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「双頭巨人戦」は、DCIが新しく認定した形式で、2人によるチーム2つが全て参加する1つのゲームで対戦を行なうというものです。
1つのチームがテーブルの一面につきます。それぞれのチーム内で座る順を決め、右側に座っているプレイヤーが第1プレイヤー、左側のプレイヤーが第2プレイヤーとなります。
チームごとに共用ライフ合計が存在し、30点から始められます。
2007年5月1日づけで、総合ルールに記載されている双頭巨人戦でのライフ合計の初期値は30に改訂されました(rule 606.4a 参照)。
ライフ総量以外のリソース(手札のカード、マナなど)は共用されません。
例:プレイヤーAが《栄光の頌歌》を出していても、そのチームメイトのクリーチャーは影響を受けません。
はい。チームメイトはお互いの手札を見せあい、作戦の相談をすることができます(遅延行為にならない範囲で)。ただし、チームメイトのカードやパーマネントに触ったり操作したりすることは認められていません。
筆記以外の方法なら、なんでも認められます。筆記による意思疎通は(DCIの規定で禁止されている)外部情報を見ているのと区別ができなくなるおそれがあります。
プレイヤー単位でなく、チーム単位でターンが進行します。そのチームのプレイヤー2人は、同時にターンを進行することになります。
はい。
例:《新緑の魔力》は「各プレイヤーのアップキープ開始時に、1/1で緑の苗木クリーチャー・トークンをあなたのコントロール下で場に出す」という能力があります。チーム全体でアップキープ・フェイズを行なうので、そのチームのアップキープ中に1体、相手チームのアップキープ中に1体の苗木トークンを得ます。
チーム単位で優先権が発生します。個人単位ではありません。アクティブ・プレイヤー、非アクティブ・プレイヤー順ルールは、双頭巨人戦では扱いが異なります。ターン進行中のチームがアクティブ・チーム、他方のチームが非アクティブ・チームとなります。両チームが同時に何らかの選択を行なったり行動したりする場合、まずアクティブ・チームが必要な選択を行ない、次に非アクティブ・チームが必要な選択を行なってから、行動が同時に行なわれます。
チームが優先権を持っている時なら、呪文や起動型能力をプレイしたり特別な行動を行なったりすることができます。チームの両方のプレイヤーが同時に何か行動したい場合、第1プレイヤーがその行動順を決めます。
チームのどちらのプレイヤーも行動しない場合、そのチームはパスすることになります。両方のチームが続けてパスした場合(すなわち、パスの間にどのプレイヤーも行動しなかった場合)、スタックの一番上に摘まれたオブジェクトが解決され、アクティブ・チームが優先権を得ます。続けてパスされた時にスタックが空であれば、そのフェイズやステップは終了し、次のフェイズやステップが始まります。
プレイヤーにターン(フェイズ、ステップ)を与える効果で、そのプレイヤーのチームがターン(フェイズ、ステップ)を得ることになります。ターン(フェイズ、ステップ)を飛ばす効果は、同様にそのチームのターン(フェイズ、ステップ)を飛ばします。他のプレイヤーのターンのコントロールを得る効果は、そのプレイヤーのチームのターンのコントロールを得させることになります。
それぞれのチームのクリーチャーは、一団として他のチームへ攻撃します。戦闘フェイズの間、アクティブ・チームは攻撃チームとなり、アクティブ・チームのプレイヤーはそれぞれ攻撃プレイヤーとなります。同様に、非アクティブ・チームは防御チーム、そのプレイヤーは防御プレイヤーです。
攻撃クリーチャー指定ステップの最初に、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーを指定します。攻撃クリーチャーが防御プレイヤーのいずれかに攻撃することができない場合、そのクリーチャーは防御プレイヤーに攻撃できません。アクティブ・チームの攻撃は1度で行なわれ、攻撃クリーチャーの指定は全体で適正でなければなりません。
ブロック・クリーチャー指定ステップの最初に、非アクティブ・チームはブロック・クリーチャーを指定します。防御側プレイヤーのコントロールしているクリーチャーは、攻撃クリーチャーを任意にブロックできます。防御側チームのブロックは1度で行なわれ、ブロック・クリーチャーの指定は全体で適正でなければなりません。
戦闘ダメージ・ステップの最初に、アクティブ・チームはそれぞれの攻撃クリーチャーがどのように戦闘ダメージを割り振るかを宣言します。攻撃クリーチャーが防御チームに戦闘ダメージを割り振る場合、アクティブ・チームはそのそれぞれのクリーチャーがどちらの防御プレイヤーにダメージを与えるのかを選択します。その後、防御チームが、ブロック・クリーチャーによるダメージの割り振りを宣言します。
