このルールに関して、英語を正文とし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。
英文は http://magic.wizards.com/en/gameinfo/gameplay/formats/comprehensiverules にあります。
(このファイルの最後にも詳細は記述してあります)
このファイルは、マジック・ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、Japan Netrep *ぱお*/米村 薫 とジャッジ・コミュニティが 2021-07-25 に翻訳したものです。
この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。
0. はじめに
1. ゲームの考え方
200. 全般
300. 総則
5. ターンの構造
500. 総則
600. 総則
7. その他のルール
800. 総則
803. 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール
10. 用語集
この文書は、マジック・ザ・ギャザリングの競技的ゲームプレイにおける最高権威である。この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。(なお、サブルールの項番において"l"と"o"はそれぞれ"1"、"0"と似ているため欠番となっている。たとえば、rule 704.5kの次はrule 704.5m、rule 704.5n、rule 704.5p となっている。)
この文章は公開された以降に更新されることがある。最新版は https://magic.wizards.com/Rules からダウンロードできる。質問がある場合、http://Support.Wizards.com/ に問い合わせて回答を得ることができる。
100.1. このマジックのルールは、2人以上のプレイヤーによるマジックのゲームに適用される。2人対戦と多人数戦が含まれる。
100.2. ゲームをするにあたって、各プレイヤーは、自分の、定形のマジックのカードで作られたデッキと、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフの総量をはっきり示す方法、を必要とする。
100.2a 構築環境(各プレイヤーが自分のデッキを作っておいて持ち寄るという遊び方)では、各デッキの最小枚数は60枚である。構築 デッキは、任意の枚数の基本 土地・カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本 土地以外のカードからなる。
100.2b リミテッド環境(各プレイヤーが未開封のブースター・パックなどのマジックの製品を一定量受け取り、それと基本 土地・カードだけを用いて会場内で自分のデッキを組むという遊び方)では、各デッキの最小枚数は40枚である。リミテッドにおいては、その製品に含まれていたものであるかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。
100.3. カードの中には、コインや一般的なサイコロを必要とするものがある。カジュアル変種ルールには、そのためにデザインされたカードや定形外のマジックのカードや特別なサイコロを必要とするものがある。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
100.4. 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
100.4a 構築環境では、サイドボードには最大15枚のカードを使用できる。4枚制限(rule 100.2a 参照)はデッキとサイドボードの合計に適用される。
100.4b 個人で参加するリミテッド環境では、そのプレイヤーのカード・プールの中でデッキに入らなかったカードすべてがそのプレイヤーのサイドボードとなる。
100.4c 双頭巨人戦変種ルールを用いたリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどちらのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードがチームのサイドボードとなる。
100.4d 双頭巨人戦以外のチーム戦変種ルールが適用されるリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードは、いずれか1人のプレイヤーのサイドボードとなる。各プレイヤーはそれぞれにサイドボードを持ち、プレイヤー間での受け渡しは認められない。
100.5. デッキに特定の枚数以上のカードが含まれていなければならない場合、その枚数のことをデッキの最小枚数と呼ぶ。統率者戦以外のデッキでは、デッキの最大枚数は存在しない。
100.6. ほとんどのマジックの大会(他のプレイヤーと、賞を求めて競い合う組織化プレイ活動)には、マジック・イベント規定(https://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)に定められている追加のルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。(訳注:日本語版は https://mjmj.info/data/ で公開されている)
100.6a ほとんどの大会は、複数のマッチからなる。2人対戦のマッチは通常1人のプレイヤーが2ゲームに勝つまで行われる。多人数戦のマッチは通常1ゲームからなる。
100.6b プレイヤーは最寄りの大会を見つけるため、Magic Store & Event Locator https://locator.wizards.com/ を使用することができる。
100.7. 一部のプロモカードや『Unglued』『Unhinged』『Unstable』のカードは銀枠で印刷されている。それらのカードはカジュアルなプレイのためのものであり、このルールで扱っていない機能や文章を持っていることがある。
101.1. カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの唯一の例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。
101.2. ルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によってその同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。
例:「このターン、あなたは追加で土地1枚をプレイしてよい。」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地をプレイすることはできない。」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。
101.3. カードの記述の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにその場合の処置が明記されている。そうでなければ、効果はない。)
101.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行い、その後、残っている非アクティブ・プレイヤーがターン順に選択していく。すべての選択が終わった後、処理が同時に行われる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。
例:「各プレイヤーはそれぞれ、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャー1体を選び、それから各非アクティブ・プレイヤーがターン順にそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャー1体を選ぶ。その後で、これによって選ばれたすべてのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。
101.4a 効果によって各プレイヤーが手札やライブラリーなど非公開の領域からカードを選ぶ場合、そのカードは選ばれた時点では裏向きのままでありうる。しかし、各プレイヤーが選んでいるのがどの裏向きのカードかは明白に示されなければならない。
101.4b プレイヤーは、rule 101.4a の例外を除いて、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行う。
101.4c 1人のプレイヤーが複数の選択を同時に行う場合、書かれている順で選択を行う。順番が指定されていなければ、そのプレイヤーが順番を決める。
101.4d 非アクティブ・プレイヤーの行なったいずれかの選択によって、アクティブ・プレイヤーまたはターン順で前にいる他の非アクティブ・プレイヤーによる選択が必要となった場合、その時点で残っているすべての選択のためにAPNAP順が再び開始される。
101.4e ゲームの開始時に複数のプレイヤーが選択や処理をする場合、開始プレイヤーをアクティブ・プレイヤー、他のプレイヤーを非アクティブ・プレイヤーとして扱う。
102.1. プレイヤーとは、そのゲームに参加している人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。他のプレイヤーのことを、非アクティブ・プレイヤーと呼ぶ。
102.2. 2人対戦においては、プレイヤーの対戦相手とはもう一方のプレイヤーのことである。
102.3. チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーはチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤーは対戦相手である。
102.4. 呪文や能力が、「あなたのチーム/your team」という表記を「あなたやあなたのチームメイト/you and/or your teammates」の省略として使うことがある。チームによる多人数戦以外のゲームにおいては、「あなたのチーム」は「あなた」と同じものを示す。
103.1. ゲームの開始時に、プレイヤーはそのどちらが先攻後攻を選ぶかを決める。マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、その方法は両方が納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーが先行後攻を選ぶ。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻後攻を選んだプレイヤーが選ぶ。先攻となったプレイヤーは開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。
103.1a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いているゲームにおいては、開始プレイヤーではなく開始チームが存在する。
103.1b アーチエネミー戦においては、この種の方法を用いて先攻を決めることはなく、必ず魔王が先攻となる。
103.1c 1枚のカード(《権力行使/Power Play》)には、そのコントローラーが開始プレイヤーとなるという記述がある。この効果はこの決定の後に処理され、この項目の手順を上書きする。
103.2. 開始プレイヤーを決定した後、各プレイヤーはカードが無作為の順番になるように自分のデッキを切り直す。その後、各プレイヤーはそれぞれ対戦相手のデッキを切り直したりカットしたりしてもよい。プレイヤーのデッキはそのプレイヤーのライブラリーとなる。
103.2a プレイヤーがサイドボード(rule 100.4 参照)または差し替えカードで示されているカード(rule 714 参照)を使っている場合、切り直す前にそれらを脇に置く。
103.2b プレイヤーが、自分が所有していて相棒 能力を持つカードをゲームの外部から公開したい場合、サイドボードを脇に置いた後で公開することができる。こうして公開できるのは1枚だけであり、デッキがそのカードの相棒 能力の条件を満たしている場合だけである(rule 702.139〔相棒〕参照)。
103.2c 統率者戦では、各プレイヤーは切り直す前に自分のデッキから自分の統率者を取り出し、オモテ向きで統率領域に置く。rule 903.6 参照。
103.2d コンスピラシー・ドラフトにおいては、プレイヤーは切り直す前にそれぞれ自分のサイドボードから好きな枚数の策略・カードを統率領域に置く。rule 905.4 参照。
103.3. それぞれのプレイヤーは20点の初期ライフ総量を持ってゲームを始める。変種ルールによっては異なるライフの総量を持つ場合もある。
103.3a 双頭巨人戦では、各チームの初期ライフ総量は30点である。
103.3b ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は20点に自分のヴァンガード・カードによるライフ補正子を加えたものである。
103.3c 統率者戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は40点である。
103.3d 2人ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は30点である。
103.4. 各プレイヤーは自分の初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行うことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行うかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行う。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。マリガンとは、自分の手札のカードを自分のライブラリーの中に混ぜて切り直し、初期手札枚数に等しい枚数の新しい手札を引き、そしてそのカードのうちそのプレイヤーがマリガンした回数に等しい枚数を好きな順番で自分のライブラリーの一番下に置くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。プレイヤーは、最初の手札が0枚になるまではマリガンをすることができ、それ以降はそれ以上のマリガンはできない。
103.4a ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期手札枚数は7枚に自分のヴァンガード・カードによる手札補正子を加えたものである。
103.4b 「[プレイヤー]がマリガンを行えるときならいつでも/any time [that player] could mulligan,」そのプレイヤーが何か処理をしてもよいという効果がある場合、そのプレイヤーはその処理を、マリガンするかしないかを決定する時に行なってもよい。これは1回目のマリガンである必要はなく、他のプレイヤーがマリガンするかどうか決めた後でそのプレイヤーはこの処理をするかどうかの選択をすることができる。その処理をした場合、そのプレイヤーは改めてマリガンするかどうかの選択を行う。
103.4c 多人数戦やブロール戦では、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
103.4d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦において、まず開始チームの各プレイヤーがマリガン行うかどうかを選択し、その後他のチームそれぞれのプレイヤーがターン順に同様の選択を行う。チームメイトはマリガンを行うかどうか相談してもよい。その後、全てのマリガンが同時に行われる。チームメイトがマリガンをしないことを選んだ後でも、もう一方のプレイヤーはマリガンすることができる。
103.5. 開始時の手札にある場合にプレイヤーが何か処理を行うことができるカードが存在する。マリガンの手順(rule 103.4 参照)が終わった後、開始プレイヤーはそれらの処理を好きな順番で行なってもよい。その後、他のプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。
103.5a そのカードを戦場に出した状態でゲームを始めてもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカードを戦場に出す。
103.5b 開始時の手札にあるそのカードを公開してもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカードを公開する。そのカードは、最初のターンが始まるまで公開されたままとなる。この方法で公開できるのは、各カードにつき一度だけである。
103.5c 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦においては、開始チームのプレイヤーはそのチームの望む順番でこれらの処理を行なってもよい。この決定について、チームメイトと相談してもよい。その後、他のチームのプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。
103.6. プレインチェイス戦においては、開始プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きに置く。そのカードが現象・カードだった場合、そのカードを次元デッキの一番下に置き、次元・カードがオモテ向き になるまでこの手順を繰り返す。そのオモテ向き になった次元・カードが開始次元となる。(rule 901〔プレインチェイス戦〕参照)
103.7a 2人対戦では、先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 504〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。
104.1. いずれかのプレイヤーが勝った、またはゲームが引き分け になった、あるいはそのゲームが再び開始されたら、そのゲームは即座に終わる。
104.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。
104.2a ゲームに残っているプレイヤー1人から見た対戦相手全員がゲームから離れた場合、その残っているプレイヤーの勝ちとなる。これは即座に処理され、そのプレイヤーが勝利できないというあらゆる効果を無視する。
104.2b 効果によってプレイヤーの勝ちとなることがある。
104.2c チームによる多人数戦においては、少なくとも1人のプレイヤーがゲームに残っているチームから見て他のチーム全てがゲームから離れた場合、その残っているプレイヤーのいるチームの勝ちとなる。勝ちとなったチームのプレイヤーは、そのプレイヤー自身が負けになっていたとしても、全員が勝ちとなる。
104.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。
104.3a プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座にゲームから離れ、そして負けとなる。
104.3b プレイヤーのライフの総量が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき、ゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3c ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときにそのゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3d プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3e 効果によってプレイヤーの負けになることがある。
104.3f あるゲームにおいて、あるプレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーはそのゲームに負ける。
104.3g チームによる多人数戦では、そのチームのプレイヤー全てがそのゲームで負けたときにチームもそのゲームに負ける。
104.3h 影響範囲限定 選択ルール(rule 801 参照)を用いた多人数戦において、あるプレイヤーの勝ちになる効果は、その代わりに、そのプレイヤーの影響範囲内にいる対戦相手すべてを負けにする。これによってゲームが終わるわけではない。
104.3i 皇帝戦において、皇帝がゲームに負けたチームは負けとなる(rule 809.5 参照)。
104.3j 統率者戦において、1つのゲームを通して、単一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは負けとなる。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 903.10 参照。)
104.3k 大会においては、ジャッジによって課せられる懲罰の結果としてゲームに負けることがある。rule 100.6 参照。
104.4. ゲームが引き分け になる場合がいくつか存在する。
104.4a ゲームに残っていたすべてのプレイヤーが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
104.4b 「影響範囲限定」選択ルールを用いないゲーム(2人対戦を含む)において、ゲームが強制的な処理による「ループ」、すなわち止める方法がない一連のイベントの繰り返しに入った場合、ゲームは引き分けとなる。選択可能な処理が含まれるループによって引き分け になることはない。
104.4c 効果によってゲームが引き分け になることがある。
104.4d チームによる多人数戦においては、残っていたすべてのチームが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
104.4e 「影響範囲限定」選択ルールを使った多人数戦において、ゲームを引き分けにする呪文や能力の効果は、その呪文や能力のコントローラーとその影響範囲内にいるプレイヤーを引き分けにする。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーはゲームを続ける。
104.4f 「影響範囲限定」選択ルールを使った多人数戦において、ゲームが強制的な処理による「ループ」、すなわち止める方法がない一連のイベントの繰り返しに入った場合、そのループに含まれるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、ならびにそれらのプレイヤーのいずれかの影響範囲内にいるすべてのプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーはゲームを続ける。
104.4g チーム同士による多人数戦において、そのチームの残っているすべてのプレイヤーが引き分けに終わった場合、そのチームも引き分け になる。
104.4h 「皇帝戦」変種ルールにおいて、その皇帝がゲームに引き分け になった場合、チームも引き分け になる(rule 807.5 参照)。
104.4i 大会においては、ゲームに参加しているすべてのプレイヤーは同意による引き分けにすることに同意できる。rule 100.6 参照。
104.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。プレイヤーが引き分け になったら、そのプレイヤーはゲームから離れる。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから離れた場合の処理について記述されている。rule 800.4 参照。
104.6. ゲームを再び開始するカード(《解放された者、カーン》)が存在する。再び開始する時点でそのゲームに参加していたすべてのプレイヤーは、即座に新しいゲームを開始する。rule 721〔ゲームを再び開始する〕参照。
105.1. マジックでいう色とは、「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
105.2. オブジェクトは、上記の5つの色のうち1つ以上の色であることも、無色であることもありうる。オブジェクトの色は、カードの枠の色とは関係なく、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。オブジェクトの色は、色指標や特性定義能力によって定義されることもある。rule 202.2 参照。
105.3. 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトが色を得たりすることがある。効果によってオブジェクトが新しい色を得る場合、(効果にそれ(またはこれ)の他の色「に加えて/in addition to」と書かれていない限り)新しい色でそれまでの色を置き換える。効果によって、色を持つオブジェクトが無色 になることもある。
105.4. プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」や「無色/colorless」は色ではない。
105.5. 効果が「色2色の組/color pair」を参照する場合、それは5色のうちちょうど2色を意味する。色の組み合わせは10組存在し、白青、白黒、青黒、青赤、黒赤、黒緑、赤緑、赤白、緑白、緑青である。
106.1. マナはマジックの基礎となるリソースである。プレイヤーはマナを消費して、呪文を唱えたり能力を起動したりする場合などのコストを支払う。
106.1a 5色のマナが存在する。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
106.1b マナのタイプは6種類である。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」、ならびに「無色/Colorless」である。
106.2. マナはマナ・シンボル(rule 107.4 参照)によって表される。マナ・シンボルはマナ・コストを示すのにも使われる(rule 202 参照)。
106.3. マナはマナ能力(rule 605 参照)の効果によって生み出される。それ以外にも、呪文やマナ能力でない能力の効果によって生み出されることもある。マナを生み出す呪文や能力は、プレイヤーにマナを加えさせる。マナが呪文によって生み出された場合、そのマナの発生源はその呪文である。マナが能力によって生み出された場合、そのマナの発生源はその能力の発生源(rule 113.7 参照)である。
106.4. 効果の記述によってプレイヤーがマナを加える場合、そのマナはプレイヤーのマナ・プールに置かれる。これ以降、コストを支払うために即座に使うこともできるし、未消費のマナとしてマナ・プールに残しておくこともできる。各プレイヤーのマナ・プールは、各ステップやフェイズの終了時に空になる。それをプレイヤーがマナを失うという。マナを生み出したり未消費のマナを参照したりするカードは、オラクルで訂正され、マナ・プールを明示的に参照することはなくなっている。
106.4a コストを支払うためにマナを消費した後でマナがマナ・プールに残っている場合、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。
106.4b マナ・プールにマナ・プールに残した状態でプレイヤーが優先権をパスした場合(rule 117 参照)、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。
106.5. 能力が、タイプの定義されていないマナを生み出す場合、代わりに マナを生み出さない。
例:《隕石のクレーター》は「{T}: あなたがコントロールしているパーマネントの色1色を選ぶ。その色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。あなたが色のついたパーマネントをコントロールしていないなら、《隕石のクレーター》のマナ能力を起動したことによってマナは生み出されない。
106.6. 呪文や能力の中には、生み出したマナをどう使うかについて限定のあるものや、そのマナを消費した呪文や能力に影響を及ぼす追加の効果を持つもの、そのマナを消費したときに誘発する遅延誘発型能力(rule 603.7a 参照)を作るものがある。それらはマナのタイプには影響を及ぼさない。
例:プレイヤーのマナ・プールに、クリーチャー・呪文を唱えるためにだけ消費できる{R}{G}がある。そのプレイヤーが《倍化の立方体》の、「{3},{T}:あなたが持つ各タイプの未消費のマナの量を2倍にする。」という能力を起動した。そのプレイヤーのマナ・プールには{R}{R}{G}{G}があり、そのうちで{R}{G}は好きな目的で使うことができる。
106.6a 置換効果の中には、呪文や能力が生み出すマナの量を増加させるものがある。その場合、その呪文や能力によって作られるあらゆる制限や追加効果は、生み出されたマナ全てに適用される。呪文や能力が、そのマナが消費されたときに誘発する遅延誘発型能力を作る場合、各マナにそれぞれ別の遅延誘発型能力が作られる。呪文や能力が、そのマナが消費された場合に継続的効果や置換効果を作る場合、各マナにそれぞれ別の効果が作られる。
106.7. 他のパーマネントが生み出すことのできるマナのタイプに基づいたマナを生み出す能力が存在する。「生み出すことのできる/could produce」マナのタイプとは、そのパーマネントの能力がその時点で解決され、すべての存在する置換効果が可能な任意の順番で適用されたとして生み出すことになるマナのタイプのことである。その能力のためのコストが支払えるかどうかは考慮しない。この条件で見てそのパーマネントがマナを生み出さない場合や生み出すマナのタイプが定義されない場合、そのパーマネントが生み出すことのできるマナのタイプは存在しない。
例:《風変わりな果樹園》は「{T}:対戦相手がコントロールしている土地が生み出すことのできる色1色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。対戦相手が土地をコントロールしていないなら、《風変わりな果樹園》のマナ能力を起動してもマナを生み出すことはできない。これは、あなたと対戦相手がそれぞれ《風変わりな果樹園》だけを出している場合も同じである。ただし、あなたがそれに加えて《森》をコントロールしていた場合、あなたの《風変わりな果樹園》も対戦相手の《風変わりな果樹園》も{G}を生み出すことができる。
106.8. 効果が混成マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合、そのプレイヤーがそのシンボルのどちらか半分を選ぶ。色 マナである半分を選んだ場合、その色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.9. 何らかの効果がファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合、そのシンボルの色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.10. 効果が、不特定マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.11. 効果が、1個以上の氷雪マナ・シンボルで表されるマナをプレイヤーのマナ・プールに加えるとなっている場合、その量の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.12. 「マナを引き出す目的で[パーマネント]をタップする/tap [a permanent] for mana」とは、そのパーマネントの、起動コストに{T}シンボルを含むマナ能力を起動するということを意味する。rule 605〔マナ能力〕参照。
106.12a パーマネントが「マナを引き出す目的でタップされるたび/is tapped for mana」あるいは特定の種類のマナを引き出す目的でタップされるたびに誘発する能力は、その種のマナ能力が解決されてマナを出すたび、あるいは特定種類のマナを出すたびに誘発する。
106.12b パーマネントが「マナを引き出す目的でタップされる/is tapped for mana」こと、あるいは特定の種類や量のマナを出す目的でタップされることに適用される置換効果は、その能力を解決してマナ(あるいは特定の種類や量のマナ)を生成する間にそのマナ 生成 イベントを変更する。
106.13. あるカード(《魔力奪取》)が、あるプレイヤーの持つ未消費のすべてのマナを失わせ、他のプレイヤーに「これによって失われたマナ/the mana lost this way」を加えることがある(同一のプレイヤーでも構わない)。これは、前者のプレイヤーのマナ・プールを空にし、この方法で空にされたマナを後者のプレイヤーのマナ・プールに入れるということを意味する。どのパーマネント、呪文、能力によって作られたかということは変更されず、そのマナに課せられている制限や追加の効果も変更されない。
107.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。
107.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージを与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。
107.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数と0だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージを与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーのパワーなど、ゲーム上の値が0未満になることはありうる。計算や比較のために負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。効果の結果を定める計算の結果が負の数になった場合、その効果が、プレイヤーのライフの総量やクリーチャーやクリーチャー・カードのパワーやタフネスを、倍にしたり特定の値にしたりするものでない限り、代わりに0を用いる。
例:3/4クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/4になり、戦闘ではダメージを割り振らない。パワーとタフネスの合計は2である。+3/+0の修整を与えると、パワーは1になる。
例:《ヴィリジアンの社交家》は1/2クリーチャーで、「{T}:ヴィリジアンの社交家のパワーに等しい点数の{G}を加える。」という能力を持つ。効果によって-2/-0されていた場合、この能力を起動してもあなたのマナ・プールにマナが加えられることはない。
例:《カメレオンの巨像》は4/4クリーチャーで、「{2}{G}{G}:ターン終了時まで、カメレオンの巨像は+X/+Xの修整を受ける。Xはこれのパワーに等しい。」の能力を持つ。効果によって-6/-0された後でこの能力を起動した場合、これは-2/4クリーチャーのままである。-4/2になるわけではない。
107.1c ルールや能力がプレイヤーに「望む数/any number」を選ばせる場合、そのプレイヤーは、0以上の任意の整数を選ぶことができる。
107.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、代わりに0を用いる。
107.3. 多くのオブジェクトは、まだ決定されていない数を必要とする部分にXの文字を用いている。オブジェクトによっては、Xの値を定義する能力が存在する。それ以外の場合、そのコントローラーがXの値を選ぶ。
107.3a 呪文や起動型能力がマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストに{X}、[-X]、あるいはXを含み、Xがその呪文や能力の文章内で定義されていない場合、その呪文や能力のコントローラーが呪文を唱えることあるいは能力を起動することの一部としてXの値を選び、宣言する(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。呪文がスタック上にある間、それのマナ・コストや、それが持つ代替コスト、追加コストに含まれるすべてのXは宣言された値である。起動型能力がスタックにある間、それの起動コストに含まれるすべてのXは宣言された値である。
107.3b Xがその呪文の文章によって定義されておらずマナ・コストに{X}を含む呪文を、マナ・コストもXを含む代替コストも支払わずに唱えられる効果によって唱える場合、Xについての適正な選択は0だけである。これはコストを単に減らす効果には、それによってコストが0になったとしても、適用されない。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
107.3c 呪文や起動型能力のコストや文章に{X}、[-X]、Xが含まれ、その値がその呪文や能力の文章によって定義されている場合、その呪文や能力がスタックにある間のXの値はその値である。その呪文や能力のコントローラーが値を選ぶことはできない。なお、その呪文や能力がスタックにある間にも、Xの値が変動することはあり得る。
107.3d 待機 コストや変異 コストなど、特別な処理に関するコストに{X}やXが含まれている場合、そのXはその特別な処理をするプレイヤーがそのコストを支払う直前に選ぶ。
107.3e 呪文や能力が、他のオブジェクトの持つ、マナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストに含まれる{X}やXを参照する場合、その呪文や能力の文章に含まれるすべてのXはそのオブジェクトのために選ばれたあるいは定義されたXの値を用いる。
107.3f Xがマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストではない文中にある場合、そのXが定義されていなかったなら、その呪文や能力のコントローラーがそのXの値を(スタックに積まれたときか解決された時かいずれか)必要な時点で選ぶ。
107.3g スタック以外のいずれかの領域にあるカードのマナ・コストに含まれる{X}の値は、文章中でXの値が定義されていたとしても、0として扱われる。
107.3h 効果によってプレイヤーが{X}を含むオブジェクトのマナ・コストを支払う場合、そのオブジェクトがスタック上にある呪文でない限り、Xの値は0として扱われる。呪文である場合、Xの値はその呪文が唱えられた時に選ばれ、あるいは決定された値である。
107.3i 通常、いつでも、オブジェクト1個の上に複数あるすべてのXは同じ値を取る。
107.3j オブジェクトが能力を得た場合、その能力内のXの値はその能力によって定義される。その能力が定義していない場合、0となる。これは rule 107.3i の例外である。これは能力を与える効果、文章変更効果、コピー 効果によって発生することがある。
107.3k オブジェクトの起動型能力の起動コストに{X}、[-X]、Xが含まれる場合、その能力のXの値はそのオブジェクトや他に起動されたそのオブジェクトの能力で選んだXとは関係しない。これは rule 107.3i の例外である。
107.3m オブジェクトの戦場に出たときの誘発型能力や置換効果がXを参照していて、かつ、解決されてそのオブジェクト になる呪文がコストの一部としてXの値を選んでいた場合、そのパーマネントのXの値は0であるが、その能力のXの値はその呪文のXの値に等しい。これはrule 107.3i の例外である。
107.4. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪マナ・シンボル{S}の総称である。
107.4a 主要な色 マナ・シンボルは5つ存在し、{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑である。これらのシンボルはその色のマナを表すために用いられることも、コストに含まれるその色のマナを表すために用いられることもある。コストに含まれる色 マナは、該当する色のマナでしか支払うことができない。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.4b 数字シンボル({1}など)や変数シンボル({X}など)がコストに含まれる場合、不特定マナを表す。コストに含まれる不特定マナは、任意のタイプのマナで支払うことができる。rule 107.3 参照。
107.4c 無色 マナ・シンボル{C}は無色 マナ1点を表すために用いられる。無色のマナ1点でしか支払うことができないコストを表すためにも用いられる。
107.4d シンボル{0}は0マナを表し、リソースなしで支払うことができるコストのコスト欄に書かれる。rule 118.5 参照。
107.4e 混成マナ・シンボルもまた色 マナ・シンボルであり、それぞれシンボルの半分の部分で示されている2種類のうちどちらか1つの方法で支払うことができるコストを表す。混成シンボル{W/U}は白か青のいずれかのマナ1点で支払うことができる。単色混成マナ・シンボル{2/B}は黒マナ1点か、任意のタイプのマナ2点で支払うことができる。混成マナ・シンボルはそのすべての構成色である。
例:{G/W}{G/W}は、{G}{G}か{G}{W}か{W}{W}で支払うことができる。
107.4f ファイレクシア・マナ・シンボルは色 マナ・シンボルであり、{W/P}は白、{U/P}は青、{B/P}は黒、{R/P}は赤、{G/P}は緑である。ファイレクシア・マナ・シンボルは、その色のマナ1点かあるいは2点のライフを支払うことで支払うことができるコストを表す。
例:{W/P}{W/P}は、{W}{W}か、{W}とライフ2点か、ライフ4点で支払うことができる。
107.4g ルール・テキストにおいて、ファイレクシア・シンボル{P}が色つきの背景なしで書かれていた場合、それは5つのファイレクシア・マナ・シンボルのうちいずれかを意味する。
107.4h コストで使われている場合、氷雪マナ・シンボル{S}は、氷雪の発生源(rule 106.3 参照)から生み出された任意のタイプのマナ1点によって支払うことのできるコストを意味する。不特定マナ・コストを減少させる効果は、{S}コストを減少させることはできない。{S}シンボルはコストを支払うために消費した、氷雪の発生源から生み出された任意のタイプのマナに言及するために使われることがある。氷雪は色でもマナのタイプでもない。
107.5. タップ・シンボルは{T}である。起動コストに含まれるタップ・シンボルは、「このパーマネントをタップする。」を意味する。既にタップ状態であるパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.6. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストに含まれるアンタップ・シンボルは、「このパーマネントをアンタップする。」を意味する。既にアンタップ状態であるパーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。直近のそのプレイヤーのターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.7. プレインズウォーカーの起動型能力は、それぞれ、忠誠シンボルをコストに持つ。プラスの忠誠シンボルは上向きの矢印であり、中にプラスのついた数字を含む。マイナスの忠誠シンボルは下向きの矢印であり、中にマイナスのついた数字またはXを含む。中性の忠誠シンボルは上向きでも下向きでもなく、中に0を含む。[+N]は「このパーマネントの上にN個の忠誠カウンターを置く。」を、[-N]は「このパーマネントの上からN個の忠誠カウンターを取り除く。」を、[0]は「このパーマネントの上に0個の忠誠カウンターを置く。」をそれぞれ意味する。忠誠シンボルは忠誠コストを修整する能力でも用いられることがある。
107.8. Lv系カードの文章欄には2つのLvシンボルが含まれており、そのそれぞれは常在型能力を意味するキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。rule 711〔Lv系カード〕参照。
107.8a 「{Lv N1-N2} [能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN1個以上のLvカウンターを持ち、N2個より多いLvカウンターを持たないなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。
107.8b 「{Lv N3+}[能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN3個以上のLvカウンターを持つなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。
107.9. オデッセイ・ブロックのカードで、名前の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに機能する能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。
107.10. 未来予知セットに含まれる「ミライシフト」カードでは、左上隅にタイプ・アイコンが描かれている。カード・タイプが1つである場合、アイコンでそのタイプを示している。クリーチャーなら鈎爪、ソーサリーなら炎、インスタントなら稲妻、エンチャントなら日の出、アーティファクトなら聖杯、土地なら連峰のアイコンが用いられている。複数のカード・タイプを含むカードでは、白と黒の線が交差した記号が用いられている。これらのアイコンは、ゲーム的には意味を持たない。
107.11. プレインズウォーカー・シンボルは{PW}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.12. カオス・シンボルは{CHAOS}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれており、また、次元ダイスを振った結果を参照する能力にも使われている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.13. 色指標とは、一部のカードのタイプ行左端に記されている円形のシンボルのことである。このシンボルの色によってカードの色が定義される。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.14. エネルギー・シンボルは{E}である。これはエネルギー・カウンター1個を表す。{E}を支払う場合、プレイヤーは自分の持つエネルギー・カウンター1個を取り除く。
107.15. 英雄譚の文章欄には章シンボルが含まれており、そのそれぞれは誘発型能力を示すキーワード能力である。章シンボルはローマ数字を含んでおり、ここでは「rN」で記す。章シンボルの右の区切られた文章欄に書かれた文章は、それの表す誘発型能力の効果である。rule 715〔英雄譚・カード〕参照。
107.15a 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がこれまでN未満でN以上になった場合、[効果]。」を意味する。
107.15b 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。
107.16. クラス・カードの文章欄には、クラス・レベル棒が描かれており、それぞれは起動型能力と常在型能力の両方を表すキーワード能力である。クラス・レベル棒は、その起動型能力の起動コストとレベル数を含んでいる。クラス・レベル棒と同じ節内に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。rule 717〔クラス・カード〕参照。
107.16a 「[コスト]:レベルN ― [能力]/[Cost]: Level N - [Abilities]」は、「[コスト]:このクラスのレベルはNになる。この能力はこのクラスのレベルがN-1でなければ起動できず、ソーサリーとしてのみ起動できる。」と「このクラスのレベルがN以上であるかぎり、これは[能力]を持つ。」を意味する。
108.1. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース https://gatherer.wizards.com/ で参照できる。
108.2. ルールや文章に「カード/card」と記されていた場合、マジックのカードか、マジックのカードによって表されているオブジェクトのことだけを意味する。
108.2a ほとんどのマジックのゲームにおいては、2.5インチ(6.3cm)×3.5インチ(8.8cm)ほどの大きさの、定形のマジックのカードだけを用いる。定形のマジックのカードは、プレイヤーのデッキに含まれている。一部のフォーマットでは、定形外のマジックのカードも用いる。定形外のマジックのカードは、プレイヤーのデッキには含まれず、補助デッキで使われることがある。また、それらは大きいサイズであったり裏面が異なっていたりすることがある。
108.3. カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤーのことである。ゲーム中に外部から加えられたカードがあった場合、それのオーナーはそれをゲームに加えたプレイヤーである。ゲーム開始時点で統率領域にカードがある場合、それのオーナーはそれを統率領域に置いたプレイヤーである。法律上の所有権はアンティを除いてゲームのルール上は考慮しない(rule 407 参照)。
108.3a 「単一次元デッキ」選択ルールを用いたプレインチェイス戦においては、次元 コントローラーが次元デッキに含まれるカードすべてのオーナーであるとして扱う。rule 901.6 参照。
108.3b プレイヤーに、自分がオーナーであるカードをゲームの外部から選んでゲームに入れることを認める呪文や能力が存在する(rule 400.11b 参照)。外部にあるカードがマジックのゲームに関わることになる場合、そのオーナーは rule 108.3 の規定によって決定される。外部にあるカードがマジックのゲームのサイドボードである場合(rule 100.4 参照)、そのオーナーはそのカードをサイドボードに入れてゲームを始めたプレイヤーであるとする。それ以外の場合、外部にあるカードのオーナーは法律上の所有者である。
108.4. カードは、そのカードがパーマネントや呪文を表していない限り、コントローラーを持たない。パーマネントや呪文を表している場合、コントローラーはそれらのルールによって決定される。rule 110.2 および rule 112.2 参照。
108.5. 定形外のマジックのカードは、統率領域(rule 408 参照)以外にある状態でゲームを開始することはできない。何らかの効果がダンジョン・カード(rule 309〔ダンジョン〕参照)以外の定形外のマジックのカードをゲーム内に持ち込む場合、持ち込まない。そのカードはゲームの外部にあり続ける。
108.6. カードについての追加の情報は、rule 2〔カードの部分〕参照。
109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、紋章のことである。
109.2. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」「計略/Scheme」という単語なしでカード・タイプやサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、戦場に出ているそのカード・タイプやサブタイプのパーマネントのことを意味する。
109.2a 呪文や能力が「カード/card」という単語と領域名を用いてオブジェクトを表現している場合、その領域にありその表現に合うカードのことを意味する。
109.2b 呪文や能力が「呪文/spell」という単語を用いてオブジェクトを表現している場合、スタックにありその表現に合う呪文のことを意味する。
109.2c 呪文や能力が「発生源/source」という単語を用いてオブジェクトを表現している場合、どの領域にあるかに関係なく、その表現に合う、能力やダメージやマナの発生源のことを意味する。rule 113.7 および rule 609.7 参照。
109.2d 計略・カードの能力が「この計略/this scheme」という表記を含む場合、統率領域にある、その能力が印刷されている計略・カードのことを意味する。
109.3. オブジェクトの特性とは、名前、マナ・コスト、色、色指標、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、ルール・テキスト、能力、パワー、タフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのオーナーおよびコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。
109.4. スタックか戦場にあるオブジェクトだけにコントローラーが存在する。どちらの領域にもないオブジェクトは、どのプレイヤーにもコントロールされていない。rule 108.4 参照。このルールには6つの例外がある。
109.4a マナ能力のコントローラーは、それがスタックにあるかのように決定される。rule 605〔マナ能力〕参照。
109.4b 誘発したあとスタックに置かれるのを待っている誘発型能力は、遅延誘発型能力を除き、それが誘発した時点でその発生源をコントロールしていたプレイヤーにコントロールされている。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f を参照すること。rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。
109.4c 紋章は、それを統率領域に置いたプレイヤーにコントロールされている。rule 114〔紋章〕参照。
109.4d プレインチェイス戦において、オモテ向きの次元・カードならびに現象・カードは、次元 コントローラーとして指定されているプレイヤーにコントロールされている。多くの場合それはアクティブ・プレイヤーである。rule 901.6 参照。
109.4e ヴァンガード戦において、ヴァンガード・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 902.6 参照。
109.4f アーチエネミー戦において、計略・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 904.7 参照。
109.4g コンスピラシー・ドラフトにおいて、策略・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 905.5 参照。
109.5. オブジェクトに記されている「あなた/You」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーがそれをプレイしたり唱えたり起動したりしようとしている最中なら)コントローラー になる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(戦場 にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力を起動したプレイヤーを指す。遅延誘発型能力を除く誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
110.1. パーマネントとは、戦場に出ているカードやトークンのことである。パーマネントは無期限に戦場に残り続ける。カードやトークンは、戦場に出たときにパーマネントとなり、戦場から他の領域に効果やルールによって移動したときにパーマネントでなくなる。
110.2. パーマネントのオーナーは、それを表すカードのオーナーである。(ただしトークンの場合については rule 111 参照。)パーマネントのコントローラーは、通常、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。パーマネントには必ずコントローラーが1人存在する。
110.2a 効果によってプレイヤーがオブジェクトを戦場に出す場合、特に書かれていなければ、そのオブジェクトはそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出る。
110.2b 効果によってプレイヤーが他のプレイヤーのパーマネント呪文のコントロールを得た場合、そのプレイヤーはその呪文がなるパーマネントをコントロールするが、そのパーマネントの本来のコントローラーはその呪文をスタックに置いたプレイヤーである。(この違いは多人数戦で意味を持つ。rule 800.4c 参照。)
110.3. トークンでないパーマネントの特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
110.4. パーマネント・タイプは5つ存在し、「アーティファクト/artifact」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「土地/land」「プレインズウォーカー/planeswalker」である。インスタント・カードやソーサリー・カードは戦場に出ることはできないので、パーマネント になることはあり得ない。部族・カードが戦場に出ることができるかできないかは、それ以外のカード・タイプによる。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
110.4a 「パーマネント・カード/permanent card」という語は、戦場に出ることができるカードのことを指す。すなわち、アーティファクト・カード、クリーチャー・カード、エンチャント・カード、土地・カード、プレインズウォーカー・カードのことである。
110.4b 「パーマネント呪文/permanent spell」という語は、解決によって戦場に出る呪文のことを指す。すなわち、アーティファクト・呪文、クリーチャー・呪文、エンチャント・呪文、プレインズウォーカー・呪文のことである。
110.4c パーマネントが何らかの方法ですべてのパーマネント・タイプを失った場合、それはそのまま戦場にあり続ける。それはパーマネントである。
110.5. パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、オモテ向き/裏向き、フェイズ・イン/フェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。
110.5a 位相は特性ではないが、位相によってパーマネントの特性が変化しうる。
110.5b パーマネントは、呪文や能力によって特に指示されない限り、アンタップ、非反転、オモテ向き、フェイズ・インの位相で戦場に出る。
110.5c パーマネントは、呪文や能力やターン起因処理が位相を変更しない限り、その位相が何も影響を持たなくても、元の位相を保つ。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》は「{1}{U}{B}: 墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーは、この能力を得ることを除き、そのカードのコピー になる。」という能力を持つ。これが反転カード《呪師の弟子》のコピー になったとする。《呪師の弟子》の能力によってこのクリーチャーは反転し、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《暴く者、智也》になる。その後、このパーマネントが《ルーン爪の熊》のコピー になった場合、反転位相は何も意味を持たないが、反転位相のままである。その後で再びコピー 能力を用いて《鼠の短牙》(別の反転カード)のコピー になった場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《憎まれ者の傷弄り》(《鼠の短牙》の反転位相)になる。
110.5d パーマネントだけが位相を持つ。戦場 にないカードは持たない。追放されているカードが裏向き になることはあるが、それはパーマネントの裏向き 位相とは何ら関係ない。同様に、戦場 にないカードは、物理的にどういう状態であろうと、タップしているわけでもアンタップしているわけでもない。
111.1. 効果によってトークンが戦場に出ることがある。トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである。
111.2. トークンを生成したプレイヤーがそのオーナーである。トークンはそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出る。
111.3. トークンを生成する呪文や能力がトークンの特性の値を定める場合、その値はトークンの「文章」になる。この方法で定義された特性値は、カードに記載されている値と機能的に同値である。たとえば、これによって定められた特性値はトークンのコピー可能な値である。トークンは、それを生成した呪文や能力によって定義されていない特性を持たない。
例:《翡翠の魔道士》は「{2}{G}: 緑の1/1の苗木クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。これによって生成されたトークンは、マナ・コストや特殊タイプ、ルール・テキスト、能力を持たない。
111.4. トークンを生成する呪文や能力が、そのトークンの名前とサブタイプを定める。特に書かれていない限り、トークンの名前は、そのサブタイプと同じである。例えば、ゴブリン・スカウト・クリーチャー・トークンはゴブリン・スカウトという名前であり、クリーチャー・タイプはゴブリンとスカウトの2つとなる。トークンが戦場に出た後では、名前が変わってもサブタイプは変わらない。その逆も同じである。
111.5. 呪文や能力がトークンを生成する場合、何らかのルールや効果によってそのトークンの特性のうち1つ以上を持つパーマネントが戦場に出ることができなくなっていたら、そのトークンは生成されない。
111.6. トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのカード・タイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(マジックのカードと同じ裏面であったり、マジックのパックから出てきたものであったりしても)カードとしては扱われない。
111.7. 戦場以外の領域に存在するトークンは、消滅する。これは状況起因処理である。rule 704 参照。(トークンが領域を移動した場合、消滅する前に、それによる誘発型能力は誘発する)
111.8. 戦場を離れたトークンは、他の領域に移動することもないし、戦場に戻ることもない。そのようなトークンが領域を変更しようとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因処理をチェックする時点で、消滅する。rule 704 参照。
111.9. 効果の中に、プレイヤーに伝説の トークンを生成するように指示するものがある。それらは、「create [name], a ...」としてそのトークンの特性を列記していることがある。これは、与えられた名前を持ち列記された特性を持つトークンを生成するという指示と同じである。(日本語版では、「「〇〇」という名前の...トークン1体を生成する。」というテンプレートに統一されたままです。)
111.10. 効果の中に、定義済みのトークンを生成するように指示するものがある。それらの効果は、生成されるトークンの特性を決定するにあたって下の定義を用いる。定義済みのトークンを生成する効果は、その定義済みの特性を変更したり何かを追加したりすることがある。
111.10a 「宝物/Treasure」・トークンとは、「{T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ、無色の宝物・アーティファクト・トークンである。
111.10b 「食物/Food」・トークンとは、「{2}, {T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つ、無色の食物・アーティファクト・トークンである。
111.10c 「金/Gold」・トークンとは、「このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ、無色の金・アーティファクト・トークンである。
111.10d 「ウォーカー/Walker」・トークンとは、ウォーカーという名前を持つ黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンである。
111.10e 「破片/Shard」・トークンとは、「{2}, このエンチャントを生け贄に捧げる:占術1を行い、その後、カード1枚を引く。」を持つ無色の破片・エンチャント・トークンである。
111.10f 「手掛かり/Clue」・トークンとは、「{2}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:カード1枚を引く。」を持つ無色の手掛かり・アーティファクト・トークンである。
111.11. パーマネント呪文のコピーは、その解決に際してトークン になる。そのトークンは、そのトークン になった呪文の特性を持つ。トークンを生成することに言及した置換効果や誘発型能力からは、そのトークンは「生成」されたものとしては扱われない。
112.1. 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)、カードは呪文 になり、オーナーの手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405〔スタック〕参照)。呪文は解決されるか(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6〔呪文、能力、効果〕参照。
112.1a 呪文のコピーは、それがカードによって示されていなくても呪文である。rule 707.10 参照。
112.1b カードのコピーを唱えさせる効果が存在する。その効果によって唱えた場合、そのコピーは呪文である。rule 707.12 参照。
112.2. コピーでない呪文のオーナーは、その呪文を表現しているカードのオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。呪文のコントローラーは、通常、それをスタックに積んだプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。
112.3. コピーでない呪文の特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
112.4. 効果によってパーマネント呪文の特性が変更された場合、その効果はその呪文が解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。
例:効果が黒のクリーチャー・呪文を白にした場合、そのクリーチャーが戦場に出るときにも白であり、その色を変える効果が残っている限り白であり続ける。
113.1a 能力には、オブジェクトの持つ特性で、そのオブジェクトがゲームに影響を及ぼせるようにするものが含まれる。オブジェクトの能力はそのルール・テキストまたはそれを生成した効果によって定義される。ルールや効果によってオブジェクトが能力を得ることもある。(能力を与える効果には、大抵の場合「持つ」「得る」と書かれている。)能力は効果を作る(rule 609〔効果〕参照)。
113.1b 能力には、プレイヤーが持つ、ゲームがそのプレイヤーに及ぼす影響を変更するものがある。効果によって与えられない限り、通常、プレイヤーは能力を持たない。
113.1c 能力には、スタック上にある起動型あるいは誘発型能力が含まれる。この種の能力はオブジェクトである。(rule 6〔呪文、能力、効果〕参照)
113.2. 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を及ぼすことがある。他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。
例:「このクリーチャーではブロックできない。」というのは能力である。
113.2b カードを唱えるための追加コストや代替コストは、カードの能力である。
113.2c 1つのオブジェクトが複数の能力を持つことがある。そのオブジェクトがカードである場合、一行に並べられて書かれるあらかじめ定義された能力(rule 702〔キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。カードでない場合、それを生成した効果によって複数の能力を得ることがある。また、オブジェクトは呪文や能力によって能力を得ることがある。1つのオブジェクトが同じ能力を複数持っている場合、それられは独立に機能する。これによって、能力が1つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。
113.2d 能力は、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を作る。継続的効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。rule 609〔効果〕参照。
113.3a 呪文能力とは、インスタントまたはソーサリー・呪文が解決される間に処理される指示のことである。rule 113.6 に示す、起動型能力や誘発型能力や常在型能力でない、インスタントまたはソーサリー・呪文の文章は呪文能力である。
113.3b 起動型能力はコストと効果を持ち、通常は「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれている。この種の能力は、そのプレイヤーが優先権を持っているときならいつでも起動できる。そうしたなら、その能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
113.3c 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」を含む(通常はそれらから始まる)「[誘発条件], [効果。]」という書式で書かれている。誘発イベントが発生するたび、その次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にその能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。
113.3d 常在型能力は普通の文で書かれ、単にその効果が発生する。常在型能力は、パーマネントがその能力を持って戦場にある間機能し続ける継続的効果を生み出すか、あるいはその能力を持つオブジェクトが特定の領域にある間に機能する。rule 604〔常在型能力の扱い〕参照。
113.4. 起動型能力や誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力はスタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605〔マナ能力〕参照。
113.5. 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネントの忠誠度能力を起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
113.6. インスタントまたはソーサリー・呪文の能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。
113.6a 特性定義能力は、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。
113.6b どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。
113.6c どの領域で機能しないかが書かれている能力は、その特定の領域以外では、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。
113.6d あるオブジェクトの持つ、それ自身のマナ・コストを払うのではなく代替コストを支払うことをプレイヤーに認める能力その他のそれを唱えるためのコストを変更する能力はスタックにある間に機能する。
113.6e オブジェクトの、その特定のオブジェクトをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間とスタックにある間に機能する。その特定のオブジェクト自身にそれをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす他の能力を与えるそのオブジェクトの能力は、スタックにある間にのみ機能する。
113.6f オブジェクトの能力で、その特定のオブジェクトをどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。
113.6g オブジェクトの能力で、それが打ち消されないと書かれているものは、スタックにある間に機能する。
113.6h オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する。rule 614.12 参照。
113.6i オブジェクトの能力で、それにカウンターを置けないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。
113.6j オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。
113.6k 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。
例:《赦免のスラル》は「赦免のスラルが戦場に出るか、これが憑依しているクリーチャーが死亡するかしたとき、エンチャント1つを対象とする。それを破壊する。」という能力を持つ。1つ目の誘発条件は戦場にある間に機能するが、2つ目の誘発条件は追放 領域にある間に機能する。rule 702.55〔憑依〕参照。
113.6m コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動すること、あるいはそのオブジェクトがオーラである場合にはそれがエンチャントしているオブジェクトが戦場を離れることが含まれている場合は、この限りではない。その能力の効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させる効果を持つ遅延誘発型能力を作る場合も同様である。
例:《組み直しの骸骨》は「{1}{B}: あなたの墓地にある組み直しの骸骨をタップ状態で戦場に戻す。」という能力を持つ。この能力は、《組み直しの骸骨》が自分の墓地にある間にしか起動できない。
113.6n ゲームの開始前、デッキ 構築に関するルールを変更する能力が存在する。その種の能力は、この総合ルールだけでなく、マジック・イベント規定その他特定のフォーマットでのデッキ 構築ルールを定めた文書を変更する。しかしながら、その種の能力によっても、あるフォーマットにおいて禁止や制限されているカードは禁止あるいは制限されているままである。現在のマジック・イベント規定は、http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents から参照できる。(訳注:日本語訳は http://mjmj.info/ 以下で公開されている)
113.6p 紋章、次元・カード、ヴァンガード・カード、計略・カード、策略・カードの能力は統率領域において機能する。rule 114〔紋章〕、rule 901〔プレインチェイス戦〕、rule 902〔ヴァンガード戦〕、rule 904〔アーチエネミー戦〕、rule 905〔コンスピラシー・ドラフト〕参照。
113.7. 能力の発生源は、それを作ったオブジェクトである。スタックにある起動型能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発型能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。
113.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。放蕩紅蓮術士はそれに1点のダメージを与える。」)。このような場合、起動型能力を宣言したり誘発型能力をスタックに置いたりする時点でその発生源の情報を参照する起動型能力や誘発型能力は、その能力がスタックに置かれる時点でそれらの情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域 にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行う。
113.8. スタックにある起動型能力のコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力のコントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力が誘発した時のその能力の発生源のオーナーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
113.9. スタックにある起動型能力や誘発型能力は呪文ではないので、呪文を打ち消すものには打ち消されない。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、能力を打ち消すと書かれている効果によって打ち消される。常在型能力はスタックを用いないので、打ち消されることはない。
113.10. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」などと書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。
113.10a 起動型能力を追加する効果には、その能力の起動指示が含まれることがある。それらの指示はそのオブジェクトに追加された能力の一部になる。
113.10b 能力を取り除く効果は、その能力が複数あっても全て取り除く。
113.10c 複数の効果が同じ能力を追加して取り除いた場合、一般には最新のものが優先される。継続的効果の相互作用について、詳しくは rule 613 参照。
113.11. 効果によって、オブジェクトは特定の能力を得なくなることがある。それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「持つことができない/can't have」と書かれている。もしオブジェクトがその能力を持っている場合、その能力を失う。また、効果やキーワード・カウンターによってその能力をそのオブジェクトに得させることもできない。呪文や能力の解決がその特定の能力をそのオブジェクトに得させる継続的効果を作る場合、その継続的効果のその部分は適用されないが、その継続的効果の他の部分は適用され、またその解決された呪文や能力の作る他の継続的効果は作られる。常在型能力によって作られた、その特定の能力を得させる継続的効果は、そのオブジェクトに適用されない。
113.12. オブジェクトの特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合(「[パーマネント]は[特性値]である/[permanent] is [characteristic value]」)、それは能力を得させることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトがある性質を得た場合(「[パーマネント]はブロックされない。」)、それは能力を得させもしないし特性を定義することもない。
例:《ムラガンダの印刻》は「能力を持たないすべてのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」と書かれている。《ルーン爪の熊》(能力を持たないクリーチャー)が「エンチャントしているクリーチャーは飛行を持つ。」と書かれたオーラがエンチャントしている場合、+2/+2の修整を受けることはない。「エンチャントしているクリーチャーは赤である。」あるいは「エンチャントしているクリーチャーはブロックされない。」と書かれたオーラがエンチャントしている場合、変わらず+2/+2の修整を受ける。
114.1. 効果によって、紋章が統率領域に置かれることがある。紋章とは、1つまたはそれ以上の能力を持つオブジェクトを表すマーカーであり、それ以外の特性は持たない。
114.2. 紋章を生成する効果は「[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を得る。/[Player] gets an emblem with [ability]」と書かれる。これは、[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を統率領域に置くことを意味する。紋章のオーナーはそのプレイヤーであり、そのプレイヤーがその紋章をコントロールする。
114.3. 紋章は、それを生成した効果によって定義された能力以外の特性を持たない。紋章は名前を持たず、カード・タイプを持たず、マナ・コストを持たず、色を持たない。
114.5. 紋章はカードでもパーマネントでもない。「紋章/emblem」はカード・タイプではない。
115.1. 呪文や能力の一部は、そのコントローラーに1つかそれ以上の対象を選ばせる。対象とは、その呪文や能力が影響を及ぼす、オブジェクトやプレイヤーである。それらの対象は呪文や能力をスタックに積む行程の一部として宣言される。対象は、他の呪文や能力によって指示されない限り、変更することはできない。
115.1a インスタント・呪文やソーサリー・呪文は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [something]」という表記がある場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、呪文を唱える際に行う。rule 601.2c 参照。(インスタントやソーサリーの文章内にある起動型能力や誘発型能力が「対象/target」の語を用いていたとしたら、その呪文ではなく能力が対象をとる。)
例:「このカードをサイクリングしたとき、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受ける。」という能力を持つソーサリー・カードがあった場合、誘発型能力は対象をとるが、呪文が対象をとるとは限らない。
115.1b オーラ・呪文は、必ず、対象を取る。オーラの対象は、エンチャントのキーワード能力によって規定される(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。対象の選択は、呪文を唱える際に行う。rule 601.2c 参照。オーラ・パーマネントは対象を取らない。オーラ・呪文だけが対象を取る。(オーラ・パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。)
115.1c 起動型能力は、「[何か]を対象とする/target [something]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、能力を起動する際に行う。rule 602.2b 参照。
115.1d 誘発型能力は、「[何か]を対象とする/target [something]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクトやプレイヤーを示す表現でなければならない。対象の選択は、能力をスタックに積む際に行う。rule 603.3d 参照。
115.1e 装備や接合などキーワード能力の一部は、対象を取る起動型能力や誘発型能力を意味している。また、変容などキーワード能力の一部は、呪文に対象を取らせるようにする。それらの場合、「[何か]を対象とする」という表現はその能力そのものには表記されていないが、キーワード能力のルールに記載されている。(キーワードの注釈文にもしばしば「対象/target」の語が含まれている。)rule 702〔キーワード能力〕参照。
115.2. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、(a) その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、(b) 呪文や能力のように戦場に存在することがありえないオブジェクトを対象とするときだけである。rule 115.4 参照。
115.3. 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」あるいは「[性質]や[性質]のうちN個」などとしてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクトやプレイヤーを(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。この規定は、呪文や能力の対象を選ぶときと、呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりするとき(rule 115.7 参照)の両方に適用される。
115.4. 英語版では、ダメージ関連の呪文や能力の中に、「target [something]」ではなく、「any target」や「another target」、「two targets」などを取るものがある。これらの対象は、クリーチャーかプレイヤーかプレインズウォーカーでありうる。クリーチャーでないアーティファクトや呪文など、その他のゲーム上のオブジェクトは選択できない。日本語版では、それらは書き下され、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうちNつを対象とする。」という表現になっている。
115.5. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不適正である。
115.6. 対象を取りうる呪文や能力には、0個の対象を選べるものもある。そのような呪文や能力も対象を取りうる呪文や能力ではあるが、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。
115.7. 呪文や能力の効果を変更することを認める効果や、呪文や能力の対象を新しく選ばせる効果が存在する。
115.7a 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」場合、呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象がすでに不適正になっていたとしても、元の対象がそのまま対象 になったままになる。対象すべてを適正な別の対象に変更できない場合、それらの対象はすべて変更されずに元のまま残る。
115.7b 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「対象1つを変更する/change a target」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)1つだけを変更することができる。
115.7c 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「任意の対象を変更する/change any targets」場合、rule 115.7a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)任意の一部を変更することができる。
115.7d 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「新しい対象を選ぶ/choose new targets」場合、そのプレイヤーはその現在の対象のうち望む数を、それが不正な対象であったとしても、そのままに残しておいてもよい。プレイヤーが新しく選んだ対象は適正でなければならないし、そのままに残してある対象を不適正にするものであってはならない。
115.7e 呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりする場合、その変更が適正かどうかを判断するためには最終的に定められた対象だけを確認する。
例:「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つと、それでないクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。電弧の痕跡はその前者に2点のダメージを、その後者に1点のダメージを与える。」というソーサリー《電弧の痕跡》の現在の対象が、順に《ルーン爪の熊》と《ラノワールのエルフ》であるとする。あなたが「呪文1つを対象とする。あなたはそれの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《移し変え》を《電弧の痕跡》を対象に唱えた場合、1つ目の対象を《ラノワールのエルフ》に、2つ目の対象を《ルーン爪の熊》に変えることができる。
115.7f 呪文や能力は、1つ以上のものを対象として(ダメージやカウンターなどの)効果を「分割/divide」したり「分配/distribute」したりすることがある。その種の呪文や能力のための対象を変更したり新しく選んだりする場合、元の分割を変更することはできない。
115.8. モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。モードを持つ呪文や能力の対象を変更したり新しく選んだりする効果には、そのモードは変更されない。(rule 700.2 参照)
115.9. オブジェクトの中には、他の呪文や能力が対象を取るかどうかを見るものがある。文章によって、それがチェックするのは対象の現在の状態であるか、あるいは選ばれた時点での状態であるか、その両方を見るかが違う。
115.9a 「単一の対象を持つ[呪文や能力]/[spell or ability] with a single target」を見るオブジェクトは、その呪文や能力がスタックに積まれた時点で合計何回オブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれたかを数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。同一のオブジェクトやプレイヤーが複数回対象として選ばれていた場合、それぞれを別々に数える。
115.9b 「[何か]を対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets [something]」を見るオブジェクトは、その呪文や能力の対象がその時点でどうなっているかを見る。対象にしたオブジェクトが元あった領域に存在し、あるいは対象にしたプレイヤーがまだゲームに残っているのであれば、その対象がその呪文や能力にとって不適正になっていたとしても、その現在の情報を用いる。オブジェクトがその領域 になくなっていたり、プレイヤーがゲームに存在しなくなっているのであれば、その対象は無視され、最後の情報は用いられない。
115.9c 「[何か]のみを対象とする[呪文や能力]/[spell or ability] that targets only [something]」は、その呪文や能力がスタックに積まれたときにいくつの異なったオブジェクトやプレイヤーを対象として選んだか(その後対象を変更する効果によって変更されたものも含む)を数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。その数が1であれば(その呪文や能力が同一のオブジェクトやプレイヤーを複数回対象にしていても)その呪文や能力の対象は、rule 115.9b に書かれている通りにチェックされる。
115.10. 呪文や能力は、対象にしていないオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼすことがある。一般に、その種のオブジェクトやプレイヤーは呪文や能力の解決時まで選択されない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
115.10a オブジェクトやプレイヤーが呪文や能力の影響を受けるからといって、そのオブジェクトやプレイヤーが自動的にその呪文の対象 になるわけではない。そのオブジェクトやプレイヤーが、その呪文や能力の文章内、あるいはキーワード能力のルール内の「対象」の語を用いて指定されていない限り、対象ではない。
116.1. 特別な処理は、プレイヤーが優先権を持っているときに行う、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に作る、ターン起因処理や状況起因処理と混同してはならない。(rule 703〔ターン起因処理〕、rule 704〔状況起因処理〕参照)
116.2a 土地をプレイすることは特別な処理である。土地をプレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤーの手札)から戦場に出すことである。何も効果がない場合、プレイヤーは自分のターンの間に1度だけこの処理を行うことができる。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、この特別な処理を行うことを選んでもよい。rule 305〔土地〕参照。
116.2b 裏向きのパーマネントをオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも、この処理を行うことができる。rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
116.2c 効果の中には、後でプレイヤーに何らかの処理を認めるものがある。その多くは継続的効果の終了や、遅延誘発型能力の誘発の中止である。そうすることは特別な処理である。その効果が遅延誘発型能力の誘発を中止させたり継続的効果を終了させたりすることを許している場合、その効果に特にタイミングの制限が書かれていない限り、プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
116.2d 常在型能力からの効果によって、その能力からの効果をある期間だけ失わせるという処理をできることがある。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
116.2e 「あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも、あなたは《待ち受ける禿鷹》を捨ててもよい。」という能力を持つカード(《待ち受ける禿鷹》)が存在する。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。
116.2f 待機 能力つきのカードを手札に持つプレイヤーは、そのカードを追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときで、そのカードをスタックに積むことによって唱え始めることができるときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 702.62〔待機〕参照。
116.2g 相棒を選んだプレイヤーは、{3}を支払ってそのカードをゲームの外部から手札に持ってくることができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っていてスタックが空で自分のターンのメイン・フェイズの間であればいつでも、この処理をすることができるが、そのゲームでまだこの処理をしていない場合に限られる。rule 702.139〔相棒〕参照。
116.2h 予顕を持つカードが手札にあるプレイヤーは、{2}を支払ってそのカードを裏向きに追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーは、自分のターンの間優先権を持っているときならいつでも、この処理をすることができる。rule 702.143〔予顕〕参照。
116.2i プレインチェイス戦においては、次元ダイスを振ることは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行うことができる。この処理を行うためのコストとして、そのターンに既に行なったこの処理の回数に等しい量のマナが必要である。そのターンの間に 効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
116.2j コンスピラシー・ドラフトにおいては、統率領域にある裏向きの策略・カードをオモテ向きにすることは特別な処理である。プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもこの処理を行うことができる。rule 905.4a 参照。
116.3. プレイヤーが特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。
117.1. 呪文や能力がいずれかのプレイヤーに何か処理を行うよう指示していない限り、ある時点でどちらのプレイヤーが処理を行えるかは、優先権のシステムによって決定される。優先権を持つプレイヤーは呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。
117.1a プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもインスタント・呪文を唱えることができる。プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であればインスタント以外の呪文を唱えることができる。
117.1b プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでも起動型能力を起動できる。
117.1c プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも取れる特別な処理が存在する。他の特別な処理については、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であれば可能である。rule 116〔特別な処理〕参照。
117.1d プレイヤーは、優先権を持っている時か、呪文を唱えたり能力を起動したりする途中でマナの支払いが必要な時、あるいは(呪文を唱えたり解決したりしている間や、能力を起動したり解決したりしている間も含む)ルールや効果がマナの支払いを求めた時ならいつでもマナ能力を起動できる。
117.2. 他の能力や処理は、ゲームのルールによって自動的に作られたり実行されたりするか、または優先権を得ることなくプレイヤーによって実行される。
117.2a 誘発型能力は、呪文を唱えている間や能力を起動している間、あるいは呪文や能力を解決している間であっても、いつでも誘発する(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。しかしながら、能力は誘発した瞬間には何もしない。いずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、誘発していてまだスタックに積まれていない能力はスタックに積まれる。rule 117.5 参照。
117.2b 常在型能力は継続的にゲームに影響を及ぼす。優先権は関係しない。(rule 604〔常在型能力の扱い〕、rule 611〔継続的効果〕参照)
117.2c ターン起因処理は、特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。これはプレイヤーが優先権を得るよりも前に処理される。rule 117.3a 参照。ターン起因処理は各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生し、それ以降にプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703〔ターン起因処理〕参照。
117.2d 状況起因処理は特定の条件を満たしたときに自動的に発生する。rule 704〔状況起因処理〕参照。これはプレイヤーが優先権を得る直前に処理される。rule 117.5 参照。
117.2e 呪文や能力を解決すると、プレイヤーに選択を求めたり処理を行わせたりマナ能力の起動を許可したりすることがある。プレイヤーがそうした場合にも、呪文や能力の解決中にはいずれのプレイヤーも優先権を得ない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
117.3. どちらのプレイヤーが優先権を持っているかは、以下のルールによって定められる。
117.3a アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、ターン起因処理(ドロー・ステップ の間に カード1枚を引くことなど。rule 703 参照)の後、そのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る。ただし、アンタップ・ステップには優先権は発生せず、通常はクリンナップ・ステップにも優先権は発生しない(rule 514.3 参照)。
117.3b 呪文や能力(マナ能力を除く)が解決されたら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。
117.3c 呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりしたプレイヤーは、その後で優先権を得る。
117.3d プレイヤーが優先権を持っていて何も処理をしないことを選んだ場合、そのプレイヤーはパスしたことになる。そのプレイヤーのマナ・プールにマナが残っている場合、何がどれだけ残っているかを宣言する。その後、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得る。
117.4. 全てのプレイヤーが続けてパス(すべてのプレイヤーが何も処理を行わずにパスすることをそう言う)した場合、スタックの一番上のオブジェクトが解決される。この時点でスタックが空の場合、そのフェイズやステップは終了する。
117.5. いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、ゲームはまず該当する状況起因処理を単一のイベントとして行う(rule 704〔状況起因処理〕参照)。状況起因処理が1つも発生しなくなるまでチェックが繰り返される。その後、誘発型能力がスタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。この手順は、それ以上の状況起因処理が発生せず、能力が誘発しない状態になるまで繰り返される。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。
117.6. 「共有チーム・ターン」選択ルールにおいて、個人ではなくチームが優先権を得る。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
117.7. 優先権を持つプレイヤーが、他の呪文や能力がスタックにある間に呪文を唱えたり起動型能力を起動したりした場合、新しい呪文や能力は、その前の呪文や能力に「対応して/in response to」唱えられ、あるいは起動された、という。新しい呪文や能力は、一番最初に解決されることになる。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
118.1. コストとは、他の処理をするため、あるいは他の処理を妨げるために必要な処理や支払いのことである。コストを支払うとは、プレイヤーがそのコストを含む呪文、能力、効果で特定されている指示を実行することである。
118.2. コストにマナの支払いが含まれる場合、コストを支払うプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る。呪文を唱えたり起動型能力を起動したりするためのコストの支払いは、rule 601.2f-h に示された手順を取る。
118.3. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持たずにそのコストを支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフをコストとして支払うことはできないし、タップ状態のパーマネントをタップすることでコストを支払うことはできない。rule 202〔マナ・コストと色〕、rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
118.3a マナを支払うことは、プレイヤーのマナ・プールから指示されただけのマナを取り除くことによって行われる(プレイヤーはいつでも0点のマナを支払うことができる)。支払いの後でマナ・プールにマナが残っている場合、そのプレイヤーは何がどれだけ残っているかを宣言する。
118.3b ライフを支払うことは、プレイヤーのライフの総量から指示されただけの点数のライフを減らすことによって行われる(プレイヤーはいつでも0点のライフを支払うことができる)。
118.3c コストを支払うことが義務である場合にも、マナ能力を起動することは義務ではない。
例:あるプレイヤーが「アーティファクトでないすべての呪文を唱えるためのコストは{1}多くなる。」という《磁石のゴーレム》をコントロールしている。他のプレイヤーが、待機状態のソーサリー・カードから最後の時間カウンターを取り除いた。そのプレイヤーは可能ならばその呪文を唱えなければならないが、そうするためには{1}のコストが必要である。マナ・プールに充分なマナがある場合にはそのコストを支払わなければならない。しかし、そのマナを出すためのマナ能力を起動することは義務ではない。そのカードはただ追放されたままになる。
118.4. コストの中に{X}やXが含まれることがある。rule 107.3 参照。
118.5. コストが{0}によって表されていたり、{0}にまで減少したりすることがある。その類のコストを支払うためにプレイヤーが取らなければならない処理は、支払うことを宣言するだけである。コストの支払いにリソースが必要ないが、自動的に支払われるわけではない。
