このルールに関して、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が著作権を持ちます。
(このファイルの最後に詳細は記述してあります)
このファイルは、マジック・ザ・ギャザリングのComprehensive Rulesを、Japan Netrep *ぱお*/米村 薫 が協力者の助力の下で翻訳したものです。
このルールの英文は http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=magic/rules に、翻訳文は http://mjmj.info/data/CompRules_j.html にあります。
再配布は制限しませんが、この巻頭辞まで含めた完全な形でお願いいたします。
この翻訳に関して疑問等ありましたら、*ぱお*/米村 薫 までメールでご連絡ください。
0. はじめに
1. ゲームの考え方
200. 全般
5. ターンの構造
500. 総則
600. 総則
7. その他のルール
700. 総則
800. 総則
803. 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール
10. 用語集
この文書は、マジック・ザ・ギャザリングの基本的なゲームを理解した人たちのために編集されている。初心者にとって、このルールはほとんどの場合、不必要で複雑なものである。このルールに書かれていることは、このゲームに関するルール・グルになるためのものであり、特殊な問題が生じたときか、あるいは競技プレイの間にしか必要ではないだろう。
気軽なプレイの時にはもちろん、また、そうでなくてもほとんどの状況では、基本ルールブックで充分である(基本ルールブックの内容は、ウィザーズ社のマジック・ルールのウェブサイト http://www.wizards.com/Magic/rules からダウンロードできる)。それ以上の詳細なルールを求めるのであれば、これ以降を読み進めるとよい。
この文章は、章立てられたルールと、用語集からなっている。ルールの多くは細分化され、それぞれのルールとサブルールには番号が振られている。(なお、サブルールの項番において"i"と"o"はそれぞれ"1"、"0"と似ているため欠番となっている。たとえば、rule 704.5kの次はrule 704.5m、rule 704.5n、rule 704.5p となっている。)
ウィザーズ社は、ルールをいかに細かく定めたとしても、特定のカードの相互作用によって正確な解答が必要な状況があることは判っている。疑問がある場合、ウィザーズ社の http://www.wizards.com/customerservice に問い合わせて、その解答を得ることができる。これ以外の連絡先は、このファイルの末尾に記されている。
問題の発生に応じて、またルールをできる限り新しく保つために、公開以降にも変更が加えられる可能性がある。公式ルールの現在の版は、ウィザーズ社のサイト内の http://www.wizards.com/Magic/rules に公開されている。
100.1. このマジックのルールは、2人ないしそれ以上のプレイヤーによるゲームに適用される。2人による対戦と、3人以上のプレイヤーによる多人数戦がある。
100.2. ゲームをするにあたって、各プレイヤーは、自分の、定形のマジックのカードで作られたデッキと、トークンやカウンターを示す小さな物、ライフ総量をはっきり示す方法、を必要とする。
100.2a 構築環境(各プレイヤーが自分のデッキを作っておいて持ち寄るという遊び方)では、各デッキには60枚以上のカードが入っていなければならない。構築 デッキは、任意の枚数の基本 土地 カードと、特定の英語名ごとに4枚以下の基本 土地以外のカードからなる。
100.2b リミテッド環境(各プレイヤーが一定量の未開封のマジックのパックを受け取り、それを用いて会場内で自分のデッキを組むという遊び方)では、各デッキには40枚以上のカードが入っていなければならない。リミテッドにおいては、そのパックに含まれていたものであるかぎり、同じカードを何枚デッキに入れても問題ない。
100.3. カジュアル変種ルールには、そのためにデザインされたカードや定形外のマジックのカード、あるいはダイスなどの追加の道具を必要とするものがある。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
100.4. 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間にデッキを調整するための追加のカードであるサイドボードを持つことが認められることがある。
100.4a 構築環境では、サイドボードの使用は任意であるが、用いられる場合はちょうど15枚でなければらない。4枚制限(rule 100.2a 参照)はデッキとサイドボードをあわせた状態で適用される。
100.4b 個人が対戦を行なうリミテッド環境では、手にしたカードのうちでデッキに入らなかったカードすべてがそのプレイヤーのサイドボードとなる。
100.4c 双頭巨人戦のリミテッド環境では、チームが手にしたカードのうちでどちらのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードがチームのサイドボードとなる。
100.4d 「チーム戦」変種ルールが適用されるそれ以外の多人数戦では、チームが手にしたカードのうちでどのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードは、いずれか1人のプレイヤーのサイドボードとなる。各プレイヤーはそれぞれにサイドボードを持ち、プレイヤー間での交換は認められない。
100.6. ほとんどのマジックのイベント(他のプレイヤーと、賞を求めて競い合う組織的プレイ)には、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/wpn/Events/Rules.aspx)に定められている追加のルールが適用される。例えば、古いセットからのカードはすべて禁止、などである。(訳注:日本語版は http://mjmj.info/data/ で公開されている)
100.6a ほとんどのイベントは、複数のマッチからなる。2人対戦のマッチは通常1人のプレイヤーが2勝するまで行なわれる。多人数戦のマッチは通常1ゲームからなる。
100.6b プレイヤーは最寄りのイベントを探すため、Magic Store & Event Locator http://www.wizards.com/locator/ を使用することができる。
101.1. カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。
101.2. あるルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によって同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。
例:「このターンに、あなたは土地を1枚追加でプレイしてよい」という効果があり、他方では「このターン、あなたは土地 カードをプレイすることはできない」という効果があった場合、土地のプレイを禁止する効果のほうが優先される。
101.3. カードの指示の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにこれの処置が明記されている。そうでなければ、なんの効果ももたらさない)
101.4. 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行なっていく。選択の終わった後、同時に処理する。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。
例:「それぞれのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる」というカードがあった場合、まずアクティブ・プレイヤーが自分のコントロールするクリーチャーを1体選び、それから非アクティブ・プレイヤーがターン進行順にそれぞれ自分のコントロールするクリーチャーを1体ずつ選ぶ。その後でそれらのクリーチャーが同時に生け贄に捧げられる。
101.4a 効果によって各プレイヤーが手札やライブラリーなど非公開の領域からカードを選ぶ場合、そのカードは選ばれた時点では裏向きのままになる。しかし、どのカードを選んだかは明白に示されなければならない。
101.4b プレイヤーは、rule 101.4a の例外を除いて、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行なう。
101.4c 1人のプレイヤーが複数の選択を同時に行なう場合、書かれている順で選択を行なう。順番が指定されていなければ、そのプレイヤーの任意の順で選択を行なう。
101.4d 非アクティブ・プレイヤーの行なったいずれかの選択によってアクティブ・プレイヤー、またはターン順で前にいる非アクティブ・プレイヤーによる選択が必要となった場合、その時点で残っているすべての選択のためにAPNAP順が再び開始される。
102.1. プレイヤーとは、そのゲームに参加している各人のことである。アクティブ・プレイヤーとは、現在進行中のターンのプレイヤーのことである。他のプレイヤーのことを、非アクティブ・プレイヤーと呼ぶ。
102.2. 2人対戦においては、プレイヤーの対戦相手とはもう一方のプレイヤーのことである。
102.3. チームによる多人数戦においては、同じチームに属する他のプレイヤーはチームメイトであり、同じチームに属さないプレイヤーは対戦相手である。
103.1. ゲームを始めるとき、それぞれのプレイヤーは自分のデッキを切り直し、カードが不規則な順序になるようにする。その後、対戦相手のデッキを切り直したりカットしたりしてもよい。プレイヤーのデッキは以後そのプレイヤーのライブラリーとなる。
103.1a プレイヤーがサイドボード(rule 100.4 参照)またはチェックリスト・カードで示されている両面カード(rule 711.9 参照)を使っている場合、切り直す前にそれらを取り除く。
103.1b 統率者戦では、各プレイヤーは切り直す前に自分のデッキから自分の統率者を取り出し、表向きで統率 領域に置く。rule 903.6 参照。
103.2. デッキを切り直した後、どちらが先攻後攻を選ぶかを決める。マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、その方法は相互に納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定する。先攻となったプレイヤーは開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。
103.2a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いているゲームにおいては、開始プレイヤーではなく開始チームが存在する。
103.3. 開始プレイヤーが決定された後、それぞれのプレイヤーはそのライフ総量を20にし、そして7枚の手札を引く。
103.3a 双頭巨人戦では、各チームの共有ライフ総量は30点から始まる。
103.3b ヴァンガード戦では、 ヴァンガード戦では、各プレイヤーは自分のライフ総量を20点にを20点にヴァンガード・カードによるライフ補正子を加えたものにし、7枚に7枚にヴァンガード・カードによる手札補正子を加えた枚数だけ手札を引く。
103.4. 最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行なうことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行なうかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行なう。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行なう。マリガンとは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして1枚少ない枚数の新しい手札を引くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーのゲーム開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。(手札が0枚になった場合、そのプレイヤーはそれ以上マリガンすることはできない。)
103.4a 効果によって「あなたがマリガンをできる状態で」何か処理を実行すると書かれている場合、そのプレイヤーはその処理を、マリガンするかしないかを決定する時に行なってもよい。これは1回目のマリガンである必要はなく、他のプレイヤーがマリガンするかどうか決めていようがいまいが関係ない。その処理をした場合、そのプレイヤーは改めてマリガンするかどうかの選択を行なう。
103.4b 多人数戦では、各プレイヤーが最初にマリガンを行なう場合、最初に引いたのと同じ枚数の手札を引く。それ以降のマリガンでは、通常通り1枚ずつ手札が減らされていく。
103.4c 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦において、まず開始チームの各プレイヤーがマリガンを行なうかどうかを選択し、その後他のチームそれぞれのプレイヤーがターン順に同様の選択を行なう。チームメイトはマリガンを行なうかどうか相談してもよい。その後、全てのマリガンが同時に行なわれる。チームメイトがマリガンをしないことを選んだ後でも、もう一方のプレイヤーはマリガンすることができる。
103.4d 統率者戦カジュアル変種ルールにおいては、異なったマリガンのルールを用いる。マリガンを行なう場合、手札すべてを自分のライブラリーに混ぜ入れるのではなく、手札から好きな枚数のカードを追放し、その追放した枚数よりも1枚少ないだけのカードを引く。プレイヤーが開始時の手札を決定したら、この方法で追放していたカードすべてを自分のライブラリーに混ぜ入れる。
103.5. ゲーム開始時の手札にある場合にプレイヤーが何か処理を行なうことが出来るカードが存在する。全てのプレイヤーがゲーム開始時の手札を決定した後、開始プレイヤーはそれらの処理を好きな順番で行なってよい。その後、他のプレイヤーがターン進行順に同様の処理を行なう。
103.5a 戦場に出した状態でゲームを始めてもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカードを戦場に出す。
103.5b 開始時の手札から公開してもよいというカードがあった場合、その処理を行なったプレイヤーはそのカードを公開する。そのカードは、最初のターンが始まるまで公開されたままとなる。この方法で公開できるのは、各カードにつき一度だけである。
103.5c 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦においては、開始チームのプレイヤーはそのチームの望む順番でこれらの処理を行なってもよい。この決定について、チームメイトと相談してもよい。その後、他のチームのプレイヤーがターン進行順に同様の処理を行なう。
103.6. プレインチェイス戦においては、開始プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取って表向きに置く。そのカードが次元 カードだった場合、そのカードが開始次元となる。現象 カードだった場合、そのカードを次元デッキの一番下に置き、次元 カードが表向きになるまでこの手順を繰り返す。(rule 901〔プレインチェイス戦〕参照)
103.7a 2人対戦では、先攻のプレイヤーは、最初のターンのドロー・ステップ(rule 504〔ドロー・ステップ〕参照)を飛ばす。
104.1. いずれかのプレイヤーが勝った、またはゲームが引き分けになった、あるいはそのゲームが再び開始されたら、そのゲームは即座に終わる。
104.2. ゲームの勝利となる条件がいくつか存在する。
104.2a ゲームに残っているプレイヤー1人から見た対戦相手全員がゲームから除外された場合、その残っているプレイヤーの勝ちとなる。これは即座に処理され、そのプレイヤーが勝利できないというあらゆる効果を無視する。
104.2b 何らかの効果によって勝ちとなることもある。(ただし、多人数戦においては、それによってゲーム全体が終わりにならない場合もある。rule 104.3h 参照)
104.2c チームによる多人数戦においては、少なくとも1人のプレイヤーがゲームに残っているチームから見て他のチーム全てがゲームから除外された場合、その残っているプレイヤーのいるチームの勝ちとなる。勝ちとなったチームのプレイヤーは、そのプレイヤー自身が負けになっていたとしても、全員が勝ちとなる。
104.2d 皇帝戦においては、皇帝がゲームに勝ったチームの勝ちとなる(rule 809.5 参照)。
104.3. ゲームの敗北となる条件がいくつか存在する。
104.3a プレイヤーはいつでも投了できる。投了したプレイヤーは即座にゲームから除外され、そして負けとなる。
104.3b プレイヤーのライフの合計が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき、ゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3c ライブラリーに残っているよりも多いカードを引くことが求められたら、残されているカードをすべて引き、次に優先権が発生したときにそのゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3d プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3e 効果によってプレイヤーが負けになることがある。
104.3f あるゲームにおいて、あるプレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーはそのゲームに負ける。
104.3g チームによる多人数戦では、そのチームのプレイヤー全てがそのゲームで負けたときにチームもそのゲームに負ける。
104.3h 多人数戦において、あるいプレイヤーの勝ちになる効果は、その代わりに、そのプレイヤーの対戦相手すべてを負けにする。(「影響範囲限定」選択ルールを用いている場合、これによってゲームが終わりにならない場合がある。rule 801 参照)。
104.3i 皇帝戦において、皇帝がゲームに負けたチームは負けとなる(rule 809.5 参照)。
104.3j 統率者戦において、1つのゲームを通して、単一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは負けとなる。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 903.14 参照。)
104.3k イベントにおいては、ジャッジによって与えられる懲罰の結果としてゲームに負けることがある。rule 100.6 参照。
104.4. ゲームが引き分けとなる条件がいくつか存在する。
104.4a ゲームに残っていたプレイヤー全員が同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
104.4b 「影響範囲限定」選択ルールを用いないゲーム(二人戦を含む)において、ゲームが選択的でない処理による「ループ」を作り、それを止める方法がない場合、ゲームは引き分けとなる。選択可能な処理が含まれるループによって引き分けになることはない。
104.4c 効果によってゲームが引き分けになることがある。
104.4d チームによる多人数戦においては、残っていたチーム全てが同時に負けた場合、ゲームは引き分けとなる。
104.4e 「影響範囲限定」選択ルールを使った多人数戦において、ゲームを引き分けにする呪文や能力の効果は、その呪文や能力のコントローラーとその影響範囲内にいるプレイヤーを引き分けにする。それらのプレイヤーはゲームから除外され、他のプレイヤーによってゲームが続けられることになる。
104.4f 「影響範囲限定」選択ルールを使った多人数戦において、ゲームが選択的でない処理による「ループ」を作り、それを止める方法がない場合、そのループに含まれるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、ならびにその各プレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから除外され、他のプレイヤーがゲームを続ける。
104.4g チーム同士による多人数戦においては、そのチームの残っているプレイヤーすべてが引き分けに終わった場合、そのチームも引き分けになる。
104.4h 「皇帝戦」変種ルールにおいて、その皇帝がゲームに引き分けになった場合、チームも引き分けになる(rule 807.5 参照)。
104.4i イベントにおいては、ゲームに参加しているプレイヤー全員の同意によって引き分けに出来る。rule 100.6 参照。
104.5. プレイヤーが負けになったら、そのプレイヤーはゲームから除外される。プレイヤーが引き分けになったら、そのプレイヤーはゲームから除外される。多人数戦のルールで、プレイヤーがゲームから除外される場合について記述されている。rule 800.4 参照。
104.6. ゲームを再び開始する カード(《解放された者、カーン》)が存在する。再び開始されたゲームにその時点で参加している全てのプレイヤーは、即座に新しいゲームを開始する。rule 714〔ゲームを再び開始する〕参照。
105.1. マジックでいう色とは、「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
105.2. オブジェクトは、上記の5つの色のうちで1つないしそれ以上の色を持つこともあり得るし、無色であることもありうる。オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。オブジェクトの色は、色指標や特性定義能力によって定義されることもある。rule 202.2 参照。
105.3. 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトに色を与えたりすることがある。効果によってオブジェクトが新しい色を得る場合、(効果に「それの他の色に加えて/in addition to its other colors」と書かれていない限り)それまでの色に関係なく、与えられた色だけを持つ。効果によって、色を持つオブジェクトが無色になることもある。
105.4. プレイヤーが色を選ぶ場合、上記の5色の中から選ばなければならない。「多色/multicolored」や「無色/colorless」は色ではない。
106.1. マナはマジックの基礎となるリソースである。プレイヤーはマナを消費して、呪文を唱えたり能力を起動したりする場合などのコストを支払う。
106.1a 5色のマナが存在する。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」である。
106.1b マナのタイプは6種類である。「白/White」「青/Blue」「黒/Black」「赤/Red」「緑/Green」、並びに「無色/Colorless」である。
106.2. マナはマナ・シンボル(rule 107.4 参照)によって表される。マナ・シンボルはマナ・コストを示すのにも使われる(rule 202 参照)。
106.3. マナはマナ能力(rule 605 参照)の効果によって生み出される。それ以外にも、呪文やマナ能力以外の能力の効果によって生み出されることもある。
106.4. 効果がマナを生み出す場合、そのマナはプレイヤーのマナ・プールに置かれる。これ以降、コストを支払うために即座に使うこともできるし、マナ・プールに残しておくこともできる。各プレイヤーのマナ・プールは、各ステップならびにフェイズの終了時に空になる。
106.4a マナをマナ・プールに残したプレイヤーが優先権をパスした場合(rule 116 参照)、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。コストを支払うためにマナを消費した後でマナがマナ・プールに残っている場合、そのプレイヤーはどのマナが残っているかを宣言する。
106.5. 能力が、タイプの定義されていないマナを生み出す場合、代わりに マナを生み出さない。
例:《隕石のクレーター》は「{Tap}: あなたがコントロールするパーマネントの色1色を選ぶ。あなたのマナ・プールに、その色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。あなたが色のついたパーマネントをコントロールしていない場合に《隕石のクレーター》のマナ能力を起動したとしても、マナを生み出すことはない。
106.6. 呪文や能力の中には、生み出したマナをどう使うかについて限定のあるものや、そのマナを消費した呪文や能力に影響を及ぼす追加の効果を持つものがある。それらはマナのタイプには影響を及ぼさない。
例:プレイヤーのマナ・プールに、累加アップキープ・コストの支払いにだけ消費できる{1}{U}がある。そのプレイヤーが《倍化の立方体》の、「{3},{Tap}:あなたのマナ・プールにある各タイプのマナの量を2倍にする。」という能力を起動した。そのプレイヤーのマナ・プールには{2}{U}{U}があり、そのうちで{1}{U}は好きな目的で使うことができる。
106.7. 他のパーマネントが生み出すことができるマナのタイプによってマナを生み出す能力がある。「生み出すことができる/could produce」マナのタイプとは、そのパーマネントの能力がその時点で解決され、すべての存在する置換効果が適用されたとして生み出されるマナのタイプのことである。その能力のためのコストが支払えるかどうかは考慮しない。そのパーマネントがマナを生み出さない場合、あるいは生み出すマナのタイプが定義されない場合、どのタイプのマナも生み出すことはできない。
例:《風変わりな果樹園》は「{T}:あなたのマナ・プールに、いずれかの対戦相手がコントロールする土地が生み出すことのできる色1色のマナ1点を加える。」という能力を持つ。対戦相手が土地をコントロールしていなかった場合、《風変わりな果樹園》のマナ能力を起動してもマナを生み出すことはできない。これは、あなたと対戦相手がそれぞれ《風変わりな果樹園》だけを出している場合も同じである。ただし、あなたがそれに加えて《森》をコントロールしていた場合、あなたの《風変わりな果樹園》も対戦相手の《風変わりな果樹園》も{G}を生み出すことができる。
106.8. 何らかの効果が混成マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合には、そのプレイヤーがそのシンボルのいずれか半分を選ぶ。色がある半分を選んだ場合、その色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。無色の半分を選んだ場合、そこに示されている数の無色 マナをそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.9. 何らかの効果がファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合には、そのシンボルの色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
106.10. 「パーマネントをマナを引き出す目的でタップする/tap a permanent for mana」とは、そのパーマネントの、起動コストに{Tap}シンボルを含むマナ能力を起動するということを意味する。rule 605〔マナ能力〕参照。
106.11. あるカード(《魔力奪取/Drain Power》)によって、あるプレイヤーのマナ・プールにあるマナ全てを他のプレイヤーのマナ・プールに移すことがある(同一のプレイヤーでも構わない)。これは、前者のプレイヤーのマナ・プールを空にし、この方法で空にされたマナを後者のプレイヤーのマナ・プールに入れるということを意味する。どのパーマネント、呪文、能力によって作られたかということは変更されず、そのマナに課せられている制限や追加の効果も変更されない。
107.1. マジックのゲームでは、整数だけを用いる。
107.1a 分数や小数を選んだり、分数や小数分のダメージを与えたり、ライフを得たりするようなことはできない。呪文や能力によって分数が出てくる可能性がある場合、その呪文や能力に切り上げか切り捨てかが明記されている。
107.1b ほとんどの場合、マジックにおいては正の数と0だけを用いる。負の数を選んだり、負の値のダメージを与えたり、ライフを得たりすることはできない。クリーチャーのパワーなど、ゲーム中に値として負の数が存在することはありうる。計算や比較のために負の値を用いる必要がある場合、そのまま負の値を用いる。効果の結果を定める計算の結果が負の数になった場合、その効果が、プレイヤーのライフ総量をある値にしたり、プレイヤーのライフ総量を倍にしたり、クリーチャーのパワーやタフネスをある値にするなどの変更を加えたりするものでない限り、0として扱う。
例:3/4クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/4になり、戦闘では0点のダメージを割り振ることになる。パワーとタフネスの合計は2であり、パワーを1に増加させるためには+3/+0の修整が必要である。
例:《ヴィリジアンの社交家》は1/2クリーチャーで、「{Tap}:あなたのマナ・プールに、ヴィリジアンの社交家のパワーに等しい点数の{G}を加える。」という能力を持つ。効果によって-2/-0されていた場合、この能力を起動してもあなたのマナ・プールにマナが加えられることはない。
107.1c ルールや能力がプレイヤーに「望む数/any number」を選ばせる場合、その「望む数」のプレイヤーやダメージやカウンターが分配されたり割り振られたりする場合、可能ならば0より多い数のプレイヤーやオブジェクトを選ばなければならない。そうでなければ、0以上の任意の整数を選ぶことが出来る。
107.2. 未定義の数字が結果であれ計算中であれ出てきた場合、代わりに0を用いる。
107.3. 多くのオブジェクトは、まだ決定されていない数を必要とする部分にXの文字を用いている。オブジェクトによっては、Xの値を定義する能力が存在する。それ以外の場合、そのコントローラーがXの値を選ぶ。
107.3a 呪文や起動型能力がマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストに{X}、[-X]、あるいはXを含む場合、Xがその呪文や能力の文章内で定義されていない限り、その呪文や能力のコントローラーが呪文を唱えるあるいは能力を起動する行為の一部としてXの値を選び、宣言する(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。呪文がスタック上にある間、マナ・コストに含まれるXは宣言された値である。起動型能力がスタックにある間、起動コストに含まれるXは宣言された値である。
107.3b Xがその呪文の文章によって定義されていないマナ・コストに{X}を含む呪文を、マナ・コストもXを含む代替コストも支払わずに唱えられる効果によって唱える 場合、Xについての適正な選択は0だけである。これはコストを減らす効果によって0になったとしても適用されない。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
107.3c 呪文や起動型能力のコストあるいは文章に{X}、[-X]、Xが含まれ、その値がその呪文や能力の文章によって定義されている場合、その呪文や能力がスタックにある間のXの値はその値である。その呪文や能力のコントローラーは値を選ぶことはできない。ただし、その呪文や能力がスタックにある間にも、Xの値が変動することはあり得る。
107.3d 待機 コストや変異 コストなど、特別な処理に関するコストに{X}やXが含まれている場合、そのXはその特別な処理をするプレイヤーがそのコストを支払う時に選ぶ。
107.3e Xがマナ・コスト、代替コスト、追加コスト、起動コストではない文中にある場合、そのXが定義されていなかったなら、その呪文や能力のコントローラーがそのXの値を(スタックに置かれたときか解決された時かいずれか)必要な時点で選ぶ。
107.3f スタック以外のいずれかの領域にあるカードのマナ・コストに含まれる{X}の値は、文章中でXの値が定義されていたとしても、0として扱われる。
107.4. マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{X}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成マナ・シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪シンボル{S}の総称である。
107.4a 単色 マナ・シンボルは5つ存在し、{W}は白、{U}は青、{B}は黒、{R}は赤、{G}は緑に対応する。これらのシンボルはその色のマナを示すと同時に、コストに含まれるその色のマナ1点を意味する。コストに含まれる色 マナは、該当する色のマナでしか支払うことはできない。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
107.4b 数字のシンボル({1}など)や可変のシンボル({X}など)がコストに含まれる場合、不特定マナを示す。コストに含まれる不特定マナは、任意の色つきマナ、あるいは無色 マナで支払うことができる。rule 107.3 参照。
107.4c 数字のシンボル({1}など)や可変のシンボル({X}など)が、呪文や能力の効果によって「マナ・プールに加えられる」場合、無色 マナを示す。rule 107.3e 参照。
107.4d {0}は0マナを意味し、コストのかからない呪文や起動型能力でコスト欄に書かれる。rule 117.5 参照。
107.4e 混成マナ・シンボルもまた色 マナ・シンボルであり、それぞれシンボルの半分の部分で示されている2種類のうちどちらか1つの方法で支払うことができるコストを意味している。混成マナ・シンボル{W/U}は白か青のいずれかのマナ1点で支払うことができる。単色混成マナ・シンボル{2/B}は黒マナ1点か、任意のマナ2点で支払うことができる。混成マナ・シンボルはその構成色全ての色である。
例:{G/W}{G/W}は、{G}{G}か{G}{W}か{W}{W}で支払うことができる。
107.4f ファイレクシア・マナ・シンボルは色 マナ・シンボルであり、{W/P}は白、{U/P}は青、{B/P}は黒、{R/P}は赤、{G/P}は緑である。ファイレクシア・マナ・シンボルは、その色のマナ1点かあるいは2点のライフを支払うことで支払うことが出来るコストを意味する。
例:{W/P}{W/P}は、{W}{W}か、{W}とライフ2点か、ライフ4点で支払うことができる。
107.4g ルール・テキストにおいて、ファイレクシア・シンボル{P}が色つきの背景なしで書かれていた場合、それは5つのファイレクシア・マナ・シンボルのいずれか好きなものを意味する。
107.4h 氷雪マナ・シンボル{S}がコストに含まれる場合、不特定マナ1点を意味する。この不特定マナは、氷雪 パーマネント(rule 205.4f 参照)から生み出された任意のタイプのマナ1点によって支払うことのできるコストを意味する。不特定マナ・コストを減少させる効果は、{S}コストを減少させることはできない。(「氷雪 マナ」は存在しない。「氷雪」はマナのタイプではない。)
107.5. タップ・シンボルは{T}である。起動コストに含まれるタップ・シンボルは、「このパーマネントをタップする」ということを意味する。既にタップ状態のパーマネントをタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.6. アンタップ・シンボルは{Q}である。起動コストに含まれるアンタップ・シンボルは、「このパーマネントをアンタップする」ということを意味する。既にアンタップ状態のパーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。そのプレイヤーの最近のターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コストにアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。rule 302.6 参照。
107.7. プレインズウォーカーの起動型能力は、それぞれ、忠誠シンボルをコストに持つ。プラスの忠誠シンボルは上向きの矢印であり、中にプラスのついた数字を含む。マイナスの忠誠シンボルは下向きの矢印であり、中にマイナスのついた数字またはXを含む。中性の忠誠シンボルは上向きでも下向きでもなく、中に0を含む。[+N]は「このパーマネントの上にN個の忠誠カウンターを置く」を、[-N]は「このパーマネントの上からN個の忠誠カウンターを取り除く」を、[0]は「このパーマネントの上に0個の忠誠カウンターを置く」をそれぞれ意味する。
107.8. Lv系カードの文章欄には2つのLvシンボルが含まれており、そのそれぞれは常在型能力を意味するキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。rule 710〔Lv系カード〕参照。
107.8a 「{Lv N1-N2} [能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN1個以上のLvカウンターを持ち、N2個より多いLvカウンターを持たない場合、これは[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。
107.8b 「{Lv N3+}[能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN3個以上のLvカウンターを持つ場合、これは[P/T]であり、[能力]を持つ。」を意味する。
107.9. オデッセイ・ブロックのカードで、カード名の左に墓石アイコンがあるものがある。これは、墓地にあるときに機能する能力があることを意味している。墓地にあるときにもわかりやすいようにアイコンがあるだけで、ゲーム的には意味を持たない。
107.10. 未来予知セットに含まれる「ミライシフト」カードでは、左上隅にタイプ・アイコンが描かれている。カード・タイプが1つである場合、アイコンでそのタイプを示している。クリーチャーなら鈎爪、ソーサリーなら炎、インスタントなら稲妻、エンチャントなら日の出、アーティファクトなら聖杯、土地なら連峰のアイコンが用いられている。複数のカード・タイプを含むカードでは、白と黒の線が交差した記号が用いられている。これらのアイコンは、ゲーム的には意味を持たない。
107.11. プレインズウォーカー・シンボルは{PW}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.12. カオス・シンボルは{C}で表される。プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいて用いられる次元ダイスの1面に刻まれており、また、次元ダイスを振った結果を参照する能力にも使われている。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
107.13. 両面カードの昼の面の左上角に、太陽シンボルが記されている。rule 711〔両面カード〕参照。
107.14. 両面カードの夜の面の左上角に、月シンボルが記されている。rule 711〔両面カード〕参照。
107.15. 色指標とは、一部のカードのタイプ行左端に記されている円形のシンボルのことである。このシンボルの色によってカードの色が定義される。rule 202〔マナ・コストと色〕参照。
108.1. カードの文章を決定する際には、オラクルを用いる。オラクルはギャザラー・カード・データベース http://gatherer.wizards.com/ で参照できる。
108.2. ルールや文章に「カード」と記されていた場合、マジックのカードを指す。ほとんどのマジックのゲームにおいては、2.5インチ(6.3cm)×3.5インチ(8.8cm)ほどの大きさの、定形のマジックのカードだけを用いる。一部の形式では、より大きいサイズで裏面の異なる定形外のマジックのカードが含まれる。トークンは、カードによって示されていたとしても、ルールの適用に関してはカードとしては扱わない。
108.2a 呪文や能力の文章において、「カード/card」という語は、プレイヤーの手札にあるクリーチャー・カードというように、戦場やスタック以外の領域にあるカードのことを指す。さらなる情報は rule 4〔領域〕参照。
108.3. カードのオーナーとは、そのカードをデッキに入れてゲームを始めたプレイヤーのことである。ゲーム中に外部から加えられたカードがあった場合、それについてはそれを加えたプレイヤーのことである。ゲーム開始時点で統率 領域にカードがある場合、それについてはそのカードを統率 領域に置いたプレイヤーのことである。法律上の所有権はアンティを除いてゲーム・ルール上は考慮しない(rule 407 参照)。
108.3a 「単一次元デッキ」選択ルールを用いたプレインチェイス戦においては、次元 コントローラーが次元デッキに含まれるカードすべてのオーナーであるとして扱う。rule 901.6 参照。
108.3b プレイヤーに、自分がオーナーであるカードをゲームの外部から選んでゲームに入れる呪文や能力が存在する(rule 400.10b 参照)。外部にあるカードがマジックのゲームに含まれる場合、そのオーナーは rule 108.3 の規定によって決定される。外部にあるカードがマジックのゲームのサイドボードである場合(rule 100.4 参照)、そのオーナーはそのカードをサイドボードに入れてゲームを始めたプレイヤーである。それ以外の場合、外部にあるカードのオーナーは法律上の所有者である。
108.4. カードは、そのカードがパーマネントや呪文を表していない限り、コントローラーを持たない。パーマネントや呪文を表している場合、コントローラーはそれらのルールによって決定される。rule 110.2 および rule 111.2 参照。
108.5. 定形外のマジックのカードは、統率 領域(rule 408 参照)以外にある状態でゲームを開始することはできない。何らかの効果が定形外のマジックのカードをゲーム内に持ち込む場合、その効果は発生しない。そのカードはゲームの外部にあり続ける。
108.6. カードについての追加の情報は、rule 2〔カードの部分〕参照。
109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、紋章のことである。
109.2. 呪文や能力が「カード/card」「呪文/spell」「発生源/source」「計略/Scheme」という単語なしでカード・タイプやサブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、戦場に出ているそのカード・タイプやサブタイプのパーマネントのことを意味する。
109.2a 呪文や能力が「カード/card」という単語と領域名とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、その領域にあるそのタイプのカードのことを意味する。
109.2b 呪文や能力が「呪文/spell」という単語とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、スタックにあるそのタイプの呪文のことを意味する。
109.2c 呪文や能力が「発生源/source」という単語とともにタイプや特殊タイプ、サブタイプを用いてオブジェクトを表現している場合、どの領域にあるかに関係なく、その種類の、能力の発生源またはダメージの発生源のことを意味する。rule 609.7 参照。
109.2d 計略 カードの能力が「この計略/this scheme」という表記を含む場合、統率 領域にある、その能力が印刷されている計略 カードのことを意味する。
109.3. オブジェクトの特性とは、カード名、マナ・コスト、色、色指標、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、エキスパンション・シンボル、ルール文章、能力、パワー、タフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのオーナーおよびコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。
109.4. スタックか戦場にあるオブジェクトだけにコントローラーが存在する。どちらの領域にもないオブジェクトは、どのプレイヤーにもコントロールされていない。rule 108.4 参照。このルールには4つの例外がある。
109.4a 紋章は、それを統率 領域に置いたプレイヤーにコントロールされている。rule 113〔紋章〕参照。
109.4b プレインチェイス戦において、表向きの次元 カードならびに現象 カードは、次元 コントローラーとして指定されているプレイヤーにコントロールされている。多くの場合それはアクティブ・プレイヤーである。rule 901.6 参照。
109.4c ヴァンガード戦において、 ヴァンガード戦において、ヴァンガード・カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 902.6 参照。
109.4d アーチエネミー戦において、計略 カードはそのオーナーにコントロールされている。rule 904.7 参照。
109.5. オブジェクトに記されている「あなた/You」という語で示されるプレイヤーは、その現在のコントローラーか、(プレイヤーがそれをプレイしたり唱えたり起動したりしようとしている最中なら)コントローラーになる予定のプレイヤーか、(コントローラーが存在しない場合には)オーナーである。常在型能力の場合には、そのオブジェクトの現在のコントローラー(戦場にない場合には、そのカードのオーナー)を指す。起動型能力の場合には、その能力を起動したプレイヤーを指す。遅延誘発型能力を除く誘発型能力の場合には、能力が誘発した時のそのオブジェクトのコントローラーを指す。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
110.1. パーマネントとは、戦場に出ているカードやトークンのことである。パーマネントは無期限に戦場に残り続ける。カードやトークンは、戦場に出たときにパーマネントとなり、戦場から他の領域に効果やルールによって移動したときにパーマネントでなくなる。
110.2. (トークンでない)パーマネントのオーナーは、そのカードのオーナーである。(トークンの場合、rule 110.5a 参照。)パーマネントのコントローラーは、通常、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。パーマネントには必ずコントローラーが1人存在する。
110.3. トークンでないパーマネントの特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
110.4. パーマネント・タイプは5つ存在し、「アーティファクト/artifact」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「土地/land」「プレインズウォーカー/planeswalker」である。インスタント・カードやソーサリー・カードは戦場に出ることはできないので、パーマネントになることはあり得ない。部族 カードが戦場に出ることができるかできないかは、それ以外のカード・タイプによる。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
110.4a 「パーマネント・カード/permanent card」という語は、戦場に出ることができるカードのことを指す。すなわち、アーティファクト・カード、クリーチャー・カード、エンチャント・カード、土地 カード、プレインズウォーカー・カードのことである。
110.4b 「パーマネント呪文/permanent spell」という語は、解決によって戦場に出る 呪文のことを指す。すなわち、アーティファクト 呪文、クリーチャー 呪文、エンチャント 呪文、プレインズウォーカー 呪文のことである。
110.4c パーマネントが何らかの方法ですべてのパーマネント・タイプを失った場合、それはそのまま戦場にあり続ける。それはパーマネントである。
110.5. 効果によってトークンが戦場に出ることがある。トークンとは、カードによって表現されていないパーマネントを表現するために用いるマーカーのことである。
110.5a トークンのオーナーもコントローラーも、それをコントロール下で戦場に出したプレイヤーである。
110.5b トークンを生成する呪文や能力がトークンの特性の値を定める場合、その値はトークンの「文章」になる。この方法で定められた特性値は、カードにおいて記載されている値と同等に機能する。たとえば、これによって定められた特性値はトークンのコピー可能な値である。トークンは、それを生成した呪文や能力によって与えられていない特性を持たない。
例:《翡翠の魔道士》は「{2}{G}: 緑の1/1の苗木クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。」という能力を持つ。これによって生成されたトークンは、マナ・コストや特殊タイプ、エキスパンション・シンボル、ルール文章、能力を持たない。
110.5c クリーチャー・トークンを生成する呪文や能力が、そのトークンのカード名とクリーチャー・タイプを定める。特に書かれていない限り、トークンのカード名は、そのクリーチャー・タイプと同じである。例えば、ゴブリン・スカウト・クリーチャー・トークンはゴブリン・スカウトというカード名であり、クリーチャー・タイプはゴブリンとスカウトの二つとなる。トークンが戦場に出た後では、カード名が変わってもクリーチャー・タイプは変わらない。その逆も同じである。
110.5d 呪文や能力がトークンを生成する場合、何らかの効果によってそのトークンの特性のうち1つ以上を持つものが戦場に出ることができなくなっていたら、そのトークンは生成されない。
110.5e トークンは、パーマネント一般、あるいはそのトークンのカード・タイプやサブタイプに影響を及ぼすものの影響を受ける。トークンは(マジックのカードと同じ裏面であったり、マジックのパックから出てきたものであったりしても)カードとしては扱われない。
110.5f フェイズ・アウトしたトークン、あるいは戦場以外の領域に存在するトークンは、消滅する。これは状況起因処理である。rule 704 参照。(トークンが領域を移動した場合、消滅する前に、それによる誘発型能力は誘発する)
110.5g 戦場を離れたトークンは、他の領域に移動することもないし、戦場に戻ることもない。そのようなトークンが領域を変更しようとする場合、その代わりに現在の領域にありつづける。次に状況起因処理をチェックする時点で、消滅する。rule 704 参照。
110.6. パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、表向き/裏向き、フェイズ・イン/フェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。
110.6a 位相は特性ではないが、位相によってパーマネントの特性が変化しうる。
110.6b パーマネントは、呪文や能力によって特に指示されない限り、アンタップ、非反転、表向き、フェイズ・インの位相で戦場に出る。
110.6c パーマネントは、呪文や能力やターン起因処理が位相を変更しない限り、その位相が何も影響を持たなくても、元の位相を保つ。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》は「{1}{U}{B}: いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーになるとともに、この能力を得る。」という能力を持つ。これが反転カード《呪師の弟子》のコピーになった場合、《呪師の弟子》の能力によってこのクリーチャーが反転した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《暴く者、智也》になる。その後、このパーマネントが《ルーン爪の熊》のコピーになった場合、反転位相は何も意味を持たないが、反転位相のままである。その後で再びコピー 能力を用いて《鼠の短牙》(別の反転カード)のコピーになった場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を持った《憎まれ者の傷弄り》(《鼠の短牙》の反転位相)になる。
110.6d パーマネントだけが位相を持つ。戦場にないカードは持たない。追放されているカードが裏向きになることはあるが、それはパーマネントの裏向き 位相とは何ら関係ない。同様に、戦場にないカードは、物理的にどういう状態であろうと、タップしているわけでもアンタップしているわけでもない。
111.1. 呪文とは、スタックにあるカードのことである。唱えるための最初の手順で(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)、カードは呪文になり、オーナーの手札などの元あった領域からスタックの一番上に移動する(rule 405〔スタック〕参照)。呪文は解決されるか(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)、打ち消されるか(rule 701.5 参照)、その他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。さらなる情報は、rule 6〔呪文、能力、効果〕参照。
111.1a 呪文のコピーは、それがカードによって示されていなくても呪文である。rule 706.10 参照。
111.1b カードのコピーを唱えさせる効果が存在する。その効果によって唱えた場合、そのコピーは呪文である。rule 706.12 参照。
111.2. コピーでない呪文のオーナーは、その呪文を表現しているカードのオーナーである。コピーである場合のオーナーは、それをコントロール下でスタックに置いたプレイヤーである。呪文のコントローラーは、通常、それをスタックに置いたプレイヤーである。呪文には必ずコントローラーが1人存在する。
111.3. コピーでない呪文の特性は、カードに記載されている値であり、それに継続的効果によって修整を受ける。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
111.4. 効果によってパーマネント呪文の特性が変更された場合、その効果はその呪文が解決されたパーマネントにも適用され続ける。rule 400.7 参照。
例:効果が黒のクリーチャー 呪文を白にした場合、そのクリーチャーが戦場に出るときにも白であり、その色を変える効果が残っている限り白であり続ける。
112.1a 能力とは、オブジェクトの持つ特性で、そのオブジェクトがゲームに影響を与えられるようにするものである。オブジェクトの能力はそのルール文章またはそれを生成した効果によって定義される。能力は、ルールや効果によってオブジェクトに与えられることもある。(「持つ」「得る」と書かれている効果によって与えられる。)能力は効果を生成する(rule 609〔効果〕参照)。
112.1b 能力とは、スタック上にある起動型あるいは誘発型能力である。この種の能力はオブジェクトである。(rule 6〔呪文、能力、効果〕参照)
112.2. 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を与えることがある。他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を与えることがある。
例:「このクリーチャーではブロックできない」というのは能力である。
112.2b カードを唱えるための追加コストや代替コストは、カードの能力である。
112.2c 1つのオブジェクトが複数の能力を持つことがある。そのオブジェクトがカードである場合、一行に並べられて書かれるあらかじめ定義された能力(rule 702〔キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。カードでない場合、それを生成した効果によって複数の能力を与えられることがある。また、オブジェクトは呪文や能力によって能力を与えられることがある。1つのオブジェクトが同じ能力を複数持っている場合、それられは独立に機能する。これによって、能力が一つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。
112.2d 能力は、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を生成する。継続的効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。rule 609〔効果〕参照。
112.3a 呪文能力とは、インスタントまたはソーサリー 呪文が解決される間に処理される指示のことである。rule 112.6 に示す、起動型能力や誘発型能力や常在型能力でない、インスタントまたはソーサリー 呪文の文章は呪文能力である。
112.3b 起動型能力はコストと効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれている。この種の能力は、そのプレイヤーが優先権を持っているときならいつでも起動できる。そうしたなら、その能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
112.3c 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」から始まる「[誘発条件], [効果。]」という書式で書かれている。誘発イベントが発生するたび、その次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にその能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。
112.3d 常在型能力は普通の文で書かれ、単にその効果が発生する。常在型能力は、パーマネントがその能力を持って戦場にある間機能し続ける継続的効果を生み出すか、あるいはその能力を持つオブジェクトが特定の領域にある間に機能する。rule 604〔常在型能力の扱い〕参照。
112.4. 起動型能力や誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力はスタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605〔マナ能力〕参照。
112.5. 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分のコントロールするパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネントの忠誠度能力を起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
112.6. インスタントまたはソーサリー 呪文の能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。
112.6a 特性定義能力は、ゲームの外部も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。
112.6b どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。
112.6c プレイヤーに、あるオブジェクトのマナ・コストを払うのではなく代替コストを支払うことを認めるというそれ自身の能力は、そのマナ・コストを支払うことのできるあらゆる領域において機能する(一般には、スタックにある間に機能する)。それ以外の、あるオブジェクトの持つ、それを唱えるためのコストを変更する能力はスタックにある間に機能する。
112.6d オブジェクトの、その特定のオブジェクトをプレイするあるいは唱えることに限定や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間に機能する。
112.6e オブジェクトの能力で、その特定のオブジェクトをどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。
112.6f オブジェクトの能力で、それが打ち消されない、あるいは呪文や能力によって打ち消されない、と書かれているものは、スタックにある間に機能する。
112.6g オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する。rule 614.12 参照。
112.6h オブジェクトの能力で、それにカウンターを配置できないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。
112.6i オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。
112.6j 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。
例:《赦免のスラル》は「《赦免のスラル》が戦場に出るか、それが憑依しているクリーチャーがいずれかの墓地に置かれるかしたとき、エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。」という能力を持つ。1つめの誘発条件は戦場にある間に機能するが、2つめの誘発条件は追放 領域にある間に機能する。rule 702.53〔憑依〕参照。
112.6k コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動させるものが含まれている場合は、この限りではない。
例:《組み直しの骸骨》は「{1}{B}, クリーチャーを1体生け贄に捧げる: あなたの墓地にある《組み直しの骸骨》をタップ状態で戦場に戻す。」という能力を持つ。この能力は、《組み直しの骸骨》が自分の墓地にある間にしか起動できない。
112.6m ゲームの開始前、デッキ 構築に関するルールを変更する能力が存在する。その種の能力は、この総合ルールだけでなく、マジック・イベント規定その他のその形式でのデッキ 構築ルールを定めた文書を変更する。しかしながら、その種の能力によっても、ある形式において禁止や制限されているカードは禁止あるいは制限されているままである。現在のマジック・イベント規定は、http://www.wizards.com/wpn/Events/Rules.aspx から参照できる。(訳注:日本語訳は http://mjmj.info/ 以下で公開されている)
112.6n 紋章、次元 カード、ヴァンガード・カード、計略 カードの能力は統率 領域において機能する。rule 113〔紋章〕、rule 901〔プレインチェイス戦〕、rule 902〔ヴァンガード〔ヴァンガード戦〕、rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
112.7. 能力の発生源は、それを生成したオブジェクトである。スタックにある起動型能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発型能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。
112.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。《放蕩紅蓮術士》はそれに1点のダメージを与える」)。このような場合、効果を分配するために能力の発生源の情報を参照する起動型能力や誘発型能力は、その能力をスタックに積む時点でその情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行なう。
112.8. スタックにある起動型能力のコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力のコントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力が誘発した時のその能力の発生源のオーナーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
112.9. スタックにある起動型能力や誘発型能力は呪文ではないので、呪文を打ち消すものによっては打ち消されない。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、能力を打ち消すと書かれている効果かルール(たとえば、対象を取る能力はその対象すべてが不適正になったら打ち消される)によって打ち消される。常在型能力はスタックを用いないので、打ち消されることはない。
112.10. 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」もしくは「持つ/have」と書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。能力を取り除く効果は、その能力が複数あってもすべて失わせる。複数の効果が同じ能力を追加したり除いたりしていた場合、一般に、もっとも最近のものが勝つ。(rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照)。
112.11. オブジェクトの特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクトが能力を「得る」もしくは「持つ」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合("[パーマネント]は[特性値]である")、それは能力を与えることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトにある性質が与えられた場合("[パーマネント]は破壊されない"、"[パーマネント]はブロックされない")、それは能力を与えもしないし特性を定義することもない(rule 700.4、rule 700.5 参照)。
例:《ムラガンダの印刻》は「能力を持たないクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。」と書かれている。《ルーン爪の熊》(能力を持たないクリーチャー)が「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」と書かれたオーラでエンチャントされている場合、+2/+2の修整を受けることはない。「エンチャントされているクリーチャーは赤である」あるいは「エンチャントされているクリーチャーは破壊されない」と書かれたオーラでエンチャントされている場合、変わらず+2/+2の修整を受ける。
113.1. 効果によって、紋章が統率 領域に置かれることがある。紋章とは、1つまたはそれ以上の能力を持つオブジェクトを表すマーカーであり、それ以外の特性は持たない。
113.2. 紋章を生成する効果は「[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を得る。/[Player] gets an emblem with [ability]」と書かれる。これは、[プレイヤー]は[能力]を持つ紋章を統率 領域に置くことを意味する。紋章のオーナーはそのプレイヤーであり、そのプレイヤーがその紋章をコントロールする。
113.3. 紋章は、それを生成した効果によって定義された能力以外の特性を持たない。紋章はカード名を持たず、カード・タイプを持たず、マナ・コストを持たず、色を持たず、エキスパンション・シンボルを持たない。
113.5. 紋章はカードでもパーマネントでもない。「紋章」はカード・タイプではない。
114.1. 呪文や能力の一部は、そのコントローラーに1つかそれ以上の対象を選ばせる。対象とは、その呪文や能力が影響を及ぼす、オブジェクト、プレイヤー、領域である。それらの対象は呪文や能力をスタックに積む行程の一部として宣言される。対象は、他の呪文や能力によって指示されない限り、変更することはできない。
114.1a インスタント 呪文やソーサリー 呪文は、その文章中に「[何か]を対象とする/target [何か]」という表記がある場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現でなければならない。対象の選択は、呪文を唱える際に行なう。rule 601.2c 参照。(インスタントやソーサリーの文章内にある起動型能力や誘発型能力が「対象」の語を用いていたとしたら、その呪文ではなく能力が対象をとる。)
例:「このカードをサイクリングしたとき、クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける」という能力を持つソーサリー・カードがあった場合、誘発型能力は対象をとるが、呪文が対象をとるとは限らない。
114.1b オーラ 呪文は、必ず、対象を取る。対象を取るパーマネント呪文はこれだけである。オーラの対象は、エンチャントのキーワード能力によって規定される(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。対象の選択は、呪文を唱える際に行なう。rule 601.2c 参照。オーラ・パーマネントは対象を取らない。オーラ 呪文だけが対象を取る。(オーラ・パーマネントの起動型能力や誘発型能力は対象を取ることがあり得る。)
114.1c 起動型能力は、「[何か]を対象とする/target [何か]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現でなければならない。対象の選択は、能力を起動する際に行なう。rule 602.2b 参照。
114.1d 誘発型能力は、「[何か]を対象とする/target [何か]」という表現で影響を及ぼすものを特定している場合、対象をとる。この[何か]とは、オブジェクト、プレイヤー、領域を示す表現でなければならない。対象の選択は、能力をスタックに置く際に行なう。rule 603.3d 参照。
114.1e 装備や挑発などキーワード能力の一部は、対象を取る起動型能力や誘発型能力を意味している。それらの場合、「[何か]を対象とする」という表現はその能力そのものには表記されていないが、キーワード能力のルールに記載されている。(キーワードの注釈文にもしばしば「対象」の語が含まれている。)rule 702〔キーワード能力〕参照。
114.2. 呪文や能力の対象としては、通常、パーマネントだけが適正である。この例外は、(a) その呪文や能力が他の領域にあるオブジェクトやプレイヤーを対象にできると明記されているときと、(b) 呪文や能力のように戦場に存在することがありえないオブジェクトを対象とするとき、(c)領域を対象とするときだけである。
114.3. 同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個(または[性質]N個)」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のオブジェクト、プレイヤー、あるいは領域を(条件を満たしているなら)それぞれ1回ずつ対象に取ることができる。この規定は、呪文や能力の対象を選ぶときと、呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりするとき(rule 114.6 参照)の両方に適用される。
114.4. スタックにある呪文や能力は、それ自身の対象としては不適正である。
114.5. 0個以上の対象を取れる呪文や能力は、1個以上の対象を選んでいるときのみ対象を取る。
114.6. 呪文や能力の効果を変更することを認める効果や、呪文や能力の対象を新しく選ばせる効果が存在する。
114.6a 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」場合、呪文や能力の対象は、他の適正な対象にだけ変更できる。対象を変更できない場合、元の対象がすでに不適正になっていたとしても、元の対象がそのまま対象になったままになる。対象すべてを適正な別の対象に変更できない場合、それらの対象はすべて変更されずに元のまま残る。
114.6b 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「対象1つを変更する/change a target」場合、rule 114.6a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)1つだけを変更することができる。
114.6c 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「任意の対象を変更する/change any targets」場合、rule 114.6a の記載に従うが、対象の中の(すべてを変更するかまったく変更しないかを選ぶのではなく)任意の一部を変更することができる。
114.6d 効果によってプレイヤーが呪文や能力について「新しい対象を選ぶ/choose new targets」場合、そのプレイヤーはその現在の対象のうち任意の数を、それが不正な対象であったとしても、そのままに残しておいてもよい。プレイヤーが新しく選んだ対象は適正でなければならないし、そのままに残してある対象を不適正にするものであってはならない。
114.6e 呪文や能力の対象を変更したり新しい対象を選んだりする場合、その変更が適正かどうかを判断するためには最終的に定められた対象だけを確認する。
例:「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とし、他のクリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。電弧の痕跡はその前者に2点のダメージを与え、その後者に1点のダメージを与える。」というソーサリー《電弧の痕跡》の現在の対象が、順に《ルーン爪の熊》と《ラノワールのエルフ》であるとする。あなたが「呪文1つを対象とする。あなたはそれの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《移し変え》を《電弧の痕跡》を対象に唱えた場合、1つめの対象を《ラノワールのエルフ》に、2つめの対象を《ルーン爪の熊》に変えることができる。
114.7. モードを持つ呪文や能力は、モードごとに異なった対象の取り方をする場合がある。モードを持つ呪文や能力の対象を変更したり新しく選んだりする効果によっては、そのモードは変更されない。(rule 700.2 参照)
114.8. オブジェクトの中には、他の呪文や能力が対象を取るかどうかを見るものがある。文章によって、それがチェックするのは対象の現在の状態であるか、あるいは選ばれた時点での状態であるか、その両方を見るかが違う。
114.8a 「単一の対象を持つ[呪文や能力]/[呪文や能力] with a single target」を見るオブジェクトは、その呪文や能力がスタックに置かれた時点で合計何回オブジェクトやプレイヤーや領域が対象になったかを数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。同一のオブジェクトやプレイヤーや領域が複数回対象になっていた場合、それぞれを別々に数える。
114.8b 「[何か]を対象とする[呪文や能力]/[呪文や能力] that targets [何か]」を見るオブジェクトは、その呪文や能力の対象がその時点でどうなっているかを見る。対象にしたオブジェクトが元あった領域に存在し、あるいは対象にしたプレイヤーがまだゲームに残っているのであれば、その対象がその呪文や能力にとって不適正になっていたとしても、その現在の情報を用いる。オブジェクトがその領域になくなっていたり、プレイヤーがゲームに存在しなくなっているのであれば、その対象は無視され、最後の情報が用いられる。
114.8c 「[何か]だけを対象とする[呪文や能力]/[呪文や能力] that targets only [何か]」は、その呪文や能力がスタックに置かれたときにいくつのオブジェクトやプレイヤーが対象になったか(その後対象を変更する効果によって変更されたものも含む)を数える。現時点で適正である対象の数を数えるのではない。その数が1であれば(その呪文や能力が同一のオブジェクトやプレイヤーを複数回対象にしていても)その呪文や能力の対象は、rule 114.8b に書かれている通りにチェックされる。