はい。チームのライフ総計が0以下になったら、そのチームは、次に優先権が発生した時点で負けになります(これは状況起因効果です)。
そもそも、プレイヤー単位での勝敗というものは存在せず、チームとしてのみ勝敗が存在します。チームのどちらかのプレイヤーがゲームに負けたなら、チーム全体がゲームに負けることになります。チームのどちらかのプレイヤーがゲームに勝ったなら、同様に、チーム全体がゲームに勝つことになります。チームのどちらかのプレイヤーが負けにならない効果が存在した場合、そのチームが負けになることはありません。
例:双頭巨人戦で、あるプレイヤーが「あなたは、ライフ合計が0以下になることで負けにはならない」という《卓絶》をコントロールしていました。このプレイヤーのチームのライフ合計が0以下になっても、そのチームは負けにはなりません。
例:双頭巨人戦で、あるプレイヤーが、ライブラリーにカードが無いときにカードを1枚引こうとしました。このプレイヤーは負けになるので、このチーム全体がそれで負けになります。
例:双頭巨人戦で、あるプレイヤーが「あなたはゲームに敗北できない。あなたの対戦相手はゲームに勝利できない」という《白金の天使》を出していた場合、《白金の天使》が場にある限り、そのプレイヤーとそのチームメイトは負けになりませんし、相手チームは勝つことができません。
負けになります。投了した場合、そのチームの負けになります。
ダメージ、ライフ喪失、ライフ増加は、それぞれのプレイヤー個人に対して働きます。その結果が、チームの共用ライフ総量に作用します。
例:双頭巨人戦で、あるプレイヤーが「《火炎の裂け目》は全てのプレイヤーにそれぞれ4点のダメージを与える」という《火炎の裂け目》をプレイした場合、各チームは合計8点のダメージを受けます。
何らかの効果がプレイヤー1人のライフ総量を必要とする場合、そのチームの共用ライフ総量の半分(切り上げ)の値を用います。
例:双頭巨人戦で、チームの共用ライフ総量が17の時点で「《無情の碑出告》は各プレイヤーにそのプレイヤーのライフ総量の半分切り捨てのダメージを与える」という《無情の碑出告》の能力を起動した場合、そのチームのプレイヤーそれぞれのライフ総量は9として扱われ、《無情の碑出告》はそれぞれのプレイヤーに4点ずつのダメージを与え、チームは合計として8点のダメージを受け、最終的には残り9点になります。
例:双頭巨人戦で、あるプレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが50点以上である場合、あなたはゲームに勝利する」というエンチャントである《忍耐の試練》をコントロールしているとしたら、そのプレイヤーが自分のアップキープの開始時に勝利するためには、チームのライフの合計が99点以上必要です。
例:双頭巨人戦で、プレイヤーが「対戦相手のライフが10点以下のとき、《隠れ潜むジャッカル》がエンチャントである場合、3/2の猟犬・クリーチャーになる」という《隠れ潜むジャッカル》をコントロールしているときに、相手チームの残りライフが22点でどちらかの対戦相手に1点のダメージを与えたとしても、《隠れ潜むジャッカル》はクリーチャーになりません。相手チームの残りライフが20点以下である必要があります。
効果によって、チームのプレイヤーそれぞれのライフ総量がある値になる場合、結果として、チームの共用ライフ総量はその値の合計になります。
例:双頭巨人戦で、プレイヤーが「各プレイヤーのライフ総量は、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーの数に等しくなる」という《生命の律動》をプレイしたとします。チームの1人が3体、もう1人が4体のクリーチャーをコントロールしていた場合、チームのライフ合計は7となります。
プレイヤー1人のライフ総量をある特定の値にする効果は、そのプレイヤーの分のライフ総量をその値にします。チームのライフ総量は、その変動に伴って変化します。
例:双頭巨人戦で、共用ライフ総量が25点のチームのプレイヤーが、「あなたのライフ総量は20になる」という呪文をプレイした場合、そのプレイヤーの分のライフ総量は13点と考えられるので、そのプレイヤーの分のライフ総量が20点になる結果、全体で32点になります。
注:このルールに関して、総合ルールでは違う内容の記述がなされていますが、これは公式な訂正として扱います。
いいえ。マッチは1本勝負で行ないます。チームメイト同士の相談が認められ、ターンの進行が同時に行なわれるので、個人戦よりも1ゲームあたりの時間がかかると思われます。
引き分けのゲーム(勝者のいないゲーム)は1本勝負の1本としては数えません。マッチの時間が許すかぎりゲームを繰り返して行ない、勝利チームを決定します。