118.6. マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これは、支払うことができないコストを意味する。能力も、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ・コストを元にコストを決めた場合に、支払うことができないコストを持つことがある。支払うことができないコストを持つ呪文を唱えたり、能力を起動したりすることは適正な処理であるが、支払うことのできないコストを支払おうとすることは不適正な処理である。
118.6a 支払うことができないコストが、何らかの効果によって加算されたり、追加コストが加わったりしても、そのコストは支払うことができないままである。支払うことができないコストに、マナ・コストを払わずに唱えてもよいという効果などの代替コストが適用された場合、その代替コストを支払うことは適正である。
118.7. プレイヤーが実際に支払うコストは、効果によって変更されたり減らされたりすることがある。コストのマナ部分がコスト減少効果によってまったくなくなった場合、{0}として扱う。そうして変更されたコストを支払うことは、元のコストを支払ったのと同じように扱う。
118.7a 一定量の不特定マナをコストから減少させる効果は、そのコストの不特定マナ部分にだけ影響する。そのコストの、色 マナや無色 マナの部分には影響を及ぼさない。
118.7b 一定量の色 マナや無色 マナがコストから減る場合、そのコストがそのタイプのマナを求めていなかったなら、コストからその量の不特定マナが減らされる。
118.7c 一定量の色 マナがコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれるその色のマナよりも多かったなら、その色のマナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。
118.7d 一定量の無色 マナがコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれる無色 マナよりも多かったなら、無色 マナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。
118.7e 混成マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減る場合、そのコストを支払うプレイヤーはそのコスト減少が適用される時点でそのシンボルのうちいずれか半分を選ぶ(rule 601.2f 参照)。色 マナである半分を選んだ場合、その色のマナ1点を減らす。不特定マナである半分を選んだ場合、そこに示されている数の不特定マナを減らす。
118.7f ファイレクシア・マナ・シンボルで示されているマナがコストから減らされる場合、そのシンボルの色のマナ1点が減らされる。
118.7g 1個以上の氷雪マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減らされる場合、そのコストはその量の不特定マナだけ減らされる。
118.8. 呪文や能力の一部は追加コストを持つ。追加コストは、呪文のルール・テキストに記されているコスト、あるいは他の効果によって呪文や能力に適用されるコストであり、呪文のマナ・コストあるいは能力の起動コストを支払うのと同時にそのコントローラーが支払わなければならない。キーワードとして記される追加コストも存在する。rule 702 参照。
118.8a 追加コストは、唱えられる1つの呪文あるいは起動される1つの能力に複数適用されることがある。呪文や能力のコントローラーは、それらのコストを支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。
118.8c 効果にプレイヤーが「可能ならば/if able」呪文を唱えるように記述されていた場合、その呪文が非公開領域にある何らかの値を持つカードを含む強制の追加コストを持っていたならば、その必要なカードがその領域に存在したとしてもその呪文を唱えることは強制されない。
118.8d 追加コストによって呪文のマナ・コストが変化することはなく、単にそれを唱えるために支払うコストが変化するだけである。呪文のマナ・コストを参照する呪文や能力は、その元の値を参照する。
118.9. 代替コストを持つ呪文が存在する。代替コストは呪文の文章に記されているか、または他の効果によって適用されるコストで、そのコントローラーが呪文のマナ・コストを支払うのではなく支払うことができるコストのことである。代替コストは「あなたは[このオブジェクトの]マナ・コストを支払うのではなく[処理]してもよい/You may [action] rather than pay [this object's] mana cost」あるいは「あなたは[このオブジェクトを]そのマナ・コストを支払うことなく唱えてよい/You may cast [this object] without paying its mana cost.」と書かれている。キーワードとして記される代替コストも存在する。rule 702 参照。
118.9a 単一の呪文を唱えるに際しては、代替コストは1つしか適用できない。その呪文のコントローラーは、そのコストを支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。
118.9b 代替コストは一般的に選択可能である。呪文を唱えることを認める効果は、特定の代替コストの支払いを必要とすることがある。
118.9c 代替コストによって呪文のマナ・コストが変化することはなく、単にそれを唱えるに際して支払うべきコストが変化するだけである。呪文のマナ・コストを参照する呪文や能力は、その元の値を参照する。
118.9d 呪文を唱えるために代替コストを支払う場合、その呪文に影響を及ぼす追加コストやコスト増加、コスト減少はその代替コストに対して適用される(rule 601.2f 参照)。
118.10. コストの支払いは、1つの呪文、能力、効果に対してしか適用できない。たとえば、プレイヤーはクリーチャー1体だけを生け贄に捧げることで、2つのパーマネントがそれぞれ持つ、コストにクリーチャー1体を生け贄に捧げなければならない起動型能力を起動することはできない。また、呪文や能力の解決は、効果の一部が他の呪文や能力のコストとして求められていることと同じであっても、そのコストを支払ったことにはならない。
118.11. コストを支払うための処理は、効果によって修整されることがある。その結果、実際の処理が表記されている内容と一致しなくても、そのコストは支払われたものとして扱う。
例:累加アップキープ・コストとして「カード1枚を引く。」というものを持つエンチャント、《精神の渦》と「あなたがカードを引くなら、代わりに、あなたはそのドローを飛ばしてもよい。」という能力を持つ《片意地な使い魔》をコントロールしている時、そのプレイヤーは《精神の渦》の累加アップキープ・コストを支払うことを選んだ上でカードを引かないことを選んでもよい。その場合でも、累加アップキープ・コストは支払われたものとして扱う。
118.12. 呪文や起動型能力、誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[Do something]. If [a player] [does, doesn't or can't], [effect]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[A player] may [do something]. If [that player] [does, doesn't, or can't], [effect]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文や能力の解決時に支払う。「[そうした(しなかった)]なら」という節は、そのプレイヤーがその選択的コストを支払うことを選んだり、あるいは選択的でないコストを支払い始めたりしたかどうかをチェックする。実際にどのようなイベントが発生したかは問わない。
例:あなたが「プレイヤーが呪文1つを唱えたとき、行き詰まりを生け贄に捧げる。そうしたなら、そのプレイヤーの各対戦相手は、カード3枚を引く。」というエンチャント、《行き詰まり》をコントロールしている。ある呪文が唱えられて《行き詰まり》の能力が誘発したあと、《行き詰まり》を追放する別の能力を起動したとしたら、《行き詰まり》の能力が解決された時点で「行き詰まりを生け贄に捧げる。」というコストを支払うことはできないので、どのプレイヤーもカードを引くことはない。
例:対戦相手が「このターン、クリーチャーが対戦相手のコントロール下で戦場に出るなら、代わりにそれはあなたのコントロール下で戦場に出る。」という呪文《標本集め》を唱えた。一方、あなたは「偽皮操りがオモテ向き になったとき、あなたは『あなたの手札にあり変異を持つクリーチャー・カード1枚を、オモテ向きに戦場に出す。』を選んでもよい。そうしたなら、偽皮操りをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ変異持ちクリーチャー《偽皮操り》を裏向きでコントロールしている。《偽皮操り》をオモテ向きにし、変異を持つクリーチャー・カード1枚を手札から選び、戦場に出そうとする。《標本集め》の効果によってそのクリーチャーは対戦相手のコントロール下で戦場に出るが、コストを支払うことを選んだので、《偽皮操り》はオーナーの手札に戻る。
118.12a カードの中には「[あるプレイヤーが別の処理]しないかぎり、[処理]する/[Do something] unless [A player does something else]」と書かれているものがある。これは「[あるプレイヤーは別の処理]してもよい。そうしないなら、[処理]する/[A player may do something else]. If [that player doesn't], [do something]」というのと同じ意味である。
118.12b 効果の中にはプレイヤーに領域から探すかどうかを選ばせ、その領域で見つけたカードに追加の処理を行わせ、その後に「[プレイヤーが]そうしたなら/If [a player] does」節が続くものがある。この節はプレイヤーが探すことを選んだかどうかをチェックするものであり、そのプレイヤーが追加の処理を行なったかどうかを参照するものではない。
118.13. コストの中には、混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルなど、複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルを含むものがある。
118.13a 呪文のマナ・コストや起動型能力の起動コストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのシンボルの分を支払う方法の選択は、それのコントローラーがその呪文や能力の提示に際して行う(rule 601.2b 参照)。
118.13b 呪文や能力の解決中に支払われるコストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのコストを支払う直前に、そのコストを支払うプレイヤーがそのシンボルの分を支払う方法を選ぶ。
118.13c 特別な処理に伴うコストに複数の方法で支払うことができるマナ・シンボルが含まれている場合、そのコストを支払う直前に、その特別な処理を行うプレイヤーがそのシンボルの分を支払う方法を選ぶ。
119.1. 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点である。変種ルールの中にはこれと異なる初期ライフ総量を定めるものもある。
119.1a 双頭巨人戦では、各チームの初期ライフ総量は30点である。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
119.1b ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は20点にそのヴァンガード・カードのライフ補正子を加えた値である。rule 902〔ヴァンガード戦〕参照。
119.1c 統率者戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は40点である。rule 903〔統率者戦〕参照。
119.1d 2人ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は30点である。rule 903.12〔ブロール 選択ルール〕参照。
119.2. プレイヤーが受けたダメージは、通常、そのプレイヤーのライフをその量だけ失わせる。rule 120.3 参照。
119.3. 効果がプレイヤーにライフを得させたり失わせたりする場合、そのプレイヤーのライフの総量はそれだけ変動する。
119.4. コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはライフの総量がその値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけライフの総量が減少する、つまり、プレイヤーはその支払った分のライフを失う。
119.4a 双頭巨人戦において、コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはそのチームの共有ライフの総量が、そのチームの両プレイヤーの支払うライフの総量値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけ共有ライフの総量が減少する。
119.4b プレイヤーは自分や自分のチームのライフの総量に関わらず、また効果によってライフの支払いが禁じられているときであっても、いつでも0点のライフを支払うことができる。
119.5. 効果がプレイヤーのライフの総量を特定の値にする場合、そのプレイヤーはライフの総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。
119.6. プレイヤーのライフの総量が0以下になった場合、そのプレイヤーは状況起因処理としてゲームに負ける。rule 704 参照。
119.7. 効果によってプレイヤーがライフを得られない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が多いプレイヤーとライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフの総量が多くなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを得させることを含むコストは支払うことができず、そのプレイヤーがライフを得るイベントを置換する置換効果は何もしない。
119.8. 効果によってプレイヤーがライフを失わない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフの総量が少ないプレイヤーとライフの総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。同様に、効果によってライフを再配分する場合、そのプレイヤーのライフの総量が少なくなるような新しいライフの総量を受け取ることはできない。加えて、そのプレイヤーにライフを支払わせることを含むコストは支払うことができない。
119.9. 「[プレイヤー]がライフを得るたび……/Whenever [a player] gains life, ...」という誘発型能力は、「いずれかの発生源が[プレイヤー]にライフを得させるたび……/Whenever a source causes [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得た場合、ライフを得るイベントは発生せず、従ってこの種の能力は誘発しない。
119.10. 「[プレイヤー]がライフを得るなら、……/If [a player] would gain life, ...」という置換効果は、「発生源が[プレイヤー]にライフを得させるなら、……/If a source would cause [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得る場合、ライフを得るイベントは発生せず、この種の効果は適用されない。
120.1. オブジェクトはクリーチャー、プレインズウォーカー、プレイヤーにダメージを与えることができる。一般に、ダメージはダメージを受けるオブジェクトまたはプレイヤーに不利な影響を与える。ダメージを与えたオブジェクトはそのダメージの発生源である。
120.1a クリーチャーでもプレインズウォーカーでもないオブジェクトはダメージを受けない。
120.2. いずれのオブジェクトもダメージを与えることができる。
120.2a 戦闘の結果としてダメージを受けることがある。攻撃クリーチャーもブロック・クリーチャーも、戦闘ダメージ・ステップにそのパワーに等しいだけの戦闘ダメージを与える。
120.2b 呪文や能力の効果としてダメージを受けることがある。その呪文や能力が、どのオブジェクトがそのダメージを与えるかを特定する。
120.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。
120.3a 感染を持たない発生源からプレイヤーが受けたダメージは、そのプレイヤーのライフをその量だけ減らす。
120.3b 感染を持つ発生源からプレイヤーが受けたダメージは、その発生源のプレイヤーに、そのプレイヤーにその量の毒カウンターを与えさせる。
120.3c プレインズウォーカーが受けたダメージは、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
120.3d 萎縮や感染を持つ発生源からクリーチャーが受けたダメージは、その発生源のコントローラーに、そのクリーチャーにその量の-1/-1カウンターを置かせる。
120.3e 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーが受けたダメージは、そのクリーチャーが負う。
120.3f 絆魂を持つ発生源から受けたダメージは、他の結果に加え、その発生源のコントローラーにその量のライフを得させる。
120.4a まず、与えるダメージを発生させる効果に、パーマネントに与える余剰のダメージを代わりに他のパーマネントやプレイヤーに与えると明記されていた場合、そのダメージのイベントはそのように変更される。その1つ目のパーマネントがクリーチャーである場合、余剰のダメージとは、そのクリーチャーが既に負っているダメージや同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮して、致死ダメージ(rule 120.6 参照)を超えるダメージのことである。クリーチャーが受けるダメージの発生源が接死を持つなら、そのダメージのうち1点を超える分は余剰のダメージである(rule 702.2 参照)。1つ目のパーマネントがプレインズウォーカーの場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージの量のことである。1つ目のパーマネントがクリーチャーでもプレインズウォーカーでもある場合、余剰のダメージはそれら2つの量のうち大きい方になる。
120.4b 次に、置換効果や軽減効果によって修整された後でダメージを受ける(rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照)。ダメージを受けたことによって誘発する能力はこの時点で誘発し、スタックに積まれるのを待つ。
120.4c 3番目に受けたダメージが結果に変換され、その結果(ライフの喪失やカウンターなど)に影響を及ぼす置換効果によって修整される。
例:「あなたがライフを得るなら、代わりに あなたはその2倍の点数のライフを得る。」というエンチャント、《加護の反射》をコントロールしているプレイヤーが3/3の萎縮と絆魂持ちのクリーチャーで攻撃し、2/2クリーチャーでブロックされた。防御プレイヤーはブロック・クリーチャーが受ける次の2点のダメージを軽減する呪文を唱えた。この場合、ダメージのイベントは[2/2クリーチャーが3点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける。]というのが最初の状態である。軽減効果が適用され、ダメージのイベントは[2/2クリーチャーが1点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける。]になる。これが結果に変換されると、[2/2クリーチャーに-1/-1カウンター1個が置かれる。アクティブ・プレイヤーが1点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う。]になる。《加護の反射》の効果が適用され、[2/2クリーチャーに-1/-1カウンター1個が置かれる。アクティブ・プレイヤーが2点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う。]となり、これでダメージのイベントが発生する。
例:防御プレイヤーがクリーチャー1体と、「あなたがクリーチャーをコントロールしているなら、あなたのライフの総量を1点以下に減少させるダメージは、代わりに あなたのライフの総量が1点になるまで減少させる。」というエンチャント、《崇拝》をコントロールしている。そのプレイヤーのライフは現在2点で、ブロックされなかった5/5クリーチャー2体によって攻撃されている。そのプレイヤーは、その攻撃クリーチャーのうち1体を対象にして「クリーチャー1体を対象とする。このターン、次にそれが与えるすべてのダメージを軽減し、0にする。あなたは、これにより軽減されたダメージに等しい点数のライフを得る。」というインスタント《畏敬の一撃》を唱えた。ダメージのイベントは[防御プレイヤーが10点のダメージを受ける。]というのが最初の状態である。《畏敬の一撃》の効果が適用され、[防御プレイヤーが5点のダメージを受ける。防御プレイヤーが5点のライフを得る。]になる。これが結果に変換されて、[防御プレイヤーは5点のライフを失う。防御プレイヤーは5点のライフを得る。]になる。このダメージのイベントがプレイヤーのライフの総量を1未満にしないので、《崇拝》の効果は適用されない。これでダメージのイベントが発生する。
120.5. クリーチャーやプレインズウォーカーが受けたダメージは、それを破壊しない。同様に、その発生源が破壊するわけでもない。そのパーマネントが受けたダメージの結果によってクリーチャーやプレインズウォーカーを破壊、あるいは他の方法でオーナーの墓地に置くのは、状況起因処理である。rule 704 参照。
例:プレイヤーが「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。」というインスタント、《稲妻》を、2/2クリーチャーを対象として唱えた。《稲妻》がそのクリーチャーに3点のダメージを与えた後、そのクリーチャーは状況起因処理によって破壊される。《稲妻》や、それの与えたダメージがそのクリーチャーを破壊したわけではない。
120.6. クリーチャーが負ったダメージは、そのパーマネントがクリーチャーでなくなったとしても、クリンナップ・ステップまで残る。クリーチャーが負ったダメージの合計がそのタフネス以上になったら、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたことになり、状況起因処理として破壊される(rule 704 参照)。パーマネントが負ったダメージは、再生する(rule 701.15〔再生する〕参照)か、あるいはクリンナップ・ステップ の間に(rule 514.2 参照)取り除かれる。
120.7. ダメージの発生源とは、それを与えたオブジェクトである。効果によってプレイヤーがダメージの発生源を選ぶ場合、パーマネントか、スタックにある呪文(パーマネント呪文を含む)か、スタックにあるオブジェクトや適用を待つ置換・軽減効果や誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しない場合であっても)か、あるいは統率領域にあるオモテ向きのオブジェクトを選ぶことができる。ダメージを与えることができない発生源も、適正な選択となりうる。rule 609.7 参照。
120.8. 発生源が0点のダメージを与える場合、それはダメージを与えない。ダメージを与えたことによって誘発する能力は誘発しない。その発生源から受けたダメージを増加させる、あるいはその発生源にそのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果は置換するイベントがないので何も効果を持たない。
120.9. 特定の発生源から受けるダメージによって誘発する能力で、その効果が「受けたダメージ/damage dealt」に言及している場合、それはその特定の発生源から受けたダメージだけに言及しており、他の発生源から同時に受けたダメージには言及していない。
120.10. 誘発型能力の中には、パーマネントが余剰のダメージを受けているかどうかを見るものがある。それらの能力は、そのパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後で見る。それらの発生源が合計でクリーチャーの致死ダメージを超えるダメージをそのクリーチャーに与えていたなら、そのクリーチャーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージをそのプレインズウォーカーに与えていたなら、そのプレインズウォーカーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。そのパーマネントがクリーチャーでもプレインズウォーカーでもある場合、そのパーマネントに与えた余剰のダメージは、それら2つの量の大きい方である。
121.1. プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を自分の手札に入れるということである。これは各プレイヤーのドロー・ステップに、ターン起因処理として行われる。また、これは呪文や能力の、コストや効果としても行われる。
121.2. カードを同時に引くことができるのは1枚だけである。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードを引くことを繰り返す。
121.2a 複数枚のカードを引くという指示は、引かれるカードの枚数を参照する置換効果によって変更されることがある。この変更は、カードを引く個別の処理を扱うよりも前に行われる。rule 616.1f 参照。
121.2b プレイヤーが各ターンに2枚以上のカードを引くことができない、という効果が存在する。この種の効果はカードを引く個別の処理に適用される。カードを複数枚引く場合、その一部は実行される。ただし、プレイヤーがカードを複数枚引いてもよいという効果の場合、そのプレイヤーは引くことを選ぶことはできない。同様に、そのプレイヤーはカードを複数枚引くことを含むコストを支払うこともできない。
121.2c 複数のプレイヤーがカードを引くという記述がある場合、まずアクティブ・プレイヤーが指定された枚数のカードを引き、その後ターン順で他のプレイヤーがカードを引く。
121.2d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いたゲーム(双頭巨人戦など)において、複数のプレイヤーがカードを引くという記述がある場合、まずアクティブ・チームのプレイヤーが好きな順番で指定された枚数のカードを引き、それから非アクティブ・チームが同じように処理する。
121.3. プレイヤーのライブラリーにカードがない状態で効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことができる。一方、カードを引くことができないという効果がある状況下で、他の効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことはできない。
121.3a カードを引くプレイヤー以外のプレイヤーが決定する場合にも、同じ原理が適用される。カードを引くプレイヤーのライブラリーにカードがなかったとしても、カードを引くことを選ぶことはできる。カードを引くプレイヤーがカードを引くことができないという効果があれば、カードを引くことを選ぶことはできない。
121.4. カードがないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にゲームに負ける。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
121.5. 効果が「引く/draw」という語を使わずにプレイヤーのライブラリーからそのプレイヤーの手札に動かす場合、そのプレイヤーはそのカードを引いてはいない。これは、カードを引くことで誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果がある場合、またはそのプレイヤーのライブラリーが空である場合に違いが生じる。
121.6a カードを引くことを置換する効果は、影響を受けるプレイヤーのライブラリーが空であるためにそのプレイヤーがカードを引くことができない場合にも適用される。
121.6b 効果が、複数枚のカードが引かれるうちの1回を置換する場合、その置換効果は次の1枚を引く前に完全に処理される。
121.6c カードが引かれた後、そのカードに対して追加で何らかの処理をする効果が存在する。カードを引くことが置換された場合、その追加の処理は、その置換効果やそれ以外の置換効果の結果引かれたカードに対しては行われない。
121.7. 置換効果や軽減効果によってカードが引かれることがある。その場合、元のイベントの中でこの効果によって置換されなかった部分があれば、その部分が先に処理され、その後でカードが1枚ずつ引かれる。
121.8. 呪文が唱えられている間に他の呪文や能力がカードを引かせた場合、その引いたカードはその呪文が唱え終わる(rule 601.2i 参照)か唱える手順が巻き戻される(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)まで裏向きのままである。これは能力の起動に関しても同じである。効果によってプレイヤーが引くカードを公開する(または公開してもよい)場合、そのカードは呪文が唱えられたあと、あるいは能力が起動されたあとで公開される。裏向きの間、その引いたカードは特性を持たないものとして扱われ、その呪文や能力の、カードが特定の特性を持つことを必要とするコストの一部の支払いに使うことはできない。
121.9. 効果によってプレイヤーがカードを引くに際して公開するという選択肢が与えられている場合、そのプレイヤーはそのカードを引くに際し、公開するかどうかを選ぶ前にそのカードを見ることができる。
122.1. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターには互換性がある。
122.1a クリーチャーまたは戦場以外の領域にあるクリーチャー・カードの上に置かれている+X/+Y カウンター(X、Yはそれぞれ数字である)はそのパーマネントのパワーにXを加え、タフネスにYを加える。同様に、-X/-Y カウンターはその分だけパワーやタフネスから引く。rule 613.4c 参照。
122.1b パーマネントあるいは戦場以外の領域にあるカードの上にあるキーワード・カウンターは、そのオブジェクトにそのキーワードを与える。キーワード・カウンターでありうるキーワードは、飛行、先制攻撃、二段攻撃、接死、速攻、呪禁、破壊不能、絆魂、威迫、到達、トランプル、警戒、ならびにそれらのキーワードの変種である。rule 613.1f 参照。
122.1c 戦場に出ているプレインズウォーカーの上に置かれた忠誠カウンターは、そのプレインズウォーカーの忠誠度を示す。忠誠度が0のプレインズウォーカーは、状況起因処理でそのオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
122.1d いずれかのプレイヤーが10個以上の毒カウンターを持った場合、そのプレイヤーは状況起因処理でゲームに負ける。rule 704 参照。プレイヤーが1個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーは「毒を受けている/poisoned」と言う(双頭巨人戦に関する追加の規定は rule 810 参照)。
122.2. オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。
122.3. 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。
122.4. ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
122.5. カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り除き、他のオブジェクトの上に置くことを言う。それらの処理のどちらかが不可能な場合、カウンターを動かすことも不可能であり、カウンターが取り除かれることも置かれることもない。これは、元置かれていたオブジェクトと動かす先のオブジェクトが同一である場合や、動かす元のオブジェクトに該当するカウンターがない場合、あるいは動かす先のオブジェクトにカウンターを置くことができなかったり既に本来の領域 になかったりする場合に起こりうる。
122.6. オブジェクトの上にカウンターが置かれることを参照する呪文や能力は、そのオブジェクトが戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのオブジェクトが戦場に出るに際してカウンターが置かれることの両方を参照する。
122.6a オブジェクトがカウンターを置いた状態で戦場に出ることによってカウンターを得る場合、そのオブジェクトにカウンターを置く効果にはどのプレイヤーがそれらのカウンターを置くかが書かれている場合がある。書かれていなかった場合、そのオブジェクトのコントローラーがそれらのカウンターを置く。
122.7. 「N個目の[種類]カウンター/the Nth [kind] counter」がオブジェクトに置かれたとき(たび)に誘発する能力は、その種類のカウンターが1個以上そのオブジェクトに置かれることによって、それ以前にはN個のその種類のカウンターが置かれておらず、それ以降にはN個以上のその種類のカウンターが置かれているようになったときに誘発する。
122.8. 誘発型能力に、あるオブジェクトのすべてのカウンターを他のオブジェクトに置くと書かれていてその能力の誘発条件や効果がそのカウンターが置かれていたオブジェクトが戦場を離れることを見るものであった場合、プレイヤーはカウンターをオブジェクト間で動かすわけではなく、1つ目のオブジェクトの上にあったカウンターと同種同数のカウンターを2つ目のオブジェクトの上に置く。
200.1. カードの部分には、名前、マナ・コスト、絵、色指標、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワーとタフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子、絵の著作権表記、権利表記、コレクター番号がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。
200.2. カードの部分の一部は、そのオブジェクトの特性でもある。rule 109.3 参照。
200.3. カードでないオブジェクト(トークン、カードのコピー、呪文のコピー)もカードの一部分を持つが、それは特性でもあるものに限られる。rule 111、rule 707 参照。
201.2. カードの名前は、何語版であるかにかかわらず、常にその英語名であるとして扱う。
201.2a 2つ以上のオブジェクトが1つ以上の共通する名前を持っている場合、それらのうち1つ以上が別の名前を持っていたとしても、それらは同じ名前を持つ。名前を持たないオブジェクトは、名前を持たないそれ以外のオブジェクトも含む、どのオブジェクトとも同じ名前を持つことはない。
201.2b 呪文や能力の中に、名前の異なる複数のオブジェクトに言及するものがある。それらのオブジェクトは、そのそれぞれが1つ以上の名前を持ち、グループ内のどの2つのオブジェクトも共通の名前を持たない場合にのみ、それらは名前の異なるオブジェクトである。
例:プレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたが異なる名前を持つ4体以上のデーモンをコントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する。」という能力を持つ《リリアナの契約》と、名前が異なるデーモン3体と、効果によってデーモンになっている裏向きで名前を持たないクリーチャー1体をコントロールしている。そのクリーチャー4体の中に名前を持たないもの1体が含まれているので、これらのクリーチャー4体は異なる名前を持つ4体以上のデーモンではなく、《リリアナの契約》の能力は誘発しない。
201.2c 呪文や能力の中に、あるオブジェクトが他のオブジェクトやオブジェクト群と異なる名前を持つかどうかを見るものがある。1つ目のオブジェクトが1つ以上の名前を持ち、他のオブジェクトのどれとも共通する名前を持っていない場合、他のオブジェクトの中に名前を持たないものがあったとしても、その1つ目のオブジェクトは他のオブジェクト(群)と異なる名前を持つ。1つ目のオブジェクトが名前を持たない場合、他のオブジェクトがそれぞれ名前を持っていたとしても、それは他のオブジェクトと異なる名前を持つとは言わない。
201.3. 効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーはオラクルに存在するカードの名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。プレイヤーは、カードの名前でないトークンの名前を指定することはできない。
201.3a プレイヤーが特定の特性を持つ名前1つを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーはオラクルのテキストがそれらの特性と一致するカードの名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。
例:《没収》には「アーティファクトの名前1つを選ぶ。」とある。プレイヤーは、そのゲームのフォーマットで適正かどうかにかかわらず、どのアーティファクト・カードの名前を選んでもよい。戦場に出ている《島》が何らかの効果によりアーティファクト になっていたとしても、島を選ぶことはできない。
201.3b 分割カードを選びたい場合、両方ではなく、そのどちらか半分の名前を指定しなければならない(rule 709 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたってはその半分の特性を用いる。
201.3c 反転カードの反転状態での名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 710 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては反転した特性によって修整されたそのカードの特性を用いる。
201.3c 両面カードの第2面の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 712 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては第2面の特性だけを用いる。
201.3e 合体カードの合体後の第2面の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 713 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては合体した第2面の特性だけを用いる。
201.3f プレイヤーが当事者カードの代替の名前を選びたい場合、そうしてもよい(rule 716 参照)。特定の特性の名前を選ぶように指示された場合、その名前を選べるかどうか判断するにあたっては代替の特性によって修整されたそのカードの特性を用いる。
201.4. 文章中で名前を用いてそのオブジェクトが参照されていた場合、それはその特定のオブジェクトだけを指す。たとえ名前が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。
201.4a 能力の効果が他の能力をオブジェクトに得させ、またその得た能力が元の能力の発生源を名前で参照していた場合、その名前で示されるのはその能力を得させた能力を持つオブジェクト自身だけである。その2つ目の能力が1つ目の能力の発生源以外で同じ名前を持つオブジェクトを指すことはない。ただし、この2つ目の能力が1つ目の能力の発生源を異なる公開領域に移動させた場合、その名前はその発生源が新しい領域でなったオブジェクトだけを指す。この規定は2つ目の能力が新しいオブジェクトにコピーされた場合にも適用される。
例:《排水路の汚濁》は「あなたがコントロールしていてトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム・カウンター1個を置き、その後、『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい。』を持つ緑のウーズ・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力を持つ。この、トークンが得た能力は、そのトークンを生成した《排水路の汚濁》自身のことだけを参照し、他の《排水路の汚濁》のことは参照しない。また、このトークンのコピーの持つ能力も、その元のトークンを生成した《排水路の汚濁》だけを参照する。
201.4b そのオブジェクト自身を名前で参照している能力を名前の異なるオブジェクトが得た場合、得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者の名前はすべて後者の名前であるとして扱われる。
例:《水銀の精霊》は、「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。この能力によって「{G}:棍棒のトロールを再生する。」という(訳注:《棍棒のトロール》の持つ)能力を得た場合、その得た能力を起動して《水銀の精霊》を再生することができる。その能力を元々持っていた《棍棒のトロール》を再生するわけではない。
例:連繋(秘儀)を持ち、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージを与える。」というインスタント《氷河の光線》を、《木霊の手の内》に連繋した場合、その対象となったものにダメージを与えるのはその《木霊の手の内》である。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》には、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」と書かれている。《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を、《ルーン爪の熊》を対象に起動した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》は《ルーン爪の熊》のコピー になり、この能力を得る。この得られる能力は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放する。ルーン爪の熊はそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」として扱われる。
201.4c 伝説の カードの中には、そのカードの名前を省略して記述しているものがある。このようにして用いられている省略形は、そのカードの名前がすべて書かれているものとして扱う。
201.5. 『イコリア:巨獣の棲処』のカードその他のプロモカードの中には、バージョンによって、左上にその本来の名前と異なる名前が書かれており、通常の名前はその下の2行目に書かれているものがある。これらのカードは、通常は名前が書かれているところに印刷されている名前ではなく、その2行目に書かれている名前だけを持つ。その名前はフレイバー・テキスト として扱われ、ゲームプレイ上の効果は持たない。
202.1. カードのマナ・コストはカードの上辺に記されているマナ・シンボルで示される(rule 107.4 参照)。ほとんどのカードでは、このシンボルは右上隅にある。『未来予知』セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。
202.1a オブジェクトのマナ・コストは、そのカードを唱えるためにそのプレイヤーのマナ・プールから消費しなければならないマナを表す。そのオブジェクトのマナ・コストにファイレクシア・マナ・シンボル(rule 107.4f 参照)が含まれない限り、オブジェクトのマナ・コストを支払う際には、有色 無色のマナ・シンボル全てのタイプや、不特定マナ・コストが正しくなければならない。
202.1b マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これには、すべての土地・カードと、マナ・コストがあるべきところにマナ・シンボルが記されていないカード、トークン(トークンを生成した効果に特に書かれていない限り)、定形外のマジックのカードがある。マナ・コストがないということは、支払うことのできないコストを意味する(rule 118.6 参照)。土地は、コストを支払うことなくプレイされる(rule 305〔土地〕参照)。
202.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。
202.2a マジックで色とは、白、青、黒、赤、緑である。白のマナは{W}、青は{U}、黒は{B}、赤は{R}、緑は{G}で表わされる。
例:マナ・コスト{2}{W}のオブジェクトは白であり、マナ・コストが{2}のオブジェクトは無色であり、マナ・コストが{2}{W}{B}のオブジェクトは白でも黒でもある。
202.2b コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないオブジェクトは無色である。
202.2c マナ・コストの中に、5種類の色のうちで2種類以上の色のマナが含まれているオブジェクトは、そのそれぞれのマナ・シンボルの色を持つ。多色のカードのほとんどは金色の背景で印刷されているが、背景が金色でなくても多色であることがありうる。
202.2d マナ・コストに混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルを含むオブジェクトは、そのオブジェクトの他の色に加えて、そのマナ・シンボルのそれぞれの色でもある(混成マナ・シンボルを持つほとんどのカードは2色に塗りわけられた枠を持つ。rule 107.4e 参照)。
202.2e オブジェクトは、タイプ行の左に印刷された色指標を持つことがある。そのオブジェクトはその色指標で示されているそれぞれの色である。(rule 204 参照)。
202.2f 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトが色を得たり、色を持つオブジェクトが無色 になったりすることがある。rule 105.3 参照。
202.3. オブジェクトのマナ総量は、マナ・コストに含まれるマナの量を色を考慮せずに数えたものである。
例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、マナ総量に換算すると5になる。
202.3a そのオブジェクトが変身する両面パーマネントの第2面や合体 パーマネントでないかぎり、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ総量は0である。
202.3b 変身する両面パーマネントの第2面のマナ総量は、それが第1面のマナ・コストを持つかのように計算する。パーマネントが変身する両面カードの第2面をコピーしていた場合(そのコピーしたカードがもともと両面カードだったとしても)、そのパーマネントのマナ総量は0である。
例:《高原の狩りの達人》はマナ・コストが{2}{R}{G}の変身する両面カードであり、マナ総量は4である。これが変身して第2面(《高原の荒廃者》)になった後も、マナ総量は4である。
例:《高原の荒廃者》のコピーとして戦場に出た《クローン》のマナ総量は0である。
例:《昆虫の逸脱者》は第1面のマナ・コストが{U}の変身する両面カードの第2面である。これが《高原の荒廃者》のコピー になった場合、そのマナ総量は0になる。
202.3c 合体 パーマネントのマナ総量は、それがそれを表す各カードの第1面を合計したマナ・コストを持つかのように計算する。パーマネントが合体 パーマネントをコピーしていた場合(そのコピーが別の2枚の合体カードで表されていたとしても)、そのパーマネントのマナ総量は0である。
202.3d スタック にない分割カードや、スタック上で融合状態にある分割呪文のマナ総量は、それぞれの半分のマナ・コストの合計から決定される。そうでなければ、分割カードがスタック上にある場合、その呪文のマナ総量は唱えるものとして選ばれた側の半分のマナ・コストから決定される。rule 709〔分割カード〕参照。
202.3e マナ・コストに{X}を含むオブジェクトのマナ総量を計算する場合、そのオブジェクトがスタック にない限りXは0として扱う。オブジェクトがスタックにある間、Xはその選ばれた値を持つ。
202.3f 混成マナ・シンボルをマナ・コストに含むオブジェクトのマナ総量を計算する場合、各混成マナ・シンボルのもっとも大きい値を取る。
例:マナ・コストが{1}{W/U}{W/U}であるカードのマナ総量は3である。
例:マナ・コストが{2/B}{2/B}{2/B}であるカードのマナ総量は6である。
202.3g ファイレクシア・マナ・シンボルをマナ・コストに含むカードのマナ総量を計算する場合、各ファイレクシア・マナ・シンボルは1点として扱う。
202.4. オブジェクトのルール・テキストに記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。
203.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール・テキストに飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。
204.1. 色指標は、タイプ行の左、絵のすぐ下に印刷されている、一色またはそれ以上の色で塗られた丸印である。色指標は、マナ・コストを持たない土地でないカードに記されていることが多い。
204.2. 色指標を持つオブジェクトは、その色指標で表される各色である。
205.1. タイプ行は、絵のすぐ下に印刷されており、カード・タイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)が記されている。
205.1a 効果によってオブジェクトのカード・タイプが定められることがある。その場合、新しいカード・タイプが以前のカード・タイプを置き換える。カウンターや効果、負っているダメージは、新しいカード・タイプでは意味がなくなるとしても、そのオブジェクトに残る。同様に、効果によってあるオブジェクトのサブタイプが定められた場合、新しいサブタイプは以前の同種のサブタイプ(クリーチャー・タイプ、土地タイプ、アーティファクト・タイプ、エンチャント・タイプ、プレインズウォーカー・タイプ、呪文タイプ)を置き換える。オブジェクトのあるカード・タイプが失われた場合、そのカード・タイプ以外にそのサブタイプを用いるカード・タイプを持っていない場合、そのカード・タイプを失っている間、それにともなうサブタイプは失われる。逆にサブタイプを失わせても、カード・タイプには何の影響もない。
205.1b オブジェクトのカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプを変更する効果の中には、元のカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプが残ると明記されているものがある。この場合、そのオブジェクトの、以前のカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプは全て残る。このルールは、「タイプに加え/in addition to its types」や「[タイプ、サブタイプ、特殊タイプ]でもある/still a [type, subtype, or supertype]」という表記に適用される。また、「アーティファクト・クリーチャー/artifact creature」になる、と書かれた効果があるが、これも同様に以前のカード・タイプおよびサブタイプを全て残す効果である。オブジェクトが「[クリーチャー・タイプ]・アーティファクト・クリーチャー になる/becomes a [creature type or types] artifact creature」と書かれた効果があるが、これらも以前のカード・タイプおよびクリーチャー・タイプ以外のサブタイプを全て残す効果である。既存のクリーチャー・タイプは置き換えられる。
例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力によって、土地は、クリーチャーでもあり土地でもあることになる。もし影響を受ける土地の中にアーティファクトでもあるものがあったなら、それは「アーティファクト・土地・クリーチャー」になる。「クリーチャー」や「土地・クリーチャー」になるわけではない。この効果は、アーティファクトと土地という両方のカード・タイプを保持する。また、この効果によって、それまでに持っていた土地タイプや特殊タイプが失われることもない。
例:「すべてのアーティファクトは1/1のアーティファクト・クリーチャーである。」という能力によって、アーティファクトでもエンチャントでもあるパーマネントは、アーティファクト・クリーチャー・エンチャント になる。
205.2a カード・タイプには、「アーティファクト/Artifact」「策略/Conspiracy」「クリーチャー/Creature」「ダンジョン/Dungeon」「エンチャント/Enchantment」「インスタント/Instant」「土地/Land」「現象/Phenomenon」「次元/Plane」「プレインズウォーカー/Planeswalker」「計略/Scheme」「ソーサリー/Sorcery」「部族/Tribal」「ヴァンガード/Vanguard」がある。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
205.2b オブジェクトの中には、複数のカード・タイプを持つものもある(例えば、アーティファクト・クリーチャー)。この類のオブジェクトには、そのいずれかのカード・タイプに適用される効果は全て適用される。
205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。
205.3b 次元以外のカード・タイプのサブタイプは常に一単語であり、長い横線の後に列記されているそれぞれの単語が別々のサブタイプである。その種のオブジェクトは複数のサブタイプを持ちうる。次元のサブタイプは長い横線の後に記されているが、複数の単語からなることもあり、長いダッシュの後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。
例:「基本 土地 ─ 山/Basic Land - Mountain」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature - Goblin Wizard」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品/Artifact - Equipment」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。
205.3c 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプ として扱う。
例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地・クリーチャー ─ 森・ドライアド」と記されている。森は土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。
205.3d オブジェクトは、その持つタイプに対応しないサブタイプを得ることはできない。
205.3e 効果によってプレイヤーがサブタイプを選ぶ場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない。
例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。
205.3f 記載されているサブタイプが変更されているカードが多数存在する。多くのカードは後にサブタイプを得ている。カードのサブタイプは、オラクルを参照して決定される(rule 108.1 参照)。
205.3g アーティファクトにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはアーティファクト・タイプと呼ばれる。アーティファクト・タイプには、「手掛かり/Clue」「からくり/Contraption」「装備品/Equipment」(rule 301.5 参照)「食物/Food」「城砦/Fortification」(rule 301.6 参照)「金/Gold」「宝物/Treasure」「機体/Vehicle」(rule 301.7 参照)がある。
205.3h エンチャントにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはエンチャント・タイプと呼ばれる。エンチャント・タイプには、「オーラ/Aura」(rule 303.4 参照)「カルトーシュ/Cartouche」「クラス/Class」(rule 717 参照)「呪い/Curse」「ルーン/Rune」「英雄譚/Saga」(rule 715 参照)「破片/Shard」「祭殿/Shrine」がある。
205.3i 土地にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは土地タイプと呼ばれる。土地タイプには、「砂漠/Desert」「森/Forest」「門/Gate」「島/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「山/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「沼/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」がある。このうち、「森」「島」「山」「平地」「沼」は基本土地タイプである。rule 305.6 参照。
205.3j プレインズウォーカーにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。プレインズウォーカー・タイプには、「アジャニ/Ajani」「アミナトゥ/Aminatou」「アングラス/Angrath」「アーリン/Arlinn」「アショク/Ashiok」「バハムート/Bahamut」「バスリ/Basri」「ボーラス/Bolas」「ケイリクス/Calix」「チャンドラ/Chandra」「ダク/Dack」「ダッコン/Dakkon」「ダレッティ/Daretti」「ダブリエル/Davriel」「ディハーダ/Dihada」「ドムリ/Domri」「ドビン/Dovin」「エリーウィック/Ellywick」「エルズペス/Elspeth」「エストリッド/Estrid」「フレイアリーズ/Freyalise」「ガラク/Garruk」「ギデオン/Gideon」「グリスト/Grist」「ファートリ/Huatli」「ジェイス/Jace」「ヤヤ/Jaya」「ジェスカ/Jeska」「カーン/Karn」「カズミナ/Kasmina」「ケイヤ/Kaya」「キオーラ/Kiora」「コス/Koth」「リリアナ/Liliana」「ロルス/Lolth」「ルーカ/Lukka」「モルデンカイネン/Mordenkainen」「ナヒリ/Nahiri」「ナーセット/Narset」「ニコ/Niko」「ニッサ/Nissa」「ニクシリス/Nixilis」「オーコ/Oko」「ラル/Ral」「ローアン/Rowan」「サヒーリ/Saheeli」「サムト/Samut」「サルカン/Sarkhan」「セラ/Serra」「ソリン/Sorin」「ザット/Szat」「タミヨウ/Tamiyo」「テヨ/Teyo」「テフェリー/Teferi」「テゼレット/Tezzeret」「ティボルト/Tibalt」「タイヴァー/Tyvar」「ウギン/Ugin」「ヴェンセール/Venser」「ヴラスカ/Vraska」「ビビアン/Vivien」「ウィル/Will」「ウィンドグレイス/Windgrace」「レン/Wrenn」「ゼナゴス/Xenagos」「ヤングー/Yanggu」「ヤンリン/Yanling」「ザリエル/Zariel」がある。
205.3k インスタントとソーサリーには共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは呪文・タイプと呼ばれる。呪文・タイプには、「出来事/Adventure」「秘儀/Arcane」「講義/Lesson」「罠/Trap」がある。
205.3m クリーチャーと部族には共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。クリーチャー・タイプには、「アドバイザー/Advisor」「霊基体/Aetherborn」「同盟者/Ally」「天使/Angel」「アンテロープ/Antelope」「類人猿/Ape」「射手/Archer」「執政官/Archon」「軍団/Army」「工匠/Artificer」「暗殺者/Assassin」「組立作業員/Assembly-Worker」「エイトグ/Atog」「オーロクス/Aurochs」「アバター/Avatar」「アズラ/Azra」「アナグマ/Badger」「バーバリアン/Barbarian」「バード/Bard」「バジリスク/Basilisk」「コウモリ/Bat」「熊/Bear」「ビースト/Beast」「ビーブル/Beeble」「ビホルダー/Beholder」「狂戦士/Berserker」「鳥/Bird」「ちらつき蛾/Blinkmoth」「猪/Boar」「運び手/Bringer」「ブラッシュワグ/Brushwagg」「カマリッド/Camarid」「ラクダ/Camel」「カリブー/Caribou」「キャリアー/Carrier」「猫/Cat」「ケンタウルス/Centaur」「セファリッド/Cephalid」「キマイラ/Chimera」「市民/Citizen」「クレリック/Cleric」「コカトリス/Cockatrice」「構築物/Construct」「臆病者/Coward」「カニ/Crab」「クロコダイル/Crocodile」「サイクロプス/Cyclops」「ダウスィー/Dauthi」「亜神/Demigod」「デーモン/Demon」「脱走者/Deserter」「デビル/Devil」「恐竜/Dinosaur」「ジン/Djinn」「犬/Dog」「ドラゴン/Dragon」「ドレイク/Drake」「ドレッドノート/Dreadnought」「ドローン/Drone」「ドルイド/Druid」「ドライアド/Dryad」「ドワーフ/Dwarf」「イフリート/Efreet」「卵/Egg」「エルダー/Elder」「エルドラージ/Eldrazi」「エレメンタル/Elemental」「象/Elephant」「エルフ/Elf」「大鹿/Elk」「眼/Eye」「フェアリー/Faerie」「イタチ/Ferret」「魚/Fish」「旗手/Flagbearer」「狐/Fox」「フラクタル/Fractal」「カエル/Frog」「ファンガス/Fungus」「ガーゴイル/Gargoyle」「細菌/Germ」「巨人/Giant」「ノール/Gnoll」「ノーム/Gnome」「ヤギ/Goat」「ゴブリン/Goblin」「神/God」「ゴーレム/Golem」「ゴルゴン/Gorgon」「墓生まれ/Graveborn」「グレムリン/Gremlin」「グリフィン/Griffin」「ハッグ/Hag」「ハーフリング/Halfling」「ハムスター/Hamster」「ハーピー/Harpy」「ヘリオン/Hellion」「カバ/Hippo」「ヒポグリフ/Hippogriff」「ホマリッド/Homarid」「ホムンクルス/Homunculus」「ホラー/Horror」「馬/Horse」「人間/Human」「ハイドラ/Hydra」「ハイエナ/Hyena」「イリュージョン/Illusion」「インプ/Imp」「インカーネーション/Incarnation」「墨獣/Inkling」「昆虫/Insect」「ジャッカル/Jackal」「クラゲ/Jellyfish」「巨大戦車/Juggernaut」「カヴー/Kavu」「麒麟/Kirin」「キスキン/Kithkin」「騎士/Knight」「コボルド/Kobold」「コー/Kor」「クラーケン/Kraken」「ラミア/Lamia」「ラマスー/Lammasu」「ヒル/Leech」「リバイアサン/Leviathan」「ルアゴイフ/Lhurgoyf」「リシド/Licid」「トカゲ/Lizard」「マンティコア/Manticore」「マスティコア/Masticore」「傭兵/Mercenary」「マーフォーク/Merfolk」「メタスラン/Metathran」「ミニオン/Minion」「ミノタウルス/Minotaur」「モグラ/Mole」「モンガー/Monger」「マングース/Mongoose」「モンク/Monk」「猿/Monkey」「ムーンフォーク/Moonfolk」「ハツカネズミ/Mouse」「ミュータント/Mutant」「マイア/Myr」「神秘家/Mystic」「ナーガ/Naga」「オウムガイ/Nautilus」「ネフィリム/Nephilim」「ナイトメア/Nightmare」「夜魔/Nightstalker」「忍者/Ninja」「貴族/Noble」「ノッグル/Noggle」「ノーマッド/Nomad」「ニンフ/Nymph」「タコ/Octopus」「オーガ/Ogre」「ウーズ/Ooze」「オーブ/Orb」「オーク/Orc」「オーグ/Orgg」「カワウソ/Otter」「アウフ/Ouphe」「雄牛/Ox」「カキ/Oyster」「センザンコウ/Pangolin」「農民/Peasant」「ペガサス/Pegasus」「ペンタバイト/Pentavite」「邪魔者/Pest」「フェルダグリフ/Phelddagrif」「フェニックス/Phoenix」「ファイレクシアン/Phyrexian」「操縦士/Pilot」「ピンチャー/Pincher」「海賊/Pirate」「植物/Plant」「法務官/Praetor」「プリズム/Prism」「昇華者/Processor」「兎/Rabbit」「レインジャー/Ranger」「ネズミ/Rat」「レベル/Rebel」「反射/Reflection」「サイ/Rhino」「装具工/Rigger」「ならず者/Rogue」「黒貂/Sable」「サラマンダー/Salamander」「侍/Samurai」「砂漠の民/Sand」「苗木/Saproling」「サテュロス/Satyr」「カカシ/Scarecrow」「末裔/Scion」「蠍/Scorpion」「スカウト/Scout」「彫像/Sculpture」「農奴/Serf」「海蛇/Serpent」「霊気装置/Servo」「シェイド/Shade」「シャーマン/Shaman」「多相の戦士/Shapeshifter」「サメ/Shark」「羊/Sheep」「セイレーン/Siren」「スケルトン/Skeleton」「スリス/Slith」「スリヴァー/Sliver」「ナメクジ/Slug」「蛇/Snake」「兵士/Soldier」「サルタリー/Soltari」「落とし子/Spawn」「スペクター/Specter」「スペルシェイパー/Spellshaper」「スフィンクス/Sphinx」「蜘蛛/Spider」「スパイク/Spike」「スピリット/Spirit」「裂片/Splinter」「スポンジ/Sponge」「イカ/Squid」「リス/Squirrel」「ヒトデ/Starfish」「サラカー/Surrakar」「生存者/Survivor」「触手/Tentacle」「テトラバイト/Tetravite」「サラカス/Thalakos」「飛行機械/Thopter」「スラル/Thrull」「ティーフリング/Tiefling」「ツリーフォーク/Treefolk」「三葉虫/Trilobite」「トリスケラバイト/Triskelavite」「トロール/Troll」「海亀/Turtle」「ユニコーン/Unicorn」「吸血鬼/Vampire」「ヴィダルケン/Vedalken」「ヴィーアシーノ/Viashino」「ボルバー/Volver」「壁/Wall」「邪術師/Warlock」「戦士/Warrior」「奇魔/Weird」「狼男/Werewolf」「鯨/Whale」「ウィザード/Wizard」「狼/Wolf」「クズリ/Wolverine」「ウォンバット/Wombat」「蟲/Worm」「レイス/Wraith」「ワーム/Wurm」「イエティ/Yeti」「ゾンビ/Zombie」「ずべら/Zubera」がある。
205.3n 次元にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは次元・タイプと呼ばれる。次元・タイプには、「アラーラ/Alara」「アーコス/Arkhos」「アズゴル/Azgol」「ベレノン/Belenon」「ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm」「ドミナリア/Dominaria」「エクィロー/Equilor」「エルガモン/Ergamon」「ファバシン/Fabacin」「イニストラード/Innistrad」「イクァターナ/Iquatana」「アー/Ir」「カルドハイム/Kaldheim」「神河/Kamigawa」「カーサス/Karsus」「ケファライ/Kephalai」「キンシャラ/Kinshala」「コルバーン/Kolbahan」「キネス/Kyneth」「ローウィン/Lorwyn」「ルヴィオン/Luvion」「メルカディア/Mercadia」「ミラディン/Mirrodin」「モアグ/Moag」「モンセン/Mongseng」「ムラガンダ/Muraganda」「新ファイレクシア/New Phyrexia」「ファイレクシア/Phyrexia」「パイルリー/Pyrulea」「ラバイア/Rabiah」「ラース/Rath」「ラヴニカ/Ravnica」「レガーサ/Regatha」「セゴビア/Segovia」「セラの領土/Serra's Realm」「シャドウムーア/Shadowmoor」「シャンダラー/Shandalar」「ウルグローサ/Ulgrotha」「ヴァラ/Valla」「ヴリン/Vryn」「ワイルドファイア/Wildfire」「ゼレックス/Xerex」「ゼンディカー/Zendikar」がある。
205.3p ダンジョン・カード、現象・カード、計略・カード、ヴァンガード・カード、策略・カードにはサブタイプは存在しない。
205.4a オブジェクトは、特殊タイプを持つことがある。カードの特殊タイプはカード・タイプの直前に書かれる。特殊タイプには、「基本/Basic」「伝説の/Legendary」「持続/Ongoing」「氷雪/Snow」「ワールド/World」がある。
205.4b 特殊タイプの中には特定のカード・タイプに強く関連づけられているものもあるが、オブジェクトの特殊タイプはそのカード・タイプやサブタイプとは独立している。オブジェクトのカード・タイプまたはサブタイプが変更になった場合、特殊タイプはそのまま維持される。オブジェクトが特殊タイプを得たり失ったりした場合、すでに持っている特殊タイプはそのまま残る。
例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力があった場合、影響を受けた土地が伝説の 土地であれば、そのまま伝説の パーマネントのままである。
205.4c 「基本/basic」という特殊タイプを持った土地は基本 土地である。この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。
第8版以前に作られたカードは「基本」という語で基本 土地を表示していない。それらの古いカードにおいては、名前が《森》《島》《山》《平地》《沼》《冠雪の森》《冠雪の島》《冠雪の山》《冠雪の平地》《冠雪の沼》の10種類のいずれかであるものを基本 土地とする。
205.4d 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つパーマネントは、「レジェンド・ルール」と呼ばれる、伝説の パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5k 参照。
205.4e 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つインスタントやソーサリーである呪文は、唱える上で制約を受ける。プレイヤーは、伝説の クリーチャーか伝説の プレインズウォーカーをコントロールしていないかぎり、伝説の インスタントやソーサリーである呪文を唱えられない。
205.4f 「ワールド/world」という特殊タイプを持つパーマネントは、「ワールド・ルール」と呼ばれる、ワールド・パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5k 参照。
205.4g 「氷雪/snow」という特殊タイプを持つパーマネントは、氷雪 パーマネントである。この特殊タイプを持たないパーマネントは、その名前によらず、氷雪でないパーマネントである。
205.4h 「持続/Ongoing」という特殊タイプを持つ計略・カードは、計略の状況起因処理の例外である(rule 704.6e 参照)。
206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常は絵の右下に記されている。これはゲームには影響しない。
206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおける希少度を示すものである。赤橙色は神話レア、金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本 土地である。紫は特殊な希少度を表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりも希少度の高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、希少度に関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった。簡体中国語版の第5版には"V"のエキスパンション・シンボルが存在した)
206.3. かつては、ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックしていた。それらのカードはオラクルで訂正され、あるセットで「その名前で初めて印刷された」カードに影響を及ぼすようになった。
206.3a その名前で初めて印刷されたのが『Arabian Nights』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《City in a Bottle》)が存在する。該当する名前は、《アブー・ジャーファル/Abu Ja'far》《アラジン/Aladdin》《アラジンのランプ/Aladdin's Lamp》《アラジンの指輪/Aladdin's Ring》《アリ・ババ/Ali Baba》《Ali from Cairo》《Army of Allah》《Bazaar of Baghdad》《鳥の乙女/Bird Maiden》《スレイマンの壺/Bottle of Suleiman》《真鍮人間/Brass Man》《Camel》《City in a Bottle》《真鍮の都/City of Brass》《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》《サイクロン/Cyclone》《踊る円月刀/Dancing Scimitar》《ダンダーン/Dandan》《砂漠/Desert》《Desert Nomads》《砂漠の竜巻/Desert Twister》《Diamond Valley》《Drop of Honey》《黒檀の馬/Ebony Horse》《Elephant Graveyard》《エル・ハジャジ/El-Hajjaj》《アーグの盗賊団/Erg Raiders》《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》《目には目を/Eye for an Eye》《魚の肝の油/Fishliver Oil》《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》《空飛ぶ男/Flying Men》《ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre》《象亀/Giant Tortoise》《Guardian Beast》《ハスランの女オーガ/Hasran Ogress》《ハール・ジャッカル/Hurr Jackal》《Ifh-Biff Efreet》《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》《Island of Wak-Wak》《Jandor's Ring》《ジャンドールの鞍袋/Jandor's Saddlebags》《宝石の鳥/Jeweled Bird》《Jihad》《ジュナン・イフリート/Junun Efreet》《Juzam Djinn》《Khabal Ghoul》《King Suleiman》《密林の猿人/Kird Ape》《Library of Alexandria》《磁力の山/Magnetic Mountain》《Merchant Ship》《メタモルフォーゼ/Metamorphosis》《Mijae Djinn》《ムーア人の騎兵/Moorish Cavalry》《ナフス・アスプ/Nafs Asp》《オアシス/Oasis》《Old Man of the Sea》《Oubliette》《篤信/Piety》《Pyramids》《悔悟せる鍛冶屋/Repentant Blacksmith》《Ring of Ma'ruf》《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》《Sandals of Abdallah》《砂嵐/Sandstorm》《Serendib Djinn》《Serendib Efreet》《Shahrazad》《シンドバッド/Sindbad》《Singing Tree》《魔術師の女王/Sorceress Queen》《Stone-Throwing Devils》《不安定性突然変異/Unstable Mutation》《ウォー・エレファント/War Elephant》《ワイルーリーの狼/Wyluli Wolf》《Ydwen Efreet》である。
206.3b その名前で初めて印刷されたのが『Antiquities』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Golgothian Sylex》)が存在する。該当する名前は、《クルーグの護符/Amulet of Kroog》《Argivian Archaeologist》《Argivian Blacksmith》《アルゴスのピクシー/Argothian Pixies》《Argothian Treefolk》《終末の時計/Armageddon Clock》《Artifact Blast》《Artifact Possession》《Artifact Ward》《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》《アシュノッドの戦具/Ashnod's Battle Gear》《アシュノッドの人体改造器/Ashnod's Transmogrant》《エイトグ/Atog》《破城槌/Battering Ram》《青銅のタブレット/Bronze Tablet》《Candelabra of Tawnos》《秘宝の防御円/Circle of Protection: Artifacts》《Citanul Druid》《粘土像/Clay Statue》《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》《珊瑚の兜/Coral Helm》《崩壊/Crumble》《呪われた拷問台/Cursed Rack》《Damping Field》《爆破/Detonate》《Drafna's Restoration》《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》《Dwarven Weaponsmith》《魔力流出/Energy Flux》《フェルドンの杖/Feldon's Cane》《Gaea's Avenger》《Gate to Phyrexia》《ゴブリン職工団/Goblin Artisans》《Golgothian Sylex》《ぶどう弾カタパルト/Grapeshot Catapult》《Haunting Wind》《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》《象牙の塔/Ivory Tower》《ジェイラム秘本/Jalum Tome》《Martyrs of Korlis》《Mightstone》《石臼/Millstone》《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》《ミシュラの戦争機械/Mishra's War Machine》《Mishra's Workshop》《再帰のオベリスク/Obelisk of Undoing》《オニュレット/Onulet》《Orcish Mechanics》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《Phyrexian Gremlins》《Power Artifact》《Powerleech》《Priest of Yawgmoth》《原初の土/Primal Clay》《拷問台/The Rack》《ラカライト/Rakalite》《Reconstruction》《Reverse Polarity》《Rocket Launcher》《ラト=ナムの賢人/Sage of Lat-Nam》《多相の戦士/Shapeshifter》《粉砕の嵐/Shatterstorm》《Staff of Zegon》《露天鉱床/Strip Mine》《Su-Chi》《Tablet of Epityr》《Tawnos's Coffin》《タウノスのワンド/Tawnos's Wand》《タウノスの武具/Tawnos's Weaponry》《テトラバス/Tetravus》《ティタニアの歌/Titania's Song》《Transmute Artifact》《トリスケリオン/Triskelion》《ウルザの報復者/Urza's Avenger》《Urza's Chalice》《ウルザの鉱山/Urza's Mine》《Urza's Miter》《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》《ウルザの塔/Urza's Tower》《槍の壁/Wall of Spears》《Weakstone》《異形の騒霊/Xenic Poltergeist》《ヨーグモスの悪魔/Yawgmoth Demon》《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》である。
206.3c その名前で初めて印刷されたのが『Homelands』拡張セットにおいてであるパーマネントやカードを参照するカード(《Apocalypse Chime》)が存在する。該当する名前は、《修道院のガーゴイル/Abbey Gargoyles》《Abbey Matron》《上天の嵐/Aether Storm》《Aliban's Tower》《Ambush》《待ち伏せ部隊/Ambush Party》《Anaba Ancestor》《アナーバのボディガード/Anaba Bodyguard》《アナーバのシャーマン/Anaba Shaman》《Anaba Spirit Crafter》《アン=ハヴァの治安官/An-Havva Constable》《An-Havva Inn》《An-Havva Township》《An-Zerrin Ruins》《Apocalypse Chime》《Autumn Willow》《Aysen Abbey》《アイゼンの官吏/Aysen Bureaucrats》《Aysen Crusader》《Aysen Highway》《Baki's Curse》《Baron Sengir》《Beast Walkers》《Black Carriage》《影写し/Broken Visage》《甲殻/Carapace》《Castle Sengir》《Cemetery Gate》《Chain Stasis》《Chandler》《Clockwork Gnomes》《機械仕掛けの駿馬/Clockwork Steed》《Clockwork Swarm》《Coral Reef》《暗黒の迷路/Dark Maze》《Daughter of Autumn》《死者の代弁者/Death Speakers》《Didgeridoo》《Drudge Spell》《乾きの呪文/Dry Spell》《Dwarven Pony》《Dwarven Sea Clan》《Dwarven Trader》《Ebony Rhino》《情け知らずのエロン/Eron the Relentless》《Evaporate》《Faerie Noble》《一角獣の饗宴/Feast of the Unicorn》《フェロッズの封印/Feroz's Ban》《Folk of An-Havva》《忘却/Forget》《葬列/Funeral March》《Ghost Hounds》《Giant Albatross》《巨大カキ/Giant Oyster》《Grandmother Sengir》《大いなる人狼/Greater Werewolf》《Hazduhr the Abbot》《Headstone》《Heart Wolf》《血に飢えた霧/Hungry Mist》《Ihsan's Shade》《Irini Sengir》《鉄爪族の呪い/Ironclaw Curse》《Jinx》《Joven》《Joven's Ferrets》《ジョーヴンの泥棒道具/Joven's Tools》《Koskun Falls》《Koskun Keep》《迷宮のミノタウルス/Labyrinth Minotaur》《Leaping Lizard》《Leeches》《Mammoth Harness》《Marjhan》《記憶の欠落/Memory Lapse》《商人の巻物/Merchant Scroll》《メサ・ファルコン/Mesa Falcon》《Mystic Decree》《Narwhal》《Orcish Mine》《原初の秩序/Primal Order》《Prophecy》《Rashka the Slayer》《浅瀬の海賊/Reef Pirates》《Renewal》《Retribution》《Reveka》《Wizard Savant》《Root Spider》《Roots》《Roterothopter》《Rysorian Badger》《Samite Alchemist》《シー・スプライト/Sea Sprite》《Sea Troll》《センギアの従臣/Sengir Autocrat》《Sengir Bats》《Serra Aviary》《セラの獣小屋/Serra Bestiary》《Serra Inquisitors》《セラの聖騎士/Serra Paladin》《鋸刃の矢/Serrated Arrows》《縮小/Shrink》《Soraya the Falconer》《Spectral Bears》《Timmerian Fiends》《拷問/Torture》《Trade Caravan》《休戦/Truce》《Veldrane of Sengir》《Wall of Kelp》《Willow Faerie》《Willow Priestess》《Winter Sky》《Wizards' School》である。
206.4. プレイヤーは、そのカードがそのフォーマットで認められているセット(あるいは特にマジック・イベント規定によって認められているカード)に含まれている限り、どの版からでもカードを構築 デッキに入れてよい。現在の構築フォーマットの定義については、マジック・イベント規定(http://wpn.wizards.com/en/resources/rules-documents)を参照のこと。
206.5. エキスパンション・シンボルの完全な一覧は、マジックのウェブサイトのCard Set Archiveコーナー(http://magic.wizards.com/en/game-info/products/card-set-archive)から確認できる。
207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。多くの場合、ここにはそのカードの能力を定義するルール・テキストが書かれている。
207.2. 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
207.2a 注釈文は、カッコにくくられたイタリック体(日本語版では文字サイズが一段小さい)の文章であり、そのカードに適用されるルールの要約である。これはそれが対応する能力と同じ行に書かれていることが多いが、その能力でなくカード全体の注釈の場合、独立した行に書かれていることもある。
207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、絵と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。通常、これはルール・テキストの下に記載される。
207.2c 能力語は、能力の最初にイタリック体で書かれている(以前の日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要があった)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために定められたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「一徹(いってつ)/Adamant」「附則(ふそく)/Addendum」「大隊(だいたい)/Battalion」「湧血(ゆうけつ)/Bloodrush」「魂力(こんりき)/Channel」「彩色(さいしょく)/Chroma」「盟友(めいゆう)/Cohort」「星座(せいざ)/Constellation」「収斂(しゅうれん)/Converge」「動議(どうぎ)/Council's Dilemma」「昂揚(こうよう)/Delirium」「版図(はんと)/Domain」「威光(いこう)/Eminence」「激昂(げきこう)/Enrage」「窮地(きゅうち)/Fateful hour」「獰猛(どうもう)/Ferocious」「圧倒(あっとう)/Formidable」「壮大(そうだい)/Grandeur」「暴勇(ぼうゆう)/Hellbent」「英雄的(えいゆうてき)/Heroic」「刻印(こくいん)/Imprint」「神啓(しんけい)/Inspired」「同調(どうちょう)/Join Forces」「族系(ぞくけい)/Kinship」「上陸(じょうりく)/Landfall」「副官(ふくかん)/Lieutenant」「魔技(まぎ)/Magecraft」「金属術(きんぞくじゅつ)/Metalcraft」「陰鬱(いんうつ)/Morbid」「集団戦術(しゅうだんせんじゅつ)/Pack Tactics」「協議(きょうぎ)/Parley」「光輝(こうき)/Radiance」「強襲(きょうしゅう)/Raid」「結集(けっしゅう)/Rally」「紛争(ふんそう)/Revolt」「魔巧(まこう)/Spell Mastery」「奮励(ふんれい)/Strive」「掃引(そういん)/Sweep」「誘引(ゆういん)/Tempting Offer」「スレッショルド(すれっしょるど)/Threshold」「宿根(しゅっこん)/Undergrowth」「議決(ぎけつ)/Will of the council」がある。
207.2d 能力語と同様に、フレイバー語も一部の能力の前にイタリック体(日本語版では教科書体)で表記されている。フレイバー語は、能力のフレイバー的説明であるが、ルール上の意味は持たず、総合ルールには列記されない。能力語は類似した機能を持つ複数の能力をまとめるものであるが、フレイバー語はその特定の能力に沿ったものである。
207.3. 一部のカードには、文章欄の背景に装飾的アイコンが描かれている。例えば、ラヴニカの各ギルドに関するカードの多くで文章欄にギルド・アイコンが含まれており、『ミラディンの傷跡』ブロックではほとんどのカードの文章欄に陣営アイコンが含まれている。また、プロモカードの多くにも装飾的アイコンが描かれている。これらのアイコンはゲームのプレイに影響を及ぼさない。
207.4. 次元・カードの次元ダイスが{CHAOS}を出すたびに誘発する誘発型能力の左側には、カオス・シンボル{CHAOS}が記されている。このシンボルそのものはルール上特別な意味を持たない。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた2つの数字が記されている。1つ目の数字はパワー(戦闘中に与えるダメージの量)であり、2つ目の数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって修整を受けたりある値に変更されたりすることがある。
208.2. 一部のクリーチャー・カードでは、パワーやタフネスの値が固定値ではなく * になっているものがある。
208.2a カードは、何らかの条件に基づいてパワーやタフネスを定める特性定義能力を持つことがある(rule 604.3 参照)。この種の能力は、「[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス]は〜である/[This creature's] [power or toughness] is equal to 〜」あるいは「[このクリーチャーの]パワーとタフネスはそれぞれ〜である/[This creature's] power and toughness are each equal to 〜」と書かれる。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所において機能する。決定できない値を計算上などで用いる必要がある場合、その値を0として扱う。
例:《Lost Order of Jarkeld》のパワーやタフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Jarkeldが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ。」「Lost Order of Jarkeldのパワーとタフネスはそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーの数に1を足した値に等しい。」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が戦場 にない間、プレイヤーは選ばれていないので、パワーとタフネスはともに1+0、つまり1/1となる。
208.2b クリーチャーのパワーやタフネスを、それが戦場に出るに際して、あるいはオモテになるに際して、いくつかの特定の値の中から1つに設定する置換効果を作る常在型能力を持つカードが存在する(rule 614〔置換効果〕参照)。その種の能力は、「[このクリーチャー]が戦場に出るに際し〜/As [this creature] enters the battlefield . . . 」「[このクリーチャー]がオモテ向き になるに際し〜/As [this creature] is turned face up . . . ,」「[このクリーチャー]は〜として戦場に出る。/[this creature] enters the battlefield as . . .」といった書式で、複数のパワーとタフネスの組(さらに追加の特性がついていることもある)が記されている。これらの効果で選ばれ、あるいは決定された特性は、そのクリーチャーのコピー可能な値に影響を及ぼす(rule 707.2 参照)。カードが戦場 にない間、パワーとタフネスはともに0として扱う。
208.3. クリーチャーでないパーマネントは、そのカードにパワーやタフネスが記載されていたとしても(機体など)、パワーやタフネスを持たない。クリーチャーでないオブジェクトが戦場 にない場合、そのカードにパワーやタフネスが記載されていない限り、パワーやタフネスを持たない。
208.3a クリーチャーでないパーマネントのパワーやタフネスに影響を及ぼす効果が発生する場合、その効果は、そのパーマネントがクリーチャーでない限り何もしないが、発生する。
例:《経験豊富な操縦者》は「経験豊富な操縦者が機体1つに搭乗するたび、ターン終了時まで、その機体は+1/+1の修整を受ける。」という能力を持つ。この誘発型能力は、その機体が登場された後、クリーチャー になる前に解決される。この継続的効果は発生し、この機体がクリーチャー になったらその機体に適用される。
208.4. クリーチャーのパワーやタフネスを特定の値に定める効果の中には、そのクリーチャーの「基本のパワー/base power」「基本のタフネス/base toughness」「基本のパワーとタフネス/base power and toughness」を扱うものがある。後に、他の継続的効果によって、そのクリーチャーのパワーやタフネスが修整されることがありうる。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
208.5. クリーチャーのパワーが何らかの理由で値を持たない場合、それは0となる。タフネスも同じである。
209.1. プレインズウォーカー・カードの右下には、忠誠数が記されている。これはプレインズウォーカーが戦場 にない間の忠誠度の値を示し、プレインズウォーカーは、その数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。
209.2. コストに忠誠度シンボルを含む起動型能力は、忠誠度能力である。忠誠度能力はプレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
210.1. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期手札枚数と手札の最大枚数を決定する際に適用される。rule 103.4 参照。
211.1. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期ライフ総量を決定する際に適用される。rule 103.3 参照。
212.1. カードの文章欄の下に印刷されている、ゲーム上効果のない文章がある。すべてのカードセットで以下のすべての情報が各カードに印刷されているわけではない。
212.1a ほとんどのカード・セットではコレクター番号が振られている。この情報は[カード番号]/[セットに含まれるカードの総数]、あるいは単に[カード番号]という形で書かれている。プレインズウォーカー デッキのみのカードなど一部のカードでは、総数よりも大きなカード番号が振られていることがある。
212.1b カードのレアリティは、コレクター番号の後に1文字で表示されている。
212.1c プロモカードの中には、そのカードが何に割り当てられているのかを示す情報が書かれていることがある。
212.1d そのカードがどのセットで印刷されたものかを示す3文字と、そのカードがどの言語で印刷されたものかを示す2文字が、中黒を挟んで記されている。プレミアム版であれば、中黒でなく星印を挟んでいる。
212.1e カードの絵の著作権表記は、文章欄のすぐ下に、絵筆のアイコン、あるいは古いカードでは「Illus.」という略語に続いて記されている。
300.1. カード・タイプには、「アーティファクト/artifact」「策略/conspiracy」「クリーチャー/creature」「ダンジョン/dungeon」「エンチャント/enchantment」「インスタント/instant」「土地/land」「現象/Phenomenon」「次元/plane」「プレインズウォーカー/planeswalker」「計略/scheme」「ソーサリー/sorcery」「部族/tribal」「ヴァンガード/vanguard」がある。
300.2. 複数のカード・タイプを持つオブジェクト(たとえば、アーティファクト・クリーチャーなど)が存在する。この類のオブジェクトは、そのいずれかのカード・タイプの持つ性質を持ち、また、そのいずれかのカード・タイプに適用される呪文や能力の影響を受ける。
300.2a 土地でもあり他のカード・タイプでもあるオブジェクト(たとえばアーティファクト・土地)は土地としてのみプレイできる。呪文として唱えることはできない。
300.2b 部族・カードは他のカード・タイプを持つ。部族・カードを唱え、解決することは、そのもう一方のカード・タイプのカードを唱え、解決することに関するルールに従う。
301.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、アーティファクト・カードを手札から唱えることができる。アーティファクトを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
301.2. アーティファクト・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
301.3. アーティファクトのサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト ─ 装備品/Artifact ─ Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトのサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。アーティファクト・タイプの一覧は、rule 205.3g を参照。
301.4. アーティファクトはそのカード・タイプに特有の特性を持たない。ほとんどのアーティファクトは有色 マナ・シンボルをマナ・コストに含まないので、無色である。しかし、無色であることとアーティファクトであることの間に因果関係はない。色を持つアーティファクトも存在するし、無色であってもアーティファクトでないオブジェクトも存在する。
301.5. アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつけることができる。クリーチャーでないものに適正につけることはできない。
301.5a 装備品がついているクリーチャーは、「装備しているクリーチャー/equipped creature」と呼ばれる。装備品は、クリーチャーにつく、あるいは「装備される/equip」ことになる。
301.5b 装備品・呪文は、他のアーティファクト・呪文と同じように唱えられる。装備品は、他のアーティファクトと同じように戦場に出る。それらはクリーチャーについた状態で戦場に出るわけではない。キーワード能力「装備/equip」は、その装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーにつける(rule 702.6〔装備〕参照)。クリーチャーのコントロールに関する条件は、装備 能力の起動時と解決時にのみ確認する。呪文や他の能力によって装備品がクリーチャーにつくことがある。効果によって装備品をそれを装備することができないオブジェクトにつけようとした場合、その装備品は動かない。
301.5c クリーチャーは、クリーチャーでもある装備品を装備できない。クリーチャーは、「装備品」というサブタイプを失った装備品を装備できない。装備品は自分自身を装備できない。不正あるいは存在しないパーマネントに装備されている装備品は、そのパーマネントからはずれるが、戦場に残ったままである(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。装備品は同時に複数のクリーチャーにつくことはない。呪文や能力によって複数のクリーチャーに装備させるようなことが起こった場合、その装備品のコントローラーはどちらのクリーチャーにつけるかを選ぶ。
301.5d 装備品のコントローラーは、装備しているクリーチャーのコントローラーとは別物である。この2つは同じである必要はない。クリーチャーのコントローラーが変わっても装備品のコントローラーは変わらないし、逆も同様である。装備品のコントローラーのみが、それの能力を起動できる。ただし、装備品がそれを装備しているクリーチャーに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)得させる場合、装備しているクリーチャーのコントローラーのみが、その能力を起動できる。
301.5e パーマネントの、「装備しているクリーチャー/equipped creature」を参照している能力は、そのパーマネントが装備品でなくても、そのパーマネントがついているクリーチャーを参照する。
301.6. アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦は土地につけることができる。土地でないオブジェクトにつけることはできない。城砦に関して装備 能力に対応するのは「城砦化/Fortify」というキーワード能力である。rule 301.5a-eは、装備品とクリーチャーの関係を、城砦と土地の関係に読み替え、rule 301.5b は「土地は、クリーチャーでもある城砦によって城砦化されない。」と読み替えて適用する。rule 702.67〔城砦化〕参照。
301.7. アーティファクトの中には、「機体/Vehicle」というサブタイプを持つものがある。ほとんどの機体は、アーティファクト・クリーチャー になれる搭乗 能力を持つ。rule 702.122〔搭乗〕参照。
301.7a 機体は印刷されたパワーやタフネスを持つが、クリーチャーでもある場合にのみそれらの特性を持つ。rule 208.3 参照。
301.7b 機体がクリーチャー になる場合、それは即座にその印刷されたパワーやタフネスを持つ。それをクリーチャーにした効果も含む他の効果によって、その値が修整されたり別の値に定められたりすることがある。