114.9. 呪文や能力は、対象にしていないオブジェクトやプレイヤーに影響を与えることがある。一般に、その種のオブジェクトやプレイヤーは呪文や能力の解決時まで選択されない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
114.9a オブジェクトやプレイヤーが呪文や能力の影響を受けるからといって、そのオブジェクトやプレイヤーが自動的にその呪文の対象になるわけではない。そのオブジェクトやプレイヤーが、その呪文や能力の文章内、あるいはキーワード能力のルール内の「対象」の語を用いて指定されていない限り、対象ではない。
115.1. 特別な処理は、プレイヤーが優先権を持っているときに行なう、スタックを用いない処理である。ゲームが自動的に生成する、ターン起因処理や状況起因処理と混同してはならない。(rule 703〔ターン起因処理〕、rule 704〔状況起因処理〕参照)
115.2a 土地をプレイすることは特別な処理である。土地をプレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤーの手札)から戦場に出すことである。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、そのターンにまだ土地をプレイしていなかった場合に限り、この特別な処理を行なうことを選んでもよい。rule 305〔土地〕参照。
115.2b 裏向きのパーマネントを表向きにすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも、この処理を行なうことができる。rule 707〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
115.2c 効果の中には、後でプレイヤーに何らかの処理を認めるものがある。その多くは継続的効果の終了や、遅延誘発型能力の誘発の中止である。そうすることは特別な処理である。その効果が遅延誘発型能力の誘発を中止させたり継続的効果を終了させたりすることを許している場合、プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行なうことができる。
115.2d 常在型能力からの効果によって、その能力からの効果をある期間だけ失わせるという処理を行なえることがある。そうすることは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときならいつでもこの処理を行なうことができる。
115.2e 待機 能力つきのカードを手札に持つプレイヤーは、そのカードを追放することができる。これは特別な処理である。プレイヤーが優先権を持っているときで、そのカードをスタックに置くことによって唱え始めることができるときならいつでもこの処理を行なうことができる。rule 702.60〔待機〕参照。
115.2f プレインチェイス戦においては、次元ダイスを振ることは特別な処理である。プレイヤーはこの処理を、自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば行なうことができる。この処理を行なうためのコストとして、そのターンに既に行なったこの処理の回数に等しい量のマナが必要である。そのターンの間に効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
115.3. プレイヤーが特別な処理を行なった場合、そのプレイヤーがその後で優先権を得る。
116.1. 呪文や能力がいずれかのプレイヤーに何か処理を行なうよう指示していない限り、ある時点でどちらのプレイヤーが処理を行なえるかは、優先権のシステムによって決定される。優先権を持つプレイヤーは呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。
116.1a プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでもインスタント 呪文を唱えることができる。プレイヤーは、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であればインスタント以外の呪文を唱えることができる。
116.1b プレイヤーは、優先権を持っているときならいつでも起動型能力を起動できる。
116.1c プレイヤーが優先権を持っているときならいつでも取れる特別な処理が存在する。他の特別な処理については、自分のメイン・フェイズの間で優先権を持っているときにスタックが空であれば可能である。rule 115〔特別な処理〕参照。
116.1d プレイヤーは、優先権を持っている時か、呪文を唱えたり能力を起動したりする途中でマナの支払いが必要な時、あるいは(呪文を唱えたり解決したりしている間や、能力を起動したり解決したりしている間も含む)ルールや効果がマナの支払いを求めた時ならいつでもマナ能力を起動できる。
116.2. 他の能力や処理は、ゲームのルールによって自動的に生成され、あるいは実行されるか、または優先権を得ることなくプレイヤーによって実行される。
116.2a 誘発型能力は、呪文を唱えている間や能力を起動している間、あるいは呪文や能力を解決している間であっても、いつでも誘発する(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。しかしながら、能力は誘発した瞬間には何もしない。いずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、誘発していてまだスタックに積まれていない能力はスタックに積まれる。rule 116.5 参照。
116.2b 常在型能力は継続的にゲームに影響を及ぼす。優先権は関係しない。(rule 604〔常在型能力の扱い〕、rule 611〔継続的効果〕参照)
116.2c ターン起因処理は、特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。これはプレイヤーが優先権を得るよりも前に処理される。rule 116.3a 参照。ターン起因処理は各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生し、それ以降にプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703〔ターン起因処理〕参照。
116.2d 状況起因処理は特定の条件を満たしたときに自動的に発生する。rule 704〔状況起因処理〕参照。これはプレイヤーが優先権を得る直前に処理される。rule 116.5 参照。
116.2e 呪文や能力を解決すると、プレイヤーに選択を求めたり処理を行なわせたりマナ能力の起動を許可したりすることがある。プレイヤーがそうした場合にも、呪文や能力の解決中にはいずれのプレイヤーも優先権を得ない。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
116.3. どちらのプレイヤーが優先権を持っているかは、以下のルールによって定められる。
116.3a アクティブ・プレイヤーは、ほとんどのフェイズとステップの開始時に、ターン起因処理(ドロー・ステップの間にカードを1枚引くことなど。rule 703 参照)の後、そのフェイズやステップの開始時に誘発する能力がスタックに積まれた後で優先権を得る。ただし、アンタップ・ステップには優先権は発生せず、通常はクリンナップ・ステップにも優先権は発生しない(rule 514.3 参照)。
116.3b 呪文や能力(マナ能力を除く)が解決されたら、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。
116.3c 呪文を唱えたり、能力を起動したり、特別な処理を行なったりしたプレイヤーは、その後で優先権を得る。
116.3d プレイヤーが優先権を持っていて何も処理をしないことを選んだ場合、そのプレイヤーはパスしたことになる。そのプレイヤーのマナ・プールにマナが残っている場合、何がどれだけ残っているかを宣言する。その後、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得る。
116.4. 全てのプレイヤーが続けてパス(すべてのプレイヤーが何も処理を行なわずにパスすることをそう言う)した場合、スタックの一番上のオブジェクトが解決される。この時点でスタックが空の場合、そのフェイズやステップは終了する。
116.5. いずれかのプレイヤーが優先権を得る場合、ゲームはまず該当する状況起因処理を単一のイベントとして行なう(rule 704〔状況起因処理〕参照)。状況起因処理が一つも発生しなくなるまでチェックが繰り返される。その後、誘発型能力がスタックに積まれる(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)。この手順は、それ以上の状況起因処理が発生せず、能力が誘発しない状態になるまで繰り返される。その後で、該当するプレイヤーが優先権を得る。
116.6. 「共有チーム・ターン」選択ルールにおいて、個人ではなくチームが優先権を得る。rule 805〔「共有チーム・ターン」選択ルール〕参照。
116.7. 優先権を持つプレイヤーが、他の呪文や能力がスタックにある間に呪文を唱えたり起動型能力を起動したりした場合、新しい呪文や能力は、その前の呪文や能力に「対応して」唱えられ、あるいは起動された、という。新しい呪文や能力は、一番最初に解決されることになる。rule 608〔呪文や能力の解決〕参照。
117.1. コストとは、他の処理をするため、あるいは他の処理を妨げるために必要な処理や支払いのことである。コストを支払うとは、プレイヤーがそのコストを含む呪文、能力、効果で特定されている指示を実行することである。
117.2. コストにマナの支払いが含まれる場合、コストを支払う プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る。呪文を唱えたり起動型能力を起動したりするためのコストの支払いは、rule 601.2e-g に示された手順を取る。
117.3. プレイヤーは、コストを完全に支払うために必要なリソースを持っていない限り、コストを支払うことはできない。例えば、ライフが1点しかないプレイヤーは、2点のライフをコストとして支払うことはできないし、タップ状態のパーマネントをタップすることでコストを支払うことはできない。rule 202〔マナ・コストと色〕、rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
117.3a マナを支払うことは、プレイヤーのマナ・プールから指示されただけのマナを取り除くことによって行なわれる(プレイヤーはいつでも0点のマナを支払うことができる)。支払いの後でマナ・プールにマナが残っている場合、そのプレイヤーは何がどれだけ残っているかを宣言する。
117.3b ライフを支払うことは、プレイヤーのライフ総量から指示されただけの点数のライフを減らすことによって行なわれる(プレイヤーはいつでも0点のライフを支払うことができる)。
117.3c コストを支払うことが義務である場合にも、マナ能力を起動することは義務ではない。
例:あるプレイヤーが「アーティファクトでない呪文を唱えるためのコストは{1}多くなる。」という《磁石のゴーレム》をコントロールしている。他のプレイヤーが、待機状態のソーサリー・カードから最後の時間カウンターを取り除いた。そのプレイヤーは可能ならばその呪文を唱えなければならないが、そうするためには{1}のコストが必要である。マナ・プールに充分なマナがある場合には{1}を支払わなければならない。しかし、{1}を出すためのマナ能力を起動することは義務ではない。そのカードはただ追放されたままになる。
117.4. コストの中に{X}やXが含まれることがある。rule 107.3 参照。
117.5. コストが{0}によって表されていたり、{0}にまで減少したりすることがある。その類のコストを支払うためにプレイヤーが取らなければならない処理は、支払うことを宣言するだけである。コストの支払いにリソースが必要ないが、自動的に支払われるわけではない。
117.6. マナ・コストがマナ・シンボルを含まないことがある。これは、支払うことができないコストを意味する。能力も、マナ・コストを持たないオブジェクトのマナ・コストを元にコストを決めた場合に、支払うことができないコストを持つことがある。支払うことができないコストを持つ呪文を唱えたり、能力を起動したりすることは適正な処理であるが、支払うことのできないコストを支払おうとすることは不適正な処理である。
117.6a 支払うことができないコストが、何らかの効果によって加算されたり、追加コストが加わったりしても、そのコストは支払うことができないままである。支払うことができないコストに、マナ・コストを払わずに唱えてもよいという効果などの代替コストが適用された場合、その代替コストを支払うことは適正である。
117.7. プレイヤーが実際に支払う コストは、効果によって変更されたり減らされたりすることがある。コストのマナ部分がコスト減少効果によってまったくなくなった場合、{0}として扱う。そうして変更されたコストを支払うことは、元のコストを支払ったのと同じように扱う。
117.7c 色 マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減る場合、そのコストにその色のマナが含まれていなかったなら、コストからその量の不特定マナが減らされる。
117.7b 色 マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減る場合、その減る量がそのコストに含まれるその色のマナよりも多かったなら、その色のマナはなくなるまで減り、余剰分の不特定マナが減る。
117.7c 混成マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減る場合、そのコストを支払う プレイヤーはそのコスト減少が適用される時点でそのシンボルのうちいずれか半分を選ぶ(rule 601.2e 参照)。色がある半分を選んだ場合、その色のマナ1点を減らす。無色の半分を選んだ場合、そこに示されている数の不特定マナを減らす。
117.7d ファイレクシア・マナ・シンボルで示されているある量のマナがコストから減る場合、そのシンボルの色のマナ1点を減らす。
117.8. 呪文や能力の一部は追加コストを持つ。追加コストは、呪文のルール文章に記されているコスト、あるいは他の効果によって呪文や能力に適用されるコストであり、呪文のマナ・コストあるいは能力の起動コストを支払うのと同時にそのコントローラーが支払わなければならない。「追加」と書かれている時にのみ、そのコストは追加コストである。キーワードとして記される追加コストも存在する。rule 702 参照。
117.8a 追加コストは、唱えられる一つの呪文あるいは起動される一つの能力に複数適用されることがある。呪文や能力のコントローラーは、それらのコストを支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。
117.8c 追加コストによって呪文のマナ・コストが変化することはなく、単に支払うべきコストが変化するだけである。呪文のマナ・コストを参照する呪文や能力は、その元の値を参照する。
117.8d 呪文を唱えたり能力を起動したりするためのコストを増加させる、「追加」と書かれていない効果が存在する。その種のものは追加コストではなく、rule 601.2e で示されているようにして呪文や能力の総コストを求めるまでは考慮されない。
117.9. 代替コストを持つ呪文が存在する。代替コストは呪文の文章に記されているか、または他の効果によって適用されるコストで、そのコントローラーが呪文のマナ・コストを支払うのではなく支払うことができるコストのことである。代替コストは「あなたは[このオブジェクトの]マナ・コストを支払うのではなく[処理]してもよい/You may [処理] rather than pay [このオブジェクトの] mana cost」あるいは「あなたは[このオブジェクトを]そのマナ・コストを支払うことなく唱えてよい/You may cast [このオブジェクト] without paying its mana cost.」と書かれている。キーワードとして記される代替コストも存在する。rule 702 参照。
117.9a 単一の呪文を唱えるに際しては、代替コストは1つしか適用できない。その呪文のコントローラーは、そのコストを支払う意思を、rule 601.2b に基づいて宣言する。
117.9c 代替コストによって呪文のマナ・コストが変化することはなく、単に支払うべきコストが変化するだけである。呪文のマナ・コストを参照する呪文や能力は、その元の値を参照する。
117.9d 呪文を唱えるために代替コストを支払う 場合、その呪文に影響を及ぼす追加コストやコスト増加、コスト減少はその代替コストに対して適用される(rule 601.2e 参照)。
117.10. コストの支払いは、1つの呪文、能力、効果に対してしか適用できない。たとえば、プレイヤーはクリーチャーを1体だけ生贄に捧げることで、2つのパーマネントがそれぞれ持つ、コストにクリーチャーを1体生贄に捧げなければならない起動型能力を起動することはできない。また、呪文や能力の解決は、効果の一部が他の呪文や能力のコストとして求められていることと同じであっても、そのコストを支払ったことにはならない。
117.11. コストを支払うための処理は、効果によって修整されることがある。その結果、実際の処理が表記されている内容と一致しなくても、そのコストは支払われたものとして扱う。
例:累加アップキープ・コストとして「カードを1枚引く」というものを持つエンチャント、《精神の渦》と「あなたがカードを引く 場合、代わりに、あなたはそのドローを飛ばしてもよい。」という能力を持つ《片意地な使い魔》をコントロールしている時、そのプレイヤーは《精神の渦》の累加アップキープ・コストを支払うことを選んだ上でカードを引かないことを選んでもよい。その場合でも、累加アップキープ・コストは支払われたものとして扱う。
117.12. 呪文や起動型能力、誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした(しなかった)]場合、[効果]/[ある処理]. If [プレイヤー] [does or doesn't], [効果]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした(しなかった)]場合、[効果]/[プレイヤー] may [ある処理]. If [そのプレイヤー] [does or doesn't], [効果]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文や能力の解決時に支払う。「[そうした(しなかった)]場合」という節は、そのプレイヤーがその選択的コストを支払うことを選んだり、あるいは選択的でないコストを支払い始めたりしたかどうかをチェックする。実際にどのようなイベントが発生したかは問わない。
例:あなたが「いずれかのプレイヤーが呪文1つを唱えたとき、行き詰まりを生贄に捧げる。そうしたなら、そのプレイヤーの各対戦相手は、カードを3枚引く。」というエンチャント、《行き詰まり》をコントロールしている。ある呪文が唱えられて《行き詰まり》の能力が誘発したあと、《行き詰まり》を追放する別の能力を起動したとしたら、《行き詰まり》の能力が解決された時点で「行き詰まりを生贄に捧げる」というコストを支払うことはできないので、どのプレイヤーもカードを引くことはない。
例:対戦相手が「このターン、いずれかのクリーチャーがいずれかの対戦相手のコントロール下で戦場に出る 場合、代わりにそれはあなたのコントロール下で戦場に出る。」という呪文《標本集め》を唱えた。一方、あなたは「偽皮操りが表向きになったとき、あなたは『あなたの手札にある変異を持つクリーチャー・カードを1枚、表向きに戦場に出す。』を選んでもよい。そうした場合、偽皮操りをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ変異持ちクリーチャー《偽皮操り》を裏向きでコントロールしている。《偽皮操り》を表向きにし、変異を持つクリーチャー・カードを1枚手札から選び、戦場に出そうとする。《標本集め》の効果によってそのクリーチャーは対戦相手のコントロール下で戦場に出るが、コストを支払うことを選んだので、《偽皮操り》はオーナーの手札に戻る。
117.12a カードの中には「[別の処理]しないかぎり、[処理]する/[処理] unless [別の処理]」と書かれているものがある。これは「[別の処理]してもよい。そうしない場合、[処理]する/You may [別の処理]. If you don't, [処理]」というのと同じ意味である。
118.1. 各プレイヤーのゲーム開始時のライフ総量は20点である。
118.1a 双頭巨人戦では、各チームのゲーム開始時の共有ライフ総量は30点である。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
118.1b ヴァンガード戦では、 ヴァンガード戦では、各プレイヤーの開始時のライフ総量は20点にそのは20点にそのヴァンガード・カードのライフ補正子を加えた値である。rule 902〔ヴァンガード〔ヴァンガード戦〕参照。
118.1c 統率者戦では、各プレイヤーの開始時のライフ総量は40点である。rule 903〔統率者戦〕参照。
118.1d アーチエネミー戦では、各プレイヤーの開始時のライフ総量は40点である。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
118.2. プレイヤーに与えられたダメージは、通常、そのプレイヤーのライフをその量だけ失わせる。rule 119.3 参照。
118.3. 効果がプレイヤーにライフを得させたり失わせたりする場合、そのプレイヤーのライフ総量はそれだけ変動する。
118.4. コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはライフ総量がその値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけライフ総量が減少する、つまり、プレイヤーはその支払った分のライフを失う。(プレイヤーはいつでも0点のライフを支払うことができる。)
118.4a 双頭巨人戦において、コストや効果がプレイヤーに1点以上の量のライフを支払うことを認める場合、そのプレイヤーはそのチームの共有ライフ総量が、そのチームの両プレイヤーの支払う ライフの合計値以上の場合に限って支払うことができる。ライフを支払った場合、その支払った分だけ共有ライフ総量が減少する。(プレイヤーはいつでも0点のライフを支払うことができる。)
118.5. 効果がプレイヤーのライフ総量を特定の値にする場合、そのプレイヤーはライフ総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。
118.6. プレイヤーのライフ総量が0以下になった場合、そのプレイヤーは状況起因処理としてゲームに負ける。rule 704 参照。
118.7. 効果によってプレイヤーがライフを得られない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフ総量が多いプレイヤーとライフ総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。加えて、そのプレイヤーにライフを得させることを含むコストは支払うことができず、そのプレイヤーがライフを得るイベントを置換する置換効果は何もしない。
118.8. 効果によってプレイヤーがライフを失わない場合、そのプレイヤーは自分よりもライフ総量が少ないプレイヤーとライフ総量を交換することはできない。その場合、交換は発生しない。加えて、そのプレイヤーにライフを支払わせることを含むコストは支払うことが出来ない。
118.9. 「[プレイヤー]がライフを得るたび……/Whenever [a player] gains life, ...」という誘発型能力は、「いずれかの発生源が[プレイヤー]にライフを得させるたび……/Whenever a source causes [a player] to gain life, ...」として扱う。プレイヤーが0点のライフを得た場合、ライフを得るイベントは発生せず、従ってこの種の能力は誘発しない。
例:「あなたがライフを得るたび、あなたはアジャニの群れ仲間の上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい」という能力を持つ《アジャニの群れ仲間》と、絆魂を持つクリーチャー2体をコントロールしているプレイヤーがいる。その絆魂を持つクリーチャーが同時に戦闘ダメージを与えた場合、《アジャニの群れ仲間》の能力は2回誘発する。
119.1. オブジェクトはクリーチャー、プレインズウォーカー、プレイヤーにダメージを与えることができる。一般に、ダメージはダメージを受けるオブジェクトまたはプレイヤーに不利な影響を与える。ダメージを与えたオブジェクトはそのダメージの発生源である。
119.1a ダメージはクリーチャーでもプレインズウォーカーでもないオブジェクトには与えられない。
119.2. いずれのオブジェクトもダメージを与えることができる。
119.2a ダメージは、戦闘の結果として与えられることがある。攻撃クリーチャーもブロック・クリーチャーも、戦闘ダメージ・ステップにそのパワーに等しいだけの戦闘ダメージを与える。
119.2b ダメージは呪文や能力の効果として与えられることがある。その呪文や能力が、どのオブジェクトがそのダメージを与えるかを特定する。
119.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。
119.3a 感染を持たない発生源からプレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーのライフをその量だけ減らす。
119.3b 感染を持つ発生源からプレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーにその量の毒カウンターを置く。
119.3c プレインズウォーカーに与えられたダメージは、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
119.3d 萎縮や感染を持つ発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーにその量の-1/-1カウンターを置く。
119.3e 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーが負う。
119.3f 絆魂を持つ発生源から与えられたダメージは、他の結果に加え、その発生源のコントローラーにその量のライフを得させる。
119.4a まず、ダメージが、置換効果や軽減効果によって修整されてから与えられる(rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照)。ダメージが与えられたことによって誘発する能力はこの時点で誘発し、スタックに積まれるのを待つ。
119.4b 次に、与えられたダメージが結果に変換され、その結果(ライフの喪失やカウンターなど)に影響を及ぼす置換効果によって修整される。
例:「あなたがライフを得る場合、代わりに あなたはその2倍の点数のライフを得る。」というエンチャント、《加護の反射》をコントロールしているプレイヤーが3/3の萎縮と絆魂持ちのクリーチャーで攻撃し、2/2クリーチャーでブロックされた。防御プレイヤーはブロック・クリーチャーが受ける次の2点のダメージを軽減する呪文を唱えた。この場合、ダメージのイベントは「2/2クリーチャーが3点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける」というのが最初の状態である。軽減効果が適用され、ダメージのイベントは「2/2クリーチャーが1点のダメージを受ける。3/3クリーチャーが2点のダメージを受ける」になる。これが結果に変換されると、「2/2クリーチャーに-1/-1カウンターが1個置かれる。アクティブ・プレイヤーが1点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う」になる。《加護の反射》の効果が適用され、「2/2クリーチャーに-1/-1カウンターが1個置かれる。アクティブ・プレイヤーが2点のライフを得る。3/3クリーチャーが2点のダメージを負う」となり、これでダメージのイベントが発生する。
例:防御プレイヤーがクリーチャー1体と、「あなたがいずれかのクリーチャーをコントロールしている場合、あなたのライフの合計を1点以下に減少させるダメージは、代わりに あなたのライフの総量が1点になるまで減少させる。」というエンチャント、《崇拝》をコントロールしている。そのプレイヤーのライフは現在2点で、ブロックされなかった5/5クリーチャー2体によって攻撃されている。そのプレイヤーは、その攻撃クリーチャーのうち1体を対象にして「クリーチャー1体を対象とする。このターン、次にそれが与える ダメージをすべて軽減し、0にする。あなたは、これにより軽減されたダメージに等しい点数のライフを得る。」というインスタント《畏敬の一撃》を唱えた。ダメージのイベントは「防御プレイヤーが10点のダメージを受ける」というのが最初の状態である。《畏敬の一撃》の効果が適用され、「防御プレイヤーが5点のダメージを受ける。防御プレイヤーが5点のライフを得る。」になる。これが結果に変換されて、「防御プレイヤーは5点のライフを失う。防御プレイヤーは5点のライフを得る。」になる。このダメージのイベントがプレイヤーのライフ総量を1未満にしないので、《崇拝》の効果は適用されない。これでダメージのイベントが発生する。
119.5. クリーチャーやプレインズウォーカーが受けたダメージは、それを破壊しない。同様に、その発生源が破壊するわけでもない。そのパーマネントが受けたダメージの結果によってクリーチャーやプレインズウォーカーを破壊、あるいは他の方法でオーナーの墓地に置くのは、状況起因処理である。rule 704 参照。
例:プレイヤーが「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。《稲妻》はそれに3点のダメージを与える。」というインスタント、《稲妻》を、2/2クリーチャーを対象として唱えた。《稲妻》がそのクリーチャーに3点のダメージを与えた後、そのクリーチャーは状況起因処理によって破壊される。《稲妻》や、それの与えたダメージがそのクリーチャーを破壊したわけではない。
119.6. クリーチャーが負ったダメージは、そのパーマネントがクリーチャーでなくなったとしても、クリンナップ・ステップまで残る。クリーチャーが負ったダメージの合計がそのタフネス以上になったら、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたことになり、状況起因処理として破壊される(rule 704 参照)。パーマネントが負ったダメージは、再生する(rule 701.12〔再生する〕参照)か、あるいはクリンナップ・ステップの間に(rule 514.2 参照)取り除かれる。
119.7. ダメージの発生源とは、それを与えたオブジェクトである。効果によってプレイヤーがダメージの発生源を選ぶ場合、パーマネントか、スタックにある呪文(パーマネント呪文を含む)か、スタックにあるオブジェクトや適用を待つ置換・軽減効果や誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しない場合であっても)か、あるいはカジュアルな変種ゲームの一部においては統率 領域にある表向きのカードを選ぶことができる。ダメージを与えることができない発生源も、適正な選択となりうる。rule 609.7 参照。
119.8. 発生源が0点のダメージを与える 場合、それはダメージを与えない。ダメージを与えたことによって誘発する能力は誘発しない。その発生源によって与えられたダメージを増加させる、あるいはその発生源にそのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果は置換するイベントがないので何も効果を持たない。
120.1. プレイヤーがカードを引くとは、自分のライブラリーの一番上にあるカード1枚を自分の手札に入れるということである。これは各プレイヤーのドロー・ステップに、ターン起因処理として行なわれる。また、これは呪文や能力の、コストや効果としても行なわれる。
120.2. カードを同時に引くことができるのは1枚だけである。複数枚のカードを引くように指示された場合、そのプレイヤーはその回数だけカードを引くことを繰り返す。
120.2a 効果によって複数人がカードを引く 場合、まずアクティブ・プレイヤーが指定された枚数のカードを引き、その後ターン順で他のプレイヤーがカードを引く。
120.2b 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いたゲームにおいて、効果によって複数人がカードを引く 場合、まずアクティブ・チームのプレイヤーが好きな順番で指定された枚数のカードを引き、それから非アクティブ・チームが同じように処理する。
120.3. プレイヤーのライブラリーにカードがない状態で効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことができる。一方、カードを引くことができないという効果がある状況下で、他の効果がそのプレイヤーにカードを引くかどうかを選ばせる場合、そのプレイヤーはカードを引くことを選ぶことはできない。
120.3a カードを引く プレイヤー以外のプレイヤーが決定する場合にも、同じ原理が適用される。カードを引く プレイヤーのライブラリーにカードがなかったとしても、カードを引くことを選ぶことはできる。カードを引く プレイヤーがカードを引くことができないという効果があれば、カードを引くことを選ぶことはできない。
120.4. カードがないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にゲームに負ける。(これは状況起因処理である。rule 704 参照。)
120.5. 効果が「引く/draw」という語を使わずにプレイヤーのライブラリーからそのプレイヤーの手札に動かす 場合、そのプレイヤーはそのカードを引いてはいない。これは、カードを引くことで誘発する能力や、カードを引くことを置換する効果がある場合、またはそのプレイヤーのライブラリーが空である場合に違いが生じる。
120.6a カードを引くことを置換する効果は、影響を受けるプレイヤーのライブラリーが空であるためにそのプレイヤーがカードを引くことができない場合にも適用される。
120.6b 効果が、複数枚のカードが引かれるうちの1回を置換する場合、その置換効果は次の1枚を引く前に完全に処理される。
120.6c カードが引かれた後、そのカードに対して追加で何らかの処理をする効果が存在する。カードを引くことが置換された場合、その追加の処理は、その置換効果やそれ以外の置換効果の結果引かれたカードに対しては行なわれない。
120.7. 置換効果や軽減効果によって複数のによってカードが引かれることがある。その場合、元のイベントの中でこの効果によって置換されなかった部分が先に処理され、によって置換されなかった部分があれば、その部分が先に処理され、その後でカードが1枚ずつ引かれる。
121.1. カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターは相互に交換可能である。
121.1a クリーチャーまたは戦場以外の領域にあるクリーチャー・カードの上に置かれている+X/+Yカウンター(X、Yはそれぞれ数字である)はそのパーマネントのパワーにXを加え、タフネスにYを加える。同様に、-X/-Yカウンターはその分だけパワーやタフネスから引く。rule 613.3 参照。
121.1b 戦場に出ているプレインズウォーカーの上に置かれた忠誠カウンターは、そのプレインズウォーカーの忠誠度を示す。忠誠度が0のプレインズウォーカーは、状況起因処理でそのオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
121.1c いずれかのプレイヤーが10個以上の毒カウンターを持った場合、そのプレイヤーは状況起因処理でゲームに負ける。rule 704 参照。プレイヤーが1個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーは「毒を受けている/poisoned」と言う(双頭巨人戦に関する追加の規定は rule 810 を参照)。
121.2. オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。
121.3. 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。
121.4. ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
121.5. カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り、他のオブジェクトの上に置くことを言う。元置かれていたオブジェクトと動かす先のオブジェクトが同一である場合、何も起こらない。動かす元のオブジェクトにカウンターがない、あるいは動かす先のオブジェクトが既に本来の領域にない場合、カウンターを動かす 効果は何もしない。元のオブジェクトからカウンターが取り除かれることもない。
121.6. パーマネントの上にカウンターが「配置される/placed」ことを参照する呪文や能力は、そのパーマネントが戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのパーマネントが置換効果の結果としてカウンターの乗った状態で戦場に出ることの両方を参照する(rule 614.1c 参照)。
200.1. カードの部分には、カード名、マナ・コスト、絵、色指標、タイプ行、エキスパンション・シンボル、文章欄、パワーとタフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子、絵の著作権表記、権利表記、コレクター番号がある。カードによっては、これらの部分の一部または全部が複数存在することもある。
200.2. カードの部分の一部は、そのオブジェクトの特性でもある。rule 109.3 参照。
200.3. カードでないオブジェクト(トークン、カードのコピー、呪文のコピー)もカードの一部分を持つが、それは特性でもあるものに限られる。rule 110.5、rule 706 参照。
201.1. カードのカード名は、その左上隅に記されている。
201.2. 英語版でのカード名が同じ場合、それらのオブジェクトは同じカード名を持つ。
201.3. 効果によってプレイヤーが「カード名を1つ指定する/name a card」場合、そのプレイヤーはオラクル(rule 108.1 参照)に存在する、今行なっているゲームの形式において適正な(rule 100.6 参照)カードのカード名を選ばなければならない。分割カードを選びたい場合、その両方の半分のカード名を指定しなければならない(rule 708 参照)。反転カードの反転状態でのカード名を選びたい場合、そうしてもよい(rule 709 参照)。両面カードの変身後のカード名を選びたい場合、そうしてもよい(rule 711 参照)。プレイヤーは、カードのカード名でないトークンのカード名を指定することは出来ない。
201.4. 文章中でカード名を用いてそのオブジェクトが参照されていた場合、それはその特定のオブジェクトだけを指す。たとえカード名が何らかの効果によって変更されていてもそうであるし、同名の他のオブジェクトは示さない。
201.4a 能力の効果が他の能力をオブジェクトに与え、またその与えられた能力が元の能力の発生源をカード名で参照していた場合、そのカード名で示されるのはその能力を与えた能力を持つオブジェクト自身だけであり、同名の他のオブジェクトのことは示さない。(この規定は2つめの能力が新しいオブジェクトにコピーされた場合にも適用される)
例:《排水路の汚濁》は「あなたがコントロールするトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、排水路の汚濁の上にスライム・カウンターを1個置き、その後、「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ排水路の汚濁の上に置かれているスライム・カウンターの数に等しい」を持つ緑のウーズ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。」という能力を持つ。この、トークンに与えられた能力は、そのトークンを生成した《排水路の汚濁》自身のことだけを指し、他の《排水路の汚濁》のことは指さない。また、このトークンのコピーの持つ能力も、その元のトークンを生み出した《排水路の汚濁》だけを指す。
201.4b そのオブジェクト自身をカード名で参照している能力をカード名の異なるオブジェクトが得た場合、得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者のカード名はすべて後者のカード名であるとして扱われる。
例:《水銀の精霊》は、「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。この能力によって「{G}:棍棒のトロールを再生する」という(訳注:《棍棒のトロール》の持つ)能力を得た場合、その得た能力を起動して《水銀の精霊》を再生することができる。その能力を元々持っていた《棍棒のトロール》を再生するわけではない。
例:「連繋(秘儀)」を持ち、「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。氷河の光線はそれに2点のダメージを与える」というインスタント《氷河の光線》を、《木霊の手の内》に連繋した場合、対象となったクリーチャーやプレイヤーにダメージを与えるのはその《木霊の手の内》である。
例:《ディミーアのドッペルゲンガー》は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。ディミーアのドッペルゲンガーはそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」《ディミーアのドッペルゲンガー》の能力を、《ルーン爪の熊》を対象に起動した場合、《ディミーアのドッペルゲンガー》は《ルーン爪の熊》のコピーになり、この能力を得る。この得られる能力は、「{1}{U}{B}:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。ルーン爪の熊はそのカードのコピーとなり、この能力を得る。」として扱われる。
201.4c 伝説の カードの中には、そのカードのカード名を省略して記述しているものがある。これらは2回目以降の参照の場合にのみ省略されており、最初の参照の際にはカード名の全体が記されている。このようにして用いられている省略形は、そのカードのカード名がすべて書かれているものとして扱う。
201.5. オブジェクトの能力が、特性を用いて「この[何か]/this [何か]」の類の表現を用いていずれかのオブジェクトを指していた場合、後でその特性が合わなくなったとしても、その特定のオブジェクトを指す。
例:「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時までそれは+2/+2の修整を受ける。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力があった場合、その+2/+2の修整を受けたオブジェクトが次の終了ステップの開始時にクリーチャーでなくなっていたとしても、破壊する。
201.3. 英語名が同じなら、カードに記されている内容が違っていようとも同じカード名として扱う。
202.1. カードのマナ・コストはカードの上辺に記されているマナ・シンボルで示される(rule 107.4 参照)。ほとんどのカードでは、このシンボルは右上隅にある。未来予知セットの一部のカードで、マナ・シンボルの記されている位置がイラストの左側になっている。
202.1a オブジェクトのマナ・コストは、そのカードを唱えるためにそのプレイヤーのマナ・プールから消費しなければならないマナを表す。そのオブジェクトのマナ・コストにファイレクシア・マナ・シンボル(rule 107.4f 参照)が含まれない限り、オブジェクトのマナ・コストを支払う際には、色のついたマナ・シンボル全ての色や、不特定マナ・コストが正しくなければならない。
202.1b マナ・コストを持たないオブジェクトが存在する。これには、すべての土地 カードと、マナ・コストがあるべきところにマナ・シンボルが記されていないカード、トークン(トークンを生成した効果に特に書かれていない限り)、定形外のマジックのカードがある。マナ・コストがないということは、支払うことのできないコストを意味する(rule 117.6 参照)。土地は、コストを支払うことなくプレイされる(rule 305〔土地〕参照)。
202.2. オブジェクトの色は、マナ・コストに含まれるマナ・シンボルの色である。カードの背景色や枠の色は関係しない。
202.2a マジックで色とは、白、青、黒、赤、緑である。白のマナは{W}、青は{U}、黒は{B}、赤は{R}、緑は{G}で表わされる。
例:マナ・コスト{2}{W}のオブジェクトは白であり、マナ・コストが{2}のオブジェクトは無色であり、マナ・コストが{2}{W}{B}のオブジェクトは白でも黒でもある。
202.2b コストの中に色のついたマナ・シンボルを含まないオブジェクトは無色である。
202.2c マナ・コストの中に、5種類の色のうちで2種類以上の色のマナが含まれているオブジェクトは、そのそれぞれのマナ・シンボルの色を持つ。多色のカードのほとんどは金色の背景で印刷されているが、背景が金色でなくても多色であることがありうる。
202.2d マナ・コストに混成マナ・シンボルやファイレクシア・マナ・シンボルを含むオブジェクトは、そのオブジェクトの他の色に加えて、そのマナ・シンボルのそれぞれの色でもある(混成マナ・シンボルを持つほとんどのカードは2色に塗りわけられた枠を持つ。rule 107.4e 参照)。
202.2e 効果によってオブジェクトの色が変わったり、無色のオブジェクトに色が与えられたり、色を持つオブジェクトが無色になったりすることがある。rule 105.3 参照。
202.3. オブジェクトの、点数で見たマナ・コストは、マナ・コストに含まれるマナの量を色を気にせずに数えたものである。
例:マナ・コスト{3}{U}{U}は、点数で見たマナ・コストに換算すると5になる。
202.3a マナ・コストを持たないオブジェクトの点数で見たマナ・コストは0である。
202.3b マナ・コストに{X}を含むオブジェクトの点数で見たマナ・コストを計算する場合、そのオブジェクトがスタックにない限りXは0として扱う。オブジェクトがスタックにある間、Xはその選ばれた値を持つ。
202.3c 混成マナ・シンボルをマナ・コストに含むオブジェクトの点数で見たマナ・コストを計算する場合、各混成マナ・シンボルのもっとも大きい値を取る。
例:マナ・コストが{1}{W/U}{W/U}であるカードの点数で見たマナ・コストは3である。
例:マナ・コストが{2/B}{2/B}{2/B}であるカードの点数で見たマナ・コストは6である。
202.3d ファイレクシア・マナ・シンボルをマナ・コストに含むカードの点数で見たマナ・コストを計算する場合、各ファイレクシア・マナ・シンボルは1点として扱う。
例:マナ・コストが{1}{W/P}{W/P}であるカードの点数で見たマナ・コストは3である。
202.4. オブジェクトのルール文章に記されている追加コストや、他の効果によって追加されているコストは、マナ・コストの一部ではない(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。それらのコストは、その呪文の持つ他のコストと同時に支払われる。
203.1. カードの上半分に記されているものが絵であり、ルール上は特に意味はない。例えば、絵で空を飛んでいるように見えたとしても、ルール文章に飛行を持つと書かれていなければ、そのクリーチャーは飛行を持たない。
204.1. 色指標は、タイプ行の左、絵のすぐ下に印刷されている、一色またはそれ以上の色で塗られた丸印である。色指標は、マナ・コストを持たない土地でないカードに記されていることが多い。
204.2. 色指標を持つオブジェクトは、その色指標で表される各色である。
205.1. タイプ行は、絵のすぐ下に印刷されており、カード・タイプ(あるならばサブタイプ、特殊タイプも)が記されている。
205.1a 効果によってオブジェクトのカード・タイプが定められることがある。その場合、新しいカード・タイプが以前のカード・タイプを置き換える。カウンターや効果、負っているダメージは、新しいカード・タイプでは意味がなくなるとしても、そのオブジェクトに残る。同様に、効果によってあるオブジェクトのサブタイプが定められた場合、新しいサブタイプは以前の同種のサブタイプ(クリーチャー・タイプ、土地タイプ、アーティファクト・タイプ、エンチャント・タイプ、プレインズウォーカー・タイプ、呪文タイプ)を置き換える。オブジェクトのあるカード・タイプが失われた場合、そのカード・タイプ以外にそのサブタイプを用いるカード・タイプを持っていない場合、そのカード・タイプを失っている間、それにともなうサブタイプは失われる。逆にサブタイプを失わせても、カード・タイプには何の影響もない。
205.1b オブジェクトのカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプを変更する効果の中には、元のカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプが残ると明記されているものがある。この場合、そのオブジェクトの、以前のカード・タイプやサブタイプ、特殊タイプは全て残る。このルールは、「それまでのタイプに加え/in addition to its types」や「[タイプ、サブタイプ、特殊タイプ]でもある/still a [タイプ、サブタイプ、特殊タイプ]」という表記に適用される。また、「アーティファクト・クリーチャー」になる、と書かれた効果があるが、これも同様に以前のカード・タイプおよびサブタイプを全て残す効果である。
例:「全ての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力によって、土地は、クリーチャーでもあり土地でもあることになる。もし影響を受ける土地の中にアーティファクトでもあるものがあったなら、それは「アーティファクト・土地・クリーチャー」になる。「クリーチャー」や「土地・クリーチャー」になるわけではない。この効果によって、アーティファクトであることや土地であることが失われることはない。また、この効果によって、それまでに持っていた土地タイプや特殊タイプが失われることもない。
例:「全てのアーティファクトは1/1のアーティファクト・クリーチャーである」という能力によって、アーティファクトでもエンチャントでもあるパーマネントは、「アーティファクト・エンチャント・クリーチャー」になる。
205.2a カード・タイプには、「アーティファクト/artifact」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「インスタント/instant」「土地/land」「次元/plane」「プレインズウォーカー/planeswalker」「計略/Scheme」「ソーサリー/sorcery」「部族/tribal」「「ヴァンガード/vanguard」がある。rule 3〔カード・タイプ〕参照。
205.2b オブジェクトの中には、複数のカード・タイプを持つものもある(例えば、アーティファクト・クリーチャー)。この類のオブジェクトには、そのいずれかのカード・タイプに適用される効果は全て適用される。
205.3a カードは、タイプ行に書かれているサブタイプを持つ。
205.3b 次元以外のカード・タイプのサブタイプは常に一単語であり、長い横線の後に列記されているそれぞれの単語が別々のサブタイプである。その種のオブジェクトは複数のサブタイプを持ちうる。次元のサブタイプは長い横線の後に記されているが、複数の単語からなることもあり、長い横線の後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。
例:「基本 土地 ─ 山」とは、そのカードが土地で、サブタイプとして山を持つことを意味している。「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード」とは、そのカードがクリーチャーで、ゴブリンとウィザードというサブタイプを持つことを意味している。「アーティファクト ─ 装備品」とは、そのカードがアーティファクトで、装備品というサブタイプを持つことを意味している。
205.3c 複数のタイプを持つカードが複数のサブタイプを持つ場合、それぞれのサブタイプは該当するタイプにおけるサブタイプとして扱う。
例:《ドライアドの東屋》のタイプ行には「土地・クリーチャー ─ 森・ドライアド」と記されている。森は土地タイプであり、ドライアドはクリーチャー・タイプである。
205.3d オブジェクトは、その持つタイプに対応しないサブタイプを得ることはできない。
205.3e 効果によってプレイヤーがサブタイプを選ぶ場合、必ず、その該当するサブタイプとして存在するものの中から1つだけ選ばなければならない。例えば、クリーチャー・タイプを選ぶときに土地タイプを選ぶことはできない。
例:クリーチャー・タイプを選ぶ場合、「マーフォーク」や「ウィザード」は適正である。しかし「マーフォーク・ウィザード」は不正である。「アーティファクト」「対戦相手」「沼」「トラック」などはクリーチャー・タイプではないので不正である。
205.3f 記載されているサブタイプが変更されているカードが多数存在する。多くのカードは後にサブタイプを得ている。カードのサブタイプは、オラクルを参照して決定される(rule 108.1 参照)。
205.3g アーティファクトにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはアーティファクト・タイプと呼ばれる。アーティファクト・タイプには、「からくり/Contraption」「装備品/Equipment」(rule 301.5 参照)「城砦/Fortification」(rule 301.6 参照)がある。
205.3h エンチャントにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはエンチャント・タイプと呼ばれる。エンチャント・タイプには、「オーラ/Aura」(rule 303.4 参照)「祭殿/Shrine」がある。
205.3i 土地にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは土地タイプと呼ばれる。土地タイプには、「砂漠/Desert」「森/Forest」「島/Island」「棲み家/Lair」「神座/Locus」「鉱山/Mine」「山/Mountain」「平地/Plains」「魔力炉/Power-Plant」「沼/Swamp」「塔/Tower」「ウルザの/Urza's」がある。このうち、「森」「島」「山」「平地」「沼」は基本土地タイプである。rule 305.6 参照。
205.3j プレインズウォーカーにはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはプレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。プレインズウォーカー・タイプには、「アジャニ/Ajani」「ボーラス/Bolas」「チャンドラ/Chandra」「エルズペス/Elspeth」「ガラク/Garruk」「ギデオン/Gideon」「ジェイス/Jace」「カーン/Karn」「コス/Koth」「リリアナ/Liliana」「ニッサ/Nissa」「サルカン/Sarkhan」「ソリン/Sorin」「タミヨウ/Tamiyo」「テゼレット/Tezzeret」「ティボルト/Tibalt」「ヴェンセール/Venser」がある。
同じプレインズウォーカー・タイプを持つ複数のプレインズウォーカーが戦場に出ていた場合、それらはオーナーの墓地に置かれる。この「プレインズウォーカーの唯一性ルール」は状況起因処理である。rule 704 参照。
205.3k インスタントとソーサリーには共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは呪文タイプと呼ばれる。呪文タイプには、「秘儀/Arcane」「罠/Trap」がある。
205.3m クリーチャーと部族には共有のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプはクリーチャー・タイプと呼ばれる。クリーチャー・タイプには、「アドバイザー/Advisor」「同盟者/Ally」「天使/Angel」「アリクイ/Anteater」「アンテロープ/Antelope」「類人猿/Ape」「射手/Archer」「執政官/Archon」「工匠/Artificer」「暗殺者/Assassin」「組立作業員/Assembly-Worker」「エイトグ/Atog」「オーロクス/Aurochs」「アバター/Avatar」「アナグマ/Badger」「バーバリアン/Barbarian」「バジリスク/Basilisk」「コウモリ/Bat」「熊/Bear」「ビースト/Beast」「ビーブル/Beeble」「狂戦士/Berserker」「鳥/Bird」「ちらつき蛾/Blinkmoth」「猪/Boar」「運び手/Bringer」「ブラッシュワグ/Brushwagg」「カマリッド/Camarid」「ラクダ/Camel」「カリブー/Caribou」「キャリアー/Carrier」「猫/Cat」「ケンタウルス/Centaur」「セファリッド/Cephalid」「キマイラ/Chimera」「市民/Citizen」「クレリック/Cleric」「コカトリス/Cockatrice」「構築物/Construct」「臆病者/Coward」「カニ/Crab」「クロコダイル/Crocodile」「サイクロプス/Cyclops」「ダウスィー/Dauthi」「デーモン/Demon」「脱走者/Deserter」「デビル/Devil」「ジン/Djinn」「ドラゴン/Dragon」「ドレイク/Drake」「ドレッドノート/Dreadnought」「ドローン/Drone」「ドルイド/Druid」「ドライアド/Dryad」「ドワーフ/Dwarf」「イフリート/Efreet」「エルダー/Elder」「エルドラージ/Eldrazi」「エレメンタル/Elemental」「象/Elephant」「エルフ/Elf」「大鹿/Elk」「眼/Eye」「フェアリー/Faerie」「イタチ/Ferret」「魚/Fish」「旗手/Flagbearer」「狐/Fox」「カエル/Frog」「ファンガス/Fungus」「ガーゴイル/Gargoyle」「細菌/Germ」「巨人/Giant」「ノーム/Gnome」「ヤギ/Goat」「ゴブリン/Goblin」「ゴーレム/Golem」「ゴルゴン/Gorgon」「墓生まれ/Graveborn」「グレムリン/Gremlin」「グリフィン/Griffin」「ハッグ/Hag」「ハーピー/Harpy」「ヘリオン/Hellion」「カバ/Hippo」「ヒポグリフ/Hippogriff」「ホマリッド/Homarid」「ホムンクルス/Homunculus」「ホラー/Horror」「馬/Horse」「猟犬/Hound」「人間/Human」「ハイドラ/Hydra」「ハイエナ/Hyena」「イリュージョン/Illusion」「インプ/Imp」「インカーネーション/Incarnation」「昆虫/Insect」「クラゲ/Jellyfish」「巨大戦車/Juggernaut」「カヴー/Kavu」「麒麟/Kirin」「キスキン/Kithkin」「騎士/Knight」「コボルド/Kobold」「コー/Kor」「クラーケン/Kraken」「ラマスー/Lammasu」「ヒル/Leech」「リバイアサン/Leviathan」「ルアゴイフ/Lhurgoyf」「リシド/Licid」「トカゲ/Lizard」「マンティコア/Manticore」「マスティコア/Masticore」「傭兵/Mercenary」「マーフォーク/Merfolk」「メタスラン/Metathran」「ミニオン/Minion」「ミノタウルス/Minotaur」「モンガー/Monger」「マングース/Mongoose」「モンク/Monk」「ムーンフォーク/Moonfolk」「ミュータント/Mutant」「マイア/Myr」「神秘家/Mystic」「オウムガイ/Nautilus」「ネフィリム/Nephilim」「ナイトメア/Nightmare」「夜魔/Nightstalker」「忍者/Ninja」「ノッグル/Noggle」「ノーマッド/Nomad」「タコ/Octopus」「オーガ/Ogre」「ウーズ/Ooze」「オーブ/Orb」「オーク/Orc」「オーグ/Orgg」「アウフ/Ouphe」「雄牛/Ox」「カキ/Oyster」「ペガサス/Pegasus」「ペンタバイト/Pentavite」「邪魔者/Pest」「フェルダグリフ/Phelddagrif」「フェニックス/Phoenix」「ピンチャー/Pincher」「海賊/Pirate」「植物/Plant」「法務官/Praetor」「プリズム/Prism」「兎/Rabbit」「ネズミ/Rat」「レベル/Rebel」「反射/Reflection」「サイ/Rhino」「装具工/Rigger」「ならず者/Rogue」「サラマンダー/Salamander」「侍/Samurai」「砂漠の民/Sand」「苗木/Saproling」「サテュロス/Satyr」「カカシ/Scarecrow」「蠍/Scorpion」「スカウト/Scout」「農奴/Serf」「海蛇/Serpent」「シェイド/Shade」「シャーマン/Shaman」「多相の戦士/Shapeshifter」「羊/Sheep」「サイレン/Siren」「スケルトン/Skeleton」「スリス/Slith」「スリヴァー/Sliver」「ナメクジ/Slug」「蛇/Snake」「兵士/Soldier」「サルタリー/Soltari」「落とし子/Spawn」「スペクター/Specter」「スペルシェイパー/Spellshaper」「スフィンクス/Sphinx」「蜘蛛/Spider」「スパイク/Spike」「スピリット/Spirit」「裂片/Splinter」「スポンジ/Sponge」「イカ/Squid」「リス/Squirrel」「ヒトデ/Starfish」「サラカー/Surrakar」「生存者/Survivor」「テトラバイト/Tetravite」「サラカス/Thalakos」「飛行機械/Thopter」「スラル/Thrull」「ツリーフォーク/Treefolk」「トリスケラバイト/Triskelavite」「トロール/Troll」「海亀/Turtle」「ユニコーン/Unicorn」「吸血鬼/Vampire」「ヴィダルケン/Vedalken」「ヴィーアシーノ/Viashino」「ボルバー/Volver」「壁/Wall」「戦士/Warrior」「奇魔/Weird」「狼男/Werewolf」「鯨/Whale」「ウィザード/Wizard」「狼/Wolf」「クズリ/Wolverine」「ウォンバット/Wombat」「蟲/Worm」「レイス/Wraith」「ワーム/Wurm」「イエティ/Yeti」「ゾンビ/Zombie」「ずべら/Zubera」がある。
205.3n 次元にはそれ専用のサブタイプ群が存在する。それらのサブタイプは次元 タイプと呼ばれる。次元 タイプには、「アラーラ/Alara」「アーコス/Arkhos」「アズゴル/Azgol」「ベレノン/Belenon」「ボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realm」「ドミナリア/Dominaria」「エクィロー/Equilor」「エルガモン/Ergamon」「ファバシン/Fabacin」「イニストラード/Innistrad」「イクァターナ/Iquatana」「アー/Ir」「カルドハイム/Kaldheim」「神河/Kamigawa」「Karsus」「ケファライ/Kephalai」「キンシャラ/Kinshala」「コルバーン/Kolbahan」「キネス/Kyneth」「ローウィン/Lorwyn」「ルヴィオン/Luvion」「メルカディア/Mercadia」「ミラディン/Mirrodin」「モアグ/Moag」「モンセン/Mongseng」「ムラガンダ/Muraganda」「新ファイレクシア/New Phyrexia」「ファイレクシア/Phyrexia」「パイルリー/Pyrulea」「ラバイア/Rabiah」「ラース/Rath」「ラヴニカ/Ravnica」「レガーサ/Regatha」「セゴビア/Segovia」「セラの領土/Serra's Realm」「シャドウムーア/Shadowmoor」「シャンダラー/Shandalar」「ウルグローサ/Ulgrotha」「ヴァラ/Valla」「ヴリン/Vryn」「ワイルドファイア/Wildfire」「ゼレックス/Xerex」「ゼンディカー/Zendikar」がある。
205.4a カードは、特殊タイプを持つことがある。それらはカード・タイプの直前に書かれる。特殊タイプには、「基本/Basic」「伝説の/Legendary」「持続/Ongoing」「氷雪/Snow」「ワールド/World」がある。
205.4b 特殊タイプの中には特定のカード・タイプに強く関連づけられているものもあるが、オブジェクトの特殊タイプはそのカード・タイプやサブタイプとは独立している。オブジェクトのカード・タイプまたはサブタイプが変更になった場合、特殊タイプはそのまま維持される。オブジェクトが特殊タイプを得たり失ったりした場合、すでに持っている特殊タイプはそのまま残る。
例:「すべての土地は1/1のクリーチャーである。それらは土地でもある。」という能力があった場合、影響を受けた土地が伝説の 土地であれば、そのまま伝説の パーマネントのままである。
205.4c 「基本/basic」という特殊タイプを持った土地は基本 土地である。この特殊タイプを持たない土地は基本でない土地である。
第8版以前に作られたカードは「基本」という語で基本 土地を表示していない。それらの古いカードにおいては、カード名が《森》《島》《山》《平地》《沼》《冠雪の森》《冠雪の島》《冠雪の山》《冠雪の平地》《冠雪の沼》の10種類のいずれかであるものを基本 土地とする。
205.4d 「伝説の/legendary」という特殊タイプを持つパーマネントは、「レジェンド・ルール」と呼ばれる、伝説の パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5k 参照。
205.4e 「ワールド/world」という特殊タイプを持つパーマネントは、「ワールド・ルール」と呼ばれる、ワールド・パーマネントに関する状況起因処理に従う。rule 704.5m 参照。
205.4f 「氷雪/snow」という特殊タイプを持つパーマネントは、氷雪 パーマネントである。この特殊タイプを持たないパーマネントは、そのカード名によらず、氷雪でないパーマネントである。
205.4g 「持続/Ongoing」という特殊タイプを持つ計略 カードは、計略の状況起因処理の例外である(rule 704.5w 参照)。
206.1. エキスパンション・シンボルは、そのカードがマジックのどのセットのものかを示すものであり、通常は絵の右下に記されている。
206.2. エキスパンション・シンボルの色はそのカードのそのセットにおける希少度を示すものである。赤橙色は神話レア、金色はレア、銀色はアンコモン、黒または白がコモンか基本 土地である。紫は特殊な希少度を表すために用いられる。現時点で存在するのは、『時のらせん』カード・セットの、レアよりも希少度の高いタイムシフト・カードだけである。(エクソダスよりも古いセットでは、希少度に関らず、全てのシンボルは黒で書かれていた。また、第5版までの基本セットのカードには、エキスパンション・シンボルはついていなかった。簡体中国語版の第5版には"V"のエキスパンション・シンボルが存在した)
206.3. ある特定のセットからのカードに影響する呪文や能力は、そのセットのエキスパンション・シンボルだけをチェックする。基本セットや他のエキスパンションに収録されたカードはそのセットのエキスパンション・シンボルを持つので、それらの再収録分は、元のセットのエキスパンション・シンボルを持って再収録されたのでない限り、元のセットのカードとはみなさない。
206.4. プレイヤーは、そのカードがその形式で認められているセット(あるいは特にマジック・イベント規定によって認められているカード)に含まれている限り、どの版からでもカードを構築 デッキに入れてよい。現在の構築形式の定義については、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/wpn/Events/Rules.aspx)を参照のこと。
206.5. エキスパンション・シンボルの完全な一覧は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のウェブサイトのMagic Productコーナー(http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=mtg/tcg/products/allproducts)から確認できる。
207.1. 文章欄は、カードの下半分にある。多くの場合、ここにはそのカードの能力を定義するルール文章が書かれている。
207.2. 文章欄には、ゲーム上意味を持たないイタリック体の(日本語版では文字サイズが小さいまたは教科書体である)文章が書かれていることがある。
207.2a 注釈文は、カッコにくくられたイタリック体(日本語版では文字サイズが一段小さい)の文章であり、そのカードに適用されるルールの要約である。これはそれが対応する能力と同じ行に書かれていることが多いが、その能力でなくカード全体の注釈の場合、独立した行に書かれていることもある。
207.2b フレイバー・テキストは、イタリック体(日本語版では教科書体)で書かれた、絵と同様にゲームに雰囲気を出すための文章である。これはルール文章の下に記載される。
207.2c 能力語は、カードの能力の最初にイタリック体で書かれている(日本語版ではフォントが区別されておらず、―で区切られていることで区別する必要がある)。能力語は、同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために与えられたキーワードのようなものであるが、ルール上の意味を持たず、総合ルールに独立した項目を持たない。能力語には、「魂力/Channel」「彩色/Chroma」「版図/Domain」「窮地/Fateful hour」「壮大/Grandeur」「暴勇/Hellbent」「刻印/Imprint」「同調/Join Forces」「族系/Kinship」「上陸/Landfall」「金属術/Metalcraft」「陰鬱/Morbid」「光輝/Radiance」「掃引/Sweep」「スレッショルド/Threshold」がある。
207.3. ラヴニカ・ブロックのカードの多くで、文章欄にギルド・アイコンが含まれている。それらのカードはその対応するギルド特有の機能を持っているなど、そのギルドの色である2色に関係したものである。ギルド・アイコンはゲームのプレイには影響を及ぼさない。同様に、ミラディンの傷跡・ブロックではほとんどのカードの文章欄に陣営アイコンが含まれている。陣営アイコンはゲームのプレイには影響を及ぼさない。
207.4. 次元 カードの、「あなたが{C}を出すたび」という誘発型能力の左側には、カオス・シンボル{C}が記されている。このシンボルそのものはルール上特別な意味を持たない。
208.1. クリーチャー・カードの右下には、スラッシュで区切られた二つの数字が記されている。一つ目の数字はパワー(戦闘中に与える ダメージの量)であり、二つ目の数字はタフネス(破壊されるのに必要なダメージの量)である。例えば、2/3というのはそのオブジェクトが2のパワーと3のタフネスを持つことを示している。パワーやタフネスは、効果によって修整を受けたりある値に変更されたりすることがある。
208.2. 一部のクリーチャー・カードでは、パワーもしくはタフネスの値が固定値ではなく * になっているものがある。
208.2a カードは、何らかの条件に基づいてパワーやタフネスを定める特性定義能力を持つことがある(rule 604.3 参照)。この種の能力は、「[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス]は〜である/[このクリーチャーの][パワーまたはタフネス] is equal to 〜」あるいは「[このクリーチャーの]パワーとタフネスはそれぞれ〜である/[このクリーチャーの]power and toughness are each equal to 〜」と書かれる。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所において機能する。決定できない値を計算上などで用いる必要がある場合、その値を0として扱う。
例:《Lost Order of Jarkeld》のパワーやタフネスはそれぞれ1+*であり、「Lost Order of Jarkeldが戦場に出るに際し、対戦相手1人を選ぶ」「Lost Order of Jarkeldのパワーとタフネスはそれぞれ、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーの数に1を加えたものに等しい」という能力を持つ。《Lost Order of Jarkeld》が戦場にない間、プレイヤーは選ばれていないので、パワーとタフネスはともに1+0、つまり1/1となる。
208.2b クリーチャーのパワーやタフネスを、それが戦場に出るに際して、あるいは表になるに際して、いくつかの特定の選択の中から1つに設定する置換効果を生成する常在型能力を持つカードが存在する(rule 614〔置換効果〕参照)。その種の能力は、「[このクリーチャー]が戦場に出るに際し〜/As [このクリーチャー] enters the battlefield . . . ," "[このクリーチャー]が表向きになるに際し〜/As [このクリーチャー] is turned face up . . . ," or "[このクリーチャー]は〜として戦場に出る。/[このクリーチャー] enters the battlefield as . . ."といった書式で、複数のパワーとタフネスの組(さらに追加の特性がついていることもある)が記されている。これらの効果で選ばれた特性は、そのクリーチャーのコピー可能な値に影響を与える(rule 706.2 参照)。カードが戦場にない間、パワーとタフネスはともに0として扱う。
208.3. クリーチャーでないパーマネントは、そのカードにパワーやタフネスが記載されていたとしても(リシドがオーラになった場合など)、パワーやタフネスを持たない。
209.1. プレインズウォーカー・カードの右下には、忠誠数が記されている。これはプレインズウォーカーが戦場にない間の忠誠度の値を示し、プレインズウォーカーは、その数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る。
209.2. コストに忠誠度シンボルを含む起動型能力は、忠誠度能力である。忠誠度能力はプレイヤーは自分のコントロールするパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
210.1. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの手札の最大枚数(通常7枚)に適用され、ゲームの開始時に引く枚数、ならびに手札の最大枚数を決定する。
211.1. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーのライフ総量の初期値(通常20点)に適用され、ゲームの開始時のライフ総量を決定する。
