マジック:ザ・ギャザリング第8版ルールブック

はじめに

 世界最高のトレーディング・カードゲーム、マジック:ザ・ギャザリングの世界へようこそ。このゲームは世界初のトレーディング・カードゲームで、現在世界で一番人気のある、一番素晴らしいゲームです。
 マジックのゲームでは、あなたはデュエリスト――栄光と知識と世界を求めて戦う、強力な魔法使い――の役割を演じます。あなたのデッキの中のカードは、あなたの武器となります。そこにはあなたが学んだ呪文や、あなたのために戦ってくれるクリーチャーが収められています。
 マジック:ザ・ギャザリングに代表されるトレーディング・カードゲームは、トレーディングカードのコレクションの魅力と戦略ゲームを組み合わせたものです。マジックのブースター・パックやトーナメント・パックの中に何が入っているかは、開けてみるまでわかりません。欲しいカードは友達と交換して集めていきましょう。
 トレーディング・カードゲームの最大の魅力は、そこに常に変化があることです。あなたは自分の独自のデッキを組み上げることができますし、マジックのゲームはそれぞれ異なった展開を見せます。新しいマジックのエキスパンションは年に数回発売されますが、そこにはいつも対戦相手を驚かせ、打ちのめす新しいやりかたが隠されているのです。
 このルールブックは、いわゆる典型的なルールブックとは異なります。「ゲームを始めよう」の章では、今すぐにゲームを始める方法が書かれています。何かの意味を忘れてしまったり、ゲーム中に疑問が出たら、このルールを読んでください(緑色で書かれた単語は、用語集で解説されている言葉です)。

目次

ゲームを始めよう

 マジックのルールを覚える一番簡単な方法は、プレイの仕方を知っている友達から教えてもらうことです。でも、教え合うためには、まず誰かが学ばなればいけませんよね。その、最初の誰かになりたい人に、このルールブックは最適です。
 第8版基本セットに入っているシルバーとゴールドのデッキとプレイガイドを使えば、友達と一緒にゲームの基本が学べます。それから、自分たちで何ゲームか遊んでみましょう。
 基本がだいたい理解できたら、同梱のブースターを開けてください。ブースターには自分のデッキに追加する、新しいタイプのカードが入っています。これらのカードについては、パックに入っている説明書を参照してください。
 何かわからないことがあれば、まずこのルールブックを読んでください。答えが見つからない場合のお問い合わせ先は、このルールブックの最後に書かれています。

第1章:ゲームの基本

ゲームに必要なもの

 対戦相手1人、マジックのデッキ2組、ライフを記録する筆記用具、トークンやカウンターなど。

ゲームの目的

 あなたの対戦相手のライフの総量を、あなたより先に0にすること。あるいは、あなたの対戦相手がカードを引くときに、そのプレイヤーのライブラリーにカードが1枚も残っていなければ、あなたはゲームに勝利します。

ゲーム開始

 ゲーム開始時のライフは20点です。
 ダイスを振って(あるいはジャンケンなどをして)、どちらが先攻するかを選ぶプレイヤーを決めます。先攻プレイヤーは、最初のドロー・ステップを飛ばします(そのプレイヤーはカードを引けません)。前のゲームが終わった後なら、そのゲームに負けたプレイヤーが、どちらが先攻するかを決めます。
 あなたのデッキをよく切ってください。その後、あなたはカードを7枚引きます。この最初の手札が気に入らない場合、あなたはマリガンを行えます。マリガンした場合、あなたの手札をライブラリーに加えて切りなおし、先ほどより1枚少ない枚数のカードを引いて新しい手札とします。この手順は何回でも行えますが、1回行うたびに手札は1枚ずつ少なくなります。
 どちらのプレイヤーも自分の手札に納得したら、いよいよゲーム開始です。

カードの見方

カード名

 カード名はカードの左上に書かれています。カード自身のカード名が文章欄に書かれている場合、それはそのカード自身を意味します。場などに同じ名前のカードがあっても関係ありません。

マナ・コスト

 カードの右上に書かれているシンボルは、その呪文プレイするためのコストです。マナ・コストが{1W}だったら、あなたはこの呪文をプレイするために、(平地などから得た)1点の白マナと、すきな種類のマナ1点を支払います。

カード・タイプ

 そのカードが、どの種類のカード何かを意味します。カード・タイプは、アーティファクトアーティファクト・クリーチャークリーチャーエンチャントインスタント土地ソーサリーのどれかです。クリーチャーの場合、「クリーチャー」の単語の後に、そのクリーチャーのクリーチャー・タイプ(ゴブリン、兵士など)が書かれています。エンチャントの場合、それが単独で場に出るものなら「エンチャント(場)」、他のカードにつけられる形で場に出るものには、「エンチャント(クリーチャー)」「エンチャント(土地)」などと書かれています。カード・タイプの詳細に関しては、該当する項目を参照してください。

エキスパンション・シンボル

 このマークは、このカードがどのエキスパンションのカードなのかを示しています(例えば、第8版のエキスパンション・シンボルは図象化した8です)。シンボルの色は、カードのレア度を意味しています。黒はコモンのカード、銀はアンコモン、金はレアです。

文章欄

 カードの能力が書かれている場所。フレイバー・テキストもここに書かれます。テキストが別の字体(このような字体)で書かれているのがフレイバー・テキストで、これはマジックの世界を書いたものです。フレイバー・テキストはゲームに影響しません。また、能力にはカッコで囲まれた注釈文が書かれていることがあります。これは、能力の内容を理解する助けとなるものです。

コレクター番号

 コレクター番号は、カードを整理しやすくするための番号です。例えば、「15/350」とかかれている場合、このカードは全350種類中の15番目のカードを意味します。

パワーとタフネス

 クリーチャー・カードには、パワータフネスが書かれた特別な枠があります。この数値は、主に戦闘で使用されます。

基本用語とシンボル

マナ

 マナはマジックにおけるお金だと思ってください。マナは、ほとんどのコストを支払うために必要なのです。土地(といくつかのカード)は、マナを生み出し、そのマナはマナ・プールに加えられます。マナ・プールは、マナを使うときまで貯めて置く場所です。
 財布の中のお金のように、マナ・プールのマナも、すぐ逃げて行きたがります。各フェイズの終了時に、あなたはマナ・プールに残ったマナ1点につき1点のライフを失い、マナは失われてしまいます。これはマナ・バーンと呼ばれます。
 マナは、マジックの5つの色のいずれかの色か、あるいは無色です。コストとして色マナが必要なときは、色マナのシンボルが書かれています({W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑)。どの種類のマナでも支払えるコストは、数字つきのシンボルで書かれています({2}など)。

パーマネント

 アーティファクト、アーティファクト・クリーチャー、クリーチャー、エンチャントは、解決によって場に出ます。土地はプレイしたらすぐ場に出ます。これらのカードはパーマネントと呼ばれ、何らかの理由で取り除かれない限り、そのまま場に残ります(インスタントとソーサリーは、解決時に墓地に置かれます)。

タップ

 タップは、マジックでカードが使用済みであることを示す方法です。カードをタップするには、そのカードを横向きにします。あなたのターンの最初に、あなたは自分のタップされたカードをすべてアンタップします。これでそのカードが再び使えるようになるわけです。
 {T}のシンボルは、「このカードをタップする」という意味です。これは主に起動コストに書かれています。

対象

 呪文や能力に「対象」という単語が書かれている場合、あなたはその呪文や能力が影響を与えるものを選びます。例えば、弩弓歩兵の能力には「{T}:攻撃かブロックに参加しているクリーチャー1体を対象とする。弩弓歩兵はそれに1点のダメージを与える。」と書かれています。この能力をプレイするときに、あなたは1点のダメージを与える攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーを1体選びます。

カード・タイプ

 マジックのカードのタイプは6種類です。

アーティファクト

 アーティファクトは、魔法の道具を表している無色のパーマネントです。あなたは自分のメイン・フェイズに、スタックが空のときにのみアーティファクトをプレイできます(フェイズとスタックに関しては後述)。アーティファクト・クリーチャーは、他のクリーチャーと同様に攻撃ブロックが行えます。アーティファクト・クリーチャーは、アーティファクトに影響を与えるものの影響を受けますし、同様にクリーチャーに影響を与えるものの影響を受けます。

クリーチャー

 クリーチャーは、攻撃やブロックを行えるパーマネントです。あなたは自分のメイン・フェイズに、スタックが空のときにのみクリーチャーをプレイできます。
 クリーチャーのカードの右下には、数字の書かれた枠があります。斜線の左の数値がクリーチャーのパワーです。これは、そのクリーチャーが戦闘でどれだけのダメージを与えることができるかを意味しています。斜線の右の数値がタフネスです。これは、そのクリーチャーがどれだけのダメージを受けたら破壊されるかを意味しています。
 クリーチャーは、あなたのターンの最初からコントロールし続けていないかぎり、攻撃に参加できませんし、コストに{T}を含む能力もプレイできません(ただし、アンタップ状態ならブロックは行えますし、{T}を含まない能力もプレイできます)。

エンチャント

 エンチャントは、魔法の影響している状況を表しています。あなたは自分のメイン・フェイズに、スタックが空のときにのみエンチャントをプレイできます。
 エンチャントには、単独で場に出るものと、他のパーマネントにつけられた状態で場に出るものの2種類があります。エンチャントのカード・タイプに「エンチャント(場)」と書かれている場合、それはアーティファクトやクリーチャーと同様に単独で場に出ます。それ以外の「エンチャント(クリーチャー)」「エンチャント(土地)」など「エンチャント(〜)」と書かれている場合、それはそのカッコの中のタイプのパーマネントにつけられた形で場に出ます。
 パーマネントにつけられるエンチャントをプレイするときは、そのエンチャント呪文はつけようとするパーマネントを対象とします。つまり、エンチャント呪文をプレイする段階で、何につけるのかを決めなければいけないということです。
 エンチャントされているパーマネント場を離れたら、そのエンチャントは墓地に置かれます。つくものがなくなった状態でそのまま残るわけではありません。

インスタント

 インスタントは、あなたが優先権を持っているときならいつでもプレイできる呪文です。対戦相手のターンでもプレイできますし、他の呪文に対応してプレイすることもできます(優先権については後述)。インスタント呪文は場に残りません。それは解決時にオーナーの墓地に置かれます。

ソーサリー

 ソーサリーは、自分のメイン・フェイズに、スタックが空のときにのみプレイできる呪文です。ソーサリー呪文は場に残りません。それは解決時にオーナーの墓地に置かれます。

土地

 土地は呪文ではないので、他のカードとは異なります。土地は打ち消されることがありませんし、土地のプレイはスタックを使いません。
 ほとんどの土地はマナ能力(マナを生み出す能力)を持っています。土地は通常、呪文や能力のコストの支払いに使用されます。あなたは自分のメイン・フェイズに、スタックが空のときにのみ、1ターンに1回だけ土地をプレイできます。
 それぞれの基本地形は、特定の色のマナを生み出すマナ能力を持っています。基本地形は、平地、島、沼、山、森の5種類です。
 それぞれの文章欄に書かれたシンボルは、その土地をタップしたときに加えられるマナのタイプを意味しています。これ以外の土地は、すべて基本地形でない土地です。

領域

 領域は、ゲーム中の場所を示すマジック用語です。カードは、以下の6つの領域のどこかに置かれます。

ライブラリー

 あなたがゲームのために用意したデッキであり、あなたがカードを引く山札です。ライブラリーの中のカードは誰も見ることができませんが、各プレイヤーのライブラリーの枚数を数えることはできます。それは伏せたまま重ねて置かれ、ゲームの開始時の順番を変えることはできません。

手札

 カードが引かれたときに行く場所。あなた以外のプレイヤーは、あなたの手札の中身を見ることはできません。あなたのクリンナップ・ステップに、あなたの手札が7枚を超えているなら、7枚になるまで余分なカードを捨てる必要があります。

 あなたの前の、あなたのパーマネントを置く場所。パーマネントを並べる順番は特に決まっていません(土地を手前に並べたほうがいいでしょう)が、必ず対戦相手にすべてのカードが見えている必要がありますし、どれがタップ状態かもわかるようにしなければいけません。すべてのプレイヤーは、1つの場を共有します。

墓地

 あなたの捨て札置き場。呪文は解決したら墓地に置かれます。あなたのカードが捨てられたり、破壊されたり、生け贄に捧げられたり、何らかの効果で指示された場合、そのカードは墓地に置かれます。墓地のカードは常に表向きで、どのプレイヤーもいつでもその中身を見ることができます。

スタック

 呪文や能力がプレイ後に置かれる場所。両方のプレイヤーがこれ以上何もプレイしないことを選択するまで、呪文や能力はそこで解決を待ちます。その後、スタック上の呪文や能力は上から下(後からプレイされたものほど上に来ます)の順番で解決されます。すべてのプレイヤーは、1つのスタックを共有します。スタックに関する詳細は該当する項目を参照してください。

ゲーム外

 呪文や能力によりゲームから取り除かれたカードをよけておく場所。ゲーム外のカードは、通常は表向きに置かれます。

第2章:呪文、能力、効果

大原則

  マジックのカードとルールが矛盾したら、常にカードが優先されます。例えば、ルールではあなたは自分のターン1ターンにつき1回しか戦闘フェイズがありません。しかし、連続突撃には「このフェイズの後に、追加の戦闘フェイズとその後の追加のメイン・フェイズを加える。」と書かれています。そのターンの間は、連続突撃は戦闘フェイズが1ターンに1回だけというルールを上書きします。

呪文とは

 カードはプレイされてから解決されるまでの間は呪文です。呪文が解決されたら、それはオーナーの墓地に置かれる(インスタントやソーサリーの場合)か、場に出されます(それ以外の場合)。クリーチャー・カードも、プレイされているときは呪文です。例えば、あなたが針刺ワームをプレイした場合、あなたは実際には針刺ワームの呪文をプレイしたことになります。その呪文が解決されたとき、針刺ワームはクリーチャーとして場に出ます(呪文がパーマネントになるわけです)。
例外:土地カードは呪文ではなく、単に場に出るだけです。

能力とは

 パーマネントに書かれている、呪文のようなものが能力です。多くの能力にはコストがあり、そのほとんどは呪文と同様にプレイされ解決されます。能力をプレイしたら、その能力もうは発生源に何が起こったかと無関係になります。あなたが弩弓歩兵の能力をプレイした後で、その弩弓歩兵が破壊されても、能力はそのまま解決されます。
 能力は3つのタイプがあります。