302.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、クリーチャー・カードを手札から唱えることができる。クリーチャーを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
302.2. クリーチャー・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
302.3. クリーチャーのサブタイプは必ず1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature ─ Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature ─ Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は rule 205.3m 参照。
例:「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature ─ Goblin Wizard」は、そのカードがサブタイプとしてゴブリンとウィザードを持つクリーチャー・カードであることを示している。
302.4. パワーとタフネスは、クリーチャーだけが持っている特性である。
302.4a クリーチャーのパワーとは、そのクリーチャーが戦闘で与えるダメージの総量である。
302.4b クリーチャーのタフネスとは、そのクリーチャーを破壊するために必要なダメージの総量である。
302.4c クリーチャーのパワーやタフネスを決定するためには、カードの右下に記載されている値から計算し、各種の継続的効果を適用する。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
302.5. クリーチャーは攻撃したりブロックしたりできる。(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
302.6. クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、起動できない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーでは攻撃できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。
302.7. 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーが受けたダメージは、そのクリーチャーが負う。クリーチャーが負っているダメージの合計がそのタフネス以上である場合、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたといい、状況起因処理で破壊される(rule 704 参照)。クリーチャーが負っているダメージは、再生した時(rule 701.15〔再生する〕参照)とクリンナップ・ステップの間(rule 514.2 参照)に取り除かれる。
303.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、エンチャント・カードを手札から唱えることができる。エンチャントを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
303.2. エンチャント・呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
303.3. エンチャントのサブタイプは必ず1単語であり、「エンチャント」という語のあとに、「エンチャント ─ 祭殿/Enchantment ─ Shrine」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。エンチャントのサブタイプは、「エンチャント・タイプ」とも呼ばれる。エンチャントには複数のサブタイプがあることもありうる。エンチャント・タイプの一覧は、rule 205.3k 参照。
303.4. エンチャントの中には、サブタイプとして「オーラ/Aura」を持つものがある。オーラはオブジェクトまたはプレイヤーについた状態で戦場に出る。オーラをつけることができる先は、キーワード能力「エンチャント/Enchant」によって規定されている(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。他の効果によって、あるパーマネントをエンチャントできるかどうかに限定が加えられる場合もある。
303.4a オーラ・呪文は、エンチャント能力によって規定される対象を必要とする。
303.4b オーラのついているオブジェクトやプレイヤーのことを、「エンチャントされている/enchanted」という。そのオーラはそのオブジェクトやプレイヤーを「エンチャントしている/enchants」、あるいはそのオブジェクトやプレイヤーに「ついている/attached」という言い方をする。
303.4c オーラが、エンチャント能力やその他の効果による規定に対して不正なオブジェクトまたはプレイヤー上にエンチャントしていた、あるいはエンチャントしているオブジェクトやプレイヤーがすでに存在しなくなっていた場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照)。
303.4d オーラはそれ自身をエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる。また、オーラがクリーチャーでもある場合、他のオブジェクトをエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラははずれ、そしてオーナーの墓地に置かれる。(これらは状況起因処理である。rule 704 参照)。 オーラは同時に複数のオブジェクトまたはプレイヤーにつくことはない。呪文や能力の効果によってオーラが複数のオブジェクトやプレイヤーにつくような場合、そのオーラのコントローラーはどちらのオブジェクトまたはプレイヤーにつけるかを選ぶ。
303.4e オーラのコントローラーは、エンチャントしているオブジェクトのコントローラーあるいはエンチャントしているプレイヤーとは別物である。この2つは同じである必要はない。オーラがオブジェクトをエンチャントしている場合、そのオブジェクトのコントローラーが変わってもオーラのコントローラーは変わらないし、逆も同様である。オーラのコントローラーのみが、それの能力を起動できる。ただし、オーラがエンチャントしているオブジェクトに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)得させる場合、エンチャントしているオブジェクトのコントローラーのみが、その能力を起動できる。
303.4f オーラが、オーラ・呪文が解決される以外の方法でいずれかのプレイヤーのコントロール下で戦場に出、その出す効果がオーラのエンチャント先を指定していなかった場合、そのプレイヤーがそのオーラが戦場に出るに際してそのオーラのエンチャント先を選ぶ。そのプレイヤーは、オーラのエンチャント能力その他適用される効果に従い、適正なオブジェクトまたはプレイヤーを選ばなければならない。
303.4g オーラが、適正にエンチャントできるオブジェクトやプレイヤーのない状態で戦場に出る場合、そのオーラが現在スタックにあるのでない限り、現在ある領域にとどまる。スタックにある場合、そのオーラは戦場に出る代わりに オーナーの墓地に置かれる。
303.4h 効果によって、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントをオブジェクトまたはプレイヤーにつけた状態で戦場に出す場合、はずれている状態で戦場に出る。
303.4i 効果によってオーラを適正につけられないオブジェクトやプレイヤーにつけた状態で戦場に出す場合、元あった領域がスタックでなければ、オーラは元あった領域に残る。スタックであれば、戦場に出る代わりに オーナーの墓地に置かれる。オーラがトークンであれば、それは生成されない。
303.4j 効果によって戦場にあるオーラをオブジェクトやプレイヤーにつける場合、そのオブジェクトやプレイヤーが適正にエンチャントされることができなければ、オーラは移動しない。
303.4k 効果によって表向きになるオーラがオブジェクトやプレイヤーについた状態になる場合、そのオーラのコントローラーはそれが表向きで存在している場合のそのオーラの特性を用いて何につけることができるかを判断し、そのオーラの持つエンチャント能力やその他の適用されうる効果に従って適正なオブジェクトを選ばなければならない。
303.4m パーマネントの「エンチャントしている[オブジェクトまたはプレイヤー]/enchanted [object or player]」を参照する能力は、そのパーマネントがオーラでなかったとしても、そのパーマネントがついているオブジェクトまたはプレイヤーを参照する。
303.5. エンチャントの中には、「英雄譚/Saga」というサブタイプを持つものがある。英雄譚・カードについての詳細は、rule 715 参照。
303.6. エンチャントの中には、「クラス/Class」というサブタイプを持つものがある。クラス・カードについての詳細は、rule 717 参照。
304.1. 優先権を持つプレイヤーは、インスタント・カードを手札から唱えることができる。インスタントを呪文として唱える場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
304.2. インスタント・呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている処理が行われ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
304.3. インスタントのサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント/Instant」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントのサブタイプはソーサリーのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
304.4. インスタントが戦場に出ることはない。戦場に出る場合、その代わりに元あった領域に残る。
304.5. 「プレイヤーがインスタントを唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast an instant,」あるいは「インスタントとしてのみ/only as an instant」という表現は、そのプレイヤーが優先権を持っている時に、という意味である。プレイヤーが唱えられるインスタント・カードを持っている必要はないし、そのプレイヤーにインスタント・呪文を唱えられなくする効果があってもその処理は実行できる(その処理が実際にインスタント・呪文を唱えるものでない限り)。
305.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、土地・カードを手札からプレイすることができる。土地をプレイすることは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 116 参照)。土地をプレイする場合、プレイヤーはそれを単に戦場に出す。土地はスタックに乗らず、呪文ではなく、また、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
305.2. 通常、プレイヤーは、自分のターンの間に 土地を1つだけプレイすることができる。継続的効果によって、この数が増加することがありうる。
305.2a プレイヤーが土地をプレイできるかどうか決定するために、プレイヤーがそのターンにプレイできる土地の枚数と、そのプレイヤーがそのターンに既にプレイした土地の枚数(特別な処理でプレイしたものも、呪文や能力の解決中にプレイしたものも含む)を比較する。そのプレイヤーがプレイできる土地の枚数のほうが多い場合、そのプレイは適正である。
305.2b 理由を問わず、プレイヤーがそのターンにプレイできる土地の枚数が、そのプレイヤーがそのターンに既にプレイした土地の枚数以下であった場合、そのプレイヤーは土地をプレイできない。効果のうち、土地をプレイするという部分は無視する。
305.3. プレイヤーは、いかなる理由があれ、自分のターン以外には土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示する部分は無視する。同様に、そのターンに許可されている全ての土地のプレイを済ませているプレイヤーは、土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示している部分は無視する。
305.4. 土地を戦場に「出す/put」ことができる効果が存在する。これは土地のプレイとは違い、そのターンに既にプレイした土地の枚数には数えない。
305.5. 土地のサブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。土地タイプの一覧は rule 205.3i 参照。
例:「基本 土地 ─ 山」という記述は、そのカードが山のサブタイプを持つ土地・カードであることを意味する。
305.6. 基本土地タイプは、平地、島、沼、山、森である。「基本土地タイプ/Basic land type」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。土地というカード・タイプと基本土地タイプを持つオブジェクトは、文章欄が空欄であったりそもそも存在しなかったりしたとしても、「{T}:[マナ・シンボル]を加える。」という固有の能力を持つ。能力内のマナ・シンボルは、平地は{W}、島は{U}、沼は{B}、山は{R}、森は{G}である。rule 107.4a、ならびに rule 605〔マナ能力〕参照。
305.7. 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本土地タイプに定められた場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。ルール・テキスト、元の土地タイプ、その土地に影響しているコピー可能な効果によって得られていた能力を全て失い、その基本土地タイプが持つマナ能力を得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地が得た能力を取り除くわけではない。土地タイプの設定は、その土地が持つカード・タイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本」や「伝説の」「氷雪」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプとルール・テキストを持ち、それに加えて新しい土地タイプとマナ能力を得る。
305.8. 「基本/Basic」という特殊タイプをもつ土地は基本 土地である。基本土地タイプを持っていても、この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。
305.9. あるオブジェクトが土地であり、かつ他のカード・タイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文として唱えられることはない。
306.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカー・カードを手札から唱えることができる。プレインズウォーカーを呪文として唱える場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
306.2. プレインズウォーカー・呪文が解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
306.3. プレインズウォーカーのサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーのサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ/planeswalker type」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカ・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。
306.4. 以前は、プレインズウォーカーは同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーを1人のプレイヤーがコントロールできないようにする「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に従っていた。このルールは取り除かれ、この変更以前に印刷されたプレインズウォーカー・カードはオラクルで訂正され、「伝説の」の特殊タイプを持つようになった。他の伝説の パーマネント同様、それらも「レジェンド・ルール」に従う(rule 704.5j 参照)。
306.5. 「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。
306.5a 戦場に出ていないプレインズウォーカー・カードの忠誠度は、その右下角に記載されている数字に等しい。
306.5b プレインズウォーカーは、「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。」という固有の能力を持つ。この能力は置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。
306.5c 戦場に出ているプレインズウォーカーの忠誠度は、その上にある忠誠カウンターの数に等しい。
306.5d プレインズウォーカーは、数個の忠誠度能力を持つ。それらはそのコストに忠誠度シンボルを含む起動型能力である。忠誠度能力には、「プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。」という特殊なルールが適用される。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
306.6. プレインズウォーカーは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
306.7. 以前は、プレインズウォーカーはプレイヤーに、対戦相手に与える戦闘ダメージでないダメージを、その代わりに 対戦相手のコントロールしているプレインズウォーカーに与えるという移し替え効果に従っていた。このルールは取り除かれ、特定のカードはオラクルで訂正を受け、直接プレインズウォーカーにダメージを与えるようになった。
306.8. プレインズウォーカーがダメージを受けた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
306.9. プレインズウォーカーの忠誠度が0である場合、そのオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
307.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、ソーサリー・カードを手札から唱えることができる。ソーサリーを呪文として唱える場合、スタックを用いる。(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
307.2. ソーサリー・呪文が解決されたら、ルール・テキストに書かれている処理が行われ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
307.3. ソーサリーのサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー/Sorcery」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーのサブタイプは、インスタントのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
307.4. ソーサリーは戦場に出ることはできない。戦場に出る場合、その代わりに元の領域に残る。
307.5. 呪文、能力、効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリーが唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast a sorcery」あるいは「ソーサリーとしてのみ/only as a sorcery」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤーが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。そのプレイヤーは唱えられるソーサリー・呪文を持っている必要はないし、そのプレイヤーにソーサリー・呪文を唱えられなくする効果があっても処理は実行できる(その処理が実際にソーサリー・呪文を唱えるものでない限り)。
307.5a 同様に、ある呪文が「ソーサリーが唱えられない間に/any time a sorcery couldn't have been cast,」唱えられたかどうかを見る効果は、その呪文のコントローラーが優先権を持たずに、あるいは自分のメイン・フェイズ以外のフェイズ の間に、あるいは何らかのオブジェクトがスタックにある間に唱えたかどうかだけを調べる。
308.1. 部族・カードはもう1つカード・タイプを持つ。部族・カードをプレイし、解決するにあたっては、もう1つのカード・タイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。
308.2. 部族のサブタイプは、必ず1単語であり、「部族・エンチャント ─ マーフォーク/Tribal Enchantment ─ Merfolk」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。部族のサブタイプはクリーチャーのサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ/creature type」と呼ばれる。部族には複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は、rule 205.3m 参照。
309.1. ダンジョンは、定形外のマジックのカードにだけ存在するカード・タイプである。
309.2. ダンジョン・カードは最初、ゲームの外部にある。ダンジョン・カードはプレイヤーのデッキやサイドボードの一部ではなく、ダンジョン探索のキーワード処理によってゲームに持ち込まれる。rule 701.46〔ダンジョン探索〕参照。
309.2a プレイヤーが統率領域にあるダンジョン・カードのオーナーでないときにダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーはゲームの外部にあり自分がオーナーであるダンジョン・カード1枚を選び、統率領域に置く。
309.2b ゲーム内に持ち込まれたダンジョン・カードは、ゲームを離れるまで統率領域に置かれる。
309.2c ダンジョン・カードはパーマネントではない。唱えることはできない。ダンジョン・カードは、ゲームを離れるのでなければ統率領域を離れることはできない。
309.2d ダンジョン探索のキーワード処理以外の効果によりダンジョン・カードがゲームの外部からゲームに持ち込まれる場合、それは起こらない。そのカードはゲームの外部に残る。
309.3. プレイヤー1人が同時に統率領域で所有できるダンジョン・カードは1枚だけであり、統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードがあるプレイヤーはダンジョン・カードをゲームに持ち込むことはできない。
309.4. 各ダンジョン・カードには、お互いに矢印でつながった一連の部屋がある。プレイヤーは、自分が今どの部屋にいるかを示すために、自分がオーナーであるダンジョン・カードの上に置いた探索マーカーを用いる。
309.4a プレイヤーは、自分がオーナーであるダンジョン・カードを統率領域に置くに際し、その一番上の部屋に自分の探索マーカーを置く。
309.4b 各部屋には名前がある。それらの名前はフレイバー・テキスト として扱われ、ゲームプレイには影響しない。
309.4c 各部屋には、部屋能力と呼ばれる誘発型能力があり、それの効果がカードに記載されている。それらは、カードには記載されていない同じ誘発条件を持つ。各部屋能力の完全なテキストは、「あなたがあなたの探索マーカーをこの部屋に動かしたとき、[効果]。」である。ダンジョン・カードが統率領域にあるかぎり、この能力は誘発することができる。各部屋能力は、その能力の発生源であるダンジョン・カードのオーナーであるプレイヤーがコントロールしている。
309.5. ダンジョン探索のキーワード処理で、プレイヤーは自分の探索マーカーをダンジョン・カードの下方の部屋に動かすことができる。
309.5a 統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードがあり、その探索マーカーがそのダンジョンの一番下の部屋 にないプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーは自分の探索マーカーを今ある部屋から、その部屋から引かれている矢印に従って次の部屋に動かす。そのプレイヤーの探索マーカーがある部屋から複数の矢印が出ている場合、そのプレイヤーがどの矢印に従うかを選ぶ。
309.5b 統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードがあり、その探索マーカーがそのダンジョンの一番下の部屋にあるプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーはそのダンジョン・カードをゲームから取り除く。その後、そのプレイヤーはゲームの外部から自分がオーナーであるダンジョン・カード1枚を選び、統率領域に置き、その一番上の部屋に探索マーカーを置く。
309.6. プレイヤーの探索マーカーがダンジョン・カードの一番下の部屋にあり、そのダンジョン・カードが誘発してスタックを離れていない部屋 能力の発生源でないなら、そのダンジョン・カードのオーナーはそれをゲームから取り除く。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
309.7. ダンジョン・カードがゲームから取り除かれるに際して、プレイヤーはそのダンジョンを踏破する。
310.1. 次元は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。次元・カードは、プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいてのみ用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
310.2. 次元・カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向き になっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。次元・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。
310.3. 次元のサブタイプは長い横線の後に記されており、「次元 ― セラの領土/Plane - Serra's Realm」のように複数の単語からなることもある。長い横線の後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。次元のサブタイプは次元 タイプとも呼ばれる。次元は1つしかサブタイプを持つことはない。次元 タイプの一覧は、rule 205.3n 参照。
310.4. 次元・カードは望む数の常在型能力、誘発型能力、起動型能力を持ちうる。次元・カードが統率領域でオモテ向きである間、常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
310.5. オモテ向きの次元・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。
310.6. 裏向き になったオモテ向きの次元・カードは、新しいオブジェクト になる。
311.7. 次元・カードは、「あなたが{CHAOS}を出すたび、」という誘発型能力を持つ。これは「カオス能力」と呼ばれる。それらは左側にある{CHAOS}で示されているが、そのシンボル自体にルール上の意味はない。
311.1. 現象は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。プレインチェイス戦カジュアル変種ルールは次元・カードを用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
311.2. 現象・カードは、次元デッキの中にある間も、またオモテ向き になっている間も、ゲームの間統率領域にあり続ける。唱えられることはない。現象・カードはパーマネントではない。現象・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域に残り続ける。
311.4. オモテ向きの現象・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元 コントローラーはアクティブ・プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。
311.5. 次元・カードはそれに遭遇したときに誘発する誘発型能力を持つ。「あなたが[このカード]に遭遇したとき、」とは、あなたがこのカードを次元デッキから取ってオモテ向きにしたとき、という意味である。
311.6. 裏向き になったオモテ向きの現象・カードは、新しいオブジェクト になる。
311.7. 現象・カードが統率領域でオモテ向きであり、かつ、誘発してスタックから離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次にプレイヤーが優先権を得る時点で次元 コントローラーはプレインズウォークする。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 701.24〔プレインズウォークする〕参照。)
312.1. ヴァンガードは、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。ヴァンガード戦カジュアル変種ルールでのみ、ヴァンガード・カードを用いる。rule 902〔ヴァンガード戦〕参照。
312.2. ヴァンガード・カードはゲームの間、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。ヴァンガード・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。
312.3. ヴァンガード・カードにはサブタイプは存在しない。
312.4. ヴァンガード・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。ヴァンガード・カードが統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
312.5. ヴァンガード・カードのオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きのヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
312.6. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期手札枚数と手札の最大枚数(通常7枚)に適用される。その結果の数が、ゲームの開始時に引く枚数、ならびに手札の最大枚数となる。
312.7. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの初期ライフ総量(通常20点)の決定に際して適用される。rule 103.3 参照。
313.1. 計略は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。アーチエネミー戦カジュアル変種ルールでのみ、計略・カードを用いる。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
313.2. 計略・カードはゲームの間、計略 デッキの一部である間も、オモテ向きである間も、統率領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。計略・カードが統率領域を離れる場合、それは統率領域にあり続ける。
313.4. 計略・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。計略・カードがオモテ向きで統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
313.5. 計略・カードのオーナーはそれを統率領域においてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの計略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
313.6. 持続でない計略・カードが統率領域でオモテ向き になり、いずれかの計略の誘発型能力がスタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、次に優先権が発生した際にその計略・カードは裏向き になり、オーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
313.7. 計略・カードの能力に「この計略」という記述があった場合、それはその能力の発生源である、統率領域にある計略・カードを意味する。これは rule 109.2 の例外である。
314.1. 策略・カードは、リミテッドのプレイ、特にコンスピラシー・ドラフト 変種ルール(rule 905 参照)下でのみ用いられる。策略・カードは、構築のプレイでは用いられない。
314.2. ゲームの開始時、デッキを切り直すよりも前に、プレイヤーはそれぞれ自分のサイドボードにある好きな枚数の策略・カードを統率領域に置く。秘策を持つ策略・カードは統率領域に裏向きに置かれる。(rule 702.106〔秘策〕参照)。
314.3. 策略・カードはゲームの間ずっと統率領域に置かれる。それらはパーマネントではなく、唱えられることもデッキに入れられることもない。策略・カードが統率領域を離れるなら、それは統率領域に残る。ゲーム外の策略・カードがゲーム内に入ることはない。
314.5. 策略・カードは常在型能力や誘発型能力を持つことがある。策略・カードがオモテ向きで統率領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発しうる。
314.6. 策略・カードのオーナーは、それをゲームの開始時に統率領域に置いたプレイヤーである。策略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
314.7. 自分がコントロールしている裏向きの策略・カードは、いつでもオモテを見ることができる。他のプレイヤーがコントロールしている裏向きの策略・カードのオモテを見ることはできない。
400.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。通常、「ライブラリー/Library」「手札/Hand」「戦場/Battlefield」「墓地/Graveyard」「スタック/Stack」「追放/Exile」「統率/Command」の7つの領域が存在する。古いカードでは「アンティ/ante」領域を用いるものもある。ライブラリー、手札、墓地はプレイヤーごとに存在し、他の領域はすべてのプレイヤーが共用する。
400.2. 公開領域とは、その領域にあるカードのうちで何らかのルールや効果によって特に裏向きにされているもの以外のカードのオモテをすべてのプレイヤーが見ることができる領域である。墓地、戦場、スタック、追放、アンティ、統率領域が公開領域である。非公開領域とは、すべてのプレイヤーがカードのオモテを見ることができるわけではない領域のことである。その領域にあるカードのオモテがすべて公開されていたとしても、ライブラリーと手札は非公開領域である。
400.3. オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、オーナーの該当する領域に行く。
400.4. カード・タイプによっては、入ることのできない領域が存在する。
400.4a インスタント・カードやソーサリー・カードが戦場に出る場合、そのカードは元あった領域に残る。
400.4b 策略・カード、現象・カード、次元・カード、計略・カード、ヴァンガード・カードが統率領域を離れる場合、そのカードは統率領域に残る。
400.5. ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にある、裏向きの束に含まれるオブジェクトについても同様である。それ以外の他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップあるいは反転しているかどうか、それについているオブジェクトが何かは全てのプレイヤーに明白でなければならない。
400.6. オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、どのイベントがそのオブジェクトを動かすのかを決定する。その移動先が公開領域で、オーナーがその領域でそのオブジェクトを見ることができるのであれば、オーナーはそれを見てその移動に影響する効果があるかどうかを確認する。移動先が戦場であれば、そのオブジェクトを見ることができる他のプレイヤーも同様に見る。その後、そのオブジェクトそのものからのものもそれ以外のものも含む、そのイベントに適用可能な置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、どの効果を適用するか、そしてその効果がどう機能するかを決める(同一のものが複数存在することによっても矛盾は発生する。例えば、複数の「破壊」効果が同時に発生する場合、お互いに矛盾する)。その後、そのイベントがそのオブジェクトを動かす。
例:《極上の大天使》は「あなたがゲームに敗北するなら、代わりに、極上の大天使を追放し、あなたのライフの総量はあなたの初期ライフ総量と等しい値になる。」という能力を持つ。呪文によってライフの総量が5点のプレイヤーと、そのプレイヤーがコントロールしている《極上の大天使》がそれぞれ5点のダメージを受けたとする。状況起因処理が行われる時点で、そのプレイヤーのライフの総量はそのプレイヤーの初期ライフ総量 になり、そのプレイヤーは《極上の大天使》をオーナーの墓地に移動させるか追放するかを選ぶ。
400.7. ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、以前の状態の記憶を失い、以前の状態と関係のない新しいオブジェクト になる。このルールには9つの例外がある。
400.7a スタックにあるパーマネント呪文の特性やコントローラーを変更する、呪文や起動型能力や誘発型能力の効果は、その呪文であったパーマネントにも適用され続ける。
400.7b スタックにあるパーマネント呪文からのダメージに適用される軽減効果は、その呪文であったパーマネントからのダメージにも適用される。
400.7c パーマネントの能力は、その呪文を唱えるためにどのコストが支払われたか、それらのコストを支払うためにどのマナが使われたかなど、解決されてそのパーマネント になった呪文に関する情報を参照できる。
400.7d オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「怨恨が戦場から墓地に置かれたとき、」など)は、その誘発型能力が誘発した時に移動した先の領域が公開領域である場合、その領域においてそのオブジェクトから変わった新しいオブジェクトを見ることができる。
400.7e エンチャントされているパーマネントが戦場を離れたことによって誘発するオーラの能力は、それがエンチャントしていたパーマネントが戦場を離れるのと同時に墓地に置かれた場合、そのオーラがオーナーの墓地に置かれてなったオブジェクトを見つけることができる。また、そのオーラがパーマネントについていないことによる状況起因処理(rule 704.5m 参照)によってオーナーの墓地に置かれた場合にも、オーラがオーナーの墓地に置かれてなった新しいオブジェクトを見つけることができる。
400.7f 土地でないカードに、唱えられるようにする能力を得させる効果があった場合、その能力はそのカードが唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトにも適用され続ける。
400.7g 効果によって土地でないカードを唱えられる場合、その効果の他の部分はそのカードをその方法で唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトを参照できる。
400.7h 効果によってオブジェクトが公開領域に移動した場合、その効果の他の部分はそのオブジェクトを見つけることができる。呪文や能力のコストによってオブジェクトが公開領域に移動した場合、その呪文や能力の効果はそのオブジェクトを見つけることができる。
400.7i マッドネスの誘発型能力の解決後に(rule 702.35 参照)、その追放されたカードが唱えられることなく公開領域に移動した場合、捨てられたカードを参照する効果はそのオブジェクトを見つけることができる。
400.8. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。
400.9. 統率領域のオモテ向きのオブジェクトが裏向き になった場合、それは新しいオブジェクト になる。
400.10. 統率領域にあるオブジェクトが統率領域に置かれる場合、領域は移動しないが、新しく統率領域に置かれたのと同じように新しいオブジェクト になる。
400.11. そのゲームの領域のいずれにも存在しないオブジェクトはゲームの外部にあるという。ゲームの外部は領域ではない。
400.11a プレイヤーのサイドボードにあるカードは、ゲームの外部にある。rule 100.4 参照。
400.11b ゲームの外部にあるカードをゲーム内に持ち込む効果が存在する。それらのカードは、ゲームが終了するかオーナーがゲームから離れるかルールや効果がそれをゲームから取り除くかが起こるまでゲーム内に残る。
400.11c ゲームの外部にあるカードは、呪文や能力の影響を受けない。これの例外は、それらの記載された特性定義能力(rule 604.3 参照)と、それらのカードをゲーム内に持ち込む呪文や能力だけである。
400.12. プレイヤーにいずれかの領域に対して何かをさせる効果(「あなたの手札をあなたのライブラリーに加えて切り直す/Shuffle your hand into your library.」など)が存在する。その処理はその領域にあるすべてのカードに機能する。領域そのものは影響されない。
401.1. ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。
401.2. それぞれのライブラリーは、1つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーのカードを覗いたり、その順序を変化させてはならない。
401.3. プレイヤーはいつでも、任意のプレイヤーのライブラリーに残っているカードの枚数を数えることができる。
401.4. 何らかの効果が同時に複数枚のカードを同じライブラリーの特定の場所に置く場合、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置いたのかを公開しない。
401.5. プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイする、あるいはプレイヤー1人が自分のライブラリーの一番上のカードを見てもよいとする効果が存在する。呪文を唱えている間に一番上のカードが入れ替わった場合、その呪文が唱えられ終わる(rule 601.2i 参照)まで、新しいカードは公開されないし、見てはならない。これは能力の起動に関しても同じである。
401.6. 何らかの効果によってライブラリーの一番上のカードが公開されている状態でプレイしている場合、その特定のカードが一瞬であれ非公開 になった後で再び同じカードが公開されたとしても、新しいオブジェクトとなる。
401.7. 効果によってプレイヤーがカードをライブラリーの「一番上からN枚目/Nth from the top」に置く場合、そのライブラリーにN枚のカードがなかった場合、そのプレイヤーはそのカードをそのライブラリーの一番下に置く。
402.1. 手札は、プレイヤーが引いたカードを持っておく場所である。他の効果によってカードが手札に戻されることもある。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは通常7枚である初期手札枚数分のカードを引く。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。
402.2. それぞれのプレイヤーに手札の上限が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップ の間に、手札の上限を越える分のカードを捨てなければならない。
402.3. プレイヤーはその手札を便利なように並べることができ、いつでも見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、いつでもその枚数を数えることはできる。
403.1. プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは戦場である。戦場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールしているパーマネントは、通常、そのプレイヤーの目の前の戦場に置かれるが、(他のプレイヤーのパーマネントについたオーラなどの)特定の場合には、他のプレイヤーにより近いところに置かれることがある。
403.2. カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は戦場にのみ影響を及ぼし、また、戦場にあるものだけを考慮する。
403.3. パーマネントは戦場にのみ存在する。戦場に存在するオブジェクトはパーマネントである。rule 110〔パーマネント〕参照。
403.4. パーマネントが戦場に出たとき、それは新しいオブジェクトとなり、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは rule 400.7 に記された例外を除いて無関係である。(これは他の領域に移動するオブジェクトについて言える。)
403.5. かつて、戦場は「場/in-play」領域と呼ばれていた。カードに「場にある/in play」「場から/from play」「場に/into play」などの表現で書かれている場合、戦場を参照する。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
404.1. プレイヤーの墓地とは、そのプレイヤーの捨て札の束である。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタント・呪文やソーサリー・呪文はオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。
404.2. それぞれの墓地は、1つの、オモテ向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。認定イベントに適用される追加のルールによって、プレイヤーは墓地にあるカードの順番を変えてもよいとされることがある。
404.3. 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決めてもよい。
405.1. 呪文が唱えられたら、物理的にスタックに積まれる(rule 601.2a 参照)。能力が起動され、あるいは誘発したら、カードによって表されてはいないけれども、その能力がスタックの一番上に置かれる。rule 602.2a、rule 603.3 参照。
405.2. スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる。
405.3. 何らかの効果によって複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているものが最初に積まれ、それからAPNAP順(rule 101.4 参照)で他のプレイヤーのオブジェクトがスタックに積まれる。1人のプレイヤーが複数のオブジェクトをコントロールしている場合、そのプレイヤーが自分のオブジェクトをスタックに積む順番を決める。
405.4. 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文のコントローラーは、それを唱えたプレイヤーである。起動型能力のコントローラーは、それを起動したプレイヤーである。遅延誘発型能力以外の誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
405.5. 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。
405.6. ゲーム中に発生する出来事の中で、スタックを用いないものがある。
405.6a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果によって遅延誘発型能力も作られることがあるが、それらは誘発した時にスタックに積まれる。(rule 603.7 参照。)
405.6b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない(rule 604〔常在型能力の扱い〕参照)。これには、「[このオブジェクト]は赤である。/[this object] is red」といった特性定義能力(rule 604.3 参照)を含む。
405.6c マナ能力は即座に解決される。マナ能力にマナを出す以外の効果がある場合、マナが出て、即座に他の効果も起こる。プレイヤーがマナ能力を起動する前に優先権を持っていた場合、その解決後に優先権を得る。(rule 605〔マナ能力〕参照。)
405.6d 特別な処理はスタックを用いない。それらは即座に発生する。rule 116〔特別な処理〕参照。
405.6e ターン起因処理はスタックを用いない。それらは特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される(rule 117.3a 参照)。ターン起因処理は、各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生する。その後でプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703 参照。
405.6f 状況起因処理はスタックを用いない。それらは、特定の条件を満たしているなら発生する。rule 704 参照。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される。rule 117.5 参照。
405.6g プレイヤーはいつでもゲームに投了できる。そのプレイヤーは即座にゲームから離れる。rule 104.3a 参照。
405.6h 多人数戦においてプレイヤーがゲームから離れた場合、オブジェクトはその結果としてゲームから離れたり消滅したりコントロールが変わったり追放されたりする。これらの処理は即座に発生する。rule 800.4a 参照。
406.1. 追放 領域はオブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文や能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文や能力もある。
406.2. オブジェクトを追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域に動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域に動かされたカードのことである。
406.3. 追放されたカードは通常オモテ向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きで追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。ただし、プレイヤーが裏向きで追放されているカードを見ることができることになったら、そのカードが追放され続けている限り、見ることができるとする効果が終わったあとでも見ることができる。
406.3a 裏向きで追放されているカードは特性を持たないが、追放した呪文や能力の中にはそのカードを追放 領域からプレイできるものがある。カードが裏向きで唱えられる(rule 708.4 参照)のでない限り、そのカードをプレイする(rule 601.2 参照)と宣言する直前にそのカードはオモテ向き になる。
406.3b 呪文や能力の中には、プレイヤーが追放 領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えられるようにするものがある。プレイヤーがその種の呪文を唱えられるのは、追放 領域にあるその裏向きのカードを見ることができて、かつ結果の呪文がその特定の性質を持つ場合だけである。
406.4. 追放 領域にある裏向きのカードは、いつどのように追放されたかによって別々の束に置かれるべきである。プレイヤーが追放されているカードを選ぶよう指示された場合、そのプレイヤーは、カードのオモテを見ることができる場合にのみ特定の裏向きのカードを選ぶことができる。そうでなければ、裏向きで追放されているカードの束1つを選び、その束から無作為にカード1枚を選ぶことになる。こうしてカードを選ぶことが呪文を唱えることや能力を起動することの一部だった場合、その選ばれたカードはそのコストが支払い終わるまで公開されない(rule 601.2i 参照)。
406.5. 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカードの能力によってゲームに影響を及ぼしうるものも、同様に別々の束にして置かれるべきである。
406.6. カードを追放する能力と、「追放されているカード/exiled card」あるいは「[オブジェクト]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つ目の能力は、その1つ目の能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
406.7. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクト になる。
406.8. かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[オブジェクトを]ゲームから取り除く/removes [an object] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクトを追放する。「[オブジェクトを]脇に置く/sets [an object] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
407.1. マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他の規則で禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)の下では厳しく禁止されている。
407.2. アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ 領域に置く。アンティ 領域にあるカードは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者はアンティ 領域にあるカード全ての所有権を得る。
407.3. 「アンティを賭けてプレイしていないなら、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [this card] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードだけが、アンティ 領域にカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりすることができる。プレイヤーがアンティを賭けてプレイしていないときは、これらのカードはデッキにもサイドボードにも入れることはできず、ゲーム外からゲーム内に持ってくることもできない。
407.4. オブジェクトをアンティするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ 領域に移すことである。オブジェクトのオーナーだけがそのオブジェクトをアンティすることができる。
408.1. 統率領域は、特別に定められた、ゲーム全体に影響を及ぼす効果を持つオブジェクトだけが置かれるゲームの場所である。それらのオブジェクトはパーマネントではなく、破壊されることもない。
408.2. 紋章は統率領域に生成されうる。rule 114〔紋章〕参照。
408.3. プレインチェイス戦、ヴァンガード戦、統率者戦、アーチエネミー戦、コンスピラシー・ドラフトの各カジュアル変種ルールにおいて、定形外のマジックのカード、あるいは特に指定されたカードを統率領域に置いた状態でゲームを始める。それらの変種ルールにはそれらのカードに関するルールがそれぞれ存在する。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
500.1. ターンは順に「開始/beginning」「戦闘前メイン/precombat main」「戦闘/combat」「戦闘後メイン/postcombat main」「終了/ending」の5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、終了の各フェイズはさらにステップに細分化され、順番に処理される。
500.2. プレイヤーが優先権を得るフェイズやステップは、スタックが空で、かつ全てのプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。スタックが空になったことでフェイズやステップが終わるわけではない。スタックが空の状態で、全てのプレイヤーが続けてパスしなければならない。従って、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会がある。
500.3. プレイヤーが優先権を得ないステップは、そのステップに行うことになっている全ての処理が終わったときに終了する。この種のステップは、アンタップ・ステップ(rule 502 参照)とクリンナップ・ステップ(rule 514 参照)だけである。
500.4. ステップやフェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。このターン起因処理はスタックを用いない。
500.5. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」続く予定だった効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」続く予定だった効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで/until end of combat」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップの開始時ではない。「ターン終了時まで/until end of turn」続く効果は、特別なルールが適用される。rule 514.2 参照。
500.6. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力が誘発する。それらは、次にプレイヤーが優先権を得る時点でスタックに積まれる(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
500.7. 効果によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを指定されたターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加のターンを得た場合、そのターンは1つずつ追加される。複数のプレイヤーが追加のターンを得る場合、そのターンはAPNAP順で(rule 101.4 参照)1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。
500.8. 効果によって、ターンの間に フェイズが追加されることがある。特定のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に追加される場合、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。
500.9. 効果によって、フェイズ の間に ステップが追加されることがある。特定のステップのすぐ後に(あるいは特定のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に追加される場合、一番最後に作られたステップが最初に処理される。
500.10. 効果によって、ステップ、フェイズ、ターンが飛ばされることがある。ステップ、フェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 614.10 参照。
500.11. ターン間、フェイズ間、ステップ間にはゲームのイベントは起こらない。
501.1. 開始フェイズは順に「アンタップ/untap」「アップキープ/upkeep」「ドロー/draw」の3つのステップからなる。
502.1. まず、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのフェイズ・イン状態のパーマネントはフェイズ・アウトするとともに、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウトしている全てのパーマネントがフェイズ・インする。これらはすべて同時に発生する。このターン起因処理はスタックを用いない。rule 702.26〔フェイジング〕参照。
502.2. 次に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしているパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの処理はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーのパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーがコントロールしているパーマネントのアンタップが妨げられることがある。
502.3. アンタップ・ステップ の間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文が唱えられることも解決されることもなく、能力が起動されることも解決されることもない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤーが優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。rule 503〔アップキープ・ステップ〕参照。
503.1. アップキープ・ステップにはターン起因処理は存在しない。アップキープが始まると、アクティブ・プレイヤーは優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
503.1a そのアンタップ・ステップ の間に 誘発した能力と、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)
503.2. 「[プレイヤーの]アップキープ・ステップの後にのみ/after [a player's] upkeep step」唱えられる呪文は、そのターンに複数のアップキープ・ステップがある場合、1つ目のアップキープ・ステップが終わっていればいつでも唱えることができる。
504.1. まず、アクティブ・プレイヤーはカード1枚を引く。このターン起因処理はスタックを用いない。
504.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
505.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。第1メイン・フェイズ(「戦闘前メイン・フェイズ/precombat main phase」)と第2メイン・フェイズ(「戦闘後メイン・フェイズ/postcombat main phase」)は、戦闘フェイズ(rule 506〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られている。戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ/main phase」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ばれることもある。
505.1a ターンの一番最初のメイン・フェイズだけが戦闘前メイン・フェイズであり、それ以外のメイン・フェイズは戦闘後メイン・フェイズである。戦闘フェイズを飛ばしたあとの2つ目のメイン・フェイズや、ターンに追加の戦闘フェイズと追加のメイン・フェイズを得させるような効果によって得られたメイン・フェイズも戦闘後メイン・フェイズである。
505.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに全てのプレイヤーが続けてパスしたときにメイン・フェイズが終了する。(rule 500.2 参照。)
505.3. アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、アクティブ・プレイヤーが魔王である場合、そのフェイズが戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分の計略 デッキの一番上のカードを実行中にする(rule 701.25 参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.4. 次に、アクティブ・プレイヤーが1つ以上の英雄譚・エンチャントをコントロールしていて、今がアクティブ・プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分のコントロールしている英雄譚の上に伝承カウンターをそれぞれ1個置く。(rule 715〔英雄譚・カード〕参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.5. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
505.5a 通常、メイン・フェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト・呪文、クリーチャー・呪文、エンチャント・呪文、プレインズウォーカー・呪文、ソーサリー・呪文を唱えられる。アクティブ・プレイヤーがこれらの呪文を唱えられる。
505.5b メイン・フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは、スタックが空であり、自分が優先権を持ち、そしてまだこのターンに土地をプレイしていないときに限り(効果によって追加の土地がプレイできる場合を除く)、土地・カード1枚を手札からプレイすることができる。(rule 305〔土地〕参照。)この処理はスタックを用いない。この土地も土地をプレイする処理も、呪文や能力ではないので、この処理は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
506.1. 戦闘フェイズは順に「戦闘開始/beginning of combat」「攻撃クリーチャー指定/declare attackers」「ブロック・クリーチャー指定/declare blockers」「戦闘ダメージ/combat damage」「戦闘終了/end of combat」の5つのステップからなる。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、攻撃クリーチャーが1体も指定されず、攻撃している状態で戦場に出る(rule 508.8 参照)こともなかった場合には飛ばされる。攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 702.7 参照)か二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っている場合、戦闘ダメージ・ステップは2つ存在する。
506.2. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは攻撃 プレイヤーである。そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは攻撃できる。2人対戦の戦闘フェイズの間、非アクティブ・プレイヤーは防御プレイヤーである。そのプレイヤーとそれがコントロールしているプレインズウォーカーは攻撃されることができる。
506.2a 多人数戦の戦闘フェイズの間、使っている変種ルールや選択ルールによって、1人またはそれ以上の防御プレイヤーが存在する。攻撃 プレイヤーの対戦相手すべてが戦闘フェイズの間自動的に防御プレイヤー になるのでない限り、攻撃 プレイヤーは対戦相手の1人を戦闘開始ステップのターン起因処理として選ぶ。(この選択は用いられている変種ルールや選択ルールに影響される。)そのプレイヤーは、防御プレイヤーとなる。rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕、rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕、rule 809〔「皇帝戦」変種ルール〕参照。
506.2b 共有チーム・ターン選択ルールを用いる多人数戦では、アクティブ・チームが攻撃チームとなり、非アクティブ・チームが防御チームとなる。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
506.3. クリーチャーだけが攻撃したりブロックしたりできる。プレイヤーやプレインズウォーカーにだけ攻撃できる。
506.3a 何らかの効果によってクリーチャーでないパーマネントが攻撃またはブロックしている状態で戦場に出る場合、そのパーマネントは戦場に出るが、攻撃したりブロックしたりしているパーマネントとしては扱われない。
506.3b 何らかの効果によってクリーチャーが攻撃 プレイヤーでないプレイヤーのコントロール下で攻撃している状態で戦場に出る場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。
506.3c 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのゲームに存在しないプレイヤーまたは既に戦場に存在していないプレインズウォーカーを攻撃している状態で戦場に出る場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。
506.3d 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのクリーチャーのコントローラーにもそのコントロールしているプレインズウォーカーにも攻撃していないクリーチャーをブロックしている状態で戦場に出る場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。
506.4. パーマネントは、戦場を離れたり、コントローラーが変わったり、フェイズ・アウトしたり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれたり、攻撃されているプレインズウォーカーであればプレインズウォーカーでなくなったり、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーであれば再生(rule 701.15 参照)したりクリーチャーでなくなったりしたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除かれたクリーチャーは、攻撃クリーチャーでも、ブロック・クリーチャーでも、ブロックされているクリーチャーでも、ブロックされていないクリーチャーでもなくなる。プレインズウォーカーを戦闘から取り除くと、攻撃されているプレインズウォーカーではなくなる。
506.4a 一旦クリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして指定されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力は、そのクリーチャーを戦闘から取り除かない。
506.4b すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことも戦闘ダメージを軽減することもできない。
506.4c クリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃している場合、そのプレインズウォーカーを戦闘から取り除いても、クリーチャーは戦闘から取り除かれず、攻撃クリーチャーであり続ける。しかし、プレイヤーもプレインズウォーカーも攻撃していない。ブロックされることは可能であるが、ブロックされなかった場合そのクリーチャーが戦闘ダメージを与えることはない。
506.4d ブロック・クリーチャーでもあり、攻撃されているプレインズウォーカーでもあったパーマネントが、クリーチャーでもプレインズウォーカーでもなくなった場合、そのパーマネントは戦闘から取り除かれる。どちらか一方だけを失った場合、ブロック・クリーチャーか、または攻撃されているプレインズウォーカーのどちらか該当する方であり続ける。
506.5. ある攻撃クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけが攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独で攻撃する/attack alone」と言う。クリーチャー1体だけが攻撃している場合、「単独で攻撃している/attacking alone」と言う。あるブロック・クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけがブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独でブロックする/block alone」という。クリーチャー1体だけがブロックしている場合、それを「単独でブロックしている/blocking alone」と言う。
506.6. 呪文の中に、「[戦闘のある時点][前/後]にのみ/only [before/after] [a particular point in the combat phase],」唱えることができるというものがある。戦闘のある時点とは、「攻撃クリーチャー指定」「ブロック・クリーチャー指定」「戦闘ダメージ・ステップ」「戦闘終了ステップ」「戦闘フェイズ」「戦闘」が含まれる。
506.6a 「攻撃クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、攻撃クリーチャー指定のターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際に攻撃クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、攻撃クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 508 参照)。
506.6b 「ブロック・クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、ブロック・クリーチャー指定のターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際にブロック・クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、ブロック・クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 509 参照)。
506.6c rule 506.6 の区分に加え、「戦闘中/during combat」、「あるプレイヤーの戦闘フェイズ中/during a certain player's combat phase」にのみ唱えることができるという呪文が存在する。ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、この種の呪文はそのいずれかの戦闘フェイズ中の該当する時期にのみ唱えることができる。
506.6d 「[戦闘のある時点][前/後]にのみ」唱えることができる呪文の中で、rule 506.6c で示した追加の区分に含まれないものについては、ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、最初の戦闘フェイズの該当する時点を参照し、その前(後)にのみ唱えることができる。
506.6e 「[戦闘のある時点]前にのみ」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズでブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップが飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合(rule 508.8 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの終了までの間にのみ唱えることができる。該当する戦闘フェイズが飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合、その呪文は戦闘前メイン・フェイズの終了前にのみ唱えることができる。
506.6f 「戦闘の間で、なおかつブロック・クリーチャー指定の後にのみ/only during combat after blockers are declared,」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズでブロック・クリーチャー指定ステップが飛ばされている場合(rule 508.8 参照)、その戦闘フェイズの間、唱えることができない。
506.6g rule 506.6 ならびに rule 506.6a-f は、戦闘に関する該当する時点でのみ起動することができると書かれている能力にも、戦闘に関する該当する時点でのみ唱えることができると書かれている呪文と同じように適用される。
507.1. 最初に、アクティブ・プレイヤーの対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤー になるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。このターン起因処理はスタックを用いない。(rule 506.2 参照。)
507.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
508.1. まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。攻撃クリーチャーを指定するには、アクティブ・プレイヤーは次の手順を踏む。攻撃クリーチャーの指定中のどこかの時点でアクティブ・プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照。)
508.1a アクティブ・プレイヤーは、どのクリーチャーが攻撃するかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならず、また、速攻を持っているか、あるいはそのターンの開始時からアクティブ・プレイヤーが継続してコントロールしているのでなければならない。
508.1b 防御プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしているか、ゲームのルールによって複数のプレイヤーに攻撃することが認められている場合、アクティブ・プレイヤーは、それぞれのクリーチャーがどのプレイヤーまたはプレインズウォーカーを攻撃するのか指定する。
508.1c アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーでは攻撃できない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーでは攻撃できないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、それぞれに「[このクリーチャー]は単独では攻撃できない。」という制限があった場合、その両方を攻撃クリーチャーとして指定することは適正である。
508.1d アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーは可能なら攻撃する、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーで攻撃するという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、攻撃クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーがコストを支払わなければ攻撃できない場合、そのクリーチャーで攻撃することによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコストを支払うことは求められない。 あるターンに可能なら攻撃するという強制が複数の戦闘フェイズを含むターンを指していた場合、そのクリーチャーはそのターンのそれぞれの攻撃クリーチャー指定ステップに可能なら攻撃する。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、一方には「可能なら攻撃する。」という能力があり、他方にはそういう能力はない。「各ターン、2体以上のクリーチャーでは攻撃できない。」という効果が存在する場合、適正な攻撃は「可能なら攻撃する」クリーチャーだけが攻撃することだけである。他方のクリーチャーだけで攻撃する、あるいは両クリーチャーで攻撃する、あるいはどちらも攻撃しない、といった選択は不正である。
508.1e クリーチャーの中にバンドや「他の〜とのバンド」能力を持っているクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは各クリーチャーがどうバンドを組んでいるのかを宣言する。(rule 702.22〔バンド〕参照。)
508.1f アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップするのはコストではない。攻撃によって単にタップ状態 になるだけである。
508.1g 選んだクリーチャーで攻撃するための選択的コストが存在する場合(クリーチャーが攻撃するに「際し/as」支払ってもよい、と書かれている)、アクティブ・プレイヤーはどれを支払うか支払わないかを選ぶ。
508.1h 攻撃に参加するためにコストの支払いが必要、あるいは選択的コストを支払うことを選んだクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。
508.1i コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る(rule 605〔マナ能力〕参照)。
508.1j 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。
508.1k 選ばれたクリーチャーがなおアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャー になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。
508.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
508.2a クリーチャーが攻撃することによって誘発する能力は、そのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された時点でのみ誘発する。クリーチャーが攻撃した後、そのクリーチャーの特性が変化してその能力の誘発条件を満たした場合には誘発しない。
例:「緑のクリーチャーが1体攻撃するたび、次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを破壊する。」という能力を持つパーマネントがある場合、青のクリーチャーが攻撃した後で緑になったとしても、この能力は誘発しない。
508.2b 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発した能力と、rule 508.1 で定められた手順の間に 誘発した能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。
508.3. 攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。
508.3a 「[クリーチャー]が攻撃するたび、/Whenever [a creature] attacks,」という能力は、そのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。同様に、「[クリーチャー]が[プレイヤーまたはプレインズウォーカー]を攻撃するたび、/Whenever [a creature] attacks [a player or planeswalker],」という能力は、そのクリーチャーがそのプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。この種の能力は、クリーチャーが攻撃している状態で戦場に出た場合には誘発しない。
508.3b 「[プレイヤーまたはプレインズウォーカー]が攻撃されるたび、/Whenever [a player or planeswalker] is attacked,」という能力は、1体以上のクリーチャーがそのプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃する攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。クリーチャーが、そのプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃している状態で戦場に出た場合には誘発しない。
508.3c 「[プレイヤー]が[クリーチャー]で攻撃するたび、/Whenever [a player] attacks with [a creature],」という能力は、そのプレイヤーがコントロールしているそのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定された場合に誘発する。
508.3d 「[クリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [a creature] attacks and isn’t blocked,」という能力は、攻撃クリーチャー指定ステップではなく、ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に 誘発する。rule 509.5g 参照。
508.4. クリーチャーが攻撃している状態で戦場に出る場合、そのコントローラーは、そのクリーチャーが戦場に出るに際してどの防御プレイヤーあるいは防御プレイヤーがコントロールしているどのプレインズウォーカーを攻撃するのかを(戦場に出した効果が特定していないかぎり)選択する。同様に、効果によってクリーチャーが攻撃している状態になるという場合、それのコントローラーはどの防御プレイヤーあるいは防御プレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃している状態になるのかを(その効果が特定していないかぎり)選択する。それらのクリーチャーは「攻撃している/attacking」が、誘発イベントや効果に関しては「攻撃した/attacked」ものとしては扱わない。
508.4a 何らかの効果によってクリーチャーがある特定のプレイヤーを攻撃している状態で戦場に出る場合、そのプレイヤーがその効果の解決時に既にゲームにいなければ、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱わない。何らかの効果によってクリーチャーがあるプレインズウォーカーを攻撃している状態で戦場に出る場合で、そのプレインズウォーカーがその効果の解決時に既に戦場にいない場合にも同様である。
508.4b クリーチャーが攻撃している状態になるという効果が攻撃先として特定のプレイヤーを指定している場合、そのプレイヤーがその効果の解決時に既にゲームに存在しなかったなら、そのクリーチャーは攻撃クリーチャーにはならない。クリーチャーが特定のプレインズウォーカーを攻撃している状態になる効果で、その効果の解決時にそのプレインズウォーカーが既に戦場 にない場合や既にプレインズウォーカーでない場合も同様である。
508.4c 攻撃している状態で戦場に出る、あるいは攻撃している状態になる効果の影響を受けるクリーチャーは、その攻撃クリーチャー指定に関する強制や制限の影響を受けない。
508.5. 攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーが攻撃しているプレイヤー、あるいはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーのコントローラーを参照する。そのクリーチャーがすでに攻撃していない場合、参照している防御プレイヤーは、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレイヤーや、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラーである。
508.5a 多人数戦において、「防御プレイヤー/defending player」を参照するルールやオブジェクトあるいは効果は、防御プレイヤー全員ではなく、特定の防御プレイヤー1人を参照する。複数の攻撃クリーチャーに適用される呪文や能力である場合、該当する防御プレイヤーはそれぞれの攻撃クリーチャーごとに別々に決定される。複数の防御プレイヤーが選びうる場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
508.6. プレイヤーは、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーをコントロールしている場合、「攻撃[プレイヤー]/attacking [a player]」となる。他のプレイヤーを攻撃する1体以上の攻撃クリーチャーを指定した場合、そのプレイヤーは「[他のプレイヤー]を攻撃した/has attacked [a player]」状態になる。
508.7. クリーチャーが攻撃しているプレイヤーやプレインズウォーカーをプレイヤーに選び直させることを認めるカードが1枚(《門の魔道士》)存在する。
508.7a その攻撃クリーチャーは戦闘から取り除かれることはなく、2回攻撃したものとしては扱わない。そのクリーチャーは選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃しているが、攻撃クリーチャーとして宣言されるに際して選ばれたプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃したものとして扱われる。
508.7b クリーチャーが攻撃しているプレイヤーやプレインズウォーカーを選び直すに際しては、そのクリーチャーは攻撃クリーチャー宣言に適用される強制や制限の影響を受けない。
508.7c 選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーは、その攻撃クリーチャーのコントローラーの対戦相手またはその攻撃クリーチャーのコントローラーの対戦相手がコントロールしているプレインズウォーカーでなければならない。
508.7d 「複数への攻撃」選択ルール(rule 802 参照)を使っていない多人数戦においては、選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーは、選ばれた防御プレイヤーまたはそのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーでなければならない。
508.7e 「影響範囲限定」選択ルール(rule 801 参照)を使った多人数戦においては、選び直されたプレイヤーやプレインズウォーカーは、その攻撃クリーチャーのコントローラーの影響範囲内に存在しなければならない。
508.8. 攻撃クリーチャーが指定されず、攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーもなかった場合、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。
509.1. まず、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。ブロック・クリーチャーを指定するために、防御プレイヤーは以下の手順を踏む。ブロック・クリーチャーの指定中のどこかの時点で防御プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照。)
509.1a 防御プレイヤーは、どのクリーチャーがブロックするかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならない。選択したクリーチャーのそれぞれについて、防御プレイヤーは、ブロック先として自分またはそのコントロールしているプレインズウォーカー1体を攻撃してきているクリーチャー1体を選ぶ。
509.1b 防御プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーではブロックできない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーではブロックできないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
この制限は回避能力(攻撃クリーチャーの持つ、ブロックされうる相手を制限する常在型能力)によって作られることがある。適正なブロックが指定された後で攻撃クリーチャーが回避能力を得たり失ったりしても、そのブロックは影響を受けない。異なる複数の回避能力がある場合、それらはそれぞれに有効である。
例:攻撃クリーチャーが飛行とシャドーを持っていた場合、飛行を持っていてシャドーを持っていないクリーチャーはそれをブロックできない。
509.1c 防御プレイヤーは、自分がコントロールしている各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーはブロックする、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーでブロックするという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、ブロック・クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーがコストを支払わなければブロックできない場合、そのクリーチャーでブロックすることによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコストを支払うことは求められない。あるターンに可能ならブロックするという強制が複数の戦闘フェイズを含むターンを指していた場合、そのクリーチャーはそのターンのそれぞれのブロック・クリーチャー指定ステップに可能ならブロックする。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、一方(クリーチャーA)には「可能ならブロックする。」という能力があり、他方(クリーチャーB)にはそういう能力はない。威迫を持つクリーチャーでそのプレイヤーを攻撃した場合、そのプレイヤーは両方のクリーチャーでブロックしなければならない。クリーチャーAだけでブロックすることは、威迫(その攻撃クリーチャーは2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない)による制限に違反する。クリーチャーBだけでブロックすることは、威迫による制限とクリーチャーAのブロック 強制に違反する。どちらのクリーチャーもブロックしないのは制限には違反しないが強制に違反する。
509.1d ブロックに参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいる場合、防御プレイヤーはブロックに参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。
509.1e コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る(rule 605〔マナ能力〕参照)。
509.1f 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。
509.1g 選ばれたクリーチャーがなお防御プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーはブロック・クリーチャー になる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それはブロック・クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。
509.1h ブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーが1体以上存在する攻撃クリーチャーは、「ブロックされているクリーチャー/blocked creature」になる。ブロック・クリーチャーが存在しないクリーチャーは「ブロックされていないクリーチャー/unblocked creature」になる。戦闘から取り除かれるか、何らかの効果によってブロックされている状態あるいはブロックされていない状態になるか、または戦闘フェイズが終わるまでそのままである。それをブロックしているクリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、ブロックされているクリーチャーはブロックされているままである。
509.1i ブロック・クリーチャーが指定されることによって誘発する能力が誘発する。rule 509.4 参照。
509.2. 次に、ブロックされている攻撃クリーチャーごとに、アクティブ・プレイヤーはそのクリーチャーをブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがそれをブロックしているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
例:《巨森を喰らうもの》は《ラノワールのエルフ》と《ルーン爪の熊》と《セラの天使》にブロックされている。《巨森を喰らうもの》のコントローラーは、《巨森を喰らうもの》のダメージ割り振り順を《セラの天使》→《ラノワールのエルフ》→《ルーン爪の熊》と宣言する。
509.2a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、ブロック・クリーチャーが戦闘から取り除かれたり、呪文や能力によってその攻撃クリーチャーをブロックするのを止めたりした場合、そのブロック・クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他のブロック・クリーチャーの順番は変更されない。
509.3. その後、ブロック・クリーチャーごとに、防御プレイヤーはそれがブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがそれにブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
509.3a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、攻撃クリーチャーが戦闘から取り除かれたり、呪文や能力によってそのブロック・クリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックするのを止めたりした場合、その攻撃クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他の攻撃クリーチャーの順番は変更されない。
509.4. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
509.4a ブロック・クリーチャーが指定されたことで誘発した能力や、rule 509.1-3 で示された手順の間に 誘発した能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。
509.5. ブロック・クリーチャーが指定されたことによって誘発する誘発型能力には様々な誘発条件が存在しうる。
509.5a 「[クリーチャー]がブロックするたび、/Whenever [a creature] blocks,」と書いてある能力は、複数のクリーチャーをブロックした場合でも、そのクリーチャーについては、1回の戦闘につき1回だけ、ブロック・クリーチャーとして指定されたときにのみ誘発する。また、この能力はそのクリーチャーが効果の結果としてブロック・クリーチャー になったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである(rule 509.1g 参照)。そのクリーチャーがブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。
509.5b 「[クリーチャー]がクリーチャー1体をブロックするたび、/Whenever [a creature] blocks a creature,」と書いてある能力は、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーとして指定されたときに誘発する。また、この能力はそのクリーチャーが効果の結果としてブロック・クリーチャー になったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである。そのクリーチャーがブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。
509.5c 「[クリーチャー]がブロックされた状態になるたび、/Whenever [a creature] becomes blocked,」と書いてある能力は、そのクリーチャーが複数のクリーチャーによってブロックされた場合でも1回の戦闘につき1回、少なくとも1体のブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。また、効果によってその攻撃クリーチャーがブロックされたり、クリーチャーがブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発するが、それはその戦闘においてそのクリーチャーがまだブロックされていない場合に限る。(rule 509.1h 参照)
509.5d 「[クリーチャー]がクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび/Whenever [a creature] becomes blocked by a creature」と書いてある能力は、そのクリーチャーをブロックするクリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。効果によってクリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックするときにも、そのブロック・クリーチャーがすでにその攻撃クリーチャーをブロックしていたのでない限り誘発する。また、クリーチャーがブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発する。クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた場合にはこの能力は誘発しない。
509.5e 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックする/されるようなブロック・クリーチャーが指定された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。
