ほとんどのマジック・プレイヤーは楽しみのためにプレイしていて、イベントを交流会のようなものと考えています。一般の「ルール適用度」(REL)でイベントを行なうことによって、私たち(ジャッジ)はこの環境を促進するため、他の人に勧めることを簡略化することにしました。たとえば、ブースター・ドラフト中におしゃべりをしても――それが戦略的アドバイスやそのドラフトについての議論でない限り――いいんです。今、「戦略的アドバイスでない限り」と言った通り、そこには確固たるラインが存在します。この文書で、その境界線を定義し、あなたがプレイヤーにとって楽しめるイベントを運営することを助けます。
あなたのプレイヤーは、正しくプレイしているはずです。しかし、マジックは複雑なので、誤りはどうしてもつきものです。ここで言う誤りとは、必要なリソースがない状態で呪文を唱えようとしたり、あるいは必ずしなければならない処理を忘れたり、という類の誤りのことです。私たちにもプレイミスを起こさないようにすることはできませんが、私たちは状況を正すために最善の努力をすることはできますし、プレイヤーに、誤りを見つけたならジャッジを呼ぶのが最善だ、ということを知らせることもできます。
呼ばれたジャッジはプレイヤーにいくつか質問し、誤りが故意でなく事故だと確信したなら、そのほとんどはこの文書に書かれているどれかに該当するでしょう。裁定を告げるときは、確信を持って伝えて下さい。自信がなかったら、答えを確認しましょう。プレイヤーは、あなたが苦労してよりよい裁定を出そうとしていることを理解し感謝してくれることでしょうし、あなたはよりよい裁定を下すことができるでしょう。状況がこの文書に書かれていなかった場合、あなたの経験と常識から可能な限り最善の答えを伝えて、よりよい裁定については後から考えて下さい。ヘッドジャッジには絶対の権限があり、ヘッドジャッジが裁定を下したならプレイヤーはその指示に従うことになるということを忘れないで下さい。
誤りを正すことも大切ですが、プレイヤーに注意深くプレイするように伝えることも大切です。その一方で、あまり重大に捉えさせると、あなたのイベントを楽しくくつろいだ雰囲気に保てなくなります。しかし、場合によってはただ注意を喚起するだけでは足りないこともあります。あなたの度重なる指導にもかかわらず何回も繰り返して同じ誤りを犯すプレイヤーには、次は【ゲームの敗北】を出す、と警告しましょう。実際に【ゲームの敗北】を出す必要はないことを信じていますが、この警告を聞いたプレイヤーはその振る舞いを改めるに違いありません。
イベントでデッキリストを使っている場合や、高額の賞金がかかっていたり、その他の理由で競技的であるなら、ルール適用度は一般でなく競技で行なうべきです。その場合、この文書ではなく違反処置指針を参考にして、より複雑な状況も解決できるようにしてください。
その処理が「〜してもよい」という類の(選択的な)ものなら、その選択をしなかったものとして扱い、何も修正は行ないません。そうでない場合、その処理を即座に解決します。ある行動が複数回忘れられていた場合、そのターンに忘れていたものだけを解決し、それ以前のものは無視します。
デッキの「既知の」(以前の呪文がカードをデッキの一番下に置いたりしていませんか?)部分を横によけて、公開されてしまったカードを「未知の」部分と混ぜて切り直します。その後はそのままプレイを続けます。
何枚多く引いたかを確認して、その枚数のカードを手札から無作為に選び、ライブラリーの一番上に置きます。それが初手だった場合、一番上ではなくライブラリーに入れて切り直します。(その後、新しい手札を元にマリガンを行なっても構いません)
プレイヤーの誤りの大半はこれですが、私たちはゲームをそのまま続けさせることにしています。その時点で異常なこと(プロテクション(緑)のクリーチャーに緑のオーラがついていたり)を正し、ゲームを続けさせます。ただし、誤りの直後に気づいてすぐ巻き戻せる状態だったなら、そうしてください。巻き戻すことを決定した場合、一部ではなく全部を巻き戻して下さい。
あるべきでないカードを取り除き、あるべきカード、あるいはデッキ/サイドボードの枚数が足りなければ任意の基本土地カードと入れ替えます。カードを引く効果の間に見つかった場合、訂正してデッキを切り直した後でカードを引き直させます。その後、プレイヤーに、マッチを始める前に自分のライブラリーやサイドボードの枚数を数えるよう指導して下さい。
公式な修正を必要としない問題の中に、正すべきものがあり得ます。たとえば、以下のようなものです。
これらの場合、そのプレイヤーにはそのようなことをしないように教えましょう。たとえば、よりよい切り直し方法や、プレイヤーが自分で判断することの大切さなどを伝えるのです。指導を受けた後でもその良くない行動を続けるプレイヤーには、【ゲームの敗北】を与えるべきです。
特記事項として、ゲームに遅刻したプレイヤーは、10分以上遅れた場合にはマッチを没収されたものとして扱われます。もう一つ特記事項として、激怒し、あるいは攻撃的、または他者の安全に問題を起こしそうに見えた(汚い言葉を放ったりカードを引き裂いたりなど)プレイヤーの扱いです。あなたのイベントや店舗で望まれることについてそれらのプレイヤーと厳格な話し合いを持ち、問題のある行為を続ければ重大な問題として扱われ、【失格】になるということを教えてあげて下さい。
イベントにおいて決して許容されない類の振る舞いというものが存在します。以下の状況においては、問題のプレイヤーは【失格】となります。
【失格】を出すことが必要になった場合、そのプレイヤーにあなたの決定が最終決定ではあるけれど、DCIからプレイヤー側への事情聴取が行なわれるということを伝えて下さい。あなたのWPN担当者に直接問い合わせ、アドバイスを求めてください。