弾兵》が(Living Death《生ける屍》で) 同時に場に出た場合、どちらも誘発しない。 訂正 1.Cannibalize《共食い》は "Choose a player and two target creatures controlled by that player. Remove one of those creatures from the game and put two +1/+1 counters on the other."「プレイヤーと そのプレイヤーが 支配する対象の二つのクリーチャーを選ぶ。一方をゲームから除き、もう一方に 2つの +1/+1カウンターを乗せる」と読み替える。元の表記は、呪文の解決時に それらのクリーチャーが相異なるプレイヤーの支配下にある場合にどうするかが 不明瞭であった。この表記なら、《共食い》は、選ばれたプレイヤーの支配下の クリーチャーには有効であり、それ以外には効果を及ぼさないことがわかる。 2.Fungus Elemental《菌類の精霊》は "When Fungus Elemental comes into play, it gains ', Sacrifice a forest: Put a +2/+2 counter on Fungus Elemental' until end of turn."「菌類の精霊が場に出たとき、『<緑>,森を生贄に捧げる: 菌類の精霊に +2/+2カウンターを乗せる』能力を得る」と読み替える。 この変更はフェイジングとの奇妙な相互作用を除く。 コピーカード  カードあるいはトークンをコピーするパーマネントについての裁定は、これまで 無茶苦茶になってきていた。それらを単純にするために、ルールチームはそれらの カードについての特殊裁定の心臓部を確認して、以下の裁定と訂正で置き換える。 1.カードやトークンをコピーするとき、それはカードやトークンの基本能力を見、  他の呪文や能力による変更を無視する。その特性は、コピーしたパーマネントの  基本特性となる。多くの場合、これはコピーされるカード(またはコピーされた  トークンを作ったカードの内容)に書かれたことをそのまま受け継ぐ。しかし、  パーマネントが既に何かをコピーしたものをコピーする場合、コピーされている  特性をコピーする。同様に、パーマネントが Primal Clay《原初の土》のような  場に出るときに能力を決めるものをコピーする場合、新しく選択するのではなく  存在する特性をコピーする。 2.パーマネントが記述の上の制限(『この能力は1ターンに1回しか使えない』、  『ターンの間に<マナ合計>までしか支払うことは出来ない』など)を持つ能力を  持っており、それが同一の能力を持つ他のもののコピーとなる場合、この制限は  その能力の新しいコピーにも覆い被さる。つまり、その能力を二重化することで  制限を回避することは出来ない。 3.パーマネントが、既に場にあるレジェンドをコピーする場合、そのコピーされた  レジェンドよりも前から場に出ていたとしても、そのコピーが新しいものとして  扱い、生贄に捧げられる。 コピーカードの訂正 Clone Clone comes into play as a copy of target creature card or creature token. Clone Cloneは、 対象のクリーチャーカードまたはクリーチャートークンのコピーとして 場に出る。 Copy Artifact Copy Artifact comes into play as a copy of target artifact card or artifact token, but also counts as a global enchantment. Copy Artifact Copy Artifactは、 対象のアーティファクトカードかアーティファクトトークンの コピーとして場に出るが、全体エンチャントとしても扱う。 Dance of Many During your upkeep, pay or bury Dance of Many. When you play Dance of Many, choose target summon card. When Dance of Many comes into play, put a token creature into play and treat it as a copy of that summon card. If either Dance of Many or the token creature leaves play, bury the other. 《あまたの舞い》  あなたのアップキープに、<青青>を支払うか、またはあまたの舞いを埋葬する。 あまたの舞いをプレイするときに、対象の召喚カードを選ぶ。あまたの舞いが場に 出るとき、トークンクリーチャーを場に出し、その召喚カードのコピーとして扱う。 あまたの舞いかそのトークンクリーチャーが場を離れたとき、他者を埋葬する。 Echo Chamber 4,: An opponent chooses target creature card or creature token he or she controls. Put a token creature into play and treat it as a copy of that card or token. The token creature is unaffected by summoning sickness this turn. At end of turn, remove the token creature from the game. Play this ability as a sorcery. 《エコー室》  4, : 対戦相手は、そのプレイヤーが支配する、対象のクリーチャーカードか クリーチャートークンを選ぶ。トークン・クリーチャーを場に出し、そのカードや トークンのコピーとして扱う。そのトークンはこのターン召喚酔いに影響されない。 ターン終了時にそのトークンをゲームから取り除く。この能力はソーサリーとして 扱う。 Fork Fork resolves as a copy of target instant or sorcery spell, except that it does not copy that spell's color. When you play Fork, choose all targets required by the copy. (You cannot change other choices made by the original caster.) Fork Forkを、対象のインスタント又はソーサリー呪文のコピーとして解決する。ただし、 Forkはその呪文の色をコピーしない。Forkをプレイする時、コピーの解決に必要な 全ての対象を選ぶ(元の詠唱者による、それ以外の選択は変更できない)。 