マジック総合ルール(和訳 20200925.0 版)
このルールに関して、英語を正文とし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。
英文は http://magic.wizards.com/en/gameinfo/gameplay/formats/comprehensiverules にあります。
(このファイルの最後にも詳細は記述してあります)
このファイルは、マジック・ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、Japan Netrep *ぱお*/米村 薫 とジャッジ・コミュニティが 2020-09-30 に翻訳したものです。
この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。
もくじ
0. はじめに
1. ゲームの考え方
2. カードの部分
3. カード・タイプ
4. 領域
5. ターンの構造
6. 呪文、能力、効果
7. その他のルール
8. 多人数戦ルール
9. カジュアル変種ルール
10. 用語集
0. はじめに
この文書は、マジック・ザ・ギャザリングの競技的ゲームプレイにおける最高権威である。この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。(なお、サブルールの項番において"l"と"o"はそれぞれ"1"、"0"と似ているため欠番となっている。たとえば、rule 704.5kの次はrule 704.5m、rule 704.5n、rule 704.5p となっている。)
この文章は公開された以降に更新されることがある。最新版は https://magic.wizards.com/en/game-info/gameplay/rules-and-formats/rules からダウンロードできる。質問がある場合、http://Support.Wizards.com/ に問い合わせて回答を得ることができる。
1. ゲームの考え方
100.1. このマジックのルールは、2人ないしそれ以上のプレイヤーによるゲームに適用される。2人による対戦と、3人以上のプレイヤーによる多人数戦がある。
100.2. ゲームをするにあたって、各プレイヤーは、自分の、定形のマジックのカードで作られたデッキと、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフ総量をはっきり示す方法、を必要とする。
100.3. カジュアル変種ルールには、そのためにデザインされたカードや定形外のマジックのカード、あるいはダイスなどの追加の道具を必要とするものがある。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
100.4. 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間にデッキを調整するための追加のカードであるサイドボードを持つことが認められることがある。
100.5. デッキに特定の枚数以上のカードが含まれていなければならない場合、その枚数のことをデッキの最小枚数と呼ぶ。統率者戦以外のデッキでは、デッキの最大枚数は存在しない。
100.6. ほとんどのマジックの大会(他のプレイヤーと、賞を求めて競い合う組織化プレイ)には、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)に定められている追加のルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。(訳注:日本語版は http://mjmj.info/data/ で公開されている)
100.7. 一部のプロモカードや『Unglued』『Unhinged』『Unstable』のカードは銀枠で印刷されている。それらのカードはカジュアルなプレイのためのものであり、このルールで扱っていない機能や文章を持っていることがある。
101. マジックの黄金律
101.1. カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。
101.2. あるルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によって同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。
例:「このターン、あなたは土地を1枚追加でプレイしてよい」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地をプレイすることはできない」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。
101.3. カードの指示の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにこれの処置が明記されている。そうでなければ、なんの効果ももたらさない)
101.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行なっていく。選択の終わった後、同時に処理する。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。
例:「それぞれのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャーを1体選び、それから非アクティブ・プレイヤーがターン進行順にそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャーを1体ずつ選ぶ。その後でそれらのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。
102.1. プレイヤーとは、そのゲームに参加している各人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。他のプレイヤーのことを、非アクティブ・プレイヤーと呼ぶ。
102.2. 2人対戦においては、プレイヤーの対戦相手とはもう一方のプレイヤーのことである。
102.3. チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーはチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤーは対戦相手である。
102.4. 呪文や能力が、「あなたのチーム/your team」という表記を「あなたやあなたのチームメイト/you and/or your teammates」の省略として使うことがある。チームによる多人数戦以外のゲームにおいては、「あなたのチーム」は「あなた」と同じものを示す。
103.1. ゲームを始めるとき、どちらが先攻後攻を選ぶかを決める。マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、その方法は相互に納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定する。先攻となったプレイヤーは開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。
103.2. 開始プレイヤーを決定した後、それぞれのプレイヤーは自分のデッキを切り直し、カードが不規則な順序になるようにする。その後、対戦相手のデッキを切り直したりカットしたりしてもよい。プレイヤーのデッキは以後そのプレイヤーのライブラリーとなる。
103.3. それぞれのプレイヤーは20点の初期ライフ総量を持つ。変種ルールによっては異なるライフ総量を持つ場合もある。
103.4. 各プレイヤーは自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行なうことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行なうかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行なう。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行なう。マリガンとは、自分の手札のカードを自分のライブラリーの中に混ぜて切り直し、初期手札枚数に等しい枚数の新しい手札を引き、そしてそのカードのうちそのプレイヤーがマリガンした回数に等しい枚数を好きな順番で自分のライブラリーの一番下に置くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。プレイヤーは、最初の手札が0枚になるまではマリガンをすることができ、それ以降はそれ以上のマリガンはできない。
103.5. 開始時の手札にある場合にプレイヤーが何か処理を行なうことができるカードが存在する。マリガンの手順(rule 103.4 参照)が終わった後、開始プレイヤーはそれらの処理を好きな順番で行なってよい。その後、他のプレイヤーがターン進行順に同様の処理を行なう。
103.6. プレインチェイス戦においては、開始プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きに置く。そのカードが現象・カードだった場合、そのカードを次元デッキの一番下に置き、次元・カードがオモテ向きになるまでこの手順を繰り返す。そのオモテ向きになった次元・カードが開始次元となる。(rule 901〔プレインチェイス戦〕参照)
103.7. 開始プレイヤーのターンを始める。
104.1. いずれかのプレイヤーが勝った、またはゲームが引き分けになった、あるいはそのゲームが再び開始されたら、そのゲームは即座に終わる。
104.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。
104.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。
104.4. ゲームが引き分けとなる条件がいくつか存在する。
104.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから除外される。プレイヤーが引き分けになったら、そのプレイヤーはゲームから除外される。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから除外される場合について記述されている。rule 800.4 参照。
104.6. ゲームを再び開始するカード(《解放された者、カーン》)が存在する。再び開始されたゲームにその時点で参加している全てのプレイヤーは、即座に新しいゲームを開始する。rule 719〔ゲームを再び開始する〕参照。
105.1. マジックでいう色とは、「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
105.2. オブジェクトは、上記の5つの色のうちで1つないしそれ以上の色を持つこともあり得るし、無色であることもありうる。オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。オブジェクトの色は、色指標や特性定義能力によって定義されることもある。rule 202.2 参照。
105.3. 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトが色を得たりすることがある。効果によってオブジェクトが新しい色を得る場合、(効果に「それ(またはこれ)の他の色に加えて/in addition to its other colors」と書かれていない限り)それまでの色に関係なく、得た色だけを持つ。効果によって、色を持つオブジェクトが無色になることもある。
105.4. プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」や「無色/colorless」は色ではない。
105.5. 効果が「色2色の組/color pair」を参照する場合、それは5色のうちちょうど2色を意味する。色の組み合わせは10組存在し、白青、白黒、青黒、青赤、黒赤、黒緑、赤緑、赤白、緑白、緑青である。
106.1. マナはマジックの基礎となるリソースである。プレイヤーはマナを消費して、呪文を唱えたり能力を起動したりする場合などのコストを支払う。
106.1a 5色のマナが存在する。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
106.1b マナのタイプは6種類である。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」、ならびに「無色/Colorless」である。
106.2. マナはマナ・シンボル(rule 107.4 参照)によって表される。マナ・シンボルはマナ・コストを示すのにも使われる(rule 202 参照)。
106.3. マナはマナ能力(rule 605 参照)の効果によって生み出される。それ以外にも、呪文やマナ能力以外の能力の効果によって生み出されることもある。マナを生み出す呪文や能力は、プレイヤーにマナを加えさせる。
106.4. 効果がプレイヤーにマナを加えさせる場合、そのマナはプレイヤーのマナ・プールに置かれる。これ以降、コストを支払うために即座に使うこともできるし、未消費のマナとしてマナ・プールに残しておくこともできる。各プレイヤーのマナ・プールは、各ステップならびにフェイズの終了時に空になる。それをプレイヤーがマナを失うという。マナを生成したり未消費のマナを参照したりするカードは、オラクルで訂正され、マナ・プールという明示的な表現を使わなくなっている。
106.5. 能力が、タイプの定義されていないマナを生み出す場合、代わりに マナを生み出さない。
例:《隕石のクレーター》は「{T}: あなたがコントロールしているパーマネントの色1色を選ぶ。その色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。あなたが色のついたパーマネントをコントロールしていない場合に《隕石のクレーター》のマナ能力を起動したとしても、マナを生み出すことはない。
106.6. 呪文や能力の中には、生み出したマナをどう使うかについて限定のあるものや、そのマナを消費した呪文や能力に影響を及ぼす追加の効果を持つもの、そのマナを消費したときに誘発する遅延誘発型能力(rule 603.7a 参照)を作るものがある。それらはマナのタイプには影響を及ぼさない。
例:プレイヤーのマナ・プールに、クリーチャー・呪文を唱えるためにだけ消費できる{R}{G}がある。そのプレイヤーが《倍化の立方体》の、「{3},{T}:あなたが持つ各タイプの未消費のマナの量を2倍にする。」という能力を起動した。そのプレイヤーのマナ・プールには{R}{R}{G}{G}があり、そのうちで{R}{G}は好きな目的で使うことができる。
106.6a 置換効果の中には、呪文や能力が生み出すマナの量を増加させるものがある。その場合、その呪文や能力によって作られるあらゆる制限や追加効果は、生み出されたマナ全てに適用される。呪文や能力が、そのマナが消費されたときに誘発する遅延誘発型能力を作る場合、それぞれのマナごとに別々の遅延誘発型能力が作られる。呪文や能力が、そのマナが消費された場合に継続的効果や置換効果を作る場合、それぞれのマナごとに別々の効果が作られる。
106.7. 他のパーマネントが生み出すことができるマナのタイプによってマナを生み出す能力がある。「生み出すことができる/could produce」マナのタイプとは、そのパーマネントの能力がその時点で解決され、すべての存在する置換効果が適用されたとして生み出されるマナのタイプのことである。その能力のためのコストが支払えるかどうかは考慮しない。そのパーマネントがマナを生み出さない場合、あるいは生み出すマナのタイプが定義されない場合、どのタイプのマナも生み出すことはできない。
例:《風変わりな果樹園》は「{T}:対戦相手がコントロールしている土地が生み出すことのできる色1色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。対戦相手が土地をコントロールしていなかった場合、《風変わりな果樹園》のマナ能力を起動してもマナを生み出すことはできない。これは、あなたと対戦相手がそれぞれ《風変わりな果樹園》だけを出している場合も同じである。ただし、あなたがそれに加えて《森》をコントロールしていた場合、あなたの《風変わりな果樹園》も対戦相手の《風変わりな果樹園》も{G}を生み出すことができる。
106.8. 何らかの効果が混成マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合には、そのプレイヤーがそのシンボルのいずれか半分を選ぶ。色 マナである半分を選んだ場合、その色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の不特定マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.9. 何らかの効果がファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合には、そのシンボルの色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.10. 効果が、不特定マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.11. 効果が、1個以上の氷雪マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.12. 「マナを引き出す目的で[パーマネント]をタップする/tap [a permanent] for mana」とは、そのパーマネントの、起動コストに{T}シンボルを含むマナ能力を起動するということを意味する。rule 605〔マナ能力〕参照。
106.13. あるカード(《魔力奪取》)が、あるプレイヤーの持つ未消費のマナ全てを失わせ、他のプレイヤーに「これによって失われたマナ」を加えることがある(同一のプレイヤーでも構わない)。これは、前者のプレイヤーのマナ・プールを空にし、この方法で空にされたマナを後者のプレイヤーのマナ・プールに入れるということを意味する。どのパーマネント、呪文、能力によって作られたかということは変更されず、そのマナに課せられている制限や追加の効果も変更されない。
107.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。
107.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージを与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。
107.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数と0だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージを与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーのパワーなど、ゲーム中に値として負の数が存在することはありうる。計算や比較のために負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。効果の結果を定める計算の結果が負の数になった場合、その効果が、プレイヤーのライフ総量やクリーチャーヤクリーチャー・カードのパワーやタフネスを、倍にしたり特定の値にしたりするものでない限り、0として扱う。
例:3/4クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/4になり、戦闘ではダメージを割り振らない。パワーとタフネスの合計は2である。+3/+0の修整を与えると、パワーは1になる。
例:《ヴィリジアンの社交家》は1/2クリーチャーで、「{T}:ヴィリジアンの社交家のパワーに等しい点数の{G}を加える。」という能力を持つ。効果によって-2/-0されていた場合、この能力を起動してもあなたのマナ・プールにマナが加えられることはない。
例:《カメレオンの巨像》は4/4クリーチャーで、「{2}{G}{G}:ターン終了時まで、カメレオンの巨像は+X/+Xの修整を受ける。Xはこれのパワーに等しい。」の能力を持つ。効果によって-6/-0された後でこの能力を起動した場合、これは-2/4クリーチャーのままである。-4/2になるわけではない。
107.1c ルールや能力がプレイヤーに「望む数/any number」を選ばせる場合、そのプレイヤーは、0以上の任意の整数を選ぶことができる。
107.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、代わりに0を用いる。
107.3. 多くのオブジェクトは、まだ決定されていない数を必要とする部分にXの文字を用いている。オブジェクトによっては、Xの値を定義する能力が存在する。それ以外の場合、そのコントローラーがXの値を選ぶ。
107.4. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成マナ・シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪シンボル{S}の総称である。
107.5. タップ・シンボルは{T}である。起動コストに含まれるタップ・シンボルは、「このパーマネントをタップする」ということを意味する。既にタップ状態のパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.6. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストに含まれるアンタップ・シンボルは、「このパーマネントをアンタップする」ということを意味する。既にアンタップ状態のパーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.7. プレインズウォーカーの起動型能力は、それぞれ、忠誠シンボルをコストに持つ。プラスの忠誠シンボルは上向きの矢印であり、中にプラスのついた数字を含む。マイナスの忠誠シンボルは下向きの矢印であり、中にマイナスのついた数字またはXを含む。中性の忠誠シンボルは上向きでも下向きでもなく、中に0を含む。[+N]は「このパーマネントの上にN個の忠誠カウンターを置く」を、[-N]は「このパーマネントの上からN個の忠誠カウンターを取り除く」を、[0]は「このパーマネントの上に0個の忠誠カウンターを置く」をそれぞれ意味する。
107.8. Lv系カードの文章欄には2つのLvシンボルが含まれており、そのそれぞれは常在型能力を意味するキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。rule 710〔Lv系カード〕参照。
107.9. オデッセイ・ブロックのカードで、カード名の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに機能する能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。
107.10. 未来予知セットに含まれる「ミライシフト」カードでは、左上隅にタイプ・アイコンが描かれている。カード・タイプが1つである場合、アイコンでそのタイプを示している。クリーチャーなら鈎爪、ソーサリーなら炎、インスタントなら稲妻、エンチャントなら日の出、アーティファクトなら聖杯、土地なら連峰のアイコンが用いられている。複数のカード・タイプを含むカードでは、白と黒の線が交差した記号が用いられている。これらのアイコンは、ゲーム的には意味を持たない。
107.11. プレインズウォーカー・シンボルは{PW}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.12. カオス・シンボルは{CHAOS}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれており、また、次元ダイスを振った結果を参照する能力にも使われている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.13. 色指標とは、一部のカードのタイプ行左端に記されている円形のシンボルのことである。このシンボルの色によってカードの色が定義される。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.14. エネルギー・シンボルは{E}である。これはエネルギー・カウンター1個を表す。{E}を支払う場合、プレイヤーは自分の持つエネルギー・カウンターを1個取り除く。
107.15. 英雄譚の文章欄には章シンボルが含まれており、そのそれぞれは誘発型能力を示すキーワード能力である。章シンボルはローマ数字を含んでおり、ここでは「rN」で記す。章シンボルの右の区切られた文章欄に書かれた文章は、それの表す誘発型能力の効果である。rule 714〔英雄譚・カード〕参照。
107.15a 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がこれまでN未満でN以上になった場合、[効果]。」を意味する。
107.15b 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。
108.1. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース http://gatherer.wizards.com/ で参照できる。
108.2. ルールや文章に「カード」と記されていた場合、マジックのカードか、マジックのカードによって表されているオブジェクトを指す。
108.2a ほとんどのマジックのゲームにおいては、2.5インチ(6.3cm)×3.5インチ(8.8cm)ほどの大きさの、定形のマジックのカードだけを用いる。一部のフォーマットでは、より大きいサイズで裏面の異なる定形外のマジックのカードが含まれる。
108.2b トークンは、カード大のゲーム補助物品によって示されていたとしても、ルールの適用に関してはカードとしては扱わない。
108.3. カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤーのことである。ゲーム中に外部から加えられたカードがあった場合、それについてはそれを加えたプレイヤーのことである。ゲーム開始時点で統率領域にカードがある場合、それについてはそのカードを統率領域に置いたプレイヤーのことである。法律上の所有権はアンティを除いてゲームのルール上は考慮しない(rule 407 参照)。
108.4. カードは、そのカードがパーマネントや呪文を表していない限り、コントローラーを持たない。パーマネントや呪文を表している場合、コントローラーはそれらのルールによって決定される。rule 110.2 および rule 112.2 参照。
108.5. 定形外のマジックのカードは、統率領域(rule 408 参照)以外にある状態でゲームを開始することはできない。何らかの効果が定形外のマジックのカードをゲーム内に持ち込む場合、その効果は発生しない。そのカードはゲームの外部にあり続ける。
108.6. カードについての追加の情報は、rule 2〔カードの部分〕参照。
109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、紋章のことである。
109.2. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」「計略/Scheme」という単語なしでカード・タイプやサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、戦場に出ているそのカード・タイプやサブタイプのパーマネントのことを意味する。
109.3. オブジェクトの特性とは、カード名、マナ・コスト、色、色指標、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、ルール文章、能力、パワー、タフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのオーナーおよびコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。
109.4. スタックか戦場にあるオブジェクトだけにコントローラーが存在する。どちらの領域にもないオブジェクトは、どのプレイヤーにもコントロールされていない。rule 108.4 参照。このルールには6つの例外がある。
109.5. オブジェクトに記されている「あなた/You」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーがそれをプレイしたり唱えたり起動したりしようとしている最中なら)コントローラーになる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(戦場にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力を起動したプレイヤーを指す。遅延誘発型能力を除く誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
110.1. パーマネントとは、戦場に出ているカードやトークンのことである。パーマネントは無期限に戦場に残り続ける。カードやトークンは、戦場に出たときにパーマネントとなり、戦場から他の領域に効果やルールによって移動したときにパーマネントでなくなる。
110.2. パーマネントのオーナーは、それを表すカードのオーナーである。(ただしトークンの場合については rule 111 参照。)パーマネントのコントローラーは、通常、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。パーマネントには必ずコントローラーが1人存在する。
110.3. トークンでないパーマネントの特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
110.4. パーマネント・タイプは5つ存在し、「アーティファクト/artifact」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「土地/land」「プレインズウォーカー/planeswalker」である。インスタント・カードやソーサリー・カードは戦場に出ることはできないので、パーマネントになることはあり得ない。部族・カードが戦場に出ることができるかできないかは、それ以外のカード・タイプによる。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
110.5. パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、オモテ向き/裏向き、フェイズ・イン/フェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。
111.1. 効果によってトークンが戦場に出ることがある。トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである。
111.2. トークンを生成したプレイヤーがそのオーナーである。トークンはそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出る。
111.3. トークンを生成する呪文や能力がトークンの特性の値を定める場合、その値はトークンの「文章」になる。この方法で定義された特性値は、カードに記載されている値と機能的に同値である。たとえば、これによって定められた特性値はトークンのコピー可能な値である。トークンは、それを生成した呪文や能力によって定義されていない特性を持たない。
例:《翡翠の魔道士》は「{2}{G}: 緑の1/1の苗木クリーチャー・トークンを1体生成する」という能力を持つ。これによって生成されたトークンは、マナ・コストや特殊タイプ、ルール文章、能力を持たない。
111.4. トークンを生成する呪文や能力が、そのトークンのカード名とサブタイプを定める。特に書かれていない限り、トークンのカード名は、そのサブタイプと同じである。例えば、ゴブリン・スカウト・クリーチャー・トークンはゴブリン・スカウトというカード名であり、クリーチャー・タイプはゴブリンとスカウトの二つとなる。トークンが戦場に出た後では、カード名が変わってもサブタイプは変わらない。その逆も同じである。
111.5. 呪文や能力がトークンを生成する場合、何らかのルールや効果によってそのトークンの特性のうち1つ以上を持つパーマネントが戦場に出ることができなくなっていたら、そのトークンは生成されない。
111.6. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのカード・タイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(マジックのカードと同じ裏面であったり、マジックのパックから出てきたものであったりしても)カードとしては扱われない。
111.7. 戦場以外の領域に存在するトークンは、消滅する。これは状況起因処理である。rule 704 参照。(トークンが領域を移動した場合、消滅する前に、それによる誘発型能力は誘発する)
111.8. 戦場を離れたトークンは、他の領域に移動することもないし、戦場に戻ることもない。そのようなトークンが領域を変更しようとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因処理をチェックする時点で、消滅する。rule 704 参照。
111.9. 効果の中に、プレイヤーに伝説の トークンを生成するように指示するものがある。それらは、「create [name], a ...」としてそのトークンの特性を列記していることがある。これは、与えられた名前を持ち列記された特性を持つトークンを生成するという指示と同じである。(日本語版では、「「〇〇」という名前の...トークンを1体生成する。」というテンプレートに統一されたままです。)
111.10. 効果の中に、定義済みのトークンを生成するように指示するものがある。それらの効果は、生成されるトークンの特性を決定するにあたって下の定義を用いる。定義済みのトークンを生成する効果は、その定義済みの特性を変更したり何かを追加したりすることがある。
111.11. パーマネント呪文のコピーは、その解決に際してトークンになる。そのトークンは、そのトークンになった呪文の特性を持つ。トークンを生成することに言及した置換効果や誘発型能力からは、そのトークンは「生成」されたものとしては扱われない。
112.1. 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)、カードは呪文になり、オーナーの手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405〔スタック〕参照)。呪文は解決されるか(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6〔呪文、能力、効果〕参照。
112.2. コピーでない呪文のオーナーは、その呪文を表現しているカードのオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。呪文のコントローラーは、通常、それをスタックに積んだプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。
112.3. コピーでない呪文の特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
112.4. 効果によってパーマネント呪文の特性が変更された場合、その効果はその呪文が解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。
例:効果が黒のクリーチャー・呪文を白にした場合、そのクリーチャーが戦場に出るときにも白であり、その色を変える効果が残っている限り白であり続ける。
113.1. 能力は以下の3つのいずれかである。
113.2. 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を及ぼすことがある。他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。
113.3. 能力は大別して4つの区分に分けられる。
113.4. 起動型能力や誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力はスタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605〔マナ能力〕参照。
113.5. 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネントの忠誠度能力を起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
113.6. インスタントまたはソーサリー・呪文の能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。
113.7. 能力の発生源は、それを作ったオブジェクトである。スタックにある起動型能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発型能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。
113.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。放蕩紅蓮術士はそれに1点のダメージを与える」)。このような場合、起動型能力を宣言したり誘発型能力をスタックに置いたりする時点でその発生源の情報を参照する起動型能力や誘発型能力は、その能力がスタックに置かれる時点でそれらの情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行なう。
113.8. スタックにある起動型能力のコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力のコントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力が誘発した時のその能力の発生源のオーナーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
113.9. スタックにある起動型能力や誘発型能力は呪文ではないので、呪文を打ち消すものによっては打ち消されない。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、能力を打ち消すと書かれている効果によって打ち消される。常在型能力はスタックを用いないので、打ち消されることはない。
113.10. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」もしくは「持つ/have」などと書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。
113.11. 効果によって、オブジェクトは特定の能力を得なくなることがある。それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「持つことができない/can't have」と書かれている。もしオブジェクトがその能力を持っている場合、その能力を失う。また、効果によってその能力をそのオブジェクトに得させることもできない。呪文や能力の解決がその特定の能力をそのオブジェクトに得させる継続的効果を作る場合、その継続的効果のその部分は適用されないが、その継続的効果の他の部分は適用され、またその解決された呪文や能力の作る他の継続的効果は作られる。常在型能力によって作られた、その特定の能力を得させる継続的効果は、そのオブジェクトに適用されない。
113.12. オブジェクトの特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクトが能力を「得る」もしくは「持つ」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性値]である/[permanent] is [characteristic value]」)、それは能力を得させることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトがある性質を得た場合(「[パーマネント]はブロックされない」)、それは能力を得させもしないし特性を定義することもない。
例:《ムラガンダの印刻》は「能力を持たないクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」と書かれている。《ルーン爪の熊》(能力を持たないクリーチャー)が「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」と書かれたオーラでエンチャントされている場合、+2/+2の修整を受けることはない。「エンチャントされているクリーチャーは赤である」あるいは「エンチャントされているクリーチャーはブロックされない」と書かれたオーラでエンチャントされている場合、変わらず+2/+2の修整を受ける。
114.1. 効果によって、紋章が統率領域に置かれることがある。紋章とは、1つまたはそれ以上の能力を持つオブジェクトを表すマーカーであり、それ以外の特性は持たない。
114.2. 紋章を生成する効果は「[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を得る。/[Player] gets an emblem with [ability]」と書かれる。これは、[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を統率領域に置くことを意味する。紋章のオーナーはそのプレイヤーであり、そのプレイヤーがその紋章をコントロールする。
114.3. 紋章は、それを生成した効果によって定義された能力以外の特性を持たない。紋章はカード名を持たず、カード・タイプを持たず、マナ・コストを持たず、色を持たない。
114.4. 紋章の能力は統率領域で機能する。
114.5. 紋章はカードでもパーマネントでもない。「紋章」はカード・タイプではない。
115.1. 呪文や能力の一部は、そのコントローラーに1つかそれ以上の対象を選ばせる。対象とは、その呪文や能力が影響を及ぼす、オブジェクトやプレイヤーである。それらの対象は呪文や能力をスタックに積む行程の一部として宣言される。対象は、他の呪文や能力によって指示されない限り、変更することはできない。
115.2. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、(a) その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、(b) 呪文や能力のように戦場に存在することがありえないオブジェクトを対象とするときだけである。rule 115.4 参照。
115.3. 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」あるいは「[性質]N個か[性質]M個」などとしてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクトやプレイヤーを(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。この規定は、呪文や能力の対象を選ぶときと、呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりするとき(rule 115.7 参照)の両方に適用される。
115.4. 英語版では、ダメージ関連の呪文や能力の中に、「target [something]」ではなく、「any target」や「another target」、「two targets」などを取るものがある。これらの対象は、クリーチャーかプレイヤーかプレインズウォーカーでありうる。クリーチャーでないアーティファクトや呪文など、その他のゲーム上のオブジェクトは選択できない。日本語版では、それらは書き下され、「クリーチャーN体かプレインズウォーカーN体かプレイヤーN人を対象とする。」というような表現になっている。
115.5. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不適正である。
115.6. 対象を取りうる呪文や能力には、0個の対象を選べるものもある。そのような呪文や能力も対象を取りうる呪文や能力ではあるが、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。
115.7. 呪文や能力の効果を変更することを認める効果や、呪文や能力の対象を新しく選ばせる効果が存在する。
115.7a 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」場合、呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象がすでに不適正になっていたとしても、元の対象がそのまま対象になったままになる。対象すべてを適正な別の対象に変更できない場合、それらの対象はすべて変更されずに元のまま残る。
115.7b 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「対象1つを変更する/change a target」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)1つだけを変更することができる。