起動型能力

 起動型能力は、コストを支払うことでプレイします。起動型能力には必ずコロン(:)が書かれています。コロンより前が起動コストで、コロンより後がその起動コストを支払ったときに得られる効果です。例えば「{T}:カードを1枚引く。」は、その能力を持っているパーマネントをタップすることで、カードを1枚引くことを意味します。
 通常、{T}をコストに含む起動型能力は、1ターンに1回しか使用できません。タップ状態のパーマネントをさらにタップすることはできないからです。{T}をコストに含まない起動型能力は、コストを支払うことができるかぎり何回でも使用できます。
 起動型能力は、あなたがインスタントをプレイできるとき(あなたが優先権を持っているとき)ならいつでもプレイできます。それはインスタントと同様にスタックに置かれ、解決を待ちます。
 あなたは自分がコントロールするパーマネントの起動型能力のみをプレイできます。

誘発型能力

 能力の中に「〜したとき」や「〜するたび」や「〜時」という単語が含まれる場合、それは誘発型能力です。誘発型能力はプレイされません。それは誘発イベントが発生したときに、自動的にスタックに置かれます。
 例えば、ありがたい老修道士には「ありがたい老修道士が場に出たとき、あなたは2点のライフを得る。」とかかれています。この場合の誘発イベントは、ありがたい老修道士が場に出ることです。それが起こったときに、ありがたい老修道士の能力はスタックに置かれます。解決時に、あなたは2点のライフを得ます。
 誘発型能力を後に遅らせることはできません。誘発イベントが複数回発生したら、その能力は誘発イベントが起こった回数だけスタックに置かれます。

常在型能力

 常在型能力は、他の2つのタイプの能力と異なり、プレイしたり解決されたりすることはありません。常在型能力を持つパーマネントが場に出たら、その能力は単純に「有効」になります。能力はそのパーマネントが場に残っているかぎり有効です(常在型能力は継続的効果を発生します)。
 エンチャントの多くは常在型能力を持っています。例えば、テレパシーには「あなたの対戦相手は、手札を公開したままゲームを行う。」と書かれています。テレパシーが場に出たら、あなたはそれ以降対戦相手の手札を公開させるためにコストを支払う必要はありません。対戦相手の手札は、テレパシーが場を離れるまで公開されたままです。

呪文や能力のプレイのしかた

 あなたは、以下の条件を満たすときに呪文や能力をプレイできます。

 インスタントや起動型能力はこの例外です。あなたはインスタントや起動型能力を、対戦相手のターンであっても、他の呪文や能力がスタックに置かれて解決待ちの状態であってもプレイすることができます。優先権を持っていなければプレイできないことは変わりません。
 それでは、優先権を得るのはいつでしょうか? アクティブ・プレイヤー(現在のターンが自分のターンであるプレイヤー)は、各ステップの開始時(アンタップ・ステップとクリンナップ・ステップを除く)と各メイン・フェイズの開始時に優先権を得ます(フェイズとステップの詳細は、「第3章:ターンの構成」を参照。)。
 優先権を持っているときは、あなたは呪文や能力をプレイするパスをすることができます。パスをしたら、対戦相手が優先権を得ます。また、呪文や能力が解決されたら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。そのプレイヤーがパスをしたら、また対戦相手が優先権を得ます。優先権は、両方のプレイヤーが連続してパスをするまで、各プレイヤーの間を行き来します(実際のところは、書かれているほど複雑なことではありません。とにかく、自分のターンには先に何かをする権利があるとだけ覚えておいてください)。
 呪文や能力は以下の手順でプレイされます。

  1. 対戦相手に、どの呪文や能力をプレイするかを宣言します。それが呪文なら、手札からそのカードを取り出して対戦相手に見せてください。その呪文や能力はスタックに置かれます。
  2. その呪文や能力に「1つを選ぶ」と書かれている場合は、その選択をします。呪文や能力に「対象」という単語が含まれているなら、必要な対象を選択します。呪文が「エンチャント(〜)」の場合(「エンチャント(場)を除く)、それをつけるパーマネントを選択します。
  3. 呪文の場合は、マナ・コストを支払います。起動型能力の場合は、起動コストを支払います。呪文や能力に{X}が含まれているなら、そのXの値を選んでその点数分のマナを支払います。

以上です! 後述の「スタック」や「呪文や能力の解決のしかた」を読んで、プレイした後の呪文や能力がどうなるかを理解してください。

誘発型能力のプレイのしかた

 誘発型能力はプレイされません。誘発型能力は誘発イベントが発生するのを待っています。誘発イベントが発生したら、いずれかのプレイヤーが優先権を得た時点で、能力は自動的にスタックに置かれます。
 誘発イベントとは、カードの文章中で「〜とき」「〜たび」「〜時」で記されている出来事のことを指します。
 誘発型能力がスタックに置かれるとき、その誘発型能力を持つパーマネントをコントロールしているプレイヤーが対象を選択します。能力がスタックに置かれたら、優先権を得たプレイヤーが優先権を持っている状態でゲームを続けます。
 複数の能力が同時に誘発した場合はどうしたらよいでしょうか? まずアクティブ・プレイヤーは、自分の誘発型能力を好きな順番で先にスタックに置きます。その後、対戦相手は自分の能力を好きな順番で先にスタックに置きます。

スタック

 スタックは呪文や能力がプレイされた後、解決を待つ場所です。呪文や能力はスタック上に、置かれた順番で下から積まれていきます。
 ではその使い方は? 優先権を持っているプレイヤーが呪文や能力をプレイした場合、それはスタックに置かれます。そのプレイヤーはさらに呪文や能力をスタックの一番上に置くか、パスをすることができます。そのプレイヤーがパスをしたら、対戦相手は優先権を得て、呪文や能力をスタックの一番上に置くか、パスをすることができます。優先権は、両方のプレイヤーが連続してパスをするまで、各プレイヤーの間を行き来します。
 両方のプレイヤーが連続してパスをしたら、スタックの一番上に置かれている(一番最後にプレイされた)呪文や能力が解決され、その後、アクティブ・プレイヤーが再び優先権を得ます。
 例を示しましょう。あなたは栄光の探求者(2/2のクリーチャー)をコントロールしています。対戦相手はそれに対してショックをプレイし、2点のダメージを与えようとしました。ショックはスタックに置かれます。あなたはショックに対応して巨大化をプレイし、栄光の探求者にターン終了時まで+3/+3の修正を与えようとします。スタックでは、巨大化はショックの上に置かれます。したがって、巨大化が先に解決され、栄光の探求者はターン終了時まで5/5となります。その後ショックが解決されますが、大きくなった栄光の探求者を破壊できるだけのダメージを与えることはできませんでした。
 以下はスタックに置かれないものです。

呪文や能力の解決のしかた

  1. 呪文や能力の対象が、現在も適正な対象であるかどうかを確認します(呪文や能力が対象を持たない場合は、ここは飛ばしてください)。対象が場を離れている場合、それは適正な対象ではありません。また、対象が呪文や能力に書かれた条件を満たしていない場合も、その対象は適正ではありません。呪文や能力の対象が、解決しようとした時にすべて適正でなくなった場合、その呪文や能力は打ち消されます。それ以外の場合、一部の不適正な呪文や能力は、解決時には単に無視されます。
  2. 呪文や能力の効果が発生します。呪文や能力に書かれた内容を、書かれている順番に実行してください(置換効果によって内容が変更されることもあります)。テキストに、「1つを選ぶ」か「対象」以外の選択が書かれている場合、その選択を行います。
  3. 能力の場合は、以上です。呪文の場合は、そのカードを場に出す(アーティファクト呪文、アーティファクト・クリーチャー呪文、クリーチャー呪文、エンチャント呪文の場合)か、効果を適用した後でそのカードをオーナーの墓地に置いてください(インスタント呪文かソーサリー呪文の場合)。

 打ち消された呪文カードはオーナーの墓地に置かれます。能力は、打ち消されたり解決された場合、消滅します。

効果とは

 呪文や能力の解決時に起こることが効果です。効果には4つのタイプがあります。

単発的効果

 単発的効果は、ダメージを与えたりクリーチャーを破壊したりと、1回だけ何かを行います。例えば、集中には「カードを3枚引く。」と書かれています。その効果は、解決時に実行されて終了します。

継続的効果

 継続的効果は、一定の時間の間何かを行います。
 呪文や起動型能力や誘発型能力から発生した継続的効果は、効果に書かれている時間の間残ります。例えば、巨大化には「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修正を受ける。」と書かれています。その効果は、呪文が解決されてから、ターンの終了時まで残ります。
 常在型能力から発生している継続的効果は、その常在型能力を持っているパーマネントが場にあるかぎり残ります。例えば、邪悪なる力には「エンチャントされているクリーチャーは+2/+1の修正を受ける。」と書かれています。この効果は、エンチャントイされているクリーチャーに対して、それがつけられている間残ります。

置換効果

 置換効果は、何かが発生するのを待ち、それが発生した場合、それを何かに置き換えます。それはある効果をべつな効果に“置き換える”のです。置換効果には、必ず「代わりに」という単語が書かれています。
  例えば、ラースの灼熱洞には「いずれかの発生源がクリーチャーかプレイヤーにダメージを与える場合、代わりにそれは2倍のダメージを与える。」と書かれています。この効果は、クリーチャーかプレイヤーにダメージが与えられるのを待ち、そのダメージを2倍のダメージに置き換えます。

軽減効果

 軽減効果は、何かが発生するのを待ち、それが発生した場合、それを発生しないようにします。軽減効果には、必ず「軽減する」という単語が書かれています。
 軽減効果は盾のような働きをします。軽減の呪文や能力が解決されたら、それは次に実際にダメージを与えられるまでの間そこに存在し、実際にダメージを与えられるときにそのダメージの一部または全部を止めます。
 例えば、聖なる日には「このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減し、0にする。」と書かれています。あなたは聖なる日を戦闘のずっと前にプレイすることができ、その効果はそのターンの間いっぱい残ります。その後、そのターンの間にクリーチャーが戦闘ダメージを与えようとしたとき、聖なる日はそれを軽減してしまうのです。
 軽減の“盾”は、使い切られるまでそこに残ります。例えば、練達の癒し手には「{T}:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを4点軽減する。」と書かれています。この能力は、このターンの間4点のダメージを止める効果を発生します。1点のダメージが軽減された場合、あと3点のダメージを軽減することができます。

第3章:ターンの構成

 各ターンは、5つのフェイズに分かれています。各フェイズは、そこで何も起こらないとしても存在します。各フェイズの最後にマナ・プールにマナが残っているなら、マナ・バーンが起きます。

1. 開始フェイズ

 このフェイズには3つのステップがあります。

a. アンタップ・ステップ

 あなたのアンタップ・ステップに、あなたのアンタップ状態のパーマネントをすべてアンタップします。このステップの間は、どのプレイヤーも呪文や能力をプレイできません。

b. アップキープ・ステップ

 アップキープの開始時に誘発する能力がスタックに置かれます。プレイヤーはこのステップでインスタントや起動型能力をプレイできます。

c. ドロー・ステップ

 あなたのドロー・ステップの開始時に、あなたはカードを1枚引きます。プレイヤーはこのステップでインスタントや起動型能力をプレイできます。

2. メイン・フェイズ

 あなたは自分のこのフェイズに、すべてのタイプの呪文や能力をプレイできます。対戦相手はインスタントや起動型能力しかプレイできません。あなたはこのフェイズに土地をプレイできますが、1ターンには1枚しか土地をプレイできないことに注意してください。

3. 戦闘フェイズ

 このフェイズには5つのステップがあります。

a. 戦闘開始ステップ

 プレイヤーはこのステップでインスタントや起動型能力をプレイできますが、通常は何もしません。

b. 攻撃クリーチャー指定ステップ

 どのクリーチャーで攻撃するかを選びます(攻撃しないことを選ぶこともできます)。攻撃するクリーチャーを宣言したら、そのクリーチャーをタップします。壁、タップ状態のクリーチャー、あなたのターンの最初からコントロールし続けていないクリーチャーは攻撃できません。
  あなたのクリーチャーが攻撃できるのは対戦相手だけであり、他のクリーチャーを直接攻撃できないことに注意してください。
 攻撃クリーチャーの宣言が終わったら、プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイできます。

c. ブロック・クリーチャー指定ステップ

 対戦相手は、自分のクリーチャーであなたの攻撃クリーチャーをブロックすることができます。それぞれのブロック・クリーチャーは1体の攻撃クリーチャーしかブロックできませんが、複数のブロック・クリーチャーで1体の攻撃クリーチャーをブロックすることは可能です。タップ状態のクリーチャーではブロックできません。
 対戦相手のブロック・クリーチャーの宣言が終わったら、プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイできます。

d. 戦闘ダメージ・ステップ

 実際にクリーチャーが戦闘でダメージを与えるステップです。

 攻撃クリーチャーがブロック・クリーチャー指定ステップにブロックされた場合、それは防御プレイヤーにダメージを与えません。これは、ブロック・クリーチャーが場を離れてもそのままです。
 戦闘ダメージの割り振りが決まったら、ダメージはスタックに置かれます。ダメージの点数はその時点で“固定”されます。その後クリーチャーが場を離れても、戦闘ダメージはそのまま与えられることになります。
 プレイヤーはこの時点で、インスタントや起動型能力をプレイできます。それがすべて解決されたら、実際に戦闘ダメージが与えられます。クリーチャーがすでに場に無いクリーチャーにダメージを与えようとしている場合、それにダメージを与えることはできません。

e. 戦闘終了ステップ

 プレイヤーはこのステップでインスタントや起動型能力をプレイできますが、通常は何もしません。

4. メイン・フェイズ(2回目)

 2回目のメイン・フェイズです。1回目のメイン・フェイズと同様、あなたは自分のこのフェイズに、すべてのタイプの呪文や能力をプレイできます。対戦相手はインスタントや起動型能力しかプレイできません。1回目のメイン・フェイズに土地をプレイしていない場合、あなたはこのフェイズに土地をプレイできますが、1ターンには1枚しか土地をプレイできないことに注意してください。

5. 終了フェイズ

 このフェイズには2つのステップがあります。

a. ターン終了ステップ

 プレイヤーはこのステップでインスタントや起動型能力をプレイできます。

b. クリンナップ・ステップ

 あなたの手札のカードが7枚を超えている場合、7枚になるように余分のカードを捨てます。その後、クリーチャーに与えられたすべてのダメージは取り除かれ、すべての「ターン終了時まで」の効果が終わります。
 このステップの間に能力が誘発していないかぎり、どのプレイヤーも呪文や能力をプレイできません。これが起こることはめったにありません。