無作為に選ばれたチームが、最初のドローを放棄して先攻でプレイするか、後攻でプレイするかを選びます。この選択は、そのチームのプレイヤーが手札を見る前に行なわなければなりません。チームのプレイヤーのいずれかが選択前に手札を見た場合、そのチームは先攻を選んだことになります。先攻でプレイするチームは、最初のターンのドロー・ステップを飛ばします(rule 606.6b 参照)。
ゲーム開始前に、以下の手順で準備を行ないます。
1.第1プレイヤー(プレイヤーA)が右側になるように、チームのプレイヤーが並んで座ります。
2.それぞれ自分のデッキをシャッフルします(汎用トーナメント・ルール 第21節参照)
3.プレイヤーは自分のデッキを追加のシャッフルとカットのために対戦相手に渡します。
4.対戦相手がシャッフルした場合、自分のデッキをもう一度カットすることができます。
5.各プレイヤーは7枚カードを引きます。
6.各プレイヤーは、ターン順に、マリガンをするかどうかを決定します。
このマリガンの処理までで、ゲーム開始前の手順は全てです。
まず、各プレイヤーは1回「フリー・マリガン」を行なうことができます。つまり、各プレイヤーは1度だけ、手札をライブラリーに戻してシャッフルし、7枚引きなおすことができます。
「フリー・マリガン」の解決後、各プレイヤーは通常のマリガンを行なうことができます。つまり、手札をライブラリーに戻してシャッフルし、手札を1枚減らして引きなおす、という手順を望む回数繰り返すわけです。手札を残すことを選んだ場合、その手札はそのプレイヤーの開始時の手札となります。チームメイトがマリガンを繰り返す間も、そのプレイヤーはマリガンしなおすことを選ぶことはできません。先攻チームの両プレイヤーが開始時の手札を決定したら、もう一方のチームがマリガンの処理に入ります。
先攻のチームのマリガンの処理を先に行ないます(チームメイトで相談して、マリガンについての決定を行なうこともできます)。第1プレイヤーが先にマリガンを行なうかどうかを決定し、その後、他のプレイヤーが時計周りに決定します。プレイヤーは、マリガンの権利をパスした後では、選択を改めることはできません。
マッチの勝者が決まる前に制限時間が来た場合、アクティブ・チームがそのターンを終わらせ、追加の3ターンをプレイします。追加の3ターンが経過した後でもなおゲームの勝利チームが決まらなかった場合、ゲーム(およびマッチ)は引き分けになります。
例:チームYのターン中に時間切れになった場合、そのターン終了後、チームZがまず追加の第1ターンを行ない、チームYが追加の第2ターン、チームZが第3ターンを行ないます。
双頭巨人戦で用いられる形式は、スタンダード、エクステンデッド、ブロック、ヴィンテージ、レガシー、シールド・デッキ、ならびにブースター・ドラフトです。
はい。
形式に関らず、全てのトーナメント結果は単一の「多人数戦」レーティングで扱われます。
各プレイヤーのデッキは60枚以上必要で、共同デッキ構築ルールに従って構築しなければなりません。
基本土地カードを除いて、チーム全体として英語名で同名のカードは4枚までしかデッキに入れることができません。
例:双頭巨人戦のチームの1人が《帰化》を4枚使っていた場合、もう1人のプレイヤーは《帰化》をデッキに入れることができません。
個人戦の同形式と同じ制限・禁止カードを用います。ある形式で制限されているカードは、そのチーム全体で1枚しか用いることはできません。また、禁止カードを用いることはできません。
それに加えて、双頭巨人戦でだけ適用される禁止カードが制定されることがあります。詳しくはマジック・フロアルールを参照してください。
1マッチが1ゲームからなるので、サイドボードは使用できません。
DCIは、チームごとにトーナメント・パック1つとブースター4つ、あるいはブースター7つを用いることを推奨します。全てのチームは同種、同数のパックを用います。
開封したカードを用い、それぞれ40枚以上のデッキ2つを作ります。デッキに含まれるカードの枚数には上限はありません。また、チーム・個人で同名のカードを4枚以上使ってはならないというルールもありません。
1マッチが1ゲームからなるので、双頭巨人戦ではサイドボードは用いられません。プレイヤーのデッキに含まれなかったカードは、トーナメントで使用されません。
マジック総合ルール(http://mjmj.info/data/CompRules_j.html)には、双頭巨人戦に関するルールが含まれています。
マジックDCIフロアルール(http://mjmj.info/data/JPN_FR_MAG_20070220.html)に、双頭巨人戦フロアルールも含まれます。
はい。2007年6月29日〜7月1日に、アメリカ・サンディエゴで史上初の双頭巨人戦プロツアーが開催されます。この大会は、双頭巨人ブースター・ドラフト戦で行なわれる予定です。