509.5f 特定の特性を持つクリーチャーがブロックしたときに誘発する能力は、そのクリーチャーがブロック・クリーチャーとして指定された、あるいは何らかの効果によってブロックした時点でその特性を持っていなければ誘発しない。特定の特性を持つクリーチャーがブロックされたときに誘発する能力は、そのクリーチャーがブロックされたクリーチャー になった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。クリーチャーが特定の特性を持つクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力は、後者のクリーチャーがブロック・クリーチャー になった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。これらの能力は、その後でクリーチャーの特性が変化して条件を満たすようになったとしてもそのときに誘発することはない。
例:「このクリーチャーが白のクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する。」という能力を持つクリーチャーがいた。このクリーチャーが黒のクリーチャーでブロックされたあと、そのクリーチャーを白に変えたとしてもこの能力は誘発しない。
509.5g 「[クリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [a creature] attacks and isn't blocked,」という能力は、そのクリーチャーのブロック・クリーチャーが1体も指定されなかった場合に誘発する。(例えば攻撃した状態で戦場に出たなどで)そのクリーチャーが攻撃クリーチャーとして指定されていなくても誘発する。ブロックされた後でブロック・クリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、誘発しない。
509.6. 呪文や能力によって戦場にいるクリーチャーが攻撃クリーチャーをブロックする場合、アクティブ・プレイヤーはそのブロック・クリーチャーの、その攻撃クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。その後、防御プレイヤーはその攻撃クリーチャーの、そのブロック・クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他の攻撃クリーチャーの位置は変わらない。これはブロック 効果の一部として行われる。
509.7. クリーチャーがブロックした状態で戦場に出る場合、(その効果によって何をブロックした状態で戦場に出るかが特定されていない限り)そのコントローラーはどの攻撃クリーチャーをブロックした状態で戦場に出るかアクティブ・プレイヤーはその新しいクリーチャーの、そのブロックされたクリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。この方法で戦場に出たクリーチャーは「ブロックしている/blocking」が、誘発イベントや効果の面では「ブロックした/blocked」としては扱わない。
例:《大蜘蛛》が《峡谷のミノタウルス》によってブロックされた。防御プレイヤーが《瞬間群葉》を唱え、《大蜘蛛》をブロックした状態で苗木・クリーチャー・トークンを生成した。《大蜘蛛》のコントローラーは、《大蜘蛛》のダメージ割り振り順を、まず苗木トークン、続いて《峡谷のミノタウルス》と宣言する。
509.7a 効果がクリーチャーを特定のクリーチャーをブロックしている状態で戦場に出す場合、その効果の解決時点でブロックするべきクリーチャーがすでに攻撃クリーチャーでなくなっていたなら、そのクリーチャーは戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。また、戦場に出るクリーチャーのコントローラーがその特定の攻撃クリーチャーから見た防御プレイヤーでなくなっていた場合にも同様である。
509.7b ブロックしている状態で戦場に出るクリーチャーは、そのブロック・クリーチャー指定に関する強制や制限の影響を受けない。
510.1. まず、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言し、次に防御プレイヤーは各ブロック・クリーチャーが戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言する。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りについては、次のルールに従う。
510.1a 各攻撃クリーチャーと各ブロック・クリーチャーは、それぞれ自分のパワーに等しいだけの戦闘ダメージを割り振る。0点以下のダメージを割り振ることになるクリーチャーは、戦闘ダメージをまったく割り振らない。
510.1b ブロックされていないクリーチャーは、その戦闘ダメージを攻撃している先のプレイヤーかプレインズウォーカーに割り振る。何も攻撃していない場合(たとえば、既に戦場を離れているプレインズウォーカーを攻撃していた場合)、戦闘ダメージを割り振らない。
510.1c ブロックされたクリーチャーは、戦闘ダメージをそれをブロックしているクリーチャーに割り振る。この時点でブロック・クリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャーが破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけがブロックしていた場合、そのクリーチャーは戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーがブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロックされたクリーチャーの戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に受けるダメージを変更する類の能力や効果は考慮しない。クリーチャーの致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に、防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、ターン終了時まで+3/+3の修整を得させる《巨大化》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は、5点のダメージすべてを《群れの護衛》に割り振ることしかできない。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に、防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、受けるダメージを4点軽減する《繕いの手》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。
例:攻撃クリーチャー《超大なベイロス》(7/7)のダメージ割り振り順は、既に2点のダメージを負っている《訓練されたアーモドン》(3/3)、《フォライアスの大部隊》(追加で1体のクリーチャーをブロックすることができる2/4クリーチャー)、《シルバーバック》(5/5)の順である。攻撃クリーチャー《ダークウッドの猪》(4/4)のダメージ割り振り順は、同一の《フォライアスの大部隊》、《ゴブリンの長槍使い》(2/1)の順である。他の可能性もあるが、アクティブ・プレイヤーは《超大なベイロス》からの戦闘ダメージを、《訓練されたアーモドン》に1点、《フォライアスの大部隊》に1点、《シルバーバック》に5点、そして《ダークウッドの猪》からの戦闘ダメージを、《フォライアスの大部隊》に3点、《ゴブリンの長槍使い》に1点、と割り振ることができる。
510.1d ブロック・クリーチャーは、戦闘ダメージをそれにブロックされているクリーチャーに割り振る。この時点でブロックされているクリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャーが破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけをブロックしていた場合、そのクリーチャーは戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーをブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロック・クリーチャーの戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロックされているクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に受けるダメージを変更する類の能力や効果は考慮しない。クリーチャーの致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。
510.1e プレイヤーが自分がコントロールしている攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーからの戦闘ダメージを割り振ったなら、(各個の攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーのダメージ割り振りではなく)そのダメージの割り振り全体が上記のルールに則っているかどうか確認される。則っていなければ、戦闘ダメージの割り振りは不適正であり、ゲームは戦闘ダメージ割り振りの直前に巻き戻される。(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。
510.2. 次に、割り振られている戦闘ダメージすべてを同時に受ける。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りから実際に受けるまでの間に、呪文を唱えたり能力を起動したりする機会は存在しない。
例:《戦隊の鷹》(飛行つき1/1クリーチャー)と《ゴブリンの長槍使い》(2/1クリーチャー)が攻撃している。防御プレイヤーは《モグの狂信者》(「モグの狂信者を生け贄に捧げる:クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。モグの狂信者はそれに1点のダメージを与える。」という能力を持つ1/1クリーチャー)で《ゴブリンの長槍使い》をブロックし、ブロック・クリーチャー指定ステップ の間に《モグの狂信者》を生け贄に捧げて《戦隊の鷹》に1点のダメージを与えた。《戦隊の鷹》は破壊され、《ゴブリンの長槍使い》はこのターン、戦闘ダメージを与えない。防御プレイヤーが《モグの狂信者》を生け贄に捧げずに戦場に残した場合、《モグの狂信者》と《ゴブリンの長槍使い》はお互いに致死ダメージを与え合うが、《戦隊の鷹》はダメージを受けない。
510.3. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
510.3a ダメージを受けたことによって誘発した能力や、その後に状況起因処理が行われている間に誘発した能力が、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る前に、それらの誘発した順番によらず、スタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。
510.4. 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃(rule 702.4)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったクリーチャーか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
511.1. 戦闘終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップが開始したら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
511.2. 「戦闘終了時に/At end of combat」誘発する能力が、戦闘終了ステップの開始に際して誘発する。「戦闘終了時まで/Until end of combat」残る効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅する。
511.3. 戦闘終了ステップが終わった瞬間に、すべてのクリーチャーやプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップの終了後、戦闘フェイズは終了し、戦闘後メイン・フェイズ(rule 505 参照)が始まる。
512.1. 終了フェイズは順に「終了/end」「クリンナップ/cleanup」の2つのステップからなる。
513.1. 終了ステップにはターン起因処理は存在しない。ステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)。
513.1a かつて、終了ステップの開始時に誘発する能力の誘発条件は「ターン終了時に/at end of turn」という表記が用いられていた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、「終了ステップの開始時に、」または「次の終了ステップの開始時に、」となっている。
513.2. 「終了ステップの開始時に」誘発する能力を持ったパーマネントがこのステップ の間に 戦場に出た場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。同様に、「次の終了ステップの開始時に」誘発する遅延誘発型能力がこのステップ の間に作られた場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。言い換えると、このステップは、それらの能力がスタックに積まれるように「巻き戻される」ことはない。このルールは誘発型能力にのみ適用される。「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」残る継続的効果には適用されない。(rule 514〔クリンナップ・ステップ〕参照。)
514.1. まず、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていた場合、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札を捨てる。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.2. 次に、以下の処理が同時に行われる。パーマネント(フェイズ・アウトしているパーマネントも含む)が負っているすべてのダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」の効果が終了する。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.3. 通常、クリンナップ・ステップ中にはプレイヤーは優先権を得ないので、呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。このルールには以下の例外が存在する。
514.3a この時点で、ゲームは、発生する状況起因処理が存在するか、また(「次のクリンナップ・ステップの開始時に/at the beginning of the next cleanup step」誘発するものを含む)スタックに積まれるのを待っている誘発型能力が存在するかどうかを確認する。もし存在したなら、まず状況起因処理が処理され、次に誘発型能力がスタックに積まれてからアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。スタックが空の状態ですべてのプレイヤーが続けてパスしたなら、再びクリンナップ・ステップが新しく始まる。
601.1. かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文の提示(rule 601.2a-d)と、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の順番で以下の手順を踏む。プレイヤーがこの手順を始めるには、その呪文を適正に唱えられる必要がある(rule 601.3 参照)。下記に列記されている手順の実行中にその手順で必要なことができなかったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が提示される直前の瞬間まで巻き戻される(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.2a 呪文を唱えることを提示する場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードのコピー)を元の領域からスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカードのコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。呪文は、解決されるか打ち消されるか、あるいはルールや効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
601.2b 呪文がモードを持つ場合、プレイヤーはモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋(rule 702.47 参照)したい場合、そのカードを手札から公開する。その呪文が、バイバックやキッカーと言った、代替コストや追加コスト(rule 118.8、rule 118.9 参照)を持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2f 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナ・コストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレイヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行う選択によってその呪文の文章中で定義されている場合、プレイヤーはその選択をこの時点で行う。その呪文を唱える間に支払うコストに混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文を唱える間に支払うコストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバックで呪文を唱えることを選んだ、変異つきクリーチャーを裏向きに唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。
601.2c プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤーやオブジェクトを選んで宣言する。代替コストや追加コスト(キッカー・コストなど)を支払ったとき、あるいは特定のモードを選んだときにのみ対象を取りうる呪文は、それ以外の場合には対象を取りえないものとして唱えられる。同様に、代替コストや追加コストが選択された場合にだけ他の対象を取りえることがある。呪文が可変の数の対象を取る場合、プレイヤーは対象を宣言する前にいくつの対象を取るのかを宣言する。対象の数が、呪文の文章によって定められていることがある。呪文の定める対象の数が決定されたら、その対象の数を決定するために参照された情報が変わったとしても、その数は変わらない。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個」」「[性質]や[別の性質]のうちM個」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のプレイヤーやオブジェクトを(条件を満たしているなら)それぞれで1回ずつ対象に取ることができる。あるオブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれなければならないという効果がある場合、対象を選ぶプレイヤーは、オブジェクトやプレイヤーを対象にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対象を選ぶ。選ばれたプレイヤーやオブジェクトはその呪文の対象となる。(それらが呪文の対象となったときに誘発する能力はこの時点で誘発する。この呪文が唱えられ終わるまで、その能力はスタックには積まれない。)
例:「クリーチャー2体を対象とする。それらをタップする。」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とする。それらを破壊する。」という能力があった場合、対象群は2つあるので、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。
601.2d 呪文によって、プレイヤーが1つ以上の対象を含む複数のオブジェクトやプレイヤーにダメージやカウンターなどの効果を分割したり分配したりするとき、そのプレイヤーは、選ばれたプレイヤーやオブジェクトそれぞれが最低限それを1つは受けるように、量と分割の仕方を選ぶ。
601.2e ゲームはその提示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。提示された呪文が不正だった場合、ゲームはその呪文を唱えることが提示される直前の瞬間に戻る(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.2f プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常、そのマナ・コストだけである。追加コストや代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストやコストの増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。複数のコスト減少が適用される場合、そのプレイヤーは任意の順番でそれらを適用する。コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。
601.2g 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会(rule 605〔マナ能力〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払う前に起動する必要がある。
601.2h プレイヤーはその総コストを支払う。まず、無作為の要素や非公開領域から公開領域にオブジェクトを動かすことを含まないすべてのコストを任意の順で支払う。その後、残りのすべてのコストを任意の順で支払う。一部分だけ支払うことは許されない。それらのうち支払うことのできないものを支払うことは選べない。
例:マナ・コストが{1}{B}でクリーチャー1体を生け贄に捧げる追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。ここで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。
601.2i rule 601.2a-h で示された手順が完了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更する効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積まれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。
601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはできない。呪文を提示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることを提示する直前の瞬間に戻る(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.3a 効果によって特定の性質を持つ呪文を唱えることが禁止されている場合も、プレイヤーが呪文を提示している間に行われる選択によってその呪文の性質が変わり、その効果が適用されなくなるなら、そのプレイヤーはその効果を無視してその呪文を唱え始めてもよい。
例:プレイヤーが「あなたの対戦相手はマナ総量が偶数のすべての呪文を唱えられない。(0は偶数である。)」の能力を持つ《虚空の選別者/Void Winnower》をコントロールしているとき、その対戦相手はマナ・コストが{X}{R}{R}である《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》を唱え始めることができる。これはXの値の選択によって、その呪文のマナ総量が奇数になることがありうるからである。
601.3b 効果によって特定の性質を持つ呪文を瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーは、その呪文の性質を変えうるような選択をその呪文を提示している間にすることを考えてもよい。それらの選択によって、その効果が適用されるようになるなら、そのプレイヤーはそれが瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めてもよい。
例:オーラ・呪文を瞬速を持つかのように 唱えてもよいという効果があり、手札に授与を持つクリーチャー・カードがある場合、授与 呪文の代替コストを選ぶことでその呪文はオーラ・呪文 になるので、瞬速を持つかのようにその呪文を唱え始めることは適正である。
601.3c 効果によって、プレイヤーが代替コストや追加コストを支払った場合に呪文を瞬速を持つかのように 唱えることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文が瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。
601.3d 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら、そのコントローラーは瞬速を持つかのように 唱え始めることができる。
601.3e ルールや効果が、カードやカードのコピーを唱えるのが適正かどうかを判断するのに代替の特性群あるいは特性群の一部だけを参照することがある。その判断のためには、代替の特性でそのオブジェクトの特性を置き換える。そのオブジェクトがそれらの特性を持つようになった場合に適用される継続的効果も考慮される。
例:《ガラクの大軍》には、「あなたのライブラリーの一番上からクリーチャー・呪文を唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《ガラクの大軍》をコントロールしていて、あなたのライブラリーの一番上のカードが変異を持っていてクリーチャーでないカードだった場合、あなたは変異 能力を用いてそれを唱えてもよい。
例:《イゼットの模範、メーレク》には、「あなたのライブラリーの一番上からインスタントやソーサリーである呪文を唱えてもよい。」という効果が存在する。あなたが《イゼットの模範、メーレク》をコントロールしていて、あなたのライブラリーの一番上にあるカードが《切り落とし》というインスタントの出来事を持つ当事者・クリーチャー・カードである《巨人落とし》だった場合、あなたは《切り落とし》を唱えることはできるが《巨人落とし》を唱えることはできない。あなたがコントロールしているカードが《イゼットの模範、メーレク》でなく《ガラクの大軍》でライブラリーの一番上のカードが《巨人落とし》だった場合、あなたは《巨人落とし》を唱えることはできるが《切り落とし》を唱えることはできない。
601.3f 効果の中に、プレイヤーが追放 領域にある裏向きのカードの中から特定の性質を持つ呪文を唱えられるようにするものがある。プレイヤーは、追放 領域にあるその裏向きのカードを見ることができる場合にのみその種の呪文を唱え始めることができる。
601.4. プレイヤーが、呪文の提示が終わったあとでその呪文を唱えることができない場合(rule 601.2a-d 参照)、その呪文を唱えることは不正であり、ゲームはその呪文を唱えることが提示される前の瞬間まで巻き戻る(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。その呪文のコストを決定して支払う間(rule 601.2f-h 参照)や、呪文や唱えられたあとに、ルールや効果がその呪文を唱えることを不正なものにしても関係ない。
601.5 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文のコントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。
601.5a 選択を行える対戦相手が複数いる場合、その呪文のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。
601.5b その呪文が唱えられるときに、そのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行う。これは rule 101.4 の例外である。
601.6. コストを変える呪文を唱えても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.1. 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。
602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動コストを支払わなければならない。
例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る。」という能力の起動コストは、任意のタイプのマナ2点に加えて、その能力を持つパーマネントをタップすることである。
602.1b 起動型能力のコロンの後に続く文章が、その能力を起動するときに従わなければならない説明を含んでいる場合がある。そのような文章は、誰が能力を起動できるかを指定したり、いつ能力を起動できるかを制限したり、起動コストの一部を定義したりしている。これらの文章は能力の効果の一部ではない。これは常に機能している。起動型能力の起動指示は、能力の効果の後、一番最後に書かれる。
602.1c 起動型能力だけが起動されうる能力である。能力の種類の特定なく「能力を起動する/activating an ability」ことについてオブジェクトやルールが参照していた場合、それは起動型能力のことを示す。
602.1d かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
602.2. 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに積み、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。能力を起動することは、以下の手順を踏む。能力を起動する途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その能力の起動は不正である。ゲームは能力を起動し始める前まで巻き戻される(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。
602.2a プレイヤーは、能力を起動することを宣言する。非公開領域から能力が起動された場合、その能力を持つカードを公開する。能力がカードでないオブジェクトとしてスタックに生成され、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそれを生成した能力の文章を持ち、他の特性を持たない。そのコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。能力は、打ち消されるか解決されるか、他の効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
602.2b これ以降の手順は、呪文を唱える手順として rule 601.2b-i に記されていたのと同じである。これらのルールは、呪文を唱えることに適用されたのと同じように能力を起動することに適用される。起動型能力の、(rule 601.2f で参照されている)呪文で言うマナ・コストにあたるものは、起動コストである。
602.3. 能力の中には、起動するときに通常そのコントローラーが行うこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行うように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその能力のコントローラーが通常行うのと同じタイミングでその選択を行う。
602.3a 選択を行える対戦相手が複数いる場合、その能力のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。
602.3b その能力が起動されるときにそのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、能力のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行う。これは rule 101.4 の例外である。
602.4. コストを変える能力を起動しても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.5. プレイヤーは、起動が禁止されている能力を起動し始めることはできない。
602.5a 起動コストにタップ・シンボル({T})またはアンタップ・シンボル({Q})を含む、クリーチャーの起動型能力は、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてそのクリーチャーをコントロールしていない限り起動できない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 702.10 参照)。
602.5b 起動型能力の使用に限定がある(例えば、「この能力は各ターンに1回しか起動できない。」)場合、その限定はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。
602.5c オブジェクトが他のオブジェクトから使用に限定のある起動型能力を得た場合、その限定はそのオブジェクトから得た能力だけに適用され、他の同一の能力には適用されない。
602.5d 「起動はソーサリーとしてのみ行う/Activate only as a sorcery」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してソーサリー・呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がソーサリーであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にソーサリー・カードを持っている必要はない。
602.5e 「起動はインスタントとしてのみ行う/Activate only as an instant」と書かれている起動型能力は、それを起動するに際してインスタント・呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がインスタントであるということではない。また、そのプレイヤーが実際にインスタント・カードを持っている必要はない。
602.5f 古いカードには、「この能力は、あなたが[インスタントやソーサリー]を唱えられるときのみ起動できる/Activate this ability only any time you could cast an [instant or sorcery]」と印刷されているものがある。これらのカードは、rule 602.5d または rule 602.5e の該当するテキストに合致するようにオラクルで訂正されている。
603.1. 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「[誘発条件またはイベント]とき/たび/時に, [効果] [指示(ある場合)]/When/Whenever/At [Trigger condition or event], [effect]. [Instructions (if any).]」という書式で書かれている。
603.1a 誘発型能力の効果の後に、その能力が対象に取れるものを制限していたり、打ち消されないことが記載されたりといった指示があることがある。この文章はその能力の効果の一部ではなく、その能力がスタックにある間に働く。
603.2. 誘発型能力は、ゲームのイベントやゲームの状況がその能力の誘発イベントを満たすたび、自動的に誘発する。能力はこの時点では何もしない。
603.2a 唱えられることも起動されることもないので、誘発型能力は呪文を唱えたり能力を起動したりできないときにも誘発する。能力を起動できないようにする効果は、誘発型能力には影響を及ぼさない。
603.2b フェイズやステップの開始時に、「開始時に/at the beginning of」誘発する能力がすべて誘発する。
603.2c 能力は、その誘発イベントが発生するたびに一度だけ誘発する。しかし、そのイベントが複数の出来事を含んでいる場合、複数回誘発することもある。
例:「土地が1つ戦場から墓地に置かれるたび/Whenever a land is put into a graveyard from the battlefield」という誘発条件の能力を持つパーマネントがあるときに、誰かがすべての土地を破壊する呪文を唱えた場合、その能力はその呪文の解決中に墓地に送られた土地の枚数とおなじ回数だけ誘発する。
603.2d 能力によって、誘発型能力が追加で誘発するという場合がある。この場合、単純にその種の能力が誘発したと決定するのではなく、それが何回誘発するべきかを決定し、それからその能力がその回数誘発する。その能力を誘発させるという効果がそれ自身を何度も引き起こすことはなく、その能力が何回誘発するかに影響を与える他の効果に適用されることもない。
603.2e 効果の中には、オブジェクトの誘発型能力に言及しているものがある。それらの効果は、そのオブジェクトが持つ誘発型能力だけを参照し、そのオブジェクトが持つ能力によって生成されうる遅延誘発型能力(rule 603.7 参照)は参照しない。
603.2f 「になる/becomes」という語を用いている誘発イベント(たとえば「ついた状態になる/becomes attached」「ブロックされた状態になる/becomes blocked」など)が存在する。これらはその示されたイベントが発生したときにのみ誘発する。すなわち、元々その状態であった場合に誘発することはないし、その状態であり続ける間は再び誘発することはない。「タップ状態 になる/becomes tapped」や「アンタップ状態 になる/becomes untapped」ときに誘発する能力は、パーマネントがその位相で戦場に出たときには誘発しない。
例:パーマネントが「タップ状態 になった」ときに誘発する能力は、戦場にあるパーマネントの位相がアンタップ状態からタップ状態 になった時にのみ誘発する。
603.2g 誘発型能力の誘発条件が満たされたときにその誘発型能力を持ったオブジェクトがすべてのプレイヤーに見える状態でなかった場合、その能力は誘発しない。
603.2h 能力は、その誘発イベントが実際に発生したときにのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによって誘発することはない。
例:ダメージを受けたことによって誘発する能力は、そのダメージが軽減された場合には誘発しない。
603.2i 誘発型能力には、「これは毎ターン1回しか行えない。/Do this only once each turn.」という記述があることがある。この能力は、その発生源のコントローラーがそのターンにその処理をまだしていない場合にのみ誘発する。
603.3. 能力が誘発すると、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、そのコントローラーはそれをスタックに積む。rule 117〔タイミングと優先権〕参照。その能力は、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。スタックにある誘発型能力は、それを作った能力の文章を持ち、それ以外の特性を持たない。能力は、打ち消されるか解決されるか、ルールによってスタックから取り除かれるか、あるいは効果によって他の領域に移動されるまでスタックにとどまる。
603.3a 遅延誘発型能力を除く誘発型能力は、誘発した時点でその発生源をコントロールしていたプレイヤーがコントローラーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
603.3b プレイヤーが最後に優先権を得たときよりも後で複数の能力が誘発した場合、それらの能力は2段階の工程を経てスタックに置かれる。まず、APNAP順で、各プレイヤーは自分がコントロールしていて誘発した能力のうち、誘発条件がそれ以外の能力が誘発したことでないすべての能力を、自分の選んだ順序でスタックに積む。(rule 101.4 参照。)次に、APNAP順で、各プレイヤーは自分がコントロールしていてまだ残っているすべての誘発した能力を自分の選んだ順序でスタックに積む。その後、状況起因処理をチェックして解決することを、発生しなくなるまで繰り返す。その後、この工程中に誘発した能力がスタックに積まれる。この工程を、新しい状況起因処理の発生も能力の誘発もしなくなるまで繰り返す。その後、該当するプレイヤーが優先権を得る。
603.3c 誘発型能力がモードを持つ場合、そのコントローラーはその能力をスタックに積む時点で選択するモードを宣言する。不適正なモード(適正な対象を選べないなど)を選ぶことはできない。モードが選ばれなかった場合、その能力はスタックから取り除かれる。(rule 700.2 参照。)
603.3d これ以降の手順は、呪文を唱える手順として rule 601.2c から rule 601.2d に記されていたのと同じである。誘発型能力がスタックに行くときに選択が必要で、その選択が適正に行えない場合、あるいはルールや継続的効果によって能力が不正になっている場合、能力は単にスタックから取り除かれる。
603.4. 誘発イベントのすぐ後に条件が記されている(最新の日本語版では、このルールに当てはまらない「if」は「なら」と翻訳されている)誘発型能力(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/時に、[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At [trigger event], if [condition], [effect]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは「"場合"のルール/"intervening 'if' clause" rule」と呼ばれる。(このルールは、テキスト内の他のところに「if」条件がある(日本語版の場合、「なら」と書かれている)誘発型能力には適用しないことに注意。)
例:《フェリダーの君主》は「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが40点以上である場合、あなたはこのゲームに勝利する。」という能力を持つ。このコントローラーのライフの総量は、そのプレイヤーのアップキープが始まる際にチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力は誘発しない。40点以上である場合、この能力は誘発し、スタックに積まれる。この能力の解決に際し、このプレイヤーのライフの総量は再びチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力はスタックから取り除かれ、効果を持たない。40点以上である場合、この能力は解決され、そのゲームはそのプレイヤーの勝ちになる。
603.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカード1枚を引いてもよい。」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる。選択は能力の解決時に行う。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」の部分は能力の解決時に処理される。
603.6. オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、効果のうちでそのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリーや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも同じである)。領域変更誘発の最も一般的な例には、戦場に出た時に誘発する能力と戦場を離れた時に誘発する能力とがある。
603.6a 戦場に出た時の能力は、パーマネントが戦場に出た時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が戦場に出たとき、…/When [this object] enters the battlefield,」、あるいは「[タイプ]が戦場に出るたび、…/Whenever a [type] enters the battlefield,」と書かれている。1つ以上のパーマネントを戦場に出すイベントのたびに、戦場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、戦場に出た時の誘発条件をチェックする。
603.6b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが戦場に出る瞬間にすぐ適用され(それより前には適用されない)、そのパーマネントが本来の特性で戦場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが戦場に出る前には適用しない。rule 603.6d 参照。
例:「すべての土地はクリーチャーである。」という効果の影響下で土地・カードがプレイされた場合、効果は土地・カードを戦場に出る瞬間にクリーチャーに変えるため、クリーチャーが戦場に出たときに誘発する能力を誘発させる。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う。」という効果の影響下で、戦場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが戦場に出た場合、効果は戦場に出る瞬間にその能力を失わせるため、戦場に出たときの誘発型能力は誘発しない。
603.6c 戦場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが戦場を離れた時、あるいはフェイズ・イン 位相のパーマネントがそのオーナーがゲームから離れたことによってゲームから離れた時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が戦場を離れたとき、…/When [this object] leaves the battlefield,」、あるいは「[何か]が戦場から墓地へ置かれるたび、…/Whenever a [something] is put into a graveyard from the battlefield,」と書かれている(rule 603.10 も参照)。カードが戦場を離れた時に何かしようとする能力は、そのカードが最初に行った領域のみをチェックする。カードが特定の領域に「いずこかから/from anywhere」置かれたことによって誘発する能力は、そのオブジェクトが戦場から移動したとしても、戦場を離れた時の能力としては扱わない。
603.6d いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield with」「[このパーマネント]が戦場に出るに際し…/As [this permanent] enters the battlefield」、「[このパーマネント]は…として戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield as」、「[このパーマネント]はタップ状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield tapped.」と書かれた文章を持つ。これらの文章は誘発型能力でなく常在型能力であり、その効果はそのパーマネントを戦場に出すイベントの一部として発生する。
603.6e オーラの中には、エンチャントしているパーマネントが戦場を離れたときに誘発する誘発型能力を持つものがある。これらの誘発型能力は、エンチャントされていたパーマネントが移動する先の領域でなるオブジェクトを見つけるだけでなく、そのオーラが状況起因処理がチェックされた後でオーナーの墓地に行った先でなるオブジェクトも見つける。rule 400.7 参照。
603.7. 効果によって、後で何かを行う遅延誘発型能力が作成されることがある。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、「〜とき/When」「〜たび/Whenever」「〜時/At」の3語のうちいずれかを含む。
603.7a 遅延誘発型能力は、呪文や他の能力の解決中に、あるいは置換効果の適用の結果、あるいはプレイヤーに何らかの処理を認める常在型能力の結果、作られる。実際に作られるまで、その直前に誘発イベントが起こっていたとしても、誘発することはない。その類のイベントによって、条件が決して満たされることがなくなることもありうる。
例:「このクリーチャーが戦場を離れたとき、」という一文を含む遅延誘発型能力が作られるより前に、そのクリーチャーが戦場を離れることがある。この場合、その遅延誘発型能力が誘発されることはない。
例:「このクリーチャーがアンタップ状態 になったとき、」という遅延誘発型能力が作られる前に、そのクリーチャーがアンタップされていたら、その能力は、そのクリーチャーが(一旦タップされてから)次にアンタップされるのを待つ。
603.7b 遅延誘発型能力は、「このターンの間/this turn」のような記された期限がない限り、次に誘発イベントが起こった時に一度だけ誘発する。その誘発イベントが複数同時に発生し、その能力に記された期限がなかった場合、その遅延誘発型能力のコントローラーが、どちらのイベントによって誘発するかを選ぶ。
603.7c あるオブジェクトに影響する遅延誘発型能力は、そのオブジェクトの特性が変化しても影響を及ぼす。しかし、そのオブジェクトがその領域を離れていた場合には影響を及ぼさない。(一旦領域を離れて再び戻ってきた場合にも、それは新しいオブジェクトであるので影響を受けない。rule 400.7 参照)
例:「次の終了ステップの開始時に、このクリーチャーを追放する。」という能力は、そのクリーチャーが次のターン終了ステップにはクリーチャーでなくなっていたとしてもそのパーマネントを追放する。しかし、それ以前に戦場を離れていた場合には何もしない。
603.7d 呪文が遅延誘発型能力を作った場合、その遅延誘発型能力の発生源はその呪文であり、コントローラーはその呪文の解決時のコントローラーである。
603.7e 起動型あるいは誘発型の能力が遅延誘発型能力を作った場合、その遅延誘発型能力の発生源は作った能力の発生源と同じであり、コントローラーは作る能力の解決時のコントローラーである。
603.7f 常在型能力による置換効果が遅延誘発型能力を作った場合、その遅延誘発型能力の発生源はその常在型能力を持つオブジェクトであり、コントローラーは置換効果を適用した時点でのそのオブジェクトのコントローラーである。
603.7g プレイヤーに何らかの処理を認め、そのプレイヤーがそうしたなら遅延誘発型能力を作る常在型能力が存在する場合、その遅延誘発型能力の発生源はその常在型能力を持つオブジェクトである。その遅延誘発型能力のコントローラーは、その処理が行われた時点でのそのオブジェクトのコントローラーである。
603.8. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、(プレイヤーがあるカード・タイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、)ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら即座に誘発し、次の機会にスタックに積まれる。これらの能力を状況誘発型能力と呼ぶ(状況誘発型能力は状況起因処理とは異なる)。状況誘発型能力は、その能力が解決されるか打ち消されるなどでスタックから取り除かれるまでは再び誘発することはないが、それ以降にその能力を持つオブジェクトがまだその領域に残っていてゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。
例:パーマネントの能力に「あなたの手札にカードが1枚もないたび、カード1枚を引く。」とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、スタックを離れるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「あなたの手札を捨てる。その後、同じ枚数のカードを引く。」という呪文を唱えた場合、その呪文の解決中にそのプレイヤーの手札が一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。
603.9. プレイヤーが負けたときに誘発すると明記されている誘発型能力が存在する。その種の能力は、理由を問わず、プレイヤーが負け、あるいは引き分け以外の理由でゲームから離れた時に誘発する。rule 104.3 参照。
603.10. 通常、そのイベントが誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行うのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。その時点で存在する継続的効果は、その誘発条件が何であるか、また、そのイベントに関与するオブジェクトが何であるかを決定するために用いられる。しかし、誘発型能力の中には、例外としてその能力が誘発するかどうかを決定するためにゲームがそれらの能力の存在とそのイベントの直前のオブジェクトの状態を用いて「直前の状態を見る」ものがある。その例外は以下の通りである。
603.10a 領域変更誘発の中には、直前の状態を見るものがある。戦場を離れたときの能力、カードが墓地を離れたときに誘発する能力、ならびに全てのプレイヤーが見ることができるオブジェクトが手札やライブラリーに移動したときに誘発する能力である。
例:2体のクリーチャーと、「クリーチャー1体が死亡するたび、あなたは1点のライフを得る。」という能力を持ったアーティファクトが戦場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する呪文を唱えた。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。
603.10b パーマネントがフェイズ・アウトしたときに誘発する能力は直前の状態を見る。
603.10c オブジェクトがはずれたときに誘発すると明記されている能力は直前の状態を見る。
603.10d プレイヤーがオブジェクトのコントロールを失ったときに誘発する能力は直前の状態を見る。
603.10e 呪文が打ち消されたときに誘発する能力は直前の状態を見る。
603.11. オブジェクトの中には、誘発型能力と関連した常在型能力を持つものがある。(rule 607〔関連している能力〕参照)。この類のオブジェクトでは、先に常在型能力、後に誘発型能力という順序で、両方の能力が一行に書かれている。まれに、誘発条件が能力の最初ではなく途中に書かれているオブジェクトもある。
例:「各ターン、最初に引いたカード1枚を公開する。この方法で基本 土地・カードを公開するたび、カード1枚を引く。」というのは、誘発型能力と関連した常在型能力である。
603.12. 呪文や能力の解決によって、プレイヤーに強制または任意で何らかの処理をさせ、そして「[プレイヤーが]そう[した/しなかった]とき/when [a player][does or doesn't]」または「これにより[○○した]とき/when [something happens] this way」処理する、という誘発型能力が作られることがある。これらの「再帰誘発型能力/reflexive triggered abiliy」は、作られた直後にチェックされ、それを作った呪文や能力の解決中に、すでにその条件を満たしていたかどうかを参照するという点を除いては遅延誘発型能力のルールに従う(rule 603.7 参照)。その誘発イベント(群)がその時間内に複数回発生していたなら、その再帰誘発型能力はその回数分誘発する。
例:《心臓貫きのマンティコア》には「心臓貫きのマンティコアが戦場に出たとき、あなたはこれでないクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしたとき、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。心臓貫きのマンティコアはそれに、その生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい点数のダメージを与える。」という能力がある。この再帰誘発型能力は、元の誘発型能力によって他のクリーチャーを生け贄に捧げていた場合にのみ誘発し、他の理由でクリーチャーを生け贄に捧げていたとして誘発しない。
604.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。通常の文で書かれており、単にそのままである。
604.2. 常在型能力は、継続的効果を発生する。その中の一部は軽減・置換効果である。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが戦場にあってその能力を持っている間、あるいはその能力を持つオブジェクトが該当する領域にある間、持続する。rule 113.6 参照。
604.3. 特性定義能力は、常在型能力の一種である。通常はそのオブジェクトのどこかに記載されている(例えばマナ・コスト、タイプ行、パワー/タフネス欄)特性値に関する情報を提供する。特性定義能力は、そのオブジェクトのどこか別の場所に記載されている情報に追加するかそれを上書きする。特性定義能力はすべての領域で機能する。また、ゲームの外部でもゲームの開始前にも機能する。
604.3a 以下の条件を全て満たす常在型能力は、特性定義能力である。(1)オブジェクトの色、サブタイプ、パワー、タフネスのいずれかを定義しているもの。(2)影響を受けるカードそのものに記載されているものか、トークンを生み出す効果によってトークンが得たものか、影響を受けるオブジェクトにコピー 効果や文章変更効果によって得ているもの。(3)他のオブジェクトの特性に直接は影響を及ぼさないもの。(4)オブジェクトがそれ自身に得させている能力ではないもの。(5)ある条件下でのみ特性値を定義するものでないもの。
604.4. オーラ、装備品、城砦の多くは、それがついているオブジェクトを修整する常在型能力を持つが、そのオブジェクトを対象に取らない。オーラ、装備品、城砦が別のオブジェクトに移された場合、その能力は元のオブジェクトへの適用を止め、新しいオブジェクトを修整するようになる。
604.5. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すことに関するものである。また、「[このオブジェクト]を唱えるための追加コストとして、[コスト]を支払う/As an additional cost to cast [this object], pay [cost]」「[このオブジェクト]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい/You may pay [cost] rather than pay [this object]'s mana cost,」「あなたは[このオブジェクト]をマナ・コストを支払わずに唱えてもよい/You may cast [this object] without paying its mana cost」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に機能する。
604.6. ある種の常在型能力は、カードが唱えられるあるいはプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[このカード]を[唱え/プレイし]てもよい/You may [cast/play] [this card]」「あなたは[このカード]を[唱えられ/プレイでき]ない/You can't [cast/play] [this card]」「[このカード]は …… にのみ[唱えられ/プレイでき]る/[Cast/Play] [this card] only ...」と書かれているものに限られる。
604.7. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でオブジェクトの最後の情報を使用できない。
605.1. 起動型能力の一部と誘発型能力の一部はマナ能力であり、特別なルールに従う。以下の2種類のどちらかに分類されるものだけがマナ能力である。他の効果を伴うかどうか、あるいはタイミングの限定がどうか(「起動はインスタントとしてのみ行う。/Activate only as an instant.」)は関係しない。
605.1a 以下のすべての条件を満たす起動型能力は、マナ能力である。対象を取りえないこと(rule 115.6 参照)、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えうること、忠誠度能力でないこと(rule 606〔忠誠度能力〕参照)。
605.1b 以下のすべての条件を満たす誘発型能力は、マナ能力である。対象を取りえないこと(rule 115.6 参照)、起動型マナ能力が起動または解決されること(rule 605.1a 参照)かマナがプレイヤーのマナ・プールに加えられることによって誘発すること、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えうること。
605.2. マナ能力は、ゲームの状況によってマナを生み出せない場合でもマナ能力である。
例:あるパーマネントに、「{T}:あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき{G}を加える。」という能力があるとする。この能力は、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのパーマネントがタップ状態であるときにもマナ能力である。
605.3. 起動型マナ能力を起動することは、以下の例外を除いて、他の起動型能力を起動することに関するルール(rule 602.2 参照)に従う。
605.3a プレイヤーは、優先権を持っている時、呪文を唱えている間または能力を起動している間でマナの支払いが必要になった時、あるいはルールや効果がマナの支払いを求めている時なら、呪文を唱えたり解決したり能力を起動したり解決したりしている途中であったとしても起動型マナ能力を起動することができる。
605.3b 起動型マナ能力はスタックに積まれないので、対象 にならず、打ち消されず、対応されることもない。そして、起動の直後に解決される。(rule 405.6c 参照)
605.4. 誘発型マナ能力は、以下の例外を除いて、他の誘発型能力に関するルール(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)に従う。
605.4a 誘発型マナ能力はスタックに積まれないので、対象 にならず、打ち消されず、対応されることもない。そして、誘発した直後に優先権を待たずに解決される。
例:「プレイヤーが土地をマナを出す目的でタップするたび、そのプレイヤーは、その土地から引き出された好きなタイプのマナ1点を加える。」というエンチャントがある。プレイヤーが呪文を唱える間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは即座に加えられ、その呪文の支払いに充てることができる。
605.5. rule 605.1a から rule 605.1b の分類に当てはまらない能力は、マナ能力ではない。
605.5a 対象を取る能力は、解決時にマナをそのプレイヤーのマナ・プールに入れるものであっても、マナ能力ではない。同様に、起動型マナ能力以外で誘発する、解決時にマナをそのプレイヤーのマナ・プールに入れる誘発型能力や、起動型マナ能力で誘発する、解決時にマナをそのプレイヤーのマナ・プールに入れない誘発型能力は、マナ能力ではない。それらは通常の起動型能力または誘発型能力のルールに従う。
605.5b マナをプレイヤーのマナ・プールに加える呪文はマナ能力ではない。これらは他の呪文と同じように唱えられ、解決される。カード・タイプが「マナ・ソース/mana source」となっている古いカードが存在するが、それらのカードはオラクルで訂正され、インスタント になっている。
606.1. 起動型能力の中には忠誠度能力が存在し、それらは特別なルールに従う。
606.2. 忠誠シンボルをコストに含む起動型能力は忠誠度能力である。通常、プレインズウォーカーだけが忠誠度能力を持つ。
606.3. 自分のコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を起動できるのは、優先権を持っていてスタックが空で自分のメイン・フェイズの間で、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をまだどのプレイヤーも起動していない場合に限る。
606.4. パーマネントの忠誠度能力を起動するためのコストは、その能力のコストに含まれる忠誠シンボルに書かれている数の忠誠カウンターをそのパーマネントに載せるあるいは取り除くことである。このコストは他の効果によって修整されることがある。
606.5 忠誠度能力を起動するためのコストに、忠誠カウンターを載せたり取り除いたりする複数のコストが含まれる場合、それらのコストは忠誠カウンターを載せたり取り除いたりする単一のコストに合算される。
例:プレイヤーが、「あなたがプレインズウォーカーの忠誠度能力を起動するためのコストには[+1]が加わる。」を持つ《獅子のカルス》と、忠誠カウンター3個が置かれているプレインズウォーカーをコントロールしている。通常[+1]のコストを持つそのプレインズウォーカーの忠誠度能力の1つを起動する場合、その上に忠誠カウンター2個を置く。通常[-4]のコストを持つそのプレインズウォーカーの忠誠度能力の1つを起動する場合、その上から忠誠カウンター3個を取り除く。
606.6. 追加コストを計算に入れてマイナスの忠誠度 コストを持つ忠誠度能力は、そのパーマネントにその数以上の忠誠カウンターが載っていない限り起動できない。
607.1. ある種の行動をし、あるいはオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす能力と、その行動、オブジェクト、あるいはプレイヤーを直接参照する能力とが印刷されているオブジェクトが存在する。これらの能力は「関連している/linked」ものであり、この2つ目の能力は、その1つ目の能力による行動やその能力によって影響を受けたオブジェクトやプレイヤーだけを参照する。その他の能力によるものを参照することはない。
607.1a オブジェクトに印刷されている能力によって得ているそのオブジェクトの能力は、この意味では、そのオブジェクトに印刷されているものとして扱う。
607.1b 変身する両面カード(rule 712 参照)のどちらかの面に印刷されている能力は、この意味では、その時点でどちらの面がオモテになっていても、そのオブジェクトに「印刷されている/printed」ものとして扱う。
607.1c rule 607.1 に記されている両方の条件を満たした能力があるオブジェクトに印刷されている場合、それはそれ自身に関連している。
607.1d 2つのオブジェクトに印刷されている能力は、一方のオブジェクトがトークンや紋章でありもう1つのオブジェクトがそのトークンや紋章を生成した能力の発生源である場合、それらの能力が1つではなく2つのオブジェクトに印刷されているという点を除いて、rule 607.2に列記されている各種の関連した能力の分類のうち1つに当てはまるなら、関連した能力である。
607.2. 関連している能力にはいくつかの種類が存在する。
607.2a あるオブジェクトに、いずれかのプレイヤーにカードを追放させる起動型あるいは誘発型能力が印刷されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が印刷されている場合、これらの能力は関連している。この2つ目の能力は、その1つ目の能力の指示の結果として追放されたカードで、追放 領域にあるものだけを参照する。
607.2b あるオブジェクトに、いずれかのプレイヤーにカードを追放させる置換効果を作る能力が印刷されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が印刷されている場合、これらの能力は関連している。この2つ目の能力は、その1つ目の種類の能力による置換効果の直接の結果によって追放されたカードで、追放 領域にあるものだけを参照する。rule 614〔置換効果〕参照。
607.2c あるオブジェクトに、オブジェクトを戦場に出す起動型あるいは誘発型能力が印刷されており、またそのカードに「[このオブジェクト]によって戦場に出た/put onto the battleground with [this object]」「[このオブジェクト]によって生成された/created with [this object]」オブジェクトを参照する能力が印刷されている場合、それらの能力は関連している。この2つ目の能力は、その1つ目の能力の結果戦場に出たオブジェクトだけを参照する。
607.2d あるオブジェクトに、「[値]を選ぶ/choose a [value]」ことをプレイヤーに求める能力が印刷されており、また「選ばれた[値]/the chosen [value]」「最後に選ばれた[値]/the last chosen [value]」などを参照する能力が印刷されている場合、それらの能力は関連している。この2つ目の能力は、1つ目の能力の結果行われた選択だけを参照する。
607.2e あるオブジェクトに、いずれかのプレイヤーに2つまたはそれ以上の数のルール上特定の意味を持たない単語から選択させる能力と、それらの単語の内1つ以上のものを含む選択内容を参照する能力が印刷されている場合、それらの能力は関連している。この2つ目の能力は、1つ目の能力の結果行われた選択だけを参照する。
607.2f あるオブジェクトに、それが戦場に出るに際していずれかのプレイヤーにコストを支払わせる能力と、「[このオブジェクト]が戦場に出るに際し/as [this object] entered the battlefield」て支払われたコストを参照する能力が印刷されている場合、それらの能力は関連している。この2つ目の能力は、1つ目の能力の結果支払われたコストだけを参照する。
607.2g あるオブジェクトの単一の段落内で、常在型能力と誘発型能力が印刷されている場合、それらの誘発型能力はそれぞれ常在型能力に関連している。誘発型能力は、その常在型能力の結果行われた処理だけを参照する。rule 603.11 参照。
607.2h オブジェクトにキッカー 能力と、キッカーしているかどうかを参照する能力が印刷されている場合、それらの能力は関連している。2つ目の能力は、1つ目の能力に印刷されているキッカー・コストを、そのオブジェクトを呪文として唱える際に払う意志を示したかどうかだけを参照する。キッカー 能力に複数のコストが列記されている場合、複数の能力が関連することになる。それぞれの能力はどのキッカー・コストを参照するか明記されている。rule 702.33〔キッカー〕参照。
607.2i あるオブジェクトに、それを唱えるに際して可変の追加コストを支払うという能力と、「[このオブジェクト]を唱えるに際し/as [this object] was cast」て支払われたコストを参照する能力が印刷されている場合、それらの能力は関連している。この2つ目の能力は、1つ目の能力の結果支払われたコストだけを参照する。rule 601.2b 参照。
607.2j 覇権キーワードによって表現される2つの能力は関連した能力である。rule 702.72〔覇権〕参照。
607.2k 固定語が先に記されている能力は、プレイヤーにその固定語を選ばせる能力と関連している。rule 614.12b 参照。
607.2m オブジェクトに、プレイヤーに「ゲームの開始時にあなたがあなたのデッキを切り直す前に、/before you shuffle your deck to start the game」1枚または複数のカードを追放することを認める常在型能力と「あなたが「[名前]」という名前のカードによって追放されている/exiled with cards named [this object’s name]」カードを参照する能力が印刷されている場合、その2つ目の能力は、ゲーム開始前にその名前を持っていたすべてのオブジェクトの持つ1つ目の能力と関連している。
607.2n 特性定義能力のためにゲーム開始前に選択を行わせる常在型能力と特性定義能力の両方が、あるオブジェクト上の単一の段落の中に印刷されている場合、それらの能力は関連している。この後者の能力は前者の能力の結果として行われた選択だけを参照し、そのゲームの間、そのオブジェクトが領域を変更するにあたってその選択を参照し続ける。
607.2p パーマネント呪文に、それを唱えるためのコストを支払う間にカードを追放することができる能力が記されていて、その呪文がなるパーマネントが「[このオブジェクト]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」を参照する能力を持っている場合、それらの能力は関連している。2つ目の能力は、そのパーマネント になった呪文のコストを支払うために追放されたカードだけを参照する。
607.3. 関連した能力の組の中で、一方の能力が「その追放されているカード」「[このカード]で追放されているカード」などの表記で単一のオブジェクトを参照していて、他方の能力が複数のカードを追放した場合(たとえば能力がコピーされた場合など)、この能力はその追放されたカードそれぞれを参照する。その能力がその追放されたカードについて特性やマナ総量などの情報を必要とする場合、複数の答えが得られる。その答えを用いて何らかの値を定める場合、その答えの合計が用いられる。その能力が「その」追放されたカードに何らかの処理をする場合、その追放されたカードそれぞれにその処理を行う。その能力が追放されたカード「1枚」に何らかの処理をする場合、その能力のコントローラーがどのカードが影響を受けるのかを選択する。
607.4. 能力が、複数の組の関連した能力の一部になることがありうる。
例:《極楽の羽飾り》は以下の3つの能力を持つ。「極楽の羽飾りが戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」「プレイヤーが選ばれた色の呪文1つを唱えるたび、あなたは1点のライフを得る。」「{T}: 選ばれた色のマナ1点を加える。」1つ目と2つ目は関連した能力であり、1つ目と3つ目も関連した能力である。
607.5. オブジェクトが、単一の効果の一部として一組の関連した能力を得ることがある。それらの能力は、新しいオブジェクトに印刷されているわけではないが、元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。
例:《弧炎撒き》は「{R}、あなたのライブラリーのカードを一番上から10枚追放する:クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。弧炎撒きはそれに2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《石の死の姉妹》は「{B}{G}: 石の死の姉妹をブロックするかこれにブロックされているクリーチャー1体を対象とする。それを追放する。」「{2}{B}:石の死の姉妹により追放されているクリーチャー・カード1枚をあなたのコントロール下で戦場に出す。」という能力を持つ。《水銀の精霊》は「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。《水銀の精霊》で《弧炎撒き》の能力を得、それを起動したあと、《石の死の姉妹》の能力を得て、クリーチャー・カードを追放する能力を起動したとする。この後、《石の死の姉妹》から得た戦場に戻す能力を起動したとしても、《石の死の姉妹》由来の能力によって《水銀の精霊》が追放したカードしか戦場に戻すことはできない。《弧炎撒き》由来の能力で追放されたクリーチャー・カードは戦場に戻らない。
607.5a オブジェクトが選択を参照する能力を得るが、それがその能力と関連した能力をコピーしないか、あるいは関連した能力をコピーしてもその選択をしない場合、その選択は「未定義」として扱う。能力が未定義の選択を参照する場合、その能力のその部分は何もしない。
例:《万物の声》が戦場に出て《不定の多相の戦士》がそれをコピーしたとする。《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」と「万物の声は、プロテクション(その選ばれた色)を持つ。」を持つ。《不定の多相の戦士》は、《万物の声》として戦場に出てはいないので、その色を選ぶ機会は存在せず、従ってプロテクション 能力を得ることはない。
例:《Vesuvan Doppelganger》が《万物の声》のコピーとして戦場に出て、《Vesuvan Doppelganger》のコントローラーは青を選び、後に、《Vesuvan Doppelganger》が「{T}: あなたのマナ・プールに、その選ばれた色のマナ1点を加える。」を持つ《クウィリーオン・エルフ》をコピーしたとする。《Vesuvan Doppelganger》は色を選んで入るが、《クウィリーオン・エルフ》からコピーしたマナ能力と関連した能力で選ばれたものではない。《Vesuvan Doppelganger》のそのマナ能力を起動した場合、マナは発生しない。
608.1. 全てのプレイヤーが続けてパスすると、スタックの一番上に積まれている呪文や能力が解決される。(rule 609〔効果〕参照。)
608.2. 解決されるオブジェクトがインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2k で記された手順を適切な順で行う。その後、最後にrule 608.2m に記された手順を行う。
608.2a "場合"のルールに従う誘発型能力であれば、その条件がこの時点でも満たされているかどうかを確認する。満たされていなければ、その能力はスタックから取り除かれ、何も行わない。そうでなければ、解決を続ける。rule 603.4 参照。
608.2b 呪文や能力が対象を取る場合、その対象がこの時点でも適正かどうかを確認する。対象となったときにあった領域に存在しなくなっている対象は、適正ではない。たとえば、その特性が変わっていたり、効果によって呪文の文章が変わっていたりするなど、ゲームの状況の変化によって適正でなくなっていることもある。能力の発生源が元あった領域から移動していた場合、この手順において最後の情報が用いられる。すべての対象が、すべての対象群において、不適正になっていた場合、その呪文や能力は解決されない。それはスタックから取り除かれ、呪文であればオーナーの墓地に置かれる。そうでなければ、その呪文や能力は通常通り解決される。不適正な対象が存在する場合、それらはその呪文の効果のうちでその対象が不適正である部分には影響されない。効果のうち、それらの対象が不適正でない部分には影響されうる。呪文や能力がゲームのルールを変更する継続的効果を作る場合(rule 613.11 参照)、その効果は不適正な対象には適用されない。効果の一部が不正な対象についての情報を必要とする場合、その情報を決定することは失敗し、その情報を必要とする部分の効果は発生しない。
例:《ソリンの渇き》は「クリーチャー1体を対象とする。ソリンの渇きはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。」という黒のインスタントである。この対象 になったクリーチャーが《ソリンの渇き》の解決時に適正な対象でなかった場合(例えば、プロテクション(黒)を得たり、戦場を離れていたりした場合)、《ソリンの渇き》は解決されない。そのコントローラーはライフを得ることができない。
例:《疫病の胞子》は「黒でないクリーチャー1体と土地1つを対象とする。それらを破壊する。それらは再生できない。」という効果を持つ。クリーチャー・土地1つを、黒でないクリーチャーとしても土地としても対象にした場合、その後でそのクリーチャー・土地が黒になったとしても、《疫病の胞子》は「土地1つ」を対象とする部分について適正な対象をとるので、解決される。「黒でないクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。」という部分はそのパーマネントに影響を及ぼさないが、「土地1つを対象とする。それを破壊する。」部分がそのパーマネントを破壊することになる。また、それは再生できない。
608.2c 呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。但し、置換効果によってこれらの行動が変更され、以前の指示の意味が変わることもある。場合によっては、カードのテキストで後のほうに書かれた文章が、前の文章の意味を修整することがある(例えば、「クリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。それは再生できない。」あるいは「呪文1つを対象とする。それを打ち消す。その呪文が打ち消されたなら、それをオーナーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く。」)。これらの場合を考えずに逐語的に効果を適用したりしてはならない。カード全体を読み、文法に従ってテキストを解釈すること。
608.2d 効果の中で、呪文を唱える時、あるいは能力を起動する時、その他呪文や能力をスタックに積むときに宣言していない選択が必要とされる場合、プレイヤーは効果の処理の間にこれらを宣言する。プレイヤーは、不正な選択肢、または不可能な選択肢を選ぶことはできない。この例外として、カードを引くことは、そのプレイヤーのライブラリーにカードが1枚もなくても不可能な行動としては扱われない(rule 121.3 参照)。効果によって、プレイヤーが望む数のプレイヤーやオブジェクトに対象を取らずにダメージやカウンターなどを分配あるいは割り振って与える場合、可能ならばそのプレイヤーは最低1人のプレイヤーまたは1つのオブジェクトを選び、そこに割り振る量と割り振り方を選ぶ。その選ばれたプレイヤーやオブジェクトには、最低1つの分配物が置かれなければならない。(注:効果によってダメージやカウンターが分配あるいは割り振られる割り振り先を対象としている場合、その割り振る量や割り振り方は呪文や能力がスタックに積まれる時に宣言される。rule 601.2d 参照)
例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う。」という呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるという選択肢を選ぶことはできない。
608.2e 呪文や能力の中には、複数の段落や条項によって、複数のプレイヤーが関与する、複数の手順や行動に分かれているものもある。この場合、APNAP順に従って1つ目の行動について必要な選択を行い、そして1つ目の行動が同時に実行される。その後で、APNAP順に従って2つ目の行動について必要な選択を行い、そして2つ目の行動が同時に実行される。以下同様に繰り返す。rule 101.4 参照。
608.2f 呪文や能力の中に、複数のプレイヤーやオブジェクトに何かの処理をするものがある。ほとんどの場合、それらの処理は同時に実行される。その処理が同時に実行できないものであれば、それは影響を受けるプレイヤーやオブジェクトそれぞれについて個別に処理される。それらの処理の順番を決める第1条件はAPNAP順であり、第2条件は、プレイヤーとそのコントロールしているオブジェクト(群)の両方にその処理をするものである場合はその解決される呪文や能力をコントロールしているプレイヤーがそれらの処理の相対的順序を選ぶ。
例:《露骨な窃盗》には「対戦相手1人につき、そのプレイヤーがコントロールするパーマネント1つを対象とする。あなたはそれのコントロールを得る。」と書かれている。《露骨な窃盗》の解決に際し、そのコントローラーは対象として選ばれたパーマネントすべてのコントロールを同時に得る。
例:《魂火の噴火》には「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち望む数を対象とする。それらにつきそれぞれ『あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。その後、魂火の噴火はそのパーマネントやプレイヤーに、そのカードのマナ総量に等しい点数のダメージを与える。』を行う。」と書かれている。プレイヤーが《魂火の噴火》を唱え、対戦相手1人とそのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象としたとする。《魂火の噴火》の解決に際し、そのプレイヤーは同時に自分のライブラリーの一番上のカードを複数回追放することはできないので、最初にどの対象を扱うかを選び、それから自分のライブラリーの一番上のカードを追放し、最後に《魂火の噴火》がその対象にダメージを与える。その後、残りの対象についてこの工程を繰り返す。
608.2g プレイヤーがマナを支払ってもよいという選択肢を含む効果の場合、そのプレイヤーはその行動を行う前にマナ能力を起動してもよい。解決中に呪文を唱えられるという効果の場合、プレイヤーは rule 601.2a-i に従って唱える。ただし、唱え終わった後にプレイヤーが優先権を得ることはない。その呪文をスタックの一番上に置いて、現在解決中の呪文や能力の解決を続ける。ここに、これと同様に他の呪文を唱えることが含まれることもありうる。通常、解決中にはそれ以外の呪文を唱えたり能力を起動したりはできない。
608.2h ゲームの情報(戦場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に一度だけ決定される。効果が、その効果の発生源など特定のオブジェクトの情報を必要とする場合、そのオブジェクトが元あった公開領域にある場合、その現在の情報を使う。すでにそこにない、あるいは効果によって公開領域から非公開領域に移動していた場合、そのオブジェクトの最後の情報を使う。rule 113.7a 参照。オブジェクトが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)オブジェクトであり、能力ではない。
608.2i 特性を調べる効果は、その指定された特性の値だけをチェックし、オブジェクトが他に持っているかもしれない、類似の特性の値はチェックしない。
例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒であるすべてのクリーチャーを破壊する。」という効果で破壊されるが、「黒でないすべてのクリーチャーを破壊する。」という効果では破壊されない。
608.2j 能力の効果が、その能力のコストや誘発条件によって参照されていて対象 になっていないオブジェクトを参照する場合、そのオブジェクトの特性が変わっていてもそのオブジェクトに影響を及ぼす。
例:《哀れみの壁》は「哀れみの壁がクリーチャー1体をブロックするたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ。《哀れみの壁》がクリーチャーをブロックした後、そのクリーチャーが能力の解決前にクリーチャーでなくなったとしても、そのパーマネントはオーナーの手札に戻される。
608.2k 適正に解決されるインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力は、解決が始まった後でスタックから取り除かれたとしても、最後まで解決される。
608.2m インスタント・呪文やソーサリー・呪文の解決の最終段階として、その呪文はスタックからオーナーの墓地に置かれる。能力は、その解決の最終段階として、スタックから取り除かれ、消滅する。
608.3. 解決されているオブジェクトがパーマネント呪文である場合、その解決は(オーラ、パーマネント呪文のコピー、変容させるクリーチャー・呪文のいずれでもなければ)単一の手順からなる。呪文・カードがパーマネント になり、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る。
608.3a 解決されているオブジェクトがオーラ・呪文の場合、その解決は2つの手順からなる。まず、エンチャント能力で特定されている対象がなお適正かどうかを rule 608.2b に従って確認する。(rule 702.5〔エンチャント〕参照。)適正であれば、その呪文・カードはパーマネントとなり、その呪文のコントローラーのコントロール下で、対象としていたオブジェクトについた状態で戦場に出る。
608.3b 解決しているオブジェクトがパーマネント呪文のコピーであるなら、そのオブジェクトはトークン・パーマネントとなり、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る。それは呪文のコピーではなくなる。こうして戦場に出たトークンは、トークンを生成することに言及した置換効果や誘発型能力からは、「生成/create」されたものとしては扱われない。
608.3c 解決されているオブジェクトが変容させるクリーチャー・呪文の場合、その解決は2つの手順からなる。まず、その呪文と同じオーナーの、対象としたクリーチャーが適正な対象であるかをチェックする。適正であれば、その呪文を表すオブジェクトはそのパーマネントと合同する。そうでなければ、それはクリーチャー・呪文となり、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る(rule 702.140〔変容〕参照)。
608.3d パーマネント呪文が解決されて、そのコントローラーがそれを戦場に出せない場合、そのプレイヤーはそれをオーナーの墓地に置く。
例:《Worms of the Earth》は「土地は戦場に出られない。」という能力を持つ。《クローン》は「あなたは『クローンは、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る。』を選んでもよい。」という能力を持つ。《Worms of the Earth》が戦場にある状況で、《クローン》を唱えて《ドライアドの東屋》(クリーチャー・土地)をコピーすることを選んだ場合、《クローン》はスタックから戦場に出ることができなくなり、オーナーの墓地に置かれる。
609.1. 「効果/effect」とは、呪文や能力の結果としてゲーム内で起こる出来事のことである。呪文や起動型能力、誘発型能力は、解決されると、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を発生させる。常在型能力は、1つまたは複数の継続的効果を発生させる。文章そのものは効果ではない。
609.2. 効果は、効果の文章に特にそう書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するオブジェクトにしか適用できない場合を除いて、パーマネントにのみ影響する。
例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地・カードには影響を及ぼさない。しかし、呪文を唱えるためのコストを増減する効果は、プレイヤーが唱えている途中である呪文が存在しうるのはスタックだけなので、スタックにある呪文にだけ影響を及ぼす。
609.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。
例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札2枚を捨てる。」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。
609.4. プレイヤーが何らかの条件を満たしている「かのように/as though」何かをしてもよい、あるいはクリーチャーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをできると書かれている効果が存在する。それはその効果にだけ適用される。その効果に関しては、その条件を完全に満たしているかのように扱い、それ以外に関しては通常通り扱う。
609.4a 2つの能力がそれぞれ、プレイヤーやクリーチャーが同一のことを違う状況である「かのように/as though」行動してもよい(行動できる)となっていた場合、両方の状況が適用される。もし一方がもう一方の「かのように」の条件を満たしていた場合、両方の効果が適用される。
例:「あなたはすべての呪文を瞬速を持つかのように 唱えてもよい。」というアーティファクト《ヴィダルケンの宇宙儀》をコントロールしているプレイヤーが、「あなたは他のプレイヤーの墓地から、それらのカードがあなたの墓地にあるかのように、土地をプレイしたり呪文を唱えたりしてもよい。」というインスタント《シャーマンの恍惚》を唱えた。そのプレイヤーは他のプレイヤーの墓地にあるフラッシュバックつきのソーサリーを、自分の墓地にあるかのように、そして瞬速を持っているかのように 唱えてよい。
609.4b プレイヤーがマナを「望む[タイプ/色]のマナであるかのように/as though it were mana of any [type or color]」支払ってもよいとする効果は、プレイヤーがマナを支払う方法にのみ影響し、コストを変更することも、実際にそのコストを支払うために支払われたマナの種類も変更することはない。
609.5. ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力の文章にその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、引き分けの場合どうするかという一般則はない。
609.6. 継続的効果の中には、置換効果や軽減効果が存在する。rule 614、rule 615 参照。
609.7. 「このターン、あなたが選んだ赤の発生源1つが次にあなたに与えるダメージを軽減する。」というような、特定の発生源からのダメージに適用される効果が存在する。
609.7a 効果によってダメージの発生源を選ぶ場合、選択できるのは、パーマネント、(パーマネント呪文を含む)スタック上の呪文、またはスタック上のオブジェクトか適用待ちの置換・軽減効果か誘発待ちの遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(もとあった領域から離れているものも含む)、または統率領域にあるオモテ向きのオブジェクトのいずれかである。その発生源が実際にダメージを与えられるものでなくても適正な選択である。この選択は、その効果が作られる時に行う。プレイヤーがパーマネントを選んだ場合、軽減効果はそのパーマネントからの次のダメージに適用され、それが呪文や能力の効果によるものか、それともそれが与える戦闘ダメージかは問題としない。パーマネント呪文を選んだ場合、この効果はその呪文やその呪文が解決されてなるパーマネントからのダメージに適用される。
609.7b 呪文や能力によって、クリーチャー、あるいはある特定の色、といった、特定の性質の発生源からのダメージだけに影響を及ぼす軽減効果が発生することがある。その類の限定のある軽減の「シールド」は、ダメージを軽減するときにもう一度発生源の特性を確認する。その特性が適合していなければ、ダメージは軽減されない。何らかの理由によってシールドがダメージを軽減しなかった場合にはシールドは消耗しない。
609.7c 常在型能力の効果で、特定の性質を持つダメージの発生源からのダメージを軽減したり置換したりするものがある。これらの効果については、その軽減・置換効果はその性質を持つパーマネントだけでなく、戦場以外の領域にある、その性質を持つあらゆる発生源にも適用される。
610.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、トークンを生成する、オブジェクトを領域間で移動させる、などがある。
610.2. 単発的効果の中には、この単発的効果を生み出した呪文や能力の解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。rule 603.7 参照。
610.3. 単発的効果の中には、特定のイベントが発生する「まで/until」オブジェクトの領域を移動させるものがある。その特定のイベントの直後に作られる2つ目の単発的効果によって、そのオブジェクトは元あった領域に戻る。
610.3a 解決中の呪文や起動型能力が、オブジェクトの領域を変更する最初の単発的効果を生成し、その特定のイベントが、その呪文や能力がスタックに置かれた後、その単発的効果が発生するよりも前に発生していた場合、そのオブジェクトは動かない。
610.3b 解決中の誘発型能力が、オブジェクトの領域を変更する最初の単発的効果を生成し、その特定のイベントが、その能力が誘発した後、その単発的効果が発生するよりも前に発生していた場合、そのオブジェクトは動かない。
610.3c この方法で戦場に戻ったオブジェクトは、特に指定されていない限りオーナーのコントロール下で戻る。
610.3d この方法で、1つ以上の同時のイベントの直後に複数の単発的効果が発生した場合、それらの単発的効果もまた同時である。
例:《放逐する僧侶》2体がそれぞれカード1枚を追放している。すべてのクリーチャーが同時に《審判の日》で破壊された。この場合、追放されていた2体のカードは同時に戦場に戻る。
610.4. 単発的効果の中に、パーマネントを特定のイベントが発生する「まで/until」フェイズ・アウトさせるものが存在する。その特定のイベントが起こった直後に、2つ目の単発的効果が生成される。この2つ目の単発的効果がそのパーマネントをフェイズ・インさせる。
610.4a この方法でフェイズ・アウトしたパーマネントは、プレイヤーのアンタップ・ステップ中のターン起因処理の結果としてフェイズ・インすることはない(rule 502.1 参照)。他の効果によってフェイズ・インすることはありうる。この方法でフェイズ・アウトしたパーマネントが他の効果によってフェイズ・インした場合、そのパーマネントが再びフェイズ・アウトしたとしても、2つ目の単発的効果は発生しない。
610.4b 解決中の呪文や起動型能力が、パーマネントをフェイズ・アウトさせる1つ目の単発的効果を生成し、その特定のイベントがその単発的効果が処理するよりも前、その呪文や能力がスタックに置かれるよりも後で発生していた場合、そのパーマネントはフェイズ・アウトしない。
610.4c 解決中の誘発型能力がパーマネントをフェイズ・アウトさせる1つ目の単発的効果を生成し、その特定のイベントがその単発的効果が処理するよりも前、その能力が誘発するよりも後で発生していた場合、そのパーマネントはフェイズ・アウトしない。
610.4d 複数のこの種の単発的効果が1つまたは複数の同時のイベントの直後に生成される場合、それらの単発的効果も同時である。
611.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、オブジェクトのコントローラーを変更したり、プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって作られる。
611.2. 継続的効果は、呪文や能力の解決によっても作られる。
611.2a 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、それを作った呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。
611.2b 起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「〜し続けているかぎり/for as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「〜し続けているかぎり」というフレーズで示される期間が、最初に適用されるより前に終了していた場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。
例:《練達の盗賊》は、「練達の盗賊が戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とする。あなたが練達の盗賊をコントロールし続けているかぎり、あなたはそれのコントロールを得る。」という誘発型能力を持つ。この能力が解決されるよりも先に《練達の盗賊》のコントロールを失った場合、持続期間、つまり「あなたが練達の盗賊をコントロールし続けているかぎり」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。
611.2c 呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けるオブジェクトが決定され、それ以降には変更されない。(これは、常在型能力からの継続的効果とは異なる。)呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けていなかったオブジェクトにも影響を及ぼす。単一の継続的効果が、オブジェクトの特性やコントローラーを変更する部分とそうでない部分を持っている場合、各部分がどのオブジェクト群に影響を及ぼすかは独立に決定される。
例:「ターン終了時まで、白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修整を得させる。たとえ後で色が変わっても、その修整を失うことはない。また、その後で戦場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を及ぼさない。
例:「このターン、すべてのクリーチャーが与えるすべてのダメージを軽減する。」という効果は、オブジェクトの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で戦場に出ていなかったクリーチャーや、このターンのより後の時点でクリーチャー になったパーマネントによるダメージにも影響を及ぼす。
611.2d 呪文や能力によって、Xのような変数を含む継続的効果が発生した場合、その変数の値は解決時にのみ定められ、その後で変化することはない。rule 608.2h 参照。
611.2e 呪文や能力1つの解決によって、トークンでないパーマネントを戦場に出し、またそのパーマネントが「[特性]である/is [特性]」という継続的効果を作る場合、その継続的効果はそのパーマネントが戦場に出るのと同時に適用される。この特性は、通常、色かクリーチャー・タイプである。この継続的効果が「[特性]になる/becomes [特性]」や「[能力]を得る/gains [能力]」であった場合、それらの効果はそのパーマネントが戦場に出た後で適用される。
例:《理想の調停者》はアーティファクト・カードやクリーチャー・カード、土地・カードを戦場に出し、「そのパーマネントは、他のタイプに加えてエンチャントでもある。/That permanent is an enchantment in addition to its other types.」と書かれている。この場合、エンチャントが戦場に出たときに誘発する能力は誘発する。そのパーマネントが戦場に出た後でエンチャント になるわけではない。
611.3. 継続的効果は、オブジェクトの常在型能力によっても作られる。
611.3a 常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。その文章で示されるもの全てに対して常に適用する。
611.3b この効果は、それを生み出すパーマネントが戦場にある、またはそれを生み出すオブジェクトがその該当する領域にある間、常に適用する。
例:「白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」という常在型能力を持つパーマネントは、戦場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に得させる効果を生む。クリーチャーが白になったらこの修整を得、白でなくなったらこの修整を失う。
611.3c パーマネントの特性を修整する継続的効果は、そのパーマネントが戦場に入ると同時に特性を修整する。パーマネントが戦場に出るのを待ち、それから修整するのではない。この類の効果はパーマネントが戦場に出る時点で適用されるので、パーマネントが戦場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。
例:「白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」という常在型能力を持つパーマネントが戦場にある場合、通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー・呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが戦場に出て、それから2/2になるのではない。
612.1. 継続的効果の中には、オブジェクトの文章を変更するものがある。それはそのオブジェクトに印刷されているあらゆる単語やシンボルに適用されうるが、影響があるのはオブジェクトのルール・テキスト(文章欄の中にある)とタイプ行にある文章だけである。これらの効果を文章変更効果と言う。
612.2. オブジェクトの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。マジックの色や基本土地タイプ、クリーチャー・タイプと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によって名前を書き換えることはできない。