115.7c 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「任意の対象を変更する/change any targets」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)任意の一部を変更することができる。
115.7d 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「新しい対象を選ぶ/choose new targets」場合、そのプレイヤーはその現在の対象のうち望む数を、それが不正な対象であったとしても、そのままに残しておいてもよい。プレイヤーが新しく選んだ対象は適正でなければならないし、そのままに残してある対象を不適正にするものであってはならない。
115.7e 呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりする場合、その変更が適正かどうかを判断するためには最終的に定められた対象だけを確認する。
例:「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人と、他のクリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。電弧の痕跡はその前者に2点のダメージを与え、その後者に1点のダメージを与える。」というソーサリー《電弧の痕跡》の現在の対象が、順に《ルーン爪の熊》と《ラノワールのエルフ》であるとする。あなたが「呪文1つを対象とする。あなたはそれの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《移し変え》を《電弧の痕跡》を対象に唱えた場合、1つめの対象を《ラノワールのエルフ》に、2つめの対象を《ルーン爪の熊》に変えることができる。
115.7f 呪文や能力は、1つ以上のものを対象として(ダメージやカウンターなどの)効果を「分割/divide」したり「分配/distribute」したりすることがある。その種の呪文や能力のための対象を変更したり新しく選んだりする場合、元の分割を変更することはできない。
115.8. モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。モードを持つ呪文や能力の対象を変更したり新しく選んだりする効果によっては、そのモードは変更されない。(rule 700.2 参照)
115.9. オブジェクトの中には、他の呪文や能力が対象を取るかどうかを見るものがある。文章によって、それがチェックするのは対象の現在の状態であるか、あるいは選ばれた時点での状態であるか、その両方を見るかが違う。
115.9a 「単一の対象を持つ[呪文や能力]/[spell or ability] with a single target」を見るオブジェクトは、その呪文や能力がスタックに積まれた時点で合計何回オブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれたかを数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。同一のオブジェクトやプレイヤーが複数回対象として選ばれていた場合、それぞれを別々に数える。
115.9b 「[何か]を対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets [something]」を見るオブジェクトは、その呪文や能力の対象がその時点でどうなっているかを見る。対象にしたオブジェクトが元あった領域に存在し、あるいは対象にしたプレイヤーがまだゲームに残っているのであれば、その対象がその呪文や能力にとって不適正になっていたとしても、その現在の情報を用いる。オブジェクトがその領域になくなっていたり、プレイヤーがゲームに存在しなくなっているのであれば、その対象は無視され、最後の情報は用いられない。
115.9c 「[何か]のみを対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets only [something]」は、その呪文や能力がスタックに積まれたときにいくつの異なったオブジェクトやプレイヤーを対象として選んだか(その後対象を変更する効果によって変更されたものも含む)を数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。その数が1であれば(その呪文や能力が同一のオブジェクトやプレイヤーを複数回対象にしていても)その呪文や能力の対象は、rule 115.9b に書かれている通りにチェックされる。
115.10. 呪文や能力は、対象にしていないオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼすことがある。一般に、その種のオブジェクトやプレイヤーは呪文や能力の解決時まで選択されない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
116.1. 特別な処理は、プレイヤーが優先権を持っているときに行なう、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に作る、ターン起因処理や状況起因処理と混同してはならない。(rule 703〔ターン起因処理〕、rule 704〔状況起因処理〕参照)
116.2. 特別な処理には、以下の9つがある。
116.3. プレイヤーが特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。
117. タイミングと優先権
117.1. 呪文や能力がいずれかのプレイヤーに何か処理を行なうよう指示していない限り、ある時点でどちらのプレイヤーが処理を行なえるかは、優先権のシステムによって決定される。優先権を持つプレイヤーは呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。
117.2. 他の能力や処理は、ゲームのルールによって自動的に作られたり実行されたりするか、または優先権を得ることなくプレイヤーによって実行される。
117.3. どちらのプレイヤーが優先権を持っているかは、以下のルールによって定められる。
117.4. 全てのプレイヤーが続けてパス(すべてのプレイヤーが何も処理を行なわずにパスすることをそう言う)した場合、スタックの一番上のオブジェクトが解決される。この時点でスタックが空の場合、そのフェイズやステップは終了する。
117.5. いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、ゲームはまず該当する状況起因処理を単一のイベントとして行なう(rule 704〔状況起因処理〕参照)。状況起因処理が一つも発生しなくなるまでチェックが繰り返される。その後、誘発型能力がスタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。この手順は、それ以上の状況起因処理が発生せず、能力が誘発しない状態になるまで繰り返される。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。
117.6. 「共有チーム・ターン」選択ルールにおいて、個人ではなくチームが優先権を得る。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
117.7. 優先権を持つプレイヤーが、他の呪文や能力がスタックにある間に呪文を唱えたり起動型能力を起動したりした場合、新しい呪文や能力は、その前の呪文や能力に「対応して」唱えられ、あるいは起動された、という。新しい呪文や能力は、一番最初に解決されることになる。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
118.1. コストとは、他の処理をするため、あるいは他の処理を妨げるために必要な処理や支払いのことである。コストを支払うとは、プレイヤーがそのコストを含む呪文、能力、効果で特定されている指示を実行することである。
118.2. コストにマナの支払いが含まれる場合、コストを支払うプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る。呪文を唱えたり起動型能力を起動したりするためのコストの支払いは、rule 601.2f-h に示された手順を取る。
118.3. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持たずにそのコストを支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフをコストとして支払うことはできないし、タップ状態のパーマネントをタップすることでコストを支払うことはできない。rule 202〔マナ・コストと色〕、rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
118.4. コストの中に{X}やXが含まれることがある。rule 107.3 参照。
118.5. コストが{0}によって表されていたり、{0}にまで減少したりすることがある。その類のコストを支払うためにプレイヤーが取らなければならない処理は、支払うことを宣言するだけである。コストの支払いにリソースが必要ないが、自動的に支払われるわけではない。
118.6. マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これは、支払うことができないコストを意味する。能力も、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ・コストを元にコストを決めた場合に、支払うことができないコストを持つことがある。支払うことができないコストを持つ呪文を唱えたり、能力を起動したりすることは適正な処理であるが、支払うことのできないコストを支払おうとすることは不適正な処理である。
118.7. プレイヤーが実際に支払うコストは、効果によって変更されたり減らされたりすることがある。コストのマナ部分がコスト減少効果によってまったくなくなった場合、{0}として扱う。そうして変更されたコストを支払うことは、元のコストを支払ったのと同じように扱う。
118.8. 呪文や能力の一部は追加コストを持つ。追加コストは、呪文のルール文章に記されているコスト、あるいは他の効果によって呪文や能力に適用されるコストであり、呪文のマナ・コストあるいは能力の起動コストを支払うのと同時にそのコントローラーが支払わなければならない。キーワードとして記される追加コストも存在する。rule 702 参照。
118.9. 代替コストを持つ呪文が存在する。代替コストは呪文の文章に記されているか、または他の効果によって適用されるコストで、そのコントローラーが呪文のマナ・コストを支払うのではなく支払うことができるコストのことである。代替コストは「あなたは[このオブジェクトの]マナ・コストを支払うのではなく[処理]してもよい/You may [action] rather than pay [this object's] mana cost」あるいは「あなたは[このオブジェクトを]そのマナ・コストを支払うことなく唱えてよい/You may cast [this object] without paying its mana cost.」と書かれている。キーワードとして記される代替コストも存在する。rule 702 参照。
118.10. コストの支払いは、1つの呪文、能力、効果に対してしか適用できない。たとえば、プレイヤーはクリーチャーを1体だけ生け贄に捧げることで、2つのパーマネントがそれぞれ持つ、コストにクリーチャーを1体生け贄に捧げなければならない起動型能力を起動することはできない。また、呪文や能力の解決は、効果の一部が他の呪文や能力のコストとして求められていることと同じであっても、そのコストを支払ったことにはならない。
118.11. コストを支払うための処理は、効果によって修整されることがある。その結果、実際の処理が表記されている内容と一致しなくても、そのコストは支払われたものとして扱う。
例:累加アップキープ・コストとして「カードを1枚引く」というものを持つエンチャント、《精神の渦》と「あなたがカードを引くなら、代わりに、あなたはそのドローを飛ばしてもよい。」という能力を持つ《片意地な使い魔》をコントロールしている時、そのプレイヤーは《精神の渦》の累加アップキープ・コストを支払うことを選んだ上でカードを引かないことを選んでもよい。その場合でも、累加アップキープ・コストは支払われたものとして扱う。
118.12. 呪文や起動型能力、誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[Do something]. If [a player] [does, doesn't or can't], [effect]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[A player] may [do something]. If [that player] [does, doesn't, or can't], [effect]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文や能力の解決時に支払う。「[そうした(しなかった)]なら」という節は、そのプレイヤーがその選択的コストを支払うことを選んだり、あるいは選択的でないコストを支払い始めたりしたかどうかをチェックする。実際にどのようなイベントが発生したかは問わない。
例:あなたが「プレイヤーが呪文1つを唱えたとき、行き詰まりを生け贄に捧げる。そうしたなら、そのプレイヤーの各対戦相手は、カードを3枚引く。」というエンチャント、《行き詰まり》をコントロールしている。ある呪文が唱えられて《行き詰まり》の能力が誘発したあと、《行き詰まり》を追放する別の能力を起動したとしたら、《行き詰まり》の能力が解決された時点で「行き詰まりを生け贄に捧げる」というコストを支払うことはできないので、どのプレイヤーもカードを引くことはない。
例:対戦相手が「このターン、クリーチャーが対戦相手のコントロール下で戦場に出るなら、代わりにそれはあなたのコントロール下で戦場に出る。」という呪文《標本集め》を唱えた。一方、あなたは「偽皮操りがオモテ向きになったとき、あなたは『あなたの手札にある変異を持つクリーチャー・カードを1枚、オモテ向きに戦場に出す。』を選んでもよい。そうしたなら、偽皮操りをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ変異持ちクリーチャー《偽皮操り》を裏向きでコントロールしている。《偽皮操り》をオモテ向きにし、変異を持つクリーチャー・カードを1枚手札から選び、戦場に出そうとする。《標本集め》の効果によってそのクリーチャーは対戦相手のコントロール下で戦場に出るが、コストを支払うことを選んだので、《偽皮操り》はオーナーの手札に戻る。
118.12a カードの中には「[あるプレイヤーが別の処理]しないかぎり、[処理]する/[Do something] unless [A player does something else]」と書かれているものがある。これは「[あるプレイヤーは別の処理]してもよい。そうしないなら、[処理]する/[A player may do something else]. If [that player doesn't], [do something]」というのと同じ意味である。
118.12b 効果の中にはプレイヤーに領域から探すかどうかを選ばせ、その領域で見つけたカードに追加の処理を行なわせ、その後に「[プレイヤーが]そうしたなら/If [a player] does」節が続くものがある。この節はプレイヤーが探すことを選んだかどうかをチェックするものであり、そのプレイヤーが追加の処理を行なったかどうかを参照するものではない。
118.13. コストの中には、混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルなど、複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルを含むものがある。
119.1. 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点である。変種ルールの中にはこれと異なる初期ライフ総量を定めるものもある。
119.2. プレイヤーに与えられたダメージは、通常、そのプレイヤーのライフをその量だけ失わせる。rule 120.3 参照。
119.3. 効果がプレイヤーにライフを得させたり失わせたりする場合、そのプレイヤーのライフ総量はそれだけ変動する。
119.4. コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはライフ総量がその値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけライフ総量が減少する、つまり、プレイヤーはその支払った分のライフを失う。(プレイヤーはいつでも0点のライフを支払うことができる。)
119.5. 効果がプレイヤーのライフ総量を特定の値にする場合、そのプレイヤーはライフ総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。
119.6. プレイヤーのライフ総量が0以下になった場合、そのプレイヤーは状況起因処理としてゲームに負ける。rule 704 参照。
119.7. 効果によってプレイヤーがライフを得られない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフ総量が多いプレイヤーとライフ総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフ総量が多くなるような新しいライフ総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを得させることを含むコストは支払うことができず、そのプレイヤーがライフを得るイベントを置換する置換効果は何もしない。
119.8. 効果によってプレイヤーがライフを失わない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフ総量が少ないプレイヤーとライフ総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフ総量が少なくなるような新しいライフ総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを支払わせることを含むコストは支払うことができない。
119.9. 「[プレイヤー]がライフを得るたび……/Whenever [a player] gains life, ...」という誘発型能力は、「いずれかの発生源が[プレイヤー]にライフを得させるたび……/Whenever a source causes [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得た場合、ライフを得るイベントは発生せず、従ってこの種の能力は誘発しない。
119.10. 「[プレイヤー]がライフを得るなら、……/If [a player] would gain life, ...」という置換効果は、「発生源が[プレイヤー]にライフを得させるなら、……/If a source would cause [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得る場合、ライフを得るイベントは発生せず、この種の効果は適用されない。
120.1. オブジェクトはクリーチャー、プレインズウォーカー、プレイヤーにダメージを与えることができる。一般に、ダメージはダメージを受けるオブジェクトまたはプレイヤーに不利な影響を与える。ダメージを与えたオブジェクトはそのダメージの発生源である。
120.2. いずれのオブジェクトもダメージを与えることができる。
120.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。
120.4. ダメージは4つの手順で処理される。
120.5. クリーチャーやプレインズウォーカーが受けたダメージは、それを破壊しない。同様に、その発生源が破壊するわけでもない。そのパーマネントが受けたダメージの結果によってクリーチャーやプレインズウォーカーを破壊、あるいは他の方法でオーナーの墓地に置くのは、状況起因処理である。rule 704 参照。
例:プレイヤーが「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。」というインスタント、《稲妻》を、2/2クリーチャーを対象として唱えた。《稲妻》がそのクリーチャーに3点のダメージを与えた後、そのクリーチャーは状況起因処理によって破壊される。《稲妻》や、それの与えたダメージがそのクリーチャーを破壊したわけではない。
120.6. クリーチャーが負ったダメージは、そのパーマネントがクリーチャーでなくなったとしても、クリンナップ・ステップまで残る。クリーチャーが負ったダメージの合計がそのタフネス以上になったら、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたことになり、状況起因処理として破壊される(rule 704 参照)。パーマネントが負ったダメージは、再生する(rule 701.15〔再生する〕参照)か、あるいはクリンナップ・ステップの間に(rule 514.2 参照)取り除かれる。
120.7. ダメージの発生源とは、それを与えたオブジェクトである。効果によってプレイヤーがダメージの発生源を選ぶ場合、パーマネントか、スタックにある呪文(パーマネント呪文を含む)か、スタックにあるオブジェクトや適用を待つ置換・軽減効果や誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しない場合であっても)か、あるいは統率領域にあるオモテ向きのオブジェクトを選ぶことができる。ダメージを与えることができない発生源も、適正な選択となりうる。rule 609.7 参照。
120.8. 発生源が0点のダメージを与える場合、それはダメージを与えない。ダメージを与えたことによって誘発する能力は誘発しない。その発生源によって与えられたダメージを増加させる、あるいはその発生源にそのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果は置換するイベントがないので何も効果を持たない。
120.9. 特定の発生源から受けるダメージによって誘発する能力で、その効果が「受けたダメージ」に言及している場合、それはその特定の発生源から受けたダメージだけに言及しており、他の発生源によって同時に与えられたダメージには言及していない。
121.1. プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を自分の手札に入れるということである。これは各プレイヤーのドロー・ステップに、ターン起因処理として行なわれる。また、これは呪文や能力の、コストや効果としても行なわれる。
121.2. カードを同時に引くことができるのは1枚だけである。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードを引くことを繰り返す。
121.3. プレイヤーのライブラリーにカードがない状態で効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことができる。一方、カードを引くことができないという効果がある状況下で、他の効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことはできない。
121.4. カードがないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にゲームに負ける。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
121.5. 効果が「引く/draw」という語を使わずにプレイヤーのライブラリーからそのプレイヤーの手札に動かす場合、そのプレイヤーはそのカードを引いてはいない。これは、カードを引くことで誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果がある場合、またはそのプレイヤーのライブラリーが空である場合に違いが生じる。
121.6. カードを引くことを置換する効果が存在する。
121.7. 置換効果や軽減効果によってカードが引かれることがある。その場合、元のイベントの中でこの効果によって置換されなかった部分があれば、その部分が先に処理され、その後でカードが1枚ずつ引かれる。
121.8. 呪文が唱えられている間に他の呪文や能力がカードを引かせた場合、その引いたカードはその呪文が唱え終わる(rule 601.2i 参照)か唱える手順が巻き戻される(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照)まで裏向きのままである。裏向きである間、それは特性を持たないものとして扱う。これは能力の起動に関しても同じである。効果によってプレイヤーが引くカードを公開する(または公開してもよい)場合、そのカードは呪文が唱えられたあと、あるいは能力が起動されたあとで公開される。
121.9. 効果によってプレイヤーがカードを引くに際して公開するという選択肢が与えられている場合、そのプレイヤーはそのカードを引くに際し、公開するかどうかを選ぶ前にそのカードを見ることができる。
122.1. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターには互換性がある。
122.2. オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。
122.3. 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。
122.4. ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
122.5. カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り除き、他のオブジェクトの上に置くことを言う。それらの処理のどちらかが不可能な場合、カウンターを動かすことも不可能であり、カウンターが取り除かれることも置かれることもない。これは、元置かれていたオブジェクトと動かす先のオブジェクトが同一である場合や、動かす元のオブジェクトに該当するカウンターがない場合、あるいは動かす先のオブジェクトにカウンターを置くことができなかったり既に本来の領域になかったりする場合に起こりうる。
122.6. オブジェクトの上にカウンターが置かれることを参照する呪文や能力は、そのオブジェクトが戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのオブジェクトが戦場に出るに際してカウンターが置かれることの両方を参照する。
122.7. 「N個目の[種類]カウンター/the Nth [kind] counter」がオブジェクトに置かれたとき(たび)に誘発する能力は、その種類のカウンターが1個以上そのオブジェクトに置かれることによって、それ以前にはN個のその種類のカウンターが置かれておらず、それ以降にはN個以上のその種類のカウンターが置かれているようになったときに誘発する。
122.8. 誘発型能力によってプレイヤーがあるオブジェクトに「それらのカウンターを置く/put those counters」あるいは「[他のオブジェクト]上にあるカウンターを置く/put [他のオブジェクト]'s counters」という場合、その能力の誘発条件や効果がカウンターが置かれていたオブジェクトが戦場を離れることを扱っていたなら、そのプレイヤーは戦場を離れたオブジェクトに戦場を離れる前に置かれていたそれぞれの種類のカウンターをそれぞれの数だけそのオブジェクトに置く。そのプレイヤーはカウンターをオブジェクト間で動かすわけではない。
200.1. カードの部分には、カード名、マナ・コスト、絵、色指標、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワーとタフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子、絵の著作権表記、権利表記、コレクター番号がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。
200.2. カードの部分の一部は、そのオブジェクトの特性でもある。rule 109.3 参照。
200.3. カードでないオブジェクト(トークン、カードのコピー、呪文のコピー)もカードの一部分を持つが、それは特性でもあるものに限られる。rule 111、rule 706 参照。
201.1. カードのカード名は、その左上隅に記されている。
201.2. カードのカード名は、何語版であるかにかかわらず、常にその英語名であるとして扱う。
201.3. 効果によってプレイヤーがカード名1つを選ぶ場合、そのプレイヤーはオラクルに存在するカードのカード名を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。プレイヤーは、カードのカード名でないトークンのカード名を指定することはできない。
201.4. 文章中でカード名を用いてそのオブジェクトが参照されていた場合、それはその特定のオブジェクトだけを指す。たとえカード名が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。
201.4a 能力の効果が他の能力をオブジェクトに得させ、またその得た能力が元の能力の発生源をカード名で参照していた場合、そのカード名で示されるのはその能力を得させた能力を持つオブジェクト自身だけであり、同名の他のオブジェクトのことは示さない。(この規定は2つめの能力が新しいオブジェクトにコピーされた場合にも適用される)
例:《排水路の汚濁》は「あなたがコントロールしているトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム・カウンターを1個置き、その後、『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい』を持つ緑のウーズ・クリーチャー・トークンを1体生成する」という能力を持つ。この、トークンが得た能力は、そのトークンを生成した《排水路の汚濁》自身のことだけを参照し、他の《排水路の汚濁》のことは参照しない。また、このトークンのコピーの持つ能力も、その元のトークンを生成した《排水路の汚濁》だけを参照する。
201.4b そのオブジェクト自身をカード名で参照している能力をカード名の異なるオブジェクトが得た場合、得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者のカード名はすべて後者のカード名であるとして扱われる。
例:《水銀の精霊》は、「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。この能力によって「{G}:棍棒のトロールを再生する」という(訳注:《棍棒のトロール》の持つ)能力を得た場合、その得た能力を起動して《水銀の精霊》を再生することができる。その能力を元々持っていた《棍棒のトロール》を再生するわけではない。
例:連繋(秘儀)を持ち、「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージを与える」というインスタント《氷河の光線》を、《木霊の手の内》に連繋した場合、その対象となったものにダメージを与えるのはその《木霊の手の内》である。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を、《ルーン爪の熊》を対象に起動した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》は《ルーン爪の熊》のコピーになり、この能力を得る。この得られる能力は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。ルーン爪の熊はそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」として扱われる。
201.4c 伝説の カードの中には、そのカードのカード名を省略して記述しているものがある。このようにして用いられている省略形は、そのカードのカード名がすべて書かれているものとして扱う。
201.5. 『イコリア:巨獣の棲処』のカードのプロモ版の中には、左上にその本来のカード名と異なる名前が書かれており、通常のカード名はその下の2行目に書かれているものがある。これらのカードは、通常はカード名が書かれているところに印刷されている名前ではなく、その2行目に書かれているカード名だけを持つ。
202.1. カードのマナ・コストはカードの上辺に記されているマナ・シンボルで示される(rule 107.4 参照)。ほとんどのカードでは、このシンボルは右上隅にある。未来予知セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。
202.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。
202.3. オブジェクトの、点数で見たマナ・コストは、マナ・コストに含まれるマナの量を色を気にせずに数えたものである。
例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、点数で見たマナ・コストに換算すると5になる。
202.4. オブジェクトのルール文章に記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。
203.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール文章に飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。
204.1. 色指標は、タイプ行の左、絵のすぐ下に印刷されている、一色またはそれ以上の色で塗られた丸印である。色指標は、マナ・コストを持たない土地でないカードに記されていることが多い。
204.2. 色指標を持つオブジェクトは、その色指標で表される各色である。
205.1. タイプ行は、絵のすぐ下に印刷されており、カード・タイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)が記されている。
205.2. カード・タイプ
205.3. サブタイプ
205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。
205.3b 次元以外のカード・タイプのサブタイプは常に一単語であり、長い横線の後に列記されているそれぞれの単語が別々のサブタイプである。その種のオブジェクトは複数のサブタイプを持ちうる。次元のサブタイプは長い横線の後に記されているが、複数の単語からなることもあり、長いダッシュの後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。
例:「基本 土地 ─ 山」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。
205.3c 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプとして扱う。
例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地・クリーチャー ─ 森・ドライアド」と記されている。森は土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。
205.3d オブジェクトは、その持つタイプに対応しないサブタイプを得ることはできない。
205.3e 効果によってプレイヤーがサブタイプを選ぶ場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない。
例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。
205.3f 記載されているサブタイプが変更されているカードが多数存在する。多くのカードは後にサブタイプを得ている。カードのサブタイプは、オラクルを参照して決定される(rule 108.1 参照)。
205.3g アーティファクトにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはアーティファクト・タイプと呼ばれる。アーティファクト・タイプには、「手掛かり/Clue」「からくり/Contraption」「装備品/Equipment」(rule 301.5 参照)「食物/Food」「城砦/Fortification」(rule 301.6 参照)「金/Gold」「宝物/Treasure」「機体/Vehicle」(rule 301.7 参照)がある。
205.3h エンチャントにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはエンチャント・タイプと呼ばれる。エンチャント・タイプには、「オーラ/Aura」(rule 303.4 参照)「カルトーシュ/Cartouche」「呪い/Curse」「英雄譚/Saga」(rule 714 参照)「祭殿/Shrine」がある。
205.3i 土地にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは土地タイプと呼ばれる。土地タイプには、「砂漠/Desert」「森/Forest」「門/Gate」「島/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「山/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「沼/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」がある。このうち、「森」「島」「山」「平地」「沼」は基本土地タイプである。rule 305.6 参照。
205.3j プレインズウォーカーにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。プレインズウォーカー・タイプには、「アジャニ/Ajani」「アミナトゥ/Aminatou」「アングラス/Angrath」「アーリン/Arlinn」「アショク/Ashiok」「バスリ/Basri」「ボーラス/Bolas」「ケイリクス/Calix」「チャンドラ/Chandra」「ダク/Dack」「ダレッティ/Daretti」「ダブリエル/Davriel」「ドムリ/Domri」「ドビン/Dovin」「エルズペス/Elspeth」「エストリッド/Estrid」「フレイアリーズ/Freyalise」「ガラク/Garruk」「ギデオン/Gideon」「ファートリ/Huatli」「ジェイス/Jace」「ヤヤ/Jaya」「カーン/Karn」「カズミナ/Kasmina」「ケイヤ/Kaya」「キオーラ/Kiora」「コス/Koth」「リリアナ/Liliana」「ルーカ/Lukka」「ナヒリ/Nahiri」「ナーセット/Narset」「ニッサ/Nissa」「ニクシリス/Nixilis」「オーコ/Oko」「ラル/Ral」「ローアン/Rowan」「サヒーリ/Saheeli」「サムト/Samut」「サルカン/Sarkhan」「セラ/Serra」「ソリン/Sorin」「タミヨウ/Tamiyo」「テヨ/Teyo」「テフェリー/Teferi」「テゼレット/Tezzeret」「ティボルト/Tibalt」「ウギン/Ugin」「ヴェンセール/Venser」「ヴラスカ/Vraska」「ビビアン/Vivien」「ウィル/Will」「ウィンドグレイス/Windgrace」「レン/Wrenn」「ゼナゴス/Xenagos」「ヤングー/Yanggu」「ヤンリン/Yanling」がある。
205.3k インスタントとソーサリーには共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは呪文・タイプと呼ばれる。呪文・タイプには、「出来事/Adventure」「秘儀/Arcane」「罠/Trap」がある。
205.3m クリーチャーと部族には共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。クリーチャー・タイプには、「アドバイザー/Advisor」「霊基体/Aetherborn」「同盟者/Ally」「天使/Angel」「アンテロープ/Antelope」「類人猿/Ape」「射手/Archer」「執政官/Archon」「軍団/Army」「工匠/Artificer」「暗殺者/Assassin」「組立作業員/Assembly-Worker」「エイトグ/Atog」「オーロクス/Aurochs」「アバター/Avatar」「アズラ/Azra」「アナグマ/Badger」「バーバリアン/Barbarian」「バジリスク/Basilisk」「コウモリ/Bat」「熊/Bear」「ビースト/Beast」「ビーブル/Beeble」「狂戦士/Berserker」「鳥/Bird」「ちらつき蛾/Blinkmoth」「猪/Boar」「運び手/Bringer」「ブラッシュワグ/Brushwagg」「カマリッド/Camarid」「ラクダ/Camel」「カリブー/Caribou」「キャリアー/Carrier」「猫/Cat」「ケンタウルス/Centaur」「セファリッド/Cephalid」「キマイラ/Chimera」「市民/Citizen」「クレリック/Cleric」「コカトリス/Cockatrice」「構築物/Construct」「臆病者/Coward」「カニ/Crab」「クロコダイル/Crocodile」「サイクロプス/Cyclops」「ダウスィー/Dauthi」「亜神/Demigod」「デーモン/Demon」「脱走者/Deserter」「デビル/Devil」「恐竜/Dinosaur」「ジン/Djinn」「犬/Dog」「ドラゴン/Dragon」「ドレイク/Drake」「ドレッドノート/Dreadnought」「ドローン/Drone」「ドルイド/Druid」「ドライアド/Dryad」「ドワーフ/Dwarf」「イフリート/Efreet」「卵/Egg」「エルダー/Elder」「エルドラージ/Eldrazi」「エレメンタル/Elemental」「象/Elephant」「エルフ/Elf」「大鹿/Elk」「眼/Eye」「フェアリー/Faerie」「イタチ/Ferret」「魚/Fish」「旗手/Flagbearer」「狐/Fox」「カエル/Frog」「ファンガス/Fungus」「ガーゴイル/Gargoyle」「細菌/Germ」「巨人/Giant」「ノーム/Gnome」「ヤギ/Goat」「ゴブリン/Goblin」「神/God」「ゴーレム/Golem」「ゴルゴン/Gorgon」「墓生まれ/Graveborn」「グレムリン/Gremlin」「グリフィン/Griffin」「ハッグ/Hag」「ハーピー/Harpy」「ヘリオン/Hellion」「カバ/Hippo」「ヒポグリフ/Hippogriff」「ホマリッド/Homarid」「ホムンクルス/Homunculus」「ホラー/Horror」「馬/Horse」「人間/Human」「ハイドラ/Hydra」「ハイエナ/Hyena」「イリュージョン/Illusion」「インプ/Imp」「インカーネーション/Incarnation」「昆虫/Insect」「ジャッカル/Jackal」「クラゲ/Jellyfish」「巨大戦車/Juggernaut」「カヴー/Kavu」「麒麟/Kirin」「キスキン/Kithkin」「騎士/Knight」「コボルド/Kobold」「コー/Kor」「クラーケン/Kraken」「ラミア/Lamia」「ラマスー/Lammasu」「ヒル/Leech」「リバイアサン/Leviathan」「ルアゴイフ/Lhurgoyf」「リシド/Licid」「トカゲ/Lizard」「マンティコア/Manticore」「マスティコア/Masticore」「傭兵/Mercenary」「マーフォーク/Merfolk」「メタスラン/Metathran」「ミニオン/Minion」「ミノタウルス/Minotaur」「モグラ/Mole」「モンガー/Monger」「マングース/Mongoose」「モンク/Monk」「猿/Monkey」「ムーンフォーク/Moonfolk」「ハツカネズミ/Mouse」「ミュータント/Mutant」「マイア/Myr」「神秘家/Mystic」「ナーガ/Naga」「オウムガイ/Nautilus」「ネフィリム/Nephilim」「ナイトメア/Nightmare」「夜魔/Nightstalker」「忍者/Ninja」「貴族/Noble」「ノッグル/Noggle」「ノーマッド/Nomad」「ニンフ/Nymph」「タコ/Octopus」「オーガ/Ogre」「ウーズ/Ooze」「オーブ/Orb」「オーク/Orc」「オーグ/Orgg」「カワウソ/Otter」「アウフ/Ouphe」「雄牛/Ox」「カキ/Oyster」「センザンコウ/Pangolin」「農民/Peasant」「ペガサス/Pegasus」「ペンタバイト/Pentavite」「邪魔者/Pest」「フェルダグリフ/Phelddagrif」「フェニックス/Phoenix」「操縦士/Pilot」「ピンチャー/Pincher」「海賊/Pirate」「植物/Plant」「法務官/Praetor」「プリズム/Prism」「昇華者/Processor」「兎/Rabbit」「ネズミ/Rat」「レベル/Rebel」「反射/Reflection」「サイ/Rhino」「装具工/Rigger」「ならず者/Rogue」「黒貂/Sable」「サラマンダー/Salamander」「侍/Samurai」「砂漠の民/Sand」「苗木/Saproling」「サテュロス/Satyr」「カカシ/Scarecrow」「末裔/Scion」「蠍/Scorpion」「スカウト/Scout」「彫像/Sculpture」「農奴/Serf」「海蛇/Serpent」「霊気装置/Servo」「シェイド/Shade」「シャーマン/Shaman」「多相の戦士/Shapeshifter」「サメ/Shark」「羊/Sheep」「セイレーン/Siren」「スケルトン/Skeleton」「スリス/Slith」「スリヴァー/Sliver」「ナメクジ/Slug」「蛇/Snake」「兵士/Soldier」「サルタリー/Soltari」「落とし子/Spawn」「スペクター/Specter」「スペルシェイパー/Spellshaper」「スフィンクス/Sphinx」「蜘蛛/Spider」「スパイク/Spike」「スピリット/Spirit」「裂片/Splinter」「スポンジ/Sponge」「イカ/Squid」「リス/Squirrel」「ヒトデ/Starfish」「サラカー/Surrakar」「生存者/Survivor」「触手/Tentacle」「テトラバイト/Tetravite」「サラカス/Thalakos」「飛行機械/Thopter」「スラル/Thrull」「ツリーフォーク/Treefolk」「三葉虫/Trilobite」「トリスケラバイト/Triskelavite」「トロール/Troll」「海亀/Turtle」「ユニコーン/Unicorn」「吸血鬼/Vampire」「ヴィダルケン/Vedalken」「ヴィーアシーノ/Viashino」「ボルバー/Volver」「壁/Wall」「邪術師/Warlock」「戦士/Warrior」「奇魔/Weird」「狼男/Werewolf」「鯨/Whale」「ウィザード/Wizard」「狼/Wolf」「クズリ/Wolverine」「ウォンバット/Wombat」「蟲/Worm」「レイス/Wraith」「ワーム/Wurm」「イエティ/Yeti」「ゾンビ/Zombie」「ずべら/Zubera」がある。