212.1. カードの文章欄の下に印刷されている、ゲーム上効果のない文章がある。
212.1a カードの絵の著作権表記は、文章欄のすぐ下に、絵筆のアイコン、あるいは古いカードでは「Illus.」という略語に続いて記されている。
212.1b 権利表記は発行した日付と著作権の表記である。これはカードの一番下に小さな文字で記されている。
212.1c いくつかのカード・セットではコレクター番号がふられている。この情報は[カード番号]/[セットに含まれるカードの総数]という形で、権利表記のすぐあとに記されている。
300.1. カード・タイプには、「アーティファクト/artifact」「クリーチャー/creature」「エンチャント/enchantment」「インスタント/instant」「土地/land」「現象/Phenomenon」「次元/plane」「プレインズウォーカー/planeswalker」「計略/scheme」「ソーサリー/sorcery」「部族/tribal」「「ヴァンガード/vanguard」がある。
300.2. 複数のカード・タイプを持つオブジェクト(たとえば、アーティファクト・クリーチャーなど)が存在する。この類のオブジェクトは、そのいずれかのカード・タイプの持つ性質を持ち、また、そのいずれかのカード・タイプに適用される呪文や能力の影響を受ける
300.2a 土地でもあり他のカード・タイプでもあるオブジェクト(たとえばアーティファクト・土地)は土地としてのみプレイできる。呪文として唱えることはできない。
300.2b 部族 カードは他のカード・タイプを持つ。部族 カードを唱え、解決することは、そのもう一方のカード・タイプのカードを唱え、解決することに関するルールに従う。
301.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、アーティファクト・カードを手札から唱えることができる。アーティファクトを呪文として唱える 場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
301.2. アーティファクト 呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
301.3. アーティファクトのサブタイプは必ず1単語であり、「アーティファクト」という語のあとに、「アーティファクト ─ 装備品/Artifact ─ Equipment」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。アーティファクトのサブタイプは、「アーティファクト・タイプ」とも呼ばれる1単語である。アーティファクトには複数のサブタイプがあることもありうる。アーティファクト・タイプの一覧は、rule 205.3g を参照。
301.4. アーティファクトはそのカード・タイプに特有の特性を持たない。ほとんどのアーティファクトは有色 マナ・シンボルをマナ・コストに含まないので、無色である。しかし、無色であることとアーティファクトであることの間に因果関係はない。色を持つアーティファクトも存在するし、無色であってもアーティファクトでないオブジェクトも存在する。
301.5. アーティファクトの中には、「装備品/Equipment」というサブタイプを持つものがある。装備品はクリーチャーにつけることができる。クリーチャーでないオブジェクトに適正につけることはできない。
301.5a 装備品がつけられているクリーチャーは、「装備しているクリーチャー/equipped creature」と呼ばれる。装備品は、クリーチャーにつけられる、あるいは「装備される/equip」ことになる。
301.5b 装備品は、他のアーティファクトと同様に唱えられ、戦場に出る。装備品がクリーチャーにつけられた状態で戦場に出ることはない。キーワード能力「装備/equip」は、その装備品をあなたがコントロールしているクリーチャーにつける(rule 702.6〔装備〕参照)。クリーチャーのコントロールに関する条件は、装備 能力の起動時と解決時にのみ確認する。呪文や他の能力によって装備品がクリーチャーにつけられることがある。効果によって装備品をそれを装備することができないオブジェクトにつけようとした場合、その装備品は動かない。
301.5c クリーチャーは、クリーチャーでもある装備品を装備できない。クリーチャーは、「装備品」というサブタイプを失った装備品を装備できない。装備品は自分自身を装備できない。不正あるいは存在しないパーマネントに装備されている装備品は、そのパーマネントから外れるが、戦場に残ったままである(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。装備品は同時に複数のクリーチャーにつくことはない。呪文や能力によって複数のクリーチャーに装備させるようなことが起こった場合、その装備品のコントローラーはどちらのクリーチャーにつけるかを選ぶ。
301.5d 装備品のコントローラーは、装備しているクリーチャーのコントローラーとは別物である。この2つは同じである必要はない。クリーチャーのコントローラーが変わっても装備品のコントローラーは変わらないし、逆も同様である。装備品のコントローラーのみが、それの能力を起動できる。ただし、装備品がそれを装備しているクリーチャーに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)与える 場合、装備しているクリーチャーのコントローラーのみが、その能力を起動できる。
301.6. アーティファクトの中には、「城砦/Fortification」というサブタイプを持つものがある。城砦は土地につけることができる。土地でないオブジェクトにつけることはできない。城砦に関して装備 能力に対応するのは「城砦化/Fortify」というキーワード能力である。rule 301.5a-dは、装備品とクリーチャーの関係を、城砦と土地の関係に読み替え、rule 301.5b は「土地は、クリーチャーでもある城砦によって城砦化されない」と読み替えて適用する。rule 702.65〔城砦化〕参照。
301.7. 装備品でないパーマネントが「装備しているクリーチャー/equipped creature」を参照する能力を持っている場合、その部分はどのクリーチャーも参照しない。同様に、城砦でないパーマネントが「城砦化している土地/fortified land」を参照する能力を持っている場合、その部分はどの土地も参照しない。
302.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、クリーチャー・カードを手札から唱えることができる。クリーチャーを呪文として唱える 場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
302.2. クリーチャー 呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
302.3. クリーチャーのサブタイプは必ず1単語であり、「クリーチャー」という語のあとに、「クリーチャー ─ 人間・兵士/Creature ─ Human Soldier」「アーティファクト・クリーチャー ─ ゴーレム/Artifact Creature ─ Golem」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。クリーチャーのサブタイプは、「クリーチャー・タイプ」とも呼ばれる。クリーチャーには複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は rule 205.3m 参照。
例:「クリーチャー ─ ゴブリン・ウィザード/Creature ─ Goblin Wizard」は、そのカードがサブタイプとしてゴブリンとウィザードを持つクリーチャー・カードであることを示している。
302.4. パワーとタフネスは、クリーチャーだけが持っている特性である。
302.4a クリーチャーのパワーとは、そのクリーチャーが戦闘で与える ダメージの総量である。
302.4b クリーチャーのタフネスとは、そのクリーチャーを破壊するために必要なダメージの総量である。
302.4c クリーチャーのパワーやタフネスを決定するためには、カードの右下に記載されている値から計算し、各種の継続的効果を適用する。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
302.5. クリーチャーは攻撃したりブロックしたりできる。(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕、rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
302.6. クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、起動できない。また、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーでは攻撃できない。このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。
302.7. 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーが負う。クリーチャーが負っているダメージの合計がそのタフネス以上である場合、そのクリーチャーは致死ダメージを受けたといい、状況起因処理で破壊される(rule 704 参照)。クリーチャーが負っているダメージは、再生した時(rule 701.12〔再生する〕参照)とクリンナップ・ステップの間(rule 514.2 参照)に取り除かれる。
303.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、エンチャント・カードを手札から唱えることができる。エンチャントを呪文として唱える 場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
303.2. エンチャント 呪文が解決されたら、それのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
303.3. エンチャントのサブタイプは必ず1単語であり、「エンチャント」という語のあとに、「エンチャント ─ 祭殿/Enchantment ─ Shrine」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。エンチャントのサブタイプは、「エンチャント・タイプ」とも呼ばれる。エンチャントには複数のサブタイプがあることもありうる。エンチャント・タイプの一覧は、rule 205.3k 参照。
303.4. エンチャントの中には、サブタイプとして「オーラ/Aura」を持つものがある。オーラはオブジェクトまたはプレイヤーについた状態で戦場に出る。オーラをつけることができる先は、キーワード能力「エンチャント/Enchant」によって規定されている(rule 702.5〔エンチャント〕参照)。他の効果によって、あるパーマネントをエンチャントできるかどうかに限定が加えられる場合もある。
303.4a オーラ 呪文は、エンチャント能力によって規定される対象を必要とする。
303.4b オーラのつけられているオブジェクトやプレイヤーのことを、「エンチャントされている」という。そのオーラはそのオブジェクトやプレイヤーを「エンチャントしている」、あるいはそのオブジェクトやプレイヤーに「ついている」という言い方をする。
303.4c オーラが、エンチャント能力やその他の効果による規定に対して不正なオブジェクトまたはプレイヤー上にエンチャントしていた、あるいはエンチャントされているオブジェクトやプレイヤーがすでに存在しなくなっていた場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照)。
303.4d オーラはそれ自身をエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラはオーナーの墓地に置かれる。また、オーラがクリーチャーでもある場合、他のオブジェクトをエンチャントすることができない。何らかの理由でそうなった場合、そのオーラははずれ、そしてオーナーの墓地に置かれる。(これらは状況起因処理である。rule 704 参照)。 オーラは同時に複数のオブジェクトまたはプレイヤーにつくことはない。呪文や能力の効果によってオーラが複数のオブジェクトやプレイヤーにつくような場合、そのオーラのコントローラーはどちらのオブジェクトまたはプレイヤーにつけるかを選ぶ。
303.4e オーラのコントローラーは、エンチャントされているオブジェクトのコントローラーあるいはエンチャントされているプレイヤーとは別物である。この2つは同じである必要はない。オーラがオブジェクトをエンチャントしている場合、そのオブジェクトのコントローラーが変わってもオーラのコントローラーは変わらないし、逆も同様である。オーラのコントローラーのみが、それの能力を起動できる。ただし、オーラがそれにエンチャントされているオブジェクトに能力を(「得る/gains」あるいは「持つ/has」等によって)与える 場合、エンチャントされているオブジェクトのコントローラーのみが、その能力を起動できる。
303.4f オーラが、オーラ 呪文が解決される以外の方法でいずれかのプレイヤーのコントロール下で戦場に出、その出す効果がオーラのエンチャント先を指定していなかった場合、そのプレイヤーがそのオーラが戦場に出るに際してそのオーラのエンチャント先を選ぶ。そのプレイヤーは、オーラのエンチャント能力その他適用される効果に従い、適正なオブジェクトまたはプレイヤーを選ばなければならない。
303.4g オーラが、適正にエンチャントできるオブジェクトやプレイヤーのない状態で戦場に出る 場合、そのオーラが現在スタックにあるのでない限り、現在ある領域にとどまる。スタックにある場合、そのオーラは戦場に出る 代わりに オーナーの墓地に置かれる。
303.4h 効果によって戦場にあるオーラをオブジェクトやプレイヤーにつける 場合、そのオブジェクトやプレイヤーはそれによってエンチャントされることができなければならない。そのオブジェクトやプレイヤーがエンチャントされることができない場合、オーラは移動しない。
303.4i オーラでないパーマネントが「エンチャントしている[オブジェクトまたはプレイヤー]/enchanted [オブジェクトまたはプレイヤー]」を参照する能力を持っている場合、その部分はどのオブジェクトやプレイヤーも参照しない。
304.1. 優先権を持つプレイヤーは、インスタント・カードを手札から唱えることができる。インスタントを呪文として唱える 場合、スタックを用いる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
304.2. インスタント 呪文が解決されたら、ルール文章に書かれている処理が行なわれ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
304.3. インスタントのサブタイプは必ず1単語であり、「インスタント」という語のあとに、「インスタント ─ 秘儀/Instant ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。インスタントのサブタイプはソーサリーのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。インスタントには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
304.4. インスタントが戦場に出ることはない。戦場に出る 場合、その代わりに元あった領域に残る。
304.5. 「プレイヤーがインスタントを唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast an instant,」という表現は、そのプレイヤーが優先権を持っている時に、という意味である。実際に唱えられるインスタントを持っている必要はないし、そのプレイヤーに呪文を唱えられなくする効果や、インスタントを唱えられなくする効果があってもその処理は実行できる(その処理が実際に呪文を唱えたり、インスタントを唱えたりするものでない限り)。
305.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、土地 カードを手札からプレイすることができる。土地をプレイすることは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 115 参照)。土地をプレイする場合、プレイヤーはそれを単に戦場に出す。土地はスタックに乗らず、呪文ではなく、また、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
305.2. 通常、プレイヤーは、自分のターンの間に土地を1つだけプレイすることができる。継続的効果によって、この数が増加することがありうる。その種の効果が存在する場合、プレイヤーはどの効果によって、あるいは効果によらずにこのルールによって、土地をプレイするかを宣言する。
305.3. プレイヤーは、いかなる理由があれ、自分のターン以外には土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示する部分は無視する。同様に、そのターンに許可されている全ての土地のプレイを済ませているプレイヤーは、土地をプレイすることはできない。プレイヤーにそうさせるように指示している部分は無視する。
305.4. 土地を戦場に「出す/put」ことができる効果が存在する。これは土地のプレイとは違うので、通常の土地のプレイが1枚限りだという限定の上では考慮されない。
305.5. 土地のサブタイプは常に1単語であり、土地タイプとも呼ばれる。土地は複数の土地タイプを持つことがありうる。土地タイプの一覧は rule 204.3h 参照。
例:「基本 土地 ─ 山」という記述は、そのカードが山のサブタイプを持つ土地 カードであることを意味する。
305.6. 基本土地タイプは、平地、島、沼、山、森である。「基本土地タイプ」が参照される場合、これらのサブタイプのうちいずれかを意味する。基本土地タイプを持つオブジェクトは、文章欄が空欄であったりそもそも存在しなかったりしたとしても、「{T}:あなたのマナ・プールに[マナ・シンボル]を加える」の能力を持つ。能力内のマナ・シンボルは、平地は{W}、島は{U}、沼は{B}、山は{R}、森は{G}である。rule 107.4a、並びに rule 605〔マナ能力〕参照。
305.7. 何らかの効果により土地タイプがいずれかの基本土地タイプに定められた場合、その土地は以降古い土地タイプを持たない。ルール文章または元の土地タイプによって得られていた能力を全て失い、その基本土地タイプが持つマナ能力を得ることになる。ただし、これは他の効果によりその土地に与えられた能力を取り除くわけではない。土地タイプの設定は、その土地が持つカード・タイプ(「クリーチャー」など)や特殊タイプ(「基本」や「伝説の」「氷雪」など)を変更しない。土地が現在の土地タイプに加えて新たな土地タイプを得た場合、それはこれまでの土地タイプとルール文章を持ち、それに加えて新しい土地タイプとマナ能力を得る。
305.8. 「基本/Basic」という特殊タイプをもつ土地は基本 土地である。基本土地タイプを持っていても、この特別タイプを持たない土地は基本でない土地である。
305.9. あるオブジェクトが土地であり、かつ他のカード・タイプでもある場合、それは土地としてプレイされる。呪文として唱えられることはない。
306.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、プレインズウォーカー・カードを手札から唱えることができる。プレインズウォーカーを呪文として唱える 場合、スタックを用いる(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
306.2. プレインズウォーカー 呪文が解決された時、そのコントローラーはそれを自分のコントロール下で戦場に出す。
306.3. プレインズウォーカーのサブタイプは必ず1単語であり、「プレインズウォーカー ─ ジェイス/Planeswalker ─ Jace」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。プレインズウォーカーのサブタイプは「プレインズウォーカー・タイプ」と呼ばれる。プレインズウォーカーには複数のサブタイプがあることもありうる。プレインズウォーカ・タイプの一覧は、rule 205.3j 参照。
306.4. 戦場にある複数のプレインズウォーカーが共通のプレインズウォーカー・タイプを持つ場合、それら全ては状況起因処理によってオーナーの墓地に置かれる。これは「プレインズウォーカーの唯一性ルール」と呼ばれる。rule 704 参照。
306.5. 「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーにのみ存在する特性である。
306.5a 戦場に出ていないプレインズウォーカーの忠誠度は、その右下角に記載されている数字に等しい。
306.5b プレインズウォーカーは、その文章欄に「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る」と書かれているものとして扱う。この能力は置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。
306.5c 戦場に出ているプレインズウォーカーの忠誠度は、その上にある忠誠カウンターの数に等しい。
306.5d プレインズウォーカーは、数個の忠誠度能力を持つ。それらはそのコストに忠誠度シンボルを含む起動型能力である。忠誠度能力には、「プレイヤーは自分のコントロールするパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をどれも起動していない場合にのみ起動できる」という特殊なルールが適用される。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
306.6. プレインズウォーカーは攻撃されることがある(rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照)。
306.7. 対戦相手のコントロールする発生源からの、戦闘ダメージでないダメージがプレイヤーに与えられる場合、その対戦相手はその代わりにその発生源にそのダメージをそのプレイヤーのコントロールするプレインズウォーカーに与えさせることを選んでもよい。これは移し変え効果(rule 614.9 参照)であり、置換効果の順番に関する通常のルール(rule 616 参照)に従う。その対戦相手は、その移し替え効果が適用されるに際して、ダメージを移し変えるかどうかを選ぶ。
306.8. プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
306.9. プレインズウォーカーの忠誠度が0である場合、そのオーナーの墓地に置かれる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
307.1. 優先権を持つプレイヤーは、自分のメイン・フェイズで、スタックが空の間、ソーサリー・カードを手札から唱えることができる。ソーサリーを呪文として唱える 場合、スタックを用いる。(rule 601〔呪文を唱えること〕参照)。
307.2. ソーサリー 呪文が解決されたら、ルール文章に書かれている処理が行なわれ、その後で、オーナーの墓地に置かれる。
307.3. ソーサリーのサブタイプは必ず1単語であり、「ソーサリー」という語のあとに、「ソーサリー ─ 秘儀/Sorcery ─ Arcane」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。ソーサリーのサブタイプは、インスタントのサブタイプと同一であり、呪文タイプと呼ばれる。ソーサリーには複数のサブタイプがあることもありうる。呪文タイプ一覧は、rule 205.3k 参照。
307.4. ソーサリーは戦場に出ることはできない。戦場に出る 場合、その代わりに元の領域に残る。
307.5. 呪文、能力、効果によって、プレイヤーが何かを「ソーサリーが唱えられるときならいつでも/any time he or she could cast a sorcery」できる、となっていた場合、それはそのプレイヤーが優先権を持ち、自分のターンのメイン・フェイズ中で、スタックが空である、ということを意味する。実際に唱えられるソーサリーを持っている必要はないし、そのプレイヤーに呪文を唱えられなくする効果や、ソーサリーを唱えられなくする効果があっても処理は実行できる(その処理が実際に呪文を唱えたり、ソーサリーを唱えたりするものでない限り)。
307.5a 同様に、ある呪文が「ソーサリーが唱えられない間に/any time a sorcery couldn't have been cast,」唱えられたかどうかを見る効果は、その呪文のコントローラーが優先権を持たずに、あるいは自分のメイン・フェイズ以外のフェイズの間に、あるいは何らかのオブジェクトがスタックにある間に唱えたかどうかだけを調べる。
308.1. 部族 カードはもう一つカード・タイプを持つ。部族 カードをプレイし、解決するにあたっては、もう一つのカード・タイプのカードをプレイし、解決するためのルールに従う。
308.2. 部族のサブタイプは、必ず1単語であり、「部族・エンチャント ─ マーフォーク/Tribal Enchantment ─ Merfolk」といったように、長いダッシュに続いて並べられている。部族のサブタイプはクリーチャーのサブタイプと同じであり、「クリーチャー・タイプ」と呼ばれる。部族には複数のサブタイプがあることもありうる。クリーチャー・タイプの一覧は、rule 205.3m 参照。
309.1. 次元は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。次元 カードは、プレインチェイス戦・カジュアル変種ルールにおいてのみ用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
309.2. 次元 カードは、次元デッキの中にある間も、また表向きになっている間も、ゲームの間統率 領域にあり続ける。唱えられることはない。次元 カードが統率 領域を離れる場合、それは統率 領域に残り続ける。
309.3. 次元のサブタイプは長い横線の後に記されており、「次元 ― セラの領土/Plane - Serra's Realm」のように複数の単語からなることもある。長い横線の後に記されている単語すべてで1つのサブタイプである。次元のサブタイプは次元 タイプとも呼ばれる。次元は1つしかサブタイプを持つことはない。次元 タイプの一覧は、rule 205.3n 参照。
309.4. 次元 カードは任意の数の常在型能力、誘発型能力、起動型能力を持ちうる。次元 カードが統率 領域で表向きである間、常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
309.5. 表向きの次元 カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤーになるまでの間、指定されたままとなる。
309.6. 裏向きになった表向きの次元 カードは、新しいオブジェクトになる。
309.7. 次元 カードは、「あなたが{C}を出すたび」という誘発型能力を持つ。これは「カオス能力」と呼ばれる。それらは左側にある{C}で示されているが、そのシンボル自体にルール上の意味はない。
310.1. 現象は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。プレインチェイス戦カジュアル変種ルールは次元 カードを用いる。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
309.2. 現象 カードは、次元デッキの中にある間も、また表向きになっている間も、ゲームの間統率 領域にあり続ける。唱えられることはない。現象 カードはパーマネントではない。現象 カードが統率 領域を離れる場合、それは統率 領域に残り続ける。
310.4. 表向きの現象 カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元コンとトーラーはアクティブ・プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤーになるまでの間、指定されたままとなる。
310.5. 次元 カードはそれに遭遇したときに誘発する誘発型能力を持つ。「あなたが[このカード]に遭遇したとき」とは、あなたがこのカードを次元デッキから取って表向きにしたとき、という意味である。
310.6. 裏向きになった表向きの現象 カードは、新しいオブジェクトになる。
310.7. 現象 カードが統率 領域で表向きであり、かつ、誘発してスタックから離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次にプレイヤーが優先権を得る時点で次元 コントローラーはプレインズウォークする。(これは状況起因処理である。rule 704、rule 701.21〔プレインズウォークする〕参照。)
311.1. ヴァンガードは、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。ヴァンガード・カジュアルヴァンガード戦カジュアル変種ルールでのみ、ヴァンガード・カードを用いる。rule 902〔ヴァンガード〔ヴァンガード戦〕参照。
311.2. ヴァンガード・カードはゲームの間、統率 領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。ヴァンガード・カードが統率 領域を離れる場合、それは統率 領域にあり続ける。
311.3. ヴァンガード・カードにはサブタイプは存在しない。
311.4. ヴァンガード・カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。ヴァンガード・カードが統率 領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
311.5. ヴァンガード・カードのオーナーはそれを統率 領域においてゲームを始めたプレイヤーである。表向きののヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
311.6. ヴァンガード・カードの左下角に、手札補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーの手札の最大枚数(通常7枚)に適用され、ゲームの開始時に引く枚数、ならびに手札の最大枚数を決定する。
311.7. ヴァンガード・カードの右下角に、ライフ補正子が記されている。プラス、マイナス、または0のいずれかの数である。この補正子は、ヴァンガード・カードのオーナーのライフ総量の初期値(通常20点)に適用され、ゲームの開始時のライフ総量を決定する。
312.1. 計略は、定形外のマジックのカードにのみ存在するカード・タイプである。アーチエネミー戦カジュアル変種ルールでのみ、計略 カードを用いる。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
312.2. 計略 カードはゲームの間、計略 デッキの一部である間も、表向きである間も、統率 領域にあり続ける。それらはパーマネントではなく、唱えられることもない。計略 カードが統率 領域を離れる場合、それは統率 領域にあり続ける。
312.4. 計略 カードには常在型能力、誘発型能力、起動型能力が存在しうる。計略 カードが表向きで統率 領域にある限り、その常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動されうる。
312.5. 計略 カードのオーナーはそれを統率 領域においてゲームを始めたプレイヤーである。表向きの計略 カードのコントローラーは、そのオーナーである。
312.6. 持続でない計略 カードが統率 領域で表向きになり、それが誘発してからスタックに残っている誘発型能力の発生源でない場合、次に優先権が発生した際にその計略 カードは裏向きになり、オーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
312.7. 計略 カードの能力に「この計略」という記述があった場合、それはその能力の発生源である、統率 領域にある計略 カードを意味する。これは rule 109.2 の例外である。
400.1. 領域は、オブジェクトがゲーム中に存在しうる場所である。通常、「ライブラリー/Library」「手札/Hand」「戦場/Battlefield」「墓地/Graveyard」「スタック/Stack」「追放/Exile」「統率/Command」の7つの領域が存在する。古いカードでは「アンティ/ante」領域を用いるものもある。ライブラリー、手札、墓地はプレイヤーごとに存在し、他の領域はすべてのプレイヤーが共用する。
400.2. 公開領域とは、その領域にあるカードのうちで何らかのルールや効果によって特に裏向きにされているもの以外のカードの表をすべてのプレイヤーが見ることができる領域である。墓地、戦場、スタック、追放、アンティ、統率 領域が公開領域である。非公開領域とは、すべてのプレイヤーがカードの表を見ることができるわけではない領域のことである。その領域にあるカードの表がすべて公開されていたとしても、ライブラリーと手札は非公開領域である。
400.3. オブジェクトが、オーナー以外のライブラリー、墓地、あるいは手札に行く場合、オーナーの該当する領域に行く。
400.4. カード・タイプによっては、入ることのできない領域が存在する。
400.4a インスタント・カードやソーサリー・カードが戦場に出る 場合、そのカードは元あった領域に残る。
400.4b 次元 カード、現象 カード、ヴァンガード・カード、計略 カードが統率 領域を離れる場合、そのカードは統率 領域に残る。
400.5. ライブラリー、墓地、スタックにあるオブジェクトの順番は、効果またはルールによらない限り、並べ替えることはできない。他の領域にある、裏向きの束に含まれるオブジェクトについても同様である。それ以外の他の領域にあるオブジェクトは、そのオーナーが望む通りに並べ替えることができるが、誰がコントローラーか、タップあるいは反転しているかどうか、それにつけられているオブジェクトが何かは全てのプレイヤーに明白でなければならない。
400.6. オブジェクトがある領域から他の領域に移動する時、どのイベントがそのオブジェクトを動かすのかを決定する。その移動先が公開領域であれば、すべてのプレイヤーはその移動に影響を及ぼす能力が存在するかどうかを見る。その後、そのオブジェクトそのものからのものもそれ以外のものも含む、そのイベントに適用可能な置換効果を適用する。効果やルールの複数の指示が矛盾している場合、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーが存在しない場合、オーナー)が、どの効果を適用するか、そしてその効果がどう機能するかを決める(同一のものが複数存在することによっても矛盾は発生する。例えば、複数の「破壊」効果が同時に発生する場合、お互いに矛盾する)。その後、そのイベントがそのオブジェクトを動かす。
400.7. ある領域から他の領域に移動したオブジェクトは、以前の状態の記憶を失い、以前の状態と関係のない新しいオブジェクトになる。このルールには7つの例外がある。
400.7a スタックにあるパーマネント呪文の特性を変更する、呪文や起動型能力や誘発型能力の効果は、その呪文であったパーマネントにも適用され続ける。
400.7b スタックにあるパーマネント呪文からのダメージに適用される軽減効果は、その呪文であったパーマネントからのダメージにも適用される。
400.7c パーマネントの能力が、そのパーマネントが唱えられる際に行なわれた選択やマナの支払いに関する情報を必要とする場合、その能力はそのパーマネントになった呪文の解決時の関する情報を用いる。
400.7d オブジェクトがある領域から他の領域に移動することによって誘発する能力(例えば、「《怨恨》が戦場から墓地に置かれたとき」など)は、その誘発型能力が誘発した時に移動した先の領域が公開領域である場合、その領域においてそのオブジェクトから変わった新しいオブジェクトを見つけることができる。
400.7e エンチャントされているパーマネントが戦場を離れたことによって誘発するオーラの能力は、それがエンチャントしていたパーマネントが戦場を離れるのと同時に墓地に置かれた場合、そのオーラがオーナーの墓地に置かれてなったオブジェクトを見つけることができる。また、そのオーラがパーマネントにつけられていないことによる状況起因処理(rule 704.5n 参照)によってオーナーの墓地に置かれた場合にも、オーラがオーナーの墓地に置かれてなった新しいオブジェクトを見つけることができる。
400.7f 土地でないカードに、唱えられるようにする能力を与える 効果があった場合、その能力はそのカードが唱えた結果としてスタックに移動してなったオブジェクトにも適用され続ける。
400.7g 解決中の呪文や起動型能力は、その呪文が唱えられたり能力が起動されたりしている間に、ある領域から他の公開領域に移動しているオブジェクトに何らかの処理を行なうことができる。
400.8. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクトになる。
400.9. 統率 領域の表向きのオブジェクトが裏向きになった場合、それは新しいオブジェクトになる。
400.10. そのゲームの領域のいずれにも存在しないオブジェクトはゲームの外部にあるという。ゲームの外部は領域ではない。
400.10a プレイヤーのサイドボードにあるカードは、ゲームの外部にある。rule 100.4 参照。
400.10b ゲームの外部にあるカードをゲーム内に持ち込む効果が存在する。それらのカードは、ゲーム終了までゲーム内に残る。
400.10c ゲームの外部にあるカードは、呪文や能力の影響を受けない。これの例外は、それらの記載された特性定義能力(rule 604.3 参照)と、それらのカードをゲーム内に持ち込む呪文や能力だけである。
400.11. プレイヤーにいずれかの領域に対して何かをさせる効果(「あなたの手札をあなたのライブラリーに加えて切り直す/Shuffle your hand into your library.」など)が存在する。その処理はその領域にあるすべてのカードに機能する。領域そのものは影響されない。
401.1. ゲームが始まるとき、各プレイヤーのデッキはそのライブラリーとなる。
401.2. それぞれのライブラリーは、一つの、裏向きの束でなければならない。プレイヤーはライブラリーのカードを覗いたり、その順序を変化させてはならない。
401.3. プレイヤーはいつでも、任意のプレイヤーのライブラリーに残っているカードの枚数を数えることができる。
401.4. 何らかの効果が同時に複数枚のカードを同じライブラリーの上または下に置く場合、それらのカードのオーナーがその置く順序を決めることができる。そのライブラリーのオーナーは、どのような順番でライブラリーに置いたのかを公開しない。
401.5. 他の呪文が唱えられている間に呪文や能力がカードを引かせた場合、その引いたカードはその呪文が唱え終わる(rule 601.2h 参照)まで裏向きのままである。これは能力の起動に関しても同じである。
401.6. プレイヤーに、ライブラリーの一番上のカードを公開してプレイするように指示し、あるいはプレイヤー1人が自分のライブラリーの一番上のカードを見てもよいとする効果が存在する。呪文を唱えている間に一番上のカードが入れ替わった場合、その呪文が唱えられ終わる(rule 601.2h 参照)まで、新しいカードは公開されないし、見てはならない。これは能力の起動に関しても同じである。
401.7. 何らかの効果によってライブラリーの一番上のカードが公開されている状態でプレイしている場合、その特定のカードが一瞬であれ非公開になった後で再び同じカードが公開されたとしても、新しいオブジェクトとなる。
401.8. 効果によってプレイヤーがカードをライブラリーの「上からN番目」に置く場合、そのライブラリーにN枚のカードがなかった場合、そのプレイヤーはそのカードをそのライブラリーの一番下に置く。
402.1. 手札は、プレイヤーが引いたカードを持っておく場所である。他の効果によってカードが手札に戻されることもある。ゲームの開始時に、それぞれのプレイヤーは7枚のカードを引く。rule 103〔ゲームの始め方〕参照。
402.2. それぞれのプレイヤーに手札の上限が決まっており、通常は7枚である。プレイヤーはその手札に何枚でもカードを持つことができるが、クリンナップ・ステップの間に、手札の上限を越える分のカードを捨てなければならない。
402.3. プレイヤーはその手札を便利なように並べ、そして好きなだけ見ることができる。他のプレイヤーの手札を見ることはできないが、いつでもその枚数を数えることはできる。
403.1. プレイヤー間のやりとりの主な舞台になるのは戦場である。戦場は、最初は空である。プレイヤーがコントロールするパーマネントは、通常、そのプレイヤーの目の前の戦場に置かれるが、(他のプレイヤーのパーマネントにつけられたオーラなどの)特定の場合には、他のプレイヤーにより近いところに置かれることがある。
403.2. カードに、プレイヤーや他の領域について明記されていない限り、呪文や能力は戦場にのみ影響を与え、また、戦場にあるものだけを考慮する。
403.3. パーマネントは戦場にのみ存在する。戦場に存在するオブジェクトはパーマネントである。rule 110〔パーマネント〕参照。
403.4. パーマネントが戦場に出たとき、それは新しいオブジェクトとなり、その同じカードによって現わされていたパーマネントとは rule 400.7 に記された例外を除いて無関係である。(これは他の領域に移動するオブジェクトについて言える。)
403.5. かつて、戦場は「場/in-play」領域と呼ばれていた。カードに「場にある/in play」「場から/from play」「場に/into play」などの表現で書かれている場合、戦場を参照する。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
404.1. プレイヤーの墓地とは、そのプレイヤーの捨て札の束である。打ち消された、捨てられた、破壊された、または生け贄に捧げられたオブジェクト、ならびに解決が終わったインスタント 呪文やソーサリー 呪文はオーナーの墓地の一番上に置かれる。各プレイヤーの墓地は、最初は空である。
404.2. それぞれの墓地は、一つの、表向きの束でなければならない。プレイヤーは、それぞれの墓地のカードをいつでも見ることができるが、その順序を変えることはできない。認定イベントに適用される追加のルールによって、プレイヤーは墓地にあるカードの順番を変えてもよいとされることがある。
404.3. 何らかの効果やルールによって2枚以上のカードが同時に墓地に置かれる場合、それらのカードのオーナーがその順序を決めてもよい。
405.1. 呪文が唱えられたら、物理的にスタックに置かれる(rule 601.2a 参照)。能力が起動され、あるいは誘発したら、カードによって表されてはいないけれども、その能力がスタックの一番上に置かれる。rule 602.2a、rule 603.3 参照。
405.2. スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる。
405.3. 何らかの効果によって複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、アクティブ・プレイヤーのコントロールするものが最初に積まれ、それからAPNAP順(rule 101.4 参照)で他のプレイヤーのオブジェクトがスタックに積まれる。1人のプレイヤーが複数のオブジェクトをコントロールしている場合、そのプレイヤーが自分のオブジェクトをスタックに積む順番を決める。
405.4. 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文のコントローラーは、それを唱えたプレイヤーである。起動型能力のコントローラーは、それを起動したプレイヤーである。遅延誘発型能力以外の誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
405.5. 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。
405.6. ゲーム中に発生する出来事の中で、スタックを用いないものがある。
405.6a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果は遅延誘発型能力を生成することもあるが、それらは誘発した時にスタックに積まれる。(rule 603.7 参照。)
405.6b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない(rule 604〔常在型能力の扱い〕参照)。これには、「[このオブジェクト]は赤である。/[このオブジェクト] is red」といった特性定義能力(rule 604.3 参照)を含む。
405.6c マナ能力は即座に解決される。マナ能力にマナを出す以外の効果がある場合、マナが生成され、即座に他の効果も起こる。プレイヤーがマナ能力を起動する前に優先権を持っていた場合、その解決後に優先権を持つ。(rule 605〔マナ能力〕参照。)
405.6d 特別な処理はスタックを用いない。それらは即座に発生する。rule 115〔特別な処理〕参照。
405.6e ターン起因処理はスタックを用いない。それらは特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される(rule 116.3a 参照)。ターン起因処理は、各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生する。その後でプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703 参照。
405.6f 状況起因処理はスタックを用いない。それらは、特定の条件を満たしているなら発生する。rule 704 参照。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される。rule 116.5 参照。
405.6g プレイヤーはいつでもゲームに投了できる。そのプレイヤーは即座にゲームから除外される。rule 104.3a 参照。
405.6h 多人数戦においてプレイヤーがゲームから除外された場合、オブジェクトはその結果としてゲームから除外されたり消滅したりコントロールが変わったり追放されたりする。これらの処理は即座に発生する。rule 800.4a 参照。
406.1. 追放 領域はオブジェクトを保持する領域である。オブジェクトを戻る手段を持たずに追放する呪文や能力もあれば、オブジェクトを一時的にだけ追放する呪文や能力もある。
406.2. オブジェクトを追放するとは、そのオブジェクトが現在存在する領域から追放 領域に動かすことである。追放されたカードとは、追放 領域に動かされたカードのことである。
406.3. 追放されたカードは通常表向きであり、全てのプレイヤーに公開されている。「裏向きで追放されている/exiled face down」カードは、説明によって許可されていない限り、いずれのプレイヤーによっても見ることはできない。裏向きで追放されているカードは特性を持たないが、追放した呪文や能力によってはそのカードを追放 領域から唱えられるものがある。カードが裏向きで唱えられる(rule 707.4 参照)のでない限り、その呪文を唱える(rule 601.2 参照)と宣言する前にそのカードは表向きになる。
406.4. 追放されたカードで、戦場やそのほかの領域に戻る可能性のあるものは、その戻る方法が解るように、別々の束にして置かれるべきである。追放されたカードで、それ自身の能力(憑依など)や追放したカードの能力によってゲームに影響を与えうるものも、同様に別々の束にして置かれるべきである。
406.5. カードを追放する能力と、「追放されたカード」あるいは「[オブジェクト]によって追放されたカード」を参照する別の能力とが書かれているオブジェクトが存在する。これらの能力は関連しているものであり、この2つめの能力は、その1つめの能力によって追放されているカードだけを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
406.6. 追放 領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、新しく追放されたのと同じように新しいオブジェクトになる。
406.7. かつて、追放 領域は「ゲーム外/Removed-from-the-game」領域と呼ばれていた。カードに「[オブジェクトを]ゲームから取り除く/removes [オブジェクト] from the game」というように書かれている場合、そのオブジェクトを追放する。「[オブジェクトを]脇に置く/sets [オブジェクト] aside」も同じである。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正されている。
407.1. マジックの昔のルールには、「勝ち取ったものを返さない」でプレイする方法としてのアンティ・ルールが存在した。アンティを賭けてプレイすることは、現在では、このゲームにおける選択ルールであり、法律その他の規則で禁止されていない地区でのみ許される。アンティを賭けてプレイすることは、マジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)の下では厳しく禁止されている。
407.2. アンティを賭けてプレイする場合、ゲームの開始時に、各プレイヤーはそれぞれのデッキからカードを無作為に1枚選び、それをアンティ 領域に置く。アンティ 領域にあるカードは、いつでも全てのプレイヤーが確認できる。ゲームの終了時に、勝利者はアンティ 領域にあるカード全ての所有権を得る。
407.3. 「アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に[このカード]をデッキから取り除く/Remove [このカード] from your deck before playing if you're not playing for ante.」と書かれているカードがある。この類のカードだけが、アンティ 領域にカードを追加したり、取り除いたり、あるいはカードのオーナーを変更したりすることができる。
407.4. オブジェクトをアンティにするとは、そのオブジェクトを現在ある領域からアンティ 領域に移すことである。オブジェクトのオーナーだけがそのオブジェクトをアンティにすることができる。
408.1. 統率 領域は、特別に定められた、ゲーム全体に影響を及ぼす効果を持つオブジェクトだけが置かれるゲームの場所である。それらのオブジェクトはパーマネントではなく、破壊されることもない。
408.2. 紋章は統率 領域に生成されうる。rule 113〔紋章〕参照。
408.3. プレインチェイス戦、ヴァンガードヴァンガード戦、統率者戦、アーチエネミー戦の各カジュアル変種ルールにおいて、定形外のマジックのカード、あるいは特に指定されたカードを統率 領域に置いた状態でゲームを始める。それらの変種ルールにはそれらのカードに関するルールがそれぞれ存在する。rule 9〔カジュアル変種ルール〕参照。
500.1. ターンは順に「開始/beginning」「戦闘前メイン/precombat main」「戦闘/combat」「戦闘後メイン/postcombat main」「最終/ending」の5つのフェイズからなる。それぞれのフェイズは、なにも起こることがなくてもターンごとに存在する。開始、戦闘、最終の各フェイズはさらにステップに細分化され、順番に処理される。
500.2. プレイヤーが優先権を得るフェイズやステップは、スタックが空で、かつ全てのプレイヤーが続けてパスしたときに終了する。スタックが空になったことでフェイズやステップが終わるわけではない。スタックが空の状態で、全てのプレイヤーが続けてパスしなければならない。従って、それぞれのプレイヤーには、そのフェイズやステップが終了する前に、新しい物をスタックに積む機会が与えられる。
500.3. プレイヤーが優先権を得ないステップは、そのステップに行なうことになっている全ての処理が終わったときに終了する。この種のステップは、アンタップ・ステップ(rule 502 参照)とクリンナップ・ステップ(rule 514 参照)だけである。
500.4. ステップやフェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。このターン起因処理はスタックを用いない。
500.5. フェイズやステップが終わったとき、そのフェイズやステップの「終わりまで/until end of 〜」続く予定だった効果は消滅する。また、あるフェイズやステップ「まで/until 〜」続く予定だった効果はそのフェイズやステップの開始時に消滅する。「戦闘終了時まで」続く効果は、戦闘フェイズの終了時に消滅するのであり、戦闘終了ステップの開始時ではない。「ターン終了時まで」続く効果は、特別なルールが適用される。rule 514.2 参照。
500.6. フェイズやステップが始まるとき、そのフェイズまたはステップの「開始時に/at the beginning of 〜」発生する誘発型能力がスタックに加えられる。
500.7. 効果によって、プレイヤーは追加のターンを得ることがあり得る。その場合、得たターンを現在のターンの直後に追加する。1ターンの間に、1人のプレイヤーが複数の追加ターンを得たり、複数のプレイヤーが追加のターンを得たりする場合、その追加ターンは1つずつ追加される。そして、一番最後に作られたターンが最初に処理される。
500.8. 効果によって、ターンの間にフェイズが追加されることがある。特定のフェイズのすぐ後にそのフェイズが加えられる。複数の追加フェイズが同じフェイズの後に生成される場合、一番最後に作られたフェイズが最初に処理される。
500.9. 効果によって、フェイズの間にステップが追加されることがある。特定のステップのすぐ後に(あるいは特定のステップの前に)そのステップが加えられる。複数の追加ステップが同じステップの後に生成される場合、一番最後に作られたステップが最初に処理される。
500.10. 効果によって、ステップ、フェイズ、ターンが飛ばされることがある。ステップ、フェイズ、ターンを飛ばすということは、それが存在しないかのようにゲームを進めるということである。rule 614.10 参照。
500.11. ターン間、フェイズ間、ステップ間にはゲームのイベントは起こらない。
501.1. 開始フェイズは順に「アンタップ/untap」「アップキープ/upkeep」「ドロー/draw」の3つのステップからなる。
502.1. まず、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているフェイジングを持つすべてのフェイズ・イン状態のパーマネントはフェイズ・アウトするとともに、フェイズ・アウトした時点でアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたフェイズ・アウトしている全てのパーマネントがフェイズ・インする。これらはすべて同時に発生する。このターン起因処理はスタックを用いない。rule 702.24〔フェイジング〕参照。
502.2. 次に、アクティブ・プレイヤーは、自分がコントロールするパーマネントのうちでどれをアンタップするかを決定し、それらを同時にアンタップする(このゲームの処理はスタックを使用しない)。通常、プレイヤーのパーマネントはすべてアンタップするが、効果によって、プレイヤーがコントロールするパーマネントのアンタップが妨げられることがある。
502.3. アンタップ・ステップの間には、プレイヤーが優先権を得ることはない。したがって、呪文が唱えられることも解決されることもなく、能力が起動されることも解決されることもない。このステップ中に誘発した能力は、次にプレイヤーが優先権を得たとき、すなわち、ほとんどの場合において、アップキープ・ステップ中に処理されることになる。rule 503〔アップキープ・ステップ〕参照。
503.1. まず、そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力と、そのターンのアンタップ・ステップに誘発していた能力を全てスタックに積む。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
503.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
504.1. まず、アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く。このターン起因処理はスタックを用いない。
504.2. 次に、そのドロー・ステップの開始時に誘発する能力と、すでに誘発していた能力を全てスタックに積む。
504.3. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
505.1. 各ターンには、2つのメイン・フェイズが存在する。第1メイン・フェイズ(あるいは戦闘前メイン・フェイズ)と第2メイン・フェイズ(または戦闘後メイン・フェイズ)は、戦闘フェイズ(rule 506〔戦闘フェイズ〕参照)によって区切られている。戦闘前、戦闘後のメイン・フェイズはそれぞれだけでも「メイン・フェイズ」と呼ばれることがあるし、それらをまとめてそう呼ばれることもある。
505.1a ターンの一番最初のメイン・フェイズだけが戦闘前メイン・フェイズであり、それ以外のメイン・フェイズは戦闘後メイン・フェイズである。戦闘フェイズを飛ばしたあとの2つめのメイン・フェイズや、ターンに追加の戦闘フェイズと追加のメイン・フェイズを与えるような効果によって得られたメイン・フェイズも戦闘後メイン・フェイズである。
505.2. メイン・フェイズにはステップは存在しないため、スタックが空のときに全てのプレイヤーが続けてパスしたときにメイン・フェイズが終了する。(rule 500.2 参照。)
505.3. アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、アクティブ・プレイヤーが魔王である場合、そのフェイズが戦闘前メイン・フェイズであれば、アクティブ・プレイヤーは自分の計略 デッキの一番上のカードを実行中にする(rule 701.22 参照)。このターン起因処理はスタックを使わない。
505.4. 次に、そのメイン・フェイズの開始時に誘発する能力を全てスタックに積む。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
505.5. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る。プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。アクティブ・プレイヤーは土地をプレイすることもできる。
505.5a 通常、メイン・フェイズにのみ、プレイヤーはアーティファクト 呪文、クリーチャー 呪文、エンチャント 呪文、プレインズウォーカー 呪文、ソーサリー 呪文を唱えられる。アクティブ・プレイヤーだけがこれらの呪文を唱えられる。
505.5b メイン・フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは、スタックが空であり、自分が優先権を持ち、そしてまだこのターンにこの特別な処理を行なっていないときに限り、土地 カードを1枚手札からプレイすることができる。(rule 305〔土地〕参照。)この処理はスタックを用いない。この土地も土地をプレイする処理も、呪文や能力ではないので、この処理は打ち消されず、インスタントや起動型能力で対応することはできない。
506.1. 戦闘フェイズは順に「戦闘開始/beginning of combat」「攻撃クリーチャー指定/declare attackers」「ブロック・クリーチャー指定/declare blockers」「戦闘ダメージ/combat damage」「戦闘終了/end of combat」の5つのステップからなる。ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは、攻撃クリーチャーが1体も指定されず、攻撃している状態で戦場に出る(rule 508.4 参照)こともなかった場合には飛ばされる。攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーが先制攻撃(rule 702.7 参照)か二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っている場合、戦闘ダメージ・ステップは2つ存在する。
506.2. 戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤーは攻撃 プレイヤーである。そのプレイヤーのコントロールしているクリーチャーは攻撃できる。2人対戦の戦闘フェイズの間、非アクティブ・プレイヤーは防御プレイヤーである。そのプレイヤーとそのコントロールするプレインズウォーカーは攻撃されることができる。
506.2a 多人数戦の戦闘フェイズの間、使っている変種ルールや選択ルールによって、1人またはそれ以上の防御プレイヤーが存在する。攻撃 プレイヤーの対戦相手すべてが戦闘フェイズの間自動的に防御プレイヤーになるのでない限り、攻撃 プレイヤーは対戦相手の1人を戦闘開始ステップのターン起因処理として選ぶ。(この選択は用いられている変種ルールや選択ルールに影響される。)そのプレイヤーは、防御プレイヤーとなる。rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕、rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕、rule 809〔「皇帝戦」変種ルール〕参照。
506.2b 多人数戦の「双頭巨人戦」変種ルールでは、非アクティブ・チームが防御チームとなる。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
506.3. クリーチャーだけが攻撃したりブロックしたりできる。プレイヤーやプレインズウォーカーにだけ攻撃できる。
506.3a 何らかの効果によってクリーチャーでないパーマネントが攻撃またはブロックしている状態で戦場に出る 場合、そのパーマネントは戦場に出るが、攻撃したりブロックしたりしているパーマネントとしては扱われない。
506.3b 何らかの効果によってクリーチャーが攻撃 プレイヤーでないプレイヤーのコントロール下で攻撃している状態で戦場に出る 場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。
506.3c 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのゲームに存在しないプレイヤーまたは既に戦場に存在していないプレインズウォーカーを攻撃している状態で戦場に出る 場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱われない。
506.3d 何らかの効果によって、クリーチャーが、そのクリーチャーのコントローラーにもそのコントロールしているプレインズウォーカーにも攻撃していないクリーチャーをブロックしている状態で戦場に出る 場合、そのクリーチャーは戦場に出るが、ブロック・クリーチャーとしては扱われない。
506.4. パーマネントは、戦場を離れたり、コントローラーが変わったり、フェイズ・アウトしたり、何らかの効果によって戦闘から取り除かれたり、攻撃されているプレインズウォーカーであればプレインズウォーカーでなくなったり、攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーであれば再生(rule 701.12 参照)したりクリーチャーでなくなったりしたら、戦闘から取り除かれる。戦闘から取り除かれたクリーチャーは、攻撃クリーチャーでも、ブロック・クリーチャーでも、ブロックされているクリーチャーでも、ブロックされていないクリーチャーでもなくなる。プレインズウォーカーを戦闘から取り除くと、攻撃されているプレインズウォーカーではなくなる。
506.4a 一旦クリーチャーが攻撃クリーチャーかブロック・クリーチャーとして指定されたなら、そのクリーチャーが攻撃やブロックに参加することを禁止する呪文や能力は、そのクリーチャーを戦闘から取り除かない。
506.4b すでに攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーをタップあるいはアンタップしても、戦闘から取り除くことも戦闘ダメージを軽減することもできない。
506.4c クリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃している場合、そのプレインズウォーカーを戦闘から取り除いても、クリーチャーは戦闘から取り除かれず、攻撃クリーチャーであり続ける。しかし、プレイヤーもプレインズウォーカーも攻撃していない。ブロックされることは可能であるが、ブロックされなかった場合そのクリーチャーが戦闘ダメージを与えることはない。
506.4d ブロック・クリーチャーでもあり、攻撃されているプレインズウォーカーでもあったパーマネントが、クリーチャーでもプレインズウォーカーでもなくなった場合、そのパーマネントは戦闘から取り除かれる。どちらか一方だけを失った場合、ブロック・クリーチャーか、または攻撃されているプレインズウォーカーのどちらか該当する方であり続ける。
506.5. ある攻撃クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけが攻撃クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独で攻撃する/attack alone」と言う。クリーチャー1体だけが攻撃している場合、「単独で攻撃している/attacking alone」と言う。あるブロック・クリーチャー指定ステップに、クリーチャー1体だけがブロック・クリーチャーとして指定された場合、そのクリーチャーが「単独でブロックする/block alone」という。クリーチャー1体だけがブロックしている場合、それを「単独でブロックしている/blocking alone」と言う。
506.6. 呪文の中に、「[戦闘のある時点][前/後]にのみ/only [before/after] [a particular point in the combat phase],」唱えることができるというものがある。戦闘のある時点とは、「攻撃クリーチャー指定」「ブロック・クリーチャー指定」「戦闘ダメージ・ステップ」「戦闘終了ステップ」「戦闘フェイズ」「戦闘」が含まれる。
506.6a 「攻撃クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、攻撃クリーチャー指定のターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際に攻撃クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、攻撃クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 508 参照)。
506.6b 「ブロック・クリーチャー指定前(後)にのみ」唱えることができるという呪文は、ブロック・クリーチャー指定のターン起因処理を参照する。この種の呪文は、実際にブロック・クリーチャーが指定されたかどうかに関わらず、ブロック・クリーチャー指定ステップの開始前(後)にのみ唱えることができる(rule 509 参照)。
506.6c rule 506.6 の区分に加え、「戦闘中/during combat」、「あるプレイヤーの戦闘フェイズ中/during a certain player's combat phase」にのみ唱えることができるという呪文が存在する。ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、この種の呪文はそのいずれかの戦闘フェイズ中の該当する時期にのみ唱えることができる。
506.6d 「[戦闘のある時点][前/後]にのみ」唱えることができる呪文の中で、rule 506.6c で示した追加の区分に含まれないものについては、ターンに複数の戦闘フェイズがある場合、最初の戦闘フェイズの該当する時点を参照し、その前(後)にのみ唱えることができる。
506.6e 「[戦闘のある時点]前にのみ」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズでブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップが飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合(rule 508.6 参照)、攻撃クリーチャー指定ステップの終了までの間にのみ唱えることができる。該当する戦闘フェイズが飛ばされたことにより示されている時点が存在しない場合、その呪文は戦闘前メイン・フェイズの終了前にのみ唱えることができる。
506.6f 「戦闘の間で、なおかつブロック・クリーチャー指定の後にのみ/only during combat after blockers are declared,」唱えることができるという呪文は、その戦闘フェイズでブロック・クリーチャー指定ステップが飛ばされている場合(rule 508.6 参照)、その戦闘フェイズの間、唱えることができない。
506.6g rule 506.6 並びに rule 506.6a-f は、戦闘に関する該当する時点でのみ起動することができると書かれている能力にも、戦闘に関する該当する時点でのみ唱えることができると書かれている呪文と同じように適用される。
507.1. 最初に、アクティブ・プレイヤーの対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤーになるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。このターン起因処理はスタックを用いない。(rule 506.2 参照。)
507.2. 次に、その戦闘開始ステップの開始時に誘発する能力を全てスタックに積む。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
507.3. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
508.1. まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。攻撃クリーチャーを指定するには、アクティブ・プレイヤーは次の手順を踏む。攻撃クリーチャーの指定中のどこかの時点でアクティブ・プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照。)
508.1a アクティブ・プレイヤーは、どのクリーチャーが攻撃するかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならず、また、速攻を持っているか、あるいはそのターンの開始時からアクティブ・プレイヤーが継続してコントロールしているのでなければならない。
508.1b 防御プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしているか、ゲームのルールによって複数のプレイヤーに攻撃することが認められている場合、アクティブ・プレイヤーは、それぞれのクリーチャーがどのプレイヤーまたはプレインズウォーカーを攻撃するのか指定する。
508.1c アクティブ・プレイヤーは、自分のコントロールする各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーでは攻撃できない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーでは攻撃できないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、それぞれに「[このクリーチャー]は単独では攻撃できない。/[このクリーチャー] can't attack alone.」という制限があった場合、その両方を攻撃クリーチャーとして指定することは適正である。
508.1d アクティブ・プレイヤーは、自分のコントロールする各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーは攻撃する、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーで攻撃するという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、攻撃クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーがコストを支払わなければ攻撃できない場合、そのクリーチャーで攻撃することによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコストを支払うことは求められない。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、一方には「可能なら攻撃する」という能力があり、他方にはそういう能力はない。「各ターン、2体以上のクリーチャーでは攻撃できない」という効果が存在する場合、適正な攻撃は「可能なら攻撃する」クリーチャーだけが攻撃することだけである。他方のクリーチャーだけで攻撃する、あるいは両クリーチャーで攻撃する、あるいはどちらも攻撃しない、といった選択は不正である。
508.1e クリーチャーの中にバンドや「他の〜とのバンド」 能力を持っているクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは各クリーチャーがどうバンドを組んでいるのかを宣言する。(rule 702.20〔バンド〕参照。)
508.1f アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップする。攻撃クリーチャーとして指定したときにクリーチャーをタップするのはコストではない。攻撃によって単にタップ状態になるだけである。
508.1g 攻撃に参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいる場合、アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。
508.1h コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る(rule 605〔マナ能力〕参照)。
508.1i 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。
508.1j 選ばれたクリーチャーがなおアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャーになる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。
508.2. 次に、攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力がスタックに積まれる。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
508.2a クリーチャーが攻撃することに対して誘発する能力は、クリーチャーが攻撃クリーチャーに指定された時点でのみ誘発する。クリーチャーが攻撃に参加した後で、そのクリーチャーの特性がその能力の誘発条件に合致するように変化しても誘発しない。