612.2a クリーチャー・トークンを生成する呪文や能力は、そのトークンのクリーチャー・タイプをクリーチャー・タイプとトークンの名前の両方として用いることが多い。それらの単語は名前としても使われるが、クリーチャー・タイプなので書き換えることができる。
612.3. 能力を追加したり取り除いたりする効果は、その影響を受けるオブジェクトの文章を変更するわけではない。従って、効果によってオブジェクトが得た能力は、そのオブジェクトの文章を変更する効果の影響を受けない。
612.4. トークンのサブタイプとルール・テキストは、そのトークンを生成する呪文や能力によって定義される。それらの特性は文章変更効果によって書き換えることができる。
612.5. あるカード(《ヴォルラスの多相の戦士》)には、あるオブジェクトが他のオブジェクトの「すべての文章」を持つと書かれている。これはそのオブジェクトの文章欄とタイプ行にある文章だけでなく、名前、マナ・コスト、色指標、パワー、タフネスの文章も変更する。
612.6. あるカード(《スパイ道具》)には、オブジェクトが「伝説でないすべてのクリーチャー・カードの名前を持つ。」と書かれている。これはそのオブジェクトの名前を参照する文章を変更する。そのオブジェクトは、オラクルに存在する、伝説でないクリーチャー・カードそれぞれの名前を持つ(rule 100.6 参照)。
612.7. あるカード(《ヴィトゥ=ガジーの目覚め》)は、オブジェクトの名前を定める継続的効果を生成する。この変更は、そのオブジェクトの名前を表す文章を変更する。そのオブジェクトはそれまで持っていた名前をすべて失い、その特定された名前だけを持つ。
612.8. 連繋 能力は、連繋を持つカードのルール・テキストをその呪文に、その呪文自身のルール・テキストの後に加えることで呪文の文章を変更する。これによってその呪文自身の文章を変更したり置換したりするわけではない(rule 702.47〔連繋〕参照)。
613.1. オブジェクトの特性の値は、そのオブジェクトそのものの値から始まって決定される。カードであればそのカードに記載されている特性の値、トークンや(呪文やカードの)コピーであればそれを生成した効果によって定められた特性の値を初期値とする。その後、以下の種類別の順番で適用できる継続的効果をすべて適用する。
613.1a 第1種: コピー可能な値を変更するルールや効果が適用される。
613.1c 第3種: 文章変更効果が適用される。rule 612〔文章変更効果〕参照。
613.1d 第4種: タイプ変更効果が適用される。ここにはカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ変更効果が含まれる。
613.2. 第1種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果はタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.8 参照)。
613.2a 第1a種: コピー可能な効果が適用される。これには、コピー 効果(rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照)と、オブジェクトをパーマネントに合同させたことによって決定されるオブジェクトの特性への変更(rule 723〔パーマネントの合同〕)が含まれる。また、「戦場に出るに際し/As ... enters the battlefield」や「表向きになるに際し/As ... is turned face up」の能力は、それがパワーやタフネスを定めているなら、他の特性も定義していたとしても、コピー可能な効果を生成する。
613.2b 第1b種: 裏向きの呪文やパーマネントの特性が、rule 708.2で定義されるように変更される。
613.2c 第1種のルールや効果がすべて適用された後で、そのオブジェクトの特性はコピー可能な値となる(rule 707.2 参照)。
613.3. 第2種から第6種においては、まず特性定義能力が最初に適用され(rule 604.3 参照)、その後他の効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.8 参照。)。
613.4. 第7種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.7 参照)。種類細別の中では、依存性によって適用順が変わることがある。(rule 613.8 参照。)
613.4a 第7a種: パワーやタフネスを定義する特性定義能力からの効果が適用される。rule 604.3 参照。
613.4b 第7b種: パワーやタフネスを特定の値にする効果が適用される。クリーチャーの基本のパワーや基本のタフネスを扱う効果は、この種類細別で適用される。
613.4c 第7c種: パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)修整する効果やカウンターが適用される。
613.4d 第7d種: クリーチャーのパワーとタフネスを「入れ替える/switch」効果が適用される。この種の効果はそのオブジェクトのパワーを参照してそのオブジェクトのタフネスとし、そのオブジェクトのタフネスを参照してそのオブジェクトのパワーとする。
例:1/3クリーチャーが効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の適用後に、他の効果によって+5/+0の修整を受ける場合、「入れ替え前」の値は6/4となり、実際の値は4/6になる。
例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の終了前に+0/+1の効果が終わる場合、そのクリーチャーは3/1になる。
例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替え、さらに他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、2つの「入れ替え」効果が実質的に相殺され、結果のパワーとタフネスは1/4になる。
613.5. 上記の種類別による継続的効果の適用は常にそして自動的に行われており、結果としてオブジェクトの特性が変更されるのは即時である。
例:《清浄の名誉》は「あなたがコントロールしていて白であるすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」というエンチャントである。《清浄の名誉》と2/2の黒のクリーチャーが戦場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果(第5種)が存在したとすると、《清浄の名誉》の効果(第7c種)を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった(第5種)場合、《清浄の名誉》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。
例:2/2のクリーチャー《灰色オーガ》が戦場に出ている。これに+1/+1カウンターが置かれた(第7c種)場合、3/3になる。さらに「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を受ける。」という効果(第7c種)が適用されれば、7/7になる。「あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+0/+2の修整を受ける。」というエンチャント(第7c種)が戦場に出たら、そのクリーチャーは7/9になる。ここで、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは0/1になる。」という効果(第7b種)が適用されたら、このクリーチャーは、(0/1→呪文の効果で+4/+4→エンチャントの+0/+2→カウンターの+1/+1→)5/8になる。
613.6. 効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。
例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色 になる。」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また色変更効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色 になる」部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第7c種として処理されることになる。
例:《反逆の行動》は「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、能力追加効果である。従って、「それのコントロールを得る」部分は第2種、「速攻を得る」部分は第6種として処理される。
例:「ターン終了時まで、クリーチャーでないすべてのアーティファクトは2/2のアーティファクト・クリーチャー になる。」という効果は、タイプ変更効果でもあり、パワー・タフネス変更効果でもある。タイプ変更効果は、クリーチャーでないすべてのアーティファクトに対して第4種で適用され、パワー・タフネス変更効果はそれらのパーマネントに対して第7b種で適用される。この時点までに、そのパーマネントはクリーチャーでないアーティファクトではなくなっているが、予定通り適用される。
例:《安息の無い墓、スヴォグトース》が戦場に出ていて、これに「土地1つを対象とする。ターン終了時まで、それは3/3のクリーチャー になる。それは土地でもある。」という効果(第4種および第7b種)が適用されたとする。この後、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。」という効果(第7c種)を適用すると、4/4の土地・クリーチャー になる。この後、《安息の無い墓、スヴォグトース》の能力「ターン終了時まで、安息の無い墓、スヴォグトースは『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。』の能力を持つ黒緑の植物・ゾンビ・クリーチャー になる。これは土地でもある。」(第4種、第5種、第7b種)を起動した場合、あなたの墓地にクリーチャー・カードが10枚あったとすると、《安息の無い墓、スヴォグトース》のパワーとタフネスは11/11になり、その後墓地の枚数が変わるにつれて変動する。この後、もう一度最初の効果が適用されたとしたら、再び4/4の土地・クリーチャー になることになる。
613.7. 各種類別、各種類細別の中では、効果の適用順は通常、タイムスタンプのルールを用いて決定される。より早いタイムスタンプを持つ効果が先に適用される。
613.7a 常在型能力によって作られた継続的効果は、それを作ったオブジェクトと、その能力を作った効果の、遅い方と同じタイムスタンプを持つ。その能力を生成した効果のほうが遅いタイムスタンプを持っており、その能力を持つオブジェクトが新しいタイムスタンプを得た場合、そのオブジェクトの常在型能力によって発生した各継続的効果も同様に新しいタイムスタンプを得る。ただし、それらのタイムスタンプの相対的順序は変わらない。
例:《飛行のルーン》は、エンチャントしている装備品に「装備しているクリーチャーは飛行を持つ。」を与えるオーラである。プレイヤーが《飛行のルーン》を、「装備しているクリーチャーは+10/+10の修整を受け飛行を失う。」という装備品である《巨像の鎚》につけた。《飛行のルーン》によって与えられる能力は、《飛行のルーン》のタイムスタンプのほうが《巨像の鎚》のタイムスタンプよりも遅いので、《飛行のルーン》のタイムスタンプを共有する。《巨像の鎚》がクリーチャーについた場合、それの両方の能力は新しいタイムスタンプを得る(rule 613.7e 参照)が、それらのタイムスタンプの相対的順序は変わらない。
613.7b 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、作られた時点でタイムスタンプを得る。
613.7c カウンターは、それがオブジェクトやプレイヤーの上に置かれた時点でタイムスタンプを得る。そのオブジェクトやプレイヤーの上にすでに同種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターはそれぞれその新しいカウンターと同一の新しいタイムスタンプを得る。
613.7d オブジェクトは、それが領域に入った時点でタイムスタンプを得る。
613.7e オーラや装備品、城砦は、オブジェクトやプレイヤーにつくごとに新しいタイムスタンプを得る。
613.7f パーマネントは、オモテ向き になったり裏向き になったりするごとに新しいタイムスタンプを得る。
613.7g 変身する両面パーマネントは、変身するごとに新しいタイムスタンプを得る。
613.7h オモテ向きの次元・カード、現象・カード、計略・カードは、オモテ向き になった時点でタイムスタンプを得る。
613.7i オモテ向きのヴァンガード・カードは、ゲームの開始時にタイムスタンプを得る。
613.7j 策略・カードは、ゲームの開始時にタイムスタンプを得る。裏向きなら、オモテ向き になった時点で新しいタイムスタンプを得る。
613.7k たとえば同時に領域に入る、同時にオブジェクトにつく、などで複数のオブジェクトが同時にタイムスタンプを得る場合、それらの相対的タイムスタンプはAPNAP順に従って決定される(rule 101.4 参照)。アクティブ・プレイヤーがコントロールしている(コントローラーがない場合はオーナーである)オブジェクトが、そのプレイヤーの選択した順番で早い相対的タイムスタンプを得て、その後ターン順で他のプレイヤーが続く。
613.8. 種類別、種類細別の中での効果の適用順は、依存関係によって変更される場合がある。依存関係がある場合、タイムスタンプ順のルールは依存のルールによって上書きされる。
613.8a ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別(存在するなら種類細別も)であり、(b)別の効果を適用することにより、その文章が変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりし、さらに(c)どちらの効果も特性定義能力によるものでない、またはどちらの効果も特性定義能力によるものである場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立である。
613.8b 1つまたは複数の効果に依存している効果は、その依存先の効果全てが適用されてからすぐに適用する。このルールによって複数の依存している効果が同時に適用されるようになった場合には、その適用順はお互いのタイムスタンプ順に従う。依存している効果同士によって依存性のループが作られた場合には、このルールを無視し、依存性のループを作っている効果をタイムスタンプ順に適用する。
613.8c 効果の1つが適用された後、残りの効果の順番は再計算される。まだ適用されていない効果が、他のまだ適用されていない効果に対して独立になったりあるいは依存したりすることによって順番が変わることがある。
613.9. 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、1つの効果の結果が、他の効果が適用されるかどうかや、その効果が何をするかを決定することもある。
例:単一のクリーチャーに、「エンチャントしているクリーチャーは飛行を持つ。」というオーラと、「エンチャントしているクリーチャーは飛行を失う。」というオーラからの2つの効果が影響を及ぼしている。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に作られた効果が「勝つ」ことになる。それらの効果のいずれかが持続時間のあるもの(「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは飛行を失う。」)やオーラでない発生源からのもの(「すべてのクリーチャーは飛行を失う。」)であっても、同じ適用法により同じ結論になる。
例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1を得る。」「エンチャントしているクリーチャーは白である。」という2つの効果があった場合、そのエンチャントしているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。
613.10. 継続的効果の中には、たとえばプレイヤーにプロテクション(赤)を得させるなど、オブジェクトでなくプレイヤーに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、オブジェクトの特性が決定された後で、タイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.7、rule 613.8)参照。
613.11. 継続的効果の中には、プレイヤーの手札の上限を変更する、クリーチャーは可能ならばこのターン攻撃する、など、オブジェクトでなくゲームのルールに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、他の全ての継続的効果の適用後に適用される。呪文や能力のコストに影響を及ぼす継続的効果は、rule 601.2fに定められた順番で適用される。それ以外のこの種の効果はタイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.7、rule 613.8)参照。
614.1. 継続的効果の一部は、置換効果である。軽減効果(rule 615 参照)と同様に、置換効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうる特定のイベントを待ち、そのイベントの全部あるいは一部を他のイベントで置換する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
614.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示す。
614.1b 「飛ばす/skip」という語を用いる効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
614.1c 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield with ...」、「[このパーマネント]が戦場に出るに際し〜/As [this permanent] enters the battlefield ...」、「[このパーマネント]は〜として戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield as ...」という効果は置換効果である。
614.1d 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[this permanent] enter(s) the battlefield ...」「[オブジェクト]は〜状態で戦場に出る/[Objects] enter the battlefield ...」という継続的効果は置換効果である。
614.1e 「[このパーマネント]がオモテ向き になるに際し〜/As [this permanent] is turned face up ...」という効果は置換効果である。
614.2. 置換効果の一部は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
614.3. 置換効果を作る呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
614.4. 置換効果はしかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を作る呪文や能力は、そのイベントを作る何かに対応して 唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生 能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、クリーチャーを再生することができる機会は存在しない。
614.5. 置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。
例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールしているクリーチャーがパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりに、その倍のダメージをそのパーマネントやプレイヤーに与える。」という能力を持ったパーマネント2つをコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与えるクリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。
614.6. イベントが置換された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
614.7. 置換効果があるイベントを置換する場合、そのイベントが発生しなければ、置換効果は何もしない。
614.7a あるダメージの発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。その発生源からのダメージを増加させる置換効果や、その発生源からのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果があったとしても、置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。
614.8. 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する。」とは、「このターン、次に[パーマネント]が破壊されるなら、その代わりにそれが負っているすべてのダメージを取り除き、タップし、攻撃やブロックしているクリーチャーなら戦闘から取り除く。」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。rule 701.15 参照。
614.9. 効果によって、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーが受けたダメージが、他のクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーが受ける同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え/redirection」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーやプレインズウォーカーが戦場を離れていたり、クリーチャーでもプレインズウォーカーでもなくなっていたりした場合、その効果は何もしない。そのダメージが既にゲームから離れたプレイヤーから、あるいはゲームから離れたプレイヤーに、移し変えられる場合、その効果は何もしない。
614.10. イベントやステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [something]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」を意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす効果が発揮されるのは、次の機会になる。
614.10a 飛ばされたステップ、フェイズ、ターンに起こる予定だったことは、起こらない。「次の/next」何かに起こる予定のことは、飛ばされなかった最初の機会に行われる。2つの効果があるプレイヤーの次のステップ(フェイズ、ターンも同じ)を飛ばす場合、次とその次のステップを飛ばすことになる。効果の1つはその最初のものを飛ばしたことで終わるが、もう1つの効果は次の機会を待つからである。
614.10b 何らかの効果によってプレイヤーがステップ、フェイズ、ターンを飛ばして何か行動をすることになる場合、その行動は次に実際に発生したステップ、フェイズ、ターンの一番最初に発生する行動となる。
614.11. 置換効果の中に、カードを引くことを置換するものがある。それらの効果は、そのライブラリーにカードが存在しないために引くことができない場合にも適用される。
614.11a 複数枚のカードを引くことのうち1回を置換する場合、その次のカードを引くのはその置換効果の処理をすべて終わらせてからである。
614.11b カードを引いてからそのカードに何かするという一連の効果があって、そのカードを引く部分が置換された場合、その追加の部分は、置換された効果によってカードを引いた場合にも、何も影響を及ぼさない。
614.12. 置換効果の中に、パーマネントが戦場に出ることに影響を及ぼすものがある(rule 614.1c-d参照)。そのパーマネント自身が持つその種の効果が適用されるのは、その効果がそのパーマネント自身にだけ影響を及ぼす場合だけである(そのパーマネントを含む一群のパーマネントに影響を及ぼすものは、そのパーマネント自身には影響を及ぼさない)。他の発生源からの効果であることもありうる。それらの置換効果のうち、どれがどのように適用されるかを決定するに際しては、そのパーマネントが戦場に出た時点で取るであろう特性を見る。ここで考慮するのは、戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの(rule 616.1 参照)と、そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるものと、すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるものだけである。
例:《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」「万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ。」という能力を持つ。《万物の声》のコピーであるトークンが何らかの効果によって生成される場合、そのトークンが生成されるに際して、そのトークンのコントローラーは色1色を選ぶ。
例:《イクスリッドの看守》は「墓地にあるすべてのカードはすべての能力を失う。」という能力を持つ。《スカーウッドのツリーフォーク》は「スカーウッドのツリーフォークはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つ。《イクスリッドの看守》がいるときに《スカーウッドのツリーフォーク》が墓地から戦場に出る場合、タップ状態で戦場に出る。
例:《夢の宝珠》は「すべてのパーマネントはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つアーティファクトである。これはそれ自身には影響を及ぼさないので、《夢の宝珠》はアンタップ状態で戦場に出る。
614.12a パーマネントが戦場に出ることを変更する置換効果に何らかの選択が必要な場合、その選択はそのパーマネントが戦場に出る前に行われる。
614.12b 置換効果の中には、コントローラーの選択に従い、パーマネントを、箇条書きで固定語が書かれている2つの能力のうち1つを持った状態で戦場に出させるものがある。「[固定語] ― [能力]」は、「このパーマネントが戦場に出るに際して[固定語]が選ばれていたかぎり、このパーマネントは[能力]を持つ。」を意味する。固定語が先に書かれている能力はそれぞれ、プレイヤーに固定語を選ばせた能力と関連している。rule 607〔関連している能力〕参照。
614.13. パーマネントがどのように戦場に出るかを修整する効果は、他のオブジェクトの領域を移動させることがある。
614.13a パーマネントがどのように戦場に出るかを変更する効果を適用するにあたって、ともに領域を変更するいくつかのオブジェクトを選ばなければならないことがある。この選択において、そのパーマネント になるオブジェクトやそのオブジェクトと同時に戦場に出る他のオブジェクトを選ぶことはできない。
例:「縫合グールが戦場に出るに際し、あなたの墓地にある好きな枚数のクリーチャー・カードを追放してもよい。」という能力を持つクリーチャー《縫合グール》と《ルーン爪の熊》が同時に墓地から戦場に出る場合、《縫合グール》の置換効果を適用する時点でこの2枚はどちらも追放することを選ぶことはできない
614.13b 単一のパーマネントがどのように戦場に出るかを変更する置換効果を適用するにあたって、領域を変更するオブジェクトとして単一のオブジェクトを複数回選ぶことはできない。
例:次元・カード《ジャンド》は「いずれかのプレイヤーが黒か赤か緑のクリーチャー・呪文を唱えるたび、それは貪食5を得る。」という能力を持つ。《ルーン爪の熊》をコントロールしているプレイヤーが、貪食3を持つ赤のクリーチャー・呪文《雷団の古老》を唱えた場合、《雷団の古老》が戦場に出るに際してそのコントローラーは《ルーン爪の熊》を貪食3の効果適用時か貪食5の効果適用時か選ぶことができるが、その両方で生け贄に捧げることはできない。《雷団の古老》はその選択によって、+1/+1カウンターを0個、3個、または5個持った状態で戦場に出る。
614.14. あるオブジェクトに、カードを追放する置換効果を作る能力が記載されており、また「その追放されているカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つ目の能力は、その1つ目の種類の能力による置換効果の直接の結果、追放 領域に置かれているカードだけを参照する。他のオブジェクトが関連した能力の組を得た場合、それらの能力は元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
614.15. 置換効果の中には、継続的効果でないものも存在する。呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換するそういった効果のことを自己置換効果と呼ぶ。自己置換効果を作る文章のほとんどは置換される効果をもたらす能力の一部であるが、特に能力語が先行している場合には別の能力であることもありうる。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。
614.16. 「効果によりあなたのコントロール下で1個以上のトークンが生成されるなら/if an effect would create one or more tokens」あるいは「効果によりパーマネント1個の上に1個以上のカウンターが置かれるなら/if an effect would put one or more counters on a permanent」適用される置換効果が存在する。呪文や能力の解決の効果がトークンを生成したりパーマネントの上にカウンターを置いたりする場合も、他の置換・軽減効果がそうする場合も、これらの置換効果が適用される。置換・軽減効果の影響を受けるイベントそのものが効果でなかった場合にも適用される。
614.17. 何かが起こらないとする効果が存在する。それらの効果は置換効果ではないが、同じようなルールに従う。
614.17a 「できない」効果は、しかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。
614.17b イベントができない場合、プレイヤーはそのイベントを含むコストを支払うことを選ぶことはできない。
614.17c イベントができない場合、それは自己置換効果によってのみ置換される(rule 614.15 参照)。他の置換・軽減効果によって変更したり置換したりすることはできない。
614.17d 「できない」効果の中には、パーマネントが戦場に出る方法や出るか出ないかに影響を及ぼすものがある。(そのパーマネントも含むパーマネント群ではなく)そのパーマネント自身だけに影響をおよぼす場合には、この種の効果がそのパーマネント自身に由来することもある。他の発生源に由来することもある。どの「できない」効果が適用されるのかを決定するにあたっては、そのパーマネントが戦場で存在することになる時点での特性を見る。その際、それが戦場に出ることに変更を加えた置換効果(rule 616.1 参照)と、そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるものと、すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるものを考慮する。
615.1. 継続的効果の一部は、軽減効果である。置換効果(rule 614 参照)と同様に、軽減効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうるダメージを待ち、その全部あるいは一部を軽減する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
615.2. 多くの軽減効果は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
615.3. 軽減効果を作る呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
615.4. 軽減効果はダメージを受けるよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を作る呪文や能力は、そのイベントを作る何かに対応して 唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
例:ダメージを与える呪文に対応して、ダメージを軽減する能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、ダメージを軽減することができる機会は存在しない。
615.5. 軽減効果の中には、軽減されたダメージの量を参照する追加の効果を含むものがある。その場合、軽減効果はその本来起こるイベントが起こるべきタイミングで発生し、その直後にそれ以外の効果が発生する。
615.6. 受けるダメージが軽減された場合、それは決して起こったことにならない。その代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
615.7. 呪文や能力の解決によって作られた軽減効果の中には、特定の量のダメージに言及しているものがある。例えば「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。このターン、それが受ける次の3点のダメージを軽減する。」といったものである。これらは盾のように作用する。「盾のある」パーマネントかプレイヤーが受けるダメージ1点は、残っている盾を1減らす。盾のあるパーマネントやプレイヤーが、複数の該当する発生源からのダメージを同時に受けた場合、そのプレイヤー、あるいはパーマネントのコントローラーが、盾がどのダメージを軽減するかを選ぶ。盾が0まで減ったなら、残っているダメージは通常通り受ける。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与えるイベントやダメージの発生源の数は問題にしない。
615.8. 呪文や能力の解決によって作られた軽減効果の中には、特定の発生源が次に与えるダメージに言及しているものがある。この種の効果は、ダメージの量に依らず、その発生源からの次のダメージを軽減する。その発生源からのダメージが一度軽減されたら、それ以降はその発生源からのダメージを通常通り受ける。
615.9. 呪文や能力の解決によって作られた効果の中には、プレイヤーが選んだ特定の条件を持つ発生源からのダメージを軽減するものがある。その発生源がダメージを与える時点で、その盾は発生源の条件を再確認する。その条件がすでに当てはまらなくなっていた場合、ダメージは軽減されることも置換されることもなく、盾は消費されない。rule 609.7b 参照。
615.10. 常在型能力によって作られた軽減効果の中には、特定の量のダメージに言及しているものがある。例えば「発生源1つがあなたにダメージを与えるなら、そのダメージ1点を軽減する。/If a source would deal damage to you, prevent 1 of that damage.」といったものである。この種の効果は、該当する各ダメージ・イベントによるダメージをそれぞれ表示された量だけ軽減する。異なるイベントによるダメージは、それが同時に起こったものであるかどうかを問わず、それぞれ別々に適用される。
例:《圧倒する防衛者》には「発生源1つがあなたがコントロールしているクレリックにダメージを与えるなら、そのダメージ1点を軽減する。」と書かれている。《紅蓮地獄》には「紅蓮地獄は各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える。」と書かれている。《紅蓮地獄》は、《圧倒する防衛者》のコントローラーがコントロールしている各クレリックにそれぞれ1点ずつ、それ以外の各クリーチャーにそれぞれ2点ずつのダメージを与える。
615.11. 対象を取らない、複数のクリーチャーが受ける次のN点のダメージを軽減する類いの軽減効果では、その効果を作る呪文や能力の解決によって、影響を受けるクリーチャーそれぞれに軽減の盾を作る。
例:《ウォジェクの薬剤師》は「{T}: クリーチャー1体を対象とする。このターン、それ、およびそれと共通の色を持ちそれでない各クリーチャーが次に受けるダメージ1点を軽減する。」という能力を持つ。この能力の解決によって、対象となったクリーチャーと、その時点でそれと共通の色を持つすべてのクリーチャーに、次の1点のダメージを軽減する盾が作られる。この能力の解決以降にクリーチャーの色を変えても、盾が増えたり減ったりすることはない。また、このターンの間、これの解決以降に戦場に出たクリーチャーが盾を得ることはない。
615.12. 「軽減できない/can't be prevented」ダメージを与える効果が存在する。軽減できない効果が与えられる場合、適用できる軽減効果は適用されるが、ダメージは軽減されない。ただし、追加の効果がある場合、それは通常通り機能する。軽減されないダメージによって、存在しているダメージ 軽減の盾が減少することはない。
615.13. 受けるダメージが軽減されたときに誘発する誘発型能力が存在する。そのような能力は、軽減効果1つが1つ以上の同時のダメージ・イベントに適用され、そのダメージの一部または全部を軽減したときに誘発する。
616.1. 複数の置換・軽減効果がいずれかのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを修整しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー(コントローラーがいないならオーナー)、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか、以下の手順で決める。複数のプレイヤーが同時に選択を行う場合、選択はAPNAP順(rule 101.4 参照)で行う。
616.1a 置換・軽減効果の中に自己置換効果(rule 614.15 参照)があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1b に進む。
616.1b 置換・軽減効果の中に、オブジェクトが誰のコントロール下で戦場に出すかを修整する効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1c に進む。
616.1c 置換・軽減効果の中に、戦場に出るオブジェクトを他のオブジェクトのコピーにする効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1d に進む。
616.1d 適用可能な置換・軽減効果の中から、どの効果を選んでもよい。
616.1e 選ばれた効果が適用された後、(その時点で適用できる置換効果や軽減効果があれば)適用できる効果がなくなるまでこの手順を繰り返す。
例:2つのパーマネントが戦場にあり、「カードがいずこかから墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」と書かれているエンチャントと、「[このクリーチャー]が死亡するなら、代わりにこれをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。」と書かれているクリーチャーである。そのクリーチャーが破壊された場合、それのコントローラーがどちらの置換効果を先に適用するか決定する。その結果、他方は何もしない。
例:《荒れ野の本質》には「あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは、荒れ野の本質のコピーとして戦場に出る。」と書かれている。《荒れ野の本質》をコントロールしているプレイヤーが、通常はタップ状態で戦場に出る《錆びた歩哨》を唱えた。それが戦場に出るに際し、《荒れ野の本質》のコピー 効果が先に適用される。その結果、タップ状態で戦場に出させる能力はすでに存在しないので、《錆びた歩哨》は《荒れ野の本質》のコピーとして、アンタップ状態で戦場に出る。
616.1f rule 616.1a-dの手順に従う間に、置換・軽減効果のうち1つが、イベント1つに適用でき、別の置換・軽減効果がそのイベントの一部であるイベントに適用できる場合がある。この場合、1つ目の効果が選ばれるまでは2つ目の効果を選ぶことはできない。
例:プレイヤーが「《万物の声》が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」という能力を持つ《万物の声》のコピーであるトークンを作るように指示された。《倍増の季節》には「効果があなたのコントロール下で1個以上のトークンを生成するなら、代わりにそれはその2倍の数のトークンを生成する。」という能力を持つ。戦場に出るということはトークンを生成するというイベントの一部であるイベントなので、《倍増の季節》の効果が必ず先に適用される。その後、《万物の声》トークン2つの効果が任意の順で適用されることになる。
616.2. 置換・軽減効果は、イベントを修整する別の置換・軽減効果の結果として、イベントに適用できるようになることがある。
例:「あなたが1点のライフを得るなら、その代わりに カード1枚を引く。」という効果と「あなたがカード1枚を引くなら、その代わりに あなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す。」という効果が存在した場合、(その2つが存在するようになった順序には関係なく)結合されて、そのプレイヤーは1点のライフを得る代わりに自分の墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。
700.1. ゲーム内で起こるあらゆることはイベントである。複数のイベントが、呪文や能力の解決中に発生することがある。誘発型能力や置換効果の文章が、それらが見ているイベントを定義する。ある能力にとっては1つのイベント になる出来事が、他の能力にとっては複数のイベントであることもある。
例:攻撃クリーチャー1体がクリーチャー2体によってブロックされた場合、それは「[このクリーチャー]がブロックされた状態になるたび/Whenever [this creature] becomes blocked」という誘発型能力から見れば1つのイベントだが、「[このクリーチャー]がクリーチャー1体によってブロックされた状態になるたび/Whenever [this creature] becomes blocked by a creature.」という誘発型能力から見れば2つのイベントである。
700.2. 「以下から1つを選ぶ/Choose one ―」などに続いて箇条書きで複数の選択肢が記されている呪文や能力のことを、モードを持つ、と言い、そのそれぞれの選択肢をモードと呼ぶ。『タルキール覇王譚』以前のモードを持つカードは箇条書きを用いていない。それらのカードはオラクルで訂正され、モードが箇条書きで表記されるようになっている。
700.2a モードを持つ呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文を唱えたり能力を起動したりする一部としてモードを選ぶ。そのモードの中の1つが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない(rule 601.2b 参照)。
700.2b モードを持つ誘発型能力のコントローラーは、その能力をスタックに積む一部としてモードを選ぶ。そのモードの中の1つが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない。モードを選ばなかった場合、その能力はスタックから取り除かれる(rule 603.3c 参照)。
700.2c 呪文や能力が、特定のモードを選んだときにのみ対象を取る場合、そのコントローラーはそのモードを選んだときにのみ対象を選ぶ。そうでなければ、その呪文や能力は対象を取らないかのように扱う。(rule 601.2c 参照。)
700.2d モードを持つ呪文や能力で、プレイヤーが複数のモードを選ぶことができる場合、通常、同じモードを複数回選ぶことはできない。ただし、モードを持つ呪文の中には「同じモードを2回以上選んでもよい。/You may choose the same mode more than once.」と表記されているものもある。特定のモードを複数回選んだ場合、その呪文は、そのモードが続けてその回数だけ書かれているものとして扱う。そのモードが対象を取るものである場合、同一のプレイヤーやオブジェクトをそれぞれのモードごとに対象に取ることも、それぞれ異なる対象を取ることもできる。
700.2e コントローラー以外のプレイヤーにモードを選ばせる呪文や能力が存在する。その場合、そのプレイヤーは呪文や能力のコントローラーがモードの選択を通常行うタイミングでモードの選択を行う。そのような選択を行えるプレイヤーが複数いる場合、呪文や能力のコントローラーがどのプレイヤーが選択を行うかを決める。
700.2f モードを持つ呪文や能力がモードごとに異なる対象の条件を持つことがある。呪文や能力の対象を変更しても、モードは変更されない。
700.2g モードを持つ呪文や能力のコピーは、選ばれているモードをそのままコピーする。コピーのコントローラーが別のモードを選ぶことはできない。(rule 707.10 参照)
700.3. オブジェクトを一時的に複数の束に分ける効果が存在する。
700.3a 影響を受けたオブジェクトのそれぞれは、効果に特に指定されていない限り、それらの束のうちいずれか1つだけに置かれなければならない。
700.3b 束にあるオブジェクトはそれぞれ別々のオブジェクトのままであり、束全体で1つのオブジェクト になるわけではない。
700.3c オブジェクトを複数の束に分ける場合も、それらは元の領域にあるままである。墓地にあるカードを2つの束に分けたとしても、墓地の順番はそのまま保たれなければならない。
例:《嘘か真か》は「あなたのライブラリーの一番上にあるカード5枚を公開する。対戦相手1人はそれらのカードを束2つに分ける。束1つをあなたの手札に、残りをあなたの墓地に置く。」と書かれている。対戦相手が公開されたカードを束に分けるが、それらはオーナーの手札や墓地に移動するまで、オーナーのライブラリーにあるままである。
700.4. 「死亡する/Die」という語は「〜が戦場から墓地に置かれる」ことを意味する。
700.5. プレイヤーの「[色]への信心/devotion to [color]」は、そのプレイヤーがコントロールしているパーマネントのマナ・コストに含まれるその色のマナ・シンボルの数に等しい。プレイヤーの「[色1]と[色2]への信心/devotion to [color 1] and [color 2]」は、そのプレイヤーがコントロールしているパーマネントのマナ・コストに含まれる、[色1]、[色2]、その両方の色、のいずれかであるマナ・シンボルの総数に等しい。
700.6. 「歴史的な/Historic」という語は、伝説のという特殊タイプか、アーティファクトというカード・タイプか、英雄譚というサブタイプを持つオブジェクトのことを指す。
700.7. 能力が、特性を用いて「この[何か]/this [something]」の類の表現でそのオブジェクト自身を指していた場合、後でその特性が合わなくなったとしても、そのオブジェクト自身を指す。
例:「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを破壊する。/Target creature gets +2/+2 until end of turn. Destroy that creature at the beginning of the next end step.」という能力は、その+2/+2の修整を受けたオブジェクトが次の終了ステップの開始時にクリーチャーでなくなっていたとしても、破壊する。
700.8. プレイヤーのパーティーを構成するクリーチャーの数に言及しているカードが存在する。プレイヤーのパーティーは、以下の4種類のクリーチャー・タイプそれぞれについてそのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー最大1体ずつからなる。「ウィザード/Wizard」「クレリック/Cleric」「戦士/Warrior」「ならず者/Rogue」
700.8a プレイヤーのパーティーを構成するクリーチャーの数は、自動的にゲームによって計算され、その結果は0から4までの数字になる。プレイヤーが、自分がコントロールしているクリーチャーのうちどれがパーティーを構成するのかを決定することはない。
700.8b クリーチャー1体が、パーティーを構成するクリーチャー・タイプのうち複数を持っている場合、そのクリーチャーはそれらのクリーチャー・タイプのうち1つだけの分として計算される。その種のクリーチャーを計算する方法によってプレイヤーのパーティーを構成するクリーチャーの数が変わる場合、結果の数が最大になるように計算される。
700.8c プレイヤーのパーティーを構成するクリーチャーの数が4である場合、そのプレイヤーのパーティーが全員そろっていると言う。
701.1. カードのルール・テキストに書かれている処理のほとんどは普通の言語で書かれているが、いくつかの動詞は定義が必要な術語である。それらの「キーワード」はゲーム用語であり、注釈文で意味が要約されていることがある。
701.2a 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに積み、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。プレイヤーは優先権を持つときに能力を起動できる。rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
701.3a オーラや装備品、城砦をオブジェクトやプレイヤーにつけるとは、それを現在ある場所から取り、そのオブジェクトやプレイヤーの上に置くということを意味する。何かが戦場にあるパーマネントにつく場合、物理的にそのパーマネントに触れるように置くのが通例である。オーラ、装備品、城砦は、それぞれ、エンチャント、装備、城砦化できないオブジェクトやプレイヤーにつけることはできない。
701.3b 効果が、オーラや装備品、城砦を、つけることのできないオブジェクトやプレイヤーにつけようとする場合、そのオーラや装備品、城砦は移動しない。効果が、オーラや装備品、城砦を、その時点でついている先のオブジェクトやプレイヤーにつけようとする場合、その効果は何もしない。効果が、オーラでも装備品でも城砦でもないオブジェクトを他のオブジェクトやプレイヤーにつけようとする場合、その効果は何もせず、その移動させようとしたオブジェクトは移動しない。
701.3c 戦場にあるオーラや装備品、城砦が、別のオブジェクトやプレイヤーにつく場合、そのオーラや装備品、城砦は、その時点で新しいタイムスタンプを得る。
701.3d 装備品をクリーチャーから「はずす/unattach」とは、装備品をそのクリーチャーから離すことであり、装備品は何にも装備していない状態で戦場に残る。そうなった装備品は、クリーチャーに物理的に触れさせておくべきではない。オーラ、装備品、城砦が、オブジェクトやプレイヤーについた状態からそうでない状態になった場合、「[そのオブジェクトやプレイヤーから]はずれる/becoming unattached [from that object or player]」と言う。これは、そのオブジェクトやオーラ、装備品、城砦が戦場を離れた場合や、オブジェクトが元あった領域を離れた場合、プレイヤーがゲームから離れた場合を含む。
701.4a 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある領域(通常は手札)から取り、スタックに積み、コストを支払うことである。プレイヤーは優先権を持つときに呪文を唱えることができる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
701.5a 呪文や能力を打ち消すということは、それを取り消し、スタックから取り除くということである。打ち消された呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。打ち消された呪文はオーナーの墓地に置かれる。
701.5b 打ち消された呪文を唱えたり能力を起動したりしたプレイヤーは、支払ったコストの「払い戻し」を受けることはできない。
701.6a 特定の特性を持つトークンを1つ、あるいは複数生成させる場合、指定された特性を持つトークンを指定された数だけ戦場に出す。
701.6b 生成されるトークンに置換効果が適用される場合、その効果は、そのトークンの特性を修整する継続的効果よりも前に適用される。戦場に出るトークンに置換効果が適用される場合、その効果はそのトークンの特性を修整する継続的効果の後で適用される。
701.6c これまで、トークンを生成する効果はプレイヤーに「[この種のトークン]を戦場に出す。」と指示していた。それらのカードはオラクルによって訂正され、それらのトークンを「生成する」となっている。
701.7a パーマネントを破壊するとは、それを戦場からオーナーの墓地に置くことである。
701.7b パーマネントが破壊されるのは、「破壊する」と書かれている効果によるか、致死ダメージ(rule 704.5g 参照)または接死持ちの発生源からのダメージ(rule 704.5h)による状況起因処理によるかのいずれかだけである。それ以外の方法でオーナーの墓地に置かれたパーマネントは、「破壊」されたわけではない。
701.8a カードを捨てるとは、それをオーナーの手札からそのプレイヤーの墓地に置くことである。
701.8b 通常、プレイヤーにカードを捨てさせる効果は、その影響を受けるプレイヤーに捨てるカードを選ばせる。一部の効果は、無作為に捨てることを要求したり、あるいは他のプレイヤーに選ばせることを要求することもある。
701.8c カードが捨てられ、ただし効果によってオーナーの墓地でなく非公開領域に公開されることなく置かれる場合、そのカードの特性はすべて未定義として扱う。捨てるカードの特性を必要とするコストを支払うためにカードがこの方法で捨てられた場合、そのコストの支払いは不正である。ゲームはコストの支払いが始まる前まで巻き戻される(rule 725〔不正な処理の扱い〕参照)。
701.9. 2倍にする/Double
701.9a クリーチャーのパワーやタフネスを2倍にすることは、継続的効果を生成する。この効果はクリーチャーのパワーやタフネスを修整するものであって、それらの特性を特定の値にするものではない。rule 613.4c 参照。
701.9b クリーチャーのパワーを2倍にするとは、そのクリーチャーに+X/+0の修整を与えるということである。ただし、Xはそのパワーを2倍にする呪文や能力が解決した時点のそのクリーチャーのパワーである。同様に、クリーチャーのタフネスを2倍にする効果はそれに+0/+Xの修整を与える。ただし、Xはそのクリーチャーのタフネスである。クリーチャーのパワーとタフネスを2倍にするとは、それに+X/+Yの修整を与えるということである。ただし、Xはそれのパワー、Yはそれのタフネスである。
701.9c クリーチャーのパワーを2倍にする時点でそれが0よりも小さい場合、そのクリーチャーのパワーを倍にするとは、そのクリーチャーに-X/-0の修整を与えるということである。ただし、Xは0とそのパワーの差である。同様に、タフネスを2倍にする時点でそれが0よりも小さい場合、それは-0/-Xの修整を受ける。パワーとタフネスを2倍にする時点でその一方が負で他方がそうでない場合、それは-X/+Yまたは+X/-Yの修整を受ける。
701.9d プレイヤーのライフの総量を2倍にするとは、そのプレイヤーの新しいライフの総量が現在の値の2倍になるようにライフを得たり失ったりするということである。
701.9e プレイヤーやパーマネントの上にあるある種のカウンターの数を2倍にするとは、そのプレイヤーやパーマネントにそれが既に持っているその種のカウンターを同数だけ与えるということである。
701.9f プレイヤーのマナ・プールにある特定のタイプのマナの量を2倍にするとは、そのプレイヤーが既に持っているそのタイプのマナと同じ量を加えるということである。
701.10a 呪文や能力は解決中に、プレイヤーに何か(たとえばライフの総量や2つのパーマネントのコントロールなど)を交換させることがある。その種の呪文や能力が解決されるときに交換の全体が不可能な場合、交換の一部だけが起こるということはない。
例:呪文の効果で2体の対象のクリーチャーのコントロールを交換しようとしたが、その解決前にそのうち1体が破壊されていた場合には、呪文は他方のクリーチャーにも何もしない。
701.10b 2つのパーマネントのコントロールが交換されたとき、それらのパーマネントが異なるプレイヤーによってコントロールされていた場合、それぞれのプレイヤーは同時にそれまで他のプレイヤーがコントロールしていたパーマネントのコントロールを得る。もし、それらのパーマネントが同一のプレイヤーによってコントロールされていたら、交換 効果は何もしない。
701.10c ライフの総量が交換されたとき、それぞれのプレイヤーはその変化分だけライフを得たり失ったりする。それらの得失に関して、置換効果は影響を及ぼすことがありえるし、誘発型能力が誘発することもありうる。ライフを得られないプレイヤーはこの方法で高いライフの総量を得ることはなく、ライフを失えないプレイヤーはこの方法で低いライフの総量を得ることはない(rule 119.7, 119.8 参照)。
701.10d (たとえば、追放されているカードとプレイヤーの手札にあるカードなど)ある領域に存在するカードを他の領域のカードと交換させる呪文や能力が存在する。それらの呪文や能力は他の交換 呪文や能力と同じように機能するが、それらのカードのオーナーがすべて同じプレイヤーでなければ交換はできない。また、一方の領域が空でも交換できる。
701.10e ある領域に存在するカードを他の領域のカードと交換する場合、そのどちらかがオブジェクトについていたなら、そのカードはそのオブジェクトからはずれ、他方のカードがそのオブジェクトにつく。
701.10f 呪文や能力の中には、2つの領域を丸ごと交換するよう指示するものもある。この場合、一方の領域が空であっても、双方の領域にあるカードは交換される。
701.10g 呪文や能力の中には、2つの数字を交換するよう指示するものもある。そのような交換の場合、それぞれの値は他方の元持っていた値と等しくなる。その一方がライフの総量であった場合、影響を受けたプレイヤーは必要なだけのライフを得たり失ったりする。この得失が置換効果によって影響を受けることも、またこの得失によって能力が誘発することもある。ライフを得られないプレイヤーはこの方法で高いライフの総量を得ることはなく、ライフを失えないプレイヤーはこの方法で低いライフの総量を得ることはない(rule 119.7, 119.8 参照)。交換される値のどちらかがパワーまたはタフネスであった場合、そのパワーやタフネスを他方の値にするという継続的効果が発生する(rule 613.4b 参照)。この規定は、クリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える呪文や能力には適用されない。
701.12a 呪文や能力により、あるクリーチャーが別のクリーチャーに格闘を行うよう指示がある場合や、クリーチャー2体がお互いに格闘を行うよう指示がある場合がある。それらのクリーチャーは、それぞれもう一方に、自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
701.12b 格闘を行うように指示されたクリーチャーの一方あるいは両方がすでに戦場にいなかったり、クリーチャーでなくなっていた場合、それらは格闘を行わず、ダメージも受けない。その呪文や能力がクリーチャーを対象にしていて、そのクリーチャーの一方あるいは両方が不適正な対象 になっていた場合、それらは格闘を行わず、ダメージは受けない。
701.13a プレイヤーが何枚かのカードを切削するとは、そのプレイヤーが自分のライブラリーからその枚数のカードを自分の墓地に置くことである。
701.13b プレイヤーは、自分のライブラリーにあるより多い枚数のカードを切削することはできない。それが選択であるなら、そうすることを選択することはできない。それが指示であるなら、可能な限りの枚数を切削する。同様に、自分のライブラリーにあるより多い枚数のカードを切削することを含むコストを支払うことはできない。
701.13c 切削されたカードに言及する効果は、ライブラリーから移動した先の領域が公開領域であれば、その領域でそのカードを見ることができる。
701.13d 能力が切削された単一のカードの情報をチェックする場合、複数枚のカードが切削されていたら、その能力はその切削されたすべてのカードを参照する。その能力が切削されたカードの特性やマナ総量などの情報を参照する場合、複数の回答を得る。それらの回答が変数の値を定める場合、それらの回答の合計を用いる。能力が「その」カードに何らかの処理を行う場合、その処理を切削されたすべてのカードに行う。能力がカード「1枚」に何らかの処理を行う場合、その能力のコントローラーが影響を受けるカードを選ぶ。
701.14a 土地をプレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤーの手札)から戦場に出すことである。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、そのターンにまだ土地をプレイしていなかった場合に限り、土地をプレイすることができる。土地をプレイすることは特別な処理(rule 116 参照)であり、スタックを用いない。ただ単に起こるだけである。呪文や能力の結果として土地を戦場に出すことは、土地をプレイすることとは異なる。rule 305〔土地〕参照。
701.14b カードをプレイするとは、そのカードを土地としてプレイするか、呪文として唱えるか、該当する方のことを指す。
701.14c 「あなたのライブラリーの一番上のカードを公開したままプレイする。/Play with the top card of your library revealed.」というように、プレイヤーが通常と異なる方法でゲームを「プレイ」することを求める効果が存在する。この場合の「プレイ」とは、マジックのゲームをプレイすることを意味する。
701.14d かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
701.14e かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
701.15a 呪文や能力の効果がパーマネントを再生する場合、そのパーマネントが次にそのターン破壊されることを防ぐ置換効果が作られる。この場合、「[パーマネント]を再生する/Regenerate [permanent]」とは、「このターン、次に[パーマネント]が破壊されるなら、その代わりに負っているすべてのダメージを取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。
701.15b 常在型能力の効果がパーマネントを再生する場合、そのパーマネントが破壊される場合、他の効果で置換される。この場合、「[パーマネント]を再生する/Regenerate [permanent]」とは、「その代わりに負っているすべてのダメージを取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。
701.15c 再生の盾を作る能力を起動することや再生の盾を作る呪文を唱えることは、パーマネントを再生することと同一ではない。パーマネントは再生できないとする効果は、そのような能力を起動したり呪文を唱えたりすることを禁止するのではなく、再生の盾が適用されないようにする。
701.16a カードを公開するとは、そのカードをしばらくの間すべてのプレイヤーに見せるということである。効果によってカードが公開される場合、その効果のそのカードに関係する部分がすべて終わるまで公開され続ける。呪文を唱えるコストや能力を起動するコストとしてカードが公開される場合、そのカードはその呪文や能力が宣言されてからスタックを離れるまでの間公開され続ける。カードを公開することによって誘発型能力が誘発する場合、その誘発型能力がスタックを離れるまでそのカードは公開されたままになる。その能力が次にプレイヤーが優先権を得る時にスタックに置かれない場合、そのカードの公開は終わる。
701.16b カードを公開することは、そのカードの存在する領域を変更しない。
701.16c プレイヤーのライブラリーにあるカードが切り直されるなどして順番が変わった場合、順番が変わった部分にあった公開されたカードの公開は終わり、新しいオブジェクト になる。
701.16d プレイヤーに、1枚または複数のカードを見るように指示する効果が存在する。カードを見ることは、そのカードがその特定のプレイヤーにだけ見せられることを除いて、カードを公開することに関するルールに従う。
701.17a パーマネントを「生け贄に捧げる/sacrifice」とは、そのコントローラーがそれを戦場から直接オーナーの墓地に置くことである。パーマネントでないものや、自分のコントロールしていないパーマネントを生け贄に捧げることはできない。パーマネントを生け贄に捧げることは破壊ではないので、再生その他の破壊を置換する効果はこの行動に影響を及ぼさない。
701.18a 「占術Nを行う/Scry N」とは、プレイヤーが自分のライブラリーの一番上からN枚のカードを見、その後それらのうち望む枚数のカードを自分のライブラリーの一番下に望む順番で、残りを自分のライブラリーの一番上に望む順番で、それぞれ置くことである。
701.18b プレイヤーが、占術0を行う、と指示された場合、占術 イベントは発生しない。プレイヤーが占術を行なったときに誘発する能力は、誘発しない。
701.18c 複数のプレイヤーが一度に占術を行う場合、それらのプレイヤーはそれぞれ自分のライブラリーの一番上のカードを一度に見る。それらのプレイヤーはAPNAP順(rule 101.4 参照)でそれらのカードをどこに置くか決め、その後で一度に置く。
701.19a カードをある領域から探すとは、その領域にあるすべてのカードを見て(非公開領域であっても)、条件に合うカードを見つけるということを意味する。
701.19b 特定のカード・タイプ、色などの何らかの条件を満たすカードを非公開領域から探す必要がある場合、存在してもそのすべてを見つける必要はない。
例:プレイヤーが「アーティファクト1つを対象とする。それを追放する。それのコントローラーの墓地と手札とライブラリーから、そのアーティファクトと同じ名前を持つすべてのカードを探し、追放する。その後、そのプレイヤーはライブラリーを切り直す。」という効果を持つ《木っ端みじん》を唱え、対象として《吠えたける鉱山》を選んだ。《吠えたける鉱山》のコントローラーの墓地にはもう1枚の《吠えたける鉱山》があり、ライブラリーにはあと2枚《吠えたける鉱山》がある。《木っ端みじん》のコントローラーは墓地にある《吠えたける鉱山》を無視することはできないが、ライブラリーの中にある《吠えたける鉱山》は2枚とも見つけても、1枚だけでも、見つけなくてもよい。
701.19c プレイヤーが未定義の条件を満たすカードを非公開領域から探す場合、そのプレイヤーは探すことはできるがカードを見つけることはできない。
例:《ロボトミー》は「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開し、あなたはそこから基本 土地・カードでないカード1枚を選ぶ。そのプレイヤーの墓地、手札、ライブラリーから、選ばれたカードと同じ名前を持つすべてのカードを探し、追放する。その後、そのプレイヤーはライブラリーを切り直す。」という効果を持つ。対象となったプレイヤーが《ロボトミー》の解決時に手札に1枚もカードを持っていなかった場合、《ロボトミー》を唱えたプレイヤーは指定された領域を探すが、カードは追放しない。
701.19d プレイヤーが非公開領域から「カード1枚」「カード3枚」など、ある数の条件のついていないカードを探す場合、その枚数の(ただし、領域にカードが足りない場合、できるだけ多くの)カードを見つけなければならない。
701.19e 探すことを含む効果に見つけたカードを公開すると書かれていなければ、それらのカードは公開されない。
701.19f 領域から探すことがその領域の一部から探すことに置換された場合も、その領域から探すことを参照する指示はそのまま適用される。また、ライブラリーから探すことによって誘発する能力は誘発する。
例:《エイヴンの思考検閲者》は「対戦相手がライブラリーから探すなら、代わりにそのプレイヤーはそのライブラリーの一番上にあるカード4枚の中から探す。」という能力を持ち、《老練の探険者》は「老練の探険者が死亡したとき、各プレイヤーはそれぞれ『自分のライブラリーから基本 土地・カード最大2枚を探し、戦場に出す。』を選んでもよい。そのあと、これによってライブラリーから探したプレイヤーはそれを切り直す。」という能力を持つ。《老練の探険者》の能力によってライブラリーの一番上にあるカード4枚の中から探した対戦相手は、ライブラリー全体を切り直す。
701.19g プレイヤーが領域から何かを探し、そしてその見つけたカードで追加の処理をするという効果がある場合、その追加の処理が不正や不可能であっても、プレイヤーは探すことを選ぶことができる。
701.19h 効果によってプレイヤーが、複数回カードを探してからライブラリーを切り直すよう指示されることがある。これは、そのプレイヤーがそのライブラリーからそれらのカードすべてを探すという単一の指示と同じであり、プレイヤーがライブラリーから探すのは1回だけである。
701.19i 複数のプレイヤーが同時に探す場合、各プレイヤーは同時に該当するカードを見て、APNAP順(rule 101.4 参照)でどのカードを見つけるかを決定する。
701.20a ライブラリーや裏向きのカードの束を切り直すとは、その中でカードを、どのプレイヤーにも順番が分からなくなるように無作為化することである。
701.20b プレイヤーにライブラリーからカードを探させ、切り直させてからその探したカードをライブラリーの特定の場所に置く効果が存在する。その場合、それらのカードはライブラリーを離れたものとしては扱わないが、切り直しには含まれない。また、それらのカードを除いたライブラリーのすべてのカードは切り直される。ライブラリーを切り直したときに誘発する能力は誘発する。その見つけたカードが特定の場所に置かれるまでの間は、ライブラリーの一番上のカードを公開したり見たりさせる能力によってライブラリーの一番上のカードを見ることはできない。
701.20c 効果によって、プレイヤーが特定のオブジェクトをライブラリーに加えて切り直す場合、そのオブジェクトがいずれももとあるべき領域 になかった場合にも、また効果によってそれらのオブジェクト全てが別の領域に移動する場合にも、もとの領域に残る場合にも、ライブラリーは切り直される。
例:《狡知》は「狡知がいずこかから墓地に置かれたとき、これをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。」という能力を持つ。これが墓地に置かれ、この能力が誘発した後、それに対応してこれを追放した場合には、この能力の解決時にライブラリーは切り直される。
例:《黒の太陽の頂点》は「黒の太陽の頂点をオーナーのライブラリーに加えて切り直す。」という効果がある。《黒の太陽の頂点》が墓地にあり、フラッシュバックを(《埋め合わせ》などで)与えて墓地から唱えた場合、《黒の太陽の頂点》は追放され、オーナーのライブラリーは切り直される。
701.20d 一群のオブジェクトをライブラリーに加えて切り直す効果の場合、その群にオブジェクトが存在しなかったとしても、ライブラリーは切り直される。
例:《土覆いのシャーマン》は「土覆いのシャーマンが戦場に出たとき、プレイヤー1人と、そのプレイヤーの墓地にある望む枚数のカードを対象とする。そのプレイヤーは、それらのカードをライブラリーに加えて切り直す。」という能力を持つ。これが戦場に出、この能力が誘発した場合、カードを1枚も対象に取らなかったとしても、この能力の解決時に対象のプレイヤーはライブラリーを切り直す。
701.20e 効果によってプレイヤーが0枚あるいは1枚のライブラリーを切り直す場合にも、ライブラリーを切り直すことによって誘発する能力は誘発する。
701.20f 複数の効果によって同時にライブラリーを複数回切り直す場合、ライブラリーを切り直すことによって誘発する能力はその回数だけ誘発する。
701.20g 効果によって、プレイヤーがオブジェクトをライブラリーの特定の場所に置くのと同時にそのライブラリーを切り直す場合、その特定の位置に置かれたオブジェクト以外のライブラリーを切り直した状態になる。
例:《ダークスティールの巨像》と《墓いらずのゾンビ》が同時に戦場から同じプレイヤーの墓地に置かれたとする。《ダークスティールの巨像》は「ダークスティールの巨像がいずこかから墓地に置かれるなら、代わりにダークスティールの巨像を公開し、オーナーのライブラリーに加えて切り直す。」という能力を持つ。《墓いらずのゾンビ》は「墓いらずのゾンビが場から墓地に置かれるとき、代わりに、墓いらずのゾンビをオーナーのライブラリーの一番上に置く。」という能力を持つ。この場合、そのプレイヤーは《ダークスティールの巨像》を自分のライブラリーに加えて切り直し、《墓いらずのゾンビ》をそのライブラリーの一番上に置く。
701.21. タップする、アンタップする/Tap and Untap
701.21a パーマネントをタップするとは、カードを横向きに倒すことである。アンタップ状態のパーマネントだけをタップできる。
701.21b パーマネントをアンタップするとは、カードを縦向きに戻すことである。タップ状態のパーマネントだけをアンタップできる。
701.22a 「消術Nを行う/fateseal N」とは、プレイヤーが対戦相手のライブラリーの一番上からN枚のカードを見、その後それらのうち望む枚数のカードを対戦相手のライブラリーの一番下に望む順番で、残りを対戦相手のライブラリーの一番上に望む順番で、それぞれ置くことである。
701.23a 激突を行うとは、プレイヤーが自分のライブラリーの一番上のカードを公開し、その後、そのプレイヤーはそのカードをライブラリーの一番下に置くかそのまま残すかする、ということである。
701.23b 「対戦相手と激突を行う/clash with an opponent」は、「対戦相手1人を選び、あなたとその対戦相手はそれぞれ激突を行う。」を意味する。
701.23c 激突を行う各プレイヤーは、それぞれのライブラリーの一番上のカードを一度に公開する。その後、それらのプレイヤーはAPNAP順で(rule 101.4 参照)それらのカードをどこに置くか決め、その後、一度にそれらのカードを置く。
701.23d プレイヤーは、その激突において他のどの公開されたカードよりも大きいマナ総量を持つカードを公開した場合、その激突に勝ったことになる。
701.24. プレインズウォークする/Planeswalk
701.24a プレインチェイス戦 の間にのみ、プレイヤーはプレインズウォークしうる。次元 コントローラーだけがプレインズウォークする。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
701.24b プレインズウォークするとは、オモテ向きの次元・カードや現象・カードをそのオーナーの次元デッキの一番下に裏向きで置き、あなたの次元デッキの一番上にあるカードをそのデッキからよけてオモテ向きにする。
701.24c プレイヤーは「プレインズウォーク 能力」の結果として(rule 901.8 参照)、あるいはオモテ向きの次元・カードや現象・カードのオーナーがゲームから離れたことによって(rule 901.10 参照)、あるいは現象・カードの誘発型能力がスタックを離れたことによって(rule 704.6f 参照)プレインズウォークする。能力によってプレインズウォークすることもある。
701.24d 次元・カードがオモテ向き になったら、プレイヤーがその次元にプレインズウォークしたという。次元・カードが裏向き になった、あるいはゲームから離れたら、プレイヤーがその次元からプレインズウォークしたという。これは現象・カードについても同じである。
701.25a アーチエネミー戦のゲーム中の計略・カードだけが、実行中にされうる。魔王だけが計略略・カードを実行中にすることができる。rule 313〔計略〕、rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
701.25b 計略を実行中にするとは、それがあなたの計略 デッキの一番上にあるならそれをあなたの計略 デッキの一番上から取り除き、オモテ向きでないならオモテ向きにすることである。その計略は、これらの処理がなされなかったとしても実行中になる。
701.25c 計略は同時に1枚しか実行中にはならない。プレイヤーが複数の計略を実行中にするように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけ計略を1枚ずつ実行中にする。
701.27a 増殖を行うとは、カウンターの置かれているパーマネントやカウンターを持つプレイヤーを望む数選び、その後それぞれ、その持っているカウンターを各種類ごとに追加で1個ずつ与えることである。
701.27b 双頭巨人戦では、毒カウンターはチームで共有されている。チームの複数のプレイヤーについてこれが選ばれた場合、それらのプレイヤーのうち1人だけに追加の毒カウンターが置かれる。増殖を行なったプレイヤーは、どのプレイヤーに置くのかを選ぶ。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
701.28a パーマネントを変身させる場合、それを裏返し、もう一方の面が見えるようにする。変身する両面カードで表わされるパーマネントのみが変身できる(rule 712〔両面カード〕参照)。
701.28b パーマネントを変身させることは、パーマネントをオモテ向きや裏向きにすることと物理的行動は同じであるが、ゲーム上は異なる処理である。パーマネントが裏向き になることで誘発する能力は、パーマネントが変身することでは誘発しないし、他も同様である。
701.28c 呪文や能力に、プレイヤーに変身する両面カードでないパーマネントを変身させるよう指示がある場合、何も起こらない。
701.28d 呪文や能力に、プレイヤーに変身先の面がインスタントやソーサリーのパーマネントを変身させるよう指示がある場合、何も起こらない。
701.28e 誘発型能力の中に、オブジェクトが特定の特性を持つオブジェクトに「変身した」ときに誘発するものがある。その種の能力は、そのオブジェクトが変身し、変身した直後にその指定された特性を持っている場合に誘発する。
701.28f 遅延誘発型能力でないパーマネントの起動型能力や誘発型能力がそのパーマネントを変身させようとしたなら、そのパーマネントは、その能力がスタックに置かれた以降に変身していなかったときのみ変身する。パーマネントの遅延誘発型能力がそのパーマネントを変身させようとしたなら、そのパーマネントは、その遅延誘発型能力が作られた以降に変身していなかったときのみ変身する。どちらの場合にも、そのパーマネントが既に変身していた場合、変身するという指示を無視する。
701.29a ある種の呪文や能力はパーマネントを留置できる。その呪文や能力のコントローラーの次のターンまで、そのパーマネントでは攻撃したりブロックしたりできず、またそのパーマネントの起動型能力も起動できない。
701.30a 居住するとは、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー・トークン1個を選び、そのクリーチャー・トークンのコピーであるトークンを生成することである。
701.30b 居住するときにクリーチャー・トークンをコントロールしていなかった場合、トークンを生成することはできない。
701.31a 「怪物化Nを行う/Monstrosity N」とは、「このパーマネントが怪物的でないなら、これの上に+1/+1カウンターN個を置き、これは怪物的 になる。」を意味する。
701.31b 「怪物的/Monstrous」は、怪物化の処理その他の呪文や能力が参照できる目印として以外のルール上の意味を持たない記号である。パーマネントだけが、怪物的である、あるいは怪物的 になることができる。パーマネントが怪物的 になったら、それが戦場を離れるまでずっと怪物的である。怪物的は、能力でも、そのパーマネントのコピー可能な値でもない。
701.31c パーマネントの能力によってプレイヤーが「怪物化 Xを行う。」場合、そのパーマネントの持つ他の能力もXを参照することができる。それらの能力におけるXの値は、パーマネントが怪物的となった時点で定められたXの値と同じである。
701.32a 呪文や能力の中には、その呪文または能力の効果の結果を決定するために記載される複数の選択肢の中から1つに投票するよう指示するものがある。「投票する/Vote」には、特定のプレイヤーから始まりターン順に各プレイヤーがそれらの選択肢の中から1つを選択する。
701.32b 記載された選択肢には、オブジェクト、ルール上の意味を持たない単語で異なる効果に関連したもの、あるいは呪文または能力の解決に関連した変数があり得る。
701.32c 呪文または能力に「投票」と書いてあるものがある場合、それは実際の投票のみを指すものであり、「投票」という文言を使用せずにプレイヤーに選択や決定を行わせる呪文あるいは能力ではない。
701.32d 効果によってプレイヤーが複数の票を持った場合、それらの投票はすべて同時に、そのプレイヤーが通常投票する時点で行われる。
701.33a 「鼓舞Nを行う/Bolster N」とは、「あなたがコントロールしているクリーチャーの中で最も小さいタフネスを持つクリーチャー1体、あるいは2体以上あるならそのうちの1体を選び、それの上に+1/+1カウンターN個を置く。」を意味する。
701.34a 「[カードを]予示する/Manifest [a card]」場合、それを裏向きにする。それは、文章や名前やサブタイプやマナ・コストを持たない、2/2のクリーチャー・カード になる。そのカードを裏向きで戦場に出す。そのパーマネントは、裏向きである限り予示されたパーマネントである。特性を定義するこの効果は、そのカードが裏向きである間機能し、それがオモテ向き になった時点で終了する。
701.34b あなたが優先権を持つときならいつでも、あなたは予示されたパーマネントをオモテ向きにしてよい。これは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 116.2b 参照)。そうするには、そのパーマネントを表すカードがクリーチャー・カードであることとそのカードのマナ・コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、そのコストを支払い、その後そのパーマネントをオモテ向きにする。それが裏向きの間の特性を定義していた効果は終了し、それはその通常の特性を取り戻す。(そのパーマネントを表しているカードがクリーチャー・カードでない、あるいはマナ・コストを持たないなら、この方法でオモテ向きにすることはできない。)
701.34c 変異を持つカードが予示されたなら、そのコントローラーは上記にある予示されたパーマネントをオモテ向きにする手順ではなく、rule 702.37e にある裏向きの変異を持つパーマネントをオモテ向きにする手順を用いてもよい。
701.34d 効果がプレイヤーにそのプレイヤーのライブラリーから複数のカードを予示するよう指示したなら、それらのカードは1枚ずつ予示される。
701.34e 効果によってプレイヤーがカードを予示する場合、裏向きのオブジェクトが戦場に出るのを禁止するルールや効果があれば、そのカードは予示されない。それの特性は変更されることなく、それの元あった領域に残る。それがオモテ向きであれば、オモテ向きのままになる。
701.34f インスタント・カードまたはソーサリー・カードによって表されている予示されたパーマネントがオモテ向き になる場合、それのコントローラーはそのカードを公開し、裏向きのままにする。パーマネントがオモテ向き になったときに誘発する能力は誘発しない。
701.35a パーマネントの「支援Nを行う/support N」は「これでないクリーチャー最大N体を対象とする。それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。」を意味する。インスタント・呪文かソーサリー・呪文の「支援Nを行う」は「クリーチャー最大N体を対象とする。それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。」を意味する。
701.36a 「調査を行う/Investigate」は、「手掛かり・トークン1つを生成する。」を意味する。rule 111.10f 参照。
701.37a 「合体する/Meld」とは、合体する組のうち1枚のカードの能力中に記載されるキーワード処理である。(rule 713〔合体カード〕参照。)合体する組のカード2枚を合体させるとは、それら2枚を、第2面をオモテにして組み合わせた状態で戦場に出すことである。それらがなるパーマネントは、2枚のカードによって表される単一のオブジェクトである。
701.37b 同一の合体する組に属す2枚のカードのみが合体できる。トークンや、合体カードでないカードや、合体する組でない2枚の合体カードは合体できない。
701.37c 効果によって、プレイヤーが、合体できないオブジェクトを合体させるように指示されたなら、それらは現在の領域にとどまる。
例:1人のプレイヤーが、《夜深の死体あさり》と、《墓ネズミ》のコピーであるトークン1体をコントロールしているとともに、それらのオーナーでもあったとする。戦闘の開始時に、両方が追放されるが、合体することはできない。《夜深の死体あさり》は追放されたままになり、追放されたトークンは消滅する。
701.38a クリーチャーを使嗾することができる呪文や能力が存在する。その呪文や能力のコントローラーの次のターンまで、そのクリーチャーは使嗾される。
701.38b 使嗾されている、は、クリーチャーが持ちうる記号である。使嗾されているクリーチャーは。各戦闘で可能なら攻撃し、可能ならそれを使嗾された状態にしたパーマネントや呪文や能力のコントローラーでないプレイヤーを攻撃する。使嗾されているは能力でもパーマネントのコピー可能な値でもない。
701.38c クリーチャーは複数のプレイヤーに使嗾されることがありうる。そうした場合、複数の攻撃 強制が生成される。
701.38d プレイヤーがクリーチャーを使嗾したなら、その後で再びそのプレイヤーがそのクリーチャーを使嗾しても効果はない。それによって複数の攻撃 強制が発生するわけではない。
701.39a パーマネントを督励するとは、「それは、あなたの次のアンタップ・ステップにアンタップしない」を選ぶことである。
701.39b タップされていないパーマネントや、あるターンにすでに督励されているパーマネントも督励できる。あなたが、あなたの次のアンタップ・ステップ になる前にパーマネント1つを複数回督励したなら、それがアンタップしないという各効果はすべて同一のアンタップ・ステップ中に消滅する。
701.39c 戦場 にないオブジェクトを督励することはできない。
701.39d 「[名前]が攻撃するに際し、あなたはこれを督励してもよい。」は攻撃時の選択的コストである(rule 508.1g 参照)。この常在型能力を持つオブジェクトの中には、同じ段落に書かれた「そうしたとき/when you do」に誘発する誘発型能力を持つものがある。これらの能力は関連している(rule 607.2g 参照)。
701.40a パーマネントに探検を行わせる能力が存在する。その場合、そのパーマネントのコントローラーは自分のライブラリーの一番上にあるカードを公開する。これにより土地・カードが公開されたなら、そのプレイヤーはそのカードを自分の手札に加える。そうでないなら、そのプレイヤーは探検を行なっているパーマネントの上に+1/+1カウンター1個を置き、「公開したカードを自分の墓地に置く。」を選んでもよい。
701.40b パーマネントが「探検を行う/explore」とは、rule 701.40aに規定された手順を完了することである。一部または全部の処理を行うことができなかったとしても構わない。
701.40c パーマネントが探検を行う効果の前にそれが領域を移動したなら、それの最後の情報を用いて、探検を行うオブジェクトとそれのコントローラーを決める。
701.41a 「組み立てる/Assemble」とは、『Unstable』セットに存在するキーワード処理で、からくりを戦場に出すことである。銀枠 カード以外では、1枚(《蒸気打ちの親分/Steamflogger Boss》)だけがからくりを組み立てることを参照している。『Unstable』セットのカードやメカニズムはこのルールには含まれていない。詳細は『Unstable』FAQ 参照。
701.42a 「諜報Nを行う/surveil N」とは、あなたのライブラリーの一番上からカードをN枚見て、その後そのうちの望む枚数をあなたの墓地に、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置くことである。
701.42b 何らかの効果によって、あなたが諜報を行う間にカードを追加で何枚か見てもよいとされた場合は、それらのカードは、あなたが墓地に置いたりあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置いたりしてもよいカードに含まれる。
701.44a 「動員Nを行う/amass N」とは、「あなたが軍団・クリーチャーをコントロールしていないなら、黒の0/0のゾンビ・軍団・クリーチャー・トークン1体を生成する。あなたがコントロールしている軍団・クリーチャー1体を選ぶ。そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターN個を置く。」を意味する。
701.44b 「あなたが動員したその[サブタイプ]」という記載は、それの上にカウンターが置かれたかどうかには関係なく、あなたが選んだクリーチャーを参照する。
701.45a 「履修を行う/Learn」とは、「あなたはカード1枚を捨ててもよい。そうしたなら、カード1枚を引く。あなたがカードを捨てなかったなら、あなたは『あなたがオーナーでありゲームの外部にある講義・カード1枚を公開し、あなたの手札に加える。』を選んでもよい。」を意味する。
701.46. ダンジョン探索/Venture into the Dungeon
701.46a 統率領域に自分がオーナーであるダンジョン・カードを持っていないプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーは自分がオーナーであるダンジョン・カードをゲームの外部から選び、統率領域に置き、自分の探索マーカーをその一番上の部屋に置く。rule 309〔ダンジョン〕参照。
701.46b 自分の探索マーカーがダンジョン・カードの一番下の部屋以外の部屋にあるプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーは現在の部屋から離れる矢印の方向に従って次の部屋を選ぶ。そのプレイヤーの探索マーカーのある部屋から複数の矢印が出ている場合、そのプレイヤーがそのうち1つを選ぶ。そのプレイヤーは自分の探索マーカーを次の部屋に動かす。
701.46c 自分の探索マーカーがダンジョン・カードの一番下の部屋にあるプレイヤーがダンジョン探索をするなら、そのプレイヤーはそのダンジョン・カードをゲームから取り除く。こうすることでそのプレイヤーはそのダンジョンを踏破する(rule 309.7 参照)。その後、rule 701.46aに示されている手順をもう一度完了させる。
702.1. ほとんどの能力は、カードのルール・テキストに何をするかがそのまま書かれている。しかし、頻出の能力や定義するのにあまりにも多くの場所を必要とするような能力が存在するので、オブジェクトにはその能力の名前を「キーワード」として記載するだけにとどめる。しばしば、注釈文で意味が要約されていることがある。
702.1a 効果が「[キーワード能力]コスト/[keyword ability] cost」に言及している場合、そのキーワードの可変のコストだけを示す。
例:《縞痕のヴァロルズ》は「あなたの墓地にある各クリーチャー・カードは、それぞれ活用を持つ。活用 コストは、それ自身のマナ・コストに等しい。」という能力を持つ。クリーチャー・カードの活用 コストは、そのマナ・コストに等しい量のマナであり、活用 能力の起動コストはその量のマナと「あなたの墓地からこのカードを追放する。」をあわせたものである。
702.1b オブジェクトに、そのオブジェクトの特性その他ゲームの局面に関する情報に基づいてその能力内に含まれる変数を定義できるキーワード能力を得させる効果が存在する。それらの能力において、その変数の値は常時再計算する。
例:《火山の乱暴者》は「火山の乱暴者は「エコー{X}」の能力を持つ。Xはあなたのライフの総量に等しい。」の能力を持つ。《火山の乱暴者》のエコー 能力が誘発した時点であなたのライフの総量が10点、解決時には5点だったとしたら、支払うべきエコー・コストは{5}となる。
例:《火+氷》はそれぞれの半分のマナ・コストが{1}{R}と{1}{U}の分割カードである。《炎の中の過去》は「ターン終了時まで、あなたの墓地にありインスタントやソーサリーである各カードはそれぞれフラッシュバックを得る。フラッシュバック・コストは、それぞれのマナ・コストに等しい。」という能力を持つ。《火+氷》はあなたの墓地にある間「フラッシュバック{2}{U}{R}」を持つが、《火》を唱えることを選んだ場合、その結果の呪文は「フラッシュバック{1}{R}」を持つ。
702.1c キーワード能力などを列記し、「についても同様である/the same is true for」とする効果が存在する。それらのキーワード能力に変種があってその効果がそのキーワードやそれに対応するキーワード・カウンターをオブジェクトやプレイヤーに与えている場合、その効果はそのキーワードの該当する変種を与える。
例:《一枚岩の努力》は「各アップキープの開始時に、あなたがコントロールしているクリーチャー1体が飛行を持っているなら、ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは飛行を得る。畏怖、先制攻撃、二段攻撃、土地渡り、プロテクション、トランプル、警戒についても同様である。」というエンチャントである。この誘発型能力の解決時に、そのコントローラーがコントロールしているクリーチャーが持つ各土地渡りやプロテクションはそれぞれそのコントローラーがコントロールしているクリーチャーに与えられる。
702.1d 「[キーワード能力]を持つ/with [keyword ability]」「that has [keyword ability]」オブジェクトに言及する効果が存在する。これは、「[キーワード能力]能力を持つ」オブジェクト、と同義である。
702.2b 最後に状況起因処理をチェックした以降に接死を持つ発生源からのダメージを受けた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは、状況起因処理によって破壊される。rule 704 参照。
702.2c 0点でない戦闘ダメージが接死を持つ発生源によってクリーチャーに割り振られた場合、戦闘ダメージの割り振りが適正かどうかを判断する上で、それはそのクリーチャーのタフネスによらず致死ダメージ として扱われる。rule 510.1c-d 参照。
702.2d 接死のルールは接死 ダメージを与えるオブジェクトがどの領域にあっても機能する。
702.2e 効果によってダメージを与える前にそのオブジェクトが領域を移動した場合、そのオブジェクトが接死を持つかどうかを決定するために最後の情報が用いられる。
702.4a 二段攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
702.4b 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃や二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
702.4c 第1戦闘ダメージ・ステップ の間に 二段攻撃を失うと、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを割り振ることはできない。
702.4d 第1戦闘ダメージ・ステップに先制攻撃の戦闘ダメージを与えたクリーチャーに二段攻撃を与えると、そのクリーチャーは第2戦闘ダメージ・ステップにも戦闘ダメージを与えることができる。
702.5a エンチャントは、「エンチャント([オブジェクトまたはプレイヤー])/Enchant [object or player]」と書かれる常在型能力である。エンチャント能力は、オーラ・呪文が対象に取れるものと、オーラがエンチャントできるものを制限する。
702.5b オーラに関しては、rule 303〔エンチャント〕を参照。
702.5c オーラが複数のエンチャント能力を持っている場合、それらの全てが適用される。オーラの対象は、それら全ての限定に従わなければならない。オーラは全てのエンチャント能力に適合するオブジェクトまたはプレイヤーにしかエンチャントできない。
702.5d プレイヤーをエンチャントできるオーラは、プレイヤーを対象にでき、プレイヤーにつく。その種のオーラはパーマネントを対象にできず、パーマネントにつくことはない。
702.6a 装備は装備品・カードの起動型能力である。「装備 [コスト]/Equip [cost]」は、「[コスト]:あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。このパーマネントをそれにつける。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.6b 装備品に関する更なる解説は、rule 301〔アーティファクト〕を参照。
702.6c 装備 能力には、どのようなクリーチャーを適正な対象として選べるかという追加の制限がある場合がある。その種の制限は通常、「「[性質]に装備/Equip [quality]」あるいは「「[性質]クリーチャーに装備/Equip [quality] creature」という書式を取る。これらの装備 能力が適正に対象にすることができるのは、その能力を起動したプレイヤーがコントロールしていてその性質を持つクリーチャーだけである。装備 能力への追加の制限は、装備品が何につくかを制限するものではない。
702.7a 先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
702.7b 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃や二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
702.7c 第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージを与えた後で先制攻撃を持たないクリーチャーに先制攻撃を持たせたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えなくすることはできない。第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージを与えた後で先制攻撃を持つクリーチャーから先制攻撃を取り除いたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えることはできない(二段攻撃を持つ場合を除く)。
702.8a 瞬速は、その能力を持つカードをプレイすることのできるあらゆる領域で機能する常在型能力である。「瞬速/Flash」は、「あなたはこのカードを、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでもプレイしてよい。」を意味する。
702.9b 飛行を持つクリーチャーは飛行か到達を持たないクリーチャーにはブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕、rule 702.17〔到達〕参照。
702.10b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの最初から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃することができる。(rule 302.6 参照。)
702.10c 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの最初から継続してコントロールされていない場合でも、コストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含む能力を起動することができる。(rule 302.6 参照。)
702.11b パーマネントが持つ呪禁は「このパーマネントはあなたの対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象 にならない。」を意味する。
702.11c プレイヤーが持つ呪禁は「あなたはあなたの対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象 にならない。」を意味する。
702.11d 「[性質]からの呪禁/Hexproof from [quality]」は呪禁 能力の変種である。パーマネントが持つ「[性質]からの呪禁」は、「このパーマネントは、対戦相手がコントロールしている[性質]呪文や対戦相手がコントロールしている[性質]発生源からの能力の対象 にならない。」を意味する。「[性質]からの呪禁」能力は呪禁 能力である。
702.11e オブジェクトに呪禁を失わせる効果は、そのオブジェクトからすべての「[性質]からの呪禁」能力を失わせる。プレイヤーに呪禁を持つクリーチャーを呪禁を持たないかのように 対象にしてよいとする効果は、プレイヤーに「[性質]からの呪禁」能力を持つクリーチャーを選んでもよくする。呪禁を持つカードを探す効果は「[性質]からの呪禁」能力を持つカードを探せる。
702.11f 「[性質A]からと[性質B]からの呪禁/Hexproof from [quality A] and from [quality B]」は、「[性質A]からの呪禁」と「[性質B]からの呪禁」の省略であり、2つの別個の呪禁 能力として働く。効果によって、そのようなオブジェクトが[性質A]からの呪禁を失った場合も、そのオブジェクトは[効果B]からの呪禁を持ったままである。
702.13b 威嚇を持つクリーチャーは、アーティファクト・クリーチャーと、そのクリーチャーと色を共有するクリーチャーにしかブロックされない。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
702.14a 土地渡りは、オブジェクトのルール・テキストに「[タイプ]渡り/[type]walk」と書かれる能力の総称である。通常は、[タイプ]部分はサブタイプであるが、土地というカード・タイプ、いずれかの土地タイプ、特殊タイプ、あるいはそれらの組み合わせが存在しうる。
702.14c 土地渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが指定されたサブタイプを持つ(「島渡り」)、指定された特殊タイプを持つ(「伝説の 土地渡り」)、指定された特殊タイプを持たない(「基本でない土地渡り」)、指定された特殊タイプとサブタイプの両方を持つ(「氷雪・沼渡り」)、といった条件に合致する土地を1つでもコントロールしている限りブロックされない(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。
例:氷雪 森渡りを持つクリーチャーをコントロールしている場合、防御プレイヤーが氷雪 森をコントロールしているなら、そのプレイヤーがコントロールしていて氷雪 森渡りを持つクリーチャーにさえもブロックされない。
702.15b 絆魂を持つ発生源が与えるダメージは、その発生源のコントローラー、あるいはコントローラーがいない場合はそのオーナーのライフを、その点数に等しい点数だけ増加させる(これは、そのダメージにより発生する他の結果に追加される)。rule 120.3 参照。
702.15c 効果がダメージを与えさせる前にそのオブジェクトが領域を移動していた場合、絆魂を持つかどうかを決定するために最後の情報を用いる。
702.15d 絆魂のルールは、ダメージを与える絆魂を持つオブジェクトがどの領域にあっても機能する。
702.15e 絆魂を持つ複数の発生源が同時にダメージを与えた場合、それぞれは別個にライフを得るイベントを作る(rule 119.9-10 参照)。
例:「あなたがライフを得るたび、アジャニの群れ仲間の上に+1/+1カウンター1個を置く。」という能力を持つ《アジャニの群れ仲間》と、絆魂を持つクリーチャー2体をコントロールしているプレイヤーがいる。その絆魂を持つクリーチャーが同時に戦闘ダメージを与えた場合、《アジャニの群れ仲間》の能力は2回誘発する。