205.3n 次元にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは次元・タイプと呼ばれる。次元・タイプには、「アラーラ/Alara」「アーコス/Arkhos」「アズゴル/Azgol」「ベレノン/Belenon」「ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm」「ドミナリア/Dominaria」「エクィロー/Equilor」「エルガモン/Ergamon」「ファバシン/Fabacin」「イニストラード/Innistrad」「イクァターナ/Iquatana」「アー/Ir」「カルドハイム/Kaldheim」「神河/Kamigawa」「カーサス/Karsus」「ケファライ/Kephalai」「キンシャラ/Kinshala」「コルバーン/Kolbahan」「キネス/Kyneth」「ローウィン/Lorwyn」「ルヴィオン/Luvion」「メルカディア/Mercadia」「ミラディン/Mirrodin」「モアグ/Moag」「モンセン/Mongseng」「ムラガンダ/Muraganda」「新ファイレクシア/New Phyrexia」「ファイレクシア/Phyrexia」「パイルリー/Pyrulea」「ラバイア/Rabiah」「ラース/Rath」「ラヴニカ/Ravnica」「レガーサ/Regatha」「セゴビア/Segovia」「セラの領土/Serra's Realm」「シャドウムーア/Shadowmoor」「シャンダラー/Shandalar」「ウルグローサ/Ulgrotha」「ヴァラ/Valla」「ヴリン/Vryn」「ワイルドファイア/Wildfire」「ゼレックス/Xerex」「ゼンディカー/Zendikar」がある。
205.3p 現象・カード、計略・カード、ヴァンガード・カード、策略・カードにはサブタイプは存在しない。
205.4. 特殊タイプ
206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常は絵の右下に記されている。これはゲームには影響しない。
206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおける希少度を示すものである。赤橙色は神話レア、金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本 土地である。紫は特殊な希少度を表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりも希少度の高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、希少度に関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった。簡体中国語版の第5版には"V"のエキスパンション・シンボルが存在した)
206.3. かつては、ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックしていた。それらのカードはオラクルで訂正され、あるセットで「そのカード名で初めて印刷された」カードに影響を及ぼすようになった。
206.3a そのカード名で初めて印刷されたのが『Arabian Nights』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《City in a Bottle》)が存在する。該当するカード名は、《アブー・ジャーファル/Abu Ja'far》《アラジン/Aladdin》《アラジンのランプ/Aladdin's Lamp》《アラジンの指輪/Aladdin's Ring》《アリ・ババ/Ali Baba》《Ali from Cairo》《Army of Allah》《Bazaar of Baghdad》《鳥の乙女/Bird Maiden》《スレイマンの壺/Bottle of Suleiman》《真鍮人間/Brass Man》《Camel》《City in a Bottle》《真鍮の都/City of Brass》《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》《サイクロン/Cyclone》《踊る円月刀/Dancing Scimitar》《ダンダーン/Dandan》《砂漠/Desert》《Desert Nomads》《砂漠の竜巻/Desert Twister》《Diamond Valley》《Drop of Honey》《黒檀の馬/Ebony Horse》《Elephant Graveyard》《エル・ハジャジ/El-Hajjaj》《アーグの盗賊団/Erg Raiders》《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》《目には目を/Eye for an Eye》《魚の肝の油/Fishliver Oil》《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》《空飛ぶ男/Flying Men》《ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre》《象亀/Giant Tortoise》《Guardian Beast》《ハスランの女オーガ/Hasran Ogress》《ハール・ジャッカル/Hurr Jackal》《Ifh-Biff Efreet》《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》《Island of Wak-Wak》《Jandor's Ring》《ジャンドールの鞍袋/Jandor's Saddlebags》《宝石の鳥/Jeweled Bird》《Jihad》《ジュナン・イフリート/Junun Efreet》《Juzam Djinn》《Khabal Ghoul》《King Suleiman》《密林の猿人/Kird Ape》《Library of Alexandria》《磁力の山/Magnetic Mountain》《Merchant Ship》《メタモルフォーゼ/Metamorphosis》《Mijae Djinn》《ムーア人の騎兵/Moorish Cavalry》《ナフス・アスプ/Nafs Asp》《オアシス/Oasis》《Old Man of the Sea》《Oubliette》《篤信/Piety》《Pyramids》《悔悟せる鍛冶屋/Repentant Blacksmith》《Ring of Ma'ruf》《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》《Sandals of Abdallah》《砂嵐/Sandstorm》《Serendib Djinn》《Serendib Efreet》《Shahrazad》《シンドバッド/Sindbad》《Singing Tree》《魔術師の女王/Sorceress Queen》《Stone-Throwing Devils》《不安定性突然変異/Unstable Mutation》《ウォー・エレファント/War Elephant》《ワイルーリーの狼/Wyluli Wolf》《Ydwen Efreet》である。
206.3b そのカード名で初めて印刷されたのが『Antiquities』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Golgothian Sylex》)が存在する。該当するカード名は、《クルーグの護符/Amulet of Kroog》《Argivian Archaeologist》《Argivian Blacksmith》《アルゴスのピクシー/Argothian Pixies》《Argothian Treefolk》《終末の時計/Armageddon Clock》《Artifact Blast》《Artifact Possession》《Artifact Ward》《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》《アシュノッドの戦具/Ashnod's Battle Gear》《アシュノッドの人体改造器/Ashnod's Transmogrant》《エイトグ/Atog》《破城槌/Battering Ram》《青銅のタブレット/Bronze Tablet》《Candelabra of Tawnos》《秘宝の防御円/Circle of Protection: Artifacts》《Citanul Druid》《粘土像/Clay Statue》《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》《珊瑚の兜/Coral Helm》《崩壊/Crumble》《呪われた拷問台/Cursed Rack》《Damping Field》《爆破/Detonate》《Drafna's Restoration》《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》《Dwarven Weaponsmith》《魔力流出/Energy Flux》《フェルドンの杖/Feldon's Cane》《Gaea's Avenger》《Gate to Phyrexia》《ゴブリン職工団/Goblin Artisans》《Golgothian Sylex》《ぶどう弾カタパルト/Grapeshot Catapult》《Haunting Wind》《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》《象牙の塔/Ivory Tower》《ジェイラム秘本/Jalum Tome》《Martyrs of Korlis》《Mightstone》《石臼/Millstone》《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》《ミシュラの戦争機械/Mishra's War Machine》《Mishra's Workshop》《再帰のオベリスク/Obelisk of Undoing》《オニュレット/Onulet》《Orcish Mechanics》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《Phyrexian Gremlins》《Power Artifact》《Powerleech》《Priest of Yawgmoth》《原初の土/Primal Clay》《拷問台/The Rack》《ラカライト/Rakalite》《Reconstruction》《Reverse Polarity》《Rocket Launcher》《ラト=ナムの賢人/Sage of Lat-Nam》《多相の戦士/Shapeshifter》《粉砕の嵐/Shatterstorm》《Staff of Zegon》《露天鉱床/Strip Mine》《Su-Chi》《Tablet of Epityr》《Tawnos's Coffin》《タウノスのワンド/Tawnos's Wand》《タウノスの武具/Tawnos's Weaponry》《テトラバス/Tetravus》《ティタニアの歌/Titania's Song》《Transmute Artifact》《トリスケリオン/Triskelion》《ウルザの報復者/Urza's Avenger》《Urza's Chalice》《ウルザの鉱山/Urza's Mine》《Urza's Miter》《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》《ウルザの塔/Urza's Tower》《槍の壁/Wall of Spears》《Weakstone》《異形の騒霊/Xenic Poltergeist》《ヨーグモスの悪魔/Yawgmoth Demon》《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》である。
206.3c そのカード名で初めて印刷されたのが『Homelands』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Apocalypse Chime》)が存在する。該当するカード名は、《修道院のガーゴイル/Abbey Gargoyles》《Abbey Matron》《上天の嵐/Aether Storm》《Aliban's Tower》《Ambush》《待ち伏せ部隊/Ambush Party》《Anaba Ancestor》《アナーバのボディガード/Anaba Bodyguard》《アナーバのシャーマン/Anaba Shaman》《Anaba Spirit Crafter》《アン=ハヴァの治安官/An-Havva Constable》《An-Havva Inn》《An-Havva Township》《An-Zerrin Ruins》《Apocalypse Chime》《Autumn Willow》《Aysen Abbey》《アイゼンの官吏/Aysen Bureaucrats》《Aysen Crusader》《Aysen Highway》《Baki's Curse》《Baron Sengir》《Beast Walkers》《Black Carriage》《影写し/Broken Visage》《甲殻/Carapace》《Castle Sengir》《Cemetery Gate》《Chain Stasis》《Chandler》《Clockwork Gnomes》《機械仕掛けの駿馬/Clockwork Steed》《Clockwork Swarm》《Coral Reef》《暗黒の迷路/Dark Maze》《Daughter of Autumn》《死者の代弁者/Death Speakers》《Didgeridoo》《Drudge Spell》《乾きの呪文/Dry Spell》《Dwarven Pony》《Dwarven Sea Clan》《Dwarven Trader》《Ebony Rhino》《情け知らずのエロン/Eron the Relentless》《Evaporate》《Faerie Noble》《一角獣の饗宴/Feast of the Unicorn》《フェロッズの封印/Feroz's Ban》《Folk of An-Havva》《忘却/Forget》《葬列/Funeral March》《Ghost Hounds》《Giant Albatross》《巨大カキ/Giant Oyster》《Grandmother Sengir》《大いなる人狼/Greater Werewolf》《Hazduhr the Abbot》《Headstone》《Heart Wolf》《血に飢えた霧/Hungry Mist》《Ihsan's Shade》《Irini Sengir》《鉄爪族の呪い/Ironclaw Curse》《Jinx》《Joven》《Joven's Ferrets》《ジョーヴンの泥棒道具/Joven's Tools》《Koskun Falls》《Koskun Keep》《迷宮のミノタウルス/Labyrinth Minotaur》《Leaping Lizard》《Leeches》《Mammoth Harness》《Marjhan》《記憶の欠落/Memory Lapse》《商人の巻物/Merchant Scroll》《メサ・ファルコン/Mesa Falcon》《Mystic Decree》《Narwhal》《Orcish Mine》《原初の秩序/Primal Order》《Prophecy》《Rashka the Slayer》《浅瀬の海賊/Reef Pirates》《Renewal》《Retribution》《Reveka》《Wizard Savant》《Root Spider》《Roots》《Roterothopter》《Rysorian Badger》《Samite Alchemist》《シー・スプライト/Sea Sprite》《Sea Troll》《センギアの従臣/Sengir Autocrat》《Sengir Bats》《Serra Aviary》《セラの獣小屋/Serra Bestiary》《Serra Inquisitors》《セラの聖騎士/Serra Paladin》《鋸刃の矢/Serrated Arrows》《縮小/Shrink》《Soraya the Falconer》《Spectral Bears》《Timmerian Fiends》《拷問/Torture》《Trade Caravan》《休戦/Truce》《Veldrane of Sengir》《Wall of Kelp》《Willow Faerie》《Willow Priestess》《Winter Sky》《Wizards' School》である。
206.4. プレイヤーは、そのカードがそのフォーマットで認められているセット(あるいは特にマジック・イベント規定によって認められているカード)に含まれている限り、どの版からでもカードを構築 デッキに入れてよい。現在の構築フォーマットの定義については、マジック・イベント規定(http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)を参照のこと。
206.5. エキスパンション・シンボルの完全な一覧は、マジックのウェブサイトのCard Set Archiveコーナー(http://magic.wizards.com/en/game-info/products/card-set-archive)から確認できる。
207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。多くの場合、ここにはそのカードの能力を定義するルール文章が書かれている。
207.2. 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
207.2a 注釈文は、カッコにくくられたイタリック体(日本語版では文字サイズが一段小さい)の文章であり、そのカードに適用されるルールの要約である。これはそれが対応する能力と同じ行に書かれていることが多いが、その能力でなくカード全体の注釈の場合、独立した行に書かれていることもある。
207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、絵と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。これはルール文章の下に記載される。
207.2c 能力語は、能力の最初にイタリック体で書かれている(以前の日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要があった)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために定められたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「一徹(いってつ)/adamant」「附則(ふそく)/addendum」「大隊(だいたい)/Battalion」「湧血(ゆうけつ)/Bloodrush」「魂力(こんりき)/Channel」「彩色(さいしょく)/Chroma」「盟友(めいゆう)/Cohort」「星座(せいざ)/Constellation」「収斂(しゅうれん)/converge」「動議(どうぎ)/Council's Dilemma」[昂揚(こうよう)/delirium」「版図(はんと)/Domain」「威光(いこう)/Eminence」「激昂(げきこう)/Enrage」「窮地(きゅうち)/Fateful hour」「獰猛(どうもう)/Ferocious」「圧倒(あっとう)/Formidable」「壮大(そうだい)/Grandeur」「暴勇(ぼうゆう)/Hellbent」「英雄的(えいゆうてき)/Heroic」「刻印(こくいん)/Imprint」「神啓(しんけい)/Inspired」「同調(どうちょう)/Join Forces」「族系(ぞくけい)/Kinship」「上陸(じょうりく)/Landfall」「副官(ふくかん)/Lieutenant」「金属術(きんぞくじゅつ)/Metalcraft」「陰鬱(いんうつ)/Morbid」「協議(きょうぎ)/Parley」「光輝(こうき)/Radiance」「強襲(きょうしゅう)/Raid」「結集(けっしゅう)/Rally」「紛争(ふんそう)/Revolt」「魔巧(まこう)/Spell Mastery」「奮励(ふんれい)/Strive」「掃引(そういん)/Sweep」「誘引(ゆういん)/Tempting Offer」「スレッショルド(すれっしょるど)/Threshold」「宿根(しゅっこん)/Undergrowth」「議決(ぎけつ)/Will of the council」がある。
207.3. 一部のカードには、文章欄の背景に装飾的アイコンが描かれている。例えば、ラヴニカの各ギルドに関するカードの多くで文章欄にギルド・アイコンが含まれており、『ミラディンの傷跡』ブロックではほとんどのカードの文章欄に陣営アイコンが含まれている。また、プロモカードの多くにも装飾的アイコンが描かれている。これらのアイコンはゲームのプレイに影響を及ぼさない。
207.4. 次元・カードの、「あなたが{CHAOS}を出すたび」という誘発型能力の左側には、カオス・シンボル{CHAOS}が記されている。このシンボルそのものはルール上特別な意味を持たない。
208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた二つの数字が記されている。一つ目の数字はパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、二つ目の数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって修整を受けたりある値に変更されたりすることがある。
208.2. 一部のクリーチャー・カードでは、パワーもしくはタフネスの値が固定値ではなく * になっているものがある。
208.2a カードは、何らかの条件に基づいてパワーやタフネスを定める特性定義能力を持つことがある(rule 604.3 参照)。この種の能力は、「[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス]は〜である/[This creature's] [power or toughness] is equal to 〜」あるいは「[このクリーチャーの]パワーとタフネスはそれぞれ〜である/[This creature's] power and toughness are each equal to 〜」と書かれる。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所において機能する。決定できない値を計算上などで用いる必要がある場合、その値を0として扱う。
例:《Lost Order of Jarkeld》のパワーやタフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Jarkeldが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ」「Lost Order of Jarkeldのパワーとタフネスはそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーの数に1を加えたものに等しい」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が戦場にない間、プレイヤーは選ばれていないので、パワーとタフネスはともに1+0、つまり1/1となる。
208.2b クリーチャーのパワーやタフネスを、それが戦場に出るに際して、あるいはオモテになるに際して、いくつかの特定の値の中から1つに設定する置換効果を作る常在型能力を持つカードが存在する(rule 614〔置換効果〕参照)。その種の能力は、「[このクリーチャー]が戦場に出るに際し〜/As [this creature] enters the battlefield . . . 」「[このクリーチャー]がオモテ向きになるに際し〜/As [this creature] is turned face up . . . ,」「[このクリーチャー]は〜として戦場に出る。/[this creature] enters the battlefield as . . .」といった書式で、複数のパワーとタフネスの組(さらに追加の特性がついていることもある)が記されている。これらの効果で選ばれ、あるいは決定された特性は、そのクリーチャーのコピー可能な値に影響を及ぼす(rule 706.2 参照)。カードが戦場にない間、パワーとタフネスはともに0として扱う。
208.3. クリーチャーでないパーマネントは、そのカードにパワーやタフネスが記載されていたとしても(機体など)、パワーやタフネスを持たない。クリーチャーでないオブジェクトが戦場にない場合、そのカードにパワーやタフネスが記載されていない限り、パワーやタフネスを持たない。
208.4. クリーチャーのパワーやタフネスを特定の値に定める効果の中には、そのクリーチャーの「基本のパワー/base power」「基本のタフネス/base toughness」「基本のパワーとタフネス/base power and toughness」を扱うものがある。後に、他の継続的効果によって、そのクリーチャーのパワーやタフネスが修整されることがありうる。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
208.5. クリーチャーのパワーが何らかの理由で値を持たない場合、それは0となる。タフネスも同じである。
209.1. プレインズウォーカー・カードの右下には、忠誠数が記されている。これはプレインズウォーカーが戦場にない間の忠誠度の値を示し、プレインズウォーカーは、その数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。
209.2. コストに忠誠度シンボルを含む起動型能力は、忠誠度能力である。忠誠度能力はプレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
210.1. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期手札枚数と手札の最大枚数を決定する際に適用される。rule 103.4 参照。
211.1. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期ライフ総量を決定する際に適用される。rule 103.3 参照。
212. 文章欄の下にある情報群
212.1. カードの文章欄の下に印刷されている、ゲーム上効果のない文章がある。すべてのカードセットで以下のすべての情報が各カードに印刷されているわけではない。
212.1a ほとんどのカード・セットではコレクター番号が振られている。この情報は[カード番号]/[セットに含まれるカードの総数]、あるいは単に[カード番号]という形で書かれている。プレインズウォーカー デッキのみのカードなど一部のカードでは、総数よりも大きなカード番号が振られていることがある。
212.1b カードのレアリティは、コレクター番号の後に1文字で表示されている。
212.1c プロモカードの中には、そのカードが何に割り当てられているのかを示す情報が書かれていることがある。
212.1d そのカードがどのセットで印刷されたものかを示す3文字と、そのカードがどの言語で印刷されたものかを示す2文字が、中黒を挟んで記されている。プレミアム版であれば、中黒でなく星印を挟んでいる。
212.1e カードの絵の著作権表記は、文章欄のすぐ下に、絵筆のアイコン、あるいは古いカードでは「Illus.」という略語に続いて記されている。
212.1f 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。これはカードの一番下または右下に小さな文字で記されている。
300.1. カード・タイプには、「アーティファクト/artifact」「策略/conspiracy」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「インスタント/instant」「土地/land」「現象/Phenomenon」「次元/plane」「プレインズウォーカー/planeswalker」「計略/scheme」「ソーサリー/sorcery」「部族/tribal」「ヴァンガード/vanguard」がある。
300.2. 複数のカード・タイプを持つオブジェクト(たとえば、アーティファクト・クリーチャーなど)が存在する。この類のオブジェクトは、そのいずれかのカード・タイプの持つ性質を持ち、また、そのいずれかのカード・タイプに適用される呪文や能力の影響を受ける。
301.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、アーティファクト・カードを手札から唱えることができる。アーティファクトを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
301.2. アーティファクト・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
301.3. アーティファクトのサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト ─ 装備品/Artifact ─ Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトのサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。アーティファクト・タイプの一覧は、rule 205.3g を参照。
301.4. アーティファクトはそのカード・タイプに特有の特性を持たない。ほとんどのアーティファクトは有色 マナ・シンボルをマナ・コストに含まないので、無色である。しかし、無色であることとアーティファクトであることの間に因果関係はない。色を持つアーティファクトも存在するし、無色であってもアーティファクトでないオブジェクトも存在する。
301.5. アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつけることができる。クリーチャーでないものに適正につけることはできない。
301.6. アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦は土地につけることができる。土地でないオブジェクトにつけることはできない。城砦に関して装備 能力に対応するのは「城砦化/Fortify」というキーワード能力である。rule 301.5a-eは、装備品とクリーチャーの関係を、城砦と土地の関係に読み替え、rule 301.5b は「土地は、クリーチャーでもある城砦によって城砦化されない」と読み替えて適用する。rule 702.66〔城砦化〕参照。
301.7. アーティファクトの中には、「機体/Vehicle」というサブタイプを持つものがある。機体は、アーティファクト・クリーチャーになれる搭乗 能力を持つ。rule 702.121〔搭乗〕参照。
302.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、クリーチャー・カードを手札から唱えることができる。クリーチャーを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
302.2. クリーチャー・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
302.3. クリーチャーのサブタイプは必ず1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature ─ Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature ─ Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は rule 205.3m 参照。
例:「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature ─ Goblin Wizard」は、そのカードがサブタイプとしてゴブリンとウィザードを持つクリーチャー・カードであることを示している。
302.4. パワーとタフネスは、クリーチャーだけが持っている特性である。
302.5. クリーチャーは攻撃したりブロックしたりできる。(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
302.6. クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、起動できない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーでは攻撃できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。
302.7. 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーが負う。クリーチャーが負っているダメージの合計がそのタフネス以上である場合、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたといい、状況起因処理で破壊される(rule 704 参照)。クリーチャーが負っているダメージは、再生した時(rule 701.15〔再生する〕参照)とクリンナップ・ステップの間(rule 514.2 参照)に取り除かれる。
303.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、エンチャント・カードを手札から唱えることができる。エンチャントを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
303.2. エンチャント・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
303.3. エンチャントのサブタイプは必ず1単語であり、「エンチャント」という語のあとに、「エンチャント ─ 祭殿/Enchantment ─ Shrine」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。エンチャントのサブタイプは、「エンチャント・タイプ」とも呼ばれる。エンチャントには複数のサブタイプがあることもありうる。エンチャント・タイプの一覧は、rule 205.3k 参照。
303.4. エンチャントの中には、サブタイプとして「オーラ/Aura」を持つものがある。オーラはオブジェクトまたはプレイヤーについた状態で戦場に出る。オーラをつけることができる先は、キーワード能力「エンチャント/Enchant」によって規定されている(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。他の効果によって、あるパーマネントをエンチャントできるかどうかに限定が加えられる場合もある。
303.5. エンチャントの中には、「英雄譚」というサブタイプを持つものがある。英雄譚・カードについての詳細は、rule 714 参照。
304.1. 優先権を持つプレイヤーは、インスタント・カードを手札から唱えることができる。インスタントを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
304.2. インスタント・呪文が解決されたら、ルール文章に書かれている処理が行なわれ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
304.3. インスタントのサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントのサブタイプはソーサリーのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
304.4. インスタントが戦場に出ることはない。戦場に出る場合、その代わりに元あった領域に残る。
304.5. 「プレイヤーがインスタントを唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast an instant,」という表現は、そのプレイヤーが優先権を持っている時に、という意味である。唱えられるインスタントを持っている必要はないし、そのプレイヤーに呪文を唱えられなくする効果や、インスタントを唱えられなくする効果があってもその処理は実行できる(その処理が実際に呪文を唱えたり、インスタントを唱えたりするものでない限り)。
305.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、土地・カードを手札からプレイすることができる。土地をプレイすることは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 116 参照)。土地をプレイする場合、プレイヤーはそれを単に戦場に出す。土地はスタックに乗らず、呪文ではなく、また、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
305.2. 通常、プレイヤーは、自分のターンの間に土地を1つだけプレイすることができる。継続的効果によって、この数が増加することがありうる。
305.3. プレイヤーは、いかなる理由があれ、自分のターン以外には土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示する部分は無視する。同様に、そのターンに許可されている全ての土地のプレイを済ませているプレイヤーは、土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示している部分は無視する。
305.4. 土地を戦場に「出す/put」ことができる効果が存在する。これは土地のプレイとは違い、そのターンに既にプレイした土地の枚数には数えない。
305.5. 土地のサブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。土地タイプの一覧は rule 205.3i 参照。
例:「基本 土地 ─ 山」という記述は、そのカードが山のサブタイプを持つ土地・カードであることを意味する。
305.6. 基本土地タイプは、平地、島、沼、山、森である。「基本土地タイプ」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。土地というカード・タイプと基本土地タイプを持つオブジェクトは、文章欄が空欄であったりそもそも存在しなかったりしたとしても、「{T}:[マナ・シンボル]を加える」という固有の能力を持つ。能力内のマナ・シンボルは、平地は{W}、島は{U}、沼は{B}、山は{R}、森は{G}である。rule 107.4a、ならびに rule 605〔マナ能力〕参照。
305.7. 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本土地タイプに定められた場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。ルール文章、元の土地タイプ、その土地に影響しているコピー 効果によって得られていた能力を全て失い、その基本土地タイプが持つマナ能力を得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地が得た能力を取り除くわけではない。土地タイプの設定は、その土地が持つカード・タイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本」や「伝説の」「氷雪」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプとルール文章を持ち、それに加えて新しい土地タイプとマナ能力を得る。
305.8. 「基本/Basic」という特殊タイプをもつ土地は基本 土地である。基本土地タイプを持っていても、この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。
305.9. あるオブジェクトが土地であり、かつ他のカード・タイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文として唱えられることはない。
306.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカー・カードを手札から唱えることができる。プレインズウォーカーを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
306.2. プレインズウォーカー・呪文が解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
306.3. プレインズウォーカーのサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーのサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカ・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。
306.4. 以前は、プレインズウォーカーは同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーを1人のプレイヤーがコントロールできないようにする「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に従っていた。このルールは取り除かれ、この変更以前に印刷されたプレインズウォーカー・カードはオラクルで訂正され、「伝説の」の特殊タイプを持つようになった。他の伝説の パーマネント同様、それらも「レジェンド・ルール」に従う(rule 704.5j 参照)。
306.5. 「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。
306.6. プレインズウォーカーは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
306.7. 以前は、プレインズウォーカーはプレイヤーに、対戦相手に与える戦闘ダメージでないダメージを、その代わりに 対戦相手のコントロールしているプレインズウォーカーに与えるという移し替え効果に従っていた。このルールは取り除かれ、特定のカードはオラクルで訂正を受け、直接プレインズウォーカーにダメージを与えるようになった。
306.8. プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
306.9. プレインズウォーカーの忠誠度が0である場合、そのオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
307.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、ソーサリー・カードを手札から唱えることができる。ソーサリーを呪文として唱える場合、スタックを用いる。(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
307.2. ソーサリー・呪文が解決されたら、ルール文章に書かれている処理が行なわれ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
307.3. ソーサリーのサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーのサブタイプは、インスタントのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