第4章:クリーチャーの能力

 クリーチャーの中には、カードで細かい解説がされていない能力を持っているものがあります。ほとんどの能力には、効果の概略が注釈文として書かれています。以下は、一般的なクリーチャーの能力の詳細です。

畏怖

 畏怖を持つクリーチャーは、黒クリーチャーでもアーティファクト・クリーチャーでもないクリーチャーによってブロックされません。畏怖は、その能力を持つクリーチャーが攻撃したときのみ関係します。

先制攻撃

 先制攻撃を持っているクリーチャーは、持っていないクリーチャーよりも先に戦闘ダメージを与えます。戦闘ダメージ・ステップが来る場合、まず攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーの中に先制攻撃を持っているクリーチャーがいるかどうかを調べてください。いる場合、その能力を持つクリーチャーのためだけの追加の戦闘ダメージ・ステップが作られます。追加の戦闘ダメージステップは通常と同じように処理しますが、先制攻撃を持たないクリーチャーはこのステップでは戦闘ダメージを与えません。
 先制攻撃のための戦闘ダメージ・ステップが終わったら、あなたは残りの(生き残った)クリーチャーのための通常の戦闘ダメージ・ステップを行います。

飛行

 飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーにブロックされません。飛行を持つクリーチャーは、他の飛行を持つクリーチャーをブロックできます。さらに、飛行を持つクリーチャーは“舞い降りる”ことで飛行を持たないクリーチャーをブロックできます。

速攻

 速攻を持つクリーチャーは、あなたのコントロール下になったターンに攻撃に参加できます。また、あなたはそのクリーチャーの{T}をコストに含む起動型能力をプレイすることができます。つまり、速攻を持つクリーチャーは、通常はそれが場に出たときには行えない行動を行えるようにする能力です。

渡り

 渡りは、平地渡り島渡り沼渡り山渡り森渡りの5つの能力の総称です。渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが少なくとも1枚、指定の土地をコントロールしている場合、ブロックされません。
 渡り能力を渡り能力で相殺することはできません。例えば、あなたのクリーチャーが森渡りを持っていて、これで森をコントロールしているプレイヤーを攻撃したとしましょう。そのプレイヤーは、森渡りを持っているクリーチャーをコントロールしていたとしても、森渡りクリーチャーをブロックできません。

プロテクション(〜)

 プロテクションは、クリーチャーを特定の種類の呪文や能力から守る能力です。
 プロテクションを持つクリーチャーには「プロテクション(〜)」と書かれています。このカッコの中身が、そのクリーチャーが守られるものです。例えば「プロテクション(赤)」や「プロテクション(白)」などです。
 プロテクションを持っているクリーチャーは、いくつかの恩恵を受けます。

 プロテクションには、色以外に対するものもあります。例えば、クリーチャーは「プロテクション(アーティファクト)」や「プロテクション(ゴブリン)」などの能力を持つこともあります。

再生

 再生能力は、クリーチャーを破壊から守ります。再生は盾のような働きをします。再生の呪文や能力が解決されたら、それは次に実際にクリーチャーが破壊されるまでの間そこに存在し、実際にクリーチャーが破壊されるときに、その破壊からクリーチャーを守ります(再生は置換効果の一種です)。
 クリーチャーが再生したら、それはそのまま場に残ります。したがって、エンチャントやカウンターもそのままです。さらに、以下のことが発生します。

トランプル

 トランプルは、クリーチャーがブロックされたときに、余分の戦闘ダメージをプレイヤーに割り振る能力です。
 トランプルを持つクリーチャーがブロックされたら、まずあなたはそれをブロックしているクリーチャーに、それらのクリーチャーを破壊するのに十分なダメージを割り振る必要があります。その上で、残ったダメージを防御プレイヤーに「トランプルで抜けさせる」ことができます。

第5章:マジックの5つの色

 マジックの5つの色は、それぞれ様々な種類の呪文や能力に特化しています。どの色を極めるかを決めるのは、あなたです。

 広がる平地は白マナを生み、兵士やクレリックや天使が生きる場所です。マジックの世界では、白は法と秩序と組織の色です。それは攻撃クリーチャーの道筋を見誤らせて攻撃をとどまらせます。白の魔法はクリーチャーを癒し護ります。白の魔法使いは小型のクリーチャーの軍団を送り込む戦術に長けていますが、時として恐るべき巨大な守護者が敵陣を蹴散らすこともあります。

 島は青マナを生み、その色は深い海と果てしない大空の色です。青の強みは策略とごまかしです。青の魔法使いは表には現れず、策を弄し秘密を盗み出し、物事が起こる前に事態を自分の支配する状況に持っていきます。青の呪文や能力は、相手のカードを無断で拝借し、あるいは必要なカードを必要なだけ引いてくることに長けています。また青の力は、あなたに仕える魔道士を集め、空や海に住む怪物を呼び覚まします。

 黒マナは、ただれ、腐れ、じめじめした沼から生み出されます。死、病、独善、あらゆる犠牲――これらが闇の世界のゆがんだ価値です。黒魔法は強力で扱いもたやすいですが、その代償も高くつきます。その呪文や能力は意思を混乱させ、土地を汚染し、クリーチャーを無に帰します。闇の生き物、アンデッド、物言わぬ死霊などは沼の住人であり、それは彼らを操る魔法使いと同じぐらい利己的で不誠実です。

 赤マナは、大地の燃え上がる心臓部の力を有する山から生み出されます。赤魔法は、炎、熱狂、溶岩の嵐などで覆われています。クリーチャーは好戦的かつ危険で、強大なドラゴンから襲い掛かるゴブリンの集団まで広い幅を持っています。赤魔法を手に入れた魔法使いは、話し合いや細かいことには構いません。彼らは素早く無謀に襲い掛かります。赤の魔法使いはその荒々しい衝動で、あなたが立つ大地を破壊し、また生きた武器のように炎を身にまといます。

 森には、生命の鼓動である緑マナがあふれかえっています。緑の魔法は成長や生命や、荒々しい自然の力を意味しています。緑の魔法使いは世界がジャングルの掟――弱肉強食のルールに縛られていることを知っています。緑のクリーチャーの中には、自分自身が豊な間なの発生源となっているものもいますが、その一方でこの色のクリーチャーは非常に強力です。緑のクリーチャーには、そびえ立つ自然の精霊から飢えたワームまで、非常に強大なものが揃っています。

第6章:リーグとトーナメント

 マジック:ザ・ギャザリングで最も面白いことの一つは、他のプレイヤーと競い合うことです。マジックには大規模な統一された大会のシステムがあり、そこではあらゆる種類の技術が競われます。いきなりその会場に飛び込む前に、まずそこではどんなタイプのイベントがあるかについて知っておきましょう。
 ほとんどのイベントでは、あなたと対戦相手は何回かのゲーム(マッチと呼ばれます)を行って、最終的な勝者を決めます。ほとんどの場合、マッチは3本勝負で、先に2ゲーム勝ったプレイヤーがマッチの勝者となります。
 リーグとは、他のプレイヤーとどちらかと言えばカジュアルに対戦を行う大会です。お近くのお店のアリーナリーグを探してください。リーグには厳密な組み合わせや時間制限のルールは無く、あなたは好きなように何ゲームでも行うことができます。
 大会の一般的な形はトーナメントと呼ばれます。トーナメントは複数のラウンドで行われますが、大抵は1日で終わります。トーナメントのマッチには、だいたい1マッチ1時間ほどの時間制限があります。ペアリング(対戦の組み合わせ)はトーナメントの主催者によって決められます。ほとんどのトーナメントは、シングル・エリミネーションかスイスドローのどちらかの組み合わせシステムが使用されます。
 シングル・エリミネーション、いわゆる“勝ち抜き”システムは、トーナメントの組み合わせの最も簡単なやり方です。マッチに負けた場合、あなたはトーナメントから脱落します。シングル・エリミネーションのトーナメントのラウンドは、誰か1人の無敗の優勝者が出るまで行われます。
 スイスドローの場合、プレイヤーはマッチに負けてもトーナメントを続けることができます。つまり、状況によっては1〜2マッチ負けてしまっても優勝する可能性があるということです。各ラウンドでは、できるだけ成績の近いプレイヤー同士が組み合わせられます。スイスラウンドが終わったあと、トップ8のプレイヤーが改めてシングル・エリミネーションの決勝ラウンドを行うこともあります。

フォーマット

 フォーマットとは、大会で使用できる、そしてあなたが組むデッキのタイプです。構築フォーマットでは、あなあは自分が持っているマジックのカードで組んだ自分のデッキを持参します。限定フォーマットでは、各プレイヤーには同じ数の未開封のブースター・パックとトーナメント・パックが配られ、その場でそのカードだけでデッキを組むことになります。

構築フォーマット

 構築フォーマットでは、あなたはあらかじめ自分のデッキを組んでおかなければいけません(大会に参加した後でデッキを交換してはいけません)。あなたは自分の持っているカードでデッキを組むことになりますが、ほとんどのフォーマットでは使用できるカードのセットに制限があります。
 構築フォーマットのデッキは、最低60枚のカードで、基本地形以外の同じカード名のカードはそれぞれ4枚ずつまでしか入れられません。構築フォーマットでは、それ以外に15枚のサイドボードを用意することができます。各マッチの1ゲーム目が終わった後に、あなたはデッキのカードとサイドボードのカードを交換することができます。こうすることで、より対戦相手のデッキと戦いやすい形にするわけです。ただし、各マッチの前にはかならず最初のデッキに戻さなければいけません。
 最も一般的な構築フォーマットは、スタンダードとブロック構築です。

スタンダード

 スタンダードのフォーマットは、世界でもっとも人気のあるフォーマットです。そこで使用できるのは、現在の基本セットと、最近の2つのブロックのカードです。新しいセットが出るたび、フォーマットで使えるカードも変わります。ホビージャパン社のウェブサイト(http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/rules/format.html)や、お近くのトーナメント主催者に、現在のフォーマットの内容を確認してください。

ブロック構築

 ブロック構築フォーマットは、1つのブロックのカード(1つの大型エキスパンションと、2つの小型エキスパンション)のみを使ったフォーマットです(小型エキスパンションは発売後のみ)。例えば、オンスロート・ブロック構築デッキは、オンスロート・ブロックカードのみを使うことができます。オンスロート・ブロックには、オンスロート、レギオン、スカージが含まれます。

限定フォーマット

 限定フォーマットのイベントでは、大会の中でデッキを組みます。あなたはそのイベントで手に入ったカードでのみデッキを組み、大会が終わったら自分のカードすべてを持ち帰ります。
 デッキの構築には時間制限があります。限定戦のデッキのカードは最低40枚です。同じ名前のカードを入れる場合、枚数の制限はありません。限定フォーマットでは、あなたのデッキに入らなかったカードはすべてサイドボードになります。各マッチの1ゲーム目が終わった後に、あなたはデッキのカードとサイドボードのカードを交換することができますが、各マッチの前にはかならず最初組んだデッキに戻さなければいけません。
 最も一般的な限定フォーマットは、シールド・デッキ、ブースター・ドラフト、ロチェスター・ドラフトです。

シールド・デッキ

 シールド・デッキは、もっとも入りやすいフォーマットです。あなたはその場でパックを開けて、その中のカードで最強のデッキを構築します。ほとんどのシールド・デッキの大会では、トーナメント・パック1つとブースター・パック2つが使用されます。

ブースター・ドラフト

 ブースター・ドラフトは、シールド・デッキより複雑です。ブースター・ドラフトは通常8人のプレイヤーで行われます。各プレイヤーはテーブルに輪になるように座り、未開封のブースター・パックを3パック用意します。各プレーヤーはただ単に自分のパックを開けて中のカードを使うのではなく、各プレイヤーはそれぞれのパックからカードを1枚ずつ取っていって、自分のデッキのためのカードを集めます。
 ブースター・ドラフトの開始時に、各プレイヤーはパックを1つ開けて、欲しいカードを1枚選びます(他のプレイヤーが何を選んだかは見てはいけません)。その後、各プレイヤーは残りのカードを左のプレイヤーに渡します。あなたは右から来たカードを受け取り、そこからまたカードを1枚選んで、残りを左に渡します。これをすべてのカードが選ばれるまで繰り返します。
 次に、各プレイヤーは2つ目のパックを開け、同様にカードを選びますが、今回は残りのカードは右に渡します。すべてのカードが選ばれたら、3つ目のパックをあけてカードを選び、今回は左に渡します。カードをすべて選び終わったら、各プレイヤーは45枚のカードと、好きな枚数の基本地形でデッキを組みます。

ロチェスター・ドラフト

 ロチェスター・ドラフトはブースター・ドラフトと似ていますが、各プレイヤーが同時にパックを開けるのではなく、1人ずつパックを開けます。開けられたパックのカードは表向きにテーブルに並べられ、すべてのカードが全員に見えるようにします。各プレイヤーは1枚ずつカードを取っていきますが、パックのカードを1枚ずつ取ったら、そこから取る順番が逆になります。
 8人のプレイヤーでロチェスター・ドラフトをしたとしましょう。テーブルには時計回りに1番から8番までのプレイヤーがいます。1番がパックを開け、カードをテーブルに並べ、全員がカードを見ることができます。まず1番がカードを取り、その後2番、3番とカードを1枚ずつ取っていきます。
 8番(最初にパックをあけたプレイヤーの右隣のプレイヤー)がカードを取ったら、このプレイヤーはさらにもう1枚カードを取り、ここから取る順番は右隣に進みます。これをすべてのカードが取られるまで続けます(ブースター・パックには15枚しかカードが無いので、1番のプレイヤーは2枚目のカードを取れません)。
 次にパックをあけるのは2番で、1番がこのパックの8枚目と9枚目のカードを取ります。この手順を、すべてのプレイヤーが1パックずつあけるまで繰り返します。その後、8番が2パック目を開け、ここから右側にカードを取っていきます。次に7番がパックを開け、以下同様です。3パック目はまず1番が開け、カードは左側に順番にとっていきます。これを残りのパックに対して繰り返します。

第7章:用語集

{1}、{2}、{3}など

 コストにある場合、どのタイプのマナでも支払えることを意味します。例えば、コストに{2}とある場合、無色マナを含むどのようなタイプのマナでも、2点のマナで支払えることを意味します({R}と{G}、{U}と{U}など)。
 カードの中には、無色マナを生み出すものがあります。例えば、土地の中には{1}(無色マナ1点)をあなたのマナ・プールに加える能力を持っているものがあります。無色マナで色マナのコストを支払うことはできません。