702.16a プロテクションは常在型能力であり、「プロテクション([性質])/Protection from [性質]」と書かれる。この性質は通常は色であるが(例えば「プロテクション(黒)」)、どのような特性値や情報であってもよい。この性質が名前と偶然一致した場合、プロテクション 能力が名前を明白に参照している場合にのみ名前 として扱う。この性質がカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプである場合、プロテクションは、そのカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプを持つパーマネントだけでなく、戦場以外の領域にある発生源に適用される。これは rule 109.2 の例外である。
702.16b プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つ呪文の対象 にならず、記述された性質を持つ能力の発生源からの能力の対象にもならない。
702.16c プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つオーラによってエンチャントされることもない。プロテクションを持つパーマネントについているその種のオーラは状況起因処理によりオーナーの墓地に置かれる。(rule 704〔状況起因処理〕参照。)
702.16d プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ装備品を装備できず、記述された性質を持つ城砦で城砦化されない。そのような状況にある装備品や城砦は、状況起因処理でそのパーマネントからはずれるが、戦場に残る。rule 704〔状況起因処理〕参照。
702.16e プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つダメージの発生源から受けるすべてのダメージを軽減する。
702.16f プロテクションを持つ攻撃クリーチャーは、記述された性質を持つクリーチャーによってブロックされない。
702.16g 「プロテクション([値A])、プロテクション([値B])」は、英語版では「Protection from [値A] and from [値B]」と書かれている。これは2つの独立したプロテクション 能力である。この類の能力を持つオブジェクトから「プロテクション([値A])」を失わせる効果があった場合、そのオブジェクトは「プロテクション([値B])」を持ったままである。
702.16h 「プロテクション(すべての[特性])/Protection from all [特性]」は、「プロテクション([値A])」「プロテクション([値B])」……と、その特性の取り得るすべての値に対するものの省略形である。これはそれぞれに独立したプロテクション 能力である。この類の能力を持つオブジェクトから「プロテクション([値A])」を失わせる効果があった場合、そのオブジェクトは「プロテクション([値B」)」「プロテクション([値C])」……を持ったままである。
702.16i 英語で「Protection from each [set of characteristics, qualities, or players]」と書かれている場合、それは列記された特性や性質やプレイヤーそれぞれに対するプロテクション 能力の省略形であり、複数のプロテクション 能力として働く。
702.16j 「プロテクション(すべて)/Protection from everything」は、プロテクションの一種である。プロテクション(すべて)を持つパーマネントやプレイヤーは、特性値がどうであるかに関わらず、すべてのオブジェクトに対するプロテクションを持つ。その種のパーマネントやプレイヤーは、呪文や能力の対象 にならず、オーラにエンチャントされない。その種のパーマネントは、装備品を装備せず、城砦によって城砦化されず、クリーチャーにブロックされない。その種のパーマネントやプレイヤーが受けるすべてのダメージは軽減される。
702.16k 「プロテクション(特定のプレイヤー)/Protection from [a player]」は、プロテクションの一種である。プロテクション(特定のプレイヤー)を持つパーマネントは、プロテクション(そのプレイヤーがコントロールしている各オブジェクト)、プロテクション(そのプレイヤーがオーナーであり他のプレイヤーがコントロールしていない各オブジェクト)を、そのオブジェクトの特性に因らずに持つ。その種のパーマネントはそのプレイヤーがコントロールしている呪文や能力の対象 にならず、そのプレイヤーがコントロールしているオーラにエンチャントされず、そのプレイヤーがコントロールしている装備品を装備できず、そのプレイヤーがコントロールしている城砦に城砦化されず、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーにブロックされず、そのプレイヤーがコントロールしている、あるいはそのプレイヤーがオーナーであり他のプレイヤーがコントロールしていない、発生源の与えるダメージはすべて軽減される。
702.16m 同一のクリーチャーやプレイヤーに、同じ性質に対する複数のプロテクションがあっても効果は変わらない。
702.16n エンチャントされているクリーチャーにある性質に対するプロテクションを得させるとともに「この効果は〜を取り除かない/this effect doesn't remove」としてその特定のオーラかすべてのオーラを取り除かないとしているものがある。これは、その指定されたオーラが状況起因処理によってオーナーの墓地に置かれることはない、ということを意味する。そのクリーチャーが他にその性質に対するプロテクションを持っていた場合、それらのプロテクションは通常通りオーラに作用する。
702.16p 1枚のオーラ(《慈善の祝福》)は、エンチャントしているクリーチャーにある性質に対するプロテクションを与えるとともに、その効果はそのクリーチャーに「すでについている/already attached to」特定のパーマネントをはずさないと書かれている。これはつまり、そのプロテクションの効果が適用され始めたとき、すでにそのクリーチャーについていてそこに書かれている性質を持つオブジェクト(そのパーマネントにプロテクションを与えたオーラ自身も含む)は、状況起因処理としてオーナーの墓地に置かれることはない、ということを意味する。そこに書かれている性質を持つそれ以外のパーマネントは、そのクリーチャーにつくことはできない。そのクリーチャーが同じ性質に対するプロテクションをもう1つ持っていた場合、それらはついているパーマネントに通常通り影響する。
702.19a トランプルは、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与える時には特別な影響を及ぼさない。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
702.19b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。それらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、余剰のダメージを、ブロック・クリーチャーと防御プレイヤーまたは攻撃しているプレインズウォーカーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、そのクリーチャーが負っているダメージや同時に受ける他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れるが、実際に受けるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。コントローラーはそれらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御プレイヤーやプレインズウォーカーにはダメージを割り振ることはできない。
例:クリーチャーを追加で1体ブロックできる2/2クリーチャーが、1/1で能力を持たないクリーチャーと、3/3でトランプルを持ったクリーチャーとをブロックしたとする。攻撃 プレイヤーは、第1の攻撃クリーチャーからの1点のダメージと第2の攻撃クリーチャーからの1点のダメージをブロック・クリーチャーに、そしてトランプルを持つクリーチャーからの2点のダメージを防御プレイヤーに、それぞれ割り振ることができる。
例:トランプルを持つ6/6の緑クリーチャーがプロテクション(緑)を持つ2/2のクリーチャー1体にブロックされた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーはブロック・クリーチャーに、プロテクション 能力によって軽減されることになるダメージを最低2点割り振らなければならない。攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを防御プレイヤーとブロック・クリーチャーに好きなようにに割り振ることができる。
702.19c プレインズウォーカー越えトランルは、プレインズウォーカーへの戦闘ダメージの割り振りのルールを修整するトランプルの変種である。プレインズウォーカー越えトランプルを持つクリーチャーのコントローラーは、1点の例外を除いて、rule 702.19b にある通りにそのクリーチャーの戦闘ダメージを割り振る。そのクリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃しているなら、すべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振ってそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーの忠誠度以上のダメージをそのプレインズウォーカーに割り振った後、さらなる余剰のダメージはブロック・クリーチャーやそのプレインズウォーカーやそのプレインズウォーカーのコントローラーにその攻撃クリーチャーのコントローラーが選んで割り振る。割り振った戦闘ダメージとプレインズウォーカーの忠誠度を比較するときは、同じ戦闘ダメージ・ステップ の間に割り振られた、他のクリーチャーからの戦闘ダメージは考慮に入れるが、実際に受けるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。
例:プレイヤーが忠誠カウンター3個を持つプレインズウォーカーをコントロールしていて、そのプレインズウォーカーが能力を持たない1/1のクリーチャーとプレインズウォーカー越えトランプルを持つ7/7のクリーチャーに攻撃された。アクティブ・プレイヤーは1体目の攻撃クリーチャーから1点、2体目の攻撃クリーチャーから2点のダメージをプレインズウォーカーに、プレインズウォーカー越えトランプルを持つクリーチャーからの5点のダメージを防御プレイヤーに割り振ることができる。
702.19d トランプルやプレインズウォーカー越えトランプルを持つ攻撃クリーチャーがブロックされ、しかし戦闘ダメージを割り振る時点でブロック・クリーチャーがいなければ、そのすべての戦闘ダメージは、すべてのブロック・クリーチャーが致死ダメージを割り振られているかのように 防御プレイヤーやプレインズウォーカーに割り振られる。
702.19e プレインズウォーカー越えトランプルを持つ攻撃クリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃し、そのプレインズウォーカーが戦闘から取り除かれたら、そのクリーチャーのダメージは、ダメージを割り振る時点ですべてのブロック・クリーチャーが致死ダメージを受けているあるいはブロック・クリーチャーがいないのであれば、そのすべてのダメージは防御プレイヤーに割り振られる。この場合、そのクリーチャーがそのプレイヤーを攻撃している状態にはならない。
702.19f プレインズウォーカー越えトランプルを持たないクリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃した場合、そのプレインズウォーカーが戦闘から取り除かれていても、あるいは攻撃クリーチャーが割り振ることができるダメージがプレインズウォーカーの忠誠度より大きかったとしても、その戦闘ダメージが防御プレイヤーに割り振られることはない。
702.19g 1体のクリーチャーに複数のトランプルがあっても効果は変わらない。1体のクリーチャーに複数のプレインズウォーカー越えトランプルがあっても効果は変わらない。
702.20a 警戒は攻撃宣言ステップのルールを修正する常在型能力である。
702.20b 警戒を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない。rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。
702.21a 護法は誘発型能力である。「護法 [コスト]/Ward [cost]」は、「このパーマネントが対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象 になるたび、そのプレイヤーが[コスト]を支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消す。」を意味する。
702.22a バンドは戦闘のルールを変更する常在型能力である。
702.22b 「他の〜とのバンド/Bands with other」は、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の〜とのバンドもまた失われる。
702.22c プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、バンドを持つクリーチャーを望む数と、1体までのバンドを持たない(「他の〜とのバンド」を持っていても)クリーチャーを1つの「バンド」として指定してもよい。また、「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャー1体以上を含む望む数の[性質]クリーチャーを1つの「バンド」として指定してもよい。プレイヤーは同時にいくつの攻撃 バンドを指定してもよいが、クリーチャーは同時に2つ以上のバンドに所属することはできない。(防御プレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。rule 702.22j 参照。
702.22d 1つのバンドに含まれるすべてのクリーチャーは、プレイヤー1人またはプレインズウォーカー1体を攻撃しなければならない。
702.22e 攻撃 バンドが宣言されると、何らかの方法でバンド内のクリーチャーからバンド 能力や「他の〜とのバンド」能力が失われたとしても、戦闘の間ずっと残る。
702.22f 戦闘から取り除かれた攻撃クリーチャーは、バンドからも取り除かれる。
702.22g バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。
702.22h 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされる。
例:プレイヤーが、飛行を持つクリーチャーと沼渡りを持つクリーチャーで構成されたバンドで攻撃する。防御プレイヤーは、沼をコントロールしているとしても、飛行 クリーチャーをブロックすることは可能である。防御プレイヤーがそうした場合、沼渡りを持つクリーチャーも、同じようにブロック・クリーチャーによってブロックされる。
702.22i バンドを構成しているクリーチャーの1体が効果によってブロックされた場合、そのバンド全体がブロックされる。
702.22j 戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがバンドを持つクリーチャーにブロックされた場合、あるいは「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャーと他の[性質]クリーチャーの両方によってブロックされた場合、(アクティブ・プレイヤーでなく)防御プレイヤーが攻撃クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、ブロックしているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。これは rule 510.1c で示した手順の例外である。
702.22k 戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがバンドを持つクリーチャーをブロックした場合、あるいは「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャーと他の[性質]クリーチャーの両方をブロックした場合、(防御プレイヤーでなく)アクティブ・プレイヤーがブロック・クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、それにブロックされているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。これは rule 510.1d で示した手順の例外である。
702.22m 1体のクリーチャーに複数のバンド 能力があっても効果は変わらない。1体のクリーチャーに同じ「他の〜とのバンド」能力が複数あっても効果は変わらない。
702.23a ランページは誘発型能力である。「ランページ N/Rampage N」は、「このクリーチャーがブロックされた状態になるたび、ターン終了時まで、このクリーチャーをブロックしている2体目以降のクリーチャー1体につき+N/+Nの修整を受ける。」を意味する。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
702.23b ランページのボーナスは各戦闘ごとに、この誘発型能力が解決される時点で1回だけ計算する。その戦闘中後になってブロック・クリーチャーが追加されたり、取り除かれたりしても、ボーナスは変わらない。
702.24. 累加アップキープ/Cumulative Upkeep
702.24a 累加アップキープは、パーマネントに上昇するコストを課す誘発型能力である。「累加アップキープ [コスト]/Cumulative upkeep ─ [cost]」は、「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントが戦場にある場合、「経年/age」カウンター1個をこのパーマネントの上に置く。その後、あなたはこのパーマネントの上にある経年カウンター1つにつき[コスト]を支払ってもよい。そうしないなら、これを生け贄に捧げる。」を意味する。[コスト]に選択肢がある場合、選択は各経年カウンターごとに別々に行われ、その後全体のコストを一度に支払うか、まったく支払わないかのどちらかを行う。一部のみの支払いは認められない。
例:クリーチャーが「累加アップキープ {W}か{U}」を持ち、その上に経年カウンターが2個置かれている。この能力が誘発して解決された場合、そのクリーチャーのコントローラーはその上に経年カウンター1個を置き、そのクリーチャーを戦場に残すために{W}{W}{W}か{W}{W}{U}か{W}{U}{U}か{U}{U}{U}を支払うことができる。
例:クリーチャーが「累加アップキープ ─ クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」を持ち、その上に経年カウンター1個が置かれている場合、この能力が誘発して解決された時点で、そのコントローラーは同一のクリーチャーを2回生け贄に捧げることを選択することはできない。2体のクリーチャーを生け贄に捧げるか、累加アップキープを持つクリーチャーを生け贄に捧げるかのいずれかをしなければならない。
702.24b パーマネントに複数の累加アップキープがある場合、それぞれが別々に誘発する。しかしながら、経年カウンターはどの特定の能力にも関係づけられていないので、それぞれの累加アップキープの解決時に、パーマネントの上にある経年カウンターの総数を数える。
例:「累加アップキープ ― 1点のライフを支払う。」という能力を2つ持っているクリーチャーがあり、現在その上には、経年カウンターは存在しない。今、この2つの能力が誘発したとする。1つ目の能力が解決されるとき、そのコントローラーはカウンター1つを乗せ、1点のライフを支払うことを選択した。2つ目の能力が解決されるとき、さらにカウンター1つを乗せるので、ライフの支払いは2点となる。
702.25a 側面攻撃は、ブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。側面攻撃は、「このクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび、ターン終了時まで、そのブロック・クリーチャーは-1/-1の修整を受ける。」を意味する。
702.26a フェイジングは、アンタップ・ステップのルールを変更する常在型能力である。各プレイヤーのアンタップ・ステップ の間に、アクティブ・プレイヤーがパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーがコントロールしていてフェイジングを持ったパーマネントでフェイズ・イン状態にあるものは「フェイズ・アウト/phase out」する。同時に、そのプレイヤーのコントロール下でフェイズ・アウトしていたフェイズ・アウト状態のパーマネントは「フェイズ・イン/phase in」する。
702.26b パーマネントがフェイズ・アウトすると、その位相は「フェイズ・アウト」になる。特にフェイズ・アウト状態のパーマネントについて述べているルールや効果を除いては、フェイズ・アウト状態のパーマネントは存在しないかのように扱う。他の何かに影響を及ぼすことも、何かによって影響を受けることもない。フェイズ・アウトしたパーマネントは戦闘から取り除かれる(rule 506.4 参照)。
例:あなたが3体のクリーチャーをコントロールしていて、そのうち1体がフェイズ・アウトしている。「あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき1枚のカードを引く。」という呪文を唱えた場合、引く枚数は2枚である。
例:あなたは、フェイズ・アウト状態のクリーチャーをコントロールしている。「すべてのクリーチャーを破壊する。」という呪文を唱えても、フェイズ・アウト状態のクリーチャーは破壊されない。
702.26c パーマネントがフェイズ・インすると、その位相は「フェイズ・イン」に変わる。ゲームはそれが存在するものとして扱う。
702.26d フェイズ・アウト状態の間は戦場にもなければそのコントローラーのコントロール下にもないかのように扱うが、フェイジングのイベントはパーマネントの領域やコントロールを変化させるものではない。領域変更誘発は、パーマネントがフェイズ・アウトしたりフェイズ・インしたりしても誘発しない。トークンはフェイズ・アウト中も戦場に存在し続ける。フェイズ・アウト状態の間も、カウンターはそのパーマネントに載ったままである。フェイズ・イン状態のパーマネントの来歴を確認する効果は、フェイジングのイベントを、そのパーマネントが戦場を離れたり戦場に出たりしたものとしては扱わない。
702.26e 呪文や能力の解決によって発生した継続的効果がオブジェクトの特性を変更したりコントローラーを変更したりしていた場合、フェイズ・アウトしているパーマネントはその影響を受けるオブジェクト群に含まれない。これには、そのパーマネントがフェイズ・アウトしていることを明示しているのでないかぎり、そのパーマネントを指定して参照する継続的効果も含まれる。
702.26f パーマネントがフェイズ・アウトしている間に、そのパーマネントに影響を及ぼしている継続的効果の期限が切れることがある。その場合、そのパーマネントがフェイズ・インしてきたときにはもうその効果は影響を及ぼさない。特に、そのパーマネントを確認する「〜し続けているかぎり/for as long as」という期限(rule 611.2b 参照)は、そのパーマネントがフェイズ・アウトすると見失うので終わりになる。
702.26g パーマネントがフェイズ・アウトすると、そのパーマネントについていたオーラ、装備品、城砦は同時にフェイズ・アウトする。この方法でのフェイズ・アウトを「間接的に」フェイズ・アウトすると言う。間接的にフェイズ・アウトしたオーラや装備品、城砦はそれ自身でフェイズ・インすることはなく、そのついているパーマネントと一緒にフェイズ・インしてくる。
702.26h あるオブジェクトが直接と間接の両方で同時にフェイズ・アウトした場合、それは間接的にフェイズ・アウトしている。
702.26i オーラ、装備品、城砦が直接フェイズ・アウトした場合、フェイズ・アウトするときについていたオブジェクトが同じ領域にあるなら(プレイヤーであればゲームに残っているなら)それについた状態でフェイズ・インする。そうでなければ、そのオーラ、装備品、城砦はついていない状態でフェイズ・インする。必要であれば、状況起因処理が適用される。(rule 704.5m、rule 704.5n 参照。)
702.26j パーマネントがオブジェクトについたとき、あるいははずれたときに誘発する能力は、そのパーマネントがフェイズ・イン、あるいはフェイズ・アウトしたときには誘発しない。
702.26k フェイズ・アウトしているパーマネントは、そのオーナーがゲームから離れた場合、一緒にゲームから離れる。これは領域変更誘発を誘発させない。rule 800.4 参照。
702.26m 効果によってプレイヤーのアンタップ・ステップが飛ばされた場合、そのターン、フェイジングのイベントは発生しない。
702.26n 多人数戦において、プレイヤーがゲームから離れたとき、ゲームルールによってフェイズ・アウトしているパーマネントがゲームから離れたり追放されたりすることがある(rule 800.4a, 800.4c 参照)。フェイズ・アウトしているパーマネントが、ゲームから離れたプレイヤーのコントロール下でフェイズ・アウトしていたなら、そのパーマネントは、そのプレイヤーの次のターンが始まるべきタイミングの次のアンタップ・ステップにフェイズ・インする。
702.27a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーに存在し、スタックにある間に機能する常在型能力2つからなる。「バイバック[コスト]/Buyback [cost]」は、「あなたは、この呪文を唱えるに際して追加で[コスト]を支払ってもよい。」と「バイバック・コストが支払われているなら、この呪文の解決に際し、この呪文をそのオーナーの墓地に置く代わりにそのプレイヤーの手札に戻す。」を意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、rule 601.2b、rule 601.2f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
702.28b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。
702.29a サイクリングは、サイクリングを持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [cost]」は、「[コスト], 手札からこのカードを捨てる:カード1枚を引く。」を意味する。
702.29b サイクリングはそのカードが手札にあるときにしか起動できないが、オブジェクトが戦場やその他すべての領域にあるときにも存在しつづける。従って、サイクリングを持つオブジェクトは、起動型能力を持つオブジェクトに影響を及ぼす効果の影響を受ける。
702.29c サイクリングを持つカードの中には、サイクリングしたときに誘発する能力を持つものがある。「あなたが[このカード]をサイクリングしたとき、/When you cycle [this card]」とは、「あなたが[このカード]をサイクリング 能力の起動コストを支払うために捨てたとき、」を意味する。この種の能力は、そのカードがサイクリングによって移動した先の領域から誘発する。
702.29d プレイヤーが「捨てるかサイクリングしたとき」に誘発する能力を持つカードが存在する。この種の能力は、そのカードをサイクリングしたときにも1回だけ誘発する。
702.29e タイプサイクリングは、サイクリング 能力の一種である。「[タイプ]サイクリング [コスト]/[type]cycling [cost]」は「[コスト], このカードをあなたの手札から捨てる:あなたのライブラリーから[タイプ]カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。」を意味する。通常、このタイプはサブタイプであるが(「山サイクリング」など)、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、あるいははそれらの組み合わせであり得る(「基本土地サイクリング」など)。
702.29f タイプサイクリング 能力はサイクリング 能力である。タイプサイクリング・コストはサイクリング・コストである。いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、タイプサイクリング 能力の起動コストとしてカードが捨てられたときにも誘発する。サイクリングを禁止する効果によって、タイプサイクリング 能力の起動も禁止される。サイクリング・コストを増加させたり減少させたりする効果は、タイプサイクリング・コストを増加させたり減少させたりする。サイクリングを持つカードを探す効果は、タイプサイクリングを持つカードを見つける。
702.30a エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/echo [cost]」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントが直前のあなたのアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロール下になっていた場合、[コスト]を支払わない限りこれを生け贄に捧げる。」を意味する。
702.30b ウルザ・ブロックのカードでエコー 能力を持っているものは、エコー・コストが記載されていない。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、それぞれがそのマナ・コストに等しいエコー・コストを持つようになった。
702.31b 馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
702.32a 消散は2つの能力を表すキーワードである。「消散 N/Fading N」は、「このパーマネントは、消散/FadeカウンターN個が置かれた状態で戦場に出る。」「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上から消散 カウンター1個を取り除く。そうできないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる。」を意味する。
702.33a キッカーは、それを持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」は、「この呪文を唱えるに際し、あなたは追加で[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 601.2b、rule 601.2f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
702.33b 「キッカー [コスト1]か[コスト2]かその両方/Kicker [cost 1] and/or [cost 2]」は、「キッカー[コスト1]、キッカー[コスト2]/Kicker [cost 1], kicker [cost 2]」と同義である。
702.33c 多重キッカー 能力は、キッカー 能力の一種である。「多重キッカー [コスト]/Mutikicker [コスト]」は「この呪文を唱えるに際し、あなたは追加で[コスト]を望む回数支払ってもよい。」を意味する。多重キッカー・コストはキッカー・コストである。
702.33d 呪文のコントローラーが呪文のキッカー・コストを支払う意図を宣言した場合、その呪文は「キッカーされた/Kicked」状態になる。呪文が2つのキッカー・コストを持っていたり多重キッカーを持っていたりする場合、それは複数回キッカーされ得る。rule 601.2b 参照。
702.33e キッカーや多重キッカーを持つオブジェクトは、キッカーされたときに起こることを特定する、追加の能力を持っている。それらの能力はそのオブジェクトに記載されているキッカー 能力や多重キッカー 能力と関連しており、その特定のキッカー 能力や多重キッカー 能力のみを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
702.33f 複数のキッカー・コストを持つオブジェクトは、それぞれのキッカー・コストに対応する能力を持っている。それらの能力には、「[A]でキッカーされていたなら(場合)/if it was kicked with its [A] kicker」と「[B]でキッカーされていたなら(場合)/if it was kicked with its [B] kicker」という語句が含まれている。AとBはそれぞれカードに記されているキッカー・コストである。それらの能力は、対応するキッカー 能力に関連している。
702.33g 呪文の能力の一部がキッカーされた場合にのみ効果を持つ場合、その部分が対象を取っていたら、その呪文がキッカーされた場合にのみそれらの対象を選ぶ。そうでない場合、呪文はそれらの対象を取らないものとして唱えられる。rule 601.2c 参照。
702.34a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリーであるカードに存在する、2つの常在型能力を表すキーワードであり、その1つはそのカードが墓地にある間に機能し、もう1つはそのカードがスタックにある間に機能する。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [cost]」は、「あなたはあなたの墓地にあるこのカードを、その結果の呪文がインスタントやソーサリーである呪文であるなら、マナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで唱えてもよい。」「フラッシュバック・コストが支払われているなら、このカードがスタックから離れるなら、他の場所に移動させるかわりに追放する。」を意味する。フラッシュバック 能力を使って呪文を唱えることは、rule 601.2b、rule 601.2f-h の代替コストを支払うことに関するルールに従う。
702.35a マッドネスは2つの能力を表すキーワードであり、その1つは、カードが手札にあるときに機能する常在型能力、もう1つは、一番目の能力が適用されたときに機能する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [cost]」は、「プレイヤーがこのカードを捨てるなら、そのプレイヤーはそれを捨て、このカードを自分の墓地に置く代わりに 追放する。」と「このカードがこれにより追放されたとき、オーナーは、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことでこのカードを唱えてもよい。そのプレイヤーがそうしないなら、そのプレイヤーはこのカードを自分の墓地に置く。」を意味する。
702.35b マッドネス 能力で呪文を唱えることは、rule 601.2b および rule 601.2f-h の代替コストのルールに従う。
702.35c マッドネスの誘発型能力の解決後に、その追放されたカードが唱えられることなく公開領域に移動した場合、その捨てられたカードを参照する効果はそのオブジェクトを見つけることができる(rule 400.7i 参照)。
702.37a 変異は、その能力を持つカードをプレイできるすべての領域で機能する常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きであるならいつでも機能する。「変異 [コスト]/Morph [cost]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、文章や名前やサブタイプやマナ・コストを持たないクリーチャーとして唱えられる。」を意味する。(rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。)
702.37b 大変異は、変異 能力の変種である。「大変異 [コスト]/Megamorph [cost]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、文章や名前やサブタイプやマナ・コストを持たないクリーチャーとして唱えられる。」と「このパーマネントがオモテ向き になるに際し、オモテ向き になるためにこれの大変異 コストを支払っていたなら、+1/+1カウンター1個をこれの上に置く。」を意味する。大変異 コストは変異 コストである。
702.37c 変異 能力を使ってカードを唱えるには、まずそれを裏向きにする。それは、文章や名前やサブタイプやマナ・コストを持たない、2/2の裏向きのクリーチャー・カードとなる。(そのカードのオモテ向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つカードを唱えることに適用される効果や禁止が、このカードを唱える際に適用される。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である。(rule 613〔継続的効果の相互作用〕、rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照。)それを(同じ特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに積み、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。通常そのカードをプレイできる領域ならどの領域からでも、変異 能力を使ってそのカードを唱えることができる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性を持って戦場に出る。変異の効果は、その裏向きのオブジェクトがどこにあっても適用され、オモテ向き になったときに終わる。
702.37d 通常、カードを裏向きに唱えることはできない。変異 能力があれば可能である。
702.37e あなたが優先権を持つときならいつでも、あなたは変異 能力を持つ裏向きのパーマネントをオモテ向きにしてよい。これは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 116 参照)。そうするには、そのパーマネントがオモテ向き になった場合の変異 コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、それを支払い、そのパーマネントをオモテ向きにする。(そのパーマネントがオモテ向き になった場合に変異 コストを持たない場合、この方法でオモテ向きにすることはできない。)変異の効果は終了し、そのパーマネントは通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが戦場に出たときに誘発する能力は、オモテ向き になったときには誘発せず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに戦場に出ているからである。
702.37f パーマネントの変異 コストがXを含み、そのパーマネントの他の能力もXを参照していることがある。それらの能力のXは、変異の特別な処理を行なった際に選ばれた値と等しい。
702.38a 増幅は常在型能力である。「増幅 N/Amplify N」は、「このオブジェクトが戦場に出るに際し、あなたの手札にありこのオブジェクトと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このパーマネントは、これにより公開されたカード1枚につきN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。このカード自身や、このカードと同時に戦場に出るカードを公開することはできない。」という意味である。
702.39a 挑発は誘発型能力である。挑発は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。あなたは『この戦闘の間、それは可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうしたなら、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。
702.40a ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにこの呪文より前に唱えられた呪文1つにつき1回、これをコピーする。この呪文が対象を取るなら、あなたは任意のコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味する。
702.41a 親和は、親和を持つ呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「親和([文章])/Affinity for [文章]」は、「この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールしている[文章]1つにつき{1}少なくなる。」を意味する。
702.42a 双呪は呪文がスタックにある間に機能する、モードを持つ(rule 700.2 参照)呪文の常在型能力である。「双呪 [コスト]/Entwine [cost]」は、「あなたは、この呪文のモードを指示されている数だけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは追加で[コスト]を支払う。」を意味する。双呪 能力の使用に際しては、rule 601.2b、および rule 601.2f-h の、モードの選択と追加コストの支払いのルールに従う。
702.43a 接合というキーワードは、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「接合 N/Modular N」とは、「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターを置かれた状態で戦場に出る。」と、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」を意味する。
702.44a 烈日は、オブジェクトが戦場に出る際に機能する常在型能力である。「烈日/Sunburst」は、「このオブジェクトがこれに影響を及ぼすタイプ変更効果を考慮しなければクリーチャーとして戦場に出るなら、これは、これを唱えるために使われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。そうでなければ、これは、これを唱えるために使われたマナの色1色につき1個の蓄積カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.44b 烈日は、烈日を持つオブジェクトがスタックから呪文として解決されて戦場に出る場合で、1点以上の有色 マナがそれの、追加コストや代替コストも含むコストとして使われた場合にのみ適用される。
702.44c 烈日によって、他の能力にある定数を設定させることがありうる。このキーワードがそうして使われていた場合、その能力を持つカードがクリーチャーかどうかは考慮しない。
例:「接合 ─ 烈日」という記述は、「このパーマネントは、これを唱えるために使われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」と「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」の2つの能力を意味する。
702.45a 武士道は誘発型能力である。「武士道 N/Bushido N」は「このクリーチャーがブロックするかブロックされた状態になるたび、ターン終了時まで、これは+N/+Nの修整を受ける。」を意味する。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。
702.46a 転生は誘発型能力である。「転生 N/Soulshift N」は、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にありマナ総量がN以下であるスピリット・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。
702.47a 連繋は、カードがあなたの手札にある間に機能する常在型能力である。「連繋([性質]) [コスト]/Splice onto [quality] [cost]」は「あなたが[性質]の呪文を唱えるに際し、あなたは手札にあるこのカードを公開してもよい。そうしたなら、その呪文はこのカードのルール・テキストにある文章を得、あなたはその呪文の追加コストとして[コスト]を支払う。」を意味する。連繋 コストの支払いに関するルールは、rule 601.2b および rule 601.2f-h の追加コストの支払いに関するルールに従う。
例:連繋したカードはプレイヤーの手札に残るので、後に普通に使用したり、他の呪文に連繋したりすることができる。連繋された呪文に「カード1枚を捨てる。」という追加コストがある場合、そのカードをコストとして捨てることもできる。
702.47b そのカードのルール・テキストで必要な選択(対象など)を行えない場合、連繋 能力を使うことを選ぶことはできない。同一の呪文に複数回、同じカードを連繋することはできない。複数のカードを連繋したい場合、それら全てを同時に公開し、どの順番で効果が生じるかを宣言する。元の呪文の効果を最初に生じさせること。
702.47c 呪文はメインの呪文の特性を持ち、さらに連繋した各カードのルール・テキストを持つ。これは文章変更効果である(rule 612〔文章変更効果〕参照)。呪文は連繋したカードの他の特性(名前、マナ・コスト、色、特殊タイプ、カード・タイプ、サブタイプなど)を得ない。得た文章中で、名前によってカードを示している部分は、そのコピー元のカードではなく、スタックにある呪文のことを指す。
例:《氷河の光線》は連繋(秘儀)を持つ赤のカードであり、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージを与える。」と書かれている。《氷河の光線》を、青の呪文である《霧中の到達》に連繋した場合、その呪文はやはり青で、ダメージを与えるのは《霧中の到達》である。従って、プロテクション(赤)を持つクリーチャーを対象として、それに2点のダメージを与えることができる。
702.47d 追加された文章の対象は通常通り選択する(rule 601.2c 参照)。1つ以上の対象を持つ呪文の対象が解決時にすべて不正になった場合、呪文が解決されないことに注意。
702.48a 献身は、献身を持つカードを唱えられる領域にある間に機能する常在型能力と、献身を持つカードがスタックにある間に機能する常在型能力の2つの常在型能力を表す常在型能力である。「献身([サブタイプ])/[Subtype] offering」は「この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたは[サブタイプ]・パーマネント1個を生け贄に捧げてもよい。この追加コストを支払うことを選んだなら、この呪文の総コストは生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コスト分だけ減少し、あなたはこのカードをインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。」を意味する。
702.48b あなたはその呪文のために選択するに際して生け贄に捧げるパーマネントを選び(rule 601.2b 参照)、総コストを支払うに際してそのパーマネントを生け贄に捧げる(rule 601.2b 参照)。
702.48c 生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる不特定マナは、その呪文の総コストに含まれる不特定マナを減少させる。生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる有色あるいは無色のマナは、その呪文の総コストに含まれるその種類のマナを減少させ、余剰分はその呪文の総コストの不特定マナを減少させる(rule 118.7 参照)。
702.49a 忍術は、忍術 能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「忍術 [コスト]/Ninjutsu [cost]」は、「[コスト], あなたの手札にあるこのカードを公開する, あなたがコントロールしていてブロックされていない攻撃クリーチャー1体をオーナーの手札に戻す:このカードをあなたの手札からタップ状態かつ攻撃している状態で戦場に出す。」を意味する。
702.49b 忍術を持つカードは、能力が宣言された時点から能力がスタックを離れるまでの間、公開されたままである。
702.49c 忍術 能力は、戦場に出ているいずれかのクリーチャーがブロックされていない(rule 509.1h 参照)ときにのみ起動できる。忍術を持つクリーチャーはブロックされていない状態で戦場に出、オーナーの手札に戻されたクリーチャーが攻撃したのと同じプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃していることになる。
702.49d 上忍術は忍術の変種であり、統率領域からでもあなたの手札からでも起動できる。「上忍術 [コスト]/Commander Ninjutsu [cost]」は、「[コスト], あなたの手札や統率領域にあるこのカードを公開する, あなたがコントロールしていてブロックされていない攻撃クリーチャー1体をオーナーの手札に戻す:このカードをタップ状態かつ攻撃している状態で戦場に出す。」を意味する。
702.50a 歴伝は2つの呪文能力を表し、そのうち1つは遅延誘発型能力を作る。「歴伝/Epic」は、「残りのゲームの間、あなたは呪文を唱えられない。」と「残りのゲームの間のあなたの各アップキープの開始時に、この呪文を歴伝 能力を除いてコピーする。その呪文が対象を取るなら、あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味する。rule 707.10 参照。
702.50b プレイヤーは自分がコントロールしている歴伝 呪文が解決されたらもう呪文を唱えることはできないが、(歴伝の能力自身のように)効果により呪文のコピーをスタックに積むことはできる。
702.51a 召集は、召集を持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「召集/Convoke」は、「この呪文の総コストに含まれる色 マナ1点ごとに、あなたはそのマナを支払うのではなくあなたがコントロールしているアンタップ状態のその色のクリーチャー1体をタップしてもよい。この呪文の総コストに含まれる不特定マナ1点ごとに、あなたはそのマナを支払うのではなくあなたがコントロールしているアンタップ状態のクリーチャー1体をタップしてもよい。」を意味する。
702.51b 召集 能力は追加コストや代替コストではなく、召集を持つ呪文の総コストが決定された後にのみ適用される。
例:あなたは「あなたが唱えるクリーチャー・呪文のコストは{2}少なくなる。」という効果を持つ《心なき召喚》をコントロールしていて、召集を持つ{5}{G}{G}の呪文《包囲ワーム》を唱えた。《包囲ワーム》を唱えるための総コストは{3}{G}{G}である。マナ能力の起動後に、あなたはこの総コストを支払う。あなたは緑のクリーチャー最大2体と他のクリーチャー最大3体をタップしてこのコストを支払うことができる。不足分はマナで支払う。
702.51c この方法で呪文の総コストを支払うためにタップされたクリーチャーのことを、その呪文を「召集するためにタップした/convoked」と言う。
702.52a 発掘は、発掘を持つカードがプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する常在型能力である。「発掘 N/Dredge N」は「あなたのライブラリーにN枚以上のカードがあるかぎり、あなたがカードを引くなら、代わりに あなたは『カードN枚を切削し、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。』を選んでもよい。」を意味する。
702.52b 自分のライブラリーに、発掘 能力が必要とする枚数のカードがないプレイヤーは、発掘 能力によって切削することはできない。
702.53a 変成は、変成 能力を持つカードがプレイヤーの手札にある間にのみ機能する起動型能力である。「変成 [コスト]/Transmute [cost]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから、その捨てたカードとマナ総量が等しいカード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後ライブラリーを切り直す。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.53b 変成 能力はそのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ起動できるものであるが、そのオブジェクトが戦場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、変成を持つオブジェクトは、オブジェクトが1つ以上の能力を持つことに依存する効果の影響を受ける。
702.54a 狂喜は常在型能力である。「狂喜 N/Bloodthirst N」は「このターンに対戦相手がダメージを受けていたなら、このパーマネントは+1/+1カウンターN個が置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.54b 「狂喜 X/Bloodthirst X」は狂喜の特殊な形である。「狂喜 X」は「このターンに対戦相手がダメージを受けていたなら、このパーマネントは+1/+1カウンター X個が置かれた状態で戦場に出る。Xはこのターンに対戦相手が受けたダメージの合計に等しい。」を意味する。
702.55a 憑依は誘発型能力である。パーマネントの持つ「憑依/Haunt」は「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードを、そのクリーチャーに憑依した状態で追放する。」を意味する。インスタントやソーサリーである呪文の持つ「憑依/Haunt」は「この呪文が解決中に墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードを、そのクリーチャーに憑依した状態で追放する。」を意味する。
702.55b 憑依 能力の結果として追放 領域にあるカードは、その能力によって対象となったクリーチャーに『憑依している』。それが「憑依しているクリーチャー」とは、憑依 能力の対象となったオブジェクトのことを指す。そのオブジェクトがその時点でクリーチャーであるかどうかは関係しない。
702.56a 複製は2つの能力を表すキーワードである。1つ目は、複製を持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。2つ目は、複製を持つ呪文がスタック上にある間に機能する誘発型能力である。「複製 [コスト]/Replicate [cost]」は「この呪文を唱える際の追加コストとして、あなたは[コスト]を望む回数支払ってもよい。」と「この呪文を唱えたとき、複製 コストが支払われていた場合、これを複製 コストが支払われた回数に等しい回数だけコピーする。その呪文が対象をとるなら、あなたは任意のコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味する。呪文の複製 コストを支払う行為は、rule 601.2b や rule 601.2f-h の追加コストの支払いのルールに従う。
702.56b 呪文が複数の複製 能力を持つ場合、それぞれは別々に支払われ、他の複製ではなくその複製自身に対する支払いに基づいて誘発する。
702.57a 予見 能力は、プレイヤーの手札からのみ起動できる特殊な起動型能力であり、「予見 ― [起動型能力]/Forecast ― [起動型能力]」と表記される。
702.57b 予見 能力は、オーナーのアップキープ・ステップにしか起動できず、各ターン1回しか起動できない。予見 能力のコントローラーは、能力を起動する際に、自分の手札にありその能力を持つカードを公開する。そのプレイヤーは、そのカードが手札を離れるか、あるいはアップキープ・ステップ以外のフェイズやステップが開始するかのいずれかが発生するまで、手札にあるそのカードを公開したままでプレイする。
702.58a 移植は、常在型能力と誘発型能力の両方を意味する。「移植N/Graft N」は「このパーマネントは、+1/+1カウンターN個が置かれた状態で戦場に出る。」と「これでないクリーチャー1体が戦場に出るたび、このパーマネントの上に+1/+1カウンターがある場合、あなたはこのパーマネントの上の+1/+1カウンター1個をそのクリーチャーの上に移動してもよい。」を意味する。
702.59a 復活は、復活を持つカードが墓地にある間にのみ機能する誘発型能力である。「復活 [コスト]/Recover [cost]」とは「クリーチャー1体が戦場からあなたの墓地に置かれたとき、あなたは[コスト]を支払ってもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。そうしないなら、このカードを追放する。」を意味する。
702.60a 波及は、波及を持つカードがスタック上にある間にのみ機能する誘発型能力である。「波及 N/Ripple N」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたは自分のライブラリーの一番上にあるカードN枚、あるいは、あなたのライブラリーにあるカードがN枚未満の場合はあなたのライブラリーのすべてのカードを、公開してもよい。これによりあなたのライブラリーにあるカードを公開したなら、あなたはそれらのカードのうち、この呪文と同じ名前のカードを好きな枚数だけマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより公開されて唱えられなかったすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。」を意味する。
702.61a 刹那は、刹那を持つ呪文がスタック上にある間にのみ機能する常在型能力である。「刹那/Split Second」は「この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは他の呪文を唱えられず、マナ能力でない能力を起動できない。」を意味する。
702.60b 刹那がスタックにある間にも、プレイヤーはマナ能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。また、誘発型能力は通常通り誘発し、スタックに積まれる。
702.62a 待機は3つの能力を表すキーワードである。1つ目は、待機を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。2つ目と3つ目は、追放 領域で機能する誘発型能力である。「待機 N―[コスト]/Suspend N ─ [cost]」は「あなたがこのカードを手札からスタックに積むことで唱え始められるなら、あなたは[コスト]を支払って、このカードを時間カウンターN個を置いた状態で追放してもよい。この処理はスタックを使わない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、これの上から時間カウンター1個を取り除く。」と「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、これが追放されている場合、可能ならこれをマナ・コストを支払うことなくプレイする。そうできないなら、これは追放されたままである。これによりクリーチャー・呪文を唱えたなら、あなたがこの呪文やこの呪文がなったパーマネントのコントロールを失うまで速攻を持つ。」を意味する。
702.62b カードが追放 領域にあり、待機を持ち、その上に時間カウンターが置かれている場合、そのカードは「待機状態/suspended」である。
702.62c 待機を持つカードを唱え始められるかどうかを決定する場合、そのカードを唱えることを禁止するあらゆる効果を考慮する。
702.62d 待機 能力の効果により呪文を唱えることは、rule 601.2b、rule 601.2f-h の代替コストの支払いのルールに従う。
702.63a 消失は3つの能力を表すキーワードである。「消失 N/Vanishing N」とは「このパーマネントは、時間カウンターN個が置かれた状態で戦場に出る。」と「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターがある場合、これの上から時間カウンター1個を取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、これを生け贄に捧げる。」を意味する。
702.63b 数値を持たない「消失/Vanishing」は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、これの上から時間カウンター1個を取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、これを生け贄に捧げる。」を意味する。
702.64a 吸収は常在型能力である。「吸収 N/Absorb N」は「発生源1つがこのクリーチャーにダメージを与えるなら、そのダメージをN点軽減する。」を意味する。
702.64b 吸収 能力は、1つの発生源から1回に受けるダメージごとにそれぞれN点軽減する。複数の発生源からのダメージや複数回に分けて受けるダメージについては、それぞれ適用されることになる。
702.65a オーラ交換は、いくつかのオーラが持つ起動型能力である。「オーラ交換 [コスト]/Aura swap [cost]」は「[コスト]:あなたはこのパーマネントを、あなたの手札にあるオーラ・カード1枚と交換してもよい。」を意味する。
702.65b 交換のいずれか一方を完了できない場合、能力は何もしない。
例:あなたがあるオーラのオーラ交換 能力を起動した時点で、あなたの手札にある唯一のオーラは、オーラ交換を持つオーラがエンチャントしているパーマネントにエンチャントできないカードだった。その場合、能力は効果を持たない。
例:あなたは、自分がコントロールしているが自分がオーナーではないオーラのオーラ交換 能力を起動した。その場合、能力は効果を持たない。
702.66a 探査は、探査を持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「探査/Delve」は「この呪文の総コストに含まれる不特定マナ1点ごとに、あなたはそのマナを支払うのではなくあなたの墓地にあるカード1枚を追放してもよい。」を意味する。
702.67a 城砦化は城砦・カードが持つ起動型能力である。「城砦化 [コスト]/Fortify [cost]」は「[コスト]:あなたがコントロールしている土地1つを対象とする。それにこの城砦をつける。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.69a 墓地ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「墓地ストーム/Gravestorm」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、これを、このターンの間に 戦場から墓地に置かれたパーマネント1つにつき1回コピーする。この呪文が対象を取るなら、あなたは任意のコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味する。
702.70a 有毒は誘発型能力である。「有毒 N/Poisonous N」は「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒カウンターN個を得る。」を意味する。(毒カウンターに関しては、rule 104.3d 参照。)
702.71a 変形は起動型能力である。「変形 [コスト]/Transfigure [cost]」は「[コスト], このパーマネントを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーからこのパーマネントと同じマナ総量を持つクリーチャー・カード1枚を探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.72a 覇権は2つの誘発型能力からなる。「覇権([オブジェクト])/Champion an [object]」は、「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたがコントロールしていてこれでない[オブジェクト]1つを追放しないかぎり、これを生け贄に捧げる。」と「このパーマネントが戦場を離れたとき、これによって追放されているカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。」を意味する。
702.72b 覇権の2つの能力は、関連している能力である。rule 607〔関連している能力〕参照。
702.72c 新しいパーマネントが前にあったパーマネントを覇権 能力の直接の結果で追放した場合、追放されたパーマネントは戦場に出たパーマネントによって「覇権された/Championed」という。
702.73a 多相は特性定義能力である。「多相/Changeling」は、「このオブジェクトはすべてのクリーチャー・タイプである。」を意味する。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。
702.74a 想起は2つの能力を表す。1つは想起を持つカードを唱えられるあらゆる領域において機能する常在型能力であり、もう1つはそれが戦場にあるときに機能する誘発型能力である。「想起 [コスト]/Evoke [cost]」は、「このカードを唱えるなら、あなたはこれのマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」と「このパーマネントが戦場に出たとき、これの想起 コストが支払われていた場合、これのコントローラーはこれを生け贄に捧げる。」を意味する。想起 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2b や rule 601.2f-h の代替コストの支払いのルールに従う。
702.75a 秘匿は、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「秘匿/Hideaway」は「このパーマネントはタップ状態で戦場に出る。」と「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上にあるカード4枚を見る。それらのうち1枚をゲームから裏向きに取り除き、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。追放されたカードは、『このカードを追放したパーマネントをコントロールしていたことのあるプレイヤーは、追放 領域にあるこのカードを見てもよい。』を持つ。」を意味する。
702.76a 徘徊は、スタック上で機能する常在型能力である。「徘徊 [コスト]/Prowl [cost]」は、「このターンに発生源1つからプレイヤー1人が戦闘ダメージを受けていて、そのダメージを与えた時点でその発生源がこの呪文のクリーチャー・タイプ1つを持っていてあなたがコントロールしていたなら、あなたはこの呪文のマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。徘徊 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2b ならびに rule 601.2f-h の代替コストの支払いのルールに従う。
702.77a 補強は、補強 能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「補強 N ―[コスト]/Reinforce N-[cost]」とは「[コスト], このカードを捨てる:クリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターN個を置く。」を意味する。
702.77b 補強 能力はそのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ起動できるものであるが、それはそのオブジェクトが戦場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、補強を持つオブジェクトは、オブジェクトが起動型能力を持つことに依存する効果の影響を受ける。
702.78a 共謀は2つの能力を示すキーワードである。1つ目は共謀を持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力であり、2つ目は共謀を持つ呪文がスタック上にある間に機能する誘発型能力である。「共謀/Conspire」は「この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたはあなたがコントロールしていてこの呪文と共通の色を持つアンタップ状態のクリーチャー2体をタップしてもよい。」と「この呪文を唱えたとき、これの共謀 コストが支払われていた場合、これをコピーする。その呪文が対象を取るなら、あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味する。呪文の共謀 コストを支払うことは、rule 601.2b と rule 601.2f-h の追加コストの支払いのルールに従う。
702.78b 呪文に複数の共謀 能力がある場合、それぞれは個別に支払われ、誘発も自身の支払いに対してのみ行われる。他の共謀に行われた支払いを参照することはない。
702.79a 頑強は誘発型能力である。「頑強/Persist」は、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、これの上に-1/-1カウンターが置かれていなかった場合、これをオーナーのコントロール下で-1/-1カウンターが1個置かれた状態で戦場に戻す。」を意味する。
702.80a 萎縮は常在型能力である。「萎縮/Wither」を持った発生源からクリーチャーが受けたダメージを、そのクリーチャーは負わない。そうではなく、その発生源のコントローラーは、そのダメージの点数に等しい数の−1/−1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。
702.80b オブジェクトが効果によってダメージを与える前にそのオブジェクトが領域を変更したなら、それが萎縮を持っていたかどうかは最後の情報によって決める。
702.81a 回顧はインスタントやソーサリーの一部が持つ、回顧を持つカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある状態で機能する常在型能力である。 「回顧/Retrace」は、「あなたはこのカードを、これを唱えるための追加コストとして土地・カード1枚を捨てることで、あなたの墓地から唱えてもよい。」を意味する。 回顧 能力を使って呪文を唱えることは、rule 601.2b と rule 601.2f-h の追加コストの支払いのルールに従う。
702.82a 貪食は常在型能力である。「貪食 N/Devour N」とは「このオブジェクトが戦場に出るに際し、あなたは望む数のクリーチャーを生け贄に捧げてもよい。このパーマネントは、これにより生け贄に捧げられたクリーチャー1体につきN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.82b オブジェクトの中には、そのパーマネントが貪食したクリーチャーの数を参照するものがある。「これが貪食した/It devoured」とは「これが戦場に出るに際し、これの貪食 能力の結果により生け贄に捧げられた」を意味する。
702.82c [タイプ]の貪食は貪食の変種である。「[タイプ]の貪食 N/Devour [type] N」は「このオブジェクトが戦場に出るに際し、あなたは望む数の[タイプ]・パーマネントを生け贄に捧げてもよい。このパーマネントは、これにより生け贄に捧げられたパーマネント1つにつきN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.83a 賛美は誘発型能力である。「賛美/Exalted」は「あなたがコントロールしているクリーチャー1体が単独で攻撃するたび、ターン終了時まで、そのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」を意味する。
702.83b クリーチャーが「単独で攻撃する/Attack alone」とは、そのクリーチャーがその戦闘フェイズにおいて唯一の攻撃クリーチャーとして指定されることを意味する。rule 506.5 参照。
702.84a 蘇生は、蘇生を持つカードが墓地にある間に機能する起動型能力である。「蘇生 [コスト]/Unearth [cost]」は「[コスト]:あなたの墓地にあるこのカードを戦場に戻す。これは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、これを追放する。これが戦場を離れるなら、これを戦場以外の領域に置く代わりに 追放する。この能力は、起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.85a 続唱は、続唱を持つ呪文がスタックにある間にのみ機能する誘発型能力である。「続唱/Cascade」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、マナ総量がこの呪文より小さく土地でないカードが追放されるまで、あなたのライブラリーの一番上から1枚ずつ追放していく。その結果の呪文のマナ総量がこの呪文のマナ総量よりも小さいなら、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより追放された全てのカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。」を意味する。
702.85b 効果によってプレイヤーが「あなたが続唱を行うに際し/as you cascade」1枚または複数枚の追放されているカードに処理を行えるという場合、そのプレイヤーはカードを続唱 能力で追放し終えたあとにその処理を行なってもよい。この処理は最後に追放したカードを唱えるかどうかを選ぶよりも前、適正なカードが追放されなかった場合にそれらの追放されたカードを無作為の順番で自分のライブラリーの一番下に置くよりも前に行われる。
702.87a Lvアップは起動型能力である。「Lvアップ [コスト]/Level up [cost]」は「[コスト]:このパーマネントの上にLvカウンター1個を置く。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.87b Lvアップ 能力が記載されている各カードは、Lvカードと呼ばれる。それらは通常とは異なる枠を持ち、それら自身がキーワード能力である2つのLvシンボルを持つ。rule 711〔Lv系カード〕参照。
702.87c エンチャントの中にはクラスというサブタイプと、それ自身にクラス・レベルを与える能力を持つものがある。これらはLvアップ 能力とは別であり、クラス・レベルとLvカウンターは相互作用しない。rule 717〔クラス・カード〕参照。
702.88a 反復は、インスタントやソーサリーが持つ。これはその呪文がスタック上にある間に機能する、遅延誘発型能力を作成する常在型能力を表す。「反復/Rebound」は「この呪文が手札から唱えられたなら、解決に際してこれをあなたの墓地に置く代わりに、これを追放し、あなたの次のアップキープの開始時に、あなたは追放 領域にあるこのカードをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」を意味する。
702.88b 反復 能力の効果で呪文を唱えることは、rule 601.2b や rule 601.2f-h の代替コストの支払いに関するルールに従う。
702.89a 族霊鎧は、一部のオーラが持つ常在型能力である。「族霊鎧/Totem Armor」は「エンチャントしているパーマネントが破壊されるなら、代わりにそれが負っているすべてのダメージを取り除いてこのオーラを破壊する。」を意味する。
702.90b 感染を持つ発生源からプレイヤーが受けたダメージは、そのプレイヤーのライフを減少させない。そうではなく、それによってその発生源のコントローラーはそのプレイヤーにその点数に等しい数の毒カウンターを得させる。rule 120.3 参照。
702.90c 感染を持つ発生源からのダメージを、クリーチャーは負わない。そうではなく、その発生源のコントローラーはその点数に等しい数の−1/−1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。rule 120.3 参照。
702.90d オブジェクトが何らかの効果によってダメージを与える前にそのオブジェクトが領域を移動した場合、それが感染を持っていたか否かの決定にはそれの最後の情報を用いる。
702.91a 喊声は誘発型能力である。「喊声/Battle Cry」は「このクリーチャーが攻撃するたび、ターン終了時まで、これでないすべての攻撃クリーチャーは+1/+0の修整を受ける。」を意味する。
702.92a 生体武器は誘発型能力である。「生体武器/Living Weapon」は「この装備品が戦場に出たとき、黒の0/0のファイレクシアン・細菌・クリーチャー・トークン1体を生成し、その後、これをそれにつける。」を意味する。
702.93a 不死は誘発型能力である。「不死/Undying」は、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、これの上に+1/+1カウンターがない場合、これを+1/+1カウンター1個が置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。」を意味する。
702.94a 奇跡は誘発型能力に関連する常在型能力である(rule 603.11 参照)。「奇跡 [コスト]/Miracle [cost]」は、「あなたがこのカードを引くに際し、これがこのターンに初めて引いたカードなら、これを手札から公開してもよい。これによりこのカードを公開したとき、あなたはマナ・コストではなく[コスト]を支払ってこれを唱えてもよい。」を意味する。
702.94b プレイヤーがカードをその奇跡 能力により公開することを選んだ場合、そのカードがそのプレイヤーの手札を離れるか、 その能力が解決されるか、またはその能力がスタックを離れるまで、そのプレイヤーはそのカードを公開したままプレイする(rule 701.16a 参照)。
702.95a 結魂は2つの誘発型能力を表すキーワードである。「結魂/Soulbond」は、「このクリーチャーが戦場に出たとき、あなたがこのクリーチャーとこれでないクリーチャーをコントロールしていてどちらも組になっていない場合、あなたは『それらの両方が戦場にありあなたがコントロールしているクリーチャーであり続けているかぎり、このクリーチャーをあなたがコントロールしていてこれでなく組になっていないクリーチャー1体と組にする。』を選んでもよい。」と「これでないクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたがそのクリーチャーとこのクリーチャーの両方をコントロールしていてその両方が組になっていない場合、あなたは、『それらの両方があなたのコントロール下で戦場にあるクリーチャーであり続けるかぎり、そのクリーチャーをこのクリーチャーと組にする。』を選んでもよい。」を意味する。
702.95b クリーチャーは結魂 能力の結果、他のクリーチャーと「組/paired」になる。能力は組になったクリーチャー、他のクリーチャーと組になったクリーチャー、またはクリーチャーが組になっているかどうかを参照することがある。「組になっていない/unpaired」クリーチャーとは、その時点で組になっていないクリーチャーのことである。
702.95c 結魂 能力の解決時に、組になるオブジェクトのどちらかがクリーチャーでなくなっているか、戦場にいなくなっているか、または結魂 能力をコントロールしているプレイヤーのコントロール下でなくなっている場合、どちらのオブジェクトも組にならない。
702.95d クリーチャーはそれでないクリーチャー1体のみと組になることができる。
702.95e 組になったクリーチャーは、「他のプレイヤーがそれまたはそれと組になったクリーチャーのコントロールを得る」、「それまたはそれと組になったクリーチャーがクリーチャーでなくなる」、または「それまたはそれと組になったクリーチャーが戦場を離れる」のいずれかの場合に組でなくなる。
702.96a 超過は、超過を持つ呪文がスタックにある間に働く2つの常在型能力を表すキーワードである。「超過[コスト]/Overload [cost]」は、「あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい。」と「この呪文の超過 コストを支払うなら、その文章欄に書かれた『target』という語すべてを『each』という語に変更する。」を意味する。(訳注:日本語版ではこの適用後の文章が注釈文として添えられている。)超過 能力を使って呪文を唱えることは、rule 601.2bおよび rule 601.2f-hの代替コストの支払いに関するルールに従う。
702.96b プレイヤーが呪文の超過 コストを支払うことを選んだ場合、その呪文は対象をとらなくなる。その呪文は、超過 コストを支払わずに唱えた場合に適正な対象として選ぶことができないオブジェクトにも影響を及ぼすことができる。
702.97a 活用は、活用を持つカードが墓地にある間のみ作用する起動型能力である。「活用[コスト]/Scavenge [cost]」は、「[コスト], あなたの墓地にあるこのカードを追放する:クリーチャー1体を対象とする。それの上にこのカードのパワーに等しい数の+1/+1カウンターを置く。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.98a 解鎖は2つの常在型能力を表すキーワードである。「解鎖/Unleash」は、「あなたはこのパーマネントを+1/+1カウンターが追加で1個置かれた状態で戦場に出してもよい。」と「このパーマネントの上に+1/+1カウンターが置かれているかぎり、これではブロックできない。」を意味する。
702.99a 暗号は一部のインスタントおよびソーサリーが持つキーワードであり、2つの能力を表す。1つは呪文がスタックに積まれている間に作用する呪文能力であり、もう1つは暗号を持つカードが追放 領域にある間に作用する常在型能力である。「暗号/Cipher」は「この呪文がカードで表されているなら、あなたはこのカードを、あなたがコントロールしているクリーチャー1体に暗号化した状態で追放してもよい。」と「このカードがそのクリーチャーに暗号化され続けているかぎり、そのクリーチャーは『このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたは暗号化されたカードをコピーし、そのコピーをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。』を持つ。」を意味する。
702.99b 「暗号化した/encoded」という用語は、追放 領域に置かれている暗号を持つカードと、そのカードが表す呪文の解決時に選ばれたクリーチャーとの関係を示す。
702.99c 暗号を持つカードは、その暗号を持つカードが追放されており、そのクリーチャーが戦場に残っているかぎり、その選ばれたクリーチャーに暗号化された状態であり続ける。そのカードは、そのオブジェクトが戦場に残っているかぎり、それのコントローラーが変わったり、それがクリーチャーでなくなったりしても、そのオブジェクトに暗号化されたままである。
702.100a 進化は誘発型能力である。「進化/Evolve」は、「クリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、そのクリーチャーのパワーがこのクリーチャーよりも大きいか、そのクリーチャーのタフネスがこのクリーチャーよりも大きいか、またはその両方に該当する場合、このクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。」を意味する。
702.100b クリーチャーは、進化 能力の解決の結果として+1/+1カウンターを置かれた時に「進化する/Evolve」と言う。
702.101a 強請は誘発型能力である。「強請/Extort」とは、「あなたが呪文1つを唱えるたび、あなたは{W/B}を支払ってもよい。そうしたなら、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失い、あなたはこれにより失われたライフに等しい点数のライフを得る。」を意味する。
702.102a 融合は分割カードの一部に存在する常在型能力であり(rule 709〔分割カード〕参照)、融合を持つカードがプレイヤーの手札にある間に働く。プレイヤーが融合を持つ分割カードを自分の手札から唱える場合、そのプレイヤーはその分割カードの一方の半分を選ぶのではなく両方の半分を唱えることを選んでもよい。この選択は、その融合を持つ分割カードをスタックに積む前に行う。この結果の呪文は、融合した分割呪文と呼ばれる。
702.102b 融合した分割呪文は、その両方の半分の組み合わせた特性を持つ(rule 709.4 参照)。
702.102c 融合した分割呪文の総コストは、両方の半分のマナ・コストを含む(rule 601.2f 参照)。
702.102d 融合した分割呪文の解決に際しては、呪文のコントローラーは先に左の半分、そのあとに右の半分の記述に従う。
702.103a 授与は、それを持つカードをプレイできるあらゆる領域にある間に働く常在型能力を表す。「授与[コスト]/Bestow [cost]」は、「あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたはこれを授与された状態で唱えることを選んでもよい。そうしたなら、あなたはこれのマナ・コストではなく[コスト]を支払う。」を意味する。授与 能力を使って呪文を唱えることは、rule 601.2b および rule 601.2f-h の代替コストの支払いに関するルールに従う。
702.103b 授与された状態で唱えられた呪文がスタックに置かれるに際し、それはオーラ・エンチャント になり、エンチャント(クリーチャー)を得る。それは授与されたオーラ・呪文であり、それが解決されてなるパーマネントは授与されたオーラである。これらの効果は、その呪文やパーマネントが授与されていない状態になる(rule 702.103d-f 参照)まで残る。その呪文はオーラ・呪文なので、それのコントローラーはエンチャント(クリーチャー)能力と rule 601.2c によって定義されるその呪文の適正な対象を選ばなければならない。rule 303.4 参照。
702.103c 呪文を授与された状態で唱えるとき、授与 能力によって変更されている特性だけを参照してそれを唱えられるかどうかを決定する。
例:《上天の嵐》は「すべてのクリーチャー・呪文は唱えられない。」という能力を持つエンチャントである。この効果は、授与を持つクリーチャー・カードが授与された状態で唱えられることを妨げない。
例:《ガラクの大軍》は、「あなたはあなたのライブラリーの一番上からクリーチャー・呪文を唱えてもよい。」という能力を持つ。自分が《ガラクの大軍》を出していてライブラリーの一番上が授与を持つクリーチャー・カードだった場合、そのカードをクリーチャー・呪文として唱えることはできるが、授与された状態で唱えることはできない。
702.103d 授与されているオーラ・呪文の解決を始める時点で、その対象が不適正だった場合、それは授与されていない状態になり、オーラ・呪文にしている効果は終了し、その呪文はクリーチャー・呪文として引き続き解決され、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る。これは rule 608.3a の例外である。
702.103e 授与されているオーラがはずれた場合、それは授与されていない状態になる。授与されたオーラが不正なオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれて授与されていない状態になる。これは rule 704.5m の例外である。
702.103f 授与されているオーラが、はずれている状態でフェイズ・インした場合、授与されていない状態になる。rule 702.26〔フェイジング〕参照。
702.104a 貢納は、貢納を持つクリーチャーが戦場に出る際に作用する常在型能力である。「貢納N/Tribute N」は、「このクリーチャーが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ。そのプレイヤーは、これが+1/+1カウンターが追加でN個置かれた状態で戦場に出ることを選んでもよい。」を意味する。
702.104b 貢納を持つオブジェクトは、「貢納が支払われていない場合(なら)/if tribute wasn't paid」働く誘発型能力を持つ。貢納 能力によって選ばれた対戦相手が、そのクリーチャーの貢納 能力が定める数の+1/+1カウンターを置いてクリーチャーを戦場に出すことを選ばなかった場合、この条件が真であることになる。
702.105a 廃位は、誘発型能力である。「廃位/Dethrone」とは、「このクリーチャーが最多あるいは最多と同点のライフを持つプレイヤーを攻撃するたび、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。」を意味する。
702.106a 秘策は、秘策を持つ策略・カードが統率領域に置かれる際に働く常在型能力である。「秘策/Hidden Agenda」とは、「あなたがこの策略・カードを統率領域に置くに際し、これを裏向きにし、秘密裏に名前1つを選ぶ。」を意味する。
702.106b 秘密裏に名前1つを選ぶために、その名前を紙片に書き、裏向きの策略・カードとともに置く。
702.106c 優先権を持つときならいつでも、自分がコントロールしている統率領域にある裏向きの策略・カードをオモテ向きにすることができる。これは特別な処理である。そうすることによって、選ばれた名前が公開される。rule 116.2j 参照。
702.106d 秘策と、秘策を持つオブジェクトの持つ「指定した名前/the chosen name」に言及する能力は関連している。その2つ目の能力は、そのオブジェクトの秘策 能力の結果として指定された名前だけを参照する。rule 607.2d 参照。
702.106e プレイヤーがゲームから離れる場合、そのプレイヤーがコントロールしている裏向きの策略・カードはすべてのプレイヤーに公開される。各ゲームの終わりに、裏向きのすべての策略・カードはすべてのプレイヤーに公開されなければならない。
702.106f 「両策/Double Agenda」は、秘策 能力の変種である。両策を持つ策略・カードを統率領域に置くに際して、1つではなく2つの異なる名前を秘密裏に指定する。その名前を公開するまで、秘密裏に選んだ名前は公開しない。
702.107a 長久は起動型能力である。「長久[コスト]/Outlast [cost]」は、「[コスト], {T}:このクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.109a 疾駆は、遅延誘発型能力を作るものを含む、疾駆を持つカードがスタックにある間に機能する常在型能力2つと、疾駆を持つオブジェクトが戦場に出ている間に機能する常在型能力1つの3つの能力を表す。「疾駆 [コスト]/Dash [cost]」は「あなたはこのカードを、マナ・コストを支払うのではなく[コスト]を支払って唱えてもよい。」「この呪文の疾駆 コストが支払われたなら、次の終了ステップの開始時に、この呪文がなるパーマネントをオーナーの手札に戻す。」「このパーマネントの疾駆 コストが支払われていたかぎり、これは速攻を持つ。」を意味する。疾駆 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2b および rule 601.2f-h の代替コストの支払いに関するルールに従う。
702.110a 濫用は、誘発型能力である。「濫用/Exploit」とは、「このクリーチャーが戦場に出たとき、あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。」を意味する。
702.110b 濫用 能力のコントローラーがその能力の解決時にクリーチャー1体を生け贄に捧げたとき、濫用を持つクリーチャーは「クリーチャー1体を濫用/Exploit a creature」する。
702.112a 高名は誘発型能力である。「高名N/Renown N」は、「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えたとき、これが高名でない場合、これの上に+1/+1カウンターN個を置き、これは高名 になる。」を意味する。
702.112b 「高名である/Renowned」は、高名 能力の処理その他の呪文や能力が参照できる目印として以外のルール上の意味を持たない記号である。パーマネントだけが、高名である、あるいは高名 になることができる。パーマネントが高名 になったら、それが戦場を離れるまでずっと高名である。高名であることは、能力でも、そのパーマネントのコピー可能な値でもない。
702.112c 単一のクリーチャーが複数の高名 能力を持つ場合、それらは別々に誘発する。それらの能力のうち最初に解決されるものがそのクリーチャーを高名にし、それ以降の能力は効果を持たない。(rule 603.4 参照)。
702.113a 覚醒は、一部のインスタントとソーサリーが持ち、覚醒を持つ呪文がスタック上にある間に作用する常在型能力と呪文能力の2つの能力を表す。「覚醒N ― [コスト]/Awaken N-[cost]」は、「あなたがこの呪文を唱えるに際し、マナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい。」と「この呪文の覚醒 コストが支払われていたなら、あなたがコントロールしている土地1つを対象とする。それの上に+1/+1カウンターN個を置く。その土地は、速攻を持つ0/0のエレメンタル・クリーチャー になる。それは土地でもある。」を意味する。覚醒 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2bとrule 601.2f-hの代替コストの支払いのルールに従う。
702.113b 覚醒を持つ呪文のコントローラーは、そのプレイヤーが呪文の覚醒 コストを支払うことを選択したときにのみ、覚醒の呪文能力の対象を選ぶ。そうでないときには、その呪文はその対象を取らないものとして唱える。
702.115a 嚥下は誘発型能力である。「嚥下/Ingest」は、「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を追放する。」を意味する。
702.116a 無尽は誘発型能力であり、また遅延誘発型能力を作ることもある。「無尽/Myriad」は、「このクリーチャーが攻撃するたび、このクリーチャーのコピーであるトークンを、防御プレイヤー以外の対戦相手1人につき1体、タップ状態かつそのプレイヤーまたはそのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃している状態で生成してもよい。これによりあなたが1体以上のトークンを生成したなら、戦闘終了時に、それらのトークンを追放する。」を意味する。
702.117a 怒濤は、怒濤を持つ呪文がスタック上にある間に作用する常在型能力である。「怒濤[コスト]/Surge[cost]」は「あなたやあなたのチームメイトのうち1人がこのターンにこれでない呪文を唱えていたなら、あなたはこの呪文を唱えるに際し、マナ・コストを支払うのではなく[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。怒濤 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2bとrule 601.2f〜rule 601.2hの代替コストの支払いのルールに従う。
702.119a 現出は、現出を持つ呪文がスタック上にある間に作用する2つの常在型能力を表す。「現出[コスト]/Emerge [cost]」は、「あなたはこの呪文を、そのマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払うとともにクリーチャー1体を生け贄に捧げることで唱えてもよい。」と「あなたがこの呪文の現出 コストを支払うことを選んだなら、その総コストは、生け贄に捧げたクリーチャーのマナ総量に等しい点数の不特定マナの分だけ減少する。」を意味する。現出 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2b、rule 601.2f-h の代替コストの支払いのルールに従う。
702.119b あなたは、あなたが呪文の現出 コストを支払うことを選ぶに際し、生け贄に捧げるクリーチャーを選ぶ(rule 601.2b 参照)。あなたは、その総コストを支払うに際し、そのクリーチャーを生け贄に捧げる(rule 601.2h 参照)。
702.120a 増呪は、モードを持つ呪文(rule 700.2参照)の常在型能力であり、増呪を持つ呪文がスタック上にある間に機能する。「増呪[コスト]/Escalate [cost]」は「あなたは、あなたがこの呪文を唱えるに際し選ぶ2つ目以降のモード1つにつき、追加で[コスト]を支払う。」を意味する。呪文の増呪 コストを支払うことは、rule 601.2b、rule 601.2f-h の追加コストの支払いのルールに従う。
702.121a 会戦は誘発型能力である。「会戦/Melee」は、「このクリーチャーが攻撃するたび、ターン終了時まで、これはこの戦闘であなたがクリーチャーで攻撃した対戦相手1人につき+1/+1の修整を受ける。」を意味する。
702.122a 搭乗は機体・カードにある起動型能力である。「搭乗N/Crew N」は、「あなたがコントロールしているアンタップ状態の望む数のクリーチャーをパワーの合計がN以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、このパーマネントはアーティファクト・クリーチャー になる。」を意味する。
702.122b クリーチャーが「機体1つに搭乗する/Crew a Vehicle」とは、機体の搭乗 能力を起動するためのコストを支払うためにそのクリーチャーをタップすることである。
702.122c クリーチャーが「機体に搭乗できない/Can't crew Vehicles」という効果があるなら、機体の搭乗 能力を起動するためのコストを支払うためにそのクリーチャーをタップすることはできない。
702.123a 製造は誘発型能力である。「製造N/Fabricate N」は、「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたはこれの上に+1/+1カウンターN個を置いてもよい。そうしないなら、無色の1/1の霊気装置・アーティファクト・クリーチャー・トークンN体を生成する。」を意味する。
702.124a 共闘は、統率者戦 変種ルール(rule 903 参照)におけるデッキ 構築の規定を変更する能力であり、ゲームの開始前に機能する。統率者として、伝説の クリーチャー・カード1枚ではなく、共闘を持つ伝説の クリーチャー・カード2枚を指定することができる。
702.124b デッキ枚数は2枚の統率者を含みちょうど100枚でなければならない。両方の統率者を統率領域に置いた状態でゲームを開始する。
702.124c ルールや効果が統率者の固有色を参照する場合、それは2体の統率者の合成固有色を参照する。rule 903.4 参照。
702.124d 統率者の固有色を決定する場合を除き、2体の統率者は独立して機能する。共闘を持つ統率者を唱える場合、もう一方の統率者が何回唱えられたかは無視する(rule 903.8 参照)。プレイヤーが同一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを受けたかどうかを決定する場合、2体の統率者からのダメージを別々に扱う(rule 903.10a 参照)。
702.124e 統率者が2体いる状況では、統率者を参照する効果はどちらか一方の統率者を参照する。効果によって、あなたが統率者に何か処理を行い、それが両方に影響を及ぼすことができる場合、あなたはその効果を適用する時点でどちらを参照するか選ぶ。
702.124f 「[名前]との共闘/Partner with [name]」は共闘 能力の変種である。「[名前]との共闘」は2つの能力を表す。1つは、お互いが他方の名前を持つ「[名前]との共闘」能力を持っているなら、1枚でなく2枚の伝説の クリーチャー・カードを自分の統率者として指定できる、というデッキ 構築のルールを変更する常在型能力であり。一方が「[名前]との共闘」能力を持っていても、他方がその名前を持つカードでなければ2枚の伝説の クリーチャー・カードを統率者として指定することはできない。もう1つの能力は「このパーマネントが戦場に出たとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは『自分のライブラリーから[名前]という名前のカード1枚を探し、公開し、自分の手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。』を選んでもよい。」という誘発型能力である。
702.125a 不抜は、不抜を持つ呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「不抜/undaunted」は、「この呪文を唱えるためのコストは対戦相手1人につき{1}少なくなる。」を意味する。
702.126a 即席は、即席を持つ呪文がスタック上にある間に作用する常在型能力である。「即席/Improvise」は「この呪文の総コストに含まれる不特定マナ1点につき、あなたはそのマナを支払うのではなく、あなたがコントロールしているアンタップ状態のアーティファクト1つをタップしてもよい。」を意味する。
702.127a 余波はいくつかの分割カード(rule 709〔分割カード〕参照)に見られる能力で、3つの常在型能力を表す。「余波/Aftermath」は、「あなたはあなたの墓地にあるこの分割カードのこの半分を唱えてもよい。」と「墓地以外の領域にあるこの分割カードのこの半分を唱えることはできない。」と「この呪文が墓地から唱えられていたなら、これがスタックを離れるならいつでも、これを他の領域に置く代わりにこれを追放する。」を意味する。
702.128a 不朽は、不朽を持つカードが墓地にある間に作用する起動型能力である。「不朽[コスト]/Embalm [cost]」は、「[コスト], あなたの墓地にあるこのカードを追放する:白であり、マナ・コストを持たず、他のタイプに加えてゾンビであることを除き、このカードのコピーであるトークン1体を生成する。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.128b トークンが不朽 能力の解決により生成された場合、そのトークンは「不朽を行われている/embalmed」という。
702.129a 永遠は、永遠を持つカードが墓地にある間に作用する起動型能力である。「永遠[コスト]/Eternalize [cost]」とは、「[コスト], あなたの墓地にあるこのカードを追放する:黒であり、4/4であり、マナ・コストを持たず、他のタイプに加えてゾンビであることを除き、このカードのコピーであるトークン1体を生成する。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.131a インスタントやソーサリーである呪文の昇殿は呪文能力を表す。それは「あなたが10個以上のパーマネントをコントロールしていて都市の承認を持っていないなら、このゲームの残りの期間、あなたは都市の承認を得る。」を意味する。
702.131b パーマネントの昇殿は常在型能力を表す。それは「あなたが10個以上のパーマネントをコントロールしていて都市の承認を持っていないときならいつでも、このゲームの残りの期間、あなたは都市の承認を得る。」を意味する。
702.131c 「都市の承認を持っている/Having the city's blessing」とは、他のルールや効果が参照できる目印として機能するが、それ以外にはルール上の意味を持たない記号である。同時に都市の承認を持てるプレイヤーの人数には制限がない。
702.131d プレイヤーが都市の承認を得たあと、ゲームの局面や先行するイベントが何らかの誘発条件に該当するかどうかを見るより先に、継続的効果が再度適用される。
702.132a 助力は、助力を持つ呪文のコストの支払いに関するルールを修整する常在型能力である(rule 601.2g〜601.2h 参照)。助力を持つ呪文を唱える総コストに不特定マナ部分が含まれているなら、あなたがそれを唱える間のマナ能力を起動する前に、あなたは他のプレイヤー1人を選んでもよい。そのプレイヤーは、マナ能力を起動する機会を得る。そのプレイヤーがマナ能力をそれ以上起動しないことを選んだ後で、あなたがマナ能力を起動する機会を得る。あなたがその呪文の総コストの支払いを開始する前に、あなたが選んだそのプレイヤーは、その呪文の総コストのうち望む量の不特定マナを支払ってもよい。