307.4. ソーサリーは戦場に出ることはできない。戦場に出る場合、その代わりに元の領域に残る。
307.5. 呪文、能力、効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリーが唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast a sorcery」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤーが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。唱えられるソーサリーを持っている必要はないし、そのプレイヤーに呪文を唱えられなくする効果や、ソーサリーを唱えられなくする効果があっても処理は実行できる(その処理が実際に呪文を唱えたり、ソーサリーを唱えたりするものでない限り)。
308.1. 部族・カードはもう一つカード・タイプを持つ。部族・カードをプレイし、解決するにあたっては、もう一つのカード・タイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。
308.2. 部族のサブタイプは、必ず1単語であり、「部族・エンチャント ─ マーフォーク/Tribal Enchantment ─ Merfolk」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。部族のサブタイプはクリーチャーのサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ」と呼ばれる。部族には複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は、rule 205.3m 参照。
309.1. 次元は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。次元・カードは、プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいてのみ用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
309.2. 次元・カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向きになっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。次元・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。
309.3. 次元のサブタイプは長い横線の後に記されており、「次元 ― セラの領土/Plane - Serra's Realm」のように複数の単語からなることもある。長い横線の後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。次元のサブタイプは次元 タイプとも呼ばれる。次元は1つしかサブタイプを持つことはない。次元 タイプの一覧は、rule 205.3n 参照。
309.4. 次元・カードは望む数の常在型能力、誘発型能力、起動型能力を持ちうる。次元・カードが統率領域でオモテ向きである間、常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
309.5. オモテ向きの次元・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤーになるまでの間、指定されたままとなる。
309.6. 裏向きになったオモテ向きの次元・カードは、新しいオブジェクトになる。
309.7. 次元・カードは、「あなたが{CHAOS}を出すたび」という誘発型能力を持つ。これは「カオス能力」と呼ばれる。それらは左側にある{CHAOS}で示されているが、そのシンボル自体にルール上の意味はない。
310.1. 現象は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。プレインチェイス戦カジュアル変種ルールは次元・カードを用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
309.2. 現象・カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向きになっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。現象・カードはパーマネントではない。現象・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。
310.3. 現象・カードにはサブタイプは存在しない。
310.4. オモテ向きの現象・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元コンとトーラーはアクティブ・プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤーになるまでの間、指定されたままとなる。
310.5. 次元・カードはそれに遭遇したときに誘発する誘発型能力を持つ。「あなたが[このカード]に遭遇したとき」とは、あなたがこのカードを次元デッキから取ってオモテ向きにしたとき、という意味である。
310.6. 裏向きになったオモテ向きの現象・カードは、新しいオブジェクトになる。
310.7. 現象・カードが統率領域でオモテ向きであり、かつ、誘発してスタックから離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次にプレイヤーが優先権を得る時点で次元 コントローラーはプレインズウォークする。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 701.24〔プレインズウォークする〕参照。)
311.1. ヴァンガードは、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。ヴァンガード戦カジュアル変種ルールでのみ、ヴァンガード・カードを用いる。rule 902〔ヴァンガード戦〕参照。
311.2. ヴァンガード・カードはゲームの間、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。ヴァンガード・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。
311.3. ヴァンガード・カードにはサブタイプは存在しない。
311.4. ヴァンガード・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。ヴァンガード・カードが統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
311.5. ヴァンガード・カードのオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きのヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
311.6. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期手札枚数と手札の最大枚数(通常7枚)に適用される。その結果の数が、ゲームの開始時に引く枚数、ならびに手札の最大枚数となる。
311.7. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期ライフ総量(通常20点)の決定に際して適用される。rule 103.3 参照。
312.1. 計略は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。アーチエネミー戦カジュアル変種ルールでのみ、計略・カードを用いる。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
312.2. 計略・カードはゲームの間、計略 デッキの一部である間も、オモテ向きである間も、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。計略・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。
312.3. 計略・カードにはサブタイプは存在しない。
312.4. 計略・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。計略・カードがオモテ向きで統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
312.5. 計略・カードのオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの計略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
312.6. 持続でない計略・カードが統率領域でオモテ向きになり、いずれかの計略の誘発型能力がスタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、次に優先権が発生した際にその計略・カードは裏向きになり、オーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
312.7. 計略・カードの能力に「この計略」という記述があった場合、それはその能力の発生源である、統率領域にある計略・カードを意味する。これは rule 109.2 の例外である。
313.1. 策略・カードは、リミテッドのプレイ、特にコンスピラシー・ドラフト 変種ルール(rule 905 参照)下でのみ用いられる。策略・カードは、構築のプレイでは用いられない。
313.2. ゲームの開始時、デッキを切り直すよりも前に、プレイヤーはそれぞれ自分のサイドボードにある好きな枚数の策略・カードを統率領域に置く。秘策を持つ策略・カードは統率領域に裏向きに置かれる。(rule 702.105〔秘策〕参照)。
313.3. 策略・カードはゲームの間ずっと統率領域に置かれる。それらはパーマネントではなく、唱えられることもデッキに入れられることもない。策略・カードが統率領域を離れるなら、それは統率領域に残る。ゲーム外の策略・カードがゲーム内に入ることはない。
313.4. 策略・カードにはサブタイプは存在しない。
313.5. 策略・カードは常在型能力や誘発型能力を持つことがある。策略・カードがオモテ向きで統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発しうる。
313.6. 策略・カードのオーナーは、それをゲームの開始時に統率領域に置いたプレイヤーである。策略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
313.7. 自分がコントロールしている裏向きの策略・カードは、いつでもオモテを見ることができる。他のプレイヤーがコントロールしている裏向きの策略・カードのオモテを見ることはできない。
400.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。通常、「ライブラリー/Library」「手札/Hand」「戦場/Battlefield」「墓地/Graveyard」「スタック/Stack」「追放/Exile」「統率/Command」の7つの領域が存在する。古いカードでは「アンティ/ante」領域を用いるものもある。ライブラリー、手札、墓地はプレイヤーごとに存在し、他の領域はすべてのプレイヤーが共用する。
400.2. 公開領域とは、その領域にあるカードのうちで何らかのルールや効果によって特に裏向きにされているもの以外のカードのオモテをすべてのプレイヤーが見ることができる領域である。墓地、戦場、スタック、追放、アンティ、統率領域が公開領域である。非公開領域とは、すべてのプレイヤーがカードのオモテを見ることができるわけではない領域のことである。その領域にあるカードのオモテがすべて公開されていたとしても、ライブラリーと手札は非公開領域である。
400.3. オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、オーナーの該当する領域に行く。
400.4. カード・タイプによっては、入ることのできない領域が存在する。
400.5. ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にある、裏向きの束に含まれるオブジェクトについても同様である。それ以外の他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップあるいは反転しているかどうか、それにつけられているオブジェクトが何かは全てのプレイヤーに明白でなければならない。
400.6. オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、どのイベントがそのオブジェクトを動かすのかを決定する。その移動先が公開領域で、オーナーがその領域でそのオブジェクトを見ることができるのであれば、オーナーはそれを見てその移動に影響する効果があるかどうかを確認する。移動先が戦場であれば、そのオブジェクトを見ることができる他のプレイヤーも同様に見る。その後、そのオブジェクトそのものからのものもそれ以外のものも含む、そのイベントに適用可能な置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、どの効果を適用するか、そしてその効果がどう機能するかを決める(同一のものが複数存在することによっても矛盾は発生する。例えば、複数の「破壊」効果が同時に発生する場合、お互いに矛盾する)。その後、そのイベントがそのオブジェクトを動かす。
例:《極上の大天使》は「あなたがゲームに敗北するなら、代わりに、極上の大天使を追放し、あなたのライフ総量はあなたの初期ライフ総量と等しい値になる。」という能力を持つ。呪文によってライフ総量が5点のプレイヤーと、そのプレイヤーがコントロールしている《極上の大天使》にそれぞれ5点のダメージが与えられたとする。状況起因処理が行われる時点で、そのプレイヤーのライフ総量はそのプレイヤーの初期ライフ総量になり、そのプレイヤーは《極上の大天使》をオーナーの墓地に移動させるか追放するかを選ぶ。
400.7. ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、以前の状態の記憶を失い、以前の状態と関係のない新しいオブジェクトになる。このルールには9つの例外がある。
400.8. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクトになる。
400.9. 統率領域のオモテ向きのオブジェクトが裏向きになった場合、それは新しいオブジェクトになる。
400.10. 統率領域にあるオブジェクトが統率領域に置かれる場合、領域は移動しないが、新しく統率領域に置かれたのと同じように新しいオブジェクトになる。
400.11. そのゲームの領域のいずれにも存在しないオブジェクトはゲームの外部にあるという。ゲームの外部は領域ではない。
400.12. プレイヤーにいずれかの領域に対して何かをさせる効果(「あなたの手札をあなたのライブラリーに加えて切り直す/Shuffle your hand into your library.」など)が存在する。その処理はその領域にあるすべてのカードに機能する。領域そのものは影響されない。
401.1. ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。
401.2. それぞれのライブラリーは、一つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーのカードを覗いたり、その順序を変化させてはならない。
401.3. プレイヤーはいつでも、任意のプレイヤーのライブラリーに残っているカードの枚数を数えることができる。
401.4. 何らかの効果が同時に複数枚のカードを同じライブラリーの特定の場所に置く場合、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置いたのかを公開しない。
401.5. プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイするように指示し、あるいはプレイヤー1人が自分のライブラリーの一番上のカードを見てもよいとする効果が存在する。呪文を唱えている間に一番上のカードが入れ替わった場合、その呪文が唱えられ終わる(rule 601.2i 参照)まで、新しいカードは公開されないし、見てはならない。これは能力の起動に関しても同じである。
401.6. 何らかの効果によってライブラリーの一番上のカードが公開されている状態でプレイしている場合、その特定のカードが一瞬であれ非公開になった後で再び同じカードが公開されたとしても、新しいオブジェクトとなる。
401.7. 効果によってプレイヤーがカードをライブラリーの「上からN番目」に置く場合、そのライブラリーにN枚のカードがなかった場合、そのプレイヤーはそのカードをそのライブラリーの一番下に置く。
402.1. 手札は、プレイヤーが引いたカードを持っておく場所である。他の効果によってカードが手札に戻されることもある。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは通常7枚である初期手札枚数分のカードを引く。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。
402.2. それぞれのプレイヤーに手札の上限が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップの間に、手札の上限を越える分のカードを捨てなければならない。
402.3. プレイヤーはその手札を便利なように並べることができ、いつでも見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、いつでもその枚数を数えることはできる。
403.1. プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは戦場である。戦場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールしているパーマネントは、通常、そのプレイヤーの目の前の戦場に置かれるが、(他のプレイヤーのパーマネントにつけられたオーラなどの)特定の場合には、他のプレイヤーにより近いところに置かれることがある。
403.2. カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は戦場にのみ影響を及ぼし、また、戦場にあるものだけを考慮する。
403.3. パーマネントは戦場にのみ存在する。戦場に存在するオブジェクトはパーマネントである。rule 110〔パーマネント〕参照。
403.4. パーマネントが戦場に出たとき、それは新しいオブジェクトとなり、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは rule 400.7 に記された例外を除いて無関係である。(これは他の領域に移動するオブジェクトについて言える。)
403.5. かつて、戦場は「場/in-play」領域と呼ばれていた。カードに「場にある/in play」「場から/from play」「場に/into play」などの表現で書かれている場合、戦場を参照する。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
404.1. プレイヤーの墓地とは、そのプレイヤーの捨て札の束である。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタント・呪文やソーサリー・呪文はオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。
404.2. それぞれの墓地は、一つの、オモテ向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。認定イベントに適用される追加のルールによって、プレイヤーは墓地にあるカードの順番を変えてもよいとされることがある。
404.3. 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決めてもよい。
405.1. 呪文が唱えられたら、物理的にスタックに積まれる(rule 601.2a 参照)。能力が起動され、あるいは誘発したら、カードによって表されてはいないけれども、その能力がスタックの一番上に置かれる。rule 602.2a、rule 603.3 参照。
405.2. スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる。
405.3. 何らかの効果によって複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているものが最初に積まれ、それからAPNAP順(rule 101.4 参照)で他のプレイヤーのオブジェクトがスタックに積まれる。1人のプレイヤーが複数のオブジェクトをコントロールしている場合、そのプレイヤーが自分のオブジェクトをスタックに積む順番を決める。
405.4. 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文のコントローラーは、それを唱えたプレイヤーである。起動型能力のコントローラーは、それを起動したプレイヤーである。遅延誘発型能力以外の誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
405.5. 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。
405.6. ゲーム中に発生する出来事の中で、スタックを用いないものがある。
406.1. 追放 領域はオブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文や能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文や能力もある。
406.2. オブジェクトを追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域に動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域に動かされたカードのことである。
406.3. 追放されたカードは通常オモテ向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きで追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。ただし、プレイヤーが裏向きで追放されているカードを見ることができることになったら、そのカードが追放され続けている限り、見ることができるとする効果が終わったあとでも見ることができる。裏向きで追放されているカードは特性を持たないが、追放した呪文や能力によってはそのカードを追放 領域からプレイできるものがある。カードが裏向きで唱えられる(rule 707.4 参照)のでない限り、そのカードをプレイする(rule 601.2 参照)と宣言する直前にそのカードはオモテ向きになる。
406.4. 追放 領域にある裏向きのカードは、いつどのように追放されたかによって別々の束に置かれるべきである。プレイヤーが追放されているカードを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーは、カードのオモテを見ることができる場合にのみ特定の裏向きのカードを選ぶことができる。そうでなければ、裏向きで追放されているカードの束を1つ選び、その束から無作為にカードを1枚選ぶことになる。こうしてカードを選ぶことが呪文を唱えることや能力を起動することの一部だった場合、その選ばれたカードはそのコストが支払い終わるまで公開されない(rule 601.2i 参照)。
406.5. 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカードの能力によってゲームに影響を及ぼしうるものも、同様に別々の束にして置かれるべきである。
406.6. カードを追放する能力と、「追放されたカード」あるいは「[オブジェクト]によって追放されたカード」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つめの能力は、その1つめの能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
406.7. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクトになる。
406.8. かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[オブジェクトを]ゲームから取り除く/removes [an object] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクトを追放する。「[オブジェクトを]脇に置く/sets [an object] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
407.1. マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他の規則で禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)の下では厳しく禁止されている。
407.2. アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ 領域に置く。アンティ 領域にあるカードは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者はアンティ 領域にあるカード全ての所有権を得る。
407.3. 「アンティを賭けてプレイしていないなら、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [this card] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードだけが、アンティ 領域にカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりすることができる。プレイヤーがアンティを賭けてプレイしていないときは、これらのカードはデッキにもサイドボードにも入れることはできず、ゲーム外からゲーム内に持ってくることもできない。
407.4. オブジェクトをアンティするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ 領域に移すことである。オブジェクトのオーナーだけがそのオブジェクトをアンティすることができる。
408.1. 統率領域は、特別に定められた、ゲーム全体に影響を及ぼす効果を持つオブジェクトだけが置かれるゲームの場所である。それらのオブジェクトはパーマネントではなく、破壊されることもない。
408.2. 紋章は統率領域に生成されうる。rule 114〔紋章〕参照。
408.3. プレインチェイス戦、ヴァンガード戦、統率者戦、アーチエネミー戦、コンスピラシー・ドラフトの各カジュアル変種ルールにおいて、定形外のマジックのカード、あるいは特に指定されたカードを統率領域に置いた状態でゲームを始める。それらの変種ルールにはそれらのカードに関するルールがそれぞれ存在する。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
5. ターンの構造
500.1. ターンは順に「開始/beginning」「戦闘前メイン/precombat main」「戦闘/combat」「戦闘後メイン/postcombat main」「終了/ending」の5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズはさらにステップに細分化され、順番に処理される。
500.2. プレイヤーが優先権を得るフェイズやステップは、スタックが空で、かつ全てのプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。スタックが空になったことでフェイズやステップが終わるわけではない。スタックが空の状態で、全てのプレイヤーが続けてパスしなければならない。従って、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会がある。
500.3. プレイヤーが優先権を得ないステップは、そのステップに行なうことになっている全ての処理が終わったときに終了する。この種のステップは、アンタップ・ステップ(rule 502 参照)とクリンナップ・ステップ(rule 514 参照)だけである。
500.4. ステップやフェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。このターン起因処理はスタックを用いない。
500.5. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」続く予定だった効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」続く予定だった効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで/until end of combat」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップの開始時ではない。「ターン終了時まで/until end of turn」続く効果は、特別なルールが適用される。rule 514.2 参照。
500.6. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力が誘発する。それらは、次にプレイヤーが優先権を得る時点でスタックに積まれる(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
500.7. 効果によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを指定されたターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加のターンを得た場合、そのターンは1つずつ追加される。複数のプレイヤーが追加のターンを得る場合、そのターンはAPNAP順で(rule 101.4 参照)1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。
500.8. 効果によって、ターンの間にフェイズが追加されることがある。特定のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に追加される場合、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。
500.9. 効果によって、フェイズの間にステップが追加されることがある。特定のステップのすぐ後に(あるいは特定のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に追加される場合、一番最後に作られたステップが最初に処理される。
500.10. 効果によって、ステップ、フェイズ、ターンが飛ばされることがある。ステップ、フェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 614.10 参照。
500.11. ターン間、フェイズ間、ステップ間にはゲームのイベントは起こらない。
501.1. 開始フェイズは順に「アンタップ/untap」「アップキープ/upkeep」「ドロー/draw」の3つのステップからなる。
502.1. まず、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのフェイズ・イン状態のパーマネントはフェイズ・アウトするとともに、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウトしている全てのパーマネントがフェイズ・インする。これらはすべて同時に発生する。このターン起因処理はスタックを用いない。rule 702.25〔フェイジング〕参照。
502.2. 次に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしているパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの処理はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーのパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーがコントロールしているパーマネントのアンタップが妨げられることがある。
502.3. アンタップ・ステップの間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文が唱えられることも解決されることもなく、能力が起動されることも解決されることもない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤーが優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。rule 503〔アップキープ・ステップ〕参照。
503.1. アップキープ・ステップにはターン起因処理は存在しない。アップキープが始まると、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
503.2. 「[プレイヤーの]アップキープ・ステップの後にのみ/after [a player's] upkeep step」唱えられる呪文は、そのターンに複数のアップキープ・ステップがある場合、1つめのアップキープ・ステップが終わっていればいつでも唱えることができる。
504.1. まず、アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く。このターン起因処理はスタックを用いない。
504.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
505.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。第1メイン・フェイズ(あるいは戦闘前メイン・フェイズ)と第2メイン・フェイズ(または戦闘後メイン・フェイズ)は、戦闘フェイズ(rule 506〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られている。戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ばれることもある。
505.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに全てのプレイヤーが続けてパスしたときにメイン・フェイズが終了する。(rule 500.2 参照。)
505.3. アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、アクティブ・プレイヤーが魔王である場合、そのフェイズが戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分の計略 デッキの一番上のカードを実行中にする(rule 701.25 参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.4. 次に、アクティブ・プレイヤーが1つ以上の英雄譚・エンチャントをコントロールしていて、今がアクティブ・プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分のコントロールしている英雄譚の上に伝承カウンターをそれぞれ1個置く。(rule 714〔英雄譚・カード〕参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.5. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
506.1. 戦闘フェイズは順に「戦闘開始/beginning of combat」「攻撃クリーチャー指定/declare attackers」「ブロック・クリーチャー指定/declare blockers」「戦闘ダメージ/combat damage」「戦闘終了/end of combat」の5つのステップからなる。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、攻撃クリーチャーが1体も指定されず、攻撃している状態で戦場に出る(rule 508.8 参照)こともなかった場合には飛ばされる。攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 702.7 参照)か二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っている場合、戦闘ダメージ・ステップは2つ存在する。
506.2. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは攻撃 プレイヤーである。そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは攻撃できる。2人対戦の戦闘フェイズの間、非アクティブ・プレイヤーは防御プレイヤーである。そのプレイヤーとそれがコントロールしているプレインズウォーカーは攻撃されることができる。
506.3. クリーチャーだけが攻撃したりブロックしたりできる。プレイヤーやプレインズウォーカーにだけ攻撃できる。
506.4. パーマネントは、戦場を離れたり、コントローラーが変わったり、フェイズ・アウトしたり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれたり、攻撃されているプレインズウォーカーであればプレインズウォーカーでなくなったり、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーであれば再生(rule 701.15 参照)したりクリーチャーでなくなったりしたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除かれたクリーチャーは、攻撃クリーチャーでも、ブロック・クリーチャーでも、ブロックされているクリーチャーでも、ブロックされていないクリーチャーでもなくなる。プレインズウォーカーを戦闘から取り除くと、攻撃されているプレインズウォーカーではなくなる。
506.5. ある攻撃クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけが攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独で攻撃する/attack alone」と言う。クリーチャー1体だけが攻撃している場合、「単独で攻撃している/attacking alone」と言う。あるブロック・クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけがブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独でブロックする/block alone」という。クリーチャー1体だけがブロックしている場合、それを「単独でブロックしている/blocking alone」と言う。
506.6. 呪文の中に、「[戦闘のある時点][前/後]にのみ/only [before/after] [a particular point in the combat phase],」唱えることができるというものがある。戦闘のある時点とは、「攻撃クリーチャー指定」「ブロック・クリーチャー指定」「戦闘ダメージ・ステップ」「戦闘終了ステップ」「戦闘フェイズ」「戦闘」が含まれる。
507.1. 最初に、アクティブ・プレイヤーの対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤーになるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。このターン起因処理はスタックを用いない。(rule 506.2 参照。)
507.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
508.1. まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。攻撃クリーチャーを指定するには、アクティブ・プレイヤーは次の手順を踏む。攻撃クリーチャーの指定中のどこかの時点でアクティブ・プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照。)
508.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
508.3. 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。
508.4. クリーチャーが攻撃している状態で戦場に出る場合、そのコントローラーは、そのクリーチャーが戦場に出るに際してどの防御プレイヤーあるいは防御プレイヤーがコントロールしているどのプレインズウォーカーを攻撃するのかを(戦場に出した効果が特定していないかぎり)選択する。同様に、効果によってクリーチャーが攻撃している状態になるという場合、それのコントローラーはどの防御プレイヤーあるいは防御プレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃している状態になるのかを(その効果が特定していないかぎり)選択する。それらのクリーチャーは「攻撃している」が、誘発イベントや効果に関しては「攻撃した」ものとしては扱わない。
508.5. 攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーが攻撃しているプレイヤー、あるいはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーのコントローラーを参照する。そのクリーチャーがすでに攻撃していない場合、参照している防御プレイヤーは、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレイヤーや、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラーである。
508.6. プレイヤーは、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーをコントロールしている場合、「攻撃[プレイヤー]/attacking [a player]」となる。他のプレイヤーを攻撃する攻撃クリーチャーを1体以上指定した場合、そのプレイヤーは「[他のプレイヤー]を攻撃した/has attacked [a player]」状態になる。
508.7. クリーチャーが攻撃しているプレイヤーやプレインズウォーカーをプレイヤーに選び直させることを認めるカードが1枚(《門の魔道士》)存在する。
508.8. 攻撃クリーチャーが指定されず、攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーもなかった場合、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。
509.1. まず、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。ブロック・クリーチャーを指定するために、防御プレイヤーは以下の手順を踏む。ブロック・クリーチャーの指定中のどこかの時点で防御プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照。)
509.2. 次に、ブロックされている攻撃クリーチャーごとに、アクティブ・プレイヤーはそのクリーチャーをブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがそれをブロックしているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
例:《巨森を喰らうもの》は《ラノワールのエルフ》と《ルーン爪の熊》と《セラの天使》にブロックされている。《巨森を喰らうもの》のコントローラーは、《巨森を喰らうもの》のダメージ割り振り順を《セラの天使》→《ラノワールのエルフ》→《ルーン爪の熊》と宣言する。
509.3. その後、ブロック・クリーチャーごとに、防御プレイヤーはそれがブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがそれにブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
509.4. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
509.5. ブロック・クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。