例:「緑のクリーチャーが攻撃するたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーを破壊する」という能力を持つパーマネントがあった場合、青のクリーチャーが攻撃に参加し、その後にそれが緑に変わっても、能力は誘発しない。
508.3. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
508.4. クリーチャーが攻撃している状態で戦場に出る 場合、そのコントローラーは、そのクリーチャーが戦場に出るに際してどの防御プレイヤーあるいは防御プレイヤーがコントロールするどのプレインズウォーカーを攻撃するのかを(戦場に出した効果が特定していない限り)選択する。それらのクリーチャーは「攻撃している」が、誘発イベントや効果に関しては「攻撃した」ものとしては扱わない。
508.4a 何らかの効果によってクリーチャーがある特定のプレイヤーを攻撃している状態で戦場に出る 場合、そのプレイヤーがその効果の解決時に既にゲームにいなければ、そのクリーチャーは戦場に出るが、攻撃クリーチャーとしては扱わない。何らかの効果によってクリーチャーがあるプレインズウォーカーを攻撃している状態で戦場に出る 場合で、そのプレインズウォーカーがその効果の解決時に既に戦場にいない場合にも同様である。
508.5. 攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーがその戦闘において攻撃クリーチャーになった時に攻撃していたプレイヤー、あるいはそのクリーチャーがその戦闘において攻撃クリーチャーになった時に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラーだけを参照する。
508.5a 多人数戦において、「防御プレイヤー/defending player」を参照するルールやオブジェクトあるいは効果は、防御プレイヤー全員ではなく、特定の防御プレイヤー1人を参照する。複数の攻撃クリーチャーに適用される呪文や能力である場合、該当する防御プレイヤーはそれぞれの攻撃クリーチャーごとに別々に決定される。複数の防御プレイヤーが選びうる場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
508.6. 攻撃クリーチャーが指定されず、攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーもなかった場合、ブロック・クリーチャー指定ステップと戦闘ダメージ・ステップは飛ばされる。
509.1. まず、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する。このターン起因処理はスタックを用いない。ブロック・クリーチャーを指定するために、防御プレイヤーは以下の手順を踏む。ブロック・クリーチャーの指定中のどこかの時点で防御プレイヤーが手順を完了できなくなったら、その指定は不正である。ゲームは指定の始まる前まで巻き戻される。(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照。)
509.1a 防御プレイヤーは、どのクリーチャーがブロックするかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならない。選択したクリーチャーのそれぞれについて、防御プレイヤーは、ブロック先として自分またはそのコントロールするプレインズウォーカー1体を攻撃してきているクリーチャー1体を選ぶ。
509.1b 防御プレイヤーは、自分のコントロールする各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーではブロックできない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーではブロックできないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
この制限は回避能力(攻撃クリーチャーの持つ、ブロックされうる相手を制限する常在型能力)によって生成されることがある。適正なブロックが指定された後で攻撃クリーチャーが回避能力を得たり失ったりしても、そのブロックは影響を受けない。異なる複数の回避能力がある場合、それらはそれぞれに有効である。
例:攻撃クリーチャーが飛行とシャドーを持っていた場合、飛行を持っていてシャドーを持っていないクリーチャーはそれをブロックできない。
509.1c 防御プレイヤーは、自分のコントロールする各クリーチャーが何らかの強制(そのクリーチャーはブロックする、あるいは何らかの条件を満たした場合そのクリーチャーでブロックするという効果)があるかどうかを確認する。従っている強制の数が、制限を破らない限りにおいて最大になっていない限り、ブロック・クリーチャーの指定は不正である。プレイヤーがコストを支払わなければブロックできない場合、そのクリーチャーでブロックすることによって従っている強制の数が増えるとしても、そのコストを支払うことは求められない。
例:プレイヤーが2体のクリーチャーをコントロールしていて、一方には「可能ならブロックする」という能力があり、他方にはそういう能力はない。「2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない」という効果が存在する場合、能力を持ったクリーチャーだけでブロックすることは制限に違反する。どちらのクリーチャーもブロックしないのは制限には違反しないが強制に違反する。両方のクリーチャーでその攻撃クリーチャーをブロックすることは制限と強制の両方を満たすので、その選択だけが適正である。
509.1d ブロックに参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいる場合、防御プレイヤーはブロックに参加するための総コストを決める。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、カードを捨てる、等々が含まれる。総コストが決定したら、それは「固定」される。この後に効果が総コストを変更しようとしても、それは無視される。
509.1e コストにマナの支払いが必要な場合、アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る(rule 605〔マナ能力〕参照)。
509.1f 自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払う。一部しか支払わないことは認められない。
509.1g 選ばれたクリーチャーがなお防御プレイヤーによってコントロールされている場合、選ばれたクリーチャーはブロック・クリーチャーになる。戦闘から取り除かれるか、または戦闘フェイズが終わるまで、それはブロック・クリーチャーであり続ける。rule 506.4 参照。
509.1h ブロック・クリーチャーとして指定されたクリーチャーが1体以上存在する攻撃クリーチャーは、「ブロックされているクリーチャー/blocked creature」になる。ブロック・クリーチャーが存在しないクリーチャーは「ブロックされていないクリーチャー/unblocked creature」になる。戦闘から取り除かれるか、何らかの効果によってブロックされている状態あるいはブロックされていない状態になるか、または戦闘フェイズが終わるまでそのままである。それをブロックしているクリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、ブロックされているクリーチャーはブロックされているままである。
509.2. 次に、ブロックされている攻撃クリーチャーごとに、アクティブ・プレイヤーはそのクリーチャーをブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがそれをブロックしているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
例:《巨森を喰らうもの》は《ラノワールのエルフ》と《ルーン爪の熊》と《セラの天使》にブロックされている。《巨森を喰らうもの》のコントローラーは、《巨森を喰らうもの》のダメージ割り振り順を《セラの天使》→《ラノワールのエルフ》→《ルーン爪の熊》と宣言する。
509.2a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、ブロック・クリーチャーが戦闘から取り除かれたり、呪文や能力によってその攻撃クリーチャーをブロックするのを止めたりした場合、そのブロック・クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他のブロック・クリーチャーの順番は変更されない。
509.3. その後、ブロック・クリーチャーごとに、防御プレイヤーはそれがブロックしているクリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を任意に決めて宣言する。(戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがそれにブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを与えるためには、ダメージ割り振り順でそれよりも前にあるクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。)このターン起因処理はスタックを用いない。
509.3a ブロック・クリーチャー指定ステップの間、攻撃クリーチャーが戦闘から取り除かれたり、呪文や能力によってそのブロック・クリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックするのを止めたりした場合、その攻撃クリーチャーは該当するダメージ割り振り順から取り除かれる。他の攻撃クリーチャーの順番は変更されない。
509.4. その後、ブロック・クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力を全てスタックに積む。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
509.4a 「[このクリーチャー]がブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks」と書いてある能力は、複数のクリーチャーをブロックした場合でも、そのクリーチャーに対しては、1回の戦闘につき1回だけ、ブロック・クリーチャーとして指定されたときにのみ誘発する。また、この能力はそのクリーチャーが効果の結果としてブロック・クリーチャーになったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである(rule 509.1g 参照)。そのクリーチャーがブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。
509.4b 「[このクリーチャー]がクリーチャー1体をブロックするたび/Whenever [このクリーチャー] blocks a creature」と書いてある能力は、指定されたクリーチャーがブロックした攻撃クリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーとして指定されたときに誘発する。また、この能力はそのクリーチャーが効果の結果としてブロック・クリーチャーになったときにも誘発するが、それはその時点でブロック・クリーチャーでなかった場合だけである。そのクリーチャーがブロックしている状態で戦場に出た場合には誘発しない。
509.4c 「[このクリーチャー]がブロックされた状態になるたび/Whenever [このクリーチャー] becomes blocked」と書いてある能力は、そのクリーチャーが複数のクリーチャーによってブロックされた場合でも1回の戦闘につき1回、少なくとも1体のブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。また、効果によってその攻撃クリーチャーがブロックされたり、クリーチャーがブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発するが、それはその戦闘においてそのクリーチャーがまだブロックされていない場合に限る。(rule 509.1h 参照)
509.4d 「[このクリーチャー]がクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび/Whenever [このクリーチャー] becomes blocked by a creature」と書いてある能力は、そのクリーチャーをブロックするクリーチャー1体につき1回、ブロック・クリーチャーが指定されてブロックされた状態になるときに誘発する。効果によってクリーチャーがその攻撃クリーチャーをブロックするときにも、そのブロック・クリーチャーがすでにその攻撃クリーチャーをブロックしていたのでない限り誘発する。また、クリーチャーがブロックした状態で戦場に出されたりした場合にも誘発する。クリーチャーによってではなく、何らかの効果によってブロックされた場合にはこの能力は誘発しない。
509.4e 特定の数のクリーチャーがブロックした、あるいはその数のクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力の場合、その能力はクリーチャーがその数のクリーチャーによってブロックする/されるようなブロック・クリーチャーが指定された場合にだけ誘発する。ブロック・クリーチャーを加える/取り除く効果によっても、この能力は誘発する。これはクリーチャーがある数以上のクリーチャーによってブロックする/されることによって誘発する能力にも適用する。
509.4f 特定の特性を持つクリーチャーがブロックしたときに誘発する能力は、そのクリーチャーがブロック・クリーチャーとして指定された、あるいは何らかの効果によってブロックした時点でその特性を持っていなければ誘発しない。特定の特性を持つクリーチャーがブロックされたときに誘発する能力は、そのクリーチャーがブロックされたクリーチャーになった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。クリーチャーが特定の特性を持つクリーチャーによってブロックされたときに誘発する能力は、後者のクリーチャーがブロック・クリーチャーになった時点でその特性を持っていなければ誘発しない。これらの能力は、その後でクリーチャーの特性が変化して条件を満たすようになったとしてもそのときに誘発することはない。
例:「このクリーチャーが白のクリーチャーによってブロックされるたび、そのクリーチャーを戦闘終了時に破壊する。」という能力を持つクリーチャーがいた。このクリーチャーが黒のクリーチャーでブロックされたあと、そのクリーチャーを白に変えたとしてもこの能力は誘発しない。
509.4g 「[このクリーチャー]が攻撃してブロックされないたび、/Whenever [このクリーチャー] attacks and isn't blocked,」という能力は、そのクリーチャーのブロック・クリーチャーが1体も指定されなかった場合に誘発する。ブロックされた後でブロック・クリーチャーがすべて戦闘から取り除かれたとしても、誘発しない。
509.5. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
509.6. 呪文や能力によって戦場にいるクリーチャーが攻撃クリーチャーをブロックする場合、アクティブ・プレイヤーはそのブロック・クリーチャーの、その攻撃クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。その後、防御プレイヤーはその攻撃クリーチャーの、そのブロック・クリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他の攻撃クリーチャーの位置は変わらない。これはブロック 効果の一部として行なわれる。
509.7. クリーチャーがブロックした状態で戦場に出る 場合、(その効果によって何をブロックした状態で戦場に出るかが特定されていない限り)そのコントローラーはどの攻撃クリーチャーをブロックした状態で戦場に出るかアクティブ・プレイヤーはその新しいクリーチャーの、そのブロックされたクリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する。他のブロック・クリーチャーの順番は変わらない。この方法で戦場に出たクリーチャーは「ブロック・クリーチャー」であるが、誘発イベントや効果の面では「ブロックした」としては扱わない。
例:《大蜘蛛》が《峡谷のミノタウルス》によってブロックされた。防御プレイヤーが《瞬間群葉》を唱え、《大蜘蛛》をブロックした状態で苗木トークンを戦場に出した。《大蜘蛛》のコントローラーは、《大蜘蛛》のダメージ割り振り順を、まず苗木トークン、続いて《峡谷のミノタウルス》と宣言する。
510.1. まず、アクティブ・プレイヤーは各攻撃クリーチャーがその戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言し、次に防御プレイヤーは各ブロック・クリーチャーが戦闘ダメージをどう割り振るかを宣言する。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りについては、次のルールに従う。
510.1a 各攻撃クリーチャーと各ブロック・クリーチャーは、それぞれ自分のパワーに等しいだけの戦闘ダメージを割り振る。0点以下のダメージを割り振ることになるクリーチャーは、戦闘ダメージをまったく割り振らない。
510.1b ブロックされていないクリーチャーは、その戦闘ダメージを攻撃している先のプレイヤーかプレインズウォーカーに割り振る。何も攻撃していない場合(たとえば、既に戦場を離れているプレインズウォーカーを攻撃していた場合)、戦闘ダメージを割り振らない。
510.1c ブロックされたクリーチャーは、戦闘ダメージをそれをブロックしているクリーチャーに割り振る。この時点でブロック・クリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャーが破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけがブロックしていた場合、そのクリーチャーは戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーがブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロックされたクリーチャーの戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に与えられるダメージを変更する類の能力や効果は考慮しない。クリーチャーの致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップの間に、防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、ターン終了時まで+3/+3の修整を与える《巨大化》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は、5点のダメージすべてを《群れの護衛》に割り振ることしかできない。
例:攻撃クリーチャー《巨森を喰らうもの》(5/6)のダメージ割り振り順は、《群れの護衛》(0/3)、《ラノワールのエルフ》(1/1)の順である。ブロック・クリーチャー指定ステップの間に、防御プレイヤーは《群れの護衛》を対象にして、与えられるダメージを4点軽減する《繕いの手》を唱えた。《巨森を喰らうもの》は戦闘ダメージを、《群れの護衛》に3点と《ラノワールのエルフ》に2点と割り振ることも、《群れの護衛》に4点と《ラノワールのエルフ》に1点と割り振ることも、《群れの護衛》に5点割り振ることもできる。
例:攻撃クリーチャー《超大なベイロス》(7/7)のダメージ割り振り順は、既に2点のダメージを負っている《訓練されたアーモドン》(3/3)、《フォライアスの大部隊》(追加で1体のクリーチャーをブロックすることができる2/4クリーチャー)、《シルバーバック》(5/5)の順である。攻撃クリーチャー《ダークウッドの猪》(4/4)のダメージ割り振り順は、同一の《フォライアスの大部隊》、《ゴブリンの長槍使い》(2/1)の順である。他の可能性もあるが、アクティブ・プレイヤーは《超大なベイロス》からの戦闘ダメージを、《訓練されたアーモドン》に1点、《フォライアスの大部隊》に1点、《シルバーバック》に5点、そして《ダークウッドの猪》からの戦闘ダメージを、《フォライアスの大部隊》に3点、《ゴブリンの長槍使い》に1点、と割り振ることができる。
510.1d ブロック・クリーチャーは、戦闘ダメージをそれにブロックされているクリーチャーに割り振る。この時点でブロックされているクリーチャーが1体もいない場合(たとえば、それらのクリーチャーが破壊されたり戦闘から取り除かれていたりする場合)、そのクリーチャーは戦闘ダメージを割り振らない。1体のクリーチャーだけをブロックしていた場合、そのクリーチャーは戦闘ダメージをすべてそのクリーチャーに割り振る。2体以上のクリーチャーをブロックしていた場合、宣言してあったダメージ割り振り順に従ってそれらのクリーチャーに戦闘ダメージを割り振る。この場合、そのブロック・クリーチャーの戦闘ダメージは複数に分割されることもある。しかしながら、ブロックされているクリーチャーに戦闘ダメージを割り振るには、戦闘ダメージの割り振りが終わった時点で、ダメージ割り振り順においてそれよりも前にあるブロックされているクリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られていなければならない。致死ダメージを割り振っているかどうかを見る場合、そのクリーチャーが既に負っているダメージと、他のクリーチャーが同じ戦闘ダメージ・ステップに割り振っているダメージを計算に入れるが、実際に与えられるダメージを変更する類の能力や効果は考慮しない。クリーチャーの致死ダメージ以上のダメージを割り振ってもよい。
510.1e プレイヤーが自分のコントロールする攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーからの戦闘ダメージを割り振ったなら、(各個の攻撃クリーチャーあるいはブロック・クリーチャーのダメージ割り振りではなく)そのダメージの割り振り全体が上記のルールに則っているかどうか確認される。則っていなければ、戦闘ダメージの割り振りは不適正であり、ゲームは戦闘ダメージ割り振りの直前に巻き戻される。(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照)。
510.2. 次に、割り振られている戦闘ダメージすべてが同時に与えられる。このターン起因処理はスタックを用いない。戦闘ダメージの割り振りから実際に与えられるまでの間に、呪文を唱えたり能力を起動したりする機会は存在しない。これは以前のルールからの変更点である。
例:《戦隊の鷹》(飛行つき1/1クリーチャー)と《ゴブリンの長槍使い》(2/1クリーチャー)が攻撃している。防御プレイヤーは《モグの狂信者》(「《モグの狂信者》を生贄に捧げる:クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《モグの狂信者》はそれに1点のダメージを与える」という能力を持つ1/1クリーチャー)で《ゴブリンの長槍使い》をブロックし、ブロック・クリーチャー指定ステップの間に《モグの狂信者》を生贄に捧げて《戦隊の鷹》に1点のダメージを与えた。《戦隊の鷹》は破壊され、《ゴブリンの長槍使い》はこのターン、戦闘ダメージを与えない。防御プレイヤーが《モグの狂信者》を生贄に捧げずに戦場に残した場合、《モグの狂信者》と《ゴブリンの長槍使い》はお互いに致死ダメージを与え合うが、《戦隊の鷹》はダメージを受けない。
510.3. その後、ダメージが割り振られたり与えられたりしたことによって誘発した能力がスタックに積まれる。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
510.4. その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
510.5. 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃(rule 702.4)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったクリーチャーか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
511.1. まず、すべての「戦闘終了時に/at end of combat」誘発する能力が誘発し、スタックに積まれる。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
511.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
511.3. 戦闘終了ステップが終わった瞬間に、すべてのクリーチャーやプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。戦闘終了ステップの終了後、戦闘フェイズは終了し、戦闘語メイン・フェイズ(rule 505 参照)が始まる。
512.1. 最終フェイズは順に「終了/end」「クリンナップ/cleanup」の2つのステップからなる。
513.1. まず、すべての「終了ステップの開始時に/at the beginning of the end step」あるいは「次の終了ステップの開始時に/at the beginning of the next end step」誘発する能力が誘発し、スタックに積まれる。(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。)
513.1a かつて、終了ステップの開始時に誘発する能力の誘発条件は「ターン終了時に/at end of turn」という表記が用いられていた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、「終了ステップの開始時に」または「次の終了ステップの開始時に」となっている。
513.2. 次に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
513.3. 「終了ステップの開始時に」誘発する能力を持ったパーマネントがこのステップの間に戦場に出た場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。同様に、「次の終了ステップの開始時に」誘発する遅延誘発型能力がこのステップの間に生成した場合、その能力は次のターンの終了ステップまで誘発しない。言い換えると、このステップは、それらの能力がスタックに積まれるように「巻き戻される」ことはない。このルールは誘発型能力にのみ適用される。「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」残る継続的効果には適用されない。(rule 514〔クリンナップ・ステップ〕参照。)
514.1. まず、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていた場合、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札を捨てる。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.2. 次に、以下の処理が同時に行なわれる。パーマネント(フェイズ・アウトしているパーマネントも含む)が負っているすべてのダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで/until end of turn」「このターン/this turn」の効果が終了する。このターン起因処理はスタックを用いない。
514.3. 通常、クリンナップ・ステップ中にはプレイヤーは優先権を得ないので、呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。このルールには以下の例外が存在する。
514.3a この時点で、ゲームは、発生する状況起因処理が存在するか、また(「次のクリンナップ・ステップの開始時に/at the beginning of the next cleanup step」誘発するものを含む)スタックに積まれるのを待っている誘発型能力が存在するかどうかを確認する。もし存在したなら、まず状況起因処理が処理され、次に誘発型能力がスタックに積まれてからアクティブ・プレイヤーが優先権を得て、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。スタックが空の状態ですべてのプレイヤーが続けてパスしたなら、再びクリンナップ・ステップが新しく始まる。
601.1. かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から取り、スタックに置き、コストを支払うことである。呪文を唱えることは、以下の手順を踏む。呪文を唱える途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その呪文を唱えることは不正である。ゲームは呪文を唱え始める前まで巻き戻される(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。
601.2a プレイヤーは、呪文を唱えることを宣言する。そのカード(あるいはそのカードのコピー)が元の領域からスタックへと動かされ、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカードのコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。呪文は、打ち消されるか解決されるか、あるいは効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
601.2b 呪文がモードを持つ場合、プレイヤーはモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその呪文に他のカードを連繋(rule 702.45 参照)したい場合、そのカードを手札から公開する。その呪文が、バイバックやキッカーや召集と言った、代替コストや追加コスト(rule 117.8、rule 117.9 参照)を持っている場合、プレイヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2e 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱えたり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナ・コストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その呪文を唱える間に支払う コストに混成マナ・シンボルが含まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文を唱える間に支払う コストにファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかその色のマナを支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバックで呪文を唱えることを選んだ、変異つきクリーチャーを裏向きに唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。
601.2c プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤー、オブジェクト、領域を選んで宣言する。代替コストや追加コスト(バイバック・コストやキッカー・コストなど)を支払ったとき、あるいは特定のモードを選んだときにのみ対象を必要とする呪文は、それ以外の場合には対象を必要としないものとして唱えられる。呪文が可変の数の対象を取る場合、プレイヤーは対象を宣言する前にいくつの対象を取るのかを宣言する。同じ「target」の語で示される中で(日本語版では、「[性質]N個(または[性質]N個)」としてまとめられている中で)、同じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のプレイヤー、オブジェクト、あるいは領域を(条件を満たしているなら)それぞれで1回ずつ対象に取ることができる。あるオブジェクトやプレイヤーが対象として選ばれなければならないという効果がある場合、対象を選ぶプレイヤーは、オブジェクトやプレイヤーを対象にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対象を選ぶ。選ばれたプレイヤー、オブジェクト、領域はその呪文の対象となる。(それらが呪文の対象となったときに誘発する能力はこの時点で誘発する。この呪文が唱えられ終わるまで、その能力はスタックには積まれない。)
例:「クリーチャー2体を対象とし、それらをタップする/Tap two target creatures.」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象にすることはできず、適正な対象2つが必要である。一方、「アーティファクト1つと土地1つを対象とし、それらを破壊する/Destroy target artifact and target land.」という能力があった場合、対象群は2つあるので、アーティファクト・土地1つを2回対象にすることができる。
601.2d 呪文によって、プレイヤーが1つ以上の対象を含む複数のオブジェクトやプレイヤーに効果(ダメージやカウンターなど)を分配したり割り振って置いたりするとき、プレイヤーはどう分配するかを宣言する。その各個の対象に、最低限(ダメージやカウンターなどを)1つは分配しなければならない。
601.2e プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常、そのマナ・コストだけである。追加コストや代替コストを持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれる。総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストやコストの増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コストが「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。
601.2f 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会(rule 605〔マナ能力〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払う前に起動する必要がある。
601.2g プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う。一部分だけ支払うことは許されない。支払うことのできないコストは支払えない。
例:マナ・コストが{1}{B}でクリーチャーを1体生け贄に捧げる追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。ここで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔》をこの追加コストとして生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。
601.2h rule 601.2a から rule 601.2g で示された手順が完了したら、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに置かれたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。
601.3. 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。
601.3a 選択を行なえる対戦相手が複数いる場合、その呪文のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。
601.3b その呪文が唱えられるときに、そのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、呪文のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行なう。これは rule 101.4 の例外である。
601.4. コストを変える呪文を唱えても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
601.5. プレイヤーは、唱えることが禁止されている呪文を唱え始めることはできない。
601.5a 何らかの効果によって、プレイを禁止されているカードを裏向きに唱えられ、裏向きの呪文が禁止されていない場合、その呪文は裏向きに唱えることができる。rule 707〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。
602.1. 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれている。
602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動コストを支払わなければならない。
例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る」という能力の起動コストは、任意のタイプのマナ2点に加えて、その能力を持つパーマネントをタップすることである。
602.1b 起動型能力のコロンの後に続く文章が、その能力を起動するときに従わなければならない説明を含んでいる場合がある。そのような文章は、誰が能力を起動できるかを指定したり、いつ能力を起動できるかを制限したり、起動コストの一部を定義したりしている。これらの文章は能力の効果の一部ではない。これは常に機能している。起動型能力の起動指示は、能力の効果の後、一番最後に書かれる。
602.1c 起動型能力だけが起動されうる能力である。能力の種類の特定なく「能力を起動する/activating an ability」ことについてオブジェクトやルールが参照していた場合、それは起動型能力のことを示す。
602.1d かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
602.2. 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに置き、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。能力を起動することは、以下の手順を踏む。能力を起動する途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その能力の起動は不正である。ゲームは能力を起動し始める前まで巻き戻される(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照)。一旦なされた宣言や支払いを変更することはできない。
602.2a プレイヤーは、能力を起動することを宣言する。非公開領域から能力が起動された場合、その能力を持つカードを公開する。能力がカードでないオブジェクトとしてスタックに生成され、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそれを生成した能力の文章を持ち、他の特性を持たない。そのコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。能力は、打ち消されるか解決されるか、他の効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
602.2b これ以降の手順は、呪文を唱える手順として rule 601.2b から rule 601.2h に記されていたのと同じである。これらのルールは、呪文を唱えることに適用されたのと同じように能力を起動することに適用される。起動型能力の、(rule 601.2e で参照されている)呪文で言うマナ・コストにあたるものは、起動コストである。
602.3. 能力の中には、起動するときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択などを、そのコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその能力のコントローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。
602.3a 選択を行なえる対戦相手が複数いる場合、その能力のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行わせるかを決める。
602.3b その能力が起動されるときにそのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、能力のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行なう。これは rule 101.4 の例外である。
602.4. コストを変える能力を起動しても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.5. プレイヤーは、起動が禁止されている能力を起動し始めることはできない。
602.5a 起動コストにタップ・シンボル({T})またはアンタップ・シンボル({Q})を含む、クリーチャーの起動型能力は、そのコントローラーが自分のターン開始時から続けてそのクリーチャーをコントロールしていない限り起動できない。速攻を持つクリーチャーはこのルールを無視する(rule 702.10 参照)。
602.5b 起動型能力の使用に限定がある(例えば、「この能力は各ターンに一回しか起動できない」)場合、その限定はたとえコントローラーが変化しても適用され続ける。
602.5c オブジェクトが他のオブジェクトから使用に限定のある起動型能力を得た場合、その限定はそのオブジェクトから得た能力だけに適用され、他の同一の能力には適用されない。
602.5d 「この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときのみ起動できる/Activate this ability only any time you could cast a sorcery」という起動型能力は、それを起動するに際してソーサリー 呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がソーサリーであるということではない。また、プレイヤーが実際にソーサリー・カードを持っている必要はない。
602.5e 「この能力は、あなたがインスタントを唱えられるときのみ起動できる/Activate this ability only any time you could cast an instant」という起動型能力は、それを起動するに際してインスタント 呪文を唱えるのと同じタイミングのルールに従う、というだけであり、その能力がインスタントであるということではない。また、プレイヤーが実際にインスタント・カードを持っている必要はない。
603.1. 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「……とき/when」「……たび/whenever」「……時に/at」から始まる「[誘発条件], [効果。]」という書式で書かれている。「[When/Whenever/At] [誘発イベント], [効果]/[誘発イベント] [とき/たび/時]、[効果]」と書かれることもある。
603.2. 誘発型能力は、ゲームのイベントやゲームの状況がその能力の誘発イベントを満たすたび、自動的に誘発する。能力はこの時点では何もしない。
603.2a 唱えられることも起動されることもないので、誘発型能力は呪文を唱えたり能力を起動したりできないときにも誘発する。能力を起動できないようにする効果は、誘発型能力には影響を及ぼさない。
603.2b フェイズやステップの開始時に、「開始時に/at the beginning of」誘発する能力がすべて誘発する。
603.2c 能力は、その誘発イベントが発生するたびに一度だけ誘発する。しかし、そのイベントが複数の出来事を含んでいる場合、複数回誘発することもある。rule 509.4 参照。
例:「いずれかの土地が戦場から墓地に置かれるたび/Whenever a land is put into a graveyard from the battlefield」という誘発条件の能力を持つパーマネントがあるときに、誰かがすべての土地を破壊する呪文を唱えた場合、その能力はその呪文の解決中に墓地に送られた土地の枚数とおなじ回数だけ誘発する。
603.2d 「になる/becomes」という語を用いている誘発イベント(たとえば「タップ状態になる/becomes tapped」「ブロックされた状態になる/becomes blocked」など)が存在する。これらはその示されたイベントが発生したときにのみ誘発する。すなわち、元々その状態であった場合に誘発することはないし、その状態であり続ける間は再び誘発することはない。同様に、オブジェクトがその状態でその領域に入った場合にも誘発しない。
例:パーマネントが「タップ状態になった」ときに誘発する能力は、戦場にあるパーマネントの位相がアンタップ状態からタップ状態になった時にのみ誘発する。
603.2e 誘発型能力の誘発条件が満たされたときにその誘発型能力を持ったオブジェクトがすべてのプレイヤーに見える状態でなかった場合、その能力は誘発しない。
603.2f 能力は、その誘発イベントが実際に発生したときにのみ誘発する。軽減されたり置換されたりしたイベントによって誘発することはない。
603.3. 能力が誘発すると、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、そのコントローラーはそれをスタックに置く。rule 116〔タイミングと優先権〕参照。その能力は、スタックの一番上にあるオブジェクトとなる。スタックにある誘発型能力は、それを作った能力の文章を持ち、それ以外の特性を持たない。能力は、打ち消されるか解決されるか、ルールによってスタックから取り除かれるか、あるいは効果によって他の領域に移動されるまでスタックにとどまる。
603.3a 遅延誘発型能力を除く誘発型能力は、誘発した時点でその発生源をコントロールしていたプレイヤーがコントローラーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
603.3b プレイヤーが最後に優先権を得たときよりも後で複数の能力が誘発した場合、APNAP順で、プレイヤーは自分のコントロールする能力を自分の選んだ順序でスタックに積む。(rule 101.4 参照。)その後、状況起因処理をチェックして解決することを、発生しなくなるまで繰り返す。その後、この過程で誘発した能力がスタックに積まれる。この過程を、新しい状況起因処理の発生も能力の誘発もしなくなるまで繰り返す。その後、該当するプレイヤーが優先権を得る。
603.3c 誘発型能力がモードを持つ場合、そのコントローラーはその能力をスタックに置く時点で選択するモードを宣言する。不適正なモード(適正な対象を選べないなど)を選ぶことはできない。モードがどれも適正に選べない場合、その能力はスタックから取り除かれる。(rule 700.2 参照。)
603.3d これ以降の手順は、呪文を唱える手順として rule 601.2c から rule 601.2d に記されていたのと同じである。誘発型能力がスタックに行くときに選択が必要で、その選択が適正に行なえない場合、あるいはルールや継続的効果によって能力が不正になっている場合、能力は単にスタックから取り除かれる。
603.4. 誘発イベントのすぐ後に記される条件付きの誘発型能力(例えば、「[誘発イベント]とき/たび/時に、[条件]場合、[効果]する/When/Whenever/At [誘発イベント], if [条件], [効果]」)は、誘発条件の一部として条件が真かどうかをチェックする。条件が真でないなら、能力は誘発しない。また、解決時にも再び条件をチェックし、条件が真でなくなっていた場合、能力は何もしない。これは、対象が適正かどうかのチェックと同じことである。このルールは「"if"節のルール」と呼ばれる。(このルールは、テキスト内の他のところに「場合/if」条件がある誘発型能力には適用しないことに注意。)
例:《フェリダーの君主》は「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが40点以上である場合、あなたはこのゲームに勝利する」という能力を持つ。このコントローラーのライフ総量は、そのプレイヤーのアップキープが始まる際にチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力は誘発しない。40点以上である場合、この能力は誘発し、スタックに置かれる。この能力の解決に際し、このプレイヤーのライフ総量は再びチェックされる。ライフが39点以下である場合、この能力はスタックから取り除かれ、効果を持たない。40点以上である場合、この能力は解決され、そのゲームはそのプレイヤーの勝ちになる。
603.5. 誘発型能力の効果のなかには、行動をするかしないかを選択できる(「あなたのアップキープ開始時に、あなたはカードを1枚引いてもよい」というように、「してもよい/may」が含まれる)ものがある。コントローラーがその能力の選択をする意図があるかどうかに関係なく、その能力は誘発したときにスタックに積まれる。選択は能力の解決時に行なう。同様に、何かの条件を満たさ「ない限り/unless」発生しない効果を持つ誘発型能力や、プレイヤーが何かをすることを選ぶ効果を持つ誘発型能力は、通常どおりスタックに積まれる。能力の「ない限り/unless」の部分は能力の解決時に処理される。
603.6. オブジェクトが領域を移動することを含む誘発条件は「領域変更誘発」と呼ばれる。領域変更誘発を持つ能力の多くは、領域が変わった後でそのオブジェクトに何かしようとする。解決中に、これらの能力はオブジェクトを移動先の領域で探す。その指定された領域でそのオブジェクトが見つからなかった場合、効果のうちでそのオブジェクトに何かをする部分は失敗する。能力によるオブジェクトの捜索は、オブジェクトがその領域に入らなかった場合や、能力の解決よりも前に指定された領域を離れた場合、あるいはその移動先の領域がライブラリーや対戦相手の手札などで非公開な場合に失敗する(能力の解決よりも前に、オブジェクトが領域を離れてまた戻ってきた場合でも同じである)。領域変更誘発の最も一般的な例には、戦場に出た時に誘発する能力と戦場を離れた時に誘発する能力とがある。
603.6a 戦場に出た時の能力は、パーマネントが戦場に出た時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が戦場に出たとき、…/When [このオブジェクト] enters the battlefield,」、あるいは「[タイプ]が戦場に出るたび、…/Whenever a [タイプ] enters the battlefield,」と書かれている。1つ以上のパーマネントを戦場に出すイベントのたびに、戦場に出ているすべてのパーマネント(今出たものも含む)は、そのイベントにあった、戦場に出た時の誘発条件をチェックする。
603.6b パーマネントの特性を変える継続的効果は、パーマネントが戦場に出る瞬間にすぐ適用され(それより前には適用されない)、そのパーマネントが本来の特性で戦場に出ることはない。継続的効果はパーマネントが戦場に出る前には適用しない。rule 603.6e 参照。
例:「すべての土地はクリーチャーである」という効果の影響下で土地 カードがプレイされた場合、効果は土地 カードを戦場に出る瞬間にクリーチャーに変えるため、クリーチャーが戦場に出たときに誘発する能力を誘発させる。逆に、「すべてのクリーチャーはすべての能力を失う」という効果の影響下で、戦場に出たときの誘発型能力を持つクリーチャーが戦場に出た場合、効果は戦場に出る瞬間にその能力を失わせるため、戦場に出たときの誘発型能力は誘発しない。
603.6c 戦場を離れた時の能力は、指定されたパーマネントが戦場を離れた時、あるいはフェイズ・イン 位相のパーマネントがそのオーナーがゲームから除外されたことによってゲームから除外された時に誘発する。これらは、「[このオブジェクト]が戦場を離れたとき、…/When [このオブジェクト] leaves the battlefield,」、あるいは「[何か]が戦場から墓地へ置かれるたび、…/Whenever a [何か] is put into a graveyard from the battlefield,」と書かれている。このカードが戦場を離れた時に何かしようとする能力は、それが最初に行った領域のみをチェックする。カードが特定の領域に「いずれかの領域から/from anywhere」置かれたことによって誘発する能力は、そのオブジェクトが戦場から移動したとしても、戦場を離れた時の能力としては扱わない。
603.6d 通常、そのイベントが誘発条件を満たしたかどうかのチェックを行なうのは、イベントの直後に存在するオブジェクトについてである。その時点で存在する継続的効果は、その誘発条件が何であるか、また、そのイベントに関与するオブジェクトが何であるかを決定するために用いられる。しかし、誘発型能力の中には、特別に扱わなければならないものもある。戦場を離れた時の能力、パーマネントがフェイズ・アウトしたときに誘発する能力、すべてのプレイヤーが見ることができるオブジェクトが手札やライブラリーに移動したときに誘発する能力、オブジェクトが外れたときに誘発すると書かれている能力、プレイヤーがオブジェクトのコントロールを失ったときに誘発する能力、プレイヤーがある次元からプレインズウォークしたときに誘発する能力については、そのイベントの直後ではなく直前のオブジェクトの存在や状態に基づいて誘発する。それらの能力が誘発するかどうかを判断するために、ゲームは「過去の状態を見る」必要がある。
例:2体のクリーチャーと、「クリーチャーが1体死亡するたび、あなたは1点のライフを得る」という能力を持ったアーティファクトが戦場にあるとする。誰かが、すべてのアーティファクト、クリーチャー、エンチャントを破壊する呪文を唱えた。このアーティファクトは、クリーチャーと同時に墓地に行くが、その能力は2回誘発する。
603.6e いくつかのパーマネントは、「[このパーマネント]は、…状態で戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield with」「[このパーマネント]が戦場に出るに際し…/As [このパーマネント] enters the battlefield」、「[このパーマネント]は…として戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield as」、「[このパーマネント]はタップ状態で戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield tapped.」と書かれた文章を持つ。これらの文章は誘発型能力でなく常在型能力であり、その効果はそのパーマネントを戦場に出すイベントの一部として発生する。
603.6f オーラの中には、エンチャントしているパーマネントが戦場を離れたときに誘発する誘発型能力を持つものがある。これらの誘発型能力は、エンチャントされていたパーマネントが移動する先の領域でなるオブジェクトを見つけるだけでなく、そのオーラが状況起因処理がチェックされた後でオーナーの墓地に行った先でなるオブジェクトも見つける。rule 400.7 参照。
603.7. 効果によって、後で何かを行なう遅延誘発型能力が作成されることがある。遅延誘発型能力は、それらの単語が先頭ではないことが多いが、「〜とき/When」「〜たび/Whenever」「〜時/At」の3語のうちいずれかを含む。
603.7a 遅延誘発型能力は呪文や他の能力の解決によって、または置換効果の適用の結果として生成される。実際に生成されるまで、その直前に誘発イベントが起こっていたとしても、誘発されることはない。その類のイベントによって、条件が決して満たされることがなくなることもありうる。
例:「このクリーチャーが戦場を離れたとき」という一文を含む遅延誘発型能力が生成されるより前に、そのクリーチャーが戦場を離れることがある。この場合、その遅延誘発型能力が誘発されることはない。
例:「このクリーチャーがアンタップ状態になったとき」という遅延誘発型能力が生成される前に、そのクリーチャーがアンタップされていたら、その能力は、そのクリーチャーが(一旦タップされてから)次にアンタップされるのを待つ。
603.7b 遅延誘発型能力は、「このターンの間」のような記された期限がない限り、次に誘発イベントが起こった時に一度だけ誘発する。
603.7c あるオブジェクトに影響する遅延誘発型能力は、そのオブジェクトの特性が変化しても影響を及ぼす。しかし、そのオブジェクトがその領域を離れていた場合には影響を及ぼさない。(一旦領域を離れて再び戻ってきた場合にも、それは新しいオブジェクトであるので影響を受けない。rule 400.7 参照)
例:「ターン終了時に、このクリーチャーを追放する」という能力は、そのクリーチャーがターン終了ステップにはクリーチャーでなくなっていたとしてもそのパーマネントを追放する。しかし、それ以前に戦場を離れていた場合には何もしない。
603.7d 呪文が遅延誘発型能力を生成した場合、その遅延誘発型能力の発生源はその呪文であり、コントローラーはその呪文の解決時のコントローラーである。
603.7e 起動型あるいは誘発型の能力が遅延誘発型能力を生成した場合、その遅延誘発型能力の発生源は生成する能力の発生源と同じであり、コントローラーは生成する能力の解決時のコントローラーである。
603.7f 常在型能力による置換効果が遅延誘発型能力を生成した場合、その遅延誘発型能力の発生源はその常在型能力を持つオブジェクトであり、コントローラーは置換効果を適用した時点でのそのオブジェクトのコントローラーである。
603.8. 誘発型能力の中には、イベントの発生したときに誘発するものの他に、(プレイヤーがあるカード・タイプのパーマネントをコントロールしていない場合に誘発するものなど、)ゲームの状況によって誘発するものがある。それらの能力はゲームの状況がその条件を満たしたら即座に誘発し、次の機会にスタックに積まれる。これらの能力を状況誘発型能力と呼ぶ(状況誘発型能力は状況起因処理とは異なる)。状況誘発型能力は、その能力が解決されるか打ち消されるなどでスタックから取り除かれるまでは再び誘発することはないが、それ以降にその能力を持つオブジェクトがまだその領域に残っていてゲームの状況が誘発条件を満たしていた場合には、その能力は再び誘発する。
例:パーマネントの能力に「あなたの手札にカードが1枚もないたび、カードを1枚引く」とあったとする。コントローラーがその最後のカードをプレイした場合、この能力は一度誘発し、解決されるまでは再び誘発することはない。そのコントローラーが「手札を全て捨てる。その後で、同じ枚数だけカードを引く」という呪文を唱えた場合、その呪文の解決中にそのプレイヤーの手札が一時的に0枚になるので、この能力は誘発する。
603.9. プレイヤーが負けたときに誘発すると明記されている誘発型能力が存在する。その種の能力は、理由を問わず、プレイヤーが負け、あるいは引き分け以外の理由でゲームから離れた時に誘発する。rule 104.3 参照。
603.10. オブジェクトの中には、誘発型能力と関連した常在型能力を持つものがある。(rule 607〔関連している能力〕参照)。この類のオブジェクトでは、先に常在型能力、後に誘発型能力という順序で、両方の能力が一行に書かれている。まれに、誘発条件が能力の最初ではなく途中に書かれているオブジェクトもある。
例:「各ターン、最初に引いたカードを公開する。この方法で基本 土地 カードを公開するたび、カードを1枚引く」というのは、誘発型能力と関連した常在型能力である。
604.1. 常在型能力は、起動したり誘発したりするのではなく、常に何かをし続ける。通常の文で書かれており、単にそのままである。
604.2. 常在型能力は、継続的効果を発生する。その中の一部は軽減・置換効果である。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが戦場にあってその能力を持っている間、あるいはその能力を持つオブジェクトが該当する領域にある間、持続する。rule 112.6 参照。
604.3. 特性定義能力は、常在型能力の一種である。通常、そのオブジェクトのどこかに記載されている(例えばマナ・コスト、タイプ行、パワー/タフネス欄)特性値に関する情報を提供する。特性定義能力は全ての領域において機能する。また、ゲームの外部にある間にも機能する。
604.3a 以下の条件を全て満たす常在型能力は、特性定義能力である。(1)オブジェクトの色、サブタイプ、パワー、タフネスのいずれかを定義しているもの。(2)影響を受けるカードそのものに記載されているものか、トークンを生み出す効果によってトークンに与えられたものか、影響を受けるオブジェクトにコピー 効果や文章変更効果によって与えられているもの。(3)他のオブジェクトの特性に直接は影響を及ぼさないもの。(4)オブジェクトがそれ自身に与えている能力ではないもの。(5)ある条件下でのみ特性値を定義するものでないもの。
604.4. オーラ、装備品、城砦の多くは、それがつけられているオブジェクトを修整する常在型能力を持つが、そのオブジェクトを対象に取らない。オーラ、装備品、城砦が別のオブジェクトに移された場合、その能力は元のオブジェクトへの適用を止め、新しいオブジェクトを修整するようになる。
604.5. ある種の常在型能力は、呪文がスタックにある間に適用される。それらは多くの場合、呪文を打ち消すことに関するものである。また、「[このオブジェクト]を唱えるための追加コストとして、[コスト]を支払う/As an additional cost to cast [このオブジェクト], pay [コスト]」「[このオブジェクト]のマナ・コストを支払うのではなく、[コスト]を支払ってもよい/You may pay [cost] rather than pay [this object]'s mana cost,」「あなたは[このオブジェクト]をマナ・コストを支払わずに唱えてもよい/You may cast [this object] without paying its mana cost」といった能力も、そのカードが呪文としてスタックにある間に機能する。
604.6. ある種の常在型能力は、カードが唱えられるあるいはプレイできる領域(通常は手札)にある間に適用される。それは「あなたは[このカード]を[唱え/プレイし]てもよい/You may [cast/play] [このカード]」「あなたは[このカード]を[唱えられ/プレイでき]ない/You can't [cast/play] [このカード]」「[このカード]は …… にのみ[唱えられ/プレイでき]る/[Cast/Play] [このカード] only ...」と書かれているものに限られる。
604.7. 呪文やその他の種類の能力とは異なり、常在型能力は、効果がどう適用されるか決定する目的でオブジェクトの最後の情報を使用できない。
605.1. 起動型能力の一部と誘発型能力の一部はマナ能力であり、特別なルールに従う。以下の2種類のどちらかに分類されるものだけがマナ能力である。他の効果を伴うかどうか、あるいはタイミングの限定がどうか(「この能力は、あなたがインスタントを唱えられるときのみ起動できる」)は関係しない。
605.1a 以下の3つの条件を満たす起動型能力は、マナ能力である。対象を取らないこと、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えうること、忠誠度能力でないこと(rule 606〔忠誠度能力〕参照)。
605.1b 起動型マナ能力によって誘発する、解決時にプレイヤーのマナ・プールにマナを加えることのできる誘発型能力で対象を取らないものはマナ能力である。
605.2. マナ能力は、ゲームの状況によってマナを生み出せない場合でもマナ能力である。
例:あるパーマネントに、「{T}:あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、あなたのマナ・プールに{G}を加える」という能力がある場合、これは、あなたがクリーチャーをコントロールしていない時や、すでにこのパーマネントがタップ状態であるときにもマナ能力である。
605.3. 起動型マナ能力を起動することは、以下の例外を除いて、他の起動型能力を起動することに関するルール(rule 602.2 参照)に従う。
605.3a プレイヤーは、優先権を持っている時、呪文を唱えている間または能力を起動している間でマナの支払いが必要になった時、あるいはルールや効果がマナの支払いを求めている時なら、呪文を唱えたり解決したり能力を起動したり解決したりしている途中であったとしても起動型マナ能力を起動することができる。
605.3b 起動型マナ能力はスタックに積まれないので、対象にならず、打ち消されず、対応されることもない。そして、起動の直後に解決される。(rule 405.6c 参照)
605.4. 誘発型マナ能力は、以下の例外を除いて、他の誘発型能力に関するルール(rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照)に従う。
605.4a 誘発型マナ能力はスタックに積まれないので、対象にならず、打ち消されず、対応されることもない。そして、誘発した直後に優先権を待たずに解決される。
例:「いずれかのプレイヤーがいずれかの土地をマナを引き出す目的でタップするたび、そのプレイヤーは自分のマナ・プールに、その土地から引き出されたタイプの好きなマナ1点を加える」というエンチャントがある。プレイヤーが呪文を唱える間に土地をタップしてマナを出した場合、追加のマナは即座にそのプレイヤーのマナ・プールに加えられ、その呪文の支払いに充てることができる。
605.5. rule 605.1a から rule 605.1b の分類に当てはまらない能力は、マナ能力ではない。
605.5a 対象を取る能力は、解決時にマナをそのプレイヤーのマナ・プールに入れるものであっても、マナ能力ではない。同様に、起動型マナ能力以外で誘発する、解決時にマナをそのプレイヤーのマナ・プールに入れる誘発型能力や、起動型マナ能力で誘発する、解決時にマナをそのプレイヤーのマナ・プールに入れない誘発型能力は、マナ能力ではない。それらは通常の起動型能力または誘発型能力のルールに従う。
605.5b マナをプレイヤーのマナ・プールに加える呪文はマナ能力ではない。これらは他の呪文と同じように唱えられ、解決される。カード・タイプが「マナ・ソース/mana source」となっている古いカードが存在するが、それらのカードはオラクルで訂正され、インスタントになっている。
606.1. 起動型能力の中には忠誠度能力が存在し、それらは特別なルールに従う。
606.2. 忠誠シンボルをコストに含む起動型能力は忠誠度能力である。通常、プレインズウォーカーだけが忠誠度能力を持つ。
606.3. 自分のコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を起動できるのは、優先権を持っていてスタックが空で自分のメイン・フェイズの間で、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をまだどのプレイヤーも起動していない場合に限る。
606.4. パーマネントの忠誠度能力を起動するためのコストは、その能力のコストに含まれる忠誠シンボルに書かれている数の忠誠カウンターをそのパーマネントに載せるあるいは取り除くことである。
606.5. マイナスの忠誠度 コストを持つ忠誠度能力は、そのパーマネントにその数以上の忠誠カウンターが載っていない限り起動できない。
607.1. ある種の行動をし、あるいはオブジェクトに影響を与える 能力と、その行動あるいはオブジェクトを直接参照する能力とが記載されているオブジェクトが存在する。これらの能力は「関連している/linked」ものであり、この2つめの能力は、その1つめの能力による行動やその能力によって影響を受けたオブジェクトだけを参照する。その他の能力によるものを参照することはない。
607.1a オブジェクトに記載されている能力によって与えられているそのオブジェクトの能力は、この意味では、そのオブジェクトに記載されているものとして扱う。
607.1b rule 607.1 に記されている両方の条件を満たした能力があるオブジェクトに記載されている場合、それはそれ自身に関連している。
607.2. 関連している能力にはいくつかの種類が存在する。
607.2a あるオブジェクトに、いずれかのプレイヤーにカードを追放させる起動型あるいは誘発型能力が記載されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [このオブジェクト]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つめの能力は、その1つめの能力の指示の結果として追放されたカードで、追放 領域にあるものだけを参照する。
607.2b あるオブジェクトに、いずれかのプレイヤーにカードを追放させる置換効果を生成する能力が記載されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [このオブジェクト]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つめの能力は、その1つめの種類の能力による置換効果の直接の結果によって追放されたカードで、追放 領域にあるものだけを参照する。rule 614〔置換効果〕参照。
607.2c あるオブジェクトに、オブジェクトを戦場に出す起動型あるいは誘発型能力が記載されており、またそのカードに「[このオブジェクト]によって戦場に出た/put onto the battleground with [このオブジェクト]」オブジェクトを参照する能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。この2つめの能力は、その1つめの能力の結果戦場に出たオブジェクトだけを参照する。
607.2d あるオブジェクトに、「[値]を選ぶ/choose a [value]」または「カード名を1つ指定する/name a card」ことをプレイヤーに求める能力を記載されており、また「選ばれた[値]/the chosen [value]」「最後に選ばれた[値]/the last chosen [value]」、あるいは「指定されたカード/the named card」を参照する能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。この2つめの能力は、1つめの能力の結果行なわれた選択だけを参照する。
607.2e あるオブジェクトに、いずれかのプレイヤーに2つまたはそれ以上の数のルール上特定の意味を持たない単語から選択させる能力と、それらの単語の内1つ以上のものを含む選択内容を参照する能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。この2つめの能力は、1つめの能力の結果行なわれた選択だけを参照する。
607.2f あるオブジェクトに、それが戦場に出るに際していずれかのプレイヤーにコストを支払わせる能力と、「[このオブジェクト]が戦場に出るに際し/as [this object] entered the battlefield」て支払われたコストを参照する能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。
607.2g あるオブジェクトの単一の段落内で、常在型能力と誘発型能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。誘発型能力は、その常在型能力の結果行なわれた処理だけを参照する。rule 603.10 参照。
607.2h オブジェクトにキッカー 能力と、キッカーしているかどうかを参照する能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。2つめの能力は、1つめの能力に記載されているキッカー・コストを、そのオブジェクトを呪文として唱える際に払う意志を示したかどうかだけを参照する。キッカー 能力に複数のコストが列記されている場合、複数の能力が関連することになる。それぞれの能力はどのキッカー・コストを参照するか明記されている。rule 702.31〔キッカー〕参照。
607.2i あるオブジェクトに、それを唱えるに際して可変の追加コストを支払うという能力と、「[このオブジェクト]を唱えるに際し/as [this object] was cast」て支払われたコストを参照する能力が記載されている場合、それらの能力は関連している。この2つめの能力は、1つめの能力の結果支払われたコストだけを参照する。rule 601.2b 参照。
607.3. 能力が、複数の組の関連した能力の一部になることがありうる。
例:《極楽の羽飾り》は以下の3つの能力を持つ。「《極楽の羽飾り》が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。」「いずれかのプレイヤーが選ばれた色の呪文を唱えるたび、あなたは1点のライフを得る。」「{T}: 選ばれた色のマナ1点をあなたのマナ・プールに加える。」1つめと2つめは関連した能力であり、1つめと3つめも関連した能力である。
607.4. オブジェクトが、単一の効果の一部として一組の関連した能力を得ることがある。それらの能力は、新しいオブジェクトに記載されているわけではないが、元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。
例:《弧炎撒き》は「{R}、あなたのライブラリーのカードを一番上から10枚追放する:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。弧炎撒きはそれに2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《石の死の姉妹》は「{B}{G}: 石の死の姉妹をブロックするかブロックされているクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。」「{2}{B}:石の死の姉妹により追放されたクリーチャー・カードを1枚、あなたのコントロール下で戦場に出す。」という能力を持つ。《水銀の精霊》は「{U}:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、水銀の精霊はそれのすべての起動型能力を得る。」という能力を持つ。《水銀の精霊》で《弧炎撒き》の能力を得、それを起動したあと、《石の死の姉妹》の能力を得て、クリーチャー・カードを追放する能力を起動したとする。この後、《石の死の姉妹》から得た戦場に戻す能力を起動したとしても、《石の死の姉妹》由来の能力によって《水銀の精霊》が追放したカードしか戦場に戻すことはできない。《弧炎撒き》由来の能力で追放されたクリーチャー・カードは戦場に戻らない。
608.1. 全てのプレイヤーが続けてパスすると、スタックの一番上に積まれている呪文や能力が解決される。(rule 609〔効果〕参照。)
608.2. 解決されるオブジェクトがインスタント 呪文やソーサリー 呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2j で記された手順を適切な順で行なう。その後、最後にrule 608.2k に記された手順を行なう。
608.2a "if"節のルールに従う誘発型能力であれば、その条件がこの時点でも満たされているかどうかを確認する。満たされていなければ、その能力はスタックから取り除かれ、何も行なわない。そうでなければ、解決を続ける。rule 603.4 参照。