702.133a 再活は、一部のインスタントとソーサリーが持つ。これは2つの常在型能力を表す。1つはそのカードがプレイヤーの墓地にある間に機能し、もう1つはそのカードがスタック上にある間に機能する。「再活/Jump-start」は、「結果の呪文がインスタントやソーサリーである呪文であるなら、あなたは、これを唱えるための追加コストとしてカード1枚を捨てることで、あなたの墓地にあるこのカードを唱えてもよい。」と「この呪文がこれの再活 能力を使用して唱えられたなら、これがスタックを離れるときはいつでも、これを他の領域に置く代わりに 追放する。」を意味する。呪文を、それの再活 能力を使用して唱える場合は、rule 601.2bとrule 601.2f〜rule 601.2hの追加コストのルールに従う。
702.134a 教導は誘発型能力である。「教導/Mentor」は、「このクリーチャーが攻撃するたび、パワーがこのクリーチャーよりも小さい攻撃クリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。」を意味する。
702.135a 死後は誘発型能力である。「死後N/Afterlife N」は、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、飛行を持つ白黒の1/1のスピリット・クリーチャー・トークンN体を生成する。」を意味する。
702.136a 暴動は常在型能力である。「暴動/Riot」は、「あなたは『このパーマネントは追加で+1/+1カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。』を選んでもよい。そうしないなら、これは速攻を得る。」を意味する。
702.137a 絢爛はスタック上で機能する常在型能力である。「絢爛[コスト]/Spectacle [cost]」は、「このターンに対戦相手がライフを失っていたなら、あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。絢爛 コストで呪文を唱えることは、rule 601.2bと601.2f〜hの代替コストの支払いのルールに従う。
702.138a 脱出は、脱出を持つカードが墓地にある間に機能する常在型能力である。「脱出[コスト]/Escape [cost]」は、「あなたは、あなたの墓地にあるこのカードを、マナ・コストを支払うのではなく[コスト]を支払うことで唱えてもよい。」を意味する。呪文を、それの脱出 能力を使って唱えることは、rule 601.2bとrule 601.2f〜rule 601.2hの代替コストのルールに従う。
702.138b 呪文や解決されてそのパーマネント になった呪文が、脱出 能力によって墓地から唱えられたことを、その呪文やパーマネントが「脱出した/escaped」と言う。
702.138c 「[このパーマネント]は 〜 状態で脱出する/[This permanent] escapes with . . .」という能力は、「[このパーマネント]が脱出していたなら、これは 〜 状態で戦場に出る。」を意味する。その能力は「これがこれにより戦場に出たとき/When it enters the battlefield this way.」に誘発する誘発型能力と関連している場合がある(rule 603.11参照)。そのような誘発型能力は、そのパーマネントが戦場に出たときに、それの置換効果が適用された後で誘発する。その置換効果に効果がなかったとしても関係ない。
702.139a 相棒は、ゲームの外部で機能するキーワード能力である。「相棒―[条件]/Companion - [条件]」という形式で書かれる。ゲームを開始する前に、ゲームの外部にあり自分がオーナーであって自分の初期デッキが条件を満たしている相棒 能力を持つカード1枚を公開してもよい(rule 103.2b 参照)。ゲーム中に1回、優先権を持っていてスタックが空で自分のターンのメイン・フェイズ の間に、「{3}を支払い、そのカードを自分の手札に加える。」を選んでもよい。これはスタックを用いない特別な処理(rule 116.2g 参照)である。これは過去のルールからの変更である。
702.139b 相棒 能力が初期デッキに言及している場合、サイドボード・カードをすべて脇に置いた後のデッキを参照する。統率者戦では、統率者を脇に置くよりも前である。
702.139c 特別な処理を行なって相棒を持つカードを自分の手札に加えたなら、それはそのゲームが終わるまでゲームの内部に残る。
702.140a 変容は、一部のクリーチャー・カードが持つ。これは、変容を持つ呪文がスタックにある間に機能する常在型能力を表している。「変容[コスト]/Mutate[コスト]」は、「あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく[コスト]を支払ってもよい。そうしたなら、これは変容させるクリーチャー・呪文となり、この呪文とオーナーが同じであり人間でないクリーチャー1体を対象とする。」を意味する。変容 能力を使って呪文を唱えることは、代替コストの支払いのルールに従う(rule 601.2b と 601.2f-h 参照)。
702.140b 変容させるクリーチャー・呪文の解決が始まるに際し、その対象が不適正であるなら、変容させるクリーチャー・呪文ではなくなり、クリーチャー・呪文として解決を続けて、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る。
702.140c 変容させるクリーチャー・呪文の解決が始まるに際し、その対象が適正であるなら、これは戦場に出ることはない。これは対象にしたクリーチャーと「合同/merge」し、複数のカードやトークンによって表される1個のオブジェクトとなる(rule 723〔パーマネントの合同〕参照)。その呪文のコントローラーは、その呪文をそのクリーチャーの一番上か一番下かどちらに置くかを選ぶ。その結果のパーマネントは、変容したパーマネントである。
702.140d クリーチャーが変容するたびに誘発する能力は、変容させるクリーチャー・呪文の解決の結果、呪文がクリーチャーと合同したときに誘発する。
702.140e 変容したパーマネントは、それを表しているすべてのカードやトークンのすべての能力を持つ。それ以外の特性は、一番上のカードやトークンに基づく。
702.140f 変容させるクリーチャー・呪文を参照したり変更したりする効果は、それが解決されて合同する変容したパーマネントを参照したり変更したりする。
702.141a 再演は、再演を持つカードが墓地にある間に機能する起動型能力である。「再演[コスト]/Encore [コスト]」は、「[コスト], あなたの墓地にあるこのカードを追放する:各対戦相手につきそれぞれ、このカードのコピーであり、このターン可能ならそのプレイヤーを攻撃するトークン1体を生成する。それらのトークンは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それらを生け贄に捧げる。起動はソーサリーとしてのみ行う。」を意味する。
702.142a 誇示 能力は、特別な起動型能力である。「誇示 ― [コスト]:[効果]/Boast - [コスト]:[効果]」は、「[コスト]:[効果]。この能力はこのクリーチャーがこのターンに攻撃していたときにしか起動できず、ターンに1度しか起動できない。」を意味する。
702.142b 効果が誇示 能力を参照する場合がある。効果がクリーチャーが誇示していることを参照する場合、それはその誇示事能力が起動しているということを意味する。
702.143a 予顕は、予顕を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能するキーワードである。プレイヤーは、自分のターン中に、自分が優先権を持っているときならいつでも、「{2}を支払い、自分の手札から予顕を持つカード1枚を裏向きに追放する。」を選んでもよい。そのプレイヤーは追放 領域に残っているかぎりそのカードを見ることができる。現在のターンを終了した後で、そのプレイヤーはその呪文を、マナ・コストではなく、それが持ついずれかの予顕 コストを支払って唱えてもよい。これにより呪文を唱える場合は、rule 601.2b と rule 601.2f〜h の代替コストのルールに従う。
702.143b カードを、それの予顕 能力によって追放することは特別な処理であり、スタックを用いない。rule 116〔特別な処理〕参照。
702.143c 何らかの効果がカードを予顕することを参照する場合、予顕 能力に関わる特別な処理を行うことを参照する。効果が、「予顕されている/foretold」カードや呪文を参照する場合、予顕 能力に関わる特別な処理の結果として追放 領域に置かれているカードや、唱える前に予顕されているカードであった呪文を参照する。なお、後者は、予顕 コスト以外のコストで唱えたものも含む。
702.143d 効果に、追放 領域にあるカードが「予顕された状態/foretold」になると書かれていたなら、そのカードは予顕された カード になる。その効果はそのカードに予顕 コストを与えることがある。現在のターンを終了した後で、そのカードをそれが持ついずれかの予顕 コストを支払って唱えてもよい。その結果の呪文が予顕を持たないとしてもそうしてよい。
702.143e プレイヤーは、追放 領域にあり自分がオーナーであり予顕されているカードが複数あるなら、それらのカードが互いに、また追放 領域にあり自分がオーナーでありそれらでない裏向きのカードからも、容易に区別できるようにしておかなければならない。これには、それらのカードが追放 領域に置かれた順番と、カードがカードに印刷されている予顕 コスト以外の予顕 コストを持っているならそれが分かるようにすることが含まれる。
702.143f プレイヤーがゲームから離れたなら、そのプレイヤーがオーナーであり裏向きであり予顕されていたすべてのカードをすべてのプレイヤーに対して公開しなければならない。また、各ゲームの終了時に、裏向きで予顕されていたすべてのカードをすべてのプレイヤーに対して公開しなければならない。
702.144a 実演は、誘発型能力である。「実演/Demonstrate」とは、「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたはこれをコピーしてよく、あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。あなたがこの呪文をコピーしたなら、対戦相手1人を選ぶ。そのプレイヤーはこの呪文をコピーし、そのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味する。
703.1. ターン起因処理は、あるステップやフェイズが始まったとき、あるいは終わったときに自動的に発生するゲームの処理である。ターン起因処理はスタックを用いない。
703.2. ターン起因処理は、いずれのプレイヤーにもコントロールされていない。
703.3. ステップやフェイズが始まると、そのステップやフェイズにターン起因処理が存在するなら、そのターン起因処理が最初に処理される。これは状況起因処理のチェックよりも前で、誘発型能力がスタックに積まれるよりも前で、プレイヤーが優先権を得るよりも前である。
703.4a アンタップ・ステップが開始した直後に、フェイジングを持ったフェイズ・イン状態のパーマネントでアクティブ・プレイヤーがコントロールしているものがフェイズ・アウトし、フェイズ・アウト状態のパーマネントで、フェイズ・アウトしたときにアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたものがフェイズ・インする。これらは同時に起こる。rule 502.1 参照。
703.4b アンタップ・ステップの、フェイジングの処理が終わった直後に、アクティブ・プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントのうちでどれをアンタップさせるかを選び、それらを同時にアンタップさせる。rule 502.2 参照。
703.4c ドロー・ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーはカード1枚を引く。rule 504.1 参照。
703.4d アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、魔王の戦闘前メイン・フェイズが開始した直後に、そのプレイヤーは計略 デッキの一番上のカードを実行中にする。rule 701.25 参照。
703.4e プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズが始まった直後に、そのプレイヤーは自分がコントロールしている各英雄譚・エンチャントそれぞれの上に伝承カウンター1つを置く。アーチエネミー戦では、これは魔王の計略処理の後に行う。rule 715〔英雄譚・カード〕参照。
703.4f 戦闘開始ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーの対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤー になるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤーは防御プレイヤー になる。rule 507.1 参照。
703.4g 攻撃クリーチャー指定ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する。rule 508.1 参照。
703.4h ブロック・クリーチャー指定ステップが開始した直後に、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する。rule 509.1 参照。
703.4i ブロック・クリーチャー指定ステップの、ブロック・クリーチャーが指定された直後に、アクティブ・プレイヤーは複数のクリーチャーにブロックされた各攻撃クリーチャーごとに、それをブロックしているクリーチャー内でのダメージ割り振り順を宣言する。rule 509.2 参照。
703.4j ブロック・クリーチャー指定ステップの、アクティブ・プレイヤーがダメージ割り振り順を宣言した直後に、防御プレイヤーは複数のクリーチャーをブロックしている各クリーチャーごとに、それがブロックしている攻撃クリーチャー内でのダメージ割り振り順を宣言する。rule 509.3 参照。
703.4k 戦闘ダメージ・ステップが開始した直後に、各プレイヤーはAPNAP順で、それぞれがコントロールしている各攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーがどう戦闘ダメージを割り振るかを宣言する。rule 510.1 参照。
703.4m 戦闘ダメージ・ステップの、戦闘ダメージの割り振りが終わった直後に、すべての戦闘ダメージを同時に与える。rule 510.2 参照。
703.4n クリンナップ・ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていたなら、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札を捨てる。rule 514.1 参照。
703.4p クリンナップ・ステップの、アクティブ・プレイヤーが手札を捨てた直後に、負っていたすべてのダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで、」の効果が終了する。これらの処理は同時に発生する。rule 514.2 参照。
703.4q ステップやフェイズが終わるとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。rule 500.4 参照。
704.1. 状況起因処理は、特定の条件(以下に列記)を満たしたときに自動的に発生するゲームの処理である。状況起因処理はスタックを用いない。
704.2. 状況起因処理はゲームの間にチェックされ、どのプレイヤーにもコントロールされていない。
704.3. プレイヤーが優先権を得るたび(rule 117〔タイミングと優先権〕参照)、ゲームは状況起因処理の発生する条件のどれかが満たされていないかを確認し、該当するものがあればそのすべての状況起因処理を同時に、単一のイベントとして処理する。チェックの結果として状況起因処理が発生した場合、処理後に再びチェックが繰り返される。そうでなければスタックに積まれるのを待っている誘発型能力がスタックに積まれ、再びチェックが行われる。状況起因処理が発生しなくなり、スタックに積まれるのを待っている誘発型能力もなくなっていれば、該当するプレイヤーは優先権を得る。この手順はクリンナップ・ステップにも行われる(rule 514 参照)が、もし状況起因処理も誘発型能力も発生しなければ、プレイヤーは優先権を得ないでステップが終了するという点が特殊である。
704.4. 誘発型能力と違い、状況起因処理は呪文や能力の解決中に何が起こっているかは確認しない。
例:「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの手札にあるカードの枚数に等しい。」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、その後、カード7枚を引く。」という呪文を唱えたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因処理がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札がなくなったときに誘発する能力は、解決中に誘発イベントが発生していたので、呪文の解決後にスタックに積まれる。
704.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。
704.5b 前回の状況起因処理のチェック以降に、カードが1枚も存在しないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
704.5c 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。このルールは双頭巨人戦では適用せず、代わりに rule 704.6b を適用する。
704.5d トークンが、戦場以外の領域にある場合、存在しなくなる。
704.5e 呪文のコピーがスタック以外の領域にある場合、それは消滅する。カードのコピーがスタックと戦場のいずれでもない領域にある場合、それは消滅する。
704.5f タフネスが0以下のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。
704.5g タフネスが0よりも大きく、ダメージを負っていて、それが負っているダメージの合計がそのタフネス以上であるクリーチャーは致死ダメージを受けていると言い、破壊される。再生はこのイベントを置換することができる。
704.5h 前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを受けた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは破壊される。再生はこのイベントを置換することができる。
704.5i 忠誠度が0であるプレインズウォーカーは、オーナーの墓地に置かれる。
704.5j プレイヤー1人が同名の「伝説の/Legendary」パーマネントを複数コントロールしている場合、そのプレイヤーはその中から1個を選び、それ以外をすべてオーナーの墓地に置く。これを「レジェンド・ルール」と言う。
704.5k 複数のパーマネントが「ワールド/World」という特殊タイプを持っている場合、その中でもっとも短い期間ワールドの特殊タイプを持っているものを除き、すべてオーナーの墓地に置かれる。もっとも短いものが複数ある場合、その全てがオーナーの墓地に置かれる。これを「ワールド・ルール」と言う。
704.5m 不正なオブジェクトあるいは不正なプレイヤーについているオーラや、何にもついていないオーラはオーナーの墓地に置かれる。
704.5n 不正なパーマネントやプレイヤーについている装備品や城砦はそのパーマネントやプレイヤーからはずれ、戦場に残る。
704.5p クリーチャーがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれ、戦場に残る。同様に、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれ、戦場に残る。
704.5q 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)
704.5r N個を超えてある種のカウンターを持つことはできないという能力を持つパーマネントに、N個を超えてその種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターをN個だけ残して残りを取り除く。
704.5s 英雄譚・パーマネントの上にある伝承カウンターの数がそれの最終章の番号以上であり、かつ誘発してまだスタックを離れていない章能力の発生源でない場合、その英雄譚のコントローラーはそれを生け贄に捧げる。rule 715〔英雄譚・カード〕参照。
704.5t プレイヤーの探索マーカーがダンジョン・カードの一番下の部屋にあり、そのダンジョン・カードが誘発してスタックから離れていない部屋 能力の発生源でないなら、そのダンジョン・カードのオーナーはそれをゲームから取り除く。rule 309〔ダンジョン〕参照。
704.6 変種ルールのゲームでは、通常は適用されないような追加の状況起因処理が存在することがある。
704.6a 双頭巨人戦において、チームのライフが0以下である場合、そのチームの負けとなる。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
704.6b 双頭巨人戦において、15個以上の「毒/poison」カウンターを持つチームは、ゲームに敗北する。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
704.6c 統率者戦において、ゲーム中を通して単一の統率者から合計21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは、負けとなる。rule 903〔統率者戦〕参照。
704.6d 統率者戦において、統率者が墓地や追放 領域にあって、そのオブジェクトが直前の状況起因処理のチェックよりも後にその領域に置かれたものであるなら、それのオーナーはそれを統率領域に置いてもよい。rule 903〔統率者戦〕参照。
704.6e アーチエネミー戦において、持続でない計略・カードが統率領域でオモテ向き になっており、いずれかの計略の誘発型能力がスタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、その計略・カードは裏向き になり、そのオーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
704.6f プレインチェイス戦において、統率領域で現象・カードがオモテ向きであり、それが誘発してスタックを離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次元 コントローラーはプレインズウォークする。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
704.7. 複数の状況起因処理が同時に同じ結果をもたらす場合、単一の置換効果によってその全てが置換される。
例:「あなたがこのゲームに敗北するなら、代わりに あなたの手札とあなたの墓地とあなたがオーナーであるすべてのパーマネントをあなたのライブラリーに加えて切り直し、その後カード7枚を引き、あなたのライフの総量を20点にする。」という《死者の鏡》をコントロールしている時に、ライブラリーの残り枚数が1枚であり、ライフの総量が1点である。この場合にカード2枚を引き、2点のライフを失うという呪文の効果が処理されたとすると、次の状況起因処理のチェックによって、rule 704.5a と rule 704.5b の2つの条項によってゲームに負けることになるが、《死者の鏡》はその両方の負けを置換し、あなたはゲームを続けることになる。
704.8. 状況起因処理の結果として、他の状況起因処理が行われるのと同時にパーマネントが戦場を離れた場合、そのパーマネントの最後の情報は、それらの状況起因処理を行う前の情報を用いる。
例:プレイヤーが+1/+1カウンターが1個乗っている状態の不死を持つ1/1クリーチャー《若き狼》をコントロールしている。呪文によって、《若き狼》に、-1/-1カウンターが3つ乗せられた。状況起因処理が行われる前の状態では、《若き狼》には+1/+1カウンター1つと-1/-1カウンター3つが乗っている。状況起因処理の結果、《若き狼》は墓地に置かれる。戦場にあった最後の時点では+1/+1カウンターが乗っているので、不死は誘発しない。
705.1. プレイヤーにコイン投げをさせる効果は、そのプレイヤーがコイン投げに勝つか負けるかを見ることができる。そのような効果でコインを投げる場合、そのプレイヤーがコインを投げ、表か裏かを宣言する。宣言が結果と一致した場合、そのプレイヤーはコイン投げに勝ち、そうでなければコイン投げに負ける。コインを投げたプレイヤーだけがコイン投げに勝ったり負けたりするのであり、他のプレイヤーには関係しない。
705.2. 効果がプレイヤーにコイン投げをさせ、その効果がコイン投げの勝者や敗者ではなくそのコインが表になるか裏になるかだけを見る場合、そのプレイヤーが表裏を宣言せずにコインを投げる。この種のコイン投げでは勝ちや負けは存在しない。
705.3. 投げるために使うコインは、どちらの面か容易に区別でき、かつほぼ等確率でそれぞれの面が上になる、2面の物体でなければならない。投げられるコインのオモテと裏がはっきりしていない場合、どちらがオモテであるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数がオモテで偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。
706.1. プレイヤーにサイコロを振らせる効果は、振るサイコロの数と種類を特定している。
706.1a その種の効果は、「N面体サイコロ/N-sided die」あるいは「dN」(Nは正の整数)と書いている場合がある。どの場合にも、そのサイコロはN通りの同じく確からしい結果として1からNまでの数字が出るものでなければならない。例えば、d20は20面体サイコロで、ありうる結果は1から20である。
706.1b プレイヤーたちは、指定されたサイコロと同じ数の同じく確からしい結果が出るものであれば、電子的代替品など、サイコロを振ることの代わりとなる手法に同意してもよい。
706.2. サイコロを振った後、そのサイコロの上面に示された数が、サイコロの出目である。サイコロの出目に足したり引いたりする修整を加えるよう指示があることがある。他の発生源からの修整もありうる。適用できるすべての修整を考慮した後の最後の数を、出目と言う。
706.3. プレイヤーにサイコロを振るように指示する能力の中には、結果テーブルがあるものがある。
706.3a 結果テーブルは複数行に渡る表で書かれている。各行には、ありうる出目と、それらの出目に対応した結果が書かれている。出目は単一の数であることも「N1-N2」の形で最小値と最大値を示した幅であることも、「N+」という形で最小値だけを示した幅であることもある。結果チャートの各行は、「出目がこの幅の中であるなら、[効果]。」を意味している。サイコロを振った後、その出目を用いて結果テーブルのどの効果が発生するかを決める。
706.3b サイコロを振るという指示、それと同じ段落にあるそれを修整するという指示、その出目に基づいた追加の指示、対応する結果テーブルは、すべてが1つの能力の一部である。
706.3c 結果テーブルの効果の中に、「振り直す。/Roll again.」という文章を含んでいるものがある。この追加のサイコロは、もともとのサイコロと同種同数のサイコロを使い、同じ修整を加える。
706.4. プレイヤーにサイコロを振るようにいう能力の中には、結果テーブルを含まないものがある。これらの能力の文章には、その出目をどう使うかが記されている。
706.5. プレイヤーが複数のサイコロを振って最も小さい1つを無視するという場合、最も小さい値を出したサイコロは振らなかったものとして扱う。その無視したサイコロによって能力が誘発することはなく、それに効果が適用されることもない。複数のサイコロが同じ最小の値を出した場合、どのサイコロを無視するかはそのプレイヤーが選ぶ。
706.6. プレインチェイス戦で、次元ダイスを振ることは、プレイヤーがサイコロを振ることで誘発する能力を誘発させる。しかし、出目同士を比べたり出目と特定の数を比べたりするような、その出目を数として参照する効果は、次元ダイスを振ったことを無視する。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
707.1. 呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー/copy」になったり、他のオブジェクトをコピーにしたりするオブジェクトが存在する。また、他のオブジェクトのコピーであるトークンを生成する効果も存在する。(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という記載があるものがあるが、この節ではそれについては扱わない。また、それらのカードはオラクルで修正されている)。
707.2. オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、唱えられた、あるいは起動された時に行われた選択(モード、対象、Xの値、キッカーされているかどうか、複数の対象にどのように影響を及ぼすか、など)もコピーする。オブジェクトのコピー可能な値とは、オブジェクトに記載されている値(名前、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、ルール・テキスト、パワー、タフネス、忠誠度)に、他のコピー 効果、裏向きの位相であること、パワーやタフネス(や、場合によってはその他の特性)を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「オモテになるに際し/as ... is turned face up」の能力、そのオブジェクトを裏向きにする能力による影響を加味したものである。それ以外の(タイプや文章を変更するようなものも含む)効果、位相、カウンターはコピーされない。
例:《キマイラ杖》は「{X}:ターン終了時まで、キマイラ杖はX/Xのアーティファクト・クリーチャー になる。」というアーティファクトであり、《クローン》は「《クローン》が戦場に出るに際し、あなたは戦場に出ているクリーチャー1体を選んでもよい。そうしたなら、クローンはそのクリーチャーのコピーとして戦場に出る。」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5のアーティファクト・クリーチャー になった後で、《クローン》がそれのコピーとして戦場に出た場合、《クローン》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして戦場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャー になることはできる)。
例:《クローン》が、裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異{2}{B}{B}を持つクリーチャー)のコピーとして戦場に出るとする。この場合、《クローン》は無色の2/2で、名前、タイプ、能力、マナ・コストを持たないクリーチャーとして戦場に出る。ただし、オモテ向きであり、{2}{B}{B}を支払ってオモテ向き になることはできない。
707.2a コピーは、コピーするオブジェクトの色を得る。これは、その色を決定するマナ・コストや色指標をコピーするからである。コピーは、コピーするオブジェクトの能力を得る。これは、ルール・テキストを得るからである。コピーは各能力を2つずつ持つわけではない(つまり、オブジェクトの能力とルール・テキストの両方をコピーすることはなく、ルール・テキストから新しく能力が定義されているわけである)。
707.2b オブジェクトがコピーされた後で、元のオブジェクトのコピー可能な値を変更してもコピーは変更されない。
707.2c 常在型能力がコピー 効果である継続的効果を生成する場合、その効果が与えるコピー可能な値はその効果が最初に適用され始めたときにのみ決定される。
707.3. コピーのコピー可能な情報は、そのコピーの位相によって修整された(rule 110.5 参照)、コピーされた情報である。そのコピーを他のオブジェクトがコピーした場合には、新しいコピー可能な情報を用いる。
例:《Vesuvan Doppelganger》は「あなたは、Vesuvan Doppelgangerを、そのクリーチャーの色をコピーしないことと『あなたのアップキープの開始時に、クリーチャー1体を対象とする。あなたは“このクリーチャーは、そのクリーチャーの色をコピーしないこととこの能力を持つことを除き、それのコピー になる。”を選んでもよい。』を持つことを除き、戦場にいるクリーチャー1体のコピーとして戦場に出してもよい。」という能力を持つ。《Vesuvan Doppelganger》が《ルーン爪の熊》(能力を持たない2/2の緑の熊・クリーチャー)のコピーとして戦場に出た。その後で、《クローン》がその《Vesuvan Doppelganger》のコピーとして戦場に出た場合には、《クローン》は2/2の青で、クリーチャー・タイプが熊の《ルーン爪の熊》となり、《Vesuvan Doppelganger》のアップキープ誘発型能力を持つ。
例:《暴く者、智也》(反転状態の反転カード)が《鼠の短牙》(反転していない反転カード)のコピー になった場合、《暴く者、智也》の特性は《鼠の短牙》の反転した状態である《憎まれ者の傷弄り》の特性となる。
例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が、オモテ向きの《枝折りロリアン》(4/1で変異{G}とトランプルを持つ緑のクリーチャー)のコピーとなった場合、その《にやにや笑いの悪魔》の特性は《枝折りロリアン》のものになるが、そのクリーチャーは裏向きなので、2/2の無色で名前やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。{G}でオモテ向き になることができ、オモテ向き になると《枝折りロリアン》の特性を持つ。
例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が《さまようもの》(1/1のスピリット・クリーチャーで変異をもたない)のコピー になった場合、裏向きの《さまようもの》なので、2/2の無色で名前やタイプや能力やマナ・コストを持たないクリーチャーのままである。変異を持たないので、特別な処理でオモテ向き になることはできない。効果によってオモテ向き になった場合には、《さまようもの》の特性を持つ。
707.4. パーマネントをコピーしているパーマネントが戦場にある間に、それを他のオブジェクトのコピーにするという効果が存在する。その変化は戦場に出たときの能力や戦場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのパーマネントに影響を及ぼす効果を変更することもない。
例:《不定の多相の戦士》は「クリーチャーが戦場に出るたび、不定の多相の戦士はそのクリーチャーのコピー になり、この能力を得る。」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受ける。」という効果を持つ《巨大化》の影響を受けている時に他のクリーチャーが戦場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。
707.5. 他のオブジェクトの「コピーとして/as a copy」戦場に出る、または「これは[他のオブジェクト]のコピーである/that's a copy of [another object]」として戦場に出るオブジェクトは、戦場に出るに際してそのオブジェクトのコピーとなる。戦場に出てからそのパーマネントのコピー になるわけではない。コピーが、(「〜状態で戦場に出る/enters the battlefield with」や「[これ]が戦場に出るに際し/as [this] enters the battlefield」などの)戦場に出るイベントを置換する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる戦場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。
例:《スカイシュラウドのビヒモス》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散 カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、そのクリーチャーの上から消散 カウンター1個を取り除く。消散 カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)」と「スカイシュラウドのビヒモスはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つ。《クローン》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして戦場に出る場合、消散 カウンターが2個置かれて、タップ状態で戦場に出る。
例:《前兆の壁》は「前兆の壁が戦場に出たとき、カード1枚を引く。」という能力を持っている。《クローン》が《前兆の壁》のコピーとして戦場に出るとき、《クローン》は《前兆の壁》の戦場に出るときの誘発型能力を持っているので、《クローン》のコントローラーはカード1枚を引く。
707.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントに関して行われた選択はコピーされない。あるオブジェクトが他のパーマネントのコピーとして戦場に出る場合、そのオブジェクトのコントローラーが、全ての「戦場に出るに際し」ての選択を行う。
例:《クローン》が《順応する自動機械》のコピーとして戦場に出る。《順応する自動機械》は「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプ1つを選ぶ。」という能力を持つ。この《クローン》は、《順応する自動機械》の行なっていた色の選択についてはコピーしないで、《クローン》のコントローラーが改めてその選択を行う。
707.7. 関連している能力の組がコピーされた場合、コピーしたオブジェクトの得た能力も同様に関連している能力となる。その能力が参照するのは、もう一方の能力によって行われた行動や影響されたオブジェクトだけである。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、これらの能力が他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
707.8. 両面カード、第1面の合体カード、あるいは合体したパーマネントをコピーする場合、その時点でオモテになっている側の面のコピー可能な値だけをコピーする(rule 712〔両面カード〕、rule 713〔合体カード〕参照)。
707.9. コピー 効果の中には、コピーすることに修正を加えたり例外を設けたりするものがある。
707.9a コピー 効果の中には、コピー中にコピーに能力を得させるものがある。この能力は、コピーされたものと同じように、コピーのコピー可能な値 として扱われる。
例:《クウィリーオン・エルフ》が戦場に出て、《不定の多相の戦士》がそれをコピーした。《不定の多相の戦士》のコピー可能な値は、《不定の多相の戦士》が「クリーチャーが1体戦場に出るたび、不定の多相の戦士は、この能力を得ることを除いてそのクリーチャーのコピーとなる。」という能力を持っていることを除いて、《クウィリーオン・エルフ》と同じになる。その後で、《クローン》が《不定の多相の戦士》のコピーとして戦場に出た場合、《クローン》は《不定の多相の戦士》が《クウィリーオン・エルフ》をコピーしている途中で自分自身に得させた能力も含む、新しいコピー可能な値をコピーする。
707.9b コピー 効果の中には、コピーの一部として特性を修整するものがある。その特性の最終的な値が、そのコピーの持つコピー可能な値となる。
例:「Copy Artifactを戦場にあるアーティファクト1つのコピーとして戦場に出してもよい。ただし、これは他のタイプに加えてエンチャントである。」というエンチャント、《Copy Artifact》が《巨大戦車》のコピーとして戦場に出るとする。その場合、その《Copy Artifact》のコピー可能な値は《巨大戦車》のものとなるが、ただしタイプはアーティファクトでもクリーチャーでもエンチャントでもある。
707.9c コピー 効果の中には、ある特性をコピーせず、その本来の特性を保持すると書かれたものがある。単にある特性はコピーされないと書かれている場合もある。
707.9d 特定の特性をコピーせず、特定の特性の元の値を保持する、あるいは特定の特性を特定の値にする、コピー 効果を適用する場合、その特性を定義する、コピーされるオブジェクトの特性定義能力(rule 604.3 参照)はコピーされない。その特性が色の場合、そのオブジェクトの色指標(rule 204 参照)もコピーされない。このルールはそのオブジェクトが「他のタイプに加えて/in addition to its other types」特定のカード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプであるという例外指示を持つコピー 効果には適用されない。その場合、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプを定義する特性定義能力はコピーされる。
例:《水銀のガルガンチュアン》は「あなたは「水銀のガルガンチュアンは7/7であることを除いて、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る。」を選んでもよい。」というクリーチャーである。《水銀のガルガンチュアン》が、パワーとタフネスを定義する特性定義能力を持つ《タルモゴイフ》のコピーとして戦場に出る場合、《水銀のガルガンチュアン》はその能力を持たず、7/7として戦場に出る。
例:《玻璃池のミミック》は「あなたは玻璃池のミミックを、それの他のタイプに加えて多相の戦士・ならず者であることを除き、あなたがコントロールしているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出してもよい。」というクリーチャーである。《玻璃池のミミック》が多相を持つクリーチャーのコピーとして戦場に出る場合、《玻璃池のミミック》は多相を持ち、すべてのクリーチャー・タイプを持つ。
707.9e コピー 効果を生成する置換効果の中には、影響を受けるオブジェクトの特性を変更させるのではなく追加の効果である例外を含むものがある。他のコピー 効果がその例外を含むコピー 効果の適用後にそのオブジェクトに適用される場合、その例外の効果は発生しない。
例:《もう一人の自分》には「あなたはもう一人の自分を、追加の+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出ることを除いて、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出してもよい。」と書かれている。あなたがこれで、「あなたはクローンを、戦場に出ているいずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出してもよい。」と書かれていて、戦場に出たときにどのクリーチャーも選んでいなかった《クローン》を選んだとする。その後で、《クローン》をコピーしたことによって《もう一人の自分》が得る置換効果を適用する時点でコピーするクリーチャーを選んだとすると、《もう一人の自分》の置換効果によってそれが+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出ることはない。
707.9f コピー 効果の例外指示の中には、そのコピーが特定の特性を持つ場合にのみ適用されるものがある。その種の例外指示が適用されるかどうかを決定するためには、そのコピー 効果がその例外指示を適用せず、その効果が含む他のすべての例外指示を考慮した場合の結果のパーマネントの特性がどうなるかを考える。
例:《霜のモーリット》は「あなたは霜のモーリットを、他のタイプに加えて伝説であり氷雪であることと、これがクリーチャーであるなら追加で+1/+1カウンター2個が置かれた状態で戦場に出て多相を持つことを除き、あなたがコントロールしているパーマネント1つのコピーとして戦場に出してもよい。」という能力を持つ。《霜のモーリット》がターン終了時までクリーチャー になっている土地をコピーしたとする。それはクリーチャーでないパーマネントとして戦場に出るので、+1/+1カウンター2個を追加で置いた状態で戦場に出ることもなければ多相を持つこともない。そのターンの間に クリーチャー になったとしても同じである。
707.9g コピー 効果を生成する置換効果の一部は、同じ段落に書かれている誘発型能力と関連している(rule 603.11 参照)。その誘発型能力は、すべての継続的効果を適用した後のオブジェクトがその能力を持っている場合にのみ誘発する。
707.10. 呪文や起動型能力、誘発型能力をコピーするとは、その呪文や能力のコピーをスタックに積む、ということを意味する。呪文のコピーは唱えられず、能力のコピーは起動されない。呪文や能力の特性のコピーに加えて、例えばモード、対象、Xの値、追加コストや代替コストの支払いなど、呪文や能力のためになされた全ての選択がコピーされる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。解決時に通常行われる選択はコピーされない。コピーの効果がコストを支払うために用いたオブジェクトを参照する場合、コピーは元の呪文や能力のコストを支払うために用いたオブジェクトを用いる。呪文のコピーのオーナーもコントローラーも、そのコピーをコントロール下でスタックに積んだプレイヤーである。それを表すカードは存在しないが、呪文のコピーは呪文である。能力のコピーは能力である。
例:あるプレイヤーが、モードを持つインスタントである《エメラルドの魔除け》を対象に「インスタントやソーサリーである呪文1つを対象とする。それを、コピーが赤であることを除いてコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《Fork》を唱えた。《Fork》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは緑ではなく赤である。また、このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《Fork》がそう認めているからである。
例:《投げ飛ばし》は、「この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」と「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。投げ飛ばしはそれに生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい点数のダメージを与える。」という効果を持つインスタントである。《投げ飛ばし》のコピーが与えるダメージを決めるに際しては、元の《投げ飛ばし》で生け贄に捧げたクリーチャーのパワーを参照する。
例:《アケノヒカリの注入》は「あなたは、この呪文を唱えるために{G}が支払われていたならX点のライフと、これを唱えるために{W}が支払われていたならX点のライフを得る。というソーサリーである。マナはオブジェクトではないので、《アケノヒカリの注入》を唱えるのにどのマナが使われていても、そのコピーによってライフを得ることはない。
707.10a 呪文のコピーがスタック以外の領域にある場合、それは消滅する。また、カードのコピーがスタックや戦場以外の領域にある場合、それは消滅する。これらは状況起因処理である。rule 704 参照。
707.10b 能力のコピーは、元になった能力と同じ発生源を持つ。能力が発生源を名前で指している場合、そのコピーはそのオブジェクトだけを参照し、同名の別のオブジェクトは参照しない。コピーは、その能力がこのターンに何度解決されたかを数える効果において、同一の能力として考えられる。
707.10c 呪文をコピーし、そのコントローラーが新しい対象を選んでもよいとなっている効果では、そのプレイヤーは対象のうちで望む数のものを、仮にそれが不適正だとしても、そのままにしておいてもよい。対象の一部あるいは全部を変更する場合、その新しい対象は適正でなければならない。プレイヤーがコピーの取る対象を選び終わったら、そのコピーはそれらを対象としてスタックに積まれる。
707.10d 呪文や能力をそれが「対象にできる/could target」プレイヤーやオブジェクトごとにコピーする効果が存在する。それらのコピーは、そのコントローラーの好きな順番で、それぞれを対象としてスタックに置かれる。その呪文や能力が複数の対象を取る場合、それらの対象は同じプレイヤーやオブジェクトでなければならない。そのプレイヤーやオブジェクトが各「対象」において適正な対象でなかった場合、そのプレイヤーやオブジェクトの分のコピーは生成されない。
707.10e 呪文や能力をコピーし、新しい対象を規定する効果が存在する。その呪文や能力が複数の対象を取っている場合、そのコピーの取るすべての対象はそのプレイヤーやオブジェクトである。各対象群ごとにそのプレイヤーやオブジェクトが適正な対象でなければ、そのコピーは生成されない。
707.10f パーマネント呪文をコピーする効果が存在する。そのコピーが解決されるに際し、それは呪文のコピーではなくなりトークン・パーマネント になる(Rule 608.3b 参照)。
707.11. ある効果がパーマネントを名前で参照する場合、他のものをコピーしていたり名前が変わっていたりしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。
例:《不定の多相の戦士》が《狂ったアーモドン》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「{G}:ターン終了時まで、狂ったアーモドンは+3/+0の修整を受けトランプルを得る。次の終了ステップの開始時に、狂ったアーモドンを破壊する。この能力は1ターンに1回しか起動できない。」という能力を持っている。この起動型能力を起動した後、ターン終了ステップの開始時までに他のもののコピー になっていたとしても、次の終了ステップの開始時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。
707.12. プレイヤーに、(単に呪文をコピーするのではなく)オブジェクトの「コピーを唱え/cast a copy」させる効果は、呪文や能力の解決中にそのコピーがそのオブジェクトのある領域に生成されて唱えられることを除いて、呪文を唱えることに関するルールに従う。オブジェクトのコピーは、rule 601〔呪文を唱えること〕の、rule 601.2a-h の手順に従って唱えられる。唱えられた後は、コピーはスタック上の呪文となり、他の呪文と同じように解決したり打ち消されたりする。
707.13. カード1枚(《片目のガース》)は、プレイヤーに、オブジェクトではなく名前によって定義されているカードのコピーを生成させる。この場合、そのプレイヤーはオラクルを用いてそのコピーの特性を決定し、そのコピーをゲームの外部に生成する。
708.1. カードによって、呪文やパーマネントが裏向き になることがある。
708.2. スタック上にある裏向きの呪文や裏向きで戦場に出ているパーマネントは、そのカード、呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのオブジェクトのコピー可能な値となる。rule 613〔継続的効果の相互作用〕、rule 707〔オブジェクトのコピー〕参照。
708.2a オモテ向きのパーマネントが、そのオブジェクトの特性を列記していない呪文や能力によって裏向き になった場合、それは裏向きで2/2の、文章、名前、クリーチャー・タイプ、マナ・コストを持たないクリーチャー になる。裏向きで戦場に出たパーマネントは、それを裏向きで戦場に出したり裏向きで唱えられるようにしたりする効果に他に記述されていない限り、上記の特性を持つ。これらの特性はコピー可能な値である。
708.3. 裏向きに戦場に出るオブジェクトは、それが戦場に出るよりも前に裏向き になるので、そのパーマネントの戦場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。
708.4. 裏向きで唱えられるオブジェクトは、スタックに積まれるよりも前に裏向き になるので、その呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。(そのカードのオモテ向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つオブジェクトを唱えることに適用される効果や禁止は、このオブジェクトを唱える際に適用される。その呪文が解決されてなるパーマネントは、裏向きである。
708.5. スタックにある裏向きの呪文、戦場にある(フェイズ・アウトしているものも含む)裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらのオモテをいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、他のプレイヤーがコントロールしている呪文やパーマネントのオモテを見ることは、できない。
708.6. スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、戦場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければならない。これには、どの能力やルールによってそのパーマネントが裏向き になっているのか、呪文を唱えた順番、裏向きのパーマネントが戦場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのオブジェクトを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが戦場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。
708.7. パーマネントを裏向きにする能力やルールの中には、オモテ向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文をオモテ向きにすることはできない。
708.8. 裏向きのパーマネントがオモテ向き になるに際して、そのパーマネントのコピー可能な値は通常のコピー可能な値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を及ぼしていた効果は、そのままオモテ向きのパーマネントにも影響を及ぼす。パーマネントがオモテ向き になったときには、そのパーマネントが戦場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに戦場に出ていたからである。
708.9. 裏向きのパーマネントや合同パーマネントの裏向きの部品が戦場から他の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。裏向きの呪文がスタックから戦場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。プレイヤーがゲームから離れる場合、そのプレイヤーがオーナーであるすべての裏向きのパーマネントと、合同パーマネントの裏向きの部品と、裏向きの呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。各ゲームの終了時には、すべての裏向きのパーマネントと、合同パーマネントの裏向きの部品と、裏向きの呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。
708.10. 裏向きのパーマネントが他のパーマネントのコピーとなる場合、そのコピー可能な値は、コピーするパーマネントのコピー可能な値となり、それに裏向きの位相であることによる変更が加えられる。従ってその特性値は、裏向きにできるようにした能力やルールによって定められている、元の特性値と同じになる。ただし、オモテ向き になった場合には、そのコピー可能な値は、コピーされている値となる。rule 706.3 参照。
708.11. 裏向きのパーマネントが「[このパーマネント]がオモテ向き になるに際し〜/As [this permanent] is turned face up ...」という能力を持つことになる場合、その能力はそのパーマネントがオモテ向き になる間に適用される。オモテになったあとで適用されるわけではない。
709.1. 分割カードでは、1枚のカードに2組のオモテが存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。
709.2. 分割カードには2つの唱えられる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。
709.3. プレイヤーは分割カードのどちらの半分を唱えようとしているのか、それをスタックに置く前に選ぶ。
709.3a 唱えることができるかどうかを判断する際に、選んだ半分だけを評価する。その半分だけがスタックに置かれるものとして扱う。
709.3b スタックにある間は、唱えられている側の特性だけが存在し、他方の特性は存在しないものとして扱われる。
709.3c 分割カードのコピーを作り、プレイヤーがそれを唱えることができるとする効果が存在する。そのコピーはそれぞれの半分が元のカードのそれぞれの半分と同じ特性を持ち、同じように分割されている(rule 706.12 参照)。
709.4. スタック以外の領域にあるときは、分割カードは2組の特性を持つ。これは過去のルールからの変更である。
709.4a 分割カードは2つの名前を持つ。効果によってプレイヤーが名前を選ぶときに、そのプレイヤーが分割カードの名前を選びたかった場合、そのプレイヤーは両方ではなくどちらか一方を選ばなければならない。名前のうちいずれか1つが選ばれたものであれば、そのオブジェクトは選ばれた名前を持つ。
709.4b 分割カードのマナ・コストは、両方の半分のマナ・コストの合計である。分割カードの色やマナ総量は、その合計したマナ・コストによって決定される。
例:《暴行+殴打》のマナ・コストは{3}{R}{G}である。したがって赤でも緑でもあるカードで、マナ総量は5である。《暴行》を唱える場合、その呪文は赤でマナ総量は1である。
例:《火+氷》のマナ・コストは{2}{U}{R}である。これは《蒸気占い》と同じコストを持つが、《湧き出る源、ジェガンサ》の効果などは{1}というマナ・シンボルが2個あると見る。
709.4c 分割カードは、それぞれの半分に書かれているカード・タイプを持ち、それぞれの半分の文章欄の能力を持つ。
709.4d スタック上にある、融合した分割呪文の特性も、それぞれの半分の特性を合わせたものである(rule 702.102〔融合〕参照)。C
710.1. 反転カードには、1枚のカードに2つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれている文章は、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの第2面は、通常のマジックのカードである。
710.1a 反転カードの上半分には、そのカードの通常の名前と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。文章欄には通常、特定の条件が満たされた時点でそのパーマネントを「反転/flip」する能力が書かれている。
710.1b 反転カードの下半分には、代替の名前、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。これらの特性は、そのパーマネントが戦場にあって、なおかつそのパーマネントが反転している場合にのみ使用される。
710.1c 反転カードの色およびマナ・コストは、パーマネントが反転されても変わらない。また、外部の効果による変更もそのまま適用される。
710.2. 戦場以外の全ての領域、および戦場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのカードの通常の特性を持つ。戦場にある反転パーマネントが反転したら、その反転パーマネントの通常の名前、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。
例:《悪忌の溶岩走り》は、反転すると伝説の クリーチャーである《溶岩生まれのトクトク》になる、伝説でないクリーチャーである。「あなたのライブラリーから伝説の カード1枚を探す。」という効果でこのカードを探すことはできない。「伝説の クリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」という効果は、戦場に出ているこのカードが反転状態である(《悪忌の溶岩走り》でなく《溶岩生まれのトクトク》である)ときのみ効果を及ぼす。
710.3. あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。
710.4. パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態 になったら、それを再び反転していない状態に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが戦場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。rule 110.5 参照。
710.5. 何らかの効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーは望むなら反転カードの代替の名前を選ぶことができる。
711.1. 各Lv系カードは、横方向に分割された文章欄と3つのパワー/タフネス枠を持つ。Lv系カードの文章欄は、2つのLvシンボルを含んでいる。
711.2. Lvシンボルは、常在型能力を表すキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。
711.2a 「{Lv N1-N2} [能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN1個以上のLvカウンターを持ち、N2個より多いLvカウンターを持たないなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であるとともに[能力]を持つ。」を意味する。
711.2b 「{Lv N3+}[能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN3個以上のLvカウンターを持つなら、これは基本のパワーとタフネスが[P/T]であるとともに[能力]を持つ。」を意味する。
711.3. 横方向に分割された文章欄は、どのLvシンボルと能力やパワー/タフネスが対応しているかを明確にする以外に、ゲーム上の意味はない。Lv系カードの文章欄自体は1つである。
711.4. Lv系カードの各能力のうち、Lvシンボルが前に無い部分の能力は、通常通り扱う。特に、各Lv系パーマネントは常にLvアップ 能力(rule 702.87 参照)を持つ。これは、そのパーマネントにLvカウンターがいくつ乗っていても起動できる。
711.5. Lv系クリーチャーの上のLvカウンターの数がN1({Lv N1-N2}シンボルに記載されている最初の数)未満である場合、そのパワーとタフネスは最も上のパワー/タフネス枠で規定される。
711.6. 戦場以外の各領域では、Lv系カードは最も上のパワー/タフネス枠で規定されるパワーとタフネスを持つ。
711.7. エンチャントの中に、クラスというサブタイプを持ち、自身にクラス・レベルを与える能力を持つものがある。これらはLvアップ 能力ではなく、クラス・レベルはLvカウンターと相互作用しない。rule 717〔クラス・カード〕参照。
712.1. 両面カードとは、カードの一方にマジックのカードのオモテ面、もう一方にマジックのカードの裏面があるのではなく、両方にマジックのカードのオモテ面があるカードである。両面カードには2種類存在する。変身する両面カードは、その一方あるいは両方の面にそのカードを「変身/transform」させる(もう一方の面へ裏返す)、あるいはそのカードを「変身した状態で/transformed」(第2面をオモテにして)戦場に出す、という能力を持つ。モードを持つ両面カードは独立した2つのオモテ面を持ち、変身できない。
712.1a 変身する両面カードの第1面には、左上の角に第1面シンボルが記されている。『マジック・オリジン』『基本セット2019』の両面カードでは、第1面シンボルはプレインズウォーカー・アイコンを元にしたシンボルである。『イニストラード』ブロックおよび『イニストラードを覆う影』セットと、『異界月』の《爪の群れのウルリッチ》では、第1面シンボルは太陽である。それ以外の『異界月』の両面カードでは、第1面シンボルは満月である。『イクサラン』と『イクサランの相克』のカードでは、第1面シンボルは羅針図である。
712.1b 変身する両面カードの第2面には、左上の角に第2面シンボルが記されている。『マジック・オリジン』『基本セット2019』の両面カードでは、第2面シンボルはプレインズウォーカー・アイコンである。『イニストラード』ブロックおよび『イニストラードを覆う影』セットと、『異界月』の《揺るぎない頭目、ウルリッチ》では、第2面シンボルは三日月である。それ以外の『異界月』の両面カードでは、第2面シンボルはエルドラージの巨人エムラクールを元にしたシンボルである。『イクサラン』と『イクサランの相克』のカードでは、第2面シンボルは土地アイコンである。
712.1c 変身する両面カードの第2面がクリーチャーである場合、そのカードの第1面には、その第2面のパワーとタフネスが、パワー/タフネス欄の上に斜体灰色の文字で書かれている。これは注釈文であり、ゲーム上は効果を持たない。
712.1d モードを持つ両面カードの第1面には、左上の角に第1面シンボルが記されている。第1面シンボルは、横向きの水滴型の中に描かれた黒い単一の三角形である。
712.1e モードを持つ両面カードの第2面には、左上の角に第2面シンボルが記されている。第2面シンボルは、横向きの水滴型の中に描かれた白い2つの三角形である。
712.1f モードを持つ両面カードの両方の面には、もう一方の面に関する情報を含むヒントバーが左下隅に描かれている。これは注釈文であり、ゲームプレイ上の効果はない。
712.1g 合体カードは、一方の面にマジックのカードのオモテ、もう一方に大判のマジックのカードのオモテの半分が書かれている。これらは両面カードではなく、別のルールに従う。rule 713〔合体カード〕参照。
712.2. 両面カードを見ることができるプレイヤーは、その両方の面を見ることができる。
712.3. プレイヤーは、非公開領域にある両面カードを、同じ領域にある他のカードと区別ができないようにしなければならない。そのため、両面カードのオーナーは完全に不透明なスリーブか、差し替えカードを用いることができる(rule 714〔差し替えカード〕参照)。認定イベントでの両面カードの使用に関しては、追加の規定が存在する。rule 100.6 参照。
712.4. 両面カードの各面はそれぞれに独立した一連の特性を持つ。
712.4a 両面カードがゲーム外あるいは戦場やスタック以外のゲーム内にある場合、それは第1面の特性のみを持つ。
712.4b 変身する両面呪文がスタックにある間、あるいは変身する両面パーマネントが第1面をオモテにしている間、それはその第1面の特性のみを持つ。
712.4c 変身するパーマネントの第2面がオモテになっている場合、それは第2面の特性のみを持つ。ただし、マナ総量は第1面のマナ・コストから計算される。そのパーマネントが変身する両面カードの第2面をコピーしていた場合(そのコピーしたカードがもともと両面カードだったとしても)、そのパーマネントのマナ総量は0である。
712.4d モードを持つ両面呪文がスタックにある間、あるいはモードを持つ両面パーマネントが戦場にある間、それはオモテになっている面の特性のみを持つ。
712.5. 変身する両面カードで表されるパーマネントだけが変身できる(rule 701.28〔変身する〕参照)。呪文や能力がプレイヤーに変身する両面カードで表されていないパーマネントを変身させようとしても、何も起こらない。
例:《クローン》が戦場の《野生の血の群れ》(変身する両面カードの第2面)をコピーした状態で戦場に出る。その《クローン》は《野生の血の群れ》のコピーとなる。《クローン》自身は変身する両面カードではないため、それは変身できない。
例:プレイヤーが《細胞形成》をプレイし、《クルーインの無法者》(変身する両面カードの第1面)をターン終了時まで《先兵の精鋭》(2/1の人間・兵士クリーチャー)のコピーにした。その後、そのプレイヤーは「すべての人間を変身させる。」という効果を持つ《月霧》を唱えた。《先兵の精鋭》のコピーは変身する両面カードであるため、それは変身する。その結果、そのパーマネントは第2面がオモテになるが、そのターンの間は《先兵の精鋭》のコピーのままである。
例:プレイヤーが人間・ならず者でありモードを持つ両面カードの第1面である《ブラックブルームのならず者》をコントロールしていて、《月霧》を唱えた。《ブラックブルームのならず者》は変身しない。
712.6 呪文や能力に、プレイヤーに変身先の面がインスタントやソーサリーのパーマネントを変身させるよう指示がある場合、何も起こらない。
712.7. 変身する両面カードを呪文として唱える場合、それはその第1面をオモテにしてスタックに積まれる。モードを持つ両面カードを呪文として唱えるプレイヤーは、それをスタックに置く前にどちらの面を唱えるかを選ぶ。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
712.8. モードを持つ両面カードを土地としてプレイしているプレイヤーは、それを戦場に出す前に土地であるオモテ面1つを選ぶ。それはその面をオモテにして戦場に出る。rule 305〔土地〕参照。
712.9. 解決中の変身する両面呪文は、第1面をオモテにして戦場に出る。解決中のモードを持つ両面呪文でパーマネント になるものは、スタック上にあったときにオモテであった面をオモテにして戦場に出る。
712.10. スタック以外の領域から戦場に出る両面カードは、通常、第1面をオモテにした状態で戦場に出る。
712.10a 呪文や能力が変身する両面カードを「変身した状態で/transformed」戦場に出す場合、それは第2面をオモテにした状態で戦場に出る。プレイヤーが変身する両面カードでないカードを変身した状態で戦場に出すように指示された場合、そのカードは現在の領域に残る。
712.10b プレイヤーがモードを持つ両面カードを戦場に出すように指示され、その第1面がパーマネント・カードでなかった場合、そのカードは現在の領域に残る。
712.11. 効果によってプレイヤーが両面カードを裏向きのクリーチャー・呪文として唱える場合、あるいは両面カードが裏向きで戦場に出る場合、それはそれを裏向きにしたルールや効果が得させた特性を持つ。そのカードは、裏向きの差し替えカード(rule 714 参照)あるいは不透明のスリーブを使い、非公開であり続ける。rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
712.12. 両面パーマネントは裏向きにできない。呪文や能力により両面パーマネントが裏向き になろうとする場合、何も起こらない。
712.13. 裏向きで追放された両面カードは、裏向きの差し替えカードあるいは不透明のスリーブを使い、非公開であり続ける。rule 714〔差し替えカード〕参照。
712.14. 変身する両面パーマネントが変身する場合、それは新しいオブジェクト になるわけではない。そのパーマネントに適用される効果は、それが変身した後も適用され続ける。
例:《村の鉄鍛冶》(変身する両面カードの第1面)がターン終了時まで+2/+2の修整を受ける効果を受けていて、その後に《村の鉄鍛冶》は《鉄牙》へと変身した。《鉄牙》はターン終了時まで+2/+2の修整を受け続ける。
712.15. 何らかの効果によりプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーは両面カードのいずれか一方の面の名前を選ぶことができるが、両方は指定できない。
713.1. 合体カードとは、カードの一方にマジックのカードのオモテ面があり、もう一方に大判のマジックのカードのオモテ面の半分があるカードである。合体カードはマジックの裏面を持たない。
713.1a 特定の3組の合体する2枚のカードがある。合体する組とは、それらの第2面を組み合わせると1枚の大判のマジックのカードのオモテ面になる特定の2枚のカードのことであり、以下の通りである。合体すると《騒がしい徒党》になる《夜深の死体あさり》と《墓ネズミ》、合体すると《のたうつ居住区、ハンウィアー》になる《ハンウィアー守備隊》と《ハンウィアーの要塞》、合体すると《悪夢の声、ブリセラ》になる《消えゆく光、ブルーナ》と《折れた刃、ギセラ》。
713.1b 合体カードは両面カードではない。それの第2面を唱えることはできず、戦場に出ることはなく、変身したり、変身した状態で戦場に出たりすることはない。(rule 712〔両面カード〕参照。)
713.2. それぞれの合体する組に属するカードの一方は、そのオブジェクトとそれの相手の両方を追放して合体させる能力を持つ。合体する組を構成するカード2枚を合体させるとは、それら2枚を、第2面をオモテにして組み合わせた状態で戦場に出すことを意味する(rule 701.37〔合体する〕参照)。それらがなるパーマネントは、2枚のカードによって表される単一のオブジェクトである。
713.3. 各合体カードの第1面と、合体する2枚のカードを組み合わせた面は、それぞれに独立した一連の特性を持つ。
713.3a 合体カードがゲームの外部にある間や、戦場以外の領域にある間や、第1面をオモテにして戦場にある間は、それはその第1面の特性のみを持つ。
713.3b 合体する組を構成する2枚のカードが1つの合体したパーマネントとして戦場にある間は、それらのカードによって表される1つのオブジェクトは、そのマナ総量がそれの2つの第1面のマナ総量の合計であることを除いて、その組み合わせた第2面の特性のみを持つ。あるパーマネントが合体したパーマネントをコピーしているなら、そのコピーのマナ総量は0である。rule 202.3c参照。
713.3c 合体カードの情報を必要とする場合は、その時点でオモテになっている面によって示される情報のみを見る。
例:《クローン》が《騒がしい徒党》(これは、合体する組の、組み合わせた第2面である)のコピーとして戦場に出たとする。それがなるオブジェクトは単一のカードによって表されるが、それは《騒がしい徒党》の特性を持つことになり、そのマナ総量は0である。
713.4. 合体したパーマネントが戦場を離れる場合は、1つのパーマネントが戦場を離れ、2枚のカードが該当する領域に置かれる。
例:合体したパーマネントである《騒がしい徒党》が死亡したとする。「クリーチャーが1体死亡するたび」の誘発型能力は1回誘発する。「いずこかからカード1枚が墓地に置かれるたび」の誘発型能力は2回誘発する。
713.4a 合体したパーマネントがオーナーの墓地かライブラリーに置かれるなら、そのプレイヤーは、それを表していた2枚のカードを望む順番に並べ変えてもよい。それがオーナーのライブラリーに置かれるなら、そのプレイヤーはその順番を公開しない。
713.4b プレイヤーが合体したパーマネントを追放するなら、そのプレイヤーはその時点で2枚のカードの間のタイムスタンプ順を決める。これはrule 613.7kの定める手順の例外である。
例:《映し身人形》は「映し身人形が戦場に出たとき、トークンでないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放してもよい。」と「映し身人形によって追放されたカードがクリーチャー・カードであるかぎり、映し身人形は、映し身人形によって最後に追放されたクリーチャー・カードのパワーとタフネスとクリーチャー・タイプを持つ。これは多相の戦士でもある。」という能力を持つカードである。《映し身人形》の1つ目の能力によって、合体したパーマネントである《騒がしい徒党》を追放する際には、《映し身人形》のコントローラーが、最後に追放されたクリーチャー・カードが《夜深の死体あさり》と《墓ネズミ》のどちらなのかを選ぶ。
713.4c 合体したパーマネントが戦場を離れる時点でそれがなる新しいオブジェクトを見つけることができる効果は、両方のカードを見つける(rule 400.7 参照)。その効果がそれらのカードに対して処理を行うなら、それらのカードそれぞれにその処理を行う。
例:《来世への旅》は「クリーチャー1体を対象とする。それを追放する。次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で、+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に戻す。」と書かれたインスタントである。プレイヤーが合体したパーマネントである《騒がしい徒党》を対象として《来世への旅》を唱えたとする。《騒がしい徒党》が追放される。次の終了ステップの開始時に、《夜深の死体あさり》と《墓ネズミ》の両方が、+1/+1カウンターがそれぞれ1個ずつ置かれた状態で戦場に戻る。
例:《まやかしの死》は「エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。」という能力を持つオーラである。《まやかしの死》によってエンチャントされている《騒がしい徒党》が死亡したとする。その誘発型能力によって《夜深の死体あさり》と《墓ネズミ》の両方が戦場に戻る。
例:《ミミックの大桶》は「トークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、あなたはそのカードを追放してもよい。」という能力を持つアーティファクトである。《騒がしい徒党》が死亡したとき、《ミミックの大桶》の誘発型能力の解決時に、そのコントローラーは、《騒がしい徒党》を表す2枚のカードの両方を追放するかどちらも追放しないかを選ぶ。
713.4d 合体したパーマネントが戦場を離れたり他の領域に移動したりすることに複数の置換効果が適用されうるなら、2枚のカードのうち一方にいずれかの置換効果を適用すると、両方のカードに影響を及ぼす。ただし、その合体したパーマネントが統率者であるなら、それはこのルールの例外になることがある。rule 903.9a 参照。
例:《虚空の力線》は「いずこかからカードが対戦相手の墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」という能力を持つエンチャントである。《太陽と月の輪》は、エンチャント(プレイヤー)と「いずこかからカードがエンチャントしているプレイヤーの墓地に置かれるなら、代わりに、そのカードを公開してオーナーのライブラリーの一番下に置く。」という能力を持つオーラである。《騒がしい徒党》のコントローラーが両方のカードの効果の影響を受けているなら、そのプレイヤーがそのイベントに適用する効果1つを選び、《夜深の死体あさり》と《墓ネズミ》の両方が該当する1つの領域に移動する。
713.4e 効果が、領域を変更したオブジェクトの数を知る必要がある場合、合体したパーマネントは1つのオブジェクトとして数える。効果が、領域を変更したカードの数を知る必要がある場合、合体したパーマネントは2枚のカードとして数える。
713.5. 合体カードを見ることのできるプレイヤーは、それの組み合わせた第2面のそれの側の半分を見てもよい。プレイヤーはいつでも、合体する2枚のカードのもう一方のオラクルや、組み合わせた第2面のオラクルを参照してもよい。(rule 108.1参照。)
713.6. 合体カードをプレイヤーのデッキに入れる場合には、差し替えカードで示してもよい。rule 714〔差し替えカード〕参照。
713.7. 合体カードを呪文として唱えたなら、それは第1面をオモテにしてスタックに置かれる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
713.8. 合体カードは、それの相手と合体しているのでないかぎり、その第1面をオモテにして戦場に出る。
713.9. 効果によってプレイヤーが合体カードを裏向きの呪文として唱えることができるか、合体カードが裏向きに戦場に出るなら、それはそれを裏向きにしたルールや効果が定める特性を持つことになる。その際、裏向きの差し替えカードか不透明スリーブを使用して、そのカードは非公開であり続ける。rule 708〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
713.10. 戦場にある合体カードや合体したパーマネントは、裏向きにできない。呪文や能力が、その種のパーマネントを裏向きにしようとしても、何も起こらない。
713.11. 何らかの効果によりプレイヤーが名前1つを選ぶ場合には、そのプレイヤーは合体カードの第1面の名前や合体するカード2枚を組み合わせた第2面の名前を選んでもよい。
714.1. 差し替えカードとは、両面カードや合体カードを表すために用いることができる、補助物品である。差し替えカードは、通常のマジックのカードの裏面を持つ。
714.2. 差し替えカードは、少なくともそれが表すカードの第1面の名前を明瞭に示していなければならない。印刷されたカードに含まれる他の情報(カード・タイプ、マナ・コスト、パワー/タフネスなど)も差し替えカードに書いてもよい。
714.2a 差し替えカードの中には、それが表せるカードの名前やマナ・コストが列記されているものが存在する。その差し替えカードがどのカードを表すかを示すため、丸のうち1つだけに印をつけなければならない。この種の差し替えカードは、2011年〜2018年に発売されたマジックの製品に存在していた。
714.2b 差し替えカードの中には、1種類だけを表せるものが存在する。この種の差し替えカードは『基本セット2019』製品に含まれており、それが表すカードは《破滅の龍、ニコル・ボーラス》である。
714.2c 差し替えカードの中には、モードを持つ両面カードを表せるものがある。これらの差し替えカードのオモテ面には、第1面シンボルと第2面シンボルが書かれている。これを使う場合、それが表すカードのそれぞれの面の名前を記入する。この種の差し替えカードは、『ゼンディカーの夜明け』製品に含まれている。
714.3. 差し替えカードをデッキ内で用いる場合、それが表すカードはゲームの開始前に脇に置かれ(rule 103.2a 参照)、ゲーム中いつでも使えるようにしておかなければならない。差し替えカードは、両面カードや合体カードを表していないかぎり デッキに入れることはできない。
714.4. ゲーム上のあらゆる意味において、差し替えカードはそれが表すカード として扱う。
714.5. 差し替えカードが公開領域でオモテ向き になる場合、それは脇に置かれ、それが表していた両面カードや合体カードが代わりに用いられる。
715.1. 英雄譚・カードはそれぞれ、いくつかの章シンボルを含む区切られた文章欄を持つ。アートはカードの右側に縦長に配置され、タイプ行はカードの下端にある。
715.2. 章シンボルは、章能力として参照される誘発型能力を表すキーワード能力である。
715.2a 章シンボルにはローマ数字が含まれている。ここではそれを「{rN}」で表す。Iは1、IIは2、IIIは3を表し、以下同様に続く。
715.2b 「{rN} ― [効果]/{rN}-[Effect]」は、「この英雄譚の上に1つ以上の伝承カウンターが置かれたとき、これの上の伝承カウンターの数がN未満からN以上になった場合、[効果]。」を意味する。
715.2c 「{rN1}, {rN2} ― [効果]/{rN1}, {rN2}-[Effect]」は「{rN1} ― [効果]」と「{rN2} ― [効果]」と同じである。
715.2d 英雄譚の最終章の番号は、それの持つ章能力の中で最大の値である。英雄譚が章能力を持たない場合、その最終章の番号は0である。
715.3. 英雄譚は、その進行を記録するために伝承カウンターを用いる。
715.3a 英雄譚が戦場に出るに際し、それのコントローラーはそれの上に伝承カウンター1個を置く。
715.3b プレイヤーの戦闘前メイン・フェイズが開始するに際し、そのプレイヤーは自分がコントロールしている各英雄譚の上にそれぞれ伝承カウンター1個を置く。このターン起因処理はスタックを使わない。
715.4. 英雄譚・パーマネントの上にある伝承カウンターの数がそれの最終章の番号以上であり、かつ誘発してまだスタックを離れていない章能力の発生源でない場合、その英雄譚のコントローラーはそれを生け贄に捧げる。この状況起因処理はスタックを使わない。
716.1. 「当事者/adventurer」カードは、文章欄中に小さな枠のある、2組のカード枠を持つ。
716.2. 左側の内側の枠に書かれている文章は、そのオブジェクトが呪文である間に取りうる代替の特性を定義する。そのカードの通常の特性は、文章欄は右側で小さくなっているが、通常通り表記されている。
716.2a 効果が「出来事を持つ/has an adventure」カードや呪文、パーマネントを参照する場合、それは、そのオブジェクトがその時点で代替の特性を使っていなくても、代替の特性が存在するオブジェクトを参照する。
716.2b それらの代替の特性が存在することやそれらの値は、そのオブジェクトのコピー可能な値の一部である。
716.2c 当事者カードには複数の特性群が印刷されているが、それぞれは1枚のカードである。例えば、出来事カードを引いたり捨てたりしたプレイヤーは、2枚ではなく1枚のカードを引いたり捨てたりしたことになる。
716.3. プレイヤーは、自分が当事者カードを唱えるに際して、そのカードを通常通り唱えるか出来事として唱えるかを選ぶ。
716.3a 当事者カードを出来事として唱える場合、それを唱えられるかどうかは代替の特性だけが評価される。
716.3b 出来事としてスタック上にある間、その呪文はその代替の特性だけを持つ。
716.3c 出来事・呪文がコピーされた場合、そのコピーも出来事であり、その出来事・呪文を表すカードの通常の特性ではなくその呪文の代替の特性を持つ。出来事として唱えられた呪文を参照するルールや効果は、そのコピーも参照する。
716.3d 出来事として唱えた呪文を解決して墓地に置く代わりに、そのコントローラーはそれを追放する。そのカードが追放され続けているかぎり、そのプレイヤーはそれを唱えてもよい。その場合、出来事として唱えることはできないが、それを唱えてもよいとする別の効果によって、出来事として唱えることができうる。
716.4. スタック以外のいずれかの領域である間、また出来事でない状態でスタックにある間、当事者カードはその通常の特性だけを持つ。
716.5. 効果によってプレイヤーが名前を選ぶ場合、そのプレイヤーが当事者カードの代替の名前を選びたければ、そうしてもよい。
717.1. 各クラス・カードには、クラス・レベル棒2本を含む、表立てになった文章欄が存在する。絵はカードの左側に縦長に配置されており、タイプ行はカードの一番下にある。
717.2. クラス・レベル棒は、起動型能力1つと常在型能力1つを表すキーワード能力である。クラス・レベル棒は、その起動型能力の起動コストとレベル数を含む。クラス・レベル棒と同じ枠内に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。
717.2a 「[コスト]:レベルN ― [能力]/[Cost]:Level N - [Abilities]」は、「[コスト]:このクラスのレベルはNになる。この能力はこのクラスのレベルがN-1でなければ起動できず、ソーサリーとしてのみ起動できる。」と「このクラスのレベルがN以上であるかぎり、これは[能力]を持つ。」を意味する。
717.2b レベルは、すべてのパーマネントが持ちうる記号である。クラスは、クラスであることを止めたとしても、そのレベルを維持する。レベルはコピー可能な特性ではない。
717.2c 「クラス・レベルを得るため/to gain a Class level」とは、「クラス・レベル棒で示されている起動型能力を起動するため」という意味である。
717.2d ルールや効果がパーマネントのレベルを参照する場合、そのパーマネントがレベルを持っていなかったなら、そのレベルが1であるかのように扱う。
717.3. クラス・カードに記されている能力でクラス・レベル棒の後に書かれているもの以外は、通常通り扱う。特に、クラスは、文章欄の一番上の枠に書かれている能力を常に持っている。その能力が常在型能力であればゲームに影響を及ぼし、誘発型能力であれば誘発する可能性があり、起動型能力であれば起動することができる。
717.4. 過去のクリーチャー・カードの中に、Lv系カードと呼ばれる、Lvカウンターを加えるLvアップ 能力を持つものがある。Lvカウンターはクラス・カードと相互作用せず、クラス・レベルはLv系カードと相互作用しない。rule 702.87〔Lvアップ〕、rule 711〔Lv系カード〕参照。
718.1. あるプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーを他のプレイヤーによってコントロールさせるカードが存在する。この効果は、その影響を受けるプレイヤーが次に実際に得るターンに影響を及ぼす。そのターンの間ずっとそのプレイヤーはコントロールされ、この効果は次のターンが始まるまで終わらない。
718.1a 複数のプレイヤー・コントロール 効果が同じプレイヤーに影響を及ぼす場合、お互いに上書きされる。最後に発生したものだけが有効になる。
718.1b ターンが飛ばされた場合、プレイヤー・コントロール 効果は次にそのプレイヤーが実際にターンを得るときまで待つ。
718.2. カード2枚(《Word of Command》と《敵対工作員》)は、一定の期間、プレイヤーが他のプレイヤーをコントロールできるようにする。
718.3. プレイヤーのコントロールだけが変わり、オブジェクトのコントローラーは変わらない。コントロールされているプレイヤーは、それでも自分のターンの間はアクティブ・プレイヤーである。
718.4. コントロールされているプレイヤーがゲーム内の何らかのオブジェクトの情報を見ることができる場合、それはそのプレイヤーとそのプレイヤーのコントローラーの両方が見ることができる。コントロールされているプレイヤーがゲーム外のカードに関する情報を見ることができる場合、その情報を見ることができるのはそのプレイヤーだけで、そのプレイヤーのコントローラーは見ることができない。
例:あるプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーの手札や、そのプレイヤーがコントロールしている裏向き クリーチャーのオモテ面を見ることができる。
718.5. 他のプレイヤーをコントロールしている間、そのプレイヤーは、コントロールされているプレイヤーに認められている、あるいは何らかのルールやオブジェクトによりしなければならないすべての選択や決定を行う。これには、何をプレイする(起動する、唱える)かの選択や、呪文や能力に関する選択や決定を含む。
例:他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーがどの呪文を唱えるか、何を呪文の対象とするかを決めることができ、呪文の解決時に必要な決定も行う。
例:他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーがどのクリーチャーで攻撃するか、それらのクリーチャーがどのプレイヤーあるいはプレインズウォーカーを攻撃するか、(複数のクリーチャーによってブロックされている場合)そのダメージ割り振り順、そして戦闘ダメージをどう割り振るかを決定する。
718.5a 他のプレイヤーのコントローラーがそのプレイヤーのためにコストを支払う場合、そのプレイヤーの物(カード、マナ等)のみを使用できる。
例:プレイヤーのコントローラーが、そのプレイヤーに追加コストとしてカードを捨てる呪文を唱えさせることにした場合、そのカードはそのプレイヤーの手札から捨てる。
718.5b 他のプレイヤーのコントローラーは、ルールやオブジェクトによって必要とされていない選択や決定を行えない。また、コントローラーはイベント規定によって必要とされている選択や決定を行えない。
例:お手洗いに行くこと、カードを誰かとトレードすること、他のプレイヤーとトレードをすること、合意による引き分けを行うこと、ミスや違反でジャッジを呼ぶことを決定するのは、コントロールされていてもプレイヤー自身である。
718.6. 他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーを投了させられない。プレイヤーは、他のプレイヤーにコントロールされていても、いつでもゲームを投了することができる。rule 104.3a 参照。
718.7. プレイヤーに他のプレイヤーのコントロールを得させる効果は、コントロールされているプレイヤーの行動を制限し、あるいはコントロールされているプレイヤーに何らかの行動を強制することがある。
718.8. 他のプレイヤーをコントロールしているプレイヤーは、自分自身に関する選択や決定も行える。
718.9. プレイヤーは自分のコントロールを得ることもできる。そのプレイヤーは通常通り自分の決定や選択を行う。
719.1. ターンを終了させるカードが存在する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは手順が異なる。
719.1a この手順が始まる前に誘発していた誘発型能力のうち、まだスタックに積まれていないものは消滅する。それらはスタックに積まれない。このルールは、この手順の間に 誘発した能力には適用されない(rule 719.1f 参照)。
719.1b 解決中のオブジェクトも含む、スタック上のすべてのオブジェクトを追放する。カードによって表現されていないオブジェクトが戦場や統率領域以外の領域にある場合、それは次の状況起因処理のチェック時(rule 704〔状況起因処理〕参照)に消滅する。
719.1c 状況起因処理をチェックする。いずれのプレイヤーも優先権を得ることはなく、誘発型能力もスタックに積まれない。
719.1d 現在のフェイズやステップが終了する。これが戦闘中に起こったのであれば、クリーチャーやプレインズウォーカーをすべて戦闘から取り除く。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行し、現在のステップとクリンナップ・ステップの間のすべてのステップをとばす。クリンナップ・ステップ中に効果によってターンが終わる場合、新しいクリンナップ・ステップを始める。
719.1e ターンは終了するが、終了ステップは飛ばされるので「終了ステップの開始時に/at the beginning of the end step」の誘発型能力は誘発しない。
719.1f この手順中はどのプレイヤーも優先権を得ない。したがって、誘発型能力はスタックに積まれない。この手順の始まったあとで誘発型能力が誘発した場合、クリンナップ・ステップ の間に アクティブ・プレイヤーが優先権を得、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。その後、ターンの最終的な終了の前にもう一度クリンナップ・ステップが発生する。誘発型能力が誘発していなければ、プレイヤーはクリンナップ・ステップには優先権を得ない。rule 514 参照。
719.2. 戦闘フェイズを終了させるカード(《平和の執行/Mandate of Peace》)が存在する。効果によって戦闘フェイズが終了する場合、呪文や能力を解決する通常の手順(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは異なり、以下の順番で処理を行う。
719.2a この手順前に誘発していてまだスタックに置かれていない誘発型能力がある場合、それらは消滅する。それらがスタックに置かれることはない。このルールは、この手順中に誘発した能力には適用されない(rule 719.2f 参照)。
719.2b 解決中のオブジェクトも含む、スタック上にあるオブジェクトをすべて追放する。戦場と統率領域以外にあってカードによって表されていないオブジェクトは、次に状況起因処理がチェックされる時点で消滅する(rule 704〔状況起因処理〕参照)。
719.2c 状況起因処理をチェックする。プレイヤーが優先権を得ることはなく、誘発型能力がスタックに置かれることもない。
719.2d 現在の戦闘フェイズが終了する。クリーチャーとプレインズウォーカーをすべて戦闘から取り除く。「戦闘終了時まで/until end of combat」の効果が終了する。ゲームは直接次のフェイズ、通常は戦闘後メイン・フェイズに進み、その間のステップをすべて飛ばす。
719.2e 戦闘フェイズは終了するが、戦闘終了ステップは飛ばされるので「戦闘終了時に/at end of combat」の誘発型能力は誘発しない。
719.2f この手順の間、プレイヤーが優先権を得ることはないので、誘発型能力がスタックに置かれることはない。この手順が始まった以降に誘発した誘発型能力があれば、それらの能力は次のフェイズ の間に スタックに置かれ、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得てプレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
720.1. 「統治者/The Monarch」は、プレイヤーが持ちうる記号である。効果がプレイヤーを統治者にするよう指示しない限り、ゲームに統治者は存在しない。
720.2. 統治者であることには、2つの誘発型能力が付属する。これらの誘発型能力には発生源は存在せず、コントローラーはその能力が誘発した時点で統治者であったプレイヤーである。これは rule 113.8 の例外である。これらの能力の完全なルール・テキストは、「統治者の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーはカード1枚を引く。」「クリーチャー1体が統治者に戦闘ダメージを与えるたび、そのコントローラーが統治者 になる。」である。
720.3. 同時に複数のプレイヤーが統治者であることはない。プレイヤーが統治者 になるに際し、現在の統治者は統治者ではなくなる。
720.4. 統治者がゲームから離れたなら、そのプレイヤーがゲームから離れるのと同時にアクティブ・プレイヤーが統治者 になる。アクティブ・プレイヤーがゲームから離れるかアクティブ・プレイヤーガ存在しないなら、ターン順で次のプレイヤーが統治者 になる。ゲームに残っているどのプレイヤーも統治者 になれないなら、統治者なしでゲームを継続する。
721.1. あるカード(《解放された者、カーン》)によって、ゲームを再び開始することがある。ゲームを再び開始する場合、そのゲームは即座に終了し、そのゲームのどのプレイヤーも勝ったり負けたり引き分け になったりすることはない。そのゲームが終わった時点でゲームに残っているプレイヤーは、以下の例外を除いて rule 103〔ゲームの始め方〕の手順に従って新しいゲームを始める。
721.2. 再び開始するために終了したゲームに、ゲームが終了した時点で存在した、フェイズ・アウト状態のパーマネントや定形外のマジックのカードも含む全てのマジックのカードは、その終了したゲームの開始時に存在しなかったとしても、新しいゲームに存在する。新しいゲームにおけるオーナーは、新しいゲームが始まる時点でそのカードがどこにあっても元のオーナーから変わることはない。
例:プレイヤーが《生ける願い》を唱え、ゲームの外部からクリーチャー・カードをゲームに持ち込んだとする。そのクリーチャー・カードは、新しいゲームが始まる時点でそのプレイヤーのライブラリーの一部になる。
721.3. 新しいゲームの開始時に各プレイヤーが7枚のカードを引くので、ライブラリーに7枚未満のカードしかないプレイヤーは、マリガンをしたかどうかにかかわらず、最初のターンのアップキープ・ステップの間、状況起因処理がチェックされる時点でゲームに負けることになる(rule 704〔状況起因処理〕参照)。
721.4. ゲームを再び開始する効果は、最初のターンのアンタップ・ステップの直前に解決が終わる。その効果を作った呪文や能力に追加の指示がある場合、それらの効果はその時点で実行される。どちらのプレイヤーも優先権を持たず、結果として誘発した誘発型能力は次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時、大抵は最初のターンのアップキープ・ステップ の間に スタックに積まれる。
721.5. 効果によって、一部のカードがゲームを再び開始する手順から除外されることがある。それらのカードは、新しいゲームが始まる時点でオーナーのデッキには入らない。
721.5a 統率者戦では、統率者がゲームを再び開始する手順から除外されている場合、その統率者が統率領域に存在する状態で新しいゲームを開始するわけではない。しかしながら、それは新しいゲームでもそのデッキの統率者であり続ける。rule 903〔統率者戦〕参照。
721.6. マジックのサブゲーム(rule 722 参照)が再び開始される場合、メインゲームは影響を受けない。サブゲームの勝者や敗者を参照するメインゲームの効果は、その、再び開始されたサブゲームの勝者や敗者を参照する。
721.7. 影響範囲限定 選択ルール(rule 801 参照)を用いた多人数戦が再び開始された場合、ゲームを再び開始する能力をコントロールしているプレイヤーの影響範囲内外のいずれであるかに関係なく、そのゲームに参加している全てのプレイヤーが影響を受ける。
722.1. あるカード(《Shahrazad》)によって、プレイヤーはマジックのサブゲームをプレイする。
722.1a 「サブゲーム/subgame」は、カードの効果によって作られたゲームのことを指し、ゲーム内の別のゲームである。「メインゲーム/main game」とは、そのサブゲームを作った呪文を唱えたり、能力を起動したりしたゲームのことを指す。サブゲームの進行中は、メインゲームは一時的に中断される。サブゲームが終わった後で、メインゲームが再開される。
722.1b メインゲームあるいはサブゲームで作られた効果や定義は、サブゲームを作る効果によって定義されているものを除いて、他方のゲームにおいては一切意味をもたない。たとえば、メインゲームにおいてサブゲームの勝者あるいは敗者に何らかの効果をもたらすことが効果に含まれていることがある。
722.2. サブゲームの開始に際して、既存の領域と別の新しい領域が一揃い作られる。各プレイヤーはメインゲームのライブラリーのカードを全てサブゲームのライブラリーに移動させ、切り直す。メインゲームのそれ以外の領域にあるカードは、rule 722.2a-d の例外を除き、サブゲームの対応する領域に移動することはない。どちらのプレイヤーが先攻かを無作為に決定し、サブゲームを通常のゲームと同様にrule 103〔ゲームの始め方〕に従って行う。
722.2a プレインチェイス戦のサブゲームの開始に際して、各プレイヤーは自分の次元デッキをメインゲームの統率領域からサブゲームの統率領域に動かし、切り直す(オモテ向きの次元・カードや現象・カードはメインゲームの統率領域に残る)。
722.2b ヴァンガード戦のサブゲームの開始に際して、各プレイヤーは自分のヴァンガード・カードをメインゲームの統率領域からサブゲームの統率領域に動かす。
722.2c 統率者戦のサブゲームの開始に際して、各プレイヤーは(統率領域にあれば)自分の統率者をメインゲームの統率領域からサブゲームの統率領域に動かす。
722.2d アーチエネミー戦のサブゲームの開始に際して、魔王は自分の計略 デッキを、メインゲームの統率領域からサブゲームの統率領域に動かし、切り直す。(オモテ向きの計略・カードはメインゲームの統率領域に残る。)
722.3. ゲーム開始時に各プレイヤーは手札7枚を引くので、デッキの枚数が7枚未満になっている場合、最初のターンのアップキープ・ステップ の間に、状況起因処理のチェックが行われる時点で敗北することになる。その後でマリガンをして手札を減らしても関係ない。rule 704〔状況起因処理〕参照。
722.4. メインゲームにある全てのオブジェクトならびにメインゲームの外部にある全てのカードは、(特別にサブゲームに持ち込まれない限り)サブゲームの外部にあるものとして扱う。サブゲームに関係していないプレイヤーは、サブゲームの外部にあるものとして扱う。
722.4a カードを外部からゲーム内に持ち込むことができる効果が存在する。メインゲームからサブゲームにカードが持ち込まれた場合、メインゲームにおいて、そのオブジェクトが領域を離れたことによる誘発型能力がある場合にはそれは誘発するが、メインゲームが再開されるまでスタックに積まれることはない。
722.4b プレイヤーの、メインゲームに存在したカウンターはサブゲームの一部としては扱わないが、メインゲームに戻った際にはそれらのカウンターは持ったままである。同様に、サブゲーム の間に プレイヤーが得たカウンターはサブゲームの終了時に消滅する。
722.5. サブゲームの終了時に、自身がオーナーであるカードでサブゲームの統率領域以外の領域に残っているものをメインゲームのライブラリーに戻して切り直す。これには、サブゲームの追放 領域にあるカードも含む。rule 722.5a-d の例外を除き、サブゲームにある他のオブジェクトならびに全ての領域は消滅する。メインゲームは、中断されたところから再開する。まず、サブゲームを作った呪文や能力が解決される。その呪文・カードが既にスタックに存在しなくなっていてもこの処理は行う。次に、サブゲーム の間に メインゲームのカードを取り除くことによって誘発したメインゲームの能力がある場合、それらがスタックに積まれる。
例:カードがメインゲームやメインゲームの外部からサブゲームに持ち込まれた場合、サブゲームの終了時にそのカードはメインゲームのオーナーのライブラリーに入ることになる。