509.6. 呪文や能力によって戦場にいるクリーチャーが攻撃クリーチャーをブロックする場合、アクティブ・プレイヤーはそのブロック・クリーチャーの、その攻撃クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。その後、防御プレイヤーはその攻撃クリーチャーの、そのブロック・クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他の攻撃クリーチャーの位置は変わらない。これはブロック 効果の一部として行なわれる。
509.7. クリーチャーがブロックした状態で戦場に出る場合、(その効果によって何をブロックした状態で戦場に出るかが特定されていない限り)そのコントローラーはどの攻撃クリーチャーをブロックした状態で戦場に出るかアクティブ・プレイヤーはその新しいクリーチャーの、そのブロックされたクリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。この方法で戦場に出たクリーチャーは「ブロック・クリーチャー」であるが、誘発イベントや効果の面では「ブロックした」としては扱わない。
例:《大蜘蛛》が《峡谷のミノタウルス》によってブロックされた。防御プレイヤーが《瞬間群葉》を唱え、《大蜘蛛》をブロックした状態で苗木・クリーチャー・トークンを生成した。《大蜘蛛》のコントローラーは、《大蜘蛛》のダメージ割り振り順を、まず苗木トークン、続いて《峡谷のミノタウルス》と宣言する。
510.1. まず、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言し、次に防御プレイヤーは各ブロック・クリーチャーが戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言する。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りについては、次のルールに従う。
510.2. 次に、割り振られている戦闘ダメージすべてが同時に与えられる。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りから実際に与えられるまでの間に、呪文を唱えたり能力を起動したりする機会は存在しない。
例:《戦隊の鷹》(飛行つき1/1クリーチャー)と《ゴブリンの長槍使い》(2/1クリーチャー)が攻撃している。防御プレイヤーは《モグの狂信者》(「モグの狂信者を生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。モグの狂信者はそれに1点のダメージを与える」という能力を持つ1/1クリーチャー)で《ゴブリンの長槍使い》をブロックし、ブロック・クリーチャー指定ステップの間に《モグの狂信者》を生け贄に捧げて《戦隊の鷹》に1点のダメージを与えた。《戦隊の鷹》は破壊され、《ゴブリンの長槍使い》はこのターン、戦闘ダメージを与えない。防御プレイヤーが《モグの狂信者》を生け贄に捧げずに戦場に残した場合、《モグの狂信者》と《ゴブリンの長槍使い》はお互いに致死ダメージを与え合うが、《戦隊の鷹》はダメージを受けない。
510.3. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
510.4. 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃(rule 702.4)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったクリーチャーか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
511.1. 戦闘終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップが開始したら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
511.2. 「戦闘終了時に/At end of combat」誘発する能力が、戦闘終了ステップの開始に際して誘発する。「戦闘終了時まで/Until end of combat」残る効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅する。
511.3. 戦闘終了ステップが終わった瞬間に、すべてのクリーチャーやプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップの終了後、戦闘フェイズは終了し、戦闘後メイン・フェイズ(rule 505 参照)が始まる。
512.1. 終了フェイズは順に「終了/end」「クリンナップ/cleanup」の2つのステップからなる。
513.1. 終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
513.2. 「終了ステップの開始時に」誘発する能力を持ったパーマネントがこのステップの間に戦場に出た場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。同様に、「次の終了ステップの開始時に」誘発する遅延誘発型能力がこのステップの間に作られた場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。言い換えると、このステップは、それらの能力がスタックに積まれるように「巻き戻される」ことはない。このルールは誘発型能力にのみ適用される。「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」残る継続的効果には適用されない。(rule 514〔クリンナップ・ステップ〕参照。)
514.1. まず、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていた場合、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札を捨てる。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.2. 次に、以下の処理が同時に行なわれる。パーマネント(フェイズ・アウトしているパーマネントも含む)が負っているすべてのダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」の効果が終了する。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.3. 通常、クリンナップ・ステップ中にはプレイヤーは優先権を得ないので、呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。このルールには以下の例外が存在する。
6. 呪文、能力、効果
601.1. かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文の提示(rule 601.2a-d)と、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。下記に列記されている手順の実行中にその手順で必要なことができなかったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が提示される直前の瞬間まで巻き戻される(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。呪文を提示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることを提示す直前の瞬間に戻る(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.4. プレイヤーが、呪文の提示が終わったあとでその呪文を唱えることができない場合(rule 601.2a-d 参照)、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることが提示される前の瞬間まで巻き戻る(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照)。その呪文のコストを決定して支払う間(rule 601.2f-h 参照)や、呪文や唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文を唱えることを不正なものにしても関係ない。
601.5 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。
601.6. コストを変える呪文を唱えても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.1. 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。
602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動コストを支払わなければならない。
例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る」という能力の起動コストは、任意のタイプのマナ2点に加えて、その能力を持つパーマネントをタップすることである。
602.1b 起動型能力のコロンの後に続く文章が、その能力を起動するときに従わなければならない説明を含んでいる場合がある。そのような文章は、誰が能力を起動できるかを指定したり、いつ能力を起動できるかを制限したり、起動コストの一部を定義したりしている。これらの文章は能力の効果の一部ではない。これは常に機能している。起動型能力の起動指示は、能力の効果の後、一番最後に書かれる。
602.1c 起動型能力だけが起動されうる能力である。能力の種類の特定なく「能力を起動する/activating an ability」ことについてオブジェクトやルールが参照していた場合、それは起動型能力のことを示す。
602.1d かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
602.2. 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに積み、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。能力を起動することは、以下の手順を踏む。能力を起動する途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その能力の起動は不正である。ゲームは能力を起動し始める前まで巻き戻される(rule 723〔不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。
602.3. 能力の中には、起動するときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその能力のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。
602.4. コストを変える能力を起動しても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.5. プレイヤーは、起動が禁止されている能力を起動し始めることはできない。
603.1. 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「[誘発条件またはイベント]とき/たび/時に, [効果] [指示(ある場合)]/When/Whenever/At [Trigger condition or event], [effect]. [Instructions (if any).]」という書式で書かれている。
603.1a 誘発型能力の効果の後に、その能力が対象に取れるものを制限していたり、打ち消されないことが記載されたりといった指示があることがある。この文章はその能力の効果の一部ではなく、その能力がスタックにある間に働く。
603.2. 誘発型能力は、ゲームのイベントやゲームの状況がその能力の誘発イベントを満たすたび、自動的に誘発する。能力はこの時点では何もしない。
603.2a 唱えられることも起動されることもないので、誘発型能力は呪文を唱えたり能力を起動したりできないときにも誘発する。能力を起動できないようにする効果は、誘発型能力には影響を及ぼさない。
603.2b フェイズやステップの開始時に、「開始時に/at the beginning of」誘発する能力がすべて誘発する。
603.2c 能力は、その誘発イベントが発生するたびに一度だけ誘発する。しかし、そのイベントが複数の出来事を含んでいる場合、複数回誘発することもある。
例:「土地が1つ戦場から墓地に置かれるたび/Whenever a land is put into a graveyard from the battlefield」という誘発条件の能力を持つパーマネントがあるときに、誰かがすべての土地を破壊する呪文を唱えた場合、その能力はその呪文の解決中に墓地に送られた土地の枚数とおなじ回数だけ誘発する。
603.2d 能力によって、誘発型能力が追加で誘発するという場合がある。この場合、単純にその種の能力が誘発したと決定するのではなく、それが何回誘発するべきかを決定し、それからその能力がその回数誘発する。その能力を誘発させるという効果がそれ自身を何度も引き起こすことはなく、その能力が何回誘発するかに影響を与える他の効果に適用されることもない。
603.2e 「になる/becomes」という語を用いている誘発イベント(たとえば「ついた状態になる/becomes attached」「ブロックされた状態になる/becomes blocked」など)が存在する。これらはその示されたイベントが発生したときにのみ誘発する。すなわち、元々その状態であった場合に誘発することはないし、その状態であり続ける間は再び誘発することはない。「タップ状態になる/becomes tapped」や「アンタップ状態になる/becomes untapped」ときに誘発する能力は、パーマネントがその位相で戦場に出たときには誘発しない。
例:パーマネントが「タップ状態になった」ときに誘発する能力は、戦場にあるパーマネントの位相がアンタップ状態からタップ状態になった時にのみ誘発する。
603.2f 誘発型能力の誘発条件が満たされたときにその誘発型能力を持ったオブジェクトがすべてのプレイヤーに見える状態でなかった場合、その能力は誘発しない。
603.2g 能力は、その誘発イベントが実際に発生したときにのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによって誘発することはない。
例:ダメージが与えられたことによって誘発する能力は、そのダメージが軽減された場合には誘発しない。
603.3. 能力が誘発すると、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、そのコントローラーはそれをスタックに積む。rule 117〔タイミングと優先権〕参照。その能力は、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。スタックにある誘発型能力は、それを作った能力の文章を持ち、それ以外の特性を持たない。能力は、打ち消されるか解決されるか、ルールによってスタックから取り除かれるか、あるいは効果によって他の領域に移動されるまでスタックにとどまる。
603.4. 誘発イベントのすぐ後に条件が記されている(最新の日本語版では、このルールに当てはまらない「if」は「なら」と翻訳されている)誘発型能力(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/時に、[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At [trigger event], if [condition], [effect]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは「"場合"のルール/"intervening 'if' clause" rule」と呼ばれる。(このルールは、テキスト内の他のところに「if」条件がある(日本語版の場合、「なら」と書かれている)誘発型能力には適用しないことに注意。)
例:《フェリダーの君主》は「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが40点以上である場合、あなたはこのゲームに勝利する」という能力を持つ。このコントローラーのライフ総量は、そのプレイヤーのアップキープが始まる際にチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力は誘発しない。40点以上である場合、この能力は誘発し、スタックに積まれる。この能力の解決に際し、このプレイヤーのライフ総量は再びチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力はスタックから取り除かれ、効果を持たない。40点以上である場合、この能力は解決され、そのゲームはそのプレイヤーの勝ちになる。
603.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカードを1枚引いてもよい」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる。選択は能力の解決時に行なう。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」の部分は能力の解決時に処理される。
603.6. オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、効果のうちでそのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリーや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも同じである)。領域変更誘発の最も一般的な例には、戦場に出た時に誘発する能力と戦場を離れた時に誘発する能力とがある。
603.7. 効果によって、後で何かを行なう遅延誘発型能力が作成されることがある。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、「〜とき/When」「〜たび/Whenever」「〜時/At」の3語のうちいずれかを含む。
603.8. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、(プレイヤーがあるカード・タイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、)ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら即座に誘発し、次の機会にスタックに積まれる。これらの能力を状況誘発型能力と呼ぶ(状況誘発型能力は状況起因処理とは異なる)。状況誘発型能力は、その能力が解決されるか打ち消されるなどでスタックから取り除かれるまでは再び誘発することはないが、それ以降にその能力を持つオブジェクトがまだその領域に残っていてゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。
例:パーマネントの能力に「あなたの手札にカードが1枚もないたび、カードを1枚引く」とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、スタックを離れるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「手札を全て捨てる。その後で、同じ枚数だけカードを引く」という呪文を唱えた場合、その呪文の解決中にそのプレイヤーの手札が一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。
603.9. プレイヤーが負けたときに誘発すると明記されている誘発型能力が存在する。その種の能力は、理由を問わず、プレイヤーが負け、あるいは引き分け以外の理由でゲームから離れた時に誘発する。rule 104.3 参照。
603.10. 通常、そのイベントが誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行なうのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。その時点で存在する継続的効果は、その誘発条件が何であるか、また、そのイベントに関与するオブジェクトが何であるかを決定するために用いられる。しかし、誘発型能力の中には、例外としてその能力が誘発するかどうかを決定するためにゲームがそれらの能力の存在とそのイベントの直前のオブジェクトの状態を用いて「直前の状態を見る」ものがある。その例外は以下の通りである。
603.11. オブジェクトの中には、誘発型能力と関連した常在型能力を持つものがある。(rule 607〔関連している能力〕参照)。この類のオブジェクトでは、先に常在型能力、後に誘発型能力という順序で、両方の能力が一行に書かれている。まれに、誘発条件が能力の最初ではなく途中に書かれているオブジェクトもある。
例:「各ターン、最初に引いたカードを公開する。この方法で基本 土地・カードを公開するたび、カードを1枚引く」というのは、誘発型能力と関連した常在型能力である。
603.12. 呪文や能力の解決中に、プレイヤーに強制または任意で何らかの処理をさせ、そして「[プレイヤーが]そう[した/しなかった]とき/when [a player][does or doesn't]」または「これにより[○○した]とき/when [something happens] this way」処理する、という誘発型能力を作ることがある。これらの「再帰誘発型能力/reflexive triggered abiliy」は、作られた直後にチェックされ、それを作った呪文や能力の解決中に、すでにその条件を満たしていたかどうかを参照するという点を除いては遅延誘発型能力のルールに従う(rule 603.7 参照)。
例:《心臓貫きのマンティコア》には「心臓貫きのマンティコアが戦場に出たとき、あなたは他のクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしたとき、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。心臓貫きのマンティコアはそれに、その生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい点数のダメージを与える。」という能力がある。この再帰誘発型能力は、元の誘発型能力によって他のクリーチャーを生け贄に捧げていた場合にのみ誘発し、他の理由でクリーチャーを生け贄に捧げていたとして誘発しない。
604.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。通常の文で書かれており、単にそのままである。
604.2. 常在型能力は、継続的効果を発生する。その中の一部は軽減・置換効果である。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが戦場にあってその能力を持っている間、あるいはその能力を持つオブジェクトが該当する領域にある間、持続する。rule 113.6 参照。
604.3. 特性定義能力は、常在型能力の一種である。通常はそのオブジェクトのどこかに記載されている(例えばマナ・コスト、タイプ行、パワー/タフネス欄)特性値に関する情報を提供する。特性定義能力は、そのオブジェクトのどこか別の場所に記載されている情報に追加するかそれを上書きする。特性定義能力は全ての領域において機能する。また、ゲームの外部にある間にも機能する。
604.4. オーラ、装備品、城砦の多くは、それがつけられているオブジェクトを修整する常在型能力を持つが、そのオブジェクトを対象に取らない。オーラ、装備品、城砦が別のオブジェクトに移された場合、その能力は元のオブジェクトへの適用を止め、新しいオブジェクトを修整するようになる。
604.5. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すことに関するものである。また、「[このオブジェクト]を唱えるための追加コストとして、[コスト]を支払う/As an additional cost to cast [this object], pay [cost]」「[このオブジェクト]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい/You may pay [cost] rather than pay [this object]'s mana cost,」「あなたは[このオブジェクト]をマナ・コストを支払わずに唱えてもよい/You may cast [this object] without paying its mana cost」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に機能する。
604.6. ある種の常在型能力は、カードが唱えられるあるいはプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[このカード]を[唱え/プレイし]てもよい/You may [cast/play] [this card]」「あなたは[このカード]を[唱えられ/プレイでき]ない/You can't [cast/play] [this card]」「[このカード]は …… にのみ[唱えられ/プレイでき]る/[Cast/Play] [this card] only ...」と書かれているものに限られる。
604.7. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でオブジェクトの最後の情報を使用できない。
605.1. 起動型能力の一部と誘発型能力の一部はマナ能力であり、特別なルールに従う。以下の2種類のどちらかに分類されるものだけがマナ能力である。他の効果を伴うかどうか、あるいはタイミングの限定がどうか(「この能力は、あなたがインスタントを唱えられるときのみ起動できる」)は関係しない。
605.2. マナ能力は、ゲームの状況によってマナを生み出せない場合でもマナ能力である。
例:あるパーマネントに、「{T}:あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき{G}を加える」という能力があるとする。この能力は、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのパーマネントがタップ状態であるときにもマナ能力である。
605.3. 起動型マナ能力を起動することは、以下の例外を除いて、他の起動型能力を起動することに関するルール(rule 602.2 参照)に従う。
605.4. 誘発型マナ能力は、以下の例外を除いて、他の誘発型能力に関するルール(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)に従う。
605.5. rule 605.1a から rule 605.1b の分類に当てはまらない能力は、マナ能力ではない。
606.1. 起動型能力の中には忠誠度能力が存在し、それらは特別なルールに従う。
606.2. 忠誠シンボルをコストに含む起動型能力は忠誠度能力である。通常、プレインズウォーカーだけが忠誠度能力を持つ。
606.3. 自分のコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を起動できるのは、優先権を持っていてスタックが空で自分のメイン・フェイズの間で、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をまだどのプレイヤーも起動していない場合に限る。
606.4. パーマネントの忠誠度能力を起動するためのコストは、その能力のコストに含まれる忠誠シンボルに書かれている数の忠誠カウンターをそのパーマネントに載せるあるいは取り除くことである。
606.5. マイナスの忠誠度 コストを持つ忠誠度能力は、そのパーマネントにその数以上の忠誠カウンターが載っていない限り起動できない。
607. 関連している能力
607.1. ある種の行動をし、あるいはオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす能力と、その行動、オブジェクト、あるいはプレイヤーを直接参照する能力とが記載されているオブジェクトが存在する。これらの能力は「関連している/linked」ものであり、この2つめの能力は、その1つめの能力による行動やその能力によって影響を受けたオブジェクトやプレイヤーだけを参照する。その他の能力によるものを参照することはない。
607.2. 関連している能力にはいくつかの種類が存在する。
607.3. 関連した能力の組の中で、一方の能力が「その追放されたカード」「[このカード]で追放されたカード」などの表記で単一のオブジェクトを参照していて、他方の能力が複数のカードを追放した場合(たとえば能力がコピーされた場合など)、この能力はその追放されたカードそれぞれを参照する。その能力がその追放されたカードについて特性や点数で見たマナ・コストなどの情報を必要とする場合、複数の答えが得られる。その答えを用いて何らかの値を定める場合、その答えの合計が用いられる。その能力が「その」追放されたカードに何らかの処理をする場合、その追放されたカードそれぞれにその処理を行なう。その能力が追放されたカード「1枚」に何らかの処理をする場合、その能力のコントローラーがどのカードが影響を受けるのかを選択する。
607.4. 能力が、複数の組の関連した能力の一部になることがありうる。
例:《極楽の羽飾り》は以下の3つの能力を持つ。「極楽の羽飾りが戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」「プレイヤーが選ばれた色の呪文を1つ唱えるたび、あなたは1点のライフを得る。」「{T}: 選ばれた色のマナ1点を加える。」1つめと2つめは関連した能力であり、1つめと3つめも関連した能力である。
607.5. オブジェクトが、単一の効果の一部として一組の関連した能力を得ることがある。それらの能力は、新しいオブジェクトに記載されているわけではないが、元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。
例:《弧炎撒き》は「{R}、あなたのライブラリーのカードを一番上から10枚追放する:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。弧炎撒きはそれに2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《石の死の姉妹》は「{B}{G}: 石の死の姉妹をブロックするかブロックされているクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。」「{2}{B}:石の死の姉妹により追放されたクリーチャー・カードを1枚、あなたのコントロール下で戦場に出す。」という能力を持つ。《水銀の精霊》は「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。《水銀の精霊》で《弧炎撒き》の能力を得、それを起動したあと、《石の死の姉妹》の能力を得て、クリーチャー・カードを追放する能力を起動したとする。この後、《石の死の姉妹》から得た戦場に戻す能力を起動したとしても、《石の死の姉妹》由来の能力によって《水銀の精霊》が追放したカードしか戦場に戻すことはできない。《弧炎撒き》由来の能力で追放されたクリーチャー・カードは戦場に戻らない。
607.5a オブジェクトが選択を参照する能力を得るが、それがその能力と関連した能力をコピーしないか、あるいは関連した能力をコピーしてもその選択をしない場合、その選択は「未定義」として扱う。能力が未定義の選択を参照する場合、その能力のその部分は何もしない。
例:《万物の声》が戦場に出て《不定の多相の戦士》がそれをコピーしたとする。《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」と「万物の声は、プロテクション(その選ばれた色)を持つ。」を持つ。《不定の多相の戦士》は、《万物の声》として戦場に出てはいないので、その色を選ぶ機会は存在せず、従ってプロテクション 能力を得ることはない。
例:《Vesuvan Doppelganger》が《万物の声》のコピーとして戦場に出て、《Vesuvan Doppelganger》のコントローラーは青を選び、後に、《Vesuvan Doppelganger》が「{T}: あなたのマナ・プールに、その選ばれた色のマナ1点を加える。」を持つ《クウィリーオン・エルフ》をコピーしたとする。《Vesuvan Doppelganger》は色を選んで入るが、《クウィリーオン・エルフ》からコピーしたマナ能力と関連した能力で選ばれたものではない。《Vesuvan Doppelganger》のそのマナ能力を起動した場合、マナは発生しない。
608. 呪文や能力の解決
608.1. 全てのプレイヤーが続けてパスすると、スタックの一番上に積まれている呪文や能力が解決される。(rule 609〔効果〕参照。)
608.2. 解決されるオブジェクトがインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2j で記された手順を適切な順で行なう。その後、最後にrule 608.2k に記された手順を行なう。
608.3. 解決されているオブジェクトがパーマネント呪文である場合、その解決は(オーラか変容させるクリーチャー・呪文でなければ)単一の手順からなる。呪文・カードがパーマネントになり、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る。
609.1. 「効果/effect」とは、呪文や能力の結果としてゲーム内で起こる出来事のことである。呪文や起動型能力、誘発型能力は、解決されると、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を発生させる。常在型能力は、1つまたは複数の継続的効果を発生させる。文章そのものは効果ではない。
609.2. 効果は、効果の文章に特にそう書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するオブジェクトにしか適用できない場合を除いて、パーマネントにのみ影響する。
例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地・カードには影響を及ぼさない。しかし、呪文を唱えるためのコストを増減する効果は、プレイヤーが唱えている途中である呪文が存在しうるのはスタックだけなので、スタックにある呪文にだけ影響を及ぼす。
609.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。
例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札を2枚捨てる」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。
609.4. プレイヤーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをしてもよい、あるいはクリーチャーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをできると書かれている効果が存在する。それはその効果にだけ適用される。その効果に関しては、その条件を完全に満たしているかのように扱い、それ以外に関しては通常通り扱う。
609.5. ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力の文章にその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、「引き分け」の場合どうするかという一般則はない。
609.6. 継続的効果の中には、置換効果や軽減効果が存在する。rule 614、rule 615 参照。
609.7. 「このターン、あなたが選んだ赤の発生源1つが次にあなたに与えるダメージを軽減する。」というような、特定の発生源からのダメージに適用される効果が存在する。
610.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、トークンを生成する、オブジェクトを領域間で移動させる、などがある。
610.2. 単発的効果の中には、この単発的効果を生み出した呪文や能力の解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。rule 603.7 参照。
610.3. 単発的効果の中には、特定のイベントが発生する「まで」オブジェクトの領域を移動させるものがある。その特定のイベントの直後に作られる2つめの単発的効果によって、そのオブジェクトは元あった領域に戻る。
610.4. 単発型効果の中に、パーマネントを特定のイベントが発生する「まで/until」フェイズ・アウトさせるものが存在する。その特定のイベントが起こった直後に、2つ目の単発型効果が生成される。この2つ目の単発型効果がそのパーマネントをフェイズ・インさせる。
611.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、オブジェクトのコントローラーを変更したり、プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって作られる。
611.2. 継続的効果は、呪文や能力の解決によっても作られる。
611.3. 継続的効果は、オブジェクトの常在型能力によっても作られる。
612.1. 継続的効果の中には、オブジェクトの文章を変更するものがある。それはそのオブジェクトに記載されているあらゆる単語やシンボルに適用されうるが、影響があるのはオブジェクトのルール文章(文章欄の中にある)とタイプ行にある文章だけである。これらの効果を文章変更効果と言う。
612.2. オブジェクトの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。マジックの色や基本土地タイプ、クリーチャー・タイプと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によってカード名を書き換えることはできない。
612.3. 能力を追加したり取り除いたりする効果は、その影響を受けるオブジェクトの文章を変更するわけではない。従って、効果によってオブジェクトが得た能力は、そのオブジェクトの文章を変更する効果の影響を受けない。
612.4. トークンのサブタイプとルール文章は、そのトークンを生成する呪文や能力によって定義される。それらの特性は文章変更効果によって書き換えることができる。
612.5. あるカード(《ヴォルラスの多相の戦士》)には、あるオブジェクトが他のオブジェクトの「すべての文章」を持つと書かれている。これはそのオブジェクトの文章欄とタイプ行にある文章だけでなく、カード名、マナ・コスト、色指標、パワー、タフネスの文章も変更する。
612.6. あるカード(《スパイ道具》)には、オブジェクトが「すべての伝説でないクリーチャー・カードの名前を持つ」と書かれている。これはそのオブジェクトのカード名を参照する文章を変更する。そのオブジェクトは、オラクルに存在する、伝説でないクリーチャー・カードそれぞれのカード名を持つ(rule 100.6 参照)。
612.7. あるカード(《ヴィトゥ=ガジーの目覚め》)は、オブジェクトのカード名を定める継続的効果を生成する。この変更は、そのオブジェクトの名前を表す文章を変更する。そのオブジェクトはそれまで持っていたカード名をすべて失い、その特定されたカード名だけを持つ。
612.8. 連繋 能力は、連繋を持つカードのルール文をその呪文に、その呪文自身のルール文の後に加えることで呪文の文章を変更する。これによってその呪文自身の文章を変更したり置換したりするわけではない(rule 702.46〔連繋〕参照)。
613.1. オブジェクトの特性の値は、そのオブジェクトそのものの値から始まって決定される。カードであればそのカードに記載されている特性の値、トークンや(呪文やカードの)コピーであればそれを生成した効果によって定められた特性の値を初期値とする。その後、以下の種類別の順番で適用できる継続的効果をすべて適用する。
613.2. 第1種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果はタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.8 参照)。
613.3. 第2種から第6種においては、まず特性定義能力が最初に適用され(rule 604.3 参照)、その後他の効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.8 参照。)。
613.4. 第7種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類細別の中では、依存性によって適用順が変わることがある。(rule 613.8 参照。)
613.5. 上記の種類別による継続的効果の適用は常にそして自動的に行なわれており、結果としてオブジェクトの特性が変更されるのは即時である。
例:《清浄の名誉》は「あなたがコントロールしている白のクリーチャーは+1/+1の修整を得る」というエンチャントである。《清浄の名誉》と2/2の黒のクリーチャーが戦場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果(第5種)が存在したとすると、《清浄の名誉》の効果(第7c種)を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった(第5種)場合、《清浄の名誉》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。
例:2/2のクリーチャー《灰色オーガ》が戦場に出ている。これに+1/+1カウンターが置かれた(第7c種)場合、3/3になる。さらに「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を得る」という効果(第7c種)が適用されれば、7/7になる。「あなたがコントロールしているクリーチャーは+0/+2の修整を得る」というエンチャント(第7c種)が戦場に出たら、そのクリーチャーは7/9になる。ここで、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは0/1になる」という効果(第7b種)が適用されたら、このクリーチャーは、(0/1→呪文の効果で+4/+4→エンチャントの+0/+2→カウンターの+1/+1→)5/8になる。
613.6. 効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。
例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色になる」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また色変更効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色になる」という部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第7c種として処理されることになる。
例:《反逆の行動》は「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、能力追加効果である。従って、「それのコントロールを得る」部分は第2種、「速攻を得る」は第6種として処理される。
例:「ターン終了時まで、クリーチャーでないすべてのアーティファクトは2/2のアーティファクト・クリーチャーになる」という効果は、タイプ変更効果でもあり、パワー・タフネス変更効果でもある。タイプ変更効果は、クリーチャーでないすべてのアーティファクトに対して第4種で適用され、パワー・タフネス変更効果はそれらのパーマネントに対して第7b種で適用される。この時点までに、そのパーマネントはクリーチャーでないアーティファクトではなくなっているが、予定通り適用される。
例:《安息の無い墓、スヴォグトース》が戦場に出ていて、これに「土地1つを対象とする。ターン終了時まで、それは3/3のクリーチャーになり、それは土地でもある」という効果(第4種および第7b種)が適用されたとする。この後、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける」という効果(第7c種)を適用すると、4/4の土地・クリーチャーになる。この後、《安息の無い墓、スヴォグトース》の能力「ターン終了時まで、安息の無い墓、スヴォグトースは『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい』の能力を持つ黒であり緑である植物・ゾンビ・クリーチャーになる。これは土地でもある。」(第4種、第5種、第7b種)を起動した場合、あなたの墓地にクリーチャー・カードが10枚あったとすると、《安息の無い墓、スヴォグトース》のパワーとタフネスは11/11になり、その後墓地の枚数が変わるにつれて変動する。この後、もう一度最初の効果が適用されたとしたら、再び4/4の土地・クリーチャーになることになる。
613.7. 各種類別、各種類細別の中では、効果の適用順は通常、タイムスタンプのルールを用いて決定される。より早いタイムスタンプを持つ効果が先に適用される。