608.2b 呪文や能力が対象を取る場合、その対象がこの時点でも適正かどうかを確認する。対象となったときにあった領域に存在しなくなっている対象は、適正ではない。たとえば、その特性が変わっていたり、効果によって呪文の文章が変わっていたりするなど、ゲームの状況の変化によって適正でなくなっていることもある。能力の発生源が元あった領域から移動していた場合、この手順において最後の情報が用いられる。すべての対象が、すべての対象群において、不適正になっていた場合、その呪文や能力は打ち消される。呪文や能力が打ち消されなければ、通常通り解決される。ただし、対象の一部が不適正である場合、その呪文や能力の効果のうちで不適正な対象に何かをしたり何かをさせたりする部分は何もしない。効果が不適正な対象についての情報を決定することはでき、対象が適正である部分の効果は通常通り影響を及ぼす。
例:《ソリンの渇き》は「クリーチャー1体を対象とする。ソリンの渇きはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。」という黒のインスタントである。この対象になったクリーチャーが《ソリンの渇き》の解決時に適正な対象でなかった場合(例えば、プロテクション(黒)を得たり、戦場を離れていたりした場合)、《ソリンの渇き》は打ち消され、そのコントローラーはライフを得ることができない。
例:《疫病の胞子》は「黒でないクリーチャー1体と土地1つを対象とし、それらを破壊する。それらは再生できない。」という効果を持つ。クリーチャー化した土地1つを、黒でないクリーチャーとしても土地としても対象にした場合、その後でそのクリーチャー化した土地が黒になったとしても、《疫病の胞子》は「土地1つ」を対象とする部分について適正な対象をとるので、打ち消されることはない。「黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」という部分はそのパーマネントに影響を及ぼさないが、「土地1つを対象とし、それを破壊する」部分がそのパーマネントを破壊することになる。また、それは再生できない。
608.2c 呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。但し、置換効果によってこれらの行動が変更され、以前の指示の意味が変わることもある。場合によっては、カードのテキストで後のほうに書かれた文章が、前の文章の意味を修整することがある(例えば、「クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない」あるいは「呪文1つを対象とする。それを打ち消す。その呪文が打ち消された場合、それをオーナーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く」)。これらの場合を考えずに逐語的に効果を適用したりしてはならない。カード全体を読み、文法に従ってテキストを解釈すること。
608.2d 効果の中で、呪文を唱える時、あるいは能力を起動する時、その他呪文や能力をスタックに置くときに宣言していない選択が必要とされる場合、プレイヤーは効果の処理の間にこれらを宣言する。プレイヤーは、不正な選択肢、または不可能な選択肢を選ぶことはできない。この例外として、カードを引くことは、そのプレイヤーのライブラリーにカードが1枚もなくても不可能な行動としては扱われない(rule 120.3 参照)。効果によって、プレイヤーが任意の数のプレイヤーやオブジェクトに対象を取らずにダメージやカウンターなどを分配あるいは割り振って与える 場合、可能ならばそのプレイヤーは最低1人のプレイヤーまたは1つのオブジェクトを選び、そこに割り振る量と割り振り方を選ぶ。その選ばれたプレイヤーやオブジェクトには、最低1つの分配物が置かれなければならない。(注:効果によってダメージやカウンターが分配あるいは割り振られる割り振り先を対象としている場合、その割り振る量や割り振り方は呪文や能力がスタックに積まれる時に宣言される。rule 601.2d 参照)
例:「あなたはクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。そうしないなら、あなたは4点のライフを失う」という呪文があるとする。クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは、生け贄に捧げるという選択肢を選ぶことはできない。
608.2e 呪文や能力の中には、複数の段落や条項によって、複数のプレイヤーが関与する、複数の手順や行動に分かれているものもある。この場合、APNAP順に従って1つめの行動について必要な選択を行ない、そして1つめの行動が同時に実行される。その後で、APNAP順に従って2つめの行動について必要な選択を行ない、そして2つめの行動が同時に実行される。以下同様に繰り返す。rule 101.4 参照。
608.2f プレイヤーがマナを支払ってもよいという選択肢を含む効果の場合、そのプレイヤーはその行動を行なう前にマナ能力を起動してもよい。解決中に呪文を唱えられるという効果の場合、プレイヤーは呪文をスタックの一番上に置き、rule 601.2a-h に従って唱える。ただし、唱え終わった後にプレイヤーが優先権を得ることはない。その後、現在解決中の呪文や能力の解決を続ける。ここに、これと同様に他の呪文を唱えることが含まれることもありうる。通常、解決中にはそれ以外の呪文を唱えたり能力を起動したりはできない。
608.2g ゲームの情報(戦場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に一度だけ決定される。効果が(その効果の発生源や不適正になっている対象を含む)特定のオブジェクトの情報を必要とする場合、そのオブジェクトが元あった公開領域にある場合、その現在の情報を使う。すでにそこにない、あるいは効果によって公開領域から非公開領域に移動していた場合、そのオブジェクトの最後の情報を使う。rule 112.7a 参照。オブジェクトが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)オブジェクトであり、能力ではない。
608.2h 特性を調べる効果は、その指定された特性の値だけをチェックし、オブジェクトが他に持っているかもしれない、類似の特性の値はチェックしない。
例:白でも黒でもあるクリーチャーは、「黒のクリーチャーをすべて破壊する」という効果で破壊されるが、「黒でないクリーチャーをすべて破壊する」という効果では破壊されない。
608.2i 能力の効果が、その能力のコストや誘発条件によって参照されていて対象になっていないオブジェクトを参照する場合、そのオブジェクトの特性が変わっていてもそのオブジェクトに影響を及ぼす。
例:《哀れみの壁》は「哀れみの壁がいずれかのクリーチャーをブロックするたび、戦闘終了時にそのクリーチャーをオーナーの手札に戻す。」という能力を持つ。《哀れみの壁》がクリーチャーをブロックした後、そのクリーチャーが能力の解決前にクリーチャーでなくなったとしても、そのパーマネントはオーナーの手札に戻される。
608.2j 適正に解決されるインスタント 呪文やソーサリー 呪文や能力は、解決が始まった後でスタックから取り除かれたとしても、最後まで解決される。
608.2k インスタント 呪文やソーサリー 呪文の解決の最終段階として、その呪文はスタックからオーナーの墓地に置かれる。能力は、その解決の最終段階として、スタックから取り除かれ、消滅する。
608.3. 解決されているオブジェクトがパーマネント呪文である場合、その解決は(オーラでなければ)単一の手順からなる。呪文 カードがパーマネントになり、その呪文のコントローラーのコントロール下で戦場に出る。
608.3a 解決されているオブジェクトがオーラ 呪文の場合、その解決は2つの手順からなる。まず、エンチャント能力で特定されている対象がなお適正かどうかを rule 608.2b に従って確認する。(rule 702.5〔エンチャント〕参照。)適正であれば、その呪文 カードはパーマネントとなり、その呪文のコントローラーのコントロール下で、対象としていたオブジェクトについた状態で戦場に出る。
608.3b パーマネント呪文が解決されて、そのコントローラーがそれを戦場に出せない場合、そのプレイヤーはそれをオーナーの墓地に置く。
例:《Worms of the Earth》は「土地は戦場に出られない。」という能力を持つ。《クローン》は「《クローン》が戦場に出るに際し、戦場に出ているクリーチャーを1体選ぶ。そうしたなら、《クローン》はそのクリーチャーのコピーとして戦場に出る。」という能力を持つ。《Worms of the Earth》が戦場にある状況で、《クローン》を唱えて《ドライアドの東屋》(クリーチャー・土地)をコピーすることを選んだ場合、《クローン》はスタックから戦場に出る事ができなくなり、オーナーの墓地に置かれる。
609.1. 「効果/effect」とは、呪文や能力の結果としてゲーム内で起こる出来事のことである。呪文や起動型能力、誘発型能力は、解決されると、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を発生させる。常在型能力は、1つまたは複数の継続的効果を発生させる。文章そのものは効果ではない。
609.2. 効果は、効果の文章に特にそう書いてある場合や、明らかに他の領域に存在するオブジェクトにしか適用できない場合を除いて、パーマネントにのみ影響する。
例:すべての土地をクリーチャーに変える効果は、プレイヤーの墓地にある土地 カードには影響を及ぼさない。しかし、呪文を唱えるためのコストを増減する効果は、プレイヤーが唱えている途中である呪文が存在しうるのはスタックだけなので、スタックにある呪文にだけ影響を及ぼす。
609.3. 効果が実現不可能なことを要求している場合、可能な部分だけを実行する。
例:プレイヤーが1枚だけ手札を持っている場合、「手札を2枚捨てる」という効果はその持っているカードだけを捨てさせる。ライブラリーからカードを(引くのではなく)移す効果は、可能な枚数だけ移す。
609.4. プレイヤーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをしてもよい、あるいはクリーチャーが何らかの条件を満たしている「かのように」何かをできると書かれている効果が存在する。それはその効果にだけ適用される。その効果に関しては、その条件を完全に満たしているかのように扱い、それ以外に関しては通常通り扱う。
609.4a 2つの能力がそれぞれ、プレイヤーもしくはクリーチャーが同一のことを違う状況である「かのように/as though」行動してもよい(行動できる)となっていた場合、両方の状況が適用される。もし一方がもう一方の「かのように」の条件を満たしていた場合、両方の効果が適用される。
例:「あなたは土地でないカードを瞬速を持つかのように唱えてよい」というアーティファクト《ヴィダルケンの宇宙儀》をコントロールしているプレイヤーが、「他のプレイヤーの墓地にある土地でないカードを、あなたの墓地にあるかのように唱えてよい」というインスタント《シャーマンの恍惚》を唱えた。そのプレイヤーは他のプレイヤーの墓地にあるフラッシュバックつきのソーサリーを、自分の墓地にあるかのように、そして瞬速を持っているかのように唱えてよい。
609.5. ある効果の結果が「引き分け/in a tie」で終わる可能性がある場合には、その効果を発生させた呪文や能力の文章にその場合にどうするのかが記されている。マジックにおいて、「引き分け」の場合どうするかという一般則はない。
609.6. 継続的効果の中には、置換効果や軽減効果が存在する。rule 614、rule 615 参照。
609.7. 「このターン、あなたが選んだ赤の発生源1つが次にあなたに与える ダメージを軽減する。」というような、特定の発生源からのダメージに適用される効果が存在する。
609.7a 効果によってダメージの発生源を選ぶ場合、選択できるのは、パーマネント、(パーマネント呪文を含む)スタック上の呪文、またはスタック上のオブジェクトか適用待ちの置換軽減効果か誘発待ちの遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト(もとあった領域から離れているものも含む)、またはある種のカジュアル変種ルールにおいては統率 領域にある表向きのカードのいずれかである。その発生源が実際にダメージを与えられるものでなくても適正な選択である。この選択は、その効果が生成される時に行なう。プレイヤーがパーマネントを選んだ場合、軽減効果はそのパーマネントからの次のダメージに適用され、それが呪文や能力の効果によるものか、それともそれが与える 戦闘ダメージかは問題としない。パーマネント呪文を選んだ場合、この効果はその呪文もしくはその呪文が解決されてなるパーマネントからのダメージに適用される。
609.7b 呪文や能力によって、クリーチャー、あるいはある特定の色、といった、特定の性質の発生源からのダメージだけに影響を及ぼす軽減効果が発生することがある。その類の限定のある軽減の「シールド」は、ダメージを軽減するときにもう一度発生源の特性を確認する。その特性が適合していなければ、ダメージは軽減されない。何らかの理由によってシールドがダメージを軽減しなかった場合にはシールドは消耗しない。
609.7c 常在型能力の効果で、特定の性質を持つダメージの発生源からのダメージを軽減したり置換したりするものがある。これらの効果については、その軽減・置換効果はその性質を持つパーマネントだけでなく、戦場以外の領域にある、その性質を持つあらゆる発生源にも適用される。
610.1. 単発的効果は、何かを1回だけ起こし、すぐに終わる。例としては、ダメージを与える、パーマネントを破壊する、トークンを戦場に出す、オブジェクトを領域間で移動させる、などがある。
610.2. 単発的効果の中には、この単発的効果を生み出した呪文や能力の解決時ではなく、ゲームが先に進んでから(通常はある特定の時点で)何かするよう、プレイヤーに指示するものがある。rule 603.7 参照。
611.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、オブジェクトのコントローラーを変更したり、プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって生成される。
611.2. 継続的効果は、呪文や能力の解決によっても生成される。
611.2a 呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。期間が明記されていない場合は、ゲーム終了時まで継続する。
611.2b 起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「〜し続ける限り/for as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「〜し続ける限り」というフレーズで示される期間が、最初に適用されるより前に終了していた場合、その効果は何もしない。開始してすぐまた停止する、ということもないし、永続するということもない。
例:《練達の盗賊》は、「練達の盗賊が戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とする。あなたが練達の盗賊をコントロールし続けているかぎり、あなたはそれのコントロールを得る。」という誘発型能力を持つ。この能力が解決されるよりも先に《練達の盗賊》のコントロールを失った場合、持続期間、つまり「あなたが練達の盗賊をコントロールし続けている限り」という期間は効果が発生する前に終わっているので、効果は発生しない。
611.2c 呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けるオブジェクトが決定され、それ以降には変更されない。(これは、常在型能力からの継続的効果とは異なる。)呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更しない継続的効果は、ゲームのルールを変更するので、その継続的効果が発生した時点で影響を受けていなかったオブジェクトにも影響を及ぼす。
例:「すべての白のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果は、その呪文または能力が解決した時点で白であれば、すべてのパーマネントに修整を与える。たとえ後で色が変わっても、その修整を失うことはない。また、その後で戦場に出たり白に変わったりしたクリーチャーには影響を与えない。
例:「クリーチャーがこのターンに与える ダメージを全て軽減する」という効果は、オブジェクトの特性を変更しないので、ゲームのルールを変更している。つまり、この効果は、この継続的効果が発生した時点で戦場に出ていなかったクリーチャーや、このターンのより後の時点でクリーチャーになったパーマネントによるダメージにも影響を及ぼす。
611.2d 呪文や能力によって、Xのような変数を含む継続的効果が発生した場合、その変数の値は解決時にのみ定められ、その後で変化することはない。rule 608.2g 参照。
611.3. 継続的効果は、オブジェクトの常在型能力によっても生成される。
611.3a 常在型能力によって生み出される継続的効果は「固定」されない。その文章で示されるもの全てに対して常に適用する。
611.3b この効果は、それを生み出すパーマネントが戦場にある、またはそれを生み出すオブジェクトがその該当する領域にある間、常に適用する。
例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」という常在型能力を持つパーマネントは、戦場にある白のクリーチャーのそれぞれに+1/+1を継続的に与える 効果を生む。クリーチャーが白になったらこの修整を得、白でなくなったらこの修整を失う。
611.3c パーマネントの特性を修整する継続的効果は、そのパーマネントが戦場に入ると同時に特性を修整する。パーマネントが戦場に出るのを待ち、それから修整するのではない。この類の効果はパーマネントが戦場に出る時点で適用されるので、パーマネントが戦場に出たときの能力が誘発するかどうかを決定するよりも前に適用される。
例:「すべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける」という常在型能力を持つパーマネントが戦場にある場合、通常1/1の白クリーチャーを生むクリーチャー 呪文は、代わりに2/2の白クリーチャーを生む。1/1のクリーチャーが戦場に出て、それから2/2になるのではない。
612.1. 継続的効果の中には、オブジェクトの文章を変更するものがある。それはそのオブジェクトに記載されているあらゆる単語やシンボルに適用されうるが、影響があるのはオブジェクトのルール文章(文章欄の中にある)とタイプ行にある文章だけである。これらの効果を文章変更効果と言う。
612.2. オブジェクトの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。マジックの色や基本土地タイプ、クリーチャー・タイプと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によってカード名を書き換えることはできない。
612.2a クリーチャー・トークンを生成する呪文や能力は、そのトークンのクリーチャー・タイプをクリーチャー・タイプとトークンのカード名の両方として用いることが多い。それらの単語はカード名としても使われるが、クリーチャー・タイプなので書き換えることができる。
612.3. 能力を追加したり取り除いたりする効果は、その影響を受けるオブジェクトの文章を変更するわけではない。従って、効果によってオブジェクトに与えられた能力は、そのオブジェクトの文章を変更する効果の影響を受けない。
612.4. トークンのサブタイプとルール文章は、そのトークンを生成する呪文や能力によって定義される。それらの特性は文章変更効果によって書き換えることができる。
612.5. あるカード(《ヴォルラスの多相の戦士》)には、あるオブジェクトが他のオブジェクトの「すべての文章」を持つと書かれている。これはそのオブジェクトの文章欄とタイプ行にある文章だけでなく、カード名、マナ・コスト、色指標、エキスパンション・シンボル、パワー、タフネスの文章も変更する。
613.1. オブジェクトの特性の値は、そのオブジェクトそのものの値から始まって決定される。カードであればそのカードに記載されている特性の値、トークンや(呪文やカードの)コピーであればそれを生成した効果によって定められた特性の値を初期値とする。その後、以下の種類別の順番で適用できる継続的効果をすべて適用する。
613.1a 第1種: コピー 効果が適用される。rule 706〔オブジェクトのコピー〕参照。
613.1c 第3種: 文章変更効果が適用される。rule 612〔文章変更効果〕参照。
613.1d 第4種: タイプ変更効果が適用される。ここにはカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ変更効果が含まれる。
613.2. 第1種から第6種においては、まず特性定義能力が最初に適用され(rule 604.3 参照)、その後他の効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.6 参照)。種類別の中では、依存性によって適用順が変わることがある(rule 613.7 参照。)。
613.3. 第7種においては、以下の種類細別の順番で効果が適用される。各種類細別においては、効果がタイムスタンプ順に適用される(rule 613.6 参照)。種類細別の中では、依存性によって適用順が変わることがある。(rule 613.7 参照。)
613.3a 第7a種: パワーやタフネスを定義する特性定義能力からの効果が適用される。rule 604.3 参照。
613.3b 第7b種: パワーやタフネスを特定の値にする効果が適用される。
613.3c 第7c種: パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)修整する効果が適用される。
613.3d 第7d種: カウンターによるパワーやタフネスの変更が適用される。rule 121〔カウンター〕参照。
613.3e 第7e種: クリーチャーのパワーとタフネスを「入れ替える/switch」効果が適用される。この種の効果はそのオブジェクトのパワーを参照してそのオブジェクトのタフネスとし、そのオブジェクトのタフネスを参照してそのオブジェクトのパワーとする。
例:1/3クリーチャーが効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の適用後に、他の効果によって+5/+0の修整を受ける場合、「入れ替え前」の値は6/4となり、実際の値は4/6になる。
例:1/3クリーチャーが何らかの効果によって+0/+1の修整を受けているとき、他の効果がそのクリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える場合、結果のパワーとタフネスは4/1になる。この「入れ替え」効果の終了前に+0/+1の効果が終わる場合、そのクリーチャーは3/1になる。
613.4. 上記の種類別による継続的効果の適用は常にそして自動的に行なわれており、結果としてオブジェクトの特性が変更されるのは即時である。
例:《清浄の名誉》は「あなたがコントロールする白のクリーチャーは+1/+1の修整を得る」というエンチャントである。《清浄の名誉》と2/2の黒のクリーチャーが戦場に出ている時に、その黒のクリーチャーを白にする効果(第5種)が存在したとすると、《清浄の名誉》の効果(第7c種)を受けて3/3になる。この後で、このクリーチャーの色が赤になった(第5種)場合、《清浄の名誉》の効果は適用されなくなり、2/2に戻る。
例:2/2のクリーチャー《灰色オーガ》が戦場に出ている。これに+1/+1カウンターが置かれた(第7d種)場合、3/3になる。さらに「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+4/+4の修整を得る」という効果(第7c種)が適用されれば、7/7になる。「あなたがコントロールしているクリーチャーは+0/+2の修整を得る」というエンチャント(第7c種)が戦場に出たら、そのクリーチャーは7/9になる。ここで、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで0/1になる」という効果(第7b種)が適用されたら、このクリーチャーは、(0/1→呪文の効果で+4/+4→エンチャントの+0/+2→カウンターの+1/+1→)5/8になる。
613.5. 効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理される。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。
例:「野生の雑種犬は+1/+1の修整を受け、あなたが選んだ色1色になる」という効果は、パワー・タフネス変更効果でもあり、また色変更効果でもある。従って、「あなたが選んだ色1色になる」という部分が第5種として処理され、その後で「+1/+1の修整を受ける」部分が第7c種として処理されることになる。
例:《反逆の行動》は「クリーチャー1体を対象とし、ターン終了時までそれのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。」という効果を持つ。これはコントロール変更効果であり、能力追加効果である。従って、「それのコントロールを得る」部分は第2種、「速攻を得る」は第6種として処理される。
例:「クリーチャーでないすべてのアーティファクトはターン終了時まで2/2のアーティファクト・クリーチャーになる」という効果は、タイプ変更効果でもあり、パワー・タフネス変更効果でもある。タイプ変更効果は、クリーチャーでないすべてのアーティファクトに対して第4種で適用され、パワー・タフネス変更効果はそれらのパーマネントに対して第7b種で適用される。この時点までに、そのパーマネントはクリーチャーでないアーティファクトではなくなっているが、予定通り適用される。
例:《安息の無い墓、スヴォグトース》が戦場に出ていて、これに「土地1つを対象とする。それはターン終了時まで3/3のクリーチャーになる。それは土地でもある」という効果(第4種および第7b種)が適用されたとする。この後、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という効果(第7c種)を適用すると、4/4の土地・クリーチャーになる。この後、《安息の無い墓、スヴォグトース》の能力「ターン終了時まで、《安息の無い墓、スヴォグトース》は『このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい』の能力を持つ黒であり緑である植物・ゾンビ・クリーチャーになる。それは土地でもある。」(第4種、第5種、第7b種)を起動した場合、あなたの墓地にクリーチャー・カードが10枚あったとすると、《安息の無い墓、スヴォグトース》のパワーとタフネスは11/11になり、その後墓地の枚数が変わるにつれて変動する。この後、もう一度最初の効果が適用されたとしたら、再び4/4の土地・クリーチャーになることになる。
613.6. 各種類別、各種類細別の中では、効果の適用順は通常、タイムスタンプのルールを用いて決定される。より早いタイムスタンプを持つ効果が先に適用される。
613.6a 常在型能力によって作られた継続的効果は、それを生み出したオブジェクトと、その能力を生成した効果の、遅い方と同じタイムスタンプを持つ。
613.6b 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果は、生成された時点でタイムスタンプを得る。
613.6c オブジェクトのタイムスタンプは、他のオブジェクトやプレイヤーについているオーラや装備品や城砦、あるいは表向きの次元 カード、現象 カード、計略 カードを除き、それが現在ある領域に入った時点のタイムスタンプである。
613.6d オーラや装備品、城砦が他のオブジェクトやプレイヤーについた時点で、そのオーラや装備品、城砦は新しいタイムスタンプを得る。
613.6e 表向きの次元 カード、現象 カード、計略 カードは、表向きになった時点でタイムスタンプを得る。
613.6f 表向きののヴァンガード・カードは、ゲームの開始時にタイムスタンプを得る。
613.6g たとえば同時に領域に入る、同時にオブジェクトにつけられる、などで複数のオブジェクトが同時にタイムスタンプを得る場合、その時点でアクティブ・プレイヤーがそのタイムスタンプ順を決める。
613.7. 種類別、種類細別の中での効果の適用順は、依存関係によって変更される場合がある。依存関係がある場合、タイムスタンプ順のルールは依存のルールによって上書きされる。
613.7a ある効果が、(a)別の効果と同じ種類別(存在するなら種類細別も)であり(rule 613.1 および rule 613.3 参照)、(b)別の効果を適用することにより、その文章が変わったり、効果が発生するかどうかが変わったり、何に適用するかが変わったり、適用するもののどれかに何をするかが変わったりし、さらに(c)どちらの効果も特性定義能力によるものでない、またはどちらの効果も特性定義能力によるものである場合、その効果は他方に「依存している」と言う。そうでない場合、その効果は先の効果と独立である。
613.7b 1つまたは複数の効果に依存している効果は、その依存先の効果全てが適用されてからすぐに適用する。このルールによって複数の依存している効果が同時に適用されるようになった場合には、その適用順はお互いのタイムスタンプ順に従う。依存している効果同士によって依存性のループが生成した場合には、このルールを無視し、依存性のループを生成している効果をタイムスタンプ順に適用する。
613.7c 効果の1つが適用された後、残りの効果の順番は再計算される。まだ適用されていない効果が、他のまだ適用されていない効果に対して独立になったりあるいは依存したりすることによって順番が変わることがある。
613.8. 継続的効果は別の継続的効果を無効化することがある。また、一つの効果の結果が、他の効果が適用されるかどうかや、その効果が何をするかを決定することもある。
例:単一のクリーチャーに、「エンチャントされているクリーチャーは飛行を持つ」というオーラと、「エンチャントされているクリーチャーは飛行を失う」というオーラからの2つの効果が影響を及ぼしている。影響を受ける相手や発揮される効果を変えるものはないので、これらは互いに依存しない。これらをタイムスタンプ順に適用することで、最後に生成された効果が「勝つ」ことになる。それらの効果のいずれかが持続時間のあるもの(「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う」)やオーラでない発生源からのもの(「すべてのクリーチャーは飛行を失う」)であっても、同じ適用法により同じ結論になる。
例:「白のクリーチャーは+1/+1を得る」「エンチャントされているクリーチャーは白である」という2つの効果があった場合、そのエンチャントされているクリーチャーは、元の色に関らず、+1/+1の修整を受けることになる。
613.9. 継続的効果の中には、たとえばプレイヤーにプロテクション(赤)を与えるなど、オブジェクトでなくプレイヤーに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、オブジェクトの特性が決定された後で、タイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.6、rule 613.7)参照。
613.10. 継続的効果の中には、プレイヤーの手札の上限を変更する、クリーチャーは破壊されない、など、オブジェクトでなくゲームのルールに影響を及ぼすものが存在する。それらの効果は全て、他の全ての継続的効果の適用後に適用される。呪文や能力のコストに影響を及ぼす継続的効果は、rule 601.2eに定められた順番で適用される。それ以外のこの種の効果はタイムスタンプ順に適用される。タイムスタンプ順と依存のルール(rule 613.6、rule 613.7)参照。
614.1. 継続的効果の一部は、置換効果である。軽減効果(rule 615 参照)と同様に、置換効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうる特定のイベントを待ち、その効果の全部あるいは一部を他のイベントで置換する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
614.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示す。
614.1b 「飛ばす/skip」という語を用いる効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
614.1c 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield with ...」、「[このパーマネント]が戦場に出るに際し〜/As [このパーマネント] enters the battlefield ...」、「[このパーマネント]は〜として戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield as ...」という効果は置換効果である。
614.1d 「[このパーマネント]は〜戦場に出る/[このパーマネント] enters the battlefield ...」、「[オブジェクト]は〜戦場に出る/[オブジェクト] come into play . . .」という継続的効果は置換効果である。
614.1e 「[このパーマネント]が表向きになるに際し〜/As [このパーマネント] is turned face up ...」という効果は置換効果である。
614.2. 置換効果の一部は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
614.3. 置換効果を生成する呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
614.4. 置換効果はしかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生成する呪文や能力は、そのイベントを生成する何かに対応して唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
例:クリーチャーを破壊する呪文に対応して、再生 能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、クリーチャーを再生することができる機会は存在しない。
614.5. 置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそれを置換したイベントを通して1回だけである。
例:あるプレイヤーが、それぞれ「あなたがコントロールするクリーチャーがクリーチャーかプレイヤーにダメージを与える 場合、その代わりに、その倍のダメージをそのクリーチャーまたはプレイヤーに与える」という能力を持ったパーマネントを2つコントロールしているとする。この場合、通常2点のダメージを与える クリーチャーは、8点のダメージを与える。4点のダメージでもないし、無限のダメージでもない。
614.6. イベントが置換された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
614.7. 置換効果があるイベントを置換する場合、そのイベントが発生しなければ、置換効果は何もしない。
614.7a あるダメージの発生源が0点のダメージを与えるというのは、つまりダメージを与えないということである。その発生源からのダメージを増加させる置換効果や、その発生源からのダメージを他のオブジェクトやプレイヤーに与えさせる置換効果があったとしても、置換すべきイベントが存在しないので、効果は発生しない。
614.8. 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[パーマネント]を再生する」とは、「このターンの間、次に[パーマネント]が破壊される場合、その代わりに負っているダメージを全て取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。rule 701.12 参照。
614.9. 効果によって、あるクリーチャー、プレインズウォーカー、あるいはプレイヤーに与えられたダメージが、他のクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーに与えられる同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え/redirection」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、どちらかのクリーチャーやプレインズウォーカーが戦場を離れていたり、クリーチャーやプレインズウォーカーでなくなっていたりした場合、効果は何もしない。ダメージが既にゲームを離れているプレイヤーから、あるいはゲームから除外されているプレイヤーに、移し変えられる場合、効果は何もしない。
614.10. イベントやステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [何か]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」ということを意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす 効果が発揮されるのは、次の機会になる。
614.10a 飛ばされたステップ、フェイズ、ターンに起こる予定だったことは、起こらない。「次の/next」何かに起こる予定のことは、飛ばされなかった最初の機会に行なわれる。2つの効果があるプレイヤーの次のステップ(フェイズ、ターンも同じ)を飛ばす 場合、次とその次のステップを飛ばすことになる。効果の1つはその最初のものを飛ばしたことで終わるが、もう1つの効果は次の機会を待つからである。
614.10b 何らかの効果によってプレイヤーがステップ、フェイズ、ターンを飛ばして何か行動をすることになる場合、その行動は次に実際に発生したステップ、フェイズ、ターンの一番最初に発生する行動となる。
614.11. 置換効果の中に、カードを引くことを置換するものがある。それらの効果は、そのライブラリーにカードが存在しないために引くことができない場合にも適用される。
614.11a 複数枚のカードを引くことのうち1回を置換する場合、次のカードを引くのはその置換効果の処理を全て終わらせてからである。
614.11b カードを引いてからそのカードに何かするという一連の効果があって、そのカードを引く部分が置換された場合、その追加の部分は、置換された効果によってカードを引いた場合にも、何も影響を及ぼさない。
614.12. 置換効果の中に、パーマネントが戦場に出ることに影響を及ぼすものがある(rule 614.1c-d参照)。そのパーマネント自身のそれらの効果が適用されるのは、その効果がそのパーマネント自身にだけ影響を及ぼす場合だけである(そのパーマネントを含む一群のパーマネントに影響を及ぼすものは、そのパーマネント自身には影響を及ぼさない)。他の発生源からの効果であることもありうる。それらの置換効果のうち、どれがどのように適用されるかを決定するに際しては、そのパーマネントが戦場に出た時点で取るであろう特性を見る。ここで考慮するのは、戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したものと、呪文や能力の解決によって生成された継続的効果のうちでスタック上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したものと(rule 400.7a 参照)、そのパーマネントの常在型能力からの継続的効果だけであり、他の発生源による継続的効果は考慮しない。
例:《万物の声》は「万物の声が戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。」「万物の声は、選んだ色に対するプロテクションを持つ。」という能力を持つ。《万物の声》のコピーであるトークンが何らかの効果によって作られた場合、そのトークンが戦場に出るに際して、そのコントローラーは色を選ぶ。
例:《イクスリッドの看守》は「墓地にあるカードはすべての能力を失う。」という能力を持つ。《スカーウッドのツリーフォーク》は「スカーウッドのツリーフォークはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つ。《イクスリッドの看守》がいるときに《スカーウッドのツリーフォーク》が墓地から戦場に出る 場合、タップ状態で戦場に出る。
例:《夢の宝珠》は「パーマネントはタップ状態で戦場に出る。」という能力を持つアーティファクトである。これはそれ自身には影響を及ぼさないので、《夢の宝珠》はアンタップ状態で戦場に出る。
614.13. パーマネントがどのように戦場に出るかを修整する効果は、他のオブジェクトの領域を移動させることがある。そのような
614.13a パーマネントがどのように戦場に出るかを変更する効果は、を適用するにあたっては、そのパーマネントそのものがを別の領域に移動させて戦場に出ないようにすることはできない。に出なくする選択をすることはできない。
例:「縫合グールが戦場に出るに際し、あなたの墓地にある好きな枚数のクリーチャー・カードをゲームから取り除いてよい。」という能力を持つクリーチャー《縫合グール》が墓地から戦場に出る 場合、《縫合グール》自身はこの置換効果によって追放できない。
614.13b 単一のパーマネントがどのように戦場に出るかを変更する置換効果を適用するにあたって、領域を変更するオブジェクトとして単一のオブジェクトを複数回選ぶことは出来ない。
例:次元 カード《ジャンド》は「いずれかのプレイヤーが黒か赤か緑のクリーチャー 呪文を1つ唱えるたび、それは貪食5を得る。」という能力を持つ。《ルーン爪の熊》をコントロールしているプレイヤーが、貪食3を持つ赤のクリーチャー 呪文《雷団の古老》を唱えた場合、《雷団の古老》が戦場に出るに際してそのコントローラーは《ルーン爪の熊》を貪食3の効果適用時か貪食5の効果適用時か選ぶことができるが、その両方で生け贄に捧げることはできない。《雷団の古老》はその選択によって、+1/+1カウンターを0個、3個、または5個持った状態で戦場に出る。
614.14. あるオブジェクトに、カードを追放する置換効果を生成する能力が記載されており、また「その追放されたカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されたカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つめの能力は、その1つめの種類の能力による置換効果の直接の結果、追放 領域に置かれているカードだけを参照する。他のオブジェクトが関連した能力の組を得た場合、それらの能力は元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
614.15. 置換効果の中には、継続的効果でないものも存在する。呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換するそういった効果のことを自己置換効果と呼ぶ。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。
615.1. 継続的効果の一部は、軽減効果である。置換効果(rule 614 参照)と同様に、軽減効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうるダメージを待ち、その全部あるいは一部を軽減する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
615.2. 多くの軽減効果は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
615.3. 軽減効果を生成する呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
615.4. 軽減効果はダメージが与えられるよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を生成する呪文や能力は、そのイベントを生成する何かに対応して唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
例:ダメージを与える 呪文に対応して、ダメージを軽減する能力を起動することができる。呪文が解決されたあとからでは、ダメージを軽減することができる機会は存在しない。
615.5. 軽減効果の中には、軽減されたダメージの量を参照する追加の効果を含むものがある。その場合、軽減効果はその本来起こるイベントが起こるべきタイミングで発生し、その直後にそれ以外の効果が発生する。
615.6. 与えられるダメージが軽減された場合、それは決して起こったことにならない。その代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
615.7. 呪文や能力の解決によって生成された軽減効果の中には、一定の量のダメージに対処し、消耗するものがある。例えば「クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する。」といったものである。「シールドされた」クリーチャーかプレイヤーへ与えられるはずのダメージ1点につき、代わりにシールドを1減らす。該当するダメージの発生源複数から同時にダメージを受けた場合、そのシールドされたプレイヤー、あるいはシールドされたクリーチャーのコントローラーが、どのダメージを軽減するかを決める。シールドが0まで減ったら、残りのダメージは通常通り与えられる。この種の効果は、ダメージの量だけを数え、ダメージを与える イベントやダメージの発生源の数は問題にしない。
615.8. 呪文や能力の解決によって生成された軽減効果の中には、特定の発生源が次に与える ダメージを参照するものがある。この種の効果は、ダメージの量に依らず、その発生源からの次のダメージを軽減する。その発生源からのダメージが一度軽減されたら、その発生源からのダメージは以降通常通り与えられる。
615.9. 常在型能力によって生成された軽減効果の中には、特定の量のダメージに対処するものがある。例えば「発生源1つがあなたにダメージを与える 場合、そのダメージを1点軽減する。」といったものである。この種の効果は、該当するダメージ・イベントによるダメージを全て表示された量だけ軽減する。異なるイベントによるダメージは、それが同時に起こった物であれ別々の時に起こった物であれ、それぞれ別々に適用される。
例:《圧倒する防衛者》は「いずれか1つの発生源があなたのコントロールするクレリックにダメージを与える 場合、そのダメージを1点軽減する。」という能力を持つ。《紅蓮地獄》は「紅蓮地獄は各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える。」という能力を持つ。《紅蓮地獄》は、《圧倒する防衛者》のコントローラーがコントロールするクレリックにはそれぞれ1点ずつ、それ以外のクリーチャーには2点ずつのダメージを与える。
615.10. 対象を取らない、複数のクリーチャーに与えられる次のN点のダメージを軽減する類いの軽減効果では、その効果を生成する呪文や能力の解決によって、影響を受けるクリーチャーそれぞれに軽減の盾を作る。
例:《ウォジェクの薬剤師》は「{T}: クリーチャー1体を対象とする。このターン、それ、およびそれと共通の色を持つ他の各クリーチャーに次に与えられるダメージを1点軽減する。」という能力を持つ。この能力の解決によって、対象となったクリーチャーと、その時点でそれと共通の色を持つクリーチャーに、次の1点のダメージを軽減する盾を作る。この能力の解決以降にクリーチャーの色を変えても、盾が増えたり減ったりすることはない。また、このターンの間、これの解決以降に戦場に出たクリーチャーが盾を得ることはない。
615.11. 「軽減できない」ダメージを与える 効果が存在する。軽減できない効果が与えられる場合、適用できる軽減効果は適用されるが、ダメージは軽減されない。ただし、追加の効果がある場合、それは通常通り機能する。軽減されないダメージによって、存在しているダメージ 軽減の盾が減少することはない。
616.1. 複数の置換・軽減効果がいずれかのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを修整しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー(コントローラーがいないならオーナー)、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか、以下の手順で決める。複数のプレイヤーが同時に選択を行なう場合、選択はAPNAP順(rule 101.4 参照)で行なう。
616.1a 置換・軽減効果の中に自己置換効果(rule 614.15 参照)があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1b に進む。
616.1b 置換・軽減効果の中に、オブジェクトが誰のコントロール下で戦場に出すかを修整する効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1c に進む。
616.1c 置換・軽減効果の中に、戦場に出る オブジェクトを他のオブジェクトのコピーにする効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1d に進む。
616.1d 適用可能な置換・軽減効果の中から、どの効果を選んでもよい。
616.1e 選ばれた効果が適用された後、(その時点で適用できる置換効果や軽減効果があれば)適用できる効果がなくなるまでこの手順を繰り返す。
例:「カードがいずれかの領域から墓地に置かれる場合、その代わりにそれを追放する」と書かれているエンチャントと、「[このクリーチャー]が墓地に置かれる場合、その代わりにこれをオーナーのライブラリーに加え、切り直す」と書かれたクリーチャーの2つのパーマネントが戦場にある。このとき、そのクリーチャーが破壊された場合、そのクリーチャーのコントローラーがどちらの置換効果を先に処理するか決定する。その結果、他方は何もしない。
例:《荒れ野の本質》は「あなたがコントロールするクリーチャーは、荒れ野の本質のコピーとして戦場に出る。」という能力を持つ。《荒れ野の本質》をコントロールするプレイヤーが、通常はタップ状態で戦場に出る《錆びた歩哨》を唱えた。これが戦場に出るに際し、《荒れ野の本質》のコピー 効果が先に適用される。その結果、タップ状態で戦場に出るという能力はすでに存在しないので、《錆びた歩哨》は《荒れ野の本質》のコピーとして、アンタップ状態で戦場に出る。
616.2. 置換・軽減効果は、イベントを修整する別の置換・軽減効果の結果として、イベントに適用できるようになることがある。
例:「あなたが1点のライフを得る場合、その代わりに カードを1枚引く」という効果と「カードを引く 場合、その代わりに あなたの墓地にあるカード1枚をあなたの手札に戻す」という効果が存在した場合、(その二つが戦場に出た順序には関係なく)結合されて、1点のライフを得るかわりに墓地にあるカード1枚を手札に戻すことになる。
700.1. ゲーム内で起こるあらゆることはイベントである。複数のイベントが、呪文や能力の解決中に発生することがある。誘発型能力や置換効果の文章が、それらが見ているイベントを定義する。ある能力にとっては1つのイベントになる出来事が、他の能力にとっては複数のイベントであることもある。
例:攻撃クリーチャーが2体のクリーチャーによってブロックされた場合、それは「[このクリーチャー]がブロックされるたび」という誘発型能力から見れば1つのイベントだが、「[このクリーチャー]がいずれかのクリーチャーによってブロックされるたび」という誘発型能力から見れば2つのイベントである。
700.2. 「以下のNつから1つを選ぶ ─/Choose one -」「以下のNつから2つを選ぶ ─/Choose two -」「以下の2つから1つまたは複数を選ぶ ─/Choose one or more -」「[特定のプレイヤー]は以下のNつから1つを選ぶ ─ /[特定のプレイヤー] chooses one -」という語句を使って複数の選択肢が示されている呪文や能力はモードを持つといい、その選択肢1つ1つをモードと呼ぶ。
700.2a モードを持つ呪文や起動型能力のコントローラーは、その呪文を唱えたり能力を起動したりする一部としてモードを選ぶ。そのモードの中の1つが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない。(rule 601.2b 参照)
700.2b モードを持つ誘発型能力のコントローラーは、その能力をスタックに置く一部としてモードを選ぶ。そのモードの中の1つが(適正な対象を取れないなどで)不正な場合、そのモードを選ぶことはできない。選べるモードがない場合、その能力はスタックから取り除かれる。(rule 603.3c 参照。)
700.2c 特定のモードを選んだときに限り、呪文や能力が対象を取る場合、そのコントローラーはそのモードを選んだときに限り対象を選ぶ。そうでなければ、その呪文や能力は対象を取らないかのように扱う。(rule 601.2c 参照。)
700.2d そのコントローラー以外のプレイヤーにモードを選ばせる呪文や能力が存在する。その場合、そのプレイヤーは呪文や能力のコントローラーが通常モードを選択するタイミングでモードの選択を行なう。そのような選択を行なえるプレイヤーが複数いる場合、呪文や能力のコントローラーがどのプレイヤーが選択を行なうかを決める。
700.2e モードを持つ呪文や能力がモードごとに異なる対象の条件を持つことがある。呪文や能力の対象を変更しても、モードは変更されない。
700.2f モードを持つ呪文や能力のコピーは、選ばれているモードをそのままコピーする。コピーのコントローラーは別のモードを選ぶことはできない。(rule 706.10 参照)
700.3. 効果によって、オブジェクトが一時的に複数の束に分けられることがある。
700.3a 影響を受けたオブジェクトのそれぞれは、効果に特に指定されていない限り、それらの束のうちいずれか1つだけに置かれなければならない。
700.3b 束にあるオブジェクトはそれぞれ別々のオブジェクトのままであり、束全体で一つのオブジェクトになるわけではない。
700.3c オブジェクトを複数の束に分ける場合も、それらは元の領域にあるままである。墓地にあるカードを2つの束に分けたとしても、墓地の順番はそのまま保たれなければならない。
例:《嘘か真か》は「あなたのライブラリーのカードを一番上から5枚見せる。対戦相手1人はそのカードを2つの表向きの束に分ける。1つの束をあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。」という効果を持つ。対戦相手が公開されたカードを束にわけるが、それらはオーナーのライブラリーにあるままである。ライブラリーを離れるのは、オーナーの手札か墓地に移動するときである。
700.4. パーマネントが破壊されない 場合、ルールや効果によってそれが破壊されることはない。(rule 701.6〔破壊する〕参照。)その種のパーマネントは、致死ダメージによっても破壊されることはなく、致死ダメージの状況起因処理(rule 704.5g)を無視する。ルールや効果によって、破壊されない パーマネントを生贄に捧げたり、墓地においたり、追放したりすることはある。
700.4a 「[このパーマネント]は破壊されない/[このパーマネント] is indestructible」という文章は能力であるが、破壊されないと言うことは能力でも特性でもない。それは単にそのパーマネントに関する真実である。
700.5. 攻撃クリーチャーがブロックされない 場合、それを適正にブロックできるクリーチャーは存在しない。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)呪文や能力によってブロックされた状態になることはある。
700.5a 「[このパーマネント]はブロックされない/[このパーマネント] is unblockable」という文章は能力であるが、ブロックされないと言うことは能力でも特性でもない。それは単にそのパーマネントに関する真実である。
700.6. 「死亡する/Die」という語は「〜が戦場から墓地に置かれる」ことを意味する。この語はクリーチャーに対してしか用いられない。
701.1. カードのルール文章に書かれている処理のほとんどは普通の言語で書かれているが、いくつかの動詞は定義が必要な術語である。それらの「キーワード」はゲーム用語であり、注釈文で意味が要約されていることがある。
701.2a 能力を起動するとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、能力をスタックに置き、コストを支払うことである。特に示されていない限り、そのオブジェクトのコントローラー(コントローラーがいない場合にはオーナー)だけがそのオブジェクトの起動型能力を起動できる。プレイヤーは優先権を持つときに能力を起動できる。rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
701.3a オーラや装備品、城砦をオブジェクトやプレイヤーにつけるとは、それを現在ある場所から取り、そのオブジェクトやプレイヤーの上に置くということを意味する。何かが戦場にあるパーマネントにつけられる場合、物理的にそのパーマネントに触れるように置くのが通例である。オーラ、装備品、城砦は、それぞれ、エンチャント、装備、城砦化できないものにつけることはできない。
701.3b 効果が、オーラや装備品、城砦を、つけることのできないオブジェクトにつけようとする場合、そのオーラや装備品、城砦は移動しない。効果が、オーラや装備品、城砦を、その時点でついている先のオブジェクトにつけようとする場合、その効果は何もしない。効果が、オーラでも装備品でも城砦でもないオブジェクトを他のオブジェクトやプレイヤーにつけようとする場合、その効果は何もせず、その移動させようとしたオブジェクトは移動しない。
701.3c 戦場にあるオーラや装備品、城砦が、別のオブジェクトにつけられる場合、そのオーラや装備品、城砦は、その時点で新しいタイムスタンプを得る。
701.3d 装備品をクリーチャーから「はずす/unattach」とは、装備品をそのクリーチャーから離すことであり、装備品は何にも装備していない状態で戦場に残る。そうなった装備品は、クリーチャーに物理的に触れさせておくべきではない。オーラ、装備品、城砦が、つけられていた状態からそうでない状態になった場合、「はずれた/becoming unattached」として扱う。これは、そのオブジェクトやオーラ、装備品、城砦が戦場を離れた場合を含む。
701.4a 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある領域(通常は手札)から取り、スタックに置き、コストを支払うことである。プレイヤーは優先権を持つときに呪文を唱えることができる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
701.5a 呪文や能力を打ち消すということは、それを取り消し、スタックから取り除くということである。打ち消された呪文や能力は解決されず、効果は一切発生しない。打ち消された呪文はオーナーの墓地に置かれる。
701.5b 打ち消された呪文を唱えたり能力を起動したりしたプレイヤーは、支払ったコストの「払い戻し」を受けることはできない。
701.6a パーマネントを破壊するとは、それを戦場からオーナーの墓地に置くことである。
701.6b パーマネントが破壊されるのは、「破壊する」と書かれている効果に依るか、致死ダメージ(rule 704.5g 参照)または接死持ちの発生源からのダメージ(rule 704.5h)による状況起因処理に依るかのいずれかだけである。それ以外の方法でオーナーの墓地に置かれたパーマネントは、「破壊」されたわけではない。
701.7a カードを捨てるとは、それをオーナーの手札からそのプレイヤーの墓地に置くことである。
701.7b 通常、プレイヤーにカードを捨てさせる効果は、その影響を受けるプレイヤーに捨てる カードを選ばせる。一部の効果は、無作為に捨てることを要求したり、あるいは他のプレイヤーに選ばせることを要求することもある。
701.7c カードが捨てられ、ただし効果によってオーナーの墓地でなく非公開領域に公開されることなく置かれる場合、そのカードの特性はすべて未定義として扱う。捨てる カードの特性を必要とするコストを支払うためにカードがこの方法で捨てられた場合、そのコストの支払いは不正である。ゲームはコストの支払いが始まる前まで巻き戻される(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照)。
701.8a 呪文や能力は解決中に、プレイヤーに何か(たとえばライフ総量や2つのパーマネントのコントロールなど)を交換させることがある。その種の呪文や能力が解決されるときに交換の全体が不可能な場合、交換の一部だけが起こるということはない。
例:呪文の効果で2体の対象のクリーチャーのコントロールを交換しようとしたが、その解決前にそのうち1体が破壊されていた場合には、呪文は他方のクリーチャーにも何もしない。
701.8b 2つのパーマネントのコントロールが交換されたとき、それらのパーマネントが異なるプレイヤーによってコントロールされていた場合、それぞれのプレイヤーは同時にそれまで他のプレイヤーがコントロールしていたパーマネントのコントロールを得る。もし、それらのパーマネントが同一のプレイヤーによってコントロールされていたら、交換効果は何もしない。
701.8c ライフの合計が交換されたとき、それぞれのプレイヤーはその変化分だけライフを得たり失ったりする。それらの増減に関して、置換効果は影響を及ぼすことがありえるし、誘発型能力が誘発することもありうる。
701.8d (たとえば、追放されているカードとプレイヤーの手札にあるカードなど)ある領域に存在するカードを他の領域のカードと交換させる呪文や能力が存在する。それらの呪文や能力は他の交換呪文や能力と同じように機能するが、それらのカードのオーナーがすべて同じプレイヤーでなければ交換はできない。
701.8e ある領域に存在するカードを他の領域のカードと交換する 場合、そのどちらかがオブジェクトにつけられていたなら、そのカードはそのオブジェクトからはずれ、他方のカードがそのオブジェクトにつけられる。
701.8f 呪文や能力の中には、2つの領域を丸ごと交換するよう指示するものもある。この場合、一方の領域が空であっても、双方の領域にあるカードは交換される。
701.8g 呪文や能力の中には、2つの数字を交換するよう指示するものもある。そのような交換の場合、それぞれの値は他方の元持っていた値と等しくなる。その一方がライフ総量であった場合、影響を受けたプレイヤーは必要なだけのライフを得たり失ったりする。この得失が置換効果によって影響を受けることも、またこの得失によって能力が誘発することもある。交換される値のどちらかがパワーまたはタフネスであった場合、そのパワーやタフネスを他方の値にするという継続的効果が発生する(rule 613.3b 参照)。この規定は、クリーチャーのパワーとタフネスを入れ替える呪文や能力には適用されない。
701.10a 呪文や能力により、あるクリーチャーが別のクリーチャーに格闘を行なうよう指示がある場合や、クリーチャー2体がお互いに格闘を行なうよう指示がある場合がある。それらのクリーチャーは、それぞれもう一方に、自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
701.10b 格闘を行なうように指示されたクリーチャーがすでに戦場にいなかったり、クリーチャーでなくなっていた場合、ダメージは与えられない。その呪文や能力がクリーチャーを対象にしていて、そのクリーチャーが不適正な対象になっていた場合、ダメージは与えられない。
701.11a 土地をプレイするとは、その土地を元あった領域(通常はそのプレイヤーの手札)から戦場に出すことである。プレイヤーは自分のメイン・フェイズの間、優先権を持っていてスタックが空であれば、そのターンにまだ土地をプレイしていなかった場合に限り、土地をプレイすることができる。土地をプレイすることは特別な処理(rule 115 参照)であり、スタックを用いない。ただ単に起こるだけである。呪文や能力の結果として土地を戦場に出すことは、土地をプレイすることとは異なる。rule 305〔土地〕参照。
701.11b カードをプレイするとは、そのカードを土地としてプレイするか、呪文として唱えるか、該当する方のことを指す。
701.11c 「あなたのライブラリーの一番上のカードを公開したままプレイする。/Play with the top card of your library revealed.」というように、プレイヤーが通常と異なる方法でゲームを「プレイ」することを求める効果が存在する。この場合の「プレイ」とは、マジックのゲームをプレイすることを意味する。
701.11d かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/casting」となっている。
701.11e かつて、起動型能力を使うことを、その能力を「プレイする/playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、能力を「起動する/activating」となっている。
701.12a 呪文や能力の効果がパーマネントを再生する場合、そのパーマネントが次にそのターン破壊されることを防ぐ置換効果が生成される。この場合、「[パーマネント]を再生する/Regenerate [パーマネント]」とは、「このターン、次に[パーマネント]が破壊される場合、その代わりに負っているダメージを全て取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。
701.12b 常在型能力の効果がパーマネントを再生する場合、そのパーマネントが破壊される場合、他の効果で置換される。この場合、「[パーマネント]を再生する/Regenerate [パーマネント]」とは、「その代わりに負っているダメージを全て取り除き、タップし、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーならば戦闘から取り除く」を意味する。
701.12c 再生の盾を作る能力を起動することや再生の盾を作る呪文を唱えることは、パーマネントを再生することと同一ではない。パーマネントは再生できないとする効果は、そのような能力を起動したり呪文を唱えたりすることを禁止しない。ただし、それによって作られた再生の盾は何も効果を発揮しない。
701.13a カードを公開するとは、そのカードをしばらくの間すべてのプレイヤーに見せるということである。効果によってカードが公開される場合、その効果のそのカードに関係する部分がすべて終わるまで公開され続ける。呪文を唱える コストや能力を起動するコストとしてカードが公開される場合、そのカードはその呪文や能力が宣言されてからスタックを離れるまでの間公開され続ける。
701.14a パーマネントを「生贄に捧げる/sacrifice」とは、そのコントローラーがそれを戦場から直接オーナーの墓地に置くことである。パーマネントでないものや、自分のコントロールしていないパーマネントを生贄に捧げることはできない。パーマネントを生贄に捧げることは破壊ではないので、再生その他の破壊を置換する効果はこの行動に影響を及ぼさない。
701.15a カードをある領域から探すとは、その領域にあるすべてのカードを見て(非公開領域であっても)、条件に合うカードを見つけるということを意味する。
701.15b 特定のカード・タイプ、色などの何らかの条件を満たすカードを非公開領域から探す必要がある場合、存在してもそのすべてを見つける必要はない。
例:プレイヤーが「アーティファクト1つを対象とし、それを追放する。それのコントローラーの墓地と手札とライブラリーから、そのアーティファクトと同じカード名を持つカードをすべて探し、それらを追放する。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。」という効果を持つ《木っ端みじん》を唱え、対象として《吠えたける鉱山》を選んだ。《吠えたける鉱山》のコントローラーの墓地にはもう1枚の《吠えたける鉱山》があり、ライブラリーにはあと2枚《吠えたける鉱山》がある。《木っ端みじん》のコントローラーは墓地にある《吠えたける鉱山》を無視することはできないが、ライブラリーの中にある《吠えたける鉱山》は2枚とも見つけても、1枚だけでも、見つけなくてもよい。
701.15c プレイヤーが非公開領域から「カード1枚」「カード3枚」など、ある数の条件のついていないカードを探す 場合、その枚数の(ただし、領域にカードが足りない場合、できるだけ多くの)カードを見つけなければならない。
701.16a ライブラリーや裏向きのカードの束を切り直すとは、その中でカードを、どのプレイヤーにも順番が分からなくなるように無作為化することである。
701.16b プレイヤーにライブラリーからカードを探させ、切り直させてからその探したカードをライブラリーの特定の場所に置く効果が存在する。その場合、それらのカードはライブラリーを離れたものとしては扱わないが、切り直しには含まれない。また、それらのカードを除いたライブラリーのすべてのカードは切り直される。ライブラリーを切り直したときに誘発する能力は誘発する。
701.16c プレイヤーに、特定のオブジェクトをライブラリーに加えて切り直させる効果の場合、そのオブジェクトがいずれももとあるべき領域になかった場合、ライブラリーは切り直されない。
例:《狡知》は「狡知がいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、それをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。」という能力を持つ。これが墓地に置かれ、この能力が誘発した後、それに対応してこれを追放した場合には、この能力の解決時には何も起こらない。
701.16d 効果によってプレイヤーが1つまたはそれ以上の特定のオブジェクトをライブラリーに加えて切り直させる場合、置換効果や軽減効果によってそれらのオブジェクト全てを他の領域に移動させるようになった場合には、ライブラリーは切り直されない。
例:《黒の太陽の頂点》は「黒の太陽の頂点をオーナーのライブラリーに加えて切り直す」という効果がある。《黒の太陽の頂点》が墓地にあり、フラッシュバックを(《埋め合わせ》などで)得て墓地から唱えた場合、《黒の太陽の頂点》は追放されることになるので、オーナーのライブラリーは切り直されない。
701.16e 一群のオブジェクトをライブラリーに加えて切り直す 効果の場合、その群にオブジェクトが存在しなかったとしても、ライブラリーは切り直される。
例:《土覆いのシャーマン》は「土覆いのシャーマンが戦場に出たとき、プレイヤー1人と、そのプレイヤーの墓地にある望む枚数のカードを対象とする。そのプレイヤーは、それらのカードを自分のライブラリーに加えて切り直す。」という能力を持つ。これが戦場に出、この能力が誘発した場合、カードを1枚も対象に取らなかったとしても、この能力の解決時に対象のプレイヤーはライブラリーを切り直す。
701.16f 効果によってプレイヤーが0枚あるいは1枚のライブラリーを切り直す 場合にも、ライブラリーを切り直すことによって誘発する能力は誘発する。
701.16g 複数の効果によって同時にライブラリーを複数回切り直す 場合、ライブラリーを切り直すことによって誘発する能力はその回数だけ誘発する。
701.17. タップとアンタップ/Tap and Untap
701.17a パーマネントをタップするとは、カードを横向きに倒すことである。アンタップ状態のパーマネントだけをタップできる。
701.17b パーマネントをアンタップするとは、カードを縦向きに戻すことである。タップ状態のパーマネントだけをアンタップできる。
701.18a 「占術Nを行なう/Scry N」とは、プレイヤーが自分のライブラリーの一番上からN枚のカードを見、それらのうち望む枚数のカードを自分のライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りを自分のライブラリーの一番上に望む順番で置くことである。
701.19a 「消術Nを行なう/fateseal N」とは、プレイヤーが対戦相手のライブラリーの一番上からN枚のカードを見、それらのうち望む枚数のカードを対戦相手のライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りを対戦相手のライブラリーの一番上に望む順番で置くことである。
701.20a 激突を行なうとは、プレイヤーが自分のライブラリーの一番上のカードを公開し、その後、そのプレイヤーはそのカードをライブラリーの一番下に置くかそのまま残すかする、ということである。
701.20b 「対戦相手と激突を行なう/clash with an opponent」は、「対戦相手1人を選び、あなたとその対戦相手はそれぞれ激突を行なう」を意味する。
701.20c プレイヤーは、その激突において他のどの公開されたカードよりも大きい点数で見たマナ・コストを持つカードを公開した場合、その激突に勝ったことになる。
701.21. プレインズウォークする/Planeswalk
701.21a プレインチェイス戦の間にのみ、プレイヤーはプレインズウォークしうる。次元 コントローラーだけがプレインズウォークする。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
701.21b プレインズウォークするとは、表向きの次元 カードや現象 カードをそのオーナーの次元デッキの一番下に裏向きで置き、あなたの次元デッキの一番上にあるカードをそのデッキからよけて表向きにする。
701.21c プレイヤーは「プレインズウォーク 能力」の結果として(rule 901.8 参照)、あるいは表向きの次元 カードや現象 カードのオーナーがゲームを離れたことによって(rule 901.10 参照)、あるいは現象 カードの誘発型能力がスタックを離れたことによって(rule 704.5x 参照)プレインズウォークする。能力によってプレインズウォークすることもある。
701.21d 次元 カードが表向きになったら、プレイヤーがその次元にプレインズウォークしたという。次元 カードが裏向きになった、あるいはゲームを離れたら、プレイヤーがその次元からプレインズウォークしたという。これは現象 カードについても同じである。
701.24a 増殖を行なうとは、パーマネントやプレイヤーのうちでカウンターを持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやプレイヤーが既に持っているものと同種のカウンターを1つ追加で置くことである。
701.24b この方法で選んだパーマネントやプレイヤーが複数の種類のカウンターを持っている場合、増殖を行なうプレイヤーがどの種類のカウンターを置くのかを選ぶ。
701.24c 双頭巨人戦において増殖を行なうとは、パーマネントやチームのうちでカウンターを持つものを任意の数選び、それらのパーマネントやチームが既に持っているものと同種のカウンターを1つ追加で置くことである。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
701.25a 両面カードで表わされるパーマネントのみが変身できる(rule 711〔両面カード〕参照)。 呪文や能力に、プレイヤーにいずれかの両面カードでないパーマネントを変身させるよう指示がある場合、何も起こらない。
701.25b パーマネントを変身させる場合、それを裏返し、もう一方の面が見えるようにする。
701.25c パーマネントを変身させることは、パーマネントを表向きや裏向きにすることと物理的行動は同じであるが、ゲーム上は異なる処理である。パーマネントが裏向きになることで誘発する能力は、パーマネントが変身することでは誘発しないし、他も同様である。