{W} 白マナ

 白マナ1点。平地をタップすると{W}が生み出されます。

{U} 青マナ

 青マナ1点。島をタップすると{U}が生み出されます。

{B} 黒マナ

 黒マナ1点。沼をタップすると{B}が生み出されます。

{R} 赤マナ

 赤マナ1点。山をタップすると{R}が生み出されます。

{G} 緑マナ

 緑マナ1点。森をタップすると{G}が生み出されます。

{T}

 このシンボルは、「このカードをタップすること」を意味します。このシンボルは、起動型能力のコストの中に書かれています。すでにそのカードがタップされている場合は、{T}のコストを支払うことはできません。さらに、あなたがクリーチャーのコントロールを得たターンには、そのクリーチャーの{T}のコストを支払うことができないのを忘れないようにしてください。
 起動型能力も参照。

X

 マナ・コストや起動コストにXが含まれている場合、あなたがその数値を選びます。
 例えば、猛火のコストは{XR}で、カードには「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。猛火はそれにX点のダメージを与える。」と書かれています。例えば、あなたがXを4にした場合、猛火は4点のダメージを与え、コストは{4R}になります。1を選んだ場合、猛火は1点のダメージを与え、コストは{1R}になります。

*/*

 クリーチャーの中には、パワーとタフネスが能力で決まるものがあります。例えば、夢魔のパワーとタフネスはあなたがコントロールする沼の数に等しいです。あなたが夢魔をプレイしたとき、あなたが1枚だけ沼をコントロールしているならそれは1/1になるでしょうし、その後あなたが2枚目の沼をプレイしたなら、それは2/2になるでしょう。

アーティファクト

 魔法の道具を表す無色のパーマネント。アーティファクトの最も便利な点は、どのようなタイプのマナでもコストが支払えるので、どのデッキにもそのカードを入れられることにあります。
 このカードが手札やライブラリーや墓地にある場合は、それは単なるアーティファクト・カードです。そのカードをプレイした場合、それはアーティファクト呪文です。そのカードが場に出たら、それはアーティファクトになります。
 あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、アーティファクト呪文をプレイすることができます。
 アーティファクト・クリーチャーも参照。

アーティファクト・クリーチャー

 人造生命を表す無色のパーマネント。アーティファクト・クリーチャーには、カードの右下の角にパワーとタフネスが書かれています。
 アーティファクト・クリーチャーは、アーティファクトに影響を与えるものすべての影響を受けますし、同様にクリーチャーに影響を与えるものすべての影響を受けます。通常のクリーチャーと同様に攻撃やブロックが可能です。
 このカードが手札やライブラリーや墓地にある場合は、それは単なるアーティファクト・クリーチャー・カードです。そのカードをプレイした場合、それはアーティファクト・クリーチャー呪文です。そのカードが場に出たら、それはアーティファクト・クリーチャーになります。
 あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、アーティファクト・クリーチャー呪文をプレイすることができます。
 アーティファクト、クリーチャーも参照。

アクティブ・プレイヤー

 現在のターンを実行しているプレイヤー。アクティブ・プレイヤーは、常に先に優先権を得ます。
 優先権も参照。

アップキープ・ステップ

 開始フェイズの2番目のステップ。アップキープ・ステップはアンタップ・ステップの直後にあります。アップキープの開始時に誘発する能力がスタックに置かれ、プロテクションは呪文や能力をプレイすることができます。
 どちらのプレイヤーも呪文や能力のプレイを選ばなくなったら、ドロー・ステップに進みます。

後入れ先出し

 スタックの扱いを簡潔にまとめた言葉。マジックでは、後からスタックに置かれた呪文や能力が先に解決されます。
 スタックも参照。

あなた

 マジックのカードに書かれている「あなた」は、常にそのカードのコントローラーを指します。
 コントロール、コントローラーも参照。

アンコモン

 レア度を参照。

アンタップ

 タップ状態のカードを縦向きにすること。あなたのパーマネントは、あなたのターンの開始時のアンタップ・ステップに、すべてアンタップされます。また、効果の中にはパーマネントをアンタップするものがあります。
 パーマネントがアンタップされると、あなたはそれを再び使うことができるようになります。
 アンタップ・ステップも参照。

アンタップ・ステップ

 開始フェイズの最初のステップ。あなたのパーマネントをすべてアンタップし、再び充電状態になったことを示します。このステップの間は、どのプレイやも呪文や能力をプレイできません。
 アンタップも参照。

生け贄に捧げる

 場に出ているあなたのパーマネントを1つ選んで、墓地に置くこと。あなたが生け贄に捧げられるのは、自分がコントロールしているパーマネントだけです。パーマネントを生け贄に捧げることは破壊とは異なります。したがって、あなたは生け贄に捧げたクリーチャーを再生できません。パーマネントを生け贄に捧げることは、呪文や能力により指示されたときにしか行えません。
 生け贄に捧げることをカードを捨てると混同しないでください。カードを捨てる場合、捨てられるのは手札のカードだけです。
 破壊、捨てるも参照。

畏怖

 クリーチャーのブロックをより困難にする能力。畏怖を持つクリーチャーは、黒クリーチャーかアーティファクト・クリーチャーでのみブロックできます。

 マジックでの色は、白、青、黒、赤、緑の5色です。呪文や能力により色を選ぶ場合、この5つの中から選ばなければいけません。
 カードの色はマナ・コストで決まります。例えば、カードのコストが{1U}の場合は、そのカードは青です。アーティファクトのコストには色マナが無いので、無色になります(無色は色ではありません)。土地も無色です。

インスタント

 ほとんどいつでもプレイできる呪文のタイプ。インスタント呪文が解決されたら、その効果がゲームに影響を与え、その後カードはソーサリーのようにオーナーの墓地に置かれます。ソーサリーと違い、あなたは優先権を持っているときならいつでもインスタントをプレイできます。対戦相手のターンでも可能です。他の呪文に対応してプレイすることもできますし、スタックのルールに従い、そのインスタントはその前にプレイされた呪文よりも先に解決されます。
 優先権、スタックも参照。

打ち消す

 呪文を無効にすること。スタック上にあるもののみが呪文と呼ばれることに注意してください。それが解決されてしまったら、もう打ち消すことはできません。また、土地は呪文ではないので、打ち消せません。
 なお、打ち消された呪文カードは単に墓地に置かれます。打ち消された能力は消滅します。

エキスパンション・シンボル

 イラストのすぐ下の右側に描かれているシンボル。エキスパンション・シンボルは、そのカードがどのマジックのセットのカードなのかを意味しています。第8版のエキスパンション・シンボルは図象化された8です。
 エキスパンション・シンボルの色には3種類あり、黒はコモン、銀はアンコモン、金はレアを意味します。
 レア度も参照。

エンチャント

 魔法の影響している状況を表しているパーマネントのタイプの1つ。エンチャントには常に能力が書かれています。あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、エンチャント呪文をプレイすることができます。
 エンチャントには2種類あります。1つはクリーチャーや土地と同様に単独で場に置かれるもので、もう1つは他のパーマネントにつけられるものです。パーマネントが場を離れたら、そこについているエンチャントも場を離れます。単独で場に置かれるものは、イラストの下に「エンチャント(場)」と書かれています。他のパーマネントにつけるタイプのエンチャントには「エンチャント(クリーチャー)」「エンチャント(土地)」などと書かれています。この場合、カッコの中の単語は、そのエンチャントをつけることのできるパーマネントのタイプを意味しています。
 呪文や能力がエンチャントに影響を与える場合、どのタイプのエンチャントに対しても影響を与えることができます。例えば、啓蒙には「エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。」と書かれています。この場合、それはエンチャント(クリーチャー)、エンチャント(土地)、エンチャント(場)などの、どのようなエンチャントでも破壊することができます。
 エンチャント(〜)、エンチャント(クリーチャー)、エンチャントされているも参照。

エンチャント(〜)

 「エンチャント(土地)」「エンチャント(クリーチャー)」「エンチャント(パーマネント)」など、カッコ内にパーマネントのタイプが書かれているエンチャント。これらは、カッコ内に書かれたタイプのパーマネントにのみプレイできる特殊なタイプのエンチャントです。「エンチャント(場)」は、このタイプのエンチャントではありません。
 あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、エンチャント呪文をプレイすることができます。
 あなたがこれらの呪文をプレイするときは、そこで示されたパーマネントを1つ選ぶ必要があります(呪文はそのパーマネントを対象とします。エンチャントが場に出たら、以降はそれを対象とはしません)。
 エンチャント呪文が解決されたら、そのエンチャント・カードはあなた選んだパーマネントにつけられます。それはエンチャント自身が破壊されるか、それがつけられているパーマネントが場を離れるまでそのままです。後に他のパーマネントに移動することはできません。そのパーマネントが場を離れたら、そのエンチャント・カードは墓地に置かれます。
 エンチャント(クリーチャー)、エンチャント、場を離れる、パーマネントも参照。

エンチャント(クリーチャー)

 クリーチャーかアーティファクト・クリーチャーに対してのみプレイ可能な、エンチャントのタイプの1つ。
 あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、エンチャント(クリーチャー)呪文をプレイすることができます。
 あなたがエンチャント(クリーチャー)呪文をプレイするときは、クリーチャー1つ選ぶ必要があります(呪文はそのクリーチャーを対象とします。エンチャント(クリーチャー)が場に出たら、以降はそれを対象とはしません)。
 エンチャント(クリーチャー)呪文が解決されたら、そのエンチャント(クリーチャー)カードはあなた選んだクリーチャーにつけられます。それはエンチャント(クリーチャー)自身が破壊されるか、それがつけられているクリーチャーが場を離れるまでそのままです。後に他のクリーチャーに移動することはできません。そのクリーチャーが場を離れたら、そのエンチャント(クリーチャー)カードは墓地に置かれます。
 エンチャント、場を離れるも参照。

エンチャントされている

 能力に「エンチャントされているクリーチャー」(あるいは「エンチャントされているアーティファクト」「エンチャントされている土地」など)と書かれている場合、それは「このエンチャントがつけられているクリーチャー」を意味します。
 例えば、再生には「{G}:エンチャントされているクリーチャーを再生する。」と書かれています。あなたは再生がつけられているクリーチャーのみを再生できます。この能力を他のクリーチャーに使うことはできません。

エンチャント(場)

 他のパーマネントにつけられず、単独で場に置かれるエンチャント。
 エンチャントも参照。

オーナー

 ゲームの最初に、デッキにそのカードを入れていたプレイヤー。対戦相手があなたのパーマネントのコントロールを奪っても、そのカードのオーナーはあなたのままです(あなたが友達にデッキを貸している間は、ゲームの間はその人がデッキ内のすべてのカードのオーナーです)。
 コントローラーも参照。

カード

 実際にあなたのデッキに入っている、長方形の厚紙(クリーチャー・トークンはカードではありません)。
 カード・タイプも参照。

カード・タイプ

 それぞれのカードは、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、ソーサリー、土地の6種類のタイプのうちのいずれか1つのタイプになります。カードの中には、アーティファクト・クリーチャーのように複数のタイプを持つものもあります。
 カードの中にはサブタイプを持つものがあります。例えば、「クリーチャー ― ゴブリン」の「ゴブリン」はサブタイプです。
 サブタイプも参照。

カード名

 カードの左上に書かれた、そのカードの名称。
 カードの文章欄に、そのカードのカード名が書かれている場合、それはそのカード自身を指し、同じ名前の他のカードを意味しません。例えば、巫女の従者には「{T}:クリーチャー1体を対象とする。このターン、あなたが選んだ発生源1つからそれに与えられるすべてのダメージは、代わりに巫女の従者に与えられる。」と書かれています。この能力がプレイされたら、ダメージはその能力を実際にプレイした巫女の従者にのみ与えられます。他の巫女の従者を選ぶことはできません。

カードを引く

 あなたのライブラリーの一番上のカードを、あなたの手札に加えること。
 あなたは自分のドロー・ステップの開始時に、カードを1枚引きます。呪文や能力でカードを引くことになっても、それにより通常の毎ターンカードを引けることは影響を受けません。
 カードを手札に加えることは、呪文や能力に「引く」と書かれていないかぎりは引いたとはみなされません。例えば、魔性の教示者には「あなたのライブラリーからカードを1枚探し、あなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」と書かれています。これはカードを手札に加えるとかかれていますが、カードを引くことではありません。この呪文には「引く」と書かれていないからです。
 ドロー・ステップも参照。

開始フェイズ

 ターンの最初のフェイズ。開始フェイズは、アンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップからなります。開始フェイズと戦闘開始ステップを混同しないようにしてください。
 ドロー・ステップ、アップキープ・ステップ、アンタップ・ステップも参照。

解決

 呪文や能力は、プレイしてすぐは何も行いません。それはスタックに置かれます。スタックの呪文や能力が効果となって現れるのは、それが解決されたときです。呪文や能力が打ち消された場合や、解決時にすべての対照が不適正になった場合は、それは解決されません。
 打ち消す、スタック、対象も参照。

回避能力

 クリーチャーのブロックをより困難にする能力。飛行はその中でも最も一般的な回避能力です。

カウンター

 呪文や能力の中には、パーマネントの上にカウンターを置くものがあります。カウンターは、そのパーマネントが場に出ているかぎり続く変更を表します。カウンターは通常、クリーチャーのパワーとタフネスを変更します。カウンターに使うものは、コイン、ガラスビーズなど、何でもかまいません。

〜かのように

 カードに「〜かのように」と書かれている場合、そのカードは本来持っていない何かを持っているかのように、そこに書かれた行動が行えます。例えば、大蜘蛛には「大蜘蛛は、飛行を持っているかのようにブロックに参加できる。」と書かれています。大蜘蛛は実際には飛行を持っていませんが、飛行を持っているクリーチャーをブロックできるのです。

 攻撃に参加できない特殊なクリーチャー・タイプ。ただし、壁はブロック・クリーチャーには最適です。
 壁はクリーチャーであり、クリーチャーに影響を与える呪文や能力の影響を受けます。
 クリーチャー・タイプも参照。

代わりに

 この単語がある場合、その呪文や能力は置換効果を生み出します。
 置換効果も参照。

起動型能力

 起動コストを支払うことによってプレイする能力。起動型能力には、必ずコロン(:)が書かれています。コロンの前に書かれているのが起動コストで、コロンの後ろに書かれているのが、その起動コストを支払ったときにプレイされる能力です。例えば、「{BB}, {T}:緑のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。」は、{BB}を支払ってその能力の書かれているパーマネントをタップすることで、緑のクリーチャーを1体破壊することができることを意味します。
 あなたはインスタントをプレイできるとき(あなたに優先権があるとき)ならいつでも、起動型能力をプレイできます。それは一度スタックに置かれて、解決を待つことになります。あなたは、あなたがコントロールするパーマネントの起動型能力しかプレイすることはできません。
 起動コスト、タップも参照。