613.8. 種類別、種類細別の中での効果の適用順は、依存関係によって変更される場合がある。依存関係がある場合、タイムスタンプ順のルールは依存のルールによって上書きされる。
613.8a ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別(存在するなら種類細別も)であり、(b)別の効果を適用することにより、その文章が変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりし、さらに(c)どちらの効果も特性定義能力によるものでない、またはどちらの効果も特性定義能力によるものである場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立である。
613.8b 1つまたは複数の効果に依存している効果は、その依存先の効果全てが適用されてからすぐに適用する。このルールによって複数の依存している効果が同時に適用されるようになった場合には、その適用順はお互いのタイムスタンプ順に従う。依存している効果同士によって依存性のループが作られた場合には、このルールを無視し、依存性のループを作っている効果をタイムスタンプ順に適用する。
613.8c 効果の1つが適用された後、残りの効果の順番は再計算される。まだ適用されていない効果が、他のまだ適用されていない効果に対して独立になったりあるいは依存したりすることによって順番が変わることがある。
613.9. 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、一つの効果の結果が、他の効果が適用されるかどうかや、その効果が何をするかを決定することもある。
例:単一のクリーチャーに、「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」というオーラと、「エンチャントされているクリーチャーは飛行を失う」というオーラからの2つの効果が影響を及ぼしている。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に作られた効果が「勝つ」ことになる。それらの効果のいずれかが持続時間のあるもの(「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは飛行を失う」)やオーラでない発生源からのもの(「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であっても、同じ適用法により同じ結論になる。
例:「白のクリーチャーは+1/+1を得る」「エンチャントされているクリーチャーは白である」という2つの効果があった場合、そのエンチャントされているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。
613.10. 継続的効果の中には、たとえばプレイヤーにプロテクション(赤)を得させるなど、オブジェクトでなくプレイヤーに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、オブジェクトの特性が決定された後で、タイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.7、rule 613.8)参照。
613.11. 継続的効果の中には、プレイヤーの手札の上限を変更する、クリーチャーは可能ならばこのターン攻撃する、など、オブジェクトでなくゲームのルールに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、他の全ての継続的効果の適用後に適用される。呪文や能力のコストに影響を及ぼす継続的効果は、rule 601.2fに定められた順番で適用される。それ以外のこの種の効果はタイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.7、rule 613.8)参照。
614.1. 継続的効果の一部は、置換効果である。軽減効果(rule 615 参照)と同様に、置換効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうる特定のイベントを待ち、そのイベントの全部あるいは一部を他のイベントで置換する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
614.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示す。
614.1b 「飛ばす/skip」という語を用いる効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
614.1c 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield with ...」、「[このパーマネント]が戦場に出るに際し〜/As [this permanent] enters the battlefield ...」、「[このパーマネント]は〜として戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield as ...」という効果は置換効果である。
614.1d 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[this permanent] enter(s) the battlefield ...」という継続的効果は置換効果である。
614.1e 「[このパーマネント]がオモテ向きになるに際し〜/As [this permanent] is turned face up ...」という効果は置換効果である。
614.2. 置換効果の一部は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
614.3. 置換効果を作る呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
614.4. 置換効果はしかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を作る呪文や能力は、そのイベントを作る何かに対応して 唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生 能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、クリーチャーを再生することができる機会は存在しない。
614.5. 置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。
例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールしているクリーチャーがパーマネントかプレイヤーにダメージを与えるなら、その代わりに、その倍のダメージをそのパーマネントまたはプレイヤーに与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与えるクリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。
614.6. イベントが置換された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
614.7. 置換効果があるイベントを置換する場合、そのイベントが発生しなければ、置換効果は何もしない。
614.8. 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊されるなら、その代わりに負っているダメージを全て取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。rule 701.15 参照。
614.9. 効果によって、あるクリーチャー、プレインズウォーカー、あるいはプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え/redirection」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーやプレインズウォーカーが戦場を離れていたり、クリーチャーやプレインズウォーカーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。ダメージが既にゲームを離れているプレイヤーから、あるいはゲームから除外されているプレイヤーに、移し変えられる場合、効果は何もしない。
614.10. イベントやステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [something]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」ということを意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす効果が発揮されるのは、次の機会になる。
614.11. 置換効果の中に、カードを引くことを置換するものがある。それらの効果は、そのライブラリーにカードが存在しないために引くことができない場合にも適用される。
614.12. 置換効果の中に、パーマネントが戦場に出ることに影響を及ぼすものがある(rule 614.1c-d参照)。そのパーマネント自身が持つその種の効果が適用されるのは、その効果がそのパーマネント自身にだけ影響を及ぼす場合だけである(そのパーマネントを含む一群のパーマネントに影響を及ぼすものは、そのパーマネント自身には影響を及ぼさない)。他の発生源からの効果であることもありうる。それらの置換効果のうち、どれがどのように適用されるかを決定するに際しては、そのパーマネントが戦場に出た時点で取るであろう特性を見る。ここで考慮するのは、戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの(rule 616.1 参照)と、そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるものと、すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるものだけである。
例:《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。」「万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ。」という能力を持つ。《万物の声》のコピーであるトークンが何らかの効果によって生成される場合、そのトークンが生成されるに際して、そのトークンのコントローラーは色を選ぶ。
例:《イクスリッドの看守》は「墓地にあるカードはすべての能力を失う。」という能力を持つ。《スカーウッドのツリーフォーク》は「スカーウッドのツリーフォークはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つ。《イクスリッドの看守》がいるときに《スカーウッドのツリーフォーク》が墓地から戦場に出る場合、タップ状態で戦場に出る。
例:《夢の宝珠》は「パーマネントはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つアーティファクトである。これはそれ自身には影響を及ぼさないので、《夢の宝珠》はアンタップ状態で戦場に出る。
614.13. パーマネントがどのように戦場に出るかを修整する効果は、他のオブジェクトの領域を移動させることがある。
614.14. あるオブジェクトに、カードを追放する置換効果を作る能力が記載されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つめの能力は、その1つめの種類の能力による置換効果の直接の結果、追放 領域に置かれているカードだけを参照する。他のオブジェクトが関連した能力の組を得た場合、それらの能力は元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
614.15. 置換効果の中には、継続的効果でないものも存在する。呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換するそういった効果のことを自己置換効果と呼ぶ。自己置換効果を作る文章のほとんどは置換される効果をもたらす能力の一部であるが、特に能力語が先行している場合には別の能力であることもありうる。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。
614.16. 「効果によりあなたのコントロール下でトークンが1つ以上生成されるなら/if an effect would create one or more tokens」あるいは「効果によりパーマネントの上に1個以上のカウンターが置かれるなら/if an effect would put one or more counters on a permanent」適用される置換効果が存在する。呪文や能力の解決の効果がトークンを生成したりパーマネントにカウンターを置いたりする場合と、他の置換・軽減効果がそうする場合にこれらの置換効果が適用される。置換・軽減効果の影響を受けるイベントそのものが効果でなかった場合にも適用される。
614.17. 何かが起こらないとする効果が存在する。それらの効果は置換効果ではないが、同じようなルールに従う。
615.1. 継続的効果の一部は、軽減効果である。置換効果(rule 614 参照)と同様に、軽減効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうるダメージを待ち、その全部あるいは一部を軽減する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
615.2. 多くの軽減効果は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
615.3. 軽減効果を作る呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
615.4. 軽減効果はダメージが与えられるよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を作る呪文や能力は、そのイベントを作る何かに対応して 唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
例:ダメージを与える呪文に対応して、ダメージを軽減する能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、ダメージを軽減することができる機会は存在しない。
615.5. 軽減効果の中には、軽減されたダメージの量を参照する追加の効果を含むものがある。その場合、軽減効果はその本来起こるイベントが起こるべきタイミングで発生し、その直後にそれ以外の効果が発生する。
615.6. 与えられるダメージが軽減された場合、それは決して起こったことにならない。その代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
615.7. 呪文や能力の解決によって作られた軽減効果の中には、一定の量のダメージに対処し、消耗するものがある。例えば「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する。」といったものである。「シールドされた」パーマネントかプレイヤーへ与えられるはずのダメージ1点につき、代わりにシールドを1減らす。該当するダメージの発生源複数から同時にダメージを受けた場合、そのシールドされたプレイヤー、あるいはシールドされたパーマネントのコントローラーが、どのダメージを軽減するかを決める。シールドが0まで減ったら、残りのダメージは通常通り与えられる。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与えるイベントやダメージの発生源の数は問題にしない。
615.8. 呪文や能力の解決によって作られた軽減効果の中には、特定の発生源が次に与えるダメージを参照するものがある。この種の効果は、ダメージの量に依らず、その発生源からの次のダメージを軽減する。その発生源からのダメージが一度軽減されたら、その発生源からのダメージは以降通常通り与えられる。
615.9. 呪文や能力の解決によって作られた効果の中には、プレイヤーが選んだ特定の条件を持つ発生源からのダメージを軽減するものがある。その発生源がダメージを与える時点で、その盾は発生源の条件を再確認する。その条件がすでに当てはまらなくなっていた場合、ダメージは軽減されることも置換されることもなく、盾は消費されない。rule 609.7b 参照。
615.10. 常在型能力によって作られた軽減効果の中には、特定の量のダメージに対処するものがある。例えば「発生源があなたにダメージを与えるなら、そのダメージを1点軽減する。」といったものである。この種の効果は、該当するダメージ・イベントによるダメージを全て表示された量だけ軽減する。異なるイベントによるダメージは、それが同時に起こった物であれ別々の時に起こった物であれ、それぞれ別々に適用される。
例:《圧倒する防衛者》は「発生源があなたがコントロールしているクレリック1体にダメージを与えるなら、そのダメージを1点軽減する。」という能力を持つ。《紅蓮地獄》は「紅蓮地獄は各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《紅蓮地獄》は、《圧倒する防衛者》のコントローラーがコントロールしているクレリックにはそれぞれ1点ずつ、それ以外のクリーチャーには2点ずつのダメージを与える。
615.11. 対象を取らない、複数のクリーチャーに与えられる次のN点のダメージを軽減する類いの軽減効果では、その効果を作る呪文や能力の解決によって、影響を受けるクリーチャーそれぞれに軽減の盾を作る。
例:《ウォジェクの薬剤師》は「{T}: クリーチャー1体を対象とする。このターン、それ、およびそれと共通の色を持つ他の各クリーチャーに次に与えられるダメージを1点軽減する。」という能力を持つ。この能力の解決によって、対象となったクリーチャーと、その時点でそれと共通の色を持つクリーチャーに、次の1点のダメージを軽減する盾を作る。この能力の解決以降にクリーチャーの色を変えても、盾が増えたり減ったりすることはない。また、このターンの間、これの解決以降に戦場に出たクリーチャーが盾を得ることはない。
615.12. 「軽減できない」ダメージを与える効果が存在する。軽減できない効果が与えられる場合、適用できる軽減効果は適用されるが、ダメージは軽減されない。ただし、追加の効果がある場合、それは通常通り機能する。軽減されないダメージによって、存在しているダメージ 軽減の盾が減少することはない。
615.13. 与えられるダメージが軽減されたときに誘発する誘発型能力が存在する。そのような能力は、軽減効果が1つ以上の同時のダメージ・イベントに適用され、そのダメージの一部または全部を軽減するごとに誘発する。
616. 置換・軽減効果の相互作用
616.1. 複数の置換・軽減効果がいずれかのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを修整しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー(コントローラーがいないならオーナー)、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか、以下の手順で決める。複数のプレイヤーが同時に選択を行なう場合、選択はAPNAP順(rule 101.4 参照)で行なう。
616.2. 置換・軽減効果は、イベントを修整する別の置換・軽減効果の結果として、イベントに適用できるようになることがある。
例:「あなたが1点のライフを得るなら、その代わりに カードを1枚引く」という効果と「カードを1枚引くなら、その代わりに あなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが戦場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。
7. その他のルール
700.1. ゲーム内で起こるあらゆることはイベントである。複数のイベントが、呪文や能力の解決中に発生することがある。誘発型能力や置換効果の文章が、それらが見ているイベントを定義する。ある能力にとっては1つのイベントになる出来事が、他の能力にとっては複数のイベントであることもある。
例:攻撃クリーチャーが2体のクリーチャーによってブロックされた場合、それは「[このクリーチャー]がブロックされるたび」という誘発型能力から見れば1つのイベントだが、「[このクリーチャー]がクリーチャー1体によってブロックされるたび」という誘発型能力から見れば2つのイベントである。
700.2. プレイヤーがいくつか選ぶと指示した後に箇条書きで複数の選択肢が記されている呪文や能力は、モードを持つと言い、そのそれぞれの選択肢をモードと呼ぶ。『タルキール覇王譚』以前のモードを持つカードは箇条書きを用いていない。それらのカードはオラクルで訂正され、モードが箇条書きで表示されるようになっている。
700.3. オブジェクトを一時的に複数の束に分ける効果が存在する。
700.4. 「死亡する/Die」という語は「〜が戦場から墓地に置かれる」ことを意味する。
700.5. プレイヤーの「[色]への信心/devotion to [color]」は、そのプレイヤーがコントロールしているパーマネントのマナ・コストに含まれるその色のマナ・シンボルの数に等しい。プレイヤーの「[色1]と[色2]への信心/devotion to [color 1] and [color 2]」は、そのプレイヤーがコントロールしているパーマネントのマナ・コストに含まれる、[色1]、[色2]、その両方の色、のマナ・シンボルの総数に等しい。
700.6. 「歴史的な/Historic」という語は、伝説のの特殊タイプか、アーティファクトのカード・タイプか、英雄譚のサブタイプを持つオブジェクトのことを指す。
700.7. オブジェクトの能力が、特性を用いて「この[何か]/this [something]」の類の表現でいずれかのオブジェクトを指していた場合、後でその特性が合わなくなったとしても、その特定のオブジェクトを指す。
例:「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力があった場合、その+2/+2の修整を受けたオブジェクトが次の終了ステップの開始時にクリーチャーでなくなっていたとしても、破壊する。
700.8. プレイヤーのパーティーを構成するクリーチャーの数に言及しているカードが存在する。プレイヤーのパーティーは、以下の4種類のクリーチャー・タイプそれぞれについてそのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー最大1体ずつからなる。「ウィザード/Wizard」「クレリック/Cleric」「戦士/Warrior」「ならず者/Rogue」
701.1. カードのルール文章に書かれている処理のほとんどは普通の言語で書かれているが、いくつかの動詞は定義が必要な術語である。それらの「キーワード」はゲーム用語であり、注釈文で意味が要約されていることがある。
701.2. 起動/Activate
701.3. つける/Attach
701.4. 唱える/Cast
701.5. 打ち消す/Counter
701.6. 生成する/Create
701.7. 破壊する/Destroy
701.8. 捨てる/Discard
701.9. 倍にする/Double
701.10. 交換する/Exchange
701.11. 追放する/Exile
701.12. 格闘を行なう/Fight
701.13. 切削する/Mill
701.14. プレイする/Play
701.15. 再生する/Regenerate
701.16. 公開する/Reveal
701.17. 生け贄に捧げる/Sacrifice
701.18. 占術を行なう/Scry
701.19. 探す/Search
701.20. 切り直す/Shuffle
701.21. タップする、アンタップする/Tap and Untap
701.22. 消術を行なう/Fateseal
701.23. 激突を行なう/Clash
701.24. プレインズウォークする/Planeswalk
701.25. 実行中にする/Set in Motion
701.26. 破棄する/Abandon
701.27. 増殖を行う/Proliferate
701.28. 変身する/Transform
701.29. 留置する/Detain
701.30. 居住する/Populate
701.31. 怪物化を行う/Monstrosity
701.32. 投票する/Vote
701.32a 呪文や能力の中には、その呪文または能力の効果の結果を決定するために記載される複数の選択肢の中から1つに投票するよう指示するものがある。「投票する/Vote」には、特定のプレイヤーから始まりターン順に各プレイヤーがそれらの選択肢の中から1つを選択する。
701.32b 記載された選択肢には、オブジェクト、ルール上の意味を持たない単語で異なる効果に関連したもの、あるいは呪文または能力の解決に関連した変数があり得る。
701.32c 呪文または能力に「投票」と書いてあるものがある場合、それは実際の投票のみを指すものであり、「投票」という文言を使用せずにプレイヤーに選択や決定を行わせる呪文あるいは能力ではない。
701.32d 効果によってプレイヤーが複数の票を持った場合、それらの投票はすべて同時に、そのプレイヤーが通常投票する時点で行われる。
701.33. 鼓舞を行う/Bolster
701.34. 予示する/Manifest
701.35. 支援を行う/Support
701.36. 調査を行う/Investigate
701.37. 合体する/Meld
701.38. 使嗾する/Goad
701.39. 督励する/Exert
701.40. 探検を行う/Explore
701.41. 組み立てる/Assemble
701.41a 「組み立てる/Assemble」とは、『Unstable』セットに存在するキーワード処理で、からくりを戦場に出すことである。銀枠 カード以外では、1枚(《蒸気打ちの親分/Steamflogger Boss》)だけがからくりを組み立てることを参照している。『Unstable』セットのカードやメカニズムはこのルールには含まれていない。詳細は『Unstable』FAQ 参照。
701.42. 諜報を行う/Surveil
701.43. 順応を行う/Adapt
701.44. 動員を行う/Amass
702.1. ほとんどの能力は、カードのルール文章に何をするかがそのまま書かれている。しかし、頻出の能力や定義するのにあまりにも多くの場所を必要とするような能力が存在するので、オブジェクトにはその能力の名前を「キーワード」として記載するだけにとどめる。しばしば、注釈文で意味が要約されていることがある。
702.2. 接死/Deathtouch
702.3. 防衛/Defender
702.4. 二段攻撃/Double Strike
702.5. エンチャント/Enchant
702.6. 装備/Equip
702.7. 先制攻撃/First Strike
702.8. 瞬速/Flash
702.9. 飛行/Flying
702.10. 速攻/Haste
702.11. 呪禁/Hexproof
702.12. 破壊不能/Indestructible
702.13. 威嚇/Intimidate
702.14. 土地渡り/Landwalk
702.15. 絆魂/Lifelink
702.16. プロテクション/Protection
702.17. 到達/Reach
702.18. 被覆/Shroud
702.19. トランプル/Trample
702.20. 警戒/Vigilance
702.21. バンド/Banding
702.22. ランページ/Rampage
702.23. 累加アップキープ/Cumulative Upkeep
702.24. 側面攻撃/Flanking
702.25. フェイジング/Phasing
702.26. バイバック/Buyback
702.27. シャドー/Shadow
702.28. サイクリング/Cycling
702.29. エコー/Echo
702.30. 馬術/Horsemanship
702.31. 消散/Fading
702.32. キッカー/Kicker
702.33. フラッシュバック/Flashback
702.34. マッドネス/Madness
702.35. 畏怖/Fear
702.36. 変異/Morph
702.37. 増幅/Amplify
702.38. 挑発/Provoke
702.39. ストーム/Storm
702.40. 親和/Affinity
702.41. 双呪/Entwine
702.42. 接合/Modular
702.43. 烈日/Sunburst
702.44. 武士道/Bushido
702.45. 転生/Soulshift
702.46. 連繋/Splice
702.47. 献身/Offering
702.48. 忍術/Ninjutsu
702.49. 歴伝/Epic
702.50. 召集/Convoke
702.51. 発掘/Dredge
702.52. 変成/Transmute
702.53. 狂喜/Bloodthirst
702.54. 憑依/Haunt
702.55. 複製/Replicate
702.56. 予見/Forecast
702.57. 移植/Graft
702.58. 復活/Recover
702.59. 波及/Ripple
702.60. 刹那/Split Second
702.61. 待機/Suspend
702.62. 消失/Vanishing
702.63. 吸収/Absorb
702.64. オーラ交換/Aura Swap
702.65. 探査/Delve
702.66. 城砦化/Fortify
702.67. 激情/Frenzy
702.68. 墓地ストーム/Gravestorm
702.69. 有毒/Poisonous
702.70. 変形/Transfigure
702.71. 覇権/Champion
702.72. 多相/Changeling
702.73. 想起/Evoke
702.74. 秘匿/Hideaway
702.75. 徘徊/Prowl
702.76. 補強/Reinforce
702.77. 共謀/Conspire
702.78. 頑強/Persist
702.79. 萎縮/Wither
702.80. 回顧/Retrace
702.81. 貪食/Devour
702.82. 賛美/Exalted
702.83. 蘇生/Unearth
702.84. 続唱/Cascade
702.85. 滅殺/Annihilator
702.86. Lvアップ/Level Up
702.87. 反復/Rebound
702.88. 族霊鎧/Totem Armor
702.89. 感染/Infect
702.90. 喊声/Battle Cry
702.91. 生体武器/Living Weapon
702.92. 不死/Undying
702.93. 奇跡/Miracle
702.94. 結魂/Soulbond
702.95. 超過/Overload
702.96. 活用/Scavenge
702.97. 解鎖/Unleash
702.98. 暗号/Cipher
702.99. 進化/Evolve
702.100. 強請/Extort
702.101. 融合/Fuse
702.102. 授与/Bestow
702.103. 貢納/Tribute
702.104. 廃位/Dethrone
702.105. 秘策/Hidden Agenda
702.106. 長久/Outlast
702.107. 果敢/Prowess
702.108. 疾駆/Dash
702.109. 濫用/Exploit
702.110. 威迫/Menace
702.111. 高名/Renown
702.112. 覚醒/Awaken
702.113. 欠色/Devoid
702.114. 嚥下/Ingest
702.115. 無尽/Myriad
702.116. 怒濤/Surge
702.117. 潜伏/Skulk
702.118. 現出/Emerge
702.119. 増呪/Escalate
702.120. 会戦/Melee
702.121. 搭乗/Crew
702.122. 製造/Fabricate
702.123. 共闘/Partner
702.124. 不抜/Undaunted
702.125. 即席/Improvise
702.126. 余波/Aftermath
702.127. 不朽/Embalm
702.128. 永遠/Eternalize
702.129. 加虐/Afflict
702.130. 昇殿/Ascend
702.131. 助力/Assist
702.132. 再活/Jump-Start
702.133. 教導/Mentor
702.134. 死後/Afterlife
702.135. 暴動/Riot
702.136. 絢爛/Spectacle
702.137 脱出/Escape
702.138. 相棒/Companion
702.139. 変容/Mutate
703.1. ターン起因処理は、あるステップやフェイズが始まったとき、あるいは終わったときに自動的に発生するゲームの処理である。ターン起因処理はスタックを用いない。
703.2. ターン起因処理は、いずれのプレイヤーにもコントロールされていない。
703.3. ステップやフェイズが始まると、そのステップやフェイズにターン起因処理が存在するなら、そのターン起因処理が最初に処理される。これは状況起因処理のチェックよりも前で、誘発型能力がスタックに積まれるよりも前で、プレイヤーが優先権を得るよりも前である。
703.4. ターン起因処理は以下の通り。
704.1. 状況起因処理は、ある特定の条件(以下に列記)を満たしたときに自動的に発生するゲームの処理である。状況起因処理はスタックを用いない。
704.2. 状況起因処理はゲームの間にチェックされ、どのプレイヤーにもコントロールされていない。
704.3. プレイヤーが優先権を得るたび(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)、ゲームは状況起因処理の発生する条件のどれかが満たされていないかを確認し、該当するものがあればそのすべての状況起因処理を同時に、単一のイベントとして処理する。状況起因処理がチェックの結果として発生した場合、処理後に再びチェックが繰り返される。そうでなければスタックに積まれるのを待っている誘発型能力がスタックに積まれ、再びチェックが行なわれる。状況起因処理が発生しなくなり、スタックに積まれるのを待っている誘発型能力もなくなっていれば、該当するプレイヤーは優先権を得る。この手順はクリンナップ・ステップにも行なわれる(rule 514 参照)が、もし状況起因処理も誘発型能力も発生しなければ、プレイヤーは優先権を得ないでステップが終了するという点が特殊である。
704.4. 誘発型能力と違い、状況起因処理は呪文や能力の解決中に何が起こっているかは確認しない。
例:「このクリーチャーは、あなたの手札の枚数に等しいパワーとタフネスを持つ」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、そのあとカードを7枚引く」という呪文を唱えたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因処理がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札が無くなった時に誘発する能力は、誘発イベントが解決中に発生したので、呪文の解決後にスタックに積まれる。
704.5. 状況起因処理には、以下の物がある。
704.6 変種ルールのゲームでは、通常は適用されないような追加の状況起因処理が存在することがある。
704.7. 複数の状況起因処理が同時に同じ結果をもたらす場合、単一の置換効果によってその全てが置換される。
例:「あなたがこのゲームに敗北するなら、代わりに あなたの手札とあなたの墓地とあなたがオーナーであるすべてのパーマネントをあなたのライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引き、あなたのライフの総量を20点にする。」という《死者の鏡》をコントロールしている時に、ライブラリーの残り枚数が1枚であり、ライフの総量が1点である。この場合にカードを2枚引き、2点のライフを失うという呪文の効果が処理されたとすると、次の状況起因処理のチェックによって、rule 704.5a と rule 704.5b の2つの条項によってゲームに負けることになるが、《死者の鏡》はその両方の負けを置換し、あなたはゲームを続けることになる。
704.8. 状況起因処理の結果として、他の状況起因処理が行なわれるのと同時にパーマネントが戦場を離れた場合、そのパーマネントの最後の情報は、それらの状況起因処理を行なう前の情報を用いる。
例:プレイヤーが+1/+1カウンターが1個乗っている状態の不死を持つ1/1クリーチャー《若き狼》をコントロールしている。呪文によって、《若き狼》に、-1/-1カウンターが3つ乗せられた。状況起因処理が行なわれる前の状態では、《若き狼》には+1/+1カウンター1つと-1/-1カウンター3つが乗っている。状況起因処理の結果、《若き狼》は墓地に置かれる。戦場にあった最後の時点では+1/+1カウンターが乗っているので、不死は誘発しない。
705.1. プレイヤーにコイン投げをさせる効果は、そのプレイヤーがコイン投げに勝つか負けるかを見ることができる。そのような効果でコインを投げる場合、そのプレイヤーがコインを投げ、表か裏かを宣言する。宣言が結果と一致した場合、そのプレイヤーはコイン投げに勝ち、そうでなければコイン投げに負ける。コインを投げたプレイヤーだけがコイン投げに勝ったり負けたりするのであり、他のプレイヤーには関係しない。
705.2. 効果がプレイヤーにコイン投げをさせ、その効果がコイン投げの勝者や敗者ではなくそのコインが表になるか裏になるかだけを見る場合、そのプレイヤーが表裏を宣言せずにコインを投げる。この種のコイン投げでは勝ちや負けは存在しない。
705.3. 投げるために使うコインは、どちらの面か容易に区別でき、かつほぼ等確率でそれぞれの面が上になる、2面の物体でなければならない。投げられるコインのオモテと裏がはっきりしていない場合、どちらがオモテであるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数がオモテで偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。
706.1. 呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー/copy」になったり、他のオブジェクトをコピーにしたりするオブジェクトが存在する。また、他のオブジェクトのコピーであるトークンを生成する効果も存在する。(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という記載があるものがあるが、この節ではそれについては扱わない。また、それらのカードはオラクルで修正されている)。
706.2. オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、唱えられた、あるいは起動された時に行なわれた選択(モード、対象、Xの値、キッカーされているかどうか、複数の対象にどのように影響を及ぼすか、など)もコピーする。オブジェクトのコピー可能な値とは、オブジェクトに記載されている値(カード名、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、ルール文章、パワー、タフネス、忠誠度)に、他のコピー 効果、裏向きの位相であること、パワーやタフネス(や、場合によってはその他の特性)を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「オモテになるに際し/as ... is turned face up」の能力、そのオブジェクトを裏向きにする能力による影響を加味したものである。それ以外の(タイプや文章を変更するようなものも含む)効果、位相、カウンターはコピーされない。
例:《キマイラ杖》は「{X}:ターン終了時まで、キマイラ杖はX/Xのアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトであり、《クローン》は「《クローン》が戦場に出るに際し、あなたは戦場に出ているクリーチャー1体を選んでもよい。そうしたなら、クローンはそのクリーチャーのコピーとして戦場に出る。」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5のアーティファクト・クリーチャーになった後で、《クローン》がそれのコピーとして戦場に出た場合、《クローン》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして戦場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャーになることはできる)。
例:《クローン》が、裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異{2}{B}{B}を持つクリーチャー)のコピーとして戦場に出るとする。この場合、《クローン》は無色の2/2で、カード名、タイプ、能力、マナ・コストを持たないクリーチャーとして戦場に出る。ただし、オモテ向きであり、{2}{B}{B}を支払ってオモテ向きになることはできない。
706.3. コピーのコピー可能な情報は、そのコピーの位相によって修整された(rule 110.5 参照)、コピーされた情報である。そのコピーを他のオブジェクトがコピーした場合には、新しいコピー可能な情報を用いる。
例:《Vesuvan Doppelganger》は「あなたは「Vesuvan Doppelgangerは、そのクリーチャーの色をコピーしないことと『あなたのアップキープの開始時に、クリーチャー1体を対象とする。あなたはこのクリーチャーを、そのクリーチャーの色をコピーしないことを除いてそれのコピーにしてもよい。そうしたなら、このクリーチャーはこの能力を得る。』を得ることを除いて戦場にある好きなクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る。」を選んでもよい。」という能力を持つ。《Vesuvan Doppelganger》が《ルーン爪の熊》(能力を持たない2/2の緑の熊クリーチャー)のコピーとして戦場に出た。その後で、《クローン》がその《Vesuvan Doppelganger》のコピーとして戦場に出た場合には、《クローン》は2/2の青で、クリーチャー・タイプが熊の《ルーン爪の熊》となり、《Vesuvan Doppelganger》のアップキープ誘発型能力を持つ。
例:《暴く者、智也》(反転状態の反転カード)が《鼠の短牙》(反転していない反転カード)のコピーになった場合、《暴く者、智也》の特性は《鼠の短牙》の反転した状態である《憎まれ者の傷弄り》の特性となる。
例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が、オモテ向きの《枝折りロリアン》(4/1で変異{G}とトランプルを持つ緑のクリーチャー)のコピーとなった場合、その《にやにや笑いの悪魔》の特性は《枝折りロリアン》のものになるが、そのクリーチャーは裏向きなので、2/2の無色でカード名やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。{G}でオモテ向きになることができ、オモテ向きになると《枝折りロリアン》の特性を持つ。
例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が《さまようもの》(1/1のスピリット・クリーチャーで変異をもたない)のコピーになった場合、裏向きの《さまようもの》なので、2/2の無色でカード名やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。変異を持たないので、特別な処理でオモテ向きになることはできない。効果によってオモテ向きになった場合には、《さまようもの》の特性を持つ。
706.4. パーマネントをコピーしているパーマネントが戦場にある間に、それを他のオブジェクトのコピーにするという効果が存在する。その変化は戦場に出たときの能力や戦場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのパーマネントに影響を及ぼす効果を変更することもない。
例:《不定の多相の戦士》は「クリーチャーが戦場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受ける」という効果を持つ《巨大化》の影響を受けている時に他のクリーチャーが戦場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。
706.5. 他のオブジェクトの「コピーとして/as a copy」戦場に出る、または「これは[他のオブジェクト]のコピーである/that's a copy of [another object]」として戦場に出るオブジェクトは、戦場に出るに際してそのオブジェクトのコピーとなる。戦場に出てからそのパーマネントのコピーになるわけではない。コピーが、(「〜状態で戦場に出る/enters the battlefield with」や「[これ]が戦場に出るに際し/as [this] enters the battlefield」などの)戦場に出るイベントを置換する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる戦場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。