702.1. ほとんどの能力は、カードのルール文章に何をするかがそのまま書かれている。しかし、頻出の能力や定義するのにあまりにも多くの場所を必要とするような能力が存在するので、オブジェクトにはその能力の名前を「キーワード」として記載するだけにとどめる。しばしば、注釈文で意味が要約されていることがある。
702.2b 0点でない戦闘ダメージが接死を持つ発生源によってクリーチャーに割り振られた場合、それはそのクリーチャーのタフネスによらず致死ダメージとなる。rule 510.1c-d 参照。
702.2c 最後に状況起因処理をチェックした以降に接死を持つ発生源からのダメージを与えられた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは、状況起因処理によって破壊される。rule 704 参照。
702.2d 接死ルールは接死 ダメージを与える オブジェクトがどの領域にあっても機能する。
702.2e 効果によってダメージを与える前にそのオブジェクトが領域を変更した場合、そのオブジェクトが接死を持つかどうかを決定するために最後の情報が用いられる。
702.4a 二段攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
702.4b 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
702.4c 第1戦闘ダメージ・ステップの間に二段攻撃を失うと、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを割り振ることはできない。
702.4d 第1戦闘ダメージ・ステップに先制攻撃の戦闘ダメージを与えたクリーチャーに二段攻撃を与えると、そのクリーチャーは第2戦闘ダメージ・ステップにも戦闘ダメージを与えることができる。
702.5a エンチャントは、「エンチャント [オブジェクトまたはプレイヤー]/Enchant [オブジェクトまたはプレイヤー]」と書かれる常在型能力である。エンチャント能力は、オーラ 呪文が対象に取れるものと、オーラがエンチャントできるものを制限する。
702.5b オーラに関しては、rule 303〔エンチャント〕を参照。
702.5c オーラが複数のエンチャント能力を持っている場合、それらの全てが適用される。オーラの対象は、それら全ての限定に従わなければならない。オーラは全てのエンチャント能力に適合するオブジェクトまたはプレイヤーにしかエンチャントできない。
702.5d プレイヤーをエンチャントできるオーラは、プレイヤーを対象にでき、プレイヤーにつけられる。その種のオーラはパーマネントを対象にせず、パーマネントにつけられることはない。
702.6a 装備は装備品 カードの起動型能力である。「装備 [コスト]/Equip [コスト]」は、「[コスト]:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、このパーマネントをそれにつける。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」を意味する。
702.7a 先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
702.7b 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃や二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
702.7c 第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージが与えられた後で先制攻撃を持たないクリーチャーに先制攻撃を与えたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えることを止めることはできない。第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージを与えた後で先制攻撃を持つクリーチャーから先制攻撃を取り除いたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えることはできない(二段攻撃を持つ場合を除く)。
702.8a 瞬速は、その能力を持つカードをプレイすることのできるあらゆる領域で機能する常在型能力である。「瞬速/Flash」は、「あなたはこのカードを、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでもプレイしてよい。」ということを意味する。
702.9b 飛行を持つクリーチャーは飛行か到達を持たないクリーチャーにはブロックされない。飛行を持つクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕、rule 702.16〔到達〕参照。
702.10b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの最初から継続してコントロールされていない場合でも、攻撃することができる。(rule 302.6 参照。)
702.10c 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの最初から継続してコントロールされていない場合でも、コストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含む能力を起動することができる。(rule 302.6 参照。)
702.11b パーマネントが持つ呪禁は「このパーマネントはあなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない」を意味する。
702.11c プレイヤーが持つ呪禁は「あなたはあなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない」を意味する。
702.12b 威嚇を持つクリーチャーは、アーティファクト・クリーチャーと、そのクリーチャーと色を共有するクリーチャーにしかブロックされない。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
702.13a 土地渡りは、オブジェクトのルール文章に「[タイプ]渡り/[タイプ]walk」と書かれる能力の総称である。通常は、[タイプ]部分はサブタイプであるが、カード・タイプの土地、いずれかの土地タイプ、特殊タイプ、あるいはそれらの組み合わせが存在しうる。
702.13c 土地渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが指定されたサブタイプを持つ(「島渡り」)、指定された特殊タイプを持つ(「伝説の 土地渡り」)、指定された特殊タイプを持たない(「基本でない土地渡り」)、指定された特殊タイプとサブタイプの両方を持つ(「氷雪・沼渡り」)、といった条件に合致する土地を一つでもコントロールしている限りブロックされない(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照)。
例:氷雪 森渡りを持つクリーチャーをコントロールしている場合、防御プレイヤーが氷雪 森をコントロールしているなら、そのプレイヤーのコントロールする、氷雪 森渡りを持つクリーチャーにさえもブロックされない。
702.14b 絆魂を持つ発生源が与える ダメージは、その発生源のコントローラー、あるいはコントローラーがいない場合はそのオーナーのライフを、その点数に等しい点数だけ増加させる(これは、そのダメージにより発生する他の結果に追加される)。rule 119.3 参照。
702.14c 効果がダメージを与えさせる前にそのパーマネントが戦場を離れた場合、絆魂を持つかどうかを決定するために最後の情報を用いる。
702.15a プロテクションは常在型能力であり、「プロテクション([性質])/Protection from [性質]」と書かれる。この性質は通常は色であるが(例えば「プロテクション(黒)」)、どのような特性値であってもよい。この性質がカード名と偶然一致した場合、プロテクション 能力がカード名を明白に参照している場合にのみカード名として扱う。この性質がカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプである場合、プロテクションは、そのカード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプを持つパーマネントだけでなく、戦場以外の領域にある発生源に適用される。これは rule 109.2 の例外である。
702.15b プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つ呪文の対象にならず、記述された性質を持つ能力の発生源からの能力の対象にもならない。
702.15c プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つオーラによってエンチャントされることもない。プロテクションを持つパーマネントにつけられているその種のオーラは状況起因処理によりオーナーの墓地に置かれる。(rule 704〔状況起因処理〕参照。)
702.15d プロテクションを持つパーマネントは、記述された性質を持つ装備品を装備できず、記述された性質を持つ城砦で城砦化されない。そのような状況にある装備品や城砦は、状況起因処理でそのパーマネントからはずれるが、戦場に残る。rule 704〔状況起因処理〕参照。
702.15e プロテクションを持つパーマネントやプレイヤーは、記述された性質を持つダメージの発生源から与えられる全てのダメージを軽減する。
702.15f プロテクションを持つ攻撃クリーチャーは、記述された性質を持つクリーチャーによってブロックされない。
702.15g 「プロテクション([値A])、プロテクション([値B])」は、英語版では「Protection from [値A] and from [値B]」と書かれている。これは2つの独立したプロテクション 能力である。この類の能力を持つオブジェクトから「プロテクション([値A])」を失わせる効果があった場合、そのオブジェクトは「プロテクション([値B])」を持ったままである。
702.15h 「プロテクション(すべての[特性])/Protection from all [特性]」は、「プロテクション([値A])」「プロテクション([値B])」……と、その特性の取り得るすべての値に対するものの省略形である。これはそれぞれに独立したプロテクション 能力である。この類の能力を持つオブジェクトから「プロテクション([値A])」を失わせる効果があった場合、そのオブジェクトは「プロテクション([値B」)」「プロテクション([値C])」……を持ったままである。
702.15i 「プロテクション(すべて)/Protection from everything」は、プロテクションの一種である。プロテクション(すべて)を持つパーマネントは、特性値がどうであるかに関わらず、すべてのオブジェクトに対するプロテクションを持つ。その種のパーマネントは、呪文や能力の対象にならず、オーラにエンチャントされず、装備品を装備せず、城砦によって城砦化されず、クリーチャーにブロックされず、与えられるすべてのダメージは軽減される。
702.18a トランプルは、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与えたりする時には特別な影響を及ぼさない。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
702.18b トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャー(群)に割り振る。それらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを、ブロック・クリーチャーと防御プレイヤーまたは攻撃しているプレインズウォーカーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、そのクリーチャーが負っているダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れるが、実際に与えられるダメージの量を変化させ得る能力や効果は考慮に入れない。コントローラーはそれらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御プレイヤーやプレインズウォーカーにはダメージを割り振ることはできない。
例:クリーチャーを追加で1体ブロックできる2/2クリーチャーが、1/1で能力を持たないクリーチャーと、3/3でトランプルを持ったクリーチャーとをブロックしたとする。攻撃 プレイヤーは、第1の攻撃クリーチャーからの1点のダメージと第2の攻撃クリーチャーからの1点のダメージをブロック・クリーチャーに、そしてトランプルを持つクリーチャーからの2点のダメージを防御プレイヤーに、それぞれ割り振ることができる。
例:トランプルを持つ6/6の緑クリーチャーがプロテクション(緑)を持つ2/2のクリーチャー1体にブロックされた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーはブロック・クリーチャーに、プロテクション 能力によって軽減されることになるダメージを最低2点割り振らなければならない。攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを防御プレイヤーとブロック・クリーチャーに好きなようにに割り振ることができる。
702.18c トランプルを持つ攻撃クリーチャーがブロックされ、しかし戦闘ダメージを割り振る時点でブロック・クリーチャーがいなければ、その戦闘ダメージは全て攻撃した先の、プレイヤーやプレインズウォーカーに割り振られる。
702.18d トランプルを持ったクリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃した場合、そのプレインズウォーカーが戦闘から離れていたり、プレインズウォーカーの忠誠度以上の戦闘ダメージを割り振れる状態であったりしても、戦闘ダメージを防御プレイヤーに割り振ることはできない。
702.19a 警戒は攻撃宣言ステップにおけるルールを修正する常在型能力である。
702.19b 警戒を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない。rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。
702.20a バンドは戦闘のルールを変更する常在型能力である。
702.20b 「他の〜とのバンド/Bands with other」は、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の〜とのバンドもまた失われる。
702.20c プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、バンドを持つクリーチャーを任意の数と、1体までのバンドを持たない(「他の〜とのバンド」を持っていても)クリーチャーを1つの「バンド」として指定してもよい。また、「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャー1体以上を含む任意の数の[性質]クリーチャーを1つの「バンド」として指定してもよい。プレイヤーは同時にいくつの攻撃 バンドを指定してもよいが、クリーチャーは同時に2つ以上のバンドに所属することはできない。(防御プレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。rule 702.20j 参照)。
702.20d 1つのバンドに含まれるすべてのクリーチャーは、プレイヤー1人またはプレインズウォーカー1体を攻撃しなければならない。
702.20e 攻撃 バンドが宣言されると、何らかの方法でバンド内のクリーチャーからバンド 能力や「他の〜とのバンド」 能力が失われたとしても、戦闘の間ずっと残る。
702.20f 戦闘から取り除かれた攻撃クリーチャーは、バンドからも取り除かれる。
702.20g バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。
702.20h 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされる。
例:プレイヤーが、飛行を持つクリーチャーと沼渡りを持つクリーチャーで構成されたバンドで攻撃する。防御プレイヤーは、沼をコントロールしているとしても、飛行 クリーチャーをブロックすることは可能である。防御プレイヤーがそうした場合、沼渡りを持つクリーチャーも、同じようにブロック・クリーチャーによってブロックされる。
702.20i バンドを構成しているクリーチャーの1体が効果によってブロックされた場合、そのバンド全体がブロックされる。
702.20j 戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがバンドを持つクリーチャーにブロックされた場合、あるいは「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャーと他の[性質]クリーチャーの両方によってブロックされた場合、(アクティブ・プレイヤーでなく)防御プレイヤーが攻撃クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、ブロックしているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。これは rule 510.1c で示した手順の例外である。
702.20k 戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがバンドを持つクリーチャーをブロックした場合、あるいは「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャーと他の[性質]クリーチャーの両方をブロックした場合、(防御プレイヤーでなく)アクティブ・プレイヤーがブロック・クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、それにブロックされているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。これは rule 510.1d で示した手順の例外である。
702.20m 1体のクリーチャーに複数のバンド 能力があっても意味はない。1体のクリーチャーに同じ「他の〜とのバンド」 能力が複数あっても意味はない。
702.21a ランページは誘発型能力である。「ランページ N/Rampage N」は、「このクリーチャーがブロックされるたび、このクリーチャーをブロックしている2体め以降のクリーチャー1体ごとに、ターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける」ということを意味する。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
702.21b ランページのボーナスは戦闘のたび、誘発型能力が解決される時に一回だけ計算する。その後にブロック・クリーチャーが追加、もしくは取り除かれてもその戦闘中はボーナスは変わらない。
702.22. 累加アップキープ/Cumulative Upkeep
702.22a 累加アップキープは、パーマネントに上昇するコストを負わせる誘発型能力である。「累加アップキープ:[コスト]/Cumulative upkeep ─ [コスト]」という表記は、「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントが戦場にある場合、「経年/age」カウンターを1個このパーマネントの上に置く。このパーマネントの上にある経年カウンター一つごとに[コスト]を支払ってもよい。そうしなければ、これを生け贄に捧げる」ということを意味する。[コスト]に選択肢がある場合、各選択は各経年カウンターに対して別々に行なわれ、その後全体のコストを一度に支払うか、まったく支払わないかのどちらかを行なうことになる。一部のみの支払いは認められない。
例:クリーチャーが「累加アップキープ {W}か{U}」を持ち、その上に経年カウンターが2個置かれている。この能力が誘発して解決された場合、そのクリーチャーのコントローラーはその上に経年カウンターを1個置き、そのクリーチャーを戦場に残すために{W}{W}{W}か{W}{W}{U}か{W}{U}{U}か{U}{U}{U}を支払うことができる。
例:クリーチャーが「累加アップキープ ─ クリーチャー1体を生け贄に捧げる」を持ち、その上に経年カウンターが1個置かれている場合、この能力が誘発して解決された時点で、そのコントローラーは同一のクリーチャーを2回生け贄に捧げることを選択することはできない。2体のクリーチャーを生け贄に捧げるか、累加アップキープを持つクリーチャーを生け贄に捧げるかのいずれかをしなければならない。
702.22b パーマネントに複数の累加アップキープがある場合、それぞれが別々に誘発する。しかしながら、経年カウンターはどの特定の能力にも関係づけられていないので、それぞれの累加アップキープの解決時に、パーマネントの上にある経年カウンターの総数を数える。
例:「累加アップキープ:1点のライフを支払う」という能力を2つ持っているクリーチャーがあり、現在その上には、経年カウンターは存在しない。今、この2つの能力が誘発したとする。一つめの能力が解決されるとき、そのコントローラーはカウンターを乗せ、1点のライフを支払うことを選択した。二つめの能力が解決されるとき、さらに一つのカウンターを乗せるので、ライフの支払いは2点となる。
702.23a 側面攻撃は、ブロック・クリーチャー指定ステップ中に誘発する誘発型能力である。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。側面攻撃は、「このクリーチャーが側面攻撃を持たないクリーチャーにブロックされた時、そのブロック・クリーチャーはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける」を意味する。
702.24a フェイジングは、アンタップ・ステップのルールを変更する常在型能力である。各プレイヤーのアンタップ・ステップの間に、アクティブ・プレイヤーが自分のパーマネントをアンタップする前に、そのプレイヤーがコントロールする、フェイジングを持ったパーマネントでフェイズ・イン状態にあるものは「フェイズ・アウト/phase out」する。同時に、そのプレイヤーのコントロール下でフェイズ・アウトしていたフェイズ・アウト状態のパーマネントは「フェイズ・イン/phase in」する。
702.24b パーマネントがフェイズ・アウトすると、その位相は「フェイズ・アウト」になる。特にフェイズ・アウト状態のパーマネントについて述べているルールや効果を除いては、フェイズ・アウト状態のパーマネントは存在しないかのように扱う。他の何かに影響を及ぼすことも、何かによって影響を受けることもない。
例:あなたが3体のクリーチャーをコントロールしていて、そのうち1体がフェイズ・アウトしている。「あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき1枚のカードを引く」という呪文を唱えた場合、引く枚数は2枚である。
例:あなたは、フェイズ・アウト状態のクリーチャーをコントロールしている。「すべてのクリーチャーを破壊する」という呪文を唱えても、フェイズ・アウト状態のクリーチャーは破壊されない。
702.24c パーマネントがフェイズ・インすると、その位相は「フェイズ・イン」に変わる。ゲームはそれが存在するものとして扱う。
702.24d フェイズ・アウト状態の間は戦場にもなければそのコントローラーのコントロール下にもないかのように扱うが、フェイジングのイベントはパーマネントの領域やコントロールを変化させるものではない。領域変更誘発は、パーマネントがフェイズ・アウトしたりフェイズ・インしたりしても誘発しない。フェイズ・アウト状態の間も、カウンターはそのパーマネントに載ったままである。フェイズ・イン状態のパーマネントの来歴を確認する効果は、フェイジングのイベントを、そのパーマネントが戦場を離れたり戦場に出たりしたものとしては扱わない。
702.24e パーマネントがフェイズ・アウトしている間に、そのパーマネントに影響を及ぼしている継続的効果の期限が切れることがある。その場合、そのパーマネントがフェイズ・インしてきたときにはもうその効果は影響を及ぼさない。特に、そのパーマネントを確認する「〜し続けている限り/for as long as」という期限(rule 611.2b 参照)は、そのパーマネントがフェイズ・アウトすると見失うので終わりになる。
702.24f パーマネントがフェイズ・アウトすると、そのパーマネントについていたオーラ、装備品、城砦は同時にフェイズ・アウトする。この方法でのフェイズ・アウトを「間接的に」フェイズ・アウトすると言う。間接的にフェイズアウトしたオーラや装備品、城砦はそれ自身でフェイズ・インすることはなく、そのついているパーマネントと一緒にフェイズ・インしてくる。
702.24g あるオブジェクトが直接と間接の両方で同時にフェイズ・アウトした場合、それは間接的にフェイズ・アウトしている。
702.24h オーラ、装備品、城砦が直接フェイズ・アウトした場合、フェイズ・アウトするときについていたオブジェクトが同じ領域にあるなら(プレイヤーであればゲームに残っているなら)それについた状態でフェイズ・インする。そうでなければ、そのオーラ、装備品、城砦はついていない状態でフェイズ・インする。必要であれば、状況起因処理が適用される。(rule 704.5n、rule 704.5p 参照。)
702.24i パーマネントがオブジェクトについたとき、あるいは外れたときに誘発する能力は、そのパーマネントがフェイズ・イン、あるいはフェイズ・アウトしたときには誘発しない。
702.24j フェイズ・アウトしているパーマネントは、そのオーナーがゲームから除外された場合、一緒にゲームから除外される。これは領域変更誘発を誘発させない。rule 800.4 参照。
702.24k フェイズ・アウトしたトークンは、状況起因処理で消滅する。rule 704.5d 参照。
702.24m 効果によってプレイヤーのアンタップ・ステップが飛ばされた場合、そのターン、フェイジングのイベントは発生しない。
702.25a バイバックは、ある種のインスタントやソーサリーに存在し、スタックにある間に機能する常在型能力2つからなる。「バイバック[コスト]/Buyback [コスト]」は、「あなたは、この呪文を唱えるに際して追加で[コスト]を支払ってもよい」と「バイバック・コストが支払われている場合、この呪文の解決に際し、この呪文をそのオーナーの墓地に置く代わりにそのプレイヤーの手札に戻す」ということを意味する。呪文のバイバック・コストの支払いは、rule 601.2b、rule 601.2e-g に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
702.26b シャドーを持つクリーチャーはシャドーを持たないクリーチャーにブロックされず、シャドーを持たないクリーチャーはシャドーを持つクリーチャーにブロックされない。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。
702.27a サイクリングは、サイクリングを持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「サイクリング [コスト]/cycling [コスト]」は、「[コスト], 手札からこのカードを捨てる:カードを1枚引く。」を意味する。
702.27b サイクリングはそのカードが手札にあるときにしか起動できないが、オブジェクトが戦場やその他すべての領域にあるときにも存在しつづける。従って、サイクリングを持つオブジェクトは、起動型能力を持つオブジェクトに影響を及ぼす効果の影響を受ける。
702.27c サイクリングを持つカードの中には、サイクリングしたときに誘発する能力を持つものがある。「あなたが[このカード]をサイクリングしたとき、/When you cycle [このカード]」とは、「あなたが[このカード]をサイクリング・コストを支払うために捨てたとき、」を意味する。この種の能力は、そのカードがサイクリングによって移動した先の領域から誘発する。
702.27d タイプ・サイクリングは、サイクリング 能力の一種である。「[タイプ]サイクリング [コスト]/[タイプ]cycling [コスト]」は「[コスト], このカードをあなたの手札から捨てる:あなたのライブラリーから[タイプ]カードを1枚探し、公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切りなおす。」を意味する。通常、このタイプはサブタイプであるが(「山サイクリング」など)、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、あるいははそれらの組み合わせであり得る(「基本土地サイクリング」など)。
702.27e タイプ・サイクリング 能力はサイクリング 能力である。タイプ・サイクリング・コストはサイクリング・コストである。いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングしたときに誘発するカードは、タイプ・サイクリング 能力のコストとしてカードが捨てられたときにも誘発する。サイクリングを禁止する効果によって、タイプ・サイクリング 能力の起動も禁止される。サイクリング・コストを増加させたり減少させたりする効果は、タイプ・サイクリング・コストを増加させたり減少させたりする。
702.28a エコーは誘発型能力である。「エコー [コスト]/echo [コスト]」と書かれていた場合、それは「あなたのアップキープの開始時に、もしあなたがこのパーマネントのコントロールを、あなたの直前のアップキープの開始時より後に得たのであれば、[コスト]を支払わない限りこれを生け贄に捧げる」ということを意味する。
702.28b ウルザ・ブロックのカードでエコー 能力を持っているものは、エコー・コストが記載されていない。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、それぞれがそのマナ・コストに等しいエコー・コストを持つようになった。
702.29b 馬術を持つクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってブロックされない。馬術を持つクリーチャーは、馬術を持つクリーチャーも持たないクリーチャーもブロックできる。(rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)
702.30a 消散は2つの能力を表すキーワードである。「消散 N/Fading N」は、「このパーマネントは、その上に消散/FadeカウンターがN個置かれた状態で戦場に出る」「あなたのアップキープの開始時、このパーマネントの上から消散 カウンターを1個取り除く。消散 カウンターを取り除けないなら、このパーマネントを生け贄に捧げる」ということを意味する。
702.31a キッカーは、それを持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。「キッカー [コスト]/Kicker [コスト]」は、「この呪文を唱えるに際し、あなたはさらに[コスト]を支払ってもよい」ということを意味する。呪文のキッカー・コストの支払いは、rule 601.2b、rule 601.2e-g に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
702.31b 「キッカー[コスト1]か[コスト2]かその両方/Kicker [cost 1] and/or [cost 2]」は、「キッカー[コスト1]、キッカー[コスト2]/Kicker [cost 1], kicker [cost 2]」と同義である。
702.31c 多重キッカー 能力は、キッカー 能力の一種である。「多重キッカー [コスト]/Mutikicker [コスト]」は「この呪文を唱えるに際し、あなたは追加で[コスト]を望む回数支払ってもよい。」ということを意味する。多重キッカー・コストはキッカー・コストである。
702.31d 呪文のコントローラーが呪文のキッカー・コストを支払う意図を宣言した場合、その呪文は「キッカーされた」状態になる。呪文が2つのキッカー・コストを持っていたり多重キッカーを持っていたりする場合、それは複数回キッカーされ得る。rule 601.2b 参照。
702.31e キッカーや多重キッカーを持つオブジェクトは、キッカーされたときに起こることを特定する、追加の能力を持っている。それらの能力はそのオブジェクトに記載されているキッカー 能力や多重キッカー 能力と関連しており、その特定のキッカー 能力や多重キッカー 能力のみを参照する。rule 607〔関連している能力〕参照。
702.31f 複数のキッカー・コストを持つオブジェクトは、それぞれのキッカー・コストに対応する能力を持っている。それらの能力には、「[A]でキッカーした場合/if it was kicked with its [A] kicker」と「[B]でキッカーした場合/if it was kicked with its [B] kicker」という語句が含まれている。AとBはそれぞれカードに記されているキッカー・コストである。それらの能力は、対応するキッカー 能力に関連している。
702.31g 呪文の能力の一部がキッカーされた場合にのみ効果を持つ場合、その部分が対象を必要としていたら、その呪文がキッカーされた場合にのみそれらの対象を選ぶ。そうでない場合、呪文はそれらの対象を取らないものとして唱えられる。rule 601.2c 参照。
702.32a フラッシュバックは、ある種のインスタントやソーサリー・カードに存在する、2つの常在型能力を表すキーワードであり、その1つはそのカードが墓地にある間に機能し、もう1つはそのカードがスタックにある間に機能する。「フラッシュバック [コスト]/Flashback [コスト]」は、「このカードのマナ・コストを払うのではなく[コスト]を支払うことで、あなたはこのカードを墓地から唱えてもよい」「フラッシュバック・コストが支払われている場合、このカードがスタックから離れる場合、他の場所に移動させるかわりに追放する」ということを意味する。フラッシュバック 能力を使って呪文を唱えることは、rule 601.2b、rule 601.2e-g の代替コストを支払うことに関するルールに従う。
702.33a マッドネスは二つの能力からなるキーワードである。一つは、カードが手札にあるときに影響を与える 常在型能力、もう一つは、一番目の能力が適用されたときに機能する誘発型能力である。「マッドネス [コスト]/Madness [コスト]」は、「いずれかのプレイヤーがこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりに 追放してもよい」と「このカードがこの方法で追放されたとき、そのオーナーは、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことでこのカードを唱えてもよい。そうしない場合、そのプレイヤーはこのカードを自分の墓地に置く」の二つの意味を持つ。
702.33b マッドネス 能力で呪文を唱える 場合は、rule 601.2b および rule 601.2e-g の代替コストのルールに従う。
702.35a 変異は、その能力を持つカードをプレイできる時ならいつでも機能する常在型能力であり、その効果は、そのカードが裏向きである時ならいつでも機能する。「変異 [コスト]/Morph [コスト]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、文章やカード名やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たないクリーチャーとして唱えられる。」という意味である。(rule 707〔裏向きの呪文やパーマネント〕参照。)
702.35b 変異 能力を使ってカードを唱えるには、まずそれを裏向きにする。それは、文章やカード名やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たない、2/2の裏向きのクリーチャー カードとなる。(そのカードの表向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つカードを唱えることに適用される効果や禁止が、このカードを唱える際に適用される。これらの値はオブジェクトの特性のコピー可能な値である。(rule 613〔継続的効果の相互作用〕、rule 706〔オブジェクトのコピー〕参照。)それを(同じ特性を持つ裏向きの呪文として)スタックに置き、本来のマナ・コストではなく{3}を支払う。これは、代替コストのルールに則って処理される。変異 能力を持つカードをプレイできる領域ならどの領域からでも、変異 能力を使ってそのカードを唱えることができる。その呪文が解決されたとき、それは呪文のときと同じ特性をもったまま戦場に出る。変異の効果は、このパーマネントが裏向きである場合常に適用され、表向きになったときに終わる。
702.35c 変異 能力を持たないカードを裏向きに唱えることはできない。
702.35d あなたが優先権を持つときならいつでも、あなたは裏向きのパーマネントを表向きにしてよい。これは特別な処理であり、スタックを用いない(rule 115 参照)。そうするには、そのパーマネントが表向きになった場合の変異 コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、それを支払い、そのパーマネントを表向きにする。(そのパーマネントが表向きになった場合に変異 コストを持たない場合、この方法で表向きにすることはできない。)変異の効果は終了し、その通常の特性を取り戻す。そのパーマネントが戦場に出たときに誘発される能力は、表向きになったときには誘発されず、効果を発揮しない。そのパーマネントはすでに戦場に出ているからである。
702.36a 増幅は常在型能力である。「増幅 N/Amplify N」は、「このオブジェクトが戦場に出るに際し、あなたの手札にあるそのオブジェクトと同じクリーチャー・タイプを持つカードを望む枚数公開する。このパーマネントは、これにより公開されたカード1枚につきN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。このカード自身や、このカードと同時に戦場に出る カードを公開することはできない。」という意味である。
702.37a 挑発は誘発型能力である。挑発は「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたは『防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それはこの戦闘の間、可能ならこのクリーチャーをブロックする。』を選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。」を意味する。
702.38a ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「ストーム/Storm」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、このターン、この呪文より前に唱えられた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。
702.39a 親和は呪文がスタックにある間に機能する常在型能力である。「親和([文章])/Affinity for [文章]」は、「この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールする[文章]1つにつき{1}少なくなる。」を意味する。
702.40a 双呪は呪文がスタックにある間に機能する、モードを持つ(rule 700.2 参照)呪文の常在型能力である。「双呪 [コスト]/Entwine [コスト]」は、「あなたは、この呪文のモードを一つだけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは[コスト]を追加で支払う。」を意味する。双呪 能力の使用に際しては、rule 601.2b、および rule 601.2e-g の、モードの選択と追加コストの支払いのルールに従う。
702.41a 接合というキーワードは、常在型能力と誘発型能力の2つの能力を表す。「接合 N/Modular N」とは、「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターを置かれた状態で戦場に出る。」と、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」を意味する。
702.42a 烈日は、オブジェクトがスタックから戦場に出る際に機能する常在型能力である。烈日は、「このオブジェクトがスタックからクリーチャーとして戦場に出る 場合、それは、それを唱えるために使われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。このオブジェクトがスタックから戦場に出、クリーチャーとしては戦場に出ない場合、それは、それを唱えるために使われたマナの色1色につき1個の蓄積カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.42b 烈日は、呪文の解決中、1色以上の色 マナがそれのコストとして使われた時にのみ適用される。追加コストや代替コストで支払われたマナも適用される。
702.42c 烈日によって、他の能力にある定数を設定させることがありうる。このキーワードがそうして使われていた場合、その能力を持つカードがクリーチャーかどうかは考慮しない。
例:「接合 ─ 烈日」という記述は、「このパーマネントは、それを唱えるために使われたマナの色1色につき1個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」と「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれに、このパーマネントに置かれていた+1/+1カウンター1個につき1個の+1/+1カウンターを置いてもよい。」の2つの能力を意味する。
702.43a 武士道は誘発型能力である。「武士道 N/Bushido N」は「このクリーチャーがブロックに参加するかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける。」を意味する。rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。
702.44a 転生は誘発型能力である。「転生 N/Soulshift N」は、「このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストがN以下のスピリット・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。
702.45a 連繋は、カードが手札にあるときに機能する常在型能力である。「連繋([サブタイプ]) [コスト]/Splice onto [サブタイプ] [コスト]」は「あなたが[サブタイプ]の呪文を唱えるに際し、あなたはこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、このカードの文章欄をその呪文の文章欄にコピーし、その呪文の追加コストとして[コスト]を支払う。」を意味する。連繋 コストの支払いに関するルールは、rule 601.2b および rule 601.2e から rule 601.2g の追加コストの支払いに関するルールに従う。
例:連繋したカードはプレイヤーの手札に残るので、後に普通に使用したり、他の呪文に連繋したりすることができる。そのカードは、連繋された呪文に「カードを1枚捨てる」という追加コストがある場合、コストとして捨てることもできる。
702.45b カードの必要な選択(対象など)を行なえない場合、連繋 能力を使うことを選ぶことはできない。同一の呪文に複数回、同じカードを連繋することはできない。複数のカードを連繋したい場合、それら全てを同時に公開し、どの順番で処理を行なうかを宣言する。元の呪文の効果を最初に処理すること。
702.45c 呪文はメインの呪文の特性を持ち、さらに連繋した各カードの文章欄を持つ。呪文は連繋したカードの他の特性(カード名、マナ・コスト、色、特殊タイプ、カード・タイプ、サブタイプなど)を得ない。コピーされた文章中で、カード名によってカードを示している部分は、そのコピー元のカードではなく、スタックにある呪文のことを指す。
例:《氷河の光線》は連繋(秘儀)を持つ赤のカードであり、「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《氷河の光線》はそれに2点のダメージを与える」という効果を持つ。《氷河の光線》を、青の呪文である《霧中の到達》に連繋したとする。この場合、呪文はやはり青で、ダメージを与えるのは《霧中の到達》である。従って、プロテクション(赤)を持つクリーチャーを対象とし、それに2点のダメージを与えることができる。
702.45d 追加された文章の対象は通常通り選択する(rule 601.2c 参照)。1つ以上の対象を持つ呪文の対象が解決時にすべて不正になった場合、呪文自体が打ち消されることに注意。
702.46a 献身はそのカードを唱えられる領域にある間に機能する常在型能力である。「献身([文章])/[Text] offering」は「あなたはこのカードを、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも[文章]であるパーマネントを生け贄に捧げることで唱えられる。そうした場合、このカードを唱えるためのコストは生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コスト分だけ減少する」ということを意味する。
702.46b パーマネントは、呪文を宣言するのと同時に(rule 601.2a 参照)生け贄に捧げられる。呪文の総コストは、生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コスト分だけ減少する(rule 601.2e 参照)。
702.46c 生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる不特定マナは、献身 能力で唱えられるカードの総コストに含まれる不特定マナを減少させる。生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる色つきのマナは、献身 能力で唱えられるカードの総コストに含まれるその色のマナを減少させる。生け贄に捧げられたパーマネントのマナ・コストに含まれる色 マナで、献身 能力で唱えられるカードの総コストの色 マナと一致しない、あるいはその色 マナよりも多い部分は、総コストの不特定マナを減少させる。
702.47a 忍術は、忍術 能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「忍術 [コスト]/Ninjutsu [コスト]」は、「[コスト], このカードをあなたの手札から公開する, あなたがコントロールするブロックされていない攻撃クリーチャー1体をオーナーの手札に戻す:このカードをあなたの手札からタップ状態で攻撃に参加した状態で戦場に出す。」を意味する。
702.47b 忍術を持つカードは、能力が宣言された時点から能力がスタックを離れるまでの間、公開されたままである。
702.47c 忍術 能力は、戦場に出ているいずれかのクリーチャーがブロックされていない(rule 509.1h 参照)ときにのみ起動できる。忍術を持つクリーチャーはブロックされていない状態で戦場に出、オーナーの手札に戻されたクリーチャーが攻撃したのと同じプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃していることになる。
702.48a 歴伝は2つの呪文能力を表し、そのうち1つは遅延誘発型能力を生成する。歴伝は、「残りのゲームの間、あなたは呪文を唱えられない。」と「あなたの各アップキープの開始時に、この呪文を歴伝 能力を除いてコピーする。その呪文が対象をとる場合、あなたはその呪文の新しい対象を選んでもよい。」を意味する。rule 706.10 参照。
702.48b プレイヤーは自分がコントロールする歴伝 呪文が解決されたらもう呪文を唱えることはできないが、(歴伝の能力自身のように)効果により呪文のコピーをスタックに置くことはできる。
702.49a 召集は、召集を持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。召集は「この呪文を唱える際の追加コストとして、あなたはあなたがコントロールするアンタップ状態のクリーチャーを望む数だけタップしてもよい。これによりタップされた各クリーチャーにつき、この呪文を唱えるためのコストは、{1}かそのクリーチャーの色のマナ1点分少なくなる。」を意味する。召集 能力の使用は、rule 601.2b や rule 601.2e-g の追加コストに関するルールに従う。
例:あなたは召集を持つ{6}{G}{W}の呪文《ヴィトゥ=ガジーの守護者》を唱えようとしている。あなたはこの呪文の支払いの補助として、アーティファクト・クリーチャー1体と赤のクリーチャー1体と緑白のクリーチャー1体をタップすることにした。アーティファクト・クリーチャーと赤のクリーチャーはそれぞれ呪文のコストを{1}減らす。緑白のクリーチャーで減らす呪文のコストは、{1}か{G}か{W}のどれかを選ぶ。その後、それらのクリーチャーはあなたが《ヴィトゥ=ガジーの守護者》のコストを支払う際にタップされる。
702.50a 発掘は、発掘を持つカードがプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する常在型能力である。「発掘 N/Dredge N」は「あなたのライブラリーに少なくともN枚のカードがあるかぎり、あなたがカードを引く 場合、代わりに あなたは自分のライブラリーの一番上からN枚のカードを自分の墓地に置いてもよい。そうしたならこのカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。」を意味する。
702.50b 自分のライブラリーに、発掘 能力が必要とする枚数だけのカードがないプレイヤーは、発掘 能力によって自分の墓地にカードを置くことはできない。
702.51a 変成は、変成 能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「変成 [コスト]/Transmute [コスト]」は「[コスト], このカードを捨てる:あなたのライブラリーから、捨てたカードと同じ点数で見たマナ・コストのカードを1枚探し、そのカードを公開してあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」を意味する。
702.51b 変成 能力はそのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ起動できるものであるが、それはそのオブジェクトが戦場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、変成を持つオブジェクトは、オブジェクトが1つ以上の能力を持つかどうかに依存する効果の影響を受ける。
702.52a 狂喜は常在型能力である。「狂喜 N/Bloodthirst N」は「このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このパーマネントは+1/+1カウンターがN個置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.52b 「狂喜 X/Bloodthirst X」は狂喜の特殊な形である。「狂喜 X」は「このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このクリーチャーは+1/+1カウンターをX個置かれた状態で戦場に出る。Xはこのターンに対戦相手に与えられたダメージの総数に等しい。」を意味する。
702.53a 憑依は誘発型能力である。パーマネント上の「憑依/Haunt」は「このパーマネントが戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードを追放し、そのクリーチャーに憑依する。」を意味する。インスタント 呪文やソーサリー 呪文上の「憑依/Haunt」は「この呪文が解決中にいずれかの墓地に置かれたとき、クリーチャー1体を対象とする。このカードを追放し、そのクリーチャーに憑依する。」を意味する。
702.53b 憑依 能力の結果として追放 領域にあるカードは、その能力によって対象となったクリーチャーに『憑依している』。『憑依しているクリーチャー』とは、憑依 能力の対象となったオブジェクトのことを指す。そのオブジェクトがその時点でクリーチャーであるかどうかは関係しない。
702.54a 複製は二つの能力を表すキーワードである。一つ目は、複製を持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。二つ目は、複製を持つ呪文がスタック上にある間に機能する誘発型能力である。「複製 [コスト]/Replicate [コスト]」は「この呪文を唱える際の追加コストとして、あなたは[コスト]を望む回数支払ってもよい。」と「この呪文を唱えたとき、複製 コストが支払われていた場合、それを複製 コストが支払われた回数に等しい回数だけコピーする。その呪文が対象をとるなら、あなたはそのコピーのうち任意のものの対象を新たに選んでもよい。」を意味する。呪文の複製 コストを支払う行為は、rule 601.2b や rule 601.2e-g の追加コストの支払いのルールに従う。
702.54b 呪文が複数の複製 能力を持つ場合、それぞれは別々に支払われ、他を含まない各複製自身に対する支払いを基準として誘発する。
702.55a 予見 能力は、プレイヤーの手札からのみ起動できる特殊な起動型能力であり、「予見 ― [起動型能力]/Forecast ― [起動型能力]」と表記される。
702.55b 予見 能力は、そのコントローラーのアップキープ・ステップにのみ、各ターン1回のみ起動できる。予見 能力のコントローラーは、能力を起動する際に、その能力を持つカードを手札から公開する。手札のカードを公開したプレイヤーは、そのカードが手札を離れるか、あるいはアップキープ・ステップ以外のフェイズやステップが開始するか、いずれかが発生するまで公開したままにする。
702.56a 移植は、常在型能力と誘発型能力の両方を意味する。「移植 N/Graft N」は「このパーマネントは、N個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」と「他のクリーチャーが戦場に出るたび、このパーマネントの上に+1/+1カウンターがある場合、あなたはこのパーマネントの上の+1/+1カウンターを1個、そのクリーチャーの上に移動してもよい。」を意味する。
702.57a 復活は、復活を持つカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある間にのみ機能する誘発型能力である。「復活 [コスト]/Recover [コスト]」とは「いずれかのクリーチャーが戦場からあなたの墓地に置かれたとき、あなたは[コスト]を支払ってもよい。そうした場合、このカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。そうしない場合、このカードを追放する。」を意味する。
702.58a 波及は、波及を持つカードがスタック上にある間にのみ機能する誘発型能力である。「波及 N/Ripple N」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたは自分のライブラリーの一番上からN枚、あるいは、あなたのライブラリーのカードがN枚未満の場合はあなたのライブラリーのすべてのカードを公開してもよい。これによりあなたのライブラリーのカードを公開した場合、あなたはそれらのカードのうち、この呪文と同じカード名のカードを好きな枚数だけマナ・コストを支払わずに唱えてもよい。その後これにより公開されて唱えられなかったすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。」を意味する。
702.59a 刹那は、刹那を持つ呪文がスタック上にある間にのみ機能する常在型能力である。刹那は「この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは他の呪文を唱えられず、マナ能力でない能力を起動できない。」ということを意味する。
702.59b 刹那がスタックにある間にも、プレイヤーはマナ能力を起動したり、特別な処理を行なったりできる。また、誘発型能力は通常通り誘発し、スタックに積まれる。
702.60a 待機は三つの能力を表すキーワードである。第一は、待機を持つカードがプレイヤーの手札にある間に機能する常在型能力である。第二と第三は、追放 領域で機能する誘発型能力である。「待機 N―[コスト]/Suspend N ─ [cost]」は「あなたがこのカードを手札からスタックに置くことで唱え始められる場合、あなたは[コスト]を支払って、このカードをN個の時間カウンターを置いた状態で追放してもよい。この行動はスタックを使わない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それが追放 領域にある場合、可能ならそれをマナ・コストを支払わずに唱える。そうできない場合、それは追放 領域に残る。これによりそれを唱え、なおかつそれがクリーチャーである場合、それはあなたがその呪文またはその呪文がなったパーマネントのコントロールを失うまで速攻を持つ。」ということを意味する。
702.60b あるカードは、それが追放 領域にあり、待機を持ち、その上に時間カウンターが置かれている場合、「待機状態/suspended」である。
702.60c 待機 能力の効果により呪文を唱えることは、rule 601.2b、rule 601.2e-g の代替コストの支払いのルールに従う。
702.61a 消失は三つの能力を表すキーワードである。「消失 N/Vanishing N」とは「このパーマネントは、N個の時間カウンターが置かれた状態で戦場に出る。」と「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。
702.61b 数値を持たない消失は「あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に時間カウンターが置かれている場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。」と「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが追放されたとき、それを生け贄に捧げる。」を意味する。
702.62a 吸収は常在型能力である。「吸収 N/Absorb N」は「発生源1つがこのクリーチャーにダメージを与える 場合、そのダメージをN点だけ軽減する」を意味する。
702.62b 吸収 能力は、1つの発生源から1回に与えられるダメージごとにそれぞれN点軽減する。複数の発生源から、あるいは複数回のダメージについては、それぞれ適用されることになる。
702.63a オーラ交換は、いくつかのオーラが持つ起動型能力である。「オーラ交換 [コスト]/Aura swap [コスト]」は「[コスト]:あなたはこのパーマネントを、あなたの手札にあるオーラ・カード1枚と入れ替えてもよい。」を意味する。
702.63b 交換のいずれか一方を完了できない場合、能力は何もしない。
例:あなたがあるオーラのオーラ交換 能力を起動した時点で、あなたの手札にある唯一のオーラは、オーラ交換を持つオーラがエンチャントしているパーマネントにエンチャントできないカードだった。その場合、能力は効果を持たない。
例:あなたは、自分がコントロールしているが自分がオーナーではないオーラのオーラ交換 能力を起動した。その場合、能力は効果を持たない。
702.64a 探査は、探査を持つ呪文がスタック上にあるときに機能する常在型能力である。「探査/Delve」は「この呪文を唱える際の追加コストとして、あなたはあなたの墓地にあるカードを望む枚数だけ追放してもよい。これにより追放されたカード1枚につき、この呪文を唱えるためのコストは{1}少なくなる。」という意味である。探査 能力の使用は、rule 601.2b や rule 601.2e-g の追加コストの支払いのルールに従う。
702.65a 城砦化は城砦 カードが持つ起動型能力である。「城砦化 [コスト]/Fortify [コスト]」は「[コスト]:あなたがコントロールしている土地1つを対象とし、この城砦をつける。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」を意味する。
702.67a 墓地ストームは、スタック上で機能する誘発型能力である。「墓地ストーム/Gravestorm」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンの間に戦場からいずれかの墓地に置かれたパーマネント1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。
702.68a 有毒は誘発型能力である。「有毒 N/Poisonous N」は「このクリーチャーがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒カウンターをN個得る。」を意味する。(毒カウンターに関しては、rule 104.3d 参照。)
702.69a 変形は起動型能力である。「変形 [コスト]/Transfigure [コスト]」は「[コスト], このパーマネントを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーからこのパーマネントと同じ点数で見たマナ・コストを持つクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」を意味する。
702.70a 覇権は2つの誘発型能力からなる。「覇権([オブジェクト])/Champion an [object]」は、「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたがコントロールする他の[オブジェクト]を追放しない限り、これを生贄に捧げる」と「このパーマネントが戦場を離れたとき、これによって追放されているカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す」を意味する。
702.70b 覇権の2つの能力は、関連している能力である。rule 607〔関連している能力〕参照。
702.70c 新しいパーマネントが前にあったパーマネントを覇権 能力の直接の結果で追放した場合、追放されたパーマネントは戦場に出たパーマネントによって「覇権された」という。
702.71a 多相は特性定義能力である。「多相/Changeling」は、「このオブジェクトは全てのクリーチャー・タイプである」を意味する。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。
702.72a 想起は2つの能力からなる。1つは想起を持つカードを唱えられるあらゆる領域において機能する常在型能力であり、もう1つはそれが戦場に出たときに機能する誘発型能力である。「想起 [コスト]/Evoke [コスト]」とは「このカードを唱える 場合、あなたはそれのマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」と「このパーマネントが戦場に出たとき、それの想起 コストが支払われていた場合、それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。」を意味する。カードの想起 コストを支払うことは、rule 601.2b や rule 601.2e-g の代替コストの支払いのルールに従う。
702.73a 秘匿は、常在型能力と誘発型能力の2つの能力からなる。「秘匿/Hideaway」は「このパーマネントはタップ状態で戦場に出る。」と「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。それらのうち1枚をゲームから裏向きに取り除き、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。追放されたカードは、『このカードを追放したパーマネントをコントロールしていたことのあるプレイヤーは、追放 領域にあるこのカードを見てもよい。』を持つ。」を意味する。
702.74a 徘徊は、スタック上で機能する常在型能力である。「徘徊 [コスト]/Prowl [コスト]」とは「このターン、いずれかのプレイヤーにあなたがコントロールする発生源による戦闘ダメージを与えていて、そのダメージを与えた段階でそのダメージの発生源がこの呪文のクリーチャー・タイプのいずれかを持っていた場合、あなたはこの呪文のマナ・コストではなく[コスト]を支払ってもよい。」を意味する。呪文の徘徊 コストを支払うことは、rule 601.2b ならびに rule 601.2e-g の代替コストの支払いのルールに従う。
702.75a 補強は、補強 能力を持つカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ機能する起動型能力である。「補強 N ―[コスト]/Reinforce N-[コスト]」とは「[コスト], このカードを捨てる:クリーチャー1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターをN個置く。」を意味する。
702.75b 補強 能力はそのカードがプレイヤーの手札にあるときにのみ起動できるものであるが、それはそのオブジェクトが戦場やその他の領域にある間も存在し続ける。したがって、補強を持つオブジェクトは、オブジェクトが起動型能力を持つかどうかに依存する効果の影響を受ける。
702.76a 共謀は2つの能力を示すキーワードである。1つめは共謀を持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力であり、2つめは共謀を持つ呪文がスタック上にある間に機能する誘発型能力である。「共謀/Conspire」は「この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたはあなたのコントロールする、この呪文と共通の色を持つアンタップ状態のクリーチャーを2体タップしてもよい」と「この呪文を唱えたとき、それの共謀 コストが支払われていた場合、それをコピーする。その呪文が対象を取る場合、あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい」を意味する。呪文の共謀 コストを支払うことは、rule 601.2b と rule 601.2e-g の追加コストの支払いのルールに従う。
702.76b 呪文に複数の共謀 能力がある場合、それぞれは個別に支払われ、誘発も自身の支払いに対してのみ行われる。他の共謀に行なわれた支払いを参照することはない。
702.77a 頑強は誘発型能力である。「頑強/Persist」は、「このパーマネントが戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、それの上に-1/-1カウンターが置かれていなかった場合、それをオーナーのコントロール下で-1/-1カウンターが1個置かれた状態で戦場に戻す」を意味する。
702.78a 萎縮は常在型能力である。「萎縮/Wither」を持った発生源からのダメージがクリーチャーに与えられた場合、そのクリーチャーにダメージを負わせるのではなく、その数の-1/-1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。rule 119.3 参照。
702.78b 効果がダメージを与えさせる前にそのパーマネントが戦場を離れた場合、萎縮を持っていたかどうかを見るために最後の情報を見る。
702.79a 回顧はインスタントやソーサリーの一部が持つ、回顧を持つカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある状態で機能する常在型能力である。 「回顧/Retrace」は、「あなたはこのカードを、それを唱えるための追加コストとして土地 カードを1枚捨てることで、あなたの墓地から唱えてもよい。」を意味する。 回顧 能力を使って呪文を唱えることは、rule 601.2b と rule 601.2e-g の追加コストの支払いのルールに従う。
702.80a 貪食は常在型能力である。「貪食 N/Devour N」とは「このオブジェクトが戦場に出るに際し、あなたは望む数のクリーチャーを生け贄に捧げてもよい。このパーマネントは、これにより生け贄に捧げられたクリーチャー1体につき+1/+1カウンターがN個置かれた状態で戦場に出る。」を意味する。
702.80b オブジェクトの中には、そのパーマネントが貪食したクリーチャーの数を参照するものがある。「それが貪食した/It devoured」とは「それが戦場に出るに際し、それの貪食 能力の結果により生け贄に捧げられた」を意味する。
702.81a 賛美は誘発型能力である。「賛美/Exalted」は「あなたがコントロールするいずれかのクリーチャーが単独で攻撃するたび、そのクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。」を意味する。
702.81b クリーチャーが「単独で攻撃する」とは、そのクリーチャーがその戦闘フェイズにおいて唯一の攻撃クリーチャーとして指定されることを意味する。rule 506.5 参照。
702.82a 蘇生は、蘇生を持つカードがいずれかのプレイヤーの墓地にある状態で機能する起動型能力である。「蘇生 [コスト]/Unearth [コスト]」は「[コスト]:このカードをあなたの墓地から戦場に戻す。それは速攻を得る。ターン終了時に、それを追放する。それが戦場を離れる 場合、それを他のあらゆる領域に置く代わりにそれを追放する。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」を意味する。
702.83a 続唱は、続唱を持つ呪文がスタックにある間にのみ機能する誘発型能力である。「続唱/Cascade」は「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、点数で見たマナ・コストがこの呪文より低い土地でないカードが取り除かれるまで追放する。あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより追放された全てのカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。」を意味する。
702.84a 滅殺は、クリーチャーが持つ誘発型能力である。「滅殺 N/Annihilator N」 は「このクリーチャーが攻撃するたび、防御プレイヤーはパーマネントをN個生け贄に捧げる。」を意味する。
702.85a Lvアップは起動型能力である。「Lvアップ [コスト]/Level up [コスト]」は「[コスト]:このパーマネントの上にLvカウンターを1個置く。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」を意味する。
702.85b Lvアップ 能力が記載されている各カードは、Lvカードと呼ばれる。それは通常とは異なる枠を持ち、それら自身がキーワード能力である2つのLvシンボルを持つ。rule 710〔Lv系カード〕参照。
702.86a 反復は、インスタントやソーサリーが持つ。これはその呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力であり、遅延誘発型能力を作成する。「反復/Rebound」は「この呪文が手札から唱えられた場合、解決に際してそれをあなたの墓地に置く代わりに、それを追放し、あなたの次のアップキープの開始時に、あなたはこのカードを追放 領域からそれのマナ・コストを支払わずに唱えてもよい。」を意味する。
702.86b 反復の結果としてカードをマナ・コストを支払わずに唱えることは、rule 601.2b や rule 601.2e-g の代替コストの支払いに関するルールに従う。
702.87a 族霊鎧は、一部のオーラが持つ常在型能力である。「族霊鎧/Totem Armor」は「エンチャントされているパーマネントが破壊される場合、代わりにそれが負っているすべてのダメージを取り除いてこのオーラを破壊する。」を意味する。
702.88b 感染を持つ発生源からプレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーのライフを減少させない。そうではなく、それによってそのプレイヤーはその点数に等しい数の毒カウンターを得る。rule 119.3 参照。
702.88c 感染を持つ発生源からのダメージを、クリーチャーは負わない。そうではなく、それによってその点数に等しい数の−1/−1カウンターがそのクリーチャーの上に置かれる。rule 119.3 参照。
702.88d パーマネントが何らかの効果によってダメージを与える前にそのパーマネントが戦場を離れた場合、それが感染を持っていたか否かの決定にはそれの最後の情報を用いる。
702.90a 生体武器は誘発型能力である。「生体武器/Living Weapon」は「この装備品が戦場に出たとき、黒の0/0の細菌・クリーチャー・トークンを1体戦場に出し、その後これをそれにつける。」を意味する。
702.91. 不死/Undying
702.91a 不死は誘発型能力である。「「不死/Undying」は、「このパーマネントが戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、それの上に+1/+1カウンターが置かれていなかった場合、それを+1/+1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。」を意味する。
702.92a 奇跡は誘発型能力に関連する常在型能力である(rule 603.10 参照)。「奇跡 [コスト]/Miracle [cost]」という表記は、「あなたがこのカードを引くに際し、これがこのターンに初めて引いたカードだった場合、これを手札から公開してもよい。これによりこのカードを公開したとき、あなたはこれのマナ・コストの代わりに[コスト]を支払うことでこれを唱えてもよい。」を意味する。
702.92b プレイヤーがあるカードをその奇跡 能力により公開することを選んだ場合、そのカードがそのプレイヤーの手札を離れるか、 その能力が解決されるか、またはその能力がスタックを離れるまで、そのプレイヤーはそのカードを公開したままプレイする。
702.93a 結魂は2つの誘発型能力を表すキーワードである。「結魂/Soulbond」とは、「このクリーチャーが戦場に出たとき、あなたがこのクリーチャーおよび他のクリーチャー1体の両方をコントロールしていてその両方が組になっていない場合、あなたはこのクリーチャーを他の組になっていないクリーチャーと、それらの両方があなたのコントロール下で戦場にあるクリーチャーであり続けるかぎり、組にしてもよい」および「他のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたがそのクリーチャーおよびこのクリーチャーの両方をコントロールしていてその両方が組になっていない場合、あなたはそのクリーチャーをこのクリーチャーと、それらの両方があなたのコントロール下で戦場にあるクリーチャーであり続けるかぎり、組にしてもよい」ということを意味する。