722.5a プレインチェイス戦のサブゲームの終了に際して、オモテ向きの次元・カードや現象・カードを裏向きにし、オーナーの次元デッキの一番下に置く。その後、各プレイヤーは自分の次元デッキをサブゲームの統率領域からメインゲームの統率領域に動かし、切り直す。
722.5b ヴァンガード戦のサブゲームの終了に際して、各プレイヤーは自分のヴァンガード・カードをサブゲームの統率領域からメインゲームの統率領域に動かす。これはrule 312.2の例外である。
722.5c 統率者戦のサブゲームの終了に際して、各プレイヤーは(統率領域にあれば)自分の統率者をサブゲームの統率領域からメインゲームの統率領域に動かす。
722.5d アーチエネミー戦のサブゲームの終了時に、サブゲームの統率領域に存在するオモテ向きの計略・カードを裏向きにし、オーナーの計略 デッキの一番下に戻す。その後、魔王は自分の計略 デッキをサブゲームの統率領域からメインゲームの統率領域に動かし、切り直す。
722.6. サブゲームがサブゲーム中に作られることもありうる。この場合、新しいサブゲームから見ると、現在のサブゲームはメインゲームということになる。
723.1. オブジェクトをパーマネントに合同させるキーワードが1つ存在する。rule 702.140〔変容〕参照。
723.2. オブジェクトをパーマネントに合同させるとは、そのオブジェクトをそのパーマネントの上か下に置くことである。そのパーマネントは、それを表していた他の部品と、そのオブジェクトを表していたカードまたはコピーによって表される、合同パーマネント になる。
723.2a 合同パーマネントは、合同させた効果に特に書かれていない限り、その一番上の部品の特性だけを持つ。これは、そのオブジェクトが合同した時点のタイムスタンプを持つ、コピー可能な効果である(rule 613.2 参照)。
723.2b オブジェクトがパーマネントに合同するに際し、そのオブジェクトはそれまであった領域を離れ、戦場にあるオブジェクトの一部になるが、その結果のパーマネントは戦場に出たばかりのものとしては扱われない。
723.2c 合同パーマネントはそれまでと同じオブジェクトなので、プレイヤーのコントロール下に入ったばかりではなく、それに影響している常在型能力は影響し続け、その他同様である。
723.2d 合同パーマネントがトークンを含む場合、その一番上の部品がトークンである場合のみ、結果のパーマネントはトークンである。
723.2e 合同パーマネントがオモテ向きと裏向きの部品を含む場合、そのパーマネントの位相は一番上の部品によって決定される。裏向きのパーマネントが、オブジェクトがそれと合同した結果としてオモテ向きのパーマネント になった場合、他の効果はそれがオモテ向き になったとしては扱わない。
723.2f 合同パーマネントが裏向き になった場合、それを表しているオモテ向きの部品はそれぞれ裏向き になる。裏向きの合同パーマネントがオモテ向き になった場合、それを表している裏向きの部品はそれぞれオモテ向き になる。
723.2g インスタントやソーサリーであるカードを含む裏向きの合同パーマネントは、オモテ向き になれない。そのようなパーマネントがオモテ向き になる場合、そのコントローラーはそれを公開し、裏向きのままにする。パーマネントがオモテ向き になったときに誘発する能力は誘発しない。
723.2h 合同パーマネントが反転カード(rule 710 参照)を含む場合、合同パーマネントが反転しているなら、その部品の通常の特性ではなく代替の特性を用いる。
723.2i 合同パーマネントが変身する両面カード(rule 712 参照)を含む場合、そのパーマネントが変身したらそれらの両面カードも他の面がオモテになるようにそれぞれ回転する。
723.3. 合同パーマネントが戦場を離れる場合、戦場を離れるパーマネントは1個であり、それぞれの部品が該当する領域に置かれる。
723.3a 合同パーマネントがオーナーの墓地やライブラリーに置かれる場合、そのプレイヤーは新しいオブジェクトを任意の順番にしてもよい。オーナーのライブラリーに置かれる場合、そのプレイヤーはその順番を公開しなくてもよい。
723.3b プレイヤーが合同パーマネントを追放する場合、そのプレイヤーはそれらのカードの相対的タイムスタンプ順を決定する。これはrule 613.7k の例外である。
723.3c 効果が、合同パーマネントが戦場を離れてなる新しいオブジェクトを見つける場合、それらのオブジェクトすべてを見つける(rule 400.7 参照)。その効果がそれらのオブジェクトに何か処理を行う場合、その同じ処理がそれらそれぞれに行われる。
723.3d 合同パーマネントが戦場を離れることや新しい領域に置かれることに複数の置換効果が適用できる場合、それらの置換効果の1つをそのオブジェクトに適用すると、そのオブジェクトのすべての部品に適用される。合同パーマネントが統率者である場合、このルールを免除されることがある。rule 903.9a 参照。
723.3e 置換効果が、領域に置かれるトークンでなく「カード」に適用される場合、その効果はその合同パーマネントがトークンでなければ、それの、トークンであるものも含むすべての部品に適用される。合同パーマネントがトークンであってその部品の一部がカードであれば、その合同パーマネントとトークンである部品は本来の領域に、カードである部品はその置換効果によって移動する。
724.1. ゲームをプレイするとき、プレイヤーはゲーム上行うすべての選択(何らかの処理を行うか優先権をパスするかの宣言など)を厳密に示すのではなく、双方が理解できる省略を行うものである。
724.1a 行動の省略に関するルールには、大きな裁量の範囲が存在する。ゲームの各プレイヤーが相手の意図を理解できるのであれば、その省略を使うことに問題はない。
724.1b ゲームが、ある一連の処理を何回でも繰り返せる状態になる(「ループ」を作る)ことがある。この場合、省略ルールを用いてその行動を何回繰り返すか、そしてどうループを終えるかを宣言することができる。
724.1c イベントでは、行動の省略とループに関するルールは修整される。それらのルールはマジック・イベント規定(http://WPN.Wizards.com/en/resources/rules-documents)に記載されている。イベント中にイベント規定とこれらのルールが矛盾した場合、イベント規定が優先される。
724.2a ゲームのいずれかの時点で、優先権を持つプレイヤーは一連の行動を説明し、すべてのプレイヤーに対して省略を提案してもよい。その行動は現在のゲームの状態に基づいて適正であり、結果が明白でなければならない。この手順は繰り返しのない一連の行動であってもよいし、特定の回数繰り返されるループであってもよいし、複数のループや入れ子になっているループが含まれていてもよいし、複数のターンに跨がっていてもよい。ただし、ゲームのイベントの結果によって次の行動が変わるような条件付きの処理は含まれていてはならない。この一連の行動の終点は、いずれかのプレイヤーが優先権を得るところでなければならないが、それはショートカットを提案したプレイヤーでなくてもよい。
例:あるプレイヤーが、「{T}: 1/1の緑のエルフ・戦士・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という能力をクリーチャーに与える《ゴンドの存在》にエンチャントされているクリーチャーをコントロールしている。また、他のプレイヤーが「クリーチャー1体が戦場に出るたび、すべてのクリーチャーをアンタップする。」という能力を持つ《侵入警報》をコントロールしている。最初のプレイヤーが優先権を持っている時、「じゃあトークンを100万体出すよ」と、クリーチャーの能力を起動して−両プレイヤーがパスして−クリーチャーの能力を解決してトークンを生成して(《侵入警報》の能力が誘発して)−《侵入警報》のコントローラーがその誘発型能力をスタックに積んで−両プレイヤーがパスして−《侵入警報》の誘発型能力が解決されて−両プレイヤーがパスして−最初のプレイヤーが優先権を得る、というループを提示し、これをあと999999回繰り返してから最後のトークン 生成 能力が解決されたところで終わる、と提案した。
724.2b 他のプレイヤーは、その省略を提案したプレイヤーの次からターン順にその手順を受け入れるか、あるいは途中で違う選択をすることによって行動を中断させるかを宣言する(どこで中断させるかはここで宣言するが、実際になにをするかを宣言する必要はない)。その中断されるところが、提案された一連の行動の新しい終点となる。
例:アクティブ・プレイヤーが自分のドロー・ステップにカード1枚を引き、「どうぞ」と宣言した。非アクティブ・プレイヤーは「クリーチャー1体を対象とする。そのクリーチャーは可能ならこのターン攻撃する。」というインスタント《騒乱への突入》を持って、「あ、ちょっと待って。そっちの戦闘開始ステップに呪文を唱えたいんだけど」と答えた。この時点での提案されている省略は、戦闘開始ステップ の間に非アクティブ・プレイヤーが優先権を得るまで双方のプレイヤーがパスし続けるということである。
724.2c 最後のプレイヤーが省略の提案を受け入れるか中断させるかを決めると、その省略は実行される。ゲームは最後の提案されている省略の終点まで進み、そこまでに提案されていた行動はそのままに行われる。最初の提案に比べて省略が短くなっていた場合、その時点で優先権を持っているプレイヤーは元の提案と違う選択をしなければならない。
724.3. 断片化したループというものがしばしば存在する。つまり、ループに関連している各プレイヤーがそれぞれに行動を取った結果、元と同じ局面が発生したという状況がありうる。その場合、アクティブ・プレイヤー(アクティブ・プレイヤーがループに関連していない場合、ループに関連している中でターン順で最初のプレイヤー)は違う選択をして、ループが続かないようにしなければならない。
例:2人対戦で、アクティブ・プレイヤーが「{0}:[クリーチャー名]は飛行を得る。」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、非アクティブ・プレイヤーが「{0}:クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う。」という能力を持つパーマネントをコントロールしており、それらの能力を起動する回数を制約するものがないとする。アクティブ・プレイヤーがクリーチャーの能力を起動し、解決してから、非アクティブ・プレイヤーがそのパーマネントの能力でそのクリーチャーを対象にして解決されたとする。この時点で元の状態とゲームの局面がまったく同じになる。アクティブ・プレイヤーは違う選択をしなければならない(つまり、そのクリーチャーの能力を起動する以外の行動をしなければならない)。そのクリーチャーは飛行を持っていない。非アクティブ・プレイヤーは自分のパーマネントの能力を起動しないことでこの断片化したループを回避することができ、その場合はそのクリーチャーは飛行を持った状態になる。非アクティブ・プレイヤーが最後の決定権を持っているので、そのクリーチャーが飛行を持っているかどうかを決めることができる。
724.4. ループが選択的でない処理のみからなる場合、ゲームは引き分け になる。(rule 104.4b、rule 104.4f 参照。)
724.5. いずれのプレイヤーも、ループに含まれているオブジェクトが必要とする処理以外で、ループを終わらせることができる処理を行う義務はない。
例:「浄化の印章を生け贄に捧げる:アーティファクトやエンチャントのうち1つを対象とする。それを破壊する。」というエンチャント《浄化の印章》をコントロールしているプレイヤーは、アーティファクトを含む選択的でないループが発生したとしても、その《浄化の印章》を生け贄に捧げてループを終わらせる義務はない。
724.6. ループに「[B]しないかぎり[A]する/[A] unless [B]」という効果が含まれていて、その[A]や[B]がそれぞれ処理であった場合、どのプレイヤーも、ループを終えるために[B]の処理をする義務はない。誰も[B]の行動をしない場合、[A]が選択的でない行動であるかのように ループを続ける。
725.1. プレイヤーが何か不正な処理をしたり、適正に終了することができない処理を始めたりした場合、その処理全体が巻き戻され、すでに行われた支払いは取り消される。取り消される処理の結果として、能力が誘発したり効果が適用されたりすることはない。その処理が呪文を唱えることであった場合、呪文はそれがもとあった領域に戻る。各プレイヤーは、不正なプレイを行う間にそのプレイヤーが起動した適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからスタック以外へのカードの移動、ライブラリーの切り直し、ライブラリーのカードの公開を伴う行動を取り消すことはできない。
725.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の処理をするかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の処理をすることもできる。
800.1. 多人数戦とは、3人以上のプレイヤーによって行われるゲームのことである。この章では、多人数戦で用いられる選択ルールを取り上げる。
800.2. これらのルールは多人数戦一般に選択できる選択ルールと、さまざまな変種ルールからなる。単一のゲームで複数の選択ルールを適用してもよいが、単一のゲームに適用できる変種ルールは1つだけである。
800.3. チーム戦のトーナメントでは、デッキ 構築などに関するさまざまな追加ルールがあるが、ここでは言及しない。現行のマジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)を参照すること。
800.4. 2人対戦と異なり、多人数戦では1人もしくは複数のプレイヤーがゲームから離れても続けることができる。
800.4a プレイヤーがゲームから離れたら、そのプレイヤーがオーナーであるすべてのオブジェクト(rule 109 参照)はゲームから離れ、そのプレイヤーにコントロールを得させている効果は終わる。その後、そのプレイヤーがコントロールしていてカードによって表されていないオブジェクトがスタック上にあるなら、それらは消滅する。その後、なおそのプレイヤーがコントロールしているオブジェクトがあるなら、それらは追放される。これは状況起因処理ではなく、プレイヤーがゲームから離れたらすぐに発生する。優先権を持つプレイヤーがゲームから離れる場合、ゲームに残っている、ターン順で次のプレイヤーに優先権が移動する。
例:アレックスは「あなたはエンチャントしているクリーチャーをコントロールする。」というオーラ《精神の制御》を、ビアンカの《突撃するグリフィン》に唱えた。アレックスがゲームから離れたら、《精神の制御》もゲームから離れ、《突撃するグリフィン》はビアンカのコントロール下に戻る。逆に、ビアンカがゲームから離れたら、《突撃するグリフィン》がゲームから離れ、《精神の制御》はアレックスの墓地に置かれる。
例:アレックスは「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。」という効果を含む《反逆の行動》を、ビアンカの《ルーン爪の熊》を対象にして唱えた。アレックスがゲームから離れると、《反逆の行動》のコントロール変更効果が終わり、《ルーン爪の熊》はビアンカのコントロール下に戻る。
例:アレックスは「対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カード1枚を探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。」という《袖の下》をビアンカを対象にして唱え、そのライブラリーから《セラの天使》を出した。ビアンカがゲームから離れたら、《セラの天使》もゲームから離れる。アレックスがゲームから離れた場合、《セラの天使》は追放される。
例:アレックスは「トークンでないクリーチャー1体が戦場に出るたび、起源室がアンタップ状態である場合、そのクリーチャーのコントローラーは1/1のマイア・アーティファクト・クリーチャー・トークン1体を生成する。」という《起源室》をコントロールしていた。《起源室》がアレックスのコントロール下にあった間にアレックスのコントロール下で戦場に出したマイア・トークンはアレックスがオーナーなので、アレックスがゲームから離れたら、それらはすべてゲームから離れる。他のプレイヤーのコントロール下で戦場に出たマイア・トークンは、そのプレイヤーがオーナーなので、ゲームに残る。
800.4b あるオブジェクトが、既にゲームから離れたプレイヤーにコントロールされることになった場合、そうはならない。トークンが、既にゲームから離れたプレイヤーのコントロール下で生成されることになった場合、そのトークンは生成されない。オブジェクトが、既にゲームから離れたプレイヤーのコントロール下で戦場に出たりスタックに積まれたりする場合、そのオブジェクトは元あった領域に残る。プレイヤーが、ゲームから離れたプレイヤーによってコントロールされることになった場合、そうはならない。
800.4c ゲームに残っているプレイヤーにあるオブジェクトのコントロールを得させる効果が終わった時点で、そのオブジェクトのコントローラーをゲームに残っている他のプレイヤーに得させる効果が存在しない場合、そのオブジェクトを本来コントロールしていたプレイヤーがすでにゲームから離れていたなら、そのオブジェクトは追放される。これは状況起因処理ではなく、この処理はそのコントロール変更効果が終わった瞬間に発生する。
800.4d ゲームから離れたプレイヤーがオーナーであるオブジェクトがいずれかの領域に生成される場合、そのオブジェクトは生成されない。ゲームから離れたプレイヤーがコントロールしている誘発型能力がスタックに積まれる場合、それはスタックに積まれない。
例:《霊体の地滑り》は「プレイヤー1人がカード1枚をサイクリングするたび、クリーチャー1体を対象とする。それを追放する。そうしたなら、次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーをオーナーのコントロール下で戦場に出す。」というエンチャントである。アレックスのターンに、ビアンカはこの能力を使い、アレックスの《惑乱の死霊》を追放した。そのターンの間に、ビアンカがゲームから離れた。次の終了ステップの開始時に、《惑乱の死霊》を戦場に戻そうとする《霊体の地滑り》の遅延誘発型能力が誘発するが、スタックに積まれない。《惑乱の死霊》は戦場に戻らない。
800.4e 戦闘ダメージがゲームから離れたプレイヤーに割り振られる場合、そのダメージは割り振られない。
800.4f オブジェクトが、既にゲームから離れたプレイヤーにコストの支払いやコストを支払うかどうかの選択を求めた場合、そのコストは支払われない。
800.4g オブジェクトが、ゲームから離れたプレイヤーにコストを支払うかどうか以外の選択を求める場合、そのオブジェクトのコントローラーは別のプレイヤーを選んで選択を行わせる。元の選択がオブジェクトのコントローラーの対戦相手によって行われていた場合、可能なら、そのプレイヤーは他の対戦相手を選ぶ。
800.4h ルールが、ゲームから離れたプレイヤーに選択を求める場合、ターン順でその次のプレイヤーがその選択を行う。
800.4i 何らかの効果が特定のプレイヤーの情報を必要とする場合、その効果はそのプレイヤーがゲームに残っている場合は現在の値を用いる。そうでない場合、その効果はそのプレイヤーがゲームから離れる直前の、最後の情報を用いる。効果が、プレイヤーが取った処理についての情報をゲームから必要とする場合、その効果はゲームから離れたプレイヤーの取った処理を参照できる。
800.4j プレイヤーが自分のターンの間にゲームから離れる場合、そのターンはアクティブ・プレイヤーがいない状態で継続される。アクティブ・プレイヤーが優先権を得る場合、その代わりに、状況に応じて、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得るか、スタックの一番上のオブジェクトが解決されるか、フェイズやステップが終了する。
800.4k ゲームから離れたプレイヤーがターンを始めるなら、そのターンを始めない。
800.4m プレイヤーがゲームから離れたとき、そのプレイヤーの次のターン、あるいはそのターン内のいずれかの瞬間まで持続する継続的効果は、そのターンが始まるはずだった瞬間まで残る。即座に終了するわけでもなければ、永続するわけでもない。
800.4n プレイヤーがゲームから離れたとき、そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクトの内でアンティ 領域にあるものはゲームから離れない。これはrule 800.4aの例外である。rule 407〔アンティ〕参照。
800.4p プレインチェイス戦では、次元 コントローラーとされているプレイヤーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなった後で、前の次元 コントローラーがゲームから離れる。rule 310.5 参照。
800.5. 変種ルールや選択ルールによって定められていない限り、席順は全員が同意できる方法で決定する。例えば、プレイヤーはゲーム開始前に座っていた場所に座ったまま始めてもいいし、サイコロを振って席順を決めてもいいし、その他の方法でも良い。
800.6. 多人数戦では、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
800.7. 双頭巨人戦以外の多人数戦において、開始プレイヤーは最初のターンのドロー・ステップを飛ばさない。双頭巨人戦において、先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。rule 103.7 参照。
801.1. 「影響範囲限定」はほとんどの多人数戦に適用できる選択ルールである。「皇帝戦」変種ルール(rule 809 参照)では常に、また、5人以上のプレイヤーによるゲームではしばしば用いられる。
801.2. プレイヤーの影響範囲とは、そのプレイヤーから何プレイヤー分離れたところまで影響が及ぶかという最大の距離のことを言う。そのプレイヤーから指定された距離以内の席に座っているプレイヤーは、そのプレイヤーの影響範囲内にいる。あるプレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーがコントロールしているオブジェクトも、同じく影響範囲内にある。影響範囲は、呪文、能力、効果、ダメージ、攻撃、選択、勝利について考慮される。
801.2a 影響範囲として選ばれる数字は、主として1席または2席である。プレイヤーによって影響範囲が違うこともありうる。
例:影響範囲が1席の場合、自分自身とその隣に座っているプレイヤーだけが影響範囲内にいる。
例:影響範囲が2席の場合、自分自身とその両隣、さらにもう1席隣にいるプレイヤーまでが影響範囲内となる。
801.2c 各ターンの開始時に、誰が誰の影響範囲内にいるのかが決定される。
例:影響範囲1席のゲームで、アレックスはロブの左隣に座っていて、ロブの右隣はカリッサだった。カリッサはアレックスの影響範囲内にいない。ロブがゲームから離れると、その次のターンの開始時から、カリッサはアレックスの影響範囲に入ることになる。
801.3. クリーチャーは、そのコントローラーの影響範囲内にいる対戦相手か、そのコントロールしているプレインズウォーカーにだけ攻撃できる。影響範囲内に対戦相手がいない場合、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは攻撃できない。
801.4. プレイヤーの影響範囲外にあるオブジェクトやプレイヤーは、そのプレイヤーの呪文や能力の対象 にならない。
801.5. 複数のプレイヤーに選択を行わせるカードが存在するが、これらのカードは「影響範囲限定」選択ルールを用いた場合には機能し方が異なる。
801.5a オブジェクトまたはプレイヤーを選ばせる場合、その選ぶプレイヤーは自分の影響範囲内から選ばなければならない。
例:影響範囲1席のゲームで、アレックスはロブの左に座っていた。アレックスが《クォムバッジの魔女》の「{T}: クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つと、対戦相手1人の選んだ別のクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。クォムバッジの魔女はその前者に1点、その後者に1点のダメージを与える。」という能力をロブを対象に、またロブに対象を選ばせる対戦相手として指定して、起動した。ロブの選ぶことのできる対象は、彼と《クォムバッジの魔女》のコントローラーの両方の影響範囲内にあるものに限られる。すなわち、ロブ自身かアレックス、またはそのどちらかがコントロールしているクリーチャーということになる。
801.5b プレイヤーが、(オブジェクトから選ぶのではなく)1つ以上の選択肢から選ぶ場合、その選択肢が影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーを参照していても、選ぶことができる。
例:影響範囲2席のアレックスが、ロブの左に座っている。影響範囲1席のカリッサはロブの右に座っている。アレックスは「いずれかの対戦相手は以下から1つを選ぶ ─ 『あなたはカード2枚を引く。』『ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーはそれぞれ+2/+2の修整を受ける。』」という呪文を唱え、カリッサに選択させることを選んだ。アレックスはカリッサの影響範囲外だが、カリッサはモードを選択することができる。
801.5c 効果に必要な選択を行えるプレイヤーが影響範囲内にいない場合、その効果のコントローラーの左側で一番近いプレイヤーが選択を行う。
例:影響範囲1の「皇帝戦」において、皇帝が「あなたのライブラリーの上から5枚を公開し、対戦相手はそれらのカードを2つの束に分ける。その束の1つをあなたの手札に入れ、もう1つをあなたの墓地に置く。」という《嘘か真か》を唱えた。皇帝の影響範囲内には対戦相手はいないので、皇帝の左側でもっとも近くにいる対戦相手がカードを束に分ける。
801.6. プレイヤーは、その影響範囲外にあるオブジェクトの起動型能力を起動できない。
801.7. 誘発型能力は、その誘発イベント全体が発生源のコントローラーの影響範囲内で起こらない限り誘発しない。
例:影響範囲1のゲームで、アレックスはボブの左に座っていた。ロブはアレックスの《ルーン爪の熊》にオーラ2つをつけていて、一方は「エンチャントされているクリーチャーがブロックされるたび」誘発するもので、もう一方は「エンチャントされているクリーチャーがクリーチャー1体にブロックされるたび」誘発するものであった。アレックスの《ルーン爪の熊》が左隣のプレイヤーに攻撃し、ブロックされた場合、1つ目のオーラの誘発イベント(《ルーン爪の熊》がブロックされる)はロブの影響範囲内で完結しているので、1つ目のオーラは誘発する。2つ目のオーラは、ロブの影響範囲外にあるブロック・クリーチャーが関係しているので、誘発しない。
801.7a 誘発イベントの中にオブジェクトが影響範囲を出入りすることが含まれる場合、そのイベントの種類によって決定される、直前または直後の状況を使用して誘発するかどうかを決定する。rule 603.6、rule 603.10 参照。
例:カリッサとアレックスはお互いに影響範囲外にある。カリッサはアレックスがオーナーである《ルーン爪の熊》をコントロールしており、また、それぞれが「他のクリーチャーが1体戦場を離れるたび、プレイヤー1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーはカード2枚を切削する。」を選んでもよい。」という能力を持つ《絞り取る悪魔》をコントロールしている。その《ルーン爪の熊》が破壊され、アレックスの墓地に置かれた場合、戦場を離れるイベントはアレックスの影響範囲外で起こったので、アレックスの《絞り取る悪魔》の能力は誘発しない。一方、そのクリーチャーはカリッサの影響範囲外である墓地に置かれるが、戦場を離れるイベントはカリッサの影響範囲内で起こっているので、カリッサの《絞り取る悪魔》の能力は誘発する。
801.8. オーラはそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーにエンチャントすることはできない。オーラが不正なオブジェクトやプレイヤーについた場合、状況起因処理でオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
801.9. 装備品はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトに装備されることはできない。城砦はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトを城砦化することはできない。装備品や城砦が不正なパーマネントについた場合、状況起因処理ではずれて戦場に残る。rule 704 参照。
801.10. 呪文や能力は、そのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーには影響を及ぼせない。効果の、影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす部分は何もしない。そうでない部分は通常通り影響を及ぼす。
例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「紅蓮地獄は各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える。」という《紅蓮地獄》を唱えた。《紅蓮地獄》は、アレックスとその両隣のプレイヤーの3人がコントロールしているクリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与えるが、他のクリーチャーにはダメージを与えない。
801.11. 呪文や能力がゲームの情報を必要とする場合、そのコントローラーの影響範囲内の情報しか得られない。コントローラーの影響範囲外のオブジェクトやイベントに関しての情報を用いることはできない。
例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「各クリーチャーは、共通のクリーチャー・タイプを持ちそれでないクリーチャー1体につき+1/+1の修正を受ける。」という《旗印》をコントロールしている。アレックスのクリーチャーは、アレックスとその両隣のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに応じて強化されるが、それ以外のクリーチャーは考慮に入れない。
例:同じゲームで、ロブはアレックスの右隣に座っている。《旗印》はロブのクリーチャーを、ロブの影響範囲外であるアレックスの左隣のプレイヤーも含む、アレックスの影響範囲内のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに基づいて強化する。
801.12. 「ワールド・ルール」(rule 704.5k 参照)は、ワールド・パーマネントがもう1つ、ワールド・パーマネントのコントローラーの影響範囲内にあるときにのみ適用される。
801.13. 置換・軽減効果は、特定のイベントが起こるのを待ち、そしてその全体または一部を置換する。「影響範囲限定」選択ルールにより、置換後のイベントが実行できない効果を含むようになることもありうる。その場合、その不可能な効果は単に無視される。rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照。
801.13a 置換効果が、呪文や能力の効果をそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに及ぼそうとした場合、イベントのその部分は何もしない。
例:アレックスは「プレイヤー1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。溶岩の斧はそれに5点のダメージを与える。」という《溶岩の斧》を、ロブを対象にして唱えた。これに対応してロブは「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つと、別のクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。このターン、次にその前者が受けるダメージ X点は、代わりにその後者が受ける。」という《艦長の操艦》を、Xを3とし、もう1つの対象をアレックスの影響範囲外のプレイヤー、カリッサにした。この場合、《溶岩の斧》の解決時に起こるのはロブに2点のダメージを与えることだけで、カリッサはダメージを受けない。
801.13b 呪文や能力が、ある発生源からのダメージを軽減するという効果を作った場合、その呪文や能力のコントローラーの影響範囲内にその発生源が存在しなければ影響を及ぼさない。逆に、パーマネントやプレイヤーに与えるダメージを軽減するという効果を作った場合、そのパーマネントやプレイヤーが影響範囲内に無ければ影響を及ぼさない。発生源も軽減先も特定されていないダメージを軽減する効果は、発生源と軽減先の両方が影響範囲内になければ軽減しない。
例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。アレックスが「クリーチャーから受けるすべてのダメージを軽減する。」というエンチャントを出している場合、カリッサがロブにクリーチャーで攻撃したら、通常通り戦闘ダメージを受ける。
例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。カリッサがロブを対象に、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。電撃破はそれに4点のダメージを与える。」という《電撃破》を唱えた。これに対応して、アレックスはロブを対象に、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。このターン、それが受ける次の4点のダメージを軽減する。」という《繕いの手》を唱えた。ロブへのダメージは軽減される。
例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。カリッサがロブをクリーチャーで攻撃して、ロブはそれをクリーチャーでブロックした。アレックスが「このターンに受けるすべての戦闘ダメージを軽減する。」という《濃霧》を唱えた。カリッサとロブのクリーチャーはお互いに戦闘ダメージを与えあう。
801.14. 何らかの効果によってプレイヤー1人が勝利する場合、その代わりに、そのプレイヤーの影響範囲内にいる対戦相手全てはゲームに負けになる。
801.15. 呪文や能力の効果によってゲームが引き分け になる場合、その呪文や能力のコントローラーとその影響範囲内にいるすべてのプレイヤーは引き分け になり、ゲームから離れる。残りのプレイヤーはゲームを続ける。
801.16. ゲームが選択的でない処理による「ループ」を作り、それを止める方法がない場合、そのループに含まれるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、ならびにその各プレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから離れ、他のプレイヤーがゲームを続ける。
801.17. ゲームを再び開始する(rule 721 参照)効果は、影響範囲 制限 選択ルールの例外である。そのゲームに参加している全てのプレイヤーは、新しいゲームに含まれる。
801.18. 大乱闘戦以外の多人数プレインチェイス戦において、次元・カードや現象・カードは「影響範囲限定」選択ルールの影響を受けない。それらの能力やその効果は、ゲーム内にいる適用されうるオブジェクトやプレイヤーすべてに影響を及ぼす。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
802.1. 「複数への攻撃」は、アクティブ・プレイヤーが他のプレイヤー複数人に対して攻撃することを認める選択ルールである。この選択ルールを用いた場合にも、攻撃時に1人のプレイヤーだけを攻撃することは可能である。
802.2. 戦闘フェイズの開始時に、攻撃 プレイヤーは防御プレイヤーとなる対戦相手を選ばない。その代わりに、戦闘フェイズの間、攻撃 プレイヤーの対戦相手全てが防御プレイヤーとなる。
802.2a ルール、オブジェクト、効果で「防御プレイヤー」を参照するものは、特定の防御プレイヤー1人を参照する。全防御プレイヤーを参照するわけではない。攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーが攻撃しているプレイヤー、あるいはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーのコントローラーを参照する。そのクリーチャーがすでに攻撃していない場合、参照している防御プレイヤーは、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレイヤーや、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラーである。複数の攻撃クリーチャーに適用される呪文や能力である場合、該当する防御プレイヤーはそれぞれの攻撃クリーチャーごとに別々に決定される。複数の防御プレイヤーが選びうる場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
例:ロブは《ルーン爪の熊》でアレックスを攻撃し、山渡りを持つクリーチャーでカリッサを攻撃した。山渡りを持つクリーチャーがブロックされないかどうかは、カリッサが山をコントロールしているかどうかによる。
802.3. 攻撃 プレイヤーは、攻撃クリーチャーを指定する際に、それぞれの攻撃する防御プレイヤーを選択する。rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。
802.3a 特定のプレイヤーを攻撃する際に適用されるものでない制限や強制は、攻撃クリーチャー全体を見て判断される。特定のプレイヤーを攻撃することに対して適用される制限や強制は、そのプレイヤーを攻撃するクリーチャー群にだけ適用される。攻撃クリーチャー全体としても攻撃は適正でなければならない。rule 508.1 参照。
802.3b バンドを組んでいるクリーチャーは、ばらばらのプレイヤーに攻撃できない。rule 702.22〔バンド〕参照。
802.4. 複数のプレイヤーに攻撃している場合、防御プレイヤーは、ブロック・クリーチャー指定ステップに、APNAP順でブロック・クリーチャーを指定する。(rule 101.4 ならびに rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)最初の防御プレイヤーがブロックの宣言を追えた後、次の防御プレイヤーが宣言を行う。
802.4a 防御プレイヤーは自分がコントロールしているクリーチャーでのみブロックできる。それらのクリーチャーはそのプレイヤー自身かそのコントロールしているプレインズウォーカーに攻撃してきたクリーチャーだけをブロックでき、他のプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃しているクリーチャーをブロックすることはできない。
802.4b 防御プレイヤーのブロックが適正かどうかを判断するにあたって、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーや他のプレイヤーがコントロールしているブロック・クリーチャーは考慮しない。
802.5. ブロック・クリーチャーの指定後、クリーチャーが複数のクリーチャーをブロックしていた場合、各防御プレイヤーはAPNAP順でそのブロックしている攻撃クリーチャー群の中のダメージ割り振り順を、それぞれのブロック・クリーチャーごとに宣言する。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
802.6. 戦闘ダメージはAPNAP順で割り振られる。それ以外の点では、戦闘ダメージ・ステップは2人対戦の時と同じように進む。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
803.1. 多人数戦では「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」と呼ばれるルールが用いられることがある。
803.1a 「左翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはそのすぐ左隣に座っているプレイヤーにしか攻撃できない。左隣のプレイヤーが対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。
803.1b 「右翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはそのすぐ右隣に座っているプレイヤーにしか攻撃できない。右隣のプレイヤーが対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。
804.1. 「皇帝戦」変種ルールでは、必ず「クリーチャー配置」選択ルールが用いられる。また、他の変種ルールでもチームが機能するために用いることができる。個人個人で戦う多人数戦では、この選択ルールはまず用いられない。
804.2. 全てのクリーチャーは「{T}: チームメイト1人を対象とする。そのプレイヤーはこのクリーチャーのコントロールを得る。起動はソーサリーとしてのみ行う。」という能力を持つ。
805.1. チーム同士で戦う多人数戦において、「共有チーム・ターン」という選択ルールが存在する。これは、「双頭巨人戦」変種ルール(rule 810 参照)ならびにアーチエネミー戦・カジュアル変種ルール(rule 904 参照)においては必ず用いられる。これは、チームごとに固まって座っている場合にのみ用いることができる。
805.2. 各チーム内で、もっとも右に座っているプレイヤーがそのチームの主プレイヤーとなる。チームに属するプレイヤーが、たとえばクリーチャーの攻撃や誘発型能力をスタックに積む順番などの選択に同意できなかった場合、主プレイヤーがその決定を行う。
805.3. rule 103.1 に記されている方法を用いて、どちらのチームが先攻になるかを決める。この方法で決定されたチームは開始チームとなる。
805.3a マリガンを行う手順についても、同様に修整される。まず、開始チームの各プレイヤーがそのチーム内で決めた順番でマリガンを行うかどうかを決定する。その後、ターン順に、他のチームのプレイヤーが同様の手順を踏む。すべての選択が行われた後、全てのマリガンが同時に行われる。この決定の間、チームメイトは相談してもよいし、カードをライブラリーの一番下に置く場合、どのカードを戻すかについて相談してもよい。プレイヤーは、チームメイトがマリガンをしないことを選んだ後でもマリガンを続けてもよい。rule 103.4 参照。
805.3b ゲーム開始時に戦場に出した状態で始められるカードの扱いについても、同様に修整される。開始チームのプレイヤーの手札に戦場に出した状態でゲームを始められるカードがあった場合、それを好きな順番で好きなだけ戦場に出してもよい。この決定について、チームメイトと相談してもよい。その後、他のチームのプレイヤーがターン順に同様の処理を行う。
805.4a 現在のターンを行なっているチームがアクティブ・チームであり、それ以外のチームが非アクティブ・チームである。
805.4b チームのドロー・ステップに、そのチームのプレイヤーはそれぞれカード1枚を引く。
805.4c チームのターンに、そのチームのプレイヤーはそれぞれ土地1枚をプレイできる。
805.4d ステップやフェイズの開始時に誘発する能力は、それが「各プレイヤー/each player」の、あるいは「各対戦相手/each opponent」のステップやフェイズの開始時に誘発する場合、複数回誘発する。それらの能力は、その能力の誘発条件や効果や「場合」節が「そのプレイヤー」「その対戦相手」などに言及している場合に、それぞれ該当するプレイヤーごとに1回誘発する。
805.5a プレイヤーは、自分のチームが優先権を持っている時、呪文を唱えたり能力を起動したり特別な処理を行なったりできる。
805.5b チームが優先権を持っていて、そのチームのどのプレイヤーも何もしたくなかった場合、そのチームはパスする。すべてのチームが続けてパスした場合(つまり、全てのチームがパスする間にどのプレイヤーも何もしなかった場合)、スタックの一番上にあるオブジェクトが解決され、その後アクティブ・チームが優先権を得る。スタックが空の時に全てのチームが続けてパスした場合、そのフェイズやステップが終了し、次のフェイズやステップが始まる。
805.6. アクティブ・プレイヤー、非アクティブ・プレイヤー順ルール(rule 101.4 参照)は、「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる場合には修整される。複数のチームが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・チームが必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で非アクティブ・チームが必要な選択を行なっていく。複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・チームのプレイヤーが好きな順番で必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で次の非アクティブ・チームのプレイヤーが必要な選択を行なっていく。全ての選択の終わった後、全ての処理は同時に行われる。
805.6a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いたゲームで、効果によって複数のプレイヤーがカードを引く場合、まずアクティブ・チームの各プレイヤーが、好きな順番でカードを引き、その後、ターン順に、他の非アクティブ・チームの各プレイヤーが同様に行う。
805.7. 複数の誘発型能力が、いずれかのチームが優先権を得る前に誘発していた場合、アクティブ・チームのプレイヤーから自分のコントロールしている誘発型能力を好きな順番でスタックに積み、その後、ターン順に、他の非アクティブ・チームの各プレイヤーが同様に行う。
805.8. 効果によってプレイヤーが追加のターンを得たり追加のフェイズやステップを得たりした場合、そのプレイヤーのチームがその追加のターン、フェイズ、ステップを得る。効果によってプレイヤーがステップやフェイズやターンを飛ばす場合、そのプレイヤーのチームが影響を受ける。単一の効果によって、同じチームの複数のプレイヤーが同一のステップやフェイズやターンを得たり飛ばしたりする場合、そのチームが得たり飛ばしたりするのはそのステップやフェイズやターン1つだけである.効果によってプレイヤーが他のプレイヤーをコントロールする場合、その前者は、影響を受けたプレイヤーのチームをコントロールする。
805.9. 「アクティブ・プレイヤー」を参照する能力は、アクティブ・プレイヤー1人だけを参照する。アクティブ・チームのプレイヤー全員を参照するわけではない。その能力のコントローラーは、その能力が参照するのは誰なのかをその効果の適用時に選ぶ。
805.10. 「共有チーム・ターン」選択ルールでは、他の多人数戦と異なる戦闘ルールを用いる。
805.10a 各チームのクリーチャーは、グループで他のチームを攻撃する。戦闘フェイズの間、アクティブ・チームは攻撃チームとなり、アクティブ・チームの各プレイヤーは攻撃 プレイヤーとなる。同様に、非アクティブ・チームは防御チームとなり、そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。
805.10b 攻撃クリーチャー指定ステップ開始に際して、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーを指定する。攻撃クリーチャーそれぞれについて、攻撃チームはそのクリーチャーがどの防御プレイヤーまたはプレインズウォーカーを攻撃するかを宣言する。アクティブ・チームの攻撃は一群で行い、その攻撃クリーチャー群は全体として適正でなければならない。rule 508.1 参照。
805.10c ルール、オブジェクト、あるいは効果が「攻撃 プレイヤー」を参照する場合、それは攻撃 プレイヤー全員ではなく攻撃 プレイヤーのうち特定の1人を参照する。ブロック・クリーチャーの能力が攻撃 プレイヤーを参照していた場合、あるいは呪文や能力がブロック・クリーチャーと攻撃 プレイヤーの両方を参照していた場合、特に規定されていない限り、その参照する攻撃 プレイヤーとは、そのブロック・クリーチャーがブロックしている攻撃クリーチャーをコントロールしているプレイヤーのことである。呪文や能力が複数のブロック・クリーチャーに適用できる場合、それらのブロック・クリーチャーそれぞれについて独立に該当する攻撃 プレイヤーが決定される。複数の攻撃 プレイヤーが該当する場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
805.10d ブロック・クリーチャー指定ステップ開始に際して、防御チームはブロック・クリーチャーを指定する。防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャーは、防御チームのいずれかのプレイヤーまたはそのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃しているクリーチャーをブロックできる。防御チームによるブロックは一群で行い、ブロック・クリーチャーは全体として適正でなければならない。rule 509.1 参照。
805.10e ルール、オブジェクト、あるいは効果が「防御プレイヤー」を参照する場合、それは防御プレイヤー全員ではなく防御プレイヤーのうち特定の1人を参照する。攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照していた場合、あるいは呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照していた場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーが攻撃しているプレイヤー、あるいはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーのコントローラーを参照する。そのクリーチャーがすでに攻撃していない場合、参照している防御プレイヤーは、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレイヤーや、そのクリーチャーが戦闘から除かれる前に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラーである。呪文や能力が複数の攻撃クリーチャーに適用できる場合、それらの攻撃クリーチャーそれぞれについて独立に該当する防御プレイヤーが決定される。複数の防御プレイヤーが該当する場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
805.10f ブロック・クリーチャーが指定された後、複数のクリーチャーによってブロックされた攻撃クリーチャーのそれぞれについて、アクティブ・チームはそのブロック・クリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を宣言する。その後、複数のクリーチャーをブロックしているクリーチャーごとに、防御プレイヤーはそのブロックしている攻撃クリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を宣言する。
805.10g 戦闘ダメージ・ステップ開始に際して、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーがどのように戦闘ダメージを割り振るかを宣言する。その後、防御チームはブロック・クリーチャーの戦闘ダメージを割り振る。rule 510.1 参照。
806.1. 「無差別戦」多人数戦では、プレイヤーはそれぞれ個人個人として競い合う。
806.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常は、「無差別戦」では、以下の選択ルールを用いる。
806.2a 「無差別戦」においては、「影響範囲限定」は用いない。行う場合、全てのプレイヤーが同じ広さの影響範囲を持ち、その広さは開始前に定める。rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照。
806.2b 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」選択ルールのうちいずれか1つを用いる。rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕ならびに rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。
806.2c 「クリーチャー配置」選択ルールは、「無差別戦」では用いない。
807.1. 「大乱闘戦」変種ルールは「無差別戦」の拡張ルールであり、それぞれのプレイヤーが個人として戦いあうフォーマットである。10人以上のプレイヤーが参加する時に用いられる。
807.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「大乱闘戦」では、以下の選択ルールを用いる。
807.4. 「大乱闘戦」変種ルールは、複数のプレイヤーが同時にターンを進めることを認めている。ターンマーカーを用い、誰が現在ターンを進めているのかが判るようにするとよい。ターンマーカーを持つプレイヤーがそれぞれアクティブ・プレイヤーとなる。
807.4a 4人ごとに1つ(切り捨て)、ターンマーカーを用いる。
例:16人による「大乱闘戦」では、ターンマーカーを4つ用いる。15人なら3つである。
807.4b ゲームの開始プレイヤーが最初のターンマーカーを持つ。以降左回り4席ごと(5番目のプレイヤー)に2つ目のターンマーカーを置き、以下同様に、ターンマーカーを置く。ターンマーカーには順番を示す数が記されており、それらのマーカーを持ったプレイヤーは同時にターンを進める。
807.4c プレイヤーは、自分のターンが終わった後、ターンマーカーを左隣のプレイヤーに渡す。ターンマーカーを持つプレイヤーが自分のターンの間にゲームから離れた場合、そのターンの終了後に、その左にいるプレイヤーがターンマーカーを得る。ターンマーカーを持つプレイヤーが自分のターンが始まる前にゲームから離れた場合、その左にいるプレイヤーが即座にターンマーカーを得る。
807.4d 自分から見て左3人までにマーカーがあるプレイヤーがマーカーを受け取った場合、そのプレイヤーは自分のターンを始めることはできない。その場合、左4人目にマーカーが渡るまで、そのプレイヤーは待つことになる。
807.4e プレイヤーがゲームから離れ、それによってターンマーカーの数が減る場合、その離れたプレイヤーのすぐ右にあるターンマーカーが取り除かれると予定される。複数のプレイヤーが同時にゲームから離れ、それによってターンマーカーが取り除かれうる状況になった場合、より小さい番号のマーカーが取り除かれると予定される。ターンマーカーが複数回取り除かれると予定されることがある。
807.4f 1人または複数のプレイヤーがゲームから離れ、それによってターンマーカーの数が減るという決定(rule 807.4e 参照)に関して、既に取り除かれる予定になっているターンマーカーは無視する。
807.4g ターン進行中のプレイヤーが、取り除かれる予定になっているターンマーカーを持っている場合、そのターンマーカーはそのターンの終了後に次のプレイヤーに渡されずに除去される。ターン進行中でないプレイヤーが、取り除かれる予定になっているターンマーカーを持っている場合、そのターンマーカーは即座に除去される。除去されたターンマーカーが複数回取り除かれる予定になっていた場合、その右にあるターンマーカーが、その回数引く1回、取り除かれる予定になる。
807.4h 1人あるいは並んだプレイヤーがゲームから除去される場合、次のターンが始まるまでは、除去されたプレイヤーのどちらの隣にいたプレイヤーも他方の影響範囲に入らない。
807.4i 効果によって、ターンマーカーを持っているプレイヤーが追加のターンを得た場合、そのプレイヤーはターンマーカーが近すぎない限り、ターンマーカーを保持したまま次のターンに入る。プレイヤーの左3席以内にターンマーカーがあった場合、追加ターンを始めるのは第4席のプレイヤーがターンマーカーを持つまで待つ。右3席以内にターンマーカーがある場合、最初のターンが終わった時点ですぐにターンマーカーを次に回し、次のターンマーカーがついた時に自分のターンに入る前に、その追加のターンを行う。
807.4j プレイヤーが現在のターンの次に追加のターンを得る場合、その時点でそのプレイヤーがターンマーカーを持っていないのなら、そのプレイヤーは自分の次のターンの直前に追加のターンを得る。
例:アレックスのターンに、彼は《Time Walk》を唱え、これによって追加のターンを得た。そのターンの間に、アレックスの左にいたプレイヤーがゲームから離れ、ターンマーカーが近づいてしまった。アレックスのターンが終わった時点で彼のターンマーカーは取り除かれ、次に彼の通常のターンが回ってくる直前までは追加のターンを得ることはできない。
807.5. 「大乱闘戦」では、ターンマーカーごとに1つずつの、複数のスタックを用いる。
807.5a プレイヤーはある特定のターンマーカーのスタックについて、それが自分の影響範囲内にあるか、そのスタック上にあるオブジェクトが自分の影響範囲内にいるプレイヤーによってコントロールされている場合に限り優先権を得る。
807.5b 複数のスタックの優先権を持っているプレイヤーが呪文を唱えたり、能力を起動したり、そのコントロールしている誘発型能力が誘発したりした場合、そのプレイヤーはどのスタックに呪文や能力を乗せるかを選ぶ。スタック上にあるオブジェクトが誘発型能力を誘発させた場合、その誘発型能力はそのスタックに積まなければならない。あるスタックの呪文や能力を解決したことによって、プレイヤーが呪文を唱えたり呪文のコピーを作ったりした場合、新しい呪文はそのスタックに積まなければならない。呪文や能力がスタック上にあるオブジェクトを対象とする場合、その呪文や能力は対象と同じスタックに積まなければならない。複数のスタックに存在するオブジェクトを対象にすることはできない。
808.1. チーム対抗戦は、2つ以上のチームによってプレイされる。各チームには何人のプレイヤーがいてもよい。
808.2. 各チームはそれぞれテーブルの1辺に並んで座る。各チーム内で、座る順番を決める。
808.3. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「チーム対抗戦」では、以下の選択ルールを用いる。
808.4. 誰が最初にプレイするかを決めるために、どちらかのチームを無作為に選ぶ。そのチームのプレイヤーが奇数であれば、その真ん中に座っているプレイヤーから始める。そのチームのプレイヤーが偶数であれば、中心点の左隣のプレイヤーから始める。ターン順で次のプレイヤーは左隣のプレイヤーである。
808.5. 「チーム対抗戦」変種ルールにおいては、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
809.1. 「皇帝戦」は各チーム3人からなる複数のチームによって行われる。
809.2. 各チームはテーブルの一辺に並んで席に着く。それぞれのチームごとに、席順を決める。チームの中で1人が皇帝となり、チームの中央に座る。残り2人は将軍と呼ばれ、皇帝を守ることになる。
809.3. 「皇帝戦」では通常、以下の選択ルールを用いる。
809.3a 影響範囲は皇帝が2、将軍が1とする。rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照。
809.3b 「皇帝戦」では「クリーチャー配備」選択ルール(rule 804 参照)を用いる。
809.3c プレイヤーはその隣に座っている対戦相手にだけ攻撃できる。
例:「皇帝戦」の開始時には、どちらの皇帝も相手を攻撃することはできない。相手の将軍は呪文の影響範囲に入っているので、呪文の対象にすることはできる。
809.4. どちらの皇帝が先攻か、無作為の方法で決める。その後、ターンはそのプレイヤーから左に進む。
809.5. 「皇帝戦」変種ルールでは、ゲームの終了は以下の特例に従うと同時に、通常のルール(rule 104 参照)も適用される。
809.6. 「皇帝戦」変種ルールは、同じサイズのチーム同士ならチームがいくつあってもプレイできる。チームが4人以上のプレイヤーからなる場合、影響範囲は適宜決めなおす必要がある。
809.6a 各将軍の影響範囲は、ゲームの開始時に相手のチームの将軍が1人影響範囲に入る最少の数にするべきである。各皇帝の影響範囲は、ゲームの開始時に相手のチームの将軍が2人影響範囲に入る最少の数にすべきである。皇帝が他の皇帝の影響範囲に入った状態でゲームを始めることがないように座るべきである。
例:4人チームの皇帝戦では、プレイヤーは、チームA将軍1、チームA皇帝、チームA将軍2、チームA将軍3、チームB将軍1、チームB皇帝、チームB将軍2、チームB将軍3、と並ぶ形になる。各皇帝の影響範囲は3、将軍2の影響範囲は2、将軍1と将軍3の影響範囲は1となる。
809.7. 「皇帝戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
810.1. 「双頭巨人戦」は2人ずつのチーム2組によって行われる。
810.2. 双頭巨人戦では、「共有チーム・ターン」選択ルール(rule 805 参照)を用いる。
810.3. それぞれのチームは、テーブルの片側に並んで座る。どう座るかはそれぞれのチームが決める。
810.4. ライフの総量はチームごとに合算され、30点から始まる。
810.5. 「双頭巨人戦」では、共用ライフの総量と毒カウンターを例外として、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
810.6. 先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。
810.7. 「双頭巨人戦」変種ルールは、他の「共有チーム・ターン」選択ルールの戦闘ルールを用いる(rule 805.10 参照)。これは過去のルールからの変更である。
810.8. 「双頭巨人戦」でのゲームの勝敗は、通常のルール(rule 104 参照)に従う。が、以下の追加と特例がある。
810.8a プレイヤーはチーム単位でのみ勝ち、あるいは負けとなる。個人での勝敗は存在しない。チームのいずれかのプレイヤーが負けとなったら、チームは負けとなる。いずれかのプレイヤーが勝ちとなったら、チームの勝ちとなる。何らかの効果でプレイヤーが勝利できないとされている場合、そのプレイヤーのチームは勝利できない。何らかの効果でプレイヤーが敗北しないとされている場合、そのプレイヤーのチームは敗北しない。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたは、ライフが0以下になることによって敗北しない。」という《卓絶》をコントロールしている。このプレイヤーのチームのライフが0以下になったとしても、そのチームは負けにならない。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーがカードを引くべきときにライブラリーにカードが残っていなかったとしたら、そのプレイヤーは負けとなり、そのプレイヤーの属するチームの負けとなる。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたはゲームに敗北しない。あなたの対戦相手はゲームに勝利しない。」という《白金の天使》をコントロールしている。この場合、そのコントローラーとチームメイトは《白金の天使》が戦場にある限り、敗北しない。対戦相手のチームは勝利しない。
810.8b プレイヤーが投了したら、そのチームは即座にゲームから離れ、そのチームの負けとなる。
810.8c チームの共用ライフが0以下である場合、次にいずれかのチームが優先権を得るときにそのチームの負けとなる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
810.8d チームが15個以上の毒カウンターを持っている場合、そのチームはゲームに負ける(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
810.9. ダメージ、ライフの喪失、ライフの増加は、それぞれのプレイヤー個々に発生する。結果はチームの共用ライフに適用される。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「火炎の裂け目は各プレイヤーにそれぞれ4点のダメージを与える」という《火炎の裂け目》を唱えた場合、各チームは8点ずつダメージを受ける。
810.9a 何らかのコストや効果が特定のプレイヤーのライフの総量の値を必要とする場合、代わりに、そのチームの共用ライフの総量を用いる。
例:「双頭巨人戦」でチームのライフが残り17点のときに、そのチームのプレイヤーが「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライフの総量を2倍にする。」という《不死の標》の対象となった。そのプレイヤーは17点のライフを得て、チームのライフの総量は34点となる。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが50点以上である場合、あなたはゲームに勝利する。」というエンチャントである《忍耐の試練》をコントロールしている。そのプレイヤーのアップキープの開始時に勝利するためには、チームのライフの総量が50点以上あればよい。
例:「双頭巨人戦」で、共有ライフの総量が11点のチームのプレイヤーが「あなたのライフの半分を支払う(端数切り上げ): 隠れ潜む邪悪は飛行を持つ4/4のホラー・クリーチャーとなる。」というエンチャント《隠れ潜む邪悪》をコントロールしている。これを起動するためには、そのプレイヤーは6点のライフを支払う必要があり、チームの共有ライフの総量は5点となる。
810.9b コストや効果によって、チームの両方のプレイヤーが同時にライフを支払う場合、両プレイヤーの支払うライフの総量がそのチームのライフの総量を超えてはならない(プレイヤーは常に0点のライフを支払うことができる)。
810.9c 効果によってあるプレイヤー1人のライフの総量がある値になった場合、そのプレイヤーはライフの総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。チームのライフの総量は、その増減と同じだけ変化する。
例:「双頭巨人戦」で、あるチームの共用ライフの総量が25点の時、「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライフの総量は10点になる」という呪文を唱えたとする。そのプレイヤーのライフの総量は25点と考えられるので、そのプレイヤーは15点のライフを失う。そのチームの共用ライフの総量は10点になる。
810.9d 効果によってチームの両方のプレイヤーのライフがある値になる場合、そのチームはメンバーの1人を選ぶ。そのチームにおいては、そのプレイヤーだけが影響を受ける。
例:「双頭巨人戦」で、あるチームの共用ライフの総量が7点で、もう一方のチームの共有ライフの総量が13点であるとする。プレイヤーが「各プレイヤーのライフの総量は、すべてのプレイヤーの中で最も低いライフの総量になる。」という《等価返し》を唱えた場合、各チームはチームの中の1人を選ぶ。その選択の結果、13点のライフを持つチームの選ばれたプレイヤーは6点のライフを失い、そのチームの共有ライフの総量は7点となる。
810.9e プレイヤーはライフの総量をチームメイトと交換できない。効果によってそのようなことが起こる場合、その交換は発生しない。
810.9f 効果によって、プレイヤーがプレイヤーのライフの総量を再配分する場合、各チームのチーム内から2人以上のプレイヤーを選ぶことはできない。
810.9g 効果によって、あるプレイヤーがライフを得ることができない場合、そのプレイヤーのチームのプレイヤー全員がライフを得ることができない。
810.9h 効果によって、あるプレイヤーがライフを失うことができない場合、そのプレイヤーのチームのプレイヤー全員がライフを失ったり、0点以外のライフを支払ったりすることができない。
810.10. プレイヤーに毒カウンターを得させる効果は、各プレイヤーにそれぞれ独立に起こる。毒カウンターはチームで共有される。
810.10a 何らかの効果が各プレイヤーに何個の毒カウンターがあるのかの情報を必要とする場合、その効果はそのチームの持つ毒カウンターの数を用いる。プレイヤーの対戦相手に何個の毒カウンターがあるのかの情報を必要とする場合、その効果はその対戦相手 チームの持つ毒カウンターの数を用いる。
810.10b 何らかの効果がプレイヤーから毒カウンターを失わせる場合、そのプレイヤーのチームはその数の毒カウンターを失う。
810.10c 何らかの効果によってプレイヤーが毒カウンターを得られない場合、そのプレイヤーのチームに属するどのプレイヤーも毒カウンターを得られない。
810.10d ルールや効果が、プレイヤー個人がどのカウンターを持っているかを知る必要がある場合、プレイヤーが持っているカウンターの種類と、そのプレイヤーのチームが持っているカウンターの種類を用いる。プレイヤーは、そのチームが1つ以上の毒カウンターを持っている場合、「毒を受けている」と言う。
810.11. 「双頭巨人戦」は各チーム3人以上でもプレイできる。3人目以降のプレイヤー1人につき、そのチームの初期ライフ総量は15増え、そのチームが負けるために必要な毒カウンターの数は5個増える(これらの変種ルールを三頭巨人、四頭巨人……などと呼ぶこともある)。
811.1. 「交互チーム戦」は同人数によるチーム複数によって行われる。
811.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「交互チーム戦」では、以下の選択ルールを用いる。
811.2a 影響範囲は2席を推奨する。rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照。
811.2b 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」選択ルールのうちいずれか1つを用いる。rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕ならびに rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。
811.2c 「クリーチャー配置」選択ルールは、「交互チーム戦」では通常用いられない。
811.3. ゲームの開始時に、プレイヤーはチームメイト同士が隣にならないように、そしてチームが同等にばらばらになるように座る。
例:3チームによる交互チーム戦では、最初の座り方はA1, B1, C1, A2, B2, C2, A3, B3, C3 というようになる。
811.4. プレイヤーは、隣り合っていない対戦相手に攻撃することはできない。
811.5 「交互チーム戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトは隣り合わせに座っていない限り、お互いの手札を見せあってはならない。戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
900.1. この節は特定のカジュアル変種ルールにおいて用いられる追加の選択ルールについて述べる。これは網羅的な物ではない。
900.2. カジュアル変種ルールは、定形のマジックのゲームでは用いられない追加の領域、ルール、カード、その他ゲームの要素を用いる。
901.1. プレインチェイス戦 変種ルールにおいて、次元・カードと現象・カードはさらなる能力と無作為性をゲームに導入する。プレインチェイス戦 変種ルールでは、マジックの通常のルールすべてを用いるのに加え、以下の追加ルールを用いる。
901.2. プレインチェイス戦は2人戦でも多人数戦でも行うことができる。多人数戦の場合、原則として、無差別戦 変種ルールと「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
901.3. 通常のゲームの物品に加えて、各プレイヤーは10枚以上の次元・カードや現象・カードからなる次元デッキを準備しなければならない。また、ゲームの進行には次元ダイスが1つ必要である。次元デッキには現象・カードは2枚までしか入れることができない。次元デッキには同名のカードが2枚以上入っていてはならない。(rule 310〔次元〕、rule 311〔現象〕参照)
901.3a 次元ダイスは6面体のサイコロである。1つの面にはプレインズウォーカー・シンボル{PW}が、他の1つの面にはカオス・シンボル{CHAOS}が記されている。他の面は何も記されていない。
901.4. ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の次元デッキを切り直し、カードの順が無作為になるようにする。それらのデッキはそれぞれオーナーのライブラリーの隣に裏向きで置かれる。ゲームの間を通して、次元・カードや現象・カードは次元デッキの中にあるときもオモテ向きであるときも統率領域にあり続ける。
901.5. すべてのプレイヤーが最初の手札を確定させ、ゲームの開始時に開始時の手札から処理を行えるカードの能力を使った後、開始プレイヤーは自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きにする。現象・カードならば、そのカードを自分の次元デッキの一番下に置き、次元・カードがオモテ向き になるまでこの手順を繰り返す(rule 103.6 参照)。この手順の間、オモテ向き になったカードの能力が誘発することはない。オモテ向き になった次元・カードが開始時の次元となる。
901.6. 次元・カードや現象・カードのオーナーは、そのカードを自分の次元デッキに入れてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの次元・カードや現象・カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤー になるまでの間、指定されたままとなる。
901.7. 統率領域にあるオモテ向きの次元・カードや現象・カードの能力は、その領域から機能する。そのカードの常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発することができ、起動型能力は起動することができる、
901.7a オモテ向きの次元・カードや現象・カードが裏向き になった場合、それは新しいオブジェクト になる。
プレインチェイス戦では、「あなたが{PW}を出したとき、プレインズウォークする。」という暗黙の能力が存在する。これは「プレインズウォーク 能力」と呼ばれる。この能力には発生源は存在せず、誘発させた次元ダイスを振ったプレイヤーがコントロールする。これは rule 113.8 の例外である。
901.8. プレインチェイス戦では、「プレインズウォーク 能力」と呼ばれる固有の誘発型能力が存在する。この能力は「あなたが{PW}を出すたび、プレインズウォークする。」というものである(rule 701.24〔プレインズウォークする〕参照)。この能力には発生源は存在せず、コントローラーはこれを誘発させた次元ダイスを振ったプレイヤーである。これはrule 113.8 の例外である。
901.9. アクティブ・プレイヤーが優先権を持っていてスタックが空の場合、自分のメイン・フェイズの間なら、そのプレイヤーは次元ダイスを振ることができる。そのプレイヤーは、この処理を行うためのコストとして、そのターンにこの処理を既に行なった回数に等しいだけのマナを支払う。これは特別な処理であり、スタックを用いない。そのターンの間に 効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること(rule 116.2i 参照)。
901.9a 次元ダイスの目が無地の場合、何も起こらない。アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
901.9b 次元ダイスの目がカオス・シンボル{CHAOS}の場合、オモテ向きの次元・カードの持つ「あなたが{CHAOS}を出したとき/When you roll {CHAOS}」という能力が誘発し、スタックに積まれる。アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
901.9c 次元ダイスの目がプレインズウォーカー・シンボル{PW}の場合、「プレインズウォーク 能力」が誘発し、スタックに積まれる。アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
901.9d 次元ダイスを振ることは、プレイヤーがサイコロを振ることで誘発する能力を誘発させる。しかし、出目同士を比べたり出目と特定の数を比べたりするような、その出目を数として参照する効果は、次元ダイスを振ったことを無視する。rule 706〔サイコロを振ること〕参照。
901.10. プレイヤーがゲームから離れるとき、現象からの能力を除いて、そのプレイヤーがオーナーであるすべてのオブジェクトはゲームから離れる(rule 800.4a 参照)。これにオモテ向きの次元・カードや現象・カードが含まれる場合、次元 コントローラーは自分の次元デッキの一番上のカードをオモテ向きにする。これは状況起因処理ではなく、プレイヤーがゲームから離れたら即座に発生する。
901.10a 次元が、それ自身を発生源とする「プレインズウォーク 能力」がスタックにある間にゲームから離れる場合、その能力は消滅する。
901.10b 現象からの能力のオーナーであるプレイヤーがゲームから離れた場合、その能力は新しい次元 コントローラーのコントロール下でスタックに残る。
901.11. ゲームが開始した後、プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取ってオモテ向きにした場合、そのプレイヤーが『プレインズウォーク』したという。プレイヤーのプレインズウォークが終わるまで残る継続的効果は終わる。プレイヤーがプレインズウォークしたときに誘発する能力は誘発する。rule 701.24 参照。
901.11a プレイヤーは「プレインズウォーク 能力」の結果として(rule 901.8 参照)、あるいはオモテ向きの次元・カードや現象・カードのオーナーがゲームから離れたことによって(rule 901.10 参照)、あるいは現象・カードの誘発型能力がスタックを離れたことによって(rule 704.6f 参照)プレインズウォークする。能力によってプレインズウォークすることもある。
901.11b オモテ向き になった次元・カードは、そのプレイヤーがプレインズウォークした次元である。裏向き になった、あるいはゲームから離れた次元・カードや現象・カードは、そのプレイヤーがプレインズウォークした元の次元や現象である。
901.11c 複数の次元・カードがオモテ向き になっている時にプレイヤーがプレインズウォークした場合、そのプレイヤーはそれら全ての次元からプレインズウォークする。
901.12. 双頭巨人戦プレインチェイス戦では、多人数戦 「双頭巨人戦」変種ルールのすべてのルールと、カジュアル変種ルール プレインチェイス戦のすべてのルールに加え、以下のルールを用いる。
901.12b 次元 コントローラーは通常、アクティブ・チームの第1プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーのチームがゲームから離れる場合、ターン順で次になる、ゲームから離れないチームの第1プレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーのチームはゲームから離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームから離れるか、あるいは他のチームがアクティブ・チーム になるまでの間、指定されたままとなる。
901.12c オモテ向きの次元・カードや現象・カードは1人のプレイヤーによってコントロールされるが、その次元・カードや現象・カードの持つ能力で「あなた/you」を参照する物は次元 コントローラーのチームの両方のメンバーに適用される。
901.12d アクティブ・チームの各メンバーはアクティブ・プレイヤーであるので、それぞれが次元ダイスを振ることができる。各プレイヤーの次元ダイスを振るためのコストは、そのプレイヤー自身が何度次元ダイスを振ったかによって定まる。
901.13. 大乱闘戦以外の多人数戦フォーマットにおいて、次元・カードや現象・カードは「影響範囲限定」選択ルールの影響を受けない。その能力、および能力の効果は、適用できるすべてのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす。(rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照)
901.14. 大乱闘戦 プレインチェイス戦においては、複数の次元・カードや現象・カードが同時にオモテ向き になる。
901.14a ゲームの第1ターン開始前に、ターン・マーカーを持ってゲームを始めるプレイヤーはそれぞれ開始時の次元を決める(rule 901.5 参照)。それらのプレイヤーが次元 コントローラーである。
901.14b プレイヤーがゲームから離れ、それによってゲームのターン・マーカーの数が減る場合、そのプレイヤーがまず次元 コントローラーでなくなり(他のプレイヤーも次元 コントローラー にならない)、それからそのプレイヤーがゲームから離れる。そのプレイヤーがコントロールしていたオモテ向きの次元・カードや現象・カードは、オーナーの次元デッキの一番下に置かれる。プレインズウォークしたものとしては扱わない。
901.15a 代替の選択ルールとして、プレインチェイス戦は全員で公共次元デッキを用いて行うことができる。この場合、次元デッキのカード枚数は最低でも40枚、あるいはゲームに参加している人ごとに10枚のいずれか少ない方の枚数が必要となる。次元デッキにはプレイヤー数の2倍を超える現象・カードを入れることはできない。次元デッキに同名のカードが入っていてはならない。
901.15b 「単一次元デッキ」選択ルールを用いたプレインチェイス戦において、次元 コントローラーは次元デッキ内の全てのカードのオーナー として扱う。
902.1. ヴァンガード戦 変種ルールにおいて、ヴァンガード・カードを用いて各プレイヤーは有名キャラクターを演じることができる。プレイヤーはそれぞれ1枚のオモテ向きのヴァンガード・カードを持ち、それらのカードの能力その他の特性がゲームに影響を及ぼす。ヴァンガード戦 変種ルールは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
902.3. 通常のゲームの物品に加え、各プレイヤーはヴァンガード・カードを1枚ずつ必要とする。ヴァンガード・カードはゲームの開始前に、オーナーのライブラリーの隣にオモテ向きに配置される。ヴァンガード・カードはゲームの間、統率領域にあり続ける。
902.4. 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点に、そのヴァンガード・カードのライフ補正子による修整を加えたものである。
例: ヴァンガード・カードのライフ補正子が-3であるプレイヤーは、初期ライフ総量が17点となる。
902.5. 各プレイヤーの初期手札枚数は7枚に、そのヴァンガード・カードの手札補正子による修整を加えた枚数となる。
902.5a ヴァンガード戦でマリガンをする場合、通常のゲームと同じように、手札を自分のライブラリーに戻して切り直し、初期手札と同じ枚数の新しい手札を引く(多人数戦においては、1回目のマリガンは最初の手札と同じ枚数引く)。rule 103.4 参照。
例: ヴァンガード・カードの手札補正子が+2であるプレイヤーは、最初、9枚のカードを引く。そのプレイヤーが3回マリガンをした場合、そのプレイヤーは9枚の手札を引き、そしてそのうち3枚をライブラリーの一番下に置く。
902.5b プレイヤーの手札の上限は、7枚にそのヴァンガード・カードの手札補正子による修整を加えた枚数である。
例: ヴァンガード・カードの手札補正子が-1であるプレイヤーの手札の上限は、6である。自分のクリンナップ・ステップの開始に際して7枚以上のカードを持っていた場合、6枚を残して残りを捨てることになる。
902.6. ヴァンガード・カードのオーナーは、それを統率領域に置いてゲームを始めたプレイヤーである。ヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
902.7. 統率領域にあるオモテ向きのヴァンガード・カードの能力は、その領域で機能する。カードの常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動できる。
903.1. 統率者戦 変種ルールでは、デッキは、そのデッキの統率者として指定された伝説の クリーチャーによって率いられる。統率者戦 変種ルールは、ファンによって作られ、一般化してきたものである。独立したルール委員会が追加のリソースを http://mtgcommander.net/ において管理している。統率者戦 変種ルールでは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
903.2. 統率者戦は2人戦でも多人数戦でも良い。多人数戦は通常、無差別戦 変種ルールに「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
903.3. 各デッキには統率者として指定される伝説の クリーチャー・カードが1枚含まれる。この指定はそのカードで示されたオブジェクトの特性ではなく、そのカードそのものの持つ属性である。領域を変更したとしても、そのカードはこの指定を受け続ける。
例: (《イクシドロン》の効果などで)裏向き になった統率者は、やはり統率者である。(《細胞形成》の効果などで)他のカードのコピー になった統率者は、やはり統率者である。(《影武者》が墓地にある統率者をコピーしたなどで)統率者をコピーしたパーマネントは、統率者ではない。
903.3a 統率者として使用できる、という能力を持つプレインズウォーカー・カードが存在する。この能力はデッキ 構築のルールを変更するものであり、ゲームの開始前に機能する。rule 113.6n 参照。
903.3b プレイヤーの統率者が合体カードで、その合体する組の他方と合体していたなら、その合体したパーマネントはそのプレイヤーの統率者である。
903.3c プレイヤーの統率者が合同パーマネントの部品である場合、その結果としての合同パーマネントはそのプレイヤーの統率者である。
903.3d 効果が統率者をコントロールしていることに言及している場合、戦場にあって統率者であるパーマネントに言及している。統率者を唱えることに言及している場合、統率者である呪文に言及している。特定の領域にある統率者に言及している場合、その領域にあって統率者であるカードに言及している。
903.4. 統率者戦 変種ルールにおいては、ある統率者を使うデッキに入れることができるカードを決定するために固有色を用いる。カードの固有色とは、そのカードのマナ・コストやルール・テキストに含まれるマナ・シンボルの色と、その特性定義能力(rule 604.3 参照)や色指標(rule 204 参照)によって定義される色のことである。
例:《鉄のゴーレム、ボッシュ》は伝説の アーティファクト・クリーチャーで、そのマナ・コストは{8}、「{3}{R}, アーティファクト1個を生け贄に捧げる:クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。鉄のゴーレム、ボッシュはそれに、生け贄に捧げられたアーティファクトのマナ総量に等しい点数のダメージを与える。」の能力を持つ。この場合、ボッシュの固有色は赤である。
903.4b 統率者が、ゲーム開始前にプレイヤーにそれの色を選ばせる常在型能力を持っている場合、その選択はデッキ 構築中もゲーム中も、その統率者が領域を変更したとしても適用される。その選択はその統率者の固有色に影響する。そのプレイヤーはゲーム開始前に統率者を統率領域に置くに際してその選択を公開する。rule 103.2c、rule 607.2n 参照。
903.4c カードの固有色を決定するに際し、注釈文は無視する。rule 207.2 参照。
903.4d カードの固有色を決定するに際しては、両面カードの第2面(rule 712 参照)も考慮する。これはrule 711.4a の例外である。
例:《礼儀正しい識者》は両面カードの第1面であり、そのマナ・コストは{2}{U}である。《人殺しの粗暴者》はその両面カードの第2面であり、赤の色指標を持つ。このカードの固有色は、青と赤である。
903.5. 統率者戦 デッキは以下のデッキ 構築ルールに従う。
903.5a デッキには、統率者をあわせてちょうど100枚のカードが含まれなければならない。言い換えると、デッキの最大枚数も最小枚数も100枚である。
903.5b 基本 土地以外のカードは、すべてがそれぞれ異なる名前でなければならない。
903.5c 統率者戦のデッキに入れることができるカードは、その固有色の全てがそのデッキの統率者の固有色に含まれるものだけである。
例:《略奪の母、汁婆》は、マナ・コストが{4}{R/G}{R/G}の伝説の クリーチャーであり、その固有色は赤と緑である。《略奪の母、汁婆》を統率者とする統率者 デッキに含まれるカードは、赤、緑、赤緑、無色のどれかでなければならない。マナ・コストやカードのルール・テキストに含まれるマナ・シンボルは、赤、緑、赤緑、無色のどれかでなければならない。
903.5d 基本土地タイプを持つカードをデッキに入れる場合、統率者のマナ・コストに含まれる色のマナを出すものでなければならない。
例: 《略奪の母、汁婆》の固有色は赤と緑である。《略奪の母、汁婆》統率者 デッキには、基本土地タイプ 山や森だけを持つ土地・カードは入れられるが、他の基本土地タイプ(平地、沼、島)を持つ土地・カードを入れることはできない。
903.6. ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の統率者をデッキから取り出し、統率領域にオモテ向きで置く。各プレイヤーは残りの99枚のカードからなるデッキを切り直し、それをライブラリーとしてゲームを始める。
903.7. 開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフの総量を40点にし、7枚のカードを引く。
903.8. プレイヤーは、統率領域にある自分の統率者を唱えることができる。統率者を統率領域から唱えるには、それ以前にそのゲームの間に 統率領域からそれを唱えた回数ごとに{2}を追加コストとして支払う。この追加コストは俗に「統率者税」と呼ばれる。
903.9. 統率者戦のゲーム中に、統率者が統率領域に戻ることがある。
903.9a 統率者が墓地や追放 領域にあり、そのオブジェクトがその領域に置かれたのが直前の状況起因処理のチェックよりも後であれば、オーナーはそれを統率領域に置いてもよい。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
903.9b 統率者がいずこかからオーナーの手札やライブラリーに置かれる場合、オーナーは代わりにそれを統率領域に置いてもよい。この置換効果は同じイベントに複数回適用できる。これは rule 614.5 の例外である。
903.9c 統率者が合体 パーマネントや合同パーマネントでオーナーがrule 903.9b の置換効果を用いてそれを統率領域に置くことを選んだなら、そのパーマネントと、それの統率者でない部品は該当する領域に置かれ、それを表すカードのうち統率者であるものは統率領域に置かれる。
903.10. 統率者戦 変種ルールでは、ゲームの勝敗に関して次のルールが適用される。それ以外のゲームの終了に関するルールはすべて適用される(rule 104 参照)。
903.11. プレイヤーがゲームの外部から統率者戦にカードを持ってくることができる場合、そのプレイヤーは自分の初期デッキに含まれていたカードと同名であったり、そのプレイヤーがそのゲームでオーナーであるカードと同じ名前であったり、そのプレイヤーの統率者の固有色に含まれない色が固有色に含まれたりするカードを持ってくることはできない。
903.12a ブロールとは、統率者戦の変わった形式となる選択ルールである。ブロールのゲームでは、統率者戦 変種ルールの通常のルールに以下の変更を加えて用いる。
903.12b ブロールのデッキは通常、スタンダード・フォーマット内のカードを用いて構築される。
903.12c プレイヤーは自分の統率者として、伝説の プレインズウォーカー1体か伝説の クリーチャー1体を指定する。
903.12d プレイヤーのデッキは統率者をあわせてちょうど60枚でなければならない。
903.12e プレイヤーの統率者の固有色が無色であるなら、そのプレイヤーのデッキには、そのプレイヤーの選んだ色1色の基本 土地を望む枚数入れることができる。これは rule 903.5d の例外である。
903.12f 2人ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は30点である。
903.12g ブロールのゲームでは、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
903.12h ブロール戦では、rule 704.6cに定められている、ゲーム中を通して単一の統率者から合計21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは、負けとなるという状況起因処理は用いない。
903.13a 統率者ドラフトは、統率者戦の新しいやり方のための選択ルールである。ドラフト(プレイヤーが未開封のブースター・パックからカードを選び、自分のデッキを作るリミテッドのやり方)のあとに多人数戦を行う。統率者ドラフト 選択ルールでは、通常、『統率者レジェンズ』のブースター・パックを用いる。
903.13b 1回のドラフトは、通例、ドラフト・ラウンド3つからなる。各ドラフト・ラウンドでは、各プレイヤーはブースター・パック1個を開封し、カード2枚をドラフトして自分の前の裏向きの束に置き、残ったカードを次のプレイヤーに渡す。その後、各プレイヤーは渡されてきたブースター・パックから2枚をドラフトして残りを次のプレイヤーに渡す。この手順を、そのドラフト・ラウンドのすべてのカードがドラフトされるまで続ける。
903.13c 第1および第3ドラフト・ラウンドでは、ブースター・パックは左隣に渡す。第2ドラフト・ラウンドでは、ブースター・パックは右隣に渡す。
903.13d ドラフトの進行中、プレイヤーは現在ドラフトしているブースター・パックに入っているカードと、それまでにドラフトしたカードしか見ることはできない。プレイヤーは、能力によって指示されたのでない限り、自分がドラフトしたカードを他のプレイヤーに公開してはならない。
903.13e ドラフトの完了後、プレイヤーがドラフトしたカードはそのプレイヤーのカードプールとなる。プレイヤーは自分のカードプールに、《虹色の笛吹き》という名前のカード最大2枚を追加してもよいが、その場合それらのカードを統率者として使わなければならない。
903.13f 統率者ドラフトのデッキ 構築は、プレイヤーのデッキは最低60枚必要でデッキ枚数に上限はないことと、自分のカードプールにある同名のカードを何枚でも使っていいことを除き、統率者戦のデッキ 構築と同じ規則に従う。(rule 903.4 参照)
903.13g 統率者ドラフトのゲームは、統率者戦のゲームと同じ規則に従う。rule 903.6 〜rule 903.11 参照。
904.1. アーチエネミー戦 変種ルールにおいて、プレイヤーのチームは強力な計略・カードで強化された1人の対戦相手と対峙する。アーチエネミー戦 変種ルールでは、以下の追加ルールを含む、通常のマジックのルールを用いる。
904.2. 通常、アーチエネミー戦は、2つのチームによる多人数戦「チーム対抗戦」変種ルール(rule 808)で、「複数への攻撃」選択ルール(rule 802 参照)、「共有チーム・ターン」選択ルール(rule 805)を使用し、他の選択ルールは使用しない。
904.3. 通常のゲームの物品に加え、魔王戦では20枚以上の計略・カードからなる計略 デッキを必要とする。計略 デッキには同じ英語名を持つカードは2枚までしか入れることはできない。(rule 313〔計略〕参照)。
904.4. ゲームの開始時に、魔王は自分の計略 デッキを切り直し、無作為の順番にする。計略 デッキは魔王のライブラリーのそばに裏向きに置かれる。全ての計略・カードはゲームの間、計略 デッキの一部である間もオモテ向きの間も統率領域にあり続ける。
904.5. 魔王のゲーム開始時のライフの総量は40点である。他のプレイヤーのゲーム開始時のライフの総量は20点である。
904.6. 無作為に選ばれたプレイヤーでなく、魔王がゲームの第1ターンを行う。
904.7. 計略・カードのオーナーは、それを統率領域に置いてゲームを始めたプレイヤーである。オモテ向きの計略・カードのコントローラーはそのオーナーである。
904.8. 統率領域にあるオモテ向きの計略・カードの能力は、その領域で機能する。常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
904.9. 魔王の戦闘前メイン・フェイズが開始した直後に、そのプレイヤーは計略 デッキの一番上のカードをデッキから取り除いてオモテ向きにする。この行動を「計略を実行中にする」(rule 701.25 参照)と言う。このターン起因処理はスタックを用いない。「この計略が実行中になったとき」に誘発する計略・カードの能力が誘発する。
904.10. 持続でない計略・カードが統率領域でオモテ向き になり、いずれかの計略の誘発型能力がスタックにあったりスタックに置かれるのを待っていたりしない場合、次に優先権が発生した際にその計略・カードは裏向き になり、オーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
904.11. 持続 計略・カードが実行中になったら、能力によってそれが破棄されるまで統率領域でオモテ向きであり続ける。(rule 701.26〔破棄する〕参照)。
904.12a プレイヤーは各プレイヤーがそれぞれに計略 デッキを持った無差別戦を行うという選択ルールが存在する。「複数への攻撃」選択ルールを用い、他の多人数戦 選択ルールは用いない。
904.12b このゲームでは全てのプレイヤーが魔王である。
904.12c 通常の無差別戦と同じように、開始プレイヤーは無作為に決定される。それ以外の、アーチエネミー戦で魔王に適用されるルールは、魔界大決戦では全てのプレイヤーに適用される。
905.1. コンスピラシー・ドラフト 変種ルールは、ドラフト(プレイヤーが未開封のブースター・パックからカードを選んでデッキを作成するというリミテッド・プレイのやり方)と、それに続く多人数戦からなる。コンスピラシー・ドラフト 変種ルールでは、通常、『マジック:ザ・ギャザリング ― コンスピラシー』『コンスピラシー:王位争奪』のブースター・パックを用いる。
905.1a ドラフトは通常3つのドラフト・ラウンドからなる。各ドラフト・ラウンドで、各プレイヤーはブースター・パック1つを開封し、そこから1枚のカードを自分の目の前の裏向きの束の上に置くことによってドラフトし、そしてそれ以外のカードを次のプレイヤーに渡す。その後、各プレイヤーは渡されたブースター・パックからカード1枚をドラフトし、残りのカードを渡す。この手順を、ドラフト・ラウンド内に存在するすべてのカードがドラフトされるまで続ける。
905.1b 第1、第3ドラフト・ラウンドでは、ブースター・パックは左隣のプレイヤーに渡す。第2ドラフト・ラウンドでは、ブースター・パックは右隣のプレイヤーに渡す。
905.1c ドラフトの間、プレイヤーは自分がその時点でドラフトしているブースター・パック内のカードと、自分がそれまでにドラフトしたカード、rule 905.2b に基づいて公開されているカード、rule 905.2c に基づいてオモテ向きでドラフトされたカードだけしか見ることはできない。プレイヤーは能力にそう書かれていない限り、ドラフトしたカードを他のプレイヤーに公開してはならない。
905.1d ドラフト、ならびにドラフト中やドラフト後に行える処理全てが終わった後、プレイヤーがドラフトしたカードはそのプレイヤーのカード・プールとなる。プレイヤーはそれらのカードと好きな枚数の基本 土地・カードを用いて自分のデッキを作成する。rule 100.2b、rule 100.4b 参照。
905.2. カードの中には、ドラフト中に働く能力を持つものが存在する。
905.2a ドラフト中は、アクティブ・プレイヤーや優先権のシステムは存在しない。ドラフト中、複数のプレイヤーが同時に何か処理を行いたいと思い、かつ順番が決められなかった場合、その処理は無作為の順番で行われる。
905.2b カードの中には、ドラフトされるに際して公開し、数字や色といった情報を記録するように指示しているものがある。この情報はゲーム中、他の能力によって参照されることがある。どのプレイヤーも、ドラフト中、またはゲーム中にこの情報を見ることができる。情報を記録したあと、そのドラフトされたカードは裏向きでそのプレイヤーのドラフトしたカードの束に加えられる。
905.2c カードの中には、オモテ向きでドラフトするというものがある。これらのカードはドラフトが完了するか、効果によって裏向き になるか、そのカードがそのプレイヤーのドラフトしたカードの束を離れるまでの間オモテ向きである。このカードはオモテ向きなので、全てのプレイヤーはこのカードを見ることができる。
905.3. コンスピラシー・ドラフトのゲームは多人数戦である。通常の多人数戦は「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールを用いない、無差別戦 変種ルールを用いる。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
905.4. ゲームの開始時、デッキを切り直す前に、各プレイヤーは好きな枚数の策略・カードを自分のサイドボードから統率領域に置く。
905.4a 秘策を持つ策略・カードは統率領域に裏向きに置かれる。プレイヤーは優先権を持つとき、自分がコントロールしている裏向きの策略・カードをオモテ向きにしてもよい。rule 702.106〔秘策〕参照。
905.5. 策略・カードのオーナーは、ゲームの開始時にそれを統率領域に置いたプレイヤーである。策略・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
905.6. 開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフの総量を20点にし、手札を7枚引く。
マジック・ザ・ギャザリング オリジナル・ゲームデザイン: Richard Garfield
マジック総合ルールのデザイン・デベロップメント: Paul Barclay, Mark L. Gottlieb, Beth Moursund, Bill Rose, Eli Shiffrin, and Matt Tabak, with contributions from Charley Catino, John Carter, Elaine Chase, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Mike Donais, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, William Jockusch, Jeff Jordan, 米村 薫, Russell Linnemann, Jim Lin, Steve Lord, Sheldon Menery, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Lee Sharpe, Henry Stern, Donald X. Vaccarino, Thijs van Ommen, Ingo Warnke, Tom Wylie, Bryan Zembruski
編集: Del Laugel (lead), Lyz Liddell, Gregg Luben, Nat Moes, Samantha Phelan, Matt Tabak, Michael Zhang, Hans Ziegler
マジック・ルール管理: Eli Shiffrin, Matt Tabak
マジックは Richard Garfieldと、Charley Catino, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, Elliott Segal の手によってデザインされた。マナ・シンボルは、Christopher Rush によるデザインです。
我々のプロジェクト・チームのメンバーをはじめ、このプロダクトに関った全ての人に感謝します。
翻訳:*ぱお*/米村 薫
Published by Wizards of the Coast LLC, PO Box 707, Renton, WA 98057-0707, USA. Wizards of the Coast, Magic: The Gathering, Magic, their respective logos, Mirrodin, Kamigawa, Lorwyn, Zendikar, Innistrad, Ravnica, Khans of Tarkir, Magic Origins, Magic: The Gathering―Conspiracy, Ixalan, Unglued, Unstable, Dominaria, Ikoria, Kaldheim, and Planeswalker Decks are trademarks of Wizards of the Coast LLC in the USA and other countries. c2021 Wizards. U.S. Pat. No. RE 37,957.
このルールは2021年7月23日から有効です。
ご質問は最寄りのウィザーズ社オフィス、またはJapan NetRep *ぱお*/米村 薫 まで。