例:《スカイシュラウドのビヒモス》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散 カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、そのクリーチャーの上から消散 カウンターを1個取り除く。消散 カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)」と「スカイシュラウドのビヒモスはタップ状態で戦場に出る」という能力を持つ。《クローン》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして戦場に出る場合、消散 カウンターが2個置かれて、タップ状態で戦場に出る。
例:《前兆の壁》は「前兆の壁が戦場に出たとき、カードを1枚引く。」という能力を持っている。《クローン》が《前兆の壁》のコピーとして戦場に出るとき、《クローン》は《前兆の壁》の戦場に出るときの誘発型能力を持っているので、《クローン》のコントローラーはカードを1枚引く。
706.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされない。あるオブジェクトが他のパーマネントのコピーとして戦場に出る場合、そのオブジェクトのコントローラーが、全ての「戦場に出るに際し」ての選択を行なう。
例:《クローン》が《順応する自動機械》のコピーとして戦場に出る。《順応する自動機械》は「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力を持つ。この《クローン》は、《順応する自動機械》の行なっていた色の選択についてはコピーしないで、《クローン》のコントローラーが改めてその選択を行なう。
706.7. 関連している能力の組がコピーされた場合、コピーしたオブジェクトの得た能力も同様に関連している能力となる。その能力が参照するのは、もう一方の能力によって行なわれた行動や影響されたオブジェクトだけである。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、これらの能力が他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
706.8. 両面カード、第1面の合体カード、あるいは合体したパーマネントをコピーする場合、その時点でオモテになっている側の面のコピー可能な値だけをコピーする(rule 711〔両面カード〕、rule 712〔合体カード〕参照)。
706.9. コピー 効果の中には、コピーすることに修正を加えたり例外を設けたりするものがある。
706.10. 呪文や起動型能力、誘発型能力をコピーするとは、その呪文や能力のコピーをスタックに積む、ということを意味する。呪文のコピーは唱えられず、能力のコピーは起動されない。呪文や能力の特性のコピーに加えて、例えばモード、対象、Xの値、追加コストや代替コストの支払いなど、呪文や能力のためになされた全ての選択がコピーされる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。解決時に通常行われる選択はコピーされない。コピーの効果がコストを支払うために用いたオブジェクトを参照する場合、コピーは元の呪文や能力のコストを支払うために用いたオブジェクトを用いる。呪文のコピーのオーナーもコントローラーも、そのコピーをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。それを表すカードは存在しないが、呪文のコピーは呪文である。能力のコピーは能力である。
例:あるプレイヤーが、モードを持つインスタントである《エメラルドの魔除け》を対象に「インスタントかソーサリーである呪文1つを対象とし、それを、コピーが赤であることを除いてコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《Fork》を唱えた。《Fork》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは緑ではなく赤である。また、このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《Fork》がそう認めているからである。
例:《投げ飛ばし》は、「この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」と「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。投げ飛ばしはそれに生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい量のダメージを与える。」という効果を持つインスタントである。《投げ飛ばし》のコピーが与えるダメージを決めるに際しては、元の《投げ飛ばし》で生け贄に捧げたクリーチャーのパワーを参照する。
例:《アケノヒカリの注入》は「あなたは、この呪文を唱えるために{G}が支払われていたならX点のライフと、これを唱えるために{W}が支払われていたならX点のライフを得る。というソーサリーである。マナはオブジェクトではないので、《アケノヒカリの注入》を唱えるのにどのマナが使われていても、そのコピーによってライフを得ることはない。
706.11. ある効果がパーマネントをカード名で参照する場合、他のものをコピーしていたりカード名が変わっていたりしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。
例:《不定の多相の戦士》が《狂ったアーモドン》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「{G}:ターン終了時まで、狂ったアーモドンは+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを得る。次の終了ステップの開始時に、狂ったアーモドンを破壊する。この能力は1ターンに1回しか起動できない」という能力を持っている。この起動型能力を起動した後、ターン終了ステップの開始時までに他のもののコピーになっていたとしても、次の終了ステップの開始時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。
706.12. プレイヤーに、(単に呪文をコピーするのではなく)オブジェクトの「コピーを唱え/cast a copy」させる効果は、そのコピーがそのオブジェクトのある領域に生成され、そして呪文や能力の解決中にそのコピーが唱えられることを除いて、呪文を唱えることに関するルールに従う。オブジェクトのコピーは、rule 601〔呪文を唱えること〕の、rule 601.2a-h の手順に従って唱えられる。唱えられた後は、コピーはスタック上の呪文となり、他の呪文と同じように解決したり打ち消されたりする。
707.1. カードによって、呪文やパーマネントが裏向きになることがある。
707.2. スタック上にある裏向きの呪文や裏向きで戦場に出ているパーマネントは、そのカード、呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのオブジェクトのコピー可能な値となる。rule 613〔継続的効果の相互作用〕、rule 706〔オブジェクトのコピー〕参照。
707.3. 裏向きに戦場に出るオブジェクトは、それが戦場に出るよりも前に裏向きになるので、そのパーマネントの戦場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。
707.4. 裏向きで唱えられるオブジェクトは、スタックに積まれるよりも前に裏向きになるので、その呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。(そのカードのオモテ向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つオブジェクトを唱えることに適用される効果や禁止は、このオブジェクトを唱える際に適用される。その呪文が解決されてなるパーマネントは、裏向きである。
707.5. スタックにある裏向きの呪文、戦場にある(フェイズ・アウトしているものも含む)裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらのオモテをいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、他のプレイヤーがコントロールしている呪文やパーマネントのオモテを見ることは、できない。
707.6. スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、戦場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければならない。これには、どの能力やルールによってそのパーマネントが裏向きになっているのか、呪文を唱えた順番、裏向きのパーマネントが戦場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのオブジェクトを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが戦場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。
707.7. パーマネントを裏向きにする能力やルールによっては、オモテ向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文をオモテ向きにすることはできない。
707.8. 裏向きのパーマネントがオモテ向きになるに際して、そのパーマネントのコピー可能な値は通常のコピー可能な値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を及ぼしていた効果は、そのままオモテ向きのパーマネントにも影響を及ぼす。パーマネントがオモテ向きになったときには、そのパーマネントが戦場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに戦場に出ていたからである。
707.9. 裏向きのパーマネントや合同パーマネントの裏向きの部品が戦場から他の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。裏向きの呪文がスタックから戦場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。プレイヤーがゲームを離れる場合、そのプレイヤーがオーナーであるすべての裏向きのパーマネントと、合同パーマネントの裏向きの部品と、裏向きの呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。各ゲームの終了時には、すべての裏向きのパーマネントと、合同パーマネントの裏向きの部品と、裏向きの呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。
707.10. 裏向きのパーマネントが他のパーマネントのコピーとなる場合、そのコピー可能な値は、コピーするパーマネントのコピー可能な値となり、それに裏向きの位相であることによる変更が加えられる。従ってその特性値は、裏向きにできるようにした能力やルールによって定められている、元の特性値と同じになる。ただし、オモテ向きになった場合には、そのコピー可能な値は、コピーされている値となる。rule 706.3 参照。
707.11. 裏向きのパーマネントが「[このパーマネント]がオモテ向きになるに際し〜/As [this permanent] is turned face up ...」という能力を持つことになる場合、その能力はそのパーマネントがオモテ向きになる間に適用される。オモテになったあとで適用されるわけではない。
708.1. 分割カードでは、1枚のカードに2組のオモテが存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。
708.2. 分割カードには2つの唱えられる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。
708.3. プレイヤーは分割カードのどちらの半分を唱えようとしているのか、それをスタックに置く前に選ぶ。
708.4. スタック以外の領域にあるときは、分割カードは2組の特性を持つ。これは過去のルールからの変更である。
709.1. 反転カードには、1枚のカードに2つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれている文章は、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの第2面は、通常のマジックのカードである。
709.2. 戦場以外の全ての領域、および戦場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのカードの通常の特性を持つ。戦場にある反転パーマネントが反転したら、その反転パーマネントの通常のカード名、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。
例:《悪忌の溶岩走り》は、反転すると伝説の クリーチャーである《溶岩生まれのトクトク》になる、伝説でないクリーチャーである。「あなたのライブラリーから伝説の カードを1枚探す」という効果はこのカードを探して来ることはできない。「伝説の クリーチャーは+2/+2の修整を受ける」という効果は、戦場に出ているこのカードが反転状態である(《悪忌の溶岩走り》でなく《溶岩生まれのトクトク》である)ときのみ効果を及ぼす。
709.3. あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。
709.4. パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態になったら、それを再び反転していない状態に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが戦場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。rule 110.5 参照。
709.5. 何らかの効果によってプレイヤーがカード名1つを選ぶ場合、そのプレイヤーは望むなら反転カードの代替のカード名を選ぶことができる。
710.1. 各Lv系カードは、横方向に分割された文章欄と3つのパワー/タフネス枠を持つ。Lv系カードの文章欄は、2つのLvシンボルを含んでいる。
710.2. Lvシンボルは、常在型能力を表すキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。
710.3. 横方向に分割された文章欄は、どのLvシンボルと能力やパワー/タフネスが対応しているかを明確にする以外に、ゲーム上の意味はない。Lv系カードの文章欄自体は1つである。
710.4. Lv系カードの各能力のうち、Lvシンボルが前に無い部分の能力は、通常通り扱う。特に、各Lv系パーマネントは常にLvアップ 能力(rule 702.86 参照)を持つ。これは、そのパーマネントにLvカウンターがいくつ乗っていても起動できる。
710.5. Lv系クリーチャーの上のLvカウンターの数がN1({Lv N1-N2}シンボルに記載されている最初の数)未満である場合、そのパワーとタフネスは最も上のパワー/タフネス枠で規定される。
710.6. 戦場以外の各領域では、Lv系カードは最も上のパワー/タフネス枠で規定されるパワーとタフネスを持つ。
711.1. 両面カードとは、カードの一方にマジックのカードのオモテ面、もう一方にマジックのカードの裏面があるのではなく、両方にマジックのカードのオモテ面があるカードである。両面カードには2種類存在する。変身する両面カードは、その一方あるいは両方の面にそのカードを「変身/transform」させる(もう一方の面へ裏返す)、あるいはそのカードを「変身した状態で/transformed」(第2面をオモテにして)戦場に出す、という能力を持つ。モードを持つ両面カードは独立した2つのオモテ面を持ち、変身できない。
711.1a 変身する両面カードの第1面には、左上の角に第1面シンボルが記されている。『マジック・オリジン』『基本セット2019』の両面カードでは、第1面シンボルはプレインズウォーカー・アイコンを元にしたシンボルである。『イニストラード』ブロックおよび『イニストラードを覆う影』セットと、『異界月』の《爪の群れのウルリッチ》では、第1面シンボルは太陽である。それ以外の『異界月』の両面カードでは、第1面シンボルは満月である。『イクサラン』と『イクサランの相克』のカードでは、第1面シンボルは羅針図である。
711.1b 変身する両面カードの第2面には、左上の角に第2面シンボルが記されている。『マジック・オリジン』『基本セット2019』の両面カードでは、第2面シンボルはプレインズウォーカー・アイコンである。『イニストラード』ブロックおよび『イニストラードを覆う影』セットと、『異界月』の《揺るぎない頭目、ウルリッチ》では、第2面シンボルは三日月である。それ以外の『異界月』の両面カードでは、第2面シンボルはエルドラージの巨人エムラクールを元にしたシンボルである。『イクサラン』と『イクサランの相克』のカードでは、第2面シンボルは土地アイコンである。
711.1c 変身する両面カードの第2面がクリーチャーである場合、そのカードの第1面には、その第2面のパワーとタフネスが、パワー/タフネス欄の上に斜体灰色の文字で書かれている。これは注釈文であり、ゲーム上は効果を持たない。
711.1d モードを持つ両面カードの第1面には、左上の角に第1面シンボルが記されている。第1面シンボルは、横向きの水滴型の中に描かれた黒い単一の三角形である。
711.1e モードを持つ両面カードの第1面には、左上の角に第2面シンボルが記されている。第2面シンボルは、横向きの水滴型の中に描かれた白い2つの三角形である。
711.1f モードを持つ両面カードの両方の面には、もう一方の面に関する情報を含むヒントバーが左下隅に描かれている。これは注釈文であり、ゲームプレイ上の効果はない。
+
711.1g 合体カードは、一方の面にマジックのカードのオモテ、もう一方に大判のマジックのカードのオモテの半分が書かれている。これらは両面カードではなく、別のルールに従う。rule 712〔合体カード〕参照。
711.2. 両面カードを見ることができるプレイヤーは、その両方の面を見ることができる。
711.3. プレイヤーは、非公開領域にある両面カードを、同じ領域にある他のカードと区別ができないようにしなければならない。そのため、両面カードのオーナーは完全に不透明なスリーブか、差し替えカードを用いることができる(rule 713〔差し替えカード〕参照)。認定イベントでの両面カードの使用に関しては、追加の規定が存在する。rule 100.6 参照。
711.4. 両面カードの各面はそれぞれに独立した一連の特性を持つ。
711.5. 変身する両面カードで表されるパーマネントだけが変身できる(rule 701.28〔変身する〕参照)。呪文や能力がプレイヤーに変身する両面カードで表されていないパーマネントを変身させようとしても、何も起こらない。
例:《クローン》が戦場の《野生の血の群れ》(変身する両面カードの第2面)をコピーした状態で戦場に出る。その《クローン》は《野生の血の群れ》のコピーとなる。《クローン》自身は変身する両面カードではないため、それは変身できない。
例:プレイヤーが《細胞形成》をプレイし、《クルーインの無法者》(変身する両面カードの第1面)をターン終了時まで《先兵の精鋭》(2/1の人間・兵士クリーチャー)のコピーにした。その後、そのプレイヤーは「すべての人間を変身させる。」という効果を持つ《月霧》を唱えた。《先兵の精鋭》のコピーは変身する両面カードであるため、それは変身する。その結果、そのパーマネントは第2面がオモテになるが、そのターンの間は《先兵の精鋭》のコピーのままである。
例:プレイヤーが人間・ならず者でありモードを持つ両面カードの第1面である《ブラックブルームのならず者》をコントロールしていて、《月霧》を唱えた。《ブラックブルームのならず者》は変身しない。
711.6 呪文や能力に、プレイヤーに変身先の面がインスタントやソーサリーのパーマネントを変身させるよう指示がある場合、何も起こらない。
711.7. 変身する両面カードを呪文として唱える場合、それはその第1面をオモテにしてスタックに積まれる。モードを持つ両面カードを呪文として唱えるプレイヤーは、それをスタックに置く前にどちらの面を唱えるかを選ぶ。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
711.7a 唱えられるかどうかを決定するために参照されるのは、スタック上でオモテになる面だけである。その面だけがスタックに置かれるとして扱われる。
711.8. 解決中の変身する両面呪文は、第1面をオモテにして戦場に出る。解決中のモードを持つ両面呪文でパーマネントになるものは、スタック上にあったときにオモテであった面をオモテにして戦場に出る。
711.9. スタック以外の領域から戦場に出る両面カードは、通常、第1面をオモテにした状態で戦場に出る。
711.10. 効果によってプレイヤーが両面カードを裏向きのクリーチャー・呪文として唱える場合、あるいは両面カードが裏向きで戦場に出る場合、それはそれを裏向きにしたルールや効果が得させた特性を持つ。そのカードは、裏向きの差し替えカード(rule 713 参照)あるいは不透明のスリーブを使い、非公開であり続ける。rule 707〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
711.11. 両面パーマネントは裏向きにできない。呪文や能力により両面パーマネントが裏向きになろうとする場合、何も起こらない。
711.12. 裏向きで追放された両面カードは、裏向きの差し替えカードあるいは不透明のスリーブを使い、非公開であり続ける。rule 713〔差し替えカード〕参照。
711.13. 変身する両面パーマネントが変身する場合、それは新しいオブジェクトになるわけではない。そのパーマネントに適用される効果は、それが変身した後も適用され続ける。
例:《村の鉄鍛冶》(変身する両面カードの第1面)がターン終了時まで+2/+2の修整を受ける効果を受けていて、その後に《村の鉄鍛冶》は《鉄牙》へと変身した。《鉄牙》はターン終了時まで+2/+2の修整を受け続ける。
711.14. 何らかの効果によりプレイヤーがカード名を1つ選ぶ場合、そのプレイヤーは両面カードのいずれか一方の面のカード名を選ぶことができるが、両方は指定できない。
712.1. 合体カードとは、カードの一方にマジックのカードのオモテ面があり、もう一方に大判のマジックのカードのオモテ面の半分があるカードである。合体カードはマジックの裏面を持たない。
712.1a 特定の3組の合体する2枚のカードがある。合体する組とは、それらの第2面を組み合わせると1枚の大判のマジックのカードのオモテ面になる特定の2枚のカードのことであり、以下の通りである。合体すると《騒がしい徒党》になる《夜深の死体あさり》と《墓ネズミ》、合体すると《のたうつ居住区、ハンウィアー》になる《ハンウィアー守備隊》と《ハンウィアーの要塞》、合体すると《悪夢の声、ブリセラ》になる《消えゆく光、ブルーナ》と《折れた刃、ギセラ》。
712.1b 合体カードは両面カードではない。それの第2面を唱えることはできず、戦場に出ることはなく、変身したり、変身した状態で戦場に出たりすることはない。(rule 711〔両面カード〕参照。)
712.2. それぞれの合体する組に属するカードの一方は、そのオブジェクトとそれの相手の両方を追放して合体させる能力を持つ。合体する組を構成するカード2枚を合体させるとは、それら2枚を、第2面をオモテにして組み合わせた状態で戦場に出すことを意味する(rule 701.37〔合体する〕参照)。それらがなるパーマネントは、2枚のカードによって表される単一のオブジェクトである。
712.3. 各合体カードの第1面と、合体する2枚のカードを組み合わせた面は、それぞれに独立した一連の特性を持つ。
712.4. 合体したパーマネントが戦場を離れる場合は、1つのパーマネントが戦場を離れ、2枚のカードが該当する領域に置かれる。
例:合体したパーマネントである《騒がしい徒党》が死亡したとする。「クリーチャーが1体死亡するたび」の誘発型能力は1回誘発する。「いずれかの領域からカードが1枚墓地に置かれるたび」の誘発型能力は2回誘発する。
712.5. 合体カードを見ることのできるプレイヤーは、それの組み合わせた第2面のそれの側の半分を見てもよい。プレイヤーはいつでも、合体する2枚のカードのもう一方のオラクルや、組み合わせた第2面のオラクルを参照してもよい。(rule 108.1参照。)
712.6. 合体カードをプレイヤーのデッキに入れる場合には、差し替えカードで示してもよい。rule 713〔差し替えカード〕参照。
712.7. 合体カードを呪文として唱えたなら、それは第1面をオモテにしてスタックに置かれる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
712.8. 合体カードは、それの相手と合体しているのでないかぎり、その第1面をオモテにして戦場に出る。
712.9. 効果によってプレイヤーが合体カードを裏向きの呪文として唱えることができるか、合体カードが裏向きに戦場に出るなら、それはそれを裏向きにしたルールや効果が定める特性を持つことになる。その際、裏向きの差し替えカードか不透明スリーブを使用して、そのカードは非公開であり続ける。rule 707〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
712.10. 戦場にある合体カードや合体したパーマネントは、裏向きにできない。呪文や能力が、その種のパーマネントを裏向きにしようとしても、何も起こらない。
712.11. 何らかの効果によりプレイヤーがカード名を1つ選ぶ場合には、そのプレイヤーは合体カードの第1面の名前や合体する2枚のカードを組み合わせた第2面の名前を選んでもよい。
713.1. 差し替えカードとは、両面カードや合体カードを表すために用いることができる、補助物品である。差し替えカードは、通常のマジックのカードの裏面を持つ。
713.2. 差し替えカードは、少なくともそれが表すカードの第1面のカード名を明瞭に示していなければならない。印刷されたカードに含まれる他の情報(カード・タイプ、マナ・コスト、パワー/タフネスなど)も差し替えカードに書いてもよい。
713.3. 差し替えカードをデッキ内で用いる場合、それが表すカードはゲームの開始前に脇に置かれ(rule 103.2a 参照)、ゲーム中いつでも使えるようにしておかなければならない。差し替えカードは、両面カードや合体カードを表していないかぎりデッキに入れることはできない。
713.4. ゲーム上のあらゆる意味において、差し替えカードはそれが表すカードとして扱う。
713.5. 差し替えカードが公開領域でオモテ向きになる場合、それは脇に置かれ、それが表していた両面カードや合体カードが代わりに用いられる。
714.1. 英雄譚・カードはそれぞれ、いくつかの章シンボルを含む区切られた文章欄を持つ。アートはカードの右側に縦長に配置され、タイプ行はカードの下端にある。
714.2. 章シンボルは、章能力として参照される誘発型能力を表すキーワード能力である。
714.2a 章シンボルにはローマ数字が含まれている。ここではそれを「{rN}」で表す。Iは1、IIは2、IIIは3を表し、以下同様に続く。
714.2b 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がこれまでN未満でN以上になった場合、[効果]。」を意味する。
714.2c 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。
714.2d 英雄譚の最終章の番号は、それの持つ章能力の中で最大の値である。英雄譚が章能力を持たない場合、その最終章の番号は0である。
714.3. 英雄譚は、その進行を記録するために伝承カウンターを用いる。
714.4. 英雄譚・パーマネントの上にある伝承カウンターの数がそれの最終章の番号以上であり、かつ誘発してまだスタックを離れていない章能力の発生源でない場合、その英雄譚のコントローラーはそれを生け贄に捧げる。この状況起因処理はスタックを使わない。
715.1. 「当事者/adventurer」カードは、文章欄中に小さな枠のある、2組のカード枠を持つ。
715.2. 左側の内側の枠に書かれている文章は、そのオブジェクトが呪文である間に取りうる代替の特性を定義する。そのカードの通常の特性は、文章欄は右側で小さくなっているが、通常通り表記されている。
715.3. プレイヤーは、自分が当事者カードを唱えるに際して、そのカードを通常通り唱えるか出来事として唱えるかを選ぶ。
715.4. スタック以外のいずれかの領域である間、また出来事でない状態でスタックにある間、当事者カードはその通常の特性だけを持つ。
715.5. 効果によってプレイヤーがカード名を選ぶ場合、そのプレイヤーが当事者カードの代替の名前を選びたければ、そうしてもよい。
716.1. あるプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーを他のプレイヤーによってコントロールさせるカードが存在する。この効果は、その影響を受けるプレイヤーが次に実際に得るターンに影響を及ぼす。そのターンの間ずっとそのプレイヤーはコントロールされ、この効果は次のターンが始まるまで終わらない。
716.2. あるカード(《Word of Command》)は、あるプレイヤーを一定期間だけ他のプレイヤーによってコントロールさせる。
716.3. プレイヤーのコントロールだけが変わり、オブジェクトのコントローラーは変わらない。コントロールされているプレイヤーは、それでも自分のターンの間はアクティブ・プレイヤーである。
716.4. コントロールされているプレイヤーがゲーム内の何らかのオブジェクトの情報を見ることができる場合、それはそのプレイヤーとそのプレイヤーのコントローラーの両方が見ることができる。コントロールされているプレイヤーがゲーム外のカードに関する情報を見ることができる場合、その情報を見ることができるのはそのプレイヤーだけで、そのプレイヤーのコントローラーは見ることができない。
例:あるプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーの手札や、そのプレイヤーがコントロールしている裏向き クリーチャーのオモテ面を見ることができる。
716.5. 他のプレイヤーをコントロールしている間、そのプレイヤーは、コントロールされているプレイヤーに認められている、あるいは何らかのルールやオブジェクトによりしなければならないすべての選択や決定を行う。これには、何をプレイする(起動する、唱える)かの選択や、呪文や能力に関する選択や決定を含む。
例:他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーがどの呪文を唱えるか、何を呪文の対象とするかを決めることができ、呪文の解決時に必要な決定も行なう。
例:他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーがどのクリーチャーで攻撃するか、それらのクリーチャーがどのプレイヤーあるいはプレインズウォーカーを攻撃するか、(複数のクリーチャーによってブロックされている場合)そのダメージ割り振り順、そして戦闘ダメージをどう割り振るかを決定する。
716.6. 他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーを投了させられない。プレイヤーは、他のプレイヤーにコントロールされていても、いつでもゲームを投了することができる。rule 104.3a 参照。
716.7. プレイヤーに他のプレイヤーのコントロールを得させる効果は、コントロールされているプレイヤーの行動を制限し、あるいはコントロールされているプレイヤーに何らかの行動を強制することがある。
716.8. 他のプレイヤーをコントロールしているプレイヤーは、自分自身に関する選択や決定も行える。
716.9. プレイヤーは自分のコントロールを得ることもできる。そのプレイヤーは通常通り自分の決定や選択を行なう。
717. ターンやフェイズを終了させる
717.1. ターンを終了させるカードが存在する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは手順が異なる。
717.2. 戦闘フェイズを終了させるカード(《平和の執行/Mandate of Peace》)が存在する。効果によって戦闘フェイズが終了する場合、呪文や能力を解決する通常の手順(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは異なり、以下の順番で処理を行なう。
718.1. 「統治者/The Monarch」は、プレイヤーが持ちうる記号である。効果がプレイヤーを統治者にするよう指示しない限り、ゲームに統治者は存在しない。
718.2. 統治者であることには、2つの誘発型能力が付属する。これらの誘発型能力には発生源は存在せず、コントローラーはその能力が誘発した時点で統治者であったプレイヤーである。これは rule 113.8 の例外である。これらの能力の完全なルール文は、「統治者の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーはカードを1枚引く」「クリーチャー1体が統治者に戦闘ダメージを与えるたび、そのコントローラーが統治者になる」である。
718.3. 同時に複数のプレイヤーが統治者であることはない。プレイヤーが統治者になるに際し、現在の統治者は統治者ではなくなる。
718.4. 統治者がゲームを離れたなら、そのプレイヤーがゲームを離れるのと同時にアクティブ・プレイヤーが統治者になる。アクティブ・プレイヤーがゲームを離れるかアクティブ・プレイヤーガ存在しないなら、ターン順で次のプレイヤーが統治者になる。
719.1. あるカード(《解放された者、カーン》)によって、ゲームを再び開始することがある。ゲームを再び開始する場合、そのゲームは即座に終了し、そのゲームのどのプレイヤーも勝ったり負けたり引き分けになったりすることはない。そのゲームが終わった時点でゲームに残っているプレイヤーは、以下の例外を除いて rule 103〔ゲームの始め方〕の手順に従って新しいゲームを始める。
719.2. 再び開始するために終了したゲームに、ゲームが終了した時点で存在した、フェイズ・アウト状態のパーマネントや定形外のマジックのカードも含む全てのマジックのカードは、その終了したゲームの開始時に存在しなかったとしても、新しいゲームに存在する。新しいゲームにおけるオーナーは、新しいゲームが始まる時点でそのカードがどこにあっても元のオーナーから変わることはない。
例:プレイヤーが《生ける願い》を唱え、ゲームの外部からクリーチャー・カードをゲームに持ち込んだとする。そのクリーチャー・カードは、新しいゲームが始まる時点でそのプレイヤーのライブラリーの一部になる。
719.3. 新しいゲームの開始時に各プレイヤーが7枚のカードを引くので、ライブラリーに7枚未満のカードしかないプレイヤーは、マリガンをしたかどうかにかかわらず、最初のターンのアップキープ・ステップの間、状況起因処理がチェックされる時点でゲームに負けることになる(rule 704〔状況起因処理〕参照)。
719.4. ゲームを再び開始する効果は、最初のターンのアンタップ・ステップの直前に解決が終わる。その効果を作った呪文や能力に追加の指示がある場合、それらの効果はその時点で実行される。どちらのプレイヤーも優先権を持たず、結果として誘発した誘発型能力は次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時、大抵は最初のターンのアップキープ・ステップの間にスタックに積まれる。
719.5. 効果によって、一部のカードがゲームを再び開始する手順から除外されることがある。それらのカードは、新しいゲームが始まる時点でオーナーのデッキには入らない。
719.6. マジックのサブゲーム(rule 720 参照)が再び開始される場合、メインゲームは影響を受けない。サブゲームの勝者や敗者を参照するメインゲームの効果は、その、再び開始されたサブゲームの勝者や敗者を参照する。
719.7. 影響範囲限定 選択ルール(rule 801 参照)を用いた多人数戦が再び開始された場合、ゲームを再び開始する能力をコントロールしているプレイヤーの影響範囲内外のいずれであるかに関係なく、そのゲームに参加している全てのプレイヤーが影響を受ける。
720.1. あるカード(《Shahrazad》)によって、プレイヤーはマジックのサブゲームをプレイする。
720.2. サブゲームの開始に際して、既存の領域と別の新しい領域が一揃い作られる。各プレイヤーはメインゲームのライブラリーのカードを全てサブゲームのライブラリーに移動させ、切り直す。メインゲームのそれ以外の領域にあるカードは、rule 720.2a-d の例外を除き、サブゲームの対応する領域に移動することはない。どちらのプレイヤーが先攻かを無作為に決定し、サブゲームを通常のゲームと同様にrule 103〔ゲームの始め方〕に従って行なう。
720.3. ゲーム開始時に各プレイヤーは手札を7枚引くので、デッキの枚数が7枚未満になっている場合、最初のターンのアップキープ・ステップの間に、状況起因処理のチェックが行なわれる時点で敗北することになる。その後でマリガンをして手札を減らしても関係ない。rule 704〔状況起因処理〕参照。
720.4. メインゲームにある全てのオブジェクトならびにメインゲームの外部にある全てのカードは、(特別にサブゲームに持ち込まれない限り)サブゲームの外部にあるものとして扱う。サブゲームに関係していないプレイヤーは、サブゲームの外部にあるものとして扱う。
720.5. サブゲームの終了時に、自身がオーナーであるカードでサブゲームの統率領域以外の領域に残っているものをメインゲームのライブラリーに戻して切り直す。これには、サブゲームの追放 領域にあるカードも含む。rule 720.5a-d の例外を除き、サブゲームにある他のオブジェクトならびに全ての領域は消滅する。メインゲームは、中断されたところから再開する。まず、サブゲームを作った呪文や能力が解決される。その呪文・カードが既にスタックに存在しなくなっていてもこの処理は行なう。次に、サブゲームの間にメインゲームのカードを取り除くことによって誘発したメインゲームの能力がある場合、それらがスタックに積まれる。
例:カードがメインゲームやメインゲームの外部からサブゲームに持ち込まれた場合、サブゲームの終了時にそのカードはメインゲームのオーナーのライブラリーに入ることになる。
720.6. サブゲームがサブゲーム中に作られることもありうる。この場合、新しいサブゲームから見ると、現在のサブゲームはメインゲームということになる。
721.1. オブジェクトをパーマネントに合同させるキーワードが1つ存在する。rule 702.139〔変容〕参照。
721.2. オブジェクトをパーマネントに合同させるとは、そのオブジェクトをそのパーマネントの上か下に置くことである。そのパーマネントは、それを表していた他の部品と、そのオブジェクトを表していたカードによって表される、合同パーマネントになる。
721.3. 合同パーマネントが戦場を離れる場合、戦場を離れるパーマネントは1個であり、それぞれの部品が該当する領域に置かれる。
722.1. ゲームをプレイするとき、プレイヤーはゲーム上行なうすべての選択(何らかの処理を行なうか優先権をパスするかの宣言など)を厳密に示すのではなく、双方が理解できる省略を行なうものである。
722.2. 行動を省略する場合、以下の手順を踏む。
722.2a ゲームのいずれかの時点で、優先権を持つプレイヤーは一連の行動を説明し、すべてのプレイヤーに対して省略を提案してもよい。その行動は現在のゲームの状態に基づいて適正であり、結果が明白でなければならない。この手順は繰り返しのない一連の行動であってもよいし、特定の回数繰り返されるループであってもよいし、複数のループや入れ子になっているループが含まれていてもよいし、複数のターンに跨がっていてもよい。ただし、ゲームのイベントの結果によって次の行動が変わるような条件付きの処理は含まれていてはならない。この一連の行動の終点は、いずれかのプレイヤーが優先権を得るところでなければならないが、それはショートカットを提案したプレイヤーでなくてもよい。
例:あるプレイヤーが、「{T}: 1/1の緑のエルフ・戦士・クリーチャー・トークンを1体生成する」という能力をクリーチャーに与える《ゴンドの存在》にエンチャントされているクリーチャーをコントロールしている。また、他のプレイヤーが「クリーチャー1体が戦場に出るたび、すべてのクリーチャーをアンタップする」という能力を持つ《侵入警報》をコントロールしている。最初のプレイヤーが優先権を持っている時、「じゃあトークンを100万体出すよ」と、クリーチャーの能力を起動して−両プレイヤーがパスして−クリーチャーの能力を解決してトークンを生成して(《侵入警報》の能力が誘発して)−《侵入警報》のコントローラーがその誘発型能力をスタックに積んで−両プレイヤーがパスして−《侵入警報》の誘発型能力が解決されて−両プレイヤーがパスして−最初のプレイヤーが優先権を得る、というループを提示し、これをあと999999回繰り返してから最後のトークン 生成 能力が解決されたところで終わる、と提案した。
722.2b 他のプレイヤーは、その省略を提案したプレイヤーの次からターン順にその手順を受け入れるか、あるいは途中で違う選択をすることによって行動を中断させるかを宣言する(どこで中断させるかはここで宣言するが、実際になにをするかを宣言する必要はない)。その中断されるところが、提案された一連の行動の新しい終点となる。
例:アクティブ・プレイヤーが自分のドロー・ステップにカードを1枚引き、「どうぞ」と宣言した。非アクティブ・プレイヤーは「クリーチャー1体を対象とする。そのクリーチャーは可能ならこのターン攻撃する」というインスタント《騒乱への突入》を持って、「あ、ちょっと待って。そっちの戦闘開始ステップに呪文を唱えたいんだけど」と答えた。この時点での提案されている省略は、戦闘開始ステップの間に非アクティブ・プレイヤーが優先権を得るまで双方のプレイヤーがパスし続けるということである。
722.2c 最後のプレイヤーが省略の提案を受け入れるか中断させるかを決めると、その省略は実行される。ゲームは最後の提案されている省略の終点まで進み、そこまでに提案されていた行動はそのままに行なわれる。最初の提案に比べて省略が短くなっていた場合、その時点で優先権を持っているプレイヤーは元の提案と違う選択をしなければならない。
722.3. 断片化したループというものがしばしば存在する。つまり、ループに関連している各プレイヤーがそれぞれに行動を取った結果、元と同じ局面が発生したという状況がありうる。その場合、アクティブ・プレイヤー(アクティブ・プレイヤーがループに関連していない場合、ループに関連している中でターン順で最初のプレイヤー)は違う選択をして、ループが続かないようにしなければならない。
例:2人対戦で、アクティブ・プレイヤーが「{0}:[クリーチャー名]は飛行を得る」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、非アクティブ・プレイヤーが「{0}:クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という能力を持つパーマネントをコントロールしており、それらの能力を起動する回数を制約するものがないとする。アクティブ・プレイヤーがクリーチャーの能力を起動し、解決してから、非アクティブ・プレイヤーがそのパーマネントの能力でそのクリーチャーを対象にして解決されたとする。この時点で元の状態とゲームの局面がまったく同じになる。アクティブ・プレイヤーは違う選択をしなければならない(つまり、そのクリーチャーの能力を起動する以外の行動をしなければならない)。そのクリーチャーは飛行を持っていない。非アクティブ・プレイヤーは自分のパーマネントの能力を起動しないことでこの断片化したループを回避することができ、その場合はそのクリーチャーは飛行を持った状態になる。非アクティブ・プレイヤーが最後の決定権を持っているので、そのクリーチャーが飛行を持っているかどうかを決めることができる。
722.4. ループが選択的でない処理のみからなる場合、ゲームは引き分けになる。(rule 104.4b、rule 104.4f 参照。)
722.5. いずれのプレイヤーも、ループに含まれているオブジェクトが必要とする処理以外で、ループを終わらせることができる処理を行なう義務はない。
例:「浄化の印章を生け贄に捧げる:アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する」というエンチャント《浄化の印章》をコントロールしているプレイヤーは、アーティファクトを含む選択的でないループが発生したとしても、その《浄化の印章》を生け贄に捧げてループを終わらせる義務はない。
722.6. ループに「[B]しないかぎり[A]する/[A] unless [B]」という効果が含まれていて、その[A]や[B]がそれぞれ処理であった場合、どのプレイヤーも、ループを終えるために[B]の処理をする義務はない。誰も[B]の行動をしない場合、[A]が選択的でない行動であるかのように ループを続ける。