702.93b クリーチャーは結魂 能力の結果、他のクリーチャーと「組/paired」になる。能力は組になったクリーチャー、他のクリーチャーと組になったクリーチャー、またはクリーチャーが組になっているかどうかを参照することがある。「まだ組になっていない/unpaired」クリーチャーとは、その時点で組になっていないクリーチャーのことである。
702.93c 結魂 能力の解決時に、組になるであろうオブジェクトのどちらかがクリーチャーでなくなっているか、戦場にいなくなっているか、または結魂 能力をコントロールするプレイヤーのコントロール下でなくなっている場合、どちらのオブジェクトも組にならない。
702.93d クリーチャーは他のクリーチャー1体のみと組になることができる。
702.93e 組になったクリーチャーは、以下のいずれかの場合に組でなくなる。「他のプレイヤーがそれまたはそれと組になったクリーチャーのコントロールを得る」、「それまたはそれと組になったクリーチャーがクリーチャーでなくなる」、または「それまたはそれと組になったクリーチャーが戦場を離れる」。
703.1. ターン起因処理は、あるステップやフェイズが始まったとき、あるいは終わったときに自動的に発生するゲームの処理である。ターン起因処理はスタックを用いない。
703.2. ターン起因処理は、いずれのプレイヤーにもコントロールされていない。
703.3. ステップやフェイズが始まると、そのステップやフェイズにターン起因処理が存在するなら、そのターン起因処理が最初に処理される。これは状況起因処理のチェックよりも前で、誘発型能力がスタックに置かれるよりも前で、プレイヤーが優先権を得るよりも前である。
703.4a アンタップ・ステップが開始した直後に、フェイジングを持ったフェイズ・イン状態のパーマネントでアクティブ・プレイヤーがコントロールしているものがフェイズ・アウトし、フェイズ・アウト状態のパーマネントで、フェイズ・アウトしたときにアクティブ・プレイヤーがコントロールしていたものがフェイズ・インする。これらは同時に起こる。rule 502.1 参照。
703.4b アンタップ・ステップの、フェイジングの処理が終わった直後に、アクティブ・プレイヤーは自分がコントロールするパーマネントのうちでどれをアンタップさせるかを選び、それらを同時にアンタップさせる。rule 502.2 参照。
703.4c ドロー・ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーはカードを1枚引く。rule 504.1 参照。
703.4d アーチエネミー戦(rule 904 参照)において、魔王の戦闘前メイン・フェイズが開始した直後に、そのプレイヤーは計略 デッキの一番上のカードを実行中にする。rule 701.22 参照。
703.4e 戦闘開始ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーの対戦相手すべてが自動的に防御プレイヤーになるわけではない多人数戦であれば、アクティブ・プレイヤーは自分の対戦相手の中から1人を選ぶ。そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。rule 507.1 参照。
703.4f 攻撃クリーチャー指定ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定する。rule 508.1 参照。
703.4g ブロック・クリーチャー指定ステップが開始した直後に、防御プレイヤーはブロック・クリーチャーを指定する。rule 509.1 参照。
703.4h ブロック・クリーチャー指定ステップの、ブロック・クリーチャーが指定された直後に、アクティブ・プレイヤーは複数のクリーチャーにブロックされた各攻撃クリーチャーごとに、それをブロックしているクリーチャー内でのダメージ割り振り順を宣言する。rule 509.2 参照。
703.4i ブロック・クリーチャー指定ステップの、アクティブ・プレイヤーがダメージ割り振り順を宣言した直後に、防御プレイヤーは複数のクリーチャーをブロックしている各クリーチャーごとに、それがブロックしている攻撃クリーチャー内でのダメージ割り振り順を宣言する。rule 509.3 参照。
703.4j 戦闘ダメージ・ステップが開始した直後に、各プレイヤーはAPNAP順で、それぞれのコントロールする各攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーがどう戦闘ダメージを割り振るかを宣言する。rule 510.1 参照。
703.4k 戦闘ダメージ・ステップの、戦闘ダメージの割り振りが終わった直後に、すべての戦闘ダメージが同時に与えられる。rule 510.2 参照。
703.4m クリンナップ・ステップが開始した直後に、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数(通常7枚)を超えていた場合、そのプレイヤーは上限枚数になるまで手札を捨てる。rule 514.1 参照。
703.4n クリンナップ・ステップの、アクティブ・プレイヤーが手札を捨てた直後に、すべての負っていたダメージが取り除かれ、すべての「ターン終了時まで」の効果が終了する。これらの処理は同時に発生する。rule 514.2 参照。
703.4p ステップやフェイズが終わるとき、いずれかのプレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは空になる。rule 500.4 参照。
704.1. 状況起因処理は、ある特定の条件(以下に列記)を満たしたときに自動的に発生するゲームの処理である。状況起因処理はスタックを用いない。
704.2. 状況起因処理はゲームの間にチェックされ、どのプレイヤーにもコントロールされていない。
704.3. プレイヤーが優先権を得るたび(rule 116〔タイミングと優先権〕参照)、ゲームは状況起因処理の発生する条件のどれかが満たされていないかを確認し、該当するものがあればそのすべての状況起因処理を同時に、単一のイベントとして処理する。状況起因処理がチェックの結果として発生した場合、処理後に再びチェックが繰り返される。そうでなければスタックに積まれるのを待っている誘発型能力がスタックに積まれ、再びチェックが行なわれる。状況起因処理が発生しなくなり、スタックに積まれるのを待っている誘発型能力もなくなっていれば、該当するプレイヤーは優先権を得る。この手順はクリンナップ・ステップにも行なわれる(rule 514 参照)が、もし状況起因処理も誘発型能力も発生しなければ、プレイヤーは優先権を得ないでステップが終了するという点が特殊である。
704.4. 誘発型能力と違い、状況起因処理は呪文や能力の解決中に何が起こっているかは確認しない。
例:「このクリーチャーは、あなたの手札の枚数に等しいパワーとタフネスを持つ」というクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが、「あなたの手札を捨て、そのあとカードを7枚引く」という呪文を唱えたとする。このクリーチャーは、呪文の解決の途中で一時的にタフネスが0になるが、呪文の解決が終わった時点ではタフネスが7に戻っている。よって、このクリーチャーは、状況起因処理がチェックされる時点では生き残る。これと対照的に、手札が無くなった時に誘発する能力は、誘発イベントが解決中に発生したので、呪文の解決後にスタックに積まれる。
704.5a ライフが0以下のプレイヤーはゲームに敗北する。
704.5b 前回の状況起因処理のチェック以降に、カードが1枚も存在しないライブラリーからカードを引こうとしたプレイヤーは、ゲームに敗北する。
704.5c 10個以上の「毒/poison」カウンターを持つプレイヤーは、ゲームに敗北する。このルールは双頭巨人戦では適用せず、代わりに rule 704.5u を適用する。
704.5d トークンが、フェイズ・アウトしたり、戦場以外の領域にあったりする場合、存在しなくなる。
704.5e 呪文のコピーがスタック以外の領域にある場合、それは消滅する。カードのコピーがスタックと戦場のいずれでもない領域にある場合、それは消滅する。
704.5f タフネスが0以下のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。再生はこのイベントを置換できない。
704.5g 致死ダメージを受けた、タフネスが正の数であるクリーチャーは破壊される。致死ダメージとは、そのクリーチャーのタフネス以上のダメージである。再生はこのイベントを置換することができる。
704.5h 前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを与えられた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは破壊される。再生はこのイベントを置換することができる。
704.5i 忠誠度が0であるプレインズウォーカーは、オーナーの墓地に置かれる。
704.5j プレインズウォーカー・タイプを共有するプレインズウォーカーが複数戦場にある場合、それらはすべてオーナーの墓地に置かれる。これは「プレインズウォーカーの唯一性ルール」と呼ばれる。
704.5k 同名の「伝説の/Legendary」パーマネントが複数戦場にある場合、それらはすべてそのオーナーの墓地に置かれる。これを「レジェンド・ルール」と言う。同じカード名を持つパーマネントのうち1つだけが伝説の パーマネントである場合、このルールは適用しない。
704.5m 「ワールド/World」という特殊タイプを持つパーマネントが複数戦場にある場合、その中でもっとも短い期間「ワールド」の特殊タイプを持って戦場にあったものを除き、すべてそのオーナーの墓地に置かれる。もっとも短い期間が等しい場合、その全てがオーナーの墓地に置かれる。これを「ワールド・ルール」と言う。
704.5n 不正なオブジェクトあるいは不正なプレイヤーについているオーラや、何にもつけられていないオーラはオーナーの墓地に置かれる。
704.5p 不正なパーマネントについている装備品や城砦はそのパーマネントからはずれ、戦場に残る。
704.5q クリーチャーがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれ、戦場に残る。同様に、オーラでも装備品でも城砦でもないパーマネントがオブジェクトやプレイヤーについている場合、それははずれ、戦場に残る。
704.5r 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)
704.5s N個を超えてある種のカウンターを持つことはできないという能力を持つパーマネントに、N個を超えてその種のカウンターが置かれていた場合、その種のカウンターをN個だけ残して残りを取り除く。
704.5t 双頭巨人戦において、チームのライフが0以下である場合、そのチームの負けとなる。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
704.5u 双頭巨人戦において、15個以上の「毒/poison」カウンターを持つチームは、ゲームに敗北する。rule 810〔「双頭巨人戦」変種ルール〕参照。
704.5v 統率者戦において、ゲーム中を通して単一の統率者から合計21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは、負けとなる。rule 903〔統率者戦〕参照。
704.5w アーチエネミー戦において、持続でない計略 カードが統率 領域で表向きになっており、それが誘発してからスタックを離れるまでの誘発型能力の発生源でない場合、その計略 カードは裏向きになり、そのオーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。rule 904〔アーチエネミー戦〕参照。
704.5x プレインチェイス戦において、統率 領域で現象 カードが表向きであり、それが誘発してスタックを離れていない誘発型能力の発生源でない場合、次元 コントローラーはプレインズウォークする。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
704.6. 複数の状況起因処理が同時に同じ結果をもたらす場合、単一の置換効果によってその全てが置換される。
例:「あなたがこのゲームに敗北する場合、代わりに あなたの手札とあなたの墓地とあなたがオーナーであるすべてのパーマネントをあなたのライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引き、あなたのライフの総量を20点にする。」という《死者の鏡》をコントロールしている時に、ライブラリーの残り枚数が1枚であり、ライフの総量が1点である。この場合にカードを2枚引き、2点のライフを失うという呪文の効果が処理されたとすると、次の状況起因処理のチェックによって、rule 704.5a と rule 704.5b の2つの条項によってゲームに負けることになるが、《死者の鏡》はその両方の負けを置換し、あなたはゲームを続けることになる。
704.7. 状況起因処理の結果として、他の状況起因処理が行なわれるのと同時にパーマネントが戦場を離れた場合、そのパーマネントの最後の情報は、それらの状況起因処理を行なう前の情報を用いる。
例:プレイヤーが+1/+1カウンターが1個乗っている状態のが1個乗っている状態の不死を持つ1/1クリーチャー《若き狼》をコントロールしている。呪文によって、《若き狼》に、-1/-1カウンターが3つ乗せられた。状況起因処理が行なわれる前の状態では、《若き狼》には+1/+1カウンター1つと-1/-1カウンター3つが乗っている。状況起因処理の結果、《若き狼》は墓地に置かれる。戦場にあった最後の時点では+1/+1カウンターが乗っているので、不死は誘発しない。
705.1. プレイヤーがコイン投げに勝つか負けるかを見るオブジェクトでコインを投げる場合、影響を受けるプレイヤーがコインを投げ、表か裏かを宣言する。宣言が結果と一致した場合、そのプレイヤーはコイン投げに勝ち、そうでなければコイン投げに負ける。コインを投げたプレイヤーだけがコイン投げに勝ったり負けたりするのであり、他のプレイヤーには関係しない。
705.2. コインが表になるか裏になるかを見るオブジェクトでコインを投げる場合、影響を受けるプレイヤーがそれぞれコインを投げる。表か裏かを宣言する必要はなく、この種のコイン投げでは勝ちや負けは存在しない。
705.3. 投げるために使うコインは、どちらの面か容易に区別でき、かつほぼ等確率でそれぞれの面が上になる、2面の物体でなければならない。投げられるコインの表と裏がはっきりしていない場合、どちらが表であるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数が表で偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。
706.1. 呪文、パーマネント、あるいはカードの「コピー/copy」になったり、他のオブジェクトをコピーにしたりするオブジェクトが存在する。また、他のオブジェクトのコピーであるトークンを戦場に出す効果も存在する。(古いカードの中には「コピーを探す/search for a copy」という記載があるものがあるが、この節ではそれについては扱わない。また、それらのカードはオラクルで修正されている)。
706.2. オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、唱えられた、あるいは起動された時に行なわれた選択(モード、対象、Xの値、キッカーされているかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、など)もコピーする。オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに記載されている値(カード名、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、エキスパンション・シンボル、ルール文章、パワー、タフネス、忠誠度)に、コピー 効果、「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「表になるに際し/as ... is turned face up」の能力による特性への影響、呪文やパーマネントを裏向きにする能力の影響を加味したものである。それ以外の(タイプや文章を変更するようなものも含む)効果、位相、カウンターはコピーされない。
例:《キマイラ杖》は「{X}:ターン終了時まで、《キマイラ杖》はX/Xのアーティファクト・クリーチャーになる」というアーティファクトであり、《クローン》は「《クローン》が戦場に出るに際し、あなたは戦場に出ているクリーチャー1体を選んでもよい。そうした場合、《クローン》はそのクリーチャーのコピーとして戦場に出る。」というクリーチャーである。《キマイラ杖》が5/5のアーティファクト・クリーチャーになった後で、《クローン》がそれのコピーとして戦場に出た場合、《クローン》は5/5のアーティファクト・クリーチャーではなく、単なるアーティファクトとして戦場に出る(そのコピーは《キマイラ杖》の能力を持っているので、その能力を起動してクリーチャーになることはできる)。
例:《クローン》が、裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異{2}{B}{B}を持つクリーチャー)のコピーとして戦場に出るとする。この場合、《クローン》は無色の2/2で、カード名、タイプ、能力、マナ・コストを持たないクリーチャーとして戦場に出る。ただし、表向きであり、{2}{B}{B}を支払って表向きになることはできない。
706.2a コピーは、コピーするオブジェクトの色を得る。これは、その色を決定するマナ・コストや色指標をコピーするからである。コピーは、コピーするオブジェクトの能力を得る。これは、ルール文章を得るからである。コピーは各能力を2つずつ持つわけではない(つまり、オブジェクトの能力とルール文章の両方をコピーすることはなく、ルール文章から新しく能力が定義されているわけである)。
706.3. コピーのコピー可能な情報は、そのコピーの位相によって修整された(rule 110.6 参照)、コピーされた情報である。そのコピーを他のオブジェクトがコピーした場合には、新しいコピー可能な情報を用いる。
例:《Vesuvan Doppelganger》は「《Vesuvan Doppelganger》が戦場に出るに際し、戦場にあるクリーチャーを選んでもよい。そうした場合、《Vesuvan Doppelganger》はその色を除いて、そのクリーチャーのコピーとなり、『あなたのアップキープの開始時に、このクリーチャーを色を除いて、他のクリーチャーのコピーとしてもよい。そうした場合、このクリーチャーはこの能力を得る』という能力を得る」という能力を持つ。《Vesuvan Doppelganger》が《ルーン爪の熊》(能力を持たない2/2の緑の熊クリーチャー)のコピーとして戦場に出た。その後で、《クローン》がその《Vesuvan Doppelganger》のコピーとして戦場に出た場合には、《クローン》は2/2の青で、クリーチャー・タイプが熊の《ルーン爪の熊》となり、《Vesuvan Doppelganger》のアップキープ誘発型能力を持つ。
例:《暴く者、智也》(反転状態の反転カード)が《鼠の短牙》(反転していない反転カード)のコピーになった場合、《暴く者、智也》の特性は《鼠の短牙》の反転した状態である《憎まれ者の傷弄り》の特性となる。
例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が、表向きの《枝折りロリアン》(4/1で変異{G}とトランプルを持つ緑のクリーチャー)のコピーとなった場合、その《にやにや笑いの悪魔》の特性は《枝折りロリアン》のものになるが、そのクリーチャーは裏向きなので、2/2の無色でカード名やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。{G}で表向きになることができ、表向きになると《枝折りロリアン》の特性を持つ。
例:裏向きの《にやにや笑いの悪魔》(変異つきクリーチャー)が《さまようもの》(1/1のスピリット・クリーチャーで変異をもたない)のコピーになった場合、裏向きの《さまようもの》なので、2/2の無色でカード名やタイプや能力やマナ・コストをもたないクリーチャーのままである。変異を持たないので、特別な行動で表向きになることはできない。効果によって表向きになった場合には、《さまようもの》の特性を持つ。
706.4. パーマネントをコピーしているパーマネントが戦場にある間に、それを他のオブジェクトのコピーにするという効果が存在する。その変化は戦場に出たときの能力や戦場を離れたときの能力を誘発させないし、すでに存在している、そのパーマネントに影響を及ぼす効果を変更することもない。
例:《不定の多相の戦士》は「クリーチャーが戦場に出るたび、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》が、「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける」という効果を持つ《巨大化》の影響を受けている時に他のクリーチャーが戦場に出た場合、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなるが、《巨大化》による+3/+3の影響は残る。
706.5. 他のオブジェクトの「コピーとして/as a copy」戦場に出る、または「これは[他のオブジェクト]のコピーである/that's a copy of [他のオブジェクト]」として戦場に出る オブジェクトは、戦場に出るに際してそのオブジェクトのコピーとなる。戦場に出てからそのパーマネントのコピーになるわけではない。コピーが、(「〜状態で戦場に出る/enters the battlefield with」や「[これ]が戦場に出るに際し/as [これ] enters the battlefield」などの)戦場に出る イベントを置換する能力を得ていた場合、それらの能力は効果を発揮する。また、そのコピーが持つあらゆる戦場に出たときの誘発型能力も誘発する機会がある。
例:《スカイシュラウドのビヒモス》は「消散2(このクリーチャーは、その上に消散 カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時、そのクリーチャーの上から消散 カウンターを1個取り除く。消散 カウンターを取り除けないなら、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。)」と「《スカイシュラウドのビヒモス》は、タップ状態で戦場に出る」という能力を持つ。《クローン》が、《スカイシュラウドのビヒモス》のコピーとして戦場に出る 場合、消散 カウンターが2個置かれて、タップ状態で戦場に出る。
例:《前兆の壁》は「前兆の壁が戦場に出たとき、カードを1枚引く。」という能力を持っている。《クローン》が《前兆の壁》のコピーとして戦場に出るとき、《クローン》は《前兆の壁》の戦場に出るときの誘発型能力を持っているので、《クローン》のコントローラーはカードを1枚引く。
706.6. パーマネントをコピーするとき、そのパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされない。あるオブジェクトが他のパーマネントのコピーとして戦場に出る 場合、そのオブジェクトのコントローラーが、全ての「戦場に出るに際し」ての選択を行なう。
例:《クローン》が《順応する自動機械》のコピーとして戦場に出る。《順応する自動機械》は「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力を持つ。この《クローン》は、《順応する自動機械》の行なっていた色の選択についてはコピーしないで、《クローン》のコントローラーが改めてその選択を行なう。
706.7. 関連している能力の組がコピーされた場合、コピーしたオブジェクトの得た能力も同様に関連している能力となる。その能力が参照するのは、もう一方の能力によって行なわれた行動や影響されたオブジェクトだけである。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、これらの能力が他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
706.7a ある能力が「[値]を選ぶ/choose a [value]」や「カード名を1つ指定する/name a card」ことを求め、2つめの能力がその選択を参照している場合、その2つめの能力はその選択を参照することのできる唯一の能力である。コピーなどによって他の能力が与えられた場合にも、その新しい能力でその選択を用いることはない。オブジェクトが選択を参照する能力をコピーして、(a)その能力の関連した能力をコピーしていない または(b)関連した能力をコピーしたが選択は行なわれていない 場合には、その選択は「未定義」として扱われる。能力が未定義の値を用いようとする場合、その能力のその部分は何もしない。
例:《万物の声》が戦場に出て、《不定の多相の戦士》がそれをコピーしている。《万物の声》は「《万物の声》が戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。」と「《万物の声》は、選んだ色に対するプロテクションを持つ」という能力を持つ。《不定の多相の戦士》は《万物の声》として戦場に出ることはなく、従って色を選択する機会がないので、《不定の多相の戦士》のプロテクション 能力はまったく意味をなさない。
例:《Vesuvan Doppelganger》が《万物の声》のコピーとして戦場に出る時、《Vesuvan Doppelganger》のコントローラーが青を選択し、後で、《Vesuvan Doppelganger》が「{T}:あなたのマナ・プールに、選んだ色のマナ1点を加える」という能力を持つ《クウィリーオン・エルフ》のコピーとなったとする。《Vesuvan Doppelganger》の能力で色は選択されているが、それはマナ能力とは関連していない能力による選択である。マナ能力を起動したとしても、マナは出されない。
706.8. 両面カードをコピーする場合、その時点で表になっている側の面のコピー可能な値だけをコピーする(rule 711〔両面カード〕参照)。
706.9. コピー 効果の中には、コピーすることに修正を加えたり例外を設けたりするものがある。
706.9a コピー 効果の中には、コピー中にコピーに能力を与えるものがある。この能力は、コピーされたものと同じように、コピーのコピー可能な値として扱われる。
例:《クウィリーオン・エルフ》が戦場に出て、《不定の多相の戦士》がそれをコピーした。《不定の多相の戦士》のコピー可能な値は、《不定の多相の戦士》が「クリーチャーが戦場に出るたび、《不定の多相の戦士》はそのクリーチャーのコピーとなり、この能力を得る」という能力を持っていることを除いて、《クウィリーオン・エルフ》と同じになる。その後で、《クローン》が《不定の多相の戦士》のコピーとして戦場に出た場合、《クローン》は《不定の多相の戦士》が《クウィリーオン・エルフ》をコピーしている途中で自分自身に与えた能力も含む、新しいコピー可能な値をコピーする。
706.9b コピー 効果の中には、ある特性をコピーしない、と書かれたものがある。この場合、その本来の値が保持される。それらの効果には「ただし、[特性]は[特性値]のままである/except its [特性] is still [特性値]」または「[特性値]のままであることを除いて/except it's still [特性値]」といった表記、あるいは単にある特性はコピーしないという記述が含まれる。
706.9c コピー 効果の中には、コピーの一部として特性を修整するものがある。その特性の最終的な値が、そのコピーの持つコピー可能な値となる。
例:「Copy Artifactを戦場にあるいずれかのアーティファクトのコピーとして戦場に出してもよい。ただし、それは他のタイプに加えてエンチャントである」というエンチャント、《Copy Artifact》が《巨大戦車》のコピーとして戦場に出るとする。その場合、その《Copy Artifact》のコピー可能な値は《巨大戦車》のものとなるが、ただしタイプはアーティファクトでもクリーチャーでもエンチャントでもある。
706.9d 特定の特性をコピーしない、あるいは特定の特性の元の値を保持する、あるいは特定の特性の最終の値を修整する、コピー 効果を適用する場合、その特性を定義する、コピーされるオブジェクトの特性定義能力(rule 604.3 参照)はコピーされない。その特性が色の場合、そのオブジェクトの色指標(rule 204 参照)もコピーされない。
例:《水銀のガルガンチュアン》は「あなたは「水銀のガルガンチュアンは7/7のままであることを除いて、戦場に出ているいずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出る。」を選んでもよい。」というクリーチャーである。《水銀のガルガンチュアン》が、パワーとタフネスを定義する特性定義能力を持つ《タルモゴイフ》のコピーとして戦場に出る 場合、《水銀のガルガンチュアン》はその能力を持たず、7/7として戦場に出る。
706.10. 呪文や起動型能力をコピーするとは、その呪文や能力のコピーをスタックに積む、ということを意味する。呪文のコピーは唱えられず、能力のコピーは起動されされない。呪文や能力の特性のコピーに加えて、例えばモード、対象、Xの値、追加コストや代替コストの支払いなど、呪文や能力のためになされた全ての選択がコピーされる。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。解決時に通常行われる選択はコピーされない。コピーの効果がコストを支払うために用いたオブジェクトを参照する場合、コピーは元の呪文や能力のコストを支払うために用いたオブジェクトを用いる。呪文のコピーのオーナーもコントローラーも、そのコピーをコントロール下でスタックに置いたプレイヤーである。それを表すカードは存在しないが、呪文のコピーは呪文である。能力のコピーは能力である。
例:あるプレイヤーが、「以下の3つから1つを選ぶ。『パーマネント1つを対象とする。それをアンタップする』『オーラでないエンチャント1つを対象とする。それを破壊する』『クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を失う』」というインスタント《エメラルドの魔除け》を対象に「インスタント 呪文1つかソーサリー 呪文1つを対象とする。それのコピーをスタックに置く。ただし、そのコピーは赤である。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」というインスタント《Fork》を唱えた。《Fork》の解決時に、《エメラルドの魔除け》のコピーがスタックに積まれる。このコピーは緑ではなく赤である。また、このコピーは元の《エメラルドの魔除け》と同じモードを持つ。対象が同じである必要はないが、これは《Fork》がそう認めているからである。
例:《投げ飛ばし》は、「《投げ飛ばし》を唱える 追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。」と「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《投げ飛ばし》はそれに生け贄に捧げたクリーチャーのパワーと同じ値のダメージを与える。」という効果を持つインスタントである。《投げ飛ばし》のコピーが与える ダメージを決めるに際しては、元の《投げ飛ばし》で生け贄に捧げたクリーチャーのパワーを参照する。
706.10a 呪文のコピーがスタック以外の領域にある場合、それは消滅する。また、カードのコピーがスタックや戦場以外の領域にある場合、それは消滅する。これらは状況起因処理である。rule 704 参照。
706.10b 能力のコピーは、元になった能力と同じ発生源を持つ。能力が発生源をカード名で指している場合、そのコピーはそのオブジェクトだけを参照し、同名の別のオブジェクトは参照しない。コピーは、その能力がこのターンに何度解決されたかを数える効果において、同一の能力として考えられる。
706.10c 呪文をコピーし、そのコントローラーが新しい対象を選んでもよいとなっている効果では、そのプレイヤーは対象のうちで任意の数のものを、仮にそれが不正だとしても、そのままにしておいてもよい。対象の一部あるいは全部を変更する場合、その新しい対象は適正でなければならない。プレイヤーがコピーの取る対象を選びおわったら、そのコピーはそれらを対象としてスタックに積まれる。
706.11. ある効果がパーマネントをカード名で参照する場合、他のものをコピーしていたりカード名が変わっていたりしても、その効果はそのパーマネントを追い続ける。
例:《不定の多相の戦士》が《狂ったアーモドン》をコピーしている。《狂ったアーモドン》は「{G}:《狂ったアーモドン》は、ターン終了時まで、+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを得る。ターン終了時に《狂ったアーモドン》を破壊する。この能力は1ターンに1回だけしか起動できない」という能力を持っている。この起動型能力を起動した後、ターン終了時までに他のもののコピーになっていたとしても、ターン終了時にこの《不定の多相の戦士》は破壊される。
706.12. プレイヤーに、(単に呪文をコピーするのではなく)オブジェクトの「コピーを唱え/cast a copy」させる効果は、そのコピーがそのオブジェクトのある領域に生成され、そして呪文や能力の解決中にそのコピーが唱えられることを除いて、呪文を唱えることに関するルールに従う。オブジェクトのコピーは、rule 601〔呪文を唱えること〕の、rule 601.2a から rule 601.2g の手順に従って唱えられる。唱えられた後は、コピーはスタック上の呪文となり、他の呪文と同じように解決したり打ち消されたりする。
707.1. カード2種類(《幻影の仮面》、《イクシドロン》)または変異 能力(rule 702.35 参照)によって、呪文やパーマネントは裏向きになることがある。
707.2. スタック上にある裏向きの呪文や裏向きで戦場に出ているパーマネントは、そのカード、呪文やパーマネントを裏向きにさせた能力やルールによって規定されている以外の特性を持たない。規定されている特性は、そのオブジェクトのコピー可能な値となる。rule 613〔継続的効果の相互作用〕、rule 706〔オブジェクトのコピー〕参照。
707.2a 表向きのパーマネントが呪文や能力によって裏向きになった場合、それは裏向きで2/2の、文章やカード名やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たないクリーチャーになる。これらの特性はコピー可能な値となる。
707.3. 裏向きに戦場に出る オブジェクトは、それが戦場に出るよりも前に裏向きになるので、そのパーマネントの戦場に出るときの能力は(それが誘発型能力の場合)誘発しないし、(常在型能力の場合)効果を発揮しない。
707.4. 裏向きで唱えられるオブジェクトは、スタックに積まれるよりも前に裏向きになるので、その呪文の特性を見る効果はその裏向きの呪文の特性だけを見ることになる。(そのカードの表向きの時の特性ではなく)それらの特性を持つオブジェクトを唱えることに適用される効果や禁止は、このオブジェクトを唱える際に適用される。その呪文が解決されてなるパーマネントは、裏向きである。
707.5. スタックにある裏向きの呪文、戦場にある(フェイズ・アウトしているものも含む)裏向きのパーマネントのコントローラーは、それらの表をいつでも見ることができる。他の領域にある裏向きのカードや、他のプレイヤーがコントロールしている呪文やパーマネントの表を見ることは、できない。
707.6. スタック上で複数の裏向きの呪文をコントロールしていたり、戦場にある複数の裏向きのパーマネントをコントロールしたりしている場合、常にそれぞれの裏向きの呪文やパーマネントの区別が付くようにしなければならない。これには、呪文を唱えた順番、裏向きのパーマネントが戦場に出た順番、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したか、その他それぞれの裏向きの呪文やパーマネントの相違点などが含まれる。裏向きのオブジェクトを区別する無難な方法としては、カウンターやダイスを使ったり、パーマネントが戦場に出た順番にしたがって並べたりするなどの方法がある。
707.7. パーマネントを裏向きにする能力やルールによっては、表向きにすることが認められている場合がある。通常、裏向きの呪文を表向きにすることはできない。
707.8. 裏向きのパーマネントが表向きになるに際して、そのパーマネントのコピー可能な値は通常のコピー可能な値に戻る。裏向きのパーマネントに影響を与えていた効果は、そのまま表向きのパーマネントにも影響を与える。パーマネントが表向きになったときには、そのパーマネントが戦場に出たときに誘発する能力は誘発されない。なぜなら、そのパーマネントはすでに戦場に出ていたからである。
707.9. 裏向きで戦場にあるパーマネントが他の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。裏向きの呪文がスタックから戦場以外の領域に移動した場合、オーナーはすべてのプレイヤーに公開しなければならない。各ゲームの終了時には、すべての裏向きのパーマネントや呪文をすべてのプレイヤーに公開しなければならない。
707.10. 裏向きのパーマネントが他のパーマネントのコピーとなる場合、そのコピー可能な値は、コピーするパーマネントのコピー可能な値となり、それに裏向きの位相であることによる変更が加えられる。従ってその特性値は、裏向きにできるようにした能力やルールによって定められている、元の特性値と同じになる。ただし、表向きになった場合には、そのコピー可能な値は、コピーされている値となる。rule 706.3 参照。
707.11. 裏向きのパーマネントが「[このパーマネント]が表向きになるに際し〜/As [this permanent] is turned face up ...」という能力を持つことになる場合、その能力はそのパーマネントが表向きになる間に適用される。表になったあとで適用されるわけではない。
708.1. 分割カードでは、一枚のカードに2組の表が存在する。分割カードの裏は、通常のマジックのカードと同じ裏になっている。
708.2. スタック以外の領域にあるときは、分割カードは二組の特性と2つの点数で見たマナ・コストを持つ。呪文がスタックにあるときは、唱えられている側の特性だけが存在し、他方の特性は存在しないものとして扱われる。
708.2a プレイヤーが分割カードを唱える 場合、そのプレイヤーはその分割カードをスタックに置く前にどちらかの半分を選ぶ。唱えられている半分だけがスタックに置かれるものとして扱う。唱えることができるかどうかを判断する際には、その半分だけが考慮される。
708.3. それぞれの半分ごとに異なる色のマナ・シンボルをマナ・コストに含む分割カードは、スタックにあるときを除いては多色として扱われる。呪文がスタックにあるときは、その唱えられている側の色だけが存在する。
708.4. 分割カードには2つの唱えられる半分が存在するが、分割カードも1枚のカードである。例えば、分割カードを引いたり捨てたりする場合、それは2枚ではなく1枚として扱われる。
708.5. スタック以外の領域にある分割カードについて、ある特定の特性を用いる効果は、分割カードのそれぞれの半分が持つ特性2つを答えとして得る。
例:《冥府からの誕生》は「各プレイヤーのアップキープの開始時、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。そのあと、そのプレイヤーは1/1の黒のミニオン・クリーチャー・トークンをX個戦場に出す。Xはそのカードの点数で見たマナ・コストである」という能力を持つ。この能力の解決時にライブラリーの一番上にあるカードが《暴行+殴打》であった場合、その点数で見たマナ・コストは「1と4」なので、5体の1/1クリーチャー・トークンを得る。
708.6. 効果によって、スタック以外の領域にある分割カードの特性を含む比較が行なわれることがある。
708.6a スタック以外のいずれかの領域にある分割カードの特性がある値と同じかどうか(カードが赤かどうかなど)、あるいは特性とある値を比較してどうか(点数で見たマナ・コストが2より小さいかどうかなど)を問う効果は、一つだけの答えを得る。この答えは、いずれかの分割カードのどちらかの側について「はい」になるならば「はい」になる。
708.6b スタック以外のいずれかの領域にある分割カードの特性がある値と異なるかどうか(2枚のカードが異なるカード名を持つかどうかなど)を問う効果も、一つだけの答えを得る。この答えは、対応する「同じかどうか」の問いに対して「いいえ」になる場合に「はい」になる。
708.6c 複数の特性を含む比較を、スタック以外の領域にある分割カードについて行なう場合、それぞれの特性は個別に比較される。それらの比較が全て「はい」になる場合、全体の比較も「はい」になる。
例:「プレイヤー1人を対象とする。数を1つ選ぶ。その数と等しい値の点数で見たマナ・コストを持つアーティファクトとクリーチャーをすべて破壊する。そのあと、そのプレイヤーはその手札を見せ、その中の土地でないカードのうち、点数で見たマナ・コストがその数と等しい値のカードをすべて捨てる」という《虚空》を唱えたプレイヤーが数として1を指定した場合、《暴行+殴打》の点数で見たマナ・コストは「1と4」なので、対戦相手は《暴行+殴打》を捨てることになる。4を指定した場合にも同じである。5を指定した場合には、《暴行+殴打》の点数で見たマナ・コストは5ではないので、影響を受けない。
708.7. 何らかの効果によってプレイヤーがカード名を指定する際、分割カードを指定しようとするなら、そのプレイヤーは分割カードの持つ2つのカード名を両方とも指定しなければならない。このようにして選択されたカード名のうち少なくとも1つのカード名を持っている場合、そのオブジェクトはそのカード名を持っているものとする。
709.1. 反転カードには、1枚のカードに二つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれている文章は、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの夜の面は、通常のマジックのカードである。
709.1a 反転カードの上半分には、そのカードの通常のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。文章欄には通常、特定の条件が満たされた時点でそのパーマネントを「反転/flip」する能力が書かれている。
709.1b 反転カードの下半分には、代替のカード名と文章欄、タイプ行、パワーとタフネスが書かれている。これらの特性は、そのパーマネントが戦場にあって、なおかつそのパーマネントが反転している場合にのみ使用される。
709.1c 反転カードの色、マナ・コスト、エキスパンション・シンボル、アーティスト名、権利表記などは、パーマネントが反転されても変わらない。また、外部の効果による変更もそのまま適用される。
709.2. 戦場以外の全ての領域、および戦場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのカードの通常の特性を持つ。戦場にある反転パーマネントが反転したら、その反転パーマネントの通常のカード名、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。
例:《悪忌の溶岩走り》は、反転すると伝説の クリーチャーである《溶岩生まれのトクトク》になる、伝説でないクリーチャーである。「あなたのライブラリーから伝説の カードを1枚探す」という効果はこのカードを探して来ることはできない。「伝説の クリーチャーは+2/+2の修整を受ける」という効果は、戦場に出ているこのカードが反転状態である(《悪忌の溶岩走り》でなく《溶岩生まれのトクトク》である)ときのみ効果を及ぼす。
709.3. あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。
709.4. パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態になったら、それを再び反転していない状態に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが戦場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。rule 110.6 参照。
709.5. プレイヤーが何らかの効果のためにカード名を必要とする場合、そのプレイヤーは望むならそのカードの反転状態でのカード名を宣言することができる。
710.1. 各Lv系カードは、横方向に分割された文章欄と3つのパワー/タフネス枠を持つ。Lv系カードの文章欄は、2つのLvシンボルを含んでいる。
710.2. Lvシンボルは、常在型能力を表すキーワード能力である。Lvシンボルは数の範囲(「N1-N2」など)か、あるいは数字1つとプラス記号(「N3+」など)を含む。Lvシンボルと同じ横縞に書かれている能力は、その常在型能力の一部である。その横縞に書かれているパワー/タフネスの書かれた箱も同じである。
710.2a 「{Lv N1-N2} [能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN1個以上のLvカウンターを持ち、N2個より多いLvカウンターを持たない場合、これは[P/T]であるとともに[能力]を持つ。」を意味する。
710.2b 「{Lv N3+}[能力] [P/T]」は、「このクリーチャーがN3個以上のLvカウンターを持つ場合、これは[P/T]であるとともに[能力]を持つ。」を意味する。
710.3. 横方向に分割された文章欄は、どのLvシンボルと能力やパワー/タフネスが対応しているかを明確にする以外に、ゲーム上の意味はない。Lv系カードの文章欄自体は1つである。
710.4. Lv系カードの各能力のうち、Lvシンボルが前に無い部分の能力は、通常通り扱う。特に、各Lv系パーマネントは常にLvアップ 能力(702.84参照)を持つ。これは、そのパーマネントにLvカウンターがいくつ乗っていても起動できる。
710.5. Lv系クリーチャーの上のLvカウンターの数がN1({Lv N1-N2}シンボルに記載されている最初の数)未満である場合、そのパワーとタフネスは最も上のパワー/タフネス枠で規定される。
710.6. 戦場以外の各領域では、Lv系カードは最も上のパワー/タフネス枠で規定されるパワーとタフネスを持つ。
711.1. 両面カードとは、カードの一方にマジックのカードの表面、もう一方にマジックのカードの裏面があるのではなく、両方にマジックのカードの表面があるカードである。各面は、そのパーマネントを「変身させる」、あるいは一方からもう一方の面に変える能力を持つことがある。トークンや、マジックの裏面を持つカードは変身させられない(rule 701.25〔変身する〕参照)。
711.1a 両面カードの昼の面は、左上に太陽のシンボルがあることで識別される。
711.1b 両面カードの夜の面は、左上に月のシンボルがあることで識別される。
711.1c 両面カードが公開領域にある間、各プレイヤーは両方の面を見ることができる。それ以外の領域にある場合、両面カードを見ることができるプレイヤーは両方の面を見ることができる。
711.1d 両面カードの夜の面がクリーチャーである場合、そのカードの昼の面には、その夜の面のパワーとタフネスが、パワー/タフネス欄の上に斜体灰色の文字で書かれている。これは注釈文であり、ゲーム上は効果を持たない。
711.2. 両面カードの各面はそれぞれに独立した一連の特性を持つ。
711.2a 戦場以外のあらゆる領域において、および戦場において昼の面が表になっている場合において、両面カードは昼の面の特性のみを持つ。
711.2b 両面パーマネントの夜の面が表になっている場合、それは夜の面の特性のみを持つ。夜の面にはマナ・コストが無い。それは色指標(rule 202.2e 参照)が存在するならその色を持つ。
711.3. それが変身できるかどうかを決定する場合を除き、呪文、能力、効果、あるいはルールが両面パーマネントの情報を必要とする場合、それは現在表になっている面が与える情報のみを見る。
例:《クローン》が戦場の《野生の血の群れ》(両面カードの夜の面)をコピーした状態で戦場に出る。その《クローン》は《野生の血の群れ》のコピーとなる。《クローン》自身は両面カードではないため、それは変身できない。
例:プレイヤーが《細胞形成》をプレイし、《クルーインの無法者》(両面カードの昼の面)をターン終了時まで《先兵の精鋭》(2/1の人間・兵士クリーチャー)のコピーにした。その後、そのプレイヤーは「すべての人間を変身させる。」という効果を持つ《月霧》を唱えた。《先兵の精鋭》のコピーは両面カードであるため、それは変身する。その結果、そのパーマネントは夜の面が表になるが、そのターンの間は《先兵の精鋭》のコピーのままである。
711.4. 両面カードを呪文として唱える 場合、それはその昼の面を表にしてスタックに置かれる。両面カードは裏向きに唱えられない。rule 601〔呪文を唱えること〕参照。
711.5. 両面カードは、それを戦場に出した呪文や能力に「変身した状態で」と書かれていない限り、昼の面を表にして戦場に出る。そう書かれていた場合、夜の面を表にして戦場に出る。
711.6. 両面パーマネントは、つねに「表向き」(rule 110.6 参照)の位相を持つ。両面パーマネントは裏向きにできない。呪文や能力により両面パーマネントが裏向きになろうとする場合、何も起こらない。
711.7. 両面パーマネントが変身する場合、それは新しいオブジェクトになるわけではない。そのパーマネントに適用される効果は、それが変身した後も適用され続ける。
例:《村の鉄鍛冶》(両面カードの表面)がターン終了時まで+2/+2の修整を受ける効果を受けていて、その後に《村の鉄鍛冶》は《鉄牙》へと変身した。《鉄牙》はターン終了時まで+2/+2の修整を受け続ける。
711.8. 何らかの効果によりプレイヤーがカード名を1つ指定する場合、そのプレイヤーは両面カードのいずれか一方の面のカード名を指定できるが、両方は指定できない。
711.9. プレイヤーは、両面カードが非公開領域にある場合に、それが同じ領域にある他のカードと区別が付かない状態にしなければならない。そのために、両面カードのオーナーは完全に不透明なスリーブを用いるか、チェックリスト・カードで置換しなければならない。イベントにおいては、両面カードを使うための追加ルールが適用される。rule 100.6 参照。
711.9a チェックリスト・カードが使用される場合、それが表わす両面カードは、ゲームの開始(rule 103.1a 参照)前に脇に置かれ、ゲーム中に使用可能な状態でなければならない。チェックリスト・カードは、それが両面カードを表わすのでないかぎり、デッキに入れられない。
711.9b チェックリスト・カードの表は、いくつかの項目に分かれている。各項目には、そのチェックリストカードが表わしうる両面カードのカード名とマナ・コストと、チェック欄が書かれている。チェックリスト・カードを使う場合、そのチェック欄のうち1個だけに印をつけ、そのチェックリスト・カードがどの両面カードを表しているのかを示す。
711.9c すべてのゲームの状況において、チェックリスト・カードはそれが表す両面カードであるとみなされる。それはあらゆる領域において、その両面カードの特性を有する。
711.9d チェックリストカードが公開領域に入った場合、そのチェックリスト・カードは脇に置かれ、代わりにその両面カードを使用する。チェックリスト・カードが裏向きで追放された場合、そのカードが何であるかを隠すために裏向きのチェックリスト・カードを用いる。
712.1. あるカード(《精神隷属器》《ソリン・マルコフ》)は、あるプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーを他のプレイヤーによってコントロールさせる。この効果は、その影響を受けるプレイヤーが次に実際に得るターンに影響を及ぼす。そのターンの間ずっとそのプレイヤーはコントロールされ、この効果は次のターンが始まるまで終わらない。
712.1a 複数のプレイヤー・コントロール 効果が同じプレイヤーに影響を及ぼす場合、お互いに上書きされる。最後に発生したものだけが有効になる。
712.1b ターンが飛ばされた場合、プレイヤー・コントロール 効果は次にそのプレイヤーが実際にターンを得るときまで待つ。
712.2. あるカード(《Word of Command》)は、あるプレイヤーを一定期間だけ他のプレイヤーによってコントロールさせる。
712.3. プレイヤーのコントロールだけが変わり、オブジェクトのコントローラーは変わらない。コントロールされているプレイヤーは、それでも自分のターンの間はアクティブ・プレイヤーである。
712.4. コントロールされているプレイヤーが何らかのオブジェクトの情報を見ることができる場合、それはそのプレイヤーとそのプレイヤーのコントローラーの両方が見ることができる。
例:あるプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーの手札や、そのプレイヤーがコントロールしている裏向き クリーチャーの表面を見ることができる。
712.5. 他のプレイヤーをコントロールしている間、そのプレイヤーは、コントロールされているプレイヤーに認められている、あるいは何らかのルールやオブジェクトによりしなければならないすべての選択や決定を行う。これには、何をプレイする(起動する、唱える)かの選択や、呪文や能力に関する選択や決定を含む。
例:プレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーがどの呪文を唱えるか、何を呪文の対象とするかを決めることができ、呪文の解決時に必要な決定も行なう。
例:プレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーがどのクリーチャーで攻撃するか、それらのクリーチャーがどのプレイヤーあるいはプレインズウォーカーを攻撃するか、(複数のクリーチャーによってブロックされている場合)そのダメージ割り振り順、そして戦闘ダメージをどう割り振るかを決定する。
712.5a 他のプレイヤーのコントローラーがそのプレイヤーのためにコストを支払う 場合、そのプレイヤーの物(カード、マナ等)のみを使用できる。
例:プレイヤーのコントローラーが、そのプレイヤーに追加コストとしてカードを捨てる 呪文を唱えさせることにした場合、そのカードはそのプレイヤーの手札から捨てる。
712.5b 他のプレイヤーのコントローラーは、ルールやオブジェクトによって必要とされていない選択や決定を行えない。また、コントローラーはイベント規定によって必要とされている選択や決定を行えない。
例:お手洗いに行くこと、カードを誰かとトレードすること、他のプレイヤーとトレードをすること、合意による引き分けを行うこと、ミスや違反でジャッジを呼ぶこと等に関しての選択を行なうのは、コントロールされていてもプレイヤー自身である。
712.6. 他のプレイヤーのコントローラーは、そのプレイヤーを投了させられない。プレイヤーは、他のプレイヤーにコントロールされていても、いつでもゲームを投了することができる。rule 104.3a 参照。
712.7. プレイヤーのコントロールを他のプレイヤーに与える 効果は、コントロールされているプレイヤーの行動を制限し、あるいはコントロールされているプレイヤーに何らかの行動を強制することがある。
712.8. 他のプレイヤーをコントロールしているプレイヤーは、自分自身に関する選択や決定も行える。
712.9. プレイヤーは自分のコントロールを得ることもできる。そのプレイヤーは通常通り自分の決定や選択を行なう。
713.1. あるカード(《時間停止》《無限の日時計》)は、ターンを終了する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは手順が異なる。
713.1a 解決中のオブジェクトも含む、スタック上のすべてのオブジェクトを追放する。クリーチャーやプレインズウォーカー(フェイズ・アウトしているものも含む)を戦闘から取り除く。カードによって表現されていないオブジェクトが戦場や統率 領域以外の領域にある場合、それは次の状況起因処理のチェック時(rule 704〔状況起因処理〕参照)に消滅する。
713.1b 状況起因処理をチェックする。いずれのプレイヤーも優先権を得ることはなく、誘発型能力もスタックに積まれない。
713.1c 現在のフェイズ/ステップが終了する。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行する。現在のステップとクリンナップ・ステップの間のすべてのステップをとばす。
713.2. この手順中はどのプレイヤーも優先権を得ない。したがって、誘発型能力はスタックに積まれない。この呪文や能力の解決からクリンナップ・ステップの終りまでに誘発型能力が誘発した場合、クリンナップ・ステップの間にアクティブ・プレイヤーが優先権を得、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。その後、ターンの最終的な終了の前にもう一度クリンナップ・ステップが発生する。誘発型能力が誘発していなければ、プレイヤーはクリンナップ・ステップには優先権を得ない。rule 514 参照。
713.3. ターンは終了するが、"終了ステップの開始時に"の誘発型能力は誘発しない。ターン終了ステップはとばされているからである。
714.1. あるカード(《解放された者、カーン》)によって、ゲームを再び開始することがある。ゲームを再び開始する 場合、そのゲームは即座に終了し、そのゲームのどのプレイヤーも勝ったり負けたり引き分けになったりすることはない。そのゲームが終わった時点でゲームに残っているプレイヤーは、以下の例外を除いて rule 103〔ゲームの始め方〕の手順に従って新しいゲームを始める。
714.2. 再び開始するために終了したゲームに、ゲームが終了した時点で存在した、フェイズ・アウト状態のパーマネントや定形外のマジックのカードも含む全てのマジックのカードは、その終了したゲームの開始時に存在しなかったとしても、新しいゲームに存在する。新しいゲームにおけるオーナーは、新しいゲームが始まる時点でそのカードがどこにあっても元のオーナーから変わることはない。
例:プレイヤーが《生ける願い》を唱え、ゲームの外部からクリーチャー・カードをゲームに持ち込んだとする。そのクリーチャー・カードは、新しいゲームが始まる時点でそのプレイヤーのライブラリーの一部になる。
714.3. 新しいゲームの開始時に各プレイヤーが7枚のカードを引くので、ライブラリーに7枚未満のカードしかないプレイヤーは、マリガンをしたかどうかにかかわらず、最初のターンのアップキープ・ステップの間、状況起因処理がチェックされる時点でゲームに負けることになる(rule 704〔状況起因処理〕参照)。
714.4. ゲームを再び開始する 効果は、最初のターンのアンタップ・ステップの直前に解決が終わる。その効果を作った呪文や能力に追加の指示がある場合、それらの効果はその時点で実行される。どちらのプレイヤーも優先権を持たず、結果として誘発した誘発型能力は次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時、大抵は最初のターンのアップキープ・ステップの間にスタックに積まれる。
714.5. 効果によって、一部のカードがゲームを再び開始する手順から除外されることがある。それらのカードは、新しいゲームが始まる時点でオーナーのデッキには入らない。
714.5a 統率者戦では、統率者がゲームを再び開始する手順から除外されている場合、その統率者が統率 領域に存在する状態で新しいゲームを開始するわけではない。しかしながら、それは新しいゲームでもそのデッキの統率者であり続ける。rule 903〔統率者戦〕参照。
714.6. マジックのサブゲーム(rule 715 参照)が再び開始される場合、メインゲームは影響を受けない。サブゲームの勝者や敗者を参照するメインゲームの効果は、その、再び開始されたサブゲームの勝者や敗者を参照する。
714.7. 影響範囲限定 選択ルール(rule 801 参照)を用いた多人数戦が再び開始された場合、ゲームを再び開始する 能力をコントロールしているプレイヤーの影響範囲内外のいずれであるかに関係なく、そのゲームに参加している全てのプレイヤーが影響を受ける。
715.1. あるカード(《Shahrazad》)によって、プレイヤーはマジックのサブゲームをプレイする。
715.1a 「サブゲーム/subgame」は、カードの効果によって作られたゲームのことを指し、ゲーム内の別のゲームである。「メインゲーム/main game」とは、そのサブゲームを作った呪文を唱えたり、能力を起動したりしたゲームのことを指す。サブゲームの進行中は、メインゲームは一時的に中断される。サブゲームが終わった後で、メインゲームが再開される。
715.1b メインゲームあるいはサブゲームで生成された効果や定義は、サブゲームを生成する効果によって定義されているものを除いて、他方のゲームにおいては一切意味をもたない。たとえば、メインゲームにおいてサブゲームの勝者あるいは敗者に何らかの効果をもたらすことが効果に含まれていることがある。
715.2. サブゲームの開始に際して、既存の領域と別の新しい領域が一揃い生成される。各プレイヤーはメインゲームのライブラリーのカードを全てサブゲームのライブラリーに移動させ、切り直す。メインゲームのそれ以外の領域にあるカードは、rule 715.2a-d の例外を除き、サブゲームの対応する領域に移動することはない。どちらのプレイヤーが先攻かを無作為に決定し、サブゲームを通常のゲームと同様にrule 103〔ゲームの始め方〕に従って行なう。
715.2a プレインチェイス戦のサブゲームの開始に際して、各プレイヤーは自分の次元デッキをメインゲームの統率 領域からサブゲームの統率 領域に動かし、切り直す(表向きの次元 カードや現象 カードはメインゲームの統率 領域に残る)。
715.2b ヴァンガード戦の ヴァンガード戦のサブゲームの開始に際して、各プレイヤーは自分のは自分のヴァンガード・カードをメインゲームの統率 領域からサブゲームの統率 領域に動かす。
715.2c 統率者戦のサブゲームの開始に際して、各プレイヤーは(統率 領域にあれば)自分の統率者をメインゲームの統率 領域からサブゲームの統率 領域に動かす。
715.2d アーチエネミー戦のサブゲームの開始に際して、魔王は自分の計略 デッキを、メインゲームの統率 領域からサブゲームの統率 領域に動かし、切り直す。(表向きの計略 カードはメインゲームの統率 領域に残る。)
715.3. ゲーム開始時に各プレイヤーは手札を7枚引くので、デッキの枚数が7枚未満になっている場合、最初のターンのアップキープ・ステップの間に、状況起因処理のチェックが行なわれる時点で敗北することになる。その後でマリガンをして手札を減らしても関係ない。rule 704〔状況起因処理〕参照。
715.4. メインゲームにある全てのオブジェクトならびにメインゲームの外部にある全てのカードは、(特別にサブゲームに持ち込まれない限り)サブゲームの外部にあるものとして扱う。サブゲームに関係していないプレイヤーは、サブゲームの外部にあるものとして扱う。
715.4a カードを外部からゲーム内に持ち込むことができる効果が存在する。メインゲームからサブゲームにカードが持ち込まれた場合、メインゲームにおいて、そのオブジェクトが領域を離れたことによる誘発型能力がある場合にはそれは誘発するが、メインゲームが再開されるまでスタックに積まれることはない。
715.5. サブゲームの終了時に、自身がオーナーであるカードでサブゲームの統率 領域以外の領域に残っているものをメインゲームのライブラリーに戻して切り直す。これには、サブゲームの追放 領域にあるカードも含む。rule 715.5a-c の例外を除き、サブゲームにある他のオブジェクトならびに全ての領域は消滅する。メインゲームは、中断されたところから再開する。まず、サブゲームを生成した呪文や能力が解決される。その呪文 カードが既にスタックに存在しなくなっていてもこの処理は行なう。次に、サブゲームの間にメインゲームのカードを取り除くことによって誘発したメインゲームの能力がある場合、それらがスタックに積まれる。
例:カードがメインゲームやメインゲームの外部からサブゲームに持ち込まれた場合、サブゲームの終了時にそのカードはメインゲームのオーナーのライブラリーに入ることになる。
715.5a プレインチェイス戦のサブゲームの終了に際して、表向きの次元 カードや現象 カードを裏向きにし、オーナーの次元デッキの一番下に置く。その後、各プレイヤーは自分の次元デッキをサブゲームの統率 領域からメインゲームの統率 領域に動かし、切り直す。
715.5b ヴァンガード戦の ヴァンガード戦のサブゲームの終了に際して、各プレイヤーは自分のは自分のヴァンガード・カードをサブゲームの統率 領域からメインゲームの統率 領域に動かす。
715.5c 統率者戦のサブゲームの終了に際して、各プレイヤーは(統率 領域にあれば)自分の統率者をサブゲームの統率 領域からメインゲームの統率 領域に動かす。
715.5d アーチエネミー戦のサブゲームの終了時に、サブゲームの統率 領域に存在する表向きの計略 カードを裏向きにし、オーナーの計略 デッキの一番下に戻す。その後、魔王は自分の計略 デッキをサブゲームの統率 領域からメインゲームの統率 領域に動かし、切り直す。
715.6. サブゲームがサブゲーム中に生成されることもありうる。この場合、新しいサブゲームから見ると、現在のサブゲームはメインゲームということになる。
716.1. ゲームをプレイするとき、プレイヤーはゲーム上行なうすべての選択(何らかの処理を行なうか優先権をパスするかの宣言など)を厳密に示すのではなく、双方が理解できる省略を行なうものである。
716.1a 行動の省略に関するルールには、大きな裁量の範囲が存在する。ゲームの各プレイヤーが相手の意図を理解できるのであれば、その省略を使うことに問題はない。
716.1b ゲームが、ある一連の処理を何回でも繰り返せる状態になる(「ループ」を作る)ことがある。この場合、省略ルールを用いてその行動を何回繰り返すか、そしてどうループを終えるかを宣言することができる。
716.2a ゲームのいずれかの時点で、優先権を持つプレイヤーは一連の行動を説明し、すべてのプレイヤーに対して省略を提案してもよい。その行動は現在のゲームの状態に基づいて適正であり、結果が明白でなければならない。この手順は繰り返しのない一連の行動であっても良いし、特定の回数繰り返されるループであっても良いし、複数のループや入れ子になっているループが含まれていても良いし、複数のターンに跨がっていても良い。ただし、ゲームのイベントの結果によって次の行動が変わるような条件付きの処理は含まれていてはならない。この一連の行動の終点は、いずれかのプレイヤーが優先権を得るところでなければならないが、それはショートカットを提案したプレイヤーでなくてもよい。
例:あるプレイヤーが、「{T}: 1/1の緑のエルフ・戦士・クリーチャー・トークンを戦場に出す。」という能力をクリーチャーに与える《ゴンドの存在》にエンチャントされているクリーチャーをコントロールしている。また、他のプレイヤーが「クリーチャー1体が戦場に出るたび、すべてのクリーチャーをアンタップする。」という能力を持つ《侵入警報》をコントロールしている。最初のプレイヤーが優先権を持っている時、「じゃあトークンを100万体出すよ」と、クリーチャーの能力を起動して−両プレイヤーがパスして−クリーチャーの能力を解決してトークンを戦場に出して(《侵入警報》の能力が誘発して)−《侵入警報》のコントローラーがその誘発型能力をスタックに置いて−両プレイヤーがパスして−《侵入警報》の誘発型能力が解決されて−両プレイヤーがパスして−最初のプレイヤーが優先権を得る、というループを提示し、これをあと999999回繰り返してから最後のトークン生成能力が解決されたところで終わる、と提案した。
716.2b 他のプレイヤーは、その省略を提案したプレイヤーの次からターン順にその手順を受け入れるか、あるいは途中で違う選択をすることによって行動を中断させるかを宣言する(どこで中断させるかはここで宣言するが、実際になにをするかを宣言する必要はない)。その中断されるところが、提案された一連の行動の新しい終点となる。
例:アクティブ・プレイヤーが自分のドロー・ステップにカードを1枚引き、「どうぞ」と宣言した。非アクティブ・プレイヤーは「クリーチャー1体を対象とする。そのクリーチャーは可能ならこのターン攻撃する」というインスタント《騒乱への突入》を持って、「あ、ちょっと待って。そっちの戦闘開始ステップに呪文を唱えたいんだけど」と答えた。この時点での提案されている省略は、戦闘開始ステップの間に非アクティブ・プレイヤーが優先権を得るまで双方のプレイヤーがパスし続けるということである。
716.2c 最後のプレイヤーが省略の提案を受け入れるか中断させるかを決めると、その省略は実行される。ゲームは最後の提案されている省略の終点まで進み、そこまでに提案されていた行動はそのままに行なわれる。最初の提案に比べて省略が短くなっていた場合、その時点で優先権を持っているプレイヤーは元の提案と違う選択をしなければならない。
716.3. 断片化したループというものがしばしば存在する。つまり、ループに関連している各プレイヤーがそれぞれに行動を取った結果、元と同じ局面が発生したという状況がありうる。その場合、アクティブ・プレイヤー(アクティブ・プレイヤーがループに関連していない場合、ループに関連している中でターン順で最初のプレイヤー)は違う選択をして、ループが続かないようにしなければならない。
例:2人対戦で、アクティブ・プレイヤーが「{0}:[クリーチャー名]は飛行を得る」という能力を持つクリーチャーをコントロールしており、非アクティブ・プレイヤーが「{0}:クリーチャー1体を対象とする。それは飛行を失う」という能力を持つパーマネントをコントロールしており、それらの能力を起動する回数を制約するものがないとする。アクティブ・プレイヤーがクリーチャーの能力を起動し、解決してから、非アクティブ・プレイヤーがそのパーマネントの能力でそのクリーチャーを対象にして解決されたとする。この時点で元の状態とゲームの局面がまったく同じになる。アクティブ・プレイヤーは違う選択をしなければならない(つまり、そのクリーチャーの能力を起動する以外の行動をしなければならない)。そのクリーチャーは飛行を持っていない。非アクティブ・プレイヤーは自分のパーマネントの能力を起動しないことでこの断片化したループを回避することができ、その場合はそのクリーチャーは飛行を持った状態になる。非アクティブ・プレイヤーが最後の決定権を持っているので、そのクリーチャーが飛行を持っているかどうかを決めることができる。
716.4. ループが選択的でない処理のみからなる場合、ゲームは引き分けになる。(rule 104.4b、rule 104.4f 参照。)
716.5. いずれのプレイヤーも、ループに含まれているオブジェクトが必要とする処理以外で、ループを終わらせることができる処理を行なう義務はない。
例:「《浄化の印章》を生贄に捧げる:アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する」というエンチャント《浄化の印章》をコントロールしているプレイヤーは、アーティファクトを含む選択的でないループが発生したとしても、その《浄化の印章》を生贄に捧げてループを終わらせる義務はない。
716.6. ループに「[B]しないかぎり[A]する/[A] unless [B]」という効果が含まれていて、その[A]や[B]がそれぞれ処理であった場合、どのプレイヤーも、ループを終えるために[B]の処理をする義務はない。誰も[B]の行動をしない場合、[A]が選択的でない行動であるかのようにループを続ける。
717.1. ある処理を開始した後で適正に処理できないということが解った場合、その処理は巻き戻され、すでに行われた支払いは取り消される。取り消される処理の結果として、能力が誘発したり効果が適用されたりすることはない。その処理が呪文を唱えることであった場合、呪文はそれがもとあった領域に戻る。プレイヤーは、不正なプレイを行なう間に起動した適正なマナ能力も、それまたはそれによる誘発型マナ能力によって生み出されたマナが、他の、取り消されないマナ能力に消費されたのでない限り、取り消すことができる。プレイヤーは、ライブラリーへのカードの移動、ライブラリーからスタック以外へのカードの移動、ライブラリーの切り直しを伴う行動を取り消すことはできない。
717.2. 不正な呪文や能力を取り消した時に、優先権を持っていたプレイヤーが再び優先権を得、そして改めて他の処理をするかパスすることができる。そのプレイヤーは取り消した行動を適正な方法でやり直すことも、あるいはルール上許される別の処理をすることもできる。
800.1. 多人数戦とは、3人以上のプレイヤーによって行なわれるゲームのことである。この章では、多人数戦で用いられる選択ルールを取り上げる。
800.2. これらのルールは多人数戦一般に選択できる選択ルールと、さまざまな変種ルールからなる。単一のゲームで複数の選択ルールを適用してもよいが、単一のゲームに適用できる変種ルールは1つだけである。
800.3. チーム戦のトーナメントでは、デッキ 構築などに関するさまざまな追加ルールがあるが、ここでは言及しない。現行のマジック・イベント規定(http://www.wizards.com/WPN/Events/Rules.aspx)を参照すること。
800.4. 2人対戦と異なり、多人数戦では1人もしくは複数のプレイヤーがゲームから除外されても続けることができる。
800.4a プレイヤーがゲームから除外されたら、そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクト(rule 109 参照)は全てゲームから除外され、そのプレイヤーにコントロールを与えている効果は終わり、スタックにあるそのプレイヤーがコントロールする呪文や能力は消滅する。その後、なおそのプレイヤーがコントロールしているオブジェクトがあったら、それらは追放される(このルールによって追放されたオブジェクトで、オーナーがそのプレイヤーでないものは、追放 領域に置かれる)。これは状況起因処理ではなく、プレイヤーがゲームから除外されたらすぐに発生する。優先権を持つプレイヤーがゲームから除外される場合、ゲームに残っている、ターン順で次のプレイヤーに優先権が移動する。
例:アレックスは「あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする」というオーラ《精神の制御》を、ビアンカの《突撃するグリフィン》に唱えた。アレックスがゲームから除外されたら、《精神の制御》もゲームから除外され、《突撃するグリフィン》はビアンカのコントロール下に戻る。逆に、ビアンカがゲームから除外されたら、《突撃するグリフィン》がゲームから除外され、《精神の制御》はアレックスの墓地に置かれる。
例:アレックスは「クリーチャー1体を対象とし、ターン終了時までそれのコントロールを得る」という効果を含む《反逆の行動》を、ビアンカの《ルーン爪の熊》を対象にして唱えた。アレックスがゲームから除外されると、《反逆の行動》のコントロール変更効果が終わり、《ルーン爪の熊》はビアンカのコントロール下に戻る。
例:アレックスは「対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す」という《袖の下》をビアンカを対象にして唱え、そのライブラリーから《セラの天使》を出した。ビアンカがゲームから除外されたら、《セラの天使》もゲームから除外される。アレックスがゲームから除外された場合、《セラの天使》は追放される。
例:アレックスは「トークンでないクリーチャーが1体戦場に出るたび、《起源室》がアンタップ状態なら、そのクリーチャーのコントローラーは1/1のマイア・アーティファクト・クリーチャー・トークンを戦場に出す」という《起源室》をコントロールしていた。《起源室》がアレックスのコントロール下にあった間にアレックスのコントロール下で戦場に出したマイア・トークンはアレックスがオーナーなので、アレックスがゲームから除外されたら、それらはすべてゲームを除外される。他のプレイヤーのコントロール下で戦場に出たマイア・トークンは、そのプレイヤーがオーナーなので、ゲームに残る。