Unstable Shapeshifter Whenever any creature card or creature token comes into play, Unstable Shapeshifter becomes a copy of that card or token and gains this ability. 《不定の多相の戦士》  クリーチャーカードやクリーチャートークンが場に出た時、不定の多相の戦士は そのカードあるいはトークンのコピーとなり、このコピー能力を得る。 Vesuvan Doppelganger Vesuvan Doppelganger comes into play as a copy of target creature card or creature token, except that it does not copy that creature's color, and gains "0: Vesuvan Doppelganger loses all abilities and becomes a copy of target creature card or creature token, except that it does not copy that creature's color and gains this ability. Use this ability only during your upkeep and only once per turn." Vesuvan Doppelganger Vesuvan Doppelgangerは対象のクリーチャーカードまたはクリーチャートークンの コピーとして場に出る。ただし、Vesuvan Doppelgangerはそのクリーチャーの色を コピーせず、「0:Vesuvan Doppelgangerは全ての能力を失い、対象のクリーチャー カード あるいは クリーチャートークンの コピーとなる。 ただし、 Vesuvan Doppelgangerはそのクリーチャーの色をコピーせず、この能力を得る。この能力は あなたのアップキープの間にしか使えず、ターンに1度しか使用できない」という 能力を得る。 Volrath's Shapeshifter As long as the top card of your graveyard is a creature card, Volrath's Shapeshifter is a copy of that card with this ability and the ability "2: Choose and discard a card" added to it. Any undefined characteristics are not copied. 2: Choose and discard a card. 《ヴォルラスの多相の戦士》  あなたの墓場の一番上のカードがクリーチャーカードである限り、ヴォルラスの 多相の戦士はそのカードのコピーとなり、 この能力と「2: 手札からカードを1枚 選んで捨てる」という能力を持つ。定義されていない特性はコピーされない。 2: 手札からカードを1枚選んで捨てる。 例示  これらの変更の注目すべき影響のいくつかを示す。これは新しいルールではなく、 新しいルールを存在するカードに適用した場合の結果にすぎない。これまでの特殊 ルールを廃止したことで、変更がなされたところを示す。 1.Doppelgangerや《多相の戦士》が変形するとき、カードが場を離れることによる  誘発能力を誘発しない。同様に、前の形態の能力によって得られたカウンターや  効果は除かれない(新しい形態は今後も入場能力を誘発しない。これらの裁定は  これを変更しない)。 2.カードが、それ自身を名前によって参照する場合、カードの名前が変わろうとも  「そのカード」を意味する。これはDoppelgangerやShapeshifterに適用される。  例えば、Shapeshifterが Thalakos Dreamsower《サラカスの夢まき》になって、  コピーされたカードの能力を使った後で、別の形態に変化したときにも、対象の  クリーチャーはShapeshifterカードがタップしている限りタップされ続ける。 3.コピーカードはカードテキストに特定されている以外のそれ自身の特性を失う。  例えば、 アーティファクトクリーチャーをコピーした場合には、 召喚カードを  対象とする呪文や能力の適当な対象ではない。 4.Vesuvan Doppelgangerは、どのクリーチャーをコピーしたかを記憶しない。次の  ターンに同じクリーチャーをコピーすることが出来る。 5.Doppelgangerはアップキープコストを持つクリーチャーをコピーしている場合、  アップキープを支払うまでは変形できない。また、もし累加アップキープを持つ  クリーチャーをコピーし、その後で別の累加アップキープを持つクリーチャーに  変身した場合、古い累加アップキープカウンターを、新しい形態のアップキープ  コストに適用する。  例えば、Doppelgangerが Firestorm Hellkite《炎の嵐のヘルカイト》(cu:UR)を  コピーして、3回アップキープを支払うまでその形態であり続けて、3つの累加  アップキープカウンターを得ている。その後でSoldevi Simulacrum[iU](cu:1)に  変化した場合、次のアップキープ支払いは4マナになる。 6.Vesuvan Doppelganger、Unstable Shapeshifter《不定の多相の戦士》、Volrath's  Shapeshifter《ヴォルラスの多相の戦士》のどれかがこれらのうちの他のものを  コピーしていた場合、それの次の変化は完全に一組の能力を打ち消す。例えば、  《ヴォルラスの多相の戦士》が場にあって、グレイブヤードの一番上のカードの  《不定の多相の戦士》をコピーしている。 ここで、Grizzly Bears《灰色熊》を  召喚する。これは《不定の多相の戦士》の能力を誘発する:すべての能力を失い、  《灰色熊》をコピーし、《不定の多相の戦士》の能力を得る、となる。この結果  《ヴォルラスの多相の戦士》の絵だが、場にある限り、《不定の多相の戦士》の  機能を持つ。 7.Sleight of Mind《臨機応変》、Magical Hack《魔力改竄》その他 による効果は  コピーしない。 8.《ヴォルラスの多相の戦士》が場に出ていて、 そして、 Minion of the Wastes  《荒廃の下僕》がグレイブヤードの一番上のカードであれば、《多相の戦士》が  0/1の《荒廃の下僕》となる。 これは、コピーされたカードが場にないときには  未定義のパワーとタフネスを持つからである。 Beth "BethMo" Moursund Magic Rules Manager, Wizards of the Coast