723.1. プレイヤーが何か不正な処理をしたり、適正に終了することができない処理を始めたりした場合、その処理全体が巻き戻され、すでに行われた支払いは取り消される。取り消される処理の結果として、能力が誘発したり効果が適用されたりすることはない。その処理が呪文を唱えることであった場合、呪文はそれがもとあった領域に戻る。各プレイヤーは、不正なプレイを行なう間にそのプレイヤーが起動した適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからスタック以外へのカードの移動、ライブラリーの切り直し、ライブラリーのカードの公開を伴う行動を取り消すことはできない。
723.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の処理をするかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の処理をすることもできる。
8. 多人数戦ルール
800.1. 多人数戦とは、3人以上のプレイヤーによって行なわれるゲームのことである。この章では、多人数戦で用いられる選択ルールを取り上げる。
800.2. これらのルールは多人数戦一般に選択できる選択ルールと、さまざまな変種ルールからなる。単一のゲームで複数の選択ルールを適用してもよいが、単一のゲームに適用できる変種ルールは1つだけである。
800.3. チーム戦のトーナメントでは、デッキ 構築などに関するさまざまな追加ルールがあるが、ここでは言及しない。現行のマジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)を参照すること。
800.4. 2人対戦と異なり、多人数戦では1人もしくは複数のプレイヤーがゲームから除外されても続けることができる。
800.5. 変種ルールや選択ルールによって定められていない限り、席順は全員が同意できる方法で決定する。例えば、プレイヤーはゲーム開始前に座っていた場所に座ったまま始めてもいいし、サイコロを振って席順を決めてもいいし、その他の方法でも良い。
800.6. 多人数戦では、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
800.7. 双頭巨人戦以外の多人数戦において、開始プレイヤーは最初のターンのドロー・ステップを飛ばさない。双頭巨人戦において、先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。rule 103.7 参照。
801.1. 「影響範囲限定」はほとんどの多人数戦に適用できる選択ルールである。「皇帝戦」変種ルール(rule 809 参照)では常に、また、5人以上のプレイヤーによるゲームではしばしば用いられる。
801.2. プレイヤーの影響範囲とは、そのプレイヤーから何プレイヤー分離れたところまで影響が及ぶかという最大の距離のことを言う。そのプレイヤーから指定された距離以内の席に座っているプレイヤーは、そのプレイヤーの影響範囲内にいる。あるプレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーがコントロールしているオブジェクトも、同じく影響範囲内にある。影響範囲は、呪文、能力、効果、ダメージ、攻撃、選択、勝利について考慮される。
801.3. クリーチャーは、そのコントローラーの影響範囲内にいる対戦相手か、そのコントロールしているプレインズウォーカーにだけ攻撃できる。影響範囲内に対戦相手がいない場合、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは攻撃できない。
801.4. プレイヤーの影響範囲外にあるオブジェクトやプレイヤーは、そのプレイヤーの呪文や能力の対象にならない。
801.5. 複数のプレイヤーに選択を行なわせるカードが存在するが、これらのカードは「影響範囲限定」選択ルールを用いた場合には機能し方が異なる。
801.6. プレイヤーは、その影響範囲外にあるオブジェクトの起動型能力を起動できない。
801.7. 誘発型能力は、その誘発イベント全体が発生源のコントローラーの影響範囲内で起こらない限り誘発しない。
例:影響範囲1のゲームで、アレックスはボブの左に座っていた。ロブはアレックスの《ルーン爪の熊》にオーラを2つつけていて、一方は「エンチャントされているクリーチャーがブロックされるたび」誘発するもので、もう一方は「エンチャントされているクリーチャーがクリーチャー1体にブロックされるたび」誘発するものであった。アレックスの《ルーン爪の熊》が左隣のプレイヤーに攻撃し、ブロックされた場合、1つめのオーラの誘発イベント(《ルーン爪の熊》がブロックされる)はロブの影響範囲内で完結しているので、1つめのオーラは誘発する。2つめのオーラは、ロブの影響範囲外にあるブロック・クリーチャーが関係しているので、誘発しない。
801.8. オーラはそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーにエンチャントすることはできない。オーラが不正なオブジェクトやプレイヤーについた場合、状況起因処理でオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
801.9. 装備品はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトに装備されることはできない。城砦はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトを城砦化することはできない。装備品や城砦が不正なパーマネントについた場合、状況起因処理ではずれて戦場に残る。rule 704 参照。
801.10. 呪文や能力は、そのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーには影響を及ぼせない。効果の、影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす部分は何もしない。そうでない部分は通常通り影響を及ぼす。
例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「紅蓮地獄は各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える」という《紅蓮地獄》を唱えた。《紅蓮地獄》は、アレックスとその両隣のプレイヤーの3人がコントロールしているクリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与えるが、他のクリーチャーにはダメージを与えない。
801.11. 呪文や能力がゲームの情報を必要とする場合、そのコントローラーの影響範囲内の情報しか得られない。コントローラーの影響範囲外のオブジェクトやイベントに関しての情報を用いることはできない。
例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「各クリーチャーは、共通のクリーチャー・タイプを持つ他のクリーチャー1体につき+1/+1の修正を受ける」という《旗印》をコントロールしている。アレックスのクリーチャーは、アレックスとその両隣のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに応じて強化されるが、それ以外のクリーチャーは考慮に入れない。
例:同じゲームで、ロブはアレックスの右隣に座っている。《旗印》はロブのクリーチャーを、ロブの影響範囲外であるアレックスの左隣のプレイヤーも含む、アレックスの影響範囲内のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに基づいて強化する。
801.12. 「ワールド・ルール」(rule 704.5k 参照)は、ワールド・パーマネントがもう一つ、ワールド・パーマネントのコントローラーの影響範囲内にあるときにのみ適用される。
801.13. 置換・軽減効果は、特定のイベントが起こるのを待ち、そしてその全体または一部を置換する。「影響範囲限定」選択ルールにより、置換後のイベントが実行できない効果を含むようになることもありうる。その場合、その不可能な効果は単に無視される。rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照。
801.14. 何らかの効果によってプレイヤー1人が勝利する場合、その代わりに、そのプレイヤーの影響範囲内にいる対戦相手全てはゲームに負けになる。
801.15. 呪文や能力の効果によってゲームが引き分けになる場合、その呪文や能力のコントローラーとその影響範囲内にいるすべてのプレイヤーは引き分けになり、ゲームから離れる。残りのプレイヤーはゲームを続ける。
801.16. ゲームが選択的でない処理による「ループ」を作り、それを止める方法がない場合、そのループに含まれるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、ならびにその各プレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから除外され、他のプレイヤーがゲームを続ける。
801.17. ゲームを再び開始する(rule 719 参照)効果は、影響範囲 制限 選択ルールの例外である。そのゲームに参加している全てのプレイヤーは、新しいゲームに含まれる。
801.18. 大乱闘戦以外の多人数プレインチェイス戦において、次元・カードや現象・カードは「影響範囲限定」選択ルールの影響を受けない。それらの能力やその効果は、ゲーム内にいる適用されうるオブジェクトやプレイヤーすべてに影響を及ぼす。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
802.1. 「複数への攻撃」は、アクティブ・プレイヤーが他のプレイヤー複数人に対して攻撃することを認める選択ルールである。この選択ルールを用いた場合にも、攻撃時に1人のプレイヤーだけを攻撃することは可能である。
802.2. 戦闘フェイズの開始時に、攻撃 プレイヤーは防御プレイヤーとなる対戦相手を選ばない。その代わりに、戦闘フェイズの間、攻撃 プレイヤーの対戦相手全てが防御プレイヤーとなる。
802.3. 攻撃 プレイヤーは、攻撃クリーチャーを指定する際に、それぞれの攻撃する防御プレイヤーを選択する。rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。
802.4. 複数のプレイヤーに攻撃している場合、防御プレイヤーは、ブロック・クリーチャー指定ステップに、APNAP順でブロック・クリーチャーを指定する。(rule 101.4 ならびに rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)最初の防御プレイヤーがブロックの宣言を追えた後、次の防御プレイヤーが宣言を行なう。
802.5. ブロック・クリーチャーの指定後、クリーチャーが複数のクリーチャーをブロックしていた場合、各防御プレイヤーはAPNAP順でそのブロックしている攻撃クリーチャー群の中のダメージ割り振り順を、それぞれのブロック・クリーチャーごとに宣言する。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
802.6. 戦闘ダメージはAPNAP順で割り振られる。それ以外の点では、戦闘ダメージ・ステップは2人対戦の時と同じように進む。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
803.1. 多人数戦では「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」と呼ばれるルールが用いられることがある。
804.1. 「皇帝戦」変種ルールでは、必ず「クリーチャー配置」選択ルールが用いられる。また、他の変種ルールでもチームが機能するために用いることができる。個人個人で戦う多人数戦では、この選択ルールはまず用いられない。
804.2. 全てのクリーチャーは「{T}: チームメイト1人を対象とする。そのプレイヤーはこのクリーチャーのコントロールを得る。この能力はソーサリーが唱えられるときにのみ起動できる」という能力を持つ。
805.1. チーム同士で戦う多人数戦において、「共有チーム・ターン」という選択ルールが存在する。これは、「双頭巨人戦」変種ルール(rule 810 参照)ならびにアーチエネミー戦・カジュアル変種ルール(rule 904 参照)においては必ず用いられる。これは、チームごとに固まって座っている場合にのみ用いることができる。
805.2. 各チーム内で、もっとも右に座っているプレイヤーがそのチームの主プレイヤーとなる。チームに属するプレイヤーが、たとえばクリーチャーの攻撃や誘発型能力をスタックに積む順番などの選択に同意できなかった場合、主プレイヤーがその決定を行なう。
805.3. rule 103.1 に記されている方法を用いて、どちらのチームが先攻になるかを決める。この方法で決定されたチームは開始チームとなる。
805.4. プレイヤーではなくチームがターンを行なう。
805.5. 個人でなくチームが優先権を得る。
805.6. アクティブ・プレイヤー、非アクティブ・プレイヤー順ルール(rule 101.4 参照)は、「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる場合には修整される。複数のチームが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・チームが必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順で非アクティブ・チームが必要な選択を行なっていく。複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・チームのプレイヤーが好きな順番で必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順で次の非アクティブ・チームのプレイヤーが必要な選択を行なっていく。全ての選択の終わった後、全ての処理は同時に行なわれる。
805.7. 複数の誘発型能力が、いずれかのチームが優先権を得る前に誘発していた場合、アクティブ・チームのプレイヤーから自分のコントロールしている誘発型能力を好きな順番でスタックに積み、その後、ターン順に、他の非アクティブ・チームの各プレイヤーが同様に行なう。
805.8. 効果によってプレイヤーが追加のターンを得たり追加のフェイズやステップを得たりした場合、そのプレイヤーのチームがその追加のターン、フェイズ、ステップを得る。効果によってプレイヤーがステップやフェイズやターンを飛ばす場合、そのプレイヤーのチームが影響を受ける。単一の効果によって、同じチームの複数のプレイヤーが同一のステップやフェイズやターンを得たり飛ばしたりする場合、そのチームが得たり飛ばしたりするのはそのステップやフェイズやターン1つだけである.効果によってプレイヤーが他のプレイヤーをコントロールする場合、その前者は、影響を受けたプレイヤーのチームをコントロールする。
805.9. 「アクティブ・プレイヤー」を参照する能力は、アクティブ・プレイヤー1人だけを参照する。アクティブ・チームのプレイヤー全員を参照するわけではない。その能力のコントローラーは、その能力が参照するのは誰なのかをその効果の適用時に選ぶ。
805.10. 「共有チーム・ターン」選択ルールでは、他の多人数戦と異なる戦闘ルールを用いる。
806.1. 「無差別戦」多人数戦では、プレイヤーはそれぞれ個人個人として競い合う。
806.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常は、「無差別戦」では、以下の選択ルールを用いる。
806.3. プレイヤーは無作為にテーブルのまわりに座る。
807.1. 「大乱闘戦」変種ルールは「無差別戦」の拡張ルールであり、それぞれのプレイヤーが個人として戦いあうフォーマットである。10人以上のプレイヤーが参加する時に用いられる。
807.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「大乱闘戦」では、以下の選択ルールを用いる。
807.3. プレイヤーは無作為の順番で席に着く。
807.4. 「大乱闘戦」変種ルールは、複数のプレイヤーが同時にターンを進めることを認めている。ターンマーカーを用い、誰が現在ターンを進めているのかが判るようにするとよい。ターンマーカーを持つプレイヤーがそれぞれアクティブ・プレイヤーとなる。
807.5. 「大乱闘戦」では、ターンマーカーごとに1つずつの、複数のスタックを用いる。
808.1. チーム対抗戦は、2つ以上のチームによってプレイされる。各チームには何人のプレイヤーがいてもよい。
808.2. 各チームはそれぞれテーブルの1辺に並んで座る。各チーム内で、座る順番を決める。
808.3. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「チーム対抗戦」では、以下の選択ルールを用いる。
808.4. 誰が最初にプレイするかを決めるために、どちらかのチームを無作為に選ぶ。そのチームのプレイヤーが奇数であれば、その真ん中に座っているプレイヤーから始める。そのチームのプレイヤーが偶数であれば、中心点の左隣のプレイヤーから始める。ターン順で次のプレイヤーは左隣のプレイヤーである。
808.5. 「チーム対抗戦」変種ルールにおいては、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
809.1. 「皇帝戦」は各チーム3人からなる複数のチームによって行なわれる。
809.2. 各チームはテーブルの一辺に並んで席に着く。それぞれのチームごとに、席順を決める。チームの中で1人が皇帝となり、チームの中央に座る。残り2人は将軍と呼ばれ、皇帝を守ることになる。
809.3. 「皇帝戦」では通常、以下の選択ルールを用いる。
809.4. どちらの皇帝が先攻か、無作為の方法で決める。その後、ターンはそのプレイヤーから左に進む。
809.5. 「皇帝戦」変種ルールでは、ゲームの終了は以下の特例に従うと同時に、通常のルール(rule 104 参照)も適用される。
809.6. 「皇帝戦」変種ルールは、同じサイズのチーム同士ならチームがいくつあってもプレイできる。チームが4人以上のプレイヤーからなる場合、影響範囲は適宜決めなおす必要がある。
809.7. 「皇帝戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
810.1. 「双頭巨人戦」は2人ずつのチーム2組によって行なわれる。
810.2. 双頭巨人戦では、「共有チーム・ターン」選択ルール(rule 805 参照)を用いる。
810.3. それぞれのチームは、テーブルの片側に並んで座る。どう座るかはそれぞれのチームが決める。
810.4. ライフ総量はチームごとに合算され、30点から始まる。
810.5. 「双頭巨人戦」では、共用ライフ総量と毒カウンターを例外として、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
810.6. 先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。
810.7. 「双頭巨人戦」変種ルールは、他の「共有チーム・ターン」選択ルールの戦闘ルールを用いる(rule 805.10 参照)。これは過去のルールからの変更である。
810.8. 「双頭巨人戦」でのゲームの勝敗は、通常のルール(rule 104 参照)に従う。が、以下の追加と特例がある。
810.9. ダメージ、ライフの喪失、ライフの増加は、それぞれのプレイヤー個々に発生する。結果はチームの共用ライフに適用される。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「火炎の裂け目は各プレイヤーにそれぞれ4点のダメージを与える」という《火炎の裂け目》を唱えた場合、各チームは8点ずつダメージを受ける。
810.10. プレイヤーに毒カウンターを得させる効果は、各プレイヤーにそれぞれ独立に起こる。毒カウンターはチームで共有される。
810.11. 「双頭巨人戦」は各チーム3人以上でもプレイできる。3人目以降のプレイヤー1人につき、そのチームの初期ライフ総量は15増え、そのチームが負けるために必要な毒カウンターの数は5個増える(これらの変種ルールを三頭巨人、四頭巨人……などと呼ぶこともある)。
811.1. 「交互チーム戦」は同人数によるチーム複数によって行なわれる。
811.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「交互チーム戦」では、以下の選択ルールを用いる。
811.3. ゲームの開始時に、プレイヤーはチームメイト同士が隣にならないように、そしてチームが同等にばらばらになるように座る。
例:3チームによる交互チーム戦では、最初の座り方はA1, B1, C1, A2, B2, C2, A3, B3, C3 というようになる。
811.4. プレイヤーは、隣り合っていない対戦相手に攻撃することはできない。
811.5 「交互チーム戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトは隣り合わせに座っていない限り、お互いの手札を見せあってはならない。戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
9. カジュアル変種ルール
900.1. この節は特定のカジュアル変種ルールにおいて用いられる追加の選択ルールについて述べる。これは網羅的な物ではない。
900.2. カジュアル変種ルールは、定形のマジックのゲームでは用いられない追加の領域、ルール、カード、その他ゲームの要素を用いる。
901.1. プレインチェイス戦 変種ルールにおいて、次元・カードと現象・カードはさらなる能力と無作為性をゲームに導入する。プレインチェイス戦 変種ルールでは、マジックの通常のルールすべてを用いるのに加え、以下の追加ルールを用いる。
901.2. プレインチェイス戦は2人戦でも多人数戦でも行なうことができる。多人数戦の場合、原則として、無差別戦 変種ルールと「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
901.3. 通常のゲームの物品に加えて、各プレイヤーは10枚以上の次元・カードや現象・カードからなる次元デッキを準備しなければならない。また、ゲームの進行には次元ダイスが1つ必要である。次元デッキには現象・カードは2枚までしか入れることができない。次元デッキには同名のカードが2枚以上入っていてはならない。(rule 309〔次元〕、rule 310〔現象〕参照)
901.4. ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の次元デッキを切り直し、カードの順が無作為になるようにする。それらのデッキはそれぞれオーナーのライブラリーの隣に裏向きで置かれる。ゲームの間を通して、次元・カードや現象・カードは次元デッキの中にあるときもオモテ向きであるときも統率領域にあり続ける。
901.5. すべてのプレイヤーが最初の手札を確定させ、ゲームの開始時に開始時の手札から処理を行なえるカードの能力を使った後、開始プレイヤーは自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きにする。現象・カードならば、そのカードを自分の次元デッキの一番下に置き、次元・カードがオモテ向きになるまでこの手順を繰り返す(rule 103.6 参照)。この手順の間、オモテ向きになったカードの能力が誘発することはない。オモテ向きになった次元・カードが開始時の次元となる。
901.6. 次元・カードや現象・カードのオーナーは、そのカードを自分の次元デッキに入れてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの次元・カードや現象・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤーになるまでの間、指定されたままとなる。
901.7. 統率領域にあるオモテ向きの次元・カードや現象・カードの能力は、その領域から機能する。そのカードの常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発することができ、起動型能力は起動することができる、
901.8. プレインチェイス戦では、「プレインズウォーク 能力」と呼ばれる固有の誘発型能力が存在する。この能力は「あなたが{PW}を出すたび、プレインズウォークする」というものである(rule 701.24〔プレインズウォークする〕参照)。この能力には発生源は存在せず、コントローラーはこれを誘発させた次元ダイスを振ったプレイヤーである。これはrule 113.8 の例外である。
901.9. アクティブ・プレイヤーが優先権を持っていてスタックが空の場合、自分のメイン・フェイズの間なら、そのプレイヤーは次元ダイスを振ることができる。そのプレイヤーは、この処理を行なうためのコストとして、そのターンにこの処理を既に行なった回数に等しいだけのマナを支払う。これは特別な処理であり、スタックを用いない。そのターンの間に効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること(rule 116.2h 参照)。
901.10. プレイヤーがゲームを離れるとき、現象からの能力を除いて、そのプレイヤーがオーナーであるすべてのオブジェクトはゲームを離れる(rule 800.4a 参照)。これにオモテ向きの次元・カードや現象・カードが含まれる場合、次元 コントローラーは自分の次元デッキの一番上のカードをオモテ向きにする。これは状況起因処理ではなく、プレイヤーがゲームを離れたら即座に発生する。
901.11. ゲームが開始した後、プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きにした場合、そのプレイヤーが『プレインズウォーク』したという。プレイヤーのプレインズウォークが終わるまで残る継続的効果は終わる。プレイヤーがプレインズウォークしたときに誘発する能力は誘発する。rule 701.24 参照。
901.12. 双頭巨人戦プレインチェイス戦では、多人数戦 「双頭巨人戦」変種ルールのすべてのルールと、カジュアル変種ルール プレインチェイス戦のすべてのルールに加え、以下のルールを用いる。
901.13. 大乱闘戦以外の多人数戦フォーマットにおいて、次元・カードや現象・カードは「影響範囲限定」選択ルールの影響を受けない。その能力、および能力の効果は、適用できるすべてのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす。(rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照)
901.14. 大乱闘戦 プレインチェイス戦においては、複数の次元・カードや現象・カードが同時にオモテ向きになる。
901.15. 「単一次元デッキ」選択ルール
902.1. ヴァンガード戦 変種ルールにおいて、ヴァンガード・カードを用いて各プレイヤーは有名キャラクターを演じることができる。プレイヤーはそれぞれ1枚のオモテ向きのヴァンガード・カードを持ち、それらのカードの能力その他の特性がゲームに影響を及ぼす。ヴァンガード戦 変種ルールは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
902.2. ヴァンガード戦は2人戦でも多人数戦でも良い。
902.3. 通常のゲームの物品に加え、各プレイヤーはヴァンガード・カードを1枚ずつ必要とする。ヴァンガード・カードはゲームの開始前に、オーナーのライブラリーの隣にオモテ向きに配置される。ヴァンガード・カードはゲームの間、統率領域にあり続ける。
902.4. 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点に、そのヴァンガード・カードのライフ補正子による修整を加えたものである。
例: ヴァンガード・カードのライフ補正子が-3であるプレイヤーは、初期ライフ総量が17点となる。
902.5. 各プレイヤーの初期手札枚数は7枚に、そのヴァンガード・カードの手札補正子による修整を加えた枚数となる。
902.6. ヴァンガード・カードのオーナーは、それを統率領域に置いてゲームを始めたプレイヤーである。ヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
902.7. 統率領域にあるオモテ向きのヴァンガード・カードの能力は、その領域で機能する。カードの常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動できる。
903.1. 統率者戦 変種ルールでは、デッキは、そのデッキの統率者として指定された伝説の クリーチャーによって率いられる。統率者戦 変種ルールは、ファンによって作られ、一般化してきたものである。独立したルール委員会が追加のリソースを http://mtgcommander.net/ において管理している。統率者戦 変種ルールでは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
903.2. 統率者戦は2人戦でも多人数戦でも良い。多人数戦は通常、無差別戦 変種ルールに「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
903.3. 各デッキには統率者として指定される伝説の クリーチャー・カードが1枚含まれる。この指定はそのカードで示されたオブジェクトの特性ではなく、そのカードそのものの持つ属性である。領域を変更したとしても、そのカードはこの指定を受け続ける。
例: (《イクシドロン》の効果などで)裏向きになった統率者は、やはり統率者である。(《細胞形成》の効果などで)他のカードのコピーになった統率者は、やはり統率者である。(《影武者》が墓地にある統率者をコピーしたなどで)統率者をコピーしたパーマネントは、統率者ではない。
903.4. 統率者戦 変種ルールにおいては、ある統率者を使うデッキに入れることができるカードを決定するために固有色を用いる。カードの固有色とは、そのカードのマナ・コストやルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、その特性定義能力(rule 604.3 参照)や色指標(rule 204 参照)によって定義される色のことである。
例:《鉄のゴーレム、ボッシュ》は伝説の アーティファクト・クリーチャーで、そのマナ・コストは{8}、「{3}{R}, アーティファクトを1個生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。鉄のゴーレム、ボッシュはそれに、生け贄に捧げられたアーティファクトの点数でみたマナ・コストに等しい点数のダメージを与える。」の能力を持つ。この場合、ボッシュの固有色は赤である。
903.5. 統率者戦 デッキは以下のデッキ 構築ルールに従う。
903.6. ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の統率者をデッキから取り出し、統率領域にオモテ向きで置く。各プレイヤーは残りの99枚のカードからなるデッキを切り直し、それをライブラリーとしてゲームを始める。
903.7. 開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフ総量を40点にし、7枚のカードを引く。
903.8. プレイヤーは、統率領域にある自分の統率者を唱えることができる。統率者を統率領域から唱えるには、それ以前にそのゲームの間に統率領域からそれを唱えた回数ごとに{2}を追加コストとして支払う。この追加コストは俗に「統率者税」と呼ばれる。
903.9. 統率者戦のゲーム中に、統率者が統率領域に戻ることがある。
903.10. 統率者戦 変種ルールでは、ゲームの勝敗に関して次のルールが適用される。それ以外のゲームの終了に関するルールはすべて適用される(rule 104 参照)。
903.11. プレイヤーがゲームの外部から統率者戦にカードを持ってくることができる場合、そのプレイヤーは自分の初期デッキに含まれていたカードと同名であったり、そのプレイヤーがすでにそのゲームに持ってきていたカードと同じカード名であったり、そのプレイヤーの統率者の固有色に含まれない色が固有色に含まれたりするカードを持ってくることはできない。
903.12. ブロール 選択ルール
904.1. アーチエネミー戦 変種ルールにおいて、プレイヤーのチームは強力な計略・カードで強化された1人の対戦相手と対峙する。アーチエネミー戦 変種ルールでは、以下の追加ルールを含む、通常のマジックのルールを用いる。
904.2. 通常、アーチエネミー戦は、2つのチームによる多人数戦「チーム対抗戦」変種ルール(rule 808)で、「複数への攻撃」選択ルール(rule 802 参照)、「共有チーム・ターン」選択ルール(rule 805)を使用し、他の選択ルールは使用しない。
904.3. 通常のゲームの物品に加え、魔王戦では20枚以上の計略・カードからなる計略 デッキを必要とする。計略 デッキには同じ英語名を持つカードは2枚までしか入れることはできない。(rule 312〔計略〕参照)。
904.4. ゲームの開始時に、魔王は自分の計略 デッキを切り直し、無作為の順番にする。計略 デッキは魔王のライブラリーのそばに裏向きに置かれる。全ての計略・カードはゲームの間、計略 デッキの一部である間もオモテ向きの間も統率領域にあり続ける。
904.5. 魔王のゲーム開始時のライフ総量は40点である。他のプレイヤーのゲーム開始時のライフ総量は20点である。
904.6. 無作為に選ばれたプレイヤーでなく、魔王がゲームの第1ターンを行なう。
904.7. 計略・カードのオーナーは、それを統率領域に置いてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの計略・カードのコントローラーはそのオーナーである。
904.8. 統率領域にあるオモテ向きの計略・カードの能力は、その領域で機能する。常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
904.9. 魔王の戦闘前メイン・フェイズが開始した直後に、そのプレイヤーは計略 デッキの一番上のカードをデッキから取り除いてオモテ向きにする。この行動を「計略を実行中にする」(rule 701.25 参照)と言う。このターン起因処理はスタックを用いない。「この計略が実行中になったとき」に誘発する計略・カードの能力が誘発する。
904.10. 持続でない計略・カードが統率領域でオモテ向きになり、いずれかの計略の誘発型能力がスタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、次に優先権が発生した際にその計略・カードは裏向きになり、オーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
904.11. 持続 計略・カードが実行中になったら、能力によってそれが破棄されるまで統率領域でオモテ向きであり続ける。(rule 701.26〔破棄する〕参照)。
904.12. 「魔界大決戦」選択ルール
905.1. コンスピラシー・ドラフト 変種ルールは、ドラフト(プレイヤーが未開封のブースター・パックからカードを選んでデッキを作成するというリミテッド・プレイのやり方)と、それに続く多人数戦からなる。コンスピラシー・ドラフト 変種ルールでは、通常、『マジック:ザ・ギャザリング ― コンスピラシー』『コンスピラシー:王位争奪』のブースター・パックを用いる。
905.2. カードの中には、ドラフト中に働く能力を持つものが存在する。
905.3. コンスピラシー・ドラフトのゲームは多人数戦である。通常の多人数戦は「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールを用いない、無差別戦 変種ルールを用いる。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
905.4. ゲームの開始時、デッキを切り直す前に、各プレイヤーは好きな枚数の策略・カードを自分のサイドボードから統率領域に置く。
905.5. 策略・カードのオーナーは、ゲームの開始時にそれを統率領域に置いたプレイヤーである。策略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
905.6. 開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフ総量を20点にし、手札を7枚引く。
(
廃語)
継続的効果に
持続期間が存在しないでゲーム終了時まで残ることを示すためにかつて使われていた単語。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受け、記述が削除されている。
文章欄の直下に書かれている、ゲーム上は意味を持たない情報。
rule 212〔
文章欄の下にある情報群〕参照。
「共有チーム・ターン」選択ルールを用いるゲームの、第1ターンを行なう
チーム。
rule 103.1〔ゲームを始めるとき、どちらが先攻後攻を選ぶかを決める。
マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなる
マッチを含む)においては、その方法は相互に納得できる方法(
コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなる
マッチにおいては、直前のゲームで負けた
プレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが
引き分けであった
場合、前のゲームで先攻・後攻を決めた
プレイヤーが決定する。先攻となった
プレイヤーは
開始プレイヤーである。通常、ターン進行は
開始プレイヤーから時計回りに進む。〕参照。
ゲーム上、何らかの目的で、実際にはそうでない条件をそうであるとして扱うことを示す文章。
rule 609.4 参照。
(
廃語)古い
カードの
ルール文章には「
冠雪」という語が記載されていることがある。
カード名を参照する時を除いて、そのように記載されている
カードは
オラクルで訂正を受け、
特殊タイプ「
氷雪」を参照するようになっている。
氷雪 参照。
同一の
オブジェクトに記載されている2つの
能力で、一方の行なった処理、または影響を及ぼした
オブジェクトが、他方の
能力によって直接参照されているもの。
rule 607〔関連している
能力〕参照。
特定のセットに含まれる
カードや特定のプロモ
カードは、
銀枠で印刷されている。
銀枠 カードはカジュアルな
プレイ向けであり、このルールに含まれない機能や文章を持つことがある。
からくりを
戦場に出すという『Unstable』セットの
キーワード処理。『Unstable』セットの
カードやメカニズムは、このルールに含まれていない。
(
廃語)「[何か]をゲームから取り除く」とは、「[何か]を
追放する」の古い言い方である。「取り除かれた
カード」とは、「
追放された
カード」の古い言い方である。
ゲーム外領域は
追放 領域の古い呼び名である。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受けている。
追放 参照。
即座に現在のゲームを終了し、それを再び開始すること。
rule 104〔ゲームの終了〕参照。
刻印は以前は
キーワード能力であったが、今はルール上意味を持たない
能力語である。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受けている。
(
廃語)
オーラの古い呼び名。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受けている。
プレイヤーの宣言を
省略して一連のゲーム上の選択(処理をする、あるいは
パスをする)をしてゲームを進めるとして、双方が合意した方法。
rule 722〔行動の
省略〕参照。
文章欄中でカッコつきで書かれている、その
カードに適用されるルールのようやく。これは
ルール文章ではなく、ゲームに影響を及ぼすことはない。
rule 207.2 参照。
文章欄の直下に書かれている、ゲーム上は意味を持たない情報。
rule 212〔
文章欄の下にある情報群〕参照。
1.
領域の1つ。原則として、
追放 領域は
カードを
永遠に置く場所である。以前は「ゲーム外」
領域と呼ばれていた。
2.
オブジェクトを現在ある
領域から
追放 領域に置くこと。「
追放された」
カードとは、
追放 領域に置かれている
カードのことである。
rule 406〔
追放〕参照。
ゲームを止めること。
投了すると、
プレイヤーは即座にゲームから離れ、ゲームには負けになる。
rule 104〔ゲームの終了〕参照。
(
廃語)
カードを他の何か「として扱う」と記載されている
カードが存在した。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受け、実際にそのものになるようになっている。
(
廃語)古い
カードで使われていた表現。一般に、そのように記載されている
カードは
オラクルで訂正を受け、単に「
唱える」ことを参照するようになっている。
(
廃語)古い
カードの中には「[
フェイズ]の間に, [処理]/during [
フェイズ], [処理]」と記載されているものがある。これらの
能力は
フェイズ 能力と呼ばれていた。一般に、そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受け、その
ステップや
フェイズの開始時に
誘発する
誘発型能力となっている。今日でも「
〜の間に」という記述が存在するが、それは通常の言葉の意味しか持たない。
(
廃語)
カウンターが
パーマネントに「
配置された」ことを参照する
呪文や
能力が存在した。これらの
カードは
オラクルで訂正を受け、「置かれた」ことを参照するようになっている。ルールの変更により、これらの
カードの働きは以前のままである。
(
廃語)
戦場のことを言う古い表現。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受け、「
戦場」となっている。
戦場 参照。
既に存在しなくなっている、あるいは
対象に取っていた
呪文や
能力が
対象に求めている条件に既に合致しなくなっている
対象のこと。
rule 608.2b 参照。
コストに含まれる
マナの中で、({1}などの)数字シンボルや({X}などの)変数シンボルで表されているもの。これはあらゆる
タイプの
マナで
支払うことができる。
rule 107.4 参照。
(
廃語)(訳注:英語では「
ブロックされない」の表記が変更されたため、Unblockableが
廃語になりました。日本語には関係ありません)「
ブロックされない」を意味する用語。この語を使っていた
カードは
オラクルで訂正を受けている。
(
廃語)以前の版のルールにおいて、未消費の
マナは
プレイヤーの
ライフを減らしていた。これを「
マナ・バーン」と呼んだ。このルールはもう存在しない。
呪文や
能力は、「1つを選ぶ/Choose one -」などでいくつかの選択肢を選ぶように指示した後にその選択肢を箇条書きで提示していた
場合、「
モードを持つ」という。各選択肢は
モードである。
rule 700.2 参照。
(
廃語)「[何か]を
脇に置く」は「[何か]を
追放する」の古い言い方である。そのように記載されている
カードは、
オラクルで訂正を受けている。
追放 参照。
マジック・ザ・ギャザリング オリジナル・ゲームデザイン: Richard Garfield
マジック総合ルールのデザイン・デベロップメント: Paul Barclay, Mark L. Gottlieb, Beth Moursund, Bill Rose, Eli Shiffrin, and Matt Tabak, with contributions from Charley Catino, John Carter, Elaine Chase, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Mike Donais, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, William Jockusch, Jeff Jordan, 米村 薫, Russell Linnemann, Jim Lin, Steve Lord, Sheldon Menery, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Lee Sharpe, Henry Stern, Donald X. Vaccarino, Thijs van Ommen, Ingo Warnke, Tom Wylie, Bryan Zembruski
編集: Del Laugel(lead), Gregg Liben, Nat Moes, Matt Tabak, and Hans Ziegler
マジック・ルール管理: Eli Shiffrin, Matt Tabak
マジックは Richard Garfieldと、Charley Catino, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, Elliott Segal の手によってデザインされた。マナ・シンボルは、Christopher Rush によるデザインです。
我々のプロジェクト・チームのメンバーをはじめ、このプロダクトに関った全ての人に感謝します。
翻訳:*ぱお*/米村 薫
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