800.4b あるオブジェクトのコントローラーが、既にゲームから除外されたプレイヤーになることになった場合、そうはならない。トークンが、既にゲームから除外されたプレイヤーのコントロール下で戦場に出ることになった場合、そのトークンは発生しない。プレイヤーが、ゲームから除外されたプレイヤーによってコントロールされることになった場合、そうはならない。
800.4c ゲームに残っているプレイヤーにあるオブジェクトのコントロールを与える 効果が終わった時点で、そのオブジェクトのコントローラーをゲームに残っている他のプレイヤーに与える 効果が存在しない場合、そのオブジェクトを戦場に出したプレイヤーがすでにゲームを離れていたなら、そのオブジェクトは追放される。これは状況起因処理ではなく、この処理はそのコントロール変更効果が終わった瞬間に発生する。
800.4d ゲームから除外されたプレイヤーがオーナーであるオブジェクトがいずれかの領域に生成される場合、そのオブジェクトは生成されない。ゲームから除外されたプレイヤーがコントロールする誘発型能力がスタックに置かれる場合、それはスタックに置かれない。
例:《霊体の地滑り》は「いずれかのプレイヤーがカードをサイクリングするたび、クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。そうした場合、次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーをそのオーナーのコントロール下で戦場に出す」というエンチャントである。アレックスのターンに、ビアンカはこの能力を使い、アレックスの《惑乱の死霊》を追放した。そのターンの間に、ビアンカがゲームから除外された。ターン終了時に、《惑乱の死霊》を戦場に戻そうとする《霊体の地滑り》の遅延誘発型能力が誘発するが、スタックに置かれない。《惑乱の死霊》は戦場に戻らない。
800.4e 戦闘ダメージがゲームから除外されたプレイヤーに割り振られる場合、そのダメージはただ割り振られない。
800.4f 何らかのオブジェクトが、ゲームから除外されているプレイヤーに選択を求める場合、そのオブジェクトのコントローラーは別のプレイヤーを選んで選択を行なわせる。元の選択がオブジェクトのコントローラーの対戦相手によって行なわれていた場合、可能なら、そのプレイヤーは他の対戦相手を選ぶ。
800.4g 何らかの効果が特定のプレイヤーの情報を必要とする場合、その効果はそのプレイヤーがゲームに残っている場合は現在の値を用いる。そうでない場合、その効果はそのプレイヤーがゲームから除外される直前の、最後の情報を用いる。
800.4h プレイヤーが自分のターンの間にゲームから除外される場合、そのターンはアクティブ・プレイヤーがいない状態で継続される。アクティブ・プレイヤーが優先権を得る場合、その代わりに、状況に応じて、ターン順で次のプレイヤーが優先権を得るか、スタックの一番上のオブジェクトが解決されるか、フェイズやステップが終了する。
800.4i プレイヤーがゲームから除外されたとき、そのプレイヤーの次のターン、あるいはそのターン内のいずれかの瞬間まで持続する継続的効果は、そのターンが始まるはずだった瞬間まで残る。即座に終了するわけでもなければ、永続するわけでもない。
800.4j プレイヤーがゲームから除外されたとき、そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクトの内でアンティ 領域にあるものはゲームから除外されない。これはrule 800.4aの例外である。rule 407〔アンティ〕参照。
800.4k プレインチェイス戦では、次元 コントローラーとされているプレイヤーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなった後で、前の次元 コントローラーがゲームを離れる。rule 309.5 参照。
800.5. 多人数戦において、各プレイヤーが最初にマリガンを行なう場合、6枚ではなく7枚の手札を引く。それ以降のマリガンでは、通常通り1枚ずつ手札が減らされていく。
800.6. 双頭巨人戦以外の多人数戦において、開始プレイヤーは最初のターンのドロー・ステップを飛ばさない。双頭巨人戦において、先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。rule 103.7 参照。
800.7. 「影響範囲限定」選択ルール(rule 801 参照)を使っていない多人数戦において、あるプレイヤーがゲームに勝利するという効果は、その代わりにそのプレイヤーの対戦相手すべてがゲームに負ける。
801.1. 「影響範囲限定」はほとんどの多人数戦に適用できる選択ルールである。「皇帝戦」変種ルール(rule 809 参照)では常に、また、5人以上のプレイヤーによるゲームではしばしば用いられる。
801.2. プレイヤーの影響範囲とは、そのプレイヤーから何プレイヤー分離れたところまで影響が及ぶかという最大の距離のことを言う。そのプレイヤーから指定された距離以内の席に座っているプレイヤーは、そのプレイヤーの影響範囲内にいる。あるプレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーがコントロールしているオブジェクトも、同じく影響範囲内にある。影響範囲は、呪文、能力、効果、ダメージ、攻撃、選択、勝利について考慮される。
801.2a 影響範囲として選ばれる数字は、主として1席または2席である。プレイヤーによって影響範囲が違うこともありうる。
例:影響範囲が1席の場合、自分自身とその隣に座っているプレイヤーだけが影響範囲内にいる。
例:影響範囲が2席の場合、自分自身とその両隣、さらにもう1席隣にいるプレイヤーまでが影響範囲内となる。
801.2c 各ターンの開始時に、誰が誰の影響範囲内にいるのかが決定される。
例:影響範囲1席のゲームで、アレックスはロブの左隣に座っていて、ロブの右隣はカリッサだった。カリッサはアレックスの影響範囲内にいない。ロブがゲームから除外されると、その次のターンの開始時から、カリッサはアレックスの影響範囲に入ることになる。
801.3. クリーチャーは、そのコントローラーの影響範囲内にいる対戦相手か、そのコントロールするプレインズウォーカーにだけ攻撃できる。影響範囲内に対戦相手がいない場合、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーは攻撃できない。
801.4. プレイヤーの影響範囲外にあるオブジェクトやプレイヤーは、そのプレイヤーの呪文や能力の対象にならない。
801.5. 複数のプレイヤーに選択を行なわせるカードが存在するが、これらのカードは「影響範囲限定」選択ルールを用いた場合には機能し方が異なる。
801.5a オブジェクトまたはプレイヤーを選ばせる場合、その選ぶプレイヤーは自分の影響範囲内から選ばなければならない。
例:影響範囲1席のゲームで、アレックスはロブの左に座っていた。アレックスが《クォムバッジの魔女》の「クリーチャー1体またはプレイヤー1人と、いずれかの対戦相手の選んだ別のクリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《クォムバッジの魔女》はその前者に1点、その後者に1点のダメージを与える」という能力をロブを対象に、またロブに対象を選ばせる対戦相手として指定して、起動した。ロブの選ぶことのできる対象は、彼と《クォムバッジの魔女》のコントローラーの両方の影響範囲内にあるものに限られる。すなわち、ロブ自身かアレックス、またはそのどちらかがコントロールしているクリーチャーということになる。
801.5b プレイヤーが、(オブジェクトから選ぶのではなく)1つ以上の選択肢から選ぶ場合、その選択肢が影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーを参照していても、選ぶことができる。
例:影響範囲2席のアレックスが、ロブの左に座っている。影響範囲1席のカリッサはロブの右に座っている。アレックスは「いずれかの対戦相手は以下から1つを選ぶ ─ 「あなたはカードを2枚引く」「ターン終了時まで、あなたのコントロールするクリーチャーはそれぞれ+2/+2の修整を得る」」という呪文を唱え、カリッサに選択させることを選んだ。アレックスはカリッサの影響範囲外だが、カリッサはモードを選択することができる。
801.5c 効果に必要な選択を行なえるプレイヤーが影響範囲内にいない場合、その効果のコントローラーの左側で一番近いプレイヤーが選択を行なう。
例:影響範囲1の「皇帝戦」において、皇帝が「あなたのライブラリーの上から5枚を公開し、対戦相手はそれらのカードを2つの束に分ける。その束の1つをあなたの手札に入れ、もう1つをあなたの墓地に置く」という《嘘か真か》を唱えた。皇帝の影響範囲内には対戦相手はいないので、皇帝の左側でもっとも近くにいる対戦相手がカードを束に分ける。
801.6. プレイヤーは、その影響範囲外にあるオブジェクトの起動型能力を起動できない。
801.7. 誘発型能力は、その誘発イベント全体が発生源のコントローラーの影響範囲内で起こらない限り誘発しない。
例:影響範囲1のゲームで、アレックスはボブの左に座っていた。ロブはアレックスの《ルーン爪の熊》にオーラを2つつけていて、一方は「エンチャントされているクリーチャーがブロックされるたび」誘発するもので、もう一方は「エンチャントされているクリーチャーがいずれかのクリーチャーにブロックされるたび」誘発するものであった。アレックスの《ルーン爪の熊》が左隣のプレイヤーに攻撃し、ブロックされた場合、1つめのオーラの誘発イベント(《ルーン爪の熊》がブロックされる)はロブの影響範囲内で完結しているので、1つめのオーラは誘発する。2つめのオーラは、ロブの影響範囲外にあるブロック・クリーチャーが関係しているので、誘発しない。
801.7a 誘発イベントの中にオブジェクトが影響範囲を出入りすることが含まれる場合、そのイベントの種類によって決定される、直前又は直後の状況を使用して誘発するかどうかを決定する。rule 603.6 参照。
例:カリッサとアレックスはお互いに影響範囲外にある。カリッサはアレックスがオーナーである《ルーン爪の熊》をコントロールしており、また、それぞれが「他のクリーチャーが1体戦場を離れるたび、プレイヤー1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーは、自分のライブラリーの一番上から2枚のカードを自分の墓地に置く」を選んでもよい。」という能力を持つ《絞り取る悪魔》をコントロールしている。その《ルーン爪の熊》が破壊され、アレックスの墓地に置かれた場合、戦場を離れる イベントはアレックスの影響範囲外で起こったので、アレックスの《絞り取る悪魔》の能力は誘発しない。一方、そのクリーチャーはカリッサの影響範囲外である墓地に置かれるが、戦場を離れる イベントはカリッサの影響範囲内で起こっているので、カリッサの《絞り取る悪魔》の能力は誘発する。
801.8. オーラはそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーにエンチャントすることはできない。オーラが不正なオブジェクトやプレイヤーについた場合、状況起因処理でオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
801.9. 装備品はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトに装備されることはできない。城砦はそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトを城砦化することはできない。装備品や城砦が不正なパーマネントについた場合、状況起因処理ではずれて戦場に残る。rule 704 参照。
801.10. 呪文や能力は、そのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーには影響を与えられない。効果の、影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす部分は何もしない。そうでない部分は通常通り影響を及ぼす。
例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「《紅蓮地獄》はそれぞれのクリーチャーに2点のダメージを与える」という《紅蓮地獄》を唱えた。《紅蓮地獄》は、アレックスとその両隣のプレイヤーの3人がコントロールしているクリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与えるが、他のクリーチャーにはダメージを与えない。
801.11. 呪文や能力がゲームの情報を必要とする場合、そのコントローラーの影響範囲内の情報しか得られない。コントローラーの影響範囲外のオブジェクトやイベントに関しての情報を用いることはできない。
例:それぞれのプレイヤーの影響範囲が1席な6人による多人数戦で、アレックスは「各クリーチャーは、共通のクリーチャー・タイプを持つ他のクリーチャー1体につき+1/+1の修正を受ける」という《旗印》をコントロールしている。アレックスのクリーチャーは、アレックスとその両隣のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに応じて強化されるが、それ以外のクリーチャーは考慮に入れない。
例:同じゲームで、ロブはアレックスの右隣に座っている。《旗印》はロブのクリーチャーを、ロブの影響範囲外であるアレックスの左隣のプレイヤーも含む、アレックスの影響範囲内のプレイヤーがコントロールしているクリーチャーに基づいて強化する。
801.12. 「レジェンド・ルール」(rule 704.5k 参照)は、同名の伝説の パーマネントがもう1つ、伝説の パーマネントのコントローラーの影響範囲内にあるときにのみ適用される。
例:アレックスの影響範囲が1席で、カリッサの影響範囲が2席、その間にロブが座っているとする。アレックスがコントロールしているものと同名の伝説の パーマネントをカリッサが出したとすると、カリッサのコントロールするものだけが墓地に置かれることになる。
801.13. 「ワールド・ルール」(rule 704.5m 参照)は、ワールド・パーマネントがもう一つ、ワールド・パーマネントのコントローラーの影響範囲内にあるときにのみ適用される。
801.14. 「プレインズウォーカーの唯一性ルール」(rule 704.5j 参照)は、同じプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーがそのコントローラーの影響範囲内にある場合にのみ適用される。
801.15. 置換・軽減効果は、特定のイベントが起こるのを待ち、そしてその全体または一部を置換する。「影響範囲限定」選択ルールにより、置換後のイベントが実行できない効果を含むようになることもありうる。その場合、その不可能な効果は単に無視される。rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照。
801.15a 置換効果が、呪文や能力の効果をそのコントローラーの影響範囲外のオブジェクトやプレイヤーに及ぼそうとした場合、イベントのその部分は何もしない。
例:アレックスは「プレイヤー1人を対象とする。《溶岩の斧》はそのプレイヤーに5点のダメージを与える」という《溶岩の斧》を、ロブを対象にして唱えた。これに対応してロブは「クリーチャー1体またはプレイヤー1人と、別のクリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。このターン、その前者に与えられる次のダメージX点は、代わりにその後者に与えられる」という《艦長の操艦》を、Xを3とし、もう1つの対象をアレックスの影響範囲外のプレイヤー、カリッサにした。この場合、《溶岩の斧》の解決時に起こるのはロブに2点のダメージを与えることだけで、カリッサにはダメージは与えられない。
801.15b 呪文や能力が、ある発生源からのダメージを軽減するという効果を生成した場合、その呪文や能力のコントローラーの影響範囲内にその発生源が存在しなければ影響を及ぼさない。逆に、パーマネントやプレイヤーに与える ダメージを軽減するという効果を生成した場合、そのパーマネントやプレイヤーが影響範囲内に無ければ影響を及ぼさない。発生源も軽減先も特定されていないダメージを軽減する効果は、発生源と軽減先の両方が影響範囲内になければ軽減しない。
例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。アレックスが「クリーチャーによって与えられるダメージを全て軽減する」というエンチャントを出している場合、カリッサがロブにクリーチャーで攻撃したら、戦闘ダメージは通常通り与えられる。
例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。カリッサがロブを対象に、「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。《電撃破》はそれに4点のダメージを与える」という《電撃破》を唱えた。これに対応して、アレックスはロブを対象に、「クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを4点だけ軽減する。」という《繕いの手》を唱えた。ロブへのダメージは軽減される。
例:ロブはアレックスの影響範囲内にいて、カリッサは影響範囲外にいる。カリッサがロブをクリーチャーで攻撃して、ロブはそれをクリーチャーでブロックした。アレックスが「このターン与えられる戦闘ダメージを全て軽減する」という《濃霧》を唱えた。カリッサとロブのクリーチャーはお互いに戦闘ダメージを与えあう。
801.16. 何らかの効果によってプレイヤー1人が勝利する場合、その代わりに、そのプレイヤーの影響範囲内にいる対戦相手全てはゲームに負けになる。
801.17. 呪文や能力の効果によってゲームが引き分けになる場合、その呪文や能力のコントローラーとその影響範囲内にいるすべてのプレイヤーは引き分けになり、ゲームから離れる。残りのプレイヤーはゲームを続ける。
801.18. ゲームが選択的でない処理による「ループ」を作り、それを止める方法がない場合、そのループに含まれるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー、ならびにその各プレイヤーの影響範囲内にいるプレイヤーは、そのゲームにおいて引き分けとなる。それらのプレイヤーはゲームから除外され、他のプレイヤーがゲームを続ける。
801.19. ゲームを再び開始する(rule 714 参照)効果は、影響範囲 制限 選択ルールの例外である。そのゲームに参加している全てのプレイヤーは、新しいゲームに含まれる。
801.20. 大乱闘戦以外の多人数プレインチェイス戦において、次元 カードや現象 カードは「影響範囲限定」選択ルールの影響を受けない。それらの能力やその効果は、ゲーム内にいる適用されうるオブジェクトやプレイヤーすべてに影響を及ぼす。rule 901〔プレインチェイス戦〕参照。
802.1. 「複数への攻撃」は、アクティブ・プレイヤーが他のプレイヤー複数人に対して攻撃することを認める選択ルールである。この選択ルールを用いた場合にも、攻撃時に1人のプレイヤーだけを攻撃することは可能である。
802.2. 戦闘フェイズの開始時に、攻撃 プレイヤーは防御プレイヤーとなる対戦相手を選ばない。その代わりに、戦闘フェイズの間、攻撃 プレイヤーの対戦相手全てが防御プレイヤーとなる。
802.2a ルール、オブジェクト、効果で「防御プレイヤー」を参照するものは、特定の防御プレイヤー1人を参照する。全防御プレイヤーを参照するわけではない。攻撃クリーチャーの能力が防御プレイヤーを参照している場合、あるいは単一の呪文や能力が攻撃クリーチャーと防御プレイヤーの両方を参照している場合、特に規定されていない限り、そのクリーチャーがその戦闘において攻撃クリーチャーになった時に攻撃していたプレイヤー、あるいはそのクリーチャーがその戦闘において攻撃クリーチャーになった時に攻撃していたプレインズウォーカーのコントローラーだけを参照する。複数の攻撃クリーチャーに適用される呪文や能力である場合、該当する防御プレイヤーはそれぞれの攻撃クリーチャーごとに別々に決定される。複数の防御プレイヤーが選びうる場合、その呪文や能力のコントローラーが1人を選ぶ。
例:ロブは《ルーン爪の熊》でアレックスを攻撃し、山渡りを持つクリーチャーでカリッサを攻撃した。山渡りを持つクリーチャーがブロックされないかどうかは、カリッサが山をコントロールしているかどうかによる。
802.3. 攻撃 プレイヤーは、攻撃クリーチャーを指定する際に、それぞれの攻撃する防御プレイヤーを選択する。rule 508〔攻撃クリーチャー指定ステップ〕参照。
802.3a 特定のプレイヤーを攻撃する際に適用されるものでない制限や強制は、攻撃クリーチャー全体を見て判断される。特定のプレイヤーを攻撃することに対して適用される制限や強制は、そのプレイヤーを攻撃するクリーチャー群にだけ適用される。攻撃クリーチャー全体としても攻撃は適正でなければならない。rule 508.1 参照。
802.3b バンドを組んでいるクリーチャーは、ばらばらのプレイヤーに攻撃できない。rule 702.20〔バンド〕参照。
802.4. 複数のプレイヤーに攻撃している場合、防御プレイヤーは、ブロック・クリーチャー指定ステップに、APNAP順でブロック・クリーチャーを指定する。(rule 101.4 ならびに rule 509〔ブロック・クリーチャー指定ステップ〕参照。)最初の防御プレイヤーがブロックの宣言を追えた後、次の防御プレイヤーが宣言を行なう。
802.4a 防御プレイヤーは自分のコントロールしているクリーチャーでのみブロックできる。それらのクリーチャーはそのプレイヤー自身かそのコントロールするプレインズウォーカーに攻撃してきたクリーチャーだけをブロックでき、他のプレイヤーやプレインズウォーカーを攻撃しているクリーチャーをブロックすることはできない。
802.4b 防御プレイヤーのブロックが適正かどうかを判断するにあたって、他のプレイヤーを攻撃しているクリーチャーや他のプレイヤーがコントロールするブロック・クリーチャーは考慮しない。
802.5. ブロック・クリーチャーの指定後、クリーチャーが複数のクリーチャーをブロックしていた場合、各防御プレイヤーはAPNAP順でそのブロックしている攻撃クリーチャー群の中のダメージ割り振り順を、それぞれのブロック・クリーチャーごとに宣言する。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
802.6. 戦闘ダメージはAPNAP順で割り振られる。それ以外の点では、戦闘ダメージ・ステップは2人対戦の時と同じように進む。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
803.1. 多人数戦では「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」と呼ばれるルールが用いられることがある。
803.1a 「左翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはそのすぐ左隣に座っているプレイヤーにしか攻撃できない。左隣のプレイヤーが対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。
803.1b 「右翼への攻撃」選択ルールを用いる場合、プレイヤーはそのすぐ右隣に座っているプレイヤーにしか攻撃できない。右隣のプレイヤーが対戦相手でない場合、そのプレイヤーは攻撃できない。
804.1. 「皇帝戦」変種ルールでは、必ず「クリーチャー配置」選択ルールが用いられる。また、他の変種ルールでもチームが機能するために用いることができる。個人個人で戦う多人数戦では、この選択ルールはまず用いられない。
804.2. 全てのクリーチャーは「{T}: チームメイト1人を対象とする。そのプレイヤーはこのクリーチャーのコントロールを得る。この能力はソーサリーが唱えられるときにのみ起動できる」という能力を持つ。
805.1. チーム同士で戦う多人数戦において、「共有チーム・ターン」という選択ルールが存在する。これは、「双頭巨人戦」変種ルール(rule 904 参照)並びにアーチエネミー戦・カジュアル変種ルール(rule 811 参照)においては必ず用いられる。これは、チームごとに固まって座っている場合にのみ用いることができる。
805.2. 各チーム内で、もっとも右に座っているプレイヤーがそのチームの主プレイヤーとなる。チームに属するプレイヤーが、たとえばクリーチャーの攻撃や誘発型能力をスタックに置く順番などの選択に同意できなかった場合、主プレイヤーがその決定を行なう。
805.3. rule 103.2 に記されている方法を用いて、どちらのチームが先攻になるかを決める。この方法で決定されたチームは開始チームとなる。
805.3a マリガンを行なう手順についても、対応して修整される。まず、開始チームの各プレイヤーがそのチーム内で決めた順番でマリガンを行なうかどうかを決定する。その後、ターン順に、他のチームのプレイヤーが同様の手順を踏む。この決定の間、チームメイトは相談してもよい。すべての選択が行なわれた後、全てのマリガンが同時に行なわれる。プレイヤーは、チームメイトがマリガンをしないことを選んだ後でもマリガンを続けても良い。rule 103.4 参照。
805.3b ゲーム開始時に戦場に出した状態で始められるカードの扱いについても、対応して修整される。開始チームのプレイヤーの手札に戦場に出した状態でゲームを始められるカードがあった場合、それを好きな順番で好きなだけ戦場に出してもよい。この決定について、チームメイトと相談してもよい。その後、他のチームのプレイヤーがターン進行順に同様の処理を行なう。
805.4a 現在のターンを行なっているチームがアクティブ・チームであり、それ以外のチームが非アクティブ・チームである。
805.5a プレイヤーは、自分のチームが優先権を持っている時、呪文を唱えたり能力を起動したり特別な処理を行なったりできる。
805.5b チームが優先権を持っていて、そのチームのどのプレイヤーも何もしたくなかった場合、そのチームはパスする。すべてのチームが続けてパスした場合(つまり、全てのチームがパスする間にどのプレイヤーも何もしなかった場合)、スタックの一番上にあるオブジェクトが解決され、その後アクティブ・チームが優先権を得る。スタックが空の時に全てのチームが続けてパスした場合、そのフェイズやステップが終了し、次のフェイズやステップが始まる。
805.6. アクティブ・プレイヤー、非アクティブ・プレイヤー順ルール(rule 101.4 参照)は、「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる場合には修整される。複数のチームが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・チームが必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順で非アクティブ・チームが必要な選択を行なっていく。複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・チームのプレイヤーが好きな順番で必要な選択をすべて行ない、そのあとでターン進行順で次の非アクティブ・チームのプレイヤーが必要な選択を行なっていく。全ての選択の終わった後、全ての処理は同時に行なわれる。
805.6a 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いたゲームで、効果によって複数のプレイヤーがカードを引く 場合、まずアクティブ・チームの各プレイヤーが、好きな順番でカードを引き、その後、ターン順に、他の非アクティブ・チームの各プレイヤーが同様に行なう。
805.7. 複数の誘発型能力が、いずれかのチームが優先権を得る前に誘発していた場合、アクティブ・チームのプレイヤーから自分のコントロールしている誘発型能力を好きな順番でスタックに置き、その後、ターン順に、他の非アクティブ・チームの各プレイヤーが同様に行なう。
805.8. 効果によってプレイヤーが追加のターンを得たり追加のフェイズやステップを得たりした場合、そのプレイヤーのチームがその追加のターン、フェイズ、ステップを得る。効果によってプレイヤーがステップやフェイズやターンを飛ばす 場合、そのプレイヤーのチームが影響を受ける。単一の効果によって、同じチームの複数のプレイヤーが同一のステップやフェイズやターンを得たり飛ばしたりする場合、そのチームが得たり飛ばしたりするのはそのステップやフェイズやターン1つだけである.効果によってプレイヤーが他のプレイヤーをコントロールする 場合、その効果のコントローラーは、影響を受けたプレイヤーのチームをコントロールする。
805.9. 「アクティブ・プレイヤー」を参照する能力は、アクティブ・プレイヤー1人だけを参照する。アクティブ・チームのプレイヤー全員を参照するわけではない。その能力のコントローラーは、その能力が参照するのは誰なのかをその効果の適用時に選ぶ。
806.1. 「無差別戦」多人数戦では、プレイヤーはそれぞれ個人個人として競い合う。
806.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常は、「無差別戦」では、以下の選択ルールを用いる。
806.2a 「無差別戦」においては、「影響範囲限定」は用いない。行なう場合、全てのプレイヤーが同じ広さの影響範囲を持ち、その広さは開始前に定める。rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照。
806.2b 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」選択ルールのうちいずれか1つを用いる。rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕ならびに rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。
806.2c 「クリーチャー配置」選択ルールは、「無差別戦」では用いない。
807.1. 「大乱闘戦」変種ルールは「無差別戦」の拡張ルールであり、それぞれのプレイヤーが個人として戦いあう形式である。10人以上のプレイヤーが参加する時に用いられる。
807.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「大乱闘戦」では、以下の選択ルールを用いる。
807.4. 「大乱闘戦」変種ルールは、複数のプレイヤーが同時にターンを進めることを認めている。ターンマーカーを用い、誰が現在ターンを進めているのかが判るようにするとよい。ターンマーカーを持つプレイヤーがそれぞれアクティブ・プレイヤーとなる。
807.4a 4人ごとに1つ(切り捨て)、ターンマーカーを用いる。
Example: 16人による「大乱闘戦」では、ターンマーカーを4つ用いる。15人なら3つである。
807.4b ゲームの開始プレイヤーが最初のターンマーカーを持つ。以降左回り4席ごと(5番目のプレイヤー)に2つめのターンマーカーを置き、以下同様に、ターンマーカーを置く。ターンマーカーには順番を示す数が記されており、それらのマーカーを持ったプレイヤーは同時にターンを進める。
807.4c プレイヤーは、自分のターンが終わった後、ターンマーカーを左隣のプレイヤーに渡す。ターンマーカーを持つプレイヤーが自分のターンの間にゲームから除外された場合、そのターンの終了後に、その左にいるプレイヤーがターンマーカーを得る。ターンマーカーを持つプレイヤーが自分のターンが始まる前にゲームから除外された場合、その左にいるプレイヤーが即座にターンマーカーを得る。
807.4d 自分から見て左3人までにマーカーがあるプレイヤーがマーカーを受け取った場合、そのプレイヤーは自分のターンを始めることはできない。その場合、左4人目にマーカーが渡るまで、そのプレイヤーは待つことになる。
807.4e プレイヤーがゲームから除外され、それによってターンマーカーの数が減る場合、その除外されたプレイヤーのすぐ右にあるターンマーカーが取り除かれると予定される。複数のプレイヤーが同時にゲームから除外され、それによってターンマーカーが取り除かれうる状況になった場合、より小さい番号のマーカーが取り除かれると予定される。ターンマーカーが複数回取り除かれると予定されることがある。
807.4f 1人または複数のプレイヤーがゲームから除外され、それによってターンマーカーの数が減るという決定(rule 807.4e 参照)に関して、既に取り除かれる予定になっているターンマーカーは無視する。
807.4g ターン進行中のプレイヤーが、取り除かれる予定になっているターンマーカーを持っている場合、そのターンマーカーはそのターンの終了後に次のプレイヤーに渡されずに除去される。ターン進行中でないプレイヤーが、取り除かれる予定になっているターンマーカーを持っている場合、そのターンマーカーは即座に除去される。除去されたターンマーカーが複数回取り除かれる予定になっていた場合、その右にあるターンマーカーが、その回数引く1回、取り除かれる予定になる。
807.4h 1人あるいは並んだプレイヤーがゲームから除去される場合、次のターンが始まるまでは、除去されたプレイヤーのどちらの隣にいたプレイヤーも他方の影響範囲に入らない。
807.4i 効果によって、ターンマーカーを持っているプレイヤーが追加のターンを得た場合、そのプレイヤーはターンマーカーが近すぎない限り、ターンマーカーを保持したまま次のターンに入る。プレイヤーの左3席以内にターンマーカーがあった場合、追加ターンを始めるのは第4席のプレイヤーがターンマーカーを持つまで待つ。右3席以内にターンマーカーがある場合、最初のターンが終わった時点ですぐにターンマーカーを次に回し、次のターンマーカーがついた時に自分のターンに入る前に、その追加のターンを行なう。
807.4j プレイヤーが現在のターンの次に追加のターンを得る場合、その時点でそのプレイヤーがターンマーカーを持っていないのなら、そのプレイヤーは自分の次のターンの直前に追加のターンを得る。
例:アレックスのターンに、彼は《Time Walk》を唱え、これによって追加のターンを得た。そのターンの間に、アレックスの左にいたプレイヤーがゲームから除外され、ターンマーカーが近づいてしまった。アレックスのターンが終わった時点で彼のターンマーカーは取り除かれ、次に彼の通常のターンが回ってくる直前までは追加のターンを得ることはできない。
807.5. 「大乱闘戦」では、ターンマーカーごとに1つずつの、複数のスタックを用いる。
807.5a プレイヤーはある特定のターンマーカーのスタックについて、それが自分の影響範囲内にあるか、そのスタック上にあるオブジェクトが自分の影響範囲内にいるプレイヤーによってコントロールされている場合に限り優先権を得る。
807.5b 複数のスタックの優先権を持っているプレイヤーが呪文を唱えたり、能力を起動したり、そのコントロールする誘発型能力が誘発したりした場合、そのプレイヤーはどのスタックに呪文や能力を乗せるかを選ぶ。スタック上にあるオブジェクトが誘発型能力を誘発させた場合、その誘発型能力はそのスタックに置かなければならない。あるスタックの呪文や能力を解決したことによって、プレイヤーが呪文を唱えたり呪文のコピーを作ったりした場合、新しい呪文はそのスタックに置かなければならない。呪文や能力がスタック上にあるオブジェクトを対象とする場合、その呪文や能力は対象と同じスタックに置かなければならない。複数のスタックに存在するオブジェクトを対象にすることはできない。
808.1. チーム対抗戦は、2つ以上のチームによってプレイされる。各チームには何人のプレイヤーがいてもよい。
808.2. 各チームはそれぞれテーブルの1辺に並んで座る。各チーム内で、座る順番を決める。
808.3. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「チーム対抗戦」では、以下の選択ルールを用いる。
808.4. 誰が最初にプレイするかを決めるために、どちらかのチームを無作為に選ぶ。そのチームのプレイヤーが奇数であれば、その真ん中に座っているプレイヤーから始める。そのチームのプレイヤーが偶数であれば、中心点の左隣のプレイヤーから始める。ターン順で次のプレイヤーは左隣のプレイヤーである。
808.5. 「チーム対抗戦」変種ルールにおいては、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
809.1. 「皇帝戦」は各チーム3人からなる複数のチームによって行なわれる。
809.2. 各チームはテーブルの一辺に並んで席に着く。それぞれのチームごとに、席順を決める。チームの中で1人が皇帝となり、チームの中央に座る。残り2人は将軍と呼ばれ、皇帝を守ることになる。
809.3. 「皇帝戦」では通常、以下の選択ルールを用いる。
809.3a 影響範囲は皇帝が2、将軍が1とする。rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照。
809.3b 「皇帝戦」では「クリーチャー配備」選択ルール(rule 804 参照)を用いる。
809.3c プレイヤーはその隣に座っている対戦相手にだけ攻撃できる。
Example: 「皇帝戦」の開始時には、どちらの皇帝も相手を攻撃することはできない。相手の将軍は呪文の影響範囲に入っているので、呪文の対象にすることはできる。
809.4. どちらの皇帝が先攻か、無作為の方法で決める。その後、ターンはそのプレイヤーから左に進む。
809.5. 「皇帝戦」変種ルールでは、ゲームの終了は以下の特例に従うと同時に、通常のルール(rule 104 参照)も適用される。
809.6. 「皇帝戦」変種ルールは、同じサイズのチーム同士ならチームがいくつあってもプレイできる。チームが4人以上のプレイヤーからなる場合、影響範囲は適宜決めなおす必要がある。
809.6a 各将軍の影響範囲は、ゲームの開始時に相手のチームの将軍が1人影響範囲に入る最少の数にするべきである。各皇帝の影響範囲は、ゲームの開始時に相手のチームの将軍が2人影響範囲に入る最少の数にすべきである。皇帝が他の皇帝の影響範囲に入った状態でゲームを始めることがないように座るべきである。
Example: 4人チームの皇帝戦では、プレイヤーは、チームA将軍1、チームA皇帝、チームA将軍2、チームA将軍3、チームB将軍1、チームB皇帝、チームB将軍2、チームB将軍3、と並ぶ形になる。各皇帝の影響範囲は3、将軍2の影響範囲は2、将軍1と将軍3の影響範囲は1となる。
809.7. 「皇帝戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
810.1. 「双頭巨人戦」は2人ずつのチーム2組によって行なわれる。
810.2. 双頭巨人戦では、「共有チーム・ターン」選択ルール(rule 805 参照)を用いる。
810.3. それぞれのチームは、テーブルの片側に並んで座る。どう座るかはそれぞれのチームが決める。
810.4. ライフ総量はチームごとに合算され、30点から始まる。
810.5. 「双頭巨人戦」では、共用ライフ総量と毒カウンターを例外として、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトはお互いの手札を見せあったり戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
810.6. 先攻のチームは最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。
810.7. 「双頭巨人戦」変種ルールは、他の多人数戦と異なる戦闘ルールを用いる。
810.7a 各チームのクリーチャーは、グループで他のチームを攻撃する。戦闘フェイズの間、アクティブ・チームは攻撃 チームとなり、アクティブ・チームの各プレイヤーは攻撃 プレイヤーとなる。同様に、非アクティブ・チームは防御チームとなり、そのプレイヤーは防御プレイヤーとなる。
810.7b 「防御プレイヤー」を参照する単発的効果は、両方の防御プレイヤーではなく、いずれか1人の防御プレイヤーを参照する。その効果のコントローラーが、その効果が適用される時にどちらのプレイヤーを参照するかを決定する。「攻撃 プレイヤー」を参照する場合も同じである。
「防御プレイヤー」を参照する特性定義能力は、両方の防御プレイヤーではなく、いずれか1人の防御プレイヤーを参照する。その特性定義能力を持つオブジェクトのコントローラーが、非アクティブ・プレイヤーが防御プレイヤーになった時にどちらのプレイヤーを参照するかを決定する。
それ以外のあらゆる場合において、「防御プレイヤー」は防御プレイヤーの両方を指す語として用いられる。肯定的比較(例えば、防御プレイヤーが島をコントロールしているかどうかを見る場合)、相対的比較(あなたが防御プレイヤーよりも多くのクリーチャーをコントロールしているかどうかを見る場合)の際には、解は1つだけ与えられる。それぞれの防御プレイヤーについて比較を行ない、そのいずれかが真ならば真になる。否定的比較(防御プレイヤーが黒のパーマネントをコントロールしていないかどうかを見る場合)にも、解は一つだけ与えられる。それは、対応する肯定的比較の解が偽であるときに真となる。これは「攻撃 プレイヤー」を参照する場合も同じである。
810.7c 攻撃クリーチャー指定ステップ開始に際して、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーを指定する。いずれかの防御プレイヤーがコントロールするオブジェクトの効果によってそのプレイヤーを攻撃できないクリーチャーは、防御チームを攻撃することはできない。アクティブ・チームの攻撃は一群で行ない、その攻撃クリーチャー群は全体として適正でなければならない。rule 508.1 参照。
例:双頭巨人戦のあるプレイヤーが、「テフェリーの濠が戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。」「選ばれた色の飛行を持たないクリーチャーは、あなたを攻撃できない。」という《テフェリーの濠》をコントロールしている場合、相手チームの、その色で飛行を持たないクリーチャーは、攻撃できない。
810.7d ブロック・クリーチャー指定ステップ開始に際して、防御チームはブロック・クリーチャーを指定する。防御プレイヤーのコントロールするクリーチャーは、攻撃クリーチャーをブロックできる。防御チームによるブロックは一群で行ない、ブロック・クリーチャーは全体として適正でなければならない。rule 509.1 参照。
例:攻撃クリーチャーが森渡りを持っていて、防御チームの一方のプレイヤーだけが《森》をコントロールしている場合、そのクリーチャーはブロックされない。
810.7e ブロック・クリーチャーが指定された後、複数のクリーチャーによってブロックされた攻撃クリーチャーのそれぞれについて、アクティブ・チームはそのブロック・クリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を宣言する。その後、複数のクリーチャーをブロックしているクリーチャーごとに、防御プレイヤーはそのブロックしている攻撃クリーチャー群の中でのダメージ割り振り順を宣言する。
810.7f 戦闘ダメージ・ステップ開始に際して、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーがどのように戦闘ダメージを割り振るかを宣言する。攻撃クリーチャーが防御チームにダメージを割り振る場合、アクティブ・チームは攻撃クリーチャーごとに防御プレイヤーを1人選び、そのプレイヤーにダメージを割り振る。アクティブ・チームのダメージの割り振り宣言が終わったら、防御チームが同様に戦闘ダメージを割り振る。rule 510.1 参照。
810.8. 「双頭巨人戦」でのゲームの勝敗は、通常のルール(rule 104 参照)に従う。が、以下の追加と特例がある。
810.8a プレイヤーはチーム単位でのみ勝ち、あるいは負けとなる。個人での勝敗は存在しない。チームのいずれかのプレイヤーが負けとなったら、チームは負けとなる。いずれかのプレイヤーが勝ちとなったら、チームの勝ちとなる。何らかの効果でプレイヤーが勝利できない場合、そのプレイヤーのチームは勝利できない。何らかの効果でプレイヤーが敗北しない場合、そのプレイヤーのチームは敗北しない。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたは、ライフが0以下になることによって敗北しない」という《卓絶》をコントロールしている。このプレイヤーのチームのライフが0以下になったとしても、そのチームは負けにならない。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーがカードを引くべきときにライブラリーにカードが残っていなかったとしたら、そのプレイヤーは負けとなり、そのプレイヤーの属するチームの負けとなる。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたはゲームに敗北しない。あなたの対戦相手はゲームに勝利しない」という《白金の天使》をコントロールしている。この場合、そのコントローラーとチームメイトは《白金の天使》が戦場にある限り、敗北しない。対戦相手のチームは勝利しない。
810.8b プレイヤーが投了したら、そのチームは即座にゲームから除外され、そのチームの負けとなる。
810.8c チームの共用ライフが0以下である場合、次にいずれかのチームが優先権を得るときにそのチームの負けとなる(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
810.8d チームが15個以上の毒カウンターを持っている場合、そのチームはゲームに負ける(これは状況起因処理である。rule 704 参照)。
810.9. ダメージ、ライフの喪失、ライフの増加は、それぞれのプレイヤー個々に発生する。結果はチームの共用ライフに適用される。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「《火炎の裂け目》はすべてのプレイヤーに4点のダメージを与える」という《火炎の裂け目》を唱えた場合、各チームは8点ずつダメージを受ける。
810.9a 何らかのコストや効果が特定のプレイヤーのライフ総量の値を必要とする場合、代わりに、そのチームの共用ライフ総量を用いる。
例:「双頭巨人戦」でチームのライフが残り17点のときに、そのチームのプレイヤーが「プレイヤー1人を対象とし、そのプレイヤーのライフの総量を2倍にする。」という《」という《不死の標》の対象となった。そのプレイヤーは17点のライフを得て、チームのライフ総量は34点となる。
例:「双頭巨人戦」で、プレイヤーが「あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが50点以上である場合、あなたはゲームに勝利する」というエンチャントである《忍耐の試練》をコントロールしている。そのプレイヤーのアップキープの開始時に勝利するためには、チームのライフの合計が50点以上あればよい。
例:「双頭巨人戦」で、共有ライフ総量が11点のチームのプレイヤーが「あなたのライフの半分を支払う(端数切り上げ): 隠れ潜む邪悪は飛行を持つ4/4のホラー・クリーチャーとなる」というエンチャント《隠れ潜む邪悪》をコントロールしている。これを起動するためには、そのプレイヤーは6点のライフを支払う必要があり、チームの共有ライフ総量は5点となる。
810.9b コストや効果によって、チームの両方のプレイヤーが同時にライフを支払う 場合、両プレイヤーの支払う ライフの合計がそのチームのライフ総量を超えてはならない(プレイヤーは常に0点のライフを支払うことができる)。
810.9c 効果によってあるプレイヤー1人のライフ総量がある値になった場合、そのプレイヤーはライフ総量をその値にするために必要な量のライフを得たり失ったりする。チームのライフ総量は、その増減と同じだけ変化する。
例:「双頭巨人戦」で、あるチームの共用ライフ総量が25点の時、「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライフ総量は10点になる」という呪文を唱えたとする。そのプレイヤーのライフ総量は25点と考えられるので、そのプレイヤーは15点のライフを失う。そのチームの共用ライフ総量は10点になる。
810.9d 効果によってチームの両方のプレイヤーのライフがある値になる場合、そのチームはメンバーの1人を選ぶ。そのチームにおいては、そのプレイヤーだけが影響を受ける。
例:「双頭巨人戦」で、あるチームの共用ライフ総量が7点で、もう一方のチームの共有ライフ総量が13点であるとする。プレイヤーが「各プレイヤーのライフの総量は、すべてのプレイヤーの中で最も低いライフの総量になる。」という《等価返し》を唱えた場合、各チームはチームの中の1人を選ぶ。その選択の結果、13点のライフを持つチームの選ばれたプレイヤーは6点のライフを失い、そのチームの共有ライフ総量は7点となる。
810.9e プレイヤーはライフ総量をチームメイトと交換できない。効果によってそのようなことが起こる場合、その交換は発生しない。
810.9f 効果によって、プレイヤーがプレイヤーのライフ総量を再配分する場合、各チームのチーム内から2人以上のプレイヤーを選ぶことはできない。
810.9g 効果によって、あるプレイヤーがライフを得ることができない場合、そのプレイヤーのチームのプレイヤー全員がライフを得ることができない。
810.9h 効果によって、あるプレイヤーがライフを失うことができない場合、そのプレイヤーのチームのプレイヤー全員がライフを失ったり、0点以外のライフを支払ったりすることができない。
810.10. プレイヤーに毒カウンターを得させる効果は、各プレイヤーにそれぞれ独立に起こる。毒カウンターはチームで共有される。
810.10a 何らかの効果が各プレイヤーに何個の毒カウンターがあるのかの情報を必要とする場合、その効果はそのチームの持つ毒カウンターの数を用いる。
810.10b 何らかの効果がプレイヤーから毒カウンターを失わせる場合、そのプレイヤーのチームはその数の毒カウンターを失う。
810.10c 何らかの効果によってプレイヤーが毒カウンターを得られない場合、そのプレイヤーのチームに属するどのプレイヤーも毒カウンターを得られない。
810.11. 「双頭巨人戦」は各チーム3人以上でもプレイできる。3人目以降のプレイヤー1人につき、そのチームの初期ライフ総量は15増え、そのチームが負けるために必要な毒カウンターの数は5個増える(これらの変種ルールを三頭巨人、四頭巨人……などと呼ぶこともある)。
811.1. 「交互チーム戦」は同人数によるチーム複数によって行なわれる。
811.2. 多人数戦での選択ルールのうちどれを使うかは、プレイの開始前に決定する。通常、「交互チーム戦」では、以下の選択ルールを用いる。
811.2a 影響範囲は2席を推奨する。rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照。
811.2b 「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」「複数への攻撃」選択ルールのうちいずれか1つを用いる。rule 803〔「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」選択ルール〕ならびに rule 802〔「複数への攻撃」選択ルール〕参照。
811.2c 「クリーチャー配置」選択ルールは、「交互チーム戦」では通常用いられない。
811.3. ゲームの開始時に、プレイヤーはチームメイト同士が隣にならないように、そしてチームが同等にばらばらになるように座る。
例:3チームによる交互チーム戦では、最初の座り方はA1, B1, C1, A2, B2, C2, A3, B3, C3 というようになる。
811.4. プレイヤーは、隣り合っていない対戦相手に攻撃することはできない。
811.5 「交互チーム戦」変種ルールでは、チームのリソース(手札のカード、マナなど)は共有されない。チームメイトは隣り合わせに座っていない限り、お互いの手札を見せあってはならない。戦略を相談したりしても構わないが、チームメイトのカードやパーマネントを操作することはできない。
900.1. この節は特定のカジュアル変種ルールにおいて用いられる追加の選択ルールについて述べる。これは網羅的な物ではない。
900.2. カジュアル変種ルールは、定形のマジックのゲームでは用いられない追加の領域、ルール、カード、その他ゲームの要素を用いる。
901.1. プレインチェイス戦 変種ルールにおいて、次元 カードと現象 カードはさらなる能力と無作為性をゲームに導入する。プレインチェイス戦 変種ルールでは、マジックの通常のルールすべてを用いるのに加え、以下の追加ルールを用いる。
901.2. プレインチェイス戦は2人戦でも多人数戦でも行なうことができる。多人数戦の場合、原則として、無差別戦 変種ルールと「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
901.3. 通常のゲームの物品に加えて、各プレイヤーは10枚以上の次元 カードや現象 カードからなる次元デッキを準備しなければならない。また、ゲームの進行には次元ダイスが1つ必要である。次元デッキには現象 カードは2枚までしか入れることができない。次元デッキには同名のカードが2枚以上入っていてはならない。(rule 309〔次元〕、rule 310〔現象〕参照)
901.3a 次元ダイスは6面体のサイコロである。1つの面にはプレインズウォーカー・シンボル{PW}が、他の1つの面にはカオス・シンボル{C}が記されている。他の面は何も記されていない。
901.4. ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の次元デッキを切り直し、カードの順が無作為になるようにする。それらのデッキはそれぞれオーナーのライブラリーの隣に裏向きで置かれる。ゲームの間を通して、次元 カードや現象 カードは次元デッキの中にあるときも表向きであるときも統率 領域にあり続ける。
901.5. すべてのプレイヤーが最初の手札を確定させ、ゲームの開始時に開始時の手札から処理を行なえるカードの能力を使った後、開始プレイヤーは自分の次元デッキの一番上のカードを取って表向きにする。もしそのカードが次元 カードならば、そのカードが開始時の次元となる。現象 カードならば、そのカードを自分の次元デッキの一番下に置き、次元 カードが表向きになるまでこの手順を繰り返す(rule 103.6 参照)。この手順の間、表向きになったカードの能力が誘発することはない。
901.6. 次元 カードや現象 カードのオーナーは、そのカードを自分の次元デッキに入れてゲームを始めたプレイヤーである。表向きの次元 カードや現象 カードのコントローラーは、次元 コントローラーとして指定されたプレイヤーである。通常、次元はその時点でのアクティブ・プレイヤーによってコントロールされている。しかし、現在の次元 コントローラーがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないプレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のプレイヤーがアクティブ・プレイヤーになるまでの間、指定されたままとなる。
901.7. 統率 領域にある表向きの次元 カードや現象 カードの能力は、その領域から機能する。そのカードの常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発することができ、起動型能力は起動することができる、
901.7a 表向きの次元 カードや現象 カードが裏向きになった場合、それは新しいオブジェクトになる。
プレインチェイス戦では、「あなたが{PW}を出したとき、プレインズウォークする。」という暗黙の能力が存在する。これは「プレインズウォーク 能力」と呼ばれる。この能力には発生源は存在せず、誘発させた次元ダイスを振ったプレイヤーがコントロールする。これは rule 112.8 の例外である。
901.9. アクティブ・プレイヤーが優先権を持っていてスタックが空の場合、自分のメイン・フェイズの間なら、そのプレイヤーは次元ダイスを振ることが出来る。そのプレイヤーは、この処理を行なうためのコストとして、そのターンにこの処理を既に行なった回数に等しいだけのマナを支払う。これは特別な処理であり、スタックを用いない。そのターンの間に効果によって次元ダイスを振っていた場合、次元ダイスを振った回数と等しくならないことに注意すること(rule 115.2f 参照)。
901.9a 次元ダイスの目が無地の場合、何も起こらない。アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
901.9b 次元ダイスの目がカオス・シンボル{C}の場合、表向きの次元 カードの持つ「あなたが{C}を出したとき/When you roll {C}」という能力が誘発し、スタックに置かれる。アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
901.9c 次元ダイスの目がプレインズウォーカー・シンボル{PW}の場合、「プレインズウォーク 能力」が誘発し、スタックに置かれる。アクティブ・プレイヤーは優先権を得る。
901.10. プレイヤーがゲームを離れるとき、そのプレイヤーがオーナーであるすべてのオブジェクトはゲームを離れる(rule 800.4a 参照)。これに表向きの次元 カードや現象 カードが含まれる場合、次元 コントローラーは自分の次元デッキの一番上のカードを表向きにする。これは状況起因処理ではなく、プレイヤーがゲームを離れたら即座に発生する。
901.11. ゲームが開始した後、プレイヤーが自分の次元デッキの一番上のカードを取って表向きにした場合、そのプレイヤーが『プレインズウォーク』したという。プレイヤーのプレインズウォークが終わるまで残る継続的効果は終わる。プレイヤーがプレインズウォークしたときに誘発する能力は誘発する。rule 701.21 参照。
901.11a プレイヤーは「プレインズウォーク 能力」の結果として(rule 901.8 参照)、あるいは表向きの次元 カードや現象 カードのオーナーがゲームを離れたことによって(rule 901.10 参照)、あるいは現象 カードの誘発型能力がスタックを離れたことによって(rule 704.5x 参照)プレインズウォークする。能力によってプレインズウォークすることもある。
901.11b 表向きになった次元 カードは、そのプレイヤーがプレインズウォークした次元である。裏向きになった、あるいはゲームを離れた次元 カードや現象 カードは、そのプレイヤーがプレインズウォークした元の次元や現象である。
901.11c 複数の次元 カードが表向きになっている時にプレイヤーがプレインズウォークした場合、そのプレイヤーはそれら全ての次元からプレインズウォークする。
901.12. 双頭巨人戦プレインチェイス戦では、多人数戦 「双頭巨人戦」変種ルールのすべてのルールと、カジュアル変種ルール プレインチェイス戦のすべてのルールに加え、以下のルールを用いる。
901.12b 次元 コントローラーは通常、アクティブ・チームの第1プレイヤーである。しかし、現在の次元 コントローラーのチームがゲームを離れる場合、ターン順で次になる、ゲームを離れないチームの第1プレイヤーが次元 コントローラーとなり、その後で元の次元 コントローラーのチームはゲームを離れる。新しい次元 コントローラーは、そのプレイヤーがゲームを離れるか、あるいは他のチームがアクティブ・チームになるまでの間、指定されたままとなる。
901.12c 表向きの次元 カードや現象 カードは1人のプレイヤーによってコントロールされるが、その次元 カードや現象 カードの持つ能力で「あなた/you」を参照する物は次元 コントローラーのチームの両方のメンバーに適用される。
901.12d アクティブ・チームの各メンバーはアクティブ・プレイヤーであるので、それぞれが次元ダイスを振ることができる。各プレイヤーの次元ダイスを振るためのコストは、そのプレイヤー自身が何度次元ダイスを振ったかによって定まる。
901.13. 大乱闘戦以外の多人数戦形式において、次元 カードや現象 カードは「影響範囲限定」選択ルールの影響を受けない。その能力、および能力の効果は、適用できるすべてのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす。(rule 801〔「影響範囲限定」選択ルール〕参照)
901.14. 大乱闘戦 プレインチェイス戦においては、複数の次元 カードや現象 カードが同時に表向きになる。
901.14a ゲームの第1ターン開始前に、ターン・マーカーを持ってゲームを始めるプレイヤーはそれぞれ開始時の次元を決める(rule 901.5 参照)。それらのプレイヤーが次元 コントローラーである。
901.14b プレイヤーがゲームを離れ、それによってゲームのターン・マーカーの数が減る場合、そのプレイヤーがまず次元 コントローラーでなくなり(他のプレイヤーも次元 コントローラーにならない)、それからそのプレイヤーがゲームを離れる。そのプレイヤーがコントロールしていた表向きの次元 カードや現象 カードは、オーナーの次元デッキの一番下に置かれる。プレインズウォークしたものとしては扱わない。
901.15a 代替の選択ルールとして、プレインチェイス戦は全員で公共次元デッキを用いて行なうことができる。この場合、次元デッキのカード枚数は最低でも40枚、あるいはゲームに参加している人ごとに10枚のいずれか少ない方の枚数が必要となる。次元デッキにはプレイヤー数の2倍を超える現象 カードを入れることはできない。次元デッキに同名のカードが入っていてはならない。
901.15b 「単一次元デッキ」選択ルールを用いたプレインチェイス戦において、次元 コントローラーは次元デッキ内の全てのカードのオーナーとして扱う。
902.1. ヴァンガード ヴァンガード戦 変種ルールにおいて、ヴァンガード・カードを用いて各プレイヤーは有名キャラクターを演じることができる。プレイヤーはそれぞれ1枚の表向きののヴァンガード・カードを持ち、それらのカードの能力その他の特性がゲームに影響を与える。ヴァンガードヴァンガード戦 変種ルールは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
902.2. ヴァンガード戦は2人戦でも ヴァンガード戦は2人戦でも多人数戦でも良い。
902.3. 通常のゲームの物品に加え、各プレイヤーははヴァンガード・カードを1枚ずつ必要とする。ヴァンガード・カードはゲームの開始前に、オーナーのライブラリーの隣に表向きに配置される。ヴァンガード・カードはゲームの間、統率 領域にあり続ける。
902.4. 各プレイヤーのライフ総量の初期値は20点に、そのそのヴァンガード・カードのライフ補正子による修整を加えたものである。
例: 例: ヴァンガード・カードのライフ補正子が-3であるプレイヤーは、ライフ17点からゲームを始める。
902.5. 各プレイヤーは7枚に、そのそのヴァンガード・カードの手札補正子による修整を加えた枚数のカードを引く。
902.5a ヴァンガード戦で ヴァンガード戦でマリガンをする場合、通常のゲームと同じように、手札を自分のライブラリーに戻して切り直し、その前よりも1枚少ないだけの手札を引く。(多人数戦においては、1回目のマリガンは最初の手札と同じ枚数引く。)
例: 例: ヴァンガード・カードの手札補正子が+2であるプレイヤーは、最初、9枚のカードを引く。そのプレイヤーがマリガンする場合、次に引くのは8枚である。さらにマリガンをした場合、7枚になる。
902.5b プレイヤーの手札の上限は、7にその7にそのヴァンガード・カードの手札補正子による修整を加えた枚数である。
例: 例: ヴァンガード・カードの手札補正子が-1であるプレイヤーの手札の上限は、6である。クリンナップ・ステップの開始に際して7枚以上のカードを持っていた場合、6枚を残して残りを捨てることになる。
902.6. ヴァンガード・カードのオーナーは、それを統率 領域に置いてゲームを始めたプレイヤーである。ヴァンガード・カードのコントローラーは、そのオーナーである。
902.7. 統率 領域にある表向きののヴァンガード・カードの能力は、その領域で機能する。カードの常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発でき、起動型能力は起動できる。
903.1. 統率者戦 変種ルールでは、デッキは、そのデッキの統率者として指定された伝説の クリーチャーによって率いられる。統率者戦 変種ルールは、ファンによって作られ、一般化してきたものである。独立したルール委員会が追加のリソースを http://mtgcommander.net/ において管理している。統率者戦 変種ルールでは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
903.2. 統率者戦は2人戦でも多人数戦でも良い。多人数戦は通常、無差別戦 変種ルールに「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
903.3. 各デッキには統率者として指定される伝説の クリーチャー・カードが1枚含まれる。この指定はそのカードで示されたオブジェクトの特性ではなく、そのカードそのものの持つ属性である。領域を変更したとしても、そのカードはこの指定を受け続ける。
例: (《イクシドロン》の効果などで)裏向きになった統率者は、やはり統率者である。(《細胞形成》の効果などで)他のカードのコピーになった統率者は、やはり統率者である。(《影武者》が墓地にある統率者をコピーしたなどで)統率者をコピーしたパーマネントは、統率者ではない。
903.4. 統率者戦 変種ルールにおいては、ある統率者を使うデッキに入れることが出来るカードを決定するために固有色を用いる。カードの固有色とは、そのカードのマナ・コストやルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、その特性定義能力(rule 604.3 参照)や色指標(rule 204 参照)によって定義される色のことである。
例:《鉄のゴーレム、ボッシュ》は伝説の アーティファクト・クリーチャーで、そのマナ・コストは{8}、「{3}{R}, アーティファクトを1個生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。鉄のゴーレム、ボッシュはそれに、生け贄に捧げられたアーティファクトの点数でみたマナ・コストに等しい点数のダメージを与える。」の能力を持つ。この場合、ボッシュの固有色は赤である。
903.4b カードの固有色を決定するに際し、注釈文は無視する。rule 207.2 参照。
903.4c カードの固有色を決定するに際しては、両面カードの夜の面(rule 711 参照)を考慮する。
例:《礼儀正しい識者》は両面カードの昼の面であり、そのマナ・コストは{2}{U}である。《人殺しの粗暴者》はその両面カードの夜の面であり、赤の色指標を持つ。このカードの固有色は、青と赤である。
903.5. 統率者戦 デッキは以下のデッキ 構築ルールに従う。
903.5a デッキには、統率者をあわせてちょうど100枚のカードが含まれなければならない。
903.5b 基本 土地以外のカードは、すべてがそれぞれ異なるカード名でなければならない。
903.5c 統率者戦のデッキに入れることができるカードは、その固有色の全てがそのデッキの統率者の固有色に含まれるものだけである。
例:《ボガートの汁婆》は、例:《略奪の母、汁婆》は、マナ・コストが{4}{R/G}{R/G}の伝説の クリーチャーであり、その固有色は赤と緑である。《ボガートの汁婆》を《略奪の母、汁婆》を統率者とする統率者 デッキに含まれるカードは、赤、緑、赤緑、無色のどれかでなければならない。マナ・コストやカードのルール文章に含まれるマナ・シンボルは、赤、緑、赤緑、無色のどれかでなければならない。
903.5d 基本土地タイプを持つカードをデッキに入れる場合、統率者のマナ・コストに含まれる色のマナを出すものでなければならない。
例: 《ボガートの汁婆》の例: 《略奪の母、汁婆》の固有色は赤と緑である。《ボガートの汁婆》《略奪の母、汁婆》統率者 デッキには、基本土地タイプ 山や森だけを持つ土地 カードは入れられるが、他の基本土地タイプ(平地、沼、島)を持つ土地 カードを入れることはできない。
903.6. ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の統率者をデッキから取り出し、統率 領域に表向きで置く。各プレイヤーは残りの99枚のカードからなるデッキを切り直し、それをライブラリーとしてゲームを始める。
903.7. 開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフ総量を40点にし、7枚のカードを引く。
903.8. 統率者戦カジュアル変種ルールでは、異なったマリガン・ルールを用いる。プレイヤーがマリガンする場合、手札すべてをライブラリーに混ぜ入れるのではなく、手札から好きな枚数のカードを裏向きで追放し、その枚数より1枚少ないだけのカードを引く。この方法でマリガンをしている間、そのプレイヤーは裏向きで追放しているカードを見てもよい。最初の手札が決定したら、そのプレイヤーはこの方法で取り除いたカードすべてをライブラリーに混ぜ入れる。
903.9. 統率者のマナ・コストに含まれない色のマナがプレイヤーのマナ・プールに入る場合、その代わりにそれと同量の無色のマナがそのプレイヤーのマナ・プールに入る。
903.10. プレイヤーは、統率 領域にある自分の統率者を唱えることができる。そうする場合、それ以前にそのゲームの間に統率 領域から統率者を唱えた回数ごとに{2}を追加コストとして支払う。
903.11. 統率者がいずこかからオーナーの墓地に置かれる場合、そのプレイヤーは代わりにそれを統率 領域に置いても良い。
903.12. 統率者がいずこかから追放 領域に置かれる場合、そのプレイヤーは代わりにそれを統率 領域に置いても良い。
903.13. カードがどこかから裏向きに追放 領域に置かれ、その追放状態のカードを見ることが出来る場合、そのプレイヤーは必ず即座に見なければならない。それが他のプレイヤーがオーナーである統率者である場合、それを見たプレイヤーはそれを表向きにし、統率 領域に置く。
903.14. 統率者戦 変種ルールでは、ゲームの勝敗に関して次のルールを適用される。それ以外のゲームの終了に関するルールはすべて適用される(rule 104 参照)。
904.1. アーチエネミー戦 変種ルールにおいて、プレイヤーのチームは強力な計略 カードで強化された1人の対戦相手と対峙する。アーチエネミー戦 変種ルールでは、以下の追加ルールを含む、通常のマジックのルールを用いる。
904.2. 通常、アーチエネミー戦は、2つのチームによる多人数戦「チーム対抗戦」変種ルール(rule 808)で、「複数への攻撃」選択ルール(rule 802 参照)、「共有チーム・ターン」選択ルール(rule 805)を使用し、他の選択ルールは使用しない。
904.3. 通常のゲームの物品に加え、魔王戦では20枚以上の計略 カードからなる計略 デッキを必要とする。計略 デッキには同じ英語名を持つカードは2枚までしか入れることはできない。(rule 312〔計略〕参照)。
904.4. ゲームの開始時に、魔王は自分の計略 デッキを切り直し、無作為の順番にする。計略 デッキは魔王のライブラリーのそばに裏向きに置かれる。全ての計略 カードはゲームの間、計略 デッキの一部である間も表向きの間も統率 領域にあり続ける。
904.5. 魔王のゲーム開始時のライフ総量は40点である。他のプレイヤーのゲーム開始時のライフ総量は20点である。
904.6. 無作為に選ばれたプレイヤーでなく、魔王がゲームの第1ターンを行なう。
904.7. 計略 カードのオーナーは、それを統率 領域に置いてゲームを始めたプレイヤーである。表向きの計略 カードのコントローラーはそのオーナーである。
904.8. 統率 領域にある表向きの計略 カードの能力は、その領域で機能する。常在型能力はゲームに影響を及ぼし、誘発型能力は誘発可能となり、起動型能力は起動可能となる。
904.9. 魔王の戦闘前メイン・フェイズが開始した直後に、そのプレイヤーは計略 デッキの一番上のカードをデッキから取り除いて表向きにする。この行動を「計略を実行中にする」(rule 701.22 参照)と言う。このターン起因処理はスタックを用いない。「この計略が実行中になったとき」に誘発する計略 カードの能力が誘発する。
904.10. 持続でない計略 カードが統率 領域で表向きになり、それが誘発してからスタックに残っている誘発型能力の発生源でない場合、次に優先権が発生した際にその計略 カードは裏向きになり、オーナーの計略 デッキの一番下に置かれる。(それは状況起因処理である。rule 704 参照)
904.11. 持続 計略 カードが実行中になったら、能力によってそれが破棄されるまで統率 領域で表向きであり続ける。(rule 701.23〔破棄する〕参照)。
904.12a プレイヤーは各プレイヤーがそれぞれに計略 デッキを持った無差別戦を行なうという選択ルールが存在する。「複数への攻撃」選択ルールを用い、他の多人数戦 選択ルールは用いない。
904.12b このゲームでは全てのプレイヤーが魔王である。
904.12c 通常の無差別戦と同じように、開始プレイヤーは無作為に決定される。それ以外の、アーチエネミー戦で魔王に適用されるルールは、魔界大決戦では全てのプレイヤーに適用される。
マジック・ザ・ギャザリング オリジナル・ゲームデザイン: Richard Garfield
マジック総合ルールのデザイン・デベロップメント: Paul Barclay, Beth Moursund, and Bill Rose, with contributions from Charlie Katana, John Carter, Elaine Chase, Laurie Cheers, Stephen D'Angelo, Dave DeLaney, Brady Dommermuth, Mike Donais, Skaff Elias, Mike Elliott, Richard Garfield, Mark L. Gottlieb, Dan Gray, Robert Gutschera, Collin Jackson, William Jockusch, Jeff Jordan, 米村 薫, Russell Linnemann, Jim Lin, Steve Lord, Sheldon Menery, Michael Phoenix, Mark Rosewater, David Sachs, Lee Sharpe, Eli Shiffrin, Henry Stern, Matt Tobak, Ingo Warnke, Tom Wylie, Donald X. Vaccarino, Thijs van Ommen, and Bryan Zembruski
編集: Del Laugel、Kelly Digges
マジック・ルールマネージャー: Matt Tabak
マジックは Richard Garfieldと、Charlie Cantina, Skaff Elias, Don Felice, Tom Fontaine, Jim Lin, Joel Mick, Chris Page, Dave Pettey, Barry "Bit" Reich, Bill Rose, Elliott Segal の手によってデザインされた。マナ・シンボルは、Christopher Rush によるデザインです。
我々のプロジェクト・チームのメンバーをはじめ、このプロダクトに関った全ての人に感謝します。
翻訳:*ぱお*/米村 薫
翻訳協力:ムリア、JFK、みやけん、Vorspiel、I.C.A.、エリエル、ishan、九印、たかのを、あけぼの、みらこー、LANCER、鴨屋 真、KakiP、平良俊幸、ガレッガ、Ysman、タカーP、ミズタマ、とみやす、まにおお、金澤遊、石田貴弘、すがや、Unyara、バーン、やまぴい、chlamy、testing、らぁ、まいなーでーもん、ヴぁ、BOOOT、edy
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このルールは2012年5月1日から有効です。このルールは2012年7月1日から有効です。
ご質問は最寄りのウィザーズ社オフィス、またはJapan NetRep *ぱお*/米村 薫 まで。