起動コスト

 起動型能力のコロン(:)の前に書かれていること。起動コストに{T}が含まれている場合、その能力の書かれているパーマネントがアンタップ状態のときのみ、そのコストを支払うことができます。つまりその場合は、通常は1ターンに1回しかそのコストを支払うことができないことを意味します。起動コストに{T}が含まれていない場合、望む回数だけそのコストを支払うことができます。1回のコストの支払いにつき、能力を1回プレイすることができます。
 起動型能力、タップも参照。

基本地形

 基本地形のタイプは5種類あります。
平地は{W}を加えます。
島は{U}を加えます。
沼は{B}を加えます。
山は{R}を加えます。
森は{G}を加えます。
 この5種類以外の土地は、基本地形でない土地です。
 基本地形の文章欄には大きなマナ・シンボルしか書かれていませんが、それぞれはその土地のタイプに合った色のマナ1点を加える起動型能力を持ちます。例えば、土地が何らかの理由で沼になった場合、その土地をタップして{B}を加えることができます。
 土地、基本地形でない土地、サブタイプも参照。

基本地形でない土地

 平地、島、沼、山、森以外の土地。基本地形でない土地は、それぞれデッキに4枚ずつしか入れられません。
 基本地形、土地も参照。

切る、切りなおす

 デッキの中のカードの順番をランダムにすること。マジックのゲームの開始時には、毎回自分のデッキをよく切ります。さらに、カードの中には効果の一部として、あなたのライブラリーを切りなおすよう指示しているものもあります(通常、ライブラリーから特定のカードを探した後で行います)。

クリーチャー

 パーマネントのタイプの1つで、人間、動物、怪物など、自分のために戦ってくれるものを意味します。クリーチャーは対戦相手を攻撃し、攻撃クリーチャーをブロックすることができます。クリーチャーにはパワーとタフネスがあり、カードの右下に四角で囲まれて書かれています。クリーチャーの多くは能力を持っています。
 クリーチャーは場にのみ存在します。このカードが手札やライブラリーや墓地にある場合は、それは単なるクリーチャー・カードです。そのカードをプレイした場合、それはクリーチャー呪文です。そのカードが場に出たら、それはクリーチャーになります。
 あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、クリーチャー呪文をプレイすることができます。

クリーチャー・タイプ

 クリーチャーがどんな種類のクリーチャー(ゴブリン、エルフ、壁など)であるかを示すもの。クリーチャーのタイプは、カードの真ん中の「クリーチャー ― 」の後ろに書かれています。クリーチャーのタイプが中黒(・)で仕切られた複数の言葉で書かれている場合、そのクリーチャーはそれらすべてのクリーチャー・タイプを持つことになります。
 呪文や能力の中には、特定のタイプのクリーチャーにのみ影響を与えるものがあります。例えば、ゴブリンの王には「すべてのゴブリンは、+1/+1の修正を受けるとともに山渡りを持つ。」と書かれています。場に出ている、ゴブリンのクリーチャー・タイプを持つすべてのクリーチャーは、このボーナスを受け取ります(ただし、ゴブリンの王はゴブリンじゃなくてロードです。注意!)。
 アーティファクトはクリーチャー・タイプではありませんが、アーティファクト・クリーチャーが何らかのクリーチャー・タイプを持つことはあります。
 レジェンド、壁も参照。

クリーチャー・トークン

 呪文や能力の中にはクリーチャーを作るものがあります。これらはトークンで表されます。トークンには何を使ってもかまいませんが、タップ状態がわかるものを使ってください。
 トークンはあらゆる状況でクリーチャーとして扱いますが、トークンのクリーチャーが場を離れたら、それはゲームから完全に消滅します。クリーチャー・トークンは、クリーチャーが影響を受けるあらゆるルールや呪文や能力の影響を受けますが、それらは(何らかのカードをトークンとして使っていても)カードではありません。

クリンナップ・ステップ

 終了フェイズの2番目の(そして最後の)ステップ。クリンナップ・ステップでは3つの事が起きます。

 プレイヤーは、なんらかの誘発型能力が誘発しないかぎりは、このステップで呪文や能力をプレイすることはできません。

軽減効果

 ダメージが実際に与えられるのを防ぐ能力。軽減効果は盾のような働きをします。軽減の呪文や能力が解決されたら、それは次に実際にダメージを与えられるまでの間そこに存在し、実際にダメージを与えられるときにそのダメージを止めます(軽減効果は置換効果の一種です)。
 例えば、聖なる日には「このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減し、0にする。」と書かれています。あなたは聖なる日を戦闘のずっと前にプレイすることができ、その効果はそのターンの間いっぱい残ります。その後、そのターンの間にクリーチャーが戦闘ダメージを与えようとしたとき、聖なる日はそれを軽減してしまうのです。
 置換効果も参照。

軽減する

 呪文や能力の文章欄にこの単語が書かれている場合、それは軽減効果です。
 軽減効果も参照。

継続的効果

 一定期間の間続く効果。これは、1回だけ発生する単発的効果とは異なります。
 継続的効果がいつまで続くかは、その効果を発生させた呪文や能力に書かれています。例えば「ターン終了時まで」などです。継続的効果が常在型能力により発生している場合、それはその能力を持っているパーマネントが場にある間続くことになります。
 常在型能力も参照。

ゲームから取り除く

 カードをゲームから取り除いたら、それはゲームの残りの間脇に置いておかれたままになります。ゲームが終わったら、そのカードをデッキに戻してください。カードをゲームから取り除くことは、カードを墓地に置くこととは異なります。第8版のカードでは、カードをゲームから取り除くことはありませんが、他のマジックのセットで見ることがあるでしょう。

ゲームの勝利

 ゲームに勝利する方法は2つあります。

 また、対戦相手が投了した場合もゲームに勝利します。なんらかの効果で両方のプレイヤーのライフの総量が同時に0以下になった場合、ゲームは引き分けで、誰も勝利しません。両方のプレイヤーがカードを引かなければいけない状況で、両方ともカードを引けない場合も引き分けになります。

ゲームの敗北

 ゲームの勝利を参照。

公開

 カードを公開する場合、それをすべてのプレイヤーに見せます。

攻撃

 あなたのクリーチャーが対戦相手にダメージを与える方法。クリーチャーは対戦相手にのみ攻撃が行えます。他のクリーチャーを直接攻撃することはできません。
 あなたのターンには、毎ターン1回の戦闘フェイズがあります。ここで攻撃が可能です。あなたはどのクリーチャーで攻撃するかを決めます。アンタップ状態のクリーチャーのみが攻撃を行えます。どれで攻撃するか決めたら、攻撃クリーチャーはタップされ、対戦相手を攻撃します。対戦相手はこれに対し、ブロックをしたりインスタントや起動型能力をプレイしたりできます。
 攻撃クリーチャー、ブロック・クリーチャー、戦闘も参照。

攻撃クリーチャー

 攻撃を行っているクリーチャー。
 クリーチャーは、あなたが自分の攻撃クリーチャー指定ステップに攻撃クリーチャーとして指定したときに、攻撃クリーチャーになります。その時点で攻撃クリーチャーはタップされます(すでにタップされているクリーチャーは攻撃できません)。
 クリーチャーは、攻撃クリーチャーとして宣言されてから戦闘が終了されるまで、戦闘から(再生などにより)取り除かれないかぎり、攻撃クリーチャーになります。戦闘フェイズ以外では攻撃クリーチャーは存在しません。

攻撃クリーチャー指定ステップ

 戦闘フェイズの2番目のステップ。攻撃クリーチャー指定ステップで最初にすることは、攻撃を行うかどうかを決めることです。攻撃することにした場合、あなたは自分のどのクリーチャーで攻撃するかを決めます(あなたのターンの最初からコントロールし続けているアンタップ状態のクリーチャーのみが、攻撃を行えます)。その後、それらのクリーチャーをタップし、それらは攻撃クリーチャーとなります。
 あなたのクリーチャーが攻撃できるのは対戦相手だけであり、他のクリーチャーを直接攻撃できないことに注意してください。
 攻撃クリーチャーの宣言が終わったら、プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイすることができます。
 戦闘フェイズも参照。

効果

 呪文や能力が解決されたときに起こること。
 効果には、単発的効果、継続的効果、軽減効果、置換効果と、様々なタイプがあります(それぞれの意味は用語集を参照)。
 能力、呪文も参照。

コスト

 一般的に、呪文や能力をプレイするために支払わなければいけないもの。
 起動コスト、マナ・コストも参照。

コストを支払う

 マナ・コストや起動コストを支払ったら、その呪文や能力が打ち消されても、支払ったものを取り戻す方法はありません。
 すべてを支払うことのできないコストは支払えません。例えば、起動型能力のコストが8点のライフで、あなたのライフが3点だった場合、あなたはそのコストをまったく支払えません。
 クリーチャーの起動コストに{T}が含まれている場合、そのクリーチャーをあなたのターンの最初から継続してコントロールし続けていないかぎり、そのコストを支払えないことに注意してください。
 なんらかの効果により、パーマネントの能力のコストの支払いと似たことが発生しても、それはコストの支払いとはみなされません。例えば、ぐるぐるには「アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とし、それをタップまたはアンタップする。」と書かれています。一方、凄腕の暗殺者には「{T}:タップされているクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。」と書かれています。ぐるぐるで凄腕の暗殺者をタップしても、それにより凄腕の暗殺者にタップ状態のクリーチャーを破壊させることはできません。
 起動コスト、マナ・コストも参照。

個別エンチャント

 他のパーマネントにつけられるエンチャント。個別エンチャントには、エンチャント(クリーチャー)、エンチャント(土地)などがあります。
 エンチャント(〜)、エンチャント(クリーチャー)、エンチャント、全体エンチャントも参照。

コモン

 レア度を参照。

コレクター番号

 マジックのカードの一番下には、カードを整理するのに便利なように番号が2つかかれています。1つめの番号は、そのカードのセット内での通し番号で、2つ目の数字はセット内のカードの種類数です。

コロン

 能力にコロン(:)が書かれている場合、その能力は起動型能力です。コロンは能力のコストと内容を分ける記号です。
 起動型能力、起動コストも参照。

コントローラー

 呪文や能力をプレイしたプレイヤー。パーマネントの場合、(呪文や能力でそのコントロールが変わらないかぎり)そのカードをプレイしたプレイヤー。
 コントロール、オーナーも参照。

コントロール

 あなたは、自分がプレイした呪文や、自分の側の場に出たパーマネントをコントロールしています。また、あなたは自分がコントロールしているパーマネントの能力をコントロールしています。
 あなたは自分がコントロールしているものに関してのみ決定を行えます。あなたがパーマネントをコントロールしている場合、その能力をプレイできるのはあなただけです。あなたが対戦相手のクリーチャーに魂の絆(「エンチャントされているクリーチャーがダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。」)をエンチャントした場合でも、そのエンチャントのコントローラーはあなたです。対戦相手が魂の絆でライフを得ることはありません。得るのはあなたです。
 呪文や能力の中には、あなたがカードのコントロールを得るものがあります。ほとんどの場合、これはそのカードを対戦相手の側からあなたの側に移すものです。しかし、何かのカードについているエンチャントのコントロールを奪った場合、あなたはそのエンチャントのコントロールは得ますが、そのエンチャントを他に移すことはできません。例えば、あなたが対戦相手の魂の絆を奪ったとしましょう。今後ライフを得るのはあなたですが、そのエンチャントは同じクリーチャーにつけられたままです。
 コントローラーは、プレイされた呪文や場のパーマネントにのみ関係します。
 コントローラー、オーナーも参照。

再生

 クリーチャーを破壊から守る能力。再生は盾のような働きをします。再生の呪文や能力が解決されたら、それは次に実際にクリーチャーが破壊されるまでの間そこに存在し、実際にクリーチャーが破壊されるときに、その破壊からクリーチャーを守ります(再生は置換効果の一種です)。
 クリーチャーが再生したら、それはそのまま場に残ります。したがって、エンチャントやカウンターもそのままです。さらに、以下のことが発生します。

 置換効果も参照。

サブタイプ

 クリーチャー、エンチャント、土地はすべてサブタイプを持ちます。
 エルフ、ゴブリンなどのクリーチャーのサブタイプは、クリーチャー・タイプと呼ばれます。エンチャントのサブタイプは、エンチャント(クリーチャー)、エンチャント(土地)など、そのエンチャントをつけることのできるパーマネントのタイプによって分かれます。土地のサブタイプは土地タイプと呼ばれます。基本地形タイプは、平地、島、沼、山、森のいずれかです。基本地形でない土地の中にも、サブタイプを持つものがあります。
 クリーチャー・タイプ、タイプも参照。

〜時

 能力にこの言葉が現れた場合(例えば「あなたのドロー・ステップの開始時」など)、その能力は誘発型能力です。
 誘発型能力、誘発イベントも参照。

〜したとき、〜するたび

 能力に「〜したとき」や「〜するたび」と書かれている場合、その能力は誘発型能力です。「〜したとき」や「〜するたび」と書かれている部分が誘発イベントです。それが起こったら、能力が誘発してスタックに置かれます。
 誘発イベント、誘発型能力も参照。

島渡り

 防御プレイヤーが島をコントロールしているかぎり、クリーチャーをブロックされなくする能力。
 渡りも参照。

終了フェイズ

 ターンの最後のフェイズ。終了フェイズは、ターン終了ステップとクリンナップ・ステップの2つのステップからなります。
 クリンナップ・ステップ、ターン終了ステップも参照。

呪文

 土地以外のカードは、プレイ時は呪文です。例えば、栄光の探求者はクリーチャー・カードです。あなたがそれをプレイしたときは、それはクリーチャー呪文です。それが解決されたら、それはクリーチャーになります。
 インスタントやソーサリーは、解決時にオーナーの墓地に置かれます。それ以外のタイプの呪文は、解決時にパーマネントになります。
 スタック、パーマネントも参照。

呪文や能力のプレイ

 呪文や起動型能力をプレイする場合は、以下の手順に従ってください。

  1. 対戦相手に、どの呪文や能力をプレイするかを宣言します。それが呪文なら、手札からそのカードを取り出して対戦相手に見せてください。この時点で、その呪文や起動型能力はスタックに置かれます。
  2. 呪文や能力に「1つを選ぶ」と書かれている場合は、その選択をします。呪文や能力に「対象」という単語が含まれているなら、必要な対象を選択します。
  3. 呪文の場合は、マナ・コストを支払います。起動型能力の場合は、起動コストを支払います。呪文や能力に{X}が含まれているなら、そのXの値を選んでその点数分のマナを支払います。

 その後、解決を待ちます。
 あなたが誘発型能力をプレイすることはありません。それは誘発したときに、自動的にスタックに置かれます――あなたが望まなくてもです。あなたが常在型能力をプレイすることはありません。それは、その能力を持っているパーマネントが場にあるかぎり、常に「ある」のです。
 誘発型能力、スタック、常在型能力も参照。

常在型能力

 その能力を持っているパーマネントが場に出ているかぎり「有効」になっている能力のタイプ。例えば、テレパシーには「あなたの対戦相手は、手札を公開したままゲームを行う。」と書かれています。
 常在型能力はプレイされず、誘発もしません。それはスタックに置かれません。それは能力を持ったパーマネントが場に出たときから影響を与え始めます。常在型能力のほとんどは、継続的効果を発生します。
 継続的効果も参照。

スタック

 最初にマジックの遊び方を覚えたときは、ただ単にカードをプレイしてその効果を適用するだけだったでしょう。しかし、マジックを素晴らしいゲームとしているのは、例え対戦相手のターン中であっても、あなたがインスタントや起動型能力をプレイできることです。それを可能にしたのがスタックです。
 あなたは優先権を持っているときのみ、呪文や能力をプレイできます。あなたが何かをプレイしたら、それはスタックの一番上に置かれ、解決を待ちます。誘発型能力は、誘発したときにスタックに置かれます。どちらのプレイヤーもこれ以上呪文や能力をプレイしない場合、スタック上の呪文や能力は上から順番に解決されます。そして、スタック上の呪文や能力が1つ解決されるごとに、プレイヤーにはさらに優先権が発生し、スタックに新たに呪文や能力を置くことができます。
 例を示しましょう。あなたは栄光の探求者(2/2のクリーチャー)をコントロールしています。対戦相手はそれに対してショックをプレイし、2点のダメージを与えようとしました。ショックはスタックに置かれます。あなたはショックに対応して巨大化をプレイし、栄光の探求者にターン終了時まで+3/+3の修正を与えようとします。スタックでは、巨大化はショックの上に置かれます。したがって、巨大化が先に解決され、栄光の探求者はターン終了時まで5/5となります。その後ショックが解決されますが、大きくなった栄光の探求者を破壊できるだけのダメージを与えることはできませんでした。
 それでは、巨大化を先にプレイするとどうなるでしょうか? ショックがスタックで巨大化より上に置かれるため、先に解決されます。栄光の探求者に2点のダメージが与えられ――破壊されてしまいます! 巨大化を解決しようとするときには、もう対象は場に出ていないため、それは打ち消されます。
 能力、優先権、呪文も参照。

ステップ

 ほとんどのフェイズは、いくつかのステップに分かれています。各ステップでは特定の事柄が発生します。例えば、あなたのアンタップ・ステップでは、あなたのパーマネントをすべてアンタップします。あなたは自分のドロー・ステップでカードを1枚引きます。ほとんどのステップでは何かが起こり、その後プレイヤーは優先権を得て、呪文や能力をプレイすることができます。
 各ステップに関しては用語集を参照してください。それぞれのフェイズとステップに関しての詳細は「第3章:ターンの構成」を参照してください。
 フェイズも参照。

捨てる

 手札のカードを墓地に置くこと。
 呪文や能力があなたのカードを捨てるよう指示している場合、あなたはどのカードを捨てるかを選ぶことができます。ただし、その呪文や能力に、他のプレイヤーが選ぶよう指示があったり、カードを「無作為に」捨てるよう指示があったりする場合は、それに従ってください。
 無作為も参照。

すべての

 呪文や能力が「すべての」何かに影響を与える場合、それはそのまま「すべての」何かを意味します。例えば、吐き気には「すべてのクリーチャーは、ターン終了時まで-1/-1の修正を受ける。」と書かれています。これは、場のすべてのクリーチャーを――自分がコントロールしているものも含め――小さくしてしまうことを意味します。

先制攻撃

 クリーチャーが、他のクリーチャーよりも先に戦闘ダメージを与えることのできる能力。
 先制攻撃を持っているクリーチャーが1体以上攻撃かブロックに参加している場合、それらのクリーチャーは通常の戦闘ダメージよりも前に特別な戦闘ダメージ・ステップを得ます。その後、残りの(生き残った)クリーチャーは、通常の戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えます。
 戦闘ダメージ・ステップ、二段攻撃も参照。

全体エンチャント

 クリーチャーや土地のように、単独で場に置かれるエンチャント。全体エンチャントは、他のパーマネントにつけられる個別エンチャントとは区別されます。
 エンチャント、エンチャント(場)、個別エンチャントを参照。

戦闘

 一般に「戦闘」と言えば、攻撃やブロック、あるいはそれに関連して戦闘フェイズで起こる様々な事柄を意味します。
 攻撃、ブロック、戦闘フェイズも参照。

戦闘開始ステップ

 戦闘フェイズの最初のステップ。通常は何も起こりませんが、プレイヤーは望むならインスタントや起動型能力の使用が可能です。
 戦闘フェイズも参照。

戦闘から取り除く

 クリーチャーが戦闘から取り除かれた場合、それはもう攻撃もブロックもしていません。あるクリーチャーが、攻撃クリーチャーをブロックしてから取り除かれた場合、その攻撃クリーチャーはブロックされたままのため、防御プレイヤーにはダメージは与えられません。戦闘ダメージをスタックに置いた後で戦闘から取り除かれた場合、ダメージはそのまま与えられます。

戦闘終了ステップ

 戦闘フェイズの最後のステップ。このステップでは、通常は何も起こりません。「戦闘終了時まで」と書かれた効果は、このステップで終了します。プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイすることができます。
 戦闘フェイズも参照。

戦闘ダメージ

 戦闘ダメージ・ステップにクリーチャーによって与えられたダメージ。クリーチャーの能力によって与えられたダメージは戦闘ダメージではありません。例えば、弩弓歩兵の能力をプレイしたときは、それは1点のダメージを与えます。しかしそれが攻撃したときは、それは(パワーが1なので)1点の戦闘ダメージを与えます。

戦闘ダメージ・ステップ

 戦闘フェイズの4番目のステップ。攻撃クリーチャーとブロック・クリーチャーは、このステップで実際にダメージを与えます。

 攻撃クリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされている場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、そのダメージをブロック・クリーチャーに割り振ることができます。
 各プレイヤーが、それぞれのクリーチャーのダメージの割り振りを決めたら、すべてのクリーチャーの戦闘ダメージはスタックに置かれます。これ以降は、クリーチャー自身に何が起こっても関係ありません。クリーチャーのダメージがスタックに置かれたら、そのクリーチャーが場を離れてもダメージは与えられます。
 戦闘ダメージがスタックに置かれた後で、プレイヤーはインスタントや軌道型能力をプレイすることができます。
 戦闘フェイズも参照。

戦闘フェイズ

 ターンの3番目のフェイズ。実際に攻撃やブロックを行うフェイズです。戦闘フェイズは5つのステップからなります(用語集のそれぞれの項目も参照)。

  1. 戦闘開始ステップ
  2. 攻撃クリーチャー指定ステップ
  3. ブロック・クリーチャー指定ステップ
  4. 戦闘ダメージ・ステップ
  5. 戦闘終了ステップ

 通常、最初と最後のステップには何も起こりません。戦闘フェイズは、アクティブ・プレイヤーが戦闘を行わないことにしても発生します。戦闘フェイズの後、アクティブ・プレイヤーはもう1回メイン・フェイズを行います。

ソーサリー

 何かを行う呪文で、使用後オーナーの墓地に置かれるもの。あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、ソーサリーをプレイすることができます。
 優先権、スタックも参照。

速攻

 クリーチャーがあなたのコントロール下になったとき、そのターンに攻撃を行うことができるようにする能力。また、速攻を持つクリーチャーは、起動コストに{T}を含む能力を、クリーチャーがあなたのコントロール下になったターンにプレイできます。
 他の能力と同様に、対戦相手が速攻を持つクリーチャーのコントロールを得た場合、その対戦相手も同様にその能力の恩恵を受けます。
 起動コストも参照。

ターン

 各ターンはいくつかのフェイズに分かれ、ほとんどのフェイズはステップに分かれています。以下はすべてのフェイズとステップの順番です。

  1. 開始フェイズ
    1. アンタップ・ステップ
    2. アップキープ・ステップ
    3. ドロー・ステップ
  2. メイン・フェイズ
  3. 戦闘フェイズ
    1. 戦闘開始ステップ
    2. 攻撃クリーチャー指定ステップ
    3. ブロック・クリーチャー指定ステップ
    4. 戦闘ダメージ・ステップ
    5. 戦闘終了ステップ
  4. メイン・フェイズ (2回目)
  5. 終了フェイズ
    1. ターン終了ステップ
    2. クリンナップ・ステップ

 各ステップに関しては、用語集を参照。

ターン終了ステップ

 終了フェイズの最初のステップ。このステップでは、通常は何も起こりません。「ターン終了時」に誘発する能力は、このステップで誘発します。プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイすることができます。
 終了フェイズも参照。

対応、対応して

 他の呪文や能力の直後にインスタントや起動型能力をプレイすること。スタック上の呪文や能力は、後からプレイされたものを先に解決します。したがって、あなたがインスタントや起動型能力で呪文や能力に対応した場合、あなたの呪文や能力は、それより前にプレイされたものよりも先に解決されます。
 スタックも参照。

大原則

 マジックのカードとルールが矛盾したら、常にカードが優先されます。例えば、ルールではあなたは自分のターン1ターンにつき1回しか戦闘フェイズがありません。しかし、連続突撃には「このフェイズの後に、追加の戦闘フェイズとその後の追加のメイン・フェイズを加える。」と書かれています。連続突撃は、それがプレイされたときにルールを変えるのです。マジックを面白くしている理由の一つは、それぞれのカードがあらゆるルールを破っている点にあります。

対象

 呪文や能力に「対象」という単語が書かれていたら、あなたはその呪文や能力が影響を与えるものを、指示された数だけ選ばなければいけません。ほとんどの場合、あなたは「赤いパーマネント1つ」や「クリーチャー1体かプレイヤー1人」など、特定の条件のものを選ぶことになります。
 呪文や能力の対象は、それをプレイするときに選びます。後でそれを変更することはできません。呪文や能力の解決時に、もう一度その対象が適正かどうかが確認されます。対象がすべて不適正になったら、その呪文や能力は打ち消されます。
 適正な対象、解決も参照。

対戦相手

 あなたが敵として対戦しているプレイヤー。カードに「対戦相手」と書かれている場合、そのカードのコントローラーの対戦相手を意味します。

タイプ

 マジックのゲーム内の様々なものにはタイプがあります。カードのタイプは6種類、パーマネントのタイプは4種類、能力のタイプは3種類、基本地形のタイプは5種類で、エンチャントのタイプとクリーチャー・タイプは数多くあります。
 カード・タイプ、クリーチャー・タイプ、パーマネント・タイプも参照。

多色カード

 マナ・コストに複数の種類の色マナがあるカード。第8版には多色カードはありませんが、他のマジックのセットで見ることがあるでしょう。多色カードの枠は金色です。

タップ

 カードを横向きにすること。パーマネントをタップすることは、通常はそれが使用済みになったことを意味します。カードがタップされたら、あなたはそれがアンタップ状態にならないかぎりは再びタップできません。
 クリーチャーは攻撃時にタップされます。あなたは土地をタップしてマナを加えることができます。多くのパーマネントには、{T}をコストに含む起動型能力があります({T}は、「このパーマネントをタップする」という意味です)。
 何らかの効果でパーマネントがタップされることがあります。この場合、そのパーマネントをタップすることによって得られる効果を得ることはできません。
 起動型能力、コストの支払いも参照。

タフネス

 クリーチャー・カードの右下の枠に書かれた、斜線の後の数字。タフネスは、そのクリーチャーが(1ターンの間に)どれだけのダメージを受けると破壊されてしまうかを示しています。タフネスを持つのは、クリーチャーかアーティファクト・クリーチャーだけです。
 パワーも参照。

ダメージ

 プレイヤーのライフを減らし、クリーチャーを破壊するもの。攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーはダメージを与えます。呪文や能力の中にはダメージを与えるものがあります。ダメージはクリーチャーかプレイヤーにのみ与えられます。クリーチャーに与えられたダメージがそのクリーチャーのタフネス以上になったら、それは破壊されます。プレイヤーにダメージが与えられたら、その点数の分だけそのプレイヤーのライフの総量が減らされます。
 ダメージとライフを失うことは違うことです。例えば、魂の饗宴には「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは4点のライフを失い、あなたは4点のライフを得る。」と書かれています。これはライフを失うことであり、ダメージではありません。したがって、軽減ができません。

ダメージ軽減

 軽減効果を参照。

単発的効果

 ゲームに1回だけ影響を与える効果のこと。例えば、集中には「カードを3枚引く。」と書かれています。その効果は、解決時に実行されて終了します。
 単発的効果は、一定の時間効果が持続する継続的効果とは異なります。
 継続的効果も参照。

置換効果

 ある特定のイベントが起こるのを待って、それを別なイベントに置き換える効果。
 例えば、ラースの灼熱洞には「いずれかの発生源がクリーチャーかプレイヤーにダメージを与える場合、代わりにそれは2倍のダメージを与える。」と書かれています。この効果は、与えられるダメージを2倍のダメージに置き換えます。
 代わりに、軽減効果も参照。

注釈文

 文章欄にカッコつきで書かれている、ルールの注釈をする文章。注釈文はルールのすべてを伝えるわけではなく、そのカードのメカニズムがどういうものかを簡単に伝えるだけです。それでもよくわからない場合は、ルールブックを読んでください。

テーマデッキ

 特定のセットで組まれた、構築済みのデッキ。プレイヤー同士でテーマデッキを用意すれば、すぐにゲームを始められます。第8版には、色別に5種類のテーマデッキがあります。上級レベルのエキスパンションにも同様のテーマデッキがあります。ゲームを始めたばかりのときは、マジックのテーマデッキを調整して自分のデッキを組むといいでしょう。

適正な対象

 呪文や能力の正しい目標。呪文や能力の中には、特定の条件のカードのみを対象とできるものがあります。例えば、闇への追放には「黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。」と書かれています。この場合、黒でないクリーチャーのみが適正な対象です。
 呪文や能力は、その対象が適正かどうかを、プレイ時と解決時の両方で確認します。どちらかが不適正なら、その呪文や能力は影響を与えられません。呪文や能力のすべての対象が解決時に不適正だったら、それは打ち消されます。
 例えば、闇への追放を緑のクリーチャーにプレイし、そのクリーチャーが解決前に黒になったとします。闇への追放の対象はすべて(この場合は1つだけ)不適正になったので、打ち消されます。
 対象、打ち消すも参照。

デッキ

 きちんと切られた、40枚以上のカード。マジックの遊び方がわかって自分のデッキを組むようになったら、デッキのカードの枚数は60枚以上にしたほうがいいでしょう。マジックのゲームが始まったら、あなたのデッキはライブラリーになります。
 トーナメントのフォーマットによっては、デッキの構築にルールが決まっているものがあります。第6章「リーグとトーナメント」を参照してください。
 デッキの構築、ライブラリーも参照。

デッキの構築

 このゲームを始めたばかりのときは、デッキを何もないところから組むのは大変かもしれません。その時は、こんなやり方を試してみてください。まず好きな色を2つ選びます。ここでは赤と緑にしましょう。そうしたら、山12枚と森12枚を用意します。そこに赤のクリーチャー10体と緑のクリーチャー10体を加えます。さらに赤か緑のインスタントかソーサリーを12枚足し、2枚のアーティファクトと2枚のエンチャントを加えて完成です。さっそくゲームを始めましょう!
 この60枚デッキで何ゲームか遊んでみたら、次は調整する番です。うまく働いていなかったカードを抜き、試してみたい新しいカードを加えてみましょう。デッキのカードが60枚以上で、基本地形以外の同じ名前のカードがそれぞれ4枚以下なら、どのように中身を変えてもかまいません。色は1色か2色にして、60枚デッキなら24枚は土地にしたほうがいいでしょう。そうすれば、呪文をプレイするために十分な枚数の土地が引けるはずです。トレーディング・カードゲームの一番素晴らしい点は、やりたいことは何でもできることです。さあ、今すぐはじめましょう!
 デッキのアイデアやアドバイスに関しては、ホビージャパン社のウェブサイト(http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/index.html)を覗いてみてください。
 テーマデッキも参照。

〜でない

 呪文や能力の中には、「土地でないカード」や「黒でないクリーチャー」などと書いてあるものがあります。これは「カードの中でも土地で無いもの」「クリーチャーの中でも黒でないもの」などを意味します。

手札

 引いて、まだプレイしていないカード。あなたの手札のカードを見ることができるのはあなただけです。手札の枚数制限は7枚です。あなたのクリンナップ・ステップに、手札の枚数が7枚を超えていたら、多い分のカードを捨てて7枚にしなくてはいけません。
 クリンナップ・ステップも参照。

点数でみたマナ・コスト

 マナ・コストの色を無視した総点数。例えば、カードのマナ・コストが{3UU}の場合、点数でみたマナ・コストは5です。カードのマナ・コストが{RR}なら、点数でみたマナ・コストは2です。
 マナ・コストも参照。

投了

 ゲームに負けることがはっきりした場合、あなたはいつでも投了(降参)することができます。投了したら、ゲームは負けになります。
 ゲームの勝利も参照。

トークン

 クリーチャー・トークンを参照。

トーナメント・パック

 75枚のマジックのカードが入ったパック。トーナメント・パックには、30枚の基本地形(各タイプ5枚ずつ)と、ランダムに選ばれた45枚のカードが入っています。一般的なシールド・デッキによるトーナメントでは、あなたはトーナメント・パック1つとブースター・パック2つのカードでデッキを組みます。第8版にはトーナメント・パックはありません。トーナメント・パックは、マジックの大型エキスパンションにあります。

特殊地形

 基本地形以外の土地のこと。
 基本地形でない土地、土地も参照。

土地

 あなたの領土を表すパーマネントのタイプ。土地は通常、マナ(呪文をプレイするために使う魔法の力)を加える能力を持ちます。土地の中には、平地、島、沼、山、森の5種類の基本地形があります。この5種類以外の土地は基本地形でない土地です。
 あなたは、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、土地を1ターンにつき1枚だけプレイすることができます。土地は呪文ではないので打ち消されません。
 基本地形、マナ能力、基本地形でない土地も参照。

トランプル

 ブロックされたときに、余分の戦闘ダメージをプレイヤーに割り振る能力。第8版にはトランプルを持つカードはありませんが、他のマジックのセットで見ることがあるでしょう。
 トランプルを持つクリーチャーがブロックされたら、まずあなたはそれをブロックしているクリーチャーに、それらのクリーチャーを破壊するのに十分なダメージを割り振る必要があります。その上で、残ったダメージを防御プレイヤーに「トランプルで抜けさせる」ことができます。
 戦闘ダメージも参照。

ドロー・ステップ

 開始フェイズの最後のステップ。あなたのドロー・ステップの開始時に、あなたはカードを1枚引きます。その後、プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイすることができます。
 カードを引くも参照。

二段攻撃

 クリーチャーに2回戦闘ダメージを与えさせる能力。二段攻撃を持っているクリーチャーは、先制攻撃ダメージ・ステップと通常の攻撃ダメージ・ステップの両方で戦闘ダメージを与えます。
 先制攻撃、戦闘ダメージ・ステップも参照。

沼渡り

 防御プレイヤーが沼をコントロールしているかぎり、クリーチャーをブロックされなくする能力。
 渡りも参照。

能力

 パーマネントの文章欄にある、ゲームに影響を及ぼす内容(フレイバー・テキストと注釈文は含まない)。
 能力は、それが欠かれているパーマネントが場にある時にのみ効果を発揮します。能力には、起動型能力、常在型能力、誘発型能力の3種類があります。
 能力がプレイされたら、それは打ち消されない限り解決されます。その能力がスタックに置かれたら、その能力の元となったパーマネントに何が起こっても、能力には影響しません。
 起動型能力、常在型能力、誘発型能力も参照。

 場にあるカードやトークンはパーマネントです。アーティファクト、アーティファクト・クリーチャー、クリーチャー、エンチャント、土地のみが場に存在できます。ライブラリー、墓地、手札のカードは場にありません。
 パーマネントも参照。

パーマネント

 場のカードやトークン。パーマネントは、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地のいずれかです。
 パーマネントが場に出たら、破壊されるか、生け贄に捧げられるか、何らかの理由で取り除かれるまではそこに存在します。あなたは、それがたとえ自分がコントロールしているパーマネントであっても、単に必要無いという理由でそれを取り除くことはできません。
 土地以外のパーマネントは、ほとんどの場合プレイ時には呪文です。例えば、あなたはクリーチャー呪文をプレイし、それが解決されたらクリーチャーとなります。
 特に指定が無いかぎり、呪文や能力はパーマネントにのみ影響を与えます。例えば、脱出には「すべてのクリーチャーを、オーナーの手札に戻す。」と書かれています。これはすべての場のクリーチャーを意味し、墓地やその他の場所にあるクリーチャー・カードを含みません。
 また、カードがいったん場を離れて、その後再び場に戻った場合、それはまったく新しいカードとして扱います。そのカードは、以前場にいたときの「記憶」を持っていません。
 場、場を離れるも参照。

パーマネント・タイプ

 パーマネント・タイプは、アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地のいずれかです。
 パーマネントの中には、複数のタイプを持つものがあります。例えば、自然の類似には「ターン終了時まで、すべての土地は2/2のクリーチャーであると同時に土地でもある。」と書かれています。自然の類似のプレイされたターンには、すべての土地は、クリーチャーに影響を与えるものすべての影響を受け、さらに土地に影響を与えるものすべての影響を受けます。

破壊

 パーマネントを場から取り除いてオーナーの墓地に置くこと(インスタントやソーサリーはパーマネントではないので、破壊されることはありません)。
 クリーチャーは、タフネス以上のダメージを受けた場合に破壊されます。また、呪文や能力の多くはパーマネントにダメージを与えずに破壊することができます。
 クリーチャーが破壊されようとする場合、呪文や能力でそれを再生させて場に残すことができます。
 パーマネントの破壊とカードを捨てることは違うことに注意してください。カードを捨てる場合、捨てることができるのは手札のカードだけです。場のカードは捨てられません。
 再生、捨てるも参照。

パス

 あなたが優先権を持っているときに何もしないことを選ぶこと。スタックの呪文や能力は、両方のプレイヤーが連続してパスしないかぎり解決されません。
 優先権、スタックも参照。

発生源

 戦闘ダメージや効果が発生した源。
 戦闘ダメージの場合、その発生源は常にクリーチャーです。戦闘ダメージがスタックに置かれた後でそのクリーチャーが場を離れても、戦闘ダメージはそのまま与えられます。
 効果の場合、その発生源はインスタントかソーサリーかパーマネントです。効果がスタックに置かれた後で、その発生源が破壊されても、効果はそのまま解決されます。なんらかの効果で発生源を指定する場合、あなたは場に出ているパーマネントか、スタック上の呪文を指定しなければいけません。
 スタックも参照。

場に出す

 何かをゲームに出すこと。呪文や能力が何かを場に出すように支持している場合、それはプレイすることとは異なります。あなたは単にそれをコストを支払わずに場に出すだけです。
 例えば、不屈の自然には「あなたのライブラリーから基本地形カードを1枚探し、タップ状態で場に出す。」と書かれています。あなたは1ターンには1枚しか土地をプレイできませんが、土地をプレイした上で不屈の自然をプレイして、結果的に2枚目の土地を場に出すことは可能です。これは土地を「プレイする」ことにはあたらないので、1ターンに1枚の制限に引っかからないのです。

場に出る

 タイプがアーティファクト、アーティファクト・クリーチャー、クリーチャー、エンチャントのカードは、呪文の解決時にパーマネントとして場に出ます。土地もパーマネントとして場に出ます。
 誘発型能力の中には、「(何か)が場に出たとき」と書かれています。この能力は、実際にパーマネントが場に出たときにのみ誘発します。呪文が打ち消されたら誘発しません。また、対戦相手がコントロールするパーマネントを奪っても、場に出たことにはなりません。
 カードの中には、タップ状態で場に出るものがあります。このカードは、アンタップ状態で場に出て、すぐにタップされるわけではありません。場に出たときにはすでにタップ状態になっています。
 誘発型能力も参照。

パワー

 クリーチャー・カードの右下の枠に書かれた、斜線の前の数字。パワーはクリーチャーが戦闘でどれだけのダメージを与えられるかを意味しています。パワーを持つのは、クリーチャーかアーティファクト・クリーチャーだけです。パワーが0以下のクリーチャーは、戦闘で0点のダメージを与えます。
 タフネスも参照。

場を離れる

 カードに「場を離れる」とある場合、そのパーマネントがどこに置かれたかは関係がありません。プレイヤーの手札に戻ったり、場から墓地に置かれたり、その他の領域に行くこともあります。
 また、カードがいったん場を離れて、その後再び場に戻った場合、それはまったく新しいカードとして扱います。そのカードは、以前場にいたときの「記憶」を持っていません。

引き分け

 ゲームが勝者無しで終わること。例えば、インフェルノ(「インフェルノはすべてのクリーチャーとプレイヤーに、それぞれ6点のダメージを与える。」)がダメージを与えた結果、両方のプレイヤーが敗北してしまった場合、ゲームは引き分けになります。

飛行

 クリーチャーのブロックをより困難にする能力。飛行を持たないクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーをブロックできません。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーをブロックできます。

1つを選ぶ

 カードに「1つを選ぶ」と書かれている場合、そのカードをプレイするときに、その選択肢の中の一つを選ばなければいけません。最初に選んだ選択肢がうまくいかなそうになっても、後で別な方を選ぶことはできません。

ブースター、ブースター・パック

 ランダムに選ばれた15枚のマジックのカードが入っているパック。カードのコレクションを増やすのなら、これがお薦めです。

フェイズ

 ターン進行の区切り。ターンは以下の5つのフェイズに分かれています。

  1. 開始フェイズ
  2. メイン・フェイズ
  3. 戦闘フェイズ
  4. メイン・フェイズ(2回目)
  5. 終了フェイズ

 フェイズのいくつかはステップに分かれています(詳しくは、「第3章:ターンの構成」を参照)。各フェイズの最後に、プレイヤーのマナ・プールに残っているマナは失われます(この時、マナ・バーンが起こります)。
 マナ・バーン、スタックも参照。

プレイする

 土地の場合、1ターンに1回だけ手札の土地を場に出すこと。あなたは1ターンに1回だけ、自分のメイン・フェイズでスタックが空のときに、土地をプレイすることができます。土地のプレイはスタックに置かれません。
 呪文の場合、呪文をスタックに置くこと。呪文の種類によって、プレイできるタイミングが異なりますが、呪文をプレイするために、呪文の宣言をし、(必要なら)対象を選び、マナ・コストを支払うということは同じです。
 起動型能力の場合、起動コストを支払ってその能力をスタックに置くこと。起動型能力のプレイ、能力の宣言をし、(必要なら)対象を選び、起動コストを支払うということは呪文と同じです。
 起動型能力、土地、呪文、場、場に出すも参照。

フレイバー・テキスト

 文章欄に、カードの能力とは異なるフォントで書かれた文章。カードに雰囲気を与えるものです。
 フレイバー・テキストは、そのカードの魔法の世界での説明や台詞などです。カッコでくくられて書かれている文章は、ルールに対する注釈で、フレイバー・テキストではありません。フレイバー・テキストはゲームに影響しません。

プレイヤー

 あなたやあなたの対戦相手。呪文や能力でプレイヤーを選ぶ場合、あなた自身を選ぶことができます(「対戦相手」と書かれている場合は、あなた自身は選べません)。あなたが多人数ゲーム(3人以上のプレイヤーで遊ぶゲーム)をしているのなら、ゲームに参加している人はすべて(自分のチームメートも含めて)プレイヤーです。

プロテクション

 クリーチャーを特定の種類の呪文や能力から守るクリーチャーの能力。第8版にはプロテクションを持つカードはありませんが、他のマジックのセットで見ることがあるでしょう。
 プロテクションを持つクリーチャーには「プロテクション(〜)」と書かれています。このカッコの中身が、そのクリーチャーが守られるものです。例えば「プロテクション(赤)」や「プロテクション(白)」などです。
 プロテクションを持っているクリーチャーは、いくつかの恩恵を受けます。

 プロテクションには、色以外に対するものもあります。例えば、クリーチャーは「プロテクション(アーティファクト)」や「プロテクション(ゴブリン)」などの能力を持つこともあります。

ブロック

 攻撃クリーチャーからあなたへのダメージを防ぐために、あなたがコントロールするクリーチャーで妨害を行うこと。
 対戦相手があなたに攻撃を行ったら、あなたのアンタップ状態のクリーチャーはそれぞれ1体の攻撃クリーチャーをブロックすることができます。1体の攻撃クリーチャーを複数のクリーチャーでブロックすることもできます。
 攻撃クリーチャーがブロックされた場合、そのクリーチャーはあなたにダメージを与える代わりに、ブロックしたクリーチャーにダメージを与えます。
 ブロック・クリーチャー、戦闘も参照。

ブロック・クリーチャー

 攻撃クリーチャーのブロックに割り振られたクリーチャー。
 クリーチャーが攻撃クリーチャーをブロックしたら、攻撃クリーチャーのダメージは、防御プレイヤーの代わりにそのブロック・クリーチャーに与えられます。クリーチャーがブロックに参加したら、その戦闘フェイズの間は、そのクリーチャーはブロック・クリーチャーになります。戦闘フェイズ以外ではブロック・クリーチャーは存在しません。
 戦闘ダメージも参照。

ブロック・クリーチャー指定ステップ

 戦闘フェイズの4番目のステップ。ブロック・クリーチャー指定ステップで最初にすることは、攻撃クリーチャーをブロックするかどうかを決めることです。その後、どの攻撃クリーチャーを、あなたのどのクリーチャーでブロックするかを決めます(アンタップ状態のクリーチャーのみがブロックを行えます)。ブロック・クリーチャーはブロックしてもタップされないことに注意してください。
 あなたのクリーチャーは、それぞれ1体の攻撃クリーチャーのみをブロックできます。ただし、1体の攻撃クリーチャーを複数のクリーチャーでブロックすることは可能です。
 ブロック・クリーチャーの宣言が終わったら、プレイヤーはインスタントや起動型能力をプレイすることができます。
 戦闘フェイズも参照。

ブロックされたクリーチャー

 少なくとも1体のクリーチャーによってブロックされた攻撃クリーチャー。
 クリーチャーがブロックされたら、そのクリーチャーは残りの戦闘フェイズの間ブロックされた状態のままです。これはすべてのブロック・クリーチャーが場を離れても変わりません。言い換えれば、クリーチャーがブロックされたら、そのダメージを防御プレイヤーに与える方法は(攻撃クリーチャーがトランプルを持っていないかぎり)ありません。
 攻撃クリーチャー、戦闘ダメージ、トランプルも参照。

ブロックされていない

 クリーチャーが攻撃して、防御プレイヤーがそのクリーチャーをブロックしないことを選んだ場合、そのクリーチャーはブロックされていないクリーチャーになります。

ブロックされない

 クリーチャーがブロックされないと書かれている場合は、防御プレイヤーはそのクリーチャーの攻撃をブロックできません。

文章欄

 カードの下半分の枠。文章欄には、能力、フレイバー・テキスト、注釈文が書かれています。カッコつきの注釈文や、独自のフォントで書かれているフレイバー・テキストは、そのカードの働きには影響しません。
 フレイバー・テキスト、注釈文も参照。

防御側プレイヤー

 攻撃をされているプレイヤー。

平地渡り

 防御プレイヤーが平地をコントロールしているかぎり、クリーチャーをブロックされなくする能力。
 渡りも参照。

墓地

 あなたの捨て札置き場。カードは、捨てられたとき、破壊されたとき、生け贄に捧げられたとき、あるいは何らかの効果で指示があった時に、墓地に置かれます。各プレイヤーにはそれぞれの墓地があります。墓地のカードは常に表向きに置かれます。あなたは対戦相手の墓地のカードを確認することができます。

マナ

 あなたが呪文や能力をプレイするために必要となる魔法のエネルギー。マナのほとんどは、土地をタップすることで得られます。マナには、{W}(白)、{U}(青)、{B}(黒)、{R}(赤)、{G}(緑)の5種類の色があります。また、無色のマナもあります。
 マナ能力、マナ・バーン、マナ・コスト、マナ・プール、無色マナも参照。

マナ・コスト

 呪文をプレイするために支払わなければいけないマナ。カードのマナ・コストは、右上角に書かれています。
 マナ・コストのシンボルは、どの種類のマナを支払わなければいけないかを示しています。例えば、{R}は「赤マナ1点」ですし、{2}は「好きなタイプのマナを2点」です。アーティファクト以外の呪文には、少なくとも1点の特定の色のマナが必要です。
 カードのマナ・コストのシンボルは、そのカードの色を決定します。例えば、カードのマナ・コストが{R}なら、そのカードは赤です。
 マナ・コストと点数で見たマナ・コストを混同しないでください。点数で見たマナ・コストとは、マナ・コストの色を無視したマナの総点数です。
 点数でみたマナ・コスト、マナも参照。

マナ能力

 あなたのマナ・プールにマナを加える能力。マナ能力は起動型能力か誘発型能力です。それはプレイしたときにはスタックには置かれず、ただちにマナ・プールにマナを加えます。
 マナ、マナ・プールも参照。

マナ・バーン

 マナはマナ・プールにずっと残っているわけではありません。各フェイズの最後に、あなたはまだマナ・プールに残っているマナをすべて失い、これにより失われたマナ1点につき1点のライフを失います(これはダメージではないので、軽減できません)。これがマナ・バーンと呼ばれます。なので、余計な土地をタップして使わないマナを加えないように!
 マナ、マナ・プールも参照。

マナ・プール

 あなたのマナを、実際に使用するときまでためておく場所。加えられたマナは、あなたがそれを使うか、フェイズの終わりが来るまでそこに残ります。
 マナ、マナ・バーンも参照。

マリガン

 マジックのゲームの開始時に、あなたはライブラリーの一番上から7枚のカードを引きます。これがあなたの最初の手札です。もしこの最初の手札が気に入らない場合(プレイできる土地が無いなど)、あなたはマリガンをすることができます。
 マリガンをしたら、あなたのライブラリーに手札をすべて加えて切りなおし、1枚少ない枚数のカードを引いて新しい最初の手札とします(ライブラリーを切りなおす前に手札を見せる必要はありません)。マリガンは何回でも行えますが、1回マリガンをするたびに手札は1枚ずつ少なくなります。両方のプレイヤーがこれ以上マリガンをしないことにしたら、ゲームを始めます。

無作為

 どのプレイヤーも選択せず、ランダムに選ぶことを意味します。例えば、呪文の中にはあなたの手札のカードを無作為に捨てさせる呪文があります。

無色

 アーティファクトと土地は無色です。無色は色ではありません。なんらかの理由で色を選ぶ場合、無色を選ぶことはできません。
 色も参照。

無色マナ

 カードの中には無色マナを加えるものがあります。例えば、土地の中には{1}(無色マナ1点)をあなたのマナ・プールに加える能力を持っているものがあります。色マナのマナ・コストを無色マナで支払うことはできません。

メイン・フェイズ

 1つのターンには2つのメイン・フェイズがあります。1つは戦闘フェイズより前で、もう一つは戦闘フェイズより後です。あなたのメイン・フェイズは、あなたがアーティファクト、クリーチャー、エンチャント、ソーサリーをプレイできる唯一のタイミングです。また、あなたがこのターンに土地をプレイしていないなら、メイン・フェイズに土地をプレイすることができます。また、インスタントや起動型能力もプレイできます。

森渡り

 防御プレイヤーが森をコントロールしているかぎり、クリーチャーをブロックされなくする能力。
 渡りも参照。

山渡り

 防御プレイヤーが山をコントロールしているかぎり、クリーチャーをブロックされなくする能力。
 渡りも参照。

優先権

 あなたは優先権を持っているときにのみ呪文や能力をプレイできます。ほとんどのフェイズやステップの開始時に、アクティブ・プレイヤーは優先権を得ます。あなたが優先権を持っているとき、あなたは呪文や能力をプレイすることもできますし、パスしてもかまいません。あなたがパスをしたなら、対戦相手が優先権を得ます。また、呪文や能力の解決後は、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。そのプレイヤーがパスをしたら、対戦相手が優先権を得ます。
 スタック、アクティブ・プレイヤーも参照。

誘発イベント

 誘発型能力の前半部分。誘発イベントは、誘発型能力がいつスタックに置かれるのかを示しています。誘発イベントは「クリーチャーが場に出るたび〜」や「戦闘の開始時に〜」などと書かれています。
 誘発型能力も参照。

誘発型能力

 特定の事柄が発生したときに、自動的にスタックに置かれる能力のタイプ。誘発型能力はプレイされません。それは誘発イベントが発生したときにスタックに置かれます。
 例えば、ありがたい老修道士には「ありがたい老修道士が場に出たとき、あなたは2点のライフを得る。」とかかれています。この場合の誘発イベントは、ありがたい老修道士が場に出ることです。それが起こったときに、ありがたい老修道士の能力はスタックに置かれます。解決時に、あなたは2点のライフを得ます。
 誘発型能力には、かならず「〜したとき」「〜するたび」「〜時」(「戦闘の開始時」など)と書かれています。誘発型能力を後に遅らせることはできません。それがスタックに置かれたら、必ず解決されます。
 誘発イベント、場に出るも参照。

ライフ、ライフの総量

 各プレイヤーは、20点のライフでゲームを始めます。効果やブロックされていないクリーチャーによりダメージを受けた場合、そのダメージの点数分ライフの総量を減らします。あなたのライフの総量が0以下になった場合、あなたはゲームに敗北します。何らかの理由で同時に両方のプレイヤーのライフの総量が0未満になった場合、そのゲームは引き分けです。
 ライフを失う、ライフを支払う、ゲームの勝利も参照。

ライブラリー

 あなたが引くカードの束。マジックのゲームの最初に、あなたはデッキをよく切って伏せて置きます。それがこのゲームのライブラリーです。
 各プレイヤーにはそれぞれライブラリーがあります。プレイヤーは(呪文や能力で指示されないかぎり)、自分のライブラリーのカードの順番を変えたり、ライブラリーの中のカードを見たりすることはできません。
 引くも参照。

ライフを失う

 ライフを失うことはダメージを受けることとは異なります。例えば、魂の饗宴には「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは4点のライフを失い、あなたは4点のライフを得る。」と書かれています。これはライフを失うことであり、ダメージではありません。したがって、ダメージ軽減ではこれを防ぐことはできません。
 ダメージ、ライフを支払うも参照。

ライフを支払う

 呪文や能力の中には、コストとしてあなたにライフの支払いを求めるものがあります。あなたは現在の自分のライフの点数を超えるライフを支払うことはできません。ライフの支払いはダメージではないので、軽減はできません。
 ライフ、ライフを失うを参照。

領域

 マジックのゲームには、領域と呼ばれるエリアがあります。領域は、ライブラリー、墓地、手札、場、スタック、ゲーム外で、カードはこれらの領域のいずれかにあることになります。

ルールブック

 あなたが今読んでいるもの。このルールブックは、最初から最後まで通して読むものではありません。あなたが何かを疑問に思ったときに読むものです。
 さらにマジックのルールのエキスパートを目指すなら、ぜひ統括ルールを読むことをお勧めします。これは、magicthegathering.comのルールのセクションで見ることができます(英語)。ただし、これは非常に専門的な書き方をされていますので注意してください。(日本語訳(詳細ルール)は http://mjmj.info/data/CompRules_j.htmlで参照できます)

レア

 レア度を参照。

レア度

 あなたが特定のカードを手に入れる確率の高さ。マジックのカードには、コモン、アンコモン、レアの3段階のレア度があります。コモンのカードは最も簡単に手に入り、レアはなかなか手に入らないでしょう。カードのエキスパンション・シンボルの色はレア度を表しています。黒はコモン、銀はアンコモン、金はレアです。

レジェンド

 特殊なルールを持つクリーチャー・タイプ。第8版にはレジェンドは登場しませんが、他のマジックのセットで見ることがあるでしょう。
 クリーチャーのタイプがレジェンドの場合、そのクリーチャーは同時に1体しか場にいることができません。同じカード名のクリーチャーが場に出たら、今場に出たばかりの方をオーナーの墓地におきます(再生はできません)。
 クリーチャー・タイプも参照。

渡り

 防御プレイヤーが特定の土地をコントロールしているかぎり、クリーチャーをブロックされなくする能力。「渡り」には、平地渡り、島渡り、沼渡り、山渡り、森渡りが含まれます。
 渡り能力を渡り能力で相殺することはできません。例えば、あなたのクリーチャーが森渡りを持っていて、これで森をコントロールしているプレイヤーを攻撃したとしましょう。そのプレイヤーは、森渡りクリーチャーをブロックできません。自分の森渡りクリーチャーでもです。

制作スタッフ

Original Magic Game Design: Richard Garfield
Game Design and Development: Randy Buehler Jr., Elaine Chase, Michael Donais, Robert Gutschera, William Jockuschand Mark Rosewater, with contributions from Paul Barclay, Kierin Chase, and Brady Dommermuth
Core Game: Randy Buehler Jr., Elaine Chase, Del Laugel, and Jonathan Tweet
Editing: Del Laugel, Bill "Quill" McQuillan, and Darla Kennerud
Magic Lead Design: Bill Rose
Rules Writing: Paul Barclay, Elaine Chase, and Brady Dommermuth
Creative Direction: Brady Dommermuth
Flavor Text: Brandon Bozzi, Jennifer Clarke Wilkes, Brady Dommermuth, Aaron Forsythe, Del Laugel, Tyson Moyer, Rei Nakazawa, Daniel Stahl, and Teeuwynn Woodruff
Art Direction: Jeremy Cranford
Graphic Design: Lisa Hanson and John Casebeer
Typesetting: Chel Bieze
Production: Brian Dumas and Gretchen Tapp
Play Guide Design and Illustration: Stan Shaw
Original Magic Graphic Design: Jesper Myrfors, Lisa Stevens, and Christopher Rush
Japanese Translation: Yoshiya Shindo
Product Management: Wendy Wallace
Localization Management: David Serra
CD-ROM Producer: Fred Royal
Marketing Management: Kyle Murray
Thanks to all of our project team members and the many others too numerous to mention who contributed to this product.
Special thanks to Aaron Forsythe and the readers of MagicTheGathering